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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】クリッパ
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A01K13/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509423
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 US2022040200
(87)【国際公開番号】W WO2023022938
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/233,687
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521419031
【氏名又は名称】セーフティポーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SAFETYPAWZ LLC
【住所又は居所原語表記】10367 Gershwin Court, Oakton, VA 22124, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】サントス ブルース
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ マルカントニオ ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘデン ジャクソン ヘンリー
(57)【要約】
ネイルクリッピング、例えば、動物用ネイルクリッピングのためのデバイス、システム、及び方法は、ユーザの手で把持するための本体を含むネイルクリッパを含む。本体は、クリッピングのために対象のネイルを受け入れるためのクリップスペースを画定することができる。クリッパは、クリップスペースから引き込まれる引き込み位置と、クリッピングのためクリップスペース内に延ばされるクリップ位置との間で移動するように本体に結合された少なくとも1つのブレードを含むことができる。
【選択図】図1図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネイルクリッパであって、
ユーザの手で把持するための本体であって、クリッピングのために対象のネイルを受け入れるためのクリップスペースを画定する、前記本体と、
前記クリップスペースから引き込まれる引き込み位置と、クリッピングのため前記クリップスペース内に延ばされるクリップ位置との間で移動するように前記本体に結合された少なくとも1つのブレードを備えるクリッピングシステムと
を備え、
前記クリッピングブレードは、引き込み位置と、前記クリッピングスペース内に位置付けられた対象のネイルをクリッピングするために延ばされるクリップ位置との間で移動するように前記本体に結合されており、前記クリッパは、前記クリッピングスペース内に存在する前記対象のクイックを検出して、不注意により、前記対象のクイックに損傷を与えるリスクを低減させ得る、
前記ネイルクリッパ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのブレードが、V字形構成を有するクリップエッジを含む、請求項1に記載のネイルクリッパ。
【請求項3】
前記クリップエッジは、前記少なくとも1つのブレードの面取り部分によって画定される、請求項2に記載のネイルクリッパ。
【請求項4】
前記クリップエッジは、少なくとも2つの対向する部分を含み、前記少なくとも2つの部分のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのブレードの前記面取り部分から形成される、請求項3に記載のネイルクリッパ。
【請求項5】
前記ネイルクリッパが、前記本体の剛性部分を形成する基部を含む中央部を含み、前記中央部がインジケータを含む、請求項1に記載のネイルクリッパ。
【請求項6】
前記インジケータは、前記基部の外側に固定されたLEDライトを含み、前記インジケータは、クリッピング動作が利用可能であるときに、前記ユーザに伝達することができる、請求項5に記載のネイルクリッパ。
【請求項7】
前記ネイルクリッパが、クリッピングのためのユーザ起動用の起動ボタンを含む、請求項1に記載のネイルクリッパ。
【請求項8】
前記クリッピングブレードが前記引き込み位置にある状態が、前記ブレードのデフォルト位置である、請求項1に記載のネイルクリッパ。
【請求項9】
前記ネイルクリッパが、前記クリップスペース内の前記ネイルシェル以外の物質の存在を検出するためのセンサを含むセンサシステムを含む、請求項1に記載のネイルクリッパ。
【請求項10】
前記物質が非ケラチン物質である、請求項9に記載のネイルクリッパ。
【請求項11】
前記センサは、磁界を生成し、前記磁界の変化を検出するように構成されたフィールドセンサである、請求項9に記載のネイルクリッパ。
【請求項12】
前記磁界内への物質の導入が、前記センサによって検出され得る前記磁界への擾乱を引き起こす、請求項11に記載のネイルクリッパ。
【請求項13】
前記対象の検出が、音、電気、及び/または磁気センサによって前記ユーザに警告する、請求項9に記載のネイルクリッパ。
【請求項14】
前記センサは、前記クリップスペース内の物質の密度及び/または厚さを検出することができ、前記クリップスペース内の前記対象のネイルシェルの検出のみが、クリッピングを実行させる、請求項9に記載のネイルクリッパ。
【請求項15】
前記クリップスペース内の前記対象のクイックの前記検出が、前記対象のクイックが前記クリップスペース内にある間のクリッピングの不作動をもたらし、前記検出が、前記ネイルシェルに対して前記クイックの密度及び/または厚さを測定する前記センサによって行われる、請求項9に記載のネイルクリッパ。
【請求項16】
前記ネイルクリッパは、前記対象のクイックが前記クリップスペース内にあるかどうかを判定して、前記対象のクイックを傷つける可能性がある、意図しないクリッピングを回避することができる、請求項1に記載のネイルクリッパ。
【請求項17】
前記クリップスペース内の対象のクイックの前記検出は、前記ユーザに前記クイックの存在を警告するインジケータライトを生じさせる、請求項16に記載のネイルクリッパ。
【請求項18】
前記インジケータが、前記クリップスペース内の前記クイックの存在を示すために、照明するように構成されたLEDライトを備える、請求項17に記載のネイルクリッパ。
【請求項19】
クリッピングが許可されたとき、前記ユーザは、前記起動ボタンを作動させて、前記クリップスペース内でクリッピングするように前記ブレードを動作させ得る、請求項9に記載のネイルクリッパ。
【請求項20】
前記ネイルクリッパは、前記ネイルクリッパの動作を管理することができる制御システムを含み、前記制御システムは、メモリに記憶された命令を実行するためのプロセッサと、前記プロセッサによる指示に従って信号を通信するための通信回路とを含み、起動ボタン及びインジケータ、ロックは、それぞれが前記制御システムの一部として形成される、請求項9に記載のネイルクリッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月16日に出願された米国仮特許出願第63/233,687号の利益及びそれに対する優先権を主張するものであり、この米国仮特許出願を参照により全体として本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、クリッピングのためのデバイス、システム、及び方法に関する。より詳細には、本開示は、ネイルクリッピングのためのデバイス、システム、及び方法に関する。
【0003】
グルーミング、例えば、動物のグルーミングは、対象(subjects)の気性にかかわらず、困難なものであり得る。しかしながら、多くの対象は、グルーミング活動中にストレス及び/または不安を感じることがある。対象におけるストレス及び/または不安は、対象の興奮及び/または活発さを増加させ得る。さらに、過度のストレスが無くても、対象はグルーミング中に活動的になることがある。グルーミング活動は、グルーマにとって厄介な及び/または肉体的に過酷な要求となり得る。
【0004】
