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特表2024-530163均一な外観の折り畳まれた端を有する吸入器物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】均一な外観の折り畳まれた端を有する吸入器物品
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/54 20060101AFI20240808BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20240808BHJP
【FI】
A24C5/54
A24D1/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506543
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2022071845
(87)【国際公開番号】W WO2023012225
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】21190037.8
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ダンブロジ ヴァレリオ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B144
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AB08
4B045AB11
4B144CG01
4B144CL04
4B144CL07
4B144CM01
(57)【要約】
本発明は、吸入器物品を製造するための方法に関する。方法は、複数の半完成吸入器物品を提供することを含む。各吸入器物品は、長軸方向軸、近位端、開放遠位端を備える。方法は、半完成吸入器物品の長軸方向軸が平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品の開放遠位端が長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、半完成吸入器物品を整列させることを含む。方法は、整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することを含む。本発明は、均一に閉鎖した端を有する吸入器物品のパッケージにさらに関する。本発明は、吸入器物品を製造するための設備用のホルダーにさらに関する。本発明は、吸入器物品を製造するための設備にさらに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器物品を製造するための方法であって、
長軸方向軸、近位端、開放遠位端を備える複数の半完成吸入器物品を提供する工程と、
前記半完成吸入器物品が平行に配設されていて、かつ前記半完成吸入器物品の前記開放遠位端が前記長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、前記半完成吸入器物品を整列させる工程と、
前記整列した半完成吸入器物品の前記遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記半完成吸入器物品の前記開放遠位端を全く同じ高さに整列させることが、製造公差に起因する前記半完成吸入器物品の長さの差異を補うために、半完成吸入器物品を別の半完成吸入器物品に対して移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半完成吸入器物品の前記開放遠位端を全く同じ高さに整列する工程が、
移動可能な端面を有する複数のスロット要素を備えるホルダーを提供する工程と、
半完成吸入器物品の前記近位端が前記スロットの前記移動可能な端面に接触するように、前記半完成吸入器物品を各スロット要素の中に挿入する工程と、
平らな面が前記半完成吸入器物品の長軸方向と直角であるように、整列要素の平らな面に近接して前記ホルダーをもたらす工程と、
重力が前記半完成吸入器物品の前記開放遠位端を下向きに移動させて、前記平らな面と接触させるように、前記ホルダーおよび前記整列要素を180度反転する工程と、
前記移動可能な端面を下向きに移動させて、前記半完成吸入器物品の前記近位端と接触させる工程と、
前記移動可能な端面の前記位置を固定する工程と、を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動可能な端面の前記位置を固定する前記工程の後に、
前記整列した半完成吸入器物品が、上部に前記開放遠位端を有する直立位置にあるように、前記ホルダーを180度反転する工程、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記半完成吸入器物品が、前記上部に前記開放遠位端を有する直立位置にあるように、前記ホルダーを180度反転する前記工程の後、
前記半完成吸入器物品の各開放遠位端の中にカプセルを挿入する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記カプセルがニコチンを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記カプセルが乾燥粉末を含む、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記整列した半完成吸入器物品の前記遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する前記工程の前に、前記半完成吸入器物品の遠位端部分を前処理して、構造的安定性が低下した前処理部分を得る工程を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記整列された半完成吸入器物品の前記遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する前記工程が、前記半完成吸入器物品の遠位端部分を少なくとも90度内側に折り畳むことを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の方法によって製造された複数の吸入器物品を含むパッケージ。
【請求項11】
前記吸入器物品の前記少なくとも部分的に閉鎖した端が、均一な外観を有する、請求項10に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記吸入器物品の部分的に閉鎖した遠位端の中央開口の直径の差異が、20%未満、好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満、かつ最も好ましくは1%未満である、請求項10または請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
吸入器物品を製造するための設備用のホルダーであって、
複数のスロット要素であって、各スロット要素が、半完成吸入器物品を挿入するための陥凹部と、前記陥凹部内の前記半完成吸入器物品の長軸方向の位置を調整するための移動可能な端面とを備える、複数のスロット要素と、
前記移動可能な端面を所定位置に保持するための解放可能な固定手段と、を備えるホルダー。
【請求項14】
吸入器物品を製造するための設備であって、
請求項13に記載のホルダーと、
平らな面を備える整列要素と、を備える設備。
【請求項15】
