(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ダンパ
(51)【国際特許分類】
E05F 3/12 20060101AFI20240808BHJP
E05F 3/20 20060101ALI20240808BHJP
F16F 9/36 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
E05F3/12
E05F3/20 Z
F16F9/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510419
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 AT2022060284
(87)【国際公開番号】W WO2023019281
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シューラー
(72)【発明者】
【氏名】ジィーモン ガスナー
(72)【発明者】
【氏名】べアンハート クラマー
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA50
3J069CC19
3J069EE02
(57)【要約】
特に家具金具(4)用のダンパ(10)であって、-ダンパハウジング(11)と、-ダンパハウジング(11)内に配置されていて、減衰流体を含む流体室(12)と、ピストンロッド(14)が結合された摺動可能なピストン(13)と、-ダンパハウジング内に配置されていて、ピストンロッド(14)により押し退け可能な減衰流体を補償することができる体積補償装置(15)とを含み、体積補償装置は、-流体室を、ピストンロッドに対してかつ/またはダンパハウジングの内壁(22)に対してシールすることができるシール(16)と、-シールをダンパハウジング内で案内することができる支持部材(17)と、-シールを初期位置に戻すことができるばね部材(18)とを有しており、-ばね部材は、シール(16)と一体に、かつ/または支持部材(17)と一体にまとめられて、共に1つの補償部分(19)を形成しており、-ダンパハウジングを閉鎖するカバー(24)が設けられており、補償部分は、カバーに軽く当接しているかまたは当接可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に家具金具(4)用のダンパ(10)であって、
-ダンパハウジング(11)と、
-該ダンパハウジング(11)内に配置された少なくとも1つの流体室(12)と、
-該流体室(12)内に配置された減衰流体と、
-前記少なくとも1つの流体室(12)内で、好適には直線的に摺動可能な少なくとも1つのピストン(13)と、
-該少なくとも1つのピストン(13)に結合されたピストンロッド(14)と、
-前記ダンパハウジング(11)内に配置されていて、前記流体室(12)内への侵入時に前記ピストンロッド(14)により押し退け可能な前記減衰流体の体積を補償することができる少なくとも1つの体積補償装置(15)と
を含み、
該少なくとも1つの体積補償装置(15)は、
-前記流体室(12)を、前記ピストンロッド(14)に対してかつ/または前記ダンパハウジング(11)の内壁(22)に対してシールすることができる少なくとも1つのシール(16)を有しており、
-該少なくとも1つのシール(16)を前記ダンパハウジング(11)内で案内することができる少なくとも1つの支持部材(17)を有しており、
-減衰行程が行われた後に、前記少なくとも1つのシール(16)を少なくとも部分的に初期位置に戻すことができる少なくとも1つのばね部材(18)を有しており、
-該少なくとも1つのばね部材(18)は、前記少なくとも1つのシール(16)と一体に、かつ/または前記少なくとも1つの支持部材(17)と一体にまとめられて、共に1つの補償部分(19)を形成しており、
-前記ダンパハウジング(11)を閉鎖する少なくとも1つのカバー(24)が設けられている、ダンパ(10)において、
前記補償部分(19)は、前記少なくとも1つのカバー(24)に軽く当接しているか、または当接可能であることを特徴とする、ダンパ(10)。
【請求項2】
-前記少なくとも1つのばね部材(18)は、前記少なくとも1つのカバー(24)に支持されており、かつ/または
-前記少なくとも1つのカバー(24)は、前記ピストンロッド(14)を貫通させる開口を有しており、かつ/または
-前記少なくとも1つのカバー(24)は、実質的に円筒形に形成されており、かつ/または
-前記少なくとも1つのカバー(24)は、前記ダンパハウジング(11)内に向いた内面(28)を有しており、前記カバー(24)の前記内面(28)には、少なくとも1つの凸状の輪郭(29)が配置されており、該凸状の輪郭(29)には、前記少なくとも1つのばね部材(18)の端部(31)が旋回可能に支持されており、かつ/または前記カバー(24)の前記内面(28)には、傾斜面(30)が配置されており、該傾斜面(30)には、前記少なくとも1つのばね部材(18)の外面が圧縮状態で当接可能である、
請求項1記載のダンパ(10)。
【請求項3】