対象及び/またはグルーマの課題を減らすことは、グルーミングのプロセス及び/または結果を向上させる可能性がある。ネイルクリッピングは、敏感な対象に対しては、特に困難であり得る。ネイルクリッピングには、鋭利器具が必要とされ、繊細な操作が求められ得る。対象の気性とあわせて、対象のネイルを丁寧にクリッピングすることが困難となり得る。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、添付の特許請求の範囲に記載の特徴のうちの1つ以上、及び/または単独で、または任意の組み合わせで、特許可能な主題を含み得る以下の特徴を開示する。
【0006】
本開示の一態様によれば、クリッパは、ユーザの手によって把持するための本体であって、クリッピングのために対象のネイルを受け入れるためのクリップスペースを画定する、本体と、クリップスペースから引き込まれる引き込み位置と、クリッピングのためクリップスペース内に延ばされるクリップ位置との間で移動するように本体に結合された少なくとも1つのブレードを備えるクリッピングシステムとを含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのブレードは、V字形構成を有するクリップエッジを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、クリップエッジは、少なくとも1つのブレードの面取り部分によって画定され得る。いくつかの実施形態では、クリップエッジは、少なくとも2つの対向する部分を含み得る。少なくとも2つの部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのブレードの面取り部分から形成され得る。
【0008】
本開示の別の態様によれば、ネイルクリッパは、ユーザの手によって把持するための本体であって、クリッピングのために対象のネイルを受け入れるためのクリップスペースを画定する、本体と、クリップスペースから引き込まれる引き込み位置と、クリッピングのためクリップスペース内に延ばされるクリップ位置との間で移動するように本体に結合された少なくとも1つのブレードとを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、ネイルクリッパは、クリッピング制御システムをさらに含み得る。クリッピング制御システムは、クリップスペース内の対象のネイルの非シェル物質を検出するためのセンサシステムを含むことができる。クリッピング制御システムは、クリップスペース内の非シェル物質の検出に応答して、引き込み位置とクリップ位置との間の少なくとも1つのブレードの移動を阻止するように構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、クリップスペース内に物質が無いことの検出に応答して、引き込み位置とクリップ位置との間の少なくとも1つのブレードの移動を阻止するように構成され得る。クリッピング制御システムは、クリップスペース内のシェル物質のみの検出に応答して、少なくとも1つのブレードが引き込み位置とクリップ位置との間を移動できるように構成することができる。少なくとも1つのブレードが引き込み位置とクリップ位置との間で動くことを可能にする構成は、少なくとも1つのブレードを引き込み位置から移動させるためのアクチュエータの動作を可能にすることを含み得る。アクチュエータの動作を可能にすることは、起動ボタンのユーザ起動に応答して、少なくとも1つのブレードを駆動して引き込み位置から移動させるためのアクチュエータの起動をもたらす起動ボタンを可能にすることを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、クリップスペース内の非シェル物質を検出するための構成は、クリップスペース内の所定の閾値特性の観察を含み得る。所定の閾値特性は、モル減衰係数εを含む。いくつかの実施形態では、非シェル物質を検出するための構成は、約0.7M-lcm-1より大きいモル減衰係数εの観察を含み得る。クリップスペース内の物質を検出しない構成は、クリップスペース内の物質を検出しない所定の閾値特性の観察を含み得る。物質を検出しない所定の閾値特性は、モル減衰係数εを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、シェル物質を検出しない構成は、約0.1M-1cm-1より小さいモル減衰係数εの観察を含み得る。クリップスペース内のシェル物質のみを検出する構成は、クリップスペース内のシェル物質のみのための所定の閾値特性の観察を含み得る。シェル物質のみを検出する所定の閾値特性は、モル減衰係数εを含み得る。シェル物質のみを検出するための構成は、約0.1M-1cm-1~約0.7M-lcm-1の範囲内にあるモル減衰係数εの観察を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、クリップスペース内で、非シェル物質、物質無し、及びシェル物質のみのうちの少なくとも1つを検出するための構成は、クリップスペースを通って伝搬される赤外光の感知を含み得る。クリップスペース内で、非シェル物質、物質無し、及びシェル物質のみのうちの少なくとも1つを検出するための構成は、約880~約940nmの範囲内でクリップスペースを通って伝搬される赤外光の感知を含み得る。所定の閾値は、電圧出力に応じて検出されてもよい。電圧出力は、クリップスペースを通って伝搬される赤外光に基づいて、クリッピング制御システムの1つ以上のフォトダイオードによって生成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、クリップスペース内の、生細胞、血液、及び神経のうちの少なくとも1つの検出に応答して、引き込み位置とクリップ位置との間の少なくとも1つのブレードの移動を阻止するように構成され得る。クリッピング制御システムは、クリップスペース内に物体が無いことの検出に応答して、引き込み位置とクリップ位置との間の少なくとも1つのブレードの移動を阻止するように構成され得る。クリッピング制御システムは、クリップスペース内のシェル物質のみの存在を検出するように構成することができる。シェル物質のみの検出に応答して、クリッピング制御システムは、クリッピングが許容できることを伝達するためにクリッピングインジケータを作動させるように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、クリッピングインジケータは、照明が、クリッピングが許容可能であることを伝達するための光インジケータを含み得る。クリッピングが許容可能であることを伝達するための照明は、クリッピングを促すために光インジケータの色を変更することを含み得る。クリッピングが許容可能であることを伝達するための照明は、クリッピングが許容可能であることを伝達するために、クリップスペース内のシェル物質にターゲットラインを投影することを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、ターゲットラインは、クリップ位置において少なくとも1つのブレードによってクリッピングするためのターゲット経路に沿って、クリップスペース内のシェル物質に投影されてもよい。クリッピング制御システムは、ターゲットラインを投影するための少なくとも1つの光を含む。ターゲットラインを投影することは、1つ以上の発光ダイオードなどの光源として光を照明することを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、少なくとも1つのブレードを対象のネイルに対して安定化させるための安定化システムを含み得る。安定化システムは、少なくとも1つのブレードに結合され、対象のネイルを緩やかにスクイーズして対象のネイルに対して少なくとも1つのブレードを安定化させるように構成されたアクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、少なくとも1つのブレードを引き込み位置とクリップ位置との間で移動させるように作動するように構成され得る。クリッピング制御システムは、アクチュエータを動作させて、引き込み位置とクリップ位置との中間のスクイーズ位置への移動によって、対象のネイルを緩やかにスクイーズするようにブレードを配置するように構成されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、所定の閾値イベントが達成されるまで、アクチュエータを動作させて引き込み位置とクリップ位置との間を緩やかに移動させることによって、少なくとも1つのブレードを決定し、スクイーズ位置へ移動させるように構成されてもよい。所定の閾値イベントは、対象のネイルが少なくとも1つのブレードによって緩やかにスクイーズされていることをインジケートする所定の閾値の少なくとも1つのブレードに対するバックフォースを含み得る。