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特表2024-530216車両を監視するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】車両を監視するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
G08G1/01 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508536
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022041706
(87)【国際公開番号】W WO2023034141
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/461,637
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500043574
【氏名又は名称】ブラックベリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BlackBerry Limited
【住所又は居所原語表記】2200 University Avenue East, Waterloo ON N2K 0A7, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ラディック, スー シウ イン
(72)【発明者】
【氏名】シック, ペタル
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC12
5H181DD01
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF14
5H181MC12
5H181MC27
(57)【要約】
本開示は、ある側面では、履歴的車両使用に基づいてリアルタイムで車両の現在の使用を監視するためのコンピュータ実装方法を提供し、本方法は、車両に関して、これまでの車両使用を示す、履歴的車両データを入手することと、履歴的車両データを使用して、車両の履歴的使用を特徴付ける、履歴的基準線を発生させることと、履歴的基準線に基づいて、車両の現在の使用を査定することと、査定に基づいてアラートを発生させることとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履歴的車両使用に基づいてリアルタイムで車両の現在の使用を監視するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
車両に関して、これまでの車両使用を示す、履歴的車両データを入手することと、
前記履歴的車両データを使用して、前記車両の履歴的使用を特徴付ける、履歴的基準線を発生させることと、
前記履歴的基準線に基づいて、前記車両の現在の使用を査定することと、
前記査定に基づいてアラートを発生させることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記履歴的基準線は、前記車両によって以前に走破された複数の地理位置を備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記履歴的基準線に対して前記車両の前記現在の使用を査定することは、前記履歴的基準線に対して現在の車両場所を査定することを含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記履歴的基準線に対して前記現在の車両場所を査定することはさらに、閾値基準に対して前記現在の車両場所を査定することを含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記閾値基準は、最大距離閾値であり、前記現在の車両場所を査定することはさらに、前記現在の車両場所と前記履歴的基準線との間の距離が前記最大距離閾値を超過するときに、前記現在の車両場所を未知として査定することを含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記履歴的基準線は、前記車両によって以前に走破された前記複数の場所と関連付けられる、対応する車両メタデータを備える、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記履歴的基準線は、複数のデータ要素を備え、各要素は、地理的領域と関連付けられ、前記車両によって以前に走破された対応する地理位置とともにエンコードされる、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記複数のデータ要素はそれぞれ、前記データ要素とともにエンコードされる前記対応する地理位置の割合に基づいた交通密度のインジケーションを備える、請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記地理的領域は、六角形に対応する、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記履歴的基準線はさらに、履歴的な未知の車両場所から履歴的な既知の車両場所を境界するための境界付け領域を備える、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
その上に記憶される命令を有する非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、コンピューティングデバイスによって実行されると、前記コンピューティングデバイスに、
前記コンピューティングデバイスに通信可能に結合されるナビゲーションシステムから、車両に関する現在の車両場所を入手することと、
前記現在の車両場所を、前記車両によって走破された以前の場所を備える履歴的基準線と比較することと、
前記比較に基づいて現在の車両場所ステータスを判定することと、
前記現在の車両場所ステータスが未知である場合に、アラートを発行することと
を含む方法を実施させる、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記現在の車両場所ステータスは、前記現在の車両場所と前記車両によって走破された前記以前の場所との間の距離が、閾値基準を超過する場合、未知である、請求項11に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記閾値基準は、前記現在の車両場所と前記車両によって走破された最近傍の以前の場所との間の最大距離である、請求項12に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記履歴的基準線はさらに、履歴的な未知の車両場所から履歴的な既知の車両場所を境界するための境界付け領域を備える、請求項11に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
履歴的車両使用に基づいて車両の現在の使用を監視するためのシステムであって、前記システムは、
