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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】結晶化を阻害するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20240808BHJP
   C07C 69/24 20060101ALI20240808BHJP
   C07C 69/675 20060101ALI20240808BHJP
   C07C 9/15 20060101ALI20240808BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240808BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20240808BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240808BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240808BHJP
   C07C 69/58 20060101ALN20240808BHJP
【FI】
A61K8/02
C07C69/24
C07C69/675
C07C9/15
A61K8/37
A61K8/31
A61Q5/12
A61Q19/00
C07C69/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509431
(86)(22)【出願日】2022-08-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 EP2022072743
(87)【国際公開番号】W WO2023020979
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】2108737
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511243912
【氏名又は名称】バイオシンシス
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】ベルノー,ティエリ
【テーマコード(参考)】
4C083
4H006
【Fターム(参考)】
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC351
4C083AC352
4C083CC02
4C083CC11
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083CC23
4C083CC31
4C083CC32
4C083CC33
4C083CC36
4C083DD23
4C083EE01
4C083EE12
4C083EE16
4C083EE17
4C083EE25
4C083EE26
4C083EE28
4C083FF01
4H006AA01
4H006AA05
4H006AB12
(57)【要約】
本発明は、5℃又はそれ未満の温度で、少なくとも一種の脂肪酸エステルを含む組成物の結晶化を阻害するための方法であって、少なくとも以下の工程を含む、方法に関するものである;
標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が25℃又はそれ未満である組成物を準備する工程と、
少なくとも1種の式C2n+2(ただし、n≦11)のアルカンを含む溶媒システムを前記組成物に加える工程と、
標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が5℃又はそれ未満であるエステル/アルカン混合物を得る工程。
また、本発明は、エステル/アルカン混合物であって:
a. 標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物;
b. 式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含む溶媒システム;を含み、
標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が5℃又はそれ未満であることを特徴とするエステル/アルカン混合物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5℃又はそれ未満の温度での組成物の結晶化を阻害するための方法であって、少なくとも以下の工程を含む、方法;
a) 標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物を準備する工程と、
b)少なくとも1種の式C2n+2(ただし、n≦11)のアルカンを含む溶媒システムを前記組成物に加える工程と、
c)標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が5℃又はそれ未満であるエステル/アルカン混合物を得る工程。
【請求項2】
前記組成物は、標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が15℃又はそれ未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種の脂肪酸エステルは、式Iのエステル類からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法;
【化1】
(式Iにおいて、Rは、m個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは7から32の範囲から選択される整数を表し、
R'は、m個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは2から32の範囲から選択される整数を表し、
+m>15である)。
【請求項4】
前記少なくとも1種の脂肪酸エステルは、式IIのエステル類からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法;
【化2】
(式IIにおいて、R'は、m個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは2から32の範囲から選択される整数を表す)。
【請求項5】
前記少なくとも1種の脂肪酸エステルは、下記の化合物;(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル (CAS 95912-86-0)、ミリスチン酸エチル (CAS 124-06-1)、ペンタデカン酸エチル (41114-00-5)、パルミチン酸エチル (CAS 628-97-7)、へプタデカン酸エチル (CAS 14010-23 -2)、ステアリン酸エチル (CAS 111-61-5)、オレイン酸エチル(CAS 111-62-6)、ミリスチン酸プロピル (CAS 14303-70-9)、パルミチン酸プロピル (CAS 2239-78-3)、ステアリン酸プロピル (CAS 3634-92-2)、ステアリン酸ブチル (CAS 123-95-5)、ラウリン酸ラウリル(13945-76-1)、パルミチン酸エチルヘキシル (CAS 29806-73-3)、パルミチン酸イソプロピル (CAS 142-91-6)、ミリスチン酸2-オクチルドデシル (CAS 69275-03-2)、ミリスチン酸イソプロピル (CAS 110-27-0)、ステアリリン酸2-エチルヘキシル (CAS 22047-49-0)、乳酸イソステアリル (CAS 42131-28-2)、及び乳酸ミリスチル (CAS 1323-03-1)を含む群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
式C2n+2(n≦11)の前記アルカンが、単独または混合物として、11個以下の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
式 C2n+2(n≦11)の前記アルカンがデカンであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒システムが、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)の少なくとも1種のアルカンをさらに含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)の前記アルカンが、単独又は混合物として、10から14個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)の前記アルカンがドデカンであることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンがアルカンであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記溶媒システムが、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)の少なくとも1種のアルカンをさらに含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
式Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)の前記アルカンが、単独又は混合物として、10から12個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記溶媒システムの式 C2n+2(n≦11)のアルカン類の体積百分率が、前記溶媒システムの総体積に対して少なくとも5%であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
工程c)で得られる前記混合物において、比Y:
Y=(エステル(類)の質量パーセント)/(アルカン(類)の質量パーセント)
が9/1以下であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
工程c)で得られる前記混合物が単相であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
工程c)で得られた前記混合物は、標準 EN ISO 3015にしたがって測定した曇点が、10℃又はそれ未満であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
エステル/アルカン混合物であって:
a. 標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物;
b. 式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含む溶媒システム;を含み、
標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が5℃又はそれ未満であることを特徴とするエステル/アルカン混合物。
【請求項19】
標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、15℃又はそれ未満であることを特徴とする、請求項18に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項20】
前記少なくとも1種の脂肪酸エステルが、式Iのエステル類からなる群から選択されることを特徴とする、請求項18または19に記載のエステル/アルカン混合物:
【化1】
(式Iにおいて、Rは、m個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは7から32の範囲から選択される整数を表し、
R'は、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは、2から32の範囲から選択される整数を表し、
+m>15である)。
【請求項21】
前記少なくとも1種の脂肪酸エステルは、式IIのエステル類からなる群から選択されることを特徴とする、請求項18または19に記載のエステル/アルカン混合物:
【化2】
(式IIにおいて、R'は、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは2から32の範囲から選択される整数を表す)。
【請求項22】
前記少なくとも1種の脂肪酸エステルは、下記の化合物:(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル (CAS 95912-86-0)、ミリスチン酸エチル (CAS 124-06-1)、ペンタデカン酸エチル (41114-00-5)、パルミチン酸エチル (CAS 628-97-7)、へプタデカン酸エチル (CAS 14010-23-2)、ステアリン酸エチル (CAS 111-61-5)、オレイン酸エチル(CAS 111-62-6)、ミリスチン酸プロピル (CAS 14303-70-9)、パルミチン酸プロピル (CAS 2239-78-3)、ステアリン酸プロピル (CAS 3634-92-2)、ステアリン酸ブチル (CAS 123-95-5)、ラウリン酸ラウリル(13945-76-1)、パルミチン酸エチルヘキシル (CAS 29806-73-3)、パルミチン酸イソプロピル (CAS 142-91-6)、ミリスチン酸2-オクチルドデシル (CAS 69275-03-2)、ミリスチン酸イソプロピル (CAS 110-27-0)、ステアリリン酸2-エチルヘキシル (CAS 22047-49-0)、乳酸イソステアリル (CAS 42131-28-2)、及び乳酸ミリスチル (CAS 1323-03-1)を含む群から選択される、請求項18から21のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項23】
式 C2n+2 (n≦11)の前記アルカンが、単独または混合物として、炭素数11以下の直鎖状又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする、請求項18から22のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項24】
式 C2n+2 (n≦11)の前記アルカンがデカンであることを特徴とする、請求項18から23のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項25】
前記溶媒システムが、式 Cn12(n1)+2 (10≦n1≦14)の少なくとも1種のアルカンをさらに含むことを特徴とする、請求項18から24のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項26】
式 Cn12n1+2 (10≦n1≦14)の前記アルカンが、単独または混合物として、10から14個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする、請求項25に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項27】