前記ホルダーを少なくとも180度回転させるための反転機構を備える、請求項14に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸入器物品を製造するための方法に関する。本開示は、均一に閉鎖した端を有する吸入器物品のパッケージにさらに関する。本開示は、吸入器物品を製造するための設備用のホルダーにさらに関する。本開示は、吸入器物品を製造するための設備にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入器物品製造の分野において、変形可能な管状要素を提供することと、変形可能な管状要素の遠位端を約90度内側に折り畳んで、変形可能な管状要素の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することが知られている。管状要素の生産における製造公差に起因して、個々の管状要素間で長さに小さい差異がありうる。管状要素の長さのこれらの差異は、折り畳まれる半完成物品の遠位部分の長さが異なるという結果をもたらしうる。これは、吸入器物品の閉鎖した遠位端の変動につながる場合がある。これは、吸入器物品の閉鎖した遠位端の不均一な視覚的外観につながる場合がある。
【0003】
吸入器物品の閉鎖した遠位端の変動は、完成した吸入器物品をユーザーホルダー装置の中に挿入するためにユーザーによって必要とされる力の差異をもたらしうる。次いでこれは、過剰な力を加えて、潜在的に物品を壊すことにつながる可能性がある。一般的に、紙の管状要素の材料特性に起因して、紙の管状要素の最大曲げ可能長さに制限がある場合がある。これは、管が曲がるほど、ユーザーホルダー装置の中に管を挿入する時にユーザーによってより多くの力が加えられる必要があることを意味しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸入器物品を、再現可能な方法で、かつ自動的に製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。物品の閉鎖した遠位端の均一な外観を有する吸入器物品を製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。
【0005】
吸入器物品を十分に高速で製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。
【0006】
吸入器物品を製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになり、製造方法は、吸入器物品の製造に使用される既存の製造ラインで実施されることができる。
【0007】
ユーザーによってユーザーホルダー装置で使用される時に、物品が破裂するリスクを低減する吸入器物品を製造するための方法および装置を提供することが望ましいことになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】例示的な吸入器物品を示す。
図1B】例示的な吸入器物品を示す。
図1C】例示的な吸入器物品を示す。
図2A】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
図2B】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
図2C】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
図2D】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
図3A】吸入器物品の整列の工程を示す。
図3B】吸入器物品の整列の工程を示す。
図3C】吸入器物品の整列の工程を示す。
図3D】吸入器物品の整列の工程を示す。
図3E】吸入器物品の整列の工程を示す。
図3F】吸入器物品の整列の工程を示す。
図4A】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
図4B】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
図4C】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
図4D】整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態によると、吸入器物品を製造するための方法が提供されている。方法は、複数の半完成吸入器物品を提供することを含んでもよい。各吸入器物品は、長軸方向軸、近位端、開放遠位端を備えてもよい。方法は、半完成吸入器物品の長軸方向軸が平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品の開放遠位端が長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、半完成吸入器物品を整列させることを含んでもよい。方法は、整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することを含んでもよい。
【0010】
本発明の一実施形態によると、吸入器物品を製造するための方法が提供されている。方法は、複数の半完成吸入器物品を提供することを含む。各吸入器物品は、長軸方向軸、近位端、開放遠位端を備える。方法は、半完成吸入器物品の長軸方向軸が平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品の開放遠位端が長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、半完成吸入器物品を整列させることを含む。方法は、整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することを含む。
【0011】
半完成吸入器物品の長軸方向軸が平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品の開放遠位端が長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、半完成吸入器物品を整列させることは、同時に行われてもよい。整列は、複数の物品に対して同時に行われてもよい。整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖することは、同時に行われてもよい。閉鎖することは、複数の物品に対して同時に行われてもよい。
【0012】
方法は、ホルダーの中に受容された複数の半完成吸入器物品を同時に整列させることを含んでもよく、これによって、ホルダー内の物品の長軸方向軸は同時に平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品の開放遠位端は長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置する。方法は、ホルダーの中に受容された整列した半完成吸入器物品の遠位端を同時に少なくとも部分的に閉鎖することを含んでもよい。
【0013】
物品の高さの整列の工程によって、製造公差に起因する個々の物品の長さの差異が、物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程に及ぼす効果は、相殺または低減されうる。半完成吸入器物品の長さの典型的な製造公差は、約+/-0.5ミリメートルでありうる。
【0014】
半完成吸入器物品の高さの整列の工程によって、吸入器物品を再現可能な方法で、かつ自動的に製造するための方法が提供されている。半完成吸入器物品の高さの整列の工程によって、物品の少なくとも部分的に閉鎖した遠位端の均一な外観を有する吸入器物品を製造するための方法が提供されている。
