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特表2024-530153抗微生物コーティング組成物及びそれを用いた抗微生物コーティング鋼板
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  • 特表-抗微生物コーティング組成物及びそれを用いた抗微生物コーティング鋼板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】抗微生物コーティング組成物及びそれを用いた抗微生物コーティング鋼板
(51)【国際特許分類】
   C09D 167/00 20060101AFI20240808BHJP
   C09D 5/14 20060101ALI20240808BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20240808BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240808BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20240808BHJP
   B32B 15/04 20060101ALI20240808BHJP
   A01N 59/06 20060101ALN20240808BHJP
   A01P 1/00 20060101ALN20240808BHJP
   A01P 3/00 20060101ALN20240808BHJP
【FI】
C09D167/00
C09D5/14
C09D7/63
C09D7/61
C09D7/20
B32B15/04 Z
A01N59/06 Z
A01P1/00
A01P3/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506228
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 KR2022012469
(87)【国際公開番号】W WO2023027439
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111302
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、 デュ-ファン
【テーマコード(参考)】
4F100
4H011
4J038
【Fターム(参考)】
4F100AA21B
4F100AA23B
4F100AA37B
4F100AB03A
4F100AB09A
4F100AB10A
4F100AB18A
4F100AB31A
4F100AD11B
4F100AH03B
4F100AH08B
4F100AK41B
4F100AK51B
4F100AL01B
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA03
4F100CA02B
4F100CA13B
4F100CA30B
4F100CC00B
4F100EH46B
4F100EH71A
4F100EJ65C
4F100JC00B
4F100YY00B
4H011AA03
4H011AA04
4H011BB18
4J038DG012
4J038DG262
4J038GA04
4J038GA08
4J038GA11
4J038HA036
4J038HA056
4J038HA206
4J038HA216
4J038HA416
4J038JA02
4J038JA03
4J038JA18
4J038JA27
4J038JB18
4J038JB26
4J038JB34
4J038KA03
4J038KA08
4J038KA20
4J038MA10
4J038MA14
4J038NA01
4J038NA04
4J038NA12
4J038PA19
4J038PC02
(57)【要約】
本発明は、コーティング組成物の全重量を基準に、ポリエステル樹脂30~60重量%;硬化剤3~15重量%;抗微生物剤0.1~5重量%;顔料0.1~15重量%;及び残部の溶剤を含む、抗微生物コーティング組成物に関する。本発明は、さらに、鋼板;及び上記鋼板の少なくとも一面に形成される抗微生物コーティング層を含み、上記抗微生物コーティング層の少なくとも一部に抗微生物剤を含み、上記抗微生物剤は、Z/(M+Ca)の含量比が0.1~0.5であり、上記MはCa、Ba、Mg、Zn、Ni、Fe又はAlであり、上記ZはP、As、V又はSiである抗微生物コーティング鋼板に関する。本発明による抗微生物コーティング組成物は、抗微生物剤を含むものであって、上記組成物がコーティング層を形成する場合、抗微生物剤がコーティング層の表面に濃化するため、水分とともに塗膜の表面に吸着された微生物が塗膜の表面で生成されたヒドロキシラジカル種と水酸化アニオンによって効果的に死滅するようになり、本発明による抗微生物コーティング組成物を用いたコーティング鋼板は、意匠性に優れるだけでなく、加工性、耐化学性などに優れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング組成物の全重量を基準に、ポリエステル樹脂30~60重量%;硬化剤3~15重量%;抗微生物剤0.1~5重量%;顔料3.0~15重量%;及び残部の溶剤を含む、抗微生物コーティング組成物。
