IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-充電インレットおよび自動車 図1
  • 特表-充電インレットおよび自動車 図2
  • 特表-充電インレットおよび自動車 図3
  • 特表-充電インレットおよび自動車 図4
  • 特表-充電インレットおよび自動車 図5
  • 特表-充電インレットおよび自動車 図6
  • 特表-充電インレットおよび自動車 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】充電インレットおよび自動車
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/04 20060101AFI20240808BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20240808BHJP
   H01R 13/10 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H01R13/04 A
H01R13/03 D
H01R13/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507053
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2022110615
(87)【国際公開番号】W WO2023011642
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110903678.0
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チャオ
(57)【要約】
本願は、充電インレット本体と、充電端子と、アダプタ装置と、ケーブルとを含む充電インレットおよび自動車を提供し、前記アダプタ装置は、順に接続された取り外し可能な構造と、前記ケーブルの導体に電気的に接続された固定端とを含み、前記アダプタ装置は前記充電インレット本体に固定して取り付けられ、前記充電端子には、接続構造が設けられており、前記充電端子は前記接続構造を介して前記取り外し可能な構造に取り外し可能に接続されている。アダプタ装置は、充電端子を取り外し可能に充電インレット本体に接続するとともにケーブルに電気的に接続することができ、このように、充電インレット内部の関連接続部材が破損した場合、充電端子およびアダプタ装置を順に取り外し、故障が発生した充電端子を交換することができ、充電インレット全体を取り外す必要がなく、ケーブルを交換する必要もなく、作業強度を大幅に低減し、メンテナンス時間を節約する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電インレットであって、充電インレット本体と、充電端子と、アダプタ装置と、ケーブルとを含み、
前記アダプタ装置は、順に接続された取り外し可能な構造と、前記ケーブルの導体に電気的に接続された固定端とを含み、
前記アダプタ装置は、前記充電インレット本体に固定して取り付けられ、
前記充電端子には、接続構造が設けられており、
前記充電端子は、前記接続構造を介して前記取り外し可能な構造に取り外し可能に接続されている
ことを特徴とする充電インレット。
【請求項2】
前記充電インレット本体の前端には、前記取り外し可能な構造が内部に設けられている収容室が設けられており、
前記充電端子は、前記収容室の開口から挿入されて前記接続構造を介して前記取り外し可能な構造に取り外し可能に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項3】
前記アダプタ装置と前記導体とは、圧着または溶接により接続されたり、一体成形されたりする
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項4】
前記溶接は、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接のうちの1種または複数種を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の充電インレット。
【請求項5】
前記アダプタ装置の数は、2個~36個である
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項6】
前記充電インレット本体には、係合溝が設けられており、
前記アダプタ装置には、凹溝が設けられており、
前記係合溝が前記凹溝と係合して、前記アダプタ装置が軸線方向に沿って動くことを阻止する
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項7】
前記充電インレット本体には、線引出口が設けられており、
前記ケーブルは、前記線引出口を介して前記充電インレット本体に穿設される
