(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】引き出し抵抗変更要素を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240808BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240808BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240808BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024506863
(86)(22)【出願日】2022-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2022068630
(87)【国際公開番号】W WO2023280878
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
(57)【要約】
本発明は、引き出し抵抗変更要素を備えるエアロゾル発生装置に関する。引き出し抵抗変更要素は、第一の構成要素、第二の構成要素、および少なくとも1つの気流チャネルを含む。第一の構成要素および第二の構成要素は、協働して、気流チャネルを形成する。第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも1つは、少なくとも第一の位置と第二の位置との間で、第一の構成要素と第二の構成要素の他方に対して移動可能であるように、構成される。第一の位置における気流チャネルの内表面積は、第二の位置における気流チャネルの内表面積よりも小さい。第一の位置および第二の位置における気流チャネルの断面積は、変化しないままである。本発明は、エアロゾル発生装置の引き出し抵抗を制御するための方法に、さらに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き出し抵抗変更要素を備えるエアロゾル発生装置であって、前記引き出し抵抗変更要素が、
第一の構成要素と、
第二の構成要素と、
少なくとも1つの気流チャネルであって、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素が、協働して、前記気流チャネルを形成する、少なくとも1つの気流チャネルとを備え、
前記第一の構成要素および前記第二の構成要素の少なくとも1つが、少なくとも第一の位置と第二の位置との間で、前記第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して移動可能であるように構成され、
前記第一の構成要素および前記第二の構成要素によって形成される前記気流チャネルの内表面積が、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素が前記第一の位置にある時に、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素が前記気前記第二の位置にある時の前記気流チャネルの前記内表面積よりも小さく、
前記第一の位置および前記第二の位置における前記気流チャネルの断面積が、変化しないままである、エアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記第一の構成要素および前記第二の構成要素の一方または両方が、少なくとも前記第一の位置、前記第二の位置、および第三の位置の間で、前記第一の構成要素および前記第二の構成要素の他方に対して移動可能であるように構成され、
前記第一の位置における前記気流チャネルの前記内表面積が、前記第二の位置における前記気流チャネルの前記内表面積よりも小さく、
前記第二の位置における前記気流チャネルの前記内表面積が、前記第三の位置における前記気流チャネルの前記内表面積よりも小さく、
前記第一の位置、前記第二の位置、および第三の位置における前記気流チャネルの前記断面積が、変化しないままである、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
請求項1~15に記載のエアロゾル発生装置の引き出し抵抗を制御するための方法であって、前記方法が、
前記第一の構成要素および前記第二の構成要素の1つ以上を、第一の位置と第二の位置との間で移動させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き出し抵抗変更要素を含む、エアロゾル発生装置に関する。本開示は、さらに、エアロゾル発生装置の引き出し抵抗を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼させることなく、エアロゾル形成基体の1つ以上の構成要素が揮発する温度へと、エアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞(例えば、加熱チャンバなど)の中へのエアロゾル発生物品の挿入のために、ロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバの中に挿入された後でエアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバの中にまたはその周りに配置されてもよい。
【0003】
エアロゾル発生装置のユーザーの消費体験は、主に引き出し抵抗(RTD)、およびニコチンなどのエアロゾル中の活性成分の送達レベルによって、決定される。消費体験は、さらに、消費イベント中のRTDおよび送達レベルの安定性によって、影響を受ける。異なるエアロゾル発生物品間のこうしたパラメータの変動は、ユーザーの消費体験に、さらに影響を与える。送達レベルは、エアロゾル発生装置に入る空気の量に依存し、したがって、エアロゾル発生装置のRTDに関連する。したがって、安定したRTDは、通常、安定した送達レベルを誘発する。通常、考察されたパラメータの適切なバランスを達成することは困難である。
【0004】
ほとんどのユーザーは、従来の紙巻たばこのRTDに匹敵する、RTDを有することを好む。しかしながら、エアロゾル発生装置では、エアロゾル発生物品は燃焼されず加熱されるのみであるので、エアロゾル発生装置のエアロゾル発生物品は、通常、従来の紙巻たばこよりもはるかに低いRTDを有する。
【0005】
さらに、好ましいユーザー体験は、通常、異なるユーザー間で大きく変動する。単一のユーザーはまた、単一または別個の消費イベントにおいて、様々な消費体験を達成することを望む場合がある。
【0006】
RTDの安定性および送達レベルは、通常、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品によって決定される。エアロゾル発生物品のRTDは、通常、製造プロセスに起因して、エアロゾル発生物品間で変動する。これは、ユーザーの消費体験の望ましくない変動をもたらす。
【0007】
従来の紙巻たばこに匹敵するRTDを操作する、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。安定したRTDを送達する、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。調整可能なRTDを有する、エアロゾル発生装置を有することが望ましいであろう。異なるエアロゾル発生物品間のRTDの変動のバランスをとることを可能にする、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。ユーザーがRTDを修正して、個別に調整された消費体験を達成することを可能にする、エアロゾル発生物品を提供することが望ましいであろう。RTDおよび送達レベルの調整を可能にする、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。RTD、送達レベル、およびこうしたパラメータの安定性のバランスをとることを可能にする、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。これらの有益な効果は、本発明によって達成される。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第一の態様によると、引き出し抵抗変更要素を備えてもよい、エアロゾル発生装置が提供されている。引き出し抵抗変更要素は、第一の構成要素、第二の構成要素、および少なくとも1つの気流チャネルを含んでもよい。第一の構成要素および第二の構成要素は、協働して、気流チャネルを形成してもよい。第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも1つは、少なくとも第一の位置と第二の位置との間で、第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して移動可能であるように、構成されてもよい。第一の位置における気流チャネルの内表面積は、第二の位置における気流チャネルの内表面積よりも小さくてもよい。第一の位置および第二の位置における気流チャネルの断面積は、変化しないままであってもよい。
【0009】
本発明の第一の態様によると、引き出し抵抗変更要素を備える、エアロゾル発生装置が提供されている。引き出し抵抗変更要素は、第一の構成要素、第二の構成要素、および少なくとも1つの気流チャネルを含む。第一の構成要素および第二の構成要素は、協働して、気流チャネルを形成する。第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも1つは、少なくとも第一の位置と第二の位置との間で、第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して移動可能であるように、構成される。第一の位置における気流チャネルの内表面積は、第二の位置における気流チャネルの内表面積よりも小さい。第一の位置および第二の位置における気流チャネルの断面積は、変化しないままである。
