(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】喫煙物品用フィルタ及びそれを含む喫煙物品
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20240808BHJP
A24D 3/10 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509086
(86)(22)【出願日】2023-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2023007495
(87)【国際公開番号】W WO2024025122
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0092532
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スーホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒェオン タエ
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン ジン
(72)【発明者】
【氏名】アン、キ-ジン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ウォンヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、スンミン
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BA05
4B045BA08
4B045BC08
4B045BC17
4B045BC23
4B045BC36
(57)【要約】
本発明は2以上のフィルタ部を含み、2以上のフィルタ部のうち少なくとも1つのフィルタ部に2から4個のホールを含む喫煙物品用フィルタ、及びそれを含む喫煙物品を提供する。前記1つのフィルタ部は3個のホールを含んでもよい。前記ホールの大きさは直径が1mm以上2mm以下であってもよい。前記フィルタの外壁からホールまでの最短距離が0.7mm以上1.3mm以下であってもよい。前記フィルタは総長さが25~30mmであってもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のフィルタ部を含み、2以上のフィルタ部のうち少なくとも1つのフィルタ部に2から4個のホールを含む、喫煙物品用フィルタ。
【請求項2】
前記1つのフィルタ部は3個のホールを含む、請求項1に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項3】
前記ホールの大きさは直径が1mm以上2mm以下である、請求項1に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項4】
前記フィルタの外壁からホールまでの最短距離が0.7mm以上1.3mm以下である、請求項1に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項5】
前記フィルタは総長さが25~30mmである、請求項1に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項6】
前記フィルタ部は、近位端部に位置する第1フィルタ部及び遠位端部に位置する第2フィルタ部を含み、
前記第1フィルタ部は多重ホールを含む、請求項1に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項7】
前記第1フィルタ部の長さが5~12mmであり、
前記第2フィルタ部の長さが15~22mmである、請求項6に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項8】
前記第1フィルタ部は、セルロースフィルタ又は高分子成形フィルタである、請求項6に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項9】
第2フィルタ部に穿孔が位置し、
第2フィルタ部のフィルタ巻紙は多孔性である、請求項6に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項10】
前記フィルタの周縁は15mm以上25mm以下である、請求項1に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項11】
前記フィルタ部は吸引抵抗が50mmH
2O/Tip以上150mmH
2O/Tip以下である、請求項1に記載の喫煙物品用フィルタ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の喫煙物品用フィルタを含む、喫煙物品。
【請求項13】
前記喫煙物品は燃焼式巻タバコ又は加熱式の巻タバコである、請求項12に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品用フィルタ及びそれを含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、タバコは双子葉植物目のナス科の多年生植物をいうが、最近ではタバコの葉を巻タバコ紙で包んで一側にフィルタ部が構成され、喫煙を目的で製造された製品を称する。このようなタバコは世界的に数千種類に達し、様々な形や形態に発売されている。
