(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】非平面状の表面を3Dプリントするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/386 20170101AFI20240808BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20240808BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20240808BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240808BHJP
【FI】
B29C64/386
B33Y50/00
B29C64/106
B33Y10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506467
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022074499
(87)【国際公開番号】W WO2023015227
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドボシュ、ケリアン マーセリン
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン、エリック スコット
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン、ブライアン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ブバス、マイケル アントニー
(72)【発明者】
【氏名】カッチコ、シンシア
(72)【発明者】
【氏名】トン、ミン アィン
(72)【発明者】
【氏名】アーチュレッタ、レスリー オーウェン
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AR07
4F213AR08
4F213AR12
4F213WA25
4F213WA97
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL85
4F213WL96
(57)【要約】
三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータシステムは、1つまたは複数のプロセッサと、実行可能命令を記憶した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体と、を備え得、実行可能命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるときに、様々な行為を行うように、コンピュータシステムを構成する。コンピュータシステムは、三次元プリンタに非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信し得る。追加的に、コンピュータシステムは、三次元プリンタの構成要素を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算し得る。コンピュータシステムはまた、プリント領域内の場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータシステムであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
実行可能命令を記憶した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体と、を備え、前記実行可能命令が、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるときに、前記コンピュータシステムを、
三次元プリンタに、特定の形状を有する三次元オブジェクトの非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することと、
前記三次元プリンタの構成要素を使用して、前記非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することと、
プリント領域内の場所で、前記複数の異なるビーズサイズまたは比率を生成するためのコマンドを作成することと、を行わせるように構成する、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記プリント領域内の具体的な場所で、前記複数の異なるビーズサイズまたは比率を生成するためのコマンドを作成することが、
前記三次元プリンタからの材料の押出速度を変更するためのコマンドを作成することを含み、前記押出速度の変更が、所望のビーズサイズまたは1つもしくは複数のビーズが堆積される特定の高さを有する場所に適合する、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記三次元プリンタの構成要素を使用して、前記非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することが、
前記三次元プリンタの複数の制限によって引き起こされ得る誤差に関する複数のパラメータを識別することであって、前記複数の制限は、(1)前記三次元プリンタが生成することができる最小ビーズサイズ、または(2)ビーズを形成する押出材料の自然な遅延、のうちの少なくとも1つを含む、識別することと、
前記複数のパラメータに基づいて、複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することと、を更に含む、請求項1~または2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記三次元プリンタの構成要素を使用して、前記非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することが、所望の押出速度と実際の押出速度との間の差をコンピューティングすることを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記複数のパラメータに基づいて、複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することが、(1)前記押出材料の前記自然な遅延によって引き起こされる第1の誤差を拡散させるために、(2)同じ層上の隣接する工具経路上で発生する第2の誤差を拡散させるために、または(3)異なる層上の隣接する工具経路上で発生する第3の誤差を拡散させるために、ビーズサイズをコンピューティングすることを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
傾斜を下方に移動する第1の工具経路が、ビーズサイズの第1のセットを有し、前記傾斜を上方に移動する第2の工具経路が、ビーズサイズの第2のセットを有し、前記ビーズサイズの第1のセットの平均サイズが、前記ビーズサイズの第2のセットの平均サイズよりも大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記第1の工具経路および前記第2の工具経路が、前記傾斜上で隣接しており、前記第1の工具経路および前記第2の工具経路の平均有効ビーズサイズが、前記三次元プリンタの分解能よりも細かい分解能を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記プリント領域内の具体的な場所で、前記複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することが、前記プリント領域内の特定の座標を補間することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記プリント領域内の特定の座標を補間することが、前記三次元オブジェクトの前記特定の形状に基づいて、ビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、または押出量のうちの少なくとも1つを判定することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記三次元プリンタが、熱硬化性プリンタである、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法が、もう1つのプロセッサ上で実行され、前記コンピュータ実装方法が、
三次元プリンタに特定の形状を有する三次元オブジェクトの非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することと、
前記非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することと、
プリント領域内の場所で、前記複数の異なるビーズサイズまたは比率を生成するためのコマンドを作成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記プリント領域内の具体的な場所で、前記複数の異なるビーズサイズまたは比率を生成するためのコマンドを作成することが、
前記三次元プリンタからの材料の押出速度を変更するためのコマンドを作成することを含み、前記押出速度の変更が、所望のビーズサイズに適合する、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
より高い押出速度が、より大きいビーズサイズに相関する、請求項11または12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記プリント領域内の具体的な場所で、前記複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することが、
前記三次元プリンタ内のディスペンサの速度を変更するためのコマンドを作成することを含み、前記速度の変更が、所望のビーズサイズに適合する、請求項11~13のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
速度の増加が、より小さいビーズサイズに相関する、請求項11~14のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記三次元プリンタに、前記プリント領域内の具体的な場所で、前記複数の異なるビーズサイズを分配させることを更に含む、請求項11~15のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
