IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図1
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図2
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図3
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図4
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図5
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図6
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図7
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図8
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図9
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図10
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図11
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図12
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図13
  • 特表-磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240808BHJP
   F25D 25/00 20060101ALI20240808BHJP
   F25D 23/12 20060101ALI20240808BHJP
   A23B 4/06 20060101ALI20240808BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20240808BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F25D23/00 302Z
F25D25/00 E
F25D23/12 Z
A23B4/06 501L
A23L3/36 Z
B65D85/50 110
B65D85/50 150
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506846
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-24
(86)【国際出願番号】 CN2022107163
(87)【国際公開番号】W WO2023016228
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110919003.5
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】マー ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ シァォビン
(72)【発明者】
【氏名】リー モンチォン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ビン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ポン
(72)【発明者】
【氏名】ジー リーシォン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ユーニン
(72)【発明者】
【氏名】イー イャォ
(72)【発明者】
【氏名】ツァォ ズーリン
(72)【発明者】
【氏名】リー タオ
【テーマコード(参考)】
3E035
3L345
4B022
【Fターム(参考)】
3E035AA04
3E035AA05
3E035BA01
3E035BB10
3L345AA02
3L345AA30
3L345GG40
3L345KK02
3L345KK04
4B022LA06
4B022LB01
4B022LN10
4B022LP10
4B022LT06
(57)【要約】
磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫である。磁界鮮度保持貯蔵容器は、内部に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵アセンブリと、それぞれ貯蔵アセンブリの1組の対向する側面に配置された第1磁石部品および第2磁石部品からなり、第1磁石部品および第2磁石部品により貯蔵室に磁界を形成する磁石アセンブリと、第1磁石部品に対応して配置された第1磁気伝導性部品、第2磁石部品に対応して配置された第2磁気伝導性部品、および第1磁気伝導性部品と第2磁気伝導性部品との間に接続された磁気伝導性接続部材からなり、第1磁気伝導性部品、第2磁気伝導性部品、および磁気伝導性接続部材が貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性アセンブリと、を含む。貯蔵室内に、均一で貯蔵品質の向上要求を満たす強度を有する磁界が形成され、構造がコンパクトで、取付が容易であり、スマート冷蔵庫の使用ニーズを満たし、スマートホーム、スマートライフの品質に対するユーザの要求を満たす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵アセンブリと、
それぞれ前記貯蔵アセンブリの1組の対向する側面に配置された第1磁石部品および第2磁石部品からなり、前記第1磁石部品および前記第2磁石部品により前記貯蔵室に磁界を形成する磁石アセンブリと、
前記第1磁石部品に対応して配置された第1磁気伝導性部品、前記第2磁石部品に対応して配置された第2磁気伝導性部品、および前記第1磁気伝導性部品と前記第2磁気伝導性部品との間に接続された磁気伝導性接続部材からなり、前記第1磁気伝導性部品、前記第2磁気伝導性部品、および前記磁気伝導性接続部材が前記貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性アセンブリと、を含む、磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項2】
前記第1磁石部品および前記第2磁石部品はそれぞれ、前記貯蔵アセンブリに対応する側面の外側に配置された永久磁石板を含み、前記永久磁石板の形状は対応する側面の形状と同じであり、
