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特表2024-530205スポット焼灼部形成のための多電極パルス・フィールド・アブレーション・カテーテル
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  • 特表-スポット焼灼部形成のための多電極パルス・フィールド・アブレーション・カテーテル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】スポット焼灼部形成のための多電極パルス・フィールド・アブレーション・カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508356
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 IB2022055222
(87)【国際公開番号】W WO2023026106
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,746
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524052114
【氏名又は名称】キャスアールエックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メッケス、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アッシ、ミランジョット シン
(72)【発明者】
【氏名】フォング、イアン キム セン
(72)【発明者】
【氏名】パン、ペンジン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK17
4C160KK38
4C160KL03
4C160NN01
(57)【要約】
近位端、遠位端、及び遠位端から延びる少なくとも1つのループを有するシャフトを有するミニループ心臓アブレーション・カテーテル。ハンドルが、シャフトの近位端に結合され、ハンドルはステアリング機構を有する。複数の電極が、ハンドル内の少なくとも1つの電気コネクタに電気的に結合されたループ上に位置づけられ、少なくとも1つの電気コネクタは、複数の電極に電力を供給するために電気的アブレーション・エネルギー源と電気的に結合するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)近位端、遠位端、及び前記遠位端から延びる少なくとも1つのループを有するシャフトと、
b)前記シャフトの前記近位端に結合されたハンドルであって、ステアリング機構を有するハンドルと、
c)前記ハンドル内の少なくとも1つの電気コネクタに電気的に結合された前記ループ上に位置づけられた複数の電極であって、前記少なくとも1つの電気コネクタは、前記複数の電極に電力を供給するために電気的アブレーション・エネルギー源と電気的に結合されるように構成されている、複数の電極と
を有するミニループ心臓アブレーション・カテーテル。
【請求項2】
前記ループはステアリング可能である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記複数の電極は前記ループに沿って所定の間隔で離間されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記所定の間隔は等距離である、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記複数の電極は4つの電極を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記ループは、直径が12mm以下である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記ループは、直径が8mmから12mmの間である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記ループは非伝導性材料を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記ステアリング機構はラック及びピニオンを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記ピニオンはノブによって操作される、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記シャフトの前記遠位端は編組されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記編組は非電気伝導性材料で構成されている、請求項10に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年12月23日に出願した、本発明の譲受人が所有する米国仮特許出願第63/129,699号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、ステアリング(すなわち操縦)可能な心臓カテーテルに関し、より詳細には、心臓内アブレーションのカテーテル、システム及びその改良に関する。
