(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
C21B 13/02 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
C21B13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508590
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2021129319
(87)【国際公開番号】W WO2023015752
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110915559.7
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524053292
【氏名又は名称】趙暁
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙暁
【テーマコード(参考)】
4K012
【Fターム(参考)】
4K012DC01
4K012DC02
4K012DC04
4K012DC10
(57)【要約】
本発明の実施例は、還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置及び使用方法を開示するものであり、冶金の技術分野に属する。前記装置は、製鋼池、ガス発生塔、急速還元ゾーン、鉱物原料投入ゾーン及び制御システムを含み、前記製鋼池は、前記装置の最底部に設置され、前記製鋼池は造滓フラックススタックを含み、前記製鋼池の底部には溶鋼層が設けられており、前記溶鋼層の上には液状スラグ層が設けられており、前記製鋼池の上方には急速還元ゾーンが設けられており、前記急速還元ゾーンの下部にはガス製造塔が設けられており、前記急速還元ゾーンの上方には鉱物原料投入ゾーンが設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの頂部の中央部にはテールガス排出口が設けられており、前記テールガス排出口の外側にはスラグフラックス投入口が設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの側面には冷気口及び鉱物粉末投入口が設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの内部にはスラグフラックス貯留サイロ及び造滓フラックス投入機構が設けられており、前記直接製鋼装置は、センサと制御部材を介して前記装置と電気的に接続される制御システムを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置であって、前記装置が、製鋼池、ガス発生塔、急速還元ゾーン、鉱物原料投入ゾーン及び制御システムを備え、
前記製鋼池は、前記装置の最底部に設置され、前記製鋼池は、造滓フラックススタックを含み、前記製鋼池の底部には溶鋼層が設けられており、前記溶鋼層上には液体スラグ層が設けられており、
前記製鋼池の上方には急速還元ゾーンが設けられており、
前記急速還元ゾーンの下部の側方にはガス発生塔が設けられており、前記急速還元ゾーンの上方には鉱物原料投入ゾーンが設けられており、
前記鉱物原料投入ゾーンの頂部の中央部にはテールガス排出口が設けられており、前記テールガス排出口の外側には円周に沿って複数の造滓フラックス投入口が設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの側面には複数の冷気口と複数の鉱物粉末投入口とが均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの内部には造滓フラックス貯留サイロ及び造滓フラックス投入機構が設けられており、
制御システムは、製鋼池、ガス発生塔、急速還元ゾーンまたは鉱物原料投入ゾーンの側方に設置され、センサと制御部材を介して前記装置と電気的に接続されていることを特徴とする、還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項2】
前記製鋼池は円筒又は多角形角柱筒であり、前記製鋼池の上部と前記急速還元ゾーンとは直接接続されており、前記製鋼池の溶鋼層の底部に近い一方側には出鋼口が設けられており、前記液状スラグ層の前記溶鋼層に近い他方側には出滓口が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項3】