【0015】
均一に閉鎖した端を有する物品を提供することによって、ユーザーによってユーザーホルダー装置で使用される時に、物品が破裂するリスクを減少させる吸入器物品を製造するための方法および装置が提供されている。
【0016】
吸入器物品を十分に高速で製造するための方法が提供されている。吸入器物品の製造に使用される既存の製造ラインで実施されることができる方法が提供されている。
【0017】
本明細書で使用される「全く同じ高さ」という用語は、約100マイクロメートル未満、好ましくは約75マイクロメートル未満、より好ましくは約50マイクロメートル以下の高さの差を指しうる。
【0018】
半完成吸入器物品の開放遠位端を全く同じ高さに整列させることは、製造公差に起因する半完成吸入器物品の長さの差異を補うために、半完成吸入器物品を別の半完成吸入器物品に対して移動することを含む場合がある。
【0019】
半完成吸入器物品の開放遠位端を全く同じ高さに整列させることは、移動可能な端面を有する複数のスロット要素を備えるホルダーを提供することを含む場合がある。半完成吸入器物品は、半完成吸入器物品の近位端がスロットの移動可能な端面に接触するように、各スロット要素の中に挿入されてもよい。次いでホルダーは、平らな面が半完成吸入器物品の長軸方向と直角であるように、整列要素の平らな面の近傍にもたらされてもよい。次いでホルダーおよび整列要素は、重力が半完成吸入器物品の開放遠位端を下向きに移動させて、平らな面と接触させるように、180度反転されてもよい。次いで移動可能な端面は、下向きに移動されて、半完成吸入器物品の近位端14と接触してもよい。移動は重力によって達成されてもよい。次いで移動可能な端面の位置は固定されてもよい。
【0020】
方法は、移動可能な端面の位置を固定する工程の後、整列した半完成吸入器物品が、上部に開放遠位端を有する直立位置にあるように、ホルダーを180度反転する工程を含んでもよい。
【0021】
方法は、半完成吸入器物品が、上部に開放遠位端を有する直立位置にあるように、ホルダーを180度反転する工程の後、カプセルを半完成吸入器物品の各開放遠位端の中に挿入する工程を含んでもよい。
【0022】
カプセルはニコチンを含んでもよい。
【0023】
カプセルは乾燥粉末を含んでもよい。
【0024】
吸入器物品は、カプセルを受容するためのカプセル空洞を備えてもよい。カプセル空洞は、カプセルを包含するように構成された円筒状の空間を画定してもよい。例えば、カプセルは長円形または円形の断面を有してもよい。カプセル空洞はカプセル空洞の長さに沿って、実質的に均一な、または均一な直径を有してもよい。カプセル空洞は、固定された空洞長さを有してもよい。カプセル空洞は長軸方向軸と直交する空洞内径を有し、またカプセルはカプセル外径を有する。カプセル空洞は、長円形カプセルを包含するようにサイズ設定されてもよい。カプセル空洞はカプセル空洞長さに沿って、実質的に円筒状の、または円筒状の断面を有してもよい。カプセル空洞は均一な内径を有してもよい。カプセルは、カプセル空洞の内径の約80パーセント~約95パーセントの外径を有してもよい。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルの起動中または貫通中に、カプセルの制限された移動を促進する場合がある。
【0025】
カプセル空洞は、約6ミリメートル~約8ミリメートルの範囲、または約6.6ミリメートルの直径を有する変形可能要素によって画定されてもよい。
【0026】
カプセルは医薬的に活性な粒子を含有してもよい。例えば、医薬的に活性な粒子はニコチンを含んでもよい。医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。
【0027】
カプセルは、ニコチンを含むニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含有してもよい。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意に風味粒子を含有してもよい。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。カプセルは、約5~約50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10~約30回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。各吸入または「吸煙」は、約0.1mg~約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2ミリグラム~約2ミリグラムのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1ミリグラムのニコチン粒子をユーザーの肺に送達してもよい。
【0028】
ニコチン粒子は、採用される特定の製剤に基づいてニコチンの任意の有用な濃度を有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量パーセントのニコチン~最大約30重量パーセントのニコチン、または約2重量パーセント~約25重量パーセントのニコチン、または約3重量パーセント~約20重量パーセントのニコチン、または約4重量パーセント~約15重量パーセントのニコチン、または約5重量パーセント~約13重量パーセントのニコチンを有してもよい。好ましくは、各吸入もしくは「吸煙」で、約50~約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達されてもよい。
【0029】
カプセルは、少なくとも約5ミリグラムのニコチン粒子、または少なくとも約10ミリグラムのニコチン粒子を保持または含有してもよい。カプセルは約900ミリグラム未満のニコチン粒子、または約300ミリグラム未満のニコチン粒子、または150ミリグラム未満のニコチン粒子を保持または含有してもよい。
【0030】
カプセルは、約5ミリグラム~約300ミリグラムのニコチン粒子、または約10ミリグラム~約200ミリグラムのニコチン粒子を保持または含有してもよい。
【0031】
カプセル内で風味粒子がニコチン粒子とブレンドされているまたは組み合わせられている時に、ユーザーに送達される各吸入もしくは「吸煙」に所望の風味を提供する量の風味粒子が存在してもよい。
【0032】
ニコチン粒子は、ユーザーの肺の中に優先的に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含んでもよい。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末系を形成してもよい。
【0033】
カプセルは、少なくとも約5ミリグラムの乾燥粉末(粉末系とも呼ばれる)または少なくとも約10ミリグラムの乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約900ミリグラム未満の乾燥粉末、または約300ミリグラム未満の乾燥粉末、または約150ミリグラム未満の乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約5ミリグラム~約300ミリグラムの乾燥粉末、または約10ミリグラム~約200ミリグラムの乾燥粉末、または約25ミリグラム~約100ミリグラムの乾燥粉末を保持または含有してもよい。
【0034】
