(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】履物具を製造するためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
A43B 1/04 20220101AFI20240808BHJP
A43B 3/10 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A43B1/04
A43B3/10 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506840
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2022057566
(87)【国際公開番号】W WO2023017487
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】サスマン,ラインホルト
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA05
4F050HA30
4F050HA59
4F050JA04
4F050JA05
4F050JA06
4F050JA09
4F050JA13
4F050KA02
(57)【要約】
履物具は、ニット材料で形成され、前方遠位端と後方遠位端を画定するスリーブを含む。スリーブは、外部表面、および内部空洞を画定する内部表面を含む。履物具は、内部空洞内に配置されるミッドソール、および外部表面の一部に層ごとに印刷された骨組みを含む。骨組みは、複数のセグメントとアウトソールを含む。アウトソールは外部表面の底部に配置され、複数のセグメントは前方遠位端と後方遠位端の間でスリーブの外部表面に沿って延在する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニット材料で形成され、前方遠位端と後方遠位端を画定し、外部表面および内部空洞を含むスリーブ、
前記内部空洞内に配置されるミッドソール、ならびに
前記外部表面の一部に層ごとに印刷される骨組みを備え、
前記骨組みは複数のセグメントおよびアウトソールを有し、前記アウトソールは前記外部表面の底部に配置され、前記複数のセグメントは前記前方遠位端と前記後方遠位端の間で前記スリーブの前記外部表面に沿って延在する、履物具。
【請求項2】
前記スリーブは、アッパー部とミッドソール部を画定する、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記ニット材料は、前記アッパー部にまたがる第1のニット材料、および前記ミッドソール部にまたがる第2のニット材料を含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項4】
前記第2のニット材料は、少なくとも一部が透明であり、前記ミッドソールは、前記スリーブの前記ミッドソール部を介して外部から視認される、請求項3に記載の履物具。
【請求項5】
前記複数のセグメントは、第1組の線と第2組の線を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項6】
前記第1組の線は、互いにほぼ平行であり、前記第2組の線は、互いにほぼ平行である、請求項5に記載の履物具。
【請求項7】
前記第1組の線は、前記第2組の線と交差して十字パターンを形成する、請求項5に記載の履物具。
【請求項8】
前記複数のセグメントは、互いに整列し、前記スリーブに沿って踵-つま先方向に延在する、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
前記複数のセグメントは、いずれもセグメント高さとセグメント幅を規定する、請求項1に記載の履物具。
【請求項10】
前記セグメント高さは、ほぼ同一である、請求項9に記載の履物具。
【請求項11】
前記セグメント幅は、ほぼ同一である、請求項9に記載の履物具。
【請求項12】
前記セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化する、請求項9に記載の履物具。
【請求項13】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの1から5倍である、請求項12に記載の履物具。
【請求項14】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの2から4倍である、請求項12に記載の履物具。
【請求項15】
前記セグメント幅は、最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化する、請求項9に記載の履物具。
【請求項16】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の1から5倍である、請求項15に記載の履物具。
【請求項17】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の2から4倍である、請求項15に記載の履物具。
【請求項18】
前記複数のセグメントは、相互交差する複数の行セグメントと複数の列セグメントを含むマトリクスパターンを画定する、請求項1に記載の履物具。
【請求項19】
前記行セグメントの隣接する対の間で画定される行間隔は、ほぼ同一である、請求項18に記載の履物具。
【請求項20】
前記行セグメントの隣接する対の間で画定される行間隔は、行間隔最小値から行間隔最大値まで変化する、請求項18に記載の履物具。
【請求項21】
前記列セグメントの隣接する対の間で画定される列間隔は、ほぼ同一である、請求項18に記載の履物具。
【請求項22】
前記列セグメントの隣接する対の間で画定される列間隔は、列間隔最小値から列間隔最大値まで変化する、請求項18に記載の履物具。
【請求項23】
前記スリーブは、前記ミッドソールの一部が視認される穴を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項24】
前記ミッドソールの前記一部は、前記スリーブに形成される前記穴を介して突出する、請求項23に記載の履物具。
【請求項25】
前記アウトソールは、前記スリーブに形成される前記穴の周囲に印刷される、請求項24に記載の履物具。
【請求項26】
前記複数のセグメントは、前記外部表面上の第1の位置上に第1セグメント高さを有する第1セグメント、前記外部表面上の第2の位置上に第2セグメント高さを有する第2セグメント、および前記外部表面上の第3の位置上に第3セグメント高さを有する第3セグメントを含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項27】
前記第2セグメント高さは、前記第1セグメント高さと前記第3セグメント高さよりも大きい、請求項26に記載の履物具。
【請求項28】
前記第3セグメント高さは前記第2セグメント高さよりも大きく、前記第2セグメント高さは前記第1セグメント高さよりも大きい、請求項26に記載の履物具。
【請求項29】
前記複数のセグメントは、前記外部表面上の第1の位置上に第1セグメント幅を有する第1セグメント、前記外部表面上の第2の位置上に第2セグメント幅を有する第2セグメント、および前記外部表面上の第3の位置上に第3セグメント幅を有する第3セグメントを含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項30】
前記第2セグメント幅は、前記第1セグメント幅と前記第3セグメント幅よりも大きい、請求項29に記載の履物具。
【請求項31】
前記第3セグメント幅は前記第2セグメント幅よりも大きく、前記第2セグメント幅は前記第1セグメント幅よりも大きい、請求項26に記載の履物具。
【請求項32】
前記複数のセグメントの一部は、前記骨組みを介してレースを通すことができるよう、前記アッパーに対して移動可動である、請求項1に記載の履物具。
【請求項33】
第1のニット材料で形成されるアッパー部、および第2のニット材料で形成されるミッドソール部を含むアッパー、
前記アッパー内に配置されるミッドソール、
前記アッパー上に層ごとに印刷され、前記アッパーの外部の内側と前記アッパーの外部の外側を延在する複数の行セグメントと複数の列セグメントを含むマトリクスパターンを画定する骨組み、ならびに
前記アッパーのソール側に層ごとに印刷され、前記外部の内側と前記外部の外側において前記骨組みに接続されるアウトソールを含む、履物具。
【請求項34】
前記第2のニット材料は、少なくとも一部が透明であり、前記ミッドソールの一部が前記アッパーの前記ミッドソール部を介して外部から視認される、請求項33に記載の履物具。
【請求項35】
前記骨組みは、前記アウトソールと一体的に形成される、請求項33に記載の履物具。
【請求項36】
前記複数の行セグメントは、互いにほぼ平行であり、前記複数の列セグメントは、互いにほぼ平行である、請求項33に記載の履物具。
【請求項37】
前記複数の行セグメントは、前記複数の列セグメントと交差して十字パターンを形成する、請求項33に記載の履物具。
【請求項38】
前記複数の行セグメントの隣接する対の間で画定される行間隔は、ほぼ同一である、請求項33に記載の履物具。
【請求項39】
前記複数の行セグメントの隣接する対の間で画定される行間隔は、行間隔最小値から行間隔最大値まで変化する、請求項33に記載の履物具。
【請求項40】
前記複数の列セグメントの隣接する対の間で画定される列間隔は、ほぼ同一である、請求項33に記載の履物具。
【請求項41】
前記複数の列セグメントの隣接する対の間で画定される列間隔は、列間隔最小値から列間隔最大値まで変化する、請求項33に記載の履物具。
【請求項42】
前記アッパーは、前記ミッドソールの一部が視認される穴を含む、請求項33に記載の履物具。
【請求項43】
前記ミッドソールの前記一部は、前記アッパーに形成される前記穴を介して突出する、請求項42に記載の履物具。
【請求項44】
前記アウトソールは、前記アッパーに形成される前記穴の周囲に印刷される、請求項43に記載の履物具。
【請求項45】
前記複数の行セグメントと前記複数の列セグメントは、いずれもセグメント高さとセグメント幅を規定する、請求項33に記載の履物具。
【請求項46】
前記セグメント高さはほぼ同一である、請求項45に記載の履物具。
【請求項47】
前記セグメント幅はほぼ同一である、請求項45に記載の履物具。
【請求項48】
前記セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化する、請求項45に記載の履物具。
【請求項49】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの1から5倍の間である、請求項48に記載の履物具。
【請求項50】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの2から4倍の間である、請求項48に記載の履物具。
【請求項51】
前記セグメント幅は、最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化する、請求項45に記載の履物具。
【請求項52】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の1から5倍の間である、請求項51に記載の履物具。
【請求項53】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の2から4倍の間である、請求項51に記載の履物具。
【請求項54】
前記複数のセグメントまたは前記複数の列セグメントは、前記アッパー上の第1の位置上に第1セグメント高さを有する第1セグメント、前記アッパー上の第2の位置上に第2セグメント高さを有する第2セグメント、および前記アッパー上の第3の位置上に第3セグメント高さを有する第3セグメントを含む、請求項33に記載の履物具。
【請求項55】
前記第2セグメント高さは、前記第1セグメント高さと前記第3セグメント高さよりも大きい、請求項54に記載の履物具。
【請求項56】
前記第3セグメント高さは、前記第2セグメント高さよりも大きく、前記第2セグメント高さは、前記第1セグメント高さよりも大きい、請求項54に記載の履物具。
【請求項57】
前記複数のセグメントまたは前記複数の列セグメントは、前記アッパー上の第1の位置上に第1セグメント幅を有する第1セグメント、前記アッパー上の第2の位置上に第2セグメント幅を有する第2セグメント、および前記アッパー上の第3の位置上に第3セグメント幅を有する第3セグメントを含む、請求項54に記載の履物具。
【請求項58】
前記第2セグメント幅は、前記第1セグメント幅と前記第3セグメント幅よりも大きい、請求項57に記載の履物具。
【請求項59】
前記第3セグメント幅は、前記第2セグメント幅よりも大きく、前記第2セグメント幅は、前記第1セグメント幅よりも大きい、請求項57に記載の履物具。
【請求項60】
前記複数のセグメントの一部は、前記骨組みを介してレースを通すことができるよう、前記アッパーに対して移動可動である、請求項33に記載の履物具。
【請求項61】
第1のニット材料からアッパーを形成すること、
前記アッパーの内部表面と噛み合い、前記アッパーの外部表面を支持するように、前記アッパーによって画定される内部空洞に靴型を挿入すること、
前記アッパーによって画定される前記外部表面の一部に骨組みを層ごとに印刷すること、
前記アッパーの前記外部表面のソール側にアウトソールを層ごとに印刷すること、
前記アッパーの前記内部空洞から前記靴型を取り外すこと、および
前記アッパーの前記内部空洞にミッドソールを挿入することを含む、履物具を製造する方法。
【請求項62】
前記ニット材料から前記アッパーを形成することは、
第1のニット材料から前記アッパーのアッパー部を形成すること、および
第2のニット材料から前記アッパーのミッドソール部を形成することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第2のニット材料は、少なくとも部分的に透明であり、前記ミッドソールの一部が前記アッパーの前記ミッドソール部を介して外部から視認される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記アッパーによって画定される前記外部表面の一部に前記骨組みを層ごとに印刷することは、
前記外部表面の前記一部に複数のセグメントを印刷することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記外部表面の前記一部に前記複数のセグメントを印刷することは、
前記外部表面上の第1の位置に第1セグメント高さを有する第1セグメントを印刷すること、
前記外部表面上の第2の位置に第2セグメント高さを有する第2セグメントを印刷すること、および
前記外部表面上の第3の位置に第3セグメント高さを有する第3セグメントを印刷することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第2セグメント高さは、前記第1セグメント高さと前記第3セグメント高さよりも大きい、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記第3セグメント高さは前記第2セグメント高さよりも大きく、前記第2セグメント高さは前記第1セグメント高さよりも大きい、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記外部表面の前記一部に前記複数のセグメントを印刷することは、
前記外部表面上の第1の位置に第1セグメント幅を有する第1セグメントを印刷すること、
前記外部表面上の第2の位置に第2セグメント幅を有する第2セグメントを印刷すること、および
前記外部表面上の第3の位置に第3セグメント幅を有する第3セグメントを印刷することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記第2セグメント幅は、前記第1セグメント幅と前記第3セグメント幅よりも大きい、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第3セグメント幅は前記第2セグメント幅よりも大きく、前記第2セグメント幅は前記第1セグメント幅よりも大きい、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記複数のセグメントは、いずれもセグメント高さとセグメント幅を規定する、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
前記セグメント高さは、ほぼ同一である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記セグメント幅は、ほぼ同一である、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化する、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの1から5倍の間である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの2から4倍の間である、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記セグメント幅は、最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化する、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の1から5倍の間である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の2から4倍の間である、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記アッパー内に穴を形成することをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項81】