【請求項2】
前記ポリエステル樹脂は、ウレタン変性ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項3】
前記硬化剤は、アジリジン系硬化剤、メラミン系硬化剤又はイソシアネート系硬化剤である、請求項1に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項4】
前記抗微生物剤は、M10(ZO及びCa(OH)の混合物であり、前記MはCa、Ba、Mg、Zn、Ni、Fe又はAlであり、前記ZはP、As、V又はSiであり、前記XはF、OH、Cl、O、又はCOである、請求項1に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項5】
前記抗微生物剤は、Ca10(PO(OH)及びCa(OH)が重量比で3:1~1:3で混合されたものである、請求項4に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項6】
前記顔料は、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、酸化第二鉄(Fe)及び二酸化チタン(TiO)からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項7】
前記顔料は、粒径が0.01~20μmであり、吸油量が5~60%である、請求項1に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項8】
前記組成物のPMT(peak metal temperature)は180~260℃である、請求項1に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項9】
前記溶剤は、トルエン、キシレン、イソプロパノール、ソルベントナフサ、セロソルブ、セロソルブアセテート及びブチルセロソルブからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の抗微生物コーティング組成物。
【請求項10】
鋼板;及び前記鋼板の少なくとも一面に形成される抗微生物コーティング層を含み、前記抗微生物コーティング層の少なくとも一部に抗微生物剤を含み、前記抗微生物剤は、Z/(M+Ca)の重量比が0.1~0.5であり、前記MはCa、Ba、Mg、Zn、Ni、Fe又はAlであり、前記ZはP、As、V又はSiである、抗微生物コーティング鋼板。
【請求項11】
前記鋼板はめっき鋼板である、請求項10に記載の抗微生物コーティング鋼板。
【請求項12】
前記めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、アルミニウムめっき鋼板又は亜鉛-アルミニウム-マグネシウム(Zn-Al-Mg)の三元系合金めっき鋼板である、請求項11に記載の抗微生物コーティング鋼板。
【請求項13】
前記抗微生物剤は、M10(ZO及びCa(OH)が重量比で、3:1~1:3で混合された混合物であり、前記MはCa、Ba、Mg、Zn、Ni、Fe又はAlであり、前記ZはP、As、V又はSiであり、前記XはF、OH、Cl、O、又はCOである、請求項10に記載の抗微生物コーティング鋼板。
【請求項14】
前記抗微生物コーティング層は、乾燥後の厚さが3~40μmである、請求項10に記載の抗微生物コーティング鋼板。
【請求項15】
前記抗微生物コーティング鋼板は、鋼板と抗微生物コーティング層との間に備えられるプライマーコーティング層をさらに含む、請求項10に記載の抗微生物コーティング鋼板。
【請求項16】
鋼板;及び前記鋼板の少なくとも一面に形成される抗微生物コーティング層を含み、前記抗微生物コーティング層は、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗微生物コーティング組成物で形成されたものである、抗微生物コーティング鋼板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル樹脂、硬化剤、抗微生物剤、顔料及び溶剤を含む抗微生物コーティング組成物及びそれを用いた抗微生物コーティング鋼板に関し、細菌、ウイルス及びカビの死滅効果に優れ、長期間使用時にも耐久性及び意匠性に優れた抗微生物コーティング組成物及び抗微生物コーティング鋼板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行により社会経済的な問題が深刻であるだけでなく、ワクチンや治療剤の開発が急がれる状況である。ヒトや動物に病気を引き起こす微生物には、「生物安全度レベル2」に該当するA、C、B型肝炎ウイルス、HIV(AIDS)ウイルス、大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラ菌、熱帯熱マラリア原虫、「生物安全度レベル3」に該当する結核菌、コロナウイルス(SARS1、MERS、SARS2)、チクングニヤ熱ウイルス、黄熱ウイルス、脳炎ウイルス、Q熱ウイルス、リケッチア・リケッチ、ブルセラ、ウエストナイルウイルス、野兎病菌、「生物安全度レベル4」に該当するエボラウイルス、マールブルグ(Marburg)ウイルス、ラッサウイルス、天然痘など、様々な種類がある。
