(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240808BHJP
F25D 23/12 20060101ALI20240808BHJP
F25D 25/00 20060101ALI20240808BHJP
A23B 4/06 20060101ALI20240808BHJP
A23L 3/36 20060101ALI20240808BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F25D23/00 302Z
F25D23/12 Z
F25D25/00 E
A23B4/06 501L
A23L3/36 Z
B65D85/50 110
B65D85/50 150
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506847
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-24
(86)【国際出願番号】 CN2022107161
(87)【国際公開番号】W WO2023016226
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110920436.2
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ イェンフォン
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ シァォビン
(72)【発明者】
【氏名】リー モンチォン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ビン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ユーニン
(72)【発明者】
【氏名】イー イャォ
(72)【発明者】
【氏名】ジー リーシォン
(72)【発明者】
【氏名】ツァォ ズーリン
(72)【発明者】
【氏名】リー タオ
【テーマコード(参考)】
3E035
3L345
4B022
【Fターム(参考)】
3E035AA04
3E035AA05
3E035BA01
3E035BB10
3L345AA02
3L345AA30
3L345GG40
3L345KK02
3L345KK04
4B022LA06
4B022LB01
4B022LN10
4B022LP10
4B022LT06
(57)【要約】
磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫である。磁界鮮度保持貯蔵容器は、被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵ボックスと、磁気伝導性材料からなり、それぞれ貯蔵ボックスの対向する1組の側壁に対応して配置された2つの均一磁性板と、2組の電磁アセンブリであって、各組の電磁アセンブリが均一磁性板に対応して配置され、通電されると電磁界が形成され、均一磁性板により電磁界の磁界分布が変更され、電磁界が貯蔵室内でより均一に分布する2組の電磁アセンブリと、を含む。より均一な磁界により、被貯蔵物が一様な貯蔵品質を有する。同時に、均一磁性板は磁性材料の使用量を節約することができる。冷蔵庫は新たな鮮度保持機能を提供し、スマート冷蔵庫に対するますます増加しているユーザの使用ニーズに応え、スマートホーム、スマートライフの品質に対するユーザの要求をさらに満たすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵ボックスと、
磁気伝導性材料からなり、それぞれ前記貯蔵ボックスの対向する1組の側壁に対応して配置された2つの均一磁性板と、
2組の電磁アセンブリであって、各組の前記電磁アセンブリは均一磁性板に対応して配置され、通電されると電磁界が形成され、前記均一磁性板により電磁界の磁界分布が変更され、前記電磁界が前記貯蔵室内でより均一に分布する2組の電磁アセンブリと、を含む、磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項2】
各前記均一磁性板の前記貯蔵ボックスに面する側に1つまたは複数のタブが設けられ、
各組の前記電磁アセンブリは1つまたは複数の電磁環状リングを含み、各電磁環状リングは前記タブに嵌合され、その内部に軸線に電磁コイルが環状に巻回される、請求項1に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項3】
前記均一磁性板の形状は所在する貯蔵ボックスの側壁形状に適合され、貯蔵室の均一磁性板が所在する平面への投影は均一磁性板の外周輪郭範囲内に位置する、請求項2に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項4】
各前記均一磁性板上に1つの前記タブが設けられ、前記タブは前記均一磁性板の中央領域に位置し、前記タブに嵌合された電磁環状リングの中心は前記均一磁性板の中心に実質的に対向する、請求項3に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項5】
各前記均一磁性板上に複数の前記タブが間隔を置いて設けられ、各前記タブ上に1つの前記電磁環状リングが嵌合される、請求項2に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項6】
各前記均一磁性板が所在する貯蔵ボックスの側壁の一部の領域を覆い、その中心が前記側壁の中心に対向し、所在する前記貯蔵ボックスに面する側に突出部が設けられ、