前記補償部分(19)と、前記少なくとも1つのピストン(13)とは、前記ダンパハウジング内で前記ピストンロッド(14)の長手方向に連続して配置されている、請求項1または2記載のダンパ(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのばね部材(18)と、前記少なくとも1つのシール(16)と、前記少なくとも1つの支持部材(17)とは一体にまとめられて、共に前記補償部分(19)を形成している、請求項1から3までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項5】
前記補償部分(19)は射出成形部分として形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項6】
前記補償部分(19)は、弾性的に屈曲可能なまたは変形可能な材料、好適にはゴムまたはプラスチックから形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項7】
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのばね部材(18)は、横断面において実質的に漏斗状に形成されており、かつ/または
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのシール(16)は、横断面において実質的にU字形に形成されており、好適には、前記U字形の第1の脚部(16a)は前記ピストンロッド(14)に当接しており、かつ/または前記U字形の第2の脚部(16b)は前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に当接しており、かつ/または
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのシール(16)は、前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に沿って滑動するように案内された少なくとも1つのシールリップ(16c)を有しており、かつ/または
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つの支持部材(17)は、横断面において実質的に楔形に形成されており、好適には、前記楔形の先端部は、前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に支持され得る、
請求項1から6までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項8】
前記補償部分(19)の外側輪郭は、静止状態において実質的に回転対称に形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項9】
前記補償部分(19)は、前記ダンパハウジング(11)内で前記少なくとも1つの流体室(12)と空気室(26)との間に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項10】
前記補償部分(19)は、
-前記ピストンロッド(14)を貫通させるための少なくとも1つの、好適には中央の開口(27)を有しており、かつ/または
-前記ピストンロッド(14)に摺動可能に支持されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項11】
前記減衰行程の実施に際して、前記補償部分(19)は少なくとも部分的に圧縮可能である、請求項1から10までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項12】
前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのばね部材(18)は、
-前記初期位置において部分的に予荷重を加えられており、かつ/または
-前記カバー(24)に面した自由端部(31)を有しており、該自由端部(31)は、好適には前記補償部分(19)のあらゆる動作位置において、前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に支持され得、かつ/または
-半径方向において実質的に閉じられた周面を有しており、かつ/または
-軸線方向において、前記補償部分(19)の残りの構成部分の長さよりも最大で2倍大きい長さ(L)を有している、
請求項1から11までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項13】
前記ピストン(13)の摺動時に前記減衰流体が通流可能な少なくとも1つの流路(23a,23b)が設けられている、請求項1から12までのいずれか1項記載のダンパ(10)。
【請求項14】
家具本体(2)に家具部分(3)を可動に支持するための家具金具(4)、特にヒンジ(4a)において、当該家具金具(4)は、請求項1から13までのいずれか1項記載のダンパ(10)を少なくとも1つ含むことを特徴とする、家具金具(4)。
【請求項15】
当該家具金具(4)は、互いに枢着式に結合された少なくとも2つの金具部分(5,6)を有しており、前記少なくとも1つのダンパ(10)は、少なくとも部分的に、好適には完全に、2つの前記金具部分(5,6)のうちの一方に配置されている、請求項14記載の家具金具(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に家具金具用のダンパであって、