三次元構成要素を使用して、前記非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することが、
前記非平面状の表面の長さを判定することと、
前記非平面状の表面に関連付けられたテーパの少なくとも1つの角度を判定することと、
前記非平面状の表面の長さおよび前記テーパの少なくとも1つの角度に基づいて、隣接するプリントライン間のビーズサイズ差の幾何学的比率を計算することと、を含む、請求項11~16のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記プリント領域内の具体的な場所で、前記複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することが、前記プリント領域内の特定の座標を補間することを含む、請求項11~17のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記プリント領域内の特定の座標を補間することが、ビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、または押出量のうちの少なくとも1つをコンピューティングすることと、前記三次元プリンタに、前記コンピューティングされたビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、または押出量に基づいて、プリントさせるコマンドを作成することと、を含む、請求項11~18のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
コンピュータ実行可能命令を記憶した1つまたは複数の物理的なコンピュータ可読記憶媒体を備える、コンピュータ可読媒体であって、前記実行可能命令が、プロセッサで実行されるときに、コンピュータシステムに、三次元プリンタを動的に制御するための方法を行わせ、前記方法が、
三次元プリンタに、特定の形状を有する三次元オブジェクトの非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することと、
前記三次元プリンタの構成要素を使用して、前記非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズまたは比率を計算することと、
プリント領域内の場所で、前記複数の異なるビーズサイズまたは比率を生成するためのコマンドを作成することと、を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年3月18日に出願された「SYSTEM AND METHOD FOR 3D PRINTING A NON-PLANAR SURFACE」と題された米国仮特許出願第63/269,547号の優先権および利益を主張し、また、2021年8月6日に出願された「SYSTEM AND METHOD FOR 3D PRINTING A NON-PLANAR SURFACE」と題された米国仮特許出願第63/230,577号の優先権および利益を主張する。前述の出願の全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、共反応材料を使用する三次元プリント方法のコンピュータ制御に関する。
【背景技術】
【0003】
積層造形とも称される三次元(3D)プリントは、過去数年間で科学技術の爆発的発展を経験してきた。この関心の増加は、一般的なコンピュータ支援設計(CAD)ファイルからの多種多様なオブジェクトを容易に製造するための3Dプリントの能力に関する。3Dプリントでは、組成物は、構造を構築するために、材料の連続的な層で置かれる。これらの層は、例えば、液体、粉末、紙、またはシート材料から生成され得る。
【0004】
従来の構成では、3Dプリントシステムは、熱可塑性材料を利用する。3Dプリントシステムは、熱可塑性材料を、加熱されたノズルを通してプラットフォームに押し出す。CADファイルから導出された命令を使用して、システムは、プラットフォームに対してノズルを移動させ、3Dオブジェクトを形成するために、熱可塑性材料の層を連続的に構築する。ノズルから押し出された後、熱可塑性材料は、冷却される。したがって、得られる3Dオブジェクトは、加熱形態で押し出されており、かつ互いの上に層化されている、熱可塑性材料の層で作製される。
【0005】
3Dプリントを改善することができる多くの方式が存在する。これらの改善は、多くの他の所望の結果の中でも、より速いプリント、より高い解像度のプリント、より耐久性のある最終製品を含み得る。
【発明の概要】
【0006】
三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータシステムは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるときに、様々な行為を行うようにコンピュータシステムを構成する実行可能命令を記憶した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体と、を備え得る。コンピュータシステムは、熱硬化性三次元プリンタに非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信し得る。追加的に、コンピュータシステムは、熱硬化性成分を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算し得る。コンピュータシステムはまた、プリント領域内の場所で、複数の異なるビーズサイズ比率を生成するためのコマンドを作成し得る。
【0007】
追加的に、三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータ実装方法は、もう1つのプロセッサ上で実行され得る。コンピュータ実装方法は、熱硬化性三次元プリンタに非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することを含み得る。追加的に、コンピュータ実装方法は、熱硬化性成分を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することを含み得る。コンピュータ実装方法はまた、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することを含み得る。
【0008】
更に、コンピュータ可読媒体は、プロセッサで実行されるときに、コンピュータシステムに三次元プリンタを動的に制御するための方法を行わせるコンピュータ実行可能命令を記憶した1つまたは複数の物理的なコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。実行される方法は、熱硬化性三次元プリンタに非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することを含み得る。追加的に、実行される方法は、熱硬化性成分を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することを含み得る。実行される方法はまた、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することを含み得る。
【0009】
続く説明において、本発明の追加の特徴および利点が記載され、一部は、説明から明らかであるか、またはそれらの例示的な実装の実践により知得され得る。このような実装の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘される器具および組み合わせによって実現および取得され得る。これらおよび他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または本明細書に記載されるこのような実装の実践によって知得され得る。
【0010】
上に記載された、ならびに本発明の他の利点および特徴を取得することができる様態を説明するために、上で簡潔に説明される原理のより具体的な説明は、添付の図面に例解されているその特定の実施形態を参照することによって行われる。これらの図面は、単に本発明の典型的な実施形態を描画したものであり、したがって、その範囲を限定するものとみなされないことを理解した上で、本発明は、添付の図面の使用を通じて、追加的な具体性および詳細性をもって説明および解説されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】熱硬化性3Dプリントのためのシステムを例解する。
【
図2】熱硬化性3Dプリントのためのコンピュータシステムの概略図を例解する。
【
図4】工具経路に沿って変動するビーズサイズを例解する。
【
図5】複数の工具経路に沿って変動するビーズサイズを例解する。
【
図6A】非平面状の表面に沿って異なるビーズサイズの側面図を例解する。
【
図6B】非平面状の表面に沿って異なるビーズサイズの別の側面図を例解する。
【
図6C】非平面状の表面に沿って異なるビーズサイズの別の側面図を例解する。
【
図7】熱硬化性三次元(3D)プリンタを動的に制御するためのステップのフローチャートを例解する。
【
図8】所望の非平面状の表面の寸法の一例を例解する。
【
図9】傾斜(すなわち、テーパ表面)に沿った例示的な工具経路を例解する。
【
図10】押出材料の遅延を補償するために、
図9に示されるスロップの下方への移動および上方への移動における異なる押出速度を例解する。
【
図11】隣接する誤差拡散および前方誤差拡散の一例を例解する。
【
図12A】異なる層における誤差拡散の実施形態の一例を例解する。
【
図12B】異なる層における誤差拡散の実施形態の一例を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、三次元(3D)プリンタを動的に制御するためのシステム、方法、および装置に及ぶ。システム、方法、および装置は、標的オブジェクトの作成中に材料の堆積を通して動作する。いくつかの実施形態では、三次元プリンタを通して堆積される材料は共反応材料であり、3Dプリンタは熱硬化性プリンタである。本明細書で使用される場合、「標的オブジェクト」は、本明細書で説明されるシステム、方法、および/または装置によって付加的に製造されている物理的なオブジェクトもしくは完全に物理的なオブジェクトの一部分を指し得る。追加的に、本明細書で使用される場合、共反応材料は、熱硬化性材料を含む。本明細書に説明される実施形態のいくつかは、共反応材料を押し出すように構成された熱硬化性3Dプリンタに関するが、本明細書に説明される原理はまた、任意の他の3Dプリンタにも適用可能であることに留意する。
【0013】