各組の電磁アセンブリは電磁環状リングを含み、前記電磁環状リングの内周壁の一部セグメントは前記突出部に当接される、請求項1に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項7】
前記2つの均一磁性板の両側に接続され、前記2つの均一磁性板とともに前記貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性接続ストリップをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項8】
前方開口を有する筒体を含み、
前記貯蔵ボックスは引き出しであり、前記筒体内に引き出し可能に配置され、前記2つの均一磁性板はそれぞれ前記貯蔵ボックスの頂部および底部に配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項9】
前記均一磁性板は前記筒体の外側または内側に配置され、前記電磁アセンブリと前記貯蔵室内の被貯蔵物の載置領域との最小間隔は1mmを超える、請求項8に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項10】
内部に貯蔵室が画定された庫体と、
前記貯蔵室の内部に配置された請求項1~9のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器と、を備える、冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵冷凍装置に関し、特に、磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の貯蔵物の鮮度保持効果に対するユーザの注目も高まっており、肉類、魚、海老類の食材の場合、貯蔵過程で汁が失われ味が悪くなったり、色が黒ずんだりするという問題がある。特に、一部の高級食材は、一定の貯蔵時間が経過すると品質が大幅に低下する。
【0003】
貯蔵品質を向上させるために、先行技術では多くの改良方法が登場しているが、鮮度保持貯蔵効果が理想的ではなく、実現コストが高く、家庭用冷蔵庫に適用することは困難である。上記改良方法では、理論的な研究によると、磁界は冷凍過程中の氷結晶の形成に大きな影響を与えることが判明した。冷蔵庫の分野でも、磁界を鮮度保持貯蔵に導入することが積極的に検討されているが、冷蔵庫に実用的に適用する場合、貯蔵室内の磁界分布が不均一であり、磁界強度が鮮度保持効果に大きく影響し、鮮度保持空間内における磁界分布の不均一により被貯蔵物の貯蔵品質を保証することは困難である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの目的は、貯蔵品質を効果的に向上させる磁界鮮度保持貯蔵容器および冷蔵庫を提供することである。
【0005】
本発明のもう1つの目的は貯蔵室内の磁界をより均一にすることである。
【0006】
本発明のさらなる目的は部品コストを削減することである。
【0007】
特に、本発明は磁界鮮度保持貯蔵容器を提供し、
内部に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵ボックスと、
磁気伝導性材料からなり、それぞれ貯蔵ボックスの対向する1組の側壁に対応して配置された2つの均一磁性板と、
2組の電磁アセンブリであって、各組の電磁アセンブリは均一磁性板に対応して配置され、通電されると電磁界が形成され、均一磁性板により電磁界の磁界分布が変更され、電磁界が貯蔵室内でより均一に分布する2組の電磁アセンブリと、を含む。
【0008】
選択的に、各均一磁性板の貯蔵ボックスに面する側に1つまたは複数のタブが配置され、各組の電磁アセンブリは1つまたは複数の電磁環状リングを含み、各電磁環状リングはタブに嵌合され、その内部に軸線に電磁コイルが環状に巻回される。
【0009】
選択的に、均一磁性板の形状は所在する貯蔵ボックスの側壁形状に適合され、貯蔵室の均一磁性板が所在する平面への投影は均一磁性板の外周輪郭範囲内に位置する。
【0010】
選択的に、各均一磁性板上に1つのタブが配置され、タブは均一磁性板の中央領域に位置し、タブに嵌合された電磁環状リングの中心は均一磁性板の中心に実質的に対向する。
【0011】
選択的に、各均一磁性板上に複数のタブが間隔を置いて配置され、各タブ上に1つの電磁環状リングが嵌合される。
【0012】
選択的に、各均一磁性板が所在する貯蔵ボックスの側壁の一部の領域を覆い、その中心が側壁の中心に対向し、所在する貯蔵ボックスに面する側に突出部が配置され、各組の電磁アセンブリは電磁環状リングを含み、電磁環状リングの内周壁の一部セグメントは突出部に当接される。
【0013】
選択的に、2つの均一磁性板の両側に接続され、2つの均一磁性板とともに貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性接続ストリップをさらに含む。
【0014】
選択的に、上記磁界鮮度保持貯蔵容器は、
前方開口を有する筒体を含み、
貯蔵ボックスは引き出しであり、筒体内に引き出し可能に配置され、2つの均一磁性板はそれぞれ貯蔵ボックスの頂部および底部に配置される。
【0015】
選択的に、均一磁性板は筒体の外側または内側に配置され、電磁アセンブリと貯蔵室内の被貯蔵物の載置領域との最小間隔は1mmを超える。
【0016】
本発明のもう1つの側面によれば、冷蔵庫をさらに提供し、
内部に貯蔵室が画定された庫体と、
貯蔵室の内部に配置された上記のいずれか1つの磁界鮮度保持貯蔵容器と、を備える。
【0017】