【0003】
現在、世界中に広がっているCOVID-19ウイルスは、球状のリン脂質とタンパク質からなる外皮の中にRNA核酸を含むウイルスである。ほとんどのウイルスはヒト又は動物の宿主細胞に浸透し、宿主細胞のリボソームを利用して核酸を大量に複製して増殖する。ウイルスは細菌やカビに比べてサイズが小さく、短時間内に伝播と複製が可能であり、変異が速く、治療剤やワクチンの開発が容易でないという問題点がある。
【0004】
このような脅威が存在する有害な環境を解決するための努力の一環として、我々の生活において必須素材である鋼板の表面にウイルス、細菌及びカビを不活性化又は死滅させることができる、抗ウイルス、抗菌及び抗カビ機能を付与することができる表面処理製品の開発が求められている。
【0005】
最近、銅金属の表面、ナノ金属又は金属イオン、第四級アンモニウムイオンが細菌及び一部のウイルスに対する死滅機能を有することが報告されている。Cu金属は、表面から溶出したナノ金属が細菌あるいはウイルスの外皮の中に浸透して複製機能を失うようにするため、微生物が死滅する効果を有し、Ag、Ni、Znなどの金属イオンも類似のメカニズムで微生物が死滅する効果を有することが報告されている。第四級アンモニウムを含む高分子は固有の疎水性官能基が細菌又はウイルスの外皮に結合してその機能を破壊することによって微生物が死滅する効果を有すると報告している。しかし、このような化合物による抗微生物作用は、素材の表面に処理を施した際、その効果が完全でないだけでなく、長時間を要するという問題点がある。特に、家電及び建材用に使用されるカラー鋼板は、20年以上の長期使用のために通常20mm以上の塗膜厚さで製造しており、上記金属の場合、液状のコーティング組成物に製造して鋼板にコーティングすると、金属の高い密度により塗膜の内部に存在する可能性が高く、塗膜の表面での機能性を発揮しにくいという問題点がある。
【0006】
また、長期使用時、銅金属のように酸化によって塗膜の表面色が変化する金属の場合、変色の問題がある。また、第四級アンモニウムを使用する場合、一部の効果が現れるものの、即効性が不十分で完全ではないため、使用に制限がある。
【0007】
したがって、抗微生物性コーティング組成物及びそれを用いたコーティング鋼板が提供される場合、関連分野で広く適用できるものと期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ウイルス、細菌及びカビを死滅させることができ、金属の代わりに無機化合物を使用するため、長期間使用しても機能性が大きく変化せず、鋼板に抗微生物効果を付与する抗微生物コーティング組成物を提供するものである。また、本発明は、鋼板の少なくとも一面に上記抗微生物コーティング組成物を用いて形成した抗微生物コーティング層を含む抗微生物コーティング鋼板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、コーティング組成物の全重量を基準に、ポリエステル樹脂30~60重量%;硬化剤3~15重量%;抗微生物剤0.1~5重量%;顔料0.1~15重量%;及び残部の溶剤を含む、抗微生物コーティング組成物を提供する。
【0010】
本発明の他の実施形態によれば、鋼板;及び上記鋼板の少なくとも一面に形成される抗微生物コーティング層を含み、上記抗微生物コーティング層の少なくとも一部に抗微生物剤を含み、上記抗微生物剤は、Z/(M+Ca)の含量比が0.1~0.5であり、上記MはCa、Ba、Mg、Zn、Ni、Fe又はAlであり、上記ZはP、As、V又はSiである、抗微生物コーティング鋼板を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明による抗微生物コーティング組成物は、抗微生物剤を含むものであって、上記組成物がコーティング層を形成する場合、抗微生物剤がコーティング層の表面に濃化するため、水分とともに塗膜の表面に吸着された微生物が塗膜の表面で生成されたヒドロキシラジカル種と水酸化アニオンによって効果的に死滅するようになる。また、本発明による抗微生物コーティング組成物を用いたコーティング鋼板は、意匠性に優れるだけでなく、加工性、耐化学性などに優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の抗微生物コーティング鋼板の断面模式図を示したものである。抗微生物剤及び顔料が塗膜内に分散していることを示したものである。