いくつかの実施形態では、バックフォースは、センサによって、及び/またはアクチュエータの動作条件(例えば、電力、電流、電圧)によって、測定することができる。アクチュエータは、スクイーズのための作動ボタンの最初の作動に応答して、少なくとも1つのブレードをスクイーズ位置に配置するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのブレードがスクイーズ位置にある間に、クリッピング制御システムは、クリッピングのための作動ボタンの作動に応答して、アクチュエータを動作させてブレードをクリップ位置に移動させるように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、クリップスペース内の非シェル物質の検出に応答して、少なくとも1つのブレードが引き込み位置とクリップ位置との間で移動するのを阻止するクリッピング制御システムの構成は、クリップスペース内の非シェル物質の検出に応答して、少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱して移動するのを阻止する構成を含むことができる。クリップスペース内に物質が無いことの検出に応答して、少なくとも1つのブレードが引き込み位置とクリップ位置との間で移動するのを阻止するクリッピング制御システムの構成は、クリップスペース内に物質が無いことの検出に応答して、少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱して移動するのを阻止する構成を含むことができる。少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する動きを阻止する構成は、少なくとも1つのブレードを動かすためのアクチュエータへの電力を遮断することを含み得る。少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する動きを阻止する構成は、少なくとも1つのブレードを動かすアクチュエータを起動させるための起動ボタンの通信を遮断することを含み得る。少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する動きを阻止する構成は、少なくとも1つのブレードを動かすためのアクチュエータの動作の否定及び/または肯定を通信することを含み得る。少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する動きを阻止する構成は、動きを防止するために、少なくとも1つのブレードとロック部材との係合を含み得る。
【0020】
本開示の別の態様によれば、ネイルクリッパは、ユーザの手によって把持するための本体であって、本体が、クリッピングのために対象のネイルを受け入れるためのクリップスペースを画定する、本体と、クリップスペースから引き込まれる引き込み位置と、クリッピングのためクリップスペース内に延ばされるクリップ位置との間で移動するように本体に結合された少なくとも1つのブレードと、クリップスペース内の対象のネイルの非シェル物質を検出するためのセンサシステムを含むクリッピング制御システムと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、少なくとも1つのブレードを引き込み位置とクリップ位置との間で作動させるための起動ボタンを含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、クリップスペース内の非シェル物質の検出に応答して、引き込み位置とクリップ位置との間の少なくとも1つのブレードの移動を阻止するように構成され得る。少なくとも1つのブレードの移動を阻止する構成は、作動ボタンを無効にする構成を含み得る。ネイルクリッパは、少なくとも1つのブレードと係合して、少なくとも1つのブレードを引き込み位置とクリップ位置との間で駆動するアクチュエータをさらに含むことができる。アクチュエータは、電力アクチュエータであり得る。電力アクチュエータは、電力を使用して少なくとも1つのブレードを駆動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは線形アクチュエータである。
【0022】
いくつかの実施形態では、ユーザによる起動ボタンの起動に応答して、クリッピング制御システムは、アクチュエータを制御して、少なくとも1つのブレードを引き込み位置とクリップ位置との間で移動させるために駆動するように構成され得る。クリッピング制御システムは、クリップスペース内の非シェル物質の検出に応答して、少なくとも1つのブレードの引き込み位置から脱する移動を阻止するように構成され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、クリップスペース内の非シェル物質の検出に応答して、クリッピング制御システムは、ユーザによる起動ボタンの起動の下でさえも、少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する移動を阻止するように構成され得る。少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する動きを阻止する構成は、アクチュエータへの電力を遮断することを含み得る。少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する移動を阻止する構成は、起動ボタンを無効にすること、及びロックをロック位置に配置して、少なくとも1つのブレードが引き込み位置から脱する移動を阻止することのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、クリップスペース内に非シェル物質が無いという検出に応答して、少なくとも1つのブレードを駆動して引き込み位置から脱する移動のためのアクチュエータの動作を可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムは、インジケータを含み得る。制御システムは、クリップスペース内に非シェル物質が存在しないことをユーザに警告するためにインジケータを動作させるように構成され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、クリッピング制御システムはインジケータを含むことができ、制御システムは、クリップスペース内の対象のネイルの非シェル物質のセンサシステムによる検出に応答して、非シェル物質がクリップスペース内にあることをユーザに警告するためにインジケータを動作させるように構成することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ネイルクリッパは、クリップスペースに配置されたガイドをさらに含むことができる。ガイドは、クリップスペース内に配置するために対象のネイルとの弾性接触を提供する弾性材料で形成されてもよい。ガイドは、クリップスペースに対応する挿入スペースを画定し、挿入スペースを通してクリップスペースへの対象のネイルの挿入を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、ガイドは、その中に挿入スペースを画定する環状部材として形成され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、本体は、クリップスペースの少なくとも一部分を画定するフレームを含み得る。フレームは、対象のネイルを少なくとも1つのブレードによるクリッピングのための位置に維持するための剛性部材として形成され得る。フレームは、少なくとも1つのブレードに隣接して配置され得る。フレームは、クリップスペースの少なくとも1つの部分を画定する環状部材を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのブレードは、引き込み位置とクリップ位置との間の移動の下で、環状部材と共にクリップスペースに沿ってせん断を行うように配置され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、センサは、少なくとも1つのブレードの反対側のフレームの側に配置され得る。センサは、対象のネイルがクリップスペースに挿入されるフレームの側に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、センサは、少なくとも1つのブレードと同じフレームの側に配置され得る。