-ダンパハウジングと、
-ダンパハウジング内に配置された少なくとも1つの流体室と、
-流体室内に配置された減衰流体と、
-少なくとも1つの流体室内で、好適には直線的に摺動可能な少なくとも1つのピストンと、
-少なくとも1つのピストンに結合されたピストンロッドと、
-ダンパハウジング内に配置されており、流体室内への侵入時にピストンロッドにより押し退け可能な減衰流体の体積を補償することができる少なくとも1つの体積補償装置と
を含み、
少なくとも1つの体積補償装置は、
-流体室を、ピストンロッドに対してかつ/またはダンパハウジングの内壁に対してシールすることができる少なくとも1つのシールを有しており、
-少なくとも1つのシールをダンパハウジング内で案内することができる少なくとも1つの支持部材を有しており、
-減衰行程が行われた後に、少なくとも1つのシールを少なくとも部分的に初期位置に戻すことができる少なくとも1つのばね部材を有しており、
-少なくとも1つのばね部材は、少なくとも1つのシールと一体に、かつ/または少なくとも1つの支持部材と一体にまとめられて、共に1つの補償部分を形成しており、
-ダンパハウジングを閉鎖する少なくとも1つのカバーが設けられている、
ダンパに関する。
【0002】
さらに本発明は、家具本体に家具部分を可動に支持するための家具金具、特にヒンジであって、家具金具は、説明する形式の少なくとも1つのダンパを有している、家具金具に関する。
【0003】
本出願人の国際公開第2012/024711号には、家具ヒンジの内部中空空間内に挿入可能であり、取付け状態ではヒンジカップ内に完全に収容されているダンパハウジングを備えた家具ダンパが示されている。ダンパハウジング内には流体室が配置されており、流体室内には、ピストンロッドを備えたピストンが摺動可能に案内されている。体積補償装置により、流体室内への侵入時にピストンロッドにより押し退け可能な減衰流体の体積を補償することができる。体積補償装置は、流体室をピストンロッドに対してかつダンパハウジングの内壁に対してシールするシールリップを有している。さらに体積補償装置は、シールリップを支持して案内するストッパ部材を有している。さらに、円錐コイルばねが設けられており、この場合、流体室内に侵入するピストンロッドの追加的な体積が、円錐コイルばねの圧縮により補償可能である。ピストンロッドが流体室内へより大きく侵入するほど、シールリップは円錐コイルばねの力に抗してより大きく摺動させられる。このようにして、減衰行程に際して流体室の容積を拡大することができ、減衰行程を実施する際のピストンロッドの跳ね返りおよびダンパハウジングの損傷(特にダンパハウジングの破裂)を防止することができる。
【0004】
中国特許出願公開第111485783号明細書には、複数の部分から成る体積補償装置の構成が示されている。
【0005】
特開2007-255446号公報に開示されたダンパは、シリンダと、直線的に摺動可能なピストンと、ピストンロッドと、シリンダ内に配置された体積補償装置とを備えており、体積補償装置により、流体室内への侵入時にピストンロッドにより押し退け可能な減衰流体の体積を補償することができる。体積補償装置は、流体室を、ピストンロッドに対してかつダンパハウジングの内壁に対してシールすることができるシールを有している。さらに、シールをシリンダ内で案内することができる支持部材が設けられている。さらに、減衰行程後にシールを少なくとも部分的に初期位置に戻すことができるばね装置が設けられている。シールと、支持部材と、ばね装置とは、互いに入れ子式に配置され得る。
【0006】
公知の構造における欠点は、体積補償装置が全体として比較的多くの構成空間を必要とする点にある。家具金具は、近年いずれにせよますますよりコンパクトになっているため、ダンパの可能な限りコンパクトな構成形式も必須の前提条件である。その上、体積補償装置の組込みは、個々の構成部材に基づき比較的複雑である。シールを戻すための機械的なばねの使用も、大量生産におけるコストの増大に結びついている。
【0007】
独国実用新案第202018103637号明細書には、円筒形のハウジングと、ハウジング内で摺動可能なピストンとを備えたダンパが開示されている。さらに、流体室内への侵入時にピストンロッドにより押し退け可能な減衰流体の体積を補償することができる体積補償装置が設けられている。体積補償装置は、流体室を、ピストンロッドに対してかつハウジングの内壁に対してシールすることができるシールを有している。さらに、シールをシリンダ内で案内することができる体積補償部材が設けられている。可撓性のウェブにより、減衰行程後にシールを再び戻すことができる。体積補償部材とシールとは、共に一体的に形成されていてよい。体積補償部材は、カバーに保持されており、この場合、カバーはハウジングを一方の端部において閉鎖していると共に、ピストンロッド用の貫通案内部を形成している。しかしながら、カバーと可撓性のウェブとの間の一体的な構成により、減衰行程のたびにカバーにトルクが作用することになる。この場合、カバーがダンパのハウジングに対して相対的に回動し、液圧減衰流体がハウジングから流出する恐れがある、という危険が生じる。カバーと可撓性のウェブとの間の一体的な構成では、カバーもやはり弾性材料から成っていなければならず、これにより、ダンパの別のシール問題が生じる恐れがある。