図2】プライマーコーティング層を含む本発明の抗微生物コーティング鋼板の断面模式図を示したものである。抗微生物剤及び顔料が塗膜内に分散していることを示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明は、表面に吸着された微生物を容易に死滅させることができ、鋼板にコーティングして長期間使用する場合にも、無機化合物の特性が大きく変化しない抗微生物コーティング組成物と、上記組成物を用いてコーティングされたコーティング鋼板に関するものである。
【0015】
より詳細に、本発明は、コーティング組成物の全重量を基準に、ポリエステル樹脂30~60重量%、硬化剤3~15重量%、抗微生物剤0.1~5重量%、顔料0.1~15重量%及び残部の溶剤を含む、抗微生物コーティング組成物を提供する。
【0016】
本発明の抗微生物コーティング組成物において使用されるポリエステル樹脂の種類は特に限定されないが、好ましくは、硬化時に塗膜の加工性及び耐化学性に優れたウレタン変性ポリエステル樹脂を使用することができる。
【0017】
また、特に限定されないが、上記ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2,000~30,000であってもよく、好ましくは5,000~25,000であってもよい。分子量が2,000未満であると、塗膜の耐化学性及び加工性が不十分であり、分子量が30,000を超えると、溶液の保存安定性及び作業性が悪くなる可能性があるため好ましくない。
【0018】
さらに、本発明のポリエステル樹脂は、水酸価(Hydroxy value)が10~300(単位)、好ましくは20~200(単位)のものを使用することができ、酸価(Acid value)が5~30mgKOH/g、好ましくは10~25mgKOH/gのものを使用することができる。水酸価及び酸価が下限及び上限の範囲を外れる場合、塗膜の架橋結合性及び塗膜の耐化学性が低下する可能性があるため好ましくない。
【0019】
上記ポリエステル樹脂は、コーティング組成物の全重量を基準に、30~60重量%含まれてもよい。上記範囲を外れる場合、塗膜硬化時に乾燥性が低下することがあり、その他の物性が悪くなる可能性があるため好ましくない。
【0020】
本発明の抗微生物コーティング組成物は、適用される鋼板の耐食性を向上させるために、上記ポリエステル樹脂と共に硬化剤として、特に限定するものではないが、アジリジン系硬化剤、メラミン系硬化剤及びイソシアネート系硬化剤を使用することができる。
【0021】
本発明におけるアジリジン系硬化剤は、好ましくは、下記構造式(a)のようなアジリジン系硬化剤を使用することができる。
【0022】
【化1】
【0023】
上記構造式(a)において、Rは-H、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHOH又は-CHCHOHであってもよく、上記アジリジン系硬化剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0024】
また、本発明のメラミン系硬化剤は、下記構造式(b)のイミノメラミン又は下記構造式(c)のメチル化メラミンを使用することができる。
【0025】
【化2】
【0026】
メラミン系硬化剤を使用する場合、イミノメラミン及びメチル化メラミンを重量比で1:1~1:6で混合して使用することができ、好ましくは1:1~1:4で混合して使用することができる。イミノメラミンは硬化反応速度が速く高速硬化に有利であり、含量が増加すると、硬化度が増加して塗膜の硬度が上昇する。メチル化メラミンは硬化速度は遅いものの、塗膜の平滑性が良くなり、優れた表面品質を提供することができる。したがって、メチル化メラミンにイミノメラミンを添加して使用することにより、塗膜の表面品質を向上させながらも反応速度を向上させることができる。
【0027】
上記イミノメラミンは、例えば、ジメトキシメチルメラミン、トリメトキシメチルメラミン、テルラメトキシメラミン、トリエトキシメチルメラミン又はトリブトキシメチルメラミンであってもよく、上記メチル化メラミンは、ブトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン又はヘキサメトキシメチルメラミンであってもよい。
【0028】
また、本発明のイソシアネート系硬化剤は、下記構造式(d)のモノイソシアネート又は下記構造式(e)のジイソシアネートのようなイソシアネート系硬化剤を使用することができる。
【0029】
【化3】
【0030】