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項8】
前記線引出口は、前記充電インレット本体の前後方向に向かって設けられている
ことを特徴とする請求項7に記載の充電インレット。
【請求項9】
前記線引出口は、向き方向が前記充電インレット本体の前後方向と角度をなす
ことを特徴とする請求項7に記載の充電インレット。
【請求項10】
前記アダプタ装置と前記充電インレット本体との間にシールリングが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項11】
前記充電端子の後端には、取り外し部が設けられており、前記取り外し部は、扁平形であり、または断面形状が多角形である
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項12】
前記取り外し可能な構造は、ボルト構造であり、前記接続構造は、ねじ構造であり、
前記取り外し可能な構造の前記接続構造に螺着されるトルク範囲は0.1N・m~30N・mである
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項13】
前記取り外し可能な構造は、係止爪であり、前記接続構造は、係合溝であり、または、
前記取り外し可能な構造は、係合溝であり、前記接続構造は、係止爪であり、
前記取り外し可能な構造と前記接続構造との係止の接続力の範囲は5N~500Nである
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項14】
前記取り外し可能な構造と前記接続構造との係止の接続力の範囲は、15N~300Nであることを特徴とする請求項13に記載の充電インレット。
【請求項15】
前記充電インレット本体は、前記アダプタ装置の軸線回りの回動を阻止する固定部をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項16】
前記充電インレット本体には、ねじ孔が設けられており、
前記固定部には、接続孔が設けられており、
前記固定部は、ねじをさらに含み、
前記ねじが前記接続孔を貫通して前記ねじ孔に螺着されることによって、前記固定部を前記充電インレット本体に固定して接続する
ことを特徴とする請求項15に記載の充電インレット。
【請求項17】
前記充電端子の数は、2個~36個である
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項18】
前記ケーブルの材質は、銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金のうちの1種である
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項19】
前記充電インレット本体には、温度センサと、制御基板とが設けられており、
前記温度センサは、データ線を介して前記制御基板に電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項20】
前記温度センサは、前記アダプタ装置に接触して接続されている
ことを特徴とする請求項19に記載の充電インレット。
【請求項21】
前記温度センサは、前記アダプタ装置と一体成形される
ことを特徴とする請求項19に記載の充電インレット。
【請求項22】
前記制御基板は、制御ロジック回路を内蔵している回路基板である
ことを特徴とする請求項19に記載の充電インレット。
【請求項23】
前記温度センサは、NTC温度センサまたはPTC温度センサである
ことを特徴とする請求項19に記載の充電インレット。
【請求項24】
前記充電端子の接続構造は、断面積が前記取り外し可能な構造の断面積以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項25】
前記充電端子には、第1のめっき層を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項26】
前記第1のめっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む
ことを特徴とする請求項25に記載の充電インレット。
【請求項27】
前記取り外し可能な構造の表面には、第2のめっき層が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項28】
前記第2のめっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む
ことを特徴とする請求項27に記載の充電インレット。
【請求項29】
前記充電端子には、第1のめっき層を有し、前記取り外し可能な構造の表面には、第2のめっき層が設けられており、
前記第2のめっき層は、前記第1のめっき層と材質が異なる
