(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】複数の巻付ヘッドを有する回転支持体を備えたフィラメント巻付マシン
(51)【国際特許分類】
B29C 70/54 20060101AFI20240808BHJP
B29C 70/32 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
B29C70/54
B29C70/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506681
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 FR2022000068
(87)【国際公開番号】W WO2023012410
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524044027
【氏名又は名称】エムエフ テック
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル,フルヴァ
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AD16
4F205AG07
4F205AJ08
4F205HA02
4F205HA23
4F205HA37
4F205HB01
4F205HC02
4F205HK21
4F205HL02
4F205HT22
(57)【要約】
本発明は本体(9)をその長手方向軸(A)の周りに回転駆動することができ、かつ巻付手段に対する本体の相対変位をもたらすことができる変位システム(3)を含む、特にタンクの製造のためのライナ上のフィラメント巻付のためのマシン(1)に関する。巻付手段(2)は回転軸(B)の周りを回転するように取り付けられた回転支持体(23)を備え、その上に少なくとも2つの巻付システム(20a、20b)が取り付けられ、各巻付システムは保管手段(22a、22b)に関連付けられた巻付ヘッド(21a、21b)を備え、その結果、回転支持体の回転によって、各巻付システムはその巻付ヘッドを介して繊維を巻き付けるためのアクティブ位置、およびオペレータが保守作業を行うことができる非アクティブ位置に変位する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主縦軸(A)を有する本体(9)上に少なくとも1つの連続繊維を巻き付けるためのフィラメント巻付マシン(1、101)であって、
繊維保管手段に関連する少なくとも1つの巻付ヘッドを備える巻付手段(2、102)と、
本体(9)をその長手方向軸(A)の周りに回転させることができ、かつ、繊維を前記本体に巻き付けるための前記巻付手段に対する前記本体の相対変位を行うことができる変位システム(3、103)と、を備え、
前記巻付手段(2、102)が、少なくとも2つの巻付システム(20a、20b、120a、120b、120c)が取り付けられた回転軸(B、B´)の周りに回転可能に取り付けられた回転支持体(23、123)を含み、
前記巻付システムが、保管手段(22a、22b、122a、122b、122c)に関連する巻付ヘッド(21a、21b、121a、12b、121c)を含み、
前記回転支持体をその回転軸(B、B´)の周りに回転させることによって、各巻付システムを、その巻付ヘッドを介する繊維巻付のためのアクティブ位置と、オペレータが保守作業を行うことができる非アクティブ位置とに移動させることができる、ことを特徴とするフィラメント巻付マシン。
【請求項2】
前記回転支持体(23、123)は、垂直回転軸(B、B´)の周りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィラメント巻付マシン。
【請求項3】
前記回転支持体(23)は2つの巻付システム(20a、20b)を担持し、
各巻付システムはアクティブ位置と非アクティブ位置との間を移動可能であり、
その2つの位置の間の各巻付システムの機動は、2つの位置の間の回転軸(23)の周りの回転支持体の180°および/または-180°の回転によって達成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のマシン。
【請求項4】
前記回転支持体が第1、第2、および第3の巻付システム(120a、120b、120c)を担持し、
それぞれが、アクティブ位置と2つの非アクティブ位置との間で移動可能であり、
その3つの位置の間での各巻付システムの機動が、3つの位置の間で、その回転軸(B´)の周りでの前記回転支持体の+120°および/または-120°回転によって達成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のマシン。
【請求項5】
各巻付ヘッド(21a、21b、121a、12b、121c)が、水平回転軸(C、C´)の周りで前記回転支持体(23、123)上に回動可能に取り付けられたガイド部材を備え、
各巻付システムが、そのガイド部材をその回転軸の周りで回動させることができるモータを含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項6】
前記変位システム(3)が、その端部によって前記本体を運ぶことができる第1の多関節ロボット(30a)及び第2の多関節ロボット(30b)を含み、