上記構造式(d)において、Rはメチル、エチル、プロピル、フェニル、2-イソプロピルフェニル又はシクロヘキシルであってよく、上記構造式(e)において、R’は1,3-フェニレン、1,4-フェニレン、トリレン-2,4、トリレン-2,6、m-キシリレン、ジシクロヘキシルメタン4,4’、メチレンジフェニル4,4’、又はヘキサメチレンであってもよく、上記イソシアネート系硬化剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0031】
上記硬化剤は、コーティング組成物の全重量を基準に、3~15重量%で含まれてもよい。硬化剤の含量が3重量%未満の場合、乾燥塗膜の硬化反応が良好に行われず、塗膜の物性が低下する可能性があり、15重量%超過の場合、過剰の硬化剤により加工性が悪くなる可能性があるため好ましくない。
【0032】
本発明の抗微生物コーティング組成物は、固有の色を有するために顔料を含むことができる。本発明で使用できる顔料の種類は特に限定されないが、特に、黒色、赤色及び白色顔料からなる群から選択された少なくとも一つの無機顔料を使用することができ、好ましくは、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、酸化第二鉄(Fe)及び二酸化チタン(TiO)からなる群から選択された少なくとも一つを使用することができる。
【0033】
本発明の顔料は、コーティング組成物の全重量を基準に、0.1~15重量%含まれてもよい。上記顔料の含量が0.1重量%未満の場合、鋼板の隠蔽力が十分でなく、色の実現が難しくなる可能性があり、含量が15重量%超過の場合、組成物の粘度が高くなって作業性が悪くなり、美麗な表面外観が得られにくいという問題がある。
【0034】
また、上記顔料は、吸油量が低いものを使用することが好ましく、吸油量が60%未満であることがより好ましく、5~50%であることが最も好ましい。吸油量が60%を超える場合、作業性が悪く、所定の表面質感が得られにくいという問題がある。
【0035】
本発明の顔料は、平均粒子サイズ(粒径)が乾燥塗膜の厚さの±5μmの範囲内のものを使用することが好ましく、例えば、5~30μmのものを使用することができる。さらに、上記有色の無機顔料の他にも、塗膜の防錆性を強化するための防錆顔料をさらに含むことができ、上記防錆顔料としては、コロイダルシリカ、シリカゾル又はアルカリ金属シリケートなどを使用することができる。
【0036】
本発明の抗微生物コーティング組成物は、抗微生物特性を示す抗微生物剤を含むことができる。本発明において微生物とは、原核微生物、真核微生物及び非細胞性微生物を全て含む概念であり、細菌、ウイルス及びカビ等を意味する。
【0037】
本発明の上記抗微生物剤は、M10(ZO、Ca(OH)又はそれらの混合物であってもよく、上記MはCa、Ba、Mg、Zn、Ni、Fe又はAlであってもよく、上記ZはP、As、V又はSiであってもよく、上記XはF、OH、Cl、O又はCOであってもよい。具体的に、上記M10(ZOは、Ca10(PO(OH)又はMg10(PO(OH)であってもよいが、ヒドロキシラジカル種を生成できるものであれば、制限なく使用することができる。Ca(OH)は水酸化アニオンを生成することができる。一実施形態において、本発明の抗微生物剤はM10(ZO及びCa(OH)の混合物であってもよい。
【0038】
上記抗微生物剤を含むコーティング組成物が、鋼板においてコーティング層を形成する場合、コーティング層の表面に吸着された微生物は、コーティング層で生成されたヒドロキシラジカル種と水酸化アニオンによって効果的に死滅する。さらに、微生物に含まれた水分によって微生物がコーティング層の表面に容易に吸着することができ、これにより、ヒドロキシラジカル種と水酸化アニオンが生成され、より容易に死滅することができる。
【0039】
上記抗微生物剤は、M10(ZO及びCa(OH)が重量比で、5:1~1:5で混合されたものであってもよく、好ましくは3:1~1:3で混合されたものであってもよい。上記範囲内で最も効果的な抗微生物特性を有することができる。
【0040】
特に、本発明の抗微生物剤は無機化合物であって、金属粒子に比べて相対的に密度が小さく、コーティング層を形成する場合、コーティング層の表面に容易に浮上し、乾燥時にコーティング層の表面に主に濃化するため、表面に吸着される微生物を容易に死滅させることができる。
【0041】
本発明の抗微生物コーティング組成物は、主剤樹脂であるポリエステル樹脂に硬化剤を分散させて樹脂組成物を製造した後、顔料及び抗微生物剤を添加して分散させ、溶剤に投入して製造することができる。
【0042】
上記溶剤は、トルエン、キシレン、イソプロパノール、ソルベントナフサ、セロソルブ、セロソルブアセテート及びブチルセロソルブからなる群から選択される少なくとも一つを使用することができ、1種を単独で使用することができ、2種以上を混合して使用することもできる。
【0043】
上記溶剤は、ポリエステル樹脂、硬化剤、抗微生物剤、顔料以外の残部であり、溶剤の含量に応じてコーティング組成物の粘度が異なり得るが、上記組成物に添加される溶剤の含量は必要に応じて適宜調節することができる。例えば、コーティング組成物のコーティング量及び付着性などを考慮して、DINカップ(DIN、53211)から排出されるのに20~200秒を要する程度の粘度を維持できる含量に調節されることができる。
