(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】改善された抗微生物活性を有するバクテリオファージ
(51)【国際特許分類】
C12N 7/01 20060101AFI20240808BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240808BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240808BHJP
A61K 38/51 20060101ALI20240808BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240808BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240808BHJP
A61K 31/47 20060101ALI20240808BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20240808BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20240808BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240808BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240808BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240808BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240808BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240808BHJP
C12N 15/60 20060101ALN20240808BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
A61P31/04
A61K35/76
A61K38/51
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/47
A61K31/44
A61K31/404
A61K31/4439
A61P43/00 105
A61P11/00
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/20
C12N15/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506733
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022074446
(87)【国際公開番号】W WO2023015195
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519291618
【氏名又は名称】アルマタ・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ルミール,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ソリアガ,アンフェラ・ビー
(72)【発明者】
【氏名】グエン,カトリーナ・トラム・アン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA01Y
4B065AA98X
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4B065CA44
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4C086GA16
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4C086ZC75
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4C087NA14
4C087ZA59
4C087ZB21
4C087ZB33
4C087ZC75
(57)【要約】
本明細書では、細菌感染症を治療するための菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを発現するように操作されたバクテリオファージを提供する。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、アルギン酸リアーゼを含む。本発明の範囲内では、バクテリオファージのうちの1つ以上を含む組成物、細菌感染症を治療するための方法、及び本明細書に記載の組成物を含むキットも想到される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを発現するように操作された、バクテリオファージ。
【請求項2】
前記EPSデポリメラーゼが、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号36、または配列番号59から選択されるヌクレオチド配列、または配列番号20の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号21の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号22の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号23の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号24の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号25の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号36の配列に対して少なくとも90%の同一性、または配列番号59の配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列から発現される、請求項1に記載のバクテリオファージ。
【請求項3】
前記EPSデポリメラーゼが、アルギン酸リアーゼである、請求項1または2に記載のバクテリオファージ。
【請求項4】
前記アルギン酸リアーゼが、Alg2AまたはA1-IIIを含む、請求項3に記載のバクテリオファージ。
【請求項5】
前記アルギン酸リアーゼが、Alg2Aを含む、請求項4に記載のバクテリオファージ。
【請求項6】
前記アルギン酸リアーゼが、A1-IIIを含む、請求項4に記載のバクテリオファージ。
【請求項7】
前記バクテリオファージが、改善された宿主範囲を示す、請求項1~6のいずれかに記載のバクテリオファージ。
【請求項8】
PhiKMVウイルス属に属する、請求項1~7のいずれかに記載のバクテリオファージ。
【請求項9】
パクプナウイルス(Pakpunavirus)属に属する、請求項1~7のいずれかに記載のバクテリオファージ。
【請求項10】
ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属に属する、請求項1~7のいずれかに記載のバクテリオファージ。
【請求項11】
プブナウイルス属に属する、請求項1~7のいずれかに記載のバクテリオファージ。
【請求項12】
前記バクテリオファージが緑膿菌を標的とする、請求項1~11のいずれかに記載のバクテリオファージ。
【請求項13】
緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものを標的とする、請求項12に記載のバクテリオファージ。
【請求項14】
緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものに感染してこれを殺傷する、請求項13に記載のバクテリオファージ。
【請求項15】
バイオフィルム質量を減少させる、請求項1~14のいずれかに記載のバクテリオファージ。
【請求項16】
菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを発現する1つ以上のバクテリオファージを含むバクテリオファージ組成物であって、前記1つ以上のバクテリオファージが、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号73、配列番号26と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号27と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号28と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号29と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号30と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号31と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号32と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号33と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号34と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号35と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号37と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号38と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号39と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号40と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号41と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号42と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号43と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号44と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号45と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号46と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号47と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号48と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号49と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号50と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号51と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号52と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号53と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号54と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号55と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号56と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号57と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号58と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号60と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号61と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号62と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号63と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号64と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号65と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号66と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号67と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号68と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号69と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号70と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号71と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号73と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列から選択されるポリヌクレオチド配列を含む、前記バクテリオファージ組成物。
【請求項17】
前記EPSデポリメラーゼが、アルギン酸リアーゼである、請求項16に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項18】
前記バクテリオファージのうちの1つ以上のものが操作されている、請求項16または17に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項19】
前記バクテリオファージのうちの2つ以上のものが操作されている、請求項16~18のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項20】
前記1つ以上のバクテリオファージのうちの第2のバクテリオファージが、天然のファージを含む、請求項16に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項21】
前記1つ以上のバクテリオファージのうちの2つ以上のバクテリオファージが、天然のファージである、請求項16に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項22】
前記バクテリオファージのうちの少なくとも1つが、緑膿菌を標的とする、請求項16~21のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項23】
前記組成物の1つ以上のバクテリオファージが、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものを標的とする、請求項22に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項24】
前記組成物の1つ以上のバクテリオファージが、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものに感染してこれを殺傷する、請求項23に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項25】
室温または8℃以下の温度で保存するための保存媒体をさらに含む、請求項16~24のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項26】
-20℃~25℃の範囲の温度で保存される、請求項16~24のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項27】
2℃~8℃で貯蔵される、請求項26に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項28】
室温で保存される、請求項26に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項29】
前記保存媒体が、4℃、0℃、-20℃、または-80℃での保存のためのものである、請求項25に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項30】
前記保存媒体が凍結保護剤をさらに含む、請求項30に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項31】
前記凍結保護剤がグリセロールを含む、請求項30に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項32】
約5%~約50%のグリセロールを含む、請求項31に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項33】
前記保存媒体が約20%のグリセロールを含む、請求項32に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項34】
薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項16~33のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項35】
前記凍結保護剤がスクロースを含む、請求項30に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項36】
約5%~約30%のスクロースを含む、請求項35に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項37】
約10%のスクロースを含む、請求項36に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項38】
前記凍結保護剤がジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、請求項30に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項39】
前記DMSOが、2%~10%の濃度である、請求項38に記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項40】
液体、半液体、固体、凍結、または凍結乾燥製剤である、請求項16~39のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項41】
1ミリリットル当たり1×10
8~1×10
12PFUの各バクテリオファージを含む、請求項16~40のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項42】
前記組成物の前記1つ以上のバクテリオファージが、バイオフィルム質量を減少させる、請求項16~41のいずれかに記載のバクテリオファージ組成物。
【請求項43】
緑膿菌感染症を治療するための方法であって、請求項16~41のいずれかに記載の組成物を、緑膿菌感染症の治療を必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
前記組成物が、用量当たり少なくとも3×10
8PFUの総バクテリオファージの投与量で投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
抗生物質の投与をさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記抗生物質が、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンからなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
イバカフトール、ルマカフトールとイバカフトール、テザカフトールとイバカフトール、エレクサカフトール、テザカフトール、及びイバカフトール、またはこれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上のCFTRモジュレーターの投与をさらに含む、請求項43~46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記細菌感染症が、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンから選択される1つ以上の抗生物質に対して耐性となっている、請求項43~47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記バクテリオファージ組成物が、吸入により投与される、請求項43~48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記バクテリオファージ組成物が、噴霧により投与される、請求項43~48のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記バクテリオファージ組成物が、静脈内投与される、請求項43~48のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記バクテリオファージ組成物が、少なくとも1日1回投与される、請求項43~51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記バクテリオファージ組成物が、少なくとも1日間にわたって投与される、請求項43~52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記対象が、ヒトである、請求項43~53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記対象が、嚢胞性線維症(CF)に罹患している、請求項43~54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記対象が、非嚢胞性線維性気管支拡張症(NCFB)に罹患している、請求項43~54のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記対象が、1つ以上の抗生物質で以前に治療されている、請求項43~56のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
操作されたバクテリオファージのアルギン酸リアーゼ活性を決定するためのアッセイであって、有効量の請求項1~15のいずれかに記載の前記操作されたバクテリオファージを緑膿菌バイオフィルムに投与することと、バイオフィルム質量の減少を決定することと、を含む、前記アッセイ。
【請求項59】
細菌感染症を治療するための方法であって、
(a)細菌感染症を有する対象を選択することと、
(b)前記対象に、有効量の請求項1~15のいずれか1項に記載のバクテリオファージ、または請求項16~42のいずれか1項に記載のバクテリオファージ組成物を投与し、それによって前記細菌感染症を治療することと、を含む、前記方法。
【請求項60】
前記細菌感染症が、シュードモナス感染症である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記細菌感染症が、緑膿菌感染症である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記細菌感染症がバイオフィルムを特徴とする、請求項59~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記対象が嚢胞性線維症(CF)を有する、請求項59~62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
