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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】エンジン用可変バルブ作動制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 13/02 20060101AFI20240808BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20240808BHJP
   F02D 41/30 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F02D13/02 H
F02D13/02 J
F02D45/00 368F
F02D45/00 368S
F02D41/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509409
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022075055
(87)【国際公開番号】W WO2023023540
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,060
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504244623
【氏名又は名称】カミンズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ケ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,カイ
(72)【発明者】
【氏名】ホワン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シップ,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シーン
【テーマコード(参考)】
3G092
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G092AA01
3G092AA02
3G092AA11
3G092BA01
3G092BA03
3G092BA04
3G092BB01
3G092BB06
3G092BB08
3G092DA03
3G092DD03
3G092FA01
3G092GA11
3G092HA01Z
3G092HA04Z
3G092HB02Z
3G092HB03Z
3G092HC01Z
3G092HD05Z
3G092HE01Z
3G301HA01
3G301HA02
3G301JA01
3G301KA11
3G301LB01
3G301LB11
3G301MA01
3G301MA11
3G301MA18
3G301PA01Z
3G301PA07Z
3G301PB03Z
3G301PB05Z
3G301PB08Z
3G301PC01Z
3G301PD02Z
3G301PE01Z
3G301PE08Z
3G301PE10Z
3G384AA01
3G384AA03
3G384AA05
3G384BA01
3G384BA04
3G384BA09
3G384BA13
3G384BA18
3G384BA26
3G384CA11
3G384DA01
3G384EC02
3G384FA01Z
3G384FA37Z
3G384FA40Z
3G384FA49Z
3G384FA56Z
(57)【要約】
システムは、1つ以上の吸気バルブ及び1つ以上の排気バルブを備えるバルブトレインを含むエンジンと、ミラーサイクル又は非ミラーサイクルのいずれかでエンジンを選択可能に動作させるために、バルブトレインの動作を変化させるように電子的に制御可能な可変バルブ作動(Variable Valve Actuation、VVA)システムと、エンジン速度条件が満たされ、ピークシリンダ圧力(Peak Cylinder Pressure、PCP)条件が満たされ、空燃比(Air-Fuel Ratio、AFR)条件及び酸素燃料制御(Oxygen-Fuel-Control、OFC)条件の少なくとも一方が満たされ、かつVVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされた場合に、VVAシステムを制御して、エンジンの動作をミラーサイクルから非ミラーサイクルに変更するように構成された電子制御システムと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
1つ以上の吸気バルブ及び1つ以上の排気バルブを備えるバルブトレインを含むエンジンと、
ミラーサイクル又は非ミラーサイクルのいずれかで前記エンジンを選択可能に動作させるために、前記バルブトレインの動作を変化させるように電子的に制御可能な可変バルブ作動(Variable Valve Actuation、VVA)システムと、
エンジン速度条件が満たされ、
ピークシリンダ圧力(Peak Cylinder Pressure、PCP)条件が満たされ、
空燃比(Air-Fuel Ratio、AFR)条件及び酸素燃料制御(Oxygen-Fuel-Control、OFC)条件の少なくとも一方が満たされ、
前記VVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされた場合に、前記VVAシステムを制御して、前記エンジンの動作を前記ミラーサイクルから前記非ミラーサイクルに変更するように構成された電子制御システムと、を備える、システム。
【請求項2】
前記エンジン速度条件は、エンジン速度がエンジン速度閾値を超えない場合に満たされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記PCP条件は、前記エンジンの推定ピークシリンダ圧力がPCP閾値を超えない場合に満たされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記AFR条件のうちの1つは、前記エンジンの空燃比がAFR閾値を超えない場合に満たされ、前記OFC条件は、前記エンジンが酸素燃料制御モードで動作している場合に満たされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記VVAシステムについての最小オフ時間条件は、前記VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オフ又は停止されている場合に満たされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記電子制御システムは、
前記エンジン速度条件が満たされていない場合、
前記PCP条件が満たされていない場合、
前記AFR条件が満たされていない場合、及び前記VVAシステムについての最大オン時間条件が満たされている場合のいずれかの場合に、前記VVAシステムを制御して、前記エンジンの動作を前記非ミラーサイクルから前記ミラーサイクルに変更するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記VVAシステムについての前記最大オンタイム条件は、前記VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オン又は作動されている場合に満たされる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記PCP条件は、仮想センサによって提供されるピークシリンダ圧力値をPCP閾値と比較する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記仮想センサは、酸素の吸気量、吸気空燃比、噴射器レール圧力、噴射タイミングの開始、吸気圧力、すべての噴射における燃料の総量、吸気温度、第1のパイロット噴射における燃料量、第1のパイロット噴射のタイミング、第2のパイロット噴射における燃料量、第2のパイロット噴射のタイミング、メイン噴射のタイミング、第1のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、及びメイン噴射イベントにおける燃料量のうちの1つ以上を含む入力パラメータの組み合わせに応答して前記ピークシリンダ圧力値を決定するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記仮想センサは、以下の式に従って前記ピークシリンダ圧力値を決定するように構成され、
PCP=(K0+(K1×InO2)+(K2×AFR)+(K3×PRail)+(K4×SOI×PCharge)+(K5×AFR×Fuel)+(K6×TCharge)+(K7×PCharge)+(K8×PIF1)+(K9×PIT1)+(K10×PIF2)+(K11×PIT2)+(K12×MainSOI)+(K13×POF1)+(K14×POT1)+(K15×POF2)+(K16×POT2)+(K17×MainFuel)+(K18×PRail×PCharge)+(K19×AFR×PCharge)+(K20×PRail×MainFuel))^K21
ここで、