乾燥粉末または粉末系は、約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有するニコチン粒子から成る、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの粉末系を有してもよい。
【0035】
ニコチンを含む粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約2.5マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径5を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0036】
風味を含む粒子は、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0037】
乾燥粉末は、約60マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約40マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約25マイクロメートルの範囲内の平均粒子径を有してもよい。平均粒子径は質量あたりの平均粒子径を指し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定されることが好ましい。
【0038】
粉末系中またはニコチン粒子中のニコチンは、医薬的に許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であってもよい。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物としては例えば、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと組み合わされて塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選択されてもよい。
【0039】
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。好ましくは、アミノ酸はL-ロイシンなどのロイシンであってもよい。ニコチンを含む粒子にL-ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。
【0040】
同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減する場合があり、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記載の粉末系は自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、各粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。
【0041】
好ましくは、ニコチンは表面修飾されたニコチン塩であってもよく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合粒子を含む。好ましい被覆材料または複合材料はL-ロイシンであってもよい。一つの特に有用なニコチン粒子は、L-ロイシンを有する重酒石酸5ニコチンであってもよい。
【0042】
粉末系は風味粒子の集団を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔の中に吸入送達するために任意の有用なサイズ分布を有してもよい。
【0043】
粉末系は、約20マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、約50マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量パーセント、または少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約80重量パーセントの粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。
【0044】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減する化合物を含んでもよい。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減し、それ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する場合がある。それ故に、本明細書に記載の粉末系は、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。好ましくは、粉末系は自由流動であってもよい。
【0045】
乾燥粉末吸入用の従来の製剤は、吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには活性粒子が小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末系は担体粒子を含んでもよい。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズを有してもよいラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであってもよい。担体粒子は製剤において希釈剤または膨化剤として働くことによって、用量の均一性を改善するために利用されてもよい。
【0046】
本明細書に記載のニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末系は、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または気流量に類似する吸入量または気流量でニコチンが吸入され、ユーザーの肺に送達されることを可能にしてもよい。
【0047】
ニコチン粒子と風味は、単一のカプセル中で組み合わせられてもよい。上述の通り、ニコチン粒子および風味はそれぞれ、低減された接着力を有してもよく、この接着力は、ニコチン粒子と風味が組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズが実質的に変化しない安定な粒子製剤をもたらす。別の方法として、粉末系は、単一のカプセル内に含有されたニコチン粒子と、第二のカプセル内に含有された風味粒子とを含む。
【0048】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子を検知するように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられてもよい。
【0049】
ニコチン粒子および風味粒子は、粉末系の総重量の少なくとも約90重量パーセント、または少なくとも約95重量パーセント、または少なくとも約99重量パーセント、または100重量パーセントを形成することが好ましい。
【0050】
半完成吸入器物品の各開放遠位端の中にカプセルを挿入する工程は、半完成吸入器物品に近接する充填ステーションを提供することを含んでもよい。充填ステーションは静止していてもよく、またホルダーの移動によって半完成吸入器物品の近傍にもたらされてもよい。充填ステーションは移動可能であってもよく、充填ステーションを半完成吸入器物品に向かって移動させることによって、半完成吸入器物品の近傍にもたらされてもよい。
【0051】
