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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】車両用ステアリングシステム
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
B62D6/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507906
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 IB2022057307
(87)【国際公開番号】W WO2023012738
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】102021000021383
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524048472
【氏名又は名称】アライモ, サマンサ マリア カロジェラ
【氏名又は名称原語表記】ALAIMO, Samantha Maria Calogera
【住所又は居所原語表記】Via Pelio 10/15, 16147 Genova (GE) (IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】アライモ, サマンサ マリア カロジェラ
【テーマコード(参考)】
3D232
【Fターム(参考)】
3D232CC20
3D232DA03
3D232DA15
3D232DA62
3D232DA76
3D232DA84
3D232DC40
3D232DD17
3D232EA01
3D232EB11
3D232EC27
3D232EC37
3D232GG01
(57)【要約】
ステアリングシステムは、回転可能に取り付けられたステアリング部材(14)を備え、その回転は、ステアリングボックスに第1の指令信号を送信することを目的とし、ステアリングボックスは、車両の車輪のステアリング角を設定する。指令部材(14)は、当該指令部材(14)に対して回転可能に指令部材(14)の内側に取り付けられたスターホイール(10)を備え、対象物、道路ストリップ等の基準点からの車両の距離を検出することを目的としたセンサのシステム(9)が存在する。当該センサシステムは、少なくとも当該スターホイール(10)に接続され、当該センサシステム(9)は、スターホイール(10)の回転を作動させる手段を備え、作動手段は、スターホイール(10)を当該基準点の方向に回転させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に取り付けられたステアリング部材(14)を備えるステアリングシステムであって、その回転がステアリングボックスに第一の指令信号を送信することを目的とし、前記ステアリングボックスが車両の車輪の前記ステアリング角を設定し、
前記指令部材(14)が、前記指令部材(14)に対して回転可能に前記指令部材(14)の内側に取り付けられたスターホイール(10)を備え、
対象物、道路ストリップ等の基準点からの前記車両の距離を検出することを目的としたセンサシステム(9)が存在し、
前記センサシステムが、少なくとも前記スターホイール(10)に接続され、
前記センサシステム(9)が、前記スターホイール(10)の回転を作動させる手段を備え、前記作動手段が、前記スターホイール(10)を前記基準点の方向に回転させて配向されるように構成されることを特徴とする、ステアリングシステム。
【請求項2】
前記センサシステム(9)が、前記ステアリングボックスに接続され、前記センサシステムが、車両の前記車輪のステアリング角の設定に寄与する第2の指令信号を生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記車両の運転モードに応じて前記指令部材(14)と前記スターホイール(10)とを一体化するように構成されたクラッチ装置(17)が存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサシステム(9)の前記動作条件を設定する運転モード選択装置が設けられる、請求項1~3の一項以上に記載のシステム。
【請求項5】
前記指令部材(14)が、機械的伝達手段を介して前記ステアリングボックスに接続される、請求項1~4の一項以上に記載のシステム。
【請求項6】
前記機械的伝達手段が、遊星歯車列(8)を備え、該遊星歯車列(8)が、前記ステアリングピニオン(15)の回転を組み合わせ、前記ステアリングピニオン(15)が、前記指令部材(14)に作用する前記トルクによって歯付きリング(18)の回転とともに作動し、前記歯付きリング(18)が、前記遊星歯車列(8)の前記列キャリア(20)と一体の第2のピニオン(7)の回転によってトルクを生成する前記センサ(9)によって生成された前記トルクによって作動し、前記遊星歯車列(8)が、前記車両の車輪(21)の車軸に作用するトルクを出力として提供する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記指令部材(14)が、電気的伝達手段を介して前記ステアリングボックスに接続される、請求項1~4の一項以上に記載のシステム。
【請求項8】
前記電気的伝達手段が、前記指令部材(14)に及ぼされるねじりモーメントを読み取るように構成された前記指令部材(14)内のトルクセンサ(13)を備え、前記ねじりモーメントが、制御ユニット(11)により前記センサ(9)によって生成されたトルクと組み合わされ、ソレノイドバルブ(12)を介して前記車輪の車軸の軸方向運動に変換される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ステアリングボックスが、仮想環境を生成するためのシステムを備え、前記センサシステム(9)を備える仮想車両が存在する、請求項1~8の一項以上に記載のシステム。