前記ミッドソールの一部が前記アッパー内に形成される前記穴を介して突出する、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前方遠位端と後方遠位端を画定する外部表面を含むスリーブを第1のニット材料から形成すること、
前記スリーブの内部空洞に靴型を挿入すること、
前記スリーブの前記外部表面の一部に骨組みを層ごとに印刷すること、
前記スリーブの前記内部空洞から前記靴型を取り外すこと、
ミッドソールを層ごとに印刷すること、および
前記スリーブの前記内部空洞に前記ミッドソールを挿入することを含み、
前記骨組みは、複数のセグメントとアウトソールを含み、前記アウトソールは、前記外部表面の底部上に配置され、前記複数のセグメントは、前記スリーブの前記外部表面に沿って前記前方遠位端から前記後方遠位端まで延在する、履物具を製造する方法。
【請求項83】
前記ニット材料から前記スリーブを形成することは、
第1のニット材料から前記スリーブのアッパー部を形成すること、および
第2のニット材料から前記スリーブのミッドソール部を形成することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記第2のニット材料は、少なくとも部分的に透明であり、前記ミッドソールの一部が前記スリーブの前記ミッドソール部を介して外部から視認される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記スリーブに穴を形成することをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記ミッドソールの一部が前記スリーブ内に形成される前記穴を介して突出する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記外部表面の前記一部に前記複数のセグメントを印刷することは、
前記外部表面上の第1の位置に第1セグメント高さを有する第1セグメントを印刷すること、
前記外部表面上の第2の位置に第2セグメント高さを有する第2セグメントを印刷すること、および
前記外部表面上の第3の位置に第3セグメント高さを有する第3セグメントを印刷することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
前記第2セグメント高さは、前記第1セグメント高さと前記第3セグメント高さよりも大きい、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記第3セグメント高さは前記第2セグメント高さよりも大きく、前記第2セグメント高さは前記第1セグメント高さよりも大きい、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記外部表面の前記一部に前記複数のセグメントを印刷することは、
前記外部表面上の第1の位置に第1セグメント幅を有する第1セグメントを印刷すること、
前記外部表面上の第2の位置に第2セグメント幅を有する第2セグメントを印刷すること、および
前記外部表面上の第3の位置に第3セグメント幅を有する第3セグメントを印刷することを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項91】
前記第2セグメント幅は、前記第1セグメント幅と前記第3セグメント幅よりも大きい、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記第3セグメント幅は前記第2セグメント幅よりも大きく、前記第2セグメント幅は前記第1セグメント幅よりも大きい、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記複数のセグメントは、いずれもセグメント高さとセグメント幅を規定する、請求項82に記載の方法。
【請求項94】
前記セグメント高さは、ほぼ同一である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記セグメント幅は、ほぼ同一である、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化する、請求項93に記載の方法。
【請求項97】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの1から5倍の間である、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記最大セグメント高さは、前記最小セグメント高さの2から4倍の間である、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記セグメント幅は、最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化する、請求項93に記載の方法。
【請求項100】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の1から5倍の間である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記最大セグメント幅は、前記最小セグメント幅の2から4倍の間である、請求項99に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年8月13日に出願された米国仮出願第63/232,928号の利益および優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[連邦政府が支援する研究開発に関するリファレンス]
該当なし
【0003】
[配列表]
該当なし
【0004】
本開示は、全般に、履物具を製造するためのシステムと方法に関する。
【0005】
従来の多くの靴または履物具は、一般に、アッパーおよびアッパーの下端に取り付けられたソールを備えている。従来の靴は、靴を足に固定する前に使用者の足を受け入れる内部空間、例えば、アッパーとソールの内部表面によって形成される空隙またはキャビティをさらに含む。ソールは、典型的にはアッパーの下面に取り付けられ、アッパーと地面との間に位置する。ある実施態様では、ソールは、アウトソール、ミッドソール、インソールなどの複数の部品を含むことがある。アウトソールはソールの底面にトラクションを与え、ミッドソールはアウトソールの内部表面に取り付けられてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで記述される履物具は、様々な構成を有することができる。幾つかの実施形態では、履物具は、スリーブまたは靴下、およびスリーブまたは靴下内に配置されるミッドソールを含む。一般に、スリーブまたは靴下は、ニットまたは織物材料で形成され、ミッドソールを包む。スリーブまたは靴下を補強するため、スリーブまたは靴下の外部に選択的に骨組みが層ごとに印刷される。骨組みは、スリーブまたは靴下の底部の外部またはソール側に層ごとに印刷されるアウトソールを含んでもよい。履物具のこの設計により、ミッドソールとスリーブまたは靴下を別個の部品として製造し、カスタマイズされた方法で組み立てることができ(例えば、同じスリーブ/靴下が異なる設計のミッドソールを収容できる場合がある)、骨組みは、付加製造プロセスを介してスリーブまたは靴下に印刷してもよく、これにより、製造された履物具のカスタマイズオプション(例えば、骨組みにより提供される補強の位置、骨組みにより提供される補強の量、骨組みおよび一体的に形成されたアウトソールの設計など)がさらに提供される。この改良されたカスタマイズにより、従来の製造技術と比較した場合、改善された製造効率で履物具を製造することができ、履物具を履くエンドユーザーに改良された性能特性(例えば、クッション性、エネルギーリターン、安定性など)を提供することができる。
【0007】
幾つかの実施形態において、本開示は、ニット材料によって形成され、前方遠位端と後方遠位端を画定するスリーブを含む履物具を提供する。スリーブは、外部表面、および内部空洞を画定する内部表面を含む。履物具は、内部空洞内に配置されたミッドソール、および外部表面の一部に層ごとに印刷された骨組みを含む。骨組みは、複数のセグメントとアウトソールを含む。アウトソールは外部表面の底部に配置され、複数のセグメントは前方遠位端と後方遠位端の間でスリーブの外部表面に沿って延びる。
【0008】
幾つかの実施形態において、本開示は、アッパー部とミッドソール部を含むアッパーを備える履物具を提供する。アッパー部は第1のニット材料から形成され、ミッドソール部は第2のニット材料から形成される。履物具は、アッパー内に配置されたミッドソール、アッパーに層ごとに印刷された骨組み、およびアッパーのソール側に層ごとに印刷されたアウトソールを含む。骨組みは、アッパーの外部の内側とアッパーの外部の外側に沿って伸びる行セグメントと列セグメントを含むマトリックスパターンを画定する。アウトソールは、外部の内側と外部の外側で骨組みに接続される。
【0009】
幾つかの実施形態において、本開示は、履物具を製造する方法を提供する。本方法は、ニット材料からアッパーを形成すること、アッパーの内部表面と噛み合ってアッパーの外部表面を支持するように、アッパーによって画定された内部空洞に靴型を挿入すること、アッパーによって画定された外部表面の一部に層ごとに骨組みを印刷すること、およびアッパーの外部表面のソール側に層ごとにアウトソールを印刷することを含む。この方法はさらに、靴型をアッパーの内部空洞から取り外し、ミッドソールをアッパーの内部空洞に挿入することを含む。
【0010】
幾つかの実施形態において、本開示は、履物具を製造する方法を提供する。本方法は、ニット材料からスリーブを形成することを含む。スリーブは、前方遠位端と後方遠位端を画定する外部表面を含む。本方法はさらに、靴型をスリーブの内部空洞に挿入し、スリーブの外部表面の一部に骨組みを層ごとに印刷することを含む。骨組みは、複数のセグメントとアウトソールを含む。アウトソールは外部表面の底部に配置され、複数のセグメントはスリーブの外部表面に沿って前方遠位端から後方遠位端まで延びる。本方法はさらに、スリーブの内部空洞から靴型を取り外し、層ごとにミッドソールを印刷し、ミッドソールをスリーブの内部空洞に挿入することを含む。
【0011】
幾つかの態様において、履物具は、ニット材料によって形成され、前方遠位端と後方遠位端を画定するスリーブを含む。スリーブは、外部表面、および内部空洞を画定する内部表面を含む。内部空洞内にはミッドソールが配置され、外部表面の一部には骨組みが層ごとに印刷される。骨組みは、複数のセグメント、および外部表面の底部に配置されるアウトソールを含む。さらに、複数のセグメントは、前方遠位端と後方遠位端との間でスリーブの外部表面に沿って延びる。スリーブは、ミッドソールの一部が視認できる穴を含む。
【0012】
ここに記載された履物具または履物具の一部の他の態様は、その特徴および利点を含め、図面および詳細な説明を検討すれば当業者には明らかになるであろう。したがって、履物具のそのような態様は全て、詳細な説明および本要約に含まれることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一態様に係る履物具の製造方法の概要を示すフローチャート
【
図2】本開示の別の態様に係る履物具の製造方法の概要を示すフローチャート
【
図3】本開示の一実施形態に係るスリーブまたはアッパーの外側の側面図
【
図5】
図3のスリーブまたはアッパーと靴型の外側の側面図
【
図6】骨組みが印刷された
図3のスリーブまたはアッパー、およびそこに挿入されたミッドソールの外側の側面図
【
図7】
図3のスリーブまたはアッパーを含む履物具の外側の側面図
【
図10】アッパーが取り外され、ユーザの足骨格構造が重ねられた
図7の履物具の上面図
【
図11】線11-11に沿って取得された
図9の履物具の断面図
【
図13】骨組みをアッパーまたはスリーブにヒート印刷するプリントを有する、
図7の履物具の外側の側面図
【
図14】付加製造システム内に配置された
図7の履物具の模式図
【
図15】穴を有するアッパーまたはスリーブを含む履物具の内側の側面図
【
図18】複数の穴を有するアッパーまたはスリーブの底面斜視図
【
図19】複数の突起を有するミッドソールの底面斜視図
【
図20】
図18のアッパーまたはスリーブおよび
図19のミッドソールを含む履物具の内側の側面図
【
図25】高さと幅を抑えた一組のセグメントの模式図
【
図27】中間にピーク高さを持つ一組のセグメントの模式図
【
図29】中間にピーク幅を持つ一組のセグメントの模式図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の考察と添付図は、靴または履物具の様々な実施形態または構成を開示している。実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのシューズを参照して開示されているが、シューズの実施形態に関連する概念は、例えば、バスケットボールシューズ、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーおよびスノーボードブーツ、サッカーシューズおよびスパイク、ウォーキングシューズ、およびトラックスパイクを含む広範囲の履物および履物形式に適用することができる。また、靴の概念は、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、ヒールなど、非運動靴とみなされる履物具にも適用することができる。したがって、本明細書に記載された概念は、様々な製品に利用することができる。
【0015】
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、ここにおける開示の実施形態を含み得る履物具または他の物品に使用される典型的な測定および製造手順を通じて、これらの手順における不注意な誤差を通じて、組成物若しくは混合物を製造するためまたは方法を実施するために使用される成分の製造、供給源、または純度の相違を通じて、などによって生じ得る数値量の変動を指す。本開示全体を通して、用語「ほぼ」および「約」は、その用語が先行する数値の±5%の値の範囲を指す。
【0016】
本開示は、履物具、および/またはミッドソール、アウトソール、またはソール構造などの履物の特定の部品または部分に向けられている。履物具は、ニット材料、織物、編組部品、および/または前述の材料の一つまたは複数の組み合わせから少なくとも部分的に形成されたアッパー、スリーブ、または靴下を含むことができる。ニット材料は、紡ぎ糸を編むことによって、織物は紡ぎ糸を編むことによって、編組部品は編組することによって製造することができる。ニット織物または材料は、経糸編み、緯糸編み、平編み、丸編み、および/または他の適切な編み操作によって形成された織物を含む。ニット織物は、例えば、プレーンニット構造、メッシュニット構造、および/またはリブニット構造を有することができる。織物には、例えば、平織り、綾織り、サテン織り、ドビン織り、ジャカード織り、二重織り、および/または二重布織りなどの多数の織り形態のいずれかの方法によって形成された織物が含まれるが、これらに限定されない。アッパー、スリーブ、または靴下は、第1のニット材料若しくは紡ぎ糸、第2のニット材料若しくは紡ぎ糸、および/または第3のニット材料若しくは紡ぎ糸などの様々な材料から構成されることがあり、これらは様々な特性または様々な視覚的特性を有することがある。
【0017】
図1は、本開示の実施形態の一つに係る履物具(例えば、靴)を製造するための方法100を示す。幾つかの実施形態では、方法の一部は、プロセッサとメモリを含むコントローラを使用して実施されてもよく、方法の一部は、付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によって実施されてもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、付加製造システムに統合されてもよい。他の実施形態では、コントローラは、付加製造システムから遠隔に配置されてもよく、付加製造システムと無線通信してもよい。
【0018】
方法100は、ステップ102において、スリーブまたはアッパーを形成することにより開始することができる。スリーブまたはアッパーは、ニット、織布、または編組材料からニットプロセス、織布プロセス、または編組プロセスによって形成または製造することができる。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは、一つまたは複数のニット材料から全体が形成されてもよい。一般的に、スリーブまたはアッパーは、ユーザが着用可能な靴下の一般的な形状に形成することができる。
【0019】
幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは、前方遠位端、後方遠位端、外部表面、内部表面、および開口を画定することができる。内部表面は、ユーザの足を受け入れることができる内部空洞を形成することができる。開口は内部空洞へのアクセスを提供する。スリーブは、アッパー部とミッドソール部を含むことができる。ミッドソール部は、少なくとも部分的に外部表面の底部上に延在してもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは単一のニット材料から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは二つ以上の材料から形成されてもよい。例えば、スリーブまたはアッパーのニット材料は、アッパー部にまたがる第1のニット材料、ミッドソール部にまたがる第2のニット材料を含むことができる。したがって、ステップ102におけるスリーブまたはアッパーの形成は、スリーブまたはアッパーのアッパー部を第1のニット材料から形成し、アッパーまたはスリーブのミッドソール部を第2のニット材料から形成することを含む場合がある。
【0020】
一般に、スリーブまたはアッパーは、履物具の製造中に内部空洞に挿入されることができるミッドソールが少なくとも部分的に見えるように形成されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、第2のニット材料は、スリーブまたはアッパー内に受容されたミッドソールの一部がスリーブのミッドソール部を通して外部から見えるように、少なくとも部分的に透明でもよい。幾つかの実施形態では、第2のニット材料は、透明なモノフィラメントニットまたは紡ぎ糸材料であってもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは、ミッドソールの一部が見える穴を含むことができる。