【背景技術】
【0003】
Cox-Maze型手技の実施では、アブレーション・カテーテルを使用して心臓組織を切除し、心臓不整脈の除去を試みる。一般的には、ドット・アブレーション又はスポット・アブレーションが行われ、これは、アブレーション・カテーテルの先端及びアブレーション電極を再度位置づけすることによって繰り返される。これは非常に時間のかかる工程である。さらに、ドット・アブレーション又はスポット・アブレーションは焼灼部(Lesion;損傷部)に間隙を残すことがあるので、再度位置づけして手技を繰り返すことが必要になる場合がある。臨床医がより長い焼灼部を形成することができれば、必要とされる操作は少なくて済む。これにより、手技を行う時間が低減され、関係者全員にとって有益になる。高周波アブレーションにはより長い電極が検討されたが、電極上に凝塊が形成されやすい。さらに、長い電極からのエネルギー場は必ずしも均一ではなく、これは焼灼部に不連続性を引き起こすことがある。さらに、アブレーション電極及び治療する組織の温度は、組織の過度なアブレーションを引き起こさないことを確実にするために注意深く維持する必要がある。
【0004】
高周波又は凍結療法などの熱エネルギーを使用する心房細動(AF:atrial fibrillation)のカテーテル・アブレーションは、無差別な組織破壊を伴う。高周波(RF:radiofrequency)は、心筋アブレーションのエネルギー源として広く受け入れられているが、結果として、焼灼部が不連続になり、非標的組織が損傷することがある。さらに、心房壁組織にRFエネルギーを印加すると、心臓に近い領域にある食道又は神経が損傷する可能性がある。RFアブレーション手技では、不整脈を改善するために長期の治療時間が必要になる可能性がある。
【0005】
パルス・フィールド・アブレーション(PFA:pulsed field ablation)中、1秒未満の電場は、細胞膜に微細な孔を作成する電気穿孔法と呼ばれる工程である。不可逆的な電気穿孔法は、組織を切除するための非熱エネルギー源として使用できる。不可逆的電気穿孔法による心臓カテーテル・アブレーションは、高周波又は凍結アブレーションなどの熱アブレーション技術の安全且つ効果的な代替手段となることができる。送達された電力(ワット)、エネルギー(ジュール)又は電圧ではなく、総印加電流が、電気穿孔を引き起こす局所的な電圧勾配に最も直接関係するパラメータである。電気穿孔法は、直流、交流、パルス直流、又はこれらの任意の組合せなど、様々な様式で達成できる。実験的な心臓及び非心臓の研究は、大きな焼灼部において動脈及び神経が生き残るという組織の特異性を実証した。さらに、ブタのデータは、肺静脈内への適用が肺静脈狭窄をもたらさないこと、且つ食道が電気穿孔法に対して著しく鈍感であることを示唆している。
【0006】
これらの手技の取り込みに対する1つの速度制限要因は、使用される技術のコストの高さ、及び医療費支払者による償還が低いことに対する当惑である。アクセス部位の合併症、虚血性脳卒中、食道瘻、横隔膜神経損傷などの装置関係の合併症も、すべての患者に手技を提供することに消極的である一因となっている。困難なカテーテル設計を構築するための高い製造コスト並びに制御されていない熱治療(すなわち、凍結療法及び高周波アブレーションなど)が、AFのカテーテル・アブレーションにおける技術的限界に大きな役割を果たしている。
【0007】
Medtronic社が発表した「Intracardiac Pulsed Field Ablation:Proof of Feasibility in a Chronic Porcine Model」と題された研究は、パルス・フィールド・アブレーション(PFA)は、電圧が高く持続時間が短い二極パルス及び二相パルスの列を使用して、著しい加熱を伴わずに組織損傷を作成するIREの一形態であることに特に言及した。この研究では、9電極円形アレイのカテーテルへのPFA送達を使用して、非標的組織への損傷を低減して、デューティ比RFAによって達成されたものに匹敵する心房心筋損傷を達成したことを調べた。PFA技術は、多電極円形アレイのカテーテルから送達されたときに、標的心筋細胞死を生じさせ、EGM振幅を低減し、永続的な心房焼灼部をもたらすことがわかった。この研究では、デューティ比RFアブレーションと比較して、PFA焼灼部の治癒特性は、熱的特徴がなく、長引く「隔離された」心筋細胞群がなく、より均一な置換線維症を有し、心外膜脂肪炎症を有意に低減し、病変内血管の再モデリングが少なく、一方、PFA送達とRFA送達との両方には副次的な損傷がないことが報告された。この研究では、特定の安全に対する危険性が低減したこと、及び既存のアブレーション技術よりも有効性が向上する可能性があることを検証するために、この新しいカテーテル・アブレーションのエネルギー源に関するさらなる研究が必要であることが特に言及された。
【0008】