その結果、前記本体が、第1の端部によって前記第1の多関節ロボット(30a)に、および第2の端部によって前記第2の多関節ロボットに回転可能に取り付けられ、前記2つの多関節ロボットのうちの少なくとも1つが、前記本体をその長手方向軸の周りに回転させるための駆動モータ(36a、36b)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項7】
前記巻付手段(2、102)は、前記変位システム(3、103)の第1の側に配置され、前記マシンは、前記変位システムが本体を把持することができ、前記変位システムが本体を置くことができ、前記巻付手段に対向して前記変位システムの前記第2の側に配置された積み降ろしベンチ(4、104)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項8】
横に並べて配置された請求項7に記載のいくつかのマシンと、
レール(62)上で移動可能に取り付けられた多関節ロボットを含み、前記巻付マシンの前記積み降ろしベンチから本体を把持し、前記積み降ろしベンチ上に本体を配置させることができる把持装置(63)が設けられた移送システム(6)と、を備えることを特徴とするフィラメント巻付設備。
【請求項9】
少なくとも1つの連続繊維の本体上へのフィラメント巻き付けを含む繊維強化部品の製造法であって、
前記フィラメント巻き付けが、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィラメント巻付マシンまたは請求項8に記載の設備によって行われることを特徴とする、繊維強化部品の製造法。
【請求項10】
高圧容器のような繊維強化部品を製造するための、請求項9に記載の方法であって、前記本体がライナを構成し、前記繊維強化部品が、前記ライナと前記繊維巻付とによって形成されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本考案は、少なくとも1つの連続繊維を本体上に、特にタンクの製造のためのライナ上に巻き付けるためのフィラメント巻付マシン、並びに、少なくとも1つの連続繊維を本体上に、このようなマシンによって巻き付けるフィラメント巻付マシンを含む繊維強化部品の製造方法に関する。
【0002】
加圧ガスを貯蔵するための公知の複合タンクがあり、一般に、円筒形の中央部分と、断面が減少し、外側に向かって丸くなっている2つの端部部分とを備え、古典的にはドームとして知られている。タイプIVタンクの場合、タンクは封止された貯蔵チャンバを画定する、古典的にライナと呼ばれる内側シェルと、ライナの周りに連続繊維をフィラメント巻きすることによって得られる、ライナを囲む補強シェルとによって形成され、繊維は好ましくは樹脂、一般に熱硬化性樹脂で予備含浸され、各繊維は多数の連続フィラメントから形成される。
【0003】
フィラメント巻付は、典型的には繊維保管手段に関連する少なくとも1つの巻付ヘッドを備える巻付手段と、ライナをその縦軸の周りに回転させ、繊維を前記ライナに巻き付けるための巻付手段に対してライナを相対的に変位させることができる変位システムとを備えるフィラメント巻付マシンによって実行される。
【0004】
特にドイツ国特許出願公開第10 2010 047 361号明細書には、巻付手段が横軸の周りを回転するように固定されたフレームに取り付けられた巻付ヘッドを備えていることが知られている。クリール状に配置された繊維スプールから来る繊維は、まず樹脂浴からなる含浸システムを通過した巻付ヘッドに向かってウェブの形態で案内される。変位システムは、その端部に把持装置を担持する多関節アーム型ロボットを備える。把持装置はその基部によってロボットの手首に取り付けられたU字形支持体を備え、ライナはU字形の2つのアームの間のその端部によって取り付けられ、モータによってその端部の1つによって回転駆動される。
【0005】
このタイプのマシンは、ライナを担持するロボットを用いて、自動車分野で古典的に使用されている標準的なロボットを使用して、コンパクトで、設計が簡単で、低コストのフィラメント巻付マシンを提供することを可能にする。このロボットはフィラメント巻付け作業のためにライナを装填することを容易にし、巻付け後に得られた強化ライナを別の処理ステーションにたやすく移送することを容易にする。
【0006】
繊維スプールを交換するには、マシンを停止する必要があり、これにより、マシンの生産速度が大幅に低下する。
【0007】
本発明の目的は、高い生産速度で巻き付けることによって部品の製造を可能にする巻付マシンを提供することである。
【0008】
この目的のために、本発明は、主長手方向軸を有する本体上に少なくとも1つの連続繊維を巻き付けるためのフィラメント巻付マシンを提案し、
前記マシンは、繊維保管手段に関連する少なくとも1つの巻付ヘッドを含む巻付手段と、繊維を巻き付けるための巻付手段に対して、本体をその長手方向軸の周りに回転させ、本体を相対的に変位させることができる変位システムと、を備える。
【0009】
巻付手段が少なくとも2つの巻付システムが取り付けられた固定構造体上の回転軸の周りに回転可能に取り付けられた回転支持体またはカルーセルを備え、各巻付システムが保管手段に関連する巻付ヘッドを備え、その結果、回転支持体をその回転軸の周りに回転させることによって、各巻付システムが、その巻付ヘッドによって繊維を巻き付けるためのアクティブ位置と、オペレータが保守作業を行うことができる非アクティブ位置とに変位することができることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、巻付マシンはいくつかの巻付システムを担持するカルーセルを備え、その結果、1つの巻付システムが巻付動作のために使用されているとき、保守作業、特に繊維スプールの変更を、他の巻付システム上でマスクされた時間内に実行することができる。したがって、本発明によるマシンは、高い生産速度を達成することを可能にする。本発明によるマシンは、タンクのライナを構成する本体を有する高圧タンクの製造に特に有利である。