センサは、対象のネイルがクリップスペースに挿入される側から離れたフレームの側に配置されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのブレードは、クリップ面を画定するブレード先端を含み得る。クリップ面は、ベベルを含むことができる。クリップ面は、湾曲で画定され得る。クリップ面は、凹状に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、クリップ面は、凸状に形成され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、本体は、ユーザの手で把持するためのハンドルを画定するように細長くてよい。クリップスペースは、本体の一端のハンドルからの本体の延長部によって画定され得る。いくつかの実施形態では、起動ボタンは、クリップスペースへの対象のネイルの挿入方向と平行に配向された本体の側面で本体と結合されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、センサは、フィールドを生成するように構成され得る。センサは、フィールドの閾値擾乱を感知して、クリップスペース内の非シェル物質の存在を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサは、対象のネイルの血球の密度及び/または幅を検出するように構成され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、対象のネイルの非シェル物質は、対象のクイックを含むように規定されてもよい。いくつかの実施形態では、ネイルクリッパは、動物用ネイルクリッパであってもよい。ネイルクリッパは、ペット用ネイルクリッパであってもよい。
【0033】
上記に記載された特徴及び特許請求の範囲に記載された特徴を含む、単独でまたは他の任意の特徴(複数可)と組み合わせた追加の特徴は、特許可能な主題を含み得、現在認識されている本発明を実施する最良の形態を例示する例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮すると、当業者には明らかになるであろう。
【0034】
詳細な説明では、特に、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】クリッパが、ユーザの手で把持するための本体を含み、本体が対象のネイルを受け入れるためのクリップスペースを画定することを示すネイルクリッパの斜視図である。
図2図1のネイルクリッパの一部の分解斜視図である。
図3】クリッピングブレードが引き込み位置に配置されていることを示す、図1及び図2のネイルクリッパの平面図である。
図4】クリッピングブレードがクリッピング位置に配置されていることを示す、図1図3のネイルクリッパの平面図である。
図5】クリッピングブレードが引き込み位置に配置されていることを示す、図1図4のネイルクリッパの底面図である。
図6】クリッピングブレードがクリッピング位置に配置されていることを示す、図1図5のネイルクリッパの底面図である。
図7図1図5のネイルクリッパのクリッピングブレードの斜視図である。
図8図1図6のネイルクリッパのクリッピングブレードの平面図である。
図9図1図7のネイルクリッパの左側立面図である。
図10図1図7及び図9のネイルクリッパの右側立面図である。
図11図1図7図9、及び図10のネイルクリッパの制御システムの概略図である。
図12】クリッピングブレードが引き込み位置にあることを示すとともに、アクチュエータが作動のためにクリッピングブレードと結合されていることを示す、図1図6のネイルクリッパのクリッピングブレード及びフレームの別の実施形態の斜視図である。
図13】アクチュエータがクリッピングブレードをクリッピング位置に移動させたことを示す、図12のネイルクリッパのクリッピングブレード及びフレームの斜視図である。
図14図12及び図13のクリッピングブレード及びフレームの分解斜視図である。
図15図12図14のフレームの背面斜視図である。
図16図1図12のネイルクリッパのガイドの別の実施形態の正面斜視図である。
図17図16のガイドの背面斜視図である。
図18】平行四辺形の刃先を画定するクリッピングブレードシステムを含む、図1図6のネイルクリッパの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の原理の理解を促進する目的で、次に、図面に示されるいくつかの例示的な実施形態を参照することになり、それらを具体的な言葉を用いて説明するようにする。
【0037】
ネイルクリッピングは、グルーミングの特に困難な部分であり得る。例えば、犬のネイルクリッピングなどの、動物のネイルクリッピングでは、本対象のネイルは、比較的鋭利な器具が細かな調整で適用されている間に、一定に保たれることが必要とされ得る。少なくとも、対象の付属肢(手、足、ポー)は、クリッピング中の望ましくない動きから部分的に抑制(拘束)されなければならない。多くの対象は、そのような拘束下でストレス及び/または不安を感じる可能性があり、このことは神経過敏及び/または興奮を引き起こし、より困難となる可能性がある。さらに、大きな及び/または力強い対象は、過度のストレスを伴わなくても、そのような細かな作業を安全に管理するには、非常に困難な場合がある。
【0038】
加えて、ネイルを切り取る際には特別な注意を払わなければならない。イヌ(及びヒトさえも)を含む多くの対象は、「クイック(quick)」として一般に知られている爪下皮を含むネイルを有する。クイックは、一般に、より硬いネイルプレートまたは(例えば、ケラチンから構成される外皮下の)シェル物質の下の軟組織の一部であり、ネイルの血管化コアを含むことができる。ヒトのクイックは、ネイルプレートまたはネイルシェルの下にあるが、イヌなどの動物では、クイックは、ネイルシェルまたはネイルプレート(の中)に含まれ得る。
【0039】
ネイルシェル(例えば、ケラチン)自体を安全にトリミングすることはできるが、クイック自体をトリミングしないように、またはネイルシェルをクイックとすれすれにまでトリミング(これは損傷及び/または出血を引き起こし得る)しないように、注意すべきである。したがって、トリミングの前に適切な医師に助言を求めることは重要である。それでもなお、対象のネイルの適切なトリミングは、それ自体で困難であり、さらに、上述したような課題に直面し得ることが理解され得る。グルーマは、適切な位置でネイルシェルを細かくトリミングしながら、対象の付属肢を強制的に所定の位置に維持することが要求され得る。この拘束を維持するための強度と、適切なトリミングのための繊細な作業の強度とのコントラストは、極めて困難であり得る。加えて、一部の対象(例えば、乳児、ネイルクリッピングに敏感な病気を有する患者の対象)は、不適切なクリッピング、例えば、クイックの不注意なクリッピングに特に敏感であり得る。したがって、適切なネイルクリッピングは困難であり得る。
【0040】
図1を参照すると、ネイルトリミングシステムが、例示的に、ネイルクリッパ12として具現化される。ネイルクリッパ12は、ユーザの手で把持するように形成された本体14を含む。本体14は、ハンドル16と、本体14の一端でハンドル16から突出するヘッド18とを含む。ハンドル16は、例示的に、ユーザの手が快適に把持するための本体14の細長い部分として形成される。ヘッド18は、クリッピングのために対象のネイルの挿入を受け入れるためのクリップスペース22を画定する。
【0041】
クリップスペース22は、対象のネイルを受け入れるための本体14によって画定される領域として形成される。図1に示す例示的な実施形態では、クリップスペース22は、本体14のヘッド18の環状内部によって画定される。クリップスペース22は、本体14によって完全に取り囲まれるが、いくつかの実施形態では、部分的にのみ取り囲まれてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、本体14は、それに隣接してクリップスペース22を画定して、そのクリップスペース22内でのクリッピングをサポートするために、クリッピングブレードまたは関連構成要素の本体14からの延長部を有してもよい。
【0042】
クリッピングスペース22内には、クリッピング動作を行うためのクリッピングブレード24が配置されている。本明細書でさらに詳細に説明するように、クリッピングブレード24は、図1に示す引き込み位置と、クリッピングスペース22内に位置付けられた対象のネイルをクリッピングするために延ばされるクリップ位置との間で動くように本体14に結合される。ネイルクリッパ12は、本明細書でさらに詳細に論じられるように、クリッピングスペース22内に存在する対象のクイックを検出して、対象のクイックに不注意から損傷を与えるリスクを低減し得る。
