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特表2024-530232トルクコンバータのクラッチアセンブリ
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  • 特表-トルクコンバータのクラッチアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】トルクコンバータのクラッチアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16H 45/02 20060101AFI20240808BHJP
   F16F 15/134 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F16H45/02 Y
F16F15/134 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509101
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 US2022039358
(87)【国際公開番号】W WO2023033980
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,347
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/870,922
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ヴェルディエ
(57)【要約】
トルクコンバータは、トルクを受けるように配置されたフロントカバーと、フロントカバーに係合されたロックアップクラッチとを備える。トルクコンバータは、ロックアップクラッチと係合可能なダンパアセンブリを更に含む。ダンパアセンブは、内側ばねアセンブと、内側ばねアセンブの半径方向外側に配置された外側ばねアセンブと、内側ばねアセンブを支持する下部カバープレートとを含む。下部カバープレートは、外側ばねアセンブリをばねウインドウ内に保持するように構成された面取り部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクコンバータであって、
トルクを受けるように配置されたフロントカバーと、
前記フロントカバーに回転不可能に接続されたインペラシェルを有するインペラと、
前記インペラと流体連通し、かつタービンシェルを含むタービンと、
ピストンとクラッチプレートとを含むロックアップクラッチと、
軸方向で前記フロントカバーと前記タービンシェルとの間に配設され、かつ前記クラッチプレートと係合可能なダンパアセンブリであって、
内側ばねアセンブリと、前記内側ばねアセンブリの径方向外側に配置された外側ばねアセンブリと、
前記内側ばねアセンブリを支持する下部カバープレートであって、前記外側ばねアセンブリをばねウインドウ内に保持するように構成された面取り部を含む、下部カバープレートと、を含む、ダンパアセンブリと、
を備える、トルクコンバータ。
【請求項2】
前記外側ばねアセンブリを支持する上部カバープレートを更に備え、前記下部カバープレートが、前記上部カバープレートを径方向に保持するように構成された平坦領域を含む、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項3】
前記平坦領域が、前記下部カバープレートの外径上に位置している、請求項2に記載のトルクコンバータ。
【請求項4】
前記面取り部が、前記平坦領域から径方向内向きに延在している、請求項2に記載のトルクコンバータ。
【請求項5】
前記ピストンと前記上部カバープレートとの間に軸方向に配設された更なる上部カバープレートを更に備え、前記更なる上部カバープレートが、前記外側ばねアセンブリを支持しており、前記更なる上部カバープレートが、前記上部カバープレートに接続されている、請求項2に記載のトルクコンバータ。
【請求項6】
前記更なる上部カバープレートが、前記クラッチプレートに接続されている、請求項5に記載のトルクコンバータ。
【請求項7】
軸方向で前記上部カバープレートと前記更なる上部カバープレートとの間に配設された中間フランジを更に備え、前記中間フランジが、前記上部カバープレート及び前記更なる上部カバープレートに接続されており、前記中間フランジが、前記トルクが第1の閾値を超えることに基づいて、前記トルクを前記内側ばねアセンブリに伝達するように構成されている、請求項5に記載のトルクコンバータ。
【請求項8】
前記フロントカバーと前記下部カバープレートとの間に軸方向に配設された更なる下部カバープレートを更に備え、前記更なる下部カバープレートが、前記内側ばねアセンブリを支持しており、前記更なる下部カバープレートが、前記下部カバープレートに接続されている、請求項7に記載のトルクコンバータ。
【請求項9】
前記更なる下部カバープレートが、前記トルクが第2の閾値を超えることに基づいて、前記トルクを前記下部カバープレートに伝達するように構成されている、請求項8に記載のトルクコンバータ。
【請求項10】
前記更なる下部カバープレートが、前記中間フランジに結合されている、請求項8に記載のトルクコンバータ。
【請求項11】
