IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カーテン コントロールズ リミティドの特許一覧

特表2024-530206取り換え可能なマルチポートピンチバルブアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】取り換え可能なマルチポートピンチバルブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/06 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
F16K7/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508393
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2021072192
(87)【国際公開番号】W WO2023016626
(87)【国際公開日】2023-02-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524052424
【氏名又は名称】カーテン コントロールズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】デクラン アイリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】リー コーフィールド
(57)【要約】
流体を分配するために1つ以上の内部チャネル(42)を内部に備える単一ピースブロックを備えるピンチバルブアセンブリであって、1つ以上のチャネルの各々が、埋め込まれた封止可能なバリアを備え、単一ピースブロックが、1つ以上の流体導管をチャネルに接続するための1つ以上の出口を更に備える、ピンチバルブアセンブリが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピンチバルブアセンブリであって、
流体を分配するために1つ以上の内部チャネルを内部に備える単一ピースブロックであって、前記1つ以上の内部チャネルの各々が、埋め込まれた封止可能なバリアを備える、単一ピースブロックを備え、
前記単一ピースブロックが、1つ以上の流体導管を前記チャネルに接続するための1つ以上の出口を更に備える、ピンチバルブアセンブリ。
【請求項2】
1つ以上の圧縮機要素を前記内部チャネルに接続するための1つ以上の開口部を更に備える、請求項1に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項3】
前記1つ以上の開口部のうちの1つに接続された前記圧縮機要素が、前記内部チャネルを封止するように、前記内部チャネルのうちの1つにおける前記埋め込まれた封止可能なバリアの圧縮のために、前記開口部に向かって、かつ前記開口部を通って移動可能であるように構成されている、請求項2に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項4】
前記埋め込まれた封止可能なバリアが、前記アセンブリの内部の圧縮可能な表面であり、前記圧縮機要素が、前記圧縮可能な表面を前記内部チャネル内に押し込んで、前記内部チャネルを封止するように構成されている、請求項3に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項5】
前記埋め込まれた封止可能なバリアが、前記アセンブリの内部の圧縮可能な流体導管であり、前記圧縮機要素が、前記圧縮可能な流体導管の表面を直接押して、前記内部チャネルを封止するように構成されている、請求項3に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項6】
使用時に、前記圧縮機要素が、前記1つ以上のチャネルのうちの1つの中の埋め込まれた封止可能なバリアが圧縮解除されて、前記チャネル内の流体の流れを可能にする、開位置と、前記1つ以上のチャネルのうちの1つの中の埋め込まれた封止可能なバリアが圧縮されて、前記チャネル内の流体の流れを防止する、閉位置との間で移動可能である、請求項3~5のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項7】