共反応成分を使用する積層造形は、代替的な積層造形方法と比較していくつかの利点を有する。本明細書で使用される場合、「積層造形」は、(例えば、ユーザが生成したファイルまたは3Dオブジェクトスキャナを通して)コンピュータ支援設計の使用を指し、積層造形装置に正確な幾何学的形状で材料を何層も堆積させる。連続的な層を形成する材料が共反応して層間に共有結合を形成することができるため、共反応成分を使用した積層造形は、より強い部品を作成することができる。また、成分は混合されるときに低粘度を有するため、より高い充填剤含有量を使用することができる。より高い充填剤含有量を使用して、材料の機械的および/または電気的特性、例えば(限定されないが)密度、熱膨張、熱伝導率、耐薬品性、ガラス転移温度(Tg)、破断伸長、表面エネルギー、電気伝導率、および構築された標的オブジェクトなどの機械的および/または電気的特性を修正することができる。共反応成分は、積層製造された部品で使用される化学を拡張して、溶媒耐性および熱耐性などの改善された特性を提供することができる。
【0014】
追加的に、コンピュータシステムを使用して、積層製造環境内の共反応成分の使用を制御する能力は、いくつかの利点を提供する。例えば、コンピュータシステムは、得られる材料の所望の物理的属性を生成する方式で、共反応成分の流量、ポンプ速度、ガントリー速度、および/または工具経路を動的に制御および調整することができる。このような調整および制御は、積層造形内に独自の利点を提供する。
【0015】
以下の詳細な説明の目的のために、本発明が、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形およびステップシーケンスを想定し得ることが理解されるべきである。更に、任意の動作例以外、または別様に示される場合、例えば、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表す全ての数は、全ての例において「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、および均等論の適用を特許請求の範囲の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、かつ通常の丸め手法を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、具体的な例において記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に得られるある特定の誤差を本質的に含有する。
【0016】
また、本明細書に記載される任意の数値範囲は、その中に包含される全てのサブ範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、記載された最小値1~記載された最大値10(および記載された値を含む)、すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有する全てのサブ範囲を含むことが意図される。
【0017】
単数形の使用は、別段の具体的な記載がない限り、複数形を含み、複数形は単数形を包含する。追加的に、「および/または」がある特定の事例で明示的に使用されることがあるが、別段の具体的な記載がない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。
【0018】
「ポリマー」という用語は、プレポリマー、ホモポリマー、コポリマー、およびオリゴマーを含むことを意味する。
【0019】
本開示の実施形態は、3Dプリントを使用する構造オブジェクトの生成を対象とする。3Dオブジェクトは、少なくとも2つの共反応成分を基板上に堆積させ、その後、下に堆積された部分または層の上にオブジェクトの追加の部分または層を堆積させることによって、オブジェクトの連続的な部分または層を形成することによって生成され得る。層は、3Dプリントされたオブジェクトを構築するために連続的に堆積される。共反応成分は、混合され、次いで、堆積させることができるか、または別に堆積させることができる。別に堆積されるとき、成分は、同時に、連続的に、または同時かつ連続的の両方で堆積させることができる。
【0020】
堆積および同様の用語は、基材上(オブジェクトの第1の部分のために)またはオブジェクトの以前に堆積された部分もしくは層上に、共反応する、もしくは共反応組成物および/またはその反応成分を含むプリント材料の適用を指す。各共反応成分は、他の共反応成分の構成要素と化学的に反応し得るモノマー、プレポリマー、付加物、ポリマー、および/または架橋剤を含み得る。
【0021】
少なくとも2つの共反応成分は、一緒に混合され、その後、オブジェクトの一部分を形成するように反応する共反応成分の混合物として堆積され得る。例えば、2つの共反応成分は、一緒に混合され、共反応成分の少なくとも2つの別の流れを、次いで堆積される単一の流れを生成する単一の静的ミキサーまたは動的ミキサーなどの混合装置に送達することによって反応して共反応する組成物を形成する共反応成分の混合物として堆積される。共反応成分は、反応混合物を含む組成物が堆積されるまでに少なくとも部分的に反応され得る。堆積された反応混合物は、堆積後に少なくとも部分的に反応し得、また、オブジェクトの下層もしくは上層などのオブジェクトの以前に堆積された部分および/またはその後の堆積された部分と反応し得る。
【0022】
代替的に、2つの共反応成分は、互いから別に堆積され得、堆積時に反応して、オブジェクトの部分を形成し得る。例えば、2つの共反応成分は、インクジェットプリントシステムを使用することなどによって別に堆積され得、それによって、2つの反応成分が反応してオブジェクトの部分を形成し得るように、相互に重なり合って、および/または十分に近接して互いに隣接して堆積される。別の例として、押出において、均一であるのではなく、断面プロファイルの異なる部分が、2つの共反応成分のうちの1つを有し得、ならびに/または異なるモルおよび/もしくは等価比で2つの共反応成分の混合物を含有するように押出の断面プロファイルが不均一であり得る。
【0023】
更に、3Dプリントされたオブジェクト全体を通して、オブジェクトの異なる部分が異なる材料特性によって特徴付けられ得るように、オブジェクトの異なる部分は、2つの共反応成分の異なる割合を使用して形成され得る。例えば、オブジェクトのいくつかの部分は、剛性であり得、オブジェクトの他の部分は、可撓性であり得る。
【0024】
共反応成分の粘度、反応速度、および他の特性は、堆積部分および/またはオブジェクトが堆積後に所望の構造的完全性を達成および保持するように、共反応成分および/または共反応する組成物(例えば、異なるモノマー)の流れを制御するように調整され得ることが理解されるであろう。共反応成分の粘度は、溶媒(これに限定されないが、反応性希釈剤、樹脂、顔料レオロジー改質剤など)を含めることによって調整され得るか、または共反応成分は、溶媒を実質的に含まない場合があるか、または溶媒を完全に含まない場合がある。いくつかの実施形態では、溶媒は、樹脂などの固体材料であり得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、液体材料であり得る。共反応成分の粘度は、充填剤を含めることによって調整され得るか、または共反応成分は、充填剤を実質的に含まない場合があるか、または充填剤を完全に含まない場合がある。共反応成分の粘度は、より低いまたはより高い分子量を有する成分を使用することによって調整され得る。例えば、共反応成分は、プレポリマー、モノマー、またはプレポリマーとモノマーの組み合わせを含み得る。共反応成分の粘度は、堆積温度を変化させることによって調整され得る。共反応成分は、堆積および/またはインクジェット前の混合など、使用される特定の堆積方法に対して調整され得る粘度および温度プロファイルを有し得る。粘度は、共反応成分自体の組成によって影響され得、および/または本明細書に説明されるレオロジー改質剤を含めることによって制御され得る。
【0025】
粘度、降伏応力、および/または反応速度が、共反応成分の堆積後に組成物が意図した形状を保持するようになることが望ましい可能性がある。例えば、粘度が低すぎる場合、および/または反応速度が遅すぎる場合、堆積した組成物は、最終のオブジェクトの所望の形状を損なう方式で流れ得る。同様に、粘度が高すぎる場合、および/または反応速度が速すぎる場合、所望の形状が損なわれることがある。
【0026】
ここで、図を参照すると、
図1は、共反応成分を使用する3Dプリントのためのシステムを例解する。描画されるシステムは、コンピュータシステム110と通信する3Dプリンタ100を備える。コンピュータシステム110はまた、物理的に別の構成要素として描画されているが、3Dプリンタ100内に完全に統合されるか、複数の異なる電子デバイス(クラウドコンピューティング環境を含む)の間に分散されるか、または別様に3Dプリンタ100と統合され得る。本明細書で使用される場合、「3Dプリンタ」は、コンピュータ生成されたデータファイルを使用して、積層製造を可能にする任意のデバイスを指す。このようなコンピュータ生成されたデータファイルは、本明細書では「CADファイル」と称される。
【0027】
描画される3Dプリンタ100は、くさび形状の形態の標的オブジェクト120と共に描画される。くさび形状は、少なくとも部分的に共反応成分を使用して、3Dプリンタ100によって構築される非平面状の表面を有する台形表面を含む。3Dプリンタ100はまた、移動機構140に取り付けられているディスペンサ130を備える。本明細書で使用される場合、「ディスペンサ」は、動的ノズル、静的ノズル、注入デバイス、注入デバイス、分注デバイス、押出デバイス、噴霧デバイス、または共反応成分の制御された流れを提供することができる任意の他のデバイスを備え得る。
【0028】
更に、移動機構140は、アームに沿ってX軸方向に移動可能であるトラック142内に取り付けられたディスペンサと、アームがY軸方向に移動することが可能であるトラック144の別のセットと、を備えるとして描画されている。しかしながら、この構成は、例示および解説のためにのみ提供されることを理解されたい。追加的または代替的な構成では、移動機構140は、標的オブジェクト120に対するディスペンサ130の位置を制御することができる任意のシステムを含み得、標的オブジェクト120をディスペンサ130に対して移動させるシステムを含むが、これに限定されない。
【0029】
更に、3Dプリンタ100は、共反応成分の1つまたは複数の容器152(a~e)に接続される。描画される例では、共反応成分は、ユーザが共反応成分を引き出すための所望の容器152(a~e)を選択することを可能にする選択可能なマニホールド150を通してアクセスされる。しかしながら、3Dプリントのための描画されたシステムは単に例示的であることを理解するであろう。例えば、代替的な場合では、システムは、共反応成分および選択可能なマニホールド150の異なる構成を利用し得るか、または選択可能なマニホールド150をまったく備えない場合がある。