【0003】
タバコの近位端部(Mouth end、ME)にはフィルタが位置し、タバコの煙の粒子と蒸気相を除去することによって煙の成分を濾過する役割を果たす。
【0004】
しかし、フィルタを包んでいるフィルタ巻紙は紙であるため、喫煙中にタバコの煙がフィルタを通過して喫煙者の指に直接触れる部分にタバコのにおいが染み込み、喫煙時にフィルタの断面に染みが形成されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記のような既存技術の問題及び/又は限界点を克服するために、本発明は2以上のフィルタ部を含み、2以上のフィルタ部のうち少なくとも1つのフィルタ部に2から4個のホールを含む喫煙物品用フィルタ、及びそれを含む喫煙物品を提供することを目的とする。
【0006】
しかし、本発明が解決しようとする課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されない更なる課題は下記の記載によって当技術分野の通常の知識を有する者にとって明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例によれば、2以上のフィルタ部を含み、2以上のフィルタ部のうち少なくとも1つのフィルタ部に2から4個のホールを含む喫煙物品用フィルタを提供する。
【0008】
一側によれば、前記喫煙物品用フィルタを含む喫煙物品を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明を利用すると、従来における一般のチューブフィルタよりもさらに高い吸引抵抗を提供し、煙中の煙成分の除去率を高めることができる。それだけでなく、主流煙と穿孔部位を介して流入する空気を多重ホールに誘導して、喫煙時にタバコのにおいが手に染み込むことを減らし得る。また、喫煙時にフィルタ断面に生じる染みを減少して喫煙後にもフィルタ断面がきれいに見えることで、喫煙者に満足感を与えることができる。
【0010】
本発明の効果は前記効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明又は請求範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものとして理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例に係る喫煙物品100を示す図である。
【
図2】2つのフィルタ部を含み、2つのピルタブーのうち1つのフィルタ部に3個のホールを含む喫煙物品用フィルタ10を示した概略図及び断面図である。
【
図3】前記3個のホールを含むフィルタ部11の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付する図面を参照しながら実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられてもよく、特許出願の権利範囲がこのような実施例によって制限されたり限定されることはない。実施例に対する全ての変更、均等物または代替物が権利範囲に含まれるものとして理解しなければならない。
【0013】
実施例で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0014】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0015】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施例の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施例の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0016】
また、実施例の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。
【0017】
いずれかの実施例に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施例で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施例に記載した説明は他の実施例にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0018】
明細書の全体で、「喫煙部品」は、タバコ(巻タバコ)、シガーなどのように、エアロゾルを発生させ得るモノを意味する。喫煙部品は、エアロゾル発生物質又はエアロゾル形成基質を含んでもよい。また、喫煙物質は、シートタバコ、刻みタバコ、再構成タバコなどのタバコ原料を基礎にする固体物質を含んでもよい。喫煙物質は、揮発性化合物を含んでもよい。
【0019】
また、明細書全体において、「上流」又は「上流方向」は、喫煙物品を喫煙するユーザの口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」又は「下流方向」は、喫煙物品を喫煙するユーザの口部から近づく方向を意味する。
【0020】
一方、「A又はB」又は「A又はBのうち少なくとも1つ」などの表現は、共に羅列した項目のいずれか1つ、又は、その全ての可能な組み合せを含んでもよい。