【0011】
一実施形態によれば、回転支持体は、垂直回転軸の周りを回転できるように取り付けられる。
【0012】
一実施形態によれば、回転支持体はn個の巻付システムを備え、nは2以上の整数であり、巻付システムは、360°/nに等しい規則的な角度間隔で回転支持体上に配置される。
【0013】
一実施形態によれば、前記回転支持体は2つの巻付システムを担持し、各巻付システムはアクティブ位置と非アクティブ位置との間で移動可能であり、その2つの位置の間での各巻付システムの機動は2つの位置の間での回転支持体の回転軸の周りの180°および/または-180°の回転によって達成され、第1の巻付システムおよび第2の巻付システムはそれぞれアクティブ位置および非アクティブ位置にあり、第2の位置は第1の巻付システムおよび第2の巻付システムがそれぞれ非アクティブ位置およびアクティブ位置にある。
【0014】
一実施形態によれば、前記回転支持体は第1、第2、および第3の巻付システムを担持し、各巻付システムはアクティブ位置と2つの非アクティブ位置との間で移動可能であり、その3つの位置の間での各巻付システムの機動は、3つの位置の間で、その回転軸の周りでの回転支持体の+120°および/または-120°回転によって達成される。
【0015】
-第1、第2、および第3の巻付システムがそれぞれアクティブ位置、第2の非アクティブ位置、および第1の非アクティブ位置にある第1の位置;
-第1、第2、および第3の巻付システムがそれぞれ第1の非アクティブ位置、アクティブ位置、および第2のアクティブ位置にある第2の位置、
-第1、第2、および第3の巻付システムがそれぞれ第2の非アクティブ位置、第1の非アクティブ位置、およびアクティブ位置にある第3の位置、
各巻付システムの2つの非アクティブ位置のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方の非アクティブ位置は、オペレータが保守作業を行うことができる保守位置に対応する。
【0016】
別の実施形態では、回転支持体が水平回転軸の周りに回転可能に取り付けられる。
【0017】
一実施形態によれば、各巻付ヘッドは好ましくは回転軸、好ましくは水平回転軸の周りで前記回転支持体上に回動可能に取り付けられた、眼または1つ以上のローラまたはプーリなどのガイド部材を備え、各巻付システムはその回転軸の周りでそのガイド部材を回動させることができるモータを備える。
【0018】
一実施形態によれば、各巻付システムの保管手段は支持構造体上に取り付けられたマンドレルを備え、各マンドレルは繊維スプールを担持することができ、張力調整システムに関連付けられ、各巻付システムは、マンドレルから巻付ヘッドに向かって繊維を案内して、ヘッドに繊維のウェブを形成することができる案内手段を備える。
【0019】
一実施形態によれば、各巻付システムは、複数の巻付ヘッド、例えば2つ又は3つの巻付ヘッドを備え、各巻付ヘッドは例えば、同じ鉛直面内に配置された回転軸を備えて互いに上下に配置され、マシンは好ましくは複数の本体を回転駆動することができる変位システムを備え、その個数は各巻付システムの巻付ヘッドの個数に対応し、繊維を前記本体に同時に巻き付けるために、巻付手段に対する本体の相対変位を実行する。
【0020】
一実施形態によれば、変位システムは、その端部によって前記本体を運ぶことができる第1の多関節ロボットと第2の多関節ロボットとを備え、その結果、本体は第1の多関節ロボット上の第1の端部によって、および第2の多関節ロボット上の第2の端部によって、その長手方向回転軸の周りに回転可能に取り付けられ、2つの多関節ロボットのうちの少なくとも1つはその長手方向軸の周りで前記本体を回転させるための駆動モータを備える。このような2ロボット変位システムは高い変位速度および加速度、したがって高い生産速度、ならびに合理的な材料および設置コストを保証しながら、大きな物体を運ぶことを可能にする。加えて、そのような変位システムは3つの寸法全てにおいて本体の正確な変位を可能にし、良好な巻付品質をもたらす。このマシンは、タンクのライナを構成する本体を有する高圧タンクの製造に特に有利である。
【0021】
一実施形態によれば、各多関節ロボットは、多関節ロボットの端部手首に組み付けられ、好ましくは自動で、本体の管状端部をクランプすることができるクランプチャックを担持する支持ベースプレートを備える取付装置を備え、第1および/または第2の多関節ロボットのクランプチャックは本体をその長手方向軸の周りで回転させるための駆動モータに接続される。
【0022】
一実施形態によれば、2つのチャックのうちの少なくとも1つは、本体が2つの取り付け装置に組み付けられるときに、いかなる過静的な問題も回避するために、1つまたは複数の自由度でそのベースプレートに取り付けられる。
【0023】
一実施形態によれば、各クランプチャックはクランプチャックの長手方向軸が多関節ロボットの手首の最後の回転軸に対して垂直に配置されるようにベースプレート上に取り付けられ、したがって、取り付け装置は本体の長手方向軸が多関節ロボットの最後の軸に対して垂直に配置されるように本体を担持することができる。この種の取り付けは、糸巻き作業のための本体の最適化された三次元の変位を可能にし、また、本体を把持し、ロボットからの巻付手段の対向する側面に配置することを可能にする。