式 Cn12(n1)+2 (10≦n1≦14)の前記アルカンがドデカンであることを特徴とする、請求項25から26のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項28】
式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンがアルカンであることを特徴とする、請求項25から27のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項29】
前記溶媒システムが、式 Cn22(n2)+2 (10≦n2≦12)の少なくとも1種のアルカンをさらに含むことを特徴とする、請求項18から28のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項30】
式 Cn22(n2)+2 (10≦n2≦12)の前記アルカンが、単独または混合物として、10から12個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする、請求項29に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項31】
前記溶媒システムの式 C2n+2 (n≦11)のアルカン類の体積百分率が、前記溶媒システムの総体積に対して少なくとも5%であることを特徴とする、請求項18から30のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項32】
比Y:
Y=(エステル(類)の質量パーセント)/(アルカン(類)の質量パーセント)
が9/1以下であることを特徴とする、請求項18から31のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項33】
単相であることを特徴とする、請求項18から32のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項34】
標準 EN ISO 3015にしたがって測定した曇点が、10℃又はそれ未満であることを特徴とする、請求項18から33のいずれか一項に記載のエステル/アルカン混合物。
【請求項35】
式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含み、標準 NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物の5℃又はそれ未満での結晶化を阻害するための溶媒システムの使用。
【請求項36】
式 C2n+2 (n≦11)の前記アルカンが、請求項23または24で定義されるとおりであることを特徴とする、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
前記溶媒システムが、請求項25から30で定義されるとおりであることを特徴とする、請求項35から36のいずれか一項に記載の使用。
【請求項38】
前記少なくとも1種の脂肪酸エステルが、請求項20から22で定義されるとおりであることを特徴とする、請求項35から37のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物の結晶化を阻害するためのプロセスまたは方法に関し、これにより、前記組成物の流動点を低下させることが可能になり、5℃又はそれ未満で液体状態にすることが可能になる。
【0002】
「液体状態」とは,5℃又はそれ未満の温度で、1分未満で自重で流れ始める製造品を意味する。
【0003】
本発明は,より詳細には、前記方法から得られる混合物であって、少なくとも1種の脂肪酸エステルと,式C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含む溶媒システムとからなり、その流動点が5℃又はそれ未満であることを特徴とする混合物に関する。
【0004】
本発明はまた、前記方法から得られる混合物の、以下の特性:透明性、滑らかなシリコーンタイプの感触、軽くてべたつかない、無色、無臭を有する化粧品製剤としての使用に関する。
【0005】
本出願において、エステルとは、カルボン酸またはその誘導体とアルコールとの反応によって得られる化合物である。この化学反応では、酸のヒドロキシル基とアルコールのヒドロキシル基の間の反応中に水分子が失われる。
【0006】
より具体的には、脂肪酸エステルは、植物由来の脂肪酸とアルコールとの反応から得られるエステルである。
【0007】
本発明では「溶媒システム」という用語は、式C2n+2でn≦11のアルカンを少なくとも1種含む溶媒の組み合わせを意味する。この溶媒システムは、ドデカン、トリデカンなどのn>11のアルカン類も含むことができる。
【0008】
本発明による溶媒システムは懸濁液やエマルジョンではなく、単相である。
【0009】
一実施形態では、本発明による溶媒システムは、未溶解で固体状態のポリマーを含まない。
【0010】
一実施形態において、本発明による溶媒システムは、固体及び分割形態の酢酸ビニルポリマーを含まない。
【0011】
本出願において、「液体の流動点」という用語は、この温度未満では液体が流体としての性質を失う温度を意味する。言い換えれば、流体が自重で流動できる最低温度である。この温度未満では、液体は結晶化して結晶格子を形成する。
【0012】
本出願において、この物理的特性はフランス標準 NF T60-105に従って測定される。
【0013】
また、国際標準 ISO 3016またはASTM D97に従って測定することもできる。
【0014】
本出願において、「曇点」とは、この温度以上では透明度の変化が現れる温度を意味すると理解される。この現象は、第一の結晶、ひいては第一の固体粒子の出現を示す。この曇点はEN ISO 3015標準に従って測定することができる。
【0015】
曇点は、肉眼による目視観察、動的光散乱法、あるいは分光法などの光学的方法で液体の濁度を測定することによっても決定できる。
【0016】
本発明において、「結晶化」とは、原子または分子を、それらのエネルギー状態を最小にするために、硬くて規則正しい結晶格子を形成するように配列することからなるプロセスを意味する。単位格子と呼ばれる結晶格子の最小の構成要素は、原子や分子を受け入れて巨視的な結晶を形成することができる。結晶化の過程で、原子や分子は決められた角度で結合し、滑らかな表面とファセットを持つ特徴的な結晶の形を形成する。
【0017】
結晶化は自然界でも起こりうるが、産業界でも製薬・化学分野の分離・精製工程として広く利用されている。
【0018】
しかしながら、化粧品のような化学工業のある分野では、低温で結晶化する製品を使用している。この現象は「製品の凝固」と呼ばれる。凝固は、取り扱い、移送、反応器への装填に困難をもたらす。
【0019】
この現象を避けるために、結晶化を阻害する方法を用いることが可能である。
【0020】
「結晶化を阻害する方法」とは、機械的または化学的作用により、製品の結晶化を阻害する方法を意味すると理解される。より正確には、結果、結晶の形成を中断することである。
【0021】
EP2736349A1において、パーム油トリグリセリドの結晶化を阻害する方法は、乳酸化ステアリルナトリウムや乳酸化パルミトイルナトリウムのような乳酸エステルを添加することによって実施されている。
【0022】
US9271512において、ポリグリセリルエステルを添加することにより脂肪酸結晶を阻害する方法を実施している。
【0023】
同様に特開2012-097154Aにおいては、ポリグリセリル脂肪酸エステル類がパーム油を含む植物油の結晶化を防止している。
【0024】
特許出願FR3073411A1は、油相、親油性ポリマー及び揮発性炭化水素油を含む局所適用のための組成物を開示している。この出願は、温度が5℃未満である場合の組成物の結晶化の阻害も、流動点の低下も開示も示唆もしていない。対照的に、増粘効果を得るために油相を構造化するポリマーの使用を示唆している。一例では、特に、前記ポリマーだけでなくステアリン酸ミリスチル及びパルミチン酸ミリスチルの混合物、ウンデカン/トリデカン混合物を含むシャンプー後のヘアマスクが開示されている。コンディショナーヘアマスクの流動点は測定されておらず、挙げられた特徴ではない。
【0025】
同様に、特許出願ES2608641は、例えばステアリン酸エチルヘキシル及びウンデカンとトリデカンの混合物を含む化粧用クリームを開示している。化粧品クリームの流動点は測定されておらず、挙げられた特徴ではない。
【0026】
出願CN104696707Aは、不活性流体、分散剤、及び流動点降下剤としてのポリマー粉末を含有する、パイプラインでの原油輸送のためのエネルギー消費及びコストを低減するための石油製品用の流動点降下剤を開示している。原油は脂肪酸エステルを含まないため、この文献は、最も近い先行技術及び/または有望な出発点を示すものとは考えられない。
【0027】
一方、同特許出願CN104696707Aの特定の実施形態では、石油製品用の流動点降下剤は、ポリマーを湿潤または懸濁させることを目的とする安定剤をさらに含むことができる。安定剤としては、特にリストの中から、n-ヘプタンまたはn-ヘキサンが挙げられる。しかし、この特性は溶媒システムではなく懸濁ポリマーによってもたらされるため、流動点を下げるために原油に安定剤を独立して添加する実施形態や動機付けとなるものはない。
【0028】
これらの従来技術の解決策は、化粧品、食品、またはバイオディーゼルの分野における用途のための植物油結晶の阻害のための解決策を記載している。しかしながら、これらの先行技術文献には、脂肪酸エステル類の低温での結晶化の阻害については開示されていない。
【0029】
驚くべきことに、出願人は、溶媒システムの添加により脂肪酸エステルの流動点を低下させることによって結晶化を阻害する方法の開発に成功した。この方法を実施することによって得られる混合物は、化粧品業界の要件を満たすものである。さらに、この方法の実施によって得られる混合物は、透明で、滑らかなシリコーンタイプの感触を有し、軽くてベタつかず、無色で無臭であるという興味深い物理化学的特性を有する。
【0030】
したがって、本発明の意味の範囲内では、本発明によるエステル/アルカン混合物は、脂肪酸エステルの流動点よりも低い流動点を有することが理解される。
【0031】
本発明は、5℃又はそれ未満の温度での組成物の結晶化を阻害する方法であり、少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする:
a)標準 NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物を準備する工程と、
b)前記組成物に、少なくとも1種の化学式C2n+2(n≦11)のアルカンを含む溶媒システムを添加する工程と、
c)標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が5℃又はそれ未満であるエステル/アルカン混合物を得る工程。
【0032】
したがって、本発明による方法の目的は、組成物の温度が5℃又はそれ未満の場合に、組成物の結晶化を阻害することである。
【0033】
本発明はまた、
a.標準 NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物と、
b.少なくとも1種の化学式C2n+2(n≦11)のアルカンを含む溶媒システムとを含み、
標準 NF T60-105に従って測定した流動点が5℃又はそれ未満であることを特徴とするエステル/アルカン混合物にも関する。
【0034】
本発明はまた、
a.標準NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルからなる組成物と、
b.式C2n+2(n≦11)のアルカンを少なくとも1つ含む溶媒システムとを含み、
標準 NF T60-105に従って測定した前記エステル/アルカン混合物の流動点が5℃又はそれ未満であることを特徴とするエステル/アルカン混合物に関する。
【0035】
本発明はまた、
a.標準 NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルからなる組成物と、
b.式C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含む溶媒システムとを含み、
標準 NF T60-105に従って測定した前記エステル/アルカン混合物の流動点が5℃以下であることを特徴とする、エステル/アルカン混合物にも関する。
【0036】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物が少なくとも2種の脂肪酸エステル類を含むことを特徴とする。
【0037】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物が少なくとも3種の脂肪酸エステル類を含むことを特徴とする。
【0038】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物が少なくとも4種の脂肪酸エステル類を含むことを特徴とする。
【0039】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが植物由来であることを特徴とする。
【0040】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが合成品由来であることを特徴とする。
【0041】
一実施形態において、少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物は、脂肪酸エステル類を主成分とする。
【0042】
一実施形態において、少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物は、前記組成物の総重量に対して少なくとも50重量%(w/w)の脂肪酸エステル類を含む。
【0043】
一実施形態において、少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物は、前記組成物の総重量に対して少なくとも70重量%(w/w)の脂肪酸エステル類を含む。
【0044】
一実施形態において、少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物は、前記組成物の総重量に対して少なくとも90重量%(w/w)の脂肪酸エステル類を含む。
【0045】
一実施形態では、少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物は、前記組成物の総重量に対して少なくとも95重量%(w/w)の脂肪酸エステル類を含む。
【0046】
上記で定義した組成物の結晶化を阻害する方法は、以下の工程を含む。
【0047】
標準 NFT T60-105にしたがって測定した流動点が25℃又はそれ未満である組成物を準備する工程a)。
【0048】
この工程は、一般に40℃又はそれ未満の温度、より詳細には25℃又はそれ未満の温度で実行される。