前記造滓フラックススタックは、円弧テーパ形状の固形造滓フラックススタックであり、前記固形造滓フラックススタックは円錐ヒープ状であり、粒子径5~50mmの粒子状またはブロック状の石灰石、生石灰、蘭炭、蛍石、ドロマイトおよび塊炭からなる群から選択される1種または複数種の混合後に自然落下してなり、前記固形造滓フラックススタックは液状スラグ層を通過し、底部が溶鋼層中に懸濁していることを特徴する、請求項1に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項4】
前記ガス発生塔は、ガス発生ガン及び還元ガス流路を内蔵し、円錐台または角錐台を呈し、前記ガス発生ガンの外部には酸素供給装置及びガス発生原料供給装置が接続されており、前記ガス発生ガンの銃口の火炎温度は1800~2400℃に達し、前記ガス発生塔の還元ガス流路の出口は、急速還元ゾーンの下部に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項5】
前記還元ガス流路はベルマウス状であり、水平面から下方への傾斜角が30°~60°であり、求心軸線からの傾斜角は、北半球では右に1°~16°の角度で傾斜しており、南半球では左に1°~16°の角度で傾斜していることを特徴とする、請求項4に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項6】
前記急速還元ゾーンは、鉄含有粉末材料が還元される領域であり、その構造は、中間が細く、上下両端が太い変断面の円筒形または多角形筒状であり、前記急速還元ゾーンの下部には、円周に沿って少なくとも3つのガス発生塔が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項7】
前記鉱物原料投入ゾーンは、下が大きく上が小さい錐台型であり、前記鉱物原料投入ゾーンの頂部の中央部にはテールガス排出口が設けられており、前記テールガス排出口の外側には円周に沿って少なくとも1つの造滓フラックス投入口が設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの外側には少なくとも2つの鉱物粉末投入口が均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの外側には少なくとも2つの冷気口が均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの内部には造滓フラックス貯留サイロ及び造滓フラックス投入機構が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項8】
前記制御システムは、ハードウェアシステムと制御ソフトウェアとから構成され、センサと制御手段を介して前記装置と電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置の使用方法であって、前記使用方法は、
制御システムによって造滓フラックス投入口を開き、造滓フラックス材料を混合した後、造滓フラックス貯留サイロに装入し、造滓フラックス材料が造滓フラックス貯留サイロから製鋼池に入り、底部に高さ1~3mの造滓フラックススタックを形成するステップ1と、
平均粒子径が0.1mm未満のガス発生原料を水分≦1wt.%になるまで乾燥した後、ガス発生原料供給装置に装入するステップ2と、
ガス発生ガンの点火装置によってガス発生ガンを起動し、酸素供給装置及びガス発生原料供給装置を調整して、発生ガス成分中のCO+H2が90%を超え、温度が1800℃を超えるようにするステップ3と、
粒子径が1mm未満、平均粒子径が0.074mm、全鉄TFeの含有量が50~70wt.%である、鉄含有粉末材料を水分≦1wt.%になるまで乾燥した後、鉱物粉末投入口の投入を開始するステップ4と、
鉄含有粉末材料が、前記装置の落下中、急速還元ゾーンにおいて、上昇するガス発生ガンによって生成される還元性ガスと熱伝達および物質移動反応を起こし、その後、製鋼池中の造滓フラックススタックの表面に落下し、鉄含有粉末材料の未還元部分が、急速還元ゾーンにおいて、造滓フラックススタックの表面に、ガス発生ガンによって生成される還元性ガスとさらに還元するステップ5と、
溶銑は還元ガスと最終還元を完了し、造滓フラックススタックと脱不純物反応を完了し、最終スラグを生成し、さらにスラグと鋼を分離するステップ6と、
溶鋼及びスラグ液は出鋼口と出滓口から定期的に排出され、発生した排ガスはテールガス排出口から適時に排出されるステップ7と、を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置の使用方法。
【請求項10】