【0044】
本発明のコーティング組成物は、塗膜の物性をさらに改善するために、上記成分の他にも、必要に応じてワックス、硬化触媒、顔料凝集防止剤、消泡剤、レベリング剤などの添加剤をさらに含むことができる。上記添加剤は、当業界で一般的に使用されているものであれば、本発明においても適切に使用することができ、通常の使用方法に従って本発明のコーティング組成物に適用することができる。
【0045】
さらに、本発明のコーティング組成物を使用して塗膜を形成する場合、上記コーティング組成物の各成分が複合網状構造を形成し、優れたプレス加工性及び表面機能性を有することができる。
【0046】
本発明の他の実現は、鋼板の両面のうち少なくとも一面に、本発明で提供する上記抗微生物コーティング組成物で形成された抗微生物コーティング層を含む抗微生物コーティング鋼板を提供する。上記抗微生物コーティング層内には、抗微生物剤が分散して存在することができる。
【0047】
具体的に、本発明は鋼板及び上記鋼板の少なくとも一面に形成される抗微生物コーティング層を含み、上記抗微生物コーティング層の少なくとも一部に抗微生物剤を含み、上記抗微生物剤はZ/(M+Ca)の含量比が0.1~0.5であり、上記MはCa、Ba、Mg、Zn、Ni、Fe又はAlであり、上記ZはP、As、V又はSiである抗微生物コーティング鋼板を提供する。
【0048】
本発明の抗微生物コーティング鋼板において、上記鋼板はめっき鋼板であってもよい。具体的に、上記めっき鋼板としては亜鉛めっき鋼板を使用することができ、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、アルミニウムめっき鋼板、あるいは亜鉛-アルミニウム-マグネシウムの三元系合金めっき鋼板を使用することができる。
【0049】
さらに、上記抗微生物コーティング層は、コーティング組成物の全重量を基準に、ポリエステル樹脂30~60重量%、硬化剤3~15重量%、抗微生物剤0.1~5重量%、顔料3.0~15重量%及び残部の溶剤を含む、抗微生物コーティング組成物で形成されたものであってもよい。
【0050】
本発明の上記抗微生物コーティング組成物で塗膜を形成する場合、塗膜は乾燥後の厚さが3~40μm、好ましくは5~30μmであってもよい。顔料を含むことにより様々な色を有することができる上記コーティング組成物は、乾燥後の厚さが5μm未満の場合、塗膜の発色、隠蔽力、加工性及び耐溶剤性が思わしくないという問題があり、30μm超過の場合は、製造コストが増加して生産性が低下するため好ましくない。
【0051】
本発明の他の実現において、抗微生物コーティング層がめっき鋼板の一面にのみ形成される場合、抗微生物コーティング層が形成されていないめっき鋼板の他面には、鋼板の加工性及び耐食性等を考慮したコーティング層が形成されることが好ましい。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、めっき鋼板の両面にプライマーコーティング層が形成され、プライマーコーティング層のうち少なくとも一面に、本発明の抗微生物コーティング層が形成されることができる。すなわち、図2に開示されるように、プライマーコーティング層はめっき鋼板と抗微生物コーティング層との間に位置することができる。
【0053】
上記プライマーコーティング層は、鋼板の表面と抗微生物コーティング層との間の塗装密着性、塗膜の硬度、耐薬品性、耐食性等を向上させるためのものであり、鋼板の用途、鋼板又は樹脂の種類に応じて、商業的に市販されている下塗り層形成用組成物を適宜選択して使用することができる。例えば、エポキシポリエステル系塗料、エポキシ変性ポリエステル系塗料、PCM用ポリエステル系塗料又は変性PMC用ポリエステル系下塗り塗料を使用することができる。
【0054】
上記プライマーコーティング層の防錆性を強化し、耐食性を担保するために、通常のクロム系又はクロムフリー系防錆顔料をさらに含むことができる。上記クロム系防錆顔料としては、ジンクポタシウムクロメート(Zinc Potassium Chromate)、ジンクテトラオキシクロメート(Zinc Tetraoxy Chromate)、ストロンチウムクロメート(Strontium Chromate)等を使用することができ、上記クロムフリー系防錆顔料としては、バリウムメタボレート(Barium Metaborate)、ジンクモリブデート(Zinc Molybdate)、カルシウムジンクモリブデート(Calcium Zinc Molybdate)、ジンクホスフェート(Zinc Phosphate)、アルミニウムトリホスフェート(Aluminum Triphosphate)、カルシウムボロシリケート(Calcium Borosilicate)、ホスホシリケート(Phosphosilicate)等を使用することができる。
【0055】