前記車両に関して現在の車両場所を入手するための、ナビゲーションシステムに通信可能に結合される、プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に結合され、その上に記憶される履歴的基準線を有する、メモリであって、前記履歴的基準線は、前記車両によって走破された以前の場所を備える、メモリと、
前記プロセッサに通信可能に結合され、前記現在の車両場所を前記履歴的基準線と比較することに基づいて現在の車両場所ステータスを出力するように構成される、ディスプレイと
を備える、システム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記現在の車両場所に基づいて前記履歴的基準線を更新するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ディスプレイは、複数の六角形として前記履歴的基準線を表示するように構成され、各六角形は、前記車両によって走破された対応する以前の場所とともにエンコードされる、地理的領域に対応する、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記車両によって走破された前記以前の場所は、複数の車両によって走破された以前の場所に対応する、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年8月30日に出願された、米国出願第17/461,637号の利益を主張する。先願の開示は、本願の開示の一部と見なされる(また、参照することによってその中に組みこまれる)。
【0002】
(分野)
本開示は、概して、車両を監視することに関し、より具体的には、履歴的車両データに基づいて車両を監視することに関し、さらにより具体的には、履歴的車両ルートに基づいて車両場所を監視し、分類することに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
車両によって呈される種々の挙動を入手し、表現する、様々な多センサシステムが、存在する。例えば、速度計および加速度計はそれぞれ、車両の速度および加速度を表現する。全地球測位システム(GPS)および慣性ナビゲーションシステム(INS)等の車両ナビゲーションシステムは、それぞれ、車両の地理位置または相対的車両場所を特徴付けることができる。カメラ、LiDAR、およびRADAR等の他のセンサおよびシステムは、車両の近傍における自動車、人々、または他の物体を検出するために、車両に拡張機能を提供することができる。
【0004】
しかしながら、公知の技法の欠点を克服し、付加的利点を提供するために、車両を分類、カテゴリ化、監視、または査定することとの関連で、さらなる改良および進歩を展開することが、望ましいままである。
【0005】
本節は、本開示と関連付けられ得る当技術分野の種々の側面を紹介することを意図している。本議論は、本開示の特定の側面のより深い理解を促進するためのフレームワークを提供することを補助すると考えられる。故に、本節が、本観点から熟読されるべきであり、必ずしも先行技術の承認として熟読されるべきではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、本開示による、車両場所を分類するためのシステムおよび方法の実施例である。
【0007】
ある側面によると、本開示は、履歴的車両使用に基づいてリアルタイムで車両の現在の使用を監視するためのコンピュータ実装方法を提供し、本方法は、車両に関して、これまでの車両使用を示す、履歴的車両データを入手することと、履歴的車両データを使用して、車両の履歴的使用を特徴付ける、履歴的基準線を発生させることと、履歴的基準線に基づいて、車両の現在の使用を査定することと、査定に基づいてアラートを発生させることとを含む。
【0008】
例示的実施形態によると、履歴的基準線は、車両によって以前に走破された複数の地理位置を備える。
【0009】
例示的実施形態によると、履歴的基準線に対して車両の現在の使用を査定することは、履歴的基準線に対して現在の車両場所を査定することを含む。
【0010】
例示的実施形態によると、履歴的基準線に対して現在の車両場所を査定することはさらに、閾値基準に対して現在の車両場所を査定することを含む。
【0011】
例示的実施形態によると、閾値基準は、最大距離閾値であり、現在の車両場所を査定することはさらに、現在の車両場所と履歴的基準線との間の距離が最大距離閾値を超過するときに、現在の車両場所を未知として査定することを含む。
【0012】
例示的実施形態によると、履歴的基準線は、車両によって以前に走破された複数の場所と関連付けられる、対応する車両メタデータを備える。
【0013】
例示的実施形態によると、履歴的基準線は、複数のデータ要素を備え、各要素は、地理的領域と関連付けられ、車両によって以前に走破された対応する地理位置とともにエンコードされる。
【0014】
例示的実施形態によると、複数のデータ要素はそれぞれ、データ要素とともにエンコードされる対応する地理位置の割合に基づいた交通密度のインジケーションを備える。
【0015】
例示的実施形態によると、地理的領域は、六角形に対応する。
【0016】
例示的実施形態によると、履歴的基準線はさらに、履歴的な未知の車両場所から履歴的な既知の車両場所を境界するための境界付け領域を備える。
【0017】
ある側面によると、本開示は、その上に記憶される命令を有する非一過性コンピュータ可読媒体を提供し、命令は、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに通信可能に結合されるナビゲーションシステムから、車両に関する現在の車両場所を入手することと、現在の車両場所を、車両によって走破された以前の場所を備える履歴的基準線と比較することと、比較に基づいて現在の車両場所ステータスを判定することと、現在の車両場所ステータスが未知である場合に、アラートを発行することとを含む方法をコンピューティングデバイスに実施させる。
【0018】
例示的実施形態によると、現在の車両場所ステータスは、現在の車両場所と車両によって走破された以前の場所との間の距離が、閾値基準を超過する場合、未知である。
【0019】
例示的実施形態によると、閾値基準は、現在の車両場所と車両によって走破された最近傍の以前の場所との間の最大距離である。
【0020】
例示的実施形態によると、履歴的基準線はさらに、履歴的な未知の車両場所から履歴的な既知の車両場所を境界するための境界付け領域を備える。
【0021】
ある側面によると、本開示は、履歴的車両使用に基づいて車両の現在の使用を監視するためのシステムを提供し、本システムは、車両に関して現在の車両場所を入手するための、ナビゲーションシステムに通信可能に結合される、プロセッサと、プロセッサに通信可能に結合され、その上に記憶される履歴的基準線を有する、メモリであって、履歴的基準線は、車両によって走破された以前の場所を備える、メモリと、プロセッサに通信可能に結合され、現在の車両場所を履歴的基準線と比較することに基づいて現在の車両場所ステータスを出力するように構成される、ディスプレイとを備える。
【0022】
例示的実施形態によると、プロセッサは、現在の車両場所に基づいて履歴的基準線を更新するように構成される。
【0023】