半完成吸入器物品の長軸方向軸が平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品の開放遠位端が長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、半完成吸入器物品を整列させる工程は、半完成吸入器物品に近接した整列要素を提供することを含んでもよい。整列要素は静止していてもよく、ホルダーの移動によって半完成吸入器物品の近傍にもたらされてもよい。整列要素は移動可能であってもよく、整列要素を半完成吸入器物品に向かって移動させることによって、半完成吸入器物品の近傍にもたらされてもよい。
【0052】
整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程は、半完成吸入器物品に近接した閉鎖ステーションを提供することを含んでもよい。閉鎖ステーションは静止していてもよく、ホルダーの移動によって半完成吸入器物品の近傍にもたらされてもよい。閉鎖ステーションは移動可能であってもよく、閉鎖ステーションを半完成吸入器物品に向かって移動させることによって、半完成吸入器物品の近傍にもたらされてもよい。
【0053】
充填ステーション、整列要素、閉鎖ステーションのうちの一方または両方は、静止していてもよいか、または移動可能であってもよい。
【0054】
半完成吸入器物品の遠位端部分は、変形可能要素を備えてもよい。変形可能要素は厚紙管であってもよい。
【0055】
「変形可能」という用語は、変形可能要素の形状が変更可能であることを意味すると理解されるべきである。変形可能要素の変形は、弾性変形を含んでもよく、ここで変形可能要素は、力が加えられていない状態では閉鎖構成に戻る。別の方法として、変形可能要素の変形は、力の印加後に変形可能要素が開放構成に保たれる塑性変形を含んでもよい。
【0056】
変形可能要素の少なくとも一部分は、折り畳み可能な材料で形成されてもよい。変形可能要素は扇状褶曲を備えてもよい。変形可能要素の少なくとも一部分は、セルロース系材料で形成されてもよい。変形可能要素の少なくとも一部分は、紙で形成されてもよい。
【0057】
有利なことに、折り畳み可能な材料から変形可能要素を形成するは、変形可能要素が確実に破られる、または開かれることを可能にする。折り畳み可能な材料はまた、カプセル空洞の組立を改善してもよく、吸入器物品の高速組立を提供してもよい。
【0058】
有利なことに、セルロース系材料または紙から形成された変形可能要素は、実質的に生物分解性であり、環境への吸入器物品の影響を低減してもよい。
【0059】
変形可能要素は、吸入器物品の空洞の長軸方向の側壁の少なくとも一部分を画定してもよい。空洞はカプセルを保持してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の大部分を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の上流境界および側壁を画定してもよい。
【0060】
有利なことに、変形可能要素は、吸入器物品の消費前に、保持されたカプセルおよび吸入器物品の保護カバーまたは衛生バリアを提供してもよい。
【0061】
ラッピング層は、マウスピース要素および変形可能要素を囲んでもよい。ラッピング層は、連続軸状接合でマウスピース要素、カプセル空洞、変形可能要素を結合してもよい。変形可能要素はラッピング層を越えて延びてもよい。変形可能要素は、約0.5ミリメートル~約5ミリメートル、または約1ミリメートル~約4ミリメートル、または約2ミリメートル~約3ミリメートルの範囲で、ラッピング層を越えて延びてもよい。ラッピング層は、セルロース系材料または紙から形成されてもよい。
【0062】
有利なことに、セルロース系材料から形成されたラッピング層は、実質的に生物分解性であり、環境への吸入器物品の影響を低減してもよい。吸入器物品要素をラッピング層で結合することは、吸入器物品の高速組立を提供する。
【0063】
カプセル空洞および変形可能要素は、約6ミリメートル~約8ミリメートルの範囲内の実質的に等しい内径を有してもよい。
【0064】
カプセルは医薬的に活性な粒子を含有してもよい。例えば、医薬的に活性な粒子はニコチンを含んでもよい。医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。
【0065】
「近位」および「遠位」という用語は、吸入器物品またはシステムの構成要素または構成要素の部分の相対位置を記述するために使用される。本発明によると、吸入器物品は近位端を有する。使用時、ニコチン粒子は、ユーザーへの送達のために吸入器物品の近位端を出る。吸入器物品は、近位端に対向する遠位端を有する。吸入器物品の近位端はまた、口側端と呼ばれる場合がある。
【0066】
吸入器物品は、サイズおよび形状が喫煙物品または紙巻たばこに似ていてもよい。吸入器物品は、吸入器物品の長軸方向軸に沿って延びる細長い本体を有してもよい。吸入器本体は、細長い本体の長さに沿って実質的に均一な外径を有してもよい。吸入器物品は、細長い本体の長さに沿って均一であってもよい円形断面を有してもよい。吸入器本体は、約6ミリメートル~約10ミリメートル、または約7ミリメートル~約10ミリメートル、または約7ミリメートル~約9ミリメートル、または約7ミリメートル~約8ミリメートルの範囲内、または約7.3ミリメートルの外径を有してもよい。吸入器物品は、約40ミリメートル~約80ミリメートル、または約40ミリメートル~約70ミリメートル、または約40ミリメートル~約50ミリメートルの範囲内、または約48ミリメートルの(長軸方向軸に沿った)長さを有してもよい。
【0067】
吸入器物品はマウスピース要素を備えてもよい。マウスピース要素はカプセル空洞の下流に位置してもよく、カプセル空洞から吸入器物品のマウスピース端に延びてもよい。マウスピース要素は、約10ミリメートル~約30ミリメートル、好ましくは約15ミリメートル~約25ミリメートル、より好ましくは約20ミリメートル~約22ミリメートルの範囲内の長さを有してもよい。マウスピース要素は、約6ミリメートル~約10ミリメートル、または約7ミリメートル~約10ミリメートル、または約7ミリメートル~約9ミリメートル、または約7ミリメートル~約8ミリメートルの範囲内、または約7.1ミリメートルの直径を有してもよい。
【0068】
マウスピース要素はフィルター機能を有してもよい。マウスピース要素はフィルター要素を備えてもよい。フィルター要素は、実質的にマウスピース要素の全長にわたって延びてもよい。
【0069】
変形可能要素は、カプセル空洞を変形かつ露出するように構成されてもよい。変形可能要素は、カプセル空洞を露出するように、破れたり、開放したりするよう構成されてもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の開径全体を実質的に露出するように構成されてもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の開径全体を露出するように構成されてもよい。
【0070】
変形可能要素は、カプセル空洞の長軸方向の側壁の少なくとも一部分を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の大部分を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端または上流端を画定してもよい。
【0071】
変形可能要素はセルロース系材料で形成されてもよい。変形可能要素の少なくとも一部分は、紙で形成されてもよい。変形可能要素は、汚染物または異物がカプセル空洞に入るのを低減または防止するためのバリアを提供してもよい。
【0072】
カプセル空洞側壁は、吸入器物品の長軸方向軸と平行に延びてもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端または上流端と、少なくともカプセル空洞側壁の一部とを画定してもよい。