【0021】
ステップ102でスリーブまたはアッパーが形成された後、ステップ104において靴型がスリーブまたはアッパーの内部空洞に挿入される(例えば
図5参照)。靴型は、靴型がスリーブまたはアッパーの内部表面と噛み合い、スリーブまたはアッパーの外部表面を支持するようにスリーブまたはアッパーの内部空洞に挿入してもよい。例えば、靴型によって規定される体積は、内部空洞の静止または支持されていない内部体積(例えば、アッパーに挿入された、またはアッパーと噛み合う部品がない状態での体積)以上でもよく、これにより、靴型が内部空洞に挿入されたときに靴型が内部空洞を満たし、内部表面と噛み合うことが保証される。幾つかの実施形態では、靴型の体積および形状は、履物具の製造を意図したサイズおよび形状を定義することができる。
【0022】
一般的に、一つまたは複数のニット材料からスリーブまたはアッパーを形成することで、従来のアッパーの製造と比較して、製造がより効率的になることがあり、バッチサイズ(すなわち、一つのバッチで製造されるアッパーの数)が製造プロセスによって制限されない。一つまたは複数のニット材料の使用は幾つかの製造上の利点を提供するが、アッパーまたはスリーブの構造的完全性は、安定化したスリーブまたはアッパーを形成するために補強を必要とする場合がある。例えば、ステップ106では、アッパーまたはスリーブの外部表面に層ごとに骨組みが印刷される。幾つかの実施形態では、骨組みは付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によって外部表面に層ごとに印刷されることがある。本開示に係るスリーブまたはアッパーの一部に骨組みを製造するために使用される付加製造の様々な方法は、バインダージェッティング、直接エネルギー堆積、選択的レーザー溶融(SLM)、溶融堆積モデリング(FDM)、電子ビーム溶融、レーザーパワードベッド融合(LPBF)超音波付加製造、材料押出、材料噴射、ジュール印刷、電気化学的蒸着、コールドスプレー金属印刷、DLP金属印刷、超音波圧密若しくは超音波付加製造(UAM)、LENSレーザ系印刷、バット光重合、シートラミネーション、または電子ビーム自由形状製造(EBF3)を含んでもよい。
【0023】
一般的に、骨組みは、スリーブまたはアッパーの外部表面の一部に選択的に印刷され、スリーブまたはアッパーを補強、安定させることができる。幾つかの実施形態では、骨組みは複数のセグメントを含むマトリックスパターンを定義することができる。複数のセグメントは、スリーブまたはアッパーの外部表面に沿って前方遠位端から後方遠位端まで延びていてもよい。幾つかの実施形態では、複数のセグメントはスリーブまたはアッパーの外部の内側、およびスリーブまたはアッパーの外部の外側の両方に配置されることがある。
【0024】
複数のセグメントは、行セグメントまたは第1組の線、列セグメントまたは第2組の線を含むことができる。幾つかの実施形態では、行セグメントは、行セグメントが互いに概ね平行になるように外部表面の一部に沿って配置されてもよく、列セグメントは、列セグメントが互いに概ね平行になるように外部表面の一部に沿って配置されてもよい。行セグメントと列セグメントの概ね平行な配置は、行セグメントと列セグメントの形状を直線セグメントに限定するものではない。例えば、行セグメントおよび/または列セグメントは、直線セグメント、曲線セグメント、波状セグメント、またはその他の形状を規定することができる。幾つかの実施形態では、行セグメントは互いに概ね平行でなくてもよく、共通の方向に整列または延在してもよい。例えば、行セグメントは、前方遠位端から後方遠位端への一般的な方向(例えば、踵-つま先方向)に延びてよい。同様に、幾つかの実施形態において、列セグメントは、互いに一般的に平行でなくてもよく、共通の方向に整列または延在してもよい。例えば、列セグメントは、行セグメントと交差する一般的な方向に、または、外部の内側から外部の外側に向かう一般的な方向に延びていてもよい。幾つかの実施形態では、行セグメントは列セグメントと相互接続、交差して十字パターンを形成する。
【0025】
一般に、行セグメントは互いに間隔をあけて配置してもよく、列セグメントは互いに間隔をあけて配置してもよく。幾つかの実施形態では、行セグメントの隣接する対の間に定義される行間隔は、ほぼ等しくてもよい。幾つかの実施形態において、行セグメントの隣接する対の間に定義される行間隔は、行間隔の最小値から行間隔の最大値まで変化してもよい。幾つかの実施形態では、行間隔の最大値と行間隔の最小値の間の比は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってもよい。幾つかの実施形態では、行セグメントの隣接する対における個々の行セグメント間に定義される行間隔は、行セグメントの隣接する対の間で変化する行間隔に加えて、または行セグメントの隣接する対の間で変化する行間隔の代替として変化してもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、列セグメントの隣接する対の間に定義される列間隔は、ほぼ等しくてもよい。幾つかの実施形態において、列セグメントの隣接する対の間に定義される列間隔は、列間隔最小値から列間隔最大値まで変化してもよい。幾つかの実施形態において、列間隔最大値と列間隔最小値との間の比は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってよい。幾つかの実施形態において、列セグメントの隣接する対における個々の列セグメント間に定義される列間隔は、列セグメントの隣接する対の間で変化する列間隔に加えて、または列セグメントの隣接する対の間で変化する列間隔の代替として、変化してよい。
【0027】
幾つかの実施形態において、複数のセグメントの各々は、骨組みにわたってほぼ一定のままであってもよい形状およびサイズを規定する。例えば、複数のセグメントの各々は、セグメント高さおよびセグメント幅を規定することができる。幾つかの実施形態では、セグメント高さとセグメント幅はほぼ等しくてもよい。
【0028】
幾つかの実施形態では、セグメント高さ、セグメント幅、および/またはセグメントの形状は、外部表面の選択的な部分にわたって変化し、スリーブまたはアッパーに増大または減少した安定性/補強性を提供してもよい。例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅を外部表面の一部で増大させ、安定性/補強を増大させてもよい。あるいは、またはさらに、セグメントの形状を変化させ(例えば、断面が三角形から円形または半円形に移行する)、安定性/補強性を向上させてもよい。幾つかの実施形態において、セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化してもよい。例えば、最大セグメント高さは、最小セグメント高さの約1倍から約5倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約4倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約3倍の間、または最小セグメント高さの約2倍から約4倍の間である。ここで記載された最大セグメント高さと最小セグメント高さの間の範囲は、履物具にとって好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0029】
幾つかの実施形態において、セグメント幅は最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化してもよい。例えば、最大セグメント幅は、最小セグメント幅の約1倍から約5倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約4倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約3倍の間、または最小セグメント幅の約2倍から約4倍の間である。ここに記載された最大セグメント幅と最小セグメント幅との間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0030】
幾つかの実施形態において、複数のセグメントは、外部表面上の第1の位置に第1セグメント高さを有する第1セグメント、外部表面上の第2の位置に第2セグメント高さを有する第2セグメント、および外部表面上の第3の位置に第3セグメント高さを有する第3セグメントを含んでもよい。幾つかの実施形態において、第1セグメント高さは、第1セグメント高さと第3セグメント高さよりも大きい。幾つかの実施形態では、第3セグメント高さは第2セグメント高さより大きく、第2セグメント高さは第1セグメント高さより大きい。
【0031】
幾つかの実施形態において、複数のセグメントは、外部表面上の第1の位置に第1セグメント幅を有する第1セグメント、外部表面上の第2の位置に第2セグメント幅を有する第2セグメント、および外部表面上の第3の位置に第3セグメント幅を有する第3セグメントを含む。幾つかの実施形態では、第2セグメント幅は、第1セグメント幅および第3セグメント幅よりも大きい。幾つかの実施形態では、第3セグメント幅は第2セグメント幅より大きく、第2セグメント幅は第1セグメント幅より大きい。
【0032】
幾つかの実施形態では、骨組みは、スリーブまたはアッパーの外部表面の底部またはソール側に層ごとに印刷されるアウトソールを含んでもよい。したがって、ステップ106は、スリーブまたはアッパー上に層ごとに骨組みを印刷すること、およびスリーブまたはアッパーの外部表面の底部またはソール側に層ごとにアウトソールを印刷することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、アウトソールは複数のセグメントと同じ材料から形成されてもよい。例えば、アウトソールは骨組みと一体的に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、アウトソールは、複数のセグメントとは異なる材料から形成してもよい。幾つかの実施形態では、アウトソールは、スリーブまたはアッパーの外部の内側および外部の外側で骨組みに接続されてもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、骨組みは、全体として、ステップ106で層ごとに印刷されてもよい。例えば、骨組み全体の一つの層(例えば、アウトソールおよび複数のセグメント)は、骨組みの全ての層が外部表面の一部に印刷されるまで、一度に印刷されてもよい。幾つかの実施形態では、骨組みの一部は、骨組みの他の部分が層ごとに印刷される前に、層ごとに印刷されてもよい。例えば、アウトソールを層ごとに印刷し、その後、複数のセグメントを層ごとに印刷してもよいし、その逆でもよい。
【0034】
図1を引き続き参照すると、ステップ106で骨組みが印刷されると、スリーブまたはアッパーの内部空洞から靴型を取り外し、ステップ108で内部空洞にミッドソールを挿入してもよい。スリーブまたはアッパー、およびその中に配置されたミッドソールの組み合わせが履物具を形成してもよい。幾つかの実施形態では、ミッドソールに加え、インソールまたはソックライナーを内部空洞に挿入してもよい。
【0035】
一般に、補強されたスリーブまたはアッパーをミッドソールとは別に形成することで、様々なスリーブ/アッパーを異なるミッドソールと組み合わせて選択的なクッション特性を提供することができる。唯一の要件は、ミッドソールが補強されたスリーブまたはアッパーと適合する(例えば、同じサイズの靴用に作られる)サイズであることである。
【0036】
図2は、本開示の実施形態の一つに係る履物具(例えば、靴)を製造するための方法200を示す。方法100と同様、方法200は、ステップ202において、スリーブまたはアッパーを形成することによって開始することができる。スリーブまたはアッパーは、ニット、織布、または編組材料からニットプロセス、織布プロセス、または編組プロセスによって形成または製造されてもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは、全体的に一つまたは複数のニット材料から形成されてもよい。一般的に、スリーブまたはアッパーは、ユーザが着用可能な靴下の一般的な形状に形成することができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは、前方遠位端、後方遠位端、外部表面、内部表面、および開口を画定してもよい。内部表面は、ユーザの足を受け入れることができる内部空洞を形成することができる。開口は内部空洞へのアクセスを提供する。スリーブは、アッパー部とミッドソール部を含むことができる。ミッドソール部は、少なくとも部分的に外部表面の底部上に延在してもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは単一のニット材料から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは二つ以上の材料から形成してもよい。例えば、スリーブまたはアッパーのニット材料は、アッパー部にまたがる第1のニット材料、およびミッドソール部にまたがる第2のニット材料を含んでもよい。したがって、ステップ202におけるスリーブまたはアッパーの形成は、スリーブまたはアッパーのアッパー部を第1のニット材料から形成すること、およびアッパーまたはスリーブのミッドソール部を第2のニット材料から形成することを含んでもよい。
【0038】
一般に、スリーブまたはアッパーは、履物具の製造中に内部空洞に挿入され得るミッドソールが少なくとも部分的に見えるように形成されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、第2のニット材料は、スリーブまたはアッパー内に受容されたミッドソールの一部がスリーブのミッドソール部を通して外部から見えるように、少なくとも部分的に透明であってもよい。幾つかの実施形態では、第2のニット材料は透明なモノフィラメントニットまたは紡ぎ糸材料であってもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーは、ミッドソールの一部が見える穴を含むことができる。
【0039】
ステップ202でスリーブまたはアッパーが形成された後、ステップ204で靴型がスリーブまたはアッパーの内部空洞に挿入される(例えば、
図5参照)。靴型は、靴型がスリーブまたはアッパーの内部表面に噛み合い、スリーブまたはアッパーの外部表面を支持するようにスリーブまたはアッパーの内部空洞に挿入してもよい。例えば、靴型の体積はスリーブまたはアッパーの静止体積または非支持体積(例えば、スリーブまたはアッパーに部品が挿入されていない、または何もスリーブまたはアッパーと噛み合っていない状態の体積)よりも大きくてもよく、これにより靴型が内部空洞に挿入されたときに靴型がスリーブまたはアッパーを確実に拡張、伸張する。幾つかの実施形態では、靴型の体積および形状は、履物具の製造を意図したサイズおよび形状を定義することができる。
【0040】
一般的に、一つまたは複数のニット材料からスリーブまたはアッパーを形成することで、従来のアッパーの製造と比較し、製造がより効率的になり、バッチサイズ(すなわち、一つのバッチで製造されるアッパーの数)が製造プロセスによって制限されなくなることがある。一つまたは複数のニット材料を使用することで幾つかの製造上の利点が提供されるが、アッパーまたはスリーブの構造的完全性は、補強によって安定したスリーブまたはアッパーを形成することが必要になる場合がある。例えば、ステップ206では、アッパーまたはスリーブの外部表面に層ごとに骨組みが印刷される。幾つかの実施形態では、骨組みは、付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によって外部表面に層ごとに印刷してもよい。本開示に従ってスリーブまたはアッパーの一部に骨組みを製造するために使用される付加製造の様々な方法は、バインダージェッティング、直接エネルギー堆積、選択的レーザー溶融(SLM)、溶融堆積モデリング(FDM)、電子ビーム溶融、レーザーパワードベッド融合(LPBF)、超音波付加製造、材料押出、材料噴射、ジュール印刷、電気化学的蒸着、コールドスプレー金属印刷、DLP金属印刷、超音波圧密または超音波付加製造(UAM)、LENSレーザーベース印刷、バット光重合、シートラミネーション、または電子ビーム自由形状製造(EBF3)を含んでもよい。
【0041】
一般的に、骨組みをスリーブまたはアッパーの外部表面の選択的な部分に印刷することで、スリーブまたはアッパーを補強し安定させてもよい。幾つかの実施形態では、骨組みは複数のセグメントを含むマトリックスパターンを定義することができる。複数のセグメントは、スリーブまたはアッパーの外部表面に沿って前方遠位端から後方遠位端まで延伸してもよい。幾つかの実施形態では、スリーブまたはアッパーの外部の内側と外部の外側の両方に複数のセグメントを配置してもよい。
【0042】
複数のセグメントは、行セグメントまたは第1組の線、および列セグメントまたは第2組の線を含んでもよい。幾つかの実施形態では、行セグメントは、行セグメントが互いに概ね平行になるように外部表面の一部に沿って配置されてもよく、列セグメントは、列セグメントが互いに概ね平行になるように外部表面の一部に沿って配置されてもよい。行セグメントと列セグメントの概ね平行な配置は、行セグメントと列セグメントの形状を直線セグメントに限定するものではない。例えば、行セグメントおよび/または列セグメントは、直線セグメント、曲線セグメント、波状セグメント、またはその他の形状を規定することができる。幾つかの実施形態では、行セグメントは互いに概ね平行でなくてもよく、共通の方向に整列または延在してもよい。例えば、行セグメントは、前方遠位端から後方遠位端への一般的な方向(例えば、踵-つま先方向)に延びてよい。同様に、幾つかの実施形態において、列セグメントは、互いに概ね平行でなくてもよく、共通の方向に整列または延在してもよい。例えば、列セグメントは、行セグメントと交差する一般的な方向に、または、外部の内側から外部の外側に向かう一般的な方向に延びていてもよい。幾つかの実施形態では、行セグメントは列セグメントと相互接続、交差して十字パターンを形成してもよい。