前記単一ピースブロックは、第1の表面、第2の表面、及び第3の表面上の前記内部チャネルに1つ以上の流体導管を接続するための前記複数の出口と、第4の表面上の前記内部チャネルに1つ以上の圧縮機要素を接続するための前記複数の開口部と、を備える、直方体形状である、請求項3~6のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項8】
前記単一ピースブロックが、使い捨てポリマーブロックを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項9】
前記埋め込まれた封止可能なバリアが、シリコーン材料から構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項10】
前記内部チャネルが、流体の滅菌分配用に構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項11】
前記内部チャネルが、プラズマコーティングを介して滅菌されている、請求項10に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項12】
前記単一ピースブロックが、追加の単一ピースブロックに接続可能であるように更に構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項13】
前記単一ピースブロックが、1つ以上の追加の単一ピースブロックに接続されてモジュール式アセンブリを形成している、請求項12に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項14】
前記圧縮機要素が、手動で作動されるように構成されている、請求項3~13のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【請求項15】
前記圧縮機要素が、空気圧によって作動されるように構成されている、請求項3~13のいずれか一項に記載のピンチバルブアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンチバルブマルチポートアセンブリに関する。具体的には、完全に取り換え可能かつ交換可能な「使い捨て」バルブ本体を有する、ピンチバルブマルチポートアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
バイオプロセスは、生成物及び化合物を生成するための生細胞又は構成要素の使用を含む。所与のプロセス内での生細胞又は構成要素の単離は、汚染によって生成物が使用に好適でない場合があるので、極めて重要である。バイオプロセス産業における汚染のリスクを低減するために、多くの構成要素は「単回使用」である。業界内では、「単回使用」技術は、主に、配管及びバッグ等のポリマー構成要素を指す。これらの構成要素は、生成物の単一バッチのみのための細胞培養培地を収容及び輸送するために使用される。使用後、構成要素は生産使用から除去され、代替構成要素が次の生産バッチに使用される。
【0003】
「単回使用」構成要素の意図は、代替生産バッチとの相互汚染から培地を保護すること、プロセス機器の滅菌及び洗浄/衛生化を不要にすること、並びに細菌汚染を防止することである。
【0004】
配管は、バイオプロセス全体を通して、あるプロセスポイントから別のプロセスポイントへ、例えば、所与の処理プラントにおけるある機械から別の機械へ培地を輸送するために使用される。配管は、例えば、チューブを通る所与の培地の流れを停止させ、プロセス中の1つの点から別の点への培地の更なる移送を防止するために、封止される必要があることが多い。この配管は、しばしば単回使用であり、ポリマー材料から製作される。
【0005】
単回使用ポリマーデバイスは、耐久性のあるデバイスではなく、一般に、1つの生産バッチのみで使用するものとみなされている。それらは、再使用可能なアセンブリを提供するように設計されていない。
【0006】
2回以上の使用を可能にすることができるハイブリッドオプションが利用可能である。これらは、しばしば、成形されたポリマーチューブの「ピンチング」のために再使用可能であるステンレス鋼バルブ構成に依存する。
【0007】