前記対象が非嚢胞性線維性気管支拡張症(NCFB)を有する、請求項59~62のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
前記組成物が、用量当たり少なくとも3×10
8PFUの総バクテリオファージの投与量で投与される、請求項59~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
抗生物質の投与をさらに含む、請求項59~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記抗生物質が、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンからなる群から選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
イバカフトール、ルマカフトールとイバカフトール、テザカフトールとイバカフトール、エレクサカフトール、テザカフトール、及びイバカフトール、またはこれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上のCFTRモジュレーターの投与をさらに含む、請求項59~67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記細菌感染症が、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンから選択される1つ以上の抗生物質に対して耐性となっている、請求項59~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記バクテリオファージ組成物が、吸入により投与される、請求項59~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記バクテリオファージ組成物が、噴霧により投与される、請求項59~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記バクテリオファージ組成物が、少なくとも1日1回投与される、請求項59~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記バクテリオファージ組成物が、少なくとも1日間にわたって投与される、請求項59~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記対象が、ヒトである、請求項59~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
操作されたバクテリオファージを作製するための方法であって、バクテリオファージを提供することと、菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを前記バクテリオファージに組み込むことと、を含む、前記方法。
【請求項76】
前記EPSデポリメラーゼが、アルギン酸リアーゼである、請求項78に記載の方法。
【請求項77】
前記アルギン酸リアーゼが、Alg2AまたはA1-IIIを含む、請求項75または76に記載の方法。
【請求項78】
前記アルギン酸リアーゼが、Alg2Aを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記アルギン酸リアーゼが、A1-IIIを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記バクテリオファージが、PhiKMVウイルス属に属する、請求項75~79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記バクテリオファージが、パクプナウイルス(Pakpunavirus)属に属する、請求項75~79のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記バクテリオファージが、ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属に属する、請求項75~79のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記バクテリオファージが、プブナウイルス属に属する、請求項75~79のいずれかに記載の方法。
【請求項84】
請求項1~15のいずれか1項に記載のバクテリオファージ、または請求項16~42のいずれか1項に記載のバクテリオファージ組成物と、それらを使用するための使用説明書と、を含むキット。
【請求項85】
抗生物質をさらに含む、請求項84に記載のキット。
【請求項86】
イバカフトール、ルマカフトールとイバカフトール、テザカフトールとイバカフトール、エレクサカフトール、テザカフトール、及びイバカフトール、またはこれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上のCFTRモジュレーターをさらに含む、請求項84または85に記載のキット。
【請求項87】
前記バクテリオファージまたは前記バクテリオファージ組成物を投与する手段をさらに含む、請求項84~86のいずれかに記載のキット。
【請求項88】
前記手段が、シリンジ、経皮パッチ、徐放装置、スプレー、ネブライザー、吸入器、またはレスピレーターを含む、請求項87に記載のキット。
【請求項89】
前記徐放装置が、小型浸透圧ポンプを含む、請求項88に記載のキット。
【請求項90】
第2のバクテリオファージまたはバクテリオファージ組成物をさらに含む、請求項84~89のいずれか1項に記載のキット。
【請求項91】
菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを発現するように操作された1つ以上のバクテリオファージを含むバクテリオファージ組成物であって、前記1つ以上のバクテリオファージが、PhiKMVウイルス属、パクプナウイルス(Pakpunavirus)属、ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属、及び/またはプブナウイルス属に属する、前記バクテリオファージ組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、あらゆる目的でその全容を参照により本明細書に援用するところの2021年8月2日出願の米国特許仮出願第63/228,504号の利益を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出される配列表を含み、その全容を参照によって本明細書に援用する。前記ASCIIコピーは、2022年7月27日に作成され、ファイル名は、「054249-520001WO_SL_ST26」であり、そのサイズは3.51バイトである。
【背景技術】
【0003】
従来の小分子抗生物質治療レジメンに耐性を有する細菌株の数が増えつつある中、代替抗生物質の需要が高まっている。バクテリオファージ療法は、細菌ウイルスまたはファージを使用して、さまざまな感染部位の細菌を標的として破壊するものである。バイオテクノロジーにおける最近の進歩により、目的の細菌を標的として破壊することができる、強力かつ特異的なファージを作製するための既存のファージライブラリーの迅速な拡大が可能となった。緑膿菌(pseudomonas aeruginosa)(PA)は、特に免疫無防備患者において重篤な慢性及び急性感染症を引き起こす可能性のある日和見性病原体であり、バイオフィルムを形成する能力を有する。さらに、抗生物質耐性を有するPAの株が存在し、これらの慢性感染症の治療の困難さを増加させている。時として、PA感染症は、嚢胞性繊維症(CF)または非嚢胞性繊維性気管支拡張症(NCFB)の存在下で起こり得る。抗生物質耐性の従来の機構を回避し、従来の小分子療法の毒性副作用を防止し、バイオフィルムに対して有効であり得るバクテリオファージ治療アプローチは、特に魅力的なものとなっている。
【発明の概要】
【0004】
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のバイオフィルムの主成分であるアルギン酸は、β-D-マンヌロン酸(M)とα-L-グルロン酸(G)の2つの単位を有する多糖である。これらの単位は、ホモポリマー(ポリG、ポリM)またはヘテロポリマー(ポリM/G)として連結され得る。アルギン酸の過剰産生(「ムコイド型」とも呼ばれる)は、NCFBで特によくみられる。アルギン酸を分解するアルギン酸リアーゼは、多糖リアーゼ(PL)の7つのサブファミリーに分類されている。
【0005】
PL5ファミリーのSphingomonas A1-IIIの活性については、これまでに調べられている。A1-IIIは、ポリMアルギン酸を二糖と三糖に分解することが知られている。2つのファージファミリーで発現させた場合、A1-IIIは、ムコイド型緑膿菌の予め形成されたバイオフィルムに対して活性を有することが示された。PL7ファミリーに属し、フラボバクテリウムによって発現されるアルギン酸リアーゼのAlg2Aバージョンも発現された。Alg2Aは、ポリG及びポリMの両方を分解することがこれまでに示されており、緑膿菌の菌叢に対してA1-IIIよりも高い活性を示した。さらに、Alg2Aは、緑膿菌バイオフィルムの抗生物質処理を改善した。したがって、Alg2Aをクローニングし、ファージから発現させて、その活性をA1-IIIの活性と比較した。本明細書に記載のデータは、Alg2Aが緑膿菌バイオフィルムに対してA1-IIIよりも強い分解効果を有することを示している。
【0006】
本明細書では、バクテリオファージ、バクテリオファージの組成物、ファージの組み合わせ、ならびに、細菌感染症及び疾患の治療をはじめとする、医療用途及び非医療用途におけるそれらの使用について記載される。
【0007】
一態様では、本開示は、菌体外多糖(EPS)デポリメラーゼを発現するように操作されたバクテリオファージを提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号36、または配列番号59から選択されるヌクレオチド配列、または配列番号20の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号21の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号22の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号23の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号24の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号25の配列に対して少なくとも90%の同一性、配列番号36の配列に対して少なくとも90%の同一性、または配列番号59の配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列から発現される。
【0009】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、アルギン酸リアーゼである。いくつかの実施形態では、アルギン酸リアーゼは、Alg2AまたはA1-IIIを含む。いくつかの実施形態では、アルギン酸リアーゼは、Alg2Aを含む。いくつかの実施形態では、アルギン酸リアーゼは、A1-IIIを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、改善された宿主範囲を示す。
【0011】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、PhiKMVウイルス属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、パクプナウイルス(Pakpunavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、プブナウイルス属に属する。
【0012】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、緑膿菌(シュードモナス・エルギノーザ)(Pseudomonas aeruginosa)を標的とする。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものを標的とする。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものに感染してこれを殺傷する。
【0013】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バイオフィルム質量を減少させる。
【0014】
別の態様では、本開示は、菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを発現する1つ以上のバクテリオファージを含むバクテリオファージ組成物であって、1つ以上のバクテリオファージが、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号73、配列番号26と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号27と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号28と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号29と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号30と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号31と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号32と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号33と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号34と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号35と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号37と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号38と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号39と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号40と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号41と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号42と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号43と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号44と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号45と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号46と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号47と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号48と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号49と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号50と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号51と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号52と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号53と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号54と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号55と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号56と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号57と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号58と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号60と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号61と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号62と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号63と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号64と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号65と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号66と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号67と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号68と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号69と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号70と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号71と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号73と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列から選択されるポリヌクレオチド配列を含む、バクテリオファージ組成物を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、アルギン酸リアーゼである。
【0016】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの1つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの2つ以上のものが操作される。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージのうちの第2のバクテリオファージは、天然のファージを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージのうちの2つ以上のバクテリオファージは天然ファージである。
【0018】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの少なくとも1つは、緑膿菌(シュードモナス・エルギノーザ)(Pseudomonas aeruginosa)を標的とする。
【0019】
いくつかの実施形態では、組成物の1つ以上のバクテリオファージは、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものを標的とする。
【0020】
いくつかの実施形態では、組成物の1つ以上のバクテリオファージは、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものに感染してこれを殺傷する。
【0021】
いくつかの実施形態では、組成物は、室温または8℃以下の温度で保存するための保存媒体をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は-20℃~25℃の範囲の温度で保存される。いくつかの実施形態では、組成物は2℃~8℃で保存される。いくつかの実施形態では、組成物は室温で保存される。いくつかの実施形態では、保存媒体が、4℃、0℃、-20℃、または-80℃での保存のためのものである。
【0022】
いくつかの実施形態では、保存媒体は、凍結保護剤を含む。いくつかの実施形態では、凍結保護剤はグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約5%~約50%のグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、保存媒体は、約20%のグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、凍結保護剤は、スクロースを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約5%~約30%のスクロースを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約10%のスクロースショ糖を含む。いくつかの実施形態では、凍結保護剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。いくつかの実施形態では、DMSOは、2%~10%の濃度である。
【0023】
いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、組成物は、液体、半液体、固体、凍結、または凍結乾燥製剤である。
【0025】
いくつかの実施形態では、組成物は、1ミリリットル当たり1×108~1×1012PFUの各バクテリオファージを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、組成物の1つ以上のバクテリオファージは、バイオフィルム質量を減少させる。
【0027】
本明細書に記載のさらに別の態様では、本明細書において、緑膿菌感染症を治療するための方法であって、本明細書に記載の組成物のいずれかを緑膿菌感染症の治療を必要とする対象に投与することを含む、方法が提供される。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物は、用量当たり少なくとも3×108PFUの総バクテリオファージの投与量で投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法は、抗生物質の投与をさらに含む。いくつかの実施形態では、抗生物質は、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンからなる群から選択される。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のCFTRモジュレーターの投与をさらに含む。実施形態において、CFTRモジュレーターは、これらに限定されるものではないが、イバカフトール、ルマカフトール/イバカフトール、テザカフトール/イバカフトール、エレクサカフトール/テザカフトール/イバカフトール、またはこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、細菌感染症は、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンから選択される1つ以上の抗生物質に対して耐性となっている。
【0032】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、吸入により投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、噴霧により投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、静脈内投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、少なくとも1日1回投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、少なくとも1日間にわたって投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0035】
いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症(CF)に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)に罹患している。
【0036】
さらに別の態様では、本開示はまた、操作されたバクテリオファージのアルギン酸リアーゼ活性を決定するためのアッセイであって、有効量の本明細書に記載の操作されたバクテリオファージのいずれかを緑膿菌バイオフィルムに投与することと、バイオフィルム質量の減少を決定することと、を含む、アッセイを提供する。
【0037】
さらに別の態様では、本開示は、細菌感染症を治療するための方法であって、(a)細菌感染症を有する対象を選択することと、(b)対象に、有効量の本明細書に記載のバクテリオファージのいずれか、または本明細書に記載のバクテリオファージ組成物のいずれかを投与し、それによって細菌感染症を治療することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、細菌感染症に対する以前の治療を受けたことに基づいて選択される。例えば、対象は、感染症を完全に解消しなかった、感染症に対する少なくとも1ラウンドの抗生物質治療を既に受けていることに基づいて、または1つ以上の抗生物質に対して耐性である細菌による感染症を有することに基づいて選択される。
【0038】
いくつかの実施形態では、細菌感染症は、シュードモナス感染症である。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、緑膿菌感染症である。
【0039】
いくつかの実施形態では、細菌感染症は、バイオフィルムを特徴とする。
【0040】
いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症(CF)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、組成物は、用量当たり少なくとも3×108PFUの総バクテリオファージの投与量で投与される。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法は、抗生物質の投与をさらに含む。いくつかの実施形態では、抗生物質は、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンからなる群から選択される。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のCFTRモジュレーターの投与をさらに含む。実施形態において、CFTRモジュレーターは、これらに限定されるものではないが、イバカフトール、ルマカフトール/イバカフトール、テザカフトール/イバカフトール、エレクサカフトール/テザカフトール/イバカフトール、またはこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、細菌感染症は、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンから選択される1つ以上の抗生物質に対して耐性となっている。
【0045】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、吸入により投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、噴霧により投与される。
【0046】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、少なくとも1日1回投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、少なくとも1日間にわたって投与される。
【0047】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0048】
さらに別の態様では、本開示は、操作されたバクテリオファージを作製するための方法であって、バクテリオファージを提供することと、菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼをバクテリオファージに組み込むことと、を含む方法を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、アルギン酸リアーゼである。いくつかの実施形態では、アルギン酸リアーゼは、Alg2AまたはA1-IIIを含む。いくつかの実施形態では、アルギン酸リアーゼは、Alg2Aを含む。いくつかの実施形態では、アルギン酸リアーゼは、A1-IIIを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、PhiKMVウイルス属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、パクプナウイルス(Pakpunavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、プブナウイルス属に属する。
【0051】
さらに別の態様では、本開示は、本明細書に記載のバクテリオファージのいずれか、または本明細書に記載のバクテリオファージ組成物のいずれかと、それらを使用するための使用説明書と、を含むキットを提供する。
【0052】
いくつかの実施形態では、キットは、抗生物質をさらに含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、キットは、バクテリオファージまたはバクテリオファージ組成物を投与する手段をさらに含む。いくつかの実施形態では、手段は、シリンジ、経皮パッチ、徐放装置、スプレー、ネブライザー、吸入器、またはレスピレーターを含む。いくつかの実施形態では、徐放装置は、小型浸透圧ポンプを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、キットは、第2のバクテリオファージまたはバクテリオファージ組成物をさらに含む。
【0055】
さらに別の態様では、本開示は、菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを発現するように操作された1つ以上のバクテリオファージを含むバクテリオファージ組成物であって、1つ以上のバクテリオファージが、PhiKMVウイルス属、パクプナウイルス(Pakpunavirus)属、ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属、及び/またはプブナウイルス属に属する、バクテリオファージ組成物を提供する。
【0056】
以下に各実施形態を添付の図面を参照しながらあくまで例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】予め形成されたバイオフィルムに対する配列番号2の操作されたバクテリオファージの異なるバリアントによる異なる細菌クリアランスの程度を、生理食塩水コントロール(PBS)と比較して示す。
【
図2】異なる遺伝子導入ファージが示すアルギン酸リアーゼ活性を示す。(A)は、緑膿菌(15844株)のムコイド型のアルギン酸発現株の予め形成された菌叢上にスポットされたファージの上面照射図を示したものであり、活性は、塗布部位のクレーターまた陥凹した菌叢として示されている。(B)は、4Aにみられるのと同じプレートの下面照射図を示したものであり、緑膿菌(15844株)のムコイド型のアルギン酸発現株の予め形成された菌叢上にスポットされたファージを、塗布部位の円形の陥凹部としてみることができる。
【
図3】APBP1-1、APBP1-2、及びAPBP3-2のライセート中のアルギン酸リアーゼ(AlgL)A1-III-His
6のウエスタンブロッティングによる検出を示す。
【
図4】スフィンゴモナス(Sphingomonas sp.) のアルギン酸リアーゼAlyのN末端フラグメントA1-III及びこのフラグメントのいくつかのバリエーションの位置を示す。
【
図5】A1-IIIフラグメント70~399と54~412との間の発現量及び活性の差異を示す。(A)は、70~399フラグメントのウエスタンブロットを示し、このフラグメントの発現量が大腸菌では低いことを示している。(B)は、54~412フラグメントのウエスタンブロットを示し、このフラグメントが大腸菌ではよく発現していることを示している。(C)は、2%の海藻アルギン酸プレート上の異なるクローンの活性を示す。A1-C7は、C末端Hisタグを有するA1-IIIの正しい配列を有するクローンである。A1-C4は、A1-IIIの発現を生じないフレームシフト変異を有するクローンである。A1-IIIの発現を、0.5mMのIPTGとの30分間の室温でのインキュベーション(振盪しない)後に対数増殖期中期に誘導することによって行った。Ni-NTAアフィニティーカラムを用いて細胞ライセートからA1-III-His
6を精製し、コントロールとしてのSigma-Aldrichより市販されるアルギン酸塩リアーゼとともに2%アルギン酸を含むプレート上にスポットした。(D)は、緑膿菌(15840株)のムコイド型アルギン酸発現株の予め形成されたクローンに対する、クローンA1-C7から発現及び精製されたA1-IIIタンパク質の活性を示す。AL10は、コントロールとしてSigma-Aldrichから購入した10ngのアルギン酸リアーゼであり、A1-III 10は10ngの精製A1-IIIであり、50、1、0.5、及び0.1は、ngで表されるスポットしたA1-IIIの量を指す。
【
図6】APBP4 gp13.1の下流に組み込まれた場合、アルギン酸リアーゼA1-IIIがgp13との融合タンパク質として発現されることを示す。(A)は、A1-IIIアルギン酸リアーゼペイロードを有する操作されたファージのライセートのウエスタンブロット(左)と、各レーンの内容物を同定する表(右)を示す。ボックスは、融合タンパク質に相当するバンドを示す。(B)は、A1-IIIのC末端周辺のDNA配列を示し、A1-III-His
6のTGA終止コドンのトランスリーディングが、19アミノ酸長の「アンチターミネートリンカー」を介したgp13とのインフレーム融合タンパク質をどのように生じたかを説明している。(C)は、APBP4-4のライセート中で生成されたA1-III-His
6-リンカー-gp13融合タンパク質の推定配列を示す。太字で示される残基はA1-III-His
6配列に相当し、下線で示される残基はgp13に相当し、灰色で示される残基は推定リンカーを示し、黒くハイライトされたトリプトファン残基は、細胞がA1-III-His
6のTGA終止コドンを読み違える可能性が高い部分である。(D)は、APBP4-4が、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド型菌叢に対する活性を示さず、融合タンパク質が機能性でないことを示す。
【
図7】A1-IIIアルギン酸リアーゼペイロードを有する操作されたファージのライセートのウエスタンブロット(左)と、各レーンの内容物を同定する表(右)を示す。
【
図8】アルギン酸リアーゼA1-IIIの2つのコドン使用マトリクスをファージにクローニングした結果を示す。(A)は、2つの異なるコドン使用マトリクス間の配列アラインメントを示す。(B)は、緑膿菌15844株のムコイド型菌叢に対する、それぞれのペイロードを発現するファージのアルギン酸リアーゼ活性を示す。
【
図9】A1-IIIの異なる形態を発現する操作されたファージのライセートからのアルギン酸リアーゼ活性プロファイルの例を示す。(A)は、APBP4-1に組み込まれたA1-III
70~399の活性を示す。(B)は、APBP17-1に組み込まれたA1-III
70~399の活性を示す。(C)は、APBP1-4に組み込まれたA1-III
54~408の活性を示す。(D)は、APBP4-5に組み込まれたA1-III
54~408の活性を示す。(E)は、APBP18-1に組み込まれたA1-III
54~412-His
6の活性を示す。(F)は、APBP1-2に組み込まれたA1-III
54~412-His
6の活性を示す。(G)は、APBP3-6に組み込まれたA1-III
54~412-His
6の活性を示す。(H)は、APBP1-1に組み込まれたA1-III
54~412-His
6の活性を示す。(I)は、APBP3-2に組み込まれたA1-III
54~412-His
6の活性を示す。
【
図10】複数のファージから発現させたフラボバクテリアAlg2A(アクセッション番号AEB69783)が、そのN末端シグナル配列を保持しているか、C末端His
6-タグでタグ付けされているか、4つの異なる遺伝子にコードされているかにかかわらず、アルギン酸リアーゼ活性を有することを示す。(A)は、さまざまなファージにクローニングされたAlg2Aタンパク質の異なるバージョンのアラインメントを示す。(B)は、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド型菌叢上のC末端Hisタグを有する完全長Alg2Aを発現するファージによるアルギン酸リアーゼ活性を示す。(C)は、His
6-タグを含まないAlg2A
23~288のより短いシグナル配列欠失バージョンを発現するファージのアルギン酸リアーゼ活性を示す。(D)は、Alg2A
23~288タンパク質をコードし、APBP3にクローニングされた異なる遺伝子間の同一率(%)を示す。(E)は、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド型菌叢に対する配列番号37、配列番号38、または配列番号39のAlg2A
23~288を発現するAPBP3由来のファージのアルギン酸リアーゼ活性を示す。
【
図11】A1-IIIまたはAlg2Aのいずれかを組み込んだファージのカクテルによる、予め形成されたムコイド型菌叢に対するアルギン酸リアーゼ活性を示す。
【
図12】ファージAPBP1-1、APBP1-2、APBP3-1及びAPBP3-2の増殖が、アルギン酸リアーゼタンパク質A1-IIIの発現によって変化しないことを示す。
【
図13】アルギン酸リアーゼ活性を有する、または有さない異なるバクテリオファージを用いた宿主範囲改善アッセイの結果を示す。ファージの希釈率は、上から下に各スポットごとに10倍ずつ増加する。(A)は、各ファージがいずれも、それらの宿主である緑膿菌7299株で同じ力価を示すことを示す。(B)緑膿菌PS30では、APBP3-1は希釈率10
-2まで透明化を示したのに対してその親のAPBP3はこの株ではプラークを形成していない。同様に、APBP1-1とAPBP1-2は、宿主(緑膿菌PS30株)上にプラークを生じるが、それらの親のAPBP1はプラークを生じていない。(C)APBP1-1とAPBP1-2は、それらの親のAPBP1と比較して緑膿菌7176株上で改善された透明化を示している。(D)緑膿菌15843株に対するAPBP1-1及びAPBP1-2の見かけの力価が約2
8PFU/mlであるのに対して、APBP1(それらの親)の見かけの力価は、約2
7PFU/mlと約10倍低いのみである。(E)緑膿菌15839株では、APBP3-1が透明化を示したのに対してその親のAPBP3はこの株ではプラークをまったく形成していない。APBP1-1とAPBP1-2も宿主上にプラークを生じているが、それらの親のAPBP1はプラークを生じていない。(F)APBP3-1は、この緑膿菌15840株上で親のAPBP3と比較して高い透明化を示している。APBP1-1及びAPBP1-2はまた、APBP1と比較して改善された透明化を示す。
【
図14】リアーゼを発現しない(WT)か、A1-III(Eng-A1-III)またはAlg2A(Eng-Alg2A)を発現する異なるファージ株がバイオフィルムを破壊する能力を示すグラフである。
【
図15】A1-IIIを組み込むためのAPBP6ファージゲノム中の異なる座位の適当性を示す。(A)は、gp038とgp039との間にA1-IIIを組み込むためのpLIX36とAPBP6との間の組換えを示す。(B)は、gp005とgp006との間にA1-IIIを組み込むためのpLIX46とAPBP6との間の組換えを示す。(C)は、pLIX36を含む株で増殖させた場合(左)、次いでpLIX36なしで継代した場合(右)のAPBP6へのA1-IIIの挿入を示すアガロースゲルである。(D)は、pLIX46を含む株で増殖させた場合(左)、次いでpLIX46なしで継代した場合(右)のAPBP6へのA1-IIIの挿入を示すアガロースゲルである。
【
図16】操作されたファージABP4-6、ABP18-2、ABP6-3によるアルギン酸リアーゼタンパク質Alg2A
23~288の発現(左)、及び各レーンの内容物を同定する表(右)を示すウエスタンブロットである。
【
図17】操作されたファージAPBP3-5及びAPBP1-5のそれぞれによるアルギン酸リアーゼタンパク質Alg2A
1~288及びAlg2A
23~288の発現(左)、及び各レーンの内容物を同定する表(右)を示すウエスタンブロットである。
【
図18】A1-III
54~412またはA1-III
54~408アルギン酸リアーゼ遺伝子を有する操作されたファージのライセートのウエスタンブロット(左)と、各レーンの内容物を同定する表(右)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
上記に述べたように、世界は抗生物質危機に直面している。細菌疾患は絶えず存在している懸念であるが、抗生物質耐性の増加は、利用できる有効な抗生物質の数が縮小し続けていることを意味する。本出願の実施形態及び態様は、標準的な抗生物質の使用に代わる画期的な解決策を提供するものである。これらの実施形態及び発明は、多大な容易ならざる独創的努力、ならびに技術的課題及び障害の解決の結果である。
【0059】
結果として、本明細書に記載の実施形態及び態様は、一般的に、例えば、シュードモナス感染症を単独または組み合わせで治療するのに有効な、新規かつ発明によるバクテリオファージに関する。シュードモナス細菌感染症を治療する方法について一般的に記載するが、特定の種類の感染症、例えば、呼吸器感染症、線維症、肺炎に関連する感染症などを治療する方法についても記載する。組成物の保存及び製造ならびに方法についても記載する。さまざまな実施形態及び態様は、世界中の抗生物質危機に対する画期的かつ喫緊の解決策を提供するものである。
【0060】
本開示は、記載される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって幅広く異なり得る点は理解されよう。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであるので、本明細書で使用される用語は、あくまで特定の実施形態を説明することを目的としたものであって、限定することを目的としたものではない点も理解されよう。
【0061】
本開示の詳細な説明は、あくまで読者の便宜のために異なるセクションに分割してあり、いずれのセクションにみられる開示内容も、別のセクションの開示内容と組み合せることができる。特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有するものとする。
【0062】
定義
本明細書において、また付属の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈によってそうでない旨が明確に示されない限り、複数の指示対象が含まれる点に留意すべきである。したがって、例えば、「バクテリオファージ組成物」と言った場合には、複数のそのような候補物質を含み、「バクテリオファージ」と言った場合には、1つ以上のバクテリオファージ及び当業者には周知のそれらの均等物について言っている、といった具合である。
【0063】
本開示では、「comprises(含む)」、「comprising(含む)」、「containing(含有する)」、及び「having(有する)」、及びこれに類する表現は、米国特許法においてこれらが有する意味を有し得るものであり、「includes(含む)」、「including(含む)」、及びこれに類する表現を意味し得る。「consisting essentially of(から本質的になる)」または「consists essentially(から本質的になる)」は、米国特許法においてそれらが有する意味を有するが、この用語はオープンエンドであり、列挙されるものの基本的または新規な特徴が、列挙されるもの以上のものの存在によって変わることがない限り、列挙されるもの以上の存在を許容するが、ただし、先行技術の実施形態は除外する。「からなる」とは、他の成分の微量元素及び実質的な方法の工程以上のものを除外することを意味する。これらの移行句のそれぞれによって規定される態様は、本開示の範囲内に含まれる。
【0064】
本明細書で使用する場合、「consisting essentially of(から本質的になる)」という用語は、明示的に示されるバクテリオファージ(複数可)のみがバクテリオファージ組成物中に存在することを意味するが、その前記組成物は、例えば、薬学的に適切な担体、希釈剤、賦形剤、抗生物質(例えば、化学的抗生物質)などのバクテリオファージ以外のさらなる成分、またはそれらの組み合わせを含有してもよい。
【0065】
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、例えば、温度、時間、量、濃度、及び他の類するもの(範囲を含む)の数値表示の前に使用される場合、(+)または(-)10%、5%、または1%異なり得る近似値を示す。本開示中の全ての値は、明示的な記載がなくとも、用語「約」がその前に付されている。
【0066】
範囲(例えば、用量範囲)が本明細書に記載される場合、その値は、端点を含む、記載される範囲(複数可)内のすべての個々の値または範囲を含み得る点を理解されたい。
【0067】
本明細書で使用する場合、「変異体」と「バリアント」という用語は互換的に使用され、参照バクテリオファージとは遺伝子的に異なるが、標的細菌、例えば緑膿菌に感染してこれを殺傷する能力を依然保持しているバクテリオファージを指す。例えば、「変異体」は、配列番号1~配列番号11のうちの1つ以上及び/または本明細書で参照または記載される他のバクテリオファージのいずれかと比較して遺伝的に変異しているが、標的細菌の緑膿菌に感染してこれを殺傷する能力を依然保持しているバクテリオファージを指し得る。変異体は、例えば、サイレント変異、保存的変異、マイナーな欠失、及び/または遺伝物質のマイナーな複製を含むことができ、参照バクテリオファージの表現型特性を保持することができる。実施形態において、「変異体」は、バクテリオファージ子孫であり得る。バクテリオファージ子孫は、本明細書に記載のバクテリオファージ(すなわち、「親バクテリオファージ」)を使用してシュードモナス(例えば、緑膿菌)標的細菌を溶菌した後に得られるバクテリオファージであり得る。言い換えれば、バクテリオファージ子孫は、第二世代(またはさらに上の世代の)バクテリオファージとなり得る。一実施形態では、変異体は、本明細書に記載のバクテリオファージのゲノムに依存するいずれかの観察可能な特性または性質、すなわち、前記バクテリオファージの表現型特性及び/またはシュードモナス種または株に対する溶菌活性を保持している。好ましい変異体は、緑膿菌標的細菌に感染して殺傷する能力を保持し、参照バクテリオファージのゲノムと比較して10%未満、さらにより好ましくは7%未満、より好ましくは1%未満の核酸の変化を有する。上記に代えて、または上記と組み合わせて、変異体は、参照バクテリオファージのポリペプチドと比較して、コードされたポリペプチド配列の好ましくは7%未満のアミノ酸変化を有する。
【0068】