【0043】
一般に、行セグメントは互いに離隔し、列セグメントは互いに離隔してもよい。幾つかの実施形態では、行セグメントの隣接する対の間に定義される行間隔は、ほぼ等しくてもよい。幾つかの実施形態において、行セグメントの隣接する対の間に定義される行間隔は、行間隔の最小値から行間隔の最大値まで変化してもよい。幾つかの実施形態では、行間隔の最大値と行間隔の最小値の比率は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間でもよい。幾つかの実施形態では、行セグメントの隣接する対の個々の行セグメント間に定義される行間隔は、行セグメントの隣接する対の間で変化する行間隔に加えて、または行セグメントの隣接する対の間で変化する行間隔の代替として、変化してもよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、列セグメントの隣接する対の間に定義される列間隔は、ほぼ等しくてもよい。幾つかの実施形態において、列セグメントの隣接する対の間に定義される列間隔は、列間隔最小値から列間隔最大値まで変化してもよい。幾つかの実施形態において、列間隔最大値と列間隔最小値の比率は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってよい。幾つかの実施形態において、列セグメントの隣接する対における個々の列セグメント間に定義される列間隔は、列セグメントの隣接する対の間で変化する列間隔に加えて、または列セグメントの隣接する対の間で変化する列間隔の代替として、変化してよい。
【0045】
一般に、複数のセグメントの各々は、骨組みにわたってほぼ一定である可能性のある形状およびサイズを規定する。例えば、複数のセグメントの各々は、セグメント高さとセグメント幅を規定することができる。幾つかの実施形態では、セグメント高さとセグメント幅はほぼ等しい。
【0046】
幾つかの実施形態では、セグメント高さ、セグメント幅、および/またはセグメントの形状は、外部表面の選択的な部分にわたって変化することで、スリーブまたはアッパーの安定性/補強性を増大または減少させてもよい。例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、外部表面の一部で増加することで安定性/補強を増大させてもよい。あるいは、またはさらに、セグメントの形状を変化させ(例えば、断面が三角形から円形または半円形に移行する)、安定性/補強性を向上させてもよい。幾つかの実施形態において、セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化してもよい。例えば、最大セグメント高さは、最小セグメント高さの約1倍から約5倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約4倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約3倍の間、または最小セグメント高さの約2倍から約4倍の間である。ここで記載された最大セグメント高さと最小セグメント高さの間の範囲は、履物具にとって好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増大および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0047】
幾つかの実施形態において、セグメント幅は最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化してもよい。例えば、最大セグメント幅は、最小セグメント幅の約1倍から約5倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約4倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約3倍の間、または最小セグメント幅の約2倍から約4倍の間である。ここで記載された最大セグメント幅と最小セグメント幅の間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0048】
幾つかの実施形態において、複数のセグメントは、外部表面上の第1の位置に第1セグメント高さを有する第1セグメント、外部表面上の第2の位置に第2セグメント高さを有する第2セグメント、および外部表面上の第3の位置に第3セグメント高さを有する第3セグメントを含んでもよい。幾つかの実施形態において、第2セグメント高さは、第1セグメント高さと第3セグメント高さよりも大きい。幾つかの実施形態では、第3セグメント高さは第2セグメント高さより大きく、第2セグメント高さは第1セグメント高さより大きい。
【0049】
幾つかの実施形態において、複数のセグメントは、外部表面上の第1の位置に第1セグメント幅を有する第1セグメント、外部表面上の第2の位置に第2セグメント幅を有する第2セグメント、および外部表面上の第3の位置に第3セグメント幅を有する第3セグメントを含む。幾つかの実施形態では、第2セグメント幅は、第1セグメント幅と第3セグメント幅よりも大きい。幾つかの実施形態では、第3セグメント幅は第2セグメント幅より大きく、第2セグメント幅は第1セグメント幅より大きい。
【0050】
幾つかの実施形態では、骨組みは、スリーブまたはアッパーの外部表面の底部またはソール側に層ごとに印刷されるアウトソールを含むことができる。したがって、ステップ206は、スリーブまたはアッパー上に層ごとに骨組みを印刷すること、およびスリーブまたはアッパーの外部表面の底部またはソール側に層ごとにアウトソールを印刷することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、アウトソールは複数のセグメントと同じ材料から作製してもよい。例えば、アウトソールは骨組みと一体的に形成してもよい。幾つかの実施形態では、アウトソールは、複数のセグメントと異なる材料から形成してもよい。幾つかの実施形態では、アウトソールは、スリーブまたはアッパーの外部の内側および外部の外側で骨組みに接続されてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、骨組は、全体として、ステップ106で層ごとに印刷されてもよい。例えば、骨組み全体の一つの層(例えば、アウトソールおよび複数のセグメント)は、骨組みの全ての層が外部表面の一部に印刷されるまで、一度に印刷されてもよい。幾つかの実施形態では、骨組みの一部は、骨組みの他の部分が層ごとに印刷される前に、層ごとに印刷されてもよい。例えば、アウトソールを層ごとに印刷し、その後、複数のセグメントを層ごとに印刷してもよいし、その逆でもよい。
【0052】
ステップ206で形成されたスリーブまたはアッパーに骨組みを層ごとに印刷した後、ステップ208でミッドソールを層ごとに印刷してもよい。一部の実施形態では、ミッドソールは、付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によって製造してもよい。付加製造システムからミッドソールを製造することにより、ミッドソールの設計に制限されない成形プロセスを使用して、複雑でカスタマイズ可能な幾何学的特徴を有するミッドソールを形成または製造することができる。幾つかの実施形態では、形成されたミッドソールは、付加製造システムによってミッドソールに形成された穴、開口、チャネル、トンネル、空隙、または格子構造などの幾何学的構造を含んでもよい。
【0053】
ここにおける「格子部分」または「格子構造」という用語の使用は、複数の相互接続されたセグメント、相互接続された形状、相互接続されたチャネル、相互接続された開口、および/または相互接続された表面のうちの一つによって形成された、ネガ型モールドの一部および/または履物具の一部(例えば、ミッドソール)を指す。幾つかの実施形態において、格子構造または格子部分は、付加製造プロセスによって、ネガ型モールドまたは履物具の一部と一体的に形成されてもよい。幾つかの実施形態において、格子構造または格子部分は、単位セル(例えば、格子構造によって画定される繰り返しパターン)内に形成される少なくとも一つの切り抜き、開口、穴、または材料の不在を画定してもよい。ネガ型モールドおよび/または履物具の一部内で格子構造を使用することにより、様々な製造特性および性能特性を変更、改善、および/またはカスタマイズすることができる。例えば、格子構造または格子部分は、中実材料と比較し、実質的に減少した重量または密度を規定することができる。したがって、格子構造または格子部分を靴またはソールに組み込むことで、履物具を製造するのに必要な全体的な材料の体積または質量を減らすことができる。さらに、格子構造または格子部分は、中実材料と比較した場合、改善されたクッション特性を有する幾何学的特徴を含んでもよいため、格子構造または格子部分をミッドソールに組み込むことで、履物具における全体の重量を減らし、クッション性能を向上させることができる。
【0054】
幾つかの実施形態において、格子構造は、相互接続された交点間に画定された切り抜き、空隙、または材料の不在によって形成される単位セルを画定することができる。例えば、格子構造は、三角形状、球形状、正方形状、長方形状、または菱形状の単位セルを画定することができる。代替的または追加的に、幾つかの実施形態において、本開示による格子構造における単位セルの少なくとも一部は、五角形状、六角形状、または任意の他の多角形状を画定してもよい。
【0055】
幾つかの実施形態において、本開示に係る格子構造によって画定される単位セルは、反復パターンまたは単位セルを形成するために、様々な配向を有する相互接続された形状(例えば、楕円、円、または別の幾何学的形状)によって形成されてもよい。幾つかの実施形態では、格子構造は、膨張性切り抜きまたはパターンを画定してもよい。幾つかの実施形態において、本開示に係る格子構造は、差分幾何学構造によって形成されてもよい。例えば、本開示に係る格子構造は、複数の相互接続された周期的な最小表面を含むジャイロイド構造によって形成されてもよい。ジャイロイド構造は、特定の体積にわたって一つのパターンで繰り返される単位セルを規定することで本開示に係る格子構造を形成してもよい。一般に、差分幾何学構造(例えば、ジャイロイド)の使用により、格子構造上に形成される鋭利なエッジが減少するため、格子構造に沿って形成される応力集中を低減することがあり、これにより、従来のミッドソールに使用される中実材料と比較して、例えば、履物具のミッドソールにおいて、クッション性能を改善することができる。
【0056】
ステップ208でミッドソールが層ごとに印刷された後、ステップ210においてミッドソールがスリーブまたはアッパーの内部空洞に挿入され、これにより、履物具が形成される。幾つかの実施形態では、ミッドソールに加え、インソールまたは靴下ライナーを内部空洞に挿入してもよい。
【0057】
一般に、補強されたスリーブまたはアッパーをミッドソールとは別に形成することにより、様々なスリーブ/アッパーを異なるミッドソールと組み合わせて選択的なクッション特性を提供することができる。唯一の要件は、ミッドソールが補強されたスリーブまたはアッパーと適合する(例えば、同じサイズの靴用に作られる)サイズであることである。さらに、骨組みとミッドソールの付加的な製造により、製造された履物具のサポート特性とクッション特性のカスタマイズ性が向上する。
【0058】
図3と
図4は、例えば、方法100または方法200によって形成することができるスリーブまたはアッパー300の実施形態の一つを示す。図示された実施形態において、アッパー300は、外部表面302、内部表面304、および開口306を含む。アッパー300は、前方遠位端308、後方遠位端310、外部ぼ内側312、および外部の外側315を画定する。一般に、外部表面302はアッパー300の外側に延在し、内部表面304は内部空洞314を形成し、その中にユーザの足を受け入れることができる。開口306は、内部空洞314へのアクセスを提供することができる。
【0059】
図示された実施形態では、アッパー300は、アッパー部316とミッドソール部318を含む。図示された実施形態では、アッパー部316は、アッパー300の前方遠位端308から後方遠位端310まで踵-つま先方向320に延在する。アッパー部316は、アッパー部316とミッドソール部318との間に画定された界面または境界324からソール-インステップ方向322に(例えば、
図3の視点から)上方に延在し、外部表面302の残りの部分を覆う。ミッドソール部318は、少なくとも部分的に外部表面302の底部326の上に延在してもよい。換言すると、ミッドソール部318は、アッパー300のソール側323に配置してもよい。ミッドソール部318は、外部表面302の底部326からソール-インステップ方向322に(例えば、
図3の視点から)上方に延び、少なくとも部分的にアッパー300の外部の内側312と外部の外側315上に延在してもよい。このように、例えば、ミッドソール部318の少なくとも一部が外部の内側312と外部の外側315において外部から視認することができ、これにより、アッパー300がユーザによって着用される際、ミッドソール部318を少なくとも部分的に視認することができる。幾つかの実施形態では、ミッドソール部318は、後方遠位端310から前方遠位端308まで踵―つま先方向320に延在してもよい。幾つかの実施形態では、ミッドソール部318は、後方遠位端310から、後方遠位端310と前方遠位端308の間の位置まで、踵―つま先方向320に延びてよい(例えば、
図9参照)。
【0060】
幾つかの実施形態では、アッパー300は単一のニット材料から形成してもよい。すなわち、アッパー部316とミッドソール部318は、同じニット材料から形成されてもよい。図示された実施形態では、アッパー部316は第1のニット材料から形成され、ミッドソール部318は、色、透明度、または化学組成の少なくとも一つにおいて第1のニット材料とは異なる第2のニット材料から形成されてもよい。例えば、第2のニット材料は、ミッドソールの一部がアッパー300のミッドソール部318を通して外部から視認できるように、少なくとも部分的に透明であってもよい(例えば、
図7―
図9参照)。幾つかの実施形態では、第2のニット材料は透明なモノフィラメントニットまたは紡ぎ糸材料であってもよい。
【0061】
一般に、特定のタイプの紡ぎ糸またはニット材料がニット部品の領域に与える特定の特性は、紡ぎ糸の様々なフィラメントと繊維を形成する材料に少なくとも部分的に依存することがある。例えば、綿はニット材料にソフトな効果、生分解性、自然な美しさを与える。エラスタンとストレッチポリエステルは、いずれもニット部品に所望の伸縮性と回復性を与える。レーヨンは高光沢で吸湿性のある材料を、ウールは吸湿性の高い材料を、ナイロンは耐摩耗性のある耐久性材料を、ポリエステルは疎水性で耐久性のある材料を提供することができる。
【0062】
ニット部品の特性に影響を与え、所望の特性を提供するために、ニット部品の他の態様を変化させることもできる。例えば、ニット部品または材料を形成する紡ぎ糸は、モノフィラメント紡ぎ糸またはマルチフィラメント紡ぎ糸を含むことができ、あるいは、紡ぎ糸は、それぞれ二つ以上の異なる材料から形成されるフィラメントを含んでもよい。さらに、ニット部品は、ニット部品の領域に特定の特性を付与するために、特定のニットプロセスを使用して形成されてもよい。したがって、紡ぎ糸またはニット材料を形成する材料、および紡ぎ糸またはニット材料の他の態様の両方を選択してアッパー300の特定の領域に様々な特性を付与してもよい。
【0063】
幾つかの実施形態では、ニット材料またはニット材料から作製された構造体の弾性は、第1の非伸張状態におけるニット構造体の幅または長さと、ニット構造体に横方向に力が加えられた後の第2の伸張状態におけるニット構造体の幅または長さとの比較に基づいて測定すればよい。ここで説明されるように、アッパー300は、アッパー300の選択的な部分を補強および/または安定させるための付加的な構造要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、アッパー300に関連する特性、例えば、ステッチタイプや紡ぎ糸タイプ、あるいは、伸縮性、美的外観、厚さ、通気性、透明性、または耐スカッフ性などの異なるステッチタイプ若しくは紡ぎ糸タイプに関連する特性を変化させることができる。
【0064】
図5を参照すると、アッパー300が骨組みで補強される方法またはプロセス(例えば、方法100または方法200を参照)において、靴型330をアッパー300に挿入してもよい。靴型330がアッパー300の内部表面304と噛み合い、アッパー300の外部表面302を支持するように、靴型330をアッパー300の内部空洞314に挿入してもよい。例えば、靴型330によって画定される体積は、内部空洞314の静止または支持されていない内部体積(例えば、アッパー300に何も挿入されていない、あるいは何もアッパー300と噛み合っていない時の体積)よりも大きいかまたは等しくてもよく、これにより、靴型330が内部空洞314に挿入されたときに、靴型330が内部空洞314を満たし、内部表面304と噛み合うことが保証される。このように、例えば、靴型330は、アッパー300の製造を意図した形状とサイズのための鋳型として使用することができ、その上に骨組みを印刷する際にアッパー300のための剛直な支持体を提供することができる。幾つかの実施形態において、靴型330の体積と形状は、アッパー300の製造を意図したサイズおよび形状を規定することができる。幾つかの実施形態では、靴型330および対応するアッパー300は、製造を意図したサイズおよび形状よりも小さく形成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、靴型330および対応するアッパー300は、製造を意図したサイズおよび形状よりも約25%、好ましくは約20%、より好ましくは約15%、一例では約10%小さく形成されてもよい。このように、例えば、ユーザの足を受け取るとアッパー300が伸びて足の周りを自動的に締め付けるようにしてもよい。