ことを特徴とする請求項1に記載の充電インレット。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか1項に記載の充電インレットを含む
ことを特徴とする自動車。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願
本願は、2021年8月6日に提出された、出願番号が202110903678.0であり、発明名称が「充電インレットおよび自動車」である中国特許出願の優先権を要求し、該特許出願の全ての内容は、ここで全て援用される。
【技術分野】
【0002】
本願は、電気接続部品の接続分野に関し、特に充電インレットおよび自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の普及に伴い、市場で充電プラグおよび充電インレットに対するニーズも徐々に増加している。従来技術において、充電システムにおける充電インレットは、いずれも充電端子とケーブルとを含み、充電端子とケーブルは、充電インレットの内部に設けられて接続され、充電端子が充電インレット本体に固定され、ケーブルが充電端子に接続された。挿抜回数が多過ぎたり、回路が短絡したりするため、充電インレット内の一部の充電端子が破損する。充電端子を交換してメンテナンスする場合、充電インレットの全てのケーブルを車体から取り外し、その後、充電インレットの裏蓋を外して、ケーブルが接続された充電端子を取り出す必要がある。充電端子とケーブルは一般的に溶接の方式を採用するため、破損した電気接続装置を切断する必要があり、また、ケーブルの長さの設定に修理余裕がないため、ケーブルを交換する必要がある可能性があり、充電インレットをメンテナンスするために、ケーブル全体の外装、粘着テープを全て取り外す必要があり、全体の過程に大量の人力と時間がかかり、アフターサービスのメンテナンスの効率に深刻な影響を与えるため、従来技術において上記課題を解決するための新しい解決手段が切に求められている。
【発明の概要】
【0004】
本願は、充電インレットの内部の電気的接続に故障が発生した場合、内部接続部材を交換するには、充電インレット全体を取り外す必要があるため、メンテナンスが難しく、メンテナンス時間が長いという課題を解決するための充電インレットを提供することを目的とする。
【0005】
本願の上記目的は、以下の技術方案によって実現することができる。
【0006】
本願は、充電インレットであって、充電インレット本体と、充電端子と、アダプタ装置と、ケーブルとを含み、前記アダプタ装置は順に接続された取り外し可能な構造と、前記ケーブルの導体に電気的に接続された固定端とを含み、前記アダプタ装置は前記充電インレット本体に固定して取り付けられ、前記充電端子には、接続構造が設けられており、前記充電端子は前記接続構造を介して前記取り外し可能な構造に取り外し可能に接続されている充電インレットを提供する。
【0007】
いくつかの実施例において、前記充電インレット本体の前端には、前記取り外し可能な構造が内部に設けられている収容室が設けられており、前記充電端子は、前記収容室の開口から挿入されて前記接続構造を介して前記取り外し可能な構造に取り外し可能に接続されている。
【0008】
いくつかの実施例において、前記アダプタ装置と前記導体とは、圧着または溶接により接続されたり、一体成形されたりする。
【0009】
いくつかの実施例において、前記溶接は、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接のうちの1種または複数種を含む。
【0010】
いくつかの実施例において、前記アダプタ装置の数は、2個~36個である。
【0011】
いくつかの実施例において、前記充電インレット本体には、係合溝が設けられており、前記アダプタ装置には、凹溝が設けられており、前記係合溝が前記凹溝と係合し、前記アダプタ装置が軸線方向に沿って動くことを阻止する。
【0012】
いくつかの実施例において、前記係合溝には、線引出口が設けられており、前記ケーブルは、前記線引出口を介して前記係合溝に穿設されている。
【0013】
いくつかの実施例において、前記線引出口は、前記充電インレット本体の前後方向に向かって設けられている。
【0014】
いくつかの実施例において、前記線引出口は、向き方向が前記充電インレット本体の前後方向と一定の角度をなす。
【0015】
いくつかの実施例において、前記アダプタ装置と前記充電インレット本体との間にシールリングが設けられている。
【0016】
いくつかの実施例において、前記充電端子の後端には、取り外し部が設けられており、前記取り外し部は、扁平形であり、または断面形状が多角形である。
【0017】
いくつかの実施例において、前記取り外し可能な構造は、ボルト構造であり、前記接続構造は、ねじ構造であり、前記取り外し可能な構造の前記接続構造に螺着されるトルク範囲は0.1N・m~30N・mである。