【請求項10】
前記基準点からの前記車両の距離に基づいて、前記第2の指令信号から開始して前記スターホイール及び/又は前記車輪の車軸に加えられるトルクの量を調整するための手段が提供される、請求項1~9の一項以上に記載のシステム。
【請求項11】
請求項1~10の一項以上に記載のシステムを使用する車両指令方法であって、
以下のステップ、すなわち、
a)1つ以上の基準点からの前記車両の距離の検出、
b)前記1つ以上の基準点の方向への前記スターホイールの回転及び配向、
c)前記検出された距離と、前記タスクを実行するのに必要な前記トルクの同じ方向とに基づいて、前記ステアリングボックスに伝達されるトルクの生成を含むことを特徴とする、車両指令方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添付の独立請求項の前文に従って実現されるステアリングシステムに関する。
本発明は、新しいタイプのステアリング、及び運転者が車両を運転するのを支援することができる新しいステアリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最先端の車両の自動化、ひいては自動運転の度合いは高まっているが、安全上の理由から、運転の安全性を保証するために人間の行動の存在が必要とされている。また、それだけではないが、例えば霧の場合の制約(車線、障害物、他の自動車又はガードレール)の視界不良の或る特定の条件下では、自動動作及び人間の動作の両方が存在する必要がある。更に、ステアリングに直接作用する力フィードバックの存在は、視覚フィードバックが制限されているか又は存在しない場合に視覚フィードバックを補償するのに有用であり得る。センサは、運転者が失敗しがちな場所(例えば、霧若しくは雨等の場合、又は運転者の注意力が低下している場合、又は注意散漫の場合)を認識し、その逆も同様である(例えば、車両に設置されたカメラの死角の障害物、又は例えば車線がセンサにはっきりと見えない場合、又はレールガードが存在しない場合、又は道路工事現場が存在する場合)。
【0003】
更に、自動化が過剰に使用されると、運転者は車両に何が起こっているのかをあまり意識しなくなる可能性があり、運転者はそれをより監視する義務があり、このため運転者は疲労する可能性があり、又は運転者が自動化に過度に依存する場合、運転者は必要な場合に制御を取り戻す準備ができていない可能性があり、又は逆に運転者はそれに慎重になる可能性がある。
【0004】
これら全ての理由のために、本発明は、自動動作と人間の動作との間の「協調」を達成することを目的としているが、最新技術は、自動システムが動作している間の運転者の介入(加速若しくは制動する人、又は車線変更に十分なトルクでステアリングに介入する場合)が、通常は自動システム自体を一時的に停止させるという意味で、一方が他方を除外することを規定している。本発明では、運転支援のモードのうちの1つを選ぶように選択するとき、2人の参加者(運転者及び補助装置)は協働し(常に、又は必要な場合にのみ、すなわち、運転者の唯一の動作がタスクを実行するのに十分でない場合にのみ)、車輪の車軸の実際のステアリングを指令するために使用される入力は、両方のプレイヤの入力から構成される。
【0005】
加えて、現在市販されている自動運転システムでは、最新技術は、ステアリング上で感じられる力フィードバックがタスクを実行するために必要とされる方向(例えば、左側の障害物、自動化はステアリングホイールを右側に回転させる)と同じ方向を有し、したがって運転者がそれに追従して信頼しなければならないことを規定しているが、これは、車両の制御においてあまり権限を感じないことによって運転者に「排除されている」と感じさせるだけでなく、問題を引き起こす可能性もあり、すなわち、例えば、視認性が限られている場合、及び/又は特定のストレス条件下で、運転者が補助装置を信頼すべきではない場合、又はいずれの場合も運転者が補助装置の入力に対抗するために自分の感覚に追従するべきである場合、車輪の車軸上の実際のステアリングを指令する動作の結果が障害物に向かって動くリスクがある。実際には、非特許文献1に記載されるように、人間は、情報処理の段階を伴わずに、手足を外乱の前の初期位置に無意識にもたらす傾向がある動作(伸張反射と呼ばれる)によって、30~50ミリ秒の非常に短い待ち時間で手足の位置の突然の変化に対抗する傾向があり、実際には、情報処理の段階によって意識的に情報を処理するために150~200ミリ秒が必要である。
【0006】
これらの更なる理由のために、最新技術は所望のステアリングと同じ方向のステアリングの回転を提供するが、本発明では、運転者が補助装置の動作に無意識に対抗することによって、最終的に、例えば障害物を回避するために無意識に自動車を正しい方向に操舵することを念頭に置いて、反対方向のステアリングの回転が規定される。安全のために、この回転は、例えば車両を回避すべき障害物から遠ざける方向に安全に操舵する電気モータが作動される車輪の車軸では考慮されない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Schmidt,A.、Lee,D.著「Motor Control and Learning,A behavioral Emphasis」、第4版、Human Kynetics出版、2005年
【発明の概要】
【0008】