【0049】
しかしながら、一実施形態によれば、この方法は、方法が実施されるときに組成物が固体状態ではなく液体状態になるように、加熱工程を必要とする。
【0050】
この加熱工程は、一般に、40℃以上150℃以下で、より詳細には50℃以上100℃以下で実施される。
【0051】
この加熱工程は、1時間、3時間、あるいは6時間実施される。
【0052】
少なくとも1種の式 C2n+2(n≦11)のアルカンを含む溶媒システムが前記組成物に添加される工程b)。
【0053】
この添加工程は、一般に、10℃以上45℃以下の温度、より詳細にはより詳細には20℃以上40℃以下で実施される。
【0054】
標準 NF T60-105に従って測定した流動点が5℃又はそれ未満であるエステル/アルカン混合物を得る工程c)。
【0055】
なお、工程b)とc)との間に均質化工程を実施できることである。この工程の目的は、より良好な操作条件下で得られるエステル/アルカン混合物の特性を測定するために、均一な混合物を得ることである。
【0056】
この均質化工程は、一般に、15℃以上60℃以下で、より詳細には20℃以上40℃以下で実施される。
【0057】
この均質化工程は、1時間、3時間、あるいは6時間実施される。
【0058】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが式(I)のエステル類からなる群から選択されることを特徴とする。
【化1】
式(I)において、Rは、m個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは7から32の範囲から選択される整数を表し、
R'は、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは、2から32の範囲から選択される整数を表し、
+m>15である。
【0059】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが式(I)のエステル類からなる群から選択されることを特徴とする。
【化1】
式(I)において、Rは、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは7から24の範囲から選択される整数を表し、
R'は、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは、2から24の範囲から選択される整数を表し、
+m>15である。
【0060】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが式(I)のエステル類からなる群から選択されることを特徴とする。
【化1】
式(I)において、Rは、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基及びアルケニル基からなる群から選択され、mは7から15の範囲から選択される整数を表し、
R'は、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは、2から15の範囲から選択される整数であり、
+m>15である。
【0061】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが式(II)のエステル類からなる群から選択されることを特徴とする。
【化2】
式(II)において、R'は、m個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは2から32の範囲から選択される整数である。
【0062】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル (CAS 95912-86-0)、ミリスチン酸エチル(CAS 124-06-1)、ペンタデカン酸エステル (41114-00-5)、パルミチン酸エチル (CAS 628-97-7)、ヘプタデカン酸エチル (CAS 14010-23-2)、ステアリン酸エチル (CAS 111-61-5)、オレインチル酸エチル (CAS 111-62-6)、ミリスチン酸プロピル (CAS 14303-70-9)、パルミチン酸プロピル (CAS 2239-78-3)、ステアリン酸プロピル (CAS 3634-92-2)、ステアリン酸ブチル (CAS 123-95-5)、ラウリン酸ラウリル (13945-76-1)、パルミチン酸エチルヘキシル (CAS 29806-73-3)、パルミチン酸イソプロピル (CAS 142-91-6)、ミリスチン酸2-オクチルドデシル (CAS 69275-03-2)ミリスチン酸イソプロビル (CAS 110-27-0)、ステアリン酸2-エチルヘキシル (CAS 22047-49-0)、乳酸イソステアリル (CAS 42131-28-2)、及び乳酸ミリスチル (CAS 1323-03-1)を含む群から選択されることを特徴とする。
【0063】
本発明の目的上、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルは、CAS番号95912-86-0で特定されるため、混合物ではなく生成されると想定される。
【0064】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルであることを特徴とする。
【0065】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが乳酸ミリスチルであることを特徴とする。
【0066】
一実施形態において、本発明による方法は、少なくとも1種の脂肪酸エステルがミリスチン酸イソプロピルであることを特徴とする。
【0067】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルがステアリン酸2-エチルヘキシルであることを特徴とする。
【0068】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルがステアリン酸エチル及びオレイン酸エチルであることを特徴とする。
【0069】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物が(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを含むことを特徴とする。
【0070】
一実施形態において、本発明による方法は、組成物が乳酸ミリスチルを含むことを特徴とする。
【0071】
一実施形態において、本発明による方法は、組成物がミリスチン酸イソプロピルを含むことを特徴とする。
【0072】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物がステアリン酸2-エチルヘキシルを含むことを特徴とする。
【0073】
一実施形態において、本発明による方法は、組成物がステアリン酸エチル及びオレイン酸エチルを含むことを特徴とする。
【0074】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが600g/mol以下の分子量を有することを特徴とする。
【0075】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが500g/mol以下の分子量を有することを特徴とする。
【0076】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、少なくとも1種の脂肪酸エステルが400g/mol以下の分子量を有することを特徴とする。
【0077】
本発明の目的上、組成物の流動点は、エステルの流動点またはエステル類の混合物の流動点である。
【0078】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、25℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0079】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、20℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0080】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、15℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0081】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、10℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0082】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、5℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0083】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、5℃と25℃との間であることを特徴とする。
【0084】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、5℃と20℃との間であることを特徴とする。
【0085】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、5℃と15℃との間であることを特徴とする。
【0086】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、5℃と10℃との間であることを特徴とする。
【0087】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 NF T60-105にしたがって測定した流動点が、5℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0088】
本発明の目的上、組成物の曇点は、エステルの曇点またはエステル類の混合物の曇点である。
【0089】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 EN ISO 3015にしたがって測定された曇点が、15℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0090】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、組成物の標準 EN ISO 3015にしたがって測定された曇点が、10℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0091】
本出願において、「アルカン」とは、一般式がC2n+2である、一重の共有結合によって連結された炭素原子及び水素原子のみからなる飽和炭化水素であり、各炭素原子が2個以下の炭素原子と結合している場合は「直鎖アルカン」と呼ばれ、特定の炭素原子が3個または4個の炭素原子と結合している場合は「分岐鎖アルカン」と呼ばれる。
【0092】
本出願において、「バイオアルカン」は、生物由来のアルカンである。
【0093】
本出願において、標準 ASTM D6866、EN 16640、又はEN 16785-1のいずれかによる放射性炭素分析に基づいて植物由来である有機炭素が存在する化合物または有機組成物は「生物由来」であるとみなされる。
【0094】
一実施形態において、本発明による方法は、溶媒システムが式C2n+2(n>14)の直鎖アルカンを含まないことを特徴とする。
【0095】
一実施形態において、本発明による方法又はエステル/アルカン混合物は、式 C2n+2(n≦11)のアルカンが、単独で又は混合物として、11個以下の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖アルカン類を含む群から選択されることを特徴とする。
【0096】
一実施形態において、本発明による方法又はエステル/アルカン混合物は、式 C2n+2(n≦11)のアルカンが、単独で又は混合物として、11個以下の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする。
【0097】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 CH2n+2(n≦11)のアルカンが炭素数が偶数のアルカンであることを特徴とする。
【0098】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2n+2(n≦11)のアルカンが炭素数が奇数のアルカンであることを特徴とする。
【0099】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2n+2(n≦11)のアルカンがウンデカン (CAS 1120-21-4)、2-メチルデカン (CAS 6975-98-0)、4-メチルデカン (CAS 2847-72-5)、3-メチルデカン (13141-34-3)、5-メチルデカン (CAS 13151-35-4)、2,6-ジメチルノナン(CAS 17302-28-2)、3,7-ジメチルノナン (CAS 17302-32-8)、4,5-ジメチルノナン (CAS 17302-23-7)、2,3-ジメチルノナン (CAS 2884-06-2)、2,4,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-37-9)、2,5,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-14-2)、デカン (CAS 124-18-5)、2-メチルノナン (CAS 871-83-0)、4-メチルノナン (CAS 17301-94-9)、3-メチルノナン (CAS 5911-04-6)、3-エチルオクタン (CAS 5881-17-4)、2,2-ジメチルオクタン (CAS 15869-87-1)、2,3-ジメチルオクタン (CAS 7146-60-3)、2,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-89-3)、3,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-93-9)、4-プロピルヘプタン (CAS 3178-29-8)、3-エチル-2-メチルヘプタン (CAS 14676-29-0)、2,2,3-トリメチルヘプタン (CAS 52896-92-1)、2,3,5-トリメチルヘプタン (CAS 20278-85-7)、2,3,6-トリメチルヘプタン (CAS 4032-93-3)、3,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 20278-87-9)、2,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 52896-95-4)、2,2,4-トリメチルヘプタン (CAS 14720-74-2)、3,3-ジエチルヘキサン (CAS 17302-02-2)、2,2,3,3-テトラメチルヘキサン (CAS 13475-81-5)、3-エチル-2,2,3-トリメチルペンタン (CAS 52897-17-3)、ノナン (111-84-2)、2-メチルオクタン (3221-61-2)、3-メチルオクタン (CAS 2216-33-3)、4-メチルオクタン (CAS 2216-34-4)、2,4-ジメチルヘプタン (CAS 2213-23-2)、2,6-ジメチルヘプタン (CAS 1072-05-5)、2,3-ジメチルヘプタン (CAS 3074-71-3)、2,5-ジメチルヘプタン (CAS 2216-30-0)、2,2-ジメチルヘプタン (CAS 1071-26-7)、2,2,5-トリメチルヘキサン (CAS 352294-9)、2,3,5-トリメチルヘキサン (CAS 1069-53-0)、2,2,4-トリメチルヘキサン (CAS 167476-26-5)、2,3,4-トリメチルヘキサン (CAS 921-47-1)、3-エチルヘプタン (CAS 15869-80-4)、4-エチルヘプタン(CAS 2216-32-2)、n-オクタン (CAS 111-65-9)、2,2,4-トリメチルヘプタン (CAS 592-27-8)、3-メチルヘプタン (CAS 589-81-1)、2-メチルヘプタン (CAS 592-27-8)、2,3,4-トリメチルペンタン (CAS 565-75-3)、2,4-ジメチルヘキサン (CAS 589-43-5)、2,5-ジメチルヘキサン (CAS 592-13-2)、3,4-ジメチルヘキサン (CAS 583-48-2)、3-エチルヘキサン (CAS 619-99-8)、4-メチルヘプタン (CAS 589-53-7)、及びそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする。