【0030】
図2は、熱硬化性3Dプリントのためのコンピュータシステムの概略図を例解する。コンピュータシステム110は、3Dプリンタ100と通信しているとして示されている。追加的に、3Dプリント設計ソフトウェア200の様々なモジュール、またはユニットが、コンピュータシステム110によって実行されているとして描画されている。特に、3Dプリント設計ソフトウェア200は、工具経路生成ユニット240、流量処理ユニット242、ディスペンサ制御ユニット244、および材料データベース246を備えるとして描画されている。工具経路生成ユニット240は、工具経路を生成し、機械語の観点からそれを修正するように構成されている。
【0031】
熱硬化性3Dプリントのために描画されたコンピュータシステムは、3Dプリンタ100に直接供給される第1の共反応成分容器152aおよび第2の共反応成分容器152bを備えるように更に示される。したがって、3Dプリンタ100は、第1の共反応成分容器152aおよび第2の共反応成分容器152bから所望に応じて共反応成分を抽出することができる。しかしながら、この構成は単に例示的なものであり、追加的または代替的な実施形態では、共反応成分容器の異なる構成を利用して、共反応成分を3Dプリンタ100に提供し得ることを理解するであろう。
【0032】
本明細書で使用される場合、「モジュール」は、特定の機能を実行するコンピュータ実行可能コードおよび/またはコンピュータハードウェアを含む。当業者は、異なるモジュール間の区別が少なくとも部分的に任意であり、モジュールが別様に組み合わされ、分割されるが、依然として本開示の範囲内にあり得ることを理解するであろう。したがって、「モジュール」であるとしての構成要素の説明は、明確化および説明のためにのみ提供され、別段の明示的な記載がない限り、コンピュータ実行可能コードおよび/またはコンピュータハードウェアの任意の特定の構造が必要であることを示すと解釈されるべきではない。本明細書では、「ユニット」、「構成要素」、「エージェント」、「マネージャ」、「サービス」、「エンジン」、「仮想マシン」などの用語も同様に使用され得る。
【0033】
コンピュータシステム110はまた、1つまたは複数のプロセッサ210と、1つまたは複数のプロセッサ210によって実行されるときに、様々な行為を行うようにコンピュータシステム110を構成する実行可能命令を記憶した1つまたは複数のコンピュータ記憶媒体220と、を備える。例えば、コンピュータシステム110は、3Dプリンタ100に非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することができる。本明細書で使用される場合、「指示」は、コンピュータシステム110によって受信される任意の形態の入力を含む。例えば、指示は、ユーザによる手動入力、コンピュータシステム110もしくは別のリモートコンピュータシステムによって実行される自動アクション、ソフトウェアアプリケーションの実行、グラフィカルユーザインタフェース内のユーザインタフェース要素の選択、データファイルの受信、またはコンピュータシステム110に更なるアクションを行わせる任意の他の形態の入力を含み得る。追加的に、本明細書で使用される場合、非平面状の表面は、傾斜表面および/または角度付き表面などの特定の端部に向かって厚さが低減する任意の表面を含む。例えば、くさび形状の標的オブジェクト120は、非平面状の表面を含む。したがって、非平面状の表面は、標的オブジェクトの底面に対して平面状ではない表面を含む。
【0034】
標的オブジェクト120の非平面状の表面をプリントするための指示がコンピュータシステム110によって受信されると、工具経路生成ユニット240が、標的オブジェクト120を積層製造するための工具経路を生成する。本明細書で使用される場合、「工具経路」は、標的オブジェクト120を製造する際のディスペンサ130の経路を指す。追加的に、「工具経路」はまた、標的オブジェクト120を製造する際のディスペンサ130の速度および/または流量を指し得る。工具経路生成ユニット240は、共反応材料がディスペンサ130から標的オブジェクト120を作成する経路に沿ってある速度で分配されるように、工具経路を生成する。
【0035】
いくつかの状況では、工具経路は、ディスペンサ130が共反応材料をそれら自体の上に層で積層することを必要とし得る。流量処理ユニット242およびディスペンサ制御ユニット244は、標的流量を計算して、共反応材料が異なる層間で適切に結合することを確実にする。このような計算は、下層が完全に硬化する時間となる前に層が互いの上に配置されるように、共反応材料の反応時間を説明し得る。したがって、第1の工具経路の生成は、目標流量に少なくとも部分的に基づき得る。上記で解説されたように、異なる共反応成分が反応性のままである時間量に関するこのような情報は、材料データベース246によって提供される。
【0036】
本明細書で使用される場合、「流量」(「押出速度」とも称される)は、材料の1つまたは複数の成分がディスペンサ130から分配される速度を含む。流量は、成分ごとのベースで制御可能であり得る。例えば、工具経路生成ユニット240は、標的オブジェクト120を作成するために共反応材料を分配するための標的流量を判定および制御する流量処理ユニット242を備える。いくつかの実施形態では、流量処理ユニット242は、ディスペンサ130における1つもしくは複数のバルブをオンおよび/またはオフにし、および/または(スタック内のステートメントを編集するためにシステムエディタを呼び出す)Eコマンドに基づいて、流量を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ディスペンサ制御ユニット244は、ディスペンサ130の直線移動を制御するように構成され得る。
【0037】
流量処理ユニット242は、標的オブジェクト120を作製しながら、共反応材料内の共反応成分の特性を変更することによって共反応材料の流量を操作するように構成され得る。共反応成分の粘度、反応速度、および他の特性は、堆積部分および/またはオブジェクトが堆積後に所望の構造的完全性を達成および保持するように、共反応成分および/または熱硬化性組成物の流れを制御するように調整され得ることが理解されるであろう。共反応成分の粘度は、溶媒を含めることによって調整され得るか、または共反応成分は、溶媒を実質的に含まない場合があるか、または溶媒を完全に含まない場合がある。共反応成分の粘度は、充填剤を含めることによって調整され得るか、または共反応成分は、充填剤を実質的に含まない場合があるか、または充填剤を完全に含まない場合がある。共反応成分の粘度は、より低いまたはより高い分子量を有する成分を使用することによって調整され得る。例えば、共反応成分は、プレポリマー、モノマー、またはプレポリマーとモノマーの組み合わせを含み得る。共反応成分の粘度は、堆積温度を変化させることによって調整され得る。共反応成分は、堆積および/またはインクジェット前の混合など、使用される特定の堆積方法に対して調整され得る粘度および温度プロファイルを有し得る。粘度は、共反応成分自体の組成によって影響され得、および/または本明細書に説明されるレオロジー改質剤を含めることによって制御され得る。
【0038】
粘度、および/または反応速度が、共反応成分の堆積後に組成物が意図した形状を保持するようになることが望ましい可能性がある。例えば、粘度が低すぎる場合、および/または反応速度が遅すぎる場合、堆積した組成物は、最終のオブジェクトの所望の形状を損なう方式で流れ得る。同様に、粘度が高すぎる場合、および/または反応速度が速すぎる場合、所望の形状が損なわれることがある。
【0039】
例えば、一緒に堆積される共反応成分は、各々、25℃での粘度、および5,000センチポアズ(cP)~5,000,000cP、50,000cP~4,000,000cP、または200,000cP~2,000,000cPの0.1s-1の剪断速度を有し得る。一緒に堆積される共反応成分は、各々、25℃での粘度、および50センチポアズ(cP)~50,000cP、100cP~20,000cP、または200~10,000cPの1,000s-1の剪断速度を有し得る。粘度値は、1mm~2mmのギャップを有するAnton Paar MCR301または302レオメータを使用して測定され得る。
【0040】
追加的に、粘度および/または反応速度を調整して、ディスペンサ130によって分配される実際のビーズサイズまたは層サイズを制御することができる。本明細書で使用される場合、「ビーズ」は、工具経路上にディスペンサ130によって分配される材料の層を含む。同様に、本明細書で使用される場合、「ビーズサイズ」は、ディスペンサ130によって分配されている層の1つまたは複数の寸法を含む。例えば、ビーズサイズは、ビーズの高さ、ビーズの半径、ビーズの幅、またはビーズの任意の他の物理的寸法を含み得る。「ビーズ」という用語が本明細書で使用されるが、実際の層は、従来のビーズ形状と物理的に似ている必要はないことが理解されるであろう。
【0041】
追加的または代替的に、ディスペンサ制御ユニット250は、所望の流量を達成するために、3Dプリンタ100の特性を調整し得る。例えば、ディスペンサ制御ユニット250は、所望のビーズサイズ、堆積速度、粘度、および/または反応速度を達成するために、ディスペンサ130がより速くもしくはより遅く移動するようにし得る。例えば、ディスペンサ130が一定の速度で共反応材料を分配しており、ディスペンサ制御ユニット250がディスペンサを堆積中、より速い速度で移動させる場合、得られるビーズサイズは小さくなるであろう。同様に、ディスペンサ制御ユニット250は、所望の流量および/またはビーズサイズに基づいて、ディスペンサ130をより高いもしくはより低い速度で共反応材料を分配させ得る。したがって、流量処理ユニット242は、材料内の共反応成分の特性を調整し得、および/またはディスペンサ制御ユニット250は、所望の流量および/またはビーズサイズを達成するために、3Dプリンタ100の機械的動作を調整し得る。
【0042】
いくつかの構成では、3Dプリンタ100は、標的オブジェクト120を製造するために複数の異なるタイプの材料を利用することが可能であり得る。これらの異なる材料は、共反応成分の異なる組み合わせを含み得る。例えば、
図1は、各々が異なるタイプの共反応成分を含み得る共反応成分の1つまたは複数の容器152(a~e)を描画する。材料の指示を受信すると、工具経路生成ユニット240は、材料データベース246から材料の特性にアクセスする。いくつかの場合では、材料の指示は、共反応成分の1つまたは複数の容器152(a~e)によって提供される共反応成分の具体的な混合物などの共反応成分の具体的な混合物を含む。材料の特性は、材料の粘度および/または材料の反応性に関連する様々な他の属性を含む。材料データベース246からの情報および上で説明されるプロセスを使用して、工具経路生成ユニット240は、材料の特性を使用して、標的流量および/またはビーズサイズを判定する。