そのようなハイブリッドステンレス鋼アセンブリは、完全な単回使用バルブ及び管構成よりも耐久性がある。ハイブリッドアセンブリは、新しい配管が生成物接触材料として使用された後、バッチ毎にステンレス鋼ピンチバルブの再利用を可能にする。更に、複数のバルブのアセンブリ内のデッドスペースを最小限に抑えるマルチポート又は「ブロック」アセンブリを作製することが可能である。
【0008】
しかしながら、マルチポートアセンブリを1つのブロックアセンブリ内で使用すると、単回使用技術の意図された柔軟性が損なわれ、具体的には、生成物接触シリコンライナを除去するためにバルブ本体ベースを部分的又は完全に分解し、未使用ライナと交換し、再組み立てし、配管をライナポートに再接続することが必要になり得る。従来の定置洗浄(clean-in-place、CIP)、定置蒸気(steam-in-place、SIP)、バッチ間の自動洗浄及び滅菌レジームから発展する産業分野では、この重要かつ可変の操作は、複雑で時間がかかり、ヒューマンエラーについての高リスク要因を伴うことが証明され得る。
【0009】
このかさばり、重く、時間がかかり、リスクを伴うバッチ交換プロセスを除外することができるピンチバルブアセンブリは、最新技術を改善するであろう。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、流体を分配するために1つ以上の内部チャネルを内部に備える単一ピースブロックを備える、ピンチバルブアセンブリであって、1つ以上の内部チャネルの各々が、埋め込まれた封止可能なバリアを備え、単一ピースブロックが、1つ以上の流体導管をチャネルに接続するための1つ以上の出口を更に備える、ピンチバルブアセンブリを提供する。
【0011】
単一ピースブロックは、ブロック自体内に内部チャネルを備える。したがって、ブロック内で流体を移送するための追加の配管を提供する必要がなくなる。加えて、ブロック全体を生産ラインから除去し、1つの簡単な動作で交換することができる。アセンブリから流体を移送するために、必要に応じて、外部流体導管を内部チャネルと流体連通させ得るように、出口が提供される。
【0012】
埋め込まれた封止可能なバリアは、生物学的流体材料との接触に好適な封止可能な接触表面を提供する。ライナは、チャネル内に直接適用され得、チャネルの内部表面の周りにコーティングを提供する。代替的に、ライナは、チャネルに射出成形される流体導管の形態にあり得る。
【0013】
ピンチバルブアセンブリは、1つ以上の圧縮機要素を内部チャネルに接続するための1つ以上の開口部を更に備え得る。このことは、それによって、圧縮機要素が内部チャネルのうちの1つ以上への圧縮を提供することを可能にする構成を介して、圧縮機要素がアセンブリに接続され得ることを提供するので、有利である。
【0014】
ピンチバルブアセンブリは、1つ以上の開口部のうちの1つに接続された圧縮機要素が、内部チャネルを封止するように、内部チャネルのうちの1つにおける埋め込まれた封止可能なバリアの圧縮のために、開口部に向かって、かつ開口部を通して移動可能であるように構成され得る。このことは、内部チャネルのうちの1つの埋め込まれた封止可能なバリアに圧縮力を加えることが、ライナの一方の側を押して反対側に接触させる役割を果たし、したがって内部チャネルを封止し、チャネルを通る流体の流れを防止する効果を有するので、有利である。
【0015】
更に、これは、単純な二方向単一圧縮機要素バルブアセンブリの使用を提供する。複雑なマルチポート多重圧縮機要素アセンブリに対するニーズが克服される。その結果、これは、そのようなアセンブリに関連付けられたリスク、複雑性、及びデッドレッグホールドアップ体積の問題を克服する。更に、バイオバーデン及び細菌トラップの生成、並びに生物製剤バッチの結果として生じる汚染に関する問題も克服される。
【0016】
埋め込まれた封止可能なバリアは、アセンブリの内部の圧縮可能な表面であり得、圧縮機要素は、圧縮可能な表面を内部チャネル内に押し込んで、内部チャネルを封止するように構成されている。このことは、圧縮可能な表面が、埋め込まれた封止可能なバリアに圧縮力を加えて、内部チャネルを封止し、チャネルを通る流体の流れを防止する役割を果たすことができるので、有利である。このようにして、圧縮表面は、ブロック内に埋め込まれた封止機構を提供する。
【0017】