例示的実施形態によると、ディスプレイは、複数の六角形として履歴的基準線を表示するように構成され、各六角形は、車両によって走破された対応する以前の場所とともにエンコードされる、地理的領域に対応する。
【0024】
例示的実施形態によると、車両によって走破された以前の場所は、複数の車両によって走破された以前の場所に対応する。
【0025】
本開示の実施形態は、ここで、添付される図を参照して実施例のみとして説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、車両の地理位置データを入手するために全地球測位システムを装備する車両によって辿られる、3つの異なる運転ルートを図示する、道路地図の略図である。
【0027】
図2図2は、3つの異なる車両ルートに関して入手されたGPS地理位置データでオーバーレイされる、図1の道路地図である。
【0028】
図3図3は、未知の場所から既知の場所を境界するための長方形境界付け領域をさらに含む、図2の略図である。
【0029】
図4図4は、未知の場所から既知の場所を境界する、基準線および境界付け領域を画定するための複数の六角形をさらに含む、図2の略図である。
【0030】
図5図5は、既知の場所のみを備える、基準線を画定するための複数の六角形をさらに含む、図2の略図である。
【0031】
図6図6は、地理位置が道路地図上にオーバーレイされる基準線のみを描写するために図から除去されている、図5の略図である。
【0032】
図7図7は、六角形が、それらの個別の場所に対応する地理位置の数に基づいて線の太さを修正している、図6の略図である。
【0033】
図8A図8Aは、図7に描写される境界付け領域の外側の第1の位置に位置する、車両に関する場所査定を図示する、略図である。
【0034】
図8B図8Bは、図8Aに図示される第1の位置にまで進行する車両に関して、距離閾値基準に基づいて既知の場所の経路を表示するためのある実施形態を図示する、略図である。
【0035】
図8C図8Cは、図8Aに図示される、第1の位置まで進行する車両に関して、境界が付けられた領域基準に基づいて既知の場所および未知の場所の経路を表示するためのある実施形態を図示する、略図である。
【0036】
図9A図9Aは、図7に描写される境界付け領域の外側の第2の位置に位置する、車両に関する場所査定を図示する、略図である。
【0037】
図9B図9Bは、図9Aに図示される第2の位置まで進行する車両に関して、距離閾値基準に基づいて既知の場所の経路を表示するためのある実施形態を図示する、略図である。
【0038】
図10A図10Aは、図7に描写される境界付け領域の外側の第3の位置に位置する、車両に関する場所査定を図示する、略図である。
【0039】
図10B図10Bは、図10Aに図示される第3の位置まで進行する車両に関して、距離閾値基準に基づいて既知の場所および未知の場所の経路を表示するためのある実施形態を図示する、略図である。
【0040】
図11図11は、本開示に従って発生され、Ann Arbor(Michigan)の地図上にオーバーレイされる、基準線および長方形境界付け領域のある実施形態のグラフィック表現である。
【0041】
図12図12は、本開示に従って発生され、Ann Arbor(Michigan)の地図上にオーバーレイされる、六角形を備える基準線、および不規則的な円形形状の境界付け領域のある実施形態のグラフィック表現である。
【0042】
図13図13は、本開示による車両場所分類システムおよび方法を実装するための例示的コンピューティングデバイスまたはシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図面の全体を通して、時として、図内で視認可能な要素の事例のうちの1つのみまたは全てに満たないものが、単純化のみのために、かつ乱雑化を回避するために引出線および参照文字によって指定される。しかしながら、そのような場合には、対応する説明に従って、あらゆる他の事例も同様に、対応する説明によって指定および包含されることを理解されたい。
【0044】
(詳細な説明)
本明細書に開示される車両監視システムおよび方法は、概して、現在の車両挙動を監視および査定するために、1つ以上の車両およびそれらの個別の運転者のうちの1人以上と関連付けられる、履歴的運転データおよび/または運転パターンを活用する。ある例示的側面では、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、履歴的運転データを示すデータに基づいて基準線を発生させる。例えば、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、車両の現在の挙動、ステータス、または場所を分類する、カテゴリ化する、監視する、および/または査定する、または別様に特徴付けることにおける使用のために、車両の履歴的運転ルートに基づいて、「既知」の場所の基準線を発生させてもよい。例えば、現在の車両場所は、現在の車両場所が、既知、未知、または別のタイプのステータスであるかどうかを判定するために、「既知」の場所の基準線に対して査定されてもよい。判定された車両場所分類が、次いで、既知の場所の基準線を更新すること、および/または車両が未知の場所にあるときにアラートを提供すること等の付加的な目的のために活用されてもよい。そのようなアラートは、直接運転者に、遠隔デバイス上の車両所有者に、第三者等に提供されてもよい。そのようなアラートは、限定ではないが、車両の現在の場所を監視すること、最近傍の既知の場所へのルーティング指示を提供すること、運転者に、既知の場所から遠すぎる場所に進んでいることに関する警告を提供すること、運転者に補助を提供すること、または必要であり得るような他の是正措置を含む、さらなる措置を講じるために活用されてもよい。さらに、限定ではないが、車両速度、車両加速度、車室温度、燃料節約性等を含む、他の車両データも、対応する車両場所に関する履歴的メタデータに対して査定され、所与の場所に関する履歴的メトリックに対して現在のメトリックを別様に評価する、または限定ではないが、時節、時刻、または曜日に関する履歴的値のためのものを含む、異なる文脈下で現在のメトリックを評価してもよい。
【0045】
車両または車隊に関する既知の場所の基準線を発生させることは、該車両に関する履歴的車両または運転ルートを示すデータに関して、機械学習アルゴリズム、パターン認識アルゴリズム、または他の統計モデル化技法を適用することに基づく。そのような履歴的運転ルートデータは、いくつかの方法において発生または入手されることができる。例えば、車両は、全地球測位システム(GPS)等の車両ナビゲーションまたは測位システム、もしくは当技術分野において公知である他のシステムを装備し、時間の関数として車両場所データを入手してもよい。車両場所の一実施例は、所与の時点に関する車両の地理位置(例えば、緯度および経度、または緯度、経度、および標高)である。したがって、車両ナビゲーションまたは測位システムが使用中である間、これは、全体として、車両または運転ルートを説明し得る、車両の地理位置を示す、複数のデータを発生させることができる。本プロセスは、全体として、車両の履歴的記録または所与の車両に関する運転ルートを提供する、複数の車両ルートを発生させるために、いくつかの異なる車両行程を横断して繰り返されることができる。