Medtronic Inc.の米国特許出願公開第2017/0035499号は、パルス・フィールド・エネルギーの少なくとも1つのパルス列を印加することによって組織を切除する方法を開示している。この方法は、所定の周波数を有するエネルギーのパルス列を心臓組織に送達することを含む。エネルギーのパルス列は、複数の電圧振幅、少なくとも60パルス、0μsから5μsの間の位相間遅延、少なくとも400μsのパルス間遅延、1-15μsのパルス幅、及び300Vから4000Vの間の電圧を含む。複数の電圧振幅は、第1の振幅よりも高い第2の振幅を含み、ここで、第1の振幅で送達される二相パルスは、第2の振幅で送達される二相パルスよりも高い周波数で送達される。パルスは、著しい組織加熱及び筋肉刺激をもたらす電流の流れの長い持続時間を伴わずに、高電圧、高電流(例えば、20アンペア以上)の印加を可能にするために、短く(例えば、ナノ秒、マイクロ秒、又はミリ秒のパルス幅)してもよい。しかしながら、このような方法では、特殊なカテーテルの設計が必要であり、製造コストが高く、外科的手技中の適用に柔軟性がない。
【0009】
手技を行うのに必要な時間を低減するために、より大きな点アブレーション焼灼部又はスポット・アブレーション焼灼部を作成できるPFAカテーテル設計を提供することが有利である。
【0010】
異なる解剖学的構造とより良く統合するために種々のスポット・アブレーションの直径を作成できるPFAカテーテル設計を提供して医療手技の効率を向上させることが有利である。
【0011】
熱アブレーション心臓療法及び装置に関係する危険性を高くすることなく、大きなスポット・アブレーション焼灼部を送達するPFAカテーテル設計を提供することが有利である。
【0012】
明細書全体にわたる先行技術の議論は、そのような先行技術が広く知られ、又は当該分野における一般知識の一部を形成していることを認めるものとして、決して考えられるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0035499号
【特許文献2】米国仮特許出願第63/___(代理人整理番号CAT-003)
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/00365011号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Medtronic社、「Intracardiac Pulsed Field Ablation:Proof of Feasibility in a Chronic Porcine Model」
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
この概要は、下記の詳細な説明でさらに説明される一定の概念を簡略化された形式で紹介するために提供される。本概要は、特許請求された主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求された主題の範囲を制限するために使用することを意図したものでもない。
【0016】
持続性心房細動(AF)を呈する患者のうちのかなりの少数は、しばしば、非PVトリガー部位での、並びに心房粗動などの同時リズムに対して、肺静脈隔離(PVI:pulmonary vein isolation)アブレーション及び追加アブレーションを必要とする。PVIだけでは持続性心房細動の治療には不十分な場合がある。僧帽弁峡部線、屋根線、後線、下大静脈三尖弁輪間峡部(CTI:cavotricuspid isthmus)線、後壁隔離術、左心耳隔離術、及び種々のAF電位図マッピング・アプローチを使用した懲罰的AF源/回転子でのアブレーションなど複数の追加の焼灼部セットが、しばしば、必要になることがある。本発明は、このような手技的必要性を満たすように設計され、ここで、単一のカテーテルは、診断マッピングと治療アブレーションとの両方に使用されてもよい。これにより、作業の流れの複雑さと手技のコストとの両方が低減される。
【0017】
本発明の典型的な使用例は、以下の通りである。持続性心房細動(AF)を呈する患者には小径固定ループ・カテーテルが使用される。ループは、ステアリングが不可能な8.5F SLO又はステアリング可能な8.5F Agilis導入器を使用して左心房に挿入される。左心房の3D EAMは、肺静脈(PV:pulmonary veins)及び左心耳を含む、左心房室の周りで小径固定ループ・カテーテルを操作することによって作成される。同時に、電圧マップ及び活性化マップが作成される。小径固定ループ・カテーテルは、左上肺静脈(LSPV:left superior pulmonary vein)、左下肺静脈(LIPV:left inferior pulmonary vein)、右上肺静脈(RSPV:right superior pulmonary vein)及び右下肺静脈(RIPV:right inferior pulmonary vein)の周りに、広いフットプリントの焼灼部を有する連続した線を作成するパルス・フィールド・アブレーション(PFA)エネルギーを印加することによってPVを隔離するために使用される。