埋め込まれた封止可能なバリアは、アセンブリの内部の圧縮可能な流体導管であり得、圧縮機要素は、圧縮可能な流体導管の表面を直接押して、内部チャネルを封止するように構成されている。このことは、内部チャネルを封止し、チャネルを通る流体の流れを防止するために、埋め込まれた封止可能なバリアに圧縮力を加える代替的な様式を提供する。
【0018】
使用時に、圧縮機要素は、1つ以上のチャネルのうちの1つに埋め込まれた封止可能なバリアが圧縮解除されて、チャネル内の流体の流れを可能にする、開位置と、1つ以上のチャネルのうちの1つに埋め込まれた封止可能なバリアが圧縮されて、チャネル内の流体の流れを防止する、閉位置との間で移動可能であり得る。したがって、これは、単一ピースブロック内の1つ以上のチャネルを通る流体の流れが、単一ピースブロックに接続された1つ以上の圧縮機要素の開放及び閉鎖によって制御され得ることを提供する。
【0019】
単一ピースブロックは、第1の表面、第2の表面、及び第3の表面上の内部チャネルへの1つ以上の流体導管の接続のための複数の出口と、第4の表面上の内部チャネルへの1つ以上の圧縮機要素の接続のための複数の開口部とを備える、直方体形状であり得る。この形状は、ブロックが製作するのが簡単であるという利点を有する。更に、流体導管の出口及び圧縮機要素の接続のための開口部のそれぞれの位置は、導管及び圧縮機要素がブロックに接続されたときに互いに干渉しないことを提供する。加えて、それは、第1のブロックの接続解除及び抽出の容易さ、並びに第2の新しいブロックの接続及び設置のその後の容易さを提供する。
【0020】
単一ピースブロックは、使い捨てポリマーブロックを備え得る。このようにして、ブロック全体及び内部チャネルは、1つのピースとして除去され、処分され得る。これは、ブロックを分解して、流体導管を内部チャンバから除去させる必要がある既存のシステムと比較して、生産ラインにおいて有意な効率を提供する。
【0021】
埋め込まれた封止可能なバリアは、シリコーン材料から構成され得る。これによって、チャネルの内部表面をコーティングするためにブロックのチャネルに注入するために好適な材料が提供される。
【0022】
内部チャネルは、流体の滅菌分配のために構成され得る。内部チャネルは、プラズマコーティングを介して滅菌され得る。チャネルは、単一ピースブロック内にあり、事実上、ブロック内のトンネル又は導管である。チャネルは、最初に封止され得、したがって、チャネルは大気に曝露されない。したがって、チャネルは、チャネルを通して流体を分配するために設置されるまで滅菌状態に維持することができる。
【0023】
単一ピースブロックは、追加の単一ピースブロックに接続可能であるように更に構成され得る。単一ピースブロックを1つ以上の追加の単一ピースブロックに接続してモジュール式アセンブリを形成し得る。このようにして、所与の生産ラインにおける流体の分配に好適なチャネルのネットワークが、複数のブロックを互いに接続することによって形成され得る。したがって、ブロックの接続は、ユーザの生産ニーズを満たすようにユーザによって調整され得る。したがって、ブロックのモジュール式機能は、チャネルのネットワークをユーザの生産ニーズを満たすように設計及び構築するための高度の柔軟性をユーザに提供する。
【0024】
圧縮機要素は、手動で作動されるように構成され得る。このことは、閉鎖アセンブリの開放及び閉鎖に対するユーザ制御の様式を提供し、したがって、バルブアセンブリ自体に対するユーザ制御を提供するので、有利である。圧縮機要素は、空気圧によって作動されるように構成され得る。このことは、それによって、圧縮機要素の開位置と閉位置との間の迅速な切り替えを提供するので有利である。そのことは、空気圧作動によって、故障時に、バルブアセンブリが開位置又は閉位置のうちで、所与のプロセスに最も適切であるとみなされる位置に切り替えることができるので、バルブアセンブリの故障に対する保護手段を更に提供する。
【0025】
したがって、説明されるような本発明は、バイオプロセス産業におけるポリマー単回使用技術とともに使用するための、生物製剤を輸送するための単一の取り換え可能なブロック又は使い捨てブロックを提供する。本発明は、バルブアセンブリ内でのポリマー配管全般の圧縮の要件を克服することを更に提供する。ワンピースブロックは、ライナに対する圧縮機要素封止の力に耐えるための十分な強度を提供するために、高密度ポリマーから製造され得るが、バッチ交換時に容易に除去するために有意に低減された構成要素質量を提供する。
【0026】