前記第1磁気伝導性部品および前記第2磁気伝導性部品はそれぞれ磁気伝導性板を含み、前記磁気伝導性板はそれぞれ前記永久磁石板に対向して配置され、前記磁気伝導性接続部材は前記磁気伝導性板の縁部から前記貯蔵アセンブリの外側に沿って延びて他側の前記磁気伝導性板に接続される、請求項1に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項3】
前記貯蔵室の前記磁気伝導性板が所在する平面への投影は前記磁気伝導性板の範囲内にあり、前記永久磁石板の寸法は対向する前記磁気伝導性板の寸法以下である、請求項2に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項4】
前記第1磁石部品および前記第2磁石部品はそれぞれ電磁環状リングをさらに含み、前記電磁環状リングは前記永久磁石板と前記磁気伝導性板との間に配置され、または前記永久磁石板と貯蔵アセンブリに対応する側面との間に配置され、前記電磁環状リングの内部に周方向に沿って電磁コイルが環状に巻回され、前記電磁コイルが通電されることによって対応する永久磁石板の永久磁界に重畳する電磁界を発生させるために使用される、請求項3に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項5】
前記電磁環状リングの寸法は対向する前記永久磁石板の寸法以下であり、前記第1磁石部品の前記永久磁石板、前記磁気伝導性板、前記電磁環状リングの3つの中心が互いに対向し、前記第2磁石部品の前記永久磁石板、前記磁気伝導性板、前記電磁環状リングの3つの中心が互いに対向する、請求項4に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項6】
前記第1磁石部品は前記貯蔵アセンブリの頂壁に配置され、前記第2磁石部品は前記貯蔵アセンブリの底壁に配置され、前記第1磁石部品は前記第2磁石部品の寸法と実質的に同じである、請求項1~5のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項7】
前記第1磁石部品は前記第2磁石部品の磁界方向と同じであり、前記貯蔵室内の磁界方向は上から下へまたは下から上へである、請求項6に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項8】
前記磁気伝導性接続部材は、
前記第1磁石部品の横方向一側の中央部から前記貯蔵室の一側の側壁に沿って前記第2磁石部品の対応側の中央部にまで延びた第1接続セグメントと、
前記第1磁石部品の横方向他側の中央部から前記貯蔵室の他側の側壁に沿って前記第2磁石部品の他側の中央部にまで延びた第2接続セグメントと、を含み、
前記第1接続セグメントおよび前記第2接続セグメントは前後の奥行き方向に沿った幅は、前記磁気伝導性アセンブリの前後の奥行き方向に沿った長さの2分の1~10分の1である、請求項6に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項9】
前記貯蔵アセンブリは、
前方開口を有する筒体と、
前記筒体内に引き出し可能に配置され、内部に前記貯蔵室が形成される引き出しと、を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項10】
内部に貯蔵室が画定された庫体と、
前記貯蔵室の内部に配置された請求項1~9のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器と、を備える、冷蔵庫。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵冷凍装置に関し、特に、磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の貯蔵物の鮮度保持効果に対するユーザの注目も高まっており、肉類、魚、海老類の食材の場合、貯蔵過程で汁が失われ味が悪くなったり、色が黒ずんだりするという問題がある。特に、一部の高級食材は、一定の貯蔵時間が経過すると品質が大幅に低下する。
【0003】
貯蔵品質を向上させるために、先行技術では多くの改良方法が登場しているが、例えば急速冷凍を通じて食品の冷凍速度を向上させ、または食品を過度冷凍状態にし、このような方法は冷蔵庫の冷凍能力を高める必要があり、冷蔵庫のエネルギ消耗の増加につながる。したがって、より効果的に冷凍貯蔵品質を向上させることは冷蔵庫開発者にとって喫緊の技術課題となっている。
【0004】
理論的な研究によると、磁界は冷凍過程中の氷結晶の形成に大きな影響を与えることが判明した。冷蔵庫の分野でも、磁界を鮮度保持貯蔵に導入することが積極的に検討されているが、冷蔵庫に実用的に適用する場合、磁界補助鮮度保持の効果は満足できるものではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの目的は貯蔵品質を効果的に向上させる磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫を提供することである。
【0006】
本発明のもう1つの目的は部品コストを削減し、磁界鮮度保持貯蔵容器の冷蔵庫への取付応用を容易にすることである。
【0007】
特に、本発明は磁界鮮度保持貯蔵容器を提供し、それは、
内部に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵アセンブリと、
それぞれ貯蔵アセンブリの1組の対向する側面に配置された第1磁石部品および第2磁石部品からなり、第1磁石部品および第2磁石部品により貯蔵室に磁界を形成する磁石アセンブリと、
第1磁石部品に対応して配置された第1磁気伝導性部品、第2磁石部品に対応して配置された第2磁気伝導性部品、および第1磁気伝導性部品と第2磁気伝導性部品との間に接続された磁気伝導性接続部材からなり、第1磁気伝導性部品、第2磁気伝導性部品、および磁気伝導性接続部材が貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性アセンブリと、を含む。
【0008】
選択的に、第1磁石部品および第2磁石部品はそれぞれ、貯蔵アセンブリに対応する側面の外側に配置された永久磁石板を含み、永久磁石板の形状は対応する側面の形状と同じであり、
第1磁気伝導性部品および第2磁気伝導性部品はそれぞれ磁気伝導性板を含み、磁気伝導性板はそれぞれ永久磁石板に対向して配置され、磁気伝導性接続部材は磁気伝導性板の縁部から貯蔵アセンブリの外側に沿って延びて他側の磁気伝導性板に接続される。
【0009】