【0043】
追加的に、いくつかの構成では、共反応成分は、反応プロセス中にUV光などの外部刺激を利用し得る。このような場合、3Dプリンタ100は、コンピュータシステム110によって制御可能であるUV光源を備え得る。3Dプリンタ100は、共反応材料を分配し、UV光源で材料を硬化させるように構成可能であり得る。様々な他の刺激は、刺激が共反応材料の分配中および/または分配後に共反応材料に適用されるように、コンピュータシステム110によって同様に実装され得る。
【0044】
ここで、標的オブジェクト120の非平面状の表面のプリントに戻ると、3Dプリント設計ソフトウェア200は、熱硬化性成分を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することができる。特に、熱可塑性物を使用して、非平面状の表面を作成するための従来の方法は、非平面状の表面に延びる熱硬化性工具経路のギザギザのステップパターンをもたらす。対照的に、3Dプリント設計ソフトウェア200は、異なる順次小さくなるビーズサイズを使用して、標的オブジェクト120の非平面状の表面をプリントし、共反応材料の粘度を制御して滑らかな非平面状の表面を作成することができる。いくつかの実施形態では、異なる順次小さくなるビーズサイズに関連付けられた1つまたは複数の属性は、非平面状の表面の角度に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、異なる順次小さくなるビーズサイズに関連付けられた属性は、最上層および/または層の変更のための高さ(すなわち、z軸)構成に基づいて判定される。1つまたは複数の属性は、ビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、および/または押出量を含み得る(が、それらに限定されない)。
【0045】
例えば、
図3は、異なるビーズサイズの側面図を例解する。描画される例では、ビーズサイズ310の第1のセットは、テーパ300の上にある。第2のビーズサイズ320は、ビーズサイズの第1のセットよりも小さい。同様に、第3のビーズサイズ330は、第2のビーズサイズ320よりも小さく、第4のビーズサイズ340は、第3のビーズサイズ330よりも小さく、第5のビーズサイズ350は、第4のビーズサイズ340よりも小さい。順次減少するビーズサイズは、自然なテーパを作成する。
【0046】
工具経路生成ユニット240は、幾何学的関係および粘度などの共反応材料の材料特性の使用を通して、工具経路に沿って必要とされるビーズのサイズの数を計算することができる。例えば、工具経路生成ユニット240は、テーパの角度および長さを識別することができる。この情報を使用して、工具経路生成ユニット240は、所望のテーパを形成するために必要な異なるビーズの数およびサイズを計算することができる。例えば、工具経路生成ユニット240が、所望の材料属性を維持しながら、ディスペンサ130が特定の共反応材料を使用して作成することができる最大のビーズサイズおよび最小のビーズサイズの両方を識別し得る。これらの2つのデータポイントを使用して、工具経路生成ユニット240は、テーパの長さをわずかに小さいビーズサイズにセグメント化することができる。
【0047】
例えば、工具経路生成ユニット240は、非平面状の表面の長さを判定し、非平面状の表面に関連付けられたテーパの少なくとも1つの角度を判定し、非平面状の表面の長さおよびテーパの少なくとも1つの角度に基づいて、隣接する熱硬化性プリントライン間のビーズサイズ差の幾何学的比率を計算する。比率は、表面の所望の角度が達成されるように選択される。例えば、工具経路生成ユニット240は、テーパ角度の正接を利用して、各連続するビーズサイズの所望の高さを識別することができる。この概念を使用して、工具経路生成ユニット240は、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することができる。本明細書で使用される場合、プリント領域は、3Dプリンタ100が共反応材料を分配することができる物理的領域を含む。
【0048】
例えば、
図4は、工具経路400に沿って変動するビーズサイズ410(a~d)を例解する。特に、工具経路生成ユニット240は、所望のテーパを達成するために必要なビーズサイズ410(a~d)を計算する。工具経路生成ユニット240は、工具経路400に沿って所望のビーズサイズ410(a~d)を順次分配するように構成された工具経路400を生成する。
【0049】
例えば、工具経路生成ユニット240が、一定の速度で共反応材料を分配し、その速度を変動させる工具経路400を生成し得る。したがって、工具経路生成ユニット240は、三次元プリンタ100内のディスペンサ130の速度を変更するためのコマンドを作成することができ、速度の変更は、所望のビーズサイズに適合する。例えば、ビーズサイズ410aを作成している間、ディスペンサ130は、第1の速度で移動し得、次いで、ビーズサイズ410bを作成している間、ディスペンサ130は、より小さいビーズサイズ410bが作成されるように、より速い速度で移動し得る。したがって、典型的には、速度の増加は、より小さいビーズサイズに相関する。ディスペンサ130は、ビーズサイズが標的オブジェクト120の非平面状の表面を下に順次減少するように、連続的なビーズサイズ410(a~d)ごとにより速い速度で連続的に移動し得る。
【0050】
追加的または代替的に、工具経路生成ユニット240は、三次元プリンタ100から熱硬化性材料の流量を変更するためのコマンドを作成し得、流量の変更は所望のビーズサイズに適合する。例えば、工具経路生成ユニット240は、比較的高い流量がビーズサイズ410aを作成するために使用されるが、比較的低い流量がビーズサイズ410bを作成するために使用されるように、工具経路400に沿った共反応材料の流れを調整し得る。したがって、より高い流量は、より大きいビーズサイズに相関し得るが、比較的低い流量は、比較的小さいビーズサイズに相関し得る。ディスペンサ130から分配される共反応材料のビーズサイズを操作するために、いくつかの異なる方法が、単独で、または組み合わせて使用され得ることを理解するであろう。
【0051】
図5は、複数の工具経路500(a~h)に沿って変動するビーズサイズのための代替的な構成を例解する。この描画される例では、工具経路生成ユニット240は、テーパに沿って連続的に減少するビーズサイズでテーパに平行に走る工具経路500(a~h)を生成する。
図4の例では、ビーズサイズ410(a~d)は、テーパに垂直に走る各ラインが実質的に一貫したビーズサイズ410(a~d)であるという点で、実質的に別個である。対照的に、
図5では、ビーズサイズは、特定の工具経路500(a~h)の長さに沿って連続的に減少する。したがって、本開示を考慮して、ビーズサイズは、非平面状の表面を作成するためにいくつかの異なる方式で調整され得ることを理解するであろう。
【0052】
図6Aは、標的オブジェクト120の非平面状の表面600に沿った異なるビーズサイズの側面図を例解する。側面図は、完全に丸い例示的なビーズサイズを描画する。当業者は、共反応材料が、分配されると、完全に丸い形状を維持しないことを理解するであろう。それにもかかわらず、例示および説明のために、順次的なビーズサイズが描画されている。
図6Bは、非平面状の表面600に沿った異なるビーズサイズの別の側面図を例解する。この描画される例では、共反応ビーズは、共反応材料の粘度によって決定されるように沈降し始めている。
図6Cは、非平面状の表面600に沿った異なるビーズサイズの別の側面図を例解する。
図6Cは、個々のビーズが滑らかな非平面状の表面600に沈降した後の共反応材料を描画する。
【0053】
いくつかの実施形態では、所望の非平面状の表面の寸法に基づいて、コンピュータシステム110は、ビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、および/または押出量を判定するように構成されており、判定されたビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、および/または押出量に基づいて、コンピュータシステム110は、コマンドを生成して、プリンタ100にコマンドに従ってビーズを分配させ、所望のテーパ形状を作成する。
図8は、所望の非平面状の表面の寸法の一例を例解する。所望の非平面状の表面の寸法に基づいて、ビーズの幅、ノズルの高さ、移動速度、および/または押出量がコンピューティングされて、プリンタに所望の非平面状の表面を作成させ得る。いくつかの実施形態では、以下の式を使用して、ビーズ幅W
n、ノズル高さh
n、移動速度f
x、および/または押出量Eをコンピューティングすることができ、式中、nは、現在の反復であり、Nは、総反復である。
【数1】
式:(1)
【数2】
式:(2)
【数3】
式:(3)
【数4】
式:(4)
【0054】
図7は、熱硬化性三次元(3D)プリンタを動的に制御する方法700のためのステップのフローチャートを例解する。描画される方法は、非平面状の表面をプリントするための指示を受信する行為710を含む。行為710は、熱硬化性三次元プリンタ100に非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することを含む。例えば、
図1に対して描画および説明されるように、コンピュータシステム110は、3Dプリンタ100に非平面状の表面600を含む標的オブジェクト120をプリントさせるコマンドを含み得る。
【0055】
追加的に、方法700は、ビーズのサイズを計算する行為720を含み得る。行為720は、熱硬化性成分を使用して、非平面状の表面600を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することを含む。例えば、
図1および
図4に描画および説明されるように、工具経路生成ユニット240は、テーパに関連付けられた角度および長さを識別することができる。この情報を使用して、工具経路生成ユニット240は、従来の幾何学的比率を使用して、異なるビーズの場所およびビーズサイズを計算することができる。
【0056】
方法700はまた、計算されたビーズサイズを生成するためのコマンドを作成する行為730を含むことができる。行為730は、プリント領域内の場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することを含む。例えば、
図6A~
図6Cに描画されるように、コンピュータシステム110は、3Dプリンタ100に非平面状の表面600をプリントさせることができる。