【0018】
いくつかの実施例において、前記取り外し可能な構造は、係止爪であり、前記接続構造は、係合溝であり、または、前記取り外し可能な構造は、係合溝であり、前記接続構造は、係止爪であり、前記取り外し可能な構造と前記接続構造との係止の接続力の範囲は5N~500Nである。
【0019】
いくつかの実施例において、前記取り外し可能な構造と前記接続構造との係止の接続力の範囲は、15N~300Nである。
【0020】
いくつかの実施例において、前記充電インレット本体は、前記アダプタ装置の軸線回りの回動を阻止する固定部をさらに含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記充電インレット本体には、ねじ孔が設けられており、前記固定部には、接続孔が設けられており、前記固定部は、ねじをさらに含み、前記ねじが前記接続孔を貫通して前記ねじ孔に螺着されることによって、前記固定部を前記充電インレット本体に固定して接続する。
【0022】
いくつかの実施例において、前記充電端子の数は、2個~36個である。
【0023】
いくつかの実施例において、前記ケーブルの材質は、銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金のうちの1種である。
【0024】
いくつかの実施例において、前記充電インレット本体には、温度センサと、制御基板とが設けられており、前記温度センサはデータ線を介して前記制御基板に電気的に接続されている。
【0025】
いくつかの実施例において、前記温度センサは、前記アダプタ装置に接触して接続されている。
【0026】
いくつかの実施例において、前記温度センサは、前記アダプタ装置と一体成形される。
【0027】
いくつかの実施例において、前記制御基板は、制御ロジック回路を内蔵している回路基板である。
【0028】
いくつかの実施例において、前記温度センサは、NTC温度センサまたはPTC温度センサである。
【0029】
いくつかの実施例において、前記充電端子の接続構造は、断面積が前記取り外し可能な構造の断面積以下である。
【0030】
いくつかの実施例において、所述充電端子には、第1のめっき層を有する。
【0031】
いくつかの実施例において、前記第1のめっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む。
【0032】
いくつかの実施例において、前記取り外し可能な構造の表面には、第2のめっき層が設けられている。
【0033】
いくつかの実施例において、前記第2のめっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む。
【0034】
いくつかの実施例において、前記第2のめっき層は前記第1のめっき層と材質が異なる。
【0035】
本願は、上記の充電インレットを含む自動車をさらに提供する。
【0036】
本願の特徴および利点は以下の通りである。
【0037】
アダプタ装置は、充電端子を取り外し可能に充電インレット本体に接続するとともにケーブルに電気的に接続することができ、このように、充電インレット内部の関連接続部材が破損した場合、充電端子とアダプタ装置とを順に取り外し、故障が発生した充電端子を交換することができ、充電インレット全体を取り外す必要がなく、ケーブルを交換する必要もなく、作業強度を大幅に低減し、メンテナンス時間を節約する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本願の実施例における技術方案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に用いられるべき図面について簡単に説明するが、以下の説明における図面は、本願の一部の実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩的な労力を払うことなく、さらに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることが明らかである。
【0039】
図1】本願の実施例に係る充電インレット本体の側面図である。
図2】本願の実施例に係る構造概略図である。
図3】本願の実施例に係る充電端子の正面図である。
図4】本願の実施例に係る充電端子の右側面図である。
図5】本願の実施例に係る充電端子の構造概略図である。
図6】本願の実施例に係るアダプタ装置の平面図である。
図7】本願の実施例に係るアダプタ装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術方案を明確且つ完全に説明し、説明された実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことが明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働をせずに取得した他の全ての実施例は、本願の権利範囲に属する。