前記ステップ7における溶鋼が、C:<0.5wt.%、S:<0.02wt.%、P:<0.02wt.%の粗鋼であり、前記スラグ液の二元塩基度が1.3~2.0であることを特徴とする、請求項9に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冶金の技術分野に属し、還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コークス+焼結/ペレット→高炉→転炉は、現在の粗鋼生産の主な流れであり、この流れは焼結(またはペレット)、コークス、高炉製鉄および転炉酸化製鋼の4つのプロセス連鎖を集約しており、生産プロセスが長く、エネルギー消費量が高く、コークス資源に依存して環境汚染が深刻であるなどの欠点がある。現在、世界の環境汚染や資源、エネルギー不足の問題がますます激しくなる中、省エネ・排出削減を実行し、クリーン生産を推進することはすでに世界の鉄鋼産業の持続可能な発展のための必須の道となっている。
【0003】
従来の製鋼技術は、酸素転炉及び電気炉による製鋼技術を採用している。酸素転炉は、高炉溶銑を原料として吹錬して、合格した溶鋼を得るものであり、生産ユニットが多く、規模が大きく、生産サイクルが長い。酸素転炉で採用される高炉溶銑は、炭素含有量が高く(通常2.5~4.3%)、シリコン、マンガン、リン、イオウ等の不純物を多く含み、造滓フラックスのみならず、高純度酸素の吹錬も必要となり、溶銑の移送にも熱が失われる。電気炉製鋼は、主にリサイクルされた鋼スクラップを採用し、電気炉で電気エネルギーを熱源として利用して製錬し、合格した溶鋼を得るプロセスであり、プロセスフローが簡単で、生産リンクとサイクルが少ない。鋼スクラップを溶融する必要があるため、多量の電気エネルギーを消費する必要があり、両者とも独立した製鋼設備を構築する必要とあり、資金投入が膨大となる。
【0004】
従来の高炉製鉄プロセスにおける高汚染と高エネルギー消費の問題に対して、溶融還元製鉄技術は、造塊、焼結、コークスなどの高汚染と高エネルギー消費工程への依存を低減できることから、近年発展してきて、鉄鋼産業において省エネ・排出削減とクリーン生産を実現するための重要な技術ルートであり、例えば、COREX、FINEX、HIsmeltなどの技術となっている。COREX法は、上部の予備還元シャフト炉を用いて鉄鉱石の予備還元を行い、金属化率70~90%の金属化ペレット(DRI)を得た後、DRIを下部の溶融ガス化炉に送り込んで最終還元を行う。このプロセスの生産過程中、依然として塊鉱石、ペレット鉱、焼結鉱、及び一部のコークスに依存して炉の状態を順調に維持する必要がある。FINEXプロセスは、粉鉱石を原料とし、多段流動状態反応器を用いて鉄鉱石の予備還元を完成し、金属化率が90%程度の還元鉄粉を得、還元鉄粉と微粉炭をホットブリケットした後、炉材として溶融ガス化炉に添加して溶融最終還元を行う。HIsmeltプロセスは粉鉱石を主原料とし、サイクロン溶融炉を用いて粉鉱石をフラッシュ溶融し、粉鉱石、フラックス、微粉炭は酸素を担体として炉体接線方向に沿ってサイクロン溶融炉内に吹き込まれ、粉鉱石は移動の過程で還元溶融され、さらに炉壁に沿って流れ、溶融還元炉内に滴下して最終還元を行う。
【0005】
上記のプロセスは、明らかに、すべて異なる装置によって還元製鉄と溶融最終還元製鋼を行い、その中で、最初に鉄含有粉末材料を還元してからブリケット化し、その後、還元製鋼を行うことは、明らかにプロセスが複雑で、装置の利用率が低い。フラッシュ溶融効率は高いものの、その中のサイクロン溶融炉と溶融還元炉も異なる装置構造であり、炉体の接線方向に沿ってサイクロン溶融炉に吹き付けることは、吹き付け性能に対する要求が非常に高く、耐火材料の浸食が深刻で、炉内ライニングの寿命が短く、工業的な大規模生産や普及を行うことができない。
【0006】
そして、中国特許出願公開第106086280号明細書、中国特許出願公開第102690919号明細書、中国特許出願公開第103993115号明細書などに開示されたフラッシュ製鉄技術は、還元、溶融、造滓などのプロセスを一体化し、設備が簡素化され、生産が容易な大規模生産の利点を有するが、生成物である溶銑の炭素含有量が高く(>2.0%)、Si、Mn、P、Sなどの不純物が効率的に除去できず、粗鋼を直接生産することができない。その他の特許中国特許出願公開第101906501号明細書、中国特許出願公開第108374067号明細書は、粉鉱石と石炭酸素を用いて直接製鋼するプロセスを提案しており、鉄鉱石粉末は予備還元された後、石炭粉、酸素と共に製鋼炉内に噴射して製鋼を行う。特に中国特許出願公開第108374067号明細書における急速還元直接製鋼の装置は、鉄鉱石粉末の前処理システム、急速還元炉システム、及び製鋼炉システムを含み、明らかに、異なる装置によって還元製鉄及び溶融最終製鋼も行われている。
【0007】