【0024】
一実施形態によれば、第1および第2の多関節ロボットのクランプチャックはそれぞれ、本体をその長手方向軸の周りで回転させるための駆動モータに接続される。ライナの場合、各クランプチャックの電動化は、巻付作業中のライナのねじれを防止する。
【0025】
別の実施形態によれば、各巻付システムが上述のように、いくつかの巻付ヘッドを備えるとき、変位システムはいくつかの本体を運ぶことができ、各多関節ロボットはいくつかのクランプチャックが上下に取り付けられた第2のパネルを備えたベースプレートを備え、各本体は、一端によって、第1の多関節ロボットのクランプチャックと、第2の多関節ロボットのクランプチャックとに接続される。
【0026】
一実施形態によれば、変位システムは、それぞれが6軸型ロボットによって形成される第1の多関節ロボットおよび第2の多関節ロボットを備える。このような6軸ロボットはロボットに対する巻付手段の対向面での本体の巻付及び把持及び配置のために、本体の最適な移動を保証する。
【0027】
一実施形態によれば、第1の多関節ロボットおよび第2の多関節ロボットはそれらの基部によってレール上に摺動可能に取り付けられ、その結果、2つのロボット間の中心距離、特に、それらの第1の垂直回転軸間の中心距離は、本体の長さに適合させることができる。
【0028】
一実施形態によれば、巻付手段は変位システムの第1の側に配置され、マシンは巻付手段に対向する変位システムの第2の側に配置され、変位システムが本体を把持することが可能であり、好ましくは、少なくとも2つの本体を受容することが可能な積み降ろしベンチをさらに備える。
【0029】
本発明の別の目的は、並んで配置されたいくつかのマシンと、レール上で移動可能に取り付けられた多関節ロボットを備え、巻付マシンの積み降ろしベンチから本体を把持し、前記積み降ろしベンチ上に本体を配置させることができる把持装置を備えた移送システムとを備え、前記移送システムは好ましくは入口ベンチおよび出口ベンチをさらに備え、前記レールは巻付マシンの変位システムとは反対側の巻付マシンの積み降ろしベンチの側に配置される。
【0030】
本考案の別の目的は、少なくとも1つの連続繊維を本体上にフィラメント巻きすることを含む繊維強化部品を製造するための方法であって、フィラメント巻き付けが、上述のように、フィラメント巻付マシンまたは設備によって実行されることを特徴とする方法である。
【0031】
本方法の一実施形態によれば、高圧タンクなどの繊維強化部品の製造のために、本体はライナを構成し、繊維強化部品はライナおよび繊維巻付から形成され、ライナは好ましくは実質的に円筒形の中央部分と、第1および第2のドーム形状の丸みを帯びた端部とを備え、ライナは端部に、2つの多関節ロボットの端部に取り付けるためのスピンドルを備える。
【0032】
別の実施形態では、本体はマンドレルを構成し、繊維強化部品は繊維巻付から形成される。
【0033】
本発明は、添付の概略図を参照して、本発明の2つの現在好ましい特定の実施形態の以下の詳細な説明の過程で、よりよく理解され、さらなる目的、詳細、特徴、および利点がより明らかになるのであろう。
【0034】
-
図1は、2つのロボットによって運ばれる本体上に繊維を巻き付ける動作中の、本発明によるフィラメント巻付マシンの概略斜視図である。
【0035】
-
図2は、
図1と同様の、本体アンロード動作時の斜視図である。
【0036】
【0037】
【0038】
-
図5は、いくつかのフィラメント巻付マシンを備える設備の概略上面図である。
【0039】
-
図6は本発明の第2の実施の形態に係るフィラメント巻付マシンの概略斜視図であり、
図7及び
図8は、それぞれ
図6に示す装置の上面図及び側面図である。
【0040】
図1~
図4を参照すると、本発明によるフィラメント巻付マシン1は、ここではタンクの生産のためのライナ9によって形成された本体上にウェブの形態のいくつかの繊維を巻き付けるために使用される。ライナは、主長手方向軸Aを有し、円筒形の中央部分と、取り付けスピンドル91を備えた2つの端部ドームとを備える。
【0041】
巻付マシンは、巻付手段2と、ライナ9を担持する変位システム3と、積み降ろし台またはステーション4とを備える。
【0042】
巻付手段2は、回転支持体または回転コンベア23に取り付けられた第1の巻付システム20aおよび第2の巻付システム20bを備える。カルーセル23は、床フレーム24上の鉛直回転軸Bを中心に回転可能に取り付けられており、マシン制御ユニットによって制御されるモータ25によって回転駆動可能である。2つの巻付システム20a、20bは、軸Bを通る第1の垂直面P1(
図3)の両側に配置される。各巻付システムは、繊維保管手段に関連する巻付ヘッドを備える。
【0043】