本明細書で使用する場合、核酸またはアミノ酸配列に関する「同一性(%)」、「配列同一性(%)」、及び「同一率」という用語は、前記配列間の同一性または相同性のレベルを指し、当該技術分野では周知の技術によって決定することができる。これらに限定されるものではないが、グローバル法、ローカル法、及びハイブリッド法、例えばセグメントアプローチ法などの広範な配列アラインメント法のいずれも、同一率を決定するうえで使用することができる。同一率を決定するためのプロトコールは、当業者の技能の範囲内の常法である。グローバル法は、分子の始めから終わりまで配列同士を整列させ、個々のヌクレオチド対のスコアを加算し、ギャップペナルティを課すことによって最良のアラインメントを決定するというものである。非限定的な方法としては、例えば、CLUSTAL W(Julie D.Thompson et al., CLUSTAL W:Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting,Position-Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice, 22(22) Nucleic Acids Research 4673-4680(1994)を参照)及び反復改良が挙げられる。非限定的な方法としては、例えば、BLAST、Match-box(例えば、Align-Mを参照、例えば、Ivo Van Walle et al.,Align-M-A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences, Bioinformatics 20(9):1428-1435 (2004)を参照)が挙げられる。この定義はまた、試験配列の相補体を指すか、または相補体に適用することができる。この定義は、欠失及び/または付加を有する配列、ならびに置換を有する配列も含む。以下に説明するように、好ましいアルゴリズムは、ギャップ及びそれに類するものを考慮することができる。好ましくは、同一性は、少なくともヌクレオチド約100個の長さの領域にわたって、またはより好ましくは、ヌクレオチド100個~1000個以上の長さの領域にわたって存在する。
【0069】
本明細書で使用する場合(及び当該技術分野ではよく理解されている)、「治療する」または「治療」という用語は、その平易かつ通常の意味に従って使用され、臨床結果を含む、対象の状態における有益なまたは所望の結果を得るためのあらゆるアプローチを幅広く含む。有益なまたは所望の臨床結果としては、これらに限定されるものではないが、1つ以上の症状または状態の軽減もしくは改善、疾患の程度の縮小、疾患の病態の安定化(すなわち、悪化しない)、疾患の伝染または伝播の防止、疾患進行の遅延または減速、疾患病態の改善または緩和、疾患の再発の減少、及び部分的か完全かによらない、及び検出可能であるか検出不能であるかによらない寛解が挙げられる。言い換えれば、本明細書で使用する場合の「治療」とは、疾患のあらゆる治癒、改善、または予防を含む。治療は、疾患の発生を防止し、疾患の伝播を阻止し、疾患の症状を緩和し、疾患の基礎的な原因を完全または部分的に除去し、疾患の持続期間を短縮し、またはこれらの組み合わせを行うことができる。本明細書で使用する場合、「治療する」または「治療の」という用語は、予防的治療ならびに矯正的治療(疾患に既に罹患している対象の治療)を包含することを意図する。
【0070】
本明細書で使用する場合、「投与する」という用語は、例えば、経口、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、髄腔内、鼻腔内、肺内、もしくは皮下投与、または例えば小型浸透圧ポンプのような徐放装置の対象への埋め込みを意味する。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路で行われる。非経口投与としては、これらに限定されるものではないが、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、及び頭蓋内投与が挙げられる。他の送達様式としては、これらに限定されるものではないが、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが挙げられる。実施形態において、投与は、記載される活性剤以外のいずれの活性薬剤の投与も含まない。実施形態において、本明細書に記載の組成物の投与は、静脈内投与による。実施形態において、本明細書に記載の組成物の投与は、吸入または噴霧などの鼻腔内投与による。実施形態において、投与は、経鼻投与または経口投与(例えば、エアロゾル化または噴霧化による)による肺送達であってよい。
【0071】
「同時投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つ以上のさらなる療法の投与と同時、その直前、またはその直後に投与されることを意味する。本明細書で提供される化合物は、患者に単独で投与してもよく、または同時投与されてもよい。同時投与は、個々の、または組み合わせた化合物(複数の化合物)の同時または順次投与を含むものとする。したがって、製剤は、必要に応じて、他の活性物質(例えば、抗生物質)と組み合わせることもできる。
【0072】
本明細書で使用する場合、「溶菌」または「溶菌活性」という用語は、細菌細胞の溶解を引き起こすバクテリオファージの性質を指す。バクテリオファージの溶菌活性は、当該技術分野では周知の手法に従って細菌(例えば、緑膿菌株)で試験することができる。溶菌サイクルは、ファージが細胞に感染し、新たなファージ粒子を複製し、宿主の細胞膜を破裂させる際に生じるプロセスについて名付けられたものである。一部のファージは、バクテリオファージプロセスの能動的抑制のためにバクテリオファージDNAが実質的に休眠状態に保たれる溶原サイクルを示す。細菌が分裂するたびに、ファージのDNAもコピーされる。このようにして、ウイルスは、宿主を溶解することなく、その宿主内で複製し続けることができる。ある時点で、条件が変わると、ファージは溶菌サイクルに入る。「偏性溶菌性(Obligately lytic)」とは、溶原サイクルに入ることができないファージを指す。
【0073】
本明細書で使用する場合、「バクテリオファージ標的」という用語は、特定のバクテリオファージが感染できる任意の細菌種を指す。バクテリオファージは、標的細菌の細胞表面を認識して結合し、その遺伝物質を細菌宿主内に注入する。感染ファージからの遺伝物質は細菌ゲノムに組み込まれ得る。バクテリオファージは溶原性となる場合があり、その場合、ウイルスゲノムは誘発事象まで細菌宿主ゲノム内で休眠状態に保たれる。バクテリオファージは溶菌性となる場合もあり、その場合、感染ファージの多数のコピーが感染細菌のマシナリによって産生され、これらのコピーはその後、溶菌、突出(extrusion)、または出芽によって放出される。実施形態において、細菌標的は緑膿菌である。
【0074】
本明細書で使用する場合、「細菌宿主製造株」または「製造株」という用語は、バクテリオファージを増殖させるために使用される細菌を指す。バクテリオファージ産生の方法は、宿主細菌の増殖とバクテリオファージの伝播(または感染)の少なくとも2つの機能単位を含む産生プロセスを必要とし得る。例えば、細菌に対して選択された基質及び最適温度などの細菌の増殖及びファージ感染の基本的なパラメータを考慮することは、これらの因子はファージの感染性に影響を及ぼし得ることから、細菌の増殖及びファージ感染の両方にとって重要である。
【0075】
使用または方法は、一般的に、本明細書に記載のバクテリオファージまたはバクテリオファージ組成物を対象に投与することを含む。本明細書で使用する場合、「対象」または「患者」という用語は、ヒトまたはヒト以外の動物を指す。好ましくは、対象はヒトである。好ましくは、対象または患者は、本明細書に記載の組成物による治療を必要とし、例えば、組成物による治療に対して感受性の細菌感染を有する。
【0076】
本明細書で使用する場合、「単離された」という用語は、バクテリオファージが天然に存在するその元の環境から取り出されることを示す。詳細には、単離されたバクテリオファージは、例えば、培養され、天然に存在する環境から離れて培養される。
【0077】
本明細書で使用する場合、「精製された」という用語は、バクテリオファージが天然及び/または製造宿主細菌から取り出されることを示す。詳細には、精製されたバクテリオファージは、細菌成分などの生産不純物がその製造環境または生産環境から実質的に除去されている。細菌成分としては、これらに限定されるものではないが、細菌宿主タンパク質、脂質、及び/または細菌内毒素が挙げられる。「精製された」という用語は、バクテリオファージの株が遺伝子的に均質である遺伝子精製を指す場合もある。いくつかの実施形態では、精製バクテリオファージは、少なくとも99%の純度であるバクテリオファージを含むか、または所望のバクテリオファージの集団の少なくとも99%を含む。
【0078】
本明細書で使用する場合、「実質的に精製された」という用語は、含有する宿主細菌タンパク質またはエンドトキシンなどの夾雑物が、1%未満、0.1%未満、0.001%未満であるか、または検出可能な量の夾雑物を含有しない組成物を指す。また、本明細書で使用する場合、バクテリオファージ株を記載するために使用する場合の「実質的に純粋な」という用語は、その株が、ある特定のゲノム配列の99%超、99.9%超、99.999%超、または100%超であるような組成物の遺伝子純度を指す。
【0079】
一般的には、組成物は、試料中の全物質の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%(またはその間の任意の下位値もしくは部分範囲)が(体積で、湿潤もしくは乾燥重量で、またはモルパーセントもしくはモル分率で)、不純物または遺伝子バリアントを含まない場合に実質的に純粋である。
【0080】
本明細書で使用する場合、「相乗的な量」とは、相乗効果(すなわち、相加効果よりも大きい効果)をもたらす第1の量(例えば、バクテリオファージ)と第2の量(例えば、異なるバクテリオファージ)との合計を指す。したがって、本明細書において互換的に使用される、「相乗作用」、「相乗的な」、「組み合わせた相乗的量」、及び「相乗的治療効果」という用語は、組み合わせて投与される化合物の測定される作用であって、単一の薬剤として単独で投与される本明細書で提供される化合物のそれぞれの個々の作用の合計よりも大きくなるような作用のことを指す。
【0081】
本明細書で使用する場合、「実質的に含まない」という用語は、含まないとされる物質が10%未満であるようなものを指す。例えば、物質は0.01%~10%(その中の任意の下位値及び部分範囲を含む)である(端点を含む)。例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10%(または、端点を含むその間の任意の下位値または部分範囲)である。
【0082】
本明細書で使用する場合、「得ることができる」という用語は、本明細書で使用する場合、「得られた」という用語も包含する。一実施形態では、「得ることができる」という用語は、は、得られたことを意味する。
【0083】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される賦形剤」、「薬学的に許容される希釈剤」、及び「薬学的に許容される担体」とは、対象への活性剤の投与及び対象による吸収を助け、患者に対して顕著に有害な毒性作用を引き起こすことなく、本開示の組成物中に含めることができる物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸リンゲル液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香料、塩溶液(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、例えば、ラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチセルロース、ポリビニルピロリジン、及び色素などが挙げられる。かかる調製物は滅菌することができ、必要に応じて、本発明の化合物と活性剤と有害に反応しない、潤滑剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩類、緩衝剤、着色料、及び/または芳香物質などの助剤と混合することができる。当業者には、他の薬学的賦形剤も本開示において有用である点は認識されよう。
【0084】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載される化合物上にみられる特定の置換基に応じて、比較的無毒性の酸または塩基を用いて調製される活性化合物の塩を含むものとする。本開示の化合物が比較的酸性の官能基を有する場合、かかる化合物の中性形態と十分な量の所望の塩基とを、未希釈でまたは適当な不活性溶媒中で接触させることによって塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、もしくはマグネシウム塩、または同様の塩を含む。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を有する場合、かかる化合物の中性形態と十分な量の所望の酸とを、未希釈でまたは適当な不活性溶媒中で接触させることによって酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などの無機酸から誘導されるもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの比較的無毒性の有機酸から誘導される塩が挙げられる。アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸またはガラクツノロン酸などの有機酸の塩も挙げられる。
【0085】
本明細書で使用する場合、「持続する」という用語は、通常の、または予想される、または正常な時間を越えて存在する、または存在し続ける能力を指す。
【0086】
本明細書で使用する場合、バクテリオファージの標的範囲に関して「改善された」、「広げられた」または「より広い」とは、宿主範囲の増加を指す。宿主範囲とは、ウイルス/バクテリオファージ(またはウイルスの組み合わせ)が感染することができる細胞型、株、または宿主種の数である。宿主範囲または標的細菌範囲の増加とは、参照及び/または非改変ウイルスと比較した、ウイルス(またはウイルスの組み合わせ)が感染することができる別個の細胞型、細胞株、または細胞種の絶対数の拡大のことである。いくつかの例では、宿主範囲の増加または標的細菌範囲の増加は、ウイルス(またはウイルスの組み合わせ)が感染することができる細菌種の中の細菌株またはバリアントの数の増加である。宿主範囲の増加は、少なくとも1つまたは複数の株、細胞型、または種の増加であってもよい。宿主範囲は、例えば、当該技術分野では周知の標準的なプラークアッセイによってアッセイすることができる。
【0087】
本明細書で使用する場合、「感染多重度(MOI)」とは、特定の感染培地中のウイルス粒子の数と宿主細胞の数との比である。MOI=1の値は、平均して、1個のファージ粒子に対して1個の宿主細胞が存在することを意味する。
【0088】
本明細書で使用する場合、「部分的に合成された」ファージとは、ゲノムの限定された、または一定割合の、または相当の部分が設計または操作されているファージを指す。本明細書で使用する場合、「完全に合成された」ファージとは、ゲノム全体が設計または操作されているファージを指す。
【0089】
さらなる用語及び語句を以下に定義する。
【0090】
操作されたバクテリオファージ
いくつかの実施形態では、本開示は、異種遺伝子を発現するように操作された1つ以上のバクテリオファージに関する。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、多糖をより小さいフラグメントに分解する酵素である菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼを含み得る。ポドウイルス科のバクテリオファージは、しばしば、ビリオンの構造成分としていわゆるデポリメラーゼを発現する。これらの酵素は、テールスパイクタンパク質として発現される。宿主細菌の莢膜多糖体、菌体外多糖体(EPS)またはリポ多糖体(LPS)への特異的結合の後、多糖体の繰り返し単位が特異的に切断される。最後にファージは外膜に到達し、そのDNAを膜と細胞壁の両方を貫通して注入することを可能にするマシナリを用いて、細胞に感染する。
【0091】
デポリメラーゼは、吸着装置の構造的成分であり、莢膜の結合及び消化を促進する。その名前は、多糖体の繰り返し単位が切断され、崩壊することを示している。生化学的に、デポリメラーゼは、リアーゼとヒドロラーゼの2つの群に分けられる。リアーゼは、ヒドロラーゼとは対照的に、その基質を非加水分解的に切断するが、これは、基質切断後に水分子が放出されないことを意味する。EPSまたはLPS O-多糖体を標的とする、よく特徴付けられたファージにコードされたデポリメラーゼの多くは、リアーゼである(Tomlinson and Taylor,1985;Linnerborg et al.,2001;Olszak et al.,2017)。これらのデポリメラーゼは、一般に、基質特異性の大きな多様性を有している。しかしながら、異なる多糖体には特定の切断部位が存在し、それにより、酵素は2つの異なる基質に作用することができる。デポリメラーゼという用語は、ポリマーを分解することができるあらゆるタンパク質全般を指すことができる。この観点から、ファージがコードするエンドリシンも、細菌の多糖体であるペプチドグリカン全般をヒドロラーゼのように切断するため、デポリメラーゼである(Schmelcher and Loessner,2016)。
【0092】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、アルギン酸リアーゼを含む。アルギン酸は、植物及び細菌から真菌に及ぶ広範な生物から単離されている直鎖状多糖類である。アルギン酸は、褐藻類の細胞壁の主成分でもあり、他の生物の固定炭素の主な供給源である。アルギン酸リアーゼは、リアーゼのファミリー、特に、多糖類に作用する炭素-酸素リアーゼに属し、アルギン酸のさまざまな単糖類及び多糖類生成物への分解を触媒する。この酵素クラスの系統的名称は、ポリ(β-D-1,4-マンヌロニド)リアーゼである。一般的に使用されている他の名称としては、これらに限定されるものではないが、アルギン酸リアーゼI、アルギン酸リアーゼ、アルギナーゼI、アルギナーゼII、アルギナーゼ、及びアルギン酸リアーゼIIIが挙げられる。この酵素はフルクトース及びマンノース代謝に関与している。
【0093】
いくつかの実施形態では、本開示は、Alg2Aを発現するように操作されたバクテリオファージを提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、A1-IIIを発現するように操作されたバクテリオファージを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のEPSデポリメラーゼ配列は、EPSデポリメラーゼ遺伝子の一部または機能的フラグメントを含み得る。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼ配列は、全EPSデポリメラーゼ遺伝子を含み得る。
【0094】
本明細書で使用する場合、「機能的フラグメント」または「機能的バリアント」という用語は、例えば、親分子または参照分子のヌクレオチド及び/またはアミノ酸配列と比較して1つ以上のヌクレオチド及び/またはアミノ酸配列が変化したヌクレオチド及び/またはアミノ酸配列を含む核酸またはタンパク質を含む分子を指す。タンパク質では、機能的バリアントは、親分子と同様の形で依然、機能することが可能である。換言すれば、親分子のアミノ酸及び/またはヌクレオチド配列における改変は、ヌクレオチド配列によりコードされるか、またはアミノ酸配列を含有する分子の機能的特徴に有意な影響を与えないか、または変化させない。機能的バリアントは、ヌクレオチド及びアミノ酸の置換、付加、及び欠失を含む保存的配列改変を有してもよい。これらの改変は、直接的DNA合成、部位特異的変異導入及びPCRによるランダムな変異導入などの、当該技術分野では周知の標準的手法により導入することができる。機能的バリアントとしては、これらに限定されるものではないが、1次構造配列が大きく類似しているが、親分子にはみられない、例えば、化学的及び/または生化学的なインビトロまたはインビボの修飾を含む誘導体も挙げられる。かかる修飾としては、これらに限定されるものではないが、とりわけ、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸塩の形成、ホルミル化、γ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカーの形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、PEG化、タンパク分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、及び、アルギニル化などのタンパク質へのアミノ酸の転移RNAの媒介による付加、及びユビキチン化が挙げられる。
【0095】
EPSデポリメラーゼは、EPSデポリメラーゼを発現するいずれの生物に由来するものでもよい。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、必ずしもこれらに限定されないが、スフィンゴモナス、フラボバクテリウム、シュードモナス、クレブシエラ、コリネバクテリウム、アルテロモナス、ゾベリア、アプリシア、ビブリオ、サッカロファガス、ステノトロホモナス、ストレプトマイセス、シュワネラ、アグロバクテリウム、及び/またはアゾトバクターのメンバーから選択される細菌属に由来するものであってよい。具体的には、EPSデポリメラーゼは、必ずしもこれらに限定されないが、スフィンゴモナス(アクセッション番号BAB03312)、フラボバクテリウム(アクセッション番号AEB69783)、シュードモナス(アクセッション番号1VAV)、クレブシエラ(アクセッション番号4OZX)、コリネバクテリウム(アクセッション番号1UAI)、アルテロモナス(アクセッション番号1J1T)、ゾベリア(アクセッション番号3ZPY、4BE3)、
シュードアルテロモナス(アクセッション番号4Q8K)、
アプリシア(アクセッション番号5GMT)、ビブリオ(アクセッション番号WP_017072010.1)、サッカロファグス(アクセッション番号WP_011469755.1)、ステノトロホモナス(アクセッション番号WP_049467230.1)、ストレプトマイセス(アクセッション番号NED67686.1)、シュワネラ(アクセッション番号WP_188926150.1)、アグロバクテリウム(アクセッション番号WP_046801053.1)、アゾトバクター(アクセッション番号Q9ZFG9)に由来するものであってよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号20の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0097】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号21の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0098】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号22の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0099】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号23の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0100】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号24の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0101】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号25の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0102】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号36の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0103】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも90%の同一性を有する配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも91%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも92%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも93%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも94%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも95%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも96%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも97%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも98%の同一性を有する配列にコードされる。いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、配列番号59の配列と少なくとも99%の同一性を有する配列にコードされる。