上記プライマーコーティング層の乾燥塗膜の厚さは特に限定されるものではないが、3μm未満であると、防錆性及び付着力が低下する可能性があり、7μmを超えると、表面外観の不良及び経済性が低下する可能性があるため、乾燥塗膜の厚さは3~7μmが好ましく、4~6μmがより好ましい。
【0056】
上記プライマーコーティング層を形成する方法はロールコーティング(roll coating)方式を使用してもよく、PCM鋼板に使用されるカーテンフロー(curtain flow)方式を使用してもよい。また、コーティング後の焼付条件は、PCMの連続ラインでPMT(peak metal temperature)180~220℃となるようにすることが好ましい。
【0057】
プライマーコーティング層をさらに含む場合、上記プライマーコーティング層は1~10μmの厚さで形成することができる。
【0058】
プライマーコーティング層をさらに含むことで、めっき鋼板の防錆効果と隠蔽力が増加し、光の乱反射が減少できるため、より優れた発色を示すことができる。
【0059】
さらに、本発明の抗微生物コーティング鋼板は、鋼板の少なくとも一面に追加的に形成される塗膜を含むことができ、鋼板と抗微生物コーティング層との密着力を増大させ、めっき鋼板に塗装性、耐食性など、その他の鋼板で一般的に要求される物性を付与することができるため、当技術分野で素地鋼板と上塗り塗膜との間に適用可能な塗膜であれば、制限なく含まれることができる。
【0060】
以下、具体的な実施例を通じて本発明についてより具体的に説明する。下記の実施例は、本発明の理解を助けるための例示に過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【実施例
【0061】
実施例1.抗微生物コーティング組成物の製造
下記表1に示すような含量のウレタン変性ポリエステル、硬化剤、顔料及び抗微生物剤を含む抗微生物コーティング組成物を製造した。
【0062】
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂として、重量平均分子量が16,000~20,000の樹脂((株)KCC、Tg=10-30℃)を使用し、アジリジン系硬化剤としてトリメチロールプロパントリス(β-N-アジリジニル)プロピオネート、メラミン系硬化剤としてメトキシメチルメラミン、イソシアネート系硬化剤としてトルエンジイソシアネートをそれぞれ使用した。黒色顔料としてはカーボンブラック(エボニックス、PrintexTM)、赤色顔料としては酸化第二鉄(Fe)、白色顔料としては二酸化チタン(TiO)をそれぞれ使用した。抗微生物剤としては、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))(KR BIOTECH Ltd.)、水酸化カルシウム(Ca(OH))又は上記ヒドロキシアパタイト及び水酸化カルシウムを重量比で1:3~3:1の比率で混合した混合物を使用した。
【0063】
【表1】
【0064】
2.抗微生物コーティング鋼板の製造及び物性評価
上記1で製造した抗微生物コーティング組成物を使用して片面のめっき付着量が60g/mであるZn-Al-Mgの三元系合金めっき鋼板に、乾燥後の厚さが15~20μmとなるようにロールコーティングを行い、PMT(peak metal temperature)232℃で硬化及び乾燥した後、冷却して抗微生物コーティング鋼板を製造した。プライマーコーティング層を有する場合、プライマーコーティング層の厚さが5μmとなるようにした。塗膜の厚さは、非破壊式ポータブル(Portable)塗膜の厚さゲージを用いて測定した。
【0065】
(1)外観評価
塗膜の色の意匠性と質感の均一性及び連続性等を相対評価し、以下のように表した。
【0066】
[評価基準]◎:(非常に良好)、○:(良好)、△:(不良)、X:(非常に不良)
【0067】
(2)光沢評価
SHEEN社の機器を使用し、60°鏡面反射値を測定して評価した。
【0068】
(3)鉛筆硬度評価
三菱社の鉛筆(HB~4H)をもって1000±10gの荷重で45°の角度で10cmの線を引いた後、スクラッチの発生の有無で評価した。
【0069】
(4)耐食性評価
耐食性評価は、複合塩水噴霧法(Cyclic Corrosion Test、CCT)で評価した。相対湿度95%の条件で5時間の間、塩水噴霧(濃度5%、35℃で1kg/cmの噴霧圧条件)を行い、相対湿度30%、温度70℃で2時間乾燥した後、相対湿度95%、温度50℃で3時間処理したものを1サイクルにして100サイクルを繰り返し実施した後、鋼板の表面に発生した白錆の発生面積で評価した。
【0070】
[評価基準]◎:腐食面積が0%、○:腐食面積が0超過5%以下、△:腐食面積が5超過30%以下、X:腐食面積が30%超過
【0071】
(5)加工性評価