例えば、車両に関する地理位置データが、ある年の過程にわたって発生され、車両を運転するその年に関する履歴的車両ルートデータを提供してもよい。本プロセスはまた、車隊のために繰り返され、複数の車両に関する履歴的車両ルートを示す、データを発生させることもできる。本開示の実施形態は、使用中である間の車両の現在の地理位置または位置データのリアルタイムの収集に基づいて、履歴的運転ルートを示すデータを動的に更新することを含む。例えば、現在の車両場所は、車両が履歴上、現在の車両場所まで進行したことがない、または現在の車両場所まで非常に稀にしか進行したことがないことに起因して、未知として分類されてもよい。しかしながら、車両が、新しい、または以前には未知であった面積に走破するにつれて、基準線が、それに応じて更新されてもよい。ある実施形態では、基準線は、パターン認識アルゴリズムまたは統計モデル化技法を使用して更新され、新しい面積および場所まで進行する車両、および/または以前には「未知」であった面積および場所により頻繁に進行する車両を示す、新しい地理位置データを入手することに基づいて、以前には未知であった場所が、今は既知であり、基準線の一部と見なされることのインジケーションを提供し得る。
【0046】
図1および2は、全地球測位システム(GPS)を装備する車両140に関する車両データを入手することの例証的実施例である。図1は、道路150を含む、道路地図100の略図である。車両140が、第1のルート110、第2のルート120、および第3のルート130によって示されるように、道路150にわたる、3つの別個の行程を辿っている。車両140は、点Aから開始し、点Cにおいて終了する、第1のルート110および第2のルート120を走破した。車両は、点Bから開始し、点Cにおいて終了する、第3のルート130を走破した。図2は、車両140上に装備されたGPSによって入手された、対応する地理位置を図示する。具体的には、三角形としてマーキングされる、複数の第1のルート地理位置112が、車両140が第1のルート110を走破した間にGPSシステムによって入手された地理位置を図示し、丸によってマーキングされる、複数の第2のルート地理位置122が、車両140が第2のルート120を走破した間にGPSシステムによって入手された地理位置を図示し、星によってマーキングされる、複数の第3のルート地理位置132が、車両140が第3のルート130を走破した間にGPSシステムによって入手された地理位置を図示する。
【0047】
車両140は、限定ではないが、車両の挙動またはステータスを特徴付ける付加的なメタデータを発生および提供し得、さらに、車両の対応する地理位置または位置と関連付けられ得る、速度計、加速度計、温度および空気流量センサ等の車室センサ、WiFi等の無線能力、USB接続等を通した充電ステーション、娯楽および/または情報娯楽システム、および燃料レベルインジケータ(ガス、電気、ハイブリッド、または別のもの)を含む、付加的なセンサおよび機器を装備してもよい。車両に関する履歴的運転ルートデータはまた、運転者のタイプ(例えば、親、友人、子)、車両の特定の使用(例えば、仕事のルート、余暇の運転、用事のための走行)、時節(例えば、特定の月または季節)、または特定の曜日に運転すること等、車両の特定の目的または使用を識別する他のカテゴリに基づいて、細分割、カテゴリ化、またはメタデータで標識されてもよい。車両または車隊に関する履歴的車両または運転ルートを示す、データが、機械学習アルゴリズム、パターン認識アルゴリズム、または統計モデル等のモデルに入力され、履歴的車両または運転ルートデータと関連付けられる車両の場所、特性、特質、または分類と関連付けられる、基準線を発生させることができる。言い換えると、モデルが、車両、車隊、またはそれらの対応する運転者に関して、それらの対応する履歴的車両データに基づいて、履歴的挙動を特徴付ける、または集約するために使用される。例えば、統計モデル化が、所与の車両または車隊に関する履歴的車両または運転ルートを示すデータに適用され、車両および/またはそれらの個別の運転者の過去の挙動に関する洞察を提供してもよい。ある実施形態では、交通密度に関する統計モデルが、車両によって走破された既知の場所の基準線を発生させるために、履歴的車両データに適用される。本点について、統計モデル化は、所与の地理的領域に関する履歴的車両または運転ルートと関連付けられる地理位置を既知、未知、または別のステータスに分類する、基準線を発生させるために履歴的車両データに適用される。ある実施形態では、交通密度に関する統計モデル化は、車両が特定の地理位置または面積を走破する頻度に基づく。例えば、所与の場所に関する交通密度は、車両が特定の地理位置または面積を走破する回数と対比した、車両によって辿られた行程の総数に基づいて、ある値を割り当てられることができる。所与の地理的面積のサイズは、分析の所望の粒度に基づき得る。例えば、交通密度は、分析の所望の粒度に応じて、街区のサイズの面積に関して、またはより大きいまたはより小さい面積に関して査定されてもよい。さらに、履歴的データは、車両地理位置データが車両使用の間に入手されるにつれて、リアルタイムで更新されてもよい。そのようなリアルタイムのシナリオでは、交通密度に関する統計モデルが、実データに適用され、車両の現在の場所および/または直近の場所により応答して、基準線を発生させ得る。
【0048】
地理位置および/または面積毎の交通密度値が、さらに分析され、所与の場所が、比較的により高い頻度の車両走破に起因して「既知」であるかどうか、またはそれと対比して、対応する地理位置または面積に関して比較的により少ない車両走破が存在する、またはいかなる車両走破も存在しないときに「未知」であるかどうかを判定することができる。ある実施形態では、統計モデルは、0~1の値に正規化された、所与の地理位置または面積に関する交通密度値を発生させる(0は、交通密度の不在を表し、1は、履歴的車両データによって観察される、地理位置または面積に関する最高交通密度を表す)。ある実施形態では、「既知」の場所は、最小閾値を超過する、交通密度値に対応する。基準線が、単一の車両または車隊に関して発生されてもよく、また、特定の運転者または運転者のタイプに関して、車両の特定の使用に関して、または他の挙動に関して発生される、既知の車両場所の基準線等の履歴的データ、履歴的車両または運転ルートデータと関連付けられる特性またはメタデータの異なる側面またはサブセットに基づいて発生されてもよい。
【0049】
図3は、基準線が境界付け領域160によって画定される、本開示に従って発生される、既知の場所の基準線のある実施形態を図示する。図3に図示されるように、境界付け領域160は、図2に図示される全ての地理位置112、122、および132を境界付ける、長方形面積である。それに応じて、境界付け領域160の内部は、未知であるか、またはそうではない場合には分類されていない、境界付け領域160に対して外部の面積からさらに境界される、車両140によって走破された既知の場所の基準線を提供する。しかしながら、本開示によると、境界付け領域は、特定の形状に限定されない。例えば、境界付け領域は、限定ではないが、六角形、異なるタイプの四角形、または他の形状等の多角形であってもよい、複数の小領域を含んでもよい、および/または道路、幹線道路、および他の運転インフラストラクチャを鏡映しながら、同様に、車両では走破することが困難または不可能であり得る、山、川、または他の地理的特徴等の非運転面積を除外する、より有機的に画定される形状を有してもよい。ある実施形態では、境界付け領域は、基礎となる履歴的車両データから判定される、最大および最小の経度および緯度に基づく。