【0010】
本発明は、さらに、エアロゾル発生装置のRTDを制御するための方法に関する。
【0011】
エアロゾル発生装置は、長軸方向軸を備えてもよい。本明細書で使用される場合、実体または仮想体の「長軸方向軸」は、本体の中心を下って走り、本体を通って横断面に対して垂直に走る、仮想線であってもよい。
【0012】
第一の構成要素は、長軸方向軸を備えてもよい。第一の構成要素は、円筒形であってもよい。第一の構成要素は、円形断面を有してもよい。本明細書で使用される場合、実体または仮想体の「断面」は、本体の長軸方向軸に対して垂直な、本体との面の交差であってもよい。第一の構成要素は、中空円筒を備えてもよい。本明細書で使用される場合、「中空円筒」は、2つの円筒の交差であってもよく、2つの円筒は異なる基部表面を有し、円筒の長軸方向軸は同一である。例えば、両方の円筒の基部セクションは円形であってもよいが、第一の円筒の基部セクションは、第二の円筒の基部セクションよりも小さい直径を有してもよい。中空円筒は、空洞を備える。本明細書で使用される場合、空洞は、固体本体内の空の空間であってもよい。
【0013】
第一の構成要素は、外壁を備えてもよい。外壁は、円形断面を有してもよい。外壁は、第一の構成要素の外表面を備えてもよい。外壁は、第一の構成要素を封入してもよい。外壁は、第一の構成要素の輪郭を画定してもよい。外壁は、第一の構成要素およびエアロゾル発生装置の、一方または両方の外部を形成してもよい。外壁は、エアロゾル発生装置の外側に配置されてもよい。
【0014】
第一の構成要素は、内壁を備えてもよい。内壁は、円形断面を有してもよい。内壁は、多角形断面を有してもよい。本明細書で使用される場合、「多角形」は、直線線分によって接続されて閉ループを形成する、有限数の点を含む平面図形であってもよい。直線線分はまた、「縁部」と呼ばれてもよい。内壁は、第一の構成要素の内表面を備えてもよい。内表面は、円形または多角形断面を有してもよい。内壁は、第一の構成要素の内側に配置されてもよい。内壁は、空洞を並べてもよい。
【0015】
第二の構成要素は、長軸方向軸を備えてもよい。第二の構成要素は、円筒形であってもよい。第二の構成要素は、円形断面を有してもよい。第二の構成要素は、多角形断面を有してもよい。第二の構成要素は、中実の円筒であってもよい。第二の構成要素は、円形断面を有する中実の円筒であってもよい。
【0016】
第二の構成要素は、外壁を備えてもよい。外壁は、円形断面を有してもよい。外壁は、第二の構成要素の外表面を備えてもよい。外壁は、第二の構成要素を封入してもよい。外壁は、第二の構成要素の輪郭を画定してもよい。外壁は、第二の構成要素の外部を形成してもよい。
【0017】
第一の構成要素は、第二の構成要素を保持してもよい。第二の構成要素は、第一の構成要素内に取り付けられてもよい。第一の構成要素の内壁は、第二の構成要素、好ましくは第二の構成要素の外壁の反対側に配置されてもよい。第一の構成要素の内壁は、第二の構成要素、好ましくは第二の構成要素の外壁に面して配置されてもよい。第一の構成要素の内壁は、第二の構成要素の外壁に相補的であってもよい。第一の構成要素の少なくとも一部、好ましくは第一の構成要素の内壁の一部は、第二の構成要素の少なくとも一部、好ましくは第二の構成要素の外壁の一部と接触して配置されてもよい。第一の構成要素および第二の構成要素は、気流が第一の構成要素および第二の構成要素との間の接触位置で遮断されるように配置されてもよい。第一の構成要素および第二の構成要素は、第一の構成要素および第二の構成要素がそれぞれに対して、例えば第一の構成要素と第二の構成要素との間の摩擦力によって一時的に固定されるように配置されてもよい。このようにして、特定のRTD値への調整の精度および安定性が、強化される。
【0018】
第二の構成要素は、少なくとも第一の位置と第二の位置との間で、第一の構成要素に対して回転可能であるように構成されてもよい。第二の構成要素は、少なくとも第一の位置と第二の位置との間で、第一の構成要素に対して摺動可能であるように構成されてもよい。
【0019】
第一の構成要素および第二の構成要素の1つは、ユーザーによって第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して、手動で移動可能であるように構成されてもよい。ユーザーは、第一または第二の構成要素を回転させてもよい。ユーザーは、第二の構成要素を押し、引くことによって、第二の構成要素を第一の構成要素の空洞内で摺動させてもよい。第二の構成要素は、好ましくは、第二の構成要素上の上流位置に、ハンドル、ノブ、およびバーの1つ以上を備えてもよい。ユーザーは、ハンドル、ノブ、またはバーを把持して、第二の構成要素を移動させてもよい。ユーザーは、ハンドル、ノブ、またはバーを使用することによって、第二の構成要素をより快適かつ簡単に移動させてもよい。手動移動は、ユーザーの個々の好みに従って装置のRTDを調整する、単純な方法をユーザーに提供する。
【0020】
RTDは、自動的に調整されてもよい。装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、好ましくは、第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも1つを、第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して移動させることによって、RTDを自動的に調整するように構成されてもよい。移動は、コントローラによって制御されるモーターによって、促進されてもよい。コントローラは、予めプログラムされたRTDプロファイルに従って、RTDを自動的に調整してもよい。装置は、消費の特徴が検出される検出手段を、さらに備えてもよい。検出手段は、装置のRTDを検出してもよい。コントローラは、検出手段の入力に応答して、装置のRTDを自動的に調整してもよい。コントローラは、検出手段によって検出されたRTDに応答して、予めプログラムされたプロファイルに従って、RTDを自動的に調整してもよい。RTDの自動調整は、ユーザーが個別に好ましいRTD特性を得ることができる快適さを、増加させてもよい。
【0021】
第一の構成要素は、空洞を備えてもよい。空洞は、長軸方向軸を備えてもよい。空洞は、第一の構成要素の内側の空の空間であってもよい。空洞は、円形断面を有してもよい。空洞は、円形断面を有する円筒であってもよい。空洞は、上流開口部を備えてもよい。
【0022】
空洞は、第二の構成要素に対して相補的であるように構成されてもよい。第二の構成要素は、空洞に対して相補的であるように構成されてもよい。空洞は、第二の構成要素を保持するように構成されてもよい。第一の構成要素の空洞は、第二の構成要素が空洞の中に、好ましくは、開口部を通して挿入されてもよいように、構成されてもよい。第一の構成要素の内壁は、空洞を並べてもよい。第一の構成要素の内壁は、空洞を封入してもよい。第一の構成要素の内壁は、空洞の空の空間を画定してもよい。空洞は、第二の構成要素が第一の構成要素と少なくとも部分的に接触し得るように、構成されてもよい。第一の構成要素の空洞は、加熱チャンバの上流にあってもよい。第一の構成要素の空洞は、第一の構成要素が第二の構成要素と接触する位置で気流が遮断されるように、構成されてもよい。
【0023】
第二の構成要素は、空洞内で移動可能であるように構成されてもよい。第一の構成要素および第二の構成要素の一方または両方は、好ましくは空洞内で、互いに対して回転可能であるように構成されてもよい。第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも1つは、第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して、好ましくは空洞内で、摺動可能であるように構成されてもよい。第二の構成要素は、空洞の開口部を通して空洞の中に挿入可能であるように構成されてもよい。
【0024】
好ましい実施形態では、第一の構成要素は中空円筒を備え、空洞および第二の構成要素は円形断面の円筒形状を有してもよい。この実施形態は、連続的な位置間のより滑らかな移行を提供してもよい。空洞および第二の構成要素の円筒形状の結果として、第一の構成要素および第二の構成要素は、互いに対してより滑らかに回転されてもよい。第一の構成要素と第二の構成要素との間の詰まりのリスクが低減されてもよい。
【0025】
好ましい実施形態では、第一の構成要素、空洞、および第二の構成要素の内壁は、円筒形状および多角形断面を有してもよい。第一の構成要素および空洞の内壁の、一方または両方の多角形断面は、第二の構成要素の多角形断面に対して相補的であってもよい。第二の構成要素の多角形断面の縁部の1つ以上は、溝を備えてもよい。第一の構成要素の内壁の多角形断面の縁部の1つ以上は、溝を備えてもよい。各連続的な位置では、第二の構成要素の多角形断面の各縁部は、第一の構成要素および第二の構成要素が各連続的な位置で互いに対して一時的に係止されるように、第一の構成要素の内壁の多角形断面の縁部に当接してもよい。この好ましい実施形態では、当接した溝の対は、正確に形成および整列されてもよい。この好ましい実施形態では、消費者は、各連続的な位置における第一および第二の構成要素の一時的な係止に起因して、第一および第二の構成要素を連続的な位置の間で正確かつ確実に移動させてもよい。この好ましい実施形態では、第一および第二の構成要素が互いに対して意図せずに移動するリスクが低減されてもよい。
【0026】