抗微生物コーティング鋼板について、鋼板の表面を万力に入れて、1kgfの圧力で180°曲げた後、平面になるまで締め付けた(0T-ベンディング(bending))。曲がった塗膜にスコッチテープを貼り付けた後、コーティング層を剥離したときのクラック発生及び剥離の有無で評価した。
【0072】
[評価基準]◎:クラック及び剥離なし、○:微細クラックは観察されるが、塗膜の剥離はなし、△:クラックの発生が激しく、塗膜剥離はなし、X:クラックと塗膜が剥離する
【0073】
(6)耐化学性評価
MEK(Methyl Ethyl Ketone)で濡らしたガーゼを1Kgfで往復して擦り、塗膜が剥離するまでの回数を測定して評価した。
【0074】
[評価基準]◎:100回以上、○:70回以上100回未満、△:40回以上70回未満、X:40回未満
【0075】
(7)抗ウイルス性評価
KR BIOTECH Ltd.にてISO21702規格で評価した。サル細胞(Vero E6)から培養したCOVID-19(2.15×10 TCID50/ml)ウイルス原液を、対照群と複合樹脂コーティング鋼板の試験片(50×50mm)にそれぞれ400mL落とし込み、Cover Glassで覆った後、常温で一定時間培養したうえで2時間反応後、ウイルスをSCDLP培地10mLで洗浄して回収し、SCDLP液を用いてウイルス液を10-1~10-5になるまで段階希釈してサンプル液(5well 2set)を作製した。それぞれの塗抹標本をサル宿主細胞(Vero E6 Cell)に感染させた後、37℃で24時間培養した。それぞれの培養されたWellにMTT染色液(Triazolium)を落とし込んだ後、色の変化を観察して宿主細胞の生存の有無を判定した。上記Wellで生きている細胞の濃度値(TCID50)を統計的な方法(Spearman-Karber method)で計算し、コーティングしていない亜鉛めっき鋼板の対照群と比較してウイルスの死滅率を定量的に評価した。
【0076】
[評価基準]ウイルスの死滅率が◎:99.0%以上、○:90以上~99.0%未満、△:80以上90%未満、X:80%未満
【0077】
(8)抗菌性評価
抗菌性評価は、4種の細菌(大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、肺炎菌)についてJIS Z 2801:2012規格で韓国建設生活環境研究院にて評価した。対照群と複合樹脂コーティング鋼板(50×50mm)をプラスチックシャーレに入れ、NB(栄養)培地で接種源菌(2.5×10~10CFU/ml)を培養し、菌液400μLを滴下して作用させた。このとき、試料をStomacherフィルム(40×40mm)で覆って菌液と試料とを密着させ、接触面積を一定にして試験を行った。接種試験片を温度(35±0.1℃)、相対湿度(92.9±0.5%)の条件で24時間作用させた後、SCDLP培地10mLで洗浄して細菌を回収し、段階希釈して10-1~10-5になるまでサンプル液を作成した。シャーレにサンプル液1mLを分注し、1.5%の寒天培地を加えて混合した。倒置したシャーレを37℃のインキュベータ内に配置して24時間細菌を培養した後、コロニー数をカウントして、菌の生菌数(CFU/0.1mL、Log10)(CFU:colony-forming units)を算出し、コーティングしなかった亜鉛めっき鋼板の対照群と比較して細菌に対する死滅率を定量的に評価した。
【0078】
[評価基準]細菌の死滅率が◎:99.0%以上、○:90以上~99.0%未満、△:80以上90%未満、X:80%未満
【0079】
(9)抗カビ性評価
韓国建設生活環境試験研究院にて標準試験法(KCL FIR-1003:2011)に従って5種のカビ(Aspergillus niger、Penicillium pinophilum、Chaetomium globosum、Gliocladiumvirens、Aureobasidium pullulans)に対して行った。上記カビ菌株を鋼板(サイズ50×50mm)の表面に接種した後、4週間経過時のカビ菌糸の発育面積を評価して抗カビ性を評価した。
【0080】
[評価基準]試験片の接種した部分における菌糸発育部分の面積が◎:全面積の3%未満、○:全面積の3以上10%未満、△:全面積の10以上20%未満、X:全面積の20%以上
【0081】
上記評価の結果を下記表2に示した。
【0082】
【表2】
【0083】
上記表2の実施例31~34に示すように、抗微生物剤は、混合物として使用した場合、より優れた抗ウイルス性、抗菌性及び抗カビ性を示した。すなわち、上記表2の結果のうち実施例17~30は、2以上の抗バイオ化合物を混合物として使用した実施例1~12のうち一つを適用した実験例に該当するものであって、抗バイオ化合物の成分(ヒドロキシアパタイト及び水酸化カルシウム)のうち一つのみを使用した実施例13~16のうち一つを適用した実験例に該当する実施例31~34、及び抗バイオ化合物を使用していない比較例1~3のうち一つを適用した比較実験例に該当する比較例4~6と比較して、より優れた抗ウイルス性、抗菌性及び抗カビ性を示した。
図1
図2
【国際調査報告】