これらの目的を達成するために、本発明は、本特許出願に添付された独立請求項の特徴部分によるステアリングシステムを提供する。
特に、本発明のシステム目的は、新しいタイプのステアリングを使用し、ステアリングボックス内で、ステアリングとステアリングボックスとの間の(機械的又は電子的/電気的接続を有する)車両のタイプに応じて、遊星歯車式の歯付き車輪又はコンピュータによって指令されるアクチュエータを使用し、これは、入力(補助装置及び運転者)を考慮すること、及び最終的なステアリングが調和していることを保証することの両方で機能する。
【0009】
ステアリングに関する限り、これは現在市販されているものとは異なる形態を有する。特に、ステアリングホイール及び車輪の車軸のラックに作用する補助装置の両方は、2つの部分からなり、すなわち、一方は運転者によって指令され、他方は障害物センサ(赤外線、超音波、又はレーダ若しくは同等物)又は実行することが望まれる任意の他のタスクによって指令される。
【0010】
運転者は、車輪の車軸に何らかの方法で接続されたステアリングコラムと一体のステアリングを把持し、
センサは、代わりに、電気回路に接続され、電気回路は、運転モードに応じて、一方では同軸に、及び、運転者によってステアリングに課される運動に関係なくステアリングの「内側」で自由に動く一種の「スターホイール」を、他方では車輪の車軸に何らかの方法で作用する「補助装置」を作動させたりさせなかったりする。
【0011】
予期されるように、また後述するように、スターホイールは、運転者によって或る特定のタスクを実行するために、ステアリング部材の理想的な回転に対して「反対」方向に回転する傾向がある。
車両の動作中、スターホイールは、センサによって識別された基準点の方向に配向され、回転される。
例えば、運転者が車両に対して右側の障害物(基準点)を回避しなければならない場合、スターホイールは、右側に、すなわち時計回り方向に配向され回転されて、その結果、運転者は、スターホイールの回転に対して感覚的に反対方向に指令部材を回転させる。
【0012】
ステアリング側では、センサは、或る特定の値(例えば、タスクに応じて1.5m以下又はそれ以上の起動値と呼ばれる)未満の距離(絶対値)で検出された場合、又は車両の数学モデルを介した予測計算から運転者の行動だけではタスクを実行するのに十分ではないことが分かるいずれの場合にも、サーボ及び/又は歯車及び/又は対象物(例えば、車線を保持するための障害物若しくはサイドライン、又は車両が車線に追従するための車線の仮想中心線)に「向かって」スターホイールを回転させる電気モータに接続される。詳細には、センサは、自動車の角に(又はタスクに応じて任意の他の位置に)位置することができる。起動値よりも低い/高い(タスクに応じて)絶対値の距離で対象物を(車両と対象物との間の「未来」距離を予測する意味で、リアルタイム又は「未来」時間で)検出すると、スターホイールを作動させる電気回路が給電される。この回転は、前述のように、人間が感覚的に突然の運動に対抗する傾向があることが示されているので、必要な回転に「反対」となる。
【0013】
車輪の車軸の側では、車輪の車軸に作用する「補助装置」を作動させるセンサで同様のことが起こる。この場合、安全上の理由から、車輪の車軸を介して自動車に課される回転は、自動車を対象物から遠ざける方向(これが回避されるべき障害物である場合)又は対象物に接近させる方向(これが到達するべき目的である場合)である。
ステアリング側は、ステアリングの2つの部分の非同期回転により(スターホイールは、運転者によって把持されたステアリングに対して動く)、プレキシガラス又は同様の材料のステアリングの「エリア」のカバーが安全のために使用され、また運転者がダッシュボードディスプレイを見ることを可能にする。スターホイールの運動を(設定された運転モードに応じて)感知及び/又は感覚感知することは、運転者がタスクを実行する(例えば、障害物を回避する、又は決定された道路若しくは車線を追従する)のを間接的に助ける。
【0014】
特に、プレキシガラス等の透明材料で作られたステアリング部材のカバー要素の存在が想定される。
透明材料の当該カバー要素は、ステアリング部材と一体的に取り付けられ、その結果、カバー要素に対するユーザの動作は、車輪を操舵するために、ステアリング部材を動かすことを可能にする。
【0015】
スターホイールがステアリング部材の内側に配置され、カバー要素によりユーザ(運転者)がスターホイール、ひいてはその運動を見ることが可能になるので、透明材料中にカバー要素が存在することは、特に重要な態様である。
したがって、ユーザは、スターホイールと接触する身体のいずれの部分も、特に手の部分を有さないが、ユーザは、その視覚フィードバックを有することになり、また後述するように、スターホイールの回転運動に対するステアリング部材の回転運動に対抗する傾向がある。
【0016】
いくつかの実施形態の例の説明を通して後述するように、スターホイールがステアリング部材に機械的に接続されている場合、運転者は触覚フィードバックも有し、すなわち、この場合、スターホイールの運動はステアリング部材(及び透明材料の可能なカバー要素)に伝達され、その結果、ユーザは触覚フィードバックも有する。
本発明のこれら及び更なる目的は、添付の独立請求項及び従属請求項によるボトリングシステムによって達成される。
本発明のシステムの任意の特徴は、本開示の不可欠な部分を形成する添付の従属請求項に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の開示された利点及び特徴をよりよく理解するために、以下に、図を通して詳述される。そのような図は、本発明を何ら限定することなく、例示のみを目的としている。