気流チャネルは、第一の構成要素の少なくとも一部および第二の構成要素の少なくとも一部によって、形成されてもよい。気流チャネルは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部および第二の構成要素の外壁の少なくとも一部によって、形成されてもよい。気流チャネルは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部および第二の構成要素の外壁の少なくとも一部との間に、形成されてもよい。第一の構成要素の少なくとも一部および第二の構成要素の少なくとも一部は、気流チャネルの少なくとも一部を封入してもよい。気流チャネルの延在または機械的特性などの特性は、第一および第二の構成要素を相互に対して移動させることによって、適合されてもよい。気流チャネルの特性の適合は、例えば、第一の構成要素および第二の構成要素を互いに対して移動させることによって、エアロゾル発生装置のRTDを調整する位置に、ユーザーを置いてもよい。エアロゾル発生装置のRTDの調整は、第一の構成要素の少なくとも一部および第二の構成要素の少なくとも一部から形成される気流チャネルを提供することによって、達成されてもよい。
【0027】
気流チャネルは、内壁を備えてもよい。内壁は、内表面を備えてもよい。気流チャネルの内壁は、気流チャネルを封入してもよい。
【0028】
気流チャネルの内壁は、第一の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部、および第二の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第二の構成要素の外壁の少なくとも一部によって、形成されてもよい。気流チャネルの内壁は、第一の構成要素、好ましくは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部によって部分的に画定されてもよく、第二の構成要素、好ましくは、第二の構成要素の外壁の少なくとも一部によって、部分的に画定されてもよい。
【0029】
第一の構成要素の少なくとも一部、および第二の構成要素の少なくとも一部は、気流チャネルの内壁が本質的に連続的な内表面を有するように、協働して、気流チャネルを形成してもよい。第一の構成要素の少なくとも一部、および第二の構成要素の少なくとも一部は、気流チャネルの内壁が2つ以上の本質的に連続的な内表面を含むように、協働して、気流チャネルを形成してもよい。本明細書で使用される場合、「本質的に連続的な表面」は、2つ以上の接触する構成要素の少なくとも一部によって形成される表面を含む。本出願の、本質的に連続的な表面はまた、2つ以上の接触する構成要素の接触点に界面を含んでもよい。気流チャネルは、第一の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部、および第二の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第二の構成要素の外壁の少なくとも一部によって形成される、1つ以上の本質的に連続的な内表面によって、画定されてもよい。
【0030】
気流チャネル壁は、内表面を含んでもよい。気流チャネルの内壁の表面は、気流チャネルの内表面に対応してもよい。
【0031】
気流チャネルの内表面は、第一の構成要素の表面の少なくとも一部、好ましくは、第一の構成要素の内壁の一部、および第二の構成要素の表面の少なくとも一部、好ましくは、第二の構成要素の外壁の一部を含んでもよい。第一の構成要素、および第二の構成要素は、協働して、気流チャネルの内表面を形成してもよい。気流チャネルの内表面は、第一の構成要素の少なくとも一部によって、好ましくは、第一の構成要素の内壁の表面の少なくとも一部によって、および第二の構成要素の少なくとも一部によって、好ましくは、第二の構成要素の外壁の表面の少なくとも一部によって、画定されてもよい。
【0032】
気流チャネルは、内表面積を含んでもよい。内壁の表面積は、気流チャネルの内表面積に対応してもよい。気流チャネルの内表面積は、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部、および第二の構成要素の外壁の少なくとも一部の表面積を組み合わせたものであってもよい。
【0033】
第一の構成要素は、気流チャネルの第一の側面を形成してもよく、第二の構成要素は、気流チャネルの対向する第二の側面を形成してもよい。第一の構成要素、および第二の構成要素は、協働して、気流チャネルの側方表面を形成してもよい。第一の構成要素、および第二の構成要素は、協働して、気流チャネルの全長にわたって気流チャネルを形成してもよい。
【0034】
気流チャネルは、空気吸込み口を備えてもよい。気流チャネルは、空気出口を備えてもよい。気流チャネルの空気吸込み口、および気流チャネルの空気出口は、流体接続されてもよい。気流チャネルの空気吸込み口、および気流チャネルの空気出口は、気流チャネルの端部を画定してもよい。気流チャネルの空気吸込み口は、気流チャネルの空気出口の上流にあってもよい。気流チャネルの空気吸込み口は、エアロゾル発生装置、第一の構成要素、第二の構成要素、並びに第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも一部によって形成される1つ以上の本質的に連続的な表面からの移行部が配置される空洞の1つ以上の、長軸方向軸に沿った位置に配置されてもよい。気流チャネルの空気出口は、エアロゾル発生装置、第一の構成要素、第二の構成要素、並びに第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも一部によって形成される1つ以上の本質的に連続的な表面からの移行部が配置される空洞の1つ以上の、長軸方向軸に沿った位置に配置されてもよい。第一の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部、および第二の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第二の構成要素の外壁の少なくとも一部は、協働して、気流チャネルの空気吸込み口および気流チャネルの空気出口の一方または両方を、形成してもよい。
【0035】
本明細書で使用される場合、本体の「長さ」は、本体の最長寸法であってもよい。本明細書で使用される場合、本体の「長さ」は、その長軸方向軸に沿った本体の寸法であってもよい。気流チャネルの長さは、エアロゾル発生装置、第一の構成要素、第二の構成要素、および空洞の1つ以上の、長軸方向軸に沿った気流チャネルの空間寸法であってもよい。気流チャネルの長さは、気流チャネルの空気吸込み口と気流チャネルの空気出口との間の距離と等しくてもよい。気流チャネルの長さは、気流チャネルの上流端と下流端との間の距離であってもよい。
【0036】
気流チャネルは、1つ以上の気流導管を備えてもよい。気流導管は、気流チャネルの一部であってもよい。気流導管は、円筒形であってもよい。気流導管は、円形断面を有してもよい。気流導管は、半円形断面を有してもよい。気流導管は、内壁を備えてもよい。気流導管の内壁は、気流導管を並べてもよい。気流導管の内壁は、気流導管を封入してもよい。気流導管は、内表面を備えてもよい。気流導管の内表面は、気流導管の内壁の表面に対応してもよい。気流導管は、内表面積を含んでもよい。気流導管は、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部によって、および第二の構成要素の外壁の少なくとも一部によって形成される、単一の本質的に連続的な表面によって画定されてもよい。
【0037】
第一の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部、および第二の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第二の構成要素の外壁の少なくとも一部は、協働して、1つ以上の気流導管を形成してもよい。気流導管の内壁は、第一の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第一の構成要素の内壁の少なくとも一部、および第二の構成要素の少なくとも一部、好ましくは、第二の構成要素の外壁の少なくとも一部によって、形成されてもよい。
【0038】
気流チャネルの内表面積は、1つ以上の気流導管の、組み合わせられた内表面積であってもよい。第一の位置における気流導管の数は、第二の位置における気流導管の数よりも小さくてもよい。気流チャネルは、第一の位置に単一の気流導管のみを備えてもよい。気流チャネルは、第二の位置に2つ以上の気流導管を備えてもよい。気流導管は、最大1mmの直径を有してもよい。気流導管は、最大0.5mmの直径を有してもよい。
【0039】
気流チャネルの断面積は、エアロゾル発生装置、第一の構成要素、第二の構成要素、および空洞の1つ以上の長軸方向軸と直角を成す、気流チャネルにわたる断面の面積であってもよい。気流チャネルの断面積は、気流導管の断面積を組み合わせたものであってもよい。気流チャネルの断面積は、気流チャネルの長さに沿って一定であってもよい。気流チャネルの断面積は、気流チャネルの長さに沿って変化してもよい。
【0040】
気流チャネルの断面積は、気流の方向と直角を成す、気流チャネルにわたる断面の面積であってもよい。
【0041】
エアロゾル発生装置は、1つ以上の空気出口を備えてもよい。エアロゾル発生装置の空気出口は、気流チャネルの下流に配置されてもよい。エアロゾル発生装置によって生成されるエアロゾルは、装置の空気出口を通して装置を出てもよい。ユーザーは、空気出口を通じて、エアロゾル発生装置によって生成されるエアロゾルを吸入してもよい。
【0042】
エアロゾル発生装置は、口側端を備えてもよい。口側端は、エアロゾル発生装置の空気出口を備えてもよい。ユーザーは、口側端で、エアロゾル発生装置によって生成されるエアロゾルを吸入してもよい。