上記のように、現段階では、溶融還元製鉄/直接製鋼の方法は、鉄鋼製造プロセスが長く、エネルギー消費量が高く、汚染が深刻な問題をある程度解決できるが、上記のプロセスは依然として従来の還元製鉄及び酸化製鋼の2段階の過程を採用しており、還元工程と酸化工程が異なる設備または容器で実施されることは、設備投資が大きく、接続設備の故障が多いという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許出願公開第106086280号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第102690919号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第103993115号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第101906501号明細書
【特許文献5】中国特許出願公開第108374067号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の高炉製鉄および転炉製鋼のエネルギー消費量が大きく、環境汚染が深刻であり、2段階で行う必要があり、溶融還元製鉄技術はあるが、それは異なる装置によって還元製鉄と酸化製鉄を行い、生産プロセスが長く、エネルギー消費量が大きく、汚染が深刻であり、異なる設備の敷地面積が大きく、相乗効果が低いことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術案を提供する。
還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置であって、前記装置は、製鋼池、ガス発生塔、急速還元ゾーン、鉱物原料投入ゾーン及び制御システムを含み、
前記製鋼池は、前記装置の最底部に設置され、前記製鋼池は、造滓フラックススタックを含み、前記製鋼池の底部には、溶鋼層が設けられており、前記溶鋼層の上には、液状スラグ層が設けられており、
前記製鋼池の上方には急速還元ゾーンが設けられており、
前記急速還元ゾーンの下部の側方にはガス発生塔が設けられており、前記急速還元ゾーンの上方には鉱物原料投入ゾーンが設けられており、
前記鉱物原料投入ゾーンの頂部の中央部にはテールガス排出口が設けられており、前記テールガス排出口の外側には円周に沿って複数の造滓フラックス投入口が設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの側面には複数の冷却口及び複数の鉱物粉末投入口が均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの内部には造滓フラックス貯留庫及び造滓フラックス投入機構が設けられており、
制御システムは、製鋼池、ガス発生塔、急速還元ゾーン、または鉱物原料投入ゾーンの側方に設置され、センサと制御部材を介して前記装置と電気的に接続されている。
【0011】
好ましくは、前記製鋼池は円筒又は多角形角柱筒であり、前記製鋼池の上部と前記急速ゾーンとは接続されており、前記製鋼池の溶鋼層の底部に近い一方側には出鋼口が設けられており、前記液状スラグ層の前記溶鋼層に近い他方側には出滓口が設けられている。
【0012】
好ましくは、前記造滓フラックススタックは、円弧テーパ形状の固形スラグフラックススタックであり、前記固形造滓フラックススタックは円錐ヒープ状であり、粒子径5~50mmの粒子状またはブロック状の石灰石、生石灰、蘭炭、蛍石、ドロマイトおよび塊炭からなる群から選択される1種または複数種の混合後に自然落下してなり、前記固形造滓フラックススタックは液状スラグ層を通過し、底部が溶鋼層に懸濁している。
【0013】
好ましくは、前記ガス発生塔は、ガス発生ガンと還元ガス流路を内蔵し、円錐台または角錐台を呈し、前記ガス発生ガンの外部には酸素供給装置及びガス発生原料供給装置が接続されており、前記ガス発生ガンの銃口の火炎温度は1800~2400℃に達し、前記ガス発生ガンは、ガス発生原料が燃焼する火炎を内向きに噴射して、不完全燃焼により高温の還元ガスを生成し、造滓フラックススタックの側面に直接噴射して、前記ガス発生塔の還元ガス流路の出口は、急速還元ゾーンの下部に接続されている。
【0014】
好ましくは、前記ガス発生原料供給装置はガス発生原料を供給し、ガス発生原料は、微粉炭、天然ガス、水素ガス、バイオマス燃料などを含むが、これらに限定されない。
【0015】
好ましくは、前記ガス発生ガンによって生成される還元ガスは、一定の割合のCO、H2、少量のH2O、CO2、およびN2を含有する。
【0016】
好ましくは、急速還元ゾーンの主な反応は、
[FeO]+H2(g)=[Fe]+H2O(g)
[FeO]+CO(g)=[Fe]+CO2(g)であり、
造滓フラックススタックゾーンの主な反応は:
(SiO2)+2(CaO)=(2CaO・SiO2)
[FeS]+(CaO)=(CaS)+[FeO]
(P2O5)+4(CaO)=(4CaO・P2O5)である。
【0017】
好ましくは、前記還元ガス流路は、ベルマウス状であり、水平面から下方への傾斜角が30°~60°であり、求心軸線からの傾斜角は、北半球では右に1°~16°の角度で傾斜しており、南半球では左に1°~16°の角度で傾斜している。
【0018】
好ましくは、前記急速還元ゾーンは、鉄含有粉末材料が還元される領域であり、その構造は、中間が細く、上下両端が太い変断面の円筒形または多角形筒状であり、前記急速還元ゾーンの下部には、円周に沿って少なくとも3つのガス発生塔が設けられている。
【0019】
好ましくは、前記鉱物原料投入ゾーンは、下が大きく上が小さい錐台型であり、前記鉱物原料投入ゾーンの頂部の中央部にはテールガス排出口が設けられており、前記テールガス排出口の外側には円周に沿って少なくとも1つの造滓フラックス投入口が設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの外側には少なくとも2つの鉱物粉末投入口が均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの外側には少なくとも2つの冷気口が均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーンの内部には造滓フラックス貯留サイロ及び造滓フラックス投入機構が設けられている。
【0020】
好ましくは、制御システムは、ハードウェアシステムと制御ソフトウェアとから構成され、センサと制御部材を介して前記装置と電気的に接続されている。
【0021】
好ましくは、前記制御システムは、前記ガス発生塔、前記冷気口、前記鉱物粉末投入口、前記造滓フラックス投入口、及び前記造滓フラックス投入機構と電気的に接続されている。
【0022】
還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置の使用方法であって、前記使用方法は、
制御システムによって造滓フラックス投入口を開き、造滓フラックス材料を混合した後、造滓フラックス貯留サイロに装入し、造滓フラックス材料が造滓フラックス貯留サイロから製鋼池に入り、底部に高さ1~3mの造滓フラックススタックを形成するステップ1と、
平均粒子径が0.1mm未満のガス発生原料を水分≦1wt.%になるまで乾燥した後、ガス発生原料供給装置に装入するステップ2と、
前記ガス発生ガンの点火装置によってガス発生ガンを起動し、酸素供給装置及びガス発生原料供給装置を調整して、発生ガスの成分中のCO+H2が90%を超え、温度が1800℃を超得るようにするステップ3と、
粒子径が1mm未満、平均粒子径が0.074mm、全鉄TFeの含有量が50-70wt.%である、鉄含有粉末材料を水分≦1wt.%になるまで乾燥した後、鉱物粉末投入口から投入を開始するステップ4と、
鉄含有粉末材料が、前記装置の落下中、急速還元ゾーンにおいて、上昇するガス発生ガンによって生成される還元性ガスと熱伝達および物質移動反応を起こし、その後、製鋼池中の造滓フラックススタックの表面に落下し、鉄含有粉末材料の未還元部分が、急速還元ゾーンにおいて、造滓フラックススタックの表面に、ガス発生ガンによって生成される還元性ガスとさらに還元するステップ5と、
溶銑は還元ガスと最終還元を完了し、造滓フラックススタックと脱不純物反応を完了し、最終スラグを生成し、さらにスラグと鋼を分離するステップ6と、
溶鋼及びスラグ液は出鋼口と出滓口から定期的に排出され、発生した排ガスはテールガス排出口から適時に排出されるステップ7と、を含む。
【0023】
好ましくは、前記ステップ1の造滓フラックススタックの表面は、内凹状の円弧面であり、軟質溶融した鋼スラグ混合物は、重力の作用下でスタック頂部から円弧面に沿ってスタック底部に向かってゆっくりと流れ、高温還元ガスと逆方向に対流し、熱質交換を行い、鋼スラグ混合物が下方に流れる際に、造滓フラックススタックの表面の造滓フラックスと反応させ、鋼液中のイオウ、リン等の不純物を除去し、高アルカリ度の最終スラグを生成する。
【0024】
好ましくは、前記ステップ7における溶鋼は、C:<0.5wt.%、S:<0.02wt.%、P:<0.02wt.%の粗鋼であり、前記スラグ液の二元塩基度は1.3~2.0である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例に提供される上記の技術案は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