図1】本発明の全ての様々なモードをまとめて示す全体ブロック図を示す。モードに応じて、4つの番号付けされた経路の全部又は一部が考慮される。
図2】ステアリングとステアリングボックス(ドライブバイワイヤのバージョン、DBW/ビデオゲーム)との間に電子的/電気的接続を有する車両に適用することができる本発明の構成を示す。
図3】ステアリングとスターホイール(クラッチ)との間の結合が、本発明の機械的バージョン(下記参照)及びDBWバージョンの両方でどのように達成され得るかを示す。
図4】ステアリングとステアリングボックスとの間に直接的な機械的接続を有する車両(機械的バージョン)に適用することができる本発明の構成を示す図である。
図5】本発明の機械的バージョンにおいて(遊星歯車列による)ステアリングコラムと車輪の車軸との間の結合がどのように達成されるかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
設定可能な運転モードは以下の5つである。
A)間接的な(基本)支援:運転者は、ステアリングスターホイールがプレキシガラス又は同様の材料を介して、車両の両側の一方の対象物の近接度の関数として動くのを見るため、運転支援は視覚的にすぎないが、実際には、車輪の車軸は運転者によってのみ指令される。
この場合、視覚フィードバックが1つしかない場合でも、そのフィードバックは運転者がタスクを実行するのを助けることができる。図1は経路100及び200のみを示しており、運転者によって及ぼされるトルクCDは、自動車の車輪の車軸に作用Cを有する唯一のトルクである。
B)遠回りの又は隠された支援:スターホイールを回転させると、それがステアリングの「中立点」を動かした場合と同様であり、したがって、全体的なステアリングは、2つのステアリング、すなわち運転者によって設定されたステアリング及びセンサによって設定されたステアリングの組み合わせによって与えられる。図1は、経路100、200及び300のみを示し、自動車の車輪の車軸に作用を及ぼすトルクは、運転者によって及ぼされるCD及び補助装置(すなわち、センサ及びステアリング運動の自動実施のための手段からなる自動化システムによって)によって及ぼされるCAである。スターホイールは回転するが、車輪はCD及びCAのみの影響を受ける。
C)明確な推進支援:センサはスターホイールに推進力を与え、これが、この場合、ほんの一瞬又は数秒間ステアリングと一体化され、次いで運転者はトルクCRからステアリングの動きを知覚する。しかし、この運動は、反対の運動も車軸に伝達されるので、あたかも車輪の車軸に伝達されなかったかのようであり(又は少し高い絶対値を有するいずれの場合でも)、したがって、事実上、車輪の車軸は、最初は実質的に運転者のみによって、次に運転者及び補助装置によって指令される(スターホイールは回転し続けるが、車輪はCD及びCAのみの影響を受ける)。図1は、ほんの一瞬又は数秒間の全ての経路100,200,300及び400(経路400は、スターホイール及びステアリングが一体であることを示す)、次いで経路100,200,300を示す。したがって、自動車の車輪の車軸に作用するトルクは、最初は運転者によって及ぼされるCDのみ、スターホイールによって及ぼされるCR、及び補助装置によって及ぼされるCAであり(ただし、CR及びCAの絶対値が等しい場合、事実上、最初の数秒間では、車輪の車軸は、実質的に運転者によって加えられるCDのみによって最初に指令されることに留意されたい)、次いでCD及びCAによって及ぼされる。
D)完全な推進支援:センサはパルスを与え、同時にステアリングの中立点を動かす。実際には、スターホイール及びステアリングは常に一体であるが、トルクCAは常に加算され、したがってCR及びCAは、それらが等しい場合、互いに打ち消し合い、したがって事実上、車輪の車軸は実質的にトルクCDのみによって指令される。図1は、全ての経路100,200,300及び400を示し、したがって、自動車の車輪の車軸に作用を有するトルクは、運転者によって及ぼされるCD、スターホイールによって及ぼされるCR、及び補助装置によって及ぼされるCAである。なお、CR及びCAの絶対値が等しい場合、事実上、車輪の車軸はCDのみによって指令される。
E)支援なし:対象物が存在していても、運転には支援は適用されず、視覚的な支援も適用されない。スターホイールは、その中立位置にあり、プレキシガラス又は同様の材料を介して、運転者は、ステアリングと一緒ではないにしても、それが動くのを見ることができず、車輪の車軸さえも運転者によってのみ指令される。図1は経路100のみを示しており、したがって、自動車の車輪の車軸に作用を有するトルクCのみが、運転者によって及ぼされるCDである。
【0019】
センサから受信した入力から開始してスターホイール/車輪の車軸に加えられるトルクの量は、例えば、対象物からの距離がより小さい場合により大きなトルクを生成するポテンショメータを介して、対象物の距離に対して比例的に変化させることができることに留意されたい。
加えて、センサから受信された入力から始まる車輪のスターホイール/車軸に加えられるトルクの量は、運転者に提供される支援の割合に関して採用されるように意図された考え方に基づいてスケーリング又は増幅される。提案は、運転者が自分のタスクを実行するのに必要な入力の大部分を与えることを確実にすること、又はいずれにせよ運転者が完全に排除されないことを確実にすることである。
【0020】
ドライブバイワイヤのバージョン(図2)では、ステアリングコラム(1)と車輪(21)の車軸との間に機械的接続はない。運転者によって及ぼされるねじりモーメントを読み取るトルクセンサ(13)をコラム(1)に設けることで十分であり、これは、サーボ弁又はソレノイドバルブ、又はいずれの場合にもアクチュエータ(12)を介して車輪の車軸の軸方向運動に変換される。