重要なことに、設計意図は、ワンピースブロック全体が今や「単回使用」になり、完全に取り換え可能な未使用の単一ピースブロックと交換するために廃棄することができることである。このことは、シリコーンライナの交換及び再組立を可能にするためにバルブ本体の部分的又は完全な除去が必要とされないので、有意な利点を提供する。構成要素全体がオペレータによって簡単に除去され、新しい単一の構成要素と交換される。配管形態又は代替形態の流体導管は、選択された嵌合方法論、例えば、トリクランプ、バーブなどによって、ブロックに提供された出口を介してブロックに簡単に接続することができる。
【0027】
先行技術のシステムでは、ピンチバルブアセンブリの圧縮機要素は、圧縮機とホルダ要素との間の流体導管が圧縮解除されて、チャネル内の流体流を可能にする、開位置と、圧縮機と別個のホルダ要素との間の流体導管が圧縮されて、チャネル内の流体の流れを防止する、閉位置との間で移動可能であり得る。このことは、圧縮を提供し、結果として、別個の圧縮機要素とホルダ要素との間に位置付けられる流体導管を閉鎖することを提供する。このことは、圧縮機要素が閉位置にあるときに導管を通る培地の流れの効果的に停止することを提供する。導管は、その後、圧縮解除され、かつ、結果として、開放されて、必要とされる場合、導管を通る培地の流れを再開し得る。ホルダ及び圧縮機は、明らかに、流体導管ライナがアセンブリ内で組み立てられることを可能にするために分離する必要がある。
【0028】
しかしながら、本発明は、流体導管ライナを圧縮するための動作機構が単一ブロック内に埋め込まれることを提供し、したがって、封止可能なバルブアセンブリを提供するために必要とされる要素は、i)圧縮要素を含み、直線移動及び圧縮のための力を提供する上部構造、並びにii)単一ブロックを備えるベース、の2つのみである。ブロックは、封止要素を含み、更に、ベースは、上部構造の圧縮力に抵抗するための強化ポリマーベースから構成され得る。各生産バッチの間に、シリコン配管導管ライナを交換して、組み立てる必要はなく、バルブ本体全体が簡単に交換される。
【0029】
その結果、単一ピースブロックは、真に単回使用であり、薬物バッチ交換中に廃棄することができる。独立したシリコーンライナ要素は、今や必要とされず、したがって、多重構成要素及び時間のかかる交換プロセスは、不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】分離されたライナ単一生成物接触圧縮機要素を例解する、先行技術のピンチバルブアセンブリの図である。これは、空気圧駆動アセンブリを例解する。
図2】分離されたライナ多重生成物接触圧縮機要素を例解する、先行技術のピンチバルブアセンブリの図である。これは、手動で駆動されるアセンブリを例解する。
図3】空気圧作動閉鎖アセンブリに結合された埋め込まれた封止機構を有する本発明のピンチバルブアセンブリの図である。
図4ai)】圧縮機要素が位置にある空気圧作動閉鎖アセンブリに結合された本発明のピンチバルブアセンブリの切欠図である。
図4aii)】圧縮機要素が位置にある空気圧作動閉鎖アセンブリに結合された本発明のピンチバルブアセンブリの切欠図である。
図4bi)】圧縮機要素が位置にある状態で空気圧作動閉鎖アセンブリに結合された、本発明のピンチバルブアセンブリの切欠図である。
図4bii)】圧縮機要素が位置にある状態で空気圧作動閉鎖アセンブリに結合された、本発明のピンチバルブアセンブリの切欠図である。
図5】埋め込まれた封止機構を有する本発明のピンチバルブアセンブリの図である。
図6】本発明のピンチバルブアセンブリの断面図である。
図7】本発明のピンチバルブアセンブリを受容するように位置付けられた上部構造アセンブリハウジング及び装着板の図である。
図8】上部構造アセンブリハウジング及び装着板に嵌め合わされた本発明のピンチバルブアセンブリの図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、添付図面を参照して本発明について説明する。
【0032】