カルーセルの平面P1の第1の側面上に配置された第1の巻付システム20aは、第1の保管手段22aに関連する第1の巻付ヘッド21aを備える。第1の巻付ヘッドはここではカルーセルに固定された第1の支持体26a上の横軸Cの周りに回転可能に取り付けられた配置ローラによって形成されたガイド部材を備え、前記第1の支持体26aは平面P1から延在して巻付ヘッドを前記平面P1から離間させる。第1の保管手段22aは、連続繊維スプールを受け入れるための心棒を備える。マシンは8本の繊維のウェブを巻き付けるように設計されているので、第1の保管手段は8本の心棒を備える。マンドレルは、実質的に平面P1内でカルーセルに固定された支持フレーム27上に取り付けられる。第1の巻付装置はまた、それ自体公知の第1の案内手段(図示せず)を備え、巻付糸から巻き出された繊維を、繊維が実質的に端から端まで配置されたウェブの形態で案内部材に案内する。第1の巻付システムはウェブの各繊維の表面張力を調整する表面張力調整システム28aを備え、第1のマンドレルに関連する第1の表面張力調整モータを備え、これらの第1のモータはカルーセルの第2の側に配置される。第1の巻付ヘッド21aは、ウェブの形態の繊維をガイド部材にガイドするために、第1のヘッドと平面P1との間にクリアランスを提供するために、マンドレル22aよりも平面P1から離れて配置される。
【0044】
このマシンは、樹脂予備含浸繊維スプールと共に使用することができる。繊維スプールが支持フィルムを備えている場合、保管手段は、繊維スプールが巻き戻されるときに支持フィルムをローラ上に巻き戻すための巻き戻しマンドレルを備えてもよい。このマシンは乾燥繊維スプールと共に使用することもでき、この場合、第1の巻付システムは、巻付作業中に繊維に樹脂をインラインで塗布するための樹脂塗布システムを備えている。含浸システムは例えば、いわゆる湿潤巻付処理のために、平面P1と第1の巻付ヘッドとの間の空間に配置された樹脂含浸タンクを備える。
【0045】
第2の巻付システム20bは第1の巻付システム20aと同一であり、第2の支持体26b上の横軸Cの周りに回動可能に取り付けられた第2の巻付ヘッド21bと、第2の張力調整モータ28bに関連する第2の心棒を備える第2の保管手段22bと、案内手段(図示せず)と、任意選択的に樹脂塗布システムとを備える。第2のマンドレルは同じ支持フレーム27に取り付けられ、第2の張力調整モータ28bはカルーセルの第1の側に配置される。
【0046】
本実施形態では、第1の巻付ヘッドおよび第2の巻付ヘッドが、軸Bを通る平面P2の両側に、平面P1に垂直に配置され、ヘッドは平面P2とそれぞれの保管手段との間に配置される。
【0047】
変位システム3は、ライナを運ぶための2つの多関節アームまたはロボット30a、30bを備え、多関節ロボットは端部に、ライナをその端部スピンドル91によって2つの多関節ロボットに取り付けるための取り付けデバイス33を備える。
【0048】
各多関節ロボットは、それ自体公知の6軸型ロボットであり、地面に固定され、多関節ロボットの端部手首32に組み付けられた取付装置33を有する。
図1を参照すると、各多関節ロボットは回転軸D1~D6の周りで互いに対して旋回するように取り付けられた様々なセクション31a~31gを備え、第1のセクションまたはベース31aは地面に固定され、第2のセクション31bは横軸D1の周りで、ベース31a上で移動可能に取り付けられ、端部セクション31gは集合体軸としても知られる最後の回転軸D6に沿って取り付け装置を組み立てるための集合体ベースプレートを形成する。最後の3つのセクション31e、31f、および31gは、軸D4の周りに回転可能に取り付けられたロボットの端部手首32を形成する。
【0049】
装着装置33は、装置が手首32に装着される第1のプレート34aと、第1のプレートに直交する第2のプレート34bとからなるL字型の基盤プレートを備え、クランプチャック35、例えば、それ自体公知の旋盤チャックを有し、例えば空気圧式の3つの自動クランプジョーを備え、ライナの主軸を自動的にクランプしてアンクランプすることができる。第2のプレートに取り付けられたクランプチャックは、ロボットの最後の軸D6に垂直なチャック軸を有する。クランプチャック35は、ベースプレートの第1のプレート34aの下に位置し、マシン制御ユニットによって制御される駆動モータ36a、36bに接続され、ライナをその軸Aの周りに回転させる。好ましくは第1のロボット30aが制御ユニットによって制御される第1のマスタ駆動モータを備え、第2のロボット30bはマスタ駆動モータと同期する第2のスレーブ駆動モータを備える。
【0050】
2つの多関節ロボットは、互いに隣り合って床に固定される。
図3を参照すると、2つの巻付システムを担持するカルーセル23は、ロボットの第1の軸D1を通る平面P3の第1の側に配置される。この実施形態では、軸Bが軸D1から等距離にあり、平面P3に垂直な中央垂直平面P4に位置する。
【0051】
積み降ろしベンチ4は、平面P3の第2の側で、2つの多関節ロボットに対してカルーセルの反対側に配置される。ベンチは、床上に置かれるか、または床に固定される支持構造を備え、2つのライナを受容することができ、ライナの軸線Bは平面P3に平行に配置され、支持構造は、ライナごとに2つの受容システム41a、41bを備え、その上にライナをその端部スピンドルによって配置することができる。
【0052】
カルーセルはその軸Bの周りで+180°または-180°の回転によって2つの位置の間で変位させることができる。
図1、3、および4に示されるカルーセルの第1の位置では第1の巻付システム20aがアクティブ位置にあり、そのヘッドは2つの多関節ロボットによって担持されるライナ上でのフィラメント巻き付け作業に使用することができる。第2の巻付システム20bは、保守位置に対応する非アクティブ位置にある。カルーセルのこの位置では、平面P1は平面P3に平行であり、平面P2およびP4は一致する。
【0053】