【0100】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式C2n+2(n≦11)のアルカンが直鎖状であることを特徴とする。
【0101】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式C2n+2(n≦11)のアルカンがウンデカンであることを特徴とする。
【0102】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式C2n+2(n≦11)のアルカンがデカンであることを特徴とする。
【0103】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式CH2n+2(n≦11)のアルカンがノナンであることを特徴とする。
【0104】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式C2n+2(n≦11)のアルカンがオクタンであることを特徴とする。
【0105】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式C2n+2(n≦11)のアルカンが分岐していることを特徴とする。
【0106】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムが、デカン (CAS 124-18-5)、2-メチルノナン (CAS 871-83-0)、4-メチルノナン (CAS 17301-94-9)、3-メチルノナン (CAS 5911-04-6)、3-エチルオクタン (CAS 5881-17-4)、2,2-ジメチルオクタン (CAS 15869-87-1)、2,3-ジメチルオクタン (CAS 7146-60-3)、2,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-89-3)、3,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-93-9)、4-プロピルヘプタン (CAS 3178-29-8)、3-エチル-2-メチルヘプタン (CAS 14676-29-0)、2,2,3-トリメチルヘプタン (CAS 52896-92-1)、2,3,5-トリメチルヘプタン (CAS 20278-85-7)、2,3,6-トリメチルヘプタン (CAS 4032-93-3)、3,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 20278-87-9)、2,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 52896-95-4)、2,2,4-トリメチルヘプタン (CAS 14720-74-2)3,3-ジエチルヘキサン (CAS 17302-02-2)、2,2,3,3-テトラメチルヘキサン (CAS 13475-81-5)、3-エチル-2,2,3-トリメチルペンタン (CAS 52897-17-3)、ノナン (111-84-2) 、2-メチルオクタン (3221-61-2)、3-メチルオクタン(CAS 2216-33-3) 、4-メチルオクタン (CAS 2216-33-4)、2,4-ジメチルヘプタン (CAS 2213-23-2)、2,6-ジメチルヘプタン (CAS 1072-05-5)、2,3-ジメチルヘプタン (CAS 3074-71-3)、2,5-ジメチルヘプタン (CAS 2216-30-0)、2,2-ジメチルヘプタン(CAS 1071-26-7)、2,2,5-トリメチルヘキサン (CAS 3522-94-9)、2,3,5-トリメチルヘキサン (CAS 1069-53-0)、2,2,4-トリメチルヘキサン (CAS 167476-26-5)、2,3,4-トリメチルヘキサン (CAS 921-47-1)、3-エチルヘプタン (CAS 15869-80-4)、4-エチルヘプタン (CAS 2216-32-2)、n-オクタン(CAS 111-65-9)、2,2,4-トリメチルヘプタン (CAS 14720-74-2)、3-メチルヘプタン (CAS 589-81-1)、2-メチルヘプタン(CAS 592-27-8)、2,3,4-トリメチルペンタン (CAS 565-75-3)、2,4-ジメチルヘキサン (CAS 589-43-5)、2,5-ジメチルヘキサン (CAS 592-13-2)、3,4-ジメチルヘキサン (CAS 583-48-2)、3-エチルヘキサン (CAS 619-99-8)、4-メチルヘプタン (CAS 589-53-7)、及びそれらの混合物を含む群から選択される、式 C2n+2(n≦10)のアルカンを含むことを特徴とする。
【0107】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムが、式 C2(n1)+2(10≦n1≦14)の少なくとも1種のアルカンをさらに含むことを特徴とする。
【0108】
本発明はまた、以下からなるエステル/アルカン混合物にも関する:
a.標準 NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステル、
b.式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンと、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)の少なくとも1種のアルカンからなる溶媒システム、
標準 NF T60-105に従って測定した前記エステル/アルカン混合物の流動点が5℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0109】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカンが、単独でまたは混合物として、10から14個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖アルカン類を含む群から選択されることを特徴とする。
【0110】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2n1+2(10≦n1≦14)のアルカンが直鎖状のアルカンであることを特徴とする。
【0111】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカンが、単独で又は混合物として、10から14個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする。
【0112】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2n1+2(10≦n1≦14)のアルカンが直鎖状バイオアルカンであることを特徴とする。
【0113】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12n1+2のアルカン(10≦n1≦14)が、炭素数が偶数であるアルカンであることを特徴とする。
【0114】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12n1+2のアルカン(10≦n1≦14)が、炭素数が奇数であるアルカンであることを特徴とする。
【0115】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンがデカンであることを特徴とする。
【0116】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンがウンデカンであることを特徴とする。
【0117】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンがドデカンであることを特徴とする。
【0118】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンがトリデカンであることを特徴とする。
【0119】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンがテトラデカンであることを特徴とする。
【0120】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンがデカン及びドデカンであることを特徴とする。
【0121】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンが、10個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0122】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、10個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする: 2-メチルノナン (CAS 871-83-0)、4-メチルノナン (CAS 17301-94-9)、3-メチルノナン (CAS 5911-04-6)、3-エチルオクタン (CAS 5881-17-4)、2,2-ジメチルオクタン (CAS 15869-87-1)、2,3-ジメチルオクタン (CAS 7146-60-3)、2,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-89-3)、3,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-93-9)、4-プロピルヘプタン (CAS 3178-29-8)、3-エチル-2-メチルヘプタン (CAS 14676-29-0)、2,2,3-トリメチルヘプタン (CAS 52896-92-1)、2,3,5-トリメチルヘプタン (CAS 20278-85-7)、2,3,6-トリメチルヘプタン (CAS 4032-93-3)、3,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 20278-87-9)、2,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 52896-95-4)、2,2,4-トリメチルヘプタン (CAS: 14720-74-2)、3,3-ジエチルヘキサン (CAS 17302-02-2)、2,2,3,3-テトラメチルヘキサン (CAS 13475-81-5)、3-エチル-2,2,3-トリメチルペンタン (CAS 52897-17-3)、及びこれらの混合物。
【0123】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンが、11個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0124】
一実施形態において、本発明による方法は、11個の炭素原子を有する分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする: 2-メチルデカン (CAS 6975-98-0)、4-メチルデカン (CAS 2847-72-5)、3-メチルデカン (CAS 13141-34-3)、5-メチルデカン (CAS 13151-35-4)、2,6-ジメチルノナン (CAS 17302-28-2)、3,7-ジメチルノナン (CAS 17302-32-8)、3,4-ジメチルノナン (CAS 17302-22-6)4,5-ジメチルノナン (CAS 17302-23-7)、4,6-ジメチルノナン (CAS 17302-26-0)、3,5 ジメチルノナン (CAS 17302-25-9)、2,3-ジメチルノナン (CAS 2884-06-2)、2,7-ジメチルノナン (CAS 17302-29-3)、2,4,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-37-9)、2,5,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-14-2)、2,3,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-33-5)、2,4,7-トリメチルオクタン (CAS 62016-38-0)、5-エチルノナン (CAS 17302-12-4)、及びこれらの混合物。
【0125】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンが、12個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0126】