選択的に、貯蔵室の磁気伝導性板が所在する平面への投影は磁気伝導性板の範囲内にあり、永久磁石板の寸法は対向する磁気伝導性板の寸法以下である。
【0010】
選択的に、第1磁石部品および第2磁石部品はそれぞれ電磁環状リングをさらに含み、電磁環状リングは永久磁石板と磁気伝導性板との間に配置され、または永久磁石板と貯蔵アセンブリに対応する側面との間に配置され、電磁環状リングの内部に周方向に沿って電磁コイルが環状に巻回され、電磁コイルが通電されることによって対応する永久磁石板の永久磁界に重畳する電磁界を発生させるために使用される。
【0011】
選択的に、電磁環状リングの寸法は対向する永久磁石板の寸法以下であり、第1磁石部品の永久磁石板、磁気伝導性板、電磁環状リングの3つの中心が互いに対向し、第2磁石部品の永久磁石板、磁気伝導性板、電磁環状リングの3つの中心が互いに対向する。
【0012】
選択的に、第1磁石部品は貯蔵アセンブリの頂壁に配置され、第2磁石部品は貯蔵アセンブリの底壁に配置され、第1磁石部品は第2磁石部品の寸法と実質的に同じである。
【0013】
選択的に、第1磁石部品は第2磁石部品の磁界方向と同じであり、貯蔵室内の磁界方向は上から下へまたは下から上へである。
【0014】
選択的に、磁気伝導性接続部材は、
第1磁石部品の横方向一側の中央部から貯蔵室の一側の側壁に沿って第2磁石部品の対応側の中央部にまで延びた第1接続セグメントと、
第1磁石部品の横方向他側の中央部から貯蔵室の他側の側壁に沿って第2磁石部品の他側の中央部にまで延びた第2接続セグメントと、を含み、
第1接続セグメントおよび第2接続セグメントは前後の奥行き方向に沿った幅は、磁気伝導性アセンブリの前後の奥行き方向に沿った長さの2分の1~10分の1である。
【0015】
選択的に、貯蔵アセンブリは、
前方開口を有する筒体と、
筒体内に引き出し可能に配置され、内部に貯蔵室が形成される引き出しと、を含む。
【0016】
本発明のもう1つの側面によれば、冷蔵庫を提供し、それは、
内部に貯蔵室が画定された庫体と、
貯蔵室の内部に配置された上記のいずれか1つの磁界鮮度保持貯蔵容器と、を備える。
【0017】
本発明の磁界鮮度保持貯蔵容器で、磁石アセンブリにより貯蔵室内に磁界が形成される。磁界により、貯蔵品質の向上に寄与し、凍結時間を短縮させ、食品の汁損失率および栄養損失を減少させ、微生物および細菌数を減少させ、鮮度保持周期を延長することができる。磁気伝導性アセンブリは第1磁気伝導性部品、第2磁気伝導性部品、および磁気伝導性接続部材により貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成し、貯蔵室内で均一で貯蔵品質の要求を十分に満たす強度を有する磁界が形成される。
【0018】
さらに、本発明の磁界鮮度保持貯蔵容器では、第1磁石部品および第2磁石部品はそれぞれ永久磁石板を含み、永久磁石板の永久磁界を貯蔵室の基礎的な磁界として使用する。磁気伝導性板は永久磁石板に貼着によって配置され、永久磁石板の磁界を集約し、永久磁石板の磁界の外部へ漏れを回避し、貯蔵室の磁束密度を高め、磁界利用効率が向上する。
【0019】
さらに、本発明の磁界鮮度保持貯蔵容器では、電磁環状リングがさらに配置される。電磁環状リング内に巻回された電磁コイルが通電されることによって、対応する永久磁石板の永久磁界に重畳する電磁界を発生させ、電磁界と永久磁界の協働により、一方では貯蔵室内の磁束密度を高め、磁界がより均一に分布し、食材の鮮度をよりよく保持することができ、他方では電磁界を容易に調整できる特性を利用し、様々な磁界の適切な調整を実現し、異なる被貯蔵物の貯蔵要求を満たすことができる。
【0020】
またさらに、本発明の磁界鮮度保持貯蔵容器では、磁石アセンブリ、磁気伝導性アセンブリの構造を改良することにより、磁界鮮度保持貯蔵容器の構造をよりコンパクトにし、特に貯蔵ボックス、貯蔵引き出しのような構造に適し、比較的平坦な貯蔵室内で磁界鮮度保持を実現することができる。
【0021】
またさらに、本発明の冷蔵庫では、上記磁界鮮度保持貯蔵容器を備えることにより、食材が磁界環境下に貯蔵され、氷結晶の成長が抑制され、氷結晶の成長速度が水分子移動速度よりも高く、生成された氷結晶が小さいため、細胞への損傷が低減され、汁の損失が回避され、食材のより良い食感が確保され、冷凍貯蔵品質が向上し、貴重な食材の貯蔵品質に対するユーザの要求を満たすことができる。
【0022】
またさらに、本発明の冷蔵庫では、磁界により貯蔵品質が向上し、スマート冷蔵庫に新たな鮮度保持機能を提供し、スマート冷蔵庫に対するますます増加しているユーザの使用ニーズに応え、スマートホーム、スマートライフの品質に対するユーザの要求をさらに満たすことができる。
【0023】
以下の添付図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明することにより、本発明の上記およびその他の目的、利点および特徴は、当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明のいくつかの具体的な実施例を、添付図面を参照して例示的かつ限定的でない方法を用いて以下で詳細に説明する。添付図面における同一符号は同一または類似の部品または部分を示す。これらの添付図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを当業者は理解すべきである。
図1】本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器を備えた冷蔵庫の概略透視図である。
図2】本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
図3図2に示す磁界鮮度保持貯蔵容器の部品分解図である。
図4図2に示す磁界鮮度保持貯蔵容器中の磁石アセンブリと磁気伝導性アセンブリの協働の概略図である。
図5図2に示す磁界鮮度保持貯蔵容器の磁界方向の概略図である。
図6】別の実施例の磁界鮮度保持貯蔵容器の磁界方向の概略図である。
図7図6に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器中の磁石アセンブリと磁気伝導性アセンブリの協働の概略図である。
図8】本発明のさらに別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
図9図8に示す磁界鮮度保持貯蔵容器の部品分解図である。
図10図8に示す磁界鮮度保持貯蔵容器中の磁石アセンブリと磁気伝導性アセンブリの協働の概略図である。
図11図8に示す磁界鮮度保持貯蔵容器の磁界方向の概略図である。