【0008】
したがって本発明の課題は、上述の欠点を回避して、冒頭に述べた形式のダンパを提供することにある。
【0009】
このことは本発明に基づき、特許請求項1記載の特徴により解決される。本発明の別の有利な実施例は、従属特許請求項に記載されている。
【0010】
本発明に基づき、補償部分は、少なくとも1つのカバーに軽く当接しているか、または当接可能である、ということが想定されている。
【0011】
補償部分とカバーとの間の別個の構成により、減衰行程の際にカバーにトルクが加えられることがなく、これにより、漏れの危険が低減される。さらに、補償部分とカバーとは互いに異なる材料から成っていてよく、これにより、前記構成部材を、それらが果たすべき機能に合わせて改良して設計することができる。
【0012】
これらの機能ユニットを一体的に形成することにより、ダンパをよりコンパクトな構成形式にし、工場での組立てをより簡単にし、大量生産におけるコストを減らすことができる。
【0013】
1つの好適な実施例では、少なくとも1つのばね部材と、少なくとも1つのシールと、少なくとも1つの支持部材とが一体にまとめられて、共に補償部分を形成している、ということが想定されていてよい。
【0014】
補償部分は、弾性的に屈曲可能なまたは変形可能な材料、好適にはゴムまたはプラスチックから形成されていてよい。好適には、補償部分は射出成形部分として形成されている、ということが想定されていてよい。このようにして、ダンパの簡単でコスト節約式の製造が可能である。
【0015】
1つの実施例では、減衰流体は液圧減衰流体、例えばシリコーンオイルを含む、ということが想定されていてよい。
【0016】
少なくとも1つのシールおよび/または少なくとも1つの支持部材とまとめられて、共に1つの補償部分を形成するばね部材を提供することは、従来技術から出発して容易に想到し得る手段ではない。まず、カバー部材に軽く当接している補償部分は、カバーに生じる滑り摩擦によりかなりの摩耗にさらされている、ということが確認され得る。摩耗は確かに、補償部分のより硬質の材料により減じることができる場合があるが、ただし補償部分の材料選択、硬度および幾何学形状もやはり、接触箇所の摩擦係数、シール性、シールの圧縮、ならびに当然補償部分の使用材料に左右されるばね部材の設定特性に影響を及ぼす。ばね部材の力もやはり、シール性、シリンダ内の内圧ひいてはシールの圧縮にも影響を及ぼす。
【0017】
つまり、補償部分の使用材料および硬度は、体積補償装置の全てのパラメータ(摩擦係数、シール性、圧縮、設定特性、シリンダ内の内圧、ばね力等)に影響を及ぼす。シールを介して減衰流体に加えられるばね部材の押圧力は、ダンパハウジング内の内圧に影響を及ぼす。ただし、ダンパハウジング内の内圧もやはり、シールの幾何学形状(シールまたはシールリップの圧縮)に影響を及ぼす。ただし、シールの幾何学形状もやはり、シールの摩擦係数およびシール性に影響を及ぼし、この場合、シールの摩擦係数は、シールのばね力にも影響を及ぼす。
【0018】
つまり、体積補償装置の全ての関連するパラメータは相互に影響を及ぼし合う、ということが確認され得る。補償部分の設計は極めて複雑であり、様々なソフトウェアプロバイダの慣用の計算ツールでは大幅な簡略化によってのみ可能である。したがって当業者にとっては、シールと支持部材とばね部材とを互いに別個の構成部材として構成し、これらの構成部材の材料特性を正確に、(例えば鋼から成るばね部材を選択することにより、かつ/または適切なプラスチック材料から成るシールを選択することにより)それらが果たすべき機能に合わせて選択することの方が、明らかにより簡単であると考えられる。
【0019】
本発明のその他の詳細および利点を、以下の図面の説明に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】家具部分と、家具部分を可動に支持するための家具金具とを備えた家具を示す斜視図である。
【
図2】
図2aおよび
図2bは、ヒンジの形態の家具金具を示す2つの異なる図である。
【
図3】
図3a~
図3dは、ダンパを2つの異なる実施形態で、進出位置および進入位置のピストンロッドと共に示す図である。
【
図4】
図4a~
図4fは、補償部分のそれぞれ異なる圧縮状態を示す側面図および横断面図である。
【
図5】
図5aおよび
図5bは、ダンパの1つの別の実施例を、進出位置および進入位置のピストンロッドと共に示す図である。
【
図6】
図6aおよび
図6bは、ダンパの1つの別の実施例を、進出位置および進入位置のピストンロッドと共に示す図である。
【0021】
図1には、家具本体2と、可動の家具部分3と、家具部分3を家具本体2に対して相対的に可動に支持するための(ここではヒンジ4aの形態の)家具金具4とを備えた家具1の斜視図が示されている。
【0022】
家具金具4は、家具本体2に取り付ける第1の金具部分5と、可動の家具部分3に取り付ける第2の金具部分6とを有しており、この場合、第1の金具部分5と第2の金具部分6とは、互いに枢着式に結合されている。
【0023】
家具金具4は、少なくとも1つの(ここでは見えていない)ダンパ10を有しており、このダンパ10により、両金具部分5,6相互の相対移動が減衰可能である。ダンパ10により、家具部分3の少なくとも1回の閉鎖移動が、家具本体2に対して完全に閉じられた最終位置まで減衰可能である。