【0057】
図面は、テーパ表面を例解するが、テーパは、任意の非平面状の表面の特殊な場合にすぎないため、任意の非平面状の表面が、本明細書に説明される原理に基づいて生成され得ると留意する。
【0058】
更に、実験プロセス中、本発明者らは、ある特定の状況下である特定の押出誤差が繰り返し発生する可能性があることに留意した。いくつかの実施形態では、押出誤差部分が識別され、パラメータ化され、そのため、3Dプリンタが、これらのパラメータをレオロジーが示すものに適応させるように構成され得る。
【0059】
gCode実行によるプロセスのセグメント化のため、押出速度は、質の高いセグメントに分割される。しかしながら、異なる押出材料の場合、異なる自然な遅延が発生することがあり、すなわち、実際の押出速度は、機械可読コマンドによって示される意図された押出速度よりも遅い。押出材料の遅延を軽減するために、いくつかの実施形態では、傾斜の上方への移動に実装された押出速度と比較して、傾斜の下方への移動に重い押出速度が実装される。このような実施形態はまた、2つの隣接する押出速度の間の有効な中間押出速度が達成されるように、2つの隣接する押出ビーズを平均化する手段を提供する。
【0060】
図9~
図10は、傾斜の上方への移動の押出速度と比較して、傾斜の下方への移動により重い押出速度を実装するための例示的な実施形態を例解する。
図9は、傾斜(すなわち、テーパ表面)に沿った例示的な工具経路900を例解する。工具経路は、複数のセグメントA~B、B~C、C~D、D~E、E~F、F~G、G~H、H~Iなどに分割される。コマンド(複数可)によって示される異なる押出速度に対応する複数のセグメントA~B、B~C、C~D、D~E、E~F、F~G、G~H、H~Iが、異なるパターンとして示される。例えば、セグメントA~Bのコマンド(複数可)によって示される押出速度は、青緑色として示される8.0であり、セグメントB~CおよびH~Iのコマンド(複数可)によって示される押出速度は、緑色として示される6.0であり、セグメントC~DおよびG~Hのコマンド(複数可)によって示される押出速度は、黄色として示される4.0であり、セグメントD~EおよびF~Gの押出速度は、明るい橙色として示される2.0であり、セグメントEFの押出速度は、橙色として示される0.0である。
【0061】
実際には、押出速度は、所定の最小別個単位でのみ変更されることに留意する。
図9~
図10に示されるように、最小別個単位が2.0である場合、押出速度は常に2.0の倍である。いくつかの場合、最小別個単位の制限は、プリントされた3Dオブジェクトの誤差および/または不完全性を生じさせる可能性がある。
【0062】
更に、押出材料の自然な遅延はまた、プリントされた3Dオブジェクトの誤差および/または不完全性を生じさせる可能性がある。特に、自然な遅延は、コマンドと比較して実際の押出速度を遅らせる。
図10は、押出材料の遅延を補償するために、
図9に示されるスロップの下方への移動および上方への移動における異なる押出速度を例解する。
図10の上部セクションは、コマンド(複数可)によって示される押出速度、および
図9の傾斜の下方への移動の遅延による実際の押出速度を例解する。
図10の下部セクションは、コマンド(複数可)によって供される押出速度、および
図9の傾斜の上方への移動の遅延による実際の押出速度を例解する。例解されるように、傾斜の下方への移動におけるコマンド(複数可)によって示される押出速度は、8.0(セクションA~B中)、6.0(セクションB~C中)、4.0(セクションC~D中)、2.0(セクションD~E中)であり、傾斜の上方への移動におけるコマンド(複数可)によって示される押出速度は、0(セクションE’~F中)、2.0(セクションF~G中)、4.0(セクションG~H中)、および6.0(セクションH~I中)である。したがって、傾斜の上方への移動におけるコマンド(複数可)によって示される押出速度のセット(例えば、8.0、6.0、4.0、2.0)は、傾斜の下方への移動におけるコマンド(複数可)によって示される押出速度のセット(例えば、0、2.0、4.0、6.0)よりも大きい。
【0063】
更に、押出材料の遅延に起因して、実際の押出速度は、コマンド(複数可)によって示される押出速度と比較して遅れを有する。
図10に例解されるように、傾斜の下方への移動において、点Sは、点Aの前の点であり、これは、時間的に、および/または物理的空間において、点Aの前とすることができる)。押出速度8.0のコマンドは、点Sで開始される。しかしながら、遅延に起因して、点Sでの実際の押出速度は0.00であり、点Aまで、実際の押出速度が8.0に達しない。同様に、点Bでは、コマンドが押出速度を8.0~6.0に変更するが、しかしながら、点Bでの実際の押出速度は8.0のままであり、点B’(BとCとの間の点)まで、実際の押出速度が6.0に達しない。繰り返しになるが、点Cでは、コマンドが押出速度を6.0~4.0に変更するが、点Cでの実際の押出速度は6.0のままであり、点C’(CとDとの間の点)まで、実際の押出速度が4.0に達しない。繰り返しになるが、点Dでは、コマンドが押出速度を4.0~2.0に変更し、点Dでの実際の押出速度は4.0のままであり、点D’(DとEとの間の点)まで、実際の押出速度が2.0に達しない。
【0064】
同じ遅延が傾斜の上方への移動で発生し、これにより、実際の押出速度は、点E’で0、点F’(E’とFとの間の点)で0、点Fで0、点G’(FとGとの間の点)で2.0、点Gで2.0、点H’(GとHとの間の点である)で4.0、点Hで4.0、点I’(HとIとの間の点)で6.0、および点Iで6.0となる。
【0065】
図9に戻って参照すると、点Aおよび点Iは、傾斜上(または非平面状の表面上)に隣接しており、同様に、点Bおよび点Hは隣接しており、点Cおよび点Gは隣接しており、点Eおよび点E’は隣接しており、点A’および点I’は隣接しており、点B’および点H’は隣接しており、点C’および点G’は隣接しており、点D’および点F’は隣接している。ここで、再度
図10を参照すると、傾斜の下方への移動と上方への移動で形成される押出速度が異なるため、点Aと点Iでの有効平均実押出速度は、7.0=(8.0+6.0)/2であり、点A’と点I’での有効平均実押出速度は、7.0=(8.0+6.0)/2であり、点Bと点Hでの有効平均自然押出速度は、6.0=(8.0+4.0)/2であり、点B’と点H’での有効平均自然押出速度は5.0=(6.0+4.0)/2であり、点Cおよび点Gにおける有効平均実押出速度は、4.0=(6.0+2.0)/2であり、点C’および点G’における有効平均実押出速度は、3.0=(4.0+2.0)/2であり、点Dおよび点Fにおける有効平均実押出速度は、2.0=(4.0+0.0)/2であり、点D’および点F’における有効平均実押出速度は、1.0=(2.0+0.0)/2であり、点Eおよび点E’における押出速度は、2.0=(2.0+0.0)/2である。したがって、押出速度は2.0の別個単位でのみ変更されるが、隣接する押出速度の有効平均(例えば、7.0、6.0、5.0、4.0、3.0、2.0、および1.0)は、より細かい分解能を提供する。
【0066】
押出速度を表すために使用される数字8.0、6.0、4.0、2.0は、例にすぎないことに留意する。押出速度の最小別個単位の正確な数にかかわらず、上で説明される同じ原理が適用可能であり、有効平均押出速度は、押出速度の最小別個単位よりも細かい分解能を提供する。
【0067】
傾斜の下方への移動における押出速度が、傾斜の上方への移動における押出速度よりも大きくすることは、テーパ表面上の隣接する工具経路の誤差または不完全性を軽減または拡散させることができる実施形態の一例にすぎない。本明細書に説明される原理はまた、隣接する工具経路で発生したか、または任意の非平面状の表面上の同じ工具経路内の押出材料の遅延によって引き起こされる誤差および/または不完全性を緩和および/または拡散させるために実装され得る。
【0068】
図11は、2つの隣接する工具経路1110および1120の一例を例解する。現在の位置1122における押出速度は、隣接する工具経路1110に関連付けられたパラメータおよびそれ自体の工具経路1120に関連付けられたパラメータの両方に基づいてコンピューティングされる。いくつかの実施形態では、拡散は、三次元(x、y、zの3つの空間次元)または四次元(x、y、zの3つの空間次元およびtの時間次元)Floyd-Steinbrgフィルタに基づいており、これは、点の残差量子化誤差をその隣接点に加える。いくつかの実施形態では、隣接する工具経路1110のパラメータに関する誤差および/または不完全性の拡散に関連付けられたコンピューティングは、隣接誤差拡散と称され、それ自体の工具経路1120のパラメータに関する誤差および/または不完全性の拡散に関連付けられたコンピューティングは、前方誤差拡散と称される。
【0069】
図11に示されるように、隣接誤差拡散および前方誤差拡散は、工具経路の同じ層で発生するが、本明細書に説明される同じ原理はまた、第1の層内の第1の点の押出速度を調整して、第1の層に隣接する第2の層内の第2の点で発生した誤差を拡散させるために、異なる層で実装され得る。
【0070】
図12Aおよび
図12Bは、異なる層における誤差拡散の実施形態の一例を例解する。
図12Aは、テーパ表面をプリントするとき、押出速度の最小別個単位に起因して、底層がしばしば小さい隙間を作成することを例解する。いくつかの実施形態では、工具経路に沿った押出速度は、このような隙間を低減または排除することさえするように調整され得る。
図12Bは、調整された押出速度を使用した結果を例解する。
図12Bに例解されるように、調整された押出速度では、隙間の大部分が排除される(最右端の隙間を除く)。
【0071】
更に、特に、工具経路内の各点は、物理的空間内の三次元および時間次元(図示せず)を含む4つの次元を有する。実際の速度に応じて、押出変更のタイミング(押出機の移動速度を含む)も調整することができる。したがって、押出速度のコンピューティングは、3つの物理的空間次元に関連付けられたパラメータだけでなく、時間次元に関連付けられたパラメータにも関連付けられる。
【0072】
異なる次元に関連付けられたこれらのパラメータは、異なる押出材料に対して異なることがある。いくつかの実施形態では、値の別のセットは、材料の各タイプに対してコンパイルされ、コンピュータ可読記憶装置に記憶される。例えば、別のテーブルが、材料の各タイプに対して生成され得る。3Dプリンタまたは3Dプリンタに結合されたコンピューティングシステムは、異なるプリントジョブで使用される材料に基づいて、値の異なるセットを取り出し、上で説明される様々な誤差拡散を実装するgCodeを生成するように構成されている。
【0073】
いくつかの実施形態では、押出誤差拡散は、所望の押出速度と実際の押出速度との間の差を測定する誤差関数に基づいて行われる。誤差関数は、以下の式(5)および(6)に示されている。