前記上部カバープレート及び前記更なる上部カバープレートが、前記ばねウインドウを画定している、請求項5に記載のトルクコンバータ。
【請求項12】
前記下部カバープレートが、前記タービンシェルに接続されている、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項13】
前記下部カバープレートが、変速機入力シャフトに回転不可能に接続するように配置されている、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項14】
前記面取り部が、前記下部カバープレートの軸方向側部から前記下部カバープレートの外径に向かって延在している、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項15】
トルクコンバータのためのダンパアセンブリであって、
内側ばねアセンブリと、前記内側ばねアセンブリの径方向外側に配置された外側ばねアセンブリと、
前記内側ばねアセンブリを支持する下部カバープレートであって、前記外側ばねアセンブリをばねウインドウ内に保持するように構成された面取り部を含む、下部カバープレートと、
を備える、ダンパアセンブリ。
【請求項16】
前記外側ばねアセンブリを支持する上部カバープレートを更に備え、前記下部カバープレートが、前記上部カバープレートを径方向に保持するように構成された平坦領域を含んでおり、前記平坦領域が、前記下部カバープレートの外径上に位置する、請求項15に記載のダンパアセンブリ。
【請求項17】
前記上部カバープレートに接続された更なる上部カバープレートを更に備え、前記更なる上部カバープレートが、前記外側ばねアセンブリを支持している、請求項15に記載のダンパアセンブリ。
【請求項18】
前記上部カバープレートと前記更なる上部カバープレートとの間に軸方向に配設された中間フランジを更に備え、前記中間フランジが、前記上部カバープレート及び前記更なる上部カバープレートに接続されており、前記中間フランジが、トルクが第1の閾値を超えることに基づいて、トルクを前記内側ばねアセンブリに伝達するように構成されている、請求項17に記載のダンパアセンブリ。
【請求項19】
前記下部カバープレート及び前記中間フランジに接続された更なる下部カバープレートを更に備え、前記更なる下部カバープレートが、前記トルクが第2の閾値を超えることに基づいて、前記トルクを前記下部カバープレートに伝達するように構成された前記内側ばねアセンブリを支持している、請求項18に記載のダンパアセンブリ。
【請求項20】
前記上部カバープレート及び前記更なる上部カバープレートが、前記ばねウインドウを画定している、請求項17に記載のダンパアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月2日に出願された米国仮特許出願第63/240,347号の利益を主張する、2022年7月22日に出願された米国非仮特許出願第17/870,922号の利益を主張し、当該特許の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、車両のためのトルクコンバータに関する。特に、本開示は、トルクコンバータのためのダンパアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの車両には、エンジンと変速機との間に変速機が含まれている。トルクコンバータは、自動変速機を有する車両において一般的に使用される変速機の一種である。典型的なトルクコンバータは、エンジンのクランクシャフトに固定されたインペラと、変速機への入力であるタービンシャフトに固定されたタービンと、を含む。燃費を向上させるために、ほとんどのトルクコンバータは、タービンシャフトをトルクコンバータのカバーに機械的に結合して、流体継手を迂回するバイパス又はロックアップクラッチを含む。トルクコンバータエンベロープ内の限られた空間に起因して、ダンパアセンブリを含むトルクコンバータ内に全ての必要な構成要素を収めるための代替の設計及び構成を有することが望ましい。更に、エンベロープの空間及び実装がより制限されるにつれて、様々な構成要素をそれらの許容値の削減にかなうように製造することに関して問題が生じ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、トルクコンバータは、トルクを受けるように配置されたフロントカバーを含む。トルクコンバータは、フロントカバーに回転不可能に接続されたインペラシェルを有するインペラを更に備えている。トルクコンバータは、インペラと流体連通するタービンを更に含み、タービンシェルを含む。トルクコンバータは、ピストンとクラッチプレートとを含むロックアップクラッチを更に含む。トルクコンバータは、フロントカバーとタービンシェルとの間に軸方向に配設され、かつクラッチプレートと係合可能なダンパアセンブリを更に備えている。ダンパアセンブリは、内側ばねアセンブリと、内側ばねアセンブリの半径方向外側に配置された外側ばねアセンブリと、内側ばねアセンブリを支持する下部カバープレートとを含む。下部カバープレートは、外側ばねアセンブリをばねウインドウ内に保持するように構成された面取り部を含む。
【0005】