巻付動作は、巻付ヘッド20aに対してライナを変位させるようにプログラムされた経路に沿って2つの多関節ロボットを駆動するマシン制御ユニット、ならびに、ライナをその軸Aの周りに回転させるための駆動モータ36a、36b、および、ヘッド20aをその回転軸の周りに回転させるためのモータによって実行される。
【0054】
第1の巻付システムを用いた巻付動作中、オペレータは、保守位置にある第2の巻付システムに対して完全な安全性で保守作業を実行することができる。特に、オペレータは第2の巻付装置のスプールを交換し、新しいスプールの繊維を、ガイド手段を通してガイド部材に通すことができる。オペレータはまた、第2のヘッドおよび/またはガイド手段のロールおよび/またはローラ上の洗浄および/または交換操作、および/または樹脂塗布システム上の操作を行うことができる。
【0055】
第1の巻付システムのスプールを変更する必要がある場合、回転台は、マシン制御ユニットを介してモータ25を駆動することによって、その軸Cを中心に180°にわたって回転させることによって、その第2の位置に移動される。この第2の位置では第2の巻付システム20bが、巻付動作がその巻付ヘッド21bを介して実行されることを可能にするアクティブ位置にあり、一方、第1の巻付システムは保守作業、特にスプールの交換のための保守位置にある。
【0056】
ライナフィラメント巻付作業の終わりに、ライナは巻付システムとは反対側の平面P3の側の2つの多関節ロボットによって変位され、
図2に示されるように、台の受容システム上にライナを配置させる。次いで、取り付け装置の自動クランプチャック35はスピンドルを解放するように制御され、多関節ロボットは、クランプチャックを、ライナの軸Aに平行な外向き並進運動で移動させ、したがって、クランプチャック35からスピンドルを解放するように制御される。次に、多関節ロボットを制御して、ベンチから新しいライナを把持し、新しい巻付動作のために巻付システムの前でそれを傾斜させることができる。
【0057】
図3に示すように、マシンは、多関節ロボット30a、30bおよび巻付手段2を囲む障壁51を備え、ロボットおよび巻付システムがアクティブ位置に配置される第1の区域53にアクセスするための第1の扉52と、巻付システムが保守位置に配置される第2の区域55にアクセスするための第2の扉54とを備える安全エンクロージャ5を有利に備える。障壁はカルーセルが回転することを可能にしながら、第2の扉を介して第1の区域内の保守位置で巻付システムにアクセスするオペレータが第1の区域内のアクティブ位置で巻付システムにアクセスすることができないように、巻付手段を支持フレームにできるだけ近く包囲する。ロボットとベンチ4との間のバリア部分51aはベンチからのライナのローディングおよびロボットによるベンチ上へのライナのアンローディングを可能にするために、低減された高さを有する。
【0058】
別の実施形態によれば、カルーセルおよび多関節ロボットは平面P4から軸Bがオフセットされた状態で床上に配置され、その結果、アクティブ位置にある巻付システムのヘッドは平面P4に配置され、その回転軸Cは平面P4に配置される。
【0059】
別の実施形態によれば、2つの巻付システムは、平面P1の両側のカルーセル上に対称的に配置され、2つの巻付システムの回転軸Cは一致する。
【0060】
一実施形態によれば、2つの多関節ロボットは、ライナの長さに従ってロボットの軸D1間の中心間距離を適合させることができるように、レール上のそれらの基部によって摺動可能に取り付けられ、中心間距離は、好ましくはロボット基部をレール上の所定の位置にロックすることによって、巻付動作中に固定される。
【0061】
有利には、第1の巻付システムおよび第2の巻付システムはそれぞれ、フィラメント巻付の開始時に手動の介入なしに繊維または繊維のウェブを自動的に本体に取り付けることを可能にする自動取り付け装置と、巻き付けの終了時に繊維または繊維のウェブを自動的に切断することを可能にする自動切断装置とを備える。
【0062】
図5は上述のような2つの巻付マシン1a、1bを備える巻付設備を示し、各々は、2つのロボットを備える移動システム3a、3bと、2つの巻付システムを担持するカルーセルを備える巻付手段2a、2bと、積み降ろしベンチ4a、4bとを備える。2つのマシン1a、1bは並んで配置され、マシンの平面P3は一致している。この設備はまた、6軸ロボットタイプの移送ロボット61と呼ばれる多関節ロボットを含む移送システム6を含み、この多関節ロボットは、平面P3に平行に配置されたリニアレール62上で、巻付マシンの多関節ロボットとは反対側のベンチ4a、4bの側に取り付けられる。移送ロボットはその手首に、その端部スピンドルによってライナを自動的に把持することができるグリップ装置63を取り付けられる。この設備はまた、ライナを受け入れるように設計されたレールの第1の端部にある第1の入口ベンチ64と、フィラメント巻付作業後に得られた強化ライナを受け入れるように設計された第2の出口ベンチ65とを備える。入力ベンチおよび出力ベンチは例えば、巻付マシンのベンチ4a、4bと同一であり、2つのライナを受け入れることができる。移送ロボットは入力ベンチからライナを把持して巻付マシン上に配置し、巻付マシンベンチから補強ライナを把持して出力ベンチ上に配置するために使用される。このシステムはライナおよび補強ライナの流れを効率的に管理し、高い生産速度を達成することを可能にする。
【0063】
図6~
図8は、巻付手段102と、ライナ9を担持する移動装置103と、積み降ろしベンチ104とを備える第2のタイプのフィラメント巻付マシン101を示している。
【0064】