【0041】
本願は、充電インレットを提供し、図1図2に示すように、充電インレットは、充電インレット本体1と、充電端子2と、アダプタ装置3と、ケーブル4とを含み、前記アダプタ装置3が順に接続された取り外し可能な構造31と、前記ケーブル4の導体に電気的に接続された固定端32とを含み、前記アダプタ装置3が前記充電インレット本体1に固定して取り付けられており、図3に示すように、前記充電端子2には、接続構造9が設けられており、前記充電端子2が前記接続構造9を介して前記取り外し可能な構造31に取り外し可能に接続されている。
【0042】
従来技術の充電インレットにおいて、充電端子2は、充電インレット本体1に対して頻繁に挿抜する部品であり、充電電流を流させる主な部品でもあり、長期間にわたって使用する過程において、頻繁な挿抜操作により、充電端子2の変形またはめっき層の破損を引き起こし、さらに、電流が高過ぎることによる充電端子2の発火溶融により、充電端子2がその導電機能を実現できなくなることがある。さらに、充電端子が外部環境に曝されるため、環境における水または塩に腐食され、充電端子2の電気的性能が要求を満たさなくなる。したがって、充電インレット全体において、充電端子2は、最も破損しやすい部品であるが、現在、ほとんどの充電インレットは、充電端子2がいずれも充電インレット本体に固定して取り付けられ、且つケーブル4と溶接接続され、充電端子2が破損した場合、充電端子2およびケーブル4をすべて充電インレット本体1から取り外して交換する必要があり、深刻な場合、充電インレット本体1全体を交換する必要があり、メンテナンス作業が煩雑であり、メンテナンス時間が長く、メンテナンスコストが高く、現在、充電自動車業界の発展を制約する主な課題の1つである。
【0043】
本願は、充電端子2が破損した場合、充電端子2を充電インレット本体1から取り外し、充電端子2を交換してから取り付けるだけでよく、充電インレット本体1全体を取り外す必要がなく、ケーブル4を交換する必要もなく、充電端子2が破損した場合、充電インレット本体1のメンテナンス作業が煩雑であるという技術的課題を解決する充電インレットを提供する。
【0044】
前記充電インレット本体1の前端には、前記取り外し可能な構造31が内部に設けられている収容室が設けられており、前記充電端子2は、収容室の開口から挿入されて前記接続構造9を介して前記取り外し可能な構造31に取り外し可能に接続されている。
【0045】
いくつかの実施例において、前記アダプタ装置3と前記導体とは、圧着または溶接により接続されたり、一体成形されたりする。好ましくは、図6に示すように、前記アダプタ装置3の固定端32は、中実体であり、前記ケーブル4の導体は、中実体の固定端の外側に包まれるとともに溶接されてもよい。図7に示すように、前記アダプタ装置3の固定端32は、中空体であり、前記ケーブル4の導体は、固定端の中空体に挿入されるとともに圧着されてもよい。
【0046】
いくつかの実施例において、前記溶接は、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接のうちの1種または複数種を含む。
【0047】
超音波溶接方式は、高周波振動波を2つの溶接すべき物体表面に伝達し、加圧する場合、2つの物体表面を互いに摩擦させて分子層間の融着を形成する。
【0048】
抵抗溶接方式とは、強い電流を電極とワークとの間の接触点を通過させ、接触抵抗から熱を発生させて溶接を実現する方法を指す。
【0049】
アーク溶接方式とは、アークを熱源とし、空気放電の物理現象を利用して、電力を溶接に必要な熱エネルギーおよび機械エネルギーに変換することによって、金属を接続する目的を達成するものを指し、主な方法として被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、ガスシールドアーク溶接などがある。
【0050】
圧力溶接方式は、溶接ワークに圧力を付勢し、接合面を密着させて一定の塑性変形を生じさせて溶接する方法である。
【0051】
電子ビーム溶接方式とは、加速および集束された電子ビームを真空または非真空中に置かれた溶接面に衝突させることによって、溶接対象ワークを溶融させて溶接を実現することを指す。
【0052】
レーザ溶接方式は、高エネルギー密度のレーザービームを熱源とする高効率精密溶接方法である。
【0053】
摩擦溶接方式とは、ワーク接触面の摩擦による熱を熱源として、ワークを圧力により塑性変形させて溶接する方法を指す。
【0054】
いくつかの実施形態において、前記アダプタ装置3の数は、2個~36個である。2本のケーブル4のみで充電するように簡略化することができ、他の回路を充電装置または電池に集積することができる。同時に、充電端子2の数は、アダプタ装置3の数と同じであってもよく、充電端子2の数も2個~36個である。
【0055】