【0050】
図4は、基準線が、複数の六角形170を含む、境界付け領域によって画定される、本開示に従って発生された、既知の場所の基準線のある実施形態を図示する。図4に図示されるように、複数の六角形170は、集合的に、図2に図示される地理位置112、122、および132の全てを包含する。図3に図示される長方形境界付け領域160と同様に、複数の六角形は、集合的に、複数の地理位置112、122、および132の最大緯度、最小緯度、最大経度、および最小経度に基づいて長方形形状を形成する。それに応じて、複数の六角形170はそれぞれ、地理位置112、122、および/または132のうちのいずれも包含しない、またはそのうちの1つまたは複数のものを包含する。しかしながら、集合的に、複数の六角形170は、未知であるか、またはそうではない場合には分類されていない、複数の六角形170に対して外部の面積から境界される、車両140によって走破された全ての既知の場所の基準線を提供する。
【0051】
図5は、基準線が、複数の六角形170を含む、境界付け領域によって画定される、本開示に従って発生された、既知の場所の基準線のある実施形態を図示し、各六角形は、少なくとも1つの地理位置112、122、および/または132を含む。それに応じて、図5に描写される六角形170のより不規則的に成形される基準線は、道路150を綿密に鏡映し、車両140によって走破されていない面積から車両140によって走破された領域をより正確に境界する。図6はさらに、図5に描写されるが、対応する地理位置を除去している、六角形170の基準線を図示する。
【0052】
ある実施形態では、基準線を描写または図示するために使用される要素の特性が、対応する地理位置と関連付けられる、基礎となる履歴的車両データまたはメタデータに基づいて修正され得る。例えば、基準線を図示するために使用される線、ドット、六角形、または他の形状等の要素が、基礎的な履歴的データ、または他の地理位置に対する、対応する地理位置と関連付けられるメタデータの程度のインジケーションを提供するために、より濃い色または陰影を用いて、および/またはより太い線等を用いて拡張されてもよい。例えば、より濃いおよび/またはより太い線を有する六角形は、特定の六角形と関連付けられる地理位置が、基準線内の他の六角形に対してより高い頻度の進行または交通密度を有することを示し得る、および/または六角形が、例えば、より濃いおよび/またはより太い線を有する六角形は、特定の六角形と関連付けられる地理位置が、基準線内の他の六角形に対してより高頻度の行程または交通密度を有し得ることを示し得る、および/または六角形が、基礎となる履歴的車両データと関連付けられる1つ以上の車両によって走破されている、六角形によって表される面積内で関連付けられる、比較的により多くの地理位置を含むことを示し得る。例えば、図7は、基準線が、複数の六角形170を含む境界付け領域によって画定される、本開示に従って発生される、既知の場所の基準線のある実施形態を図示し、各六角形は、図6の図示されるもののように、少なくとも1つの地理位置112、122、および/または132を含む。しかしながら、図7の六角形170はさらに、交通密度のインジケーションを提供するためにより太い線を用いて修正され、それによって、より太い線は、特定の六角形がより多数の地理位置112、122、および/または132を含むというインジケーションを提供する。例えば、六角形170aのための線は、六角形170bの線より太く、それによって、170bに対して、六角形170aにおいて見出される、より多い数の地理位置112、122、および/または132のインジケーションを提供する。
【0053】
ある実施形態では、基準線の各要素は、対応する1つ以上の地理位置と関連付けられるメタデータとともにエンコードされることを含め、既知の場所の1つ以上の地理位置とともにエンコードされてもよい。ある実施形態では、基準線の要素の特性は、対応する地理位置と関連付けられる、より高い車両進行速度および/またはより高い車両加速度のインジケーションを提供するように拡張されてもよい。ある実施形態では、基準線を描写または図示するために使用される要素は、六角形である。ある実施形態では、基準線を描写または図示するために使用される要素のサイズは、データの所望の粒度または正確度を達成するように修正される。例えば、より小さい六角形は、必然的に、比較的により大きい六角形より小さい地理的面積を占めるであろう。その結果、基準線は、より多い数のより小さい六角形と、したがって、より高い粒度のデータとを含み、有利には、必然的により大きい面積にわたって分散される地理位置を含むであろう比較的により大きい六角形に対して、所与の面積に関するより精密な洞察を提供するであろう。
【0054】
本開示によると、現在の車両場所、ステータス、または車両/運転者の他の特性および/または挙動が、現在の車両場所、運転パターン、または車両および/または運転者によって呈される他の挙動に対する洞察を提供するために、基準線に対して査定されてもよい。例えば、現在の車両場所は、現在の車両場所が既知の場所または未知の場所にあるかどうかを判定するために、履歴的車両データから発生される、既知の場所の基準線に対して査定されてもよい。現在の車両場所が既知であるかまたは未知であるかどうかを査定することは、現在の車両運転パターンに関する極めて貴重な洞察を提供することができる。例えば、車両が、未知の場所にあるとき、これは、運転者が道に迷っていること、誤った道を進んでいること、補助を必要としていること、既知の場所に戻るための指示を要求していること、あまり望ましくないルートを辿っていること(例えば、より緩徐、より長い、より多くの燃料消費)、回避すべきである面積の中に逸脱していること、進入することが許容されていない面積の中に逸脱していること、車両が盗難されていること等のインジケーションを提供し得る。現在の車両場所が基準線に対して既知であるかまたは未知であるかどうかを査定することは、いくつかの方法において遂行されることができる。
【0055】
図8-10は、本開示による、現在の車両場所を判定し、表示することの実施例を図示する。図8Aは、図7の図示されるもののように、六角形170の基準線を描写し、さらに、位置Bから複数の地理位置182を介して、既知の場所の基準線の外側の位置Dまで進行している、車両140を含む。位置Dにおける車両の現在の場所の査定は、近傍の六角形からの車両140の距離を比較することに基づく。特に、車両140と個別の六角形171、172、173、174、175の中心との間の距離を表す、距離D1、D2、D3、D4、およびD5が、閾値距離DTHに対して査定される。本事例では、車両140と5つの六角形171、172、173、174、175のそれぞれとの間の距離は、閾値距離DTH内であり、したがって、本位置Dは、既知の場所を成す。しかしながら、現在の場所が基準線に対して既知の場所を成すかどうかは、限定ではないが、車両の閾値距離内の六角形の総数、車両から最近傍の六角形への距離、および/または車両から基準線内の全ての六角形までの平均距離を含む、多数の基準に基づくことができる。さらに、六角形は、基礎となる特性に基づいて加重されることができる。例えば、六角形174および175等のより高い交通密度を有する六角形は、現在の場所が既知であるかまたはそうではないかどうかを判定することにおいてより深く考慮されてもよい。