図12】本発明の別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器の磁界方向の概略図である。
図13図12に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器中の磁石アセンブリと磁気伝導性アセンブリの協働の概略図である。
図14】本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器を備えた冷蔵庫の制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の冷蔵庫10の概略透視図である。本実施例の冷蔵庫10は一般に庫体120、扉本体110、および冷凍システム(図には図示せず)を備える。庫体120内に少なくとも1つ(通常、複数)の前方に開放された貯蔵室、例えば冷蔵貯蔵室、冷凍貯蔵室、温度可変貯蔵室などが画定されている。具体的な貯蔵室の数および機能は予設のニーズに応じて設定されてもよい。
【0026】
本実施例の冷蔵庫10は空冷式冷蔵庫であってもよく、庫体120内に送風システムが備えられ、送風機を用いて熱交換器(蒸発器)によって熱交換を経った冷気を送風口から貯蔵室に送り、還気口から送風ダクトに戻って冷凍を実現する。このような冷蔵庫の庫体120、扉本体110、冷凍システム自体はいずれも周知であり、当業者であれば容易に実現可能であるため、本願発明のポイントを曖昧にし、ぼやけさせないために、以下では、庫体120、扉本体110、冷凍システム自体の詳細な説明は省略される。
【0027】
冷蔵庫10の1つまたは複数の貯蔵室の内部には磁界鮮度保持貯蔵容器200が配置されてもよい。磁界鮮度保持貯蔵容器200が冷凍貯蔵室に載置されると、冷凍食材を冷凍して鮮度保持し、氷結晶成長を抑制し、氷結晶成長速度が水分子移動速度よりも高く、生成された氷結晶が小さく、細胞への損傷を低減し、汁の損失が回避され、冷凍過程を加速し、凍結時間を短縮する。磁界鮮度保持貯蔵容器200が冷蔵貯蔵室に置かれると、食材の酸化還元反応速度を低下させ、栄養や水分の損失を抑え、食材の変色を止め、細菌の繁殖を抑制し、食材鮮度保持期を延長することができる。磁界鮮度保持貯蔵容器200は冷蔵貯蔵室、冷凍貯蔵室、温度可変貯蔵室に配置され、上記貯蔵室内において磁界により鮮度保持を補助してもよく、冷蔵庫10の1つの独立室としてもよい。
【0028】
磁界鮮度保持貯蔵容器200の数および配置される貯蔵室は、ユーザニーズに応じて設定される。例えば、冷蔵庫10内に1つまたは複数の磁界鮮度保持貯蔵容器200が配置される。
【0029】
磁界鮮度保持貯蔵容器200は一般に貯蔵アセンブリ210、磁石アセンブリ220、磁気伝導性アセンブリ230を含んでもよい。貯蔵アセンブリ210内に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定されている。貯蔵アセンブリ210は箱状であってもよい。いくつかの実施例において貯蔵アセンブリ210は全体として平坦な矩形形状であってもよい(すなわち高さ方向に沿った距離が奥行き方向に沿った距離および左右横方向に沿った距離よりも著しく小さい)。貯蔵アセンブリ210は引き出し構造であってもよい。すなわち、貯蔵アセンブリ210は筒体および引き出しを含んでもよい。ここで、筒体は前方開口を有する。引き出しは筒体内に引き出し可能に配置される。引き出しが引き出された後に貯蔵室が露出し、被貯蔵物のアクセスが実現される。引き出しが筒体に押し込まれた後に、独立した密閉空間を形成する。
【0030】
図2は、本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。図3は、図2に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200の部品分解図である。図4は、図2に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200における磁石アセンブリ220と磁気伝導性アセンブリ230の協働の概略図である。
【0031】
磁石アセンブリ220は磁界の発生源として機能する。磁石アセンブリ220はそれぞれ貯蔵アセンブリ210の1組の対向する側面に配置された第1磁石部品221および第2磁石部品222からなり、第1磁石部品221および第2磁石部品222により貯蔵室に磁界を形成する。第1磁石部品221および第2磁石部品222が所在する対向する側面は、貯蔵アセンブリ210の自体の形状および冷蔵庫10内の位置に応じて選択され、例えば貯蔵アセンブリ210の横方向両側、頂底両側、または前後両側に配置されるように選択されてもよい。第1磁石部品221および第2磁石部品222の磁極方向はすべて貯蔵室に向く。
【0032】
貯蔵アセンブリ210は全体として平坦形状であり、特に貯蔵アセンブリ210が引き出しの形態である場合、第1磁石部品221および第2磁石部品222は貯蔵アセンブリ210の頂底両側に優先的に配置される。第1磁石部品221は貯蔵アセンブリ210の頂壁に配置され、第2磁石部品222は貯蔵アセンブリ210の底壁に配置され、磁界は上から下へまたは下から上へ貯蔵室を貫通する。このような配置構造により、第1磁石部品221と第2磁石部品222の距離が小さくなり、磁界の強度および均一性が向上する。
【0033】
第1磁石部品221は第2磁石部品222と実質的に同じ構造および寸法を有し、第1磁石部品221および第2磁石部品222の位置は所在する側面の構造に応じて設定される。一般的に、第1磁石部品221および第2磁石部品222は、それぞれが所在する側面の中心に対向する。
【0034】
第1磁石部品221および第2磁石部品222はそれぞれ永久磁石板を含む。永久磁石板は貯蔵アセンブリ210に対応する側面外側に配置され、永久磁石板の形状は対応する側面の形状と同じである。例えば、貯蔵アセンブリ210が矩形形状である場合、永久磁石板は貯蔵アセンブリ210の対応側面に対応する矩形であってもよい。例えば、第1磁石部品221が貯蔵アセンブリ210の頂壁に配置され、第2磁石部品222が貯蔵アセンブリ210の底壁に配置される実施例では、第1磁石部品221の永久磁石板は貯蔵アセンブリ210の頂壁形状と同じであり、第2磁石部品222の永久磁石板は貯蔵アセンブリ210の底壁形状と同じであってもよい。
【0035】
永久磁石板は、貯蔵室の全ての位置に均一な磁界が形成されることを保証する。すなわち、貯蔵室が死角なく磁界範囲内にある。
【0036】