いくつかの実施例において、前記充電インレット本体1には、係合溝5が設けられており、前記アダプタ装置3には、凹溝6が設けられており、前記係合溝5が前記凹溝6と係合し、前記アダプタ装置3が軸線方向に沿って動くことを阻止する。
【0056】
いくつかの実施例において、充電インレット本体1には、線引出口11が設けられており、ケーブル4は、線引出口11を介して充電インレット本体1に穿設され、ケーブル4の出し入れや装着を容易にし、且つケーブル4の取り付け位置を密封することができ、充電インレット本体1の防水性を確保し、操作しやすく、装着効率を向上させる。
【0057】
線引出口11は、ケーブル4の線引出位置および線引出方向を限定することができる。一実施形態において、線引出口11は、前記充電インレット本体1の側方方向に向かって設けられている。線引出口11は、上下方向に沿って設けられており、ケーブル4は、上下方向に沿って線引出され、且つ、ケーブル4は、折り曲げ可能である。一実施形態において、線引出口11は、水平方向に沿って設けられており、ケーブル4は、水平方向に沿って線引出され、ケーブル4は、折り曲げ可能である。さらに、充電インレット本体1には、少なくとも2組の線引出口が設けられており、1組が上下方向に沿って設けられており、もう1組が水平方向に沿って設けられており、ケーブル4の線引出方向が取付環境と適合しやすくするように、使用時に、そのうちの1組を選択してケーブル4を配置することができる。
【0058】
一実施形態において、前記線引出口11は、向き方向が前記充電インレット本体1の前後方向と一定の角度をなす。充電インレット本体1の取付環境において、充電インレット本体1のケーブル4の線引出方向は、必ずしも充電インレット本体1の後方または側方に位置するとは限らず、充電インレット本体1の軸方向に対して一定の角度をなす可能性もあり、線引出口11の向き方向は、取付環境に応じて要求されるケーブル4の線引出方向に直接設定されることができ、再度ケーブル4を折り曲げることを回避し、取り付け時に、ケーブル4の硬度が高いために折り曲げて取り付けることができない状況を回避するように、直接取り付けることができる。
【0059】
前記アダプタ装置3と前記充電インレット本体1との間には、シールリング7が設けられている。図6図7に示すように、シールリング7は、水や埃が前記アダプタ装置3と前記充電インレット本体1との間に入ることを防止するシール作用を果たすことができる。
【0060】
さらに、前記充電端子2の後端には、取り外し部8が設けられており、図4図5に示すように、前記取り外し部8は、扁平形であり、または断面形状が多角形である。取り外し部8は、充電端子2の取り付けを容易にすることができる。作業者は、取り外し部8にアクセスして充電端子2を回すことによって、充電端子2を取り付けることができる。
【0061】
いくつかの実施例において、前記取り外し可能な構造は、ボルト構造であり、前記接続構造は、ねじ構造であり、前記取り外し可能な構造31が前記接続構造9に螺着されるトルク範囲は0.1N・m~30N・mである。
【0062】
取り外し可能な構造31の前記接続構造9に螺着されるトルク範囲による充電端子2とアダプタ装置3との電気的接続性能への影響を検証するために、発明者は、同じ充電端子2とアダプタ装置3とを選択し、異なるトルクでそれらを締め付け、充電端子2とアダプタ装置3との接触抵抗および振動試験を経た充電端子2とアダプタ装置3との接続状況をそれぞれ検証した。検証結果を表1に示す。
【0063】
充電端子2とアダプタ装置3との接触抵抗の検証方法は、マイクロオムメータを使用し、マイクロオムメータの測定端の一端をアダプタ装置3に置き、他端を充電端子2に置き、毎回に測定するときに置かれた位置が同じであり、次にマイクロオムメータにおける接触抵抗の読み取り値を読み取る。本実施例において、接触抵抗が1mΩより大きいものを不合格とした。
【0064】
振動試験は、接続されたサンプルを振動試験台に置き、300個の振動サイクルを経て、各サイクルがいずれも6個の方向の振動を必要とし、周波数が100Hzであり、一方向加速度が40m/sであり、その後、充電端子2とアダプタ装置3に抜けの現象があるか否かを観察した。本実施例において、取り外し可能な構造31と前記接続構造9が緩んだり、取り付けられる時に破損したりするものを不合格とした。
【0065】
【表1】
【0066】
上記の表1から分かるように、取り外し可能な構造31の前記接続構造9に螺着されるトルク値が0.1N・m未満である場合、充電端子2とアダプタ装置3との接触抵抗値が不合格であり、且つ、取り外し可能な構造31と前記接続構造9とが振動試験を経た後に緩めたため、発明者は、取り外し可能な構造31の前記接続構造9に螺着されるトルク範囲の最小値を0.1N・mとした。取り外し可能な構造31の前記接続構造9に螺着されるトルク値が30N・mを超えると、接触抵抗をそれ以上低減させることができないため、発明者は、取り外し可能な構造31の前記接続構造9に螺着されるトルク範囲を0.1N・m~30N・mに決定した。