【0065】
図6は、外部表面302に骨組み340が印刷されたアッパー300の実施形態の一つを示している。骨組み340がアッパー300に印刷された後、ミッドソール342が内部空洞314に挿入される。幾つかの実施形態では、ミッドソール342は、熱可塑性材料または発泡体(例えば、発泡熱可塑性ウレタン(ETPU)、ポリウレタン、エチレン-ビニルアセテート、または同等物)から形成してもよい。ミッドソール342は、ミッドソール342の一部がアッパー300のミッドソール部318を通って突出するように、および/またはミッドソール部318を介して視認されるように、開口306を介して挿入され、内部空洞314内に配置されてもよい(例えば、
図7-
図9参照)。
【0066】
図示された実施形態では、ミッドソール342は、上面346、およびミッドソール342の外周に形成された周辺境界350を画定する本体344を含む。図示された実施形態では、本体344は、相互接続された表面またはセグメント356によって形成される単位セル354を有する格子構造352を含む。一般に、ミッドソール342に形成される格子構造352は、相互連結された表面またはセグメント356によって形成され、ミッドソール342全体に延在する一つまたは複数の開口、空隙、穴、チャネル、および/または通路358を画定してもよい。幾つかの実施形態では、格子構造352は、三周期的な極小表面を含むジャイロイド構造を画定してもよい。一般に、格子構造352の使用により、格子構造352に形成される鋭利なエッジが減少するため、ミッドソール342に沿って形成される応力集中を低減する場合があり、これにより、例えば、ミッドソール342においてクッション性能を改善することがある。
【0067】
図示された実施形態では、格子構造352は上面346から延在し、外部へ外側に周辺境界350まで延在する。このように、例えば、履物具が組み立てられた際、格子構造352は、アッパー300のミッドソール部318を介して外部から視認されてもよい。
【0068】
図7-
図11は、アッパー300、骨組み340、および内部空洞314内に配置されたミッドソール342を含む履物具360の実施形態の一つを示す。幾つかの実施形態では、ミッドソール342は内部空洞314内に配置され、内部表面304と噛み合ってもよい。ミッドソール342は、接着剤または他の化学的若しくは構造的な取り付け機構を必要とすることなく、内部空洞314内に固定されてもよい。ここで説明するように、ミッドソール部318は、ミッドソール342の少なくとも一部がアッパー300のミッドソール部318を介して外部から見えるように、透明であってもよい(例えば、
図7-
図9参照)。図示された実施形態では、
図7-9の拡大図における破線/点線またはグレースケールの陰影は、例えば、ミッドソール342の格子構造352がミッドソール部318を介して視認されるように(例えば、骨組み340がミッドソール部318を覆っていない領域において)、アッパー300のミッドソール部318が透明であることを表している。
【0069】
履物具360は、例えば、方法100または方法200によって製造されてもよい。履物具360は、一対の靴(例えば、履物具360の左足バージョンと履物具360の右足バージョン)を含む履物アセンブリに含まれてもよい。開示を容易にするために、単一の靴または履物具360を参照して本開示の態様を説明する。幾つかの図では、履物具は右足の靴として描かれており、幾つかの図では、履物具は左足の靴として描かれている。
【0070】
参考のため、履物具360は、前足領域362、中足領域364、および踵領域366を画定する(例えば、
図10参照)。前足領域362は、一般に、つま先、母指球、および中足骨とつま先または指骨とを連結する関節を含む足の一部を包む履物具360の一部に対応する。中足領域364は、前足領域362に近接して隣接し、一般に、足のブリッジとともに足のアーチを包む履物具360の一部に対応する。踵領域366は、中足領域364に近接して隣接し、一般に、踵または踵骨、足首、および/またはアキレス腱を含む足の後方部分を包む履物具360の一部に対応する。
【0071】
履物具360は、(一般に、アッパー300の外部の外側315に対応する)外側368、および(一般に、アッパー300の外部の内側312に対応する)内側370を画定する。ユーザが靴を履いているとき、外側368は履物具360の外側に面する部分に対応し、内側370は履物具360の内側に面する部分に対応する。このように、左の靴と右の靴は、対向する外側と内側を有し、内側は、ユーザが靴を履いているときに互いに最も近く、一方、外側は、靴を履いているときに互いに最も遠い側として定義される。
【0072】
内側370と外側368は、履物具360の長手方向中央面または軸372に沿って互いに隣接する(例えば、
図10参照)。長手方向中央面または軸372は、履物具360の内側370と外側368の間の中央の中間軸を画定してもよい。別の言い方をすれば、長手方向面または軸372は、履物具360の後方遠位端310と前方遠位端308との間に延在してもよく、履物具360のミッドソール342、骨組み340、および/またはアッパー300の中間を連続的に画定してよい(例えば、長手方向面または軸372は、踵領域366の後方遠位端310を通って前足領域362の前方遠位端308まで延びる直線軸である)。
【0073】
前足領域362は、一般に、つま先または指骨376、母指球374、および足374の中足骨382とつま先または指骨376とを連結する関節380の一つ以上を含む足374の一部を包む履物具360の一部に対応することができる(例えば、
図5参照)。中足領域364は、前足領域362に近接して隣接する。中足領域364は、一般に、足374のブリッジとともに足374のアーチを包む履物具360の一部に対応する。踵領域366は、中足領域364に近接し、中足領域364に隣接する。踵領域366は、一般に、踵または踵骨384、足首(図示せず)、および/またはアキレス腱(図示せず)を含む足374の後方部分を包む履物具360の一部に対応する。
【0074】
前足領域362、中足領域364、踵領域366、内側370、および外側368は、履物具360の境界または領域を画定することを意図している。このため、前足領域362、中足領域364、踵領域366、内側370、および外側368は、一般に、履物具360のセクションを特徴付ける。本開示のある態様は、前足領域362、中足領域364、踵領域366、内側370、および外側368のうちの一つまたは複数と同範囲にある部分または要素を指す場合がある。さらに、アッパー300、ミッドソール342、および/または骨組み340の両方は、前足領域362、中足領域364、踵領域366、内側370、および/または外側368内の一部を有するものとして特徴付けることができる。したがって、アッパー300、ミッドソール342、および/または骨組み340、あるいはアッパー300、ミッドソール342、および/または骨組み340の部品は、前足領域362、中足領域364、踵領域366、内側370、および/または外側368内に配置される部分を含むことができる。
【0075】
幾つかの実施形態では、前足領域362は、前方遠位端308から履物具360の最も幅の広い部分386まで延在する。最も幅の広い部分386は、前方遠位端308から前方遠位端308の反対側にある後方遠位端310まで延在する長手方向軸372に対して垂直な第1の線388に沿って規定または測定される。中足領域364は、履物具300の最も広い部分386から最も薄い部分390まで延在する。履物具360の最も薄い部分390は、長手方向軸372に対して垂直な第2の線392を横切って測定される履物具360の最も薄い部分として定義される。踵領域366は、最も薄い部分390から履物具360の後方遠位端310まで延在する。
【0076】
内側370は、前方遠位端308から始まり、前足領域362に沿って中足領域364に向かって履物具360の内側に沿って外に反っている。内側370は、第1の線388に達し、その地点で内側370は、中央の長手方向軸372に向かって内に反っている。内側370は、第1の線388、すなわち最も幅の広い部分386から、第2の線392、すなわち最も薄い部分390に向かって延び、その地点で、すなわち第1の線388を横切る際に内側370は中足領域364に入り込む。第2の線392に達すると、内側370は、長手方向の中心軸372から離れて外に反り、その地点で、すなわち、第2の線392を横切る際に、内側370は踵領域366に延在する。内側370は、その後、外に反り、その後、後方遠位端310に向かって内に反り、内側370が長手方向の中心軸372に達する点で終端する。
【0077】
外側368は、前方遠位端308から始まり、前足領域362に沿って中足領域364に向かって履物具360の外に沿って反る。外側368は、第1の線388に達し、その地点で、外側368は、長手方の向中心軸372に向かって、内に反る。外側368は、第1の線388、すなわち最も幅の広い部分386から、第2の線392、すなわち最も薄い部分390に向かって延び、その地点で、すなわち第1の線388を横切った際に外側368は中足領域364に入る。第2の線392に達すると、外側368は、長手方向の中心軸372から離れて外に反り、その地点で、すなわち、第2の線392を横切った際に外側368は踵領域366に延在する。その後、外側368は、外に反り、その後、後方遠位端310に向かって内に反り、外側368が長手方向の中心軸372に達する点で終端する。
【0078】
前述の説明に照らして当業者には多数の変更が明らかであり、その個々の構成要素は、多数の履物具に組み込むことができることを理解すべきである。したがって、ここで説明する前足領域362、中足領域364、踵領域366、内側370、および/または外側368の境界は履物具によって異なる可能性があることを理解した上で、履物具360およびその部品の態様を履物具360の一般的な領域または部分を参照して説明することがある。
【0079】
しかしながら、履物具360の態様およびその個々の部品は、履物具360の正確な領域または部分を参照して記載することもでき、ここにおける添付の特許請求の範囲は、ここで議論される前足領域362、中足領域364、踵領域366、内側370、および/または外側368のこれらの境界に関連する制限を組み込むことができる。
【0080】
図示された実施形態では、アッパー300は、外側368および内側370に沿って、前足領域362、中足領域364、および踵領域366を横切って延び、ミッドソール342およびユーザの足を収容して包む。幾つかの実施形態では、アッパー300は、踵領域366の開口306から足のインステップに対応する領域にわたって前足領域362に隣接する領域まで延びるインステップ領域394(
図7と
図8参照)をさらに含むことができる。インステップ領域394は、トングが配置される領域と同様の領域を含んでもよい。図示された実施形態では、アッパー300はトングを含まない、すなわち、アッパー300はトングレスである。
【0081】
レース396は、複数のアイレット397、骨組み340、および/またはアッパー300自体のアッパー部316に通されてもよい。レース396は、ユーザに操作され、これにより、ユーザは、ユーザの望むように足の周りのアッパー300の寸法を変更すること、例えば、アッパー300の一部を締めたり緩めたりすることができる。幾つかの実施形態において、履物具360は、手動で操作されるレース396を備えておらず、替わって電子的に操作される自動レーシングシステムを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、ここで説明するように、アッパー300は、製造を意図したサイズおよび形状よりも小さく製造されてもよく、これにより、ユーザがアッパー300に足を挿入すると、履物具360がユーザの足の周りを自動的に締め付けることができる。これらの実施形態において、骨組み340は、伸縮可能な材料から形成することができる。幾つかの実施形態では、アッパー300は、外側368の上部領域を内側370の上部領域に接続する可変接続(例えば、ゴムバンド、レーシング、ディスクレーシング、または同等のもの)を含むことができ、これにより、アッパー300が着用者の中足骨にできるだけ近く配置されることが保証される。
【0082】
幾つかの実施形態では、骨組み340の選択的なセグメント、部分、または領域は、アッパー300に対して移動可能であって、ユーザが骨組み340の様々な部分にレースを通すことができるようにしてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、骨組み340の選択的なセグメントを離型剤(例えば、離型紙、離型スプレーまたはコーティングなど)の領域上でアッパー300に印刷することで、骨組み340の選択的なセグメントをアッパー300に対して摘み上げるまたは移動させ、骨組み340の選択的なセグメントの下で骨組み340の選択的なセグメントにレースを通せるようにしてもよい。
図7と
図8の図示された実施形態では、レース396は骨組み340に沿って2箇所以上で骨組みの下に通される。
【0083】
引き続き
図7-11を参照すると、図示された実施形態では、骨組み340はアッパー300の外部表面302に層ごとに印刷される。図示された実施形態では、骨組み340は、複数のセグメント400とアウトソール402を含む。幾つかの実施形態では、複数のセグメント400とアウトソール402は、同じ材料(例えば、プラスチック材料、樹脂材料、ポリマー材料、ワックス材料、または同等のもの)から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、複数のセグメント400およびアウトソール402は異なる材料から形成されてもよく、例えば、複数のセグメント400は第1の材料から形成され、アウトソール402は第2の材料から形成されてもよい。
【0084】
幾つかの実施形態では、骨組み340は、付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によって外部表面302上に層ごとに印刷されてもよい。本開示に係るアッパー300の一部に骨組み340を製造するために使用される付加製造の様々な方法は、バインダージェッティング、直接エネルギー堆積、選択的レーザー溶融(SLM)、溶融堆積モデリング(FDM)、電子ビーム溶融、レーザーパワードベッド融合(LPBF)、超音波付加製造、材料押出、材料噴射、ジュール印刷、電気化学的堆積、コールドスプレー金属印刷、DLP金属印刷、超音波圧密若しくは超音波付加製造(UAM)、LENSレーザーベース印刷、バット光重合、シート積層、または電子ビーム自由形状製造(EBF3)を含んでもよい。
【0085】
一般に、骨組み340は、アッパー300の外部表面302の選択的な部分に印刷してアッパー300を補強し安定させてもよい。幾つかの実施形態では、骨組み340は、長手方向軸372に関して対称であってもよい。幾つかの実施形態では、骨組み340は、内側370と比較し、外側368において異なる形状、パターン、および/またはフットプリントを規定してもよい。幾つかの実施形態では、骨組み340は、複数のセグメント400を含むマトリックスパターンを画定してもよい。図示された実施形態では、複数のセグメント400は、前方遠位端308と後方遠位端310との間でアッパー300の外部表面302に沿って延在する。例えば、複数のセグメント400は、前足領域362、中足領域364、および踵領域366を通って踵-つま先方向320に延在してもよい。図示された実施形態では、複数のセグメント400は、内側370と外側368の両方に配置されている。
【0086】
図示された実施形態では、複数のセグメント400は、底部326またはソール側323からソール-インステップ方向322に上向きに延在する。幾つかの実施形態では、複数のセグメント400は、底部326からソール-インステップ方向322において上方に、底部326と外部表面302に沿った最上部との間の位置(例えば、底部326から最大距離に配置された外部表面302に沿った点または線)まで延在してもよい。図示された実施形態では、複数のセグメント400は、前足領域362と踵領域366において、底部326から最上部の間の位置まで、外部表面302に沿ってソール-インステップ方向322で上に延びている。換言すると、複数のセグメント400は、内側370から外側368まで、外部表面302の周囲を完全に延在する。このように、例えば、複数のセグメント400は、アッパー300に補強と安定性を提供するとともに、着用者が歩いたり走ったりするときの柔軟性を実現する。
【0087】
図示された実施形態では、複数のセグメント400は、行セグメントまたは第1組の線404、および列セグメントまたは第2組の線406を含む。一般に、行セグメント404は外部表面302に沿って第1の方向に延び、列セグメント406は外部表面302に沿って第1の方向と直交する第2の方向に延びる。例えば、列セグメント406は、行セグメント404と交差する一般的な方向に延在し、行セグメント404が列セグメント406と相互接続、交差して十字パターンを形成してもよい。
【0088】
一般に、行セグメント404は、行セグメント404が互いに概ね平行となるように外部表面302の一部に沿って配置されてもよく、列セグメント406は、列セグメント406が互いに概ね平行となるように外部表面302の一部に沿って配置されてもよい。行セグメント404と列セグメント406の概ね平行な配置は、行セグメント404と列セグメント406の形状を直線セグメントに限定するものではない。例えば、図示された実施形態では、行セグメント404と列セグメント406は湾曲したセグメントである。
【0089】