一実施形態において、本発明による方法は、12個の炭素原子を有する分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする: 2-メチルウンデカン (CAS 7045-71-8)、3-メチルウンデカン (CAS 1002-43-3)、4-メチルウンデカン (CAS 2980-69-0)、5-メチルウンデカン (CAS 1632-70-8)、6-メチルウンデカン (CAS 17302-33-9)、2,4-ジメチルデカン (CAS 2801-84-5)4,4-ジメチルデカン (CAS 17312-39-9)、3,5-ジメチルデカン (CAS 17312-48-0)、2,5-ジメチルデカン (CAS 17312-50-4)、2,3-ジメチルデカン (CAS 17312-44-6)、3,3-ジメチルデカン (CAS 17302-38-4)、3,7-ジメチルデカン (CAS 17312-54-8)、3,4,6-トリメチルノナン (CAS 62184-24-1)、3,5,6-トリメチルノナン (CAS 62184-26-3)、3,5,7-トリメチルノナン (CAS 62184-27-4)、2,5,7-トリメチルノナン (CAS 62184-14-9)、2,5,6-トリメチルノナン (CAS 62184-13-8)、2,5,7-トリメチルノナン (CAS 62184-14-9)、2,5,8-トリメチルノナン (CAS 49557-09-7)、3,3,4,5-テトラメチルオクタン (CAS 62185-21-1)、2,3,4,5-テトラメチルオクタン (CAS 62199-27-3)、2,2,4,5-テトラメチルオクタン (CAS 62183-80-6)、2,2,5,7-テトラメチルオクタン (CAS 62199-19-3)、2,3,4,7-テトラメチルオクタン (CAS 62199-29-5)、2,4,4,7-テトラメチルオクタン (CAS 35866-96-7)、3-エチル-4-メチルノナン (CAS 62184-45-6)、3-エチル-4,5-ジメチルオクタン (CAS 62183-72-6)、2,5-ジメチル-6-エチルオクタン (CAS 62183-50-0)、及びこれらの混合物。
【0127】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンが、13個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0128】
一実施形態において、本発明による方法は、13個の炭素原子を有する分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする。: 2,6-ジメチルウンデカン (CAS 17301-23-4)、2-メチルドデカン (CAS 1560-97-0)、4-メチルドデカン (CAS 6117-97-1)、4,7-ジメチルウンデカン (CAS 17301-32-5)、3-メチルドデカン (CAS 17312-57-1)、3,8ジメチルウンデカン (CAS 17301-30-3)、2,4,6-トリメチルデカン (CAS 62108-27-4)、2,4-ジメチルウンデカン (CAS 17312-80-0)、6-エチル-2-メチルデカン (CAS 62108-21-8)、3,6-ジメチルウンデカン (CAS 17301-28-9)、2,6,7-トリメチルデカン (CAS 62108-25-2)、5-メチルドデカン (CAS 17453-93-9)、2,5-ジメチルウンデカン (CAS 17301 -22-3)、2,3,7-トリメチルデカン (CAS 62238-13-5)、3,7-ジメチルウンデカン (CAS 17301-29-0)、2,5,9-トリメチルデカン (CAS 62108-22-9)、4,8-ジメチルウンデカン (CAS 17301-33-6)、6-メチルドデカン (CAS 6044-71-9)、4,6-ジメチルウンデカン (CAS 17312-82-2)、2,3,5-トリメチルデカン (CAS 62238-11-3)、2,5,6-トリメチルデカン (CAS 62108-23-0)、2,8-ジメチルウンデカン (CAS 17301-25-6)、2,3-ジメチルウンデカン (CAS 17312-77-5)、及び2,6,8-トリメチルデカン (CAS 62108-26-3)。
【0129】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンが、14個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0130】
一実施形態において、本発明による方法は、14個の炭素原子を有する分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする。: 2-メチルトリデカン (CAS 1560-96-9)、3-メチルトリデカン (CAS 6418-41-3)、4-メチルトリデカン (CAS 26730-12-1)、5-メチルトリデカン (CAS 25117-31-1)、6-メチルトリデカン (CAS 13287-21-3)、7-メチルトリデカン (CAS 26730-14-3)2,4-ジメチルドデカン (CAS 6117-99-3)、2,6-ジメチルデカン (CAS 17312-39-9)、3,5-ジメチルドデカン (CAS 107770-99-0)、2,5-ジメチルドデカン (CAS 61102-34-9)、2,3-ジメチルドデカン (CAS 6117-98-2)、2,2-ジメチルドデカン (CAS 49598-54-1)、6,7-ジメチルドデカン (CAS 20904-59-0)、2,6,10-トリメチルウンデカン (CAS 6864-53-5)、4,6,8-トリメチルウンデカン (CAS 59952-96-4)2,3,5,8-テトラメチルデカン (CAS 192823-15-7)、5,6-ジエチルデカン (CAS 20904-62-5)、3,8-ジエチルデカン (CAS 6224-52-8)、4-エチルドデカン (CAS 102636-07-7)、6-プロピルウンデカン (CAS 959262-45-4)、及びこれらの混合物。
【0131】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンが1種のアルカンであることを特徴とする。
【0132】
本発明はまた、以下からなるエステル/アルカン混合物にも関する:
a. 標準NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステル、
b. 式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンと、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)の少なくとも1種のアルカンからなる溶媒システム、
標準NF T60-105に従って測定した前記エステル/アルカン混合物の流動点が5℃又はそれ未満であることを特徴とする。
【0133】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンが、単独で又は混合物として、10から13個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする。
【0134】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 C2(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンがデカンであることを特徴とする。
【0135】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンがウンデカンであることを特徴とする。
【0136】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンがドデカンであることを特徴とする。
【0137】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンがトリデカンであることを特徴とする。
【0138】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムが式 C2(n2)+2(10≦n2≦12)の少なくとも1種のアルカンをさらに含むことを特徴とする。
【0139】
本発明はまた、以下からなるエステル/アルカン混合物に関する:
c. 標準NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステル、
d. 式C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカン、及び式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)の少なくとも1種のアルカンからなる溶媒システム。
【0140】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンが、単独で又は混合物として、10から12個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖アルカン類を含む群から選択されることを特徴とする。
【0141】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンが、偶数の炭素数を有するアルカンであることを特徴とする。
【0142】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンが、奇数の炭素数を有するアルカンであることを特徴とする。
【0143】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12である)のアルカンが、単独で又は混合物として、10から12個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択されることを特徴とする。
【0144】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンがデカンであることを特徴とする。
【0145】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(ここで、10≦n2≦12)のアルカンがウンデカンであることを特徴とする。
【0146】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンがドデカンであることを特徴とする。
【0147】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンがデカン及びドデカンであることを特徴とする。
【0148】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2のアルカン(ここで、10≦n2≦12である)が、10個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0149】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、10個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする。:2-メチルノナン (CAS 871-83-0)、4-メチルノナン (CAS 17301-94-9)、3-メチルノナン (CAS 5911-04-6)、3-エチルオクタン (CAS 5881-17-4)、2,2-ジメチルオクタン (CAS 15869-87-1)、2,3-ジメチルオクタン (CAS 7146-60-3)、2,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-89-3)、3,5-ジメチルオクタン (CAS 15869-93-9)、4-プロピルヘプタン (CAS 3178-29-8)、3-エチル-2-メチルヘプタン (CAS 14676-29-0)、2,2,3-トリメチルヘプタン (CAS 52896-92-1)、2,3,5-トリメチルヘプタン (CAS 20278-85 -7)、2,3,6-トリメチルヘプタン (CAS 4032-93-3)、3,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 20278-87-9)、2,3,4-トリメチルヘプタン (CAS 52896-95-4)、2,2,4-トリメチルヘプタン (CAS 14720-74-2)3,3-ジエチルヘキサン (CAS 17302-02-2)、2,2,3,3-テトラメチルヘキサン (CAS 13475-81-5)、3-エチル-2,2,3-トリメチルペンタン (CAS 52897-17-3)、及びこれらの混合物。
【0150】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンが、11個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0151】
一実施形態において、本発明による方法は、11個の炭素原子を有する分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする。:2-メチルデカン (CAS 6975-98-0)、4-メチルデカン (CAS 2847-72-5)、3-メチルデカン (13141-34-3)、5-メチルデカン (CAS 13151-35-4)、2,6-ジメチルノナン (CAS 17302-28-2)、3,7-ジメチルノナン (CAS 17302-32-8),3,4-ジメチルノナン (CAS 17302-22-6)4,5-ジメチルノナン (CAS 17302-23-7)、4,6-ジメチルノナン (CAS 17302-26-0)、3,5-ジメチルノナン (CAS 17302 25-9)、2,3-ジメチルノナン (CAS 2884-06-2)、2,7-ジメチルノナン (CAS 17302-29-3)、2,4,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-37-9)、2,5,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-14-2)、2,3,6-トリメチルオクタン (CAS 62016-33-5)、2,4,7-トリメチルオクタン (CAS 62016-38-0)、5-エチルノナン(CAS 17302-12-4)、及びこれらの混合物。
【0152】
一実施において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンが、12個の炭素原子を含む分岐鎖アルカンであることを特徴とする。
【0153】