【0018】
小径固定ループ・カテーテルを使用してPVを隔離した後、カテーテルをPV内へ挿入して、アブレーション線を横切るブロックをチェックする。いかなる間隙も小径固定ループ・カテーテルで検出し、再度切除する。AFがまだ持続する場合は、小径固定ループ・カテーテルを使用して、後壁隔離のために屋根線及び前線に沿って焼灼部を作成してもよい。AFが持続し続ける場合は、小径固定ループ・カテーテルを使用して、左心房に僧帽弁峡部線を、又は右心房に下大静脈三尖弁輪間峡線を作成してもよい。その後、カテーテルにより、手技が成功したことを確認するために、電圧及び/又は活性化のマップを再度作ってもよい。
【0019】
電気サージ及び/又はアーク放電をもたらし得る電極の交差なしで、異なる大きさのスポット・アブレーション焼灼部を作成できるPFA可変ループ・カテーテルを提供することが有利である。
【0020】
血栓形成及び脳卒中の危険性を低減した大きなスポット・アブレーション・カテーテルを提供することが有利である。
【0021】
本発明の目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服又は改善すること、或いは有用な代替を提供することである。
【0022】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するが、本発明の現在の好ましい実施例を例示し、上述した概要及び以下に述べる詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明するのに役立つ。図面は、次の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】カテーテルの第1の例示的な実施例の斜視図を示す。
図2図1のカテーテルの側面立面断面図を示す。
図3図1のカテーテルの遠位先端の斜視図を示す。
図4図3の遠位先端の正面立面図を示す。
図5図5Aは、8mmのループ径での例示的なPFA焼灼部を示す電場グラフの数値解の立面図を示す。1800Vの線量が268V/cmのIRE閾値を使用して処方され、PFA焼灼部の形成が決定された。図5Bは、10mmのループ径での例示的なPFA焼灼部を示す電場グラフの数値解の立面図を示す。図5Cは、12mmのループ径での例示的なPFA焼灼部を示す電場グラフの数値解の立面図を示す。図5Dは、14mmのループ径での例示的なPFA焼灼部を示す電場グラフの数値解の立面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面では、同様の数字は、全体を通して同様の要素を示す。本明細書では、ある用語が便宜上のみ使用され、本発明に対する限定ととられるべきではない。用語には、具体的に言及された語、その派生語、及び同様の意味を持つ語が含まれる。以下に例示する実施例は、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。これらの実施例は、本発明の原理並びにその適用及び実用化を最もよく説明し、当業者が本発明を最もよく利用できるようにするために選ばれ且つ説明される。
【0025】
本明細書における「一実施例」又は「ある実施例」への言及は、実施例に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所で「一実施例において」という句が現れるが、必ずしもすべてが同じ実施例を指すものではなく、又は別個の若しくは代替的な実施例が他の実施例と必ずしも相互に排他的であるわけではない。「実施」という用語についても同様である。
【0026】
本願で使用される場合、「例示的」という語は、本明細書において、実例、例、又は例示として役立つことを意味するために使用される。本明細書に「例示的」として説明される態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるものではない。むしろ、例示的という語の使用は、概念を具体的な様式で提示することが意図される。
【0027】
「約」という語は、本明細書において、「約」という語に修飾された数値の+/-10パーセントの値を含むために使用され、「一般的に」という語は、本明細書において「詳細又は例外に関係なく」を意味するために使用される。
【0028】
さらに、「又は」という語は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することが意図される。すなわち、別段の定めがない限り、又は文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを採用する」は、自然且つ包括的な順列のいずれかを意味することが意図される。すなわち、XがAを採用する場合、XがBを採用する場合、又はXがAとBとの両方を採用する場合、「XはA又はBを採用する」は前述のいずれかの例で満たされる。加えて、本出願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、別段の定めがない限り、又は文脈から単数形に向けられることが明らかでない限り、一般に「1つ又は複数」を意味すると解釈されるべきである。
