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特表2024-530192高圧ガス送出用の減圧システム、装置及び方法
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  • 特表-高圧ガス送出用の減圧システム、装置及び方法 図1
  • 特表-高圧ガス送出用の減圧システム、装置及び方法 図2
  • 特表-高圧ガス送出用の減圧システム、装置及び方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】高圧ガス送出用の減圧システム、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 6/00 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
F17C6/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507155
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2021063189
(87)【国際公開番号】W WO2023027753
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,462
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/544,977
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523404930
【氏名又は名称】メッサー インダストリーズ ユーエスエー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ナウモヴィッツ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ウォリンスキー,トマシュ
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB11
3E172AB13
3E172BA04
3E172BA06
3E172BD05
3E172DA90
3E172EA03
3E172EB02
3E172EB21
3E172HA04
3E172HA12
(57)【要約】
高圧ガスを供給するために蓄積器の対を減圧する装置は、貯蔵用の蓄積器の対から蒸気を受け取り、蓄積器の対及び外部大気以外の遠隔位置に蒸気を計量供給する、蓄積器の対のうち各1つと流体連通しているタンクと、タンク及び蓄積器の対の第1の蓄積器を相互接続する第1の弁組立体を含む第1の流体接続部と、タンク及び蓄積器の対の第2の蓄積器を相互接続する第2の弁組立体を含む第2の流体接続部とを含み、第1の弁組立体を有する第1の流体接続部及び第2の弁組立体を有する第2の流体接続部は各々、交互間隔の間に第1の蓄積器及び第2の蓄積器のうち対応する1つからタンクに蒸気を送出するように構成及び配置されている。更に、関連方法及びシステムを提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ガスを供給するために蓄積器の対を減圧する装置であって、
貯蔵用の蓄積器の前記対から蒸気を受け取り、蓄積器の前記対及び外部大気以外の遠隔位置に前記蒸気を計量供給する、蓄積器の前記対のうち各1つと流体連通しているタンクと、
前記タンク及び蓄積器の前記対の第1の蓄積器を相互接続する第1の弁組立体を含む第1の流体接続部と、
前記タンク及び蓄積器の前記対の第2の蓄積器を相互接続する第2の弁組立体を含む第2の流体接続部と
を含み、
前記第1の弁組立体を有する前記第1の流体接続部及び前記第2の弁組立体を有する前記第2の流体接続部は各々、交互間隔の間に前記第1の蓄積器及び前記第2の蓄積器のうち対応する1つから前記タンクに前記蒸気を送出するように構成及び配置される、
装置。
【請求項2】
前記遠隔位置は、前記蒸気を液体に凝縮する凝縮器を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の蓄積器及び前記第2の蓄積器によって必要とされるまで、前記液体を受け取って貯蔵する、前記凝縮器と流体接続している容器タンクを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記蒸気は、液体CO2及び液体窒素からなる群から選択される液体に由来する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
高圧ガスを供給するために蓄積器の対を減圧する方法であって、
(a)蓄積器の前記対の第1の蓄積器からタンクに蒸気の一部を引き出すことと、
(b)前記タンクに前記第1の蓄積器からの中間ガスとして前記蒸気の前記一部を一時的に保持するために前記第1の蓄積器及び前記タンクの圧力を均等にすることと、
(c)蓄積器の前記対及び大気以外の遠隔位置に前記中間ガスを供給することと、