【0067】
いくつかの実施例において、前記取り外し可能な構造31は、係止爪であり、前記接続構造9は、係合溝であり、または、前記取り外し可能な構造31は、係合溝であり、前記接続構造9は、係止爪であり、前記取り外し可能な構造31と前記接続構造9との係止の接続力の範囲は5N~500Nである。
【0068】
取り外し可能な構造31と前記接続構造9との係止の接続力による導電率への影響を検証するために、発明者は、形状が同じ、膨張収縮スリット幅が同じ取り外し可能な構造31と前記接続構造9とを10対選択し接続力について検証し、検証結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
表2から分かるように、接続力が5N未満または500Nより大きい場合、導電率が著しく低下し、実際の要求を満たすことができない。接続力が5Nより大きく500Nより小さい場合、導電性能が良く、接続力が15Nより大きく300Nより小さい場合、同様に導電性能が良い。しかし、接続力が300Nを超えると、導電率の伸びが目立たず、加工が困難になるため、発明者は、好ましい接続力が15N~300Nであると考えていた。
【0071】
いくつかの実施例において、前記充電インレット本体1は、前記アダプタ装置3の軸線回りの回動を阻止する固定部をさらに含む。
【0072】
前記充電インレット本体には、ねじ孔が設けられており、前記固定部には、接続孔が設けられており、前記固定部は、ねじをさらに含み、前記ねじが前記接続孔を貫通して前記ねじ孔に螺着されることによって、前記固定部を前記充電インレット本体に固定して接続する。
【0073】
いくつかの実施例において、前記ケーブル4の材質は、銅または銅合金またはアルミニウムまたはアルミニウム合金のうちの1種である。電気自動車のケーブルは、電圧が高く、電流が大きいため、いずれも大線径の導線を用いて電流を伝導する必要があり、銅材質の導体材料は、導電性能がよく、延性がよく、ケーブル導体材料として好ましい。しかし、銅価格の日々高騰に伴い、銅材を導線として使用する材料コストがますます高くなっている。そのため、コストを低減するために、人々は金属銅の代替品を探している。金属アルミニウムの地殻における含有量は約7.73%であり、精製技術が最適化された後、価格が比較的低く、且つ銅に対してアルミニウムの重量が軽く、導電率が銅に次いで、アルミニウムは電気接続分野において一部の銅を代替することができる。したがって、自動車の電気的接続の分野では、アルミニウムで銅を代替することが発展傾向である。
【0074】
前記充電インレット本体1には、温度センサと、制御基板とが設けられており、前記温度センサがデータ線を介して前記制御基板に電気的に接続されている。
【0075】
さらに、前記温度センサは、前記アダプタ装置3に接触して接続されている。
【0076】
よりさらに、前記温度センサは、前記アダプタ装置3と一体成形される。一体成形の設計により、取付がより便利であり、測定された温度値もより正確である。
【0077】
温度センサは、温度信号を制御基板に伝達し、アダプタ装置3の温度を監視し、温度が高過ぎることによる破損を回避する。さらに、温度センサは、アダプタ装置3に直接接続されてアダプタ装置3の温度値をリアルタイムに取得するとともに制御基板に伝達し、制御基板によって充電電流を調整することによって、アダプタ装置3の温度値を制御することができ、これによって、アダプタ装置3の温度の測定精度を理論絶対値に近づけるかまたは等しくし、極めて高い検出精度および高速な出力能力を有する。
【0078】
さらに、制御基板は、制御ロジック回路を内蔵している回路基板であり、該制御ロジック回路により、温度センサの検出温度が設定温度より高い場合、制御基板は、警告情報を発することによって、温度のリアルタイム監視を実現し、温度センサの検出温度が設定温度よりも一定値だけ超えると、充電システムを自動的にオフにするように制御することによって、温度が高過ぎることによる危険を回避する。
【0079】
具体的には、温度センサは、NTC温度センサまたはPTC温度センサであってもよい。この2種類の温度センサを採用するメリットは、体積が小さく、他の温度計では測定できない空隙を測定することができ、使用しやすく、抵抗値を0.1Ω~100kΩの間で任意に選択することができ、複雑な形状に加工しやすく、大量生産が可能であり、安定性がよく、過負荷能力が高く、アダプタ継手というような、体積が小さく性能が安定することが要求された製品に適用されることである。
【0080】
前記充電端子2の接続構造9は、断面積が前記取り外し可能な構造31の断面積以下である。接続箇所の抵抗値が大き過ぎないように確保することができる。
【0081】
いくつかの好ましい実施例において、前記充電端子2には、第1のめっき層を有する。
【0082】