【0043】
ここで、図2を参照すると、説明を簡単にするために、ネイルクリッパ12が部分的に分解されて示されている。本体14は、例示的に、後部26、中央部28、及び前部30を含む。互いに組み立てられると、中央部28が前部30と後部26との間に位置するように、後部26は、その後側で中央部28に当接し、前部は、その前側で中央部28に当接する。例示的な実施形態では、後部26、中央部28、及び前部30は、本体14のハンドル16及びヘッド18を集合的に画定する。いくつかの実施形態では、本体14は、好適な任意の数の部分、例えば、限定されないが、互いに当接する前部及び後部を含む2つの部分のみから形成され得る。本体部分26、28、30は、本明細書でさらに詳細に論じられるように、他の構成要素を収容するための内部空間を集合的に画定する。
【0044】
中央部28は、本体14の剛性部分を形成する基部32を含む。基部32は、前部26と後部30とを分離するとともに、他の構成要素のための開放内部34を画定する環状部材として例示的に形成される。中央部28は、インジケータ36を含む。
【0045】
インジケータ36は、例示的に、基部32の外側に固定されたLEDライトとして具現化される。インジケータ36は、本明細書でさらに詳細に説明するように、クリッピング動作が利用可能であるときに、ユーザに伝達し得る。LEDライトとしてのインジケータ36は、例示的に、基部32の周囲に巻き付き、その結果、組み立てられたときに、本体14の長手方向(円周方向)の外側周囲に巻き付く。
【0046】
さらに図2を参照すると、ネイルクリッパ12は、クリッピングのためのユーザ起動用の起動ボタン38を含む。起動ボタン38は、本体14の前部30から(前部30を通って)延在するように配置される。例示的な実施形態では、ユーザは、ボタン38を押下することで起動ボタン38を選択して、クリッピングを開始することができる。
【0047】
ここで、図3を参照すると、引き込み位置にあるブレード24を有するネイルクリッパ12が示されている。例示的な実施形態では、引き込み位置は、ブレード24のデフォルト位置である。図4では、ブレード24はクリッピング位置に移動している。クリッピング位置では、ブレード24は、クリップスペース22を通って延びていて、対象のネイルをクリッピングする。図5には、ネイルクリッパ12が、図3と同様に、ブレード24が引き込み位置にある状態で再び示されているが、背面図である。図6には、ネイルクリッパ12が、図4と同様に、ブレード24がクリッピング位置にある状態で示されているが、背面図である。
【0048】
図2に戻ると、ネイルクリッパ12は、ネイルシェル以外の物質(例えば、非ケラチン物質)の存在をクリップスペース22内で検出するためのセンサ40を含むセンサシステムを含む。センサ40は、磁界を生成し、その磁界の変化を検出するように構成された磁界センサとして例示的に具現化される。例えば、磁界内への物体の導入は、センサ40によって検出され得る磁界への擾乱を引き起こす。いくつかの実施形態では、非シェル(例えば、非ケラチン)物質、より具体的には、対象のクイックの検出は、限定されないが、光センサ、音センサ、電気センサ、及び/または磁気センサを含む、任意の好適な手法によって提供され得る。
【0049】
センサ40は、任意の非シェル物質が、具体的には対象のクイックのいずれかが、クリップスペース22内に位置付けられたかどうかを判定するように構成される。例えば、センサ40は、対象の(クイックではなく)ネイルシェルのみがクリップスペース22内にあるとき、クリッピングを実行することができ、対象のクイックがクリップスペース22内にあるとき、センサ40が、ネイルシェル単独に対するクイックに対応する密度(及び/または厚さ)の差を検出して、対象のクイックがクリップスペース22内にある間にクリッピングを回避することができるように、クリップスペース22内の物質の密度及び/または厚さを検出することができる。したがって、ネイルクリッパ12は、対象のクイックがクリップスペース22内にあるかどうかを判定して、対象のクイックを傷つける可能性がある意図しないクリッピングを回避することができる。
【0050】
クリップスペース22内の非シェル物質、例えば対象のクイックの検出に応答して、インジケータ36は、ユーザに非シェル物質の存在を警告するよう伝達することができる。LEDライトとして例示的に具現化されるインジケータ36は、クリップスペース22内の非シェル物質の存在をインジケートするために、照明するように構成される。例示的な実施形態では、インジケータ36は、クリップスペース22内の非シェル物質の存在をインジケートするために、赤色で照明して、クリッピングが行われるべきではないことをユーザに警告するように構成される。例示的な実施形態では、インジケータ36は、センサ40に基づいて、非シェル物質がクリップスペース22内に存在せず、そのクリッピングが許可される場合に、緑色で照明する。クリッピングが許可されると、ユーザは、起動ボタン38を作動させて、クリップスペース22内でクリッピングするためにブレード24を動作させることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、インジケータ36は、センサ40に基づいて、非シェル物質がクリップスペース22内に存在しないとき、非照明のままであるように、またクリップスペース22内に非シェル物質が存在することをインジケートするために(例えば、赤色で)照明するように、構成されてもよい。あるいは、センサ40に基づいて、クリップスペース22内に非シェル物質が存在しないとき、(例えば、緑色で)照明するように、またクリップスペース22内に非シェル物質が存在することをインジケートするために照明を消して、ユーザにクリッピングが行われるべきでないことを警告するように、構成されてもよい。
【0052】
さらに図2を参照すると、本体14は、ブレード24によってクリッピングするために、対象のネイルを定位置に維持するための剛性部材として形成されたフレーム42を含む。フレーム42は、ハンドル16に固定された基部44と、基部44との接続部から延びるヘッド46とを含む。
【0053】
フレーム42のヘッド46は、クリップスペース22の少なくとも一部を形成する開口部48を画定する。ヘッド46は、例示的に、開口部48を画定するリム50を含む。リム50は、例示的に、開口部48の周りに環状に形成される。リム50は、例示的に、開口部48を完全に取り囲むように形成されるが、いくつかの実施形態では、開口部48を部分的にのみ取り囲んでもよい。
【0054】
例示的な実施形態では、フレーム42は、ブレード24が引き込み位置とクリップ位置との間で移動する間、ブレード24に対して静止したままである。フレーム42は、ブレード24に隣接して配置される。フレーム42はブレード24に近接しており、ブレード24は、引き込み位置とクリップ位置との間の移動時に、クリップスペース22に沿ってリム50と共にせん断を行うように配置される。ブレード24とフレーム42との間のせん断は、ブレード24がクリッピングを行う間に、フレーム42が、例えば反力の停止部として、対象のネイルの位置を維持して、クリッピングを補助することができる。いくつかの実施形態では、クリッピングのための反力は、複数のブレードの使用によって提供され得る。ブレード24は、フレーム42と共にせん断するように配置されるが、いくつかの実施形態では、ブレード24は、クリッピングのためフレーム42と特別に接触することなく、フレーム42に対して厳密な公差で配置され得る。
【0055】
図7及び図8を参照すると、ブレード24は、基部52と、基部52から延びるヘッド54とを含む。基部52は、一般に、ヘッド54をクリップスペース22に近づけて、本体14内に配置される(図1に示すように)。ヘッド54は、例示的に、テーパ状の外縁56を有するように形成される。
【0056】
ブレード24は、ヘッド54に形成されたブレード先端58を含む。ブレード先端58は、クリッピングのためのクリップ面60を画定する。クリップ面60は、ベベルを含む。クリップ面60は、例示的に、湾曲して画定される。クリップ面60の湾曲は、凹状に形成されている。クリップ面60の凹状湾曲は、焦点に向かって内向きの力を促進することによってクリッピングを補助することができ、それによってクリッピング中の対象のネイルの移動を低減させるのを補助することができる。
【0057】
図9及び図10は、ネイルクリッパ12の左側及び右側を示す。例示的な実施形態では、ネイルクリッパ12は、図9及び図10の水平線に沿って概ね対称である。本体14の丸みを帯びた湾曲の態様は、滑らかで快適な取り扱いのためのものであることを認めることができる。