上記の技術案において、還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼は、従来の高炉のコークス化、焼結、ペレットのプロセスフロー及び転炉製鋼の方法を放棄し、鉄含有粉末材料を原料として直接採用し、急速還元ゾーンで還元ガスと還元反応が発生し、少量の未還元鉄酸化物が造滓フラックススタックで最終還元を完了し、同時に脱硫、脱リンなどの脱不純物反応を完了することで、一つの装置内で粗鋼を直接かつ効率的に製造でき、コークス資源に依存しなくなり、エネルギー消費の高い工程が削減され、多量の製鋼装置を必要とせず、工場の敷地面積が少なく、資金投入を大幅に節約した。
【0026】
鉄含有粉末材料を還元性雰囲気中で直接製鋼する場合、ガス発生材料はガス発生ガンによって高温還元ガスを噴射する必要があり、該高温還元ガスは、まず、造滓フラックススタック及び造滓フラックススタックに沿って下方に流れる鋼スラグ混合物に直接作用し、鋼スラグ混合物及び造滓フラックススタックに熱を供給し、鋼スラグ混合物の温度を上昇させることに寄与し、石灰の溶融を促進し、滞留時間を短縮し、造滓の進行を加速し、熱損失を少なくする。その後、高温還元ガスは、急速還元ゾーンを通じて上昇し、急速還元ゾーンで落下した鉄含有粉末材料と逆流で合流し、熱伝導反応と物質移動反応を同時に行い、接触反応が十分であり、反応効率が高い。
【0027】
還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼は、炉体の底部に製鋼池が設けられており、還元反応後、落下した鉄及び鉄鉱石の軟質溶融物は共に造滓フラックススタックの表面に均一に落下し、鉄含有粉末材料が急速還元ゾーンで還元されていない部分は高温還元ガスと更に還元でき、最終還元を完了した鋼スラグ混合物は造滓フラックスと脱リン、脱硫などの脱不純物反応を完了して最終スラグを生成し、さらにスラグ鋼を分離することで、一つの装置内で直接製鋼できることが実現され、製鋼設備の大量の個別投入を必要とせず、資金と敷地面積を大幅に節約した。
【0028】
従って、本発明は、急速還元ゾーン及び造滓フラックススタックにおける鉄含有粉末材料の一体的な還元及び造滓に基づき、直接製鋼設備の構造及びプロセスに対して独自の設計を行い、装置内に熱伝達及び物質移動に有利な流れ場及び温度場を創造し、それによって還元性雰囲気下で、装置内の造滓フラックススタックに基づき、一体的な直接製鋼の目的を達成する。
【0029】
要するに、本発明の製錬過程は、製鋼池内の造滓フラックススタックの周りに展開され、製錬過程全体の造滓フラックスは、十分でかつ過剰であり、除去すべきイオウ、リンなどの不純物及び酸性酸化物は、過剰な造滓フラックス(塩基性酸化物)スタックの表面で各種化学反応を完了し、低融点の最終スラグを生成し、製鋼池から排出される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に使用される図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、進歩性に値する労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0031】
【
図1】本発明に係る還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明が解決しようとする技術的課題、技術案及び利点をより明確にするために、以下、添付の図面及び具体的な実施例を組み合わせて詳細に説明する。
【0033】
図1に示すように、本発明の実施例は、還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置を提供し、前記装置は、製鋼池1、ガス発生塔2、急速還元ゾーン3、鉱物原料投入ゾーン4及び制御システム5を含み、前記製鋼池1は、前記装置の最底部に設置され、前記製鋼池1は中心に設けられた造滓フラックススタック11を含み、前記造滓フラックススタック11の底部には溶鋼層12が設けられており、前記溶鋼層12の上層には液状スラグ層13が設けられており、前記造滓フラックススタック11の上方には急速還元ゾーン3が設けられており、前記急速還元ゾーン3の下部の側方にはガス発生塔2が設けられており、前記急速還元ゾーン3の上方には鉱物原料投入ゾーン4が設けられており、前記制御システム5は、電気的な接続により異なる部位に分布する計測制御ユニットを制御する。
【0034】
前記製鋼池1は円筒又は多角形角柱筒であり、前記製鋼池1の上部と前記急速還元ゾーン3とは直接接続されており、前記製鋼池1の溶鋼層12の底部に近い一方側には、少なくとも1つの出鋼口121が設けられており、前記液状スラグ層13の前記溶鋼層12に近い他方側には、少なくとも1つの出滓口131が設けられている。