実施形態では、トルクコンバータは、外側ばねアセンブリを支持する上部カバープレートを含み得る。下部カバープレートは、上部カバープレートを半径方向に保持するように構成された平坦領域を含み得る。平坦領域は、下部カバープレートの外径上に位置し得る。面取り部は、平坦領域から半径方向内向きに延在し得る。実施形態では、トルクコンバータは、ピストンと上部カバープレートとの間に軸方向に配設された更なる上部カバープレートを含み得る。更なる上部カバープレートは、外側ばねアセンブリを支持し得る。更なる上部カバープレートは、上部カバープレートに接続され得る。更なる上部カバープレートは、クラッチプレートに接続され得る。上部カバープレート及び更なる上部カバープレートは、ばねウインドウを画定し得る。実施形態では、トルクコンバータは、上部カバープレートと更なる上部カバープレートとの間に軸方向に配設された中間フランジを含み得る。中間フランジは、上部カバープレート及び更なる上部カバープレートに接続され得る。中間フランジは、トルクが第1の閾値を超えることに基づいて、トルクを内側ばねアセンブリに伝達するように構成され得る。実施形態では、トルクコンバータは、フロントカバーと下部カバープレートとの間に軸方向に配設された更なる下部カバープレートを含み得る。更なる下部カバープレートは、内側ばねアセンブリを支持し得る。更なる下部カバープレートは、下部カバープレートに接続され得る。更なる下部カバープレートは、トルクが第2の閾値を超えることに基づいて、トルクを下部カバープレートに伝達するように構成され得る。更なる下部カバープレートは、中間フランジに接続され得る。
【0006】
実施形態では、下部カバープレートは、タービンシェルに接続され得る。下部カバープレートは、変速機入力シャフトに回転不可能に接続するように配置され得る。面取り部は、下部カバープレートの軸方向側部から下部カバープレートの外径に向かって延在し得る。
【0007】
別の実施形態では、トルクコンバータのためのダンパアセンブリは、内側ばねアセンブリと、内側ばねアセンブリの半径方向外側に配置された外側ばねアセンブリと、内側ばねアセンブリを支持する下部カバープレートと、を含む。下部カバープレートは、外側ばねアセンブリをばねウインドウ内に保持するように構成された面取り部を含む。
【0008】
実施形態では、ダンパアセンブリは、外側ばねアセンブリを支持する上部カバープレートを含み得る。下部カバープレートは、上部カバープレートを半径方向に保持するように構成された平坦領域を含み得る。平坦領域は、下部カバープレートの外径上に位置し得る。実施形態では、ダンパアセンブリは、上部カバープレートに接続された更なる上部カバープレートを含み得る。更なる上部カバープレートは、外側ばねアセンブリを支持し得る。上部カバープレート及び更なる上部カバープレートは、ばねウインドウを画定し得る。実施形態では、ダンパアセンブリは、上部カバープレートと更なる上部カバープレートとの間に軸方向に配設された中間フランジを含み得る。中間フランジは、上部カバープレート及び更なる上部カバープレートに接続され得る。中間フランジは、トルクが第1の閾値を超えることに基づいて、トルクを内側ばねアセンブリに伝達するように構成され得る。ダンパアセンブリは、下部カバープレート及び中間フランジに接続された更なる下部カバープレートを含み得る。更なる下部カバープレートは、内側ばねアセンブリを支持し得、トルクが第2の閾値を超えることに基づいて、トルクを下部カバープレートに伝達するように構成され得る。
【0009】
本明細書で説明される実施形態は、ダンパアセンブリをより小さいエンベロープ内に実装することを可能にするために、ダンパの上部ばねアセンブリ又は外側ばねアセンブリのための内側ばねアセンブリ保持特徴部をダンパの下部ばねアセンブリ又は内側ばねアセンブリに関連付けられた下部カバープレートに移動させることを含む有利な構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示による、ダンパアセンブリを有するトルクコンバータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態を、本明細書において説明する。しかしながら、開示する実施形態は単なる例であり、他の実施形態は様々な代替形態を取ることができることを理解されたい。図は必ずしも縮尺どおりではなく、いくつかの特徴部は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張又は最小化されていると考えられる。したがって、本明細書に開示する特定の構造的詳細及び機能的詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、当業者に実施形態を様々に使用することを教示するための代表的な基準として解釈されるべきである。当業者が理解するように、図うちのいずれか1つを参照して例解及び説明された様々な特徴部は、1つ以上の他の図に例解される特徴部と組み合わせて、明示的に例解又は説明されていない実施形態を生成することができる。例解される特徴部の組み合わせは、典型的な用途のための代表的な実施形態を提供する。しかしながら、本開示の教示と一致する特徴部の様々な組み合わせ及び修正形態が、特定の用途又は実装のために所望され得る。
【0012】