磁気伝導性アセンブリ230は、第1磁気伝導性部品231、第2磁気伝導性部品232、および磁気伝導性接続部材233からなる。第1磁気伝導性部品231は第1磁石部品221に対応して配置される。第2磁気伝導性部品232は第2磁石部品222に対応して配置される。磁気伝導性接続部材233は第1磁気伝導性部品231と第2磁気伝導性部品232との間に接続される。第1磁気伝導性部品231、第2磁気伝導性部品232、および磁気伝導性接続部材233は貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する。
【0037】
磁気伝導性アセンブリ230は保磁力が低く透磁率の高い材質からなり、形成された磁気伝導性通路は磁界を集約し、外部への磁界放出を減少させ、貯蔵アセンブリ210の外側の他の部品への干渉を減少させる(例えば他の部品などの着磁を回避する)。磁気伝導性アセンブリ230は珪素鋼板または類似の材料からなる。
【0038】
第1磁気伝導性部品231および第2磁気伝導性部品232はそれぞれ磁気伝導性板を含む。すなわち、第1磁気伝導性部品231および第2磁気伝導性部品232はそれぞれ磁気伝導性板の板状構造である。磁気伝導性板はそれぞれ永久磁石板に対応して配置され、磁気伝導性接続部材233は磁気伝導性板の縁部から貯蔵アセンブリ210の外側に沿って延びて他側の磁気伝導性板に接続される。例えば第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は、第1磁石部品221の永久磁石板に貼着によって配置され、第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板は第2磁石部品222の永久磁石板に貼着によって配置される。磁気伝導性アセンブリ230は一体的に成形されてもよい。すなわち第1磁気伝導性部品231、第2磁気伝導性部品232、および磁気伝導性接続部材233は一体的に成形される。別のいくつかの実施例では、第1磁気伝導性部品231、第2磁気伝導性部品232、および磁気伝導性接続部材233も溶接、接着によって固定され得る。
【0039】
第1磁石部品221が貯蔵アセンブリ210の頂壁に配置され、第2磁石部品222が貯蔵アセンブリ210の底壁に配置される実施例では、第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は第1磁石部品221の永久磁石板の上方に配置され、第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板は第2磁石部品222の永久磁石板の下方に配置される。
【0040】
貯蔵室の磁気伝導性板が所在する平面への投影は磁気伝導性板の範囲内にあり、永久磁石板の寸法は対向する磁気伝導性板の寸法以下である。すなわち、磁気伝導性板は貯蔵アセンブリ210の対応側面と等しく、またはわずかに大きい。第1磁石部品221は貯蔵アセンブリ210の頂壁に配置され、第2磁石部品222は貯蔵アセンブリ210の底壁に配置される実施例では、第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は貯蔵室の上面を覆い、第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板は貯蔵室の底面を覆う。
【0041】
永久磁石板の寸法は対応する磁気伝導性板よりも小さく、磁気伝導性板の中心と一致してもよい。磁気伝導性板は永久磁石板の磁界を集約してさらに均一にする。
【0042】
磁気伝導性接続部材233は、第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板および第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板を接続させるために使用され、磁気伝導性接続部材233の寸法の大きさは磁界の状態に応じて設定される。磁気伝導性接続部材233は細長い形状であってもよく、それぞれ磁気伝導性板一側の中央部に接続される。
【0043】
磁気伝導性接続部材233は、第1接続セグメント235、第2接続セグメント236を含んでもよい。第1接続セグメント235は第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板および第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板の一側を接続させ、第2接続セグメント236は第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板および第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板の他側を接続させる。断面視の場合、第1磁気伝導性部品231、第2磁気伝導性部品232、および磁気伝導性接続部材233は、貯蔵アセンブリ210の外周にある環状リングを形成する。
【0044】
第1磁石部品221および第2磁石部品222がそれぞれ貯蔵アセンブリ210の頂壁、底壁に配置される実施例では、第1接続セグメント235は第1磁石部品221の横方向一側(例えば右側)の中央部から貯蔵室の一側の側壁に沿って第2磁石部品222の対応側(例えば右側)の中央部にまで延び、第2接続セグメント236は第1磁石部品221の横方向他側(例えば左側)の中央部から貯蔵室の他側の側壁に沿って第2磁石部品222の他側(例えば左側)の中央部にまで延びている。
【0045】
磁気伝導性接続部材233は帯状であってもよく、第1接続セグメント235および第2接続セグメント236は前後の奥行き方向に沿った幅は、磁気伝導性アセンブリ230の前後の奥行き方向に沿った長さの2分の1~10分の1である。すなわち、磁気伝導性接続部材233は貯蔵アセンブリ210の前後方向の中央部位置に配置される。
【0046】
上記磁気伝導性アセンブリ230の構造により、磁界強度要求を満たしつつ、磁気伝導性材料および磁性部品の使用を減少させ、磁界鮮度保持貯蔵容器200のコストを削減し、磁界鮮度保持貯蔵容器200および冷蔵庫10全体の重量を減らすことができる。磁界の強度範囲は1Gs~100Gsであり、冷凍環境に適用される場合、磁界強度範囲は好ましくは5~60GSであり、例えば約20Gsであり、冷蔵環境に適用される場合、磁界強度範囲は20~160GSであり、好ましくは40~80GSであり、例えば約60Gsである。
【0047】
図5は、図2に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200の磁界方向の概略図である。第1磁石部品221は第2磁石部品222の磁界方向と同じであり、貯蔵室内で均一な磁界が形成される。すなわち、第1磁石部品221と第2磁石部品222の永久磁石板のN極は一方向を向き、S極はすべて逆方向を向く。第1磁石部品221および第2磁石部品222はそれぞれ貯蔵アセンブリ210の頂壁、底壁に配置される実施例では、貯蔵室内の磁界方向は上から下へまたは下から上へであってもよい。図5に示す磁界方向は下から上へであり、同様の技術思想に基づいて、磁極方向を調整することにより逆方向の磁界を実現すること、すなわち上から下への磁界を実現することは、当業者にとって容易である。