明らかに、このタイプの接続では、従来のパワーステアリングの使用は必要ではなく、反対に、運転中に運転者に或る一定の意識を保証するために人工力フィードバックを考慮する必要がある。
【0021】
代わりに、制御ユニット又はコンピュータ(11)を使用して、様々な運転モードに応じて、運転者によってコラム(1)に課されるねじりトルクCDと、センサ(9)から始まる補助装置(3)によって生成されたトルクCAとを適切に組み合わせる。特に、制御ユニット又はコンピュータ(11)は、以下のタスクを有する。
【0022】
A)運転者(13)の入力を、車輪(21)の車軸を作動させるサーボ弁(12)の唯一の入力と考え、同時に、スターホイール(10)は動くが、運転者は知覚せず、運転者は、ステアリング(14)上のセンサ(9)からのフィードバックを知覚せず、
E)運転者(13)の入力を、車輪の車軸を作動させるサーボ弁(12)の唯一の入力と考え、スターホイール(10)は、運転者によって作動されるステアリング(14)と一緒でなければ動かず、すなわち、シンクロナイザーリングを有するクラッチの機構と同様の機構が、2つの部品を一体にし(図3参照)、運転者は、ステアリング(14)上のセンサ(9)からのいずれのフィードバックも知覚せず、
B、C、D)運転者(13)の入力及びセンサ(9)の入力(3)を、車輪の車軸を作動させるサーボ弁(12)の入力として考慮し、
より具体的には、
B)では、同時にスターホイール(10)が動くが、運転者は知覚せず、運転者は、ステアリング(14)上のセンサ(9)からのいずれのフィードバックも知覚せず、
C)では、ほんの一瞬又は数秒間、電気回路が作動され、電気回路は、サーボ及び/又はアクチュエータを介して、スターホイール(10)とステアリング(14)とが一体になるまでクラッチ(17)(図3参照)を押し、次いで運転者はステアリングの動きを知覚する。同じことは、例えば電磁石によって達成することができる。次いで、これらのほんの一瞬又は数秒において、サーボ弁(12)の入力は、コラム(1)を通る運転者(13)の入力のみとなり(CR及びCAにそれぞれ対応する2及び3は、それらが等しい場合、反対方向であるため互いに打ち消し合う)、次いで、電気回路が停止されると、サーボ及び/又はアクチュエータはクラッチ(17)を初期位置に戻し(事実上スターホイール(10)とステアリング(14)とを切り離す)、サーボ弁(12)の入力は、合計からなり、又はいずれの場合にも、コラム(1)を通る運転者(13)の入力とセンサ(9)の入力(3)との間の組み合わせからなり、同時にスターホイール(10)は動くが、運転者が知覚することはなく、運転者は、ステアリング(14)上のスターホイール(10)のフィードバックをほんの一瞬又は数秒間知覚し、その後、ステアリング(14)上のセンサ(9)のフィードバックを知覚しない。
D)では、クラッチ装置(17)を作動させるクラッチ(4)の電気回路(図3及び図2参照)が常に作動し、したがって、制御ユニット/コンピュータ(11)に運転者(13)の入力及びセンサ(9)の入力(3)を追加することによって、又はいずれの場合にも組み合わせることによって、実際には、唯一の入力がコラム(1)を介した運転者(13)の入力であるかのようになる(CR及びCAにそれぞれ対応する2及び3は、それらが等しい場合、反対方向であるため互いに打ち消し合う)。シンクロナイザーリング(16)を有するクラッチの機構と同様の機構、又は更には電磁石は、スターホイール(10)及びステアリングコラム(1)を一体にし、運転者は、ステアリング(14)が作動している間は常に、ステアリング(14)上のセンサ(9)のフィードバックを知覚する。
【0023】
機械的ブロック(23)は、スターホイール(10)とステアリングコラム(1)とが分離されても、クラッチ(17)とステアリングコラム(1)の歯車(24)との間の結合が残るように位置しなければならない。
クラッチ装置(17)(図3及び図2)を作動させるクラッチ(4)の電気回路は、モードA及びBが選択されたときには決して給電されない。
【0024】
モードC(最初の瞬間又は秒)及びDでは、スターホイール(22)のピニオン、したがってスターホイール(10)を作動させる電気モータ(2)も給電され、その結果、スターホイールの運動は、運転者に見えるだけでなく触覚的に知覚される。
このタイプのバージョン(DBW)は、同じステアリング/スターホイール構成を使用し、残りの全ての「仮想」を考慮したビデオゲームにも適用できる(数学的モデル、リアルタイム及び/又は将来の対象物及び距離、車輪の車軸及び車輪の車軸の入力等を有する車両)。この場合も、仮想センサによって検出された距離の基準が満たされ、運転モードに応じて、入力は、運転者(13)によって提供されるトルクであると考えられ、これは、補助装置(3)によって生成されたトルクに加えられ、又はいずれの場合にも組み合わされ、車輪の車軸の仮想ラックに作用する仮想トルクを出力として提供する。
【0025】
本発明のシステム目的は、ビデオゲームの世界及び拡張現実の世界の両方に容易に適用することができる。
予想されるように、ビデオゲームに適用する場合、実際のステアリング車輪及び実際の内部スターホイールが使用される。この場合、センサは仮想距離を測定し、車両、環境、車輪の車軸、及び車輪の車軸の入力等もシミュレートされる。
拡張現実の場合、システム全体は、数学的モデル及び予測を介して実際の又は最大で計算された距離/センサを使用して動作する。
【0026】