一実施形態において、本発明による方法は、12個の炭素原子を有する分岐鎖アルカンが、以下を含む群から選択されることを特徴とする:2-メチルウンデカン (CAS 7045-71-8)、3-メチルウンデカン (CAS 1002-43-3)、4-メチルウンデカン (CAS 2980-69-0)、5-メチルウンデカン (CAS 1632-70-8)、6-メチルウンデカン (CAS 17302-33-9)、2,4-ジメチルデカン (CAS 2801-84-5)4.4-ジメチルデカン (CAS 17312-39-9)、3,5-ジメチルデカン (17312-48-0),2,5-ジメチルデカン (CAS 17312-50-4),2,3-ジメチルデカン (17312-44-6),3,3-ジメチルデカン (17302-38-4),3,7-ジメチルデカン (CAS 17312-54-8)、3,4,6-トリメチルノナン (CAS 62184-24-1)3,5、6-トリメチルノナン (CAS 62184-26-3)、3,5,7-トリメチルノナン (CAS 62184-27-4)、2,5,7-トリメチルノナン (CAS 62184-14-9)、2,5,6-トリメチルノナン (CAS 62184-13-8)、2,5,7-トリメチルノナン (CAS 62184-14-9)、2,5,8-トリメチルノナン(CAS 49557-09-7)、3,3,4,5-テトラメチルオクタン (CAS 62185-21-1)、2,3,4,5-テトラメチルオクタン (CAS 62199-27-3)、2,2,4,5-テトラメチルオクタン (CAS 62183-80-6)、2,2,5,7-テトラメチルオクタン (CAS 62199-19-3)、2,3,4,7-テトラメチルオクタン (CAS 62199-29-5)、2,4,4,7-テトラメチルオクタン(CAS 35866-96-7)、3-エチル-4-メチルノナン (CAS 62184-45-6)、3-エチル-4,5-ジメチルオクタン (CAS 62183-72-6)、2,5-ジメチル-6-エチルオクタン (CAS 62183-50-0)、及びこれらの混合物。
【0154】
本出願において、「重量百分率(重量パーセント)」とは、化合物の混合物または組成物の総体積に対する第1の化合物の体積の比であり、百分率で表される。
【0155】
一実施形態において、本発明による方法又はエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する式C2n+2(n≦11)のアルカン類の体積百分率が、少なくとも5%であることを特徴とする。
【0156】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する式C2n+2(n≦11)のアルカン類の体積百分率が、少なくとも15%であることを特徴とする。
【0157】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する式C2n+2、(n≦11)のアルカン類の体積百分率が、5%と70%の間であることを特徴とする。
【0158】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する式C2n+2(n≦11)のアルカン類の体積百分率が、5%と50%の間であることを特徴とする。
【0159】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する式C2n+2(n≦11)のアルカン類の体積百分率が、5%と30%の間であることを特徴とする。
【0160】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する9個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、少なくとも5%であることを特徴とする。
【0161】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する9個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、少なくとも15%であることを特徴とする。
【0162】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する9個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、1%と50%の間であることを特徴とする。
【0163】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する9個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、1%と30%の間であることを特徴とする。
【0164】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する9個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、少なくとも5%であることを特徴とする。
【0165】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する9個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、少なくとも15%であることを特徴とする。
【0166】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する10個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、1%と50%の間であることを特徴とする。
【0167】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する10個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、1%と30%の間であることを特徴とする。
【0168】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する炭素原子11個を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、少なくとも5%であることを特徴とする。
【0169】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する炭素原子11個を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、少なくとも15%であることを特徴とする。
【0170】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する炭素原子11個を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、1%と50%の間であることを特徴とする。
【0171】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する炭素原子11個を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、1%と30%の間であることを特徴とする。
【0172】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するノナンの体積百分率が少なくとも5%であることを特徴とする。
【0173】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するノナンの体積百分率が少なくとも10%であることを特徴とする。
【0174】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するノナンの体積百分率が5%と30%の間であることを特徴とする。
【0175】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するノナンの体積百分率が5%と15%の間であることを特徴とする。
【0176】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するデカンの体積百分率が少なくとも5%であることを特徴とする。
【0177】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するデカンの体積百分率が少なくとも15%であることを特徴とする。
【0178】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するデカンの体積百分率が5%と70%の間であることを特徴とする。
【0179】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するデカンの体積百分率が5%と50%の間であることを特徴とする。
【0180】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するデカンの体積百分率が5%と30%の間であることを特徴とする。
【0181】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するウンデカンの体積百分率が5%であることを特徴とする。
【0182】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するウンデカンの体積百分率が少なくとも15%であることを特徴とする。
【0183】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するウンデカンの体積百分率が5%と70%の間であることを特徴とする。
【0184】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するウンデカンの体積百分率が5%と50%の間であることを特徴とする。
【0185】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するウンデカンの体積百分率5%と30%の間であることを特徴とする。
【0186】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するドデカンの体積百分率が少なくとも40%であることを特徴とする。
【0187】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するドデカンの体積百分率が少なくとも50%であることを特徴とする。
【0188】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するドデカンの体積百分率が40%と95%の間であることを特徴とする。
【0189】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するドデカンの体積百分率が50%と85%の間であることを特徴とする。
【0190】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するトリデカンの体積百分率が少なくとも2%であることを特徴とする。
【0191】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するノナンの体積百分率が少なくとも5%であることを特徴とする。
【0192】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するトリデカンの体積百分率が2%と30%の間であることを特徴とする。
【0193】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するトリデカンの体積百分率が5%と15%の間であることを特徴とする。
【0194】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するテトラデカンの体積百分率が少なくとも2%であることを特徴とする。
【0195】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するテトラデカンの体積百分率が少なくとも5%であることを特徴とする。
【0196】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するテトラデカンの体積百分率が2%と30%の間であることを特徴とする。
【0197】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対するテトラデカンの体積百分率が5%と15%の間であることを特徴とする。
【0198】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する12個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が少なくとも10%であることを特徴とする。
【0199】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する12個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が少なくとも25%であることを特徴とする。
【0200】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する12個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が10%と50%の間であることを特徴とする。
【0201】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する12個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が10%と25%の間であることを特徴とする。
【0202】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する13個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が少なくとも2%であることを特徴とする。
【0203】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する13個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が少なくとも5%であることを特徴とする。
【0204】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する13個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が2%と30%の間であることを特徴とする。
【0205】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する13個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が5%と15%の間であることを特徴とする。
【0206】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する14個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が少なくとも2%であることを特徴とする。
【0207】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する14個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が少なくとも5%であることを特徴とする。