【0043】
エアロゾル発生装置は、1つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。エアロゾル発生装置の空気吸込み口は、気流チャネルの上流に配置されてもよい。周囲空気は、エアロゾル発生装置の空気吸込み口を通じて、エアロゾル発生装置に入ってもよい。
【0044】
気流チャネルは、エアロゾル発生装置の空気出口に、流体接続されてもよい。気流チャネルは、エアロゾル発生装置の空気吸込み口に、流体接続されてもよい。気流チャネルは、エアロゾル発生装置の空気吸込み口とエアロゾル発生装置の空気出口とを、流体接続してもよい。
【0045】
第一の構成要素および第二の構成要素の一方または両方は、気流遮断要素を備えてもよい。気流遮断要素は、ポリマー材料を含んでもよい。気流遮断要素は、第一の構成要素の内壁および第二の構成要素の外壁の一方または両方の表面上に、配置されてもよい。気流遮断要素は、第一の構成要素の内壁および第二の構成要素の外壁との間の層であってもよい。気流遮断要素は、第一の構成要素の内壁および第二の構成要素の外壁の一方または両方の表面上に配置された、ポリマー材料の層であってもよい。気流遮断要素は、第一の構成要素の内壁および第二の構成要素の外壁の、一方または両方を、並べてもよい。気流遮断要素は、空洞を並べてもよい。気流遮断要素は、第一の構成要素を第二の構成要素から分離してもよい。第一の構成要素の内壁および第二の構成要素の外壁は、気流遮断要素によって相互に接触してもよい。
【0046】
気流遮断要素は、第一の構成要素および第二の構成要素が接触している位置で、気流を遮断するように構成されてもよい。気流遮断要素は、第一の構成要素および第二の構成要素が接触している位置で、気流チャネルの空気吸込み口と気流チャネルの空気出口との間の、流体連通を遮断するように構成されてもよい。気流遮断要素の使用は、RTDを調整することができる精度を高めてもよい。気流遮断要素は、エアロゾル発生装置の空気吸込み口とエアロゾル発生装置の空気出口との間の、望ましくない気流のリスクを低減してもよい。
【0047】
第一の構成要素の内壁および第二の構成要素の外壁の一方または両方は、表面コーティングを備えてもよい。表面コーティングは、第一の構成要素および第二の構成要素の一方または両方に、円滑な表面を提供してもよい。表面コーティングは、流体不透過性であってもよい。表面コーティングは、摩擦低減コーティングであってもよい。表面コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでもよい。
【0048】
表面コーティングは、摩擦、好ましくは、第一の構成要素の内壁と第二の構成要素の外壁との間の運動摩擦を減少させるように、構成されてもよい。表面コーティングに起因して、第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも1つは、異なる位置の間で第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して、より容易により円滑に移動されてもよい。表面コーティングに起因して、第一の構成要素および第二の構成要素が互いに対して望ましくないように係止されるリスクが低減されてもよい。
【0049】
第一の構成要素および第二の構成要素の一方または両方は、少なくとも第一の位置、第二の位置、および第三の位置の間で、第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して移動可能であるように、構成されてもよい。第一の位置における気流チャネルの内表面積は、第二の位置における気流チャネルの内表面積よりも小さくてもよい。第二の位置における気流チャネルの内表面積は、第三の位置における気流チャネルの内表面積よりも小さくてもよい。第一の位置、第二の位置、および第三の位置における気流チャネルの断面積は、変化しないままであってもよい。
【0050】
第二の位置における気流導管の数は、第三の位置における気流導管の数よりも小さくてもよい。気流チャネルは、第三の位置に4つ以上の気流導管を備えてもよい。すべての気流導管は、第三の位置に半円形断面を有してもよい。
【0051】
第一の構成要素、好ましくは、第一の構成要素の内壁は、気流チャネルの第一の部分を形成するように、少なくとも1つの溝を備えてもよい。第二の構成要素、好ましくは、第二の構成要素の外壁は、気流チャネルの第二の部分を形成するように、少なくとも1つの溝を備えてもよい。第一の構成要素の溝は、第一の構成要素の内壁の表面の窪みであってもよい。第二の構成要素の溝は、第二の構成要素の外壁の表面の窪みであってもよい。表面の窪みは、およそ0.5mmの深さであってもよい。第一の構成要素の溝は、端壁を備えてもよい。端壁は、溝の下流端に配置されてもよい。第一の構成要素の溝の端壁は、第一の構成要素の一部によって形成されてもよい。第一の構成要素の溝は、第一の構成要素の長軸方向軸に対して平行に延びてもよい。第二の構成要素の溝は、第二の構成要素の長軸方向軸に対して平行に延びてもよい。第二の構成要素の溝は、第二の構成要素の全長に沿って延在してもよい。第一の構成要素の溝は、第一の構成要素の長さの少なくとも一部に沿って延在してもよい。第一の構成要素および第二の構成要素の一方または両方の溝は、半円形断面を有してもよい。
【0052】
第一の構成要素の溝および第二の構成要素の溝は、各々、気流導管を形成してもよい。第一の構成要素の溝および第二の構成要素の溝は、協働して、第一の位置に単一の気流導管を形成してもよい。第一の構成要素の溝および第二の構成要素の溝は、協働して、一対の溝を形成してもよい。第一の構成要素の溝および第二の構成要素の溝は、第二の位置に、2つの別個の気流導管を形成してもよい。
【0053】
第一の構成要素は、各溝が気流チャネルの一部を形成するように、複数の溝を備えてもよい。第二の構成要素は、各溝が気流チャネルの一部を形成するように、複数の溝を備えてもよい。第一の構成要素および第二の構成要素は、各々、同数の溝を備えてもよい。第一の構成要素および第二の構成要素は、各々、少なくとも2つの溝を備えてもよい。好ましくは、第一の構成要素および第二の構成要素は、各々、少なくとも3つの溝を備えてもよい。より好ましくは、第一の構成要素および第二の構成要素は、各々、少なくとも5つの溝を備えてもよい。溝の各対は、別個の気流導管を形成してもよい。各溝は、気流導管を形成してもよい。
【0054】
第一の位置において、第一の構成要素の各溝は、第二の構成要素の1つの溝に当接して、一対の当接した流体連通した溝を形成してもよい。各連続的な位置において、溝の対の数は、溝の1対によって連続的に減少されてもよい。溝の当接した対は、単一の気流導管を形成してもよい。溝の当接した対は、円筒状の気流導管を形成してもよく、好ましくは、円形断面を有する。当接した溝の対は、最大1mmの直径を有してもよい。第一の位置における気流導管の数は、当接した溝の対の数と等しくてもよい。各連続的な位置において、気流導管の数は2つずつ増加してもよい。当接した一対の溝において、2つの対形成溝は、互いに隣接して配置されてもよい。溝の当接した対を形成するために、第一の構成要素および第二の構成要素は、対形成溝が相互に面するように配置されてもよい。溝の当接した一対の溝は、本質的に連続的な表面を形成する。
【0055】
複数の溝および気流導管をそれぞれ提供することによって、ユーザーは、RTDを一貫してかつ容易に再現可能な増分で調整することが可能である。複数の溝および気流導管を提供することによって、ユーザーは、RTDを明確に画定された個別のステップで調整することが可能である。複数の溝および気流導管を提供することによって、ユーザーは、RTDを正確に調整することが可能である。
【0056】
エアロゾル発生装置は、加熱チャンバを備えてもよい。加熱チャンバは、RTD変更要素の下流に配置されてもよい。加熱チャンバは、RTD変更要素に当接してもよい。加熱チャンバは、RTD変更要素と流体連通してもよい。加熱チャンバは、エアロゾル発生装置の空気出口と流体連通してもよい。加熱チャンバは、発熱体を備えてもよい。発熱体は、加熱チャンバ内または周囲に配置されてもよい。エアロゾル発生物品は、加熱チャンバによって挿入されてもよい。エアロゾル発生物品は、加熱チャンバ内に挿入され、発熱体によって加熱されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を備えてもよい。
【0057】
第一の構成要素および第二の構成要素の一方または両方は、エアロゾル発生装置、第一の構成要素、および第二の構成要素の1つ以上の長軸方向軸に沿って、第一の構成要素および第二の構成要素の他方に対して移動可能である、好ましくは摺動可能であるように構成されてもよい。
【0058】
各連続的な位置における気流チャネルの長さは、前の位置における気流チャネルの長さより大きくてもよい。換言すれば、第一の位置および第二の位置の一方における気流チャネルの長さは、第一の位置および第二の位置の他方における気流チャネルの長さより大きくてもよい。気流チャネルの長さは、第一の構成要素に対して第二の構成要素を摺動させることによって、変化されてもよい。気流チャネルの長さは、第二の構成要素が第一の構成要素に対して上流または下流に摺動する時に、減少されてもよい。第二の構成要素は、第一の構成要素に対して下流に摺動して、第一の位置から第二の位置へ移動してもよい。
【0059】
一実施形態では、第一および第二の構成要素は、摺動可能であってもよいが、互いに対して回転可能ではない。この実施形態では、第二の構成要素ではなく第一の構成要素のみが、少なくとも1つの溝を備えてもよい。
【0060】