(d)前記中間ガスを前記遠隔位置で液体に凝縮することと、
(e)前記液体を前記第1の蓄積器に戻すことと
を含む方法。
【請求項6】
請求項5のステップ(a)~(e)中に蓄積器の前記対の第2の蓄積器から高圧ガスを供給することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記液体を前記第1の蓄積器に戻す前に、前記液体を前記遠隔位置に貯蔵することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸気は、液体CO2及び液体窒素からなる群から選択される液体に由来する、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本実施形態は、蓄積器として知られている2つ以上の容器から高圧COを供給するために使用される装置及び方法に関し、特に、エレクトロニクス産業(例えば、半導体産業)で使用されるこのような装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス産業で使用される蓄積器は、大気圧又は周囲圧力よりも大きい圧力で、多くの用途の場合、非常に高い圧力で、流体を貯蔵するように構成されているタンク又は容器を含む装置である。エレクトロニクス産業において、蓄積器に貯蔵されるこのような流体は、液体二酸化炭素(CO)及び液体窒素(N)を含むことができ、最終的に、例えば、電子機器及び光学部品の洗浄、及び電子機器及び光学部品に近接する不活性ガスのような用途で用いる気相に相を変えることができる。
【0003】
規模の経済により、高圧ガス状COを必要とする用途のために蓄積器の対を使用することがエレクトロニクス産業で推奨されている。これは、CO生成物が使い果たされた対の一方の蓄積器に補充するために、蓄積器を補充前に減圧する必要があるが、対の他方の蓄積器が動作を続けるからである。このような減圧のために使用される他の機器が無い場合、減圧中にCOの一部が大気に放出されることになり、望ましくない活動は、温室効果ガス(GHG)の排出、及びガス状CO生成物の損失及び無駄の一因となる。
【0004】
別の方法で失われるガス状COを再循環及び再利用することができるにしても、不要なCO排出を回避するために、減圧蓄積器に補充する既知の処理は、冷却システムを介してガスを冷却することによって、CO放出ガスを再液化及び回収する。残念なことに、この既知の回収処理及び関連冷却システムは、処理施設で大きい設置面積又は台を必要とし、CO放出ガスを再液化及び回収するために大量のエネルギー及び電力を消費し、蓄積器の減圧に割り当てられる特定の時間内にCOガスを再液化するために関連コストを費やす。この時間制限は、重大であり、従って厄介である。なぜなら、減圧蓄積器の補充は、他方の蓄積器がCO生成物を使い果たした時に対の他方の蓄積器から動作を担うために丁度良い時に判断を下す必要があるからである。
【0005】
図1は、COガスを収集、再液化及び加圧する、半導体産業における既知のシステム及び方法の例を示す。
【0006】
既知のシステム10は、蓄積器12、14の対を含み、各蓄積器は、蓄積器12と流体接続している分離枝路20又は管、及び蓄積器14と流体接続している分離枝路22又は管にそれぞれ分かれた管18を介して液体CO2の源16から供給される液体COを含む。
【0007】
既知のシステム10は、高圧ガス状COの連続供給を維持するように構成されており、システムの動作サイクルは、蓄積器12、14のうち1つの蓄積器に補給する一方、他方の蓄積器は、産業及び/又は商業利用のためにCO生成物を計量供給している。既知のシステム10の動作サイクル及び対応する「モード」の例を、表1に後で提示する。
【0008】
表1と併せて図1について更に説明する。高圧ガス送出システムを、10で全体として示す。図1に示すように、第1の蓄積器12は、流体接続部28、32、95又は管を介して高圧ガス状COを送出するように構成及び配置されている一方、第2の蓄積器14は、流体接続部30、32、95又は管を介して高圧ガス状COを送出するように構成及び配置されている。第1の蓄積器12は、流体接続部28、32、95又は管を介して高圧ガス状COを送出する一方、第2の蓄積器14は、送出サービスからオフラインであり、代わりに、液体COを含む大量供給の貯蔵タンク16又は容器から液体COを第2の蓄積器14に補充する。しかし、蓄積器14に補充し得る前に、まず、蓄積器14を減圧する必要がある。蓄積器14の減圧は、次の通りである。
【0009】