【0056】
図8Bは、本開示による、経路180Dのある実施形態を描写する。経路180Dは、位置Bから位置Dまでの複数の地理位置182に沿った車両140の経路を図示する、線区画を含む。特に、図8Bは、進行された経路を示す実線区画を含む、経路180Dが、既知の場所のみを含むことを図示する。ある実施形態では、経路180D等の例証的経路が、例えば、車両と関連付けられるディスプレイ上に、電子メールまたはテキストメッセージ等の電子通信を介して遠隔で、ダッシュボードアプリ等のソフトウェアアプリケーションを介して提示される、またはタブレット、コンピュータ、遠隔サーバ/データベース等の別のデバイスに提供されてもよい。経路180D等の経路を図示するために使用される、線区画または他の視覚要素のプロパティが、基礎となるデータの側面を図示するために修正されてもよい。例えば、線区画の線の太さ、色、または他のプロパティは、速度、加速度、燃料節約性、交通密度、関連付けられる地理位置が既知であるかまたは未知であるかどうか、または本開示によるメタデータおよび/または履歴的メタデータの他のプロパティのインジケーションを提供するために変動されてもよい。
【0057】
図8Cは、本開示による、閾値基準に基づいて経路180Dを図示することの別の実施形態を描写する。本実施形態では、位置Dが既知であるかまたは未知であるかどうかの判定は、位置Dが六角形170の基準線内にあるかどうかに基づく。図8Aに図示されるように、位置Dは、既知の場所を示す、六角形170の基準線の外側に位置する。その結果、本実施形態では、位置D等の六角形170の基準線の外側の地理位置は、未知と見なされる。故に、図8Cは、経路180Dが、基準線内の既知の地理位置を走破した車両経路を示す実線区画として図示される、第1の区画180D1と、基準線の外側の未知の地理位置を走破した車両経路を示す、破線が付けられた線区画として図示される、第2の区画180D2とを含むという点において、図8Bと異なる。
【0058】
図9Aは、図7および8Aの図示されるもののように、六角形170の基準線を描写し、さらに、位置Bから複数の地理位置182を介して、既知の場所の基準線の外側の位置Eまで進行している、車両140を含む。位置Eにおける車両の現在の場所の査定は、近傍の六角形からの車両140の距離を比較することに基づく。特に、車両140と個別の六角形175、174、171、172、173の中心との間の距離を表す、距離D6、D7、D8、D9、およびD10が、閾値距離DTHに対して査定される。本事例では、車両140と5つの六角形175、174、171、172、173のそれぞれとの間の距離は、全てが値距離DTH内にあるわけではなく、したがって、本位置Eは、基準に応じて、既知の場所を成さない場合がある。例えば、基準が、車両140が少なくとも1つの近傍の既知の場所の閾値距離DTH内にあることを要求する場合、位置Eは、既知の場所を成す。しかしながら、基準が、車両140が、少なくとも5つの近傍の既知の場所の閾値距離DTH内にあることを要求する場合、位置Eは、未知の場所を成す。
【0059】
図9Bは、本開示による、経路180Eのある実施形態を描写する。経路180Eは、位置Bから位置Eまでの複数の地理位置182に沿った車両140の経路を図示する、線区画を含む。特に、図9Bは、進行された経路を示す実線区画を含む、経路180Eが、現在の位置E(位置Eに至るまでの関連付けられる地理位置を含む)が既知の場所の閾値距離DTH内にあるかどうか等の関連付けられる閾値基準に従って、既知の場所のみを含むことを図示する。
【0060】
図10Aは、図7、8A、および9Aの図示されるもののように、六角形170の基準線を描写し、さらに、位置Bから複数の地理位置182を介して、既知の場所の基準線の外側の位置Fまで進行している、車両140を含む。位置Fにおける車両の現在の場所の査定は、近傍の六角形からの車両140の距離を比較することに基づく。特に、車両140と最近傍の3つの個別の六角形174、171、172の中心との間の距離を表す、距離D11、D12、およびD13が、閾値距離DTHに対して査定される。本事例では、車両140と3つの最近傍の六角形174、171、172のそれぞれとの間の距離は全て、閾値距離DTHを上回り、したがって、本位置Fは、これが六角形170の基準線によって包含される任意の既知の場所から遠すぎるため、未知の場所を成す。
【0061】
図10Bは、本開示による、経路180Fのある実施形態を描写する。経路180Fは、位置Bから位置Fまでの複数の地理位置182に沿った車両140の経路を図示する、線区画を含む。特に、図10Bは、経路180Fが、基準線の閾値距離DTH内の既知の地理位置を走破した、車両経路を示す実線区画として図示される、第1の区画180F1と、基準線までの閾値距離DTHを越えて未知の地理位置を走破した、車両経路を示す、破線が付けられた線区画として図示される、第2の区画180F2とを含むことを図示する。
【0062】
ある実施形態では、現在の車両場所は、最も近接している既知の場所からの最小距離を超過するときに、未知である。ある実施形態では、最小距離は、少なくとも500メートルである。ある実施形態では、現在の車両場所は、最小閾値を下回る交通密度値を有する基準線の六角形内に位置するときに、未知である。ある実施形態では、現在の車両場所は、これが、最高交通密度を有する基準線地理位置または六角形からの最小半径方向距離より遠いときに、未知である。ある実施形態では、現在の車両場所は、これが、境界付け領域の縁内に位置していない場合に、未知である。現在の車両場所または車両の挙動の他の特性もまた、基準線地理位置と関連付けられる速度、加速度、または燃料レベルに関するメタデータに対して査定されること等、基準線内の対応する地理位置と関連付けられるメタデータに対して査定されてもよい。
【0063】
本開示によると、車両を監視するためのシステムおよび方法の実施形態は、未知の場所における車両を識別することに応答して、または車両の現在の状態(例えば、速度、温度、燃料節約性等)を現在または近傍の既知の場所に関する履歴的メタデータに対して分析することに応答して、後続のステップを講じてもよい。例えば、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、現在未知の場所に位置する車両を示す、リアルタイムのアラートを提供することを含む。そのようなアラートは、運転者、遠隔ユーザ、または第三者に発行されてもよく、例えば、車両と関連付けられるディスプレイまたはスピーカシステム上に、電子メール、テキストメッセージ、またはボイスメールメッセージ等の電子通信を介して、ダッシュボードアプリ等のソフトウェアアプリケーションを介して表される、またはタブレット、コンピュータ、遠隔サーバ/データベース等の別のデバイスに提供されるものとして、視覚的に、文字で、または可聴に表されてもよい。