K0、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8、K9、K10、K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17、K18、K19、K20、及びK21は、経験値のデータセットから統計的に求められる係数であり、
PCPは、ピークシリンダ圧力であり、
InO2は、吸気中の酸素量(O2)であり、
AFRは、吸気空燃比であり、
PRailは、噴射器レール圧力であり、
SOIは、噴射タイミングの開始であり、
PChargeは、吸気圧力であり、
Fuelは、すべての噴射における燃料の総量であり、
TChargeは、吸気温度であり、
PIF1は、第1のパイロット噴射における燃料量であり、
PIT1は、第1のパイロット噴射のタイミングであり、
PIF2は、第2のパイロット噴射における燃料量であり、
PIT2は、第2のパイロット噴射のタイミングであり、
MainSOIは、メイン噴射のタイミングであり、
POF1は、第1のポスト噴射における燃料量であり、
POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、
POF1は、第2のポスト噴射における燃料量であり、
POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、
MainFuelは、メイン噴射イベントにおける燃料量である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
1つ以上の吸気バルブ及び1つ以上の排気バルブを備えるバルブトレインと、ミラーサイクル又は非ミラーサイクルのいずれかでエンジンを選択可能に動作させるために前記バルブトレインの動作を変化させるように電子的に制御可能な可変バルブ作動(Variable Valve Actuation、VVA)システムと、前記VVAシステムを制御するように構成された電子制御システムとを含むエンジンシステムを動作させる方法であって、
前記電子制御システムを使用して、エンジン速度条件が満たされているかどうか、ピークシリンダ圧力(Peak Cylinder Pressure、PCP)条件が満たされているかどうか、空燃比(Air-Fuel Ratio、AFR)条件及び酸素燃料制御(Oxygen-Fuel-Control、OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされているかどうか、及び前記VVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされているかどうかを評価することと、
前記評価することが、前記エンジン速度条件が満たされていること、前記ピークシリンダ圧力(PCP)条件が満たされていること、前記空燃比(AFR)条件及び前記酸素燃料制御(OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされていること、及び前記VVAシステムについての前記最小オフ時間条件が満たされていることを示すことに応答して、前記エンジンの動作を前記ミラーサイクルから前記非ミラーサイクルに変更するように前記電子制御システムを動作させることと、を含む方法。
【請求項12】
前記評価することは、エンジン速度がエンジン速度閾値を超えない場合に、前記エンジン速度条件が満たされていることを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記評価することは、前記エンジンの推定ピークシリンダ圧力がPCP閾値を超えない場合に、前記PCP条件が満たされていることを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記評価することは、前記エンジンの空燃比がAFR閾値を超えない場合に前記AFR条件のうちの1つが満たされていることを示し、前記評価することは、前記エンジンが酸素燃料制御モードで動作している場合に前記OFC条件が満たされていることを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記評価することは、前記VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オフ又は停止されている場合に、前記VVAシステムに関する前記最小オフ時間条件が満たされていることを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記エンジン速度条件が満たされていないかどうか、前記PCP条件が満たされていないかどうか、前記AFR条件が満たされていないかどうか、及び前記VVAシステムに対する最大オンタイム条件が満たされているかどうかを追加的に評価することと、
前記追加的に評価することが、前記エンジン速度条件が満たされていないこと、前記PCP条件が満たされていないこと、前記AFR条件が満たされていないこと、及び前記VVAシステムの最大オンタイム条件が満たされていることのうちのいずれかを示すことに応答して、前記エンジンの動作を前記非ミラーサイクルから前記ミラーサイクルに変更するように前記電子制御システムを追加的に動作させることと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記追加的に評価することは、前記VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オン又は作動されている場合に、前記VVAシステムの前記最大オンタイム条件が満たされていることを示す、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
仮想センサによって提供されるピークシリンダ圧力値をPCP閾値と比較することによって、前記PCP条件を判定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
酸素の吸気量、吸気空燃比、噴射器レール圧力、噴射タイミングの開始、吸気圧力、すべての噴射における燃料の総量、吸気温度、第1のパイロット噴射における燃料量、第1のパイロット噴射のタイミング、第2のパイロット噴射における燃料量、第2のパイロット噴射のタイミング、メイン噴射のタイミング、第1のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、及びメイン噴射イベントにおける燃料量のうちの1つ以上を含む入力パラメータの組み合わせに応答して、前記ピークシリンダ圧力値を決定するように前記仮想センサを動作させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
以下の式に従って前記ピークシリンダ圧力値を決定するように前記仮想センサを動作させることを含み、
PCP=(K0+(K1×InO2)+(K2×AFR)+(K3×PRail)+(K4×SOI×PCharge)+(K5×AFR×Fuel)+(K6×TCharge)+(K7×PCharge)+(K8×PIF1)+(K9×PIT1)+(K10×PIF2)+(K11×PIT2)+(K12×MainSOI)+(K13×POF1)+(K14×POT1)+(K15×POF2)+(K16×POT2)+(K17×MainFuel)+(K18×PRail×PCharge)+(K19×AFR×PCharge)+(K20×PRail×MainFuel))^K21
ここで、
K0、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8、K9、K10、K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17、K18、K19、K20、及びK21は、経験値のデータセットから統計的に求められる係数であり、
PCPは、ピークシリンダ圧力であり、
InO2は、吸気中の酸素量(O2)であり、
AFRは、吸気空燃比であり、
PRailは、噴射器レール圧力であり、
SOIは、噴射タイミングの開始であり、
PChargeは、吸気圧力であり、
Fuelは、すべての噴射における燃料の総量であり、
TChargeは、吸気温度であり、
PIF1は、第1のパイロット噴射における燃料量であり、
PIT1は、第1のパイロット噴射のタイミングであり、
PIF2は、第2のパイロット噴射における燃料量であり、
PIT2は、第2のパイロット噴射のタイミングであり、
MainSOIは、メイン噴射のタイミングであり、
POF1は、第1のポスト噴射における燃料量であり、
POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、
POF1は、第2のポスト噴射における燃料量であり、
POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、
MainFuelは、メイン噴射イベントにおける燃料量である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
1つ以上の吸気バルブ及び1つ以上の排気バルブを備えるバルブトレインと、ミラーサイクル又は非ミラーサイクルのいずれかでエンジンを選択可能に動作させるために前記バルブトレインの動作を変化させるように電子的に制御可能な可変バルブ作動(Variable Valve Actuation、VVA)システムと、前記VVAシステムを制御するように構成された電子制御システムとを含むエンジンシステムを動作させるための装置であって、前記装置は、