【0035】
前記造滓フラックススタック11は、円弧テーパ形状の固形スラグフラックススタックであり、前記固形造滓フラックススタックは、高さ1~3mの円錐ヒープ状であり、粒子径5~50mmの粒子状またはブロック状の石灰石、生石灰、蘭炭、蛍石、ドロマイトおよび塊炭からなる群から選択される1種または複数種の混合後に自然落下してなる。固形造滓フラックススタックは、好ましくは、粒子径20mmの粒子状石灰石であり、好ましくは、粒子径30mmのブロック状生石灰であり、好ましくは、粒子径15mmの粒子状蘭炭であり、好ましくは、粒子径40mmのブロック状蘭炭、蛍石、ドロマイト及び塊炭であり、好ましくは、粒子径33mmの粒子状石灰石、生石灰、蘭炭及び蛍石である。円錐形スタックの高さは、好ましくは、1.5m、2.5m、1m、3mである。
【0036】
前記ガス発生塔2は、ガス発生ガン21と還元ガス流路22を内蔵し、円錐台を呈し、前記ガス発生ガン21の外部には酸素供給装置及びガス発生原料供給装置が接続されており、前記ガス発生ガン21の銃口の火炎温度は1800~2400℃に達し、好ましくは、1800℃、2000℃、2200℃、2400℃であり、前記ガス発生ガン21は、ガス発生原料が燃焼する火炎を内部に噴射して、不完全燃焼により高温還元ガスを生成し、造滓フラックススタック11の側面に直接噴射して、前記ガス発生塔2の還元ガス流路22の出口は、急速還元ゾーン3の下部に接続されている。
【0037】
前記ガス発生原料供給装置はガス発生原料を供給し、ガス発生原料は、微粉炭、天然ガス、水素ガス、バイオマス燃料などを含むが、これらに限定されない。
【0038】
前記ガス発生ガン21によって生成される還元ガスは、一定の割合のCO、H2、少量のH2O、CO2、およびN2を含む。
【0039】
前記還元ガス流路22は、ベルマウス状であり、水平面から下方への傾斜角が30°~60°であり、好ましくは、45°、40°、50°、30°、60°であり、求心軸線からの傾斜角は、北半球では右に1°~16°の角度で傾斜しており、南半球では左に1°~16°の角度で傾斜しており、好ましくは、8°、11°、5°である。
【0040】
前記急速還元ゾーン3は、鉄含有粉末材料が還元される領域であり、その構造は、中間が細く、上下両端が太い変断面の円筒形であり、変断面の形状は、流動場を、設定されたパラメータで実行するように制御するためのものであり、前記急速還元ゾーン3の下部には、円周に沿って3~36個のガス発生塔が均一に設けられている。
【0041】
前記鉱物原料投入ゾーン4は、下が大きく上が小さい錐台型であり、前記鉱物原料投入ゾーン4の頂部の中央部にはテールガス排出口45が設けられており、前記テールガス排出口の外側には円周に沿って1~3個の造滓フラックス投入口44が設けられており、前記鉱物原料投入ゾーン4の外側には2~16個の鉱物粉末投入口42が均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーン4の外側には、冷却ガスを通してテールガス温度を設定の範囲に制御するための2~18個の冷気口41が均一に設けられており、前記鉱物原料投入ゾーン4の内部には造滓フラックス貯留サイロ43及び造滓フラックス投入機構46が設けられている。
【0042】
制御システム5は、ハードウェアシステムと制御ソフトウェアとから構成され、センサと制御部材を介して前記装置と電気的に接続されている。
【0043】
本発明の実施例は、還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼装置の使用方法を提供し、前記使用方法は、
制御システム5によって造滓フラックス投入口44を開き、造滓フラックス材料を混合した後、造滓フラックス貯留サイロ43に装入し、造滓フラックス投入機構46を制御して造滓フラックス材料が造滓フラックス貯留サイロ43から製鋼池1に入り、底部に造滓フラックススタック11を形成するステップ1と、
平均粒子径が0.1mm未満のガス発生原料を水分≦1wt.%になるまで乾燥した後、ガス発生原料供給装置に装入するステップ2と、
前記ガス発生ガン21の点火装置によりガス発生ガン21を起動し、酸素供給装置及びガス発生原料供給装置を調整して、発生ガスの成分中のCO+H2が90%を超え、温度が1800℃を超えるようにするステップ3と、
粒子径が1mm未満、平均粒子径が0.074mm、全鉄TFeの含有量が50~70wt.%である、鉄含有粉末を水分≦1wt.%になるまで乾燥した後、鉱物粉末投入口42の投入を開始するステップ4と、