機械的バージョン(図4)では、ステアリング(14)、スターホイール(10)、及びセンサによって生成されるトルクCR及びCA(点(2)及び点(3)の両方)は、DBWバージョンと比較して変化しない。機械的バージョンでは、ステアリング(15)のピニオンは、遊星歯車(8)のシステムを介して車輪(21)の車軸のラックに機械的に接続される(図5の詳細を参照)。特に、ステアリングピニオン(15)は、遊星歯車列の太陽、すなわち衛星歯車が回転する点を構成し、補助装置(3)はそのリング(18)に指令する。太陽(15)及びリング(18)は、列キャリア(20)に指令する遊星歯車(19)を介して接続されている。列キャリア(20)は、車輪(21)の車軸のラックに接続された第2のピニオン(7)と一体である。
【0027】
この場合、従来の電動パワーステアリングシステム(6)が使用され、すなわち、制御ユニット(5)は、様々なセンサ(9)(例えば、車速、ステアリングトルク(13)、ステアリング角及び速度センサ、エンジン回転数等)の入力を自身に供給し、その内部に格納された様々な特性屈曲部から始まって、動力補助に必要なトルクを検出し、電動パワーステアリングモータ(6)を作動させる。
【0028】
明らかに、図4では、パワーステアリング(6)の位置が単に示され、実際、本特許の適用性を損なうことなく、異なる位置に置くこともできる。同じことが、ステアリングボックス内で、変速機がピニオン/ラック結合を介して行われず、他の手法(例えば、「ウォーム」又は「再循環ボール」)に追従する場合にも適用され、すなわち、この場合、図示のピニオン/ラック結合を所望の同じタイプの結合と交換すれば十分である。
図5では、電気モータ(3)がリング(18)を直接作動させるが、図4では、リングと一体の歯付き車輪を作動させることにも留意されたい。電気モータ(3)とリング(18)との間の特定の結合は、(電気モータ(3)を収容するために利用可能なスペースに応じて)直接的又は間接的に行うことができ、本特許の適用性を損なうことはない。
【0029】
同じことが、電気モータ(2)とスターホイール(22)、したがってスターホイール(10)のピニオンとの間の既存の結合にも当てはまり、これは、電気モータ(2)を収容するために利用可能な空間に応じて直接的又は間接的に(スターホイール(10)と一体の歯付き車輪)行うことができ、本特許の適用性を損なうものではない。
【0030】
次に、モードBの動作について説明する。
上述のセンサ(9)は、スターホイール(22)のピニオンに加えて、したがって(2つのDBW/機構バージョンで共通して言われたように)スターホイール(10)にも、車輪(21)の車軸のラックに間接的に作用する第2のピニオンにも接続される。基本的に、例えば回避すべき障害物が自動車の左側に十分に近い場合、電気モータ(3)はリング(18)を時計回りに回転させる。運転者は、ステアリング(14)/コラム(1)を介して作用することによって、太陽(15)を直接回転させる。その結果、自動車の軌道を右側に向ける第2のピニオン(7)と一体の列キャリア(20)に課される「合計」回転(又はいずれの場合も両者の組み合わせ)が得られる。
【0031】
ステアリング側では、センサ(9)は、電気モータ(2)を介して、スターホイール(22)のピニオン、したがってスターホイール(10)を反対方向に、したがって自動車を障害物に向かって動かす回転で作動する。本例(左側の障害物)では、スターホイールを反時計回りに回転させる(障害物が右側の超音波センサによって検出された場合、スターホイールは時計回りに回転する)。
【0032】
したがって、障害物/道路線の同じ位置に対するスターホイール(10)及びリング(18)の回転は反対方向を有することに留意されたい。
このモードでは、運転者は、おそらく代数的に追加されるか、又はいずれの場合にも補助装置(3)によって第2のピニオン(7)に間接的に生成されるトルクと組み合わされる自身の労力を軽減するパワーステアリング(6)に実質的に起因するフィードバックをステアリング上で知覚する。
【0033】
A)これはBと同様であるが、補助装置(3)はない(このモードでは給電されない)。実際には、視覚的支援のみが存在し、車輪(21)の車軸のラックへの補助装置(3)の介入はない。この場合、運転者は、パワーステアリング(6)によって実質的に自身の労力を軽減し、センサ(9)によって追加のフィードバックがないため、フィードバックをステアリング上で知覚するが、このようなフィードバックは、視覚的なものであっても、運転者がタスクを実行するのを助けることができる。
【0034】
E)Aに似ているが視覚的支援さえもなく、すなわち、クラッチ装置(17)(図3及び図2参照)を作動させるクラッチ(4)の回路は、スターホイール(10)をステアリング(14)に結合することによって給電される(クラッチの電気回路を作動させる前に、スターホイールの中立点をステアリングの中立点と位置合わせするために磁場を形成するために電気パルスを与えることができる)。運転者(13)の入力は、車輪(21)の車軸を駆動するパワーステアリング(6)の制御ユニット(5)の(本発明にとって関心のある)唯一の入力である。この場合、運転者は、実質的に自身の労力を軽減するパワーステアリングによるフィードバックをステアリング上で知覚し、センサによる追加のフィードバックは知覚しない。この場合、電気回路(2)にも給電されない。
【0035】