前記電子制御システムによって実行可能な命令を記憶するように構成された非一時的メモリ媒体であって、前記命令は、
前記電子制御システムを使用して、エンジン速度条件が満たされているかどうか、ピークシリンダ圧力(Peak Cylinder Pressure、PCP)条件が満たされているかどうか、空燃比(Air-Fuel Ratio、AFR)条件及び酸素燃料制御(Oxygen-Fuel-Control、OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされているかどうか、及び前記VVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされているかどうかを評価する動作と、
前記評価することが、前記エンジン速度条件が満たされていること、前記ピークシリンダ圧力(PCP)条件が満たされていること、前記空燃比(AFR)条件及び前記酸素燃料制御(OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされていること、及び前記VVAシステムについての前記最小オフ時間条件が満たされていることを示すことに応答して、前記エンジンの動作を前記ミラーサイクルから前記非ミラーサイクルに変更するように前記電子制御システムを動作させる動作と、を実行するように実行可能である、非一時的メモリ媒体を備える、装置。
【請求項22】
前記評価する動作は、エンジン速度がエンジン速度閾値を超えない場合に、前記エンジン速度条件が満たされていることを示す、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記評価する動作は、前記エンジンの推定ピークシリンダ圧力がPCP閾値を超えない場合に、前記PCP条件が満たされていることを示す、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記評価する動作は、前記エンジンの空燃比がAFR閾値を超えない場合に前記AFR条件のうちの1つが満たされていることを示し、前記評価することは、前記エンジンが酸素燃料制御モードで動作している場合に前記OFC条件が満たされていることを示す、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記評価する動作は、前記VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オフ又は停止されている場合に、前記VVAシステムの前記最小オフ時間条件が満たされていることを示す、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記命令は、前記電子制御システムによって実行可能であり、
前記エンジン速度条件が満たされないかどうか、前記PCP条件が満たされないかどうか、前記AFR条件が満たされないかどうか、及び前記VVAシステムに対する最大オンタイム条件が満たされるかどうかを追加的に評価する動作と、
前記追加的に評価する動作が、前記エンジン速度条件が満たされていないこと、前記PCP条件が満たされていないこと、前記AFR条件が満たされていないこと、及び前記VVAシステムの最大オンタイム条件が満たされていることのうちのいずれかを示すことに応答して、前記エンジンの動作を前記非ミラーサイクルから前記ミラーサイクルに変更するように前記電子制御システムを追加的に動作させる動作と、を実行するように実行可能である、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記追加的に評価する動作は、前記VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オン又は作動されている場合に、前記VVAシステムの前記最大オンタイム条件が満たされていることを示す、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記命令は、仮想センサによって提供されるピークシリンダ圧力値をPCP閾値と比較することによって前記PCP条件を判定する動作を実行するように前記電子制御システムによって実行可能である、請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記命令は、酸素の吸気量、吸気空燃比、噴射器レール圧力、噴射タイミングの開始、吸気圧力、すべての噴射における燃料の総量、吸気温度、第1のパイロット噴射における燃料量、第1のパイロット噴射のタイミング、第2のパイロット噴射における燃料量、第2のパイロット噴射のタイミング、メイン噴射のタイミング、第1のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、及びメイン噴射イベントにおける燃料量のうちの1つ以上を含む入力パラメータの組み合わせに応答して、前記ピークシリンダ圧力値を決定するように前記仮想センサを動作させる動作を実行するように前記電子制御システムによって実行可能である、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記命令は、前記仮想センサを動作させて前記ピークシリンダ圧力値を以下の式に従って決定する動作を実行するように前記電子制御システムによって実行可能であり、
PCP=(K0+(K1×InO2)+(K2×AFR)+(K3×PRail)+(K4×SOI×PCharge)+(K5×AFR×Fuel)+(K6×TCharge)+(K7×PCharge)+(K8×PIF1)+(K9×PIT1)+(K10×PIF2)+(K11×PIT2)+(K12×MainSOI)+(K13×POF1)+(K14×POT1)+(K15×POF2)+(K16×POT2)+(K17×MainFuel)+(K18×PRail×PCharge)+(K19×AFR×PCharge)+(K20×PRail×MainFuel))^K21
ここで、
K0、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8、K9、K10、K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17、K18、K19、K20、及びK21は、経験値のデータセットから統計的に求められる係数であり、
PCPは、ピークシリンダ圧力であり、
InO2は、吸気中の酸素量(O2)であり、
AFRは、吸気空燃比であり、
PRailは、噴射器レール圧力であり、
SOIは、噴射タイミングの開始であり、
PChargeは、吸気圧力であり、
Fuelは、すべての噴射における燃料の総量であり、
TChargeは、吸気温度であり、
PIF1は、第1のパイロット噴射における燃料量であり、
PIT1は、第1のパイロット噴射のタイミングであり、
PIF2は、第2のパイロット噴射における燃料量であり、
PIT2は、第2のパイロット噴射のタイミングであり、
MainSOIは、メイン噴射のタイミングであり、
POF1は、第1のポスト噴射における燃料量であり、
POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、
POF1は、第2のポスト噴射における燃料量であり、
POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、
MainFuelは、メイン噴射イベントにおける燃料量である、請求項29に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2021年8月17日に出願された米国特許出願第63/234,060号の優先権及び利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
(発明の分野)
本出願は、概して、エンジンシステム制御装置に関し、より詳細には、限定はしないが、エンジン並びに関連する装置、方法、システム、及び技法のための可変バルブ作動制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エンジンは、異なる動作状態に適した異なる燃焼サイクルを利用することができる。可変バルブ作動(Variable Valve Actuation、VVA)システムは、そのようなエンジンの動作を制御し、燃焼サイクルを変化させるために利用され得る。このようなエンジン及びシステムを制御するための多くの提案がなされてきた。既存の手法は、いくつかのデメリットや短所を有しており、ニーズに対応しきれていない。それらは例えば、過渡動作及び排出に関するもの、並びにシリンダ圧力等の、測定又は感知が困難又は不便であるエンジン動作パラメータの推定に関するものを含む。本明細書に開示される独自の装置、方法、システム、及び技法に対する大きなニーズが依然存在している。
【0004】
例示的な実施形態の開示