【0024】
図2aには、ヒンジ4aの形態の家具金具4が斜視図で示されている。1つの実施例では、第1の金具部分5はヒンジアームを有しており、かつ/または第2の金具部分6はヒンジカップを有している、ということが想定されていてよい。金具部分5,6は、好適には少なくとも1つのジョイントレバー7a,7bを介して互いに枢動式に結合されている。
【0025】
第1の金具部分5は、取付けプレート8を介して家具本体2に固定され得る。取付けプレート8と第1の金具部分5とは、互いに別個の構成部材として形成されている。第1の取付けステップでは、取付けプレート8が家具本体2に取り付けられる。引き続く取付けステップでは、第1の金具部分5を、従来技術に基づき周知のロック装置9(
図2b)を介して、取付けプレート8に解除可能にかつ工具なしでロックすることができる。
【0026】
第1の調整装置9aにより、第1の金具部分5は、取付けプレート8に対して相対的に取付けプレート8の長手方向(L)に調整可能である。第2の調整装置9bにより、取付けプレート8に対して相対的な第1の金具部分5の傾きを調整することができる。
【0027】
図2bには、
図2aに示した家具金具4が横断面図で示されている。第1の金具部分5を取付けプレート8に解除可能にロックするロック装置9が認められる。ロック装置9は、例えば第1の金具部分5を取付けプレート8に解除可能にロックするためにばね荷重が加えられるトグルレバー9aを有していてよい。
【0028】
ダンパ10により、両金具部分5,6相互の相対移動が減衰可能である。ダンパ10は、ダンパハウジング11を有しており、ダンパハウジング11は、図示の実施例では第1の金具部分5内に組み込まれている。もちろん、ダンパハウジング11を第2の金具部分6に接してまたは第2の金具部分6内に配置することも可能である。
【0029】
図3aには、好適には円筒形のダンパハウジング11を備えるダンパ10の横断面が示されており、ダンパハウジング11内には、ピストン13を摺動可能に支持する少なくとも1つの流体室12が形成されている。ピストン13は、ピストンロッド14に結合されている。ピストンロッド14は、ダンパハウジング11のカバー24を貫通して案内されている。
【0030】
ピストン13は、流体室12内で直線的に摺動可能に案内されていてよい。択一的に、ピストン13は減衰行程に際して流体室12内で直線運動および/または回動運動を行うことも可能である。
【0031】
図示の実施例では、ばね荷重が加えられたボール21aを備えた過負荷防止装置21が設けられている。
【0032】
過負荷防止装置21は、ピストン13の少なくとも1つの過負荷通路25が、減衰行程の実施に際してピストン13に対する加圧が所定の閾値を下回る場合には閉鎖されているように形成されている。このような通常動作では、減衰流体が、ピストン13とダンパハウジング11の内壁22との間に形成された流路23aおよび/またはピストン13の、場合により設けられる別の流路を通ってしか流れることができず、この場合、流体室12内に侵入するピストン13に対して制動力が生ぜしめられる。
【0033】
ピストン13に対する加圧が所定の閾値を上回る場合には、ばね荷重を加えられたボール21がばねの力に抗して可動であり、これにより、ピストン13の過負荷通路25が解放される。このような過負荷の場合には、減衰流体は、過負荷通路25とピストン13の流路23bとを通って流れることができ、この場合、流体室12内に急速な減圧がもたらされ、ダンパ10の損傷が防止され得る。
【0034】
このような過負荷防止装置21は、従来技術に基づき多様なものが周知であり、ここで詳しく説明する必要はない。過負荷防止装置21は、完全に省かれてもよい。
【0035】
体積補償装置15により、流体室12内への侵入時にピストンロッド14により押し退け可能な減衰流体の体積を補償することができる。この体積補償装置15が必要なのは、ピストンロッド14の跳ね返りおよびダンパハウジング11の損傷を防止するために、侵入するピストンロッド14の追加的な体積を補償する必要があるからである。
【0036】
体積補償装置15は、減衰行程に際してばね部材18の力に抗して可動の少なくとも1つのシール16を有している。このようにして、流体室12の容積を、減衰行程に際して侵入するピストンロッド14に応じて拡大することができる。シール16により、流体室12をピストンロッド14に対してかつ/またはダンパハウジング11の内壁22に対してシールすることができる。
【0037】
シール16は、ダンパハウジング11内の少なくとも1つの支持部材17を介してガイド可能である。このようにして、ダンパハウジング11の内壁22に当接しているシールリップ16c(
図4b)に対して追加的に、シール16を安定してガイドすることができる。
【0038】
減衰行程が行われた後に、少なくとも1つのばね部材18により、シール16を少なくとも部分的に初期位置へ戻すことができる。
【0039】
本発明では、少なくとも1つのばね部材18は、少なくとも1つのシール16と一体に、かつ/または少なくとも1つの支持部材17と一体にまとめられて、共に1つの補償部分19を形成する、ということが想定されている。
【0040】