図1は、分離されたライナ単一生成物12及び接触圧縮機要素13を例解する、先行技術のピンチバルブアセンブリ11の図である。この例は、空気圧駆動アセンブリを例解する。図2は、分離されたライナが挿入される開口部22と、挿入されたライナを圧縮するための生成物接触圧縮機要素23と、を例解する、先行技術のピンチバルブアセンブリ21の図である。これは、手動で駆動されるアセンブリを例解し、これによって、ハンドル24は、手動で回されて、圧縮機要素を移動させて、圧力を加えてライナ又は導管を封止し得る。図1及び図2の両方において、ピンチバルブアセンブリ11、21は、アセンブリハウジングを備え、アセンブリハウジングは、圧縮機とホルダとの間のハウジングの開口部に配置され得る流体導管の圧縮のために、圧縮機がアセンブリハウジング内でホルダに向かって移動可能であるように構成される。このようなアセンブリは、アセンブリに一体化されたチャネル又は導管を備えないことに留意されたい。したがって、そのようなアセンブリを通して流体の流れを達成するために、配管の形態の流体導管が、大いにアセンブリに別個に提供される。
【0033】
図3は、マルチチャネルマルチポートバルブアセンブリを圧縮するための本発明のピンチバルブアセンブリ31を示す。ピンチバルブアセンブリ31は、例えば生物製剤などの流体を分配するためにブロック内に1つ以上の内部チャネルを備える単一ピースブロック32又はベースブロックを備える。ブロックは、ポリマー材料から構成され得る。ポリマー材料を使用すると、必要とされる形態及び形状に容易に製造(成形、機械加工など)される、使い捨て本体を構築するための軽量材料の利点が提供される。生成物接触の埋め込まれた封止バリアは、必要な形状に射出成形され得、その場合、本体自体に直接射出成形され得るか、又はアセンブリ内に組み込まれる前に外部から射出成形され得るかのいずれかである。生成物接触ポリマー及び埋め込まれた封止バリアは、ガンマ線照射などの好適なプロセスによって、不活性及び滅菌状態にすることができる。プラズマコーティングはまた、生物製剤に接触する内部表面に適用され得る。これは、生物製剤と接触するいかなる表面も、滅菌状態であることを確実にする。単一ピースブロック32は、1つ以上の流体導管を内部チャネルに接続するための1つ以上の出口33を更に備える。図3の例は、ブロックの前面上の3つの出口33a、33b、及び33cと、ブロックの各側面上に1つずつ、2つの更なる出口33d、33eと、を示す。図3は、いくつかの圧縮機要素34と連通する単一ピースブロックを更に示す。ピンチバルブアセンブリには、圧縮機要素を内部チャネルに接続するための1つ以上の開口部(図3には図示せず)が提供される。したがって、ピンチバルブアセンブリは、1つ以上の開口部のうちの1つに接続された圧縮機要素が、内部チャネルのうちの1つにおける埋め込まれた封止可能な機構の圧縮のために、開口部に向かって、かつ開口部を通って、移動可能であるように構成される。図3の例は、5つの圧縮機要素34a、34b、34c、34d、34eがブロック32内の5つの内部チャネルに圧縮力を提供することができるように定位置に接続された5つの圧縮機要素34a、34b、34c、34d、34eを示す。
【0034】
圧縮機は、開位置(圧縮機要素がブロック32の外部にあるか、又はブロック32を通ってわずかに突出している)と、閉位置(当該圧縮機がブロック32を通って動く)と、の間で移動可能である。埋め込まれた封止機構は、バリアの形態を採る。以下で更に説明するように、バリアは、チャネルの外部にあり得るが、流体の流れに対してチャネルを封止するために、チャネル内に移動可能であり得る。代替的に、バリアは、内部チャネルの表面の内側を覆う。バリアは、変形可能な材料、例えば、シリコーン材料、配管若しくは別の材料、又は使用後に単一ピースベースとともに廃棄される別のポリマー材料若しくは配管から作製される。埋め込まれた埋め込まれた封止機構は、圧縮機が開位置に戻る移動によって圧縮解除され得る。埋め込まれた封止機構を提供するための2つの代替例が、図4ai)及び図4aii)並びに図4bi)及び図4bii)を参照して説明される。
【0035】
図4ai)及び図4aii)は、圧縮機要素が位置にある状態で空気圧作動圧縮機要素34cに結合された、本発明のピンチバルブアセンブリ31の切欠き図である。
【0036】
図4ai)に示される実施形態では、圧縮要素41は、ブロック内の内部チャネル42の上に示されている。圧縮機要素34cの圧縮ピン又はピストン43は、圧縮要素41の上方に静止した状態で示されている。したがって、チャネル42は、開放しており、流体は、チャネルを通って流れることが可能になる。この実施形態では、圧縮要素は、要素の圧縮が流体の流れに対してチャネルを封止する効果を有するので、埋め込まれた封止可能なバリアを形成する。