本開示の例示的な実施形態、それを作製及び使用する方法、及びプロセスを明確に、簡潔に、かつ正確に説明する目的で、並びにそれの実施、作製及び使用を可能にするために、図に示されるものを含む特定の例示的な実施形態をここで参照し、それを説明するために特定の言語が使用される。それでもなお、それによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明は、当業者が想起する例示的な実施形態の変更、修正、及び更なる適用を含み、保護することを理解されたい。
【発明の概要】
【0005】
エンジン用の可変バルブ作動制御装置に関するいくつかの実施形態が開示される。一実施形態は、エンジン用の可変バルブ作動制御装置を提供する独自の装置である。別の実施形態は、エンジン用の可変バルブ作動制御装置を提供する独自のシステムである。更なる実施形態は、エンジンの可変バルブ作動を制御する独自の方法である。更なる実施形態、形態、目的、特徴、利点、態様、及び利益は、以下の説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的なエンジンシステムの概略図である。
図2A】例示的な可変バルブ作動(VVA)制御論理を示す論理図である。
図2B】例示的な可変バルブ作動(VVA)制御論理を示す論理図である。
図3A】例示的なピークシリンダ圧力(Peak Cylinder Pressure、PCP)センサ論理を示す論理図である。
図3B】例示的なピークシリンダ圧力(Peak Cylinder Pressure、PCP)センサ論理を示す論理図である。
図4】吸気バルブリフトプロファイルの例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1を参照すると、電子制御システム(Electronic Control System、ECS)130と動作可能に結合されたエンジン110を含む例示的なエンジンシステム100が示されている。エンジン110は、例えば、ディーゼルエンジン若しくは他の圧縮点火エンジン、天然ガス、ガソリン若しくは他の火花点火エンジン、二元燃料エンジン、又は本開示の利益を有する当業者に想起されるような他のタイプのエンジン等のいくつかの往復ピストン型エンジンを含む、いくつかの形態で提供されてもよい。
【0008】
エンジン110は、吸気バルブ148を作動させるように構成された吸気カムローブ144と、排気バルブ147を作動させるように構成された排気カムローブ145とを含むカムシャフト142を含むバルブトレイン140を含む。可変バルブ作動(VVA)システム146は、吸気バルブ148の作動に対する吸気カムローブ144の効果を変化させるように構成される。吸気バルブ146及び排気バルブ147はそれぞれ、エンジン110の動作中にエンジンシリンダ(図示せず)への吸気及びそこからの排気を調整するように構成される。バルブトレイン140は、エンジンの追加のシリンダに関連付けられ得る追加の吸気カムローブ、吸気バルブ、排気カムローブ、及び排気バルブを含み得る。バルブトレイン140は、各シリンダに対して複数の吸気バルブ及び/又は複数の排気バルブを含むことができる。したがって、単一の吸気カムローブ144、吸気バルブ148、排気カムローブ145、及び排気バルブ147が図1に示されているが、エンジン110及びバルブトレイン140の典型的な多シリンダ実施形態は、それぞれのシリンダに関連付けられた複数の吸気カムローブ、吸気バルブ、排気カムローブ、及び排気バルブを含むと理解されるものとする。
【0009】
VVAシステム146は、吸気バルブ148に対する吸気カムローブ144の効果を変化させ、それによって吸気バルブ148のリフトプロファイルを変化させる1つ以上のアクチュエータを含む。そのようなアクチュエータは、油圧アクチュエータ又は電磁アクチュエータであってもよく、それらは、カムローブとバルブとの間の有効距離を変化させるように構成され動作可能であってもよく、又は、カムドウェルの終了後にバルブを開いたままにすることなどによって、所与のカムプロファイルによって実現されるリフトからバルブのリフトを分離又は修正してもよい。したがって、VVAシステム146は、本開示の利益及び見識を有する当業者に想起されるように、これら及び他のタイプのアクチュエータを含むいくつかの形態で提供され得る。
【0010】
図1の例示的な実施形態では、吸気カムローブ144は、VVAシステム146がオフ又は停止されているときに吸気バルブ148の早期吸気弁閉鎖(Early Intake Valve Closing、EIVC)を実行するように構成される。図4に示すように、吸気バルブ148のEIVC動作は、角度(deg)単位のクランク角の関数としてミリメートル(mm)単位の吸気バルブリフトを示すグラフ400の曲線410に従うバルブリフトプロファイルを有することができる。吸気バルブ148のEIVC動作は、エンジンシステム100のミラーサイクル動作を提供する。
【0011】
VVAシステム146がオン又は作動されるとき、吸気バルブ148のリフトプロファイルは、VVAシステム146と組み合わされた吸気カムローブ144が、グラフ400の曲線420に従うリフトプロファイルを有し得る吸気バルブ148の非EIVC動作を提供するように修正される。吸気バルブ148の非EIVC動作は、エンジンシステム100の非ミラーサイクル動作を提供する。したがって、VVAシステム146の作動及び停止は、ミラーサイクル動作(VVAシステム146がオフ又は停止されているとき)と非ミラーサイクル動作(VVAシステム146がオン又は作動されているとき)との間でエンジンの動作を変化させるために実行され得る。
【0012】
バルブトレイン140は、ロッカ、ラッシュアジャスタ、ベアリング面、ギア、吸気カムローブ及び排気カムローブのための別個のカムシャフト、並びに本開示の利益及び見識を有する当業者に想起される他の構成要素などのいくつかの追加の構成要素を含むいくつかの他の形態で実装されてもよいことを理解されたい。更に、他の実施形態は、VVAシステムの作動及び停止がミラーサイクル動作と非ミラーサイクル動作との間でエンジンの動作を変化させることができる他のバルブトレイン構成及び形態を含み、利用することができることを理解されたい。
【0013】
ECS130は、好ましくは、ソリッドステート集積回路タイプの1つ以上のプログラム可能なマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラと、1つ以上のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラによって実行可能な命令を記憶するように構成された1つ以上の非一時的メモリ媒体とを含む。ECS130は、VVAシステム146の動作を制御するための制御コマンドを提供及び出力するように構成されたVVAコントローラ131と、VVAシステムの動作を制御する際にVVAコントローラ131に出力されて利用されるピークシリンダ圧力推定を実行するように構成されたPCPセンサ133とを実装するように構成される。PCPセンサ133は、エンジンシステム100に関連付けられた複数のセンサ190からの情報、並びに1つ以上のエンジン制御パラメータ135の情報を受信することができる。図1は、破線矢印を使用して概念的に前述の構成要素間の制御関係を描写し、種々の通信ハードウェア及びプロトコルが、1つ以上のコントローラエリアネットワーク(Controller Area Network、CAN)又は他の通信構成要素等を実装するために利用されてもよいことを理解されたい。
【0014】
センサ190は、以下のセンサ及び関連する入力パラメータの1つ以上のインスタンスを含む。エンジン速度センサは、エンジン速度を示す入力パラメータを提供するように構成することができる。酸素又はラムダセンサは、吸気の酸素濃度の量及び/又は吸気の空燃比を示す入力パラメータを提供するように構成されてもよい。噴射器レール圧力センサは、燃料噴射器レールの燃料圧力を示す入力パラメータを提供するように構成され得る。吸気圧力センサは、吸気の圧力を示す入力パラメータを提供するように構成することができる。吸気温度センサは、吸気の温度を示す入力パラメータを提供するように構成されてもよい。本開示の利益及び見識を有する当業者に想起されるように、いくつかの追加及び/又は代替センサ並びに関連する入力パラメータが、センサ190内に提供されてもよい。
【0015】
エンジン制御パラメータ135は、噴射タイミングの開始、すべての噴射における燃料の総量、第1のパイロット噴射における燃料量、第1のパイロット噴射のタイミング、第2のパイロット噴射における燃料量、第2のパイロット噴射のタイミング、メイン噴射のタイミング、第1のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、及びメイン噴射イベントにおける燃料量を示すいくつかのエンジン制御パラメータのうちの1つ以上のインスタンスを含むことができる。そのようなエンジン制御パラメータは、ECS130の他のコントローラ及び制御構成要素によって決定され提供されてもよい。
【0016】