C)更に、モードBと比較して、例えば図3の電磁石又はクラッチ(17)を介して、スターホイール(10)がほんの一瞬又は数秒間ステアリング(14)と一体化されるという事実がある。結果として、運転者は、左側に接近する障害物がある場合、障害物に向かって移動するステアリングを知覚するが、実際には、反対方向への「同じ」回転(以下を参照)が、(少なくとも等しい量の)車輪のラック(21)に追加されるか、又はいずれの場合も運転者の回転と組み合わされる。そのため、これらのほんの一瞬又は数秒間、制御ユニットの入力は運転者(13)の入力のみとなり(CRとCAとが互いに打ち消し合う場合)、磁石/クラッチ(17)が分離されると、制御ユニットの入力は、合計からなり、又はいずれの場合も、運転者(13)の入力とセンサ(9)の入力(3)との間の組み合わせからなり、同時に、スターホイール(10)は動き続けるが、運転者がそれを触覚的に知覚することはない。CRとCAとが互いに打ち消し合うためには、例えばスターホイール(10)、ピニオン(7)、及び遊星歯車列(8)の様々な構成要素のピニオン径を適切に選択することによって、及び/又はリング側により大きなトルクを提供することによって、スターホイール(10)の回転と、第2のピニオン(7)上のリング(18)によって生成される回転構成要素とが同じであることが保証されなければならない。運転者は、ほんの一瞬又は数秒間スターホイールのフィードバックをステアリング上で知覚し、次いで、おそらく追加されるか、又はいずれの場合も補助装置(3)によって第2のピニオン(7)に間接的に生成されるトルクと組み合わされる自身の労力を軽減するパワーステアリング(6)に実質的に起因するフィードバックを知覚する。重要な概念は、スターホイール(10)の反対方向の回転は、安全上の理由から車輪の車軸に決して伝達されるべきではないことであり、この理由から、車輪の車軸では、CRの効果がCAの効果以下であることが重要である。
【0036】
D)このモードが選択されている限り、スターホイール(10)とステアリング(14)との間の結合は維持され、したがって、以前の場合に行われた全ての考慮事項は有効であり、すなわち、スターホイール(10)とステアリング(14)とが一体である上記のモードCの最初の一瞬又は秒のように有効である。この場合、運転者は、このモードが選択されている限り、自身の労力を軽減するパワーステアリング(6)によるフィードバックに加えて、ステアリング上でスターホイールのフィードバック(制御ユニット(5)の入力は、CRとCAとが互いに打ち消し合う場合にのみ、運転者(13)の入力となる)を知覚する。
【0037】
DBWバージョン(及びビデオゲームバージョンでは更にそうである)では、そうしたい場合及びそうすることを望む場合(選択された運転モードに応じて)、制御ユニット/コンピュータ(11)を介して2つのトルク(CD及びCA)を好都合に加えるが、機械的バージョンでは、遊星歯車列(8)の場合、リング(18)が静止しているか動いているかに応じて、列キャリア(20)の異なる出力が生成されると見なされるべきである。
【0038】
実際には、すなわち、
リング(18)が静止している(或いは、運転モードA及びEのように、電気回路(3)に給電されていないため、又は対象物が設定された起動値よりも大きい絶対値の距離にあるため)場合、列キャリア(20)の第2のピニオン(7)は、運転者が太陽ピニオン(15)を介して課される回転に対して約1/3に等しい回転を有する。この場合、運転者によってピニオン(1)に課される同じステアリング角/トルク(13)をパワーステアリング(6)の制御ユニット(5)に入力することができ、パワーステアリング(6)は、同じ格納された屈曲部によって指令される。
【0039】
リングが動いている場合(運転モードB、C、Dであり、対象物は設定された起動値よりも低い絶対値の距離にある)、列キャリア(7)のピニオンは、太陽のみ(15)又はリングのみ(18)とは異なる回転を有する。この場合も、パワーステアリング(6)の制御ユニット(5)の入力は、ステアリングピニオン(1)で読み取られ、運転者によって直接課される同じステアリング角/トルク(13)を有する。センサ(3)によって生成される任意の追加の運動は、正確には、運転者に多かれ少なかれ決定的に知覚させるように所望に応じてスケーリングすることができる追加である。運転者がステアリング(14)に介入しない場合、リング(18)は依然として車をより少なく旋回させ、障害物を依然として回避することができないことに留意されたい。(3)が給電され、したがってトルクを生成し、ピニオン(1)が動かない場合(すなわち、ステアリングトルク(13)はゼロである)、可聴アラーム又は音声が例えば「右左折する」と言うタイプの安全動作を考えることができる。この場合(リングが動いている)、運転者によって課されるステアリング角をAlfaSunとし、センサ(9)によって生成される「ステアリング」角をAlfaRingとすると、6つの可能性が、作成可能な様々なシナリオを簡単に示すために例として以下に記載されている。
【0040】
a)太陽(15)の回転角(AlfaSun)とリング(18)の回転角(AlfaRing)は同じ方向を有し、AlfaSun=AlfaRingであり、すなわち、列キャリア(7)のピニオンは同じ角度だけ動き、パワーステアリング(6)は、同じ格納された屈曲部(運転者(13)によって課されるステアリングトルクによって、エンジン回転数によって、車速によって、運転者のステアリング角AlfaSunによって、運転者によって課されるステアリング速度によって、及び制御ユニット(5)に格納されている特性屈曲部によって、制御ユニット(5)は、車輪の車軸のラックの有効トルクである動力補助のためのトルク(6)を取得する)によって指令される。
b)太陽(15)の回転角及びリング(18)の回転角は同じ方向を有し、AlfaSun>AlfaRingであり、すなわち、列キャリア(7)のピニオンは、リングが静止している場合に有するであろうものに対してより大きい角度だけ動き、運転者(13)によって課される同じステアリング速度に対して、エンジン回転数によって、車速によって、運転者のステアリング角AlfaSunによって、運転者によって課されるステアリング速度によって、及び制御ユニットに格納されている特性屈曲部によって、以前の場合(a)の動力補助のトルクはまた、列キャリア(20)のピニオン(7)のトルクに加えられ、したがって、車輪(21)の車軸のラックの有効トルクは、以前の場合(a)よりも大きくなる(例:左側の障害物、右側のより大きい合計を有するステアリング)。