【0037】
図4aii)に示される実施形態では、ブロック内のチャネルの上方に圧縮要素はない。圧縮ピン又はピストン43は、流体導管44の上方に静止した状態で示されている。そのような導管は、射出成形又は他のプロセスによって、単一ブロックに追加され得る。したがって、導管44は、ブロック自体に一体化されている。ここでも、チャネルは、開放しており、流体は、チャネルを通って流れることが可能になる。この実施形態では、導管の圧縮が流体の流れに対してチャネルを封止する効果を有するので、導管44自体が、埋め込まれた封止可能なバリアを形成する。
【0038】
図4bi)及び図4bii)は、圧縮機要素が位置にある空気圧作動圧縮機要素34cに結合された、本発明のピンチバルブアセンブリ31の切欠き図である。図4bi)に示される実施形態では、圧縮要素は、ブロック内のチャネル42に圧縮された状態で示されている。したがって、圧縮ピン又はピストン43は、圧縮要素41に圧縮力を加え、圧縮要素41をチャネル内に移動させてチャネルを封止する。したがって、チャネルは閉鎖され、流体は、チャネルを通って流れることができない。
【0039】
図4bii)に示される実施形態では、上述したように、圧縮要素がない。圧縮ピン又はピストン43は、流体導管44自体をチャネル内に圧縮して、チャネルを封止するように示されている。したがって、チャネルは閉鎖され、流体は、チャネルを通って流れることができない。
【0040】
両方の実施形態において、図1及び図2の先行技術のアセンブリとは対照的に、アセンブリを通る流体経路を提供するために追加の配管を供給する必要がないことに留意されたい。内部チャネルは、そのような流体経路を提供する。第2の実施形態の流体導管は、デバイスと一体であり、ユーザによって追加される必要はない。外部流体導管もまた、本発明のアセンブリに取り付けられ得るが、流体をアセンブリから生産ラインの他の場所に移送することのみのために取り付けられ得る。アセンブリ自体は、流体がアセンブリを通過するための外部配管の追加を必要としない。両方の実施形態において、圧縮ピンと、チャネル内を流れる流体と、が接触しないことに更に留意されたい。第1の実施形態では、圧縮ピンは、圧縮要素と接触しており、チャネル内の流体とは接触していない。第2の実施形態では、圧縮ピンは、流体導管の外側表面と接触しており、チャネル内の流体とは接触していない。
【0041】
図5は、本発明のピンチバルブアセンブリの別の実施形態の図である。図5は、追加の単一ピースブロック51bに接続された単一ピースブロック51aを例解する。合計で、4つのブロック51a、51b、51c、51dが接続されて、モジュール式アセンブリを形成する。図3は、ブロックの前面上の3つの出口と、ブロックの各側面に1つずつの2つの更なる出口とを備える単一ピースブロックを示すが、図5のブロックは、ブロックの前面上の単一の出口52a、52b、52c、52dと、ブロックの各側面に1つずつの2つの更なる出口とを備えることに留意されたい。ブロック51dの側部出口53dは、ブロック51aの側部出口53aと同様に見ることができる。ブロック51b及び51cの出口は、ブロックが接続されているので隠れている。出口、例えば53aは、使用されない場合、封止され得ることに留意されたい。ブロックの前面及び側面に一連の出口を有する他のブロック構成も可能である。また、そのようなブロックは、図5に示される様式で接続され得、すなわち、モジュール式アセンブリを形成するための複数のブロックの接続は、図5に示されるような単一の前面出口を有するブロックの接続に限定されないことに留意されたい。1つ以上の圧縮機要素を内部チャネルに接続するための開口54a、54b、54c、54dも図5に示されている。
【0042】
図6は、図5のモジュール式アセンブリの断面図を示す。この断面図が、例解のためのものであることに留意されたい。ブロックは、内部チャネルを備える単一ピースとして提供されることが意図される。ブロックが示されるように分離可能であることは意図されていない。各ブロックには、内部チャネルが提供されている。各ブロックの内部チャネル61a、61b、61c、61dは、ユーザがそのニーズに好適な流体経路を構築し得るように接合され得る。示される例では、流体導管62a、62b、62c、62dが各ブロックに一体化されている。流体導管は、埋め込まれた封止可能なバリアとしての役割を更に果たし、図4bii)に関して説明されるように、圧縮ピンによって封止され得る。