【0208】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する14個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が、2%と30%の間であることを特徴とする。
【0209】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、溶媒システムの総体積に対する14個の炭素原子を有する分岐鎖アルカン類の体積百分率が5%と15%の間であることを特徴とする。
【0210】
本出願において、「重量パーセント」とは、化合物の混合物または組成物の総質量に対する第1の化合物の質量の比であり、百分率で表される。
【0211】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物または本発明による方法の工程c)で得られる混合物は、比Y:
Y=(エステル(類)の質量パーセント)/(アルカン(類)の質量パーセント)
が少なくとも9/1であることを特徴とする。
【0212】
アルカン(類)の重量パーセントは、式 C2n+2(n≦11)のアルカン類、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカン類、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカン類、及び/又は式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカン類の累積重量パーセントを含む。
【0213】
一実施形態において、アルカン(類)の重量パーセントは、式 C2n+2(n≦11)のアルカン類、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカン類、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカン類、及び/又は式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカン類の累積重量パーセントからなる。
【0214】
エステル(類)の重量パーセントには、式(I)及び式(II)のエステル類の累積重量パーセントが含まれる。
【0215】
一実施形態において、エステル(類)の重量パーセントは、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル (CAS 95912-86-0)、ミリスチン酸エチル (CAS 124-06-1)、ペンタデカン酸エチル (41114-00-5)、パルミチン酸エチル (CAS 628-97-7)、ヘプタデカン酸エチル (CAS 14010-23-2)、ステアリン酸エチル (CAS 111-61-5)、オレイン酸エチル (CAS 111-62-6)、ミリスチン酸プロピル (CAS 14303-70-9)、パルミチン酸プロピル (CAS 2239-78-3)、ステアリン酸プロピル (CAS 3634-92-2)、ステアリン酸ブチル (CAS 123-95-5)、ラウリン酸ラウリル (13945-76-1)、パルミチン酸エチルヘキシル (CAS 29806-73-3)、パルミチン酸イソプロピル (CAS 142-91-6)、ミリスチン酸2-オクチルドデシル (CAS 69275 03-2)、ミリスチン酸イソプロピル (CAS 110-27-0)、ステアリン酸2-エチルヘキシル (CAS 22047-49-0)、乳酸イソステアリル (CAS 42131-28-2)、及び/又は乳酸ミリスチル (CAS 1323-03-1)の累積重量パーセントを含む。
【0216】
一実施形態において、エステル(類)の重量パーセントは、式Iのエステルと式IIのエステル類の累積重量パーセントからなる。
【0217】
一実施形態において、エステル(類)の重量パーセントは、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル (CAS 95912-86-0)、ミリスチン酸エチル (CAS 124-06-1)、 ペンタデカン酸エチル (41114-00-5)、パルミチン酸エチル (CAS 628-97 -7)、ヘプタデカン酸エチル (CAS 14010-23-2)、ステアリン酸エチル (CAS 111 61 5)、オレイン酸エチル (CAS 111-62-6)、ミリスチン酸プロピル (CAS 14303-70-9)、パルミチン酸プロピル(CAS 2239-78-3)、ステアリン酸プロピル (CAS 3634-92-2)、ステアリン酸ブチル (CAS 123-95-5)、ラウリル酸ラウリル (13945-76-1)、パルミチン酸エチルヘキシル (CAS 29806-73-3)、パルミチン酸イソプロピル (CAS 142-91-6)、ミリスチン酸2-オクチルドデシル (CAS 69275 03-2)、ミリスチン酸イソプロピル (CAS 110-27-0)、ステアリン酸2-エチルヘキシル (CAS 22047-49-0)、乳酸イソステアリル (CAS 42131-28-2)、及び乳酸ミリスチル (CAS 1323-03-1)の累積重量パーセントを含む。。
【0218】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが6/1以下であることを特徴とする。
【0219】
一実施形態では、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが5/1以下であることを特徴とする。
【0220】
一実施形態では、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが4/1以下であることを特徴とする。
【0221】
一実施形態では、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが3/1以下であることを特徴とする。
【0222】
一実施形態では、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが9/1から1/1の範囲であることを特徴とする。
【0223】
一実施形態では、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが9/1であることを特徴とする。
【0224】
一実施形態では、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが5/1であることを特徴とする。
【0225】
一実施形態では、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが3/1であることを特徴とする。
【0226】
一実施形態において、本発明による方法またはエステル/アルカン混合物は、比Yが2/1であることを特徴とする。
【0227】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物又は本発明による方法の工程c)において得られる混合物は、主に脂肪酸エステル類と、式 C2n+2(n≦1)のアルカン類、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカン類、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカン類、及び式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカン類を含む。
【0228】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物又は本発明による方法の工程c)で得られる混合物は、脂肪酸エステル類及び、式 C2n+2(n≦11)のアルカン類、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカン類、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカン類、式 Cn32(n3)+2(10≦n3≦13)のアルカン類を、混合物または製品の総重量に対して累積重量で少なくとも50%(w/w)含む。
【0229】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物又は本発明による方法の工程c)で得られる混合物は、脂肪酸エステル類及び、式 C2n+2(n≦11)のアルカン類、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカン類、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカン類、式 Cn32(n3)+2(10≦n3≦13)のアルカン類を、混合物または製品の総重量に対して累積重量で少なくとも70%(w/w)含む。
【0230】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物、又は本発明による方法の工程c)で得られる混合物は、脂肪酸エステル類及び、式 C2n+2(n≦11)のアルカン類、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカン類、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカン類、式 Cn32(n3)+2(10≦n3≦13)のアルカン類を、混合物又は製品の総重量に対して累積重量で少なくとも90%(w/w)含む。
【0231】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物、又は本発明による方法の工程c)で得られる混合物は、脂肪酸エステル類及び、式 C2n+2(n≦11)のアルカン類、式 Cn12n1+2(10≦n1≦14)のアルカン類、式 Cn22(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカン類、式 Cn32(n3)+2(10≦n3≦13)のアルカン類を、混合物または製品の総重量対して累積重量で少なくとも95%(w/w)含む。
【0232】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られる混合物が単相であることを特徴とする。
【0233】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られた混合物が、標準 NF T60-105に従って測定したとき、5℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0234】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られた混合物が、標準 NF T60-105に従って測定したとき、0℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0235】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られた混合物が、標準 NF T60-105に従って測定したとき、-5℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0236】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られた混合物が、標準 NF T60-105に従って測定したとき、-10℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0237】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られた混合物が、標準 EN ISO 3015に従って測定したとき、10℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0238】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られた混合物が、標準 EN ISO 3015に従って測定したとき、5℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0239】
一実施形態において、本発明による方法は、工程c)で得られた混合物が、標準 EN ISO 3015に従って測定したとき、0℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0240】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物は、標準 NF T60-105に従って測定したとき、5℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0241】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物は、標準 NF T60-105に従って測定したとき、0℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0242】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物は、標準 NF T60-105に従って測定したとき、-5℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0243】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物は、標準 NF T60-105に従って測定したとき、-10℃又はそれ未満の流動点を有することを特徴とする。
【0244】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物は、標準 EN ISO 3015に従って測定したとき、10℃又はそれ未満の曇点を有することを特徴とする。
【0245】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物は、標準 EN ISO 3015に従って測定したとき、5℃又はそれ未満の曇点を有することを特徴とする。
【0246】
一実施形態において、本発明によるエステル/アルカン混合物は、標準 EN ISO 3015に従って測定したとき、0℃又はそれ未満の曇点を有することを特徴とする。
【0247】
一実施形態において、本発明による方法は、溶媒システムを組成物に添加する工程b)と、混合物を得る工程c)との間に均質化工程を含むことを特徴とする。
【0248】
一実施形態において、本発明による方法は、溶媒システムを組成物に添加する工程b)が10℃以上で実施されることを特徴とする。
【0249】
一実施形態において、本発明による方法は、溶媒システムを組成物に添加する工程b)が20℃以上で実施されることを特徴とする。
【0250】
一実施形態において、本発明による方法は、溶媒システムを組成物に添加する工程b)が40℃又それ以下で実施されることを特徴とする。