蓄積器14を、弁59、47を開くことによって流体接続部39、44、45を介して容器26に減圧する。蓄積器14からのCO蒸気を、冷却ユニットと更に流体連通している凝縮器24における熱交換器を通ることによって液体に凝縮し、その後、流体接続部45又は管を介して、液化COを、容器26に送出し、容器26に貯蔵する。CO蒸気の凝縮は、外部冷却ユニット(図示しないが、図1を参照)によって達成される。一旦蓄積器14が所望の又は選択圧力設定点に完全に減圧されると、容器26に一時的に貯蔵された液体COは、流体接続部42における弁57を開くことによって流体接続部42又は管に流体接続部46又は管を介して蓄積器14に戻って送出される。更に、蓄積器14は、液体CO供給器16から所望の又は選択レベル設定点まで補充され、CO貯蔵容器16からの流体接続部18又は管は、流体接続部22又は管を介して蓄積器14にCO供給流を送出する。蓄積器14を、(例えば、電熱器50によって)加熱し、液体COを蒸発させ、システム10によって生成され、管30を介して送出されるべきガスCO流への送出圧力まで蓄積器14を加圧する。システム10の出口95での送出圧力は、600psigから1000psigの範囲にある。
【0010】
凝縮器24は、減圧に割り当てられる特定の時間中に、蓄積器14からのCO蒸気を液体に凝縮する必要がある。換言すれば、蓄積器12がCO供給の枯渇に近づき、減圧及び補充されるためにオフラインにする必要がある場合、工場のオペレーターは、蓄積器14が補充されるのを待つ動作において一時休止状態になることを望まない。従って、凝縮器24は、この時間的制約及び増加冷却要件を満たすために必要とされる大きい熱交換器及び冷却ユニットを含む。即ち、蓄積器12が液体CO供給を使い果たす前に蓄積器14を充填及び加圧するのに丁度十分な時間を可能にするように、減圧時間を設定する。蓄積器12、14と各配管及び弁との間のこのコレオグラフィは、ガス状COの連続的な信頼できる供給を後の工場の用途のために出口95から送出するように必要である。しかし、上述のように、図1の既知のシステム10は、システム出口95でガス状COの信頼できる源を与えるために、蓄積器12、14の間の協働に対応する大量の電力及びエネルギーを必要とする。
【0011】
第1の蓄積器12を送出サービスからオフラインにし、代わりに、液体COを含む大量供給の貯蔵タンク16又は容器から液体COを第1の蓄積器12に補充する場合、可逆過程が行われる。
【0012】
蓄積器12、14に対する既知のシステム10におけるモードは、下記の表1に示され、図1に関する。
【0013】
【表1】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明の概要
上述の既知のシステムとは対照的に、本発明の実施形態は、工場又は施設で設置面積が減少したより小さい構成の凝縮器及び冷却ユニットを必要とする。その結果、本実施形態において、蓄積器の減圧中に放出される全COを、蓄積器による後の使用のために収集及び回収し、これによって、本システムの冷却構成要素に関連する資本及び運転コストが削減される。
【0015】
従って、ここで、蓄積器の対から高圧ガス(例えば、COガス)を生成する減圧システムを提供し、システムは、蓄積器の対用のガスバッファータンクからなるガスバッファータンク組立体を含む。更に、ガスバッファータンク組立体は、両方の蓄積器からガスバッファータンクへ、及びガスバッファータンクから凝縮器への減圧が全システム減圧を促進するように、各蓄積器用の減圧弁の対を含む。本実施形態によって、ガスバッファータンク及び各蓄積器の圧力を均等にし、これによって、同じ蓄積器に再投入するために中間ガスを凝縮及び再液化し得る前に、ガスバッファータンクに各蓄積器からの中間ガスの一部を一時的に保持する。
【0016】
ここに記載の特定の実施形態において、高圧ガスを供給するために蓄積器の対を減圧する装置であって、貯蔵用の蓄積器の対から蒸気を受け取り、蓄積器の対及び外部大気以外の遠隔位置に蒸気を計量供給する、蓄積器の対のうち各1つと流体連通しているタンクと、タンク及び蓄積器の対の第1の蓄積器を相互接続する第1の弁組立体を含む第1の流体接続部と、タンク及び蓄積器の対の第2の蓄積器を相互接続する第2の弁組立体を含む第2の流体接続部とを含み、第1の弁組立体を有する第1の流体接続部及び第2の弁組立体を有する第2の流体接続部は各々、交互間隔の間に第1の蓄積器及び第2の蓄積器のうち対応する1つからタンクに蒸気を送出するように構成及び配置される装置を提供する。
【0017】
装置の特定の実施形態において、遠隔位置は、蒸気を液体に凝縮する凝縮器を含む。
【0018】
装置の特定の実施形態において、装置は、第1の蓄積器及び第2の蓄積器によって必要とされるまで、液体を受け取って貯蔵する、凝縮器と流体接続している容器タンクを更に含む。
【0019】
装置の特定の他の実施形態において、蒸気は、液体CO2及び液体窒素からなる群から選択される液体に由来する。
【0020】
ここに記載の特定の実施形態において、高圧ガスを供給するために蓄積器の対を減圧する方法であって、(a)蓄積器の対の第1の蓄積器からタンクに蒸気の一部を引き出すことと、(b)タンクに第1の蓄積器からの中間ガスとして蒸気の一部を一時的に保持するために第1の蓄積器及びタンクの圧力を均等にすることと、(c)蓄積器の対及び大気以外の遠隔位置に中間ガスを供給することと、(d)中間ガスを遠隔位置で液体に凝縮することと、(e)液体を第1の蓄積器に戻すこととを含む方法を提供する。
【0021】
特定の実施形態において、方法は、ステップ(a)~(e)中に蓄積器の対の第2の蓄積器から高圧ガスを供給することを含む。
【0022】