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1を参照すると、喫煙物品100は、一例として、フィルタ10とタバコ媒質部20を含む。タバコ媒質部を燃焼すればタバコの煙が生成し、生成されたタバコの煙はフィルタを通過して喫煙者の肺に入る。
【0023】
本発明の一実施例によれば、2以上のフィルタ部を含んでもよく、具体的には、2~4のフィルタ部、又は、2~3のフィルタ部を含んでもよい。また、前記2以上のフィルタ部のうち少なくとも1つのフィルタ部に2から4個のホール、好ましくは、3個のホールを含む喫煙物品用フィルタを提供する。
【0024】
一例として、
図2に示すように、フィルタ10は、第1フィルタ部11及び第2フィルタ部13を含む。第1フィルタ部11と第2フィルタ部13はそれぞれ近位端部、遠位端部(Tobacco End;TE)の側に配置されてもよい。第1フィルタ部11は多重ホールを含んでもよい。
図4は、このようなフィルタの製造イメージである。
【0025】
具体的に、前記フィルタの総長さ15は25~30mm、好ましくは27mmであってもよい。第1フィルタ部11の総長さは5~12mmであってもよく、好ましくは9mmであってもよい。第2フィルタ部13の総長さは15~22mmであってもよく、好ましくは18mmであってもよい。
【0026】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る喫煙物品用フィルタにおいて、多重ホールを含むフィルタ部11断面のホール直径17は1mm以上2mm以下、好ましくは1.6mm以上1.7mm以下であってもよい。
【0027】
ホール直径が1mm未満である場合、フィルタの製造時に問題が生じる。具体的に、フィルタ製造時に高温及び高圧条件で棒を入れてフィルタにホールを生成する。ここで、棒の厚さが1mm未満として細くなれば、フィルタの成形時に直径が均一なホールを生成することが難い。
【0028】
本発明の一実施例に係る喫煙物品用フィルタにおいて、ホールは、フィルタの外壁の厚さ19が0.7mm以上1.3mm以下、好ましくは1.05mm以上1.15mm以下であってもよく、前記外壁の厚さは、フィルタの外壁からホールまでの最短距離を基準にする。また、ホールの好ましい大きさを考慮したとき(実施例1.0mm)、好ましくはホールの中央がフィルタの外壁から1.5mm以上になる位置内に形成されてもよい。
【0029】
これは、巻タバコの製造時に製造されたフィルタを切断しなければならないが、フィルタの外壁の厚さ19が薄ければ壁が壊れる恐れが生じる。
【0030】
一方、前記第2フィルタ部13は、アセチルセルロース、炭素又は紙のうち少なくとも1つ又はその組み合わせを含むフィルタであってもよい。好ましくは、第1フィルタ部が多重ホールを含む場合、セルロースフィルタ又は高分子成形フィルタであってもよい。但し、これに制限されない。
【0031】
フィルタはフィルタ巻紙によって包まれている。チップペーパーは巻タバコとフィルタを繋ぐ紙であって、穿孔が形成されている。穿孔は、タバコの希釈率を高めて製品の煙成分を希釈する役割を果たす。穿孔は、近位端部から10.5~11mm位置に形成されてもよい。そのため、第2フィルタ部13に穿孔が位置し、第2フィルタ部13のフィルタ巻紙は多孔性であってもよい。
【0032】
本発明の一実施例に係る喫煙物品用フィルタ10の周縁は15mm以上25mm以下、好ましくは16.7mm以上24.2mm以下であってもよい。例えば、フィルタの周縁は、レギュラー型タバコである場合、24.2mm、スリム型タバコの場合、21.7mm、超スリム型タバコの場合、16.7mmであってもよい。
【0033】
本発明の一実施例に係る喫煙物品用フィルタ10は、吸引抵抗が50mmH2O/Tip以上150mmH2O/Tip以下であってもよい。吸引抵抗が50mmH2O/Tipよりも小さい場合、フィルタリングの効果が過度に低下し、150mmH2O/Tipよりも大きい場合に吸引性が小さくなり、ユーザがエアゾールを吸入し難しい。
【0034】
前記フィルタには香味剤が含まれてもよい。香味剤として、ミント、チョコレート、ココア、コーヒー、甘草、コリアンダー、バニリン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトール、ユーカリオール、酢酸(Acetic acid)、呼吸フレッシュナー(breath freshener)香、ベルガモットオイル、ローズマリー、ゼラニウムオイル、レモンオイル、オレンジオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイル、ミントオイル、ジンジャーオイル、イソスイート(isosweet)及びフルーツ香り成分からなる群より選択された1つ以上であってもよく、前記羅列した種類に限定されることはない。
【0035】
一方、本発明の一実施例に係る喫煙物品100は前記フィルタ10を含んでもよい。生成されたタバコの煙はフィルタを経て煙成分が濾過され、通常、遠位端部側に位置しているフィルタ部の煙成分の除去能が高い。
【0036】
前記喫煙物品100は、燃焼式巻タバコ又は加熱式(非燃焼式)巻タバコであってもよいが、これに限定されることはない。
【0037】
前記喫煙物品はタバコ媒質部及びラッパーを含んでもよい。
【0038】