【0048】
上記永久磁石板によって形成された永久磁界は静磁界であり、貯蔵室内を常に一定の強度の磁界にすることができる。
【0049】
上記の上下に配置された第1磁石部品221および第2磁石部品222の説明に基づいて、他の形状の貯蔵アセンブリ210で第1磁石部品221および第2磁石部品222の左右配置、または前後配置を実現することは、当業者にとって容易である。
【0050】
図6は、別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の磁界方向の概略図であり、図7図6に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器200中の磁石アセンブリ220と磁気伝導性アセンブリ230の協働の概略図である。本実施例では、第1磁石部品221および第2磁石部品222は左右に配置され、第1磁石部品221(図6図7では遮蔽され、図示されない)は貯蔵アセンブリ210の右側に配置され、第2磁石部品222は貯蔵アセンブリ210の左側に配置される。対応的に、第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は第1磁石部品221の右側に位置し、第2磁気伝導性部品232は第2磁石部品222の左側に位置する。磁気伝導性接続部材233は貯蔵アセンブリ210の頂部中央および底部中央から第1磁気伝導性部品231および第2磁気伝導性部品232に接続される。図6に示す磁界方向は右から左へであり、同様の技術思想に基づいて、磁極方向を調整することにより逆方向の磁界を実現すること、すなわち左から右への磁界を実現することは、当業者にとって容易である。
【0051】
同様に、第1磁石部品221および第2磁石部品222の前後配置の実施例を実現することは、当業者にとって容易である。
【0052】
磁界強度をさらに高め磁界を調整可能にするために、本実施例では、永久磁界と連動して電磁界を発生させる磁界鮮度保持貯蔵容器200をさらに提供する。
【0053】
図8は本発明のさらに別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。図9図8に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200の部品分解図である。図10図8に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200中の磁石アセンブリ220と磁気伝導性アセンブリ230の協働の概略図である。
【0054】
本実施例では、第1磁石部品221および第2磁石部品222としては永久磁石板223に加えて、電磁環状リング224が追加されている。永久磁石板223は依然として貯蔵アセンブリ210に対応する側面外側に配置され、永久磁石板223の形状は対応する側面の形状と同じである。
【0055】
第1磁気伝導性部品231および第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板はそれぞれ永久磁石板223に対向して配置され、磁気伝導性接続部材233は磁気伝導性板の縁部から貯蔵アセンブリ210の外側に沿って延びて他側の磁気伝導性板に接続される。
【0056】
貯蔵室の磁気伝導性板が所在する平面への投影は磁気伝導性板の範囲内にあり、永久磁石板223の寸法は対向する磁気伝導性板の寸法以下である。すなわち、磁気伝導性板は貯蔵アセンブリ210の対応側面と等しく、またはわずかに大きい。第1磁石部品221が貯蔵アセンブリ210の頂壁に配置され、第2磁石部品222が貯蔵アセンブリ210の底壁に配置される実施例では、第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は貯蔵室の上面を覆うことができ、第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板は貯蔵室の底面を覆うことができる。
【0057】
永久磁石板223の寸法は対応する磁気伝導性板よりも小さく、磁気伝導性板の中心と一致している。すなわち永久磁石板223は磁気伝導性板の中央領域に貼着によって配置される。磁気伝導性板は永久磁石板223の磁界を集約してさらに均一にすることができる。
【0058】
第1磁石部品221および第2磁石部品222はそれぞれ電磁環状リング224をさらに含む。電磁環状リング224は永久磁石板223と磁気伝導性板との間に配置され、または永久磁石板223と貯蔵アセンブリの対応する側面との間に配置されてもよい。電磁環状リング224内で周方向に沿って電磁コイルが環状に巻回される。電磁コイルが通電されることによって、対応する永久磁石板223の永久磁界に重畳する電磁界を発生させるために使用される。
【0059】
電磁環状リング224の外周輪郭は永久磁石板223の輪郭と実質的に同じ、または永久磁石板223よりもわずかに小さい。すなわち、前記電磁環状リング224の寸法は対向する永久磁石板223の寸法以下である。
【0060】
永久磁石板223、磁気伝導性板、電磁環状リング224の3つの中心が互いに対向している。すなわち、磁気伝導性板は磁気伝導性板、電磁環状リング224を覆うことができ、貯蔵室内の磁界被覆空間が拡大され、貯蔵室内の磁界がより均一にする。
【0061】
電磁環状リング224内の電磁コイルのターン数は所望の磁界強度に応じて設定される。電磁環状リング224によって形成された電磁界の方向は永久磁石板223の永久磁界の方向と同じであってもよい。本実施例では、磁気伝導性板は電磁界を集約し、貯蔵室中の磁界の均一性を向上させることもできる。
【0062】
電磁コイルの制御により、電磁界は必要に応じて、磁界方向および/または磁界強度が一定の静磁界、磁界方向および/または磁界強度が交互に変化する交番磁界、間隔を置いて活性化するパルス磁界であってもよい。上記磁界調整は、電磁コイルに通る電流を調整することによって実現され得る。いくつかの実施例では、電磁界は貯蔵室内の貯蔵環境および被貯蔵物の貯蔵状態に応じて調整可能である。電磁界が起動しない場合、永久磁石板223の永久磁界を利用して基本的な磁界強度を維持する。
【0063】
以下、貯蔵アセンブリ210が平坦形状の引き出し構造である場合を例にして、上下に配置された第1磁石部品221および第2磁石部品222の構造を説明する。これに基づいて、第1磁石部品221および第2磁石部品222の左右配置、または前後配置の構造を実現することは、当業者にとって容易である。