図1を参照すると、本開示の一実施形態によるトルクコンバータ100の一部分が例解されている。トルクコンバータ100の少なくともいくつかの部分は、中心軸102の周りを回転可能である。中心軸102の上方のトルクコンバータ100の一部分のみが図1に示されているが、トルクコンバータ100は、中心軸102の下方に、多くの構成要素が中心軸102の周りに延在して実質的に同様に見えることがあることを理解されたい。本明細書で使用される「軸方向の」、「半径方向の」、「周方向の」、「外向きに」などの単語は、中心軸102を基準にしていることを意図している。
【0013】
トルクコンバータ100は、トルクを受けるフロントカバー104と、インペラ106と、タービン108と、ロックアップクラッチ110と、ダンパアセンブリ112とを備えている。インペラ106は、フロントカバー104が回転するとインペラ106が回転するようにフロントカバー104に回転不可能に接続されたインペラシェル114と、インペラシェル114の内面に取り付けられた少なくとも1つのインペラブレード116と、インペラシェル114の半径方向内向き端部に取り付けられたインペラハブ118と、を含む。タービン108は、変速機入力シャフト122に回転不可能に接続されたタービンシェル120と、タービンシェル120に取り付けられた少なくとも1つのタービンブレード124と、を含む。「回転不可能に接続された」構成要素とは、構成要素のうちの1つが回転するときはいつでも、全ての構成要素が回転するように構成要素が接続されていること、及び構成要素間の相対回転が可能ではないことを意味する。互いに対して回転不可能に接続された構成要素の半径方向及び/又は軸方向の移動が可能であるが、これは、必須ではない。
【0014】
トルクコンバータ100は、固定子126を含み得、固定子126は、流体がインペラ106に到達する前にタービンブレード124から流れる流体を方向転換してトルクコンバータ100の効率を高めるように、インペラ106とタービン108との間に軸方向に配設されている。例えば、インペラブレード116は、中心軸102の周りで回転すると、流体を外向きに押動する。流体は、トルクコンバータ100のタービン108を押圧し、タービン108を中心軸102の周りに回転させる。固定子126は、最小限の動力損失又は動力損失なしで、流体をタービン108からインペラ106に戻すように機能する。タービン108から変速機入力シャフト122に駆動力が伝達される。トルクコンバータ100は、例えば、固定子126内に配設された一方向クラッチ128と、固定子126とインペラシェル114との間に軸方向に配設されたスラスト軸受130と、一方向クラッチ128を固定子126内に保持するように構成された側部プレート132とを更に含み得る。
【0015】
車両エンジン(図示せず)からの動力は、流体を介して、及びトルクコンバータ100を介して変速機(図示せず)に伝達することができる。特に、動力は、最初にトルクコンバータ100のフロントカバー104に伝達され得る。ロックアップクラッチ110は、フロントカバー104からのトルクを変速機入力シャフト122に選択的に伝達するように構成されている。ロックアップクラッチ110は、ピストン134と、クラッチプレート136と、リアクションプレート138とを含む。
【0016】
ピストン134は、板ばね接続を介してフロントカバー104に接続され、かつその外径でフロントカバー104に封止され得る。リアクションプレート138は、例えば、溶接を介してフロントカバー104に固定されてもよい。クラッチプレート136は、ピストン134とリアクションプレート138との間に配設され得る。
【0017】
ピストン134は、フロントカバー104とピストン134との間に画定されたピストンアプライチャンバ140内の媒体(例えば、オイルなどの流体)の加圧に応答して、ロックアップクラッチ110を係合又は閉鎖する。ピストン134の軸方向移動の間、ピストン134は、封止プレート142に沿って摺動し、封止プレート142は、例えば、溶接を介してフロントカバー104に回転不可能に固定され、かつ変速機入力シャフトにその内径で封止されている。ピストン134は、封止部144を介してフロントカバー104に対して外径で封止され、かつ封止部146を介して封止プレート142に対して内径で封止されている。封止部144、146は、ピストンアプライチャンバ140とトルクコンバータ100の残りの部分との間の流体分離を維持する。ピストンアプライチャンバ140は、フロントカバー104、封止部144、ピストン134、封止部146、及び封止プレート142によって更に画定されているか、又はそれらの間に境界付けられている。「一部境界付けられている」とは、引用したチャンバ、流路、又は他の構造体の一部分が、引用した要素によって境界付けられている、又は形成されていることを意味する。
【0018】
ダンパアセンブリ112は、フロントカバー104とタービン108との間に軸方向に位置決めされている。ダンパアセンブリ112は、トルクコンバータ100を介してトルクを液圧的に伝達するように構成することができる。例えば、ダンパアセンブリ112は、フロントカバー104から変速機入力シャフト122にトルクを伝達するように構成することができる。ダンパアセンブリ112は、外側ばねアセンブリ148と、外側ばねアセンブリ148の半径方向内向きの内側ばねアセンブリ150と、外側ばねアセンブリ148を支持するカバープレート152、154と、中間フランジ156と、内側ばねアセンブリ150を支持するカバープレート158、160とを含む。カバープレート152は、ロックアップクラッチ110からダンパアセンブリ112にトルクを伝達するために、フロントカバー104と中間フランジ156との間に配設され、かつ、例えば、タブ接続を介してクラッチプレート136に接続されている。カバープレート154は、中間フランジ156とタービンシェル120との間に配設されている。