補償部分19と、少なくとも1つのピストン13とは、ダンパハウジング11内でピストンロッド14の長手方向に連続して配置されていてよい。
【0041】
図示の補償部分19は、ダンパハウジング11内で少なくとも1つの流体室12と空気室26との間に配置されている。
【0042】
1つの好適な実施例では、少なくとも1つのばね部材18と、少なくとも1つのシール16と、少なくとも1つの支持部材17とが一体にまとめられて、共に補償部分19を形成している。
【0043】
1つの好適な実施例では、補償部分19の少なくとも1つのばね部材18は、初期位置において部分的に予荷重を加えられている。つまり、ばね部材18は、既に所定の予荷重が加えられた状態でダンパハウジング11内に組み込まれる。ばね部材18のこの予荷重は、場合により液圧減衰流体が損失すると、時間と共に再び低下させられる。換言すると、減衰流体の損失時に、シール部材16はばね部材18によりピストン13の方向に追従させられ、これにより、減衰流体の損失が補償されると共に、流体室12の容積が一定に保たれる。
【0044】
図3bには、
図3aに示したダンパ10が、流体室12内に侵入したピストンロッド14と共に示されている。ピストンロッド14の付加的な体積は、シール16がばね部材18の力に抗して移動させられかつ/または変形させられ、これにより、流体室12の容積が拡大可能であることにより、補償される。
図3aと
図3bとの直接的な比較に基づき、ばね部材18の変形の異なる度合いを良好に認識することができる。
【0045】
補償部分19は、少なくとも1つのカバー24に当接しているか、または少なくとも1つのカバー24に当接可能である。
【0046】
好適な実施形態では、
-少なくとも1つのばね部材18は、少なくとも1つのカバー24に支持されており、かつ/または
-少なくとも1つのカバー24は、ピストンロッド14を貫通させる開口を有しており、かつ/または
-少なくとも1つのカバー24は、実質的に円筒形に形成されている、
ということが想定されていてよい。
【0047】
戻しばね20により、ピストン13には進出位置の方向に予荷重が加えられている。このようにして、ピストン13は減衰行程後に少なくとも部分的に、再び進出した待機位置の方向に戻されてよい。ただし、戻しばね20はダンパハウジング11の外側に配置されていてもよいか、または完全に省かれてもよい。
【0048】
図3cには、
図3aに示したダンパ10が示されているが、ピストン13内に組み込まれた過負荷防止装置21が省略されている点で相違している。
図3cには、ダンパ10が、進出位置におけるピストンロッド14と共に示されている。
【0049】
ピストン13の摺動時に減衰流体が通流可能な少なくとも1つの流路23a,23bが設けられている。
図3c、
図3dに示す実施例では、減衰行程に際して減衰流体が、ピストン13とダンパハウジング11の内壁22との間に形成された第1の流路23aと、ピストン13の第2の流路23bの両方を通って通流することができる。
【0050】
図3dには、
図3cに示したダンパ10が、ピストンロッド14の進入位置で示されている。減衰行程の実施に際して、補償部分19が少なくとも部分的に圧縮可能である、ということが認められる。
【0051】
図4a~
図4fには、体積補償装置15の補償部分19のそれぞれ異なる圧縮状態が、側面図および横断面図で示されている。補償部分19の外側輪郭は、静止状態において実質的に回転対称に形成されていてよい。
【0052】
可能な実施例では、
-補償部分19の少なくとも1つのばね部材18は、横断面において実質的に漏斗状に形成されており、かつ/または
-補償部分19の少なくとも1つのシール16は、横断面において実質的にU字形に形成されており、好適には、U字形の第1の脚部16aはピストンロッド14に当接しており、かつ/またはU字形の第2の脚部16bはダンパハウジング11の内壁22に当接しており、かつ/または
-補償部分19の少なくとも1つのシール16は、ダンパハウジング11の内壁22に沿って滑動するように案内された少なくとも1つのシールリップ16cを有しており、好適には、少なくとも1つのシールリップ16と少なくとも1つの支持部材17とは、ピストンロッド14の長手方向に互いに離間されており、かつ/または
-補償部分19の少なくとも1つの支持部材17は、横断面において実質的に楔形に形成されており、好適には、楔形の先端部は、ダンパハウジング11の内壁22に支持され得る、
ということが想定されていてよい。
【0053】
別の可能な実施例では、補償部分19は、
-ピストンロッド14を貫通させるための少なくとも1つの、好適には中央の開口27を有しており、かつ/または
-ピストンロッド14に摺動可能に支持されている、
ということが想定されていてよい。
【0054】
図5aには、ダンパハウジング11と、ダンパハウジング11内に配置された流体室12と、流体室12内で摺動可能なピストン13と、ピストン13を戻すための戻しばね20とを備えたダンパ10の1つの別の実施例が示されている。
【0055】
体積補償装置15は、シール16と、支持部材17と、ばね部材18とを含む一体の補償部分19を有している。
【0056】