【0064】
第1磁石部品221は貯蔵アセンブリ210の頂壁に配置され、第2磁石部品222は貯蔵アセンブリ210の底壁に配置され、実質的に同じ構造および寸法を有する。第1磁石部品221の永久磁石板223は貯蔵アセンブリ210の頂壁形状と同じであり、第2磁石部品222の永久磁石板223は貯蔵アセンブリ210の底壁形状と同じであってもよい。磁気伝導性板の寸法は貯蔵アセンブリ210の対応側面の寸法と実質的に同じであってもよい。
【0065】
第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は第1磁石部品221の永久磁石板223の上方に配置され、第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板は第2磁石部品222の永久磁石板223の下方に配置される。磁気伝導性板の寸法は永久磁石板223の寸法以上であり、永久磁石板223の中央領域に貼着によって配置されている。
【0066】
第1磁石部品221の電磁環状リング224は第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板と永久磁石板223間、または永久磁石板223と貯蔵アセンブリ210の頂壁間に介在されてもよく、第2磁石部品222の電磁環状リング224は、第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板と永久磁石板223間、または永久磁石板223と貯蔵アセンブリ210の底壁間に介在されてもよい。第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は、第1磁石部品221の電磁環状リング224の磁界を分散して均一にすることができ、第2磁気伝導性部品232の磁気伝導性板は、第2磁石部品222の電磁環状リング224の磁界を分散して均一にすることができ、貯蔵室の内部で均一な磁界が形成される。
【0067】
第1接続セグメント235は第1磁石部品221の横方向一側(例えば右側)の中央部から貯蔵室の一側の側壁に沿って第2磁石部品222の対応側(例えば右側)の中央部にまで延び、第2接続セグメント236は第1磁石部品221の横方向他側(例えば左側)の中央部から貯蔵室の他側の側壁に沿って第2磁石部品222の他側(例えば左側)の中央部にまで延びている。
【0068】
第1接続セグメント235および第2接続セグメント236は磁気伝導性板の側端面の中央から貯蔵アセンブリ210の外側に沿って延びている。
【0069】
磁気伝導性接続部材233は帯状であってもよく、その寸法は磁気伝導性通路を形成する要求を満足すればよく、磁気伝導性材料の使用を節約し、コストを削減する同時に重量を減らすことができる。
【0070】
電磁界の方向は永久磁界の方向と同じであり、磁界の相互重畳を実現し、磁界強度を向上させる。図11図8に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200の磁界方向の概略図である。第1磁石部品221および第2磁石部品222の電磁界および永久磁界の磁界方向はすべて同じであり、貯蔵室内で均一な磁界が形成される。貯蔵室内の磁界方向は上から下へまたは下から上へであってもよい。図11に示す磁界方向は下から上へであり、同様の技術思想に基づいて、逆方向の磁界、すなわち上から下への磁界を実現することは、当業者にとって容易である。
【0071】
磁気伝導性アセンブリ230は磁界の均一性を高める一方で、貯蔵室外側の磁界を案内し、磁界の貯蔵アセンブリ210以外の他の部品への影響を低減する。
【0072】
永久磁石板223、磁気伝導性板、電磁環状リング224、磁気伝導性接続部材233の協働構造を最適化して改良することにより、構造をよりコンパクトにし、占有空間を減少させ、貯蔵アセンブリ210への組立を容易にし、冷蔵庫10内での使用に便利である。
【0073】
図12は別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の磁界方向の概略図であり、図13図12に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器200中の磁石アセンブリ220と磁気伝導性アセンブリ230の協働の概略図である。本実施例では、第1磁石部品221および第2磁石部品222は左右に配置され、第1磁石部品221および第2磁石部品222はそれぞれ電磁環状リング224および永久磁石板223を含む。第1磁石部品221(図12図13では遮蔽され、図示されない)は貯蔵アセンブリ210の右側に配置され、第2磁石部品222は貯蔵アセンブリ210の左側に配置される。対応的に、第1磁気伝導性部品231の磁気伝導性板は第1磁石部品221の右側に位置し、第2磁気伝導性部品232は第2磁石部品222の左側に位置する。磁気伝導性接続部材233は貯蔵アセンブリ210の頂部中央および底部中央から第1磁気伝導性部品231および第2磁気伝導性部品232に接続される。図12に示す磁界方向は右から左へであり、同様の技術思想に基づいて、磁極方向を調整することにより逆方向の磁界を実現すること、すなわち左から右への磁界を実現することは、当業者にとって容易である。
【0074】
同様に、第1磁石部品221および第2磁石部品222の前後配置の実施例を実現することは、当業者にとって容易である。
【0075】
図14は、本発明の一実施例による具有磁界鮮度保持貯蔵容器200の冷蔵庫10の制御システムのブロック図である。本実施例の冷蔵庫10では、磁界制御と冷凍制御を組み合わせて、食品が磁界環境で凍結され、鮮度保持冷凍の効果を実現することができる。
【0076】
冷蔵庫10は、貯蔵温度センサ330、開閉検出器340、冷凍コントローラ310の1つまたは複数をさらに備えてもよい。貯蔵温度センサ330は貯蔵室内の貯蔵温度を検出し、開閉検出器340は貯蔵室の開閉状態を検出するために使用される。
【0077】
開閉検出器340は貯蔵室が開かれたと検出した後、貯蔵温度センサ330により新たな食材が投入されたか、または元の食材を再凍結する必要があるかどうかを検出する。冷凍過程で、電磁環状リング224と冷凍システム320とが協働して、磁界により冷凍を補助し、食材の冷凍鮮度保持効果を向上させる。
【0078】
コントローラ310は電磁環状リング224および冷凍システム320を制御し、対応する冷凍および磁界制御を実現するために使用される。様々なセンサ(貯蔵温度センサ330、開閉検出器340を含む)は上記制御に検出手段を提供し、制御方法の制御ニーズを満たすことができる。