本発明の磁界鮮度保持貯蔵容器、2つの均一磁性板、2組の電磁アセンブリはそれぞれ貯蔵ボックスの対向する1組の側壁に対応して配置され、均一磁性板は磁気伝導性材料からなり、電磁アセンブリによって形成された電磁界の磁界分布が変更され、電磁界が貯蔵室内でより均一に分布する。磁界は貯蔵品質の向上に寄与し、凍結時間を短縮し、食品の汁損失率および栄養損失を減少させ、微生物および細菌数を減少させ、鮮度保持周期を延長する。より均一な磁界により、被貯蔵物は一様な貯蔵品質を有する。同時に、均一磁性板は磁性材料の使用量を節約することができ、多すぎたり大きすぎたりする磁性部材によるコスト上昇および重量増加を回避することができる。
【0018】
さらに、本発明の磁界鮮度保持貯蔵容器では、均一磁性板の貯蔵ボックスに面する側にタブが設けられ、タブにより、電磁アセンブリを制限すると同時に、磁界を均一磁性板に集まることを容易にし、磁界利用効率を向上させる。
【0019】
またさらに、本発明の磁界鮮度保持貯蔵容器では、均一磁性板および電磁アセンブリの構造を最適化することにより、磁界鮮度保持貯蔵容器の構造をよりコンパクトにし、特に貯蔵ボックス、貯蔵引き出しのような構造に適し、比較的平坦な貯蔵室内で磁界鮮度保持を実現することができる。
【0020】
またさらに、本発明の冷蔵庫では、上記磁界鮮度保持貯蔵容器を備えることにより、食材が磁界環境下に貯蔵され、氷結晶の成長が抑制され、氷結晶の成長速度が水分子移動速度よりも高く、生成された氷結晶が小さいため、細胞への損傷が低減され、汁の損失が回避され、食材のより良い食感が確保され、冷凍貯蔵品質が向上し、貴重な食材の貯蔵品質に対するユーザの要求を満たすことができる。
【0021】
またさらに、本発明の冷蔵庫では、磁界により貯蔵品質が向上し、スマート冷蔵庫に新たな鮮度保持機能を提供し、スマート冷蔵庫に対するますます増加しているユーザの使用ニーズに応え、スマートホーム、スマートライフの品質に対するユーザの要求をさらに満たすことができる。
【0022】
以下の添付図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明することにより、本発明の上記およびその他の目的、利点および特徴は、当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のいくつかの具体的な実施例を、添付図面を参照して例示的かつ限定的でない方法を用いて以下で詳細に説明する。添付図面における同一符号は同一または類似の部品または部分を示す。これらの添付図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを当業者は理解すべきである。
【
図1】本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器の冷蔵庫の概略透視図である。
【
図2】本発明の一実施例による引き出し構造の磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
【
図3】本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
【
図4】
図3に示す磁界鮮度保持貯蔵容器の部品分解図である。
【
図5】本発明の別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器の部品分解図である。
【
図6】本発明の別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
【
図7】
図8に示す磁界鮮度保持貯蔵容器の部品分解図である。
【
図8】本発明の一実施例による磁気伝導性接続ストリップを有する磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
【
図9】本発明の別の実施例による磁気伝導性接続ストリップを有する磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
【
図10】本発明の別の実施例による引き出し構造の磁界鮮度保持貯蔵容器の概略図である。
【
図11】本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器を備えた冷蔵庫の制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の冷蔵庫10の概略透視図である。本実施例の冷蔵庫10は一般に庫体120、扉本体110、および冷凍システム(図には図示せず)を備える。庫体120内に少なくとも1つ(通常、複数)の前方に開放された貯蔵室、例えば冷蔵貯蔵室、冷凍貯蔵室、温度可変貯蔵室などが画定される。具体的な貯蔵室の数および機能は予設のニーズに応じて設定されてもよい。
【0025】
本実施例の冷蔵庫10は空冷式冷蔵庫であってもよく、庫体120内に送風システムが備えられ、送風機を用いて熱交換器(蒸発器)によって熱交換を経った冷気を送風口から貯蔵室に送り、還気口から送風ダクトに戻って冷凍を実現する。このような冷蔵庫の庫体120、扉本体110、冷凍システム自体はいずれも周知であり、当業者であれば容易に実現可能であるため、本願発明のポイントを曖昧にし、ぼやけさせないために、以下では、庫体120、扉本体110、冷凍システム自体の詳細な説明は省略される。
【0026】
冷蔵庫10の1つまたは複数の貯蔵室の内部には磁界鮮度保持貯蔵容器200が配置されてもよい。磁界鮮度保持貯蔵容器200が冷凍貯蔵室に載置されると、冷凍食材を冷凍して鮮度保持し、氷結晶成長を抑制し、氷結晶成長速度が水分子移動速度よりも高く、生成された氷結晶が小さく、細胞への損傷を低減し、汁の損失が回避され、冷凍過程を加速し、凍結時間を短縮する。磁界鮮度保持貯蔵容器200が冷蔵貯蔵室に置かれると、食材の酸化還元反応速度を低下させ、栄養や水分の損失を抑え、食材の変色を止め、細菌の繁殖を抑制し、食材鮮度保持期を延長することができる。