ECS130は、様々な方法で1つ以上の制御ユニットにわたって制御機能を組み合わせるか又は分散させるいくつかの方法のいずれかで実装することができる。ECS130は、様々な制御、管理、及び/又は調整機能を定義する動作論理を実行することができる。この動作論理は、ハードワイヤード状態機械、アナログ計算機械、プログラミング命令などの専用ハードウェアの形態、及び/又は当業者が想起するような異なる形態であってもよい。ECS130は、単一の構成要素又は動作可能に結合された構成要素の集合として提供されてもよく、デジタル回路、アナログ回路、又はこれらのタイプの両方のハイブリッドな組み合わせから構成されてもよい。マルチコンポーネント形態の場合、ECS130は、分散配置で他の構成要素に対して遠隔に配置された1つ以上の構成要素を有してもよい。ECS130は、パイプライン処理構成、並列処理構成などで独立して動作するように構成された複数の処理ユニットを含むことができる。更に、ECS130及び/又はその構成要素のいずれかは、1つ以上の信号調整器、変調器、復調器、算術論理演算装置(Arithmetic Logic Units、ALUs)、中央処理装置(Central Processing Units、CPUs)、リミッタ、発振器、制御クロック、増幅器、信号調整器、フィルタ、フォーマット変換器、通信ポート、クランプ、遅延デバイス、メモリデバイス、アナログデジタル(Analog to Digital、A/D)変換器、デジタルアナログ(Digital to Analog、D/A)変換器、及び/又は所望の通信を実行するために当業者が想起するような異なる回路又は構成要素を含むことができることを理解されたい。
【0017】
図2A及び図2Bを参照すると、ECS130又は別の電子制御システムにおいて実装され、それによって実行され得る例示的なVVA制御装置200(本明細書では制御装置200とも呼ばれる)が示されている。例えば、制御装置200は、VVAコントローラ146単独によって、又は他の電子制御システム構成要素と組み合わせて、全体的又は部分的に実装及び実行されてもよい。制御装置200は、エンジンシステム100などのエンジンシステムのミラーサイクル動作及び非ミラーサイクル動作を選択可能に提供するために、VVAシステム146などのVVAシステムの動作を制御するように構成され有効であるVVAコマンド290を決定し提供するように構成される。エンジンシステム100及びECS130に適用される場合、制御装置200は、吸気カムローブ144が吸気バルブ148のEIVC動作を提供するようにVVAシステム146を停止することによってエンジンシステム100のミラーサイクル動作を選択可能に提供し、吸気カムローブ144が吸気バルブ148の非EIVC動作を提供するようにVVAシステム146をアクティブ化することによってエンジンシステム100の非ミラーサイクル動作を選択可能に提供することができる。
【0018】
PCPセンサステータス202及び有効センサステータス212は、PCPセンサステータス202が有効センサステータス212に等しいかどうかを評価し、この評価の結果を演算子232に提供する演算子222への入力として提供される。PCPセンサステータス202は、PCPセンサ133などのピークシリンダ圧力センサの動作状態の表示を提供する。有効センサステータス212は、ピークシリンダ圧力センサの有効な動作状態の表示を提供する。したがって、演算子222によって実行される評価は、ピークシリンダ圧力センサが、オンフラグ、診断、合理性評価、出力範囲評価、又は本開示の利益及び見識を有する当業者に想起されるであろう他の評価、診断、及びフラグ等の1つ以上の基準に基づいて、正しく動作しているかどうかの指示を提供する。
【0019】
PCP推定値204及びPCP閾値214は、PCP推定値204がPCP閾値214より小さいか否かを評価し、この評価の結果を演算子232に提供する演算子224への入力として提供される。PCP推定値204は、ピークシリンダ圧力センサによって提供されるピークシリンダ圧力値を示す。PCP閾値214は、それを超えるとエンジンシステムの非ミラーサイクル動作が許可されないピークシリンダ圧力の最大閾値又は限界を示す。PCP閾値214は、所与のエンジン設計の信頼性又は安全性要件に基づいて構成することができる。いくつかの形態において、PCP閾値214は、選択されたエンジン設計の要件又は選択されたエンジンミッションの要件に基づいて較正可能であってもよい。PCP閾値214は、ミラーサイクル動作から非ミラーサイクル動作への移行から生じ得るピークシリンダ圧力の増加を考慮するように更に構成され得る。例えば、EIVC動作から非EIVC動作への遷移は、吸気の体積の増加に起因してピークシリンダ圧力の増加をもたらし得る。したがって、演算子224によって実行される評価は、エンジンシステムのピークシリンダ圧力が、エンジンシステムの非ミラーサイクル動作への移行を可能にする大きさであるかどうかの指示を提供する。
【0020】
エンジン速度206及びエンジン速度閾値216は、エンジン速度206がエンジン速度閾値216未満であるかどうかを評価し、この評価の結果を演算子232に提供する演算子226への入力として提供される。エンジン速度206は、エンジン速度センサによって提供されるエンジン速度値を示す。エンジン速度閾値216は、それを超えるとエンジンシステムの非ミラーサイクル動作が許可されないエンジン速度の最大閾値又は限界を示す。エンジン速度閾値216は、所与のエンジン設計の信頼性又は安全性要件に基づいて構成することができる。いくつかの形態において、エンジン速度閾値216は、選択されたエンジン設計の要件又は選択されたエンジンミッションの要件に基づいて較正可能であってもよい。エンジン速度閾値216は、ミラーサイクル動作から非ミラーサイクル動作への移行から生じ得るエンジン速度の増加を考慮するように更に構成され得る。例えば、EIVC動作から非EIVC動作への遷移は、吸気の体積の増加に起因して、エンジン速度の増加をもたらし得る。したがって、演算子226によって実行される評価は、エンジン速度がエンジンシステムの非ミラーサイクル動作を可能にする大きさであるかどうかの指示を提供する。
【0021】
演算子232は、演算子222、演算子224、及び演算子226から受信した入力に対して論理AND演算を実行し、論理AND演算の結果を演算子236及び論理NOT演算子265に提供する。したがって、演算子222、演算子224、及び演算子226の出力がすべて真であるとき、演算子232の出力も真であり、演算子222、演算子224、及び演算子226の出力のいずれかが偽であるとき、演算子232の出力も偽である。「真」としての論理状態又は値への本明細書における言及は、本開示の利益を有する当業者に想起されるであろう他の論理用語の中でも、肯定、有効、又はハイ論理状態又は値と同義であり、それらを含むことを理解されたい。同様に、本明細書における「偽」としての論理状態又は値への言及は、本開示の利益を有する当業者に想起される他の論理用語の中でも、負、無効、又は低論理状態又は値と同義であり、それらを含むことを理解されたい。
【0022】
AFR209及びAFR VVAオン閾値219は、演算子229への入力として提供され、演算子229は、AFR209がAFR VVAオン閾値219未満であるかどうかを評価し、この評価の結果を演算子234に提供する。AFR209は、酸素又はラムダセンサなどのセンサによって提供される、エンジンシステムによって燃焼される給気の空燃比を示す。AFR VVAオン閾値219は、それを超えるとエンジンシステムの非ミラーサイクル動作が許可されない、エンジンシステムによって燃焼される給気の空燃比に対する最大閾値又は限界を示す。AFR VVAオン閾値219は、所与のエンジン設計に対して、又は個々のエンジンに対して確立された排出制限に基づいて構成及び選択することができる。例えば、AFR VVAオン閾値219は、EIVCミラーサイクルなどのミラーサイクルで動作するエンジンのエンジン過渡状態中の煙又は微粒子排出に基づいて構成及び選択することができる。したがって、演算子229によって実行される評価は、エンジンシステムによって燃焼される給気の空燃比が、エンジンシステムの非ミラーサイクル動作が所望の排出性能を達成するために望まれるような大きさであるかどうかの指示を提供する。
【0023】
OFC限界218は、演算子234への入力として提供される。演算子234は、演算子229及びOFC限界218から受け取った入力に対して論理OR演算を実行し、この演算の結果を演算子236に提供する。OFC限界218は、エンジンシステムが酸素-燃料制御(Oxygen-Fuel Control、OFC)モードで動作していることの指示を提供する。OFCモードは、エンジンシステムによって燃焼される給気中の酸素対燃料の比が最小閾値又は限界を超えたという評価に基づいて決定される。エンジンによって燃焼される給気中の酸素対燃料の比は、EGR率、残留ガス、及び給気流の影響のために空燃比に関連するが、空燃比から変動し得る。OFC限界決定の1つの非限定的な例は、2003年1月21日に発行された米国特許第6,508,241号に見出され、その開示は、参照することによって組み込まれる。OFC限界218は、非ミラーサイクル動作への遷移が、EIVCミラーサイクル等のミラーサイクルで動作するエンジンのエンジン過渡中に生じ得る煙又は微粒子排出を軽減するために所望される、エンジン動作条件に対応し得る。したがって、OFC限界218は、エンジンシステムによって燃焼される給気の酸素-燃料比が、エンジンシステムの非ミラーサイクル動作が所望の排出性能を達成するために所望されるような大きさであるかどうかの指示を提供する。
【0024】