【0104】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、改善された宿主範囲を示す。
【0105】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、PhiKMVウイルス属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、パクプナウイルス(Pakpunavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、プブナウイルス属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ルツセプチマウイルス(Luzseptimavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、リツナウイルス(Litunavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ナンコクウイルス(Nankokuvirus)属に属する。
【0106】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、シュードモナス(Pseudomonas)を標的とする。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、緑膿菌(シュードモナス・エルギノーザ)(Pseudomonas aeruginosa)を標的とする。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、1つ以上の緑膿菌株を標的とする。
【0107】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、緑膿菌、薬剤耐性緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものを標的とする。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものに感染してこれを殺傷する。
【0108】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バイオフィルム質量を減少させる。本明細書で使用する場合、「低減する」、「減少する」、「低減」、「最小の」、「低い」、または「より低い」という用語は、例えばコントロールと比較して、基底レベルよりも低い値への減少を指す。「増加する」、「高い」、「より高い」、「最大の」、「上昇する」、または「上昇」とは、例えば、コントロールと比較して、基底レベルよりも高い値への増加を指す。増加、上昇、減少、または低減は、コントロールまたは基準レベルと比較して、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であり得る。本明細書に記載の値または範囲のそれぞれは、端点を含む、それらの間の任意の値または部分範囲を含み得る。
【0109】
バクテリオファージ組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の異種遺伝子(例えば、菌体外多糖体デポリメラーゼ)を発現するように操作された1つ以上のバクテリオファージを含む1つ以上のバクテリオファージ組成物に関する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージにおける異種遺伝子の挿入のための標的座位は、調節シグナル、遺伝子、オープンリーディングフレーム(ORF)、ターミネーター、プロモーター、複製起点、またはファージの複製サイクルに不可欠な他のあらゆる既知の要素の欠失に基づいて選択することができる。したがって、いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、いずれのそのような位置にも挿入されない。いくつかの実施形態では、バクテリオファージにおける異種遺伝子の挿入のための標的座位は、ファージの複製サイクルの間に前記座位からの予想される発現レベルに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、標的座位は、高度に転写されるゲノム領域を含む。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、EPSデポリメラーゼを含み得る。
【0110】
異種遺伝子は、任意の適当な位置、例えば、上記のように、ウイルスの不可欠遺伝子に不要に影響しない位置、及び/または上記のように例えば、高転写位置に肯定的に挿入され得る。いくつかの実施形態では、異種遺伝子は、特定の座位に挿入することができ、対応する非改変(野生型)ファージのゲノム配列からのセグメント全体を置き換えることができる。上記に加えてまたは上記に代えて、いくつかの実施形態では、異種遺伝子を特定の座位に挿入することができる一方で、その他の点でゲノム配列全体は維持される。例えば、下記表は、さまざまなバクテリオファージの属へのかかる挿入のいくつかの非限定的な例を示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0111】
上記は、行われた挿入の非限定的な例である。表1の特定の株のいくつかについて塩基対の特定の位置または範囲が列記されているが、挿入及び/または欠失は、列記された範囲内の任意の塩基対に行うことができ、及び/またはその中の任意の塩基の範囲を除去することができる点を理解されたい。挿入はまた、列記された挿入点または挿入範囲の前または後の10塩基対以内に行われてもよい。
【0112】
1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26のポリヌクレオチド、配列番号27のポリヌクレオチド、配列番号28のポリヌクレオチド、配列番号29のポリヌクレオチド、配列番号30のポリヌクレオチド、配列番号31のポリヌクレオチド、配列番号32のポリヌクレオチド、配列番号33のポリヌクレオチド、配列番号34のポリヌクレオチド、配列番号35のポリヌクレオチド、配列番号37のポリヌクレオチド、配列番号38のポリヌクレオチド、配列番号39のポリヌクレオチド、配列番号40のポリヌクレオチド、配列番号41のポリヌクレオチド、配列番号42のポリヌクレオチド、配列番号43のポリヌクレオチド、配列番号44のポリヌクレオチド、配列番号45のポリヌクレオチド、配列番号46のポリヌクレオチド、配列番号47のポリヌクレオチド、配列番号48のポリヌクレオチド、配列番号49のポリヌクレオチド、配列番号50のポリヌクレオチド、配列番号51のポリヌクレオチド、配列番号52のポリヌクレオチド、配列番号53のポリヌクレオチド、配列番号54のポリヌクレオチド、配列番号55のポリヌクレオチド、配列番号56のポリヌクレオチド、配列番号57のポリヌクレオチド、配列番号58のポリヌクレオチド、配列番号60のポリヌクレオチド、配列番号61のポリヌクレオチド、配列番号62のポリヌクレオチド、配列番号63のポリヌクレオチド、配列番号64のポリヌクレオチド、配列番号65のポリヌクレオチド、配列番号66のポリヌクレオチド、配列番号67のポリヌクレオチド、配列番号68のポリヌクレオチド、配列番号69のポリヌクレオチド、配列番号70のポリヌクレオチド、配列番号71のポリヌクレオチド、配列番号73のポリヌクレオチド、配列番号26と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号27と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号28と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号29と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号30と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号31と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号32と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号33と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号34と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号35と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号37と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号38と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号39と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号40と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号41と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号42と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号43と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号44と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号45と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号46と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号47と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号48と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号49と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号50と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号51と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号52と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号53と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号54と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号55と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号56と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号57と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号58と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号60と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号61と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号62と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号63と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号64と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号65と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号66と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号67と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号68と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号69と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号70と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号71と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列、配列番号73と少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列から選択されるポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号26と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号27と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号28と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号29と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号30と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号31と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号32と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号33と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号34と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号35と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号37と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号38と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号39と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号40と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号41と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号42と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号43と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号44と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号45と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号46と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号47と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号48と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号49と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号50と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号51と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号52と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号53と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号54と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号55と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号56と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号57と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号58と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号60と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号61と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号62と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号63と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0149】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号64と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号65と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号66と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号67と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号68と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号69と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号70と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号71と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも91%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも92%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも93%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも94%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも96%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、配列番号73と少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含むことができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、本明細書の他の箇所で詳細に記載されるように、アルギン酸リアーゼである。
【0159】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの1つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージは、遺伝子操作される。本明細書で使用する場合、「遺伝子操作された」または「遺伝子改変された」バクテリオファージとは、そのポリヌクレオチド配列が遺伝子工学の手法によって改変されたバクテリオファージであり得る。ポリヌクレオチド配列の遺伝子操作は、これらに限定されるものではないが、相同組換え、バクテリオファージエンジニアリング、CRISPRに基づく操作(例えば、CRISPR-Cas)、酵母内での完全長ファージゲノムの再構築、またはインビトロDNAスプライシング後の完全長の裸ファージDNAの宿主細菌への形質転換によるもの、及びこれらの技術の任意の組み合わせを含む、当該技術分野では周知の現代の分子生物学技術のいずれによっても行うことができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの2つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの3つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの4つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの5つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの6つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの7つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの8つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの9つ以上のものが操作される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの10以上のものが操作される。
【0161】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージのうちの第2のバクテリオファージは、天然のファージを含む。「天然の」及び「野生型」という用語は、天然に見出される形態を指す。例えば、天然または野生型の核酸分子、ヌクレオチド配列またはタンパク質は、天然由来源中に存在し、そこから単離することができ、人為的操作によって意図的に改変されていない。したがって、天然のファージは、天然に存在する操作されていないファージである。いくつかの実施形態では、第2のバクテリオファージは、特にさらなるバクテリオファージが、例えば参照によって本明細書にその全容を援用するところのWO2016/100389に詳細に記載されるように、細菌に感染するか、殺傷するか、または細菌感染を低減する能力を有する場合に、変異した天然ファージ、及び/または部分的もしくは完全に合成されたファージを含み得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの2つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの3つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの4つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの5つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの6つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの7つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの8つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの9つ以上のものは天然ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの10以上のものは天然ファージである。
【0163】
いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの1つ以上のものが改変され、1つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの1つ以上のものが改変され、2つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの1つ以上のものが改変され、3つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの1つ以上のものが改変され、4つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの1つ以上のものが改変され、5つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの2つ以上のものが改変され、1つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの3つ以上のものが改変され、1つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの4つ以上のものが改変され、1つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、組成物中のバクテリオファージのうちの5つ以上のものが改変され、1つ以上のバクテリオファージは天然である。いくつかの実施形態では、操作されたファージと天然ファージとの他の任意の組み合わせが想到される。
【0164】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、シュードモナス(Pseudomonas)を標的とする。いくつかの実施形態では、バクテリオファージのうちの少なくとも1つは、緑膿菌(シュードモナス・エルギノーザ)(Pseudomonas aeruginosa)を標的とする。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、1つ以上の緑膿菌株を標的とする。
【0165】
いくつかの実施形態では、組成物の1つ以上のバクテリオファージは、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものを標的とする。いくつかの実施形態では、組成物の1つ以上のバクテリオファージは、上記に述べたように、緑膿菌、抗生物質耐性緑膿菌、及び多抗生物質耐性緑膿菌のうちの1つ以上のものに感染してこれを殺傷する。
【0166】
いくつかの実施形態では、組成物は、室温または8℃以下の温度で保存するための保存媒体をさらに含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、7℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、6℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、5℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、4℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、3℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、2℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、1℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、0℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、-20℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、-80℃以下の温度で保存するための保存媒体を含む。
【0167】
具体的な実施形態では、組成物は、-20℃~25℃の範囲の温度、例えば、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、または25℃、またはその間の任意の値または部分範囲(端点を含む)で保存される。
【0168】
具体的な実施形態では、組成物は、2℃~8℃の範囲の温度、例えば、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、または8℃、またはその間の任意の値または部分範囲(端点を含む)で保存される。
【0169】
具体的な実施形態では、組成物は室温で保存される。
【0170】
いくつかの実施形態では、保存媒体は、凍結保護剤を含む。いくつかの実施形態では、凍結保護剤は、グリセロール、例えば約5%~約50%のグリセロール、より好ましくは約10%~約30%のグリセロール、最も好ましくは約20%のグリセロールである。他の実施形態では、凍結保護剤は、スクロース、例えば約5%~約30%のスクロース、最も好ましくは約10%のスクロースである。いくつかの実施形態では、凍結保護剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、例えば、約2%~約10%のDMSOである。適当な濃度は、端点を含む、記載される範囲内の任意の値または下位値であってよい。
【0171】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、上記のように、直接使用するか、冷蔵するか、低温乾燥するか、凍結乾燥するか、適切な凍結保護剤を含んだ水性または他の溶液中で凍結保存することができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書の他の箇所で詳細に記載されるように、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、組成物は、液体、半液体、固体、凍結、または凍結乾燥製剤である。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、液体製剤中にある。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、半液体製剤中にある。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、固体製剤中にある。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、凍結製剤中にある。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、凍結乾燥製剤中にある。
【0174】
いくつかの実施形態では、組成物は、1ミリリットル当たり1×108~1×1012PFUの各バクテリオファージを含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、組成物1ml当たり1×108~1×109PFU、1×108~1×1010PFU、1×108~1×1011PFU、または1×108~1×1012PFUの各ファージを含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、組成物1ml当たり3×108~1×109PFU、3×108~1×1010PFU、3×108~1×1011PFU、または3×108~1×1012PFUの各ファージを含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、組成物1ml当たり3×108~3×109PFU、3×108~3×1010PFU、または3×108~3×1012PFUの各ファージを含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、組成物1ml当たり1×109~1×1010PFU、または1×109~1×1011PFU、または1×109~1×1012PFUの各ファージを含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ濃度は、組成物1ml当たり1×1010~1×1012PFUの各ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ濃度は、組成物1ml当たり1×1012~1×1012PFUの各ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、対象に、組成物1ml当たり少なくとも約1×108PFUの各ファージ、少なくとも約3×108PFUの各ファージ、少なくとも約1×109PFUの各ファージ、少なくとも約1×1010PFUの各ファージ、少なくとも約1×1011PFU、または少なくとも約1×1012PFUの各ファージの投与量で投与される。実施形態において、1つ以上のバクテリオファージ(複数可)を組み合わせて、組成物1ml当たり約1×108、約3×108、約1×109、約1×1010、1×1011、または1×1012PFUの各ファージの合計濃度とすることができる。濃度は、端点を含む、記載される範囲内の任意の値、下位値、範囲、または部分範囲を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、組成物の1つ以上のバクテリオファージは、実施例により詳細に記載されるように、バイオフィルム質量を減少させる。
感染を治療するための方法
【0176】
いくつかの実施形態では、本開示は、緑膿菌感染症を治療するための方法であって、本明細書に記載の組成物のいずれかを緑膿菌感染症の治療を必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。本明細書で使用する場合、「治療を必要とする」という用語は、介護者(例えば、ヒトの場合では、医師、看護師、ナース・プラクティショナー、または個人、ヒト以外の哺乳動物を含む動物の場合では、獣医師)によって下される、対象が治療を必要とするかまたは治療から利するという判断を指す。この判断は、介護者の専門知識の範囲内であるが本発明の組成物によって治療可能な状態の結果として対象が病気であるかまたは病気になるであろうという知識を含む、さまざまな要因に基づいて下される。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書では、治療有効量のバクテリオファージまたは治療有効量のバクテリオファージ組成物の投与を含む、治療のための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書では、対象にバクテリオファージを投与することを含む治療のための方法であって、バクテリオファージが、各バクテリオファージ1ml当たり約1×108~約1×1012PFU/mlのバクテリオファージ濃度範囲を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ濃度は、組成物1ml当たり1×108~1×109PFU、1×108~1×1010PFU、1×108~1×1011PFU、または1×1012PFUの各ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ濃度は、組成物1ml当たり3×108~1×109PFU、3×108~1×1010PFU、3×108~1×1011PFU、または3×108~1×101PFUの各ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ濃度は、組成物1ml当たり3×108~3×109PFU、または3×108~3×1010PFUの各ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ濃度は、組成物1ml当たり1×109~1×1010PFU、1×109~1×1011PFU、または1×109~1×1012PFUの各ファージである。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ濃度は、組成物1ml当たり1×1010~1×1012PFUの各ファージである。実施形態において、1つ以上のバクテリオファージ(複数可)を組み合わせて投与してもよい。いくつかの実施形態では、投与するための1つ以上の組み合わされたバクテリオファージは、本明細書に記載のもののいずれかなどの2つの異なる操作されたファージを含むことができる。2つ以上の操作されたファージは、例えば、それぞれが異なるEPSデポリメラーゼまたは同じEPSデポリメラーゼを発現するように操作することができる。操作されたファージは、例えば本明細書に記載の同じ属に由来してもよく、または異なる属に由来してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子を発現するように操作された1つ以上のファージは、そのように操作されていない1つ以上のファージ(例えば、まったく改変されていないかまたはデポリメラーゼ遺伝子を含まないファージ)とともに、医療処置に使用できる点を理解されたい。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージ(複数可)を組み合わせて、組成物1ml当たり約1×108~約5×1012PFUの各ファージの合計濃度とすることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバクテリオファージ(複数可)を組み合わせて、組成物1ml当たり約1×108~約3×1012PFUの各ファージの合計濃度とすることができる。実施形態において、1つ以上のバクテリオファージ(複数可)を組み合わせて、組成物1ml当たり約1×108、3×108、1×109、1×1010、1×1011、または1×1012PFUの各ファージの合計濃度とすることができる。実施形態において、1つ以上のバクテリオファージ(複数可)を組み合わせて、組成物1ml当たり約9×108、3×109、3×1010、3×1011、または3×1012PFUの各ファージの合計濃度とすることができる。濃度は、端点を含む、記載される範囲内の任意の値または範囲を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、対象に、用量当たり少なくとも約1×108PFUの各ファージ、少なくとも約3×108PFUの各ファージ、少なくとも約1×109PFUの各ファージ、少なくとも約1×1010PFUの各ファージ、または少なくとも約1×1011PFUの各ファージの投与量で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、用量当たり少なくとも3×108PFUの総バクテリオファージの投与量で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、用量当たり少なくとも3×109PFUの総バクテリオファージの投与量で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、用量当たり約1×108PFU~5×1012PFUの総バクテリオファージの投与量で投与される。用量は、端点を含む、記載される範囲内の任意の値または範囲を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、方法は、抗生物質の投与をさらに含む。実施形態において、抗生物質は、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンから選択される。
【0180】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のCFTRモジュレーターの投与をさらに含む。実施形態において、CFTRモジュレーターは、これらに限定されるものではないが、イバカフトール、ルマカフトール/イバカフトール、テザカフトール/イバカフトール、エレクサカフトール/テザカフトール/イバカフトール、またはこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
【0181】
いくつかの実施形態では、細菌感染症は、1つ以上の抗生物質または他の治療に対して耐性となっている。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンのうちの1つ以上に対して耐性となっている。
【0182】
いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の抗生物質で以前に治療されていない対象、または1つ以上の抗生物質で以前に治療された対象を治療することと、場合により、対象を治療のために選択することと、を含み得る。例えば、本明細書に記載される実施形態のいずれかに基づいて記載されるファージ治療は、新たな感染症に対して(単独で、または抗生物質治療などの別の種類の治療と組み合わせて)投与される第1の治療としてもよく、または例えば抗生物質治療などの他の何らかの第1の治療アプローチに続いて投与される治療としてもよい。上述のように、方法は、対象が第1の治療を既に受けていることに基づいて、対象または患者を選択することを含んでもよい。その第1の治療は、有効なものであってもよく、または部分的にのみ有効なものであってもよい。感染症は、例えば、別の治療に対して耐性を有する、または耐性を発現したものであってよい。
【0183】
実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とフルオロキノロンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とカルバペネムとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とアミノグリコシドとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とアンサマイシンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とセファロスポリンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とペニシリンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とβラクタムとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とβラクタマーゼ阻害剤とを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物と葉酸経路阻害剤とを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とフシダン(fucidane)とを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物と糖ペプチドとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とグリシルサイクリンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とリンコサミドとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とリポペプチドとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とマクロライドとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とキノロンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とオキサゾリジノンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とフェニコールホスホン酸とを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とストレプトグラミンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とテトラサイクリンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とスルホンアミドとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とイミペネムとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とメロペネムとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とアミカシンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とシプロフロキサシンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とレボフロキサシンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とトブラマイシンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とアジスロマイシンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とアズトレオナムとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物とコリスチンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物と吸入トブラマイシンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物と吸入アズトレオナムとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのバクテリオファージ組成物と吸入コリスチンとを組み合わせて投与することによって細菌感染症を治療するための方法を提供する。本明細書に記載される治療のいずれか1つ以上を、明示的に除外することができる。
【0184】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、吸入により投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、噴霧により投与される。
【0185】
実施形態において、本明細書では、本明細書に記載のバクテリオファージまたは組成物のいずれかを対象に投与する方法であって、投与が、約3~約24時間の範囲にわたって行われる、方法が提供される。実施形態において、バクテリオファージは、3時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、4時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、5時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、6時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、7時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、8時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、9時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、10時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、11時間ごとに対象に投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、12時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、18時間ごとに対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージは、24時間ごとに対象に投与される。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、少なくとも1日1回、対象に投与される。タイミングは、端点を含む、記載される範囲内の任意の値または範囲を含む。
【0186】
特定の実施形態では、バクテリオファージ組成物は、少なくとも6時間ごとに投与される。