【0251】
本発明による別の目的は、5℃又はそれ未満で組成物の結晶化を阻害するための式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含む溶媒システムの使用に関する。
【0252】
本発明による別の目的は、組成物の流動点を5℃又はそれ未満まで下げるための式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含む溶媒システムの使用に関する。
【0253】
本発明による別の目的は、標準 NF T60-105に従って測定した流動点が25℃又はそれ未満である少なくとも1種の脂肪酸エステルを含む組成物の5℃又はそれ未満での結晶化を阻害するための式 C2n+2(n≦11)の少なくとも1種のアルカンを含む溶媒システムの使用に関する。
【0254】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、式 C2n+2(n≦11)のアルカンは、上記で定義した通りである。
【0255】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、式 C2n+2(n≦11)のアルカンは、単独で又は混合物として、11個以下の炭素原子を含む直鎖状及び/又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択される。
【0256】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、式 C2n+2(n≦11)のアルカンはデカンである。
【0257】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、溶媒システムは上記で定義した通りである。
【0258】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、溶媒システムは、式 C2(n1)+2(10≦n1≦14)の少なくとも1種のアルカンをさらに含む。
【0259】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、式 C2n1+2(10≦n1≦14)のアルカンは、 単独で又は混合物として、10以上から14個の炭素原子を含む直鎖状及び/又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択される。
【0260】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦14)のアルカンはドデカンである。
【0261】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、式 Cn12(n1)+2(10≦n1≦13)のアルカンはアルカンである。
【0262】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、溶媒システムは、式 C2(n2)+2(10≦n2≦12)の少なくとも1種のアルカンをさらに含む。
【0263】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、式 C2(n2)+2(10≦n2≦12)のアルカンは、単独で又はまたは混合物として、10から12個の炭素原子を有する直鎖状及び/又は分岐鎖バイオアルカン類を含む群から選択される。
【0264】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、溶媒システムの総体積に対する、溶媒システムの式 C2n+2(n≦11)のアルカン類の体積百分率は、少なくとも5%である。
【0265】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、脂肪酸エステルは上記で定義したとおりである。
【0266】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、少なくとも1種の脂肪酸エステルは、式(I)のエステル類からなる群から選択される。
【化1】
―式(I)において、Rは、m個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは7から32の範囲から選択される整数を表し、
―R'は、m個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは、2から32の範囲から選択される整数を表し、
+m>15である。
【0267】
本発明による用途のいずれかの一実施形態では、少なくとも1種の脂肪酸エステルは、式IIのエステル類からなる群から選択される:
【化2】
-式(II)において、R'は、m個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖アルキル基からなる群から選択され、mは2から32の範囲から選択される整数を表す。
【0268】
本発明による用途のいずれかの一実施形態において、少なくとも脂肪酸エステルは、下記の化合物: (カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル (CAS 95912-86-0)、ミリスチン酸エチル (CAS 124-06-1)、ペンタデカン酸エチル (41114-00-5)、パルミチン酸エチル (CAS 628-97-7)、ヘプタデカン酸エチル (CAS 14010-23-2)、ステアリン酸エチル (CAS 111-61-5)、オレイン酸エチル (CAS 111-62-6)、ミリスチン酸プロピル (CAS 14303-70-9)、パルミチン酸プロピル (CAS 2239-78-3)、ステアリン酸プロピル (CAS 3634-92-2)、ステアリン酸ブチル (CAS 123-95-5)、ラウリン酸ラウリル (13945-76-1)、パルミチン酸エチルヘキシル (CAS 29806-73-3)、パルミチン酸イソプロピル (CAS 142 91-6)、ミリスチン酸2-オクトデシル (CAS 69275-03-2)、ミリスチン酸イソプロピル (CAS 110-27-0)、ステアリン酸2-エチルヘキシル (CAS 22047-49-0)、乳酸イソステアリル (CAS 42131-28-2)、及び乳酸ミリスチル (CAS 1323-03-1)を含む群から選択される。
【0269】
本出願の文脈において、本方法は化粧品産業分野での使用を意図している。
【0270】
しかしながら、バイオ燃料産業又は食品産業の分野においても、類似の又は同一の方法を採用することは全く可能である。
【0271】
本発明による方法によって得られるエステル/アルカン混合物の用途は、前記混合物を化粧品製剤に組み込むことを目的とする用途である。
【0272】
例えば、エステル/アルカン混合物は、一般に油相または親油性相とも呼ばれる油製剤において使用され得る。エステル/アルカン混合物はまた、エマルジョンの親油性相に使用することもできる。
【0273】
化粧品製剤は、顔、身体、または髪のケアを目的としている。
【0274】
より具体的には、毛髪用製剤には、ヘアクリーム、ヘアケア製品、スタイリング製品、カラーリング製品、さらには縮毛矯正製品などの製剤が挙げられる。
【0275】
同様に、顔用の製剤には、メイクアップ製剤、メイク落とし製剤、フェイシャルケア(マスク、クリーム、スクラブ製品、脱色素製品)、保湿製剤、UV保護、老化防止製剤、及び抗しわ製剤などの製剤が挙げられる。
【0276】
メイクアップ製剤は、より具体的には、マスカラ、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー、コンシーラー製剤、及び口紅を含む製剤である。
【0277】
顔用製剤には、火傷または日焼けによる皮膚の損傷を治療または遅らせるための製剤も挙げられ得る。
【0278】
顔用製剤には、皮膚の発赤を治療するための製剤も挙げられ得る。
【0279】
最後に、身体用製剤には、抗UV、老化防止、抗しわ、保湿、脱色素、及び着色促進製剤またはマニキュアが挙げられる。
【実施例
【0280】
以下に本発明の方法を説明する実施例は、決して限定するものではない。
【0281】
下記の実施例において、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルは、標準 NF T60-105に従って測定したとき、15℃の流動点を有する。
【0282】
同様に、下記の実施例で使用されるシアエチルオレイン酸/ステアリン酸は、標準 NF T60-105に従って測定したとき、2℃の流動点を有する。
【0283】
<実施例1:ドデカン単独及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの存在下で、本発明による記載方法を実施した比較例>
【0284】
BIOSYNTHIS社からNEODERM LCの名称で市販されている(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル組成物75gを準備した。
【0285】
溶媒システム、すなわち25gの純粋なドデカンを組成物に添加した。
【0286】
このようにして、25gの植物性ドデカン及び75gの(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを含む混合物が得られた。
【0287】
EN ISO 3015に従って測定した曇点は、8℃であった。
【0288】
標準NF T60-105に従って測定した流動点は6℃であった。
【0289】
BIOSYNTHIS社のドデカンのみの存在下で実施される方法では、5℃又はそれ未満の温度での(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの結晶化を阻害することができなかった。
<実施例2:ファルネサン(トリメチルドデカン)及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの存在下で、本発明による記載の方法を実施する比較例>
【0290】
BIOSYNTHIS社からNEODERM LCの名称で市販されている(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル組成物70gを準備した。
【0291】
溶媒システム、特にAMYRIS社からNEOSSANCE HEMISQALANEの名称で市販されている純粋なファルネサン(トリメチルドデカン)30gを組成物に添加した。
【0292】
このようにして、30gのファルネサン(トリメチルドデカン)及び70gの(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを含む混合物が得られた。
【0293】
EN ISO 3015に従って測定した曇点は8℃であった。
【0294】
標準 NF T60-105に従って測定した流動点は6℃であった。
【0295】
ファルネサン(トリメチルドデカン)のみの存在下で実施される方法では、5℃及びそれ未満の温度での(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの結晶化を阻害することはできなかった。
【0296】
<実施例3:ドデカン、デカン及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの存在下での本発明による方法>
【0297】
BIOSYNTHIS社からNEODERM LCの名称で販売されている(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル組成物70gを準備した。
【0298】
溶媒システム、特に、BIOSYNTHIS社からVEGELIGHT SILKの名称で販売されているドデカン/デカン混合物(ドデカン24g及びデカン6g)30gを組成物に添加した。
【0299】
このようにして、デカン6g、ドデカン24g及び(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル70gを含む混合物が得られた。
【0300】
EN ISO 3015に従って測定した曇点は、6℃であった。
【0301】
標準 NF T60-105に従って測定した流動点5℃であった。
【0302】
本発明の方法に従って得られた混合物は、5℃で液体状態であった。
【0303】
従って、デカンとドデカンの混合物の存在下で実施される方法により、5℃で(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの結晶化を阻害することができた。
<実施例4:ウンデカン、トリデカン、及びココカプリル酸/カプリン酸エステルの存在下での本発明による方法>
【0304】
BIOSYNTHIS社からNEODERM LCの名称で市販されている(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル組成物80gを準備した。
【0305】
溶媒システム、特にBASF社からCETIOL ULTIMATEの名称で市販されているウンデカン/トリデカンの混合物20g(ウンデカン14g及びトリデカン6g)を組成物に添加した。
【0306】
このようにして、14gのウンデカン、6gのトリデカン、及び80gの(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルを含む混合物が得られた。
【0307】
EN ISO 3015に従って測定した曇点は、6℃であった。
【0308】
標準 NF T60-105に従って測定した流動点は、-18℃であった。
【0309】
本発明の方法に従って得られた混合物は、5℃で液体状態であった。
【0310】
したがって、ウンデカンとトリデカンの混合物の存在下で実施される方法により、5℃未満の温度で(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキルの結晶化を阻害することができた。
<実施例5:ドデカン、デカン、及びシア油エステル(オレイン酸エチル/ステアリン酸エチル)の存在下での本発明による記載の方法>
【0311】
BIOSYNTHIS社製造のシア油に由来する80gのオレイン酸/ステアリン酸エチルエステル(55gのオレイン酸エチル、25gのステアリン酸エチル)の組成物を準備した。
【0312】
溶媒システム、特にBIOSYNTHIS社からVEGELIGHT SILKの名称で市販されている20gのドデカン/デカン混合物(16gのドデカン及び4gのデカン)を組成物に添加した。
【0313】
このようにして、4gのデカン、16gのドデカン、及び80gのシア油のオレイン酸エチル/ステアリン酸エチルを含む混合物が得られた。
【0314】
標準 NF T60-105に従って測定した流動点は、-12℃であった。
【0315】
本発明の方法に従って得られた混合物は、-10℃で液体状態であった。
【0316】
したがって、デカンとドデカンの混合物の存在下で実施される方法により、-10℃でシア油由来のオレイン酸/ステアリン酸エチルの結晶化を阻害することができた。
【国際調査報告】