【数5】
式:(5)
【0074】
式中、Eは、特定の位置(x,y,z)での誤差関数であり、Dは、所望の押出速度であり、Aは、実際の押出速度である。
【0075】
上記で簡単に考察されたように、いくつかの実施形態では、時間tは、誤差拡散において考慮され得る別のパラメータである。時間tが考慮されるときに、誤差関数は、以下の式(1)に示される。
【数6】
式:(6)
【0076】
式中、Eは、特定の時間tにおける特定の位置(x,y,z)での誤差関数であり、Dは、所望の押出速度であり、Aは、実際の押出速度である。
【0077】
上で説明される式(5)および/または式(6)の誤差関数を使用して、総体積は現在の誤差に等しく、追加の材料が不必要に追加または除去されず、部品詳細の分解能に対する鋭利化効果を達成することができる。誤差拡散のための誤差関数は、3Dプリンタに接続されたコンピューティングシステム、またはプリンタで実装され得る。
【0078】
本主題は構造的特徴および/または方法論的行為に固有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲に定義された主題が、必ずしも上で説明される説明された特徴または行為、または上で説明される行為の順序に限定されないことを理解されたい。むしろ、説明された特徴および行為は、特許請求の範囲を実装するための例示的な形態として開示されている。
【0079】
本発明は、以下でより詳細に考察されるように、例えば、1つまたは複数のプロセッサおよびシステムメモリなどのコンピュータハードウェアを含む、専用もしくは汎用コンピュータシステムを備えるか、または利用し得る。本発明の範囲内の実施形態はまた、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送または記憶するための物理および他のコンピュータ可読媒体を含む。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を記憶するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体である。コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を搬送するコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。したがって、限定ではなく例として、本発明の実施形態は、少なくとも2つの明確に異なる種類のコンピュータ可読媒体、すなわちコンピュータ記憶媒体および伝送媒体を備えることができる。
【0080】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を記憶する物理的な記憶媒体である。物理的な記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、ソリッドステートドライブ(「SSD」)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(「PCM」)、光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または本発明の開示された機能を実装するための汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスおよび実行され得るコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを記憶するために使用され得る任意の他のハードウェア記憶デバイス(複数可)などのコンピュータハードウェアを含む。
【0081】
伝送媒体は、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを搬送するために使用され得、汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスされ得るネットワークおよび/またはデータリンクを含むことができる。「ネットワーク」は、コンピュータシステムおよび/またはモジュールおよび/または他の電子デバイス間の電子データの転送を可能にする1つもしくは複数のデータリンクとして定義される。情報がネットワークまたは別の通信接続(有線、無線、または有線もしくは無線の組み合わせのいずれか)を介してコンピュータシステムに転送または提供されるときに、コンピュータシステムは、接続を伝送媒体とみなし得る。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0082】
更に、様々なコンピュータシステム構成要素に到達すると、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態のプログラムコードは、伝送媒体からコンピュータ記憶媒体に(またはその逆に)自動的に転送され得る。例えば、ネットワークまたはデータリンクを介して受信されたコンピュータ実行可能命令またはデータ構造は、ネットワークインタフェースモジュール(例えば、「NIC」)内のRAMにバッファされ、次いで、最終的にコンピュータシステムRAMおよび/またはコンピュータシステムにおける揮発性の低いコンピュータ記憶媒体に転送され得る。したがって、コンピュータ記憶媒体は、また(または主に)伝送媒体を利用するコンピュータシステム構成要素に含まれ得ることを理解されたい。
【0083】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、1つまたは複数のプロセッサで実行されるときに、汎用コンピュータシステム、専用コンピュータシステム、または専用処理デバイスにある特定の機能もしくは機能のグループを行わせる命令およびデータを含む。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリ、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、またはソースコードでさえあり得る。
【0084】
当業者は、本発明が、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯電話、PDA、タブレット、ポケットベル、ルータ、スイッチなどを含む、多くのタイプのコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施され得ることを理解するであろう。本発明はまた、ネットワークを通じて(ハードワイヤードデータリンク、無線データリンク、またはハードワイヤードデータリンクと無線データリンクとの組み合わせによって)リンクされるローカルおよびリモートコンピュータシステムが両方ともタスクを実行する、分散型システム環境で実施され得る。したがって、分散システム環境では、コンピュータシステムは、複数の構成コンピュータシステムを含み得る。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイスおよびリモートメモリ記憶デバイスの両方に位置し得る。
【0085】
当業者はまた、本発明がクラウドコンピューティング環境で実施され得ることを理解するであろう。クラウドコンピューティング環境は分散され得るが、これは必須ではない。分散されるときに、クラウドコンピューティング環境は、組織内で国際的に分散され、および/または複数の組織にわたって所持された構成要素を有し得る。本明細書および以下の特許請求の範囲では、「クラウドコンピューティング」は、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、記憶装置、アプリケーション、およびサービス)の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義される。「クラウドコンピューティング」の定義は、適切に展開されたときにこのようなモデルから得ることができる他の多数の利点のいずれにも限定されない。
【0086】
クラウドコンピューティングモデルは、オンデマンドセルフサービス、広範なネットワークアクセス、リソースプーリング、迅速な弾力性、測定されたサービスなどの様々な特性で構成され得る。クラウドコンピューティングモデルはまた、例えば、Software as a Service(「SaaS」)、Platform as a Service(「PaaS」)、およびInfrastructure as a Service(「IaaS」)などの様々なサービスモデルの形態で提供され得る。クラウドコンピューティングモデルはまた、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなどの異なる展開モデルを使用して展開され得る。
【0087】
クラウドコンピューティング環境などのいくつかの実施形態は、各々が1つまたは複数の仮想マシンを実行することが可能である1つまたは複数のホストを含むシステムを備え得る。動作中、仮想マシンは、オペレーティングシステムおよび場合によっては1つまたは複数の他のアプリケーションも同様にサポートする、動作コンピューティングシステムをエミュレートする。いくつかの実施形態では、各ホストは、仮想マシンのビューから抽象化された物理的リソースを使用して、仮想マシンの仮想リソースをエミュレートするハイパーバイザを含む。ハイパーバイザはまた、仮想マシン間の適切な分離を提供する。したがって、任意の所与の仮想マシンの観点から、ハイパーバイザは、仮想マシンが物理的リソースの外観(例えば、仮想リソース)とのみインタフェースするが、仮想マシンが物理的リソースとインタフェースしているという錯覚を提供する。処理能力、メモリ、ディスク容量、ネットワーク帯域幅、メディアドライブなどを含む物理的リソースの例。
【0088】
本発明は、以下の態様によって更に説明される。
【0089】
第1の態様によれば、三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータシステムであって、1つまたは複数のプロセッサと、実行可能命令を記憶した1つまたは複数のコンピュータ可読媒体と、を備え、実行可能命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるときに、好ましくは、態様16~24のいずれか1つによる方法であって、コンピュータシステムを、三次元プリンタに、特定の形状を有する三次元オブジェクトの非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することと、三次元プリンタの構成要素を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することと、プリント領域内の場所で、複数の異なるビーズサイズまたは比率を生成するためのコマンドを作成することと、を行わせるように構成する、コンピュータシステムが提供される。