【0187】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージ組成物は、少なくとも1日間にわたって投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で2日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で3日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で4日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で5日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で6日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で7日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で10日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で14日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で21日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、全体で28日間にわたって対象に投与される。実施形態において、バクテリオファージ組成物は、1日間~約4週間にわたって投与される。投与の持続時間は、端点を含む、記載される範囲内の任意の値または部分範囲であってよい。
【0188】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のバクテリオファージ及び/または組成物は、1つ以上の精製アルギン酸リアーゼと組み合わせて投与することができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0190】
いくつかの実施形態では、対象は、嚢胞性線維症(CF)に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NFCB)に罹患している。
【0191】
他の実施形態では、本開示は、細菌感染症を治療するための方法であって、細菌感染症を有する対象を選択することと、対象に有効量の本明細書に記載のバクテリオファージのいずれかを投与することと、を含む、方法も提供する。
【0192】
対象は、以下の基準のいずれかに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、対象は、シュードモナス感染症である細菌感染症を有してもよい。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、緑膿菌感染症である。いくつかの実施形態では、感染症は、必ずしもこれらに限定されないが、嚢胞性線維症及び/または肺炎を含んでもよく、またはこれらに関連する。いくつかの実施形態では、感染は、嚢胞性線維症及び/または肺炎の存在下での細菌感染症を含む。いくつかの実施形態では、感染症は、必ずしもこれに限定されないが、非嚢胞性線維症気管支拡張症(NCFB)を含んでもよく、またはこれに関連する。いくつかの実施形態では、感染は、NCFB及び/または肺炎の存在下での細菌感染症を含む。いくつかの実施形態では、感染症は、ムコイド型、またはアルギン酸の過剰産生を含む。いくつかの実施形態では、細菌感染症は、バイオフィルムを特徴とする。いくつかの実施形態では、対象は、抗生物質耐性のシュードモナス感染症を有し得る。いくつかの実施形態では、対象は、複数の抗生物質に対して耐性である細菌感染症を有し得る。いくつかの実施形態では、対象は、1つ以上の抗生物質または別の抗細菌治療により細菌感染症を以前に治療されたことに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、対象は、最初の抗生物質治療または1つ以上の抗生物質に対して耐性を生じているか、または耐性のある細菌による感染症を有することに基づいて選択することができる。
【0193】
操作されたバクテリオファージを作製する方法
いくつかの実施形態では、本開示は、操作されたバクテリオファージを作製するための方法であって、バクテリオファージを提供することと、菌体外多糖体(EPS)デポリメラーゼをバクテリオファージに組み込むことと、を含む方法を提供する。
【0194】
いくつかの実施形態では、EPSデポリメラーゼは、必ずしもこれに限定されないが、アルギン酸リアーゼであってよい。いくつかの実施形態では、アルギン酸リアーゼは、必ずしもこれらに限定されないが、本明細書の他の箇所で詳細に記載されるAlg2AまたはA1-IIIを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアルギン酸リアーゼ配列は、アルギン酸リアーゼ遺伝子の一部または機能的フラグメントを含み得る。いくつかの実施形態では、配列は、全アルギン酸リアーゼ遺伝子を含み得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、PhiKMVウイルス属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、パクプナウイルス(Pakpunavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ブルイノゲウイルス(Bruynoghevirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、プブナウイルス属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ルツセプチマウイルス(Luzseptimavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、リツナウイルス(Litunavirus)属に属する。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、ナンコクウイルス(Nankokuvirus)属に属する。
【0196】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のバクテリオファージ及び組成物は、必ずしもこれらに限定されないが、プロモーター、シスエレメント、エンハンサー、ターミネーター、またはイントロンを含み得る、調節エレメントをコードする。本発明のいくつかの態様では、挿入された遺伝子またはEPSデポリメラーゼをコードする核酸及び/またはファージからの遺伝子発現は、核酸が機能的に連結されるプロモーターによって調節される。「プロモーター」、「プロモーター領域」または「プロモーター配列」という用語は、5’~3’(「下流」)方向に遺伝子の転写を開始するRNAポリメラーゼが結合することができる核酸配列を指す。遺伝子は、プロモーターに結合するRNAポリメラーゼがその遺伝子の転写の近位の起点である場合にプロモーターの「制御下にある」かプロモーターによって「制御される」。プロモーターまたはプロモーター領域は通常、RNAポリメラーゼ及び適正な転写開始に必要な他の因子の認識部位を提供する。プロモーターは、遺伝子のゲノムコピーの5’非翻訳領域(5’UTR)から単離することができる。あるいは、プロモーターは、既知のDNAエレメントを改変することによって、合成により生成または設計することもできる。1つのプロモーターの配列を別のプロモーターの配列と組み合わせたキメラプロモーターも想到される。プロモーターは、例えば、代謝、環境、または発生条件に基づくそれらの発現パターンによって定義することができる。プロモーターは、機能的に連結された転写可能なポリヌクレオチド分子(例えば、コード配列)の発現を調節するための調節エレメントとして使用することができる。RNAポリメラーゼ(及び好ましくは他の転写因子)によって認識される配列以外に、プロモーターは、機能的に連結された遺伝子の転写に影響を及ぼす調節エレメント(例えば、シスエレメントまたはエンハンサードメイン)も含み得る。「ウイルスプロモーター」は、ウイルスゲノム内に位置する1つ以上の遺伝子の転写を開始する天然または非天然のプロモーターである。
【0197】
プロモーター(複数可)は、構成的プロモーター(複数可)及び/または条件的プロモーター(複数可)及び/または誘導性プロモーター(複数可)及び/または組織特異的プロモーター(複数可)であってよい。「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境条件及び発生条件下で活性であるプロモーターである。構成的プロモーターは、光及び培地組成などの外部環境に関係なく活性である。いくつかの例では、構成的プロモーターは、栄養素の存在下及び非存在下で活性である。例えば、構成的プロモーターは、窒素枯渇条件下で、及び窒素が制限されない条件(窒素豊富条件)下で活性である(機能的に連結された遺伝子の転写を媒介する)プロモーターであってよい。逆に、「誘導性」プロモーターは、特定の環境的条件(例えば、栄養素またはレギュレーターの有無、光の存在など)に応答するプロモーターである。
【0198】
プロモーターは、RNAポリメラーゼpol I、pol II、pol III、T7、M13、細菌のシグマ因子によって認識されるプロモーター(σ70、σ54、σS、σ32、σ19、σ28、またはσ38)、例えばPrrn、Plac、Ptac、Ptet、Pbla、Pcat、Pbad、PL、または当業者には周知のあらゆる天然または合成の構成的または誘導性プロモーターからなる群から選択することができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、バクテリオファージに天然に存在するプロモーターである。したがって、その天然の状態(例えば、遺伝子操作されていない生物またはウイルスのゲノムにおける)では機能的に連結されていない遺伝子に機能的に連結されたプロモーターは、そのプロモーターが連結されている遺伝子と同じ種(または場合により、同じ生物またはウイルス)に由来し得るものであるとしても、本明細書では異種プロモーターと呼ばれる。同様に、操作されたタンパク質のタンパク質局在化配列またはタンパク質ドメインについて言う場合、「異種の」とは、局在化配列またはタンパク質ドメインが遺伝子操作によって組み込まれるタンパク質とは異なるタンパク質に由来することを意味する。
【0200】
本明細書で使用する場合、「機能的に連結された」という用語は、制御配列がポリペプチド及び/または機能性RNAのコード配列の発現を誘導または調節するように、制御配列がポリヌクレオチド配列のコード配列に対して適切な位置に配置されている構成を指す。したがって、プロモーターは、核酸配列の転写を媒介できる場合に核酸配列に機能的に連結されている。発現カセットは、宿主細胞に導入されると、適当な条件下で、コードされたRNAまたはポリペプチドの転写及び/または翻訳をもたらすことができる。翻訳されない、または翻訳できないアンチセンスまたはセンスコンストラクトは、この定義によって除外されない。導入遺伝子の発現及び内因性遺伝子の抑制の場合、挿入されるポリヌクレオチド配列が同一である必要はなく、ポリヌクレオチド配列が由来する遺伝子の配列とあくまで実質的に同一であればよい点は当業者には認識されよう。本明細書で説明されるように、これらの実質的に同一のバリアントは、特定の核酸配列を参照することによって具体的に包含される。
【0201】
本発明のいくつかの態様では、挿入された遺伝子またはEPSデポリメラーゼをコードする核酸及び/またはファージからの遺伝子発現は、核酸が機能的に連結されたターミネーターによって調節される。本明細書で使用する場合、「ターミネーター」または「ターミネーター配列」または「転写ターミネーター」とは、RNAポリメラーゼに転写を停止させる遺伝子配列の調節領域を指す。いくつかの実施形態では、ターミネーターは、バクテリオファージ中に天然に存在するターミネーターである。いくつかの実施形態では、ターミネーターは、バクテリオファージ中に天然に存在するターミネーターではない。
【0202】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の操作されたウイルスは、コドン最適化配列を含むことができる。本明細書で使用する場合、「コドン最適化」という用語は、ポリヌクレオチド、核酸配列、またはコード配列が、コードされたタンパク質のアミノ酸配列を変更することなく異なるコドンを選択することによって、野生型または参照ポリヌクレオチド、核酸配列、またはコード配列と比較して再設計されていることを意味する。したがって、コドン最適化は、一般に、翻訳されたタンパク質のアミノ酸配列を同じに保ちながら、タンパク質の発現を最適化するためにコドンを同義コドンで置き換えることを指す。配列のコドン最適化は、例えば、コードされたタンパク質のタンパク質発現レベルを増加させ(Gustafsson et al.,Codon bias and heterologous protein expression.2004,Trends Biotechnol 22:346-53)、他の利点を提供し得る。コドン適応指数(CAI)で測定されるコドン使用選好性などの変数、例えば、U及びその他のヌクレオチドの存在または頻度、mRNAの2次構造、シス調節配列、GC含有量、及びその他の変数が、タンパク質発現レベルと相関し得る(Villalobos et al.,Gene Designer:a synthetic biology tool for constructing artificial DNA segments.2006,BMC Bioinformatics 7:285)。
【0203】
コドン最適化の任意の方法は、本明細書で提供されるポリヌクレオチド及び核酸分子をコドン最適化するために使用することができ、任意の変数を、コドン最適化により変更することができる。したがって、コドン最適化法の任意の組み合わせを使用することができる。例示的な方法としては、高コドン適応指数(CAI)法、Low U法などが挙げられる。CAI法は、タンパク質コード配列全体に対して最も頻繁に使用される同義コドンを選択する。一例として、各アミノ酸の最も頻繁に使用されるコドンは、ヒトゲノムの74,218のタンパク質コード遺伝子から推定することができる。低U法(Low U method)は、一般に、他のコドンを変更せずに、U部分が少ない同義のコドンに置き換えることができるU含有コドンを標的とする。複数の置換の選択肢がある場合は、より頻繁に使用されるコドンを選択することができる。本明細書で提供されるいずれのポリヌクレオチド、核酸配列、またはコドン配列もコドン最適化することができる。
【0204】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のEPSデポリメラーゼまたはアルギン酸リアーゼのいずれも、必要に応じて、本明細書に記載の配列のいずれかについてコドン最適化することができる。コドンを最適化するための当該技術分野では周知のいずれの方法も使用することができる。
【0205】
本明細書に記載の操作されたファージは、当該技術分野では周知のバクテリオファージを含むウイルスを遺伝子操作するためのいずれの方法を用いても作製することができる。非限定的な例が、当該文献中に示されるすべての方法、組成物、試薬、及び他のすべての情報について本明細書に参照によってそれらの全容を援用するところの米国特許第5,811,093号、同第8,865,158号、及び同第10,837,004号に示されている。
【0206】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、操作されたバクテリオファージのアルギン酸リアーゼ活性を決定するためのアッセイであって、有効量の本明細書に記載の操作されたバクテリオファージのいずれかを緑膿菌バイオフィルムに投与することと、バイオフィルム質量の減少を決定することと、を含む、アッセイも提供する。
【0207】
キット
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のバクテリオファージまたはバクテリオファージ組成物のいずれかと、それを使用するための使用説明書と、を含む1つ以上のキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、バクテリオファージ組成物と同時投与するための1つ以上の精製アルギン酸リアーゼを含むことができる。
【0208】
いくつかの実施形態では、キットは、抗生物質をさらに含んでもよい。適当な抗生物質としては、必ずしもこれらに限定されるものではないが、本明細書の他の箇所に記載されるような、フルオロキノロン、カルバペネム、アミノグリコシド、アンサマイシン、セファロスポリン、ペニシリン、βラクタム、βラクタマーゼ阻害剤、葉酸経路阻害剤、フシダン(fucidane)、糖ペプチド、グリシルサイクリン、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、キノロン、オキサゾリジノン、フェニコールホスホン酸、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、スルホンアミド、イミペネム、メロペネム、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、トブラマイシン、アジスロマイシン、アズトレオナム、コリスチン、吸入トブラマイシン、吸入アズトレオナム、及び吸入コリスチンが挙げられる。
【0209】
いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上のCFTRモジュレーターをさらに含む。実施形態において、CFTRモジュレーターは、これらに限定されるものではないが、イバカフトール、ルマカフトール/イバカフトール、テザカフトール/イバカフトール、エレクサカフトール/テザカフトール/イバカフトール、またはこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
【0210】
いくつかの実施形態では、キットは、バクテリオファージまたはバクテリオファージ組成物を投与する手段をさらに含むことができる。この手段は、必ずしもこれらに限定されるものではないが、1つ以上のシリンジ、経皮パッチ、徐放装置、スプレー、ネブライザー、吸入器、またはレスピレーターを含み得る。
【0211】
いくつかの実施形態では、徐放装置は、小型浸透圧ポンプを含み得る。
【0212】
いくつかの実施形態では、キットは、第2のバクテリオファージまたはバクテリオファージ組成物をさらに含むことができる。
【実施例】
【0213】
実施例1:さまざまなバクテリオファージにおけるアルギン酸リアーゼの活性
アルギン酸リアーゼA1-IIIのフラグメント70-399の発現量は低く、活性を有さないが、フラグメント54-412は活性を有している。
【0214】
スフィンゴモナスのアルギン酸リアーゼ遺伝子であるalyは、プレプロタンパク質を生成する。完全サイズのタンパク質はタンパク質分解により切断されて、AlgL A1-IIとA1-IIIを生成する。後者は、Alyの細菌アルギン酸分解活性を有する。
【0215】
スフィンゴモナスのaly遺伝子(アルギン酸リアーゼ)のフラグメント70~399または54~412を、C末端hisタグとともに大腸菌発現プラスミドにクローニングし、Niアフィニティーカラムを用いて精製した。フラグメント70~399はほとんど不溶性であり、精製に凝集体の変性及びリフォールディングを必要とした(
図5A)。スフィンゴモナスのaly遺伝子(アルギン酸リアーゼ)のフラグメント54~412を、C末端hisタグを有する大腸菌発現プラスミドにクローニングし、Niアフィニティーカラムを用いて精製した。フラグメント54~412は可溶性であった(
図5B)。得られた精製タンパク質は、変性ゲルの試験で99%超の純度であり、これを海藻または細菌由来のアルギン酸を分解する能力について試験した。活性を、10mg/mlで調製したSigma-Aldrich(参考文献A1603)より市販されるアルギン酸リアーゼ調製物と比較した。2%の海藻アルギン酸を含む寒天プレート上で活性を評価する。調製物またはコントロールの5μl試料をプレートの表面に塗布し、乾燥させた後、30℃で4時間~一晩インキュベートした。次いで、プレートを10%塩化セチルピリジニウム(CPC)で染色したところ、活性は白色沈殿物がみられないハローとして示された(
図5C)。活性を、緑膿菌のムコイド型のアルギン酸発現株の予め形成された菌叢でも評価し、この場合、活性は、塗布部位のよりでこぼこでより透明な菌叢のハローとして示される。
図5Dに、15840株の菌叢の結果を示す。
【0216】
AlgL A1-IIIフラグメント70~399を発現するファージは、アルギン酸リアーゼ活性を有さない
ファージAPBP4-4は、gp99の下流に挿入されたAlgL A1-IIIフラグメント70~399の遺伝子を有するAPBP4の変異体であるが、アルギン酸リアーゼ活性を示さない。APBP17-1は、AlgL A1-IIIフラグメント70~399の遺伝子を有するAPBP17の変異体であり、やはりアルギン酸リアーゼ活性を示さない。
【0217】
ファージAPBP1-1、APBP1-2、APBP3-1、及びAPBP3-2は、安定したアルギン酸リアーゼ活性を示す
APBP1-1及びAPBP1-2は、遺伝子gp82のすぐ下流にAlyのフラグメント54-412がクローニングされたプブナウイルスAPBP1の変異体である。APBP1-1が、大腸菌に対してコドン最適化されたalgL A1-III(Pae)のバージョンを有するのに対して、APBP1-2にクローニングされた遺伝子のバージョンは、緑膿菌(Pae)に対してコドン最適化されている。どちらもそのC-末端に6-His-tagを有する。APBP3-1及びAPBP3-2は、PhiKMVウイルスAPBP3の変異体である。APBP3-1は、APBP1-2と同じalgL A1-IIIアレルを有している。APBP3-2は、APBP1-1と同じalgL A1-IIIアレルを有している。algL A1-IIIはgp037の下流に挿入されている。各ファージは、予め形成されたPae株15844の菌叢アッセイにおいてアルギン酸リアーゼ活性を示すのに対して、親ファージは有さない。
図2Aは、緑膿菌(15844株)のムコイド型のアルギン酸発現株の予め形成された菌叢上にスポットされたファージの上面照射図を示したものであり、活性は、塗布部位のクレーターまた陥凹した菌叢として示されている。
図2Bは、
図13Aにみられるのと同じプレートの下面照射図を示したものであり、緑膿菌(15844株)のムコイド型のアルギン酸発現株の予め形成された菌叢上にスポットされたファージを、塗布部位の円形の陥凹部としてみることができる。
【0218】
APBP1-1、APBP1-2、APBP3-1またはAPBP3-2のライセート中のAlgL A1-III-His6のウエスタンブロット検出
各ファージの全ライセートを、変性SDS-PAGE用に調製し、電気泳動し、PVDF膜に転写し、Hisタグ付きタンパク質を、Hisタグに対する一次抗体及び適切なHRP結合二次抗体を使用して検出した。アルギン酸リアーゼ(AlgL)A1-IIIフラグメント54~412は、約37kDaのバンドとして示されている(
図3)。
【0219】
ファージAPBP1-1、APBP1-2、APBP3-1及びAPBP3-2の増殖は、AlgL A1-IIIの発現によって変化しない
APBP3-1及びAPBP3-2のライセートは、それらの宿主である緑膿菌7299株の菌叢からピッキングした単一のプラークから開始し、緑膿菌7299株の指数関数増殖期の培養物中に再懸濁したところ、それらの親ファージAPBP3と同じ力価に達した。APBP1-1及びAPBP1-2は、親ファージAPBP1の力価より約10倍低い力価まで増殖した(
図12)。
【0220】
ファージAPBP1-1、APBP1-2、APBP3-1及びAPBP3-2の宿主範囲は、AlgL A1-IIIの発現によって拡大した(
図13A~13Fを参照)。
【0221】
実施例2:改変バクテリオファージを作製する方法