【0043】
図7は、上部構造アセンブリハウジング71及び装着板72の図である。上部構造アセンブリは、バルブアセンブリの埋め込まれた封止可能なバリアの圧縮に好適な一連の4つの圧縮機要素71a、71b、71c、71dを備える。圧縮機要素の圧縮ピン又はピストン73a、73b、73c、73dは、装着板72を通ってわずかに突出していることが見える。本発明によるバルブアセンブリは、アセンブリ内の開口部が圧縮ピン又はピストン73a、73b、73c、73dと位置合わせされるように、装着板72と嵌め合わされ得る。これにより、圧縮機が作動されたときに、ピン又はピストンが装着板及びバルブアセンブリ開口部を通過して、アセンブリのチャネル内の埋め込まれた封止可能なバリアに圧縮を加えることができることが確実になる。
【0044】
図8は、本発明のピンチバルブアセンブリ81が上部構造アセンブリハウジング82及び装着板83に嵌め合わされている、かかる構成を示す。上部構造アセンブリは、図7の4つの要素と比較して、一連の5つの圧縮機要素84a、84b、84c、84d、84eを備える。バルブアセンブリベースブロック85は、プロセス固定具(濾過、精製)スキッド壁、ブラケット、固定具、フィッティング、又は自立アセンブリに、1回の簡単なクイックフィット操作によって組み立てられ得る。したがって、図8から、所与のプロセスが完了した後、バルブアセンブリを単一のユニットとして装着板から取り外し、新しいアセンブリを再び一連の圧縮機要素と位置合わせして取り付けることができることが分かる。これは、プロセス停止時間をほとんど必要としない非常に効率的な手順である。圧縮機要素は、いかなる流体とも接触していないので、相互汚染の問題は生じ得ない。したがって、圧縮機要素の追加の滅菌が不要になる。新しいアセンブリが定位置に配置された後、新しい流体移送プロセスが行われる準備が整う。
【0045】
したがって、複数の圧縮要素のためのフローチャネルは、埋め込まれた封止機構の純度特性を維持しながら、1回のクイックフィット操作のみで変更することができる。バルブアセンブリブロックは、滅菌構成要素として提供される。これは、ブロックのガンマ線照射によって達成され得る。更に、内部チャネルは、プラズマコーティングによって滅菌される。
【0046】
バルブアセンブリベースブロックを単回使用使い捨て要素として提供すると、時間のかかる薬物バッチ交換プロセスがなくなる。
【0047】
加えて、配管サイズ間で変更するために、第1のバルブアセンブリベースブロックが、除去され、好適な寸法の第2のバルブアセンブリベースブロックと交換され得、すなわち、ブロックは、ブロック及び内部チャネルの寸法の範囲に従って定寸され得る。したがって、所与のプロセスのスケールアップ又はスケールダウンのために完全なバルブ交換は、必要とされない。異なるバルブアセンブリ寸法が、上部構造圧縮機要素の初期構成において考慮され得、それによって、寸法にかかわらず、流体流圧に対して埋め込まれた封止機構を封止するために必要な深さ及び力まで圧縮するための同じ閉鎖及び圧縮ストロークが、埋め込まれた封止機構構造に損傷を与えることなく提供される。
【0048】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「備える(comprises)/備える(comprising)」という語及び「有する(having)/含む(including)」という語は、述べられた特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を指定するために使用されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しない。
【0049】
明確にするために、別々の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別々に提供され得るか、又は任意の好適なサブコンビネーションで提供され得る。
図1
図2
図3
図4ai)】
図4aii)】
図4bi)】
図4bii)】
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】