巻付手段102は、回転支持体またはカルーセル123上に取り付けられた3つの巻付システム、すなわち、それぞれ120a、120b、および120cと称される第1、第2、および第3の巻付システムを備える。カルーセル123は、床面に固定されたフレーム124上の鉛直回転軸B´を中心に回転可能に取り付けられており、マシンの制御部によって制御されるモータ(図示せず)によって回転駆動可能である。カルーセルは、互いに120°で配置された3つの側面を定義する三角形の支持構造127を備え、各面に巻付システムが取り付けられている。それぞれの巻付装置は、繊維保管手段122a~cに関連する巻付ヘッド121a~cを備える。各巻付ヘッドは、ここでは全てアームに取り付けられた、幾つかの組のプーリ、中間ローラ、及び最終配置ローラによって形成されたガイド部材を備え、前記アームはカルーセルに固定された支持体126上の横軸C´の周りに回転可能に取り付けられ、前記支持体は1つの面から外側に延び、軸C´は互いに120°で配置される。各繊維は、各アセンブリの1つのプーリを通過し、次いで、中間ローラおよび最終配置ローラを通過する。図示の形態では、巻付ヘッドは、面上の中心にあり、軸C´が軸B´を通るように半径方向外向きに延在する。別の実施形態では、ヘッドが支持構造の側面の側にオフセットされる。巻付システムごとに、保管手段は、連続繊維の巻付枠を受け入れるための心棒を備える。マンドレルは、片側に組み立てられた支持板上に取り付けられる。各マンドレルは、張力制御モータ128に関連付けられる。ローラ171、172によって形成されるガイド手段はスプールから巻き出された繊維をガイド部材に向かってガイドすることを可能にし、繊維は、最終配置ローラのレベルで、繊維が実質的に端から端まで配置されるウェブの形態である。各巻付システムは、平面P1と巻付ヘッドとの間の空間に配置された樹脂含浸タンクによって形成された樹脂塗布システム173を備える。
【0065】
変位システム103はライナ9を運ぶための多関節ロボット130を備え、多関節ロボットの手首はその端部スピンドルによってライナを運ぶためのグリップ装置133を端部に備えている。この場合、多関節ロボットは、その基部によって床に固定された6軸ロボットである。グリップ装置133は、手首に接続され、手首の反対側に2つのL字形ベースプレート134を担持する梁137を備える。各ベースプレートは、梁上に取り付けられる第1のプレートと、第1のプレートに垂直な第2のプレートとを備え、第1のプレートは、ライナのスピンドルを自動的にクランプおよびアンクランプするための上述のものと同様に、クランプチャック135を担持し、チャック軸は、ロボットの最後の軸D6に垂直に、梁に平行に配置される。2つのベースプレートは、梁に沿って間隔を空けて配置される。有利には、ベースプレートのうちの少なくとも1つ、好ましくは両方のベースプレートは、それらの間隔をライナの長さに適合させることができ、かつライナの自動把持および配置を可能にするために、それらの第1のプレートによって梁上に摺動可能に取り付けられる。梁上の各ベースプレートの並進運動は、マシン制御ユニットによって制御されるモータによって保証される。2つのチャック135のうちの1つは、マシン制御ユニットによって制御される駆動モータ136に接続され、ライナをその軸Aの周りに回転させる。あるいは各チャックが駆動モータに接続される。
【0066】
多関節ロボットに対してカルーセルの反対側に配置されたベンチ104は、2つのライナを受容することができ、各ライナに対して、ここではフォークから形成された2つの受容システム41a、41bを備え、ベンチ上の位置決めは、
図6に示されるように、ライナの長さに適合させることができる。
【0067】
カルーセルは、各変位システムをアクティブ位置と2つの非アクティブ位置との間で変位させるために、その軸B´を中心に+120°または-120°の回転によって3つの位置の間で移動させることができる。
図6~
図8に示されるカルーセルの第1の位置では第1の巻付システム120aがアクティブ位置にあり、そのヘッドは多関節ロボットによって担持されるライナ上でのフィラメント巻付作業に使用することができる。第2の巻付システム120bおよび第3の巻付システム120cはそれぞれ、第2の非アクティブ位置にあり、第1の非アクティブ位置では、上述のように、保守作業を実行することができる。
【0068】
+120°(時計回り)の回転により、カルーセルは、第1、第2、および第3の巻付システムが、それぞれ第1の非アクティブ位置、アクティブ位置、および第2の非アクティブ位置にある第2の位置になる。
【0069】
+120°のさらなる回転は、カルーセルを、第1、第2、および第3の巻付システムが、それぞれ第2の非アクティブ位置、第1の非アクティブ位置、およびアクティブ位置にある第3の位置にする。
【0070】
巻付システムは、120°の連続的な回転によって、次々に巻付動作のために使用することができ、巻付システムは、第1の非アクティブ位置および/または第2の非アクティブ位置に配置されたときに、新しいスプールを再装填することができる。
【0071】
別の使用形態によれば、マシンは、炭素繊維をライナ上に巻き付け、続いてガラス繊維を最終的に巻き付けるために使用される。第1の巻付システムおよび第2の巻付システムは例えば、炭素繊維の巻付作業を実行するために使用され、一方、第3のシステムは、ガラス繊維の巻き付け作業のために使用される。
【0072】