エアロゾル発生装置は、少なくとも1つの空気出口チャネルを備えてもよい。第一の構成要素および第二の構成要素は、協働して、空気出口チャネルを少なくとも部分的に形成してもよい。空気出口チャネルは、気流チャネルの下流に配置されてもよい。気流チャネルおよび空気出口チャネルは、互いに流体連通してもよい。第一の位置における空気出口チャネルのサイズは、第二の位置における空気出口チャネルのサイズより大きくてもよい。
【0061】
空気出口チャネルは、気流チャネルの空気出口に当接してもよい。空気出口チャネルは、気流チャネルの空気出口の下流にあってもよい。空気出口チャネルのサイズは、空気出口チャネルの空間寸法を指してもよい。空気出口チャネルのサイズは、第一の構成要素の一部と第二の構成要素の一部との間の距離を指してもよい。空気出口チャネルのサイズは、空気出口チャネルの最も制限された部分の空間的範囲を指してもよい。各気流導管は、空気出口チャネルに当接してもよい。第一の構成要素および第二の構成要素の一方または両方の各溝は、空気出口チャネルに当接してもよい。複数の気流導管を備える実施形態では、各空気出口チャネルのサイズは、連続的な位置で低減されてもよい。
【0062】
第一の構成要素および第二の構成要素は、連続的な位置において、気流チャネルの一部が遮断されるように、互いに対して移動可能であるように構成されてもよい。気流チャネルは、第一の構成要素の一部によって、遮断されてもよい。気流チャネルは、第一の構成要素の溝の端壁によって、遮断されてもよい。第一の構成要素の溝は、異なる長さであってもよい。第一の構成要素の複数の溝の各々の端壁は、第一の構成要素の長手軸方向軸に沿った異なる場所に位置付けられてもよい。
【0063】
第一の構成要素および第二の構成要素の少なくとも1つは、気流チャネルが完全に遮断されるように、第一の構成要素および第二の位置の他方に対して最終的な位置に移動可能であるように、構成されてもよい。第一の構成要素は、最終的な位置において気流チャネルを完全に遮断するように、構成されてもよい。気流チャネルは、第一の構成要素の1つ以上の溝の端壁によって、遮断されてもよい。最終的な位置では、すべての気流導管を通る気流が、遮断されてもよい。完全に遮断された気流チャネルは、装置の空気吸込み口と装置の空気出口とコントローラとの間の流体連通を防止してもよい。
【0064】
一実施形態では、上述の引き出し抵抗変更要素およびハウジングを備える、エアロゾル発生装置が提供される。
【0065】
本発明の別の態様では、上記の説明によるエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置の空洞の中に受容されるように構成された1つ以上のエアロゾル発生物品とを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。動作中、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に受容されてもよい。エアロゾル発生システムは、例えば、電気的に作動するまたは電気式のエアロゾル発生装置内の、搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなど、追加的な構成要素を備えてもよい。
【0066】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のエアロゾル発生装置のRTDを制御するための方法に関する。方法は、第一の構成要素および第二の構成要素の1つ以上を、第一の位置と第二の位置との間で移動させるステップを含む。
【0067】
引き出し抵抗は、通風抵抗、引き抜き抵抗、吸煙抵抗、または吸煙性(puffability)としても周知であり、これは、22℃および760Torr(101kPa)にて、試験下の物体の全長を通して、17.5mL/secの速度で空気を強制するために必要とされる圧力である。これはISO 6565:2015に従って測定され、一般に、mmH2Oの単位で表現される。エアロゾル形成物品およびエアロゾル発生装置は、有利なことに、一緒になって、第一および第二の気流チャネルを通して、80~120mmH20の間のRTDを提供する。これは、従来の紙巻たばこのRTDに近似する。エアロゾル発生装置に連結されたエアロゾル形成物品を有しないエアロゾル発生装置は、有利なことに、5~20mmH20の間のRTDを有してもよい。エアロゾル形成物品は、分離して、40~80mmH20の間のRTDを有してもよい。
【0068】
本発明のRTDの変更は、気流チャネルの内表面積の変更に基づく。気流チャネルの表面積を拡大することは、RTDを増加させてもよい。いかなる理論にも束縛されるものではないが、気流チャネルの表面積を拡大することは、気流チャネルを通って流れる間に摩擦空気体験を増加させ、それによってRTDを増加させてもよい。RTDのこうした変更の背後にある原理は、ダルシー・ワイスバッハの式によって正当化され得る。ダルシー・ワイスバッハの式は、気流チャネル内に流れる流体の単位長さ(l)当たりの圧力降下(dp)と、気流チャネルの濡れ縁(P)との間の関係を提供する。圧力降下は、流れる流体と気流チャネルの壁との間の摩擦に起因するエネルギー損失を反映する。
【数1】
【0069】
本明細書では、f
Dはダルシー摩擦係数であり、μは流体の密度であり、vは流体の平均流速であり、Aは気流チャネルの断面であり、Pは濡れ縁である。エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システムの文脈において、f
D、μ、およびvは、特定のエアロゾル発生装置またはシステムに対して、一定であると近似されてもよい。上述の通り、気流チャネルの断面積は、異なる位置の間で移動する時、変化しないままである。したがって、本発明の文脈において、Aはまた一定であると仮定してもよい。したがって、上記の式は、以下のように書き直されてもよい。
【数2】
【0070】
本明細書では、CはfD μv2/8Aと等しく、したがって、ほぼ一定である。したがって、圧力降下dpは、濡れ縁Pに正比例する。圧力降下dpは、エアロゾル発生装置のRTDとほぼ等しい。したがって、濡れ縁の増加は、dpの増加および装置のRTDの増加をもたらす。さらに、気流チャネルの長さdlの増加は、圧力降下dpの増加をもたらし、したがってRTDの増加をもたらす。
【0071】
本発明では、濡れ縁の変化、したがってdpの変化は、第一の構成要素内で、第二の構成要素を、第一の位置、第二の位置、および更なる位置の間で回転させることによって達成されてもよい。さらに、気流チャネルの長さの変化、したがってdpの変化は、第一の構成要素内で、第二の構成要素を、第一の位置、第二の位置、および更なる位置の間で摺動させることによって達成されてもよい。RTDは、装置の溝および空気導管うちの1つまたは全てを遮断することによって、さらに増加する。これは、溝および空気導管の遮断によって誘発される、より高い気流速度の結果であってもよい。
【0072】
システムの全体的なRTDに対する装置の寄与は、エアロゾル発生物品による寄与より大きくてもよい。したがって、システムの引き出し抵抗は、主に装置のRTDによって決定されてもよい。したがって、RTD変更要素は、装置およびシステムのRTDを効果的に調整する位置にユーザーを置いてもよい。
【0073】
RTD変更要素を使用することによって得られるRTDは、装置の気流チャネルの機械的に決定された構成に直接関係するため、安定しており、1つのエアロゾル発生物品から他方まで一貫している。
【0074】
本発明の装置は、最大64%の増分で、RTDの増加を達成してもよい。
【0075】
RTD変更要素を使用することによって得られる安定したRTDはまた、送達レベルの安定性を改善してもよい。
【0076】
RTD変更要素は、ユーザーが、ユーザーの個々のニーズに従ってRTDおよび送達レベルを適合させることを可能にする。
【0077】
本発明のエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体の燃焼温度を下回る温度に、ただしエアロゾル形成基体の1つ以上の揮発性化合物が放出され、吸入可能なエアロゾルを形成する温度以上に、エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。
【0078】
発熱体は、エアロゾル形成基体と接触してもよい。エアロゾル形成基体と接触している発熱体の部分は、電流が発熱体を通過する結果として加熱される。電流は、電池によって供給される。一実施形態では、使用時に、発熱体のこの部分は、約200℃~約350℃の間の温度に達するように構成されている。好ましくは、発熱体は、約250℃~約300℃の間の温度に達するように構成されている。
【0079】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用して、エアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ホルダーであってもよい。この装置は、電気的に加熱されてもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジング、電気回路、電源、加熱チャンバ、および発熱体を備えてもよい。ハウジングは、エアロゾル発生装置の空気吸込み口を備えてもよい。
【0080】
装置は、好ましくは、片手の指の間に保持するのが快適な、携帯型または手持ち式の装置である。装置は、形状において実質的に円筒状であってもよく、70~120mmの間の長さを有してもよい。装置の最大直径は、好ましくは、10~20mmの間である。一実施形態では、装置は、多角形の断面を有し、かつ一方の面上に形成された突出したボタンを有する。この実施形態では、装置の直径は、一方の平坦な面から反対側の平坦な面までで、12.7~13.65mmの間であり、一方の縁から反対側の縁まで(すなわち、装置の一方の側上の2つの面の交差部から他方の側の対応する交差部まで)で、13.4~14.2の間であり、ボタンの上部から反対側の底部の平坦な面までで、14.2~15mmである。