前記第1めっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む。
【0083】
充電端子2は、使用過程において酸素および水と酸化反応するため、端子の使用寿命を延ばすために、めっき層として1種または複数種の不活性金属が必要である。さらに、常に挿抜する必要がある金属接点は、接点の使用寿命を大幅に増加させることができるように、耐摩耗性がよい金属をめっき層とするが必要である。さらに、接点には良好な導電性能が必要であり、上記金属は、導電性および安定性がいずれも銅または銅合金より優れ、端子がより良い電気的性能およびより長い使用寿命を得るようにすることができる。
【0084】
さらに、前記取り外し可能な構造の表面には、第2のめっき層が設けられている。
【0085】
好ましくは、前記第2のめっき層の材質は、金、銀、ニッケル、スズ、スズ鉛合金、亜鉛、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀および銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含む。
【0086】
各種のめっき層材質による、充電端子2全体の性能への影響を検証するために、発明者は、規格、材質が同じ、めっき層材料が異なる充電端子2のサンプルを採用し、同じ規格の対象接続挿入部材を利用して挿抜回数と耐食性時間に対して一連の検証を行い、選択された材料と他の常用の電気めっき材料との長短所を証明するために、発明者もスズ、ニッケル、亜鉛を検証されるめっき層材質として選択した。検証結果を以下の表3に示す。
【0087】
下記の表3における挿抜回数は、充電端子2をそれぞれ実験台に固定し、機械装置を用いて端子を模擬的に挿抜させるとともに、100回の挿抜を経るたびに、その挿抜を停止して充電端子2の表面のめっき層の破壊状況を観察し、端子の表面のめっき層に傷が発生し、且つ端子自体の材質が露出すると、実験を停止し、その時点の挿抜回数を記録した。本実施例において、挿抜回数が8000回未満であるものを不合格とした。
【0088】
下記の表3における耐食性時間検証は、充電端子2を塩霧吐出試験箱内に入れ、端子の各位置に塩霧を吐出し、20時間ごとに取り出して洗浄して表面腐食状況を観察し、すなわち20時間は1サイクルである。端子の表面腐食面積が総面積の10%を超えると、検証を停止し、その時点のサイクル数を記録した。本実施例において、サイクル数が80回未満であるものを不合格とした。
【0089】
下記の表3から分かるように、充電端子2のめっき層の材質が常用の金属スズ、ニッケル、亜鉛である場合、検証した結果は、他の選択された金属に遥かに及ばず、ニッケルめっき層は、挿抜回数の検証に合格したが、大きく上回るものではなく、塩霧吐出検証に合格しなかった。他の金属を選択した検証結果は、標準値を大幅に超え、性能が安定している。したがって、発明者は、めっき層材質が金、銀、銀アンチモン合金、グラファイト銀、グラフェン銀、パラジウムニッケル合金、スズ鉛合金または銀金ジルコニウム合金のうちの1種または複数種を含むように選択した。
【0090】
【表3】
【0091】
前記第2のめっき層は、前記第1のめっき層と材質が異なる。異なる必要に応じて異なる材質を選択してコストを制御し、要求が高くない環境において価格が低い材料をめっき層として用いる。異なるめっき層の組み合わせを必要に応じて選択することができ、例えば、必要に応じて導電率がより高い組み合わせを選択したり、耐食効果がよりよい組み合わせを選択したり、様々な要素を総合的に考慮して実際の作業環境に最適な組み合わせを選択したりすることができる。
【0092】
本願は、上記の充電インレットを含む自動車をさらに開示する。生産製造過程が簡単であり、加工が便利であり、充電インレットの加工工数を大幅に減少させるだけではなく、自動車の使用中、充電インレットは、電気接続装置のみが破損した場合、充電インレット全体を取外してケーブルを廃棄させる必要がなく、充電端子2を取り除くだけでよく、メンテナンスプロセスが簡単で操作しやすく、消費工数が短く、メンテナンスコストが低く、本願に開示された自動車のコストおよびメンテナンス費用を大幅に低減させる。
【0093】
上記は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は、本願の思想および範囲から逸脱することなく、本願の実施例に対して、出願書類に開示された内容に基づいて様々な変更や変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0094】
1:充電インレット本体、2:充電端子、3:アダプタ装置、31:取り外し可能な構造、32:固定端、4:ケーブル、5:係合溝、6:凹溝、7:シールリング、8:取り外し部、9:
接続構造、11:線引出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】