一般に、行セグメント404は互いに間隔をあけて配置され、列セグメント406は互いに間隔をあけて配置される。幾つかの実施形態では、行セグメント404の隣接する対の間に定義される行間隔408は、ほぼ等しくてもよい。図示された実施形態では、行セグメント404の隣接する対の間に定義される行間隔408は、行間隔の最小値から最大値まで変化する。幾つかの実施形態では、行間隔の最大値と行間隔の最小値との間の比率は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってもよい。一般に、行間隔408を変化させることにより、外部表面302の一部においてアッパー300に提供される補強および/または安定性の量を変化させることができる。行間隔の最大値と行間隔の最小値との間の比率は、履物具360の美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の臨界バランスを維持することができる。幾つかの実施形態では、隣接する一対の行セグメント404の個々の行セグメント404の間に定義される行間隔408は、隣接する一対の行セグメント404の間で変化する行間隔408に加えて、または行間隔408の代替として変化してもよい。
【0090】
幾つかの実施形態では、列セグメント406の隣接する対の間に定義される列間隔410はほぼ等しくてもよい。図示された実施形態では、列セグメント406の隣接する対の間に定義される列間隔410は、列間隔の最小値から列間隔の最大値まで変化する。幾つかの実施形態では、列間隔の最大値と列間隔の最小値との間の比率は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってもよい。一般に、列間隔410を変化させることにより、外部表面302の一部においてアッパー300に提供される補強および/または安定性の量を変化させることができる。列間隔の最大値と列間隔の最小値との間の比率は、履物具360の美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の臨界バランスを維持することができる。幾つかの実施形態では、列セグメント406の隣接する対における個々の列セグメント406の間で定義される列間隔410は、列セグメント406の隣接する対の間で変化する列間隔410に加えて、または列セグメント406の隣接する対の間で変化する列間隔410の代替として変化してもよい。
【0091】
一般に、複数のセグメント400の各々は、形状およびサイズを規定する。幾つかの実施形態では、複数のセグメント400の各々の形状およびサイズは、骨組み340にわたってほぼ一定のままであってもよい。例えば、複数のセグメント400は、いずれもセグメント高さとセグメント幅を規定してもよい。幾つかの実施形態では、セグメント高さとセグメント幅は、ほぼ等しくてもよい。
【0092】
幾つかの実施形態において、セグメント高さ(例えば、外部表面302に垂直な方向においてセグメントによって規定される最大高さ)、セグメント幅(例えば、外部表面302に平行な方向において規定される最大幅)、および/またはセグメントの形状は、外部表面302の選択的な部分にわたって変化することでアッパー300に増加または減少した安定性/補強を提供してもよい。代替的または追加的に、複数のセグメント400の形状は、安定性/補強性を高めるために変化してもよい(例えば、断面が三角形または錐形から断面が円形または半円形に移行する)。
【0093】
例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅を外部表面302の一部において増加させることで、増加した安定性/補強を提供することができる。例えば、中足領域364および/または前足領域362に対して相対的に踵領域366においてセグメント高さおよび/またはセグメント幅を増加させ、アッパー300が歩行中または走行中の屈曲がより少ない踵領域366において増加した安定性を提供してもよい。幾つかの実施形態では、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、底部326に隣接して増加することがある。例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、複数のセグメント400が底部326に向かってソール-インステップ方向322に延びるにつれて増大してもよい。
【0094】
幾つかの実施形態において、セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化してもよい。例えば、最大セグメント高さは、最小セグメント高さの約1倍から約5倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約4倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約3倍の間、または最小セグメント高さの約2倍から約4倍の間である。ここに記載された最大セグメント高さと最小セグメント高さの間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0095】
幾つかの実施形態において、セグメント幅は最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化してもよい。例えば、最大セグメント幅は、最小セグメント幅の約1倍から約5倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約4倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約3倍の間、または最小セグメント幅の約2倍から約4倍の間である。ここに記載された最大セグメント幅と最小セグメント幅との間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0096】
アウトソール402は、外部表面302の底部326に層ごとに印刷される(例えば、
図9参照)。図示された実施形態では、複数のセグメント400の一部(例えば、前足領域362、中足領域364、または踵領域366の少なくとも一つのセグメント)は、外側368と内側370から延在し、底部326を少なくとも部分的に覆ってアウトソール402に接続する。アウトソール402は底部326の領域を覆ってもよい。図示された実施形態では、アウトソール402は、アウトソール402内へ窪んだ複数のアウトソール凹部412を含む(例えば、
図11参照)。アウトソール凹部412は、少なくとも部分的にアウトソール402へ窪んでいてもよく、アウトソール402の対向する側面間で横方向に延在してもよい。アウトソール凹部412は、踵-つま先方向320において互いに離隔してもよく、踵-つま先方向320においてアウトソール402に沿って配置されてもよい。
【0097】
幾つかの実施形態では、骨組み340は、全体として、外部表面302に層ごとに印刷されてもよい。例えば、骨組み340の全ての層が外部表面302の一部に印刷されるまで、骨組み340全体(例えば、アウトソール402と複数のセグメント400)の一つの層が一度に印刷されてもよい。幾つかの実施形態では、骨組み340の他の部分が層ごとに印刷される前に、骨組み340の一部が層ごとに印刷されてもよい。例えば、アウトソール402を層ごとに印刷し、その後、複数のセグメント400を層ごとに印刷してもよく、その逆でもよい。
【0098】
ここで説明するように、骨組みは、付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によってアッパー上に層ごとに印刷されてもよい。
図12は、本開示に係る骨組みおよび/またはミッドソールを設計および印刷するために使用することができる付加製造システム450の実施形態の一つを示す。付加製造システム450は、コントローラ452、プリントヘッド454、一つまたは複数のモータ456、およびモニタまたはディスプレイ458を含んでもよい。コントローラ452は、プロセッサによって実行される命令を含むメモリを有するプロセッサを含んでもよい。コントローラ452は、プリントヘッド454、一つまたは複数のモータ456、およびモニタ458と通信していてもよい。コントローラ452は、プリントヘッド454に対し、特定の場所に所定のパターンで材料を層ごとに堆積するように命令するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、コントローラ452は、プリントヘッド454とは分離されていてもよいが、プリントヘッド454と通信する。
【0099】
幾つかの実施形態では、コントローラ452は、ミッドソールまたは骨組みを含むファイルを設計または受信するように構成されてもよい。例えば、コントローラ452は、モニタ458と通信し、ユーザがミッドソールまたは骨組みを視覚化して設計できるようにしてもよい。幾つかの実施形態において、プリントヘッド454は、一つまたは複数のモータ456に結合されてもよく、プリントヘッド454は、外部表面302の一部に骨組み340を印刷するため、履物具360によって画定される全ての側面および軸の周りを移動するように構成されてもよい(例えば、
図13参照)。
【0100】
幾つかの実施形態では、プリントヘッド454は、支柱462で履物具360を支持するハウジング460内に梱包されてもよい。支柱462は、一つまたはそれ以上のモータ456に結合されてもよく、これにより、骨組み340が外部表面302に印刷される際に履物具360を回転させることができる(例えば、
図14参照)。
【0101】
アッパーの製造によって得られるカスタマイズおよび設計の自由、および付加製造システムの使用により、履物具の様々な設計の可能性が提供される。例えば、
図15-
図17は、例えば、方法100または方法200によって形成することができる履物具500の実施形態を示す。図示された実施形態では、履物具500は、外部表面502、内部表面504、第1のレース支持部505、開口506、および開口506に近接して配置された第2のレース支持部507を備えるアッパー501を含む。アッパー501は、前方遠位端508、後方遠位端510、外部の内側512、および外部の外側515を画定する。一般に、外部表面502は、アッパー501の外側の上を延在し、内部表面504はユーザの足が受け入れられる内部空洞514を形成する。開口506は、内部空洞514へのアクセスを提供することができる。
【0102】
図示された実施形態では、アッパー501は単一のニット材料から形成することができる。一般に、特定のタイプの紡ぎ糸またはニット材料がニット部品の領域に付与する特定の特性は、紡ぎ糸の様々なフィラメントおよび繊維を形成する材料に少なくとも部分的に依存することがある。例えば、綿はニット材料にソフトな効果、生分解性、あるいは自然な美観を与えることがある。エラスタンとストレッチポリエステルはそれぞれ、ニット材料に所望の伸縮性と回復性を与える。レーヨンは高光沢で吸湿性のある材料を、ウールは吸湿性の高い材料を、ナイロンは耐摩耗性を有する耐久性のある材料を、ポリエステルは疎水性で耐久性のある材料を提供することができる。
【0103】
ニット部品の特性に影響を与え、所望の特性を提供するために、ニット部品の他の特性を変化させてもよい。例えば、ニット部品または材料を形成する紡ぎ糸は、モノフィラメント紡ぎ糸またはマルチフィラメント紡ぎ糸を含むことができ、あるいは、紡ぎ糸は、各々が二つ以上の異なる材料から形成されるフィラメントを含んでもよい。さらに、ニット部品は、ニット部品の領域に特定の特性を付与するため、特定のニットプロセスを使用して形成される場合がある。したがって、紡ぎ糸またはニット材料を形成する材料、および紡ぎ糸またはニット材料の他の特性の両方を選択することでアッパー501の特定の領域に様々な特性を付与することができる。
【0104】
幾つかの実施形態では、ニット材料またはニット材料から作製された構造体の弾性は、第1の非伸張状態におけるニット構造体幅または長さと、ニット構造体に横方向に力が加えられた後の第2の伸張状態におけるニット構造体幅または長さとの比較に基づいて測定することができる。ここで説明されるように、アッパー501は、アッパー501の選択的な部分を補強および/または安定させるための付加的な構造要素を含むこともできる。幾つかの実施形態では、アッパー501に関連する特性、例えば、ステッチタイプ、紡ぎ糸タイプ、または異なるステッチタイプもしくは紡ぎ糸タイプに関連する特性、例えば、伸縮性、美的外観、厚さ、通気性、透明性、または耐スカッフ性を変化させることができる。
【0105】
一般に、履物具360の前足領域362、中足領域364、踵領域366、外側368、内側370、および長手方向軸372に関連する説明は、履物具500にも適宜適用され、同様の特徴は500台の同様の参照数字を用いて特定される。さらに、
図10に関連する図および説明は、履物具500に対応して適用することができる。
【0106】
図示された実施形態では、アッパー501は、外側568(
図16参照)と内側570に沿って、前足領域562、中足領域564、および踵領域566を横切って延び、ミッドソール542およびユーザの足を収容し包囲する。幾つかの実施形態では、アッパー501は、踵領域566の開口506から足のインステップに対応する領域にわたって前足領域562に隣接する領域まで延びるインステップ領域594も含むことができる。インステップ領域594は、トングが配置される領域と同様の領域を含むことができる。図示された実施形態では、アッパー501はトングを含まない、すなわち、アッパー501はトングレスである。
【0107】
図示された実施形態では、アッパー501は、踵領域566のアッパー501の底部526に隣接してアッパーの内側570に形成された切り抜き、窓、または穴503を含む。幾つかの実施形態では、別の穴が、外側568において(例えば、長手方向軸に関して)対称的に形成されてもよい。ミッドソール342が内部空洞514内に配置された状態では、ミッドソール542の少なくとも一部が穴503を通して視認できることがある。このため、ミッドソール542のそのような部分は、アッパー501に形成された穴503を介して突出する。
【0108】
レース596は、第1のレース支持部505と第2のレース支持部507に形成された複数のアイレット597に通すことができる。幾つかの実施形態では、アイレット597は、第1のレース支持部505および/または第2のレース支持部507ではなく、アッパー501に対して移動可能な骨組み540の選択的なセグメントによって形成されてもよい。
図16の図示された実施形態では、第2のレース支持部507は、少なくとも部分的に第1のレース支持部505と開口506との間に配置されているが、他の構成も可能である。レース596は、ユーザがアッパー501の寸法を変更できるように、例えば、アッパー501の一部を締め付けたり緩めたりできるように、ユーザが所望するように足の周りで操作することができる。図示された実施形態では、アーチ-ジョイントレージング598がアッパー501に含まれ、360度のレーシングを提供する。
【0109】
図示された実施形態では、アッパー501は、付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によって外部表面502に層ごとに印刷された骨組み540を含む。骨組み540は、複数のセグメント600とアウトソール602を含む。幾つかの実施形態では、複数のセグメント600とアウトソール602は、同じ材料(例えば、プラスチック材料、樹脂材料、ポリマー材料、ワックス材料、または同等のもの)から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、複数のセグメント600とアウトソール602は異なる材料から形成されてもよく、例えば、複数のセグメント600は第1の材料から形成され、アウトソール602は第2の材料から形成されてもよい。
【0110】
本開示に従ってアッパー501の一部に骨組み540を製造するために使用される付加製造の様々な方法は、バインダージェッティング、直接エネルギー堆積、選択的レーザー溶融(SLM)、溶融堆積モデリング(FDM)、電子ビーム溶融、レーザーパワードベッド融合(LPBF)、超音波付加製造、材料押出、材料噴射、ジュール印刷、電気化学的堆積、コールドスプレー金属印刷、DLP金属印刷、超音波圧密若しくは超音波付加製造(UAM)、LENSレーザーベースの印刷、バット光重合、シートラミネーション、または電子ビーム自由形状製造(EBF3)を含んでもよい。
【0111】
一般的に、骨組み540は、アッパー501を補強し安定させるために、アッパー501の外部表面502の選択的な部分に印刷されてもよい。幾つかの実施形態では、枠組み540は、履物具500によって定義される長手方向軸に関して対称であってもよい。幾つかの実施形態では、枠組み540は、内側570と比較して、外側568において異なる形状、パターン、および/またはフットプリントを画定してもよい。幾つかの実施形態では、骨組み540は、複数のセグメント600を含むマトリックスパターンを画定してもよい。図示された実施形態では、複数のセグメント600は、前方遠位端508と後方遠位端510との間でアッパー501の外部表面502に沿って延在する。例えば、複数のセグメント600は、前足領域562、中足領域564、および少なくとも部分的に踵領域566を通って、踵-つま先方向520に延びてもよい。図示された実施形態では、複数のセグメント600は、内側570と外側568の両方に配置される。
【0112】
図示された実施形態では、複数のセグメント600は、底部526またはソール側603からソール-インステップ方向522において上方に延びる(
図15参照)。幾つかの実施形態では、複数のセグメント600は、ソール-インステップ方向522において上方に、底部526から、底部526と外部表面502に沿った最上部との間の位置(例えば、底部526から最大距離に配置された外部表面502に沿った点または線)まで延びてもよい。図示された実施形態では、複数のセグメント600は、底部526から、底部526と中足領域564において外部表面502に沿った最上部との間の位置まで、ソール-インステップ方向522において上方に延びる。複数のセグメント600は、底部526から、前足領域562の一部で外部表面502に沿って最上部までソール-インステップ方向522において上方に延びる。換言すると、複数のセグメント600は、前足領域562の少なくとも一部において、内側570から外側568まで外部表面502の周囲に完全に延在する。このように、例えば、複数のセグメント600は、アッパー501に補強と安定性を与える一方で、着用者が歩いたり走ったりするときの柔軟性を実現する。