【0027】
磁界鮮度保持貯蔵容器200の数および配置された貯蔵室は、ユーザのニーズに応じて設定され得る。例えば、冷蔵庫10内に1つまたは複数の磁界鮮度保持貯蔵容器200が配置されてもよい。磁界鮮度保持貯蔵容器200は冷蔵貯蔵室、冷凍貯蔵室、温度可変貯蔵室に配置されてもよく、上記貯蔵室内において磁界により鮮度保持を補助する。磁界鮮度保持貯蔵容器200は冷蔵庫10の独立した室としてもよく、冷蔵庫10が独立して温度制御を行ってもよい。
【0028】
磁界鮮度保持貯蔵容器200は貯蔵ボックス210を含んでもよい。貯蔵ボックス210内に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定され、貯蔵ボックス210は箱状であってもよい。いくつかの実施例では、貯蔵ボックス210は全体的に平坦な矩形状を有してもよい(すなわち高さ方向に沿った距離が奥行き方向に沿った距離および左右横方向に沿った距離よりも著しく小さい)。当業者であれば、所望の貯蔵室に応じて貯蔵ボックス210の構造および寸法を設定し、箱状、庫体状、いくつかの実施例で引き出しを実現可能な構造を利用することができる。
【0029】
図2は本発明の一実施例による引き出し構造の磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。貯蔵ボックス210は引き出し構造であってもよい。すなわち磁界鮮度保持貯蔵容器200は筒体211をさらに含む。筒体211は前方開口を有する。貯蔵ボックス210は筒体211内に引き出し可能に配置される。貯蔵ボックス210が引き出された後に貯蔵室212が露出し、被貯蔵物のアクセスが実現される。貯蔵ボックス210が筒体211に押し込まれた後に、独立した密閉空間を形成することができる。冷蔵庫用の引き出し自体構造は当業者に周知であるため、ここでの詳細な説明は省略される。
【0030】
磁界鮮度保持貯蔵容器200の2つの均一磁性板221は磁気伝導性材料からなり、それぞれ貯蔵ボックス210の対向する1組の側壁に対応して配置される。均一磁性板221は保磁力が低く透磁率の高い材質例えば珪素鋼板または類似材料からなる。均一磁性板221が所在する対向する側面は貯蔵ボックス210の自体形状および貯蔵室212の構造に応じて選択される。例えば貯蔵ボックス210の横方向両側、頂底両側、または前後両側に配置されるように選択されてもよい。すなわち、2つの均一磁性板221は貯蔵ボックス210の横方向左右両側、上面および底面両側、または前後両側に配置されてもよい。
【0031】
貯蔵ボックス210は全体として平坦形状であり、特に貯蔵ボックス210が引き出しの形態である場合、2つの均一磁性板221は貯蔵ボックス210の頂底両側に優先的に配置されてもよい。磁界鮮度保持貯蔵容器200によって形成された磁界は上から下へまたは下から上へ貯蔵室212を貫通する。
【0032】
磁界鮮度保持貯蔵容器200は2組の電磁アセンブリ222を含む。各組の電磁アセンブリ222は均一磁性板221に対応して配置され、通電されると電磁界が形成され、均一磁性板221により電磁界の磁界分布が変更され、電磁界が貯蔵室212内でより均一に分布する。2つの均一磁性板221が貯蔵ボックス210の頂底両側に優先的に配置された場合、2組の電磁アセンブリ222は対応して貯蔵ボックス210の頂底両側に配置される。均一磁性板が貯蔵ボックスの他の対向側壁に配置された実施例では、2組の電磁アセンブリ222は均一磁性板と対応する側壁に配置されてもよい。
【0033】
鮮度保持要求を満たす磁界強度範囲は1Gs~100Gsであってもよく、冷凍環境に適用される場合、磁界強度範囲は好ましくは5~60GS、例えば約20Gsであり、冷蔵環境に適用される場合、磁界強度範囲は20~160GSであり、好ましくは40~80GS、例えば約60Gsである。すなわち、均一磁性板221および電磁アセンブリ222は貯蔵室内で完全に覆うことができる上記磁界強度範囲の鮮度保持磁界を形成することができる。
【0034】
図3は、本発明の一実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。
図4は、
図3に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200の部品分解図である。均一磁性板221と電磁環状リング223の嵌合関係を示すために、
図5では貯蔵ボックス210を省略し、貯蔵ボックス210を載置するための筒体211のみ示す。均一磁性板221の形状は所在する筒体211の側壁形状に適合され、貯蔵室の均一磁性板平面上への投影は均一磁性板の外周輪郭範囲内に位置する。すなわち、均一磁性板221の寸法は貯蔵ボックス210の対応する側面と等しく、またはわずかに大きい。均一磁性板221が筒体211の頂部および底部に配置された場合、頂部の均一磁性板221はそれぞれ貯蔵室212の上面を覆い、底部の均一磁性板221はそれぞれ貯蔵室212の底面を覆う。均一磁性板221により、磁界が死角なく貯蔵ボックス210を覆う。
【0035】
各均一磁性板221の貯蔵ボックス210に面する側に1つまたは複数のタブ(凸部)224が設けられ、各組の電磁アセンブリ222は1つまたは複数の電磁環状リング223を含み、各電磁環状リング223はタブ224に嵌合され、その内部に軸線に沿って電磁コイルが環状に巻回される。
図3および