【0090】
態様2は、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズまたは比率を生成するためのコマンドを作成することが、三次元プリンタからの材料の押出速度を変更するためのコマンドを作成することを含み、押出速度の変更は、所望のビーズサイズまたは1つもしくは複数のビーズが堆積される特定の高さを有する場所に適合する、態様1に記載のコンピュータシステムに関する。
【0091】
態様3は、三次元プリンタの構成要素を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することが、三次元プリンタの複数の制限によって引き起こされ得る誤差に関する複数のパラメータを識別することであって、複数の制限が、(1)三次元プリンタが生成することができる最小ビーズサイズ、または(2)ビーズを形成する押出材料の自然な遅延、のうちの少なくとも1つを含む、識別することと、複数のパラメータに基づいて、複数の異なるビーズサイズを計算することと、を更に含む、態様1または2に記載のコンピュータシステムに関する。
【0092】
態様4は、三次元プリンタの構成要素を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することが、所望の押出速度と実際の押出速度との間の差をコンピューティングすることを更に含む、態様1~3のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0093】
態様5は、複数のパラメータに基づいて、複数の異なるビーズサイズを計算することが、(1)押出材料の自然な遅延によって引き起こされる第1の誤差を拡散させるために、(2)同じ層上の隣接する工具経路上で発生する第2の誤差を拡散させるために、または(3)異なる層上の隣接する工具経路上で発生する第3の誤差を拡散させるために、ビーズサイズをコンピューティングすることを含む、態様1~4のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0094】
態様6は、傾斜を下方に移動する第1の工具経路が、ビーズサイズの第1のセットを有し、傾斜を上方に移動する第2の工具経路が、ビーズサイズの第2のセットを有し、ビーズサイズの第1のセットの平均サイズが、ビーズサイズの第2のセットの平均サイズよりも大きい、態様1~5のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0095】
態様7は、第1の工具経路および第2の工具経路が、傾斜上で隣接しており、第1の工具経路および第2の工具経路の平均有効ビーズサイズが、三次元プリンタの分解能よりも細かい分解能を有する、態様6に記載のコンピュータシステムに関する。
【0096】
態様8は、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することが、プリント領域内の特定の座標を補間することを含む、態様1~7のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0097】
態様9は、プリント領域内の特定の座標を補間することが、三次元オブジェクトの特定の形状に基づいて、ビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、または押出量のうちの少なくとも1つを判定することを含む、態様8に記載のコンピュータシステムに関する。
【0098】
態様10は、三次元プリンタが、熱硬化性プリンタである、態様1~9のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0099】
態様11は、システムが、三次元プリンタを備える、態様1~10のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0100】
態様12は、複数の異なるビーズサイズを計算することが、粘度、反応速度、および/または共反応成分の組成物を適応させることによって取得される、態様1~11のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0101】
態様13は、複数の異なるビーズサイズを計算することが、表面のテーパ(または傾斜)の角度および/または長さを識別することと、所望のテーパ(傾斜)を形成するために必要な異なるビーズの数およびサイズを計算することを含む、態様1~12のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0102】
態様14は、複数の異なるビーズサイズを計算することが、テーパおよび/または工具経路に沿ってビーズサイズを連続的に減少させてテーパに平行に走る工具経路を含み、各ラインが、テーパに垂直に走り、各ラインが異なるビーズサイズを有する、態様1~13のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0103】
態様15は、複数の異なるビーズサイズを計算することが、好ましくは、テーパの幾何学的比率を使用して、異なるビーズの位置およびビーズサイズを計算することを含む、態様1~14のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0104】
第16の態様によれば、三次元プリンタを動的に制御するためのコンピュータ実装方法であって、コンピュータ実装方法が、もう1つのプロセッサ上で実行され、好ましくは、態様1~15のいずれか1つに定義されているように、コンピュータ実装方法が、三次元プリンタに非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することと、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することと、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することと、を含む、コンピュータ実装方法が提供される。
【0105】
態様17は、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することが、三次元プリンタからの材料の押出速度を変更するためのコマンドを作成することを含み、押出速度の変更は、所望のビーズサイズに適合する、態様16に記載のコンピュータシステムに関する。
【0106】
態様18は、より高い押出速度が、より大きいビーズサイズに相関する、態様16または17に記載のコンピュータシステムに関する。
【0107】
態様19は、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するために、共反応成分の流量、ポンプ速度、ガントリー速度、および/または工具経路を動的に制御および調整することができる、態様16または17に記載のコンピュータシステムに関する。
【0108】
態様20は、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することが、三次元プリンタ内のディスペンサの速度を変更するためのコマンドを作成することを含み、速度の変更が、所望のビーズサイズに適合する、態様16~19のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0109】
態様21は、速度の増加が、より小さいビーズサイズに相関する、態様16~20のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0110】
態様22は、三次元プリンタに、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを分配させることを更に含む、態様16~21のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0111】
態様23は、非平面状の表面が非平面状の表面であり、三次元構成要素を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することが、非平面状の表面の長さを判定することと、非平面状の表面に関連付けられたテーパの少なくとも1つの角度を判定することと、非平面状の表面の長さおよびテーパの少なくとも1つの角度に基づいて、隣接するプリントライン間のビーズサイズ差の幾何学的比率を計算することと、を含む、態様16~22のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0112】
態様24は、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することが、プリント領域内の特定の座標を補間することを含む、態様16~23のいずれか1つに記載のコンピュータシステムに関する。
【0113】
態様25は、プリント領域内の特定の座標を補間することが、ビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、または押出量のうちの少なくとも1つをコンピューティングすることと、三次元プリンタに、コンピューティングされたビーズ幅、ノズル高さ、移動速度、または押出量に基づいてプリントさせるコマンドを作成することと、を含む、態様24に記載のコンピュータシステムに関する。
【0114】
態様26によれば、コンピュータ実行可能命令を記憶した1つまたは複数の物理的なコンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータ可読媒体であって、実行可能命令は、プロセッサで実行されるときに、コンピュータシステムに、三次元プリンタを動的に制御するための方法、好ましくは、態様16~24のいずれか1つに定義される方法を行わせ、方法が、三次元プリンタに、非平面状の表面をプリントさせるための指示を受信することと、三次元プリンタの構成要素を使用して、非平面状の表面を作成するための複数の異なるビーズサイズを計算することと、プリント領域内の具体的な場所で、複数の異なるビーズサイズを生成するためのコマンドを作成することと、を含む、コンピュータ可読媒体。
【0115】
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具体化され得る。説明される実施形態は、全ての観点において、単に例解的であり、限定的ではないことが考慮される。したがって本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味および範囲内にある全ての変更が、それらの範囲内に包含されるものとする。
【国際調査報告】