【0073】
変形可能要素は、閉鎖上流端を有する管状要素を画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端または上流端と、カプセル空洞側壁の少なくとも50パーセントとを画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端または上流端と、カプセル空洞側壁の少なくとも75パーセントとを画定してもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の閉鎖遠位端または上流端と、カプセル空洞側壁全体とを画定してもよい。変形可能要素は、マウスピース要素によって画定された下流境界表面を除き、カプセル空洞全体を画定してもよい。変形可能要素は、マウスピース要素から閉鎖上流端に延びる紙層であってもよい。
【0074】
吸入空気は、変形可能要素が破れるかまたは開放されると、変形可能要素の中心を通ってカプセル空洞の中に直接流れ込んでもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の内径と実質的に等しい直径を有してもよい。
【0075】
変形可能要素は、約6ミリメートル~約8ミリメートル、または約7.0ミリメートル~約7.1ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。変形可能要素は、約6ミリメートル~約7.2ミリメートル、または約6.5ミリメートル~約6.7ミリメートルの範囲の内径を有してもよい。
【0076】
変形可能要素は紙で形成されてもよい。変形可能要素は一つ以上の紙層で形成されてもよい。変形可能要素は、約50グラム毎平方メートル~約150グラム毎平方メートル、または約75グラム毎平方メートル~約125グラム毎平方メートル、または約90グラム毎平方メートル~約110グラム毎平方メートルの範囲内の重量を有する紙から形成されてもよい。
【0077】
変形可能要素は、約50マイクロメートル~約200マイクロメートル、または約100マイクロメートル~約150マイクロメートル、または約110マイクロメートル~約130マイクロメートルの範囲内の厚さを有してもよい。
【0078】
変形可能要素は破れるまたは開放されると、カプセル空洞の直径の少なくとも約80パーセントまたは少なくとも約90パーセントである開径を有する開口部を画定してもよい。
【0079】
変形可能要素は、吸入空気がカプセル空洞に入ることを可能にするために、容易に破れうる。例えば、変形可能要素は、ユーザーによる力の印加を補助するための追加のツールを使用することなく、ユーザーが吸入器物品をユーザーホルダー装置の中に手動で挿入すると破れるように構成されてもよい。変形可能要素は、カプセル空洞の上流端全体を実質的に露出するように破れたり、開放したりしてもよい。変形可能要素は、吸入器物品の消費前に、保持されたカプセルおよび吸入器物品の保護カバーまたは衛生バリアを提供してもよい。
【0080】
ラッピング層は吸入器物品の本体を画定してもよい。ラッピング層は、マウスピース要素および変形可能要素を囲んでもよい。ラッピング層は、マウスピース要素および変形可能要素を結合してもよい。ラッピング層は、連続軸状接合でマウスピース要素および変形可能要素を結合してもよい。ラッピング層はセルロース系材料から形成されてもよい。
【0081】
変形可能要素はラッピング層を越えて延びてもよい。変形可能要素は、約0.5ミリメートル~約5ミリメートル、または約1ミリメートル~約4ミリメートル、または約2ミリメートル~約3ミリメートルの範囲で、ラッピング層を越えて延びてもよい。
【0082】
方法は、整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程の前に、半完成吸入器物品の遠位端部分を前処理して、構造的安定性が低下した前処理部分を得る工程を含んでもよい。
【0083】
前処理は、前処理ステーションを提供することを含んでもよい。前処理ステーションは、変形可能な管状要素の遠位端にクリース線を入れる、変形可能な管状要素の遠位端を切断する、または変形可能な管状要素の遠位端にスコア線を入れるための処理ヘッドを含んでもよい。
【0084】
前処理工程は、変形可能な管状要素の遠位端の縁を捲縮することを含んでもよい。捲縮すると、変形可能な管状要素の縁は、吸入器物品の軸方向に本質的に平行に延びる一つ以上の線に沿って折り畳まれる。
【0085】
前処理する工程は、変形可能な管状要素の遠位端の縁を、吸入器物品の軸方向に概して平行に延びる一つ以上の線に沿って切断することを含んでもよい。
【0086】
前処理する工程は、変形可能な管状要素の遠位端の縁に、吸入器物品の軸方向に概して平行に延びる一つ以上の線に沿ってスコア線を入れることを含んでもよい。スコア線を入れると、変形可能要素に不連続な切断線が提供されうる。
【0087】
捲縮線、スコア線または切断線の長さは、0.5~5ミリメートル、好ましくは約1~4ミリメートル、および好ましくは約2.5~3.5ミリメートルの範囲内であってもよい。一般的に、これらの線の長さは、構造的安定性が低下した前処理部分の長さを決定する。
【0088】
前処理部分の必要な長さは、吸入器物品の直径に依存する。
【0089】
典型的な吸入器物品は7.2ミリメートルの直径を有してもよい。こうした物品の場合、前処理部分の有用な長さは、少なくとも約3ミリメートルであってもよく、最大でも半径(3.6ミリメートル)と等しくてもよい。こうした寸法の前処理部分を用いて、変形可能な管状要素の遠位端の十分な閉鎖が達成されてもよい。
【0090】
前処理工程中、変形可能な管状要素の遠位端には、4~15本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供されてもよい。好ましくは、変形可能な管状要素には、6~12本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供されてもよい。好ましくは、変形可能な管状要素には、8~10本のクリース線、切断線、またはスコア線が提供されてもよい。より多くのクリース線、切断線、またはスコア線が提供されるほど、変形可能な管状要素は、より良く円筒状の形態に折り畳まれうる。しかしながら、クリース線、切断線、またはスコア線の数が増加すると、折り畳みプロセスの複雑さが増大する。約7.2ミリメートルの直径を有する吸入器物品の製造に使用される典型的な紙材料の場合、8~10本のクリース線、切断線、またはスコア線の数が、最良の結果をもたらすことが実証されている。
【0091】
一般的に、クリース線、切断線、またはスコア線は、変形可能な管状要素の長軸方向軸に平行に延びるように形成されてもよい。しかしながら、これらの線はまた、吸入器物品の長軸方向軸に対して、任意の所望の角度で延びるように形成されることができる。これらの線は、吸入器物品の長軸方向軸に対して、0~45度の角度で延びるように形成されてもよい。
【0092】
整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程は、半完成吸入器物品の遠位端部分を少なくとも90度内側に折り畳むことを含んでもよい。半完成吸入器物品の遠位端部分は、90~110度の角度で内側に折り畳まれてもよい。
【0093】
一部の実施形態において、半完成吸入器物品の遠位端は、半完成吸入器物品の遠位端部分を少なくとも90度内側に折り畳むことによって完全に閉鎖される。本明細書に開示の通りの半完成吸入器物品を整列させる工程がないと、より短い半完成吸入器物品の一部は、より短い遠位端部分が折り畳まれることに起因して、不利なことに完全に閉鎖されない場合がある。