【0029】
別段の明示的な記載がない限り、各数値及び範囲は、「約」又は「おおよそ」という語が値又は範囲の値に先行するかのように、おおよそであると解釈されるべきである。
【0030】
特許請求の範囲における図番号及び/又は図参照ラベルの使用は、特許請求の範囲の解釈を容易にするために、特許請求される主題の1つ又は複数の可能な実施例を特定することが意図される。このような使用は、それらの特許請求の範囲を、対応する図に示される実施例に必ずしも限定するものとして解釈されるものではない。
【0031】
本明細書に記載の例示的な方法のステップは、必ずしも記載された順序で行われる必要はなく、そのような方法のステップの順序は、単に例示的であると理解されるべきである。同様に、本発明の様々な実施例と一致する方法で、そのような方法に追加のステップが含まれてもよく、あるステップが省略又は組み合わされてもよい。
【0032】
以下の方法の特許請求の範囲の要素は、もしあれば、対応する表示とともに特定の順序で記載されるが、請求項の記載がこれらの要素の一部又は全部を実施するための特定の順序を別段に暗示するものでない限り、これらの要素は必ずしもその特定の順序で実施されることに限定されることを意図するものではない。
【0033】
本発明の1つの好ましい実施例は、小(8-10mm)径の固定ループ上に固定される、長さが約2mmの少なくとも4つの電極を含む「中型」7-7.5F PFAカテーテルを有する。少なくとも4つの電極は、大きなフットプリントの限局性焼灼部を作成するために、小径固定ループの周りに配置される。上記焼灼部は、従来の点アブレーション・カテーテルと比較して、大きさが、体積的にはるかに大きい。この大きな焼灼部フットプリントにより、より耐久性のある連続した焼灼部について、重なる、より広いアブレーション・ゾーンを作成することにより、必要とされる手技時間及び焼灼部の数を低減する。
【0034】
本発明の別の好ましい実施例は、肺静脈及び他の心臓内構造をマッピング且つ切除するために使用される、非常に汎用性が高く且つ操縦可能なカテーテルを有する。小径固定ループにより、電極の間隔が狭くなり、マッピング分解能が向上し、診断結果が改善する可能性がある。小径固定ループは、心房の3D EAM、電圧マップ、活性化マップ、及びブロックをチェックするためのペーシングを作成するために使用されてもよい。
【0035】
図1は、心房細動治療に使用するための小径固定ループ・パルス・アブレーション・カテーテル100を含む装置又はシステムの形態における本発明の第1の例示的な実施例の斜視図を示す。カテーテル100は、同時に出願された共通所有の米国仮特許出願第63/___(Attorney Docket No.CAT-003)に開示されたカテーテルなどの、パルス・フィールド・アブレーション(PFA)カテーテルであることができる。或いは、カテーテル100は、高周波アブレーション(RFA)カテーテル及び/又はPFAエネルギー送達とRFAエネルギー送達との組合せであってもよい。
【0036】
例示的な実施例では、アブレーション・カテーテル100は、小径固定ループ106に遠位に、並びにシャフト104に近位に結合された遠位偏向ゾーン102と、シャフト104の近位端110に結合されたハンドル108とを含む。図2を参照すると、アブレーション・カテーテル100内には、ステアリング可能な小径固定ループ106を治療部位へ操縦するようにステアリング機構(操縦機構)又はノブ/プランジャ134を操作することによって遠位偏向ゾーン102の方向を変更するように構成された方向付与機構120と、人体解剖学的構造により良くインターフェースするためにループ106をステアリングするように構成された回転アクチュエータ126とがある。
【0037】
例示的な実施例では、回転アクチュエータ126は、ピニオン128の回転によりラック127を摺動させて遠位偏向部102をステアリングするように、ラック127及びピニオン128を有する。ラック127及びピニオン128は、2つのクラム・シェル130と132との間に挟まれる。クラム・シェル130はまた、回転アクチュエータ126のより円滑な動きのためにピニオン128の反対側にインターフェースするラック131を有する。ラック127は、遠位偏向ゾーン102を偏向させるためにユーザによって前進されるノブ/プランジャ134に固定される。ノブ134及びラック127が前進すると、ピニオン128は、方向付与機構がラック127、131とインターフェースするのとは逆方向に前進する。クラム・シェル130、132は、ハンドル108に固定されるが、ノブ134には固定されず、ピニオン128をラック127、131との軌道上に保持する。クラム・シェル130は、また、キー特徴部133を通してピニオン・アセンブリの行程を制限する。ニチノール製ステアリング管124がラック127の遠位端135に固定され、ステアリング管124の長手方向軸線を延在させるニチノール製引張ワイヤ(図示せず)が、キー特徴部133の内側に締結されたグラブねじを介してピニオン・アセンブリ128に取り付けられる。ステアリング管136及び引張ワイヤ138がピニオン128によって引っ張られると、偏向ゾーン102は偏向する。