【0081】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、「遠位」、「前方」、および「後方」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸引する方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0082】
エアロゾル発生システムは、口側端を備えてもよく、使用時に、この口側端を通してエアロゾルがエアロゾル発生システムを出て、ユーザーに送達される。口側端はまた、近位端と呼ばれてもよい。使用時に、ユーザーは、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸入するために、エアロゾル発生システムの近位端または口側端を吸引する。エアロゾル発生システムは、近位端または口側端と反対側の遠位端を備える。エアロゾル発生システムの近位端または口側端はまた、下流端と呼ばれてもよく、またエアロゾル発生システムの遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生システムの近位端、下流端、または口側端と、エアロゾル発生システムの遠位端または上流端との間の、それらの相対的な位置に基づいて、互いに上流または下流にあるものとして記載されてもよい。
【0083】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する、エアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。
【0084】
エアロゾル発生物品は、形状において実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル発生物品は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す周囲とを有してもよい。エアロゾル発生物品は、実質的にロッド形状であってもよい。エアロゾル形成基体は、形状において実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル形成基体は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す周囲とを有してもよい。エアロゾル形成基体は、実質的にロッド形状であってもよい。
【0085】
エアロゾル発生物品は、およそ30mm~およそ100mmの間の全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5mm~およそ12mmの間の外径を有してもよい。エアロゾル発生物品は、フィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態では、フィルタープラグは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの間の長さを有してもよい。
【0086】
一実施形態では、エアロゾル発生物品は、およそ45mmの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ7.2mmの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmの間であってもよい。エアロゾル発生物品は、外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に、分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲であってもよい。
【0087】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基材に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって、放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、好都合には、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0088】
エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体であってもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、固体構成要素と液体構成要素との両方を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、加熱時に基材から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有する、たばこ含有材料を備えてもよい。あるいは、エアロゾル形成基体は、非たばこ材料を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、高密度でかつ安定したエアロゾルの形成を容易にする、エアロゾル形成体をさらに備えてもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0089】
本開示の態様のいずれかでは、発熱体は、電気抵抗性材料を備えてもよい。適切な電気抵抗性材料としては、限定されるものではないが、ドーピングされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、ニケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が含まれる。こうした複合材料は、ドーピングされたセラミック、またはドーピングされていないセラミックを含んでもよい。適切なドーピングされたセラミックの例としては、ドーピングされた炭化ケイ素が含まれる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、金、および銀が含まれる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、並びにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、並びに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が含まれる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて、任意選択的に、断熱材料中に包埋、封入、若しくは被覆されてもよく、またはその逆であってもよい。
【0090】
記載の通り、本開示の態様のいずれかでは、発熱体は、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、内部発熱体、若しくは外部発熱体、または内部発熱体と外部発熱体との両方を備えてもよく、「内部」および「外部」は、エアロゾル形成基体についてを指す。内部発熱体は、任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、内部発熱体は,加熱ブレードの形態を取ってもよい。あるいは、内部発熱体は、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属管を有する、ケーシングまたは基材の形態を取ってもよい。あるいは、内部発熱体は、エアロゾル形成基体の中心を通り抜ける、1つ以上の加熱針またはロッドであってもよい。他の代替としては、加熱ワイヤまたはフィラメント、例えば、Ni-Cr(ニッケルクロム)、白金、タングステン、または合金ワイヤ、若しくは加熱プレートが含まれる。任意選択的に、内部発熱体は、剛直な担体材料の中または上に配置されてもよい。こうした一実施形態では、電気抵抗性の発熱体は、温度と抵抗率との間の明確な関係を有する金属を使用して、形成されてもよい。こうした例示的な装置では、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成され、その後、ガラスなどの別の断熱材料中に挟まれてもよい。この様態で形成された発熱体は、動作中に、発熱体の加熱とその温度の監視の両方に、使用されてもよい。
【0091】
外部発熱体は、任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基体上の1つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性加熱箔は、基体受容空洞の周辺部に適合する、形状を取ってもよい。あるいは、外部発熱体は、金属のグリッド、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミック発熱体、可撓性炭素繊維発熱体の形態を取ってもよく、または適切な形状の基材上に、プラズマ蒸着などの被覆技法を使用して、形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と抵抗率との間の明確な関係を有する金属を使用して、形成されてもよい。こうした例示的な装置では、金属は、適切な断熱材料の2つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は、動作中に、外部発熱体の加熱とその温度の監視の両方に、使用されてもよい。
【0092】