カバー24は、ダンパハウジング11内に向いた内面28を有しており、この場合、カバー24の内面28には、少なくとも1つの凸状の輪郭29が配置されており、凸状の輪郭29には、少なくとも1つのばね部材18の端部31が旋回可能に支持されており、かつ/またはカバー24の内面28には、傾斜面30が配置されており、傾斜面30には、少なくとも1つのばね部材18の外面が圧縮状態で当接可能である。
【0057】
カバー24の内面28に配置された凸状の輪郭29により、減衰行程の実施に際して、ばね部材18の、カバー24に軽く当接している端部31が、カバー24における所定の旋回軸線を有している、ということが保証される。このようにして、カバー24において、ばね部材18の不要な滑り摩擦が防止される。
【0058】
内面28に配置された傾斜面30により、減衰行程の実施に際して、ばね部材18はカバー24において所定の当接面を得る、ということが保証され、かつ/またはばね部材18の屈曲のために好適な方向が決定可能である、ということが保証される。
【0059】
図5bには、
図5aに示したダンパ10が、進入位置のピストンロッド14と共に示されている。体積補償装置15により、流体室12内への侵入時にピストンロッド14により押し退け可能な減衰流体の体積を補償することができる。
【0060】
減衰行程の実施に際して、カバー24の内面28に当接しているばね部材18の端部31が、凸状の輪郭29により形成された軸線を中心として旋回させられたこと、および/またはばね部材18の部分区間、好適には自由端部31が圧縮された状態でカバー24の傾斜面30に当接していることが認められる。
【0061】
図6aには、ダンパ10の1つの別の実施例が示されており、この場合、ピストンロッド14はダンパハウジング11に対して相対的に進出させられた位置に位置している。補償部分19の自由端部31は、カバー24の内面28に、好適には最外縁に当接しており、かつ/またはダンパハウジング11の内壁22に支持され得る、ということが認められる。
【0062】
本発明の他の全ての実施例と同様に、補償部分19の少なくとも1つのばね部材18は、
-半径方向において実質的に閉じられた周面を有しており、かつ/または
-軸線方向において、補償部分19の残りの構成部分の長さよりも最大で2倍大きい長さLを有している、
ということが想定されていてよい。
【0063】
図6bには、ダンパ10が、ダンパハウジング11に対して相対的に進入させられた位置におけるピストンロッド14と共に示されている。1つの好適な実施例では、補償部分19の端部31は、あらゆる動作位置において、カバー24の内面28に、好適には最外縁に当接しており、かつ/またはダンパハウジング11の内壁22に支持され得る、ということが想定されていてよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に家具金具(4)用のダンパ(10)であって、
-ダンパハウジング(11)と、
-該ダンパハウジング(11)内に配置された少なくとも1つの流体室(12)と、
-該流体室(12)内に配置された減衰流体と、
-前記少なくとも1つの流体室(12)内で、好適には直線的に摺動可能な少なくとも1つのピストン(13)と、
-該少なくとも1つのピストン(13)に結合されたピストンロッド(14)と、
-前記ダンパハウジング(11)内に配置されていて、前記流体室(12)内への侵入時に前記ピストンロッド(14)により押し退け可能な前記減衰流体の体積を補償することができる少なくとも1つの体積補償装置(15)と
を含み、
該少なくとも1つの体積補償装置(15)は、
-前記流体室(12)を、前記ピストンロッド(14)に対してかつ/または前記ダンパハウジング(11)の内壁(22)に対してシールすることができる少なくとも1つのシール(16)を有しており、
-該少なくとも1つのシール(16)を前記ダンパハウジング(11)内で案内することができる少なくとも1つの支持部材(17)を有しており、
-減衰行程が行われた後に、前記少なくとも1つのシール(16)を少なくとも部分的に初期位置に戻すことができる少なくとも1つのばね部材(18)を有しており、
-該少なくとも1つのばね部材(18)は、前記少なくとも1つのシール(16)と一体に、かつ/または前記少なくとも1つの支持部材(17)と一体にまとめられて、共に1つの補償部分(19)を形成しており、
-前記ダンパハウジング(11)を閉鎖する少なくとも1つのカバー(24)が設けられている、ダンパ(10)において、
前記補償部分(19)は、前記少なくとも1つのカバー(24)に軽く当接しているか、または当接可能である
ことを特徴とする、ダンパ(10)。
【請求項2】
-前記少なくとも1つのばね部材(18)は、前記少なくとも1つのカバー(24)に支持されており、かつ/または
-前記少なくとも1つのカバー(24)は、前記ピストンロッド(14)を貫通させる開口を有しており、かつ/または
-前記少なくとも1つのカバー(24)は、実質的に円筒形に形成されており、かつ/または
-前記少なくとも1つのカバー(24)は、前記ダンパハウジング(11)内に向いた内面(28)を有しており、前記カバー(24)の前記内面(28)には、少なくとも1つの凸状の輪郭(29)が配置されており、該凸状の輪郭(29)には、前記少なくとも1つのばね部材(18)の端部(31)が旋回可能に支持されており、かつ/または前記カバー(24)の前記内面(28)には、傾斜面(30)が配置されており、該傾斜面(30)には、前記少なくとも1つのばね部材(18)の外面が圧縮状態で当接可能である、