鉄含有粉末材料は、前記装置の落下中、急速還元ゾーン3において、上昇するガス発生ガン21によって生成される還元性ガスと熱伝達および物質移動反応を起こし、その後、製鋼池1中の造滓フラックススタック11の表面に落下し、鉄含有粉末材料の未還元部分が、急速還元ゾーン3において、造滓フラックススタック11の表面に、ガス発生ガン21によって生成される還元性ガスとさらに還元するステップ5と、
最終還元を完了した鋼スラグ混合物は、造滓フラックススタック11と脱不純物反応を完了し、最終スラグを生成し、さらにスラグ鋼を分離するステップ6と、
溶鋼及びスラグ液は出鋼口121と出滓口131から定期的に排出され、発生した排ガスはテールガス45から適時に排出され、テールガスの温度は冷気口41に冷気を通すことにより調整されるステップ7と、を含む。
【0044】
前記ステップ1の造滓フラックススタック11の表面は、内凹状の円弧面であり、軟質溶融した鋼スラグ混合物は、重力の作用下でスタック頂部から円弧面に沿ってスタック底に向かってゆっくりと流れ、高温還元ガスと逆方向に対流し、熱質交換を行い、鋼スラグが下方に流れる際に、造滓フラックススタック11の表面の造滓フラックスと反応させ、鋼液中のイオウ、リン等の不純物を除去し、高アルカリ度の最終スラグを生成する。
【0045】
前記ステップ7における溶鋼は、C:<0.5wt.%、S:<0.02wt.%、P:<0.02wt.%の粗鋼であり、前記スラグ液の二元塩基度は1.3~2.0である。
【0046】
上記の技術案において、還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼は、従来の高炉のコークス化、焼結、ペレットのプロセスフロー及びフラッシュ溶融の方法を放棄し、鉄含有粉末材料を原料として直接採用し、急速還元ゾーンで還元ガスと還元反応が発生し、少量の未還元鉄酸化物が造滓フラックススタックで最終還元を完了し、同時に脱硫、脱リンなどの脱不純物反応を完了することで、一つの装置内で粗鋼を直接かつ効率的に製造でき、コークス資源に依存しなくなり、エネルギー消費の高い工程が削減され、多量の製鋼装置を必要とせず、工場の敷地面積が少なく、資金投入を大幅に節約した。
【0047】
鉄含有粉末材料を還元性雰囲気中で直接製鋼する場合、ガス発生材料はガス発生ガンによって高温還元ガスを噴射する必要があり、該高温還元ガスは、まず、造滓フラックススタックに直接作用し、造滓フラックススタックに熱を供給し、石灰の溶融を促進し、滞留時間を短縮し、造滓の進行を加速し、熱損失を少なくする。その後、温還元ガスは、急速還元ゾーンを通じて上昇し、急速還元ゾーンで落下した鉄含有粉末材料と逆流で合流し、熱伝導反応と物質移動反応を同時に行い、接触反応が十分であり、反応効率が高い。
【0048】
還元性雰囲気中での鉄含有粉末材料の直接製鋼は、炉体の底部に製鋼池が設けられており、還元反応後、落下した鉄及び鉄鉱石の軟質溶融物は共に造滓フラックススタックの表面に均一に落下し、鉄含有粉末材料が急速還元ゾーンで還元されていない部分は高温還元ガスと更に還元でき溶銑を生成し、最終的には、全ての鉄酸化物と高温還元ガスが最終還元を完了し、造滓フラックスと脱リン、脱硫などの脱不純物反応を完了して最終スラグを生成し、さらにスラグ鋼を分離することで、一つの装置で直接製鋼できることが実現され、製鋼設備の大量の個別投入を必要とせず、資金と敷地面積を大幅に節減した。
【0049】
要するに、本発明の製錬過程は、製鋼池内の造滓フラックススタックの周りに展開され、製錬過程全体の造滓フラックスは、十分でかつ過剰であり、除去すべきイオウ、リンなどの不純物及び酸性酸化物は、過剰な造滓フラックス(塩基性酸化物)スタックの表面で各種化学反応を完了し、低融点の最終スラグを生成し、製鋼池から排出される。直接製鋼設備の構造及びプロセスに対して行った独自の設計は、急速還元ゾーン及び造滓フラックススタックにおける鉄含有粉末材料の一体化な還元及び造滓に基づき、装置内に熱伝達及び物質移動に有利な流れ場及び温度場を創造し、それによって還元性雰囲気下で、装置内の造滓フラックススタックに基づき、一体的な直接製鋼の目的を達成する。
【0050】
上述したのは本発明の好ましい実施形態であり、当業者にとっては、本発明に記載された原理から逸脱することなく、いくつかの改良及び修正を行うこともでき、これらの改良及び修正も本発明の保護範囲とみなされるべきであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0051】
1、製鋼池
11、造滓フラックススタック
12、溶鋼層
121、出鋼口
13、液状スラグ層
131、出滓口
2、ガス発生塔
21、ガス発生ガン
22、還元ガス流路
3、急速還元ゾーン
4、鉱物材料投入ゾーン
41、冷気口
42、鉱物粉末投入口
43、造滓フラックス貯蔵サイロ
44、造滓フラックス投入口
45、テールガス排出口
46、造滓フラックス投入機構
5、制御システム
【国際調査報告】