図2Bに示すように、VVAコマンド290は、VVAコマンドの論理反転をタイマ/カウンタ266への出力として提供する論理NOT演算子への入力として提供される。タイマ/カウンタ266は、タイマ、カウンタ、ユニバーサルタイマカウンタとして、又は当業者に想起されるような他の形態で構成及び提供され得る。タイマ/カウンタ266はまた、最小VVAオフ閾値262を入力として受信し、論理NOT演算子264から受信した値が真であった時間又はカウント数を最小VVAオフ閾値262と比較する。最小VVAオフ閾値262が満たされたか又は超えられたとき、タイマ/カウンタ266は最小VVAオフ時間270の値を真に設定し、それを入力として演算子236に提供する。最小VVAオフ時間270の真の値は、非ミラーサイクル動作を提供するためにVVAシステムの作動を可能にするのに必要な最小時間又はカウントの間、VVAがオフ又は停止されていたことを示し、偽の値はその逆を示す。
【0025】
演算子236は、演算子232、演算子234、及び最小VVAオフ時間270から受信する入力に対して論理AND演算を実行し、この演算の結果をラッチ280に提供し、これが次にVVAコマンド290の値を設定する。したがって、演算子232、演算子234、及び最小VVAオフ時間270から受け取った入力がすべて真である場合、VVAコマンド290の値は真に設定される。
【0026】
AFR209及びAFR VVAオフ閾値278は、演算子279への入力として提供され、演算子279は、AFR209がAFR VVAオフ閾値278よりも大きいか否かを評価し、この評価の結果を演算子論理OR演算子269に提供する。AFR209は、酸素又はラムダセンサなどのセンサによって提供される、エンジンシステムによって燃焼される給気の空燃比を示す。AFR VVAオフ閾値278は、それを超えるとエンジンシステムの非ミラーサイクル動作が許可されない、エンジンシステムによって燃焼される給気の空燃比に対する閾値又は限界を示す。AFR VVAオフ閾値278は、燃費を悪化させる過剰な給気流を回避し、信頼性を高めるためにVVAオン時間を低減又は制限するように構成及び選択することができる。したがって、演算子279によって実行される評価は、エンジンシステムによって燃焼される給気の空燃比が、エンジンシステムのミラーサイクル動作が所望の燃費を達成し、信頼性を高めるためにVVAオン時間を低減又は制限することが望まれるような大きさであるかどうかの指示を提供する。
【0027】
図2Bに示すように、VVAコマンド290は、タイマ/カウンタ267への入力として提供される。タイマ/カウンタ267は、タイマ、カウンタ、ユニバーサルタイマカウンタとして、又は当業者に想起されるような他の形態で構成及び提供され得る。タイマ/カウンタ267はまた、最大VVAオン閾値275を入力として受信し、VVAコマンド290から受信した入力の値が真であった時間又はカウント数を最大VVAオン閾値275と比較する。最大VVAオン閾値275が満たされたか又は超えられたとき、タイマ/カウンタ267は、最大VVAオン時間263の値を真に設定し、それを論理OR演算子269への入力として提供する。最大VVAオン時間263の真の値は、それを超えると非ミラーサイクル動作を提供するためのVVAシステムの作動が許容されない最大許容時間又はカウントの間、VVAがオン又は作動されていたことを示し、偽の値はその逆を示す。
【0028】
上述したように、論理NOT演算子265の出力、演算子229の出力、及び最大VVAオン時間263は、論理OR演算子269への入力として提供される。論理OR演算子269は、論理NOT演算子265、演算子229、及び最大VVAオン時間263から受信した入力に対して論理OR演算を実行し、この演算の結果をラッチ280に提供し、これが次にVVAコマンド290の値を設定する。したがって、論理NOT演算子265、演算子229、及び最大VVAオン時間263から受け取った入力のいずれかの値が真である場合、VVAコマンド290の値は偽に設定される。
【0029】
図3A及び図3Bを参照すると、ECS130又は別の電子制御システムにおいて実装され、それによって実行され得る例示的なPCPセンサ制御装置300(本明細書では制御装置300とも呼ばれる)が示されている。制御装置300は、例えば、PCPセンサ133単独で、又は他の電子制御システム構成要素と組み合わせて、全体的又は部分的に実装及び実行されてもよい。制御装置300は、ピークシリンダ圧力(PCP)の推定値を決定して提供するように構成され、この推定値は、次に、エンジンシステム100などのエンジンシステムのミラーサイクル動作及び非ミラーサイクル動作を選択可能に提供するために、VVAシステム146などのVVAシステムを制御する際に利用することができる。
【0030】
制御装置300は、式(1)による計算を実行するように構成され、動作可能である。
PCP=(K0+(K1×InO2)+(K2×AFR)+(K3×PRail)+(K4×SOI×PCharge)+(K5×AFR×Fuel)+(K6×TCharge)+(K7×PCharge)+(K8×PIF1)+(K9×PIT1)+(K10×PIF2)+(K11×PIT2)+(K12×MainSOI)+(K13×POF1)+(K14×POT1)+(K15×POF2)+(K16×POT2)+(K17×MainFuel)+(K18×PRail×PCharge)+(K19×AFR×PCharge)+(K20×PRail×MainFuel))^K21 式(1)において、K0からK21は、多重線形回帰モデル又は他のパラメータ係数決定技法などのマルチパラメータ係数技法を使用して経験値のデータセットから統計的に決定され得る係数である。式(1)の項は、図3A及び3Bの対応する入力パラメータを指定するために利用される参照番号とともに、以下の表1に更に説明される。
【0031】
【表1】
【0032】
図3A及び図3Bに示されるように、係数K0~K20及び上記の表1に記載された式(1)の項による値は、それぞれの乗算演算子351~375への入力パラメータとして提供され、乗算演算子351~375は、それらのそれぞれの入力を乗算し、得られた積を総和演算子380(乗算演算子351~370の場合)又は他の中間乗算演算子(乗算演算子371~375の場合)のいずれかに出力する。総和演算子380は、受け取った入力を加算し、得られた和を指数演算子385に出力する。係数K21は指数演算子385にも供給され、指数演算子385は、総和演算子380から受け取った和を係数K21によって定義される指数で累乗した指数関数としてピークシリンダ圧力値PCP204を計算して出力する。
【0033】
この詳細な説明によって例示されるように、本開示は、以下の例を含む複数の実施形態を企図し、含む。第1の例示的な実施形態は、1つ以上の吸気バルブ及び1つ以上の排気バルブを備えるバルブトレインを含むエンジンと、ミラーサイクル又は非ミラーサイクルのいずれかでエンジンを選択可能に動作させるために、バルブトレインの作動を変化させるように電子的に制御可能な可変バルブ作動(VVA)システムと、エンジン速度条件が満たされ、ピークシリンダ圧力(PCP)条件が満たされ、空燃比(AFR)条件及び酸素燃料制御(OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされ、VVAシステムの最小オフ時間条件が満たされた場合に、VVAシステムを制御してエンジンの動作をミラーサイクルから非ミラーサイクルに変更するように構成された電子制御システムと、を備える、システム。
【0034】
第2の例示的な実施形態は、第1の例示的な実施形態の特徴を含み、エンジン速度条件は、エンジン速度がエンジン速度閾値を超えない場合に満たされる。
【0035】
第3の例示的な実施形態は、第1の例示的な実施形態の特徴を含み、PCP条件は、エンジンの推定ピークシリンダ圧力がPCP閾値を超えない場合に満たされる。
【0036】
第4の例示的実施形態は、第1の例示的実施形態の特徴を含み、AFR条件のうちの1つは、エンジンの空燃比がAFR閾値を超えない場合に満たされ、OFC条件は、エンジンが酸素燃料制御モードで動作している場合に満たされる。
【0037】
第5の例示的な実施形態は、第1の例示的な実施形態の特徴を含み、VVAシステムの最小オフ時間条件は、VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オフ又は停止されている場合に満たされる。
【0038】
第6の例示的な実施形態は、第1の例示的な実施形態の特徴を含み、電子制御システムは、エンジン速度条件が満たされていない場合、PCP条件が満たされていない場合、AFR条件が満たされていない場合、及びVVAシステムの最大オンタイム条件が満たされている場合のいずれかの場合に、エンジンの動作を非ミラーサイクルからミラーサイクルに変更するようにVVAシステムを制御するように構成される。
【0039】
第7の例示的な実施形態は、第6の例示的な実施形態の特徴を含み、VVAシステムの最大オンタイム条件は、VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オン又は作動されている場合に満たされる。
【0040】
第8の例示的な実施形態は、第1の例示的実施形態の特徴を含み、PCP条件は、仮想センサによって提供されるピークシリンダ圧力値をPCP閾値と比較する。