ゲノムからアルギン酸リアーゼを発現する操作されたバクテリオファージを作製する1つの方法は、野生型ファージの対応する座位との相同組換えによってアルギン酸リアーゼ遺伝子を適切な座位に導く、標的ファージゲノムの2つのフラグメント間にクローニングされた適切な発現シグナル(プロモーター及び/またはリボソーム結合部位)を有する、アルギン酸リアーゼ遺伝子を有するプラスミドの構築を含む。これらのいわゆる「ホモロジーアーム」は、50bpと短いものでも、2kbと長いものでもよいが、通常は500bpである。さらに、プラスミドは、構成的発現下にあるシングルガイドRNA(sgRNA)を有している。sgRNAは、sgRNAと相補的な配列の数塩基対下流に二本鎖切断を生じるようにプログラム可能なCas9ヌクレアーゼと協調して働く合成ガイドRNAである。したがって、sgRNA/Cas9複合体は、特定の配列に対するカウンターセレクションシステムとして使用することができる配列指向性ヌクレアーゼを代表するものである。ここでは、sgRNA/Cas9を用いて、野生型標的ファージをカウンターセレクトし、アルギン酸リアーゼ遺伝子を獲得した組換え体の増殖を促進した。これは、sgRNA/Cas9複合体が組換え体のゲノムをターゲティングできないように、組換えプロセス中に破壊または欠失されるgRNA配列を選択することによって行った。sgRNAの設計は当業者には周知のものである。Cas9は、標的ファージに対して感受性である、IPTG誘導性プロモーターからCas9を発現する、特別に構築した緑膿菌株で得た。相同性アームで囲まれたアルギン酸リアーゼ及びsgRNAを有するプラスミドを、適切なCas9発現株に形質転換した。得られた形質転換体をIPTGの存在下で増殖させ、野生型ファージに感染させた。次いで、得られたライセートを、標的ファージの宿主の菌叢上に播種し、個々のプラークを、標的座位のアルギン酸リアーゼ遺伝子の存在について分析した。見かけの組換え効率は1~100%の範囲であり、最も典型的には約10%であった(1/10のファージプラークが正しい組換え体であった)。アルギン酸リアーゼ遺伝子の適切な挿入についての分析は、機能的なPCRベースのものとすることができ、及び/または、例えば、Illumina NGSを使用した完全なゲノム配列決定によって行なうことができる。
【0222】
改変バクテリオファージを生成するための別の方法として、Ando et al(US2015/0064770A1)による研究に頼ったものがある。簡単に述べると、標的ファージの全ゲノムを、20~500bp(最も理想的には50bp)重複した部分でPCRにより増幅する。ファージゲノムの各末端の、増幅に使用されるオリゴヌクレオチドは、酵母人工染色体(YAC)に対する相同性を有する。酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)での全重複ファージゲノムフラグメントと適切なYACの同時形質転換によって、YACフラグメント上に存在する選択マーカー(最も一般的にはロイシン要求性)を用いて選択することができる、酵母で複製可能な環状プラスミドのアセンブリがもたらされ、ファージゲノム全体がその内部で再アセンブリされる。酵母と細菌は完全に異なる遺伝子発現マシナリを有することから、ファージゲノムは不活性に保たれる。次いで、再構築されたファージ-YACを酵母細胞から抽出し、高度にコンピテントな細菌株(最も一般的には、大腸菌DH10Bまたはその誘導体)に形質転換すると再活性化して子孫を生成するので、この子孫を適切な宿主(この場合、緑膿菌)上に播種して増殖させ、正確性について分析することができる。PCRオリゴヌクレオチドは、重複するゲノムフラグメントを生成するためにファージのゲノム上の任意の位置で選択することができるため、ファージ内の任意の位置に挿入、欠失、または変異を行うこと、また、1回の再構築実験で複数の改変を行うことが可能である(例えば、配列を欠失させる一方でそれを別の配列で置き換えるか、または1つの座位内の配列を欠失させる一方でゲノム内の他の位置に別の配列を挿入するなど)。適切なプライマー設計によって、以下の要件、すなわち、1)各連続するPCRフラグメント間で少なくとも20bpの重複が維持されること、及び2)再構築されたゲノム内のいずれの不可欠なファージ機能も不活性化されないこと、が満たされる限り、標的ファージゲノムの任意の所望の座位にアルギン酸リアーゼ遺伝子の挿入することが可能である:
【0223】
実施例3:特別に改変されたバクテリオファージ
A1-IIIは、スフィンゴモナス(Sphingomonas sp.)のN末端フラグメントである。アルギン酸リアーゼAly(アクセッション番号BAB03312)は、Alyのアミノ酸54~412に相当する。操作されたファージのコード配列を保存するため、フラグメント70~399(
図4)のクローニングを行ったがアルギン酸活性を示さなかった。しかしながら、フラグメント54~412及びフラグメント54~408の両方がアルギン酸リアーゼ活性を生じた。一部のコンストラクトでは、抗Hisタグ抗体を用いた検出または精製のためにC末端His
6タグを付加した。
図4の挿入図は、アミノ酸レベルで調べた異なるA1-IIIフラグメントのC末端周辺のいくつかの配列の間の差異を示す。
【0224】
スフィンゴモナスのアルギン酸リアーゼ遺伝子であるalyは、プレプロタンパク質を生成する。完全サイズのタンパク質はタンパク質分解により切断されて、AlgL A1-IIとA1-IIIを生成する。後者は、Alyの細菌アルギン酸分解活性を有する。スフィンゴモナスのaly遺伝子(アルギン酸リアーゼ)のフラグメント70~399または54~412を、C末端His
6タグとともに大腸菌発現プラスミドにクローニングし、Niアフィニティーカラムを用いて精製した。フラグメント70~399はほとんど不溶性であり、精製に凝集体の変性及びリフォールディングを必要とした(
図5A)。A1-IIIフラグメント54~412は、ウエスタンブロット上で正しいサイズのバンドを示し、フラグメントが発現されていることを示している(
図5B)。得られた精製タンパク質は、変性ゲルの試験で99%超の純度であり、これを海藻または細菌由来のアルギン酸を分解する能力について試験した。活性を、10mg/mlで調製したSigma-Aldrich(参考文献A1603)より市販されるアルギン酸リアーゼ調製物と比較した。活性を2%海草アルギン酸を含む寒天培地プレート上で評価した。調製物またはコントロールの5μl試料をプレートの表面に塗布し、乾燥させた後、30℃で4時間~一晩インキュベートした。最後に、プレートをリン酸カルシウムセメント(CPC)で染色したところ、活性は白色沈殿物がみられないハローとして示された(
図5C)。活性を、緑膿菌のムコイド型のアルギン酸発現株の予め形成された菌叢でも評価し、この場合、活性は、塗布部位のよりでこぼこでより透明な菌叢のハローとして示される。結果は、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド型菌叢に示される(
図5D)。
【0225】
アルギン酸リアーゼA1-IIIは、APBP4 gp13.1の下流に組み込んだ場合、gp13との融合タンパク質として発現された。
図6Aは、A1-IIIアルギン酸リアーゼペイロードを有する操作されたファージのライセートのウエスタンブロットを示す。操作されたファージを用いて、緑膿菌臨床分離株DCF47の指数関数増殖期の培養物にMOI=1で感染させた。ファージと宿主細菌細胞を一緒に増殖させ、37℃で振盪し、その後、感染後250分に回収した。ライセートを遠心分離して細胞デブリを濃縮した。細胞ペレット及び上清を分離し、-80℃で凍結した。その後、各試料を変性SDS-PAGE用に調製し、電気泳動し、PVDF膜に転写し、A1-IIIタンパク質を、A1-IIIに対する一次抗体及び適切なアルカリホスファターゼ二次抗体を使用して検出した。アルギン酸リアーゼA1-IIIフラグメント54~412は、約37kDaのバンドとして示された。レーン11及び12のAPBP4-4(APBP4(gp13.1 A1-III gp13))のバンドは、約43kDaではなく55kDaに現れ、これは恐らく、A1-IIIペイロードが挿入された遺伝子のリードスルーによるものと思われる。これは、正しいサイズのA1-IIIタンパク質単独ではなく、融合タンパク質が産生されたことを示す。
図6Bは、A1-IIIのC末端周辺のDNA配列を示し、A1-III-His
6のTGA終止コドンのトランスリーディングが、19アミノ酸長の「アンチターミネートリンカー」を介したgp13とのインフレーム融合タンパク質をどのように生じたかを説明している。
図6Cは、APBP4-4のライセート中で生成されたA1-III-His
6-リンカー-gp13融合タンパク質の推定配列を示す。太字で示される残基はA1-III-His
6配列に相当し、下線で示される残基はgp13に相当し、灰色で示される残基は推定リンカーを示し、黒くハイライトされたトリプトファン残基は、細胞がA1-III-His
6のTGA終止コドンを読み違える可能性が高い部分である。APBP4-4は、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド型菌叢に対する活性を示さず、融合タンパク質が機能性でないことを示す(
図6D)。
【0226】
A1-IIIアルギン酸リアーゼペイロードを有する操作されたファージを作製した。操作されたファージを用いて、緑膿菌7193株または臨床分離株DCF47の指数関数増殖期の培養物にMOI=1で感染させた。ファージと宿主細菌細胞を一緒に増殖させ、37℃で振盪し、その後、感染後250分に回収した。ライセートを遠心分離して細胞デブリを濃縮した。細胞ペレット及び上清を分離し、-80℃で凍結した。その後、各試料を変性SDS-PAGE用に調製し、電気泳動し、PVDF膜に転写し、A1-IIIタンパク質を、A1-IIIに対する一次抗体及び適切なアルカリホスファターゼ二次抗体を使用して検出した。操作されたAPBP4のこれらのバージョンは、正しいサイズのバンドを示し(
図7)、A1-IIIの発現及び周囲のタンパク質との融合がないことを示している。
【0227】
アルギン酸リアーゼA1-IIIの2つのコドン使用マトリクスをファージにクローニングした。両方をAPBP1中の同じ座位にクローニングして、APBP1-1とAPBP1-2を作製した。配列番号34は、配列番号35よりも高いGC含量を有し、緑膿菌における発現に対してより最適化されているのと考えられるのに対して、配列番号35は、大腸菌k-12株における発現に対してより最適化されている。全体として、2つの遺伝子は同一のタンパク質をコードしているが、DNAレベルでは80.1%の同一性しかない(
図8A)。ファージAPBP1に組み込まれたA1-IIIのコドン最適化は両方とも、緑膿菌15844のムコイド型菌叢に対するアルギン酸リアーゼ活性を示した(
図8B)。
【0228】
さまざまなA1-IIIの形態を発現する操作されたファージのライセートからのアルギン酸リアーゼ活性プロファイルの例を
図9A-9Iに示す。活性を、緑膿菌のムコイド型のアルギン酸発現株の予め形成された菌叢で評価し、この場合、活性は、塗布部位のよりでこぼこでより透明な菌叢のハローとして示される。
図9A~9Iに示される結果が、株15844の菌叢で観察された。フラグメント70~399は、ファージAPBP4(
図9A)またはAPBP17(
図9B)のゲノムに組み込まれた場合には活性を示さない。A1-IIIの54~408及び54~412フラグメントは、5つの異なるファージのいずれにおいても活性を示している:APBP1にクローニングされた配列番号35の54~408フラグメント(
図9C);APBP4にクローニングされた配列番号35の54~412フラグメント(
図9D);APBP18(
図9E)及びAPBP1(
図9F)にクローニングされた、C末端His
6-タグを有する配列番号35の54~412フラグメント;APBP3(
図9G及び9I)及びAPBP1(
図9H)にクローニングされたC末端His
6-タグを有する配列番号34の54~412フラグメント。
【0229】
次の実験のセットは、複数のファージから発現させたフラボバクテリアAlg2A(アクセッション番号AEB69783)が、遺伝子がそのN末端シグナル配列を保持しているか、C末端His
6-タグでタグ付けされているか、4つの異なる遺伝子にコードされているかにかかわらず、アルギン酸リアーゼ活性を有することを示した。C末端Hisタグを有する完全長Alg2Aを発現するファージはいずれも、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド型菌叢に対してアルギン酸リアーゼ活性を示すライセートを産生する(
図10B)。His
6-タグを含まないAlg2A
23~288の短縮化シグナル配列欠失型を発現するファージはいずれも、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド株に対してアルギン酸リアーゼ活性を示すライセートを産生する(
図10C)。4つの異なるコドン使用マトリクスを使用してalg2A遺伝子を合成し、それらをファージAPBP3にクローニングした。配列番号36は大腸菌k-12株における発現に対して、配列番号37は大腸菌B株に対して、配列番号38は肺炎球菌(S.pneumoniae)に対して、配列番号39はサルモネラ・ティフィムリウム(S.enterica serovar Typhimurium)に対して最適化されていると考えられる。これらの遺伝子は互いに75.9~77.9%同一である(
図10D)。配列番号37、配列番号38、または配列番号39のAlg2A
23~288を発現するAPBP3由来のファージは、アルギン酸産生緑膿菌15844株のムコイド型菌叢に対するアルギン酸リアーゼ活性を示すライセートを生じている(
図10E)。
【0230】
A1-IIIまたはAlg2Aアルギン酸リアーゼのいずれかを組み込んだファージのカクテルが酵素活性を有するかどうかを判定するため、緑膿菌FRD1株の予め形成されたムコイド型菌叢に10マイクロリットルのファージ混合物をスポットし、次いで30℃でインキュベートした後、写真撮影した。
図11の左側のスポットは、野生型親ファージAPBP4、APBP1、APBP2、APBP6、及びAPBP3の混合物である。ムコイド型菌叢の透明化は視認されない。中央のスポットは、A1-III:APBP2-1、APBP3-6、APBP6-1、APBP1-4、APBP4-5を発現するように操作された同じファージの混合物である。透明化は、ムコイド型菌叢の光沢のある表面に視認され、酵素が利用可能なアルギン酸を消化したことを示唆する。右側のスポットは、Alg2A:APBP2-2、APBP3-5、APBP6-3、APBP1-5、APBP4-6を発現するように操作されたファージの混合物である。クレーター様の透明化が、ムコイド型菌叢の光沢のある表面に視認され、アルギン酸リアーゼ活性の増加を示唆している。
【0231】
試験したファージのそれぞれは、アルギン酸リアーゼを発現しなかった親ファージAPBP1及びAPBP3と同じ力価に達し、ファージAPBP1-1、APBP1-2、APBP3-1及びAPBP3-2の増殖がアルギン酸リアーゼタンパク質A1-IIIの発現によって変化しないことを示唆した(
図12)。力価は、プラーク形成単位(PFU)のカウント及び各ライセートの希釈率から計算した。
【0232】
ファージの宿主範囲に対するアルギン酸リアーゼA1-IIIの発現の効果を決定するため、親ファージ及びそれらの操作された誘導体のライセートの力価を、最初にそれらの宿主である緑膿菌7299株に対して測定した。希釈系列は、すべてのファージ及びすべてのプレートについて10倍の段階である。
図13Aに見られるように、ファージAPBP3-1、野生型APBP3、APBP1-1、APBP1-2、及び野生型APBP1はすべて同じ力価を生じた。緑膿菌PS30では、APBP3-1は希釈率10
-2まで透明化を示したのに対してその親のAPBP3はこの株ではプラークを形成していない(
図13B)。同様に、APBP1-1とAPBP1-2は、緑膿菌PS30株上にプラークを生じるが、それらの親のAPBP1はプラークを生じていない(
図13B)。APBP1-1とAPBP1-2は、それらの親のAPBP1と比較して緑膿菌7176株上で改善された透明化を示している(
図13C)。APBP1-1とAPBP1-2は、緑膿菌15843株上で希釈率10
-7(約2E8 PFU/ml)までプラークを形成しているのに対して、それらの親のAPBP1は、約10倍低い希釈率10
-6(約2E7 PFU/ml)までプラークを形成している(
図13D)。緑膿菌15839株では、APBP3-1は透明化を示したのに対してその親のAPBP3はこの株ではプラークをまったく形成していない(
図13E)。APBP1-1とAPBP1-2も、緑膿菌15839株上にプラークを生じているが、それらの親のAPBP1はプラークを生じていない(
図13E)。APBP3-1は、緑膿菌15840株上で親のAPBP3と比較して高い透明化を示している(
図13F)。APBP1-1とAPBP1-2も、APBP1と比較して緑膿菌15840株上に改善された透明化を示している(
図13F)。これらの結果は、ファージAPBP1-1、APBP1-2、APBP3-1及びAPBP3-2の宿主範囲がアルギン酸リアーゼA1-IIIの発現によって拡大されることを示唆するものである。
【0233】
緑膿菌の4つの異なる株を、MBEC(最小バイオフィルム撲滅濃度)アッセイキット(Innovotech MBECアッセイキットまたは当該技術分野では周知の他のいずれの同様のアッセイを使用してもよい)を使用して、PEG上でバイオフィルムとして増殖させた。5ファージカクテル(AP-PA02)の3つのバージョンをバイオフィルムにそれぞれ適用した。処理後、バイオフィルムを洗浄し、クリスタルバイオレットで染色した。染料を抽出し、次いでOD595の密度について分析した。A1-III(Eng-A1-III)またはAlg2A(Eng-Alg2A)のいずれかを発現するファージを含む操作されたファージの2つのカクテルは、野生型ファージカクテル(野生型、
図14)と比較した場合、バイオフィルムの破壊の増加を示し、株1で最大30%の増加を示した。これらの結果は、操作されたファージで処理したバイオフィルムが、対応する野生型ファージで処理したバイオフィルムよりも多く破壊されることを示唆している。
【0234】
gp038とgp039の間にA1-IIIを組み込むためのA1-IIIを有する発現プラスミドpLIX36とAPBP6との間の組換えを
図15Aに示す。APBP6の塩基対20585の上流の520bp(上流ホモロジーアーム、gp038の終点)、A1-III遺伝子、及び塩基対20586の下流の500bp(下流ホモロジーアーム、gp039の始点)を有するプラスミドpLIX36を保有する株にAPBP6を感染させ、プラスミドとファージとの間で組換えを行わせ、塩基対T20585がA1-IIIで置き換えられた操作されたAPBP6誘導体を作製した。gp005とgp006の間にA1-IIIを組み込むためのpLIX46とAPBP6との間の組換えを
図15Bに示す。APBP6の塩基対2501の上流の437bp(上流ホモロジーアーム、gp003~005)、A1-III遺伝子、及び塩基対2540の下流の501bp(下流ホモロジーアーム、gp039の始点)を有するプラスミドpLIX46を保有する株にAPBP6を感染させ、プラスミドとファージとの間で組換えを行わせ、塩基対2502~2539がA1-IIIで置き換えられた操作されたAPBP6誘導体を作製した。
【0235】
PCRアッセイを行って、pLIX36含有株上で増殖させ、次いでプラスミドを含まない宿主で継代したAPBP6のライセート中の挿入されたA1-IIIの存在を検証した。約1.1kbのバンドは、操作されたファージの存在を示す(
図15C)。pLIX36の存在下で増殖させたAPBP6のライセートを連続希釈し、操作されたファージの存在についてPCRでアッセイした。次いで、組換えライセートを、pLIX36を含まないAPBP6の宿主で継代し、再びPCRでアッセイした(
図15C)。組換え体はもはや検出されず、操作されたファージが、pLIX36の非存在下で培養した場合に生存できないことを示した。やはりPCRアッセイを行って、pLIX46含有株上で増殖させ、次いでプラスミドを含まない宿主で継代したAPBP6のライセート中の挿入されたA1-IIIの存在を検証した。約1.1kbのバンドは、操作されたファージの存在を示す(
図15D)。pLIX46の存在下で増殖させたAPBP6のライセートを連続希釈し、操作されたファージの存在についてPCRでアッセイした。次いで、組換えライセートを、pLIX46を含まないAPBP6の宿主で継代し、再びPCRでアッセイした。組換え体が依然、検出され、操作されたファージが、pLIX36の非存在下で培養した場合に生存できることを示した(
図15D)。これらの結果は、A1-IIIのAPBP6への組み込みは、gp038/gp039及びgp005/gp006座位のいずれでも可能であるが、活性な酵素の発現は、gp005/gp006座位でのみ生じることを示唆した。
【0236】
図16は、alg2A
23~288アルギン酸リアーゼ遺伝子を有する操作されたファージのライセートのウエスタンブロットを示す。操作されたファージを用いて、それらの宿主である緑膿菌臨床分離株7193またはDCF47の指数関数増殖期の培養物にMOI=1で感染させた。ファージと宿主細菌細胞を一緒に増殖させ、37℃で振盪し、その後、感染後250分に回収した。ライセートは、培地中の溶解細胞とファージから構成された。ライセートをペレットと上清に分離するために、遠心分離して細胞デブリを濃縮した。細胞ペレット及び上清を分離し、-80℃で凍結した。その後、各試料を変性SDS-PAGE用に調製し、電気泳動し、PVDF膜に転写し、Alg2Aタンパク質を、A1-IIIに対する一次抗体及び適切なアルカリホスファターゼ二次抗体を使用して検出した。アルギン酸リアーゼAlg2Aフラグメントは、約32kDaのバンドとして示された。ELISAタンパク質定量データを
図16のチャートの最右列に示しているが、タンパク質レベルが薬学的に関連することが示されている。これらの結果は、操作されたファージABP4-6、ABP18-2、ABP6-3がアルギン酸リアアーゼタンパク質Alg2A
23~288を発現することを示唆するものである。
【0237】
図17は、alg2A
23~288アルギン酸リアーゼ遺伝子の異なるバージョンを有する操作されたファージのライセートのウエスタンブロットを示す。操作されたファージを用いて、それらの宿主である緑膿菌臨床分離株7193またはDCF47の指数関数増殖期の培養物にMOI=1で感染させた。ファージと宿主細菌細胞を一緒に増殖させ、37℃で振盪し、その後、感染後250分に回収した。ライセートは、培地中の溶解細胞とファージから構成された。ライセートをペレットと上清に分離するために、遠心分離して細胞デブリを濃縮した。細胞ペレット及び上清を分離し、-80℃で凍結した。その後、各試料を変性SDS-PAGE用に調製し、電気泳動し、PVDF膜に転写し、Alg2Aタンパク質を、A1-IIIに対する一次抗体及び適切なアルカリホスファターゼ二次抗体を使用して検出した。完全長Alg2Aタンパク質は35kDaのバンドとして示されたのに対して、Alg2A
23~288フラグメントは、約32kDaのバンドとして移動している。ELISAタンパク質定量データを
図17のチャートの最右列に示しているが、タンパク質レベルが薬学的に関連することが示されている。これらの結果は、操作されたファージAPBP3-5及びAPBP1-5が、アルギン酸リアアーゼタンパク質Alg2A
1~288及びAlg2A
23~288をそれぞれ発現することを示唆するものである。
【0238】
図18は、A1-III
54~412またはA1-III
54~408アルギン酸リアーゼ遺伝子を有する操作されたファージのライセートのウエスタンブロットを示す。操作されたファージを用いて、それらの宿主である緑膿菌臨床分離株7193またはDCF47の指数関数増殖期の培養物にMOI=1で感染させた。ファージと宿主細菌細胞を一緒に増殖させ、37℃で振盪し、その後、感染後250分に回収した。ライセートは、培地中の溶解細胞とファージから構成された。ライセートをペレットと上清に分離するために、遠心分離して細胞デブリを濃縮した。細胞ペレット及び上清を分離し、-80℃で凍結した。その後、各試料を変性SDS-PAGE用に調製し、電気泳動し、PVDF膜に転写し、Alg2Aタンパク質を、A1-IIIに対する一次抗体及び適切なアルカリホスファターゼ二次抗体を使用して検出した。アルギン酸リアーゼA1-IIIフラグメントは、約40kDaのバンドとして示された。これらの結果は、操作されたファージAPBP18-1、APBP4-7、及びAPBP6-1がアルギン酸リアーゼタンパク質A1-III
54~412を発現し、APBP3-6がアルギン酸リアーゼタンパク質A1-III
54~412-His
6を発現し、APBP1-4がアルギン酸リアーゼタンパク質A1-III
54~408を発現することを示唆するものである。
【0239】
上記明細書で触れたすべての刊行物は、参照によって本明細書に援用する本発明の方法及びシステムのさまざまな改変及び変形が、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく当業者には明白となろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関連して記載してきたが、特許請求される本発明は、そのような特定の実施形態に不要に限定されるべきではない点を了承されたい。実際、生化学及びバイオテクノロジーまたは関連分野における当業者には明らかである、本発明を実施するための記載された態様のさまざまな改変形態は、特許請求の範囲内にあるものとする。
【配列表】
【国際調査報告】