【0094】
一部の実施形態において、半完成吸入器物品の遠位端は、折り畳まれた遠位端の中心にある中央開口が開いたままになるように、半完成吸入器物品の遠位端部分を少なくとも90度内側に折り畳むことによって部分的に閉鎖される。本明細書に開示の通りの半完成吸入器物品を整列させる工程がないと、より短い半完成吸入器物品の一部は、より短い遠位端部分が折り畳まれることに起因して、不利なことに、より広い開口を有しうる。本明細書に開示の通りの半完成吸入器物品を整列させる工程がないと、より長い半完成吸入器物品の一部は、より長い遠位端部分が折り畳まれることに起因して、不利なことに、より小さい開口を有しうる。これは、折り畳まれた遠位端の不均一な外観をもたらしうる。
【0095】
ホルダーの中に受容されたすべての半完成吸入器物品の遠位端は、同時に閉鎖されてもよい。
【0096】
ホルダーの中に受容されたすべての半完成吸入器物品の遠位端は、同じ力を加えることによって閉鎖されてもよい。
【0097】
本明細書で使用される「吸入器物品を製造するための方法」という用語は、完全に完成した吸入器物品を製造するための方法を指してもよく、または吸入器物品のサブユニットもしくは二倍長の吸入器物品を製造するための方法を指してもよい。
【0098】
本明細書で使用される「吸入器物品」という用語は、当業者に知られている任意のタイプの吸入器物品を指してもよい。「吸入器物品」という用語は、加熱されて、吸入可能なエアロゾルを生成してユーザーに送達するエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品を指してもよい。「吸入器物品」という用語は、乾燥粉末吸入器を指してもよい。
【0099】
完成した吸入器物品は、本体と、カプセルを保持するカプセル空洞と、近位端にあるマウスピース要素と、少なくとも部分的に閉鎖した遠位端を有する変形可能な管状要素とを備えてもよい。
【0100】
本発明は、本明細書に記載の方法によって製造された複数の吸入器物品を含むパッケージにさらに関する。
【0101】
パッケージは、5~40個の吸入器物品、好ましくは10~30個の吸入器物品、より好ましくは15~25個の吸入器物品、最も好ましくは18~22個の吸入器物品を含んでもよい。
【0102】
パッケージ内の吸入器物品の少なくとも部分的に閉鎖した端は、均一な外観を有してもよい。
【0103】
パッケージ内の吸入器物品の部分的に閉鎖した遠位端の中央開口の直径の差異は、20%未満、好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満、最も好ましくは1%未満であってもよい。
【0104】
本発明は、吸入器物品を製造するための設備用のホルダーにさらに関する。ホルダーは複数のスロット要素を備える。各スロット要素は、半完成吸入器物品を挿入するための陥凹部と、陥凹部内の半完成吸入器物品の長軸方向の位置を調整するための移動可能な端面とを備える。ホルダーは、移動可能な端面を所定位置に保持するための解放可能な固定手段を備える。解放可能固定手段は、各移動可能な端面に対して個別の解放可能な固定要素を備えてもよい。複数の移動可能な端面は、解放可能な固定手段の共通の解放可能な固定要素によって固定されてもよい。
【0105】
本発明は、本明細書に記載の通りのホルダーと、平らな面を備える整列要素とを備える、吸入器物品を製造するための設備にさらに関する。
【0106】
設備は、ホルダーを少なくとも180度回転させるための反転機構を備えてもよい。
【0107】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0108】
実施例A:吸入器物品を製造するための方法であって、
長軸方向軸、近位端、開放遠位端を備える複数の半完成吸入器物品を提供する工程と、
半完成吸入器物品が平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品の開放遠位端が長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、半完成吸入器物品を整列させる工程と、
整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程と、を含む方法。
実施例B:半完成吸入器物品の開放遠位端を全く同じ高さに整列させることが、製造公差に起因する半完成吸入器物品の長さの差異を補うために、半完成吸入器物品を別の半完成吸入器物品に対して移動させることを含む、実施例Aに記載の方法。
実施例C:半完成吸入器物品の開放遠位端を全く同じ高さに整列する工程が、
移動可能な端面を有する複数のスロット要素を備えるホルダーを提供する工程と、
半完成吸入器物品の近位端がスロットの移動可能な端面に接触するように、半完成吸入器物品を各スロット要素の中に挿入する工程と、
平らな面が半完成吸入器物品の長軸方向と直角であるように、整列要素の平らな面に近接してホルダーをもたらす工程と、
重力が半完成吸入器物品の開放遠位端を下向きに移動させて、平らな面と接触させるように、ホルダーおよび整列要素を180度反転する工程と、
移動可能な端面を下向きに移動させて、半完成吸入器物品の近位端と接触させる工程と、
移動可能な端面の位置を固定する工程と、を含む、実施例Aまたは実施例Bに記載の方法。
実施例D:移動可能な端面の位置を固定する工程の後に、
整列した半完成吸入器物品が、上部に開放遠位端を有する直立位置にあるように、ホルダーを180度反転する工程、を含む、実施例Cに記載の方法。
実施例E:半完成吸入器物品が、上部に開放遠位端を有する直立位置にあるように、ホルダーを180度反転する工程の後、
半完成吸入器物品の各開放遠位端の中にカプセルを挿入する工程を含む、実施例Dに記載の方法。
実施例F:カプセルがニコチンを含む、実施例Eに記載の方法。
実施例G:カプセルが乾燥粉末を含む、実施例Eまたは実施例Fに記載の方法。
実施例H:半完成吸入器物品の遠位端部分が、変形可能な厚紙管を備える、実施例A~Gのいずれかに記載の方法。
実施例I:整列した半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程の前に、半完成吸入器物品の遠位端部分を前処理して、構造的安定性が低下した前処理部分を得る工程を含む、実施例A~Hのいずれかに記載の方法。
実施例J:整列された半完成吸入器物品の遠位端を少なくとも部分的に閉鎖する工程が、半完成吸入器物品の遠位端部分を少なくとも90度内側に折り畳むことを含む、実施例A~Iのいずれかに記載の方法。
実施例K:ホルダーの中に受容されたすべての半完成吸入器物品の遠位端が、同時に閉鎖されている、実施例A~Jのいずれかに記載の方法。
実施例L:ホルダーの中に受容されたすべての半完成吸入器物品の遠位端が、同じ力を加えることによって閉鎖されている、実施例A~Kのいずれかに記載の方法。
実施例M:実施例A~Lのいずれかの方法によって製造された複数の吸入器物品を含むパッケージ。
実施例N:5~40個の吸入器物品、好ましくは10~30個の吸入器物品、より好ましくは15~25個の吸入器物品、最も好ましくは18~22個の吸入器物品を含む、実施例Mに記載のパッケージ。
実施例O:吸入器物品の少なくとも部分的に閉鎖した端が、均一な外観を有する、実施例Mまたは実施例Nに記載のパッケージ。
実施例P:吸入器物品の部分的に閉鎖した遠位端の中央開口の直径の差異が、20%未満、好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満、かつ最も好ましくは1%未満である、実施例M、実施例N、および実施例Oのいずれかに記載のパッケージ。