有利なこととして、アラートは、そこから発生される履歴的車両データおよび基準線もまた、現在の場所に基づいて動的に変化し、それによって、既知の場所の基準線またはモデル化されている他の運転挙動を修正し得るため、適応可能または動的であってもよい。故に、そのような動的アラートは、そうではない場合には予め定義される、または予めユーザによって設定される必要があり得る、静的アラートに優る、リアルタイムの利点を提供する。アラートの例示的使用事例は、限定ではないが、幹線道路上を運転しないように制限され得る、早期段階の運転者に関して該当し得るように、10代の若者、学生運転者、または初心者運転者等の特定の運転者が、車両を未知または制限された場所まで走破させるかどうかを監視すること、車両が、既知の場所のメタデータと関連付けられる速度限界を超過するかどうかを監視すること、交通が、既知の場所のメタデータと関連付けられる履歴的速度限界に基づいて、緩慢であるかどうかを監視すること、現在の運転者が、任意の関連付けられる制限(乗車者の数等)を有するかどうかを判定し、車両内の対応するセンサからデータを入手し、それに応じて査定すること、既知の場所のメタデータと関連付けられる履歴的温度に対して自動車の温度を監視すること、既知の場所のメタデータと関連付けられる履歴的燃料節約性に対して自動車の燃料節約性を監視すること、および一団の送達車両内の送達車両が、送達時間を最適化する、および/またはガスの使用量を最小限化するように設計されるルート等の特定のルートに従っているかどうかを監視することを含む。
【0064】
図11および12は、Ann Arbor(Michigan)内およびその周囲を運転する1年の過程にわたって2つの車両から収集されたデータに基づいて発生される、本開示による、2つの異なる基準線および境界付け領域を図示する。基準線、境界付け領域、および任意の関連付けられるメタデータが、本明細書における開示に従って使用され、その後、使用中である間に車両を監視または別様に査定してもよい。
【0065】
図11は、基準線210が、Ann Arbor(Michigan)の地図200上にオーバーレイされ、さらに、長方形境界付け領域260によって境界付けられる既知の車両場所を含む、本開示に従って発生された基準線のある実施形態を図示する。したがって、基準線210によって識別される、より精密な既知の場所に加えて、境界付け領域260は、「未知」としての外部領域264から「既知」としての内部領域262を境界する。本実施形態では、基準線210は、Ann Arbor内およびその周囲で運転されている2つの車両に関する1年分に相当する車両場所データに交通密度の統計モデルを適用することに基づいて発生された。本開示によると、基準線210および/または境界付け領域260は、任意の数の方法において表され得る。例えば、図12に図示されるように、基準線210は、車両によって走破された異なる道路を示す線に類似する一方、境界付け領域260は、基礎となる履歴的車両データからの最大および最小地理位置座標を境界付ける、長方形である。基準線の太さ、色、色合い、または濃さが、基礎となる履歴的車両データの特性を表すために発生されてもよい。例えば、基準線内の特に太いまたは濃い線は、車両がルートのその面積または一部を他の面積より高頻度に走破したことを示すことができる。図12は、図11のために使用された履歴的車両および運転ルートを示す、同一の基礎となるデータに基づいて発生された、既知の車両場所の基準線310のある実施形態を図示し、基準線310は、むしろ、不規則的な円形形状の境界付け領域360内に複数の要素370、すなわち、六角形を含む。各六角形370は、基礎となる履歴的データと関連付けられる、いかなる地理位置も含まない、または1つまたは複数の地理位置を含み得る、Ann Arborの地理的領域内の面積を表す。六角形の特性はまた、六角形によって包含される、対応する地理位置と関連付けられる車両の基礎となる挙動または特性の程度のインジケーションを提供するように修正されてもよい。例えば、特に、地図300の東部分において視認可能であるように、六角形370のより濃い陰影および密度は、本特定の場合には、交通密度または車両頻度の相対的増加を表す、既知の車両場所の付加的特性のインジケーションを提供する。言い換えると、基準線310のより濃い陰影が付けられた部分は、基礎となる履歴的車両データによって表される他の地理位置に対して車両によってより高頻度に走破された、既知の場所のインジケーションを提供する。逆に、基準線310の西側において観察される、薄い陰影が付けられ、あまり密集して充塞されていない六角形は、基礎となる履歴的車両データによって捕捉された他の地理位置に対して車両によってあまり高い頻度で走破されなかった既知の場所のインジケーションを提供する。ある実施形態では、基準線310によって表される複数の地理位置は、所与の地理位置に関する交通密度または交通の頻度を示す、0~1の値に正規化される。
【0066】
図12に図示される実施例では、不規則的な、円形形状の境界付け領域360は、基準線310の外部に酷似する。本点について、境界付け領域360は、長方形境界付け領域260と同様に、最小および最大の地理位置に基づくのではなく、複数の六角形370からの距離に基づいて、「未知」の外部364から「既知」の内部362を境界するため、境界付け領域360は、図11に図示される、長方形境界付け領域260に優る改良を提供する。本点について、境界付け領域360は、基準線310の形状により酷似し、有利には、図11に図示される長方形境界付け領域260によって提供される「既知」および「未知」の場所の境界に対して、「既知」および「未知」の場所のより正確な境界を提供する。境界付け領域はまた、山、建物、または他の目印等の地理的特徴に基づいてもよい、および/または道路および幹線道路インフラストラクチャに基づいて、車両が走破することが予期され得る(または予期されない)面積をより有機的に表してもよい。ある実施形態では、境界付け領域の内部部分は、それらの地理位置が、ある基準を充足しない、例えば、既知の地理位置または面積の最小距離内にない等の場合、「未知」の場所として識別されてもよい。ある実施形態では、境界付け領域は、車両の現在の場所に基づいて動的に更新する。
【0067】
図13は、本開示による、車両場所分類システムおよび方法のある実施形態の1つ以上の側面または構成要素を実装することにおいて使用され得る、例示的なコンピュータ化されたデバイスまたはシステム1300のブロック図である。
【0068】
コンピュータ化されたシステム1300は、プロセッサ1302、メモリ1304、大容量記憶デバイス1310、入/出力(I/O)インターフェース1306、および通信サブシステム1308のうちの1つ以上を含んでもよい。さらに、システム1300は、複数のもの、例えば、複数のプロセッサ1302および/または複数のメモリ1304等を備えてもよい。プロセッサ1302は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計される、デジタル回路、情報を処理するように設計される、アナログ回路、状態機械、および/または情報を電子的に処理するための他の機構のうちの1つ以上を備えてもよい。これらの処理ユニットは、同一のデバイス内に物理的に位置してもよい、またはプロセッサ1302は、連携して動作する、複数のデバイスの処理機能性を表し得る。プロセッサ1302は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアのある組み合わせ、および/またはプロセッサ1302上で処理能力を構成するための他の機構によってモジュールを実行する、または別様にそのモジュールによる機能性を実施するように構成されてもよく、プロセッサ可読命令、プロセッサ可読命令、回路網、ハードウェア、記憶媒体、または任意の他の構成要素の実行の間に1つ以上の物理プロセッサを含んでもよい。