【0113】
図示された実施形態では、複数のセグメント600は、行セグメントまたは第1組の線604、および列セグメントまたは第2組の線606を含む。一般に、行セグメント604は外部表面502に沿って第1の方向に延び、列セグメント606は外部表面502に沿って第1の方向と直交する第2の方向に延びる。例えば、列セグメント606は、行セグメント604と交差する一般的な方向に延びてよく、これにより、行セグメント604は、列セグメント606と相互接続して交差し、十字パターンを形成する。換言すると、複数のセグメント600は、相互接続された行セグメント604と列セグメント606を含むマトリックスパターンを画定する。
【0114】
一般に、行セグメント604は、行セグメント604が互いに概ね平行となるように、外部表面502の一部に沿って配置されてもよく、列セグメント606は、列セグメント606が互いに概ね平行となるように、外部表面502の一部に沿って配置されてもよい。行セグメント604および列セグメント606の概ね平行な配置は、行セグメント604および列セグメント606の形状を直線セグメントに限定するものではない。例えば、図示された実施形態では、行セグメント604と列セグメント606は曲線状または波状のセグメントである。
【0115】
一般に、行セグメント604は互いに間隔をあけて配置され、列セグメント606は互いに間隔をあけて配置することができる。幾つかの実施形態では、行セグメント604の隣接する対の間に定義される行間隔608は、ほぼ等しくてもよい。図示された実施形態では、行セグメント604の隣接する対の間に定義される行間隔608は、行間隔最小値から行間隔最大まで変化する。幾つかの実施形態では、行間隔最大値と行間隔最小値との間の比率は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってもよい。一般に、行間隔608を変化させることにより、外部表面502の一部においてアッパー501に提供される補強および/または安定性の量を変化させることができる。行間隔最大値と行間隔最小値との間の比率は、履物具500の美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の臨界バランスを維持することができる。幾つかの実施形態では、行セグメント604の隣接する対における個々の行セグメント604の間に定義される行間隔608は、行セグメント604の隣接する対の間で変化する行間隔608に加えて、または行間隔608の代替として変化してもよい。
【0116】
幾つかの実施形態では、列セグメント606の隣接する対の間に定義される列間隔610はほぼ等しくてもよい。図示された実施形態では、列セグメント606の隣接する対の間に画定される列間隔610は、列間隔最小値から列間隔最大値まで変化する。幾つかの実施形態では、列間隔最大値と列間隔最小値との間の比率は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってもよい。一般に、列間隔610を変化させることにより、外部表面502の一部においてアッパー501に提供される補強および/または安定性の量を変化させることができる。列間隔最大値と列間隔最小値との間の比率は、履物具500の美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の臨界バランスを維持することができる。幾つかの実施形態では、列セグメント606の隣接する対における個々の列セグメント606の間で定義される列間隔610は、列セグメント606の隣接する対の間で変化する列間隔610に加えて、または列間隔610の代替として変化してもよい。
【0117】
一般に、複数のセグメント600の各々は、形状およびサイズを規定する。幾つかの実施形態では、複数のセグメント600の各々の形状およびサイズは、骨組み540にわたってほぼ一定のままであってもよい。例えば、複数のセグメント600の各々は、セグメント高さとセグメント幅を規定してもよい。幾つかの実施形態では、セグメント高さとセグメント幅はほぼ等しくてもよい。
【0118】
幾つかの実施形態では、セグメント高さ(例えば、外部表面502に垂直な方向においてセグメントによって規定される最大高さ)、セグメント幅(例えば、外部表面502に平行な方向において規定される最大幅)、および/またはセグメントの形状は、アッパー501に増加または減少した安定性/補強を提供するために、外部表面502の選択的な部分にわたって変化してもよい。代替的または追加的に、複数のセグメント600の形状は、安定性/補強性を高めるために変化してもよい(例えば、断面が三角形または錐形から断面が円形または半円形に移行する)。
【0119】
例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅を外部表面502の一部において増加させ、増加した安定性/補強を提供してもよい。例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、アッパー501が歩行中または走行中の屈曲がより少ない踵領域566において増加した安定性を提供するために、中足領域564および/または前足領域562に対して相対的に踵領域566において増加してもよい。幾つかの実施形態では、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、底部526に隣接して増加することがある。例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、複数のセグメント600が底部526に向かってソール-インステップ方向522に延びるに従って増大してもよい。
【0120】
幾つかの実施形態において、セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化してもよい。例えば、最大セグメント高さは、最小セグメント高さの約1倍から約5倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約4倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約3倍の間、または最小セグメント高さの約2倍から約4倍の間である。ここで記載された最大セグメント高さと最小セグメント高さの間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0121】
幾つかの実施形態において、セグメント幅は最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化してもよい。例えば、最大セグメント幅は、最小セグメント幅の約1倍から約5倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約4倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約3倍の間、または最小セグメント幅の約2倍から約4倍の間である。ここで記載された最大セグメント幅と最小セグメント幅との間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0122】
図示された実施形態では、履物具500は、アッパー501を補強し安定させるために骨組み540を補足可能な追加の構造を含む。例えば、履物具500は、外側568と内側570の両方に配置された第1のレース支持板505、外側568と内側570の両方に配置された第2のレース支持板507、および踵支持板509を含む。第1のレース支持板505は、概してジグザグパターンを規定し、中足領域564の少なくとも一部を通ってアッパーに沿って延びている。第1のレース支持部505は、そこに形成された複数のアイレット597の一部を含む。第2の支持板507は、踵-つま先方向520において第1の支持板505から間隔をあけて配置され、第2の支持板は、その中に形成された複数のアイレット597の一部を含むことができる。第2の支持板507は、中足領域564および/または踵領域566内に配置されてもよい。踵支持板509は、踵領域566の少なくとも一部の周囲で外側568から内側570まで延びる。
【0123】
図17を具体的に参照すると、ミッドソール542は、上側614、下側616、および本体612全体にわたって、上面620と底面622との間に延びる格子構造618を画定する本体612を含む。本体612は、内側624、外側626、後方遠位端628、および前方遠位端630をさらに規定する。図示された実施形態において、上面620は、第1の部分632、第2の部分634、および第3の部分636を含む可変幾何学的構造を規定する。第2の部分634は、第1の部分632と第3の部分636の間に配置される。第1の部分632は、前方遠位端630から、第1の部分632と第2の部分634の間の交差点まで延びる。第3の部分636は、後方遠位端628から、第3の部分と第2の部分634の間の交差点まで延びる。幾つかの実施形態において、第1の部分632は、前足領域にわたって少なくとも部分的に本体612によって画定される中足領域へ延びてもよい。幾つかの実施形態では、第2の部分634は、少なくとも部分的に、中足領域の上と本体612によって画定される踵領域へと延びてもよい。幾つかの実施形態では、第3の部分636は、本体612によって画定された踵領域上に少なくとも部分的に延在してもよい。
【0124】
第1の部分632と第3の部分636は、第2の部分634とは異なる幾何学的構造を規定する。例えば、第1の部分632は、少なくとも部分的に第1の支持面640を通って延びる第1の複数の穴638を有する第1の支持面640を含んでもよい。複数の穴638は、第1の支持面640上にアレイパターンで配置される。第1の部分632と同様に、第3の部分636は、第2の支持面642を少なくとも部分的に通って延びる第2の複数の穴644を有する第2の支持面642を含む。第2の複数の穴644は、第2の支持面642上にアレイパターンで配置される。第2の部分634は、格子構造618によって形成される概ね開いた構造を画定する。換言すると、第1の部分632上に延在する第1の支持面640および第3の部分636上に延在する第2の支持面642は、第2の部分634上に延在していなくてもよく、格子構造618は、第2の部分634において本体612の上側614を通して視認できてもよい。
【0125】
図示された実施形態では、格子構造618は、本体612を通って延びる一つまたは複数の開口、空隙、穴、チャネル、トンネル、または通路650を画定する相互接続された表面またはセグメント648によって形成される単位セル646を含む。幾つかの実施形態では、相互接続された表面648は、最小限の表面を画定することができる。幾つかの実施形態では、相互接続された表面648は、三周期的な極小表面(例えば、ジャイロイド)を画定してもよい。一般に、差分幾何学構造(例えば、ジャイロイド)を使用することで、本体612に形成される鋭角が減少するため、ミッドソール542に沿って形成される応力集中を低減し、これにより、ミッドソール542に改善されたクッション性能を提供する。加えて、上側614に沿って画定された可変形状は、ミッドソール542に沿って力/圧力が高い領域において追加の支持を提供する。例えば、第1の支持面640は前足領域(例えば、ユーザの足の母指球の下および/またはユーザのつま先の下)に追加のサポートを提供し、第2の支持面642は踵領域(例えば、ユーザの踵の下)に追加のサポートを提供することができる。第1の支持面640と第2の支持面642によって提供される付加的な支持により、格子構造618にわたって及ぼされる圧力/力を拡散または分散することが助長され、格子構造618の改善されたクッション特性をさらに活用することができる。
【0126】
図18-
図21は、例えば、方法100または方法200によって形成されることができる履物具700の実施形態を示す。図示された実施形態では、履物具700は、外部表面702、内部表面704、および開口706を有するアッパー701を含む。アッパー701は、前方遠位端708、後方遠位端710、外部の内側712、および外部の外側(図示せず)を画定する。一般に、外部表面702はアッパー701の外側上で延在し、内部表面704はユーザの足が受け入れられる内部空洞714を形成する。開口706は、内部空洞714へのアクセスを提供することができる。
【0127】
図示された実施形態では、アッパー701は単一のニット材料から形成することができる。一般に、特定のタイプの紡ぎ糸またはニット材料がニット部品の領域に付与する特定の特性は、紡ぎ糸の様々なフィラメントおよび繊維を形成する材料に少なくとも部分的に依存することがある。例えば、綿はニット材料にソフトな効果、生分解性、あるいは自然な美観を与えることがある。エラスタンとストレッチポリエステルはそれぞれ、ニット材料に所望の伸縮性と回復性を与える。レーヨンは高光沢で吸湿性のある材料を、ウールは吸湿性の高い材料を、ナイロンは耐摩耗性のある耐久性材料を、ポリエステルは疎水性で耐久性のある材料を提供することができる。
【0128】
ニット部品の特性に影響を与え、所望の特性を提供するために、ニット部品の他の態様を変化させることもできる。例えば、ニット部品または材料を形成する紡ぎ糸は、モノフィラメント紡ぎ糸またはマルチフィラメント紡ぎ糸を含むことができ、あるいは、紡ぎ糸は、各々が二つ以上の異なる材料から形成されるフィラメントを含んでもよい。さらに、ニット部品は、ニット部品の領域に特定の特性を付与するために、特定のニットプロセスを使用して形成される場合がある。したがって、紡ぎ糸またはニット材料を形成する材料および紡ぎ糸またはニット材料の他の態様の両方が、アッパー701の特定の領域に様々な特性を付与するように選択されてもよい。
【0129】
幾つかの実施形態では、ニット材料またはニット材料から作製された構造体の弾性は、第1の非伸張状態におけるニット構造体の幅または長さと、ニット構造体に横方向に力が加えられた後の、第2の伸張状態におけるニット構造体の幅または長さとの比較に基づいて測定することができる。ここで説明されるように、アッパー701は、アッパー701の選択的な部分を補強および/または安定させるための追加の構造要素を含むこともできる。幾つかの実施形態では、アッパー701に関連する特性、例えば、ステッチタイプ、紡ぎ糸タイプ、または異なるステッチタイプもしくは紡ぎ糸タイプに関連する特性、例えば、弾性、美的外観、厚さ、通気性、透明性、または耐スカッフ性を変化させてもよい。
【0130】
一般に、履物具360の前足領域362、中足領域364、踵領域366、外側368、内側370、および長手方向軸372に関連するここにおける説明は、履物具700にも適宜適用され、同様の特徴は、700台の同様の参照数字を用いて特定される。加えて、
図10に関連する図および説明は、履物具700に対応して適用することができる。
【0131】
図示された実施形態では、アッパー701は、外側768と内側770に沿って前足領域762、中足領域764、および踵領域766を横切って延び、ミッドソール742およびユーザの足を収容する。幾つかの実施形態では、アッパー701は、踵領域766の開口706から足のインステップに対応する領域にわたって前足領域762に隣接する領域まで延びるインステップ領域794も含んでもよい。インステップ領域794は、トングが配置される領域と同様の領域を有することができる。図示された実施形態では、アッパー701はトングを含まない、すなわち、アッパー701はトングレスである。
【0132】
図示された実施形態では、アッパー701は、アッパー701の底部726に形成された複数の切り抜き、窓、または穴703を含み、これらを通してミッドソール742の一部が外部から視認される。複数の穴703は、それぞれアッパー701の底部726を介して延伸してもよく、さまざまな大きさを画定してもよい。複数の穴703は、底部726上にアレイ状に配置されてよく、前方遠位端708と後方遠位端710との間に延在してもよい。一般に、穴703は、対応する突起がそこを通って延びることを可能にするようなサイズで配置されてもよい。
【0133】
複数のアイレット797にレース796を通すことができる。幾つかの実施形態では、アイレット797は、アッパー701に対して移動可能な骨組み740の一部によって形成されてもよい。レース796は、ユーザーが足の周りでアッパー701の寸法を変更できるように、例えば、アッパー701の一部を締めたり緩めたりできるように、ユーザーによって操作されてもよい。
【0134】
図示された実施形態では、アッパー701は、付加製造システム(例えば、3Dプリンタ)によって外部表面702上に層ごとに印刷された骨組み740を含む。骨組み740は、複数のセグメント800とアウトソール802を含む(例えば、
図20参照)。幾つかの実施形態では、複数のセグメント800とアウトソール802は、同じ材料(例えば、プラスチック材料、樹脂材料、ポリマー材料、ワックス材料、または同等のもの)から形成されてもよい。幾つかの実施形態では、複数のセグメント800とアウトソール802は異なる材料から形成されてもよく、例えば、複数のセグメント800は第1の材料から形成されてもよく、アウトソール802は第2の材料から形成されてもよい。
【0135】
本開示に従ってアッパー701の一部に骨組み740を製造するために使用される付加製造の様々な方法は、バインダージェッティング、直接エネルギー堆積、選択的レーザー溶融(SLM)、溶融堆積モデリング(FDM)、電子ビーム溶融、レーザーパワードベッド融合(LPBF)、超音波付加製造、材料押出、材料噴射、ジュール印刷、電気化学的堆積、コールドスプレー金属印刷、DLP金属印刷、超音波圧密若しくは超音波付加製造(UAM)、LENSレーザーベース印刷、バット光重合、シートラミネーション、または電子ビーム自由形状製造(EBF3)を含むことができる。
【0136】