図4に示すように、頂部の均一磁性板221は下方に向かうタブ224を含み、底部の均一磁性板221は上方に向かうタブ224を含む。各均一磁性板221上にタブ224が設けられ、タブ224は均一磁性板221の中央領域に位置する。
【0036】
電磁環状リング223の内部に周方向に沿って電磁コイルが環状に巻回され、電磁コイルが通電されることによって貯蔵室212に電磁界が形成される。電磁コイルを制御することにより、電磁界は必要に応じて磁界方向および/または磁界強度が一定の静磁界、磁界方向および/または磁界強度が交互に変化する交番磁界、間隔を置いて活性化するパルス磁界であってもよい。上記磁界調整は、電磁コイルを通る電流を調整することによって実現することができる。いくつかの実施例では、電磁界は貯蔵室212内の貯蔵環境および被貯蔵物の貯蔵状態に応じて調整されてもよい。別のいくつかの実施例では、電磁界は磁界強度が変化しない定磁界であってもよい。
【0037】
電磁環状リング223は平坦環状に成形されてもよく、両端面(上面または底面)の頂部および底部はすべて平面状であり、厚さが外周寸法よりも著しく小さい。電磁環状リング223の幅と厚さの比の範囲は1~10であってもよい。電磁環状リング223は対応する防水構造を有しており、例えば浸漬塗装、樹脂封止、シールリングまたは密閉ハウジングにより内部の電磁コイルを保護し、全体的な構造が平坦な環状である。上記構造の電磁環状リング223は均一磁性板221により便利に嵌合され、占有空間がより小さくなる。電磁環状リング223はタブ224に嵌合され、その内部に軸線に沿って電磁コイルが環状に巻回される。タブ224の輪郭は電磁環状リング223の内周貫通孔の形状に適合され、電磁環状リング223はタブ224に取り付けられ得る。さらに、タブ224により、電磁環状リング223の磁界を均一磁性板221に導引し、均一磁性板221により電磁界の磁界分布を変更することができる。
【0038】
電磁環状リング223内の電磁コイルのターン数は所望の磁界強度に応じて設定される。電磁環状リング223によって形成された電磁界は貯蔵ボックス210の側壁に対して垂直であり、対向側壁の電磁環状リング223の磁極方向は同じであり、貯蔵室を貫通する磁界が形成される。すなわち、2つの電磁環状リング223のN極は同一方向を向き、S極は逆方向を向く。例えば、磁界方向は上から下へまたは下から上へであってもよい。同様の技術思想に基づいて、逆方向の磁界の実現は当業者にとって容易である。
【0039】
タブ224は均一磁性板221の中央領域に位置し、タブ224に嵌合された電磁環状リング223の中心は均一磁性板221の中心に実質的に対向する。タブ224により、電磁環状リング223を制限すると同時に、磁界を均一磁性板221に容易に集まり、磁界利用効率を向上させる。
【0040】
タブ224の突出高さは、電磁環状リング223の厚さと実質的に同じであり、または電磁環状リング223の厚さよりもわずかに小さく、均一磁性板221および電磁環状リング223と貯蔵ボックス210(または筒体211)の嵌合を容易にする。
【0041】
均一磁性板221により、電磁環状リング223の磁界範囲が拡大され、電磁界がより均一になる。電磁環状リング223は均一磁性板221と同じ中心に配置される。均一磁性板221の寸法は電磁環状リング223の外周輪郭よりも大きく、電磁界の被覆範囲が拡大される。
【0042】
図5は、本発明の別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の部品分解図である。均一磁性板221と電磁環状リング223の嵌合関係を示すために、
図5では貯蔵ボックス210を省略し、貯蔵ボックス210を載置するための筒体211のみ示す。本実施例の磁界鮮度保持貯蔵容器200では、磁界鮮度保持貯蔵容器200の2つの均一磁性板221もそれぞれ貯蔵ボックス210の対向する1組の側壁に対応して配置され、筒体211の横方向両側、頂底両側、または前後両側に配置されるように選択されてもよい。均一磁性板221の寸法は貯蔵ボックス210の対応側面と等しく、またはわずかに大きい。均一磁性板221が筒体211の頂部および底部に配置された場合、頂部均一磁性板221はそれぞれ貯蔵室212の上面を覆うことができ、底部均一磁性板221はそれぞれ貯蔵室212の底面を覆うことができる。均一磁性板221により、磁界が死角なく貯蔵室212を覆う。
【0043】
各均一磁性板221上に複数のタブ224が間隔を置いて設けられ、各タブ224に1つの電磁環状リング223が嵌合される。タブ224は均一磁性板221上に均一に分布する。例えば、均一磁性板221上に同じ大きさの2つまたは4つのタブ224が設けられ、各タブ224はそれぞれ1つの電磁環状リング223に嵌合される。複数の電磁環状リング223により、磁界分布を分散させ、さらに磁界の均一性を向上させることができる。
【0044】
上記タブ224および電磁環状リング223の数は貯蔵室212の寸法に応じて設定され、例えば貯蔵室212の大きい貯蔵ボックス210の場合、均一磁性板221は、複数のタブ224が複数の電磁環状リング223に嵌合されるように構成されてもよい。貯蔵室212の小さい貯蔵ボックス210の場合、均一磁性板は、1つのタブ224が1つの電磁環状リング223に嵌合されるように構成されてもよい。
【0045】
両側の均一磁性板221と電磁環状リング223の組み合わせは実質的に同じ構造を有し、貯蔵室212を貫通する磁界を形成する。
図5に示す実施例では、貯蔵ボックス210の頂部および底部の均一磁性板221はそれぞれ2つのタブ224を有し、貯蔵ボックス210の頂部および底部にそれぞれ2つの電磁環状リング223が配置されて嵌合される。該構造に基づいて、複数のタブ224と電磁環状リング223の嵌合を実現することは、当業者にとって容易である。