【0041】
第9の例示的な実施形態は、第8の例示的な実施形態の特徴を含み、仮想センサは、酸素の吸気量、吸気空燃比、噴射器レール圧力、噴射タイミングの開始、吸気圧力、すべての噴射における燃料の総量、吸気温度、第1のパイロット噴射における燃料量、第1のパイロット噴射のタイミング、第2のパイロット噴射における燃料量、第2のパイロット噴射のタイミング、メイン噴射のタイミング、第1のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、及びメイン噴射イベントにおける燃料量のうちの1つ以上を含む入力パラメータの組み合わせに応答してピークシリンダ圧力値を決定するように構成される。
【0042】
第10の例示的な実施形態は、第9の例示的な実施形態の特徴を含み、仮想センサは、式PCP=(K0+(K1×InO2)+(K2×AFR)+(K3×PRail)+(K4×SOI×PCharge)+(K5×AFR×Fuel)+(K6×TCharge)+(K7×PCharge)+(K8×PIF1)+(K9×PIT1)+(K10×PIF2)+(K11×PIT2)+(K12×MainSOI)+(K13×POF1)+(K14×POT1)+(K15×POF2)+(K16×POT2)+(K17×MainFuel)+(K18×PRail×PCharge)+(K19×AFR×PCharge)+(K20×PRail×MainFuel))^K21に従ってピークシリンダ圧力値を決定するように構成され、ここで、K0、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8、K9、K10、K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17、K18、K19、K20、及びK21は、経験値のデータセットから統計的に決定される係数であり、PCPは、ピークシリンダ圧力であり、InO2は、吸気中の酸素量(O2)であり、AFRは、吸気空燃比であり、PRailは、噴射器レール圧力であり、SOIは、噴射タイミングの開始であり、PChargeは、吸気圧力であり、Fuelは、すべての噴射における燃料の総量であり、TChargeは、吸気温度であり、PIF1は、第1のパイロット噴射における燃料量であり、PIT1は、第1のパイロット噴射のタイミングであり、PIF2は、第2のパイロット噴射における燃料量であり、PIT2は、第2のパイロット噴射のタイミングであり、MainSOIは、メイン噴射のタイミングであり、POF1は、第1のポスト噴射における燃料量であり、POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、POF1は、第2のポスト噴射における燃料量であり、POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、MainFuelは、メイン噴射イベントにおける燃料量である。
【0043】
第11の例示的な実施形態は、1つ以上の吸気バルブ及び1つ以上の排気バルブを備えるバルブトレインと、ミラーサイクル又は非ミラーサイクルのいずれかでエンジンを選択可能に動作させるためにバルブトレインの動作を変化させるように電子的に制御可能な可変バルブ作動(VVA)システムと、VVAシステムを制御するように構成された電子制御システムとを含むエンジンシステムを動作させる方法であって、電子制御システムを使用して、エンジン速度条件が満たされているかどうか、ピークシリンダ圧力(PCP)条件が満たされているかどうか、空燃比(AFR)条件及び酸素燃料制御(OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされているかどうか、及びVVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされているかどうかを評価することと、評価することが、エンジン速度条件が満たされていること、ピークシリンダ圧力(PCP)条件が満たされていること、空燃比(AFR)条件及び酸素燃料制御(OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされていること、及びVVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされていることを示すことに応答して、エンジンの動作をミラーサイクルから非ミラーサイクルに変更するように電子制御システムを動作させることと、を含む方法である。
【0044】
第12の例示的な実施形態は、第11の例示的な実施形態の特徴を含み、評価することは、エンジン速度がエンジン速度閾値を超えない場合に、エンジン速度条件が満たされていることを示す。
【0045】
第13の例示的な実施形態は、第11の例示的な実施形態の特徴を含み、評価することは、エンジンの推定ピークシリンダ圧力がPCP閾値を超えない場合に、PCP条件が満たされていることを示す。
【0046】
第14の例示的な実施形態は、第11の例示的な実施形態の特徴を含み、評価することは、エンジンの空燃比がAFR閾値を超えない場合にAFR条件のうちの1つが満たされていることを示し、評価することは、エンジンが酸素燃料制御モードで動作している場合にOFC条件が満たされていることを示す。
【0047】
第15の例示的な実施形態は、第11の例示的な実施形態の特徴を含み、評価することは、VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オフ又は停止されている場合に、VVAシステムに関する最小オフ時間条件が満たされていることを示す。
【0048】
第16の例示的な実施形態は、第11の例示的な実施形態の特徴を含み、エンジン速度条件が満たされていないかどうか、PCP条件が満たされていないかどうか、AFR条件が満たされていないかどうか、及びVVAシステムに対する最大オンタイム条件が満たされているかどうかを追加的に評価することと、追加的に評価することが、エンジン速度条件が満たされていないこと、PCP条件が満たされていないこと、AFR条件が満たされていないこと、及びVVAシステムの最大オンタイム条件が満たされていることのうちのいずれかを示すことに応答して、エンジンの動作を非ミラーサイクルからミラーサイクルに変更するように電子制御システムを追加的に動作させることと、を含む。
【0049】
第17の例示的な実施形態は、第16の例示的な実施形態の特徴を含み、追加的に評価することは、VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オン又は作動されている場合に、VVAシステムの最大オンタイム条件が満たされていることを示す。
【0050】
第18の例示的な実施形態は、第11の例示的な実施形態の特徴を含み、仮想センサによって提供されるピークシリンダ圧力値をPCP閾値と比較することによって、PCP条件を判定することを含む。
【0051】
第19の例示的な実施形態は、第18の例示的な実施形態の特徴を含み、酸素の吸気量、吸気空燃比、噴射器レール圧力、噴射タイミングの開始、吸気圧力、すべての噴射における燃料の総量、吸気温度、第1のパイロット噴射における燃料量、第1のパイロット噴射のタイミング、第2のパイロット噴射における燃料量、第2のパイロット噴射のタイミング、メイン噴射のタイミング、第1のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、及びメイン噴射イベントにおける燃料量のうちの1つ以上を含む入力パラメータの組み合わせに応答して、ピークシリンダ圧力値を決定するように仮想センサを動作させることを含む。
【0052】
第20の例示的な実施形態は、第19の例示的な実施形態の特徴を含み、式PCP=(K0+(K1×InO2)+(K2×AFR)+(K3×PRail)+(K4×SOI×PCharge)+(K5×AFR×Fuel)+(K6×TCharge)+(K7×PCharge)+(K8×PIF1)+(K9×PIT1)+(K10×PIF2)+(K11×PIT2)+(K12×MainSOI)+(K13×POF1)+(K14×POT1)+(K15×POF2)+(K16×POT2)+(K17×MainFuel)+(K18×PRail×PCharge)+(K19×AFR×PCharge)+(K20×PRail×MainFuel))^K21に従ってピークシリンダ圧力値を決定するように仮想センサを動作させることを含み、ここで、K0、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8、K9、K10、K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17、K18、K19、K20、及びK21は、経験値のデータセットから統計的に決定される係数であり、PCPは、ピークシリンダ圧力であり、InO2は、吸気中の酸素量(O2)であり、AFRは、吸気空燃比であり、PRailは、噴射器レール圧力であり、SOIは、噴射タイミングの開始であり、PChargeは、吸気圧力であり、Fuelは、すべての噴射における燃料の総量であり、TChargeは、吸気温度であり、PIF1は、第1のパイロット噴射における燃料量であり、PIT1は、第1のパイロット噴射のタイミングであり、PIF2は、第2のパイロット噴射における燃料量であり、PIT2は、第2のパイロット噴射のタイミングであり、MainSOIは、メイン噴射のタイミングであり、POF1は、第1のポスト噴射における燃料量であり、POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、POF1は、第2のポスト噴射における燃料量であり、POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、MainFuelは、メイン噴射イベントにおける燃料量である。