【0058】
次に、図11を参照すると、ネイルクリッパ12の制御システム62が、ネイルクリッパ12の動作を管理し得る。制御システム62は、メモリ66に記憶された命令を実行するためのプロセッサ64と、プロセッサ64による指示に従って信号を通信するための通信回路68とを含む。起動ボタン38は、例示的に、制御システム62の一部として形成される。インジケータ36及び/または任意選択のロック74は、それぞれが制御システムの一部として形成され得るが、いくつかの実施形態では、それぞれが別個に形成され、制御システム62と通信するように配置され得る。
【0059】
センサ40は、例示的に、クリップスペース22内の対象のクイックなどの非シェル物質の存在(または欠如)をインジケートする信号を提供するために通信する制御システム62の一部として形成される。例示的な実施形態では、センサ40は、クリップスペース22内の物体に関する情報をインジケートする信号を通信する。制御システム62は、クリップスペース22内の物体に関するセンサ40からの情報に基づいて、クリップスペース22内に非シェル物質が存在するかどうかを判定する。
【0060】
非シェル物質がクリップスペース22内に存在するという判定に応答して、制御システム62は、アクチュエータ70の作動を阻止する。アクチュエータ70は、本体14内に取り付けられて配置され、制御システム62と通信する。ネイルクリッパ12は、本体14内に取り付けられた、バッテリとして具現化される電源72を含む。制御システム62の通信回路68は、例示的に、アクチュエータ70の動作のための電力回路(例えば、バッテリ管理システム)を含む電力制御回路を含む。アクチュエータ70は、例示的に、引き込み位置とクリップ位置との間の移動のためブレード24を駆動するようにブレード24に結合された線形アクチュエータとして具現化される。例示的なアクチュエータ70は、クリッピングのためブレード24を駆動するために、約3ポンドの駆動力を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、アクチュエータ70は、好適な任意の手法のアクチュエータ、例えば、限定されないが、回転アクチュエータを含み得る。
【0061】
例示的な実施形態では、制御システム62は、非シェル物質がクリップスペース22内に存在しない(すなわち、クイックが存在しない)ときに、アクチュエータ70を作動させてブレード24を移動させることができる。制御システム62が、センサ40からの情報に基づいて、非シェル物質がクリップスペース22内に存在しないと判定すると、アクチュエータ70は、起動ボタン38による作動が可能になる。非シェル物質がクリップスペース22内に存在しないという判定に応答して、制御システム62は、インジケータ36と通信して、例えば、上述のように緑色光照明によって、クリッピングが実行可能であることをユーザに伝達することができる。
【0062】
対照的に、制御システム62が、センサ40からの情報に基づいて、非シェル物質(すなわち、クイック)がクリップスペース22内にあると判定すると、制御システム62は、アクチュエータ70の作動を阻止して、ブレード24が引き込み位置からの移動を阻止する。非シェル物質がクリップスペース22内に存在するという判定に応答して、制御システム62は、インジケータ36と通信して、例えば、上述のように赤色光照明によって、クリッピングが実行できないことをユーザに伝達することができる。
【0063】
例示的な実施形態では、制御システム62は、アクチュエータ70を無効にすることによって、ブレード24の移動を阻止し得る。例えば、制御システム62は、引き込み位置から脱するアクチュエータ70の作動のための電力制御回路からの電力供給を拒否してもよい。いくつかの実施形態では、ブレード24の移動を阻止する好適な任意の手法を適用することができ、例えば、限定するものではないが、アクチュエータ70を作動させる起動ボタン38からの通信を拒否する。
【0064】
いくつかの実施形態では、ネイルクリッパ12は、ブレード24の移動を可能にするロック解除位置と、ブレード24が引き込み位置から脱して移動するのを阻止するロック位置との間で動作可能な任意選択のロック74を含み得る。ロック74は、例示的に、ブレード24が引き込み位置から脱する移動を阻止するために、制御システム62の一部として形成され、クリップスペース22内の非シェル物質の判定に応答して、制御システム62に従って動作可能である。ロック74は、例示的に、ブレード24と係合または係脱するように選択的に動作可能なソレノイドを備えるように具現化される。いくつかの実施形態では、ロック74は、引き込み位置から脱するブレード24の移動を選択的に阻止するための好適な任意の物理的係止デバイスの手法を含むことができる。
【0065】
図11において、制御システム62の電力制御は、電源のオン及びオフを切り替えるためのスイッチ65として具現化される。スイッチ65は、例示的に、図1に示すように、本体14に取り付けられている。ユーザは、スイッチ65を、クリッパ12の電源をオフにするオフ位置と、クリッパ12の電源をオンにするオン位置との間で操作することができる。いくつかの実施形態では、スイッチ65は、限定するものではないが、ボタンを含む、電力を切り替えるための任意の好適な形態を有してもよい。
【0066】
図11において、クリッパ12は、ユニバーサルシリアルバスタイプCポート(USB-C)として具現化された電源ポート67を含む。電源ポート67は、クリッパ12に直接に電力を供給するための、及び/または電源72を充電するための外部電源ケーブルの接続を受けるように構成される。電源ポート67は、図5及び図6に示すように、起動ボタン38とは反対側の本体14に例示的に取り付けられている。
【0067】
図11において、制御システム62は、クリッピングを停止するためのクリッピング停止システムを含み得る。例示的な実施形態では、クリッピング停止システムは、センサとして構成されたブレード24を含む。制御システム62は、電流の流れのための電気経路を集合的に規定する電気供給80、82を介して、ブレード24と電気通信するように構成される。少量の電流が、電気経路を介してブレード24を通過し、制御システム62が、擾乱に関して電気経路を能動的に監視する。例示的な実施形態では、プロセッサ64は、通信回路68を動作させて、ブレード24を含む電気経路を通る電流を提供し、監視し得る。
【0068】
非シェル物質がブレード24に接触すると、ブレード24を通る電流が乱される。例えば、ネイルシェルは、それ自体が部分的に導電性であるが、皮膚及び/またはクイックは、より大きなコンダクタンスを有しており、ブレード24を通る電気経路(例えば、電圧及び/または電流)を、検出可能な程度にまで乱し得る。したがって、ネイルシェルとブレード24との間の接触は、クイックとブレード24との間の接触と区別することができる。例示的な実施形態では、プロセッサ64は、通信回路68から、電気経路の擾乱のインジケーションを受け取り、非シェル物質がブレード24に接触したかどうかを判定する。
【0069】
非シェル物質(例えば、対象のクイック)がブレード24に接触したという判定に応答して、制御システム62は、クリッピングを停止し得る。例示的な実施形態では、制御システム62は、非シェル物質がブレード24に接触したという判定に応答して、アクチュエータへの作動電力を止めることによって、アクチュエータ70を停止させる。いくつかの実施形態では、制御システム62は、アクチュエータ70の動力起動によってクリッピングを停止して、ブレード24を引き込み位置へ駆動してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム62は、停止アクチュエータ(例えば、ロック74)の起動によってクリッピングを停止させて、クリッピング位置に向かうブレード24のさらなる移動を阻止してもよい。そのような実施形態では、停止アクチュエータ及び/またはアクチュエータ70は、ブレード24のクリッピングを停止するために迅速な応答時間(例えば、0.25秒未満)で作動するように構成され得る。その結果、対象のクイックとブレード24とが接触すると直ちにクリッピングを停止して、負傷をもたらし得る、ブレード24と、付属肢のクイックまたは指などの非シェル物質とのさらなる及び/またはより広範囲に及ぶ係合を防止することができる。
【0070】