請求項1記載のダンパ(10)。
【請求項3】
前記補償部分(19)と、前記少なくとも1つのピストン(13)とは、前記ダンパハウジング内で前記ピストンロッド(14)の長手方向に連続して配置されている、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのばね部材(18)と、前記少なくとも1つのシール(16)と、前記少なくとも1つの支持部材(17)とは一体にまとめられて、共に前記補償部分(19)を形成している、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項5】
前記補償部分(19)は射出成形部分として形成されている、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項6】
前記補償部分(19)は、弾性的に屈曲可能なまたは変形可能な材料、好適にはゴムまたはプラスチックから形成されている、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項7】
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのばね部材(18)は、横断面において実質的に漏斗状に形成されており、かつ/または
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのシール(16)は、横断面において実質的にU字形に形成されており、好適には、前記U字形の第1の脚部(16a)は前記ピストンロッド(14)に当接しており、かつ/または前記U字形の第2の脚部(16b)は前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に当接しており、かつ/または
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのシール(16)は、前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に沿って滑動するように案内された少なくとも1つのシールリップ(16c)を有しており、かつ/または
-前記補償部分(19)の前記少なくとも1つの支持部材(17)は、横断面において実質的に楔形に形成されており、好適には、前記楔形の先端部は、前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に支持され得る、
請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項8】
前記補償部分(19)の外側輪郭は、静止状態において実質的に回転対称に形成されている、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項9】
前記補償部分(19)は、前記ダンパハウジング(11)内で前記少なくとも1つの流体室(12)と空気室(26)との間に配置されている、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項10】
前記補償部分(19)は、
-前記ピストンロッド(14)を貫通させるための少なくとも1つの、好適には中央の開口(27)を有しており、かつ/または
-前記ピストンロッド(14)に摺動可能に支持されている、
請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項11】
前記減衰行程の実施に際して、前記補償部分(19)は少なくとも部分的に圧縮可能である、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項12】
前記補償部分(19)の前記少なくとも1つのばね部材(18)は、
-前記初期位置において部分的に予荷重を加えられており、かつ/または
-前記カバー(24)に面した自由端部(31)を有しており、該自由端部(31)は、好適には前記補償部分(19)のあらゆる動作位置において、前記ダンパハウジング(11)の前記内壁(22)に支持され得、かつ/または
-半径方向において実質的に閉じられた周面を有しており、かつ/または
-軸線方向において、前記補償部分(19)の残りの構成部分の長さよりも最大で2倍大きい長さ(L)を有している、
請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項13】
前記ピストン(13)の摺動時に前記減衰流体が通流可能な少なくとも1つの流路(23a,23b)が設けられている、請求項
1記載のダンパ(10)。
【請求項14】
家具本体(2)に家具部分(3)を可動に支持するための家具金具(4)、特にヒンジ(4a)において、当該家具金具(4)は、請求項1から13までのいずれか1項記載のダンパ(10)を少なくとも1つ含むことを特徴とする、家具金具(4)。
【請求項15】
当該家具金具(4)は、互いに枢着式に結合された少なくとも2つの金具部分(5,6)を有しており、前記少なくとも1つのダンパ(10)は、少なくとも部分的に、好適には完全に、2つの前記金具部分(5,6)のうちの一方に配置されている、請求項14記載の家具金具(4)。
【国際調査報告】