c)太陽(15)の回転角及びリング(18)の回転角は同じ方向を有し、AlfaSun<AlfaRing(前の場合よりも近い障害物)であり、すなわち、列キャリア(20)のピニオン(7)は前の場合(b)と比較してより大きい角度だけ動き、車輪(21)の車軸のラックの有効トルクは前の場合(b)よりも大きくなる(例:左側のより近い障害物、右側のより大きい合計を有するステアリング)。
d)太陽(15)の回転角及びリング(18)の回転角は反対方向であり、
(AlfaSun)=AlfaRing(例:運転者が右側に操舵しており、右側に障害物がある)であり、すなわち、列キャリア(20)のピニオン(7)は動かないが、パワーステアリング(6)によってのみ動く(車輪(21)の車軸のラックの有効トルクは第1の場合(a)の場合と同じである)。
e)太陽(15)の回転角及びリング(18)の回転角は反対方向を有し、絶対値においてAlfaSun>AlfaRing(例:運転者は右側に操舵しており、一番右側に障害物がある)であり、すなわち、列キャリアのピニオン(7)は、リング(18)が静止している場合に有するであろうものに対してより小さい角度だけ動き、運転者(13)によって課される同じステアリングトルクに対して、エンジン回転数によって、車速によって、運転者のステアリング角AlfaSunによって、運転者によって課されるステアリング速度によって、及び制御ユニットに格納されている特性屈曲部によって、列キャリア(20)のピニオン(7)のトルクは、以前の場合(d)の動力補助のトルク(6)から引かれ、したがって、車輪(21)の車軸のラックの有効トルクは、以前の場合(d)よりも低くなる(例:右側の障害物、右側のより低い合計を有するステアリング)。
f)太陽(15)の回転角及びリング(18)の回転角は反対方向を有し、AlfaSun<AlfaRing(例:以前の場合より近い右側の障害物)であり、すなわち、列キャリア(20)のピニオン(7)が前の場合と比較してより大きい角度だけ動き、前の場合(e)よりも大きい列キャリア(20)のピニオン(7)のトルクでは、前の場合(e)の動力補助(6)のトルクから引かれ、したがって、車輪(21)の車軸のラックの有効トルクは、前の場合(e)よりも大きくなる(例:右側の合計ステアリングは前の場合(e)よりも低くなる)。
【0041】
5つの運転モードの起動/停止は、選択されたモードに応じて、給電されているか否かにかかわらず異なる回路を開閉するスイッチとして機能するキーを介して行うことができる。
-機械的バージョン(図1及び図4)では、すなわち、キーEが選択された場合、クラッチは給電されるが、ステアリング及びスターホイールが一体化されているが事実上回路又は経路が作動していないという意味のみであり(図1では、基本的に経路(100)のみが考慮される)、キーAが選択された場合、経路(200)(図1)/補助装置(2)の回路のみが給電され(図4)、キーBが選択された場合、リング(図4)/パス(300)(図1)の経路(200)(図1)/補助装置(2)(図4)の回路及び補助装置(3)の電気モータのみが給電され、キーDが選択された場合、経路(200)、(300)、(400)(図1)/補助装置(2)及び(3)の全ての回路並びにクラッチ(4)(図4)の回路が給電され、キーCが選択された場合、ほんの一瞬又は数秒間だけ給電されるクラッチ(400)(図1)/(4)(図4)を除く経路の全ての回路が給電される。
【0042】
-DBWバージョン(図1及び図2)では、すなわち、キーEが選択された場合、クラッチは給電されるが、ステアリング及びスターホイールが一体であるが事実上回路又は経路が作動していないという意味のみであり(図1では、基本的に経路(100)のみが考慮される)、キーAが選択された場合、経路(200)のスターホイールの経路の視覚フィードバックの回路のみが給電され(図1)/補助装置(2)(図2)、キーBが選択された場合、経路(200)(図1)/補助装置(2)(図2)の回路のみが給電され、制御ユニット/コンピュータ(図2の11)は補助装置(3)(図2)/経路(300)(図1)の電気モータの入力を使用し、キーDが選択された場合、補助装置(2)、(3)(制御ユニットは補助装置(3)の電気モータの入力を使用する)、(4)(図2)/経路(200)、(300)、(400)(図1)の全ての回路が給電され、キーCが選択された場合、数秒間しか給電されないクラッチ(4)(図2)/経路(400)(図1)を除く全ての回路が給電される。
【0043】
両方のバージョン(ビデオゲームバージョンを含む)、(100)(図1)/(1)(図2)では、運転者は常に能動的な役割を持たなければならないため、常に能動的であることに留意されたい。補助装置(3)(図2及び図4)/経路(300)(図1)は、それを除外することなくタスクを実行するのを助けるだけでなければならない!更に、やはり全てのバージョンにおいて、車両の数学的モデル(及び一般にシナリオ全体の数学的モデル)を使用することができ、いくつかの計算によって、時間tにおける運転者の行動のみでは、時間t+1において車両を起動値(特定のタスクに従って選択され、目標距離の周りの振動の意味でのシステムの不安定性の問題を回避するために或る特定の許容閾値と組み合わされた決定値)よりも長い距離に至らせるのに十分でないことが判明した場合にのみ、補助装置が介入することを確実にすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】