【0079】
コントローラ310は、貯蔵室の温度および冷蔵庫10の動作状態に応じて、電磁環状リング224が電磁界、例えば磁界方向および/または磁界強度が一定の静磁界、磁界方向および/または磁界強度が交互に変化する交番磁界、間隔を置いて活性化するパルス磁界を発生するように制御するように構成されてもよい。磁界が被貯蔵物の特定貯蔵段階においてより有用であるため、コントローラ310はより強い磁界が必要である場合、電磁界を起動してもよく、通常の貯蔵の場合、永久磁界を用いて基本的な磁界強度を維持してもよい。
【0080】
例えば、磁界により冷凍貯蔵を補助する場合、コントローラ310は、貯蔵室に新たな被貯蔵物が投入され、貯蔵温度が設定された温度閾値範囲内にあるとき、電磁界を起動するように構成されてもよい。上記温度閾値範囲は、凍結過程中の結晶化時の温度に応じて設定されてもよく、結晶化の過程で磁界強度を高めるようにしてもよい。または、通常の貯蔵過程で、永久磁界が一定の磁界強度に保持され、電磁界を周期的に起動し、被貯蔵物に対して強化磁界処理を行ってもよい。上記制御方法により、被貯蔵物が強い磁界環境で凍結され、氷結晶成長を抑制し、細胞への損傷を回避し、汁の損失を回避し、食材のより良く食感を保証し、冷凍貯蔵品質が向上し、貴重な食材の貯蔵品質に対するユーザの要求を満たすことができる。
【0081】
ここまで、本明細書で本発明の複数の例示的な実施例を網羅的かつ詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の開示内容に基づいて、本発明の原理に適合する他の多くの変形または修正を直接に決定または推論することができることが、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲はそれらのすべての変形または修正をカバーすることを意図していることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵アセンブリと、
それぞれ前記貯蔵アセンブリの1組の対向する側面に配置された第1磁石部品および第2磁石部品からなり、前記第1磁石部品および前記第2磁石部品により前記貯蔵室に磁界を形成する磁石アセンブリと、
前記第1磁石部品に対応して配置された第1磁気伝導性部品、前記第2磁石部品に対応して配置された第2磁気伝導性部品、および前記第1磁気伝導性部品と前記第2磁気伝導性部品との間に接続された磁気伝導性接続部材からなり、前記第1磁気伝導性部品、前記第2磁気伝導性部品、および前記磁気伝導性接続部材が前記貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性アセンブリと、を含む、磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項2】
前記第1磁石部品および前記第2磁石部品はそれぞれ、前記貯蔵アセンブリに対応する側面の外側に配置された永久磁石板を含み、前記永久磁石板の形状は対応する側面の形状と同じであり、
前記第1磁気伝導性部品および前記第2磁気伝導性部品はそれぞれ磁気伝導性板を含み、前記磁気伝導性板はそれぞれ前記永久磁石板に対向して配置され、前記磁気伝導性接続部材は前記磁気伝導性板の縁部から前記貯蔵アセンブリの外側に沿って延びて他側の前記磁気伝導性板に接続される、請求項1に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項3】
前記貯蔵室の前記磁気伝導性板が所在する平面への投影は前記磁気伝導性板の範囲内にあり、前記永久磁石板の寸法は対向する前記磁気伝導性板の寸法以下である、請求項2に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項4】
前記第1磁石部品および前記第2磁石部品はそれぞれ電磁環状リングをさらに含み、前記電磁環状リングは前記永久磁石板と前記磁気伝導性板との間に配置され、または前記永久磁石板と貯蔵アセンブリに対応する側面との間に配置され、前記電磁環状リングの内部に周方向に沿って電磁コイルが環状に巻回され、前記電磁コイルが通電されることによって対応する永久磁石板の永久磁界に重畳する電磁界を発生させるために使用される、請求項3に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項5】
前記電磁環状リングの寸法は対向する前記永久磁石板の寸法以下であり、前記第1磁石部品の前記永久磁石板、前記磁気伝導性板、前記電磁環状リングの3つの中心が互いに対向し、前記第2磁石部品の前記永久磁石板、前記磁気伝導性板、前記電磁環状リングの3つの中心が互いに対向する、請求項4に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項6】
前記第1磁石部品は前記貯蔵アセンブリの頂壁に配置され、前記第2磁石部品は前記貯蔵アセンブリの底壁に配置され、前記第1磁石部品は前記第2磁石部品の寸法と実質的に同じである、請求項1~5のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項7】
前記第1磁石部品は前記第2磁石部品の磁界方向と同じであり、前記貯蔵室内の磁界方向は上から下へまたは下から上へである、請求項6に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項8】
前記磁気伝導性接続部材は、
前記第1磁石部品の横方向一側の中央部から前記貯蔵室の一側の側壁に沿って前記第2磁石部品の対応側の中央部にまで延びた第1接続セグメントと、
前記第1磁石部品の横方向他側の中央部から前記貯蔵室の他側の側壁に沿って前記第2磁石部品の他側の中央部にまで延びた第2接続セグメントと、を含み、
前記第1接続セグメントおよび前記第2接続セグメントは前後の奥行き方向に沿った幅は、前記磁気伝導性アセンブリの前後の奥行き方向に沿った長さの2分の1~10分の1である、請求項6に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項9】
前記貯蔵アセンブリは、
前方開口を有する筒体と、
前記筒体内に引き出し可能に配置され、内部に前記貯蔵室が形成される引き出しと、を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項10】
内部に貯蔵室が画定された庫体と、
前記貯蔵室の内部に配置された請求項1~のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器と、を備える、冷蔵庫。
【国際調査報告】