一般に、骨組み740は、アッパー701を補強し安定させるために、アッパー701の外部表面702の選択的な部分に印刷されてもよい。幾つかの実施形態では、枠組み740は、履物具700によって画定される長手方向軸に関して対称であってもよい。幾つかの実施形態では、枠組み740は、内側770と比較して、外側768で異なる形状、パターン、および/またはフットプリントを画定してもよい。図示された実施形態では、複数のセグメント800は、前方遠位端708と後方遠位端710との間でアッパー701の外部表面702に沿って延びる。例えば、複数のセグメント800は、前足領域762、中足領域764、および踵領域766の少なくとも一部を通って踵-つま先方向720に延びてもよい。幾つかの実施形態では、複数のセグメント800は、内側770と外側768の両方に配置されてもよい。
【0137】
図示された実施形態では、複数のセグメント800は、ソール-インステップ方向722において互いに間隔をあけて配置され、踵-つま先方向720に沿ってさまざまな距離で延びている。例えば、レース796に隣接して配置されたセグメントは、底部726に隣接して配置されたセグメントよりも踵-つま先方向に短い距離で延びることがある。図示された実施形態では、セグメントの少なくとも一つは、中足領域764を通って踵領域766へと踵-つま先方向720に延びている。図示された実施形態では、セグメント800は互いに概ね平行に配置されているが、平行な配置はセグメント800を直線に限定するものではない。例えば、図示された実施形態では、セグメント800は概ね波状のセグメントを画定している。
【0138】
一般に、セグメント800は互いに(例えば、ソール-インステップ方向722に)間隔をあけて配置されてもよい。図示された実施形態では、セグメント800の隣接する対の間に定義されるセグメント間隔808は、ほぼ等しくてもよい。幾つかの実施形態では、セグメント800の隣接する対の間に定義されるセグメント間隔808は、セグメント間隔の最小値から最大値まで変化する。幾つかの実施形態では、セグメント間隔最大値とセグメント間隔最小値との間の比率は、約1と約5との間、または約1と約4との間、または約1と約3との間、または約2と約4との間であってもよい。一般に、セグメント間隔808を変化させることにより、外部表面702の一部においてアッパー701に提供される補強および/または安定性の量を変化させることができる。セグメント間隔最大値とセグメント間隔最小値との間の比率は、履物具700の美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持することができる。
【0139】
一般に、複数のセグメント800の各々は、形状およびサイズを規定する。幾つかの実施形態では、複数のセグメント800の各々の形状およびサイズは、骨組み740にわたってほぼ一定のままであってもよい。例えば、複数のセグメント800は、いずれもセグメント高さおよびセグメント幅を規定することができる。幾つかの実施形態では、セグメント高さとセグメント幅はほぼ等しくてもよい。
【0140】
幾つかの実施形態において、セグメント高さ(例えば、外部表面702に垂直な方向においてセグメントによって規定される最大高さ)、セグメント幅(例えば、外部表面702に平行な方向において規定される最大幅)、および/またはセグメントの形状は、アッパー701に増加または減少した安定性/補強を提供するために、外部表面702の選択的な部分上で変化してもよい。代替的または追加的に、複数のセグメント800の形状は、安定性/補強性を高めるために変化してもよい(例えば、断面が三角形または錐形から断面が円形または半円形に移行する)。
【0141】
例えば、増加した安定性/補強を提供するために、セグメント高さおよび/またはセグメント幅を外部表面702の一部において増加させてもよい。例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、アッパー701が歩行中または走行中の屈曲をより少なく経験する踵領域766において増加した安定性を提供するために、中足領域764および/または前足領域762に対して相対的に踵領域766において増加させてもよい。幾つかの実施形態では、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、底部726に隣接して増加することがある。例えば、セグメント高さおよび/またはセグメント幅は、複数のセグメント800が底部726に向かってソール-インステップ方向722に延びるに従って大きくなることがある。
【0142】
幾つかの実施形態において、セグメント高さは、最小セグメント高さから最大セグメント高さまで変化してもよい。例えば、最大セグメント高さは、最小セグメント高さの約1倍から約5倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約4倍の間、または最小セグメント高さの約1倍から約3倍の間、または最小セグメント高さの約2倍から約4倍の間である。ここに記載された最大セグメント高さと最小セグメント高さの間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0143】
幾つかの実施形態において、セグメント幅は最小セグメント幅から最大セグメント幅まで変化してもよい。例えば、最大セグメント幅は、最小セグメント幅の約1倍から約5倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約4倍の間、または最小セグメント幅の約1倍から約3倍の間、または最小セグメント幅の約2倍から約4倍の間である。ここに記載された最大セグメント幅と最小セグメント幅との間の範囲は、履物具の好ましい美観を維持しながら、安定性/補強性の増加および/または減少の間の重要なバランスを維持する。
【0144】
図示された実施形態では、ミッドソール742は、ミッドソール742の底面818から外側に延びる複数の突起816を含んでもよい。ミッドソール742が内部空洞714内に受け入れられるとき、底面818の上に配置されたミッドソール742の一部は、アッパー701の内部空洞714内に包まれてもよく、突起816の各々は、アッパー701の穴703の対応する一つを通って延びてもよい。このように、例えば、ミッドソール742の一部がアッパー701を通って突出し、アッパー701を通して視認できることがある。図示された実施形態では、突起816の各々は概ね半球状の形状を画定し、それが通過する対応する穴703に応じた大きさである。図示された実施形態では、ミッドソール742は、突起816の外部表面およびミッドソール742の周縁に向かって窪む複数の凹部を含んでもよい。
【0145】
図20および
図21を具体的に参照すると、アウトソール802は、外部表面702の底部726に層ごとに印刷される。図示された実施形態では、アウトソール802は、穴703およびそれを通って延びる突起816の周囲に印刷される。幾つかの実施形態では、骨組み740は、全体として外部表面702に層ごとに印刷されてもよい。例えば、骨組み740の全ての層が外部表面702の一部に印刷されるまで、骨組み740全体(例えば、アウトソール802と複数のセグメント800)の一つの層が一度に印刷されてもよい。幾つかの実施形態では、骨組み740の一部は、骨組み740の他の部分が層ごとに印刷される前に、層ごとに印刷されてもよい。例えば、アウトソール802を層ごとに印刷し、その後、複数のセグメント800を層ごとに印刷してもよいし、その逆でもよい。
【0146】
ここで説明するように、骨組み上の複数のセグメントは、アッパーの特定の部分にわたって様々な形状およびサイズをとることができる。セグメントの形状とサイズの以下の実施形態は、ここで説明する複数のセグメントのいずれにも適用することができる。例えば、
図22-
図34を参照して説明する実施形態は、セグメント400、600、または800のいずれか、あるいはセグメント400、600、または800のサブセットに適用することができる。さらに、
図22-
図34の実施形態間の相違は、セグメント400、600、または800の異なるサブセットにわたって適用されてもよい。例えば、
図22の実施形態をセグメント400の踵領域に適用してもよく、
図25の実施形態をセグメント400の中足領域に適用してもよい。
図22-
図34の実施形態の任意の組み合わせは、セグメント400、600、または800の任意の部分またはサブセットに組み込まれてもよい。
【0147】
図22は、セグメント400、600、または800の一実施形態を示している。セグメントは、セグメント高さHとセグメント幅Wを規定する一組のセグメント902を含んでもよい。セグメント高さHは、セグメントが印刷される外部表面(例えば、302、502、702)に垂直な方向にセグメントが延びる最大距離として定義される。図示した実施形態では、一組のセグメント902は、それぞれ断面が概ね三角形の形状を定め、ほぼ同じセグメント高さHとセグメント幅Wを画定する。ここで説明するように、骨組み内のセグメントのサイズを変えてアッパーの異なる部分でカスタマイズされた補強を提供してもよい。例えば、
図23に示されるように、セグメント400、600、または800は、それぞれが一組のセグメント902のセグメント高さHよりも小さく、一組のセグメント902とほぼ同じセグメント幅Wのセグメント高さHを規定する一組のセグメント904をさらに含むことができる。代替的または付加的に、セグメント400、600、または800は、
図24に示されるように、一組のセグメント902のセグメント幅Wよりも小さく、一組のセグメント902とほぼ同じセグメント高さHのセグメント幅Wを規定する一組のセグメント906をさらに含むことができる。代替的または追加的に、セグメント400、600、または800は、
図25に示されるように、一組のセグメント902のセグメント幅Wよりも小さいセグメント幅W、および一組のセグメント902よりも小さいセグメント高さHを規定する一組のセグメント908をさらに含むことができる。
【0148】
図26に目を向けると、セグメント400、600、または800は、高さが異なる一組のセグメント910を含んでもよい。例えば、一組のセグメント910は、外部表面(例えば、302、502、702)上の第1の位置に第1セグメント高さH1を有する第1セグメント912、外部表面上の第2の位置に第2セグメント高さH2を有する第2セグメント914、および外部表面上の第3の位置に第3セグメント高さH3を有する第3セグメント916を含むことができる。図示された実施形態では、第3セグメント高さH3は第2セグメント高さH2より大きく、第2セグメント高さH2は第1セグメント高さH1より大きい。他の実施形態では、
図27に示されるように、第2セグメント高さH2は、第1セグメント高さH1と第3セグメント高さH3よりも大きい。
【0149】
図28に目を向けると、セグメント400、600、または800は、幅が異なる一組のセグメント918を含んでもよい。例えば、一組のセグメント918、外部表面(例えば、302、502、702)上の第1の位置に第1セグメント幅W1を有する第1セグメント920、外部表面上の第2の位置に第2セグメント幅W2を有する第2セグメント922、および外部表面上の第3の位置に第3セグメント幅W3を有する第3セグメント924を含むことができる。図示された実施形態では、第3セグメント幅W3は第2セグメント幅W2よりも大きく、第2セグメント幅W2は第1セグメント幅W1よりも大きい。他の実施形態では、
図29に示されるように、第2セグメント幅W2は、第1セグメント幅W1と第3セグメント幅W3よりも大きい。幾つかの実施形態では、セグメント400、600、または800は、セグメント高さとセグメント幅の両方が異なるセグメントを含むことができる。
【0150】
幾つかの実施形態では、セグメント400、600、または800は、様々な形状のセグメントを含むことができる。例えば、
図30は、断面が概ね三角形の形状を画定する第1セグメント928と第3セグメント930、および断面が概ね丸い半円の形状を画定する第2セグメント932を含む一組のセグメント926を示している。セグメントの形状、高さ、および幅のバリエーションは、アッパーの特定の補強を達成するために任意の組み合わせで適用できることが理解されるべきである。例えば、高さと幅のバリエーションは、セグメントの任意の形状または構造(例えば、錐体形状、多角形状、円弧形状など)に適用することができる。
【0151】
ここに記載された実施形態のいずれも、異なる実施形態に関連して開示された構造または方法論のいずれかを含むように変更することができる。さらに、本開示は、具体的に示されたタイプの履物具に限定されない。さらに、ここに開示される実施形態のいずれかの履物具の態様は、任意のタイプの履物、アパレル、または他の運動用具と協働するように変更してもよい。
【0152】
前述したように、本開示を特定の実施形態と実施例に関連して説明してきたが、本開示は必ずしもそのように限定されるものではなく、多数の他の実施形態、実施例、使用、変更、ならびに実施形態、実施例、および使用からの逸脱が、ここに添付された特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが、当業者には理解されるであろう。ここにおいて引用される各特許および刊行物の開示全体は、あたかもそのような各特許または刊行物が参照により個別に本明細書に組み込まれるかのように、参照により組み込まれる。本発明の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載される。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本開示に対する多数の修正は、前述の説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。したがって、本明細書は、例示的なものとしてのみ解釈され、当業者が本発明を製造および使用できるようにする目的で提示される。添付の特許請求の範囲に含まれる全ての変更に対する排他的権利が留保される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニット材料で形成され、前方遠位端と後方遠位端を画定し、外部表面および内部空洞を
画定する内部表面を含むスリーブ、
前記内部空洞内に配置されるミッドソール、ならびに
前記外部表面の一部に層ごとに印刷される骨組みを備え、
前記骨組みは複数のセグメントおよびアウトソールを有し、前記アウトソールは前記外部表面の底部に配置され、前記複数のセグメントは前記前方遠位端と前記後方遠位端の間で前記スリーブの前記外部表面に沿って延在する、履物具。
【請求項2】
前記スリーブは、アッパー部とミッドソール部を画定する、請求項1に記載の履物具。
【請求項3】
前記ニット材料は、前記アッパー部にまたがる第1のニット材料、および前記ミッドソール部にまたがる第2のニット材料を含む、請求項2に記載の履物具。
【請求項4】
前記第2のニット材料は、少なくとも一部が透明であり、前記ミッドソールは、前記スリーブの前記ミッドソール部を介して外部から
少なくとも部分的に視認される、請求項3に記載の履物具。
【請求項5】
前記複数のセグメントは、第1組の線と第2組の線を含む、請求項1に記載の履物具。
【請求項6】
前記第1組の線は、互い
に平行であり、前記第2組の線は、互い
に平行である、請求項5に記載の履物具。
【請求項7】
前記第1組の線は、前記第2組の線と交差して十字パターンを形成する、請求項5に記載の履物具。
【請求項8】
前記複数のセグメントは、互いに整列し、前記スリーブに沿って踵-つま先方向に延在する、請求項1に記載の履物具。
【請求項9】
前記複数のセグメントの一部は、前記骨組みを介してレースを通すことができるよう、前記
スリーブに対して移動可動である、請求項1に記載の履物具。
【請求項10】
ニット材料で形成され、前方遠位端と後方遠位端を画定し、外部表面および内部空洞を画定する内部表面含むスリーブ、
前記内部空洞内に配置されるミッドソール、ならびに
前記外部表面の一部に層ごとに印刷される骨組みを備え、
前記骨組みは複数のセグメントおよびアウトソールを有し、前記アウトソールは前記外部表面の底部に配置され、前記複数のセグメントは前記前方遠位端と前記後方遠位端の間で前記スリーブの前記外部表面に沿って延在し、
前記スリーブは、前記ミッドソールの一部が視認される穴を有する、履物具。
【請求項11】
前記ミッドソールの前記一部は、前記スリーブに形成された前記穴を通して突出する、請求項10に記載の履物具。
【請求項12】
前記アウトソールは、前記スリーブに形成される前記穴の周囲に印刷される、請求項11に記載の履物具。
【請求項13】
前記複数のセグメントは、前記外部表面上の第1の位置に第1セグメント高さを有する第1セグメント、前記外部表面上の第2の位置に第2セグメント高さを有する第2セグメント、および前記外部表面上の第3の位置に第3セグメント高さを有する第3セグメントを含む、請求項10に記載の履物具。
【請求項14】
前記第2セグメント高さは、前記第1セグメント高さと前記第3セグメント高さよりも大きい、請求項13に記載の履物具。
【請求項15】
第1のニット材料で形成されるアッパー部、および第2のニット材料で形成されるミッドソール部を含むアッパー、
前記アッパーの内部空洞に配置されるミッドソール、
前記アッパー上に層ごとに印刷され、前記アッパーの外部の内側と前記アッパーの外部の外側を延在する複数の行セグメントと複数の列セグメントを含むマトリクスパターンを画定する骨組み、ならびに
前記アッパーのソール側に層ごとに印刷され、前記外部の内側と前記外部の外側において前記骨組みに接続されるアウトソールを含む、履物具。
【請求項16】
前記骨組みは、前記アウトソールと一体的に形成される、請求項15に記載の履物具。
【請求項17】
前記行セグメントの隣接する対の間で画定される行間隔は、同一である、請求項15に記載の履物具。
【請求項18】
前記行セグメントの隣接する対の間で画定される行間隔は、行間隔最小値から行間隔最大値まで変化する、請求項15に記載の履物具。
【請求項19】
前記列セグメントの隣接する対の間で画定される列間隔は、同一である、請求項15に記載の履物具。
【請求項20】
前記列セグメントの隣接する対の間で画定される列間隔は、列間隔最小値から列間隔最大値まで変化する、請求項15に記載の履物具。
【国際調査報告】