【0038】
例示的なステアリング機構は、2017年8月11日に出願され、2018年2月8日に米国特許出願公開第2018/00365011号として公開された米国特許出願第15/550,651号に開示され、これは本発明の譲受人が所有し、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0039】
図2も、方向付与機構120への取り外し可能な接続部150を有するハンドル108を示す。1つの例示的な実施例では、取り外し可能な接続部150は、ねじ式接続部であるが、当業者であれば、他の型の接続部が提供できることを認識する。遠位インサート152は、ハンドル108及びカテーテル100の内部が再使用可能となるように、取り外し可能又は使い捨てとすることができる。加えて、使い捨ての遠位先端154は、遠位インサート152の遠位方向に位置する。遠位先端154は、シャフト104をカテーテル100から導き、シャフト104の動きに集中する。送達管腔156は、シャフト104が送達管腔156に沿って延びるように遠位先端154を通って長手方向に延びる。
【0040】
別の例示的な実施例では、取り外し可能な接続部150は、接着剤、係止ねじ、キー特徴部、又は類似のものによってハンドル108に固定される。遠位インサート152も、ノブ134の内側に固定される。この配置では、コネクタ135、137は余剰となってもよく、電気的接続は、電極142から近位コネクタ140へ直接行われてもよい。これにより、高電圧エネルギー送達中の交差接続及び短絡の機会を取り除くことができる。また、装置のコストも低減される。
【0041】
図3及び図4は、4つの電極142、すなわち、正電極144と負電極146とを交互に設けた小径固定ループ102を示す。4つの電極142が示されているが、当業者であれば、2つの電極142の倍数で、追加の電極142を設けることができることを認識する。電極142は、互いから均等に間隔があけられ、この実施例では、各電極142は、隣接する電極142から円弧の周りに約90度の間隔があけられている。
【0042】
小径固定ループ・カテーテル100は、電極142を含むループ106の変形及びその後の再形成を可能にするために、ニチノールなどの形状記憶材料から構成できる。小型ループ106(直径8mm、10mm、又は12mmのいずれであってもよい)は、電極142に電流が印加されると、心臓組織などの隣接する組織に連続的な焼灼部を生じさせる。このような焼灼部は、組織に不可逆的な電気穿孔、又は組織に不可逆的な焼灼をすることができる。また、カテーテル100の使用により、穿孔の危険性がより高い線状カテーテルと比較して、組織壁穿孔の危険性を低減する。
【0043】
図1図3、及び図4を参照すると、シャフト104の偏向ゾーン105は、可撓性及びねじり抵抗を最大にするために斜めに位置づけられた編組繊維107を有する複合管である。編組繊維107は、非伝導性又は伝導性の編組繊維であることができる。
【0044】
例示的な実施例では、編組繊維107は、エネルギー送達中のカテーテル100の交差接続又は短絡を防止又は制限するために、部分的又は全体的に非金属材料で構成されてもよい。編組繊維107は、強化ナイロン、ポリウレタン、PEEK、又はケブラー(登録商標)(液晶ポリマー)材料で構成できる。
【0045】
本発明のカテーテル100は、300ボルトより大きな電圧を送達する。電圧は、カテーテル・シャフト104を通って、小さな絶縁ワイヤ(図示せず)を通過する。ワイヤは、ニチノール製形状付与機構13と平行に通過し、ループ102上の複数の電極142で終端する。各ワイヤは、単一の電極142に対応する。いくつかの実施例では、電極142は、流路としても知られる対144、146で配置される。各電極対144、146は、二極単相波形又は二極二相波形のいずれかを送達するように同期される。同期パルス送達は、電圧及び電流を発する各流路内の1つの電極144、146によって行う。その電圧及び電流は、次に、抵抗性心臓組織を通過し、対の他方の電極146、144を通って出る。300ボルトより大きな高電圧が予想されるため、電極142下のループ102の構築は絶縁材料で行われる。例示的な実施例では、シャフト104は、シリコーンポリマーで構成される。
【0046】
図5A-Dは各々、それぞれ8mm、10mm、12mm、及び14mmのループ直径での例示的なPFA焼灼部を示す電場グラフの数値解の立面図を示す。1800Vの線量が268V/cmのIRE閾値を使用して処方され、PFA焼灼部の形成を決定した。先端106は各図に示され、電極142は明瞭にするために図5Aに示されている。図5B図5C図5Dの中心にある光スポット90、92、94は、それぞれ、8mmの直径を有する図5Aに示されている先端に対して、先端の直径が大きいために切除されない組織を示す。
【0047】