特定の他の実施形態において、方法は、液体を第1の蓄積器に戻す前に、液体を遠隔位置に貯蔵することを更に含む。
【0023】
特定の他の実施形態において、方法は、蒸気が、液体CO2及び液体窒素からなる群から選択される液体に由来することを含む。
【0024】
図面の簡単な説明
本発明のより完全な理解のために、添付図面に関連して考慮される例示的な実施形態の下記の説明を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】高圧COを供給するためにガスを減圧する既知のシステムの略図を示す。
図2】例えばCOガスの高圧ガス送出用の本発明の減圧システム、及び装置及び方法の実施形態の略図を示す。
図3図2に示すシステムの実施形態で使用される本発明のガスバッファータンクの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行されることができるので、もしあれば、添付図面に例示の部品の構成及び配置の詳細への適用で本発明は限定されないものとする。更に、ここで使用される表現又は用語は、説明のためであり、限定のためでないものとする。
【0027】
下記の説明において、例えば、水平、直立、垂直、上、下、下方などの用語は、本発明を明確に説明するためだけに使用されるべきであり、限定の用語と考えられるべきではない。もしあれば、図面は、本発明を説明するためであり、原寸に比例するように意図されていない。
【0028】
ここで、「流体接続部」への参照は、流体の送出又は流体連通を与える導管、管、通路などを意味し、複数のこのような要素も含むことを意味すると考えられることができる。
【0029】
図2及び図3について説明する。ここで、発明の実施形態は、他の要素の中で特に、ガスバッファータンク組立体102(以下、「バッファータンク組立体102」とも呼ばれる)を有する減圧システム100を含む。バッファータンク組立体102は、蓄積器12、14と協働するために既知のシステム10を有する元の構成に後付け可能である、又は元の構成を有することができる。CO蒸気を一時的に貯蔵するために蓄積器12、14の間の圧力を均等にし、減圧段階を2つの別々の段階に分けるように、COガスの全てが蓄積器12、14のうち各1つから減圧中に生成したとは限らない場合、バッファータンク組立体102は、一部を収集する。バッファータンク組立体102は、図2及び図3に示すようなガスバッファータンク104を含む。即ち、蓄積器12に対して、バッファータンク組立体102は、ガスバッファータンク104、流体接続部106又は管及び弁108を含み、蓄積器14に対して、バッファータンク組立体102は、ガスバッファータンク104、流体接続部206又は管及び弁208を含む。
【0030】
減圧システム100の実施形態は、高圧ガス送出システムであり、ガスバッファータンク104、及び蓄積器12、14の各々への対応する配管及び弁(弁組立体)の追加によって、図1の既知のシステム10と異なる。システム100は、高圧ガス状COの連続供給を維持するように構成及び配置されており、バッファータンク組立体102の動作サイクルを設定し、蓄積器12、14のうち第1の蓄積器に補給する一方、蓄積器のうち第2の蓄積器は、COガス状生成物を計量供給している。構成及び動作のこの方法において、オンデマンドCO供給中に、遅延、一時中断又はダウンタイムがなく、既知のシステム10に必要なものよりも、非常に小さい凝縮器及び冷却ユニットの設置面積又は台が蓄積器12、14の減圧に必要である。動作サイクル及び対応する「モード」の例を、表2に後で提示する。
【0031】
高圧ガス送出システムを、100で全体として示す。第1の蓄積器12は、ガス用途で用いる出口95に流体接続部28、32又は管を介して高圧ガス状COを送出する一方、大量供給の液体CO16から第2の蓄積器14に補充する。第2の蓄積器14は、第1の蓄積器12のCOを使い果たす前に補充され、動作を担う準備ができている必要がある。まず、蓄積器14に液体COを補充し得る前に、蓄積器14を減圧する必要がある。蓄積器14の減圧は、2つの段階で行われる。第1の段階で、最初に、ガスバッファータンク104にCO蒸気の一部を一時的に貯蔵するために蓄積器14及びガスバッファータンク104の各圧力を均等にするような時間まで、蓄積器14を、バッファータンク組立体102のガスバッファータンク104に減圧する。第2の段階で、次に、蓄積器14を、CO蒸気を液体に凝縮する凝縮器24への流体接続部39、44を介して容器26に完全に減圧する。このような凝縮は、外部冷却ユニット(図示せず)によって達成され、凝縮液体は、凝縮器24から容器への流体接続部45を介して容器26に供給される。一旦蓄積器14が所望の圧力設定点に完全に減圧されると、容器26に一時的に貯蔵された液体COは、弁57を開くことによって流体接続部46、42を介して蓄積器14に戻って送出される。更に、蓄積器14は、液体CO供給器16からの追加液体を用いて所望のレベル設定点まで補充又は満タンにされ、液体COを含む供給流18は、流体接続部22を介して蓄積器14に投入される。蓄積器14を、(例えば、電熱器50によって)加熱し、蓄積器に貯蔵された液体COを蒸発させ、システム100によって生成され、用途用の出口95に流体接続部30、32を介して送出されるべきガスCO流への送出圧力まで蓄積器14を加圧する。出口95での送出圧力は、600psigから1000psigの範囲にある。