実施例Q:吸入器物品を製造するための設備用のホルダーであって、
複数のスロット要素であって、各スロット要素が、半完成吸入器物品を挿入するための陥凹部と、陥凹部内の半完成吸入器物品の長軸方向の位置を調整するための移動可能な端面とを備える、複数のスロット要素と、
移動可能な端面を所定位置に保持するための解放可能な固定手段と、を備えるホルダー。
実施例R:吸入器物品を製造するための設備であって、
実施例Qに記載のホルダーと、
平らな面を備える整列要素と、を備える設備。
実施例S:ホルダーを少なくとも180度回転させるための反転機構を備える、実施例Rの設備。
【0109】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0110】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0111】
図1Aは、例示的な吸入器物品10の概略断面図である。吸入器物品10は、近位端14から遠位端16に、吸入器物品10の長軸方向軸に沿って延びる本体12と、カプセル空洞18と、カプセル空洞18内に保持されたカプセル20とを含む。本体12は、変形可能な管状要素24を形成するマウスピース要素22の周りに巻かれた紙材料を含む。変形可能な管状要素24は、マウスピース要素22によって下流で境界付けられ、変形可能な管状要素24の少なくとも部分的に閉鎖された遠位端16によって上流で境界付けられた、カプセル空洞18を画定する。
【0112】
図1の実施形態において、変形可能な管状要素24は、約125マイクロメートルの厚さと、約100グラム毎平方メートルの坪量とを有する紙で形成される。図示した吸入器物品10は、約20mmのマウスピース要素長さを有し、変形可能な管状要素24は約45mmの長さ、および約7.2mmの均一な外径を有する。
【0113】
図1Bは、変形可能な管状要素24の遠位端16が、中央開口26を除き、部分的に閉鎖している、例示的な吸入器物品10の正面斜視図である。変形可能要素24は、それ自体の上に折り畳まれて、重なり合うパイ形状のセクションを形成し、カプセル空洞18の遠位端16を部分的に閉鎖する。
【0114】
図1Cは、遠位端16が開放している変形可能な管状要素24を有する例示的な吸入器物品の正面斜視図である。変形可能な管状要素24の遠位端16の折り畳まれたセクションは、カプセル空洞18を露出させるために開放されていてもよい。遠位端16を開放するために、変形可能な管状要素24は、本明細書に記載されていない適切なユーザーホルダー装置の中に挿入されてもよい。変形可能要素24の遠位端16の折り畳まれたセクションが開放された後、旋回または回転する吸入気流を受容するための開口が形成される。
【0115】
図2A図2Dは、本発明の、整列なしに吸入器物品の開放端を閉鎖する工程を示す。
【0116】
図2Aは、開放遠位端16を有する、かつカプセル20で充填されている半完成吸入器物品10を示す。半完成吸入器物品10は、ホルダー30のスロット内に配設されている。製造公差に起因して、半完成吸入器物品10は長さが異なる。結果として、ホルダー30内の物品10の開放遠位端16の高さは異なる。これは、図2Aの三本の点線によって示されている。中央の線は、物品10の公称長さによる所望の高さを示す。上方および下方の点線は、製造公差に起因する、より長い物品およびより短い物品10の高さの差異をそれぞれ示す。閉鎖ステーションの一部を形成する折り畳みヘッド32も、図2Aに示されている。
【0117】
図2Bは後続の工程を示し、ここで、半完成吸入器物品10の遠位端部分を少なくとも90度内側に折り畳むことによって、半完成吸入器物品10の開放遠位端16を少なくとも部分的に閉鎖するために、折り畳みヘッド32は下向きに移動されている。
【0118】
図2Cは後続の工程を示し、ここで折り畳みヘッド32は、物品10の遠位端16を閉鎖した後に、再び上に移動されている。
【0119】
図2Dは、部分的に閉鎖した遠位端16を上面図で示す。ホルダー30も示されている。部分的に閉鎖した遠位端16の中央開口26のサイズは異なる。言い換えれば、中央開口26の内径は異なる。これは、折り畳む前の遠位端16の異なる高さによって引き起こされていて(図2A)、これは次に、折り畳まれた遠位端部分の異なる長さをもたらす。それ故に、図2Dに示す通り、吸入器物品10の遠位端16の不均一な外観という結果になる。
【0120】
図3A図3Fは、本発明の一実施形態による半完成吸入器物品の整列の工程を示す。
【0121】
図3Aは、開放遠位端16を有する半完成吸入器物品10を示す。半完成吸入器物品10は、ホルダー30のスロット内に配設されている。スロットは移動可能な端面34を備える。端面34は、それらの格納された位置にある。図2Aの実施形態と同様に、製造公差に起因する開放遠位端16の異なる高さは、図3Aにおいて三本の点線で示されている。
【0122】
図3Bは、ホルダー30に近接する整列要素36の平らな面の提供を示す。平らな面は、半完成吸入器物品10の長軸方向と直角である。
【0123】
図3Cは、180度反転されたホルダー30および整列要素36を示す。結果として、重力は、半完成吸入器物品10の開放遠位端16を下向きに移動させて、整列要素36の平らな面と接触させる。この移動は図3Cにおいて矢印によって示されている。
【0124】
図3Dは、移動可能な端面34を下向きに移動させて、半完成吸入器物品10の近位端14に接触させる後続の工程を示す。この移動は図3Dにおいて矢印によって示されている。次いで、移動可能な端面の位置は、解放可能な固定手段38によって固定される。
【0125】
図3Eは、直立位置に戻るように180度反転されたホルダー30および整列要素36を示す。
【0126】
図3Fに示す通り、整列要素36の取り外しの後、カプセル20は開放遠位端16の中に挿入されてもよい。この移動は図3Fにおいて矢印によって示されている。物品10は直立位置に戻るように反転されているため、カプセル20は重力によって挿入されてもよい。
【0127】
図4A図4Dは、図3A図3Fの整列の工程後の半完成吸入器物品10の開放端を閉鎖する工程を示す。
【0128】
図4Aは、整列後、半完成吸入器物品の長軸方向軸が平行に配設されていて、かつ半完成吸入器物品10の開放遠位端16が長軸方向軸と平行な方向に関して全く同じ高さに位置するように、半完成吸入器物品10が配設されていることを示す。全く同じ高さでの場所は、図4Aにおいて点線によって示されている。閉鎖ステーションの折り畳みヘッド32も、図4Aに示されている。
【0129】
図4Bは後続の工程を示し、ここで、半完成吸入器物品10の遠位端部分を少なくとも90度内側に折り畳むことによって、半完成吸入器物品10の開放遠位端16を少なくとも部分的に閉鎖するために、折り畳みヘッド32は下向きに移動されている。
【0130】
図4Cは後続の工程を示し、ここで折り畳みヘッド32は、物品10の遠位端16を少なくとも部分的に閉鎖した後に、再び上に移動されている。
【0131】
図4Dは、部分的に閉鎖した遠位端16を上面図で示す。ホルダー30も示されている。部分的に閉鎖した遠位端16の中央開口26のサイズは異ならない。言い換えれば、中央開口26の内径は異ならない。これは、折り畳む前の遠位端16の同じ高さによって達成されていて(図4A)、これは次に、折り畳まれた遠位端部分の同じ長さをもたらす。それ故に、図4Dに示す通り、吸入器物品10の遠位端16の均一な外観という結果になる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
【国際調査報告】