前記タバコ媒質部は、通常、葉タバコのようにニコチンを含むタバコ物質を含み、バインダやその他の添加剤、前記言及した香味剤などのような賦形剤を追加的に含んでもよく、一例として、本発明のタバコ媒質部に含まれるタバコ媒質は、タバコ物質及び賦形剤などを含む顆粒の形態に製造されてもよい。
【0039】
タバコの葉は、黄色種、バーレー種、オリエント種、シガー葉、及びトーストのうち選択された少なくとも1つ以上であってもよいが、これに限定されることはない。
【0040】
以下、実施例を例にして本発明についてより詳しく説明するが、本発明が下記の実施例に限定されることはない。
【0041】
フィルタ設計
実施例1
【0042】
第1フィルタ部と第2フィルタ部を含む喫煙物品用フィルタを製造した。第1フィルタ部の長さは15mmであり、3個のホールが形成されており、酢酸塩トウを含む。第2フィルタ部の長さは12mmであり、炭素を含む。
【0043】
実施例2
第1フィルタ部の長さが9mm、第2フィルタ部の長さが18mmであることを除いては、実施例1と同じ方法で喫煙物品用フィルタを製造した。
【0044】
比較例1
第1フィルタ部にホールが形成されていない点を除いては、実施例1と同じ方法で喫煙物品用フィルタを製造した。
【0045】
比較例2
第1フィルタ部に1つのホールが形成されていることを除いては、実施例1と同じ方法で喫煙物品用フィルタを製造した。
【0046】
比較例3
第1フィルタ部に1つのホールが形成されており、その長さが9mmであり、第2フィルタ部の長さが18mmであることを除いては、実施例1と同じ方法で喫煙物品用フィルタを製造した。
【0047】
比較例1~3及び実施例1、2のフィルタ設計内訳は下記の表1に示す。
【0048】
【0049】
前記表において、MEは近位端部側に位置する第1フィルタ部、TEは遠位端部側に位置する第2フィルタ部を意味する。
【0050】
比較例1の吸引抵抗に対比して、実施例1の吸引抵抗は8.75mmH2O/Tip増加し、実施例2の吸引抵抗は47.75mmH2O/Tip増加する。即ち、実施例2の吸引抵抗は、実施例1の吸引抵抗に比べてやや高い値を有し、これは第1フィルタ部及び第2フィルタ部が15+12mm体制であるときよりも、9+18mm体制であるときに吸引抵抗が増加することを意味する。実施例1とは相違に、実施例2の場合、第1フィルタ部の長さが9mmであり、穿孔は近位端部から通常10.5~11mmに位置するため、穿孔が第2フィルタ部に位置する。従って、実施例2の場合、穿孔から流入した空気が第2フィルタ部を経て第1フィルタ部を経由して吸引抵抗が高まると予想される。
【0051】
フィルタの物理性
前記比較例1~3及び実施例1、2のフィルタの物理性を測定して下記の表2に示す。
【0052】
【0053】
喫煙物品の試作品設計
前記比較例1~3及び実施例1、2を適用した喫煙物品の設計内訳を下記の表3に示す。
【0054】
【0055】
試験例1:喫煙物品の主流煙の成分分析
前記比較例1~3及び実施例1、2を適用した喫煙物品の主流煙の成分を分析した結果を下記の表4に示す。
【0056】
【0057】
実施例2は、比較例1に対比してTPM値は0.59mg/cig、タール値は0.38mg/cig、ニコチン値は0.03mg/cigだけ減少した。
【0058】
第1フィルタ部及び第2フィルタ部が9+18mm体制であるとき、15+12mm体制であるときに比べて、TPM、タール、ニコチン移行量が大きく減少した。特に、タールとニコチンである場合、第1フィルタ部及び第2フィルタ部が9+18mm体制であるとき、比較例1対比それぞれ23.1~24.4%、11.8~17.6%減少する有意味な結果を示した。これは9+18mm体制の吸引抵抗が15+12mm体制の吸引抵抗よりも高く、通常、遠位端部に位置する第2フィルタ部側の煙成分の除去能が大きいためである。
【0059】
試験例2:フィルタ適用による手のにおい低減効果の官能評価
本発明のフィルタを適用して手のにおい低減効果を調べるために、喫煙時に指部位に綿手袋を使用し、喫煙完了1時間後に感じられるタバコにおいの強度を確認するための官能評価を実施した。前記綿手袋は、喫煙直後に密封してサンプル袋に保管した。匂いの強度は一般の布と比較した。
【0060】
官能評価は、比較例1及び実施例2のフィルタが適用された喫煙物品を用いて15人の評価者を対象に実施し、合計9点満点を基準にした。
【0061】
官能評価の結果は、下記の表5及び表6に示す。表5は対応標本統計量、表6は対応標本検定の結果である。
【0062】
【0063】
【0064】
喫煙完了後に官能特性を分析した結果、実施例2を適用した喫煙物品が、比較例1を適用した喫煙物品に比べて異臭強度が48.3%減少する有意味な結果を示した。穿孔を介して空気が入ってくると、主流煙は通常フィルタの中央に集まり、実施例2を適用した喫煙物品の場合、3個のホールを介して主流煙が抜け出ることにより手のにおいが低減することが分かる。
【0065】
従って、試験例1及び2によれば、実施例2のように多重ホール及び9+18mm体制を喫煙物品に適用する場合、タール、ニコチンなどの煙成分を減らしながら手のにおいを低減させ得るものと予想することができる。
【0066】
以上、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0067】
従って、他の実現、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものなども後述する請求範囲の範囲に属する。
【国際調査報告】