加えて、さらなる実施例は、シャフト104が、シャフト104の偏向ゾーンの開始部まで金属製又は金属化の編組を含み、偏向ゾーンの開始部を越えて延びる追加の特徴部(図示せず)を含んでもよく、編組は、シャフト104の遠位端106まで非金属編組で構成される。好ましくは、電極142の下又は近くの領域は、非金属編組であることができる。
【0048】
電場の計算
小径固定ループ・カテーテルによって作成される電場体積を決定するために、静電有限要素解析を使用して電場をシミュレートするようにイン・シリコ・モデルが設計された。モデル形状は、血液ドメイン、心臓組織、及び小径固定ループ・カテーテルを有する。
【0049】
静電有限要素解析は、ガウスの法則及びより数学的に複雑なマクスウェル方程式を使用する。これらの方程式は、媒体全体の電荷及び電圧の分布を解く。このような複雑な数値計算を解くために、Electromagnetic Works(EMS)2018多コア反復静電ソルバーが使用される。この有限要素法(FEM:finite element method)ソフトウェアは、以下のマクスウェル方程式を計算する。
∇×E=0 (1)
∇・D=ρ (2)
【0050】
ここで、E及びDは、それぞれ電場及び変位場である。∇×記号は発散演算子を示し、∇・記号はカール演算子を示し、ここでρは電荷密度である。方程式1及び2を解くには、構成的関係を適用して以下を形成する:
D=εE (3)
【0051】
ここで、εは材料の誘電率である。この方程式は、以下を形成する電位φを導入することによってさらに単純化される:
E=-∇φ (4)
【0052】
有名なポアソン方程式(4)は、その後、方程式1及び2から得ることができる。最後に、静電解析では、次のポアソン方程式を実行する:
∇・(ε∇φ)=ρ (5)
【0053】
ポアソン方程式(5)は、EMS又は関連ソフトウェアを使用してFEMによって、PFAカテーテル・アセンブリ及びその周囲媒体の所与のモデルについて解くことができる。モデルでは、φの振幅が電極表面で一定であり、Eベクトルが絶縁カテーテル・シャフトなどの絶縁面に平行であるなどの入力境界条件を課す。FEMコンピュータ・プログラムの助けがなければ、上記の問題を演算することは非常に困難である。物性値及び入力境界条件は、以下に示す。
【0054】
組織伝導率は、局所的電場強度及び温度の関数であるため、予測が困難である。心筋の場合、温度依存の区分的熱伝導率関数は100℃まで0.12℃-1線状に成長し、その後一定に保たれる。或いは、心臓組織の電気伝導率は、0℃から100℃の間で1.5℃-1の指数関数的成長を特徴とする。PFAでは100℃を超える温度はありそうにないが、心臓組織は、100℃での組織乾燥をモデリングし、その後は一定のままである、5℃で4桁の線状減衰を経験する。さらに問題を悪化させるために、細胞質が以前は利用できなかった細胞内の電流経路を開く細孔形成が継続するため、組織伝導率の実験値が増加することがある。この現象は、単極又は二極のパルス送達及びパルスの数を含む波形型におそらく関係している。例えば、Tekleらは、二極矩形波が一極矩形波よりも細胞膜をより良く透過させることを報告し、Garciaらは、パルス数が多いほど細胞死数が大きくなることの重要性を例示した。このような組織の伝導率及び波形効果は、実験的に分析し、且つ経験的に定義でき、加熱効果と組み合わせて動的電気伝導率の構成要素を形成できる。
【0055】
PFA中の心筋の動的挙動を実行するには、複雑な熱流体モデリング又は困難な実験的測定、次いで広範な生体外組織特性データを必要とする。また、この作業の全体的な目標は、PFAシステムの設計に情報を提供し、PFA焼灼部の影響に関する洞察を提供することであり、費用のかかる生体内試験の必要性を制限する可能性がある。そのため、現行報告では、腎臓から得られた入手しやすい生体外電気穿孔データを使用する。
【0056】
心臓と腎臓とは機能では全く異なるが、より深く見ると、比較により非常に類似した組織特性が明らかになる。例えば、組織の熱伝導率をとると、心筋及び腎臓組織の熱伝導率はそれぞれ0.56及び0.53Wm-1-1である(IT’ISデータベース、チューリッヒ、スイス)。したがって、生体外電気穿孔中に腎臓に得られた、温度の関数としての電気伝導率のパーセントの増加は、PFA中の心筋動的伝導率に対して保守的でありながら比較的正確な代替案をおそらく提供する。この点に関して、45kHzでの組織伝導率が選択され、20パルスを超えるパルスを送達するときに予想され得る伝導率の約18%の増加が追加された。これらの組織特性は、2つの15μs二相パルス及び2つの5μsパルス間遅延を有する波形から生じ、(0.0347Sm-1)の伝導率が追加された。これは、パルス間遅延を伴うことなく、約150kHz又は非常に高速な3.325μsの二相パルスに変換され、これは、同時に出願された共通所有の米国仮特許出願第63/___(Attorney Docket No.CAT-003)に開示されるように、高電圧送達中に必要とされることがある。組織誘電率については、所定の組織伝導率での典型的な値に基づいて推定された。同様に、血液特性は、5μsのパルス持続時間の高速の直流(DC)PFA波形中に生じる材料特性を反映する。しかしながら、血液内の電場は焼灼部の評価にはほとんど関係がないため、電場評価では血液は無視された。