【0019】
カバープレート160は、外側ばねアセンブリ148をそれぞれのばねウインドウ172、すなわち、外側ばねアセンブリ148の所定の動作領域に維持又は保持するように構成及び配置された面取り部162を含む。ばねウインドウ172は、カバープレート152、154によって画定されている、すなわち、境界付けられている。面取り部162は、「スピニングアイブロー」と称され得る。すなわち、面取り部162は、外側ばねアセンブリ148とは独立して、すなわち、外側ばねアセンブリ148に対して回転し得る。面取り部162は、外側ばねアセンブリ148の所望の位置決めに対応する角度で形成され、かつカバープレート160の外径に形成され得る。面取り部162は、圧印加工又は機械加工された面取り部であってもよい。
【0020】
カバープレート160は、面取り部162に隣接する平坦領域164を含む。平坦領域164は、カバープレート154の半径方向保持を提供するように構成され、かつ配置されている。カバープレート160の内径は、例えば、変速機入力シャフト122と接合するブローチ加工されたプラグイン噛部を有するバブル状特徴部を介して、変速機入力シャフト122と結合するように更に構成され、かつ配置され得る。トルクコンバータ100は、スラストワッシャ(符号なし)を更に含み得、スラストワッシャは、カバープレート158と封止プレート142との間に配設され、かつカバープレート152によって保持されている。
【0021】
トルクコンバータ100は、以下のように説明されるトルク経路を更に含む、すなわち、ロックアップクラッチ110が係合されている(又はピストン134がクラッチプレート136をリアクションプレート138に押し付けるように閉鎖されている)とき、フロントカバー104からカバープレート152に、例えば、クラッチプレート136とのタブ接続を介して、トルクを伝達する。次いで、トルクは、コネクタ166(例えば、板金リベット接続)によって外側ばねアセンブリ148、カバープレート154に分散され、外側ばねアセンブリ148のばね容量を超えるトルクは、コネクタ166を通して中間フランジ156に伝達される。次いで、中間フランジ156からのトルクは、内側ばねアセンブリ150に入力され、内側ばねアセンブリ150のばね能力を超える任意のトルクは、カバープレート158上のタブ特徴部168に伝達される。カバープレート160に受け入れられるトルクは、カバープレート158へのコネクタ(例えば、板金リベット接続)170から、及び内側ばねアセンブリ150から生じ、変速機入力シャフト122と接合する。
【0022】
例示的な実施形態を上で説明したが、これらの実施形態が、特許請求の範囲に含まれる全ての可能な形態を説明することは意図していない。本明細書で使用する用語は、限定ではなく説明のための用語であり、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解される。前述のように、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、明示的に説明又は例解されていない場合がある本発明の更なる実施形態を形成することができる。様々な実施形態は、1つ以上の所望の特性に関して、利点を提供するもの、又は他の実施形態若しくは従来技術の実装形態よりも好ましいものとして説明されてきたが、当業者は、1つ以上の特徴部又は特性を妥協して特定の応用形態及び実装形態に依存する所望の全体的なシステム属性を達成することができることを認識する。これらの属性は、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、実装、サイズ、保守性、重量、製造性、組み立ての容易さなどを含み得るが、これらに限定されない。したがって、任意の実施形態が、1つ以上の特性に関して他の実施形態又は先行技術の実装よりも望ましくないと記載される限りにおいて、これらの実施形態が本開示の範囲外ではなく、特定の用途に望ましい場合があり得る。
【符号の説明】
【0023】
100 トルクコンバータ
102 中心軸
104 フロントカバー
106 インペラ
108 タービン
110 ロックアップクラッチ
112 ダンパアセンブリ
114 インペラシェル
116 インペラブレード
118 インペラハブ
120 タービンシェル
122 変速機入力シャフト
124 タービンブレード
126 固定子
128 一方向クラッチ
130 スラスト軸受
132 側部プレート
134 ピストン
136 クラッチプレート
138 リアクションプレート
140 ピストンアプライチャンバ
142 封止プレート
144 封止部
146 封止部
148 外側ばねアセンブリ
150 内側ばねアセンブリ
152 カバープレート
154 カバープレート
156 中間フランジ
158 カバープレート
160 カバープレート
162 面取り部
164 平坦領域
166 コネクタ
168 タブ特徴部
170 コネクタ
172 ばねウインドウ
図1
【国際調査報告】