【0046】
図6は、本発明の別の実施例による磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。
図7は、
図6に示す磁界鮮度保持貯蔵容器200の部品分解図である。均一磁性板221と電磁環状リング223の嵌合関係を示すために、
図6および
図7では貯蔵ボックス210を省略し、貯蔵ボックス210を載置するための筒体211のみ示す。本実施例では、均一磁性板221の寸法をさらに減少させ、磁界鮮度保持貯蔵容器200の重量を減少させる。均一磁性板221はそれぞれ貯蔵ボックス210(または筒体211)の対向する1組の側壁に対応して配置され、各均一磁性板221は所在する貯蔵ボックス210(または筒体211)の側壁の一部の領域を覆い、その中心は側壁の中心に対向し、貯蔵ボックス210に面する側に突出部225が設けられている。各組の電磁アセンブリ222は電磁環状リング223を含み、電磁環状リング223の内周壁の一部セグメントは突出部225に当接される。均一磁性板221の対応する貯蔵ボックス210の側壁が所在する平面への投影は、貯蔵ボックス210の中央領域に位置してもよい。例えば、筒体211の頂部および底部に配置された均一磁性板221の場合、均一磁性板221の位置は筒体211の上方の前後方向の中央部および下方の前後方向の中央部にあってもよい。
【0047】
電磁環状リング223の内周壁は中央部のセグメントを介して均一磁性板221の突出部225に嵌合され、均一磁性板221により電磁界分布を変更する。
【0048】
図8は、本発明の一実施例による磁気伝導性接続ストリップ230を有する磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。磁界鮮度保持貯蔵容器200は、2つの均一磁性板221の両側に接続され、2つの均一磁性板221とともに貯蔵室212の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性接続ストリップ230をさらに含んでもよい。磁気伝導性接続ストリップ230は貯蔵室212の外部に均一磁性板221を接続して環状の磁気伝導性通路を形成する。磁気伝導性接続ストリップ230は均一磁性板221と同様の材料からなり、形成された磁気伝導性通路は磁界を集め、貯蔵室212内の磁界の均一性を向上させると同時に、外部への磁界放出を低減し、磁界鮮度保持貯蔵容器200の外部の他の部品への干渉を低減する(例えば他の部品などの着磁を回避する)。
【0049】
磁気伝導性接続ストリップ230は均一磁性板221と一体的に成形されてもよい。すなわち、同様の材料から一体成形されてもよい。別のいくつかの実施例では、磁気伝導性接続ストリップ230は均一磁性板221と接合されて環状の磁気伝導性通路を形成してもよい。
【0050】
均一磁性板221および電磁環状リング223がそれぞれ貯蔵ボックス210(または筒体211)の頂部および底部に配置された実施例では、磁気伝導性接続ストリップ230中のあるセグメントは頂部の均一磁性板221の横方向一側(例えば右側)の中央部から貯蔵室の一側の側壁に沿って底部の均一磁性板221の対応側(例えば右側)の中央部にまで延びていてもよく、別のセグメントの磁気伝導性接続ストリップ230は頂部の均一磁性板221の横方向他側(例えば左側)の中央部から貯蔵室212の他側の側壁に沿って底部の均一磁性板221の他側(例えば左側)の中央部にまで延びていてもよい。
【0051】
磁気伝導性接続ストリップ230はストリップ状であってもよく、前後の奥行き方向に沿った幅は均一磁性板221の前後の奥行き方向に沿った長さの2分の1~10分の1である。すなわち、磁気伝導性接続ストリップ230は均一磁性板221の前後方向の中央位置に配置され、均一磁性板221よりも著しく小さい。上記磁気伝導性接続ストリップ230および均一磁性板221の構造は、磁界強度要求を満たしつつ、磁気伝導性材料および磁性部品の使用を低減し、磁界鮮度保持貯蔵容器200のコストを削減し、磁界鮮度保持貯蔵容器200および冷蔵庫10全体の重量を低減することができる。
【0052】
図9は、本発明の別の実施例による磁気伝導性接続ストリップ230を有する磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。均一磁性板221は所在する貯蔵ボックス210の側壁の中央領域を覆い、その中心は側壁の中心に対向する。磁気伝導性接続ストリップ230は均一磁性板221の端部から筒体211の外側に沿って他側の均一磁性板221まで接続され、環状の磁気伝導性通路を形成する。磁気伝導性接続ストリップ230および均一磁性板221は筒体211の前後の奥行き方向の中央位置に配置され、貯蔵室212の外側に磁気伝導性通路が形成され、これにより、外部への磁界漏れが回避される。
【0053】
磁界鮮度保持貯蔵容器200が引き出し構造である場合、均一磁性板221は筒体211の外側に配置されてもよく、例えば筒体211の上面の上方および筒体211の底面の下方に均一磁性板221および電磁アセンブリ222が配置される。電磁アセンブリ222が通電されて磁界を発生する過程で熱を発することを考慮すると、電磁アセンブリ222と貯蔵室内の被貯蔵物の距離は1mm以上である。均一磁性板221および電電磁アセンブリ222は筒体211の外側に配置されてもよく、電磁アセンブリ222が貯蔵室212内の被貯蔵物の貯蔵温度に与える影響を低減し、電磁アセンブリ222の熱を放出するための冷気を助長することができる。
【0054】