【0069】
コンピュータ化されたシステム1300の構成要素またはサブシステムのうちの1つ以上は、1つ以上のバス1312を用いて、または任意の他の好適な様式において相互接続されてもよい。
【0070】
バス1312は、メモリバス、記憶バス、メモリコントローラバス、周辺機器用バス、または同等物を含む、任意のタイプのいくつかのバスアーキテクチャのうちの1つ以上であってもよい。CPU1302は、任意のタイプの電子データプロセッサを備えてもよい。メモリ1304は、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期DRAM(SDRAM)、読取専用メモリ(ROM)、それらの組み合わせ、または同等物等の任意のタイプのシステムメモリを備えてもよい。ある実施形態では、メモリは、ブートアップにおける使用のためのROMと、プログラムを実行する間の使用のためのプログラムおよびデータ記憶のためのDRAMとを含んでもよい。
【0071】
大容量記憶デバイス1310は、データ、プログラム、および他の情報を記憶し、データ、プログラム、および他の情報をバス1312を介してアクセス可能にするように構成される、任意のタイプの記憶デバイスを備えてもよい。大容量記憶デバイス1310は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、または同等物のうちの1つ以上を備えてもよい。いくつかの実施形態では、データ、プログラム、および他の情報が、遠隔で、例えば、クラウド内に記憶されてもよい。コンピュータ化されたシステム1300は、通信サブシステム1308を介してネットワークを経由すること、または他のデータ通信媒体を介することを含む、任意の好適な方法において情報を遠隔記憶装置に送信し、それから受信してもよい。
【0072】
I/Oインターフェース1306は、コンピュータ化されたシステム1300と1つ以上の他のデバイスまたはシステムとの間の有線および/または無線通信を可能にするためのインターフェースを提供し得る。例えば、I/Oインターフェース1306は、カメラまたはビデオカメラ等のセンサと通信可能に結合するために使用されてもよい。さらに、付加的またはより少ないインターフェースが、利用されてもよい。例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)等の1つ以上のシリアルインターフェース(図示せず)が、提供されてもよい。
【0073】
コンピュータ化されたシステム1300は、本開示による、デバイス、システム、および/または方法を構成、動作、制御、監視、感知、および/または調節するために使用されてもよい。
【0074】
通信サブシステム1308は、通信ネットワークを含む、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信を経由して、信号を伝送し、受信することのうちの一方または両方のために提供され得る。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット等の内部ネットワーク、およびアドホックピアツーピアネットワーク等のピアツーピアネットワークを含む。通信サブシステム1308は、1つ以上の有線および無線インターフェースを経由する通信を可能にするための任意の構成要素または構成要素の集合体を含んでもよい。これらのインターフェースは、限定ではないが、USB、イーサネット(登録商標)(例えば、IEEE 802.3)、高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))、Firewire(登録商標)(例えば、IEEE 1394)、ThunderboltTM、WiFiTM(例えば、IEEE 802.11)、WiMAX(例えば、IEEE 802.16)、Bluetooth(登録商標)、または近距離無線通信(NFC)、ならびにGPRS、UMTS、LTE、LTE-A、および狭域通信(DSRC)を含み得る。通信サブシステム1308は、1つ以上の有線接続のための1つ以上のポートまたは他の構成要素(図示せず)を含んでもよい。加えて、または代替として、通信サブシステム1308は、1つ以上の伝送機、受信機、および/またはアンテナ要素(そのうちのいずれも図示せず)を含んでもよい。
【0075】
図13のコンピュータ化されたシステム1300は、実施例にすぎず、限定する意図はない。種々の実施形態は、示される、または説明される構成要素のいくつかまたは全てを利用し得る。いくつかの実施形態は、示されていない、または説明されていないが、当業者に公知である、他の構成要素を使用し得る。
【0076】
前述の説明では、解説の目的のために、多数の詳細が、実施形態の徹底的な理解を提供するために記載される。しかしながら、これらの具体的詳細が要求されていないことが、当業者に明白であろう。他の事例では、周知の電気構造および回路が、理解を曖昧にしないために、ブロック図の形態において示される。例えば、本明細書に説明される実施形態が、ソフトウェアルーチン、ハードウェア回路、ファームウェア、またはそれらの組み合わせとして実装されるかどうかについての具体的詳細は、提供されない。
【0077】
本開示の実施形態は、機械可読媒体(コンピュータ可読媒体、プロセッサ可読媒体、またはその中に具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する、コンピュータ使用可能媒体とも称される)内に記憶されるコンピュータプログラム製品として表されることができる。機械可読媒体は、ディスケット、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、メモリデバイス(揮発性または不揮発性)、または類似の記憶機構を含む、磁気、光学、または電気記憶媒体を含む、任意の好適な有形の非一過性媒体であることができる。機械可読媒体は、実行されると、プロセッサに、本開示のある実施形態による方法においてステップを実施させる、命令、コードシーケンス、構成情報、または他のデータの種々のセットを含有することができる。当業者は、説明される実装を実装するために必要な他の命令および動作もまた、機械可読媒体上に記憶され得ることを理解するであろう。機械可読媒体上に記憶される命令は、プロセッサまたは他の好適な処理デバイスによって実行されることができ、説明されるタスクを実施するために回路網とインターフェースをとることができる。
【0078】
上記に説明される実施形態は、実施例にすぎないことが意図される。改変、修正、および変形例が、本明細書に添付される請求項のみによって定義される範囲から逸脱することなく、当業者によって特定の実施形態に対してもたらされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
【国際調査報告】