本発明は様々な特定の実施形態に関連して記載されているが、それに限定される手段はなく、記載された本手段の全ての技術的等価物ならびにそれらの組合せを含むことはそれらが本発明の範囲内にある場合に明白である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】
図1は、2つのロボットによって運ばれる本体上に繊維を巻き付ける動作中の、本発明によるフィラメント巻付マシンの概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1と同様の、本体アンロード動作時の斜視図である。
【
図5】
図5は、いくつかのフィラメント巻付マシンを備える設備の概略上面図である。
【
図6】
図6は本発明の第2の実施の形態に係るフィラメント巻付マシンの概略斜視図である。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主縦軸(A)を有する本体(9)上に少なくとも1つの連続繊維を巻き付けるためのフィラメント巻付マシン(1、101)であって、
繊維保管手段に関連する少なくとも1つの巻付ヘッドを備える巻付手段(2、102)と、
本体(9)をその長手方向軸(A)の周りに回転させることができ、かつ、繊維を前記本体に巻き付けるための前記巻付手段に対する前記本体の相対変位を行うことができる変位システム(3、103)と、を備え、
前記巻付手段(2、102)が、少なくとも2つの巻付システム(20a、20b、120a、120b、120c)が取り付けられた回転軸(B、B´)の周りに回転可能に取り付けられた回転支持体(23、123)を含み、
前記巻付システムが、保管手段(22a、22b、122a、122b、122c)に関連する巻付ヘッド(21a、21b、121a、12b、121c)を含み、
前記回転支持体をその回転軸(B、B´)の周りに回転させることによって、各巻付システムを、その巻付ヘッドを介する繊維巻付のためのアクティブ位置と、オペレータが保守作業を行うことができる非アクティブ位置とに移動させることができる、ことを特徴とするフィラメント巻付マシン。
【請求項2】
前記回転支持体(23、123)は、垂直回転軸(B、B´)の周りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィラメント巻付マシン。
【請求項3】
前記回転支持体(23)は2つの巻付システム(20a、20b)を担持し、
各巻付システムはアクティブ位置と非アクティブ位置との間を移動可能であり、
その2つの位置の間の各巻付システムの機動は、2つの位置の間の回転軸(23)の周りの回転支持体の180°および/または-180°の回転によって達成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のマシン。
【請求項4】
前記回転支持体が第1、第2、および第3の巻付システム(120a、120b、120c)を担持し、
それぞれが、アクティブ位置と2つの非アクティブ位置との間で移動可能であり、
その3つの位置の間での各巻付システムの機動が、3つの位置の間で、その回転軸(B´)の周りでの前記回転支持体の+120°および/または-120°回転によって達成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のマシン。
【請求項5】
各巻付ヘッド(21a、21b、121a、12b、121c)が、水平回転軸(C、C´)の周りで前記回転支持体(23、123)上に回動可能に取り付けられたガイド部材を備え、
各巻付システムが、そのガイド部材をその回転軸の周りで回動させることができるモータを含むことを特徴とする、請求項
1に記載のマシン。
【請求項6】
前記変位システム(3)が、その端部によって前記本体を運ぶことができる第1の多関節ロボット(30a)及び第2の多関節ロボット(30b)を含み、
その結果、前記本体が、第1の端部によって前記第1の多関節ロボット(30a)に、および第2の端部によって前記第2の多関節ロボットに回転可能に取り付けられ、前記2つの多関節ロボットのうちの少なくとも1つが、前記本体をその長手方向軸の周りに回転させるための駆動モータ(36a、36b)を備えることを特徴とする、請求項
1に記載のマシン。
【請求項7】
前記巻付手段(2、102)は、前記変位システム(3、103)の第1の側に配置され、前記マシンは、前記変位システムが本体を把持することができ、前記変位システムが本体を置くことができ、前記巻付手段に対向して前記変位システムの前記第2の側に配置された積み降ろしベンチ(4、104)をさらに備えることを特徴とする、請求項
1に記載のマシン。
【請求項8】
横に並べて配置された請求項7に記載のいくつかのマシンと、
レール(62)上で移動可能に取り付けられた多関節ロボットを含み、前記巻付マシンの前記積み降ろしベンチから本体を把持し、前記積み降ろしベンチ上に本体を配置させることができる把持装置(63)が設けられた移送システム(6)と、を備えることを特徴とするフィラメント巻付設備。
【請求項9】
少なくとも1つの連続繊維の本体上へのフィラメント巻き付けを含む繊維強化部品の製造法であって、
前記フィラメント巻き付けが、請求項
1に記載のフィラメント巻付マシンまたは請求項8に記載の設備によって行われることを特徴とする、繊維強化部品の製造法。
【請求項10】
高圧容器のような繊維強化部品を製造するための、請求項9に記載の方法であって、前記本体がライナを構成し、前記繊維強化部品が、前記ライナと前記繊維巻付とによって形成されることを特徴とする方法。
【国際調査報告】