図10は、本発明の別の実施例による引き出し構造の磁界鮮度保持貯蔵容器200の概略図である。本実施例では、磁界鮮度保持貯蔵容器200は引き出し構造であり、均一磁性板221および電磁アセンブリ222は筒体211の内部に配置されている。すなわち、均一磁性板221および電磁環状リング223は筒体211の上面および底面の内側に配置されている。筒体211の内面上に、均一磁性板221および電磁アセンブリ222を配置するための構造が設けられてもよい。このような構造により、電磁アセンブリ222と被貯蔵物の距離がより小さく、磁界の被貯蔵物に対する磁界影響に有利である。電磁アセンブリ222が通電されて磁界を発生させる過程で熱を発することを考慮すると、電磁環状リング223と貯蔵室212内の被貯蔵物の距離は1mm以上である。すなわち、電磁環状リング223と被貯蔵物との間の隙間が1mm以上である。
【0055】
図11は、本発明の一実施例による具有磁界鮮度保持貯蔵容器200の冷蔵庫10の制御システムのブロック図である。本実施例の冷蔵庫10では、磁界制御と冷凍制御を組み合わせて、食品が磁界環境で凍結され、鮮度保持冷凍の効果を実現することができる。
【0056】
冷蔵庫10は、貯蔵温度センサ330、開閉検出器340、冷凍コントローラ310の1つまたは複数をさらに備えてもよい。貯蔵温度センサ330は貯蔵室212内の貯蔵温度を検出し、開閉検出器340は貯蔵室212の開閉状態を検出するために使用される。
【0057】
開閉検出器340は貯蔵室212が開かれたと検出した後、貯蔵温度センサ330により新たな食材が投入されたか、または元の食材を再凍結する必要があるかどうかを検出する。冷凍過程で、電磁環状リング223と冷凍システム320とが協働して、磁界により冷凍を補助し、食材の冷凍鮮度保持効果を向上させる。
【0058】
コントローラ310は電磁環状リング223および冷凍システム320を制御し、対応する冷凍および磁界制御を実現するために使用される。様々なセンサ(貯蔵温度センサ330、開閉検出器340を含む)は上記制御に検出手段を提供し、制御方法の制御ニーズを満たすことができる。
【0059】
コントローラ310は、貯蔵室の温度および冷蔵庫10の動作状態に応じて、電磁環状リング221が電磁界、例えば磁界方向および/または磁界強度が一定の静磁界、磁界方向および/または磁界強度が交互に変化する交番磁界、間隔を置いて活性化するパルス磁界を発生するように制御するように構成されてもよい。磁界が被貯蔵物の特定貯蔵段階においてより有用であるため、コントローラ310はより強い磁界が必要である場合、電磁界を起動してもよく、通常の貯蔵の場合、静磁界を用いて基本的な磁界強度を維持してもよい。
【0060】
例えば、磁界により冷凍貯蔵を補助する場合、コントローラ310は、貯蔵室212に新たな被貯蔵物が投入され、貯蔵温度が設定された温度閾値範囲内にあるとき、電磁界を起動するように構成されてもよい。上記温度閾値範囲は、凍結過程中の結晶化時の温度に応じて設定されてもよく、結晶化の過程で磁界強度を高めるようにしてもよい。上記制御方法により、被貯蔵物が強い磁界環境で凍結され、氷結晶成長を抑制し、細胞への損傷を回避し、汁の損失を回避し、食材のより良く食感を保証し、冷凍貯蔵品質が向上し、貴重な食材の貯蔵品質に対するユーザの要求を満たすことができる。
【0061】
本実施例の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語によって示される方位または位置関係は、添付図面に基づく方位または位置関係であり、本発明の説明および説明の簡素化のためにのみ使用され、かかる装置または素子は必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構造および操作されることを指示または暗示するものではなく、本発明の限定として理解されない。
【0062】
「第1」、「第2」という用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性またはかかる技術特徴の数を指示または暗示するものとして理解されない。したがって、「第1」、「第2」によって定義された特徴は、少なくとも1つの該特徴を含むこと、すなわち1つまたは複数の該特徴を含むことを明示または暗示する。本発明の説明において、特に明確かつ具体的に限定しない限り、「複数」とは少なくとも2つを意味し、例えば2つ、3つなどである。ある特徴があるまたはそれに含まれるいくつかの特徴を「含むまたは有する」場合、特に明記しない限り、他の特徴を含むか、他の特徴をさらに含むことを排除されないことに留意されたい。
【0063】
特に明示的に規定および限定しない限り、「取付」、「連結」、「接続」などの用語は広義的に理解されるべきであり、例えば、固定に接続してもよく、着脱可能に接続してもよく、または一体的であってもよいし、機械に接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接に連結してもよく、中間媒体を介して間接的に連結してもよく、2つの素子内部の連通または2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0064】
さらに、本実施例の説明において、第1特徴が第2特徴「の上」または「の下」にあるとは、第1特徴と第2特徴が直接に接触してもよく、第1特徴と第2特徴が直接に接触することなくそれらの間の別の特徴を介して接触してもよい。すなわち、本実施例の説明において、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」および「上面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上および斜め上方にあってもよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを含む。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」、または「下面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真下または斜め下方にあってもよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴よりも低いことを含む。