発熱体は、有利なことに、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は、基体、または基体が配置されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。あるいは、内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって、基材に伝導されてもよい。
【0093】
電気抵抗性のある発熱体の代替として、発熱体は、誘導発熱体として構成されてもよい。誘導発熱体は、誘導コイルおよびサセプタを備えてもよい。概して、サセプタは、交番磁界によって貫通された時に、熱を発生する能力を有する材料である。交番磁界に位置する時。
【0094】
誘導発熱体を導入する場合、誘導発熱体は、本明細書に記載の通りの内部発熱体として、または本明細書に記載の通りの外部発熱体として、構成されてもよい。誘導発熱体が内部発熱体として構成されている場合、サセプタ素子は、好ましくは、エアロゾル発生物品を貫通するためのピンまたはブレードとして、構成される。誘導発熱体が外部発熱体として構成されている場合、サセプタ素子は、好ましくは、空洞を少なくとも部分的に囲むか、または空洞の側壁を形成する、円筒状サセプタとして、構成される。
【0095】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。その場合、ユーザーは、エアロゾル発生装置の口側端を吸煙してもよい。あるいは、動作中、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーは、エアロゾル発生物品を直接吸煙してもよい。
【0096】
一実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0097】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】
図1は、本発明のエアロゾル発生装置の実施形態の一部を示す。
【
図2】
図2は、本発明の引き出し抵抗変更要素の実施形態を示す。
図2aは、要素の2/3の図を示し、
図2bは、第二の構成要素の長軸方向軸に対して垂直な要素を通る断面を示す。
【
図3】
図3は、第一および第二の位置にある、複数の気流導管を有する気流チャネルを備える、本発明の引き出し抵抗変更要素の一実施形態を通る断面を示す。
【
図4】
図4は、第一および第二の位置にある、本発明のエアロゾル発生装置の実施形態の一部を示す。
【
図5】
図5は、2つの位置にある、摺動可能な第二の構成要素を備える、本発明の引き出し抵抗変更要素の一実施形態を示す。
【
図6】
図6は、第一の位置および最終的な位置にある、摺動可能な第二の構成要素を備える、本発明のエアロゾル発生装置の実施形態の一部を示す。
【
図7】
図7は、異なる位置にある2つの大きな溝を備える、本発明の引き出し抵抗変更要素の一実施形態を通る断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0099】
図1は、本発明のエアロゾル発生装置10の一実施形態を示す。装置10は、引き出し抵抗変更要素12を備える。装置は、加熱チャンバ14を備える。加熱チャンバ14は、エアロゾル発生物品16を受容するように構成される。エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品16は、示されている通り、加熱チャンバ14の中に挿入される。エアロゾル発生装置10は、長軸方向軸(点線)を備える。
【0100】
RTD変更要素12は、第一の構成要素18および第二の構成要素20を備える。第一の構成要素18は、加熱チャンバ14を保持する。第一の構成要素18は、円筒形であるように構成される。第一の構成要素18は、中空円筒を備える。第一の構成要素18は、外壁22および内壁24を備える。第一の構成要素18は、少なくとも1つの溝(図示せず)を備える。外壁22は、装置10の外層である。外壁22は、装置10の外部を形成する。内壁24は、空洞を封入する。空洞は、第二の構成要素20を保持する。
【0101】
第二の構成要素20は、円筒状ロッドとして構成される。第二の構成要素20は、少なくとも1つの溝28を備える。溝28は、エアロゾル発生装置10の長軸方向軸に沿って延在する。溝28は、第二の構成要素20の全長に沿って延在する。第二の構成要素20は、加熱チャンバ14に当接する。第二の構成要素20は、第一の構成要素18に対して回転可能であるように構成される。
【0102】
第一の構成要素および第二の構成要素、18、20は、協働して、気流チャネルを形成する。第一の構成要素18の溝、および第二の構成要素20の溝28は、気流チャネルを形成する。気流チャネルは、加熱チャンバ14に流体接続される。
【0103】
第二の構成要素20の溝28は、第二の構成要素20を第一の位置と第二の位置との間で回転させることによって、第一の構成要素18に対して移動させることができる。第一の構成要素18に対して第二の構成要素20の溝28を、第一の位置から第二の位置に移動させることによって、気流チャネルの内表面積が増加し、一方で気流チャネルの断面積は変化しない。このようにして、RTDは、第一の位置から第二の位置に移動することによって増加する。
【0104】
使用時に、消費者は、物品16の下流端で装置10を吸引する
図1の矢印は、装置10を通る気流の方向を示す。装置10に入る空気は、第一および第二の構成要素18、20の溝28を通して、加熱チャンバ14の中に吸引され、エアロゾル発生物品16を通して、物品16の下流端で消費者の口の中に吸引される。
【0105】
図2は、本発明のRTD変更要素12の一部を示す。
図2aは、要素12の2/3の図を示す。要素12は、第一の構成要素18および第二の構成要素20を備える。第二の構成要素20の制限のない視界を提供するために、第二の構成要素20を囲む第一の構成要素18の一部が取り外されている。第二の構成要素は、外壁26を備える。第一の構成要素18および第二の構成要素20の両方が、単一の溝28と共に示されている。矢印は、気流チャネルを通る気流の流れ方向を示す。溝28は、両方とも円筒形状であり、半円形断面を有する。
【0106】
図2aの左側に図示した要素12は、第一の構成要素18の溝28が第二の構成要素20の溝28に当接する構成を示す。この構成は、第一の位置に対応する。2つの溝28は、一緒になって、単一の気流導管を形成する。2つの溝28は、本質的に連続的な内表面を有する、気流導管を形成する。気流導管の内表面は、気流チャネルの内表面に対応する。気流チャネルの内表面の表面積は、気流チャネルの内表面積に対応する。
図2bの左側に示す要素12は、要素12の同じ構成を断面図で示す。
【0107】
図2aの右側に図示した要素12は、第二の構成要素20の溝28が第一の構成要素18の溝28からオフセットされる構成を示す。これは、第二の位置に対応する。
図2aの右側に示される構成は、
図2aの左側に示される構成から開始して、第一の構成要素18に対して第二の構成要素20を時計回り方向(第二の構成要素上の湾曲した矢印によって示される)に回転させることによって、得ることができる。
【0108】
第一の構成要素18の溝28は、第一の気流導管の一部である。第二の構成要素20の溝28は、第二の気流導管の一部である。第一の気流導管の内表面は、第一の構成要素18の溝28の表面積、および第一の構成要素18の溝28に当接する第二の構成要素20の外壁の一部の表面積から、形成される。第二の気流導管の内表面は、第二の構成要素20の溝28の表面積、および第一の構成要素18の溝28に当接する第一の構成要素18の内壁の一部の表面積から、形成される。気流チャネルは、第一および第二の気流導管の両方によって形成される。溝の矢印によって示されるように、空気は、両方の気流導管を通って流れてもよい。気流チャネルの内表面積は、第一および第二の気流導管の表面積を組み合わせたものである。
【0109】
図2aの右側に示す構成では、気流チャネルの表面積は、
図2aの左側に示す構成よりも大きい。表面積の増加は、第一の構成要素18の溝28に当接する第二の構成要素20の一部の表面積、および第二の構成要素20の溝28に当接する第一の構成要素18の一部の表面積と等しい。
図2bの右側は、第二の位置にある要素12の同じ構成を、断面図で示す。気流チャネルの表面積の増加に起因して、RTDは、第一の位置と比較して第二の位置で増加する。
【0110】
図3は、第一の構成要素18および第二の構成要素20が、各々、複数の溝28を含む、RTD変更要素12の実施形態を示す。より正確には、第一の構成要素18および第二の構成要素20は、各々、5つの溝28を有するように示されている。
図3の左側に示す要素12は、第一の位置に対応する初期構成の要素12を示す。第一の位置では、第一の構成要素18の各溝28は、第二の構成要素20の溝28に当接する。したがって、当接する溝28の5つの対が形成される。気流チャネルは、5対の当接する溝28によって形成される。5対の当接する溝28は、各々、気流導管を形成する。この構成では、気流チャネルの内表面積は、第一の構成要素18の5つの溝28の表面積、および第二の構成要素20の5つの溝28の表面積の合計である。
【0111】
使用時に、第二の構成要素20は、第一の構成要素18に対して回転してもよい。本実施形態では、第二の構成要素20は、第二の構成要素20上の湾曲した矢印によって示されるように、時計回りに回転する。
【0112】