【0032】
蓄積器14が補充及び加圧されている間、ガスバッファータンク104を、流体接続部206、39、44、45を介して容器26に減圧し、CO蒸気を、凝縮器24における熱交換器によって液体に凝縮する。このような凝縮は、凝縮器24の熱交換器と連通している外部冷却ユニット(図示しないが、参照)によって達成される。更に、液体COを、次のサイクルまで、容器26に一時的に保持し、液体COを、蓄積器12が減圧段階に達した後、流体接続部46、40又は管を介して蓄積器12に送出する。
【0033】
蓄積器14を完全に減圧する前に、蓄積器14とガスバッファータンク104との間の圧力を最初に均等にすることによって、この段階中に凝縮器24に凝縮されるべきCO蒸気の量は、既知のシステム10で発生する量よりも大幅に少ない。CO蒸気の一部をガスバッファータンク104に一時的に保持することによって、CO蒸気を凝縮する処理を、より長い時間枠にわたって延ばすことができ、これによって、既知のシステム10で必要とされるように蓄積器14を減圧するために割り当てられる厳密な時間に制約される代わりに、凝縮器24の冷却要件を減らすことができる。ガスバッファータンク104を減圧し、対応するCO蒸気を凝縮することは、蓄積器14の充填及び加圧ステップ中に行われる。次に、これにより、冷却ユニットは、連続的に又は略連続的に動作し、頻繁なサイクリングを回避することができる。
【0034】
蓄積器12、14に対するシステム100の実施形態におけるモードは、下記の表2に示され、図2及び図3に関する。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
従って、システム100は、冷却ユニット及び凝縮器24のサイズの減少のために、既知のシステム10よりも経済的である。
【0038】
蓄積器12、14及びバッファータンク組立体102のガスバッファータンク104に対する減圧サイクル段階、及び蓄積器12、14及びバッファータンク組立体102のガスバッファータンク104の間の協働を、下記のように要約することができる。
1.蓄積器12、14及びガスバッファータンク104の圧力を均等にする。
2.蓄積器を減圧する/COを再液化して容器26に充填する。
3.容器から蓄積器に充填する。
4.液体CO供給器16から蓄積器に充填し、ガスバッファータンク104を減圧し始める/再液化して容器26に充填する。
5.各加熱器48、50で蓄積器を加圧する。
6.ガスバッファータンク104の減圧を完了する(現在、CO液体を容器26に部分的に充填する)、及び待機。
7.第2の蓄積器を使い果たした場合、切り換えて、第1の蓄積器から高圧COを計量供給する。
8.第2の蓄積器で減圧サイクルを開始する。
9.繰り返す。
【0039】
ガスバッファータンク104は、蓄積器12、14の減圧中に蓄積器12、14を出るCOガスの量を減らし、より多くの時間を与え、凝縮器24及び冷却ユニットを介してCOガスを再液化する。ガスバッファータンク104からの時間の追加の結果として、凝縮器24-冷却ユニットのサイズ及び関連設置面積が大幅に減少し、従って、システム100の関連資本及び運転コストも削減される。本実施形態は、(i)CO生成物の損失を回避し、(ii)GHG排出の増加を回避し、及び(iii)CO蒸気を凝縮する凝縮器/冷却ユニットのサイズを減少するために、減圧中に全COガスを収集するための費用効率の高い解決策を提供する。
【0040】
手動弁71~93(奇数)を、対応する流体接続部又は管の遮断及び部分閉鎖のために設け、各システム10、100を介して送出される蒸気及び液体のタイミングを調整し、システムの用途に応じて、1つ又は複数の手動弁を含むことができる。
【0041】
この本実施形態を、ここに記載の同じ装置及び処理を用いて他の液体生成物(例えば、液体窒素又はLIN)に適用することができ、液体を蓄積器又は容器内で加熱して、高圧ガスを送出し、別の方法で放出される費用効率の高い方法で任意のガス又は蒸気を回収して使用する。
【0042】
熱交換器及び冷却ユニットを有する凝縮器24を追加しない場合でも、ガスバッファータンク104は、減圧中に放出ガス量を大幅に減らす。
【0043】
ここに記載の実施形態は例示に過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者は変更及び修正を加えることができるものとする。全てのこのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲で規定されるような本発明の範囲内に含まれるように意図されている。上述の実施形態は、代替物だけでなく、結合可能であると理解されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】