【0065】
特に限定しない限り、本実施例の説明において使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本出願が属する技術分野における一般的なものによって理解され得る意味と同じ意味を有する。
【0066】
本実施例の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「概略的な実施例」、「例示」、「具体例」、または「いくつかの例」などの参照用語は、本実施例または例示的に説明された具体的な特徴、構造、材料または特性が本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の概略的な表現は、必ずしも同一の実施例または例を指すものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料または特性は、任意の1つまたは複数の実施例または例では適切な方法で組み合わせることができる。
【0067】
ここまで、本明細書で本発明の複数の例示的な実施例を網羅的かつ詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の開示内容に基づいて、本発明の原理に適合する他の多くの変形または修正を直接に決定または推論することができることが、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲はそれらのすべての変形または修正をカバーすることを意図していることが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に被貯蔵物を載置するための貯蔵室が画定された貯蔵ボックスと、
磁気伝導性材料からなり、それぞれ前記貯蔵ボックスの対向する1組の側壁に対応して配置された2つの均一磁性板と、
2組の電磁アセンブリであって、各組の前記電磁アセンブリは均一磁性板に対応して配置され、通電されると電磁界が形成され、前記均一磁性板により電磁界の磁界分布が変更され、前記電磁界が前記貯蔵室内でより均一に分布する2組の電磁アセンブリと、を含む、磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項2】
各前記均一磁性板の前記貯蔵ボックスに面する側に1つまたは複数のタブが設けられ、
各組の前記電磁アセンブリは1つまたは複数の電磁環状リングを含み、各電磁環状リングは前記タブに嵌合され、その内部に軸線に電磁コイルが環状に巻回される、請求項1に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項3】
前記均一磁性板の形状は所在する貯蔵ボックスの側壁形状に適合され、貯蔵室の均一磁性板が所在する平面への投影は均一磁性板の外周輪郭範囲内に位置する、請求項2に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項4】
各前記均一磁性板上に1つの前記タブが設けられ、前記タブは前記均一磁性板の中央領域に位置し、前記タブに嵌合された電磁環状リングの中心は前記均一磁性板の中心に実質的に対向する、請求項3に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項5】
各前記均一磁性板上に複数の前記タブが間隔を置いて設けられ、各前記タブ上に1つの前記電磁環状リングが嵌合される、請求項2に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項6】
各前記均一磁性板が所在する貯蔵ボックスの側壁の一部の領域を覆い、その中心が前記側壁の中心に対向し、所在する前記貯蔵ボックスに面する側に突出部が設けられ、
各組の電磁アセンブリは電磁環状リングを含み、前記電磁環状リングの内周壁の一部セグメントは前記突出部に当接される、請求項1に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項7】
前記2つの均一磁性板の両側に接続され、前記2つの均一磁性板とともに前記貯蔵室の外部に環状の磁気伝導性通路を形成する磁気伝導性接続ストリップをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項8】
前方開口を有する筒体を含み、
前記貯蔵ボックスは引き出しであり、前記筒体内に引き出し可能に配置され、前記2つの均一磁性板はそれぞれ前記貯蔵ボックスの頂部および底部に配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項9】
前記均一磁性板は前記筒体の外側または内側に配置され、前記電磁アセンブリと前記貯蔵室内の被貯蔵物の載置領域との最小間隔は1mmを超える、請求項8に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器。
【請求項10】
内部に貯蔵室が画定された庫体と、
前記貯蔵室の内部に配置された請求項1~
6のいずれか1項に記載の磁界鮮度保持貯蔵容器と、を備える、冷蔵庫。
【国際調査報告】