非シェル物質がブレード24に接触したという判定に応答して、制御システム62は、クリッピングが利用可能でないことをインジケートするようにインジケータ36を動作させ得る。例えば、インジケータ36は、非照明にされ得、または赤色で照明され得る。いくつかの実施形態では、制御システム62は、3回の点滅のような別個の警告によってクリッピング停止をインジケートするようにインジケータ36を動作させてもよい。
【0071】
一時的に図2に戻ると、センサ40は、例示的に、フレーム42の後方に配置される。センサ40は、フレーム42のブレード24とは反対側に配置される。センサ40がブレード24に対向しているので、センサ40は、クリップスペース22の開口部からすぐのところでクイックの存在を検出するように配置されて、クイックが、検出されることなく、クリップスペース22に入ることが防止される。いくつかの実施形態では、センサ40は、クリップスペース22内の非シェル物質の存在を検出するための好適な任意の位置を有するように、例えば、限定されないが、フレームのブレードと同じ側に配置されてもよい。
【0072】
図1に戻ると、ネイルクリッパ12は、ガイド76を含む。ガイド76は、例示的に、対象のネイルをクリッピングのための位置に誘導するために、クリップスペース22に配置される。ガイド76は、例示的に、対象のネイルとの弾性接触を提供するために、弾性材料、例えば発泡体及び/またはゴムで形成される。
【0073】
ガイド76は、例示的に、環状部材として形成される。ガイド76は、クリップスペース22と位置合わせされた開口部78を画定する。開口部78は、クリップスペース22に対応する挿入スペースを形成する。挿入スペースは、そこを通してクリップスペース22に挿入される対象のネイルを受け入れるように構成される。対象のネイルは、クリップスペース22内に位置付けられている間に、ガイド76内に係合して、クリップスペース22内で安定した位置を維持するのを補助する弾力性支持を提供する。
【0074】
図3を参照すると、対象のネイルは、クリップスペース22に挿入され得る。対象のネイルは、例示的に、対象の付属肢がネイルクリッパ12の後方にあるように、クリップスペース22に後方から(図3のページの内側から)挿入される。制御システム62は、最初に、対象のネイルの遠位先端からシェル物質のみを検出し、それに応じて、インジケータ36を動作させ、それと同時に起動ボタン38によるクリッピング動作を可能にし得る。対象のネイルがクリップスペース22内にさらに挿入されると、制御システム62は、クリップスペース22内のクイックの存在を検出することができ、インジケータ36を動作させて、グルーマに、クリッピングが利用できないことを伝達しながら、クリッピング動作を無効にし得る。したがって、ネイルのクリッピングにおける安全性を高めることができる。
【0075】
さらに、クリッピングを行う際のグルーマの容易性は、自己のグルーミングであろうと、別の対象のグルーミングであろうと、改善され得る。クリップスペース22内のクイックを検出することにより、グルーマは、より確信を持ってクリッピングを行うことができる。電源作動式クリッピングは、クリッピング中に対象の付属肢及び/または指をも安定させなければならないグルーマの手へのストレスを低減させ得る。グルーマまたは対象に対する労力及び/またはストレスの低減は、グルーマまたは対象の他方にも同様に反映され、ネイルクリッピングの難しさを低減させることができる。
【0076】
次に図12を参照すると、ネイルクリッパ12のブレード224及びフレーム242の別の実施形態が示されている。ブレード224及びフレーム242は、それぞれブレード24及びフレーム42と同様であり、ブレード24及びフレーム42の開示は、ブレード224及びフレーム242の特定の開示と矛盾する場合を除いて、それぞれブレード224及びフレーム242に等しく適用される。図12において、ブレード224は、引き込み位置に示されている。ブレード224は、引き込み位置とクリッピング位置との間で移動するための力を受け取るために、アクチュエータ70と結合される。図13では、ブレード224は、クリッピングのためにアクチュエータ70によって駆動されたクリッピング位置に示されている。
【0077】
図14を参照すると、フレーム224は、ブレード224によるクリッピングのためにネイルを適所に維持するための剛性部材として形成される。フレーム242は、本体14のハンドル16に固定される基部244と、基部244との接続部から延在するヘッド246とを含む。フレーム224は、ブレードエンクロージャ228を画定するキャリア226を含む。キャリア226は、カバー230と、基部244とカバー230との間に延在する脚部232とを含む。ブレードエンクロージャ228は、基部244とキャリア226のカバー230との間に画定される。ブレードエンクロージャ228は、ブレード224及びアクチュエータ70をブレードエンクロージャ228内に延ばすために、対向する両端を開放させて形成される。
【0078】
フレーム224は、ヘッド246の反対側の端部に画定されたブレース234を含む。ブレース234は、例示的に、ブレード224の移動のためのアクチュエータ70とフレーム224との位置合わせを維持するために、アクチュエータ70と係合するように画定される。ブレース234は、例示的に、基部244の端部と軸方向側面で接続された環状部材として形成される。ブレース234は、例示的に、キャリア226の端部に接続される。
【0079】
フレーム242のヘッド246は、ネイルクリッパ12のクリップスペース22の少なくとも一部を形成する開口部248を画定する。ヘッド246は、例示的に、開口部248を画定するリム250を含む。リム250は、例示的に、開口部248の周りに環状に形成される。リム250は、例示的に、開口部248を完全に取り囲むように形成されるが、いくつかの実施形態では、開口部248を部分的にのみ取り囲んでもよい。
【0080】
例示的な実施形態では、図12及び図13に示すように、フレーム242は、ブレード224が引き込み位置とクリップ位置との間で移動する間、ブレード224に対して静止したままである。フレーム242は、ブレード224に隣接して配置される。フレーム242はブレード224に近接しており、ブレード224は、引き込み位置とクリップ位置との間の移動時に、開口部248に沿って(クリップスペース22に沿って)リム250と共にせん断を行うように配置される。ブレード224とフレーム242との間のせん断は、ブレード224がクリッピングを行う間に、フレーム242が、例えば反力の停止部として、対象のネイルの位置を維持することによって、クリッピングを補助することができる。いくつかの実施形態では、クリッピングのための反力は、複数のブレードの使用によって提供され得る。ブレード224は、フレーム242と共にせん断するように配置されるが、いくつかの実施形態では、ブレード224は、クリッピングのためフレーム242と特別に接触することなく、フレーム242に対して厳密な公差で配置され得る。
【0081】
図14を参照すると、ブレード224は、基部252と、基部252から延在するヘッド254とを含む。基部252は、図12及び図13に示すように、一般に、ヘッド254を開口部228に近づけて(したがってクリップスペース22に近づけて)、ブレードエンクロージャ228内(本体14内)に配置される。
【0082】
ブレード224は、ヘッド254に形成されたブレード先端258を含む。ブレード先端258は、クリッピングのためのクリップ面260を画定する。クリップ面260は、ベベル及びクリッピングエッジ262を含む。クリップ面260は、例示的に、湾曲して画定される。クリップ面260の湾曲は、凸状に形成されている。クリップ面60の凸状湾曲は、対象のネイル上の初期接触点に向かって方向付けられた力を集中させることによってクリッピングを補助することができ、これにより、閾値クリッピング力が達成されるのを補助することができ、それによってアクチュエータ70から必要とされる力を低減させることができる。
【0083】
次に、図15を参照すると、フレーム242は、開口部248にベベル264を含む。ベベル264は、開口部248を画定するヘッド246の内縁266を含む。ベベル264は、例示的に、開口部248の周りに環状に形成される。ベベル264及び結果として生じるエッジ266は、ブレード224と協働してクリッピングを補助するために、(相対的に)鋭利なエッジを提供し得る。ベベル264はまた、以下にさらに詳細に説明するように、ガイド276の相補的な係合のための凹状領域を画定し得る。
【0084】