【0053】
第21の例示的な実施形態は、1つ以上の吸気バルブ及び1つ以上の排気バルブを備えるバルブトレインと、ミラーサイクル又は非ミラーサイクルのいずれかでエンジンを選択可能に動作させるためにバルブトレインの動作を変化させるように電子的に制御可能な可変バルブ作動(VVA)システムと、VVAシステムを制御するように構成された電子制御システムとを含むエンジンシステムを動作させるための装置であって、当該装置は、電子制御システムによって実行可能な命令を記憶するように構成された非一時的メモリ媒体であって、命令は、電子制御システムを使用して、エンジン速度条件が満たされているかどうか、ピークシリンダ圧力(PCP)条件が満たされているかどうか、空燃比(AFR)条件及び酸素燃料制御(OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされているかどうか、及びVVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされているかどうかを評価する動作と、評価することが、エンジン速度条件が満たされていること、ピークシリンダ圧力(PCP)条件が満たされていること、空燃比(AFR)条件及び酸素燃料制御(OFC)条件のうちの少なくとも1つが満たされていること、及びVVAシステムについての最小オフ時間条件が満たされていることを示すことに応答して、エンジンの動作をミラーサイクルから非ミラーサイクルに変更するように電子制御システムを動作させる動作と、を実行するように実行可能である、非一時的メモリ媒体を備える、装置である。
【0054】
第22の例示的実施形態は、第21の例示的実施形態の特徴を含み、評価する動作は、エンジン速度がエンジン速度閾値を超えない場合に、エンジン速度条件が満たされていることを示す。
【0055】
第23の例示的な実施形態は、第21の例示的な実施形態の特徴を含み、評価する動作は、エンジンの推定ピークシリンダ圧力がPCP閾値を超えない場合に、PCP条件が満たされていることを示す。
【0056】
第24の例示的な実施形態は、第21の例示的な実施形態の特徴を含み、評価する動作は、エンジンの空燃比がAFR閾値を超えない場合にAFR条件のうちの1つが満たされていることを示し、評価することは、エンジンが酸素燃料制御モードで動作している場合にOFC条件が満たされていることを示す。
【0057】
第25の例示的な実施形態は、第21の例示的な実施形態の特徴を含み、評価する動作は、VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オフ又は停止されている場合に、VVAシステムの最小オフ時間条件が満たされていることを示す。
【0058】
第26の例示的な実施形態は、第21の例示的な実施形態の特徴を含み、命令は、電子制御システムによって実行可能であり、エンジン速度条件が満たされないかどうか、PCP条件が満たされないかどうか、AFR条件が満たされないかどうか、及びVVAシステムに対する最大オンタイム条件が満たされるかどうかを追加的に評価する動作と、追加的に評価する動作が、エンジン速度条件が満たされていないこと、PCP条件が満たされていないこと、AFR条件が満たされていないこと、及びVVAシステムの最大オンタイム条件が満たされていることのうちのいずれかを示すことに応答して、エンジンの動作を非ミラーサイクルからミラーサイクルに変更するように電子制御システムを追加的に動作させる動作と、を実行するように実行可能である。
【0059】
第27の例示的な実施形態は、第26の例示的な実施形態の特徴を含み、追加的に評価する動作は、VVAシステムが少なくとも所定の時間の間オン又は作動されている場合に、VVAシステムの最大オンタイム条件が満たされていることを示す。
【0060】
第28の例示的な実施形態は、第21の例示的な実施形態の特徴を含み、命令は、仮想センサによって提供されるピークシリンダ圧力値をPCP閾値と比較することによってPCP条件を判定する動作を実行するように電子制御システムによって実行可能である。
【0061】
第29の例示的な実施形態は、第28の例示的な実施形態の特徴を含み、命令は、酸素の吸気量、吸気空燃比、噴射器レール圧力、噴射タイミングの開始、吸気圧力、すべての噴射における燃料の総量、吸気温度、第1のパイロット噴射における燃料量、第1のパイロット噴射のタイミング、第2のパイロット噴射における燃料量、第2のパイロット噴射のタイミング、メイン噴射のタイミング、第1のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、第2のポスト噴射における燃料量、第1のポスト噴射のタイミング、及びメイン噴射イベントにおける燃料量のうちの1つ以上を含む入力パラメータの組み合わせに応答して、ピークシリンダ圧力値を決定するように仮想センサを動作させる動作を実行するように電子制御システムによって実行可能である。
【0062】
第30の例示的実施形態は、第29の例示的実施形態の特徴を含み、命令は、仮想センサを動作させてピークシリンダ圧力値を式PCP=(K0+(K1×InO2)+(K2×AFR)+(K3×PRail)+(K4×SOI×PCharge)+(K5×AFR×Fuel)+(K6×TCharge)+(K7×PCharge)+(K8×PIF1)+(K9×PIT1)+(K10×PIF2)+(K11×PIT2)+(K12×MainSOI)+(K13×POF1)+(K14×POT1)+(K15×POF2)+(K16×POT2)+(K17×MainFuel)+(K18×PRail×PCharge)+(K19×AFR×PCharge)+(K20×PRail×MainFuel))^K21に従って決定する動作を実行するように電子制御システムによって実行可能であり、ここで、K0、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8、K9、K10、K11、K12、K13、K14、K15、K16、K17、K18、K19、K20、及びK21は、経験値のデータセットから統計的に求められる係数であり、PCPは、ピークシリンダ圧力であり、InO2は、吸気中の酸素量(O2)であり、AFRは、吸気空燃比であり、PRailは、噴射器レール圧力であり、SOIは、噴射タイミングの開始であり、PChargeは、吸気圧力であり、Fuelは、すべての噴射における燃料の総量であり、TChargeは、吸気温度であり、PIF1は、第1のパイロット噴射における燃料量であり、PIT1は、第1のパイロット噴射のタイミングであり、PIF2は、第2のパイロット噴射における燃料量であり、PIT2は、第2のパイロット噴射のタイミングであり、MainSOIは、メイン噴射のタイミングであり、POF1は、第1のポスト噴射における燃料量であり、POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、POF1は、第2のポスト噴射における燃料量であり、POT1は、第1のポスト噴射のタイミングであり、MainFuelは、メイン噴射イベントにおける燃料量である。
【0063】
本開示の例示的な実施形態を図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明してきたが、これらは例示的なものであって限定的なものではないとみなされるべきであり、特定の例示的な実施形態のみを図示及び説明してきたこと、並びに特許請求される発明の趣旨の範囲内に入るすべての変更及び修正が保護されることが望まれることが理解される。上記の説明で使用された好ましい、好ましくは、好ましい、又はより好ましいなどの語の使用は、そのように記載された特徴がより望ましい場合があることを示すが、しかしながら、それは必要ではない場合があり、それを欠く実施形態は、本発明の範囲内として企図されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。特許請求の範囲を読む際に、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つの(at least one)」、又は「少なくとも1つの部分(at least one portion)」などの語が使用される場合、特許請求の範囲において特に反対の記載がない限り、特許請求の範囲を1つの項目のみに限定する意図はないことが意図される。「少なくとも一部」/又は「一部分」という言葉が使用される場合、その項目は、特に反対の記載がない限り、その項目の一部分及び/又は全体を含むことができる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】