【0057】
表1が、コンピュータ・モデルに使用される材料特性を概説する。
【表1】
【0058】
境界条件はまた、アノードが規定の電圧で通電され、カソードが接地に設定されるNealらの作業も反映する。現行作業では、一方の電極が通電され、他方の電極が接地に設定される。この境界条件により、電流の流れが1つの電極から流れ、周囲の解剖学的空間を通過して、接地された電極に入ると、電場が作成される。この研究は、現行解析ではパルス幅及びパルス数が不可能であることを意味する定常状態の計算である。代わりに、波形の種類による細胞死数の増加は、材料特性の電気伝導率及び結果としての誘電率に対する18%の増加に捕捉される。結果として、2つの電極の間でシミュレートされた電場は、腎臓での生体外実験からとられた仮定心臓組織の動的伝導率による焼灼部の深さを示す。さらに、これは、268V/cmの心臓組織の既知のIRE閾値によって可能になる。これは、血流が計算されないことも意味する。電場形状は、血流がなくても影響を受けず、これは、同時に出願された共通所有の米国仮特許出願第63/___(Attorney Docket No.CAT-003)に開示されているように、電極の受動的冷却が明らかな熱流体モデリングにおいて特に有用である。
【0059】
この研究では、268V/cmのIRE閾値を使用して心臓PFA焼灼部が同定された。この閾値は、一極単相PFA中、最初に捕捉されたが、これは、検証目的で使用される臨床用Medtronic及びFarapulseシステムで採用されている波形とは実際に著しく異なる波形である。或いは、400V/cmの閾値が一般的に提案されている。以前発表された研究で閾値として400V/cmが選択されたのは、ラット筋芽細胞を使用した試験管内の実験に基づくもので、約375V/cmの閾値を定義している。Kaminskaらによって決定されたラット筋芽細胞のIRE閾値は、IRE閾値が300V/cmより大きく、375V/cm以下であることを示唆する不完全なデータ・セットである。したがって、現在の証拠では、心筋細胞の平均IRE閾値が400V/cmではなく322±54V/cmであることが示される。
【0060】
病理組織学では、可逆的に電気穿孔された細胞から不可逆的に電気穿孔された細胞への移行が、電気穿孔された焼灼部全体にわたって連続して生じることを示している。したがって、不可逆的電気穿孔の閾値は、離散的値と見なすことはできず、単一の試験管内の研究に基づくこともできない。代わりに、IRE閾値の推定は、一般に、組織学的結果を計算論的モデルの電場分布と重ね合わせることによって行われる。本明細書で提案された計算論的モデルは、Medtronic及びFarapulseによって報告された組織学的結果と重なると、一般化可能なPFA波形及び組織特性を使用してWittkampfらによって報告された268V/cmのIRE閾値を明らかにした。最近の研究では、Calouriらは、この現行計算論的モデルで使用されているものよりも伝導性が高いRFA組織特性と組み合わせた独自のPFA波形を使用したが、組織学的結果は計算論的に予測されたものよりも優れたままであったと報告した。著者らは、この原因を、モデルで考慮されていない複数のパルスの影響としているが、結果の解釈に400V/cmというより高いIRE閾値が使用されたためという可能性もあり、これはこのようなIRE閾値がIRE等温線を大幅に低減させるであろうためである。IRE閾値を322±54V/cmと低くすれば、PFA境界の計算論的予測が確実に改善される。
【0061】
最後に、ラットの筋芽細胞の試験管内の実験中に使用された波形及びパルス・パラメータもまた、Medtronic及びFarapulseによって現在採用されているものとは異なっていた。使用された波形は単相矩形波であったが、Medtronic及びFarapulseは現在、二相矩形波を使用している。同様に、二相矩形波は、単相矩形波よりも有意な細胞応答を誘起する。加えて、Wittkampfらが使用したような高傾斜の指数パルスは、矩形パルスよりも傷害が少ない可能性がある。したがって、心筋細胞は、現在、他によって提案されているよりもさらに低いIRE閾値を引き出すことができると考える理由がある。例えば、Oliveiraらは、わずか50V/cmの電場強度でIREを経験しているラット心室筋細胞を示している。PFAによって誘起される典型的なIRE閾値は、この値より大きいが、350V/cm未満であると考えられる。
【0062】
本発明の性質を説明するために記載且つ例示した部品の細部、材料、及び配置における様々な変更は、以下の特許請求の範囲に表現される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者であれば行うことができることがさらに理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】