図16を参照すると、ネイルクリッパ12は、ガイド276を含むことができる。ガイド176は、ガイド76と同様であり、ガイド76の開示は、ガイド276の特定の開示と矛盾する場合を除いて、ガイド276に等しく適用される。ガイド76と同様に、ガイド276は、クリップスペース22での配置によるクリッピングを補助して、対象のネイルをクリッピングのための適所に誘導することができる。ガイド276は、例示的に、対象のネイルとの弾性接触を提供するために、弾性材料、例えば発泡体及び/またはゴムで形成される。ガイド276は、例示的に、環状部材として形成される。ガイド276は、クリップスペース22と位置合わせされて配置するための開口部278を画定する。開口部278は、クリップスペース22に対応する挿入スペースを形成する。挿入スペースは、そこを通してクリップスペース22に挿入される対象のネイルを受け入れるように構成される。対象のネイルは、クリップスペース22内に位置付けられている間に、ガイド276内に係合して、クリップスペース22内でネイルの安定した位置を維持するのを補助する弾力性支持を提供する。
【0085】
ガイド276は、基部280と、基部280からその軸方向側に突出する中央プラットフォーム282とを含む。中央プラットフォーム282は、例示的に、フレーム242のベベル264の一部によって画定された幅に対応する幅w(例示的に直径)と、中央プラットフォーム282が、ベベル264との相補的な係合のために、ベベル264によって受けられるように、フレーム242のベベル284に対応するテーパ状周面284とを画定する。
【0086】
図17を参照すると、ガイド276は、例示的に、凸面286を含む。凸面286は、中央プラットフォーム282とは反対側の基部280の軸方向側面に配置される。凸面286は、開口部278及びクリップスペース22内への対象のネイルの挿入を補助するために、開口部278に向かってじょうご状になるように配置される。
【0087】
本開示は、ネイルクリッピングのためのデバイス、システム、及び方法を含む。ネイルクリッピングは、ブレード移動のためのスペース内の非シェル物質の検出によって改善され得る。非シェル物質の検出に応答して、クリッピングのためのブレードの移動を阻止することができる。クリッピングが許可されるというインジケーションを、適切なクリッピングへの確信度を高めるために、ユーザに伝達することができる。
【0088】
本開示の範囲内で、ネイルメンテナンスのデバイス、システム、及び方法は、望ましくないブレード動作に対する阻止を含む安全な動作を含むことができる。例えば、本開示の範囲内のデバイス、システム、及び方法は、クリップスペース内に非シェル物質が配置されていること、及び/または配置されている物質が無いことに応答して、ブレードの移動を阻止する構成、例えば、引き込み位置からのブレードの移動を阻止する構成を含んでもよい。所望の安全機能を含み得るデバイス、システム、及び方法の好適な限定されない一例としては、Oakton VAのSafetyPawz LLCによって市販されているSafescan(商標)技術が挙げられ得る。
【0089】
次に図18を参照すると、クリッパ12は、クリッピングシステム310を含む。クリッピングシステム310内のクリッパ12は、例示的に、上述の構成と同様に制御システム62を用いて動作し、先の構成の説明は、クリッピングシステム310の特定の開示と矛盾する場合、例えば、以下で論じるブレード324、330の形状及び/または構成を除いて、クリッピングシステム310と共にクリッパ12に等しく適用される。クリッピングシステム310は、例示的に、クリップスペース22から引き込まれる(図18に示されるような)引き込み位置と、クリッピングのためのクリップスペース22内に延在するクリップ位置との間で動作可能なクリッピングブレード324を含む。クリッピングブレード324は、例示的に、クリッピングのために対象のネイルと係合するための角のあるクリッピングエッジ326を画定する。
【0090】
クリッピングエッジ326は、例示的に、クリッピングを補助するためのV字形構成を有する溝328を画定する。溝328は、例示的に、溝頂点を画定するように互いに向かって角度を成す2つの部分を含む。その2つの部分は、クリップ位置に向かうクリッピングブレード324の移動の下で、対象のネイルを溝の頂点に向かって促すように、互いに向かって傾斜するように、及び/またはくさび状に構成される。
【0091】
例示的な実施形態では、クリッピングブレード324は、図18の配向に示すように、引き込み位置とクリップ位置との間を垂直方向に沿って移動するように構成される。クリッピングシステム310は、例示的に、クリッピングを支援するためにブレード324の反対側に配置された別のブレード330を含む。ブレード330は、例示的に、クリッピングブレード324の移動の下で静止したままであるように具現化される。
【0092】
ブレード330は、クリッピングブレード324の移動の下で静止したままであるように、本体14と結合される。ブレード330は、例示的に、クリッピングを補助するためのV字形構成を含む。ブレード330は、例示的に、溝の頂点を画定するように、互いに向かって角度が付けられた2つの部分の間に画定された溝を含む。例示的な実施形態では、ブレード330の溝は、ブレード324の溝328に等しく対向するが、いくつかの実施形態では、ブレード330の溝は、ブレード324の溝328とは異なっていてもよく、例えば、ブレード324の角度とは異なる角度を画定するその角度の付いた部分を有してもよい。
【0093】
例示的な実施形態では、ブレード324、330の刃先326、332は、ブレード324が引き込み位置に配置されたときに、図18に示すように、平行四辺形の刃具を集合的に画定する。クリップ位置では、ブレード324は(図18の配向で)上方に平行移動され、ブレード330とのせん断効果を引き起こすとともに、ブレード324、330間に画定されるスペースを縮小して、クリップスペース22内に配置された対象のネイルをクリッピングする。例示的な実施形態では、クリップ位置において、ブレード324は、ブレード324、330間に開口が残らないように、クリッピングエッジ328がブレード330内で完全に重なるように、クリップ22内で延在するように配置されるが、いくつかの実施形態では、クリップ位置において、ブレード324、330間にいくらかのスペースが残ってもよい。
【0094】
ブレード324、330の集合的な平行四辺形の刃具は、例示的に、菱形として、より具体的には、正方形として画定されるが、いくつかの実施形態では、ブレード324、330間の好適な任意の平行四辺形の配置が適用されてもよい。
【0095】
例示的な実施形態では、ブレード324は、クリップエッジ326を画定するブレード324の2つの部分のそれぞれにベベルを含む。ベベルは、クリップエッジ326の各部分が互いに向かって角度を成すことに加えて、互いに向かって傾斜するようにも配置される。したがって、ベベルは、図18のページ内へのz方向に互いに向かって傾斜している。図示するブレード324の反対側(すなわち、ページの内側からブレード324に面する側)では、ブレード324は、例示的に平坦であるが、いくつかの実施形態では、追加の面取りを有してもよい。例示的な実施形態では、ブレード324のベベルは、互いに等しくかつ対向しているが、いくつかの実施形態では、各部分のベベルは、互いに異なっていてもよい。
【0096】
例示的な実施形態では、ブレード330は、図18に示すように、ページから外側に面する側が平坦である。図示しているブレード330の反対側(すなわち、ページの内側からブレード330に面している側)では、ブレード330は、例示的に、クリップエッジ332を画定するブレード330の2つの部分のそれぞれにベベルを含む。ベベルは、クリップエッジ332の各部分が互いに向かって角度を成すことに加えて、互いに向かって傾斜するようにも配置される。したがって、ベベルは、図18のページ内へのz方向に互いに向かって傾斜している。例示的な実施形態では、ブレード330のベベルは、互いに等しくかつ対向しているが、いくつかの実施形態では、各部分のベベルは、互いに異なっていてもよい。例示的な実施形態では、ブレード324、330のベベルは互いに傾斜が等しいが、いくつかの実施形態では、各ブレード324、330のベベルは互いに異なっていてもよい。
【0097】
クリッピングシステム310を含むクリッパ12は、例えば、クリッピングの正確さ、スピード、音が小さいこと、容易さ、及び/または安定性を伴って、クリッピングの改善を提供することができる。
【0098】
上記では、特定の例示的な実施形態が詳細に説明されてきたが、以下の特許請求の範囲に記載され、定義されるように、本開示の範囲及び趣旨の範囲内には変形形態及び修正形態が存在する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】