図3の右側に示す要素12は、回転から生じる第二の位置における、要素12の構成を示す。この構成では、第一の構成要素18の4つの溝28は、第二の構成要素20の4つの溝28に当接して、当接する溝28の4つの対を形成する。この構成は、2つの不対の溝28を備える。4対の当接する溝28および2つの不対の溝28は、一緒になって、気流チャネルを形成する。4対の当接する溝28および2つの不対の溝28は、6つの気流導管を形成する。この構成では、気流チャネルの内表面積は、第一の構成要素18の5つの溝28と、第二の構成要素20の5つの溝28と、第二の構成要素20の不対の溝28に当接する第一の構成要素18の一部の表面積と、第一の構成要素18の不対の溝28に当接する第二の構成要素20の一部の表面積との、組み合わせられた表面積である。したがって、第二の位置における気流チャネルの内表面積は、第二の構成要素20の不対の溝28に当接する第一の構成要素18の一部の表面積、および第一の構成要素18の不対の溝28に当接する第二の構成要素20の一部の表面積によって、第一の位置における気流チャネルの内表面積に対して増加する。表面積の増加は、気流チャネルの表面によって気流チャネルを通る気流に加えられる、摩擦力の増加につながる。摩擦力の増加は、気流チャネルの長さにわたる、より高い圧力降下をもたらす。したがって、気流チャネルのRTD、およびそれ故にエアロゾル発生装置10のRTDは、気流チャネルの内表面積の拡張によって増加する。
【0113】
図3には示されていないが、第二の構成要素20は、第三の位置に時計回りにさらに回転することができる。第三の位置では、溝28の当接した対の数は、3つの対に減少される。同様に、第一の構成要素18の更なる不対の溝28、および第二の構成要素20の更なる不対の溝28が形成され、合計で4つの不対の溝28が得られる。したがって、第二の構成要素20を第三の位置に回転させることによって、気流チャネルの内表面積は、第二の構成要素20の第二の不対の溝28に当接する第一の構成要素18の一部の表面積、および第一の構成要素18の第二の不対の溝28に当接する第二の構成要素20の一部の表面積によって、さらに増加する。気流チャネルの内表面積の増加は、気流チャネルの内表面によって気流チャネルを通る気流に加えられる、摩擦力から生じるエネルギー損失を、さらに増加させる。これは、気流チャネルの長さにわたる圧力降下の増加をもたらす。したがって、装置10のRTDは、第二の位置に対して、第三の位置でさらに増加する。
【0114】
第二の構成要素20は、最終的な位置で、第一の構成要素18の5つの溝28の全てと、第二の構成要素20の5つの溝28の全てとが不対になるまで、段階的にさらに回転されてもよい。最終的な位置では、気流チャネルの内表面積が最大化される(10個の溝28の表面積に対応し、各々の不対の溝28に当接する、第一および第二の構成要素、18、20の一部に対応する)。最終的な位置では、エアロゾル発生装置10のRTDは、最大化される。最終的な位置では、RTDは、第一の位置と比較して約64%増加する。各回転ステップは、RTDを約13%増加させてもよい。溝28の対の数および位置の数は、装置のRTDを調整する所望の選択肢に応じて、適切に選択されてもよい。
【0115】
図4は、本発明のエアロゾル発生装置10の一部を示す。
図4の左側は、RTD変更要素12を通したエアロゾル発生装置10の横断断面、およびエアロゾル発生装置10の長軸方向軸に対して平行にエアロゾル発生装置10を通した断面を示す。第一および第二の構成要素18、20は、各々1つの溝28を有する。溝28は、各々、第一および第二の構成要素18、20の全長に沿って延在する。RTD変更要素12は、第一の構成要素18上の両方の溝28が、第二の構成要素20の溝28と対になる、第一の位置で示されている。気流チャネルからの、2対の当接する溝28。
【0116】
図4の右側は、第一の位置および第二の位置における、RTD変更要素12の断面を示す。第一の位置では、要素12は、2対の当接する溝28を備える。第二の位置では、要素12は、1対の当接する溝28および2つの不対の溝28を備える。第二の位置は、第二の構成要素20を第一の構成要素18に対して回転させることによって得られる。湾曲した両方向矢印によって示されるように、要素12は、第一の位置と第二の位置との間で前後に移動させてもよい。
【0117】
図5は、エアロゾル発生装置10の一実施形態の一部を示す。第二の構成要素20は、エアロゾル発生装置10の長軸方向軸に沿って、第一の構成要素18に対して摺動されてもよい。
図5の左側は、第一の位置に対応する構成を示す。第二の構成要素20は、第一の構成要素18に対して上流方向にオフセットされる。気流チャネルは、第一の構成要素18の内壁24の一部、および第二の構成要素20の外壁の一部によって形成される。気流チャネルは、ある特定の長さ30を有する。第一の構成要素18は、2つの溝28を備える。2つの溝28は、第一の構成要素18の内壁24上で、相互に対向して配置される。第一の構成要素18の2つの溝28の一部は、エアロゾル発生装置10の気流チャネルを、第二の構成要素の溝に当接する部分と共に画定する。気流チャネルは、第一の構成要素18の上流端に配置されるエアロゾル発生装置10の長軸方向軸に沿った位置で開始する。気流チャネルは、第二の構成要素20の下流端に配置されるエアロゾル発生装置10の長軸方向軸に沿った位置で終了する。
【0118】
エアロゾル発生装置10は、空気出口チャネル32を備える。空気出口チャネル32は、加熱チャンバ14に当接する。
【0119】
エアロゾル発生物品16は、加熱チャンバ14の中に示される。使用時に、ユーザーは、装置10の中に空気を吸引する。空気は、気流チャネルを通って流れ、次いで、空気出口チャネル32を通って、エアロゾル発生物品16と共に加熱チャンバ14の中に流れる。気流の方向は、矢印で示されている。次いで、エアロゾル発生物品16のエアロゾル発生基体から形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置10の口側端を通してユーザーの口に入る。
【0120】
両方の溝28は、第一の構成要素18の内壁の長さに沿って、部分的にのみ延在する。第一の構成要素18上の溝28は、異なる長さである。上部溝28は、下部溝28よりも長い。下部溝28は、上部溝28よりもさらに上流にある、第二の構成要素20の長軸方向軸に沿った位置で終了する。
【0121】
第二の構成要素20は、気流チャネルの長さ30が増加するように、第一の構成要素18に対して第二の位置に摺動されてもよい。気流チャネルの長さ30を増加させることによって、気流チャネルの内表面積が増加する。気流チャネルのより大きな内表面積に起因して、気流チャネルの表面との相互作用に起因する気流の摩擦損失が増加し、それによって、より高いRTDにつながる。
【0122】
図5の右側は、更なる位置に対応する構成を示す。この更なる位置は、下部溝28を通る気流が遮断されるように、第二の構成要素20を第一の構成要素18に対してさらに下流に摺動させることによって、得られる。下部溝28を通る気流は、第二の構成要素20および下部溝28の端壁34によって、遮断される。第二の構成要素20の下流端は、第一の構成要素18の下部溝28の端壁34よりもさらに下流であるが、上部溝28の端壁の上流にある、装置10の長軸方向軸に沿った位置に配置される。この更なる位置では、空気は、依然として、上部溝28を通って流れてもよい。この更なる位置では、空気出口チャネルのサイズは、第一の位置よりも小さい。この更なる位置では、引き出し抵抗は、気流チャネルの長さ30を増加させることによって、および下部溝28を遮断することによって、第一の位置に対して増加する。
【0123】
最終的な位置(図示せず)では、第二の構成要素20は、第一の構成要素18が第一の構成要素18の上部溝28を通る気流を遮断するまで、第一の構成要素18に対してさらに下流に摺動する。この位置では、第二の構成要素20は、第一の構成要素18の上部溝28の端壁よりもさらに下流にある、エアロゾル発生装置10の長軸方向軸に沿った位置に延在する。この最終的な位置では、気流チャネルを通る気流は、完全に遮断される。
【0124】
図6は、エアロゾル発生装置10の実施形態の一部を示す。装置10は、第一の構成要素18の内壁24上に2つの溝28を有する第一の構成要素18を備える、RTD変更要素12を備える。第二の構成要素20は、溝28を備えない。
図6の左側は、RTD変更要素12を通る横断断面を示す。
図6の中央部および右側は、装置10の長軸方向軸に対して平行な、エアロゾル発生装置10の断面を示す。
図6の中央部は、第一の位置に対応する構成を示す。
図6の右側は、更なる位置に対応する構成を示す。更なる位置は、第一の構成要素18に対して第二の構成要素20の下流に摺動することによって得られる。更なる位置では、上部溝28を通る気流は、第二の構成要素20、および第一の構成要素18の溝の端壁によって遮断される。更なる位置では、空気は、依然として、制限された空気出口チャネルを通して下部溝を出ることができる。
【0125】
図7は、本発明のRTD変更要素12の実施形態を通る、横断断面を示す。RTD変更要素12は、第一の構成要素18の内壁24上に単一の溝28と、第二の構成要素20の外壁上に単一の溝28とを備える。第一の構成要素18の溝28は、第一の構成要素18の内壁24の表面の半分にわたって延在する。第二の構成要素20の溝28は、第二の構成要素20の外壁の表面の半分にわたって延在する。
【0126】
図7の左側は、第一の位置に対応する構成を示す。この位置では、第一および第二の構成要素18、20の溝28が、整列される。整列した溝28の対は、気流チャネルを形成する。気流チャネルの内表面積は、溝28の表面積と等しい。
【0127】
図7の右側は、更なる位置に対応する構成を示す。この位置は、第二の構成要素20を第一の構成要素18に対して回転させることによって得られる。この更なる位置では、気流チャネルの内表面積は、第二の構成要素20の溝28の一部に当接しない第一の構成要素18の内壁24の一部、および第一の構成要素18の溝28の一部に当接しない第二の構成要素20の外壁の一部の、表面積によって増大する。実施形態は、第二の構成要素20を小さな増分で回転させることによって、無段階なRTD変更を可能にする。
【国際調査報告】