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  • 特表-充電過程についての特性情報の適合 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】充電過程についての特性情報の適合
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20240808BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240808BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240808BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20240808BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20240808BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G01C21/36
H02J7/00 P
B60L53/14
B60L53/67
B60L53/62
G08G1/0968
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510424
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022070936
(87)【国際公開番号】W WO2023025498
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】102021121896.9
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスブルン・リヒャルト
【テーマコード(参考)】
2F129
5G503
5H125
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD49
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE81
2F129EE92
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF57
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF71
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA01
5G503FA06
5G503GD04
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BE02
5H125CA18
5H125DD02
5H125EE51
5H125EE55
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB08
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MB03
5H181MC11
(57)【要約】
【課題】従来技術の欠点を少なくとも部分的に克服するとともに、充電ステーションにおける充電過程に関連する現在の特性情報を適合し、あるいは補正する可能性を提供する。
【解決手段】充電ステーションLにおける充電過程についての少なくとも1つの特性情報PL_neuを適合させる方法であって、充電過程についての少なくとも1つの充電パラメータP1~P4、R1~R4が、該充電ステーションLに接続された電動車両F1~F4から外部の評価管理部AIへ通知され、評価管理部AIが、少なくとも1つの充電パラメータP1~P4,R1~R4を評価し、評価管理部AIが、評価に基づき特定される少なくとも1つの特性情報PL_neuを将来の充電過程において前記充電ステーションLに関与可能な少なくとも1つの管理部F1~F4に提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電ステーション(L)における充電過程についての少なくとも1つの特性情報(PL_neu)を適合させる方法であって、
-充電過程についての少なくとも1つの充電パラメータ(P1~P4、R1~R4)が、該充電ステーション(L)に接続された電動車両(F1~F4)から外部の評価管理部(AI)へ通知され;
-評価管理部(AI)が、少なくとも1つの充電パラメータ(P1~P4,R1~R4)を評価し、
-評価管理部(AI)が、評価に基づき特定される少なくとも1つの特性情報(PL_neu)を将来の充電過程において前記充電ステーション(L)に関与可能な少なくとも1つの管理部(F1~F4)に提供する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つの充電パラメータ(P1~P4,R1~R4)が、以下のグループ:
-充電ステーション(L)に接続された電動車両(F1~F4)の地理位置(P1~P4);
-充電ステーション(L)に接続された電動車両(F1~F4)の向き;
-電動車両(F1~F4)又は充電ステーション(L)の充電ケーブルの長さ(R1~R4);
-電動車両(F1~F4)が接続された充電ステーション(L)の識別子;
-充電過程の実行;
-充電ステーション(L)の充電態様;
のうち少なくとも1つのパラメータを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの関与可能な管理部が、
-充電ステーション(L)における充電意思を有する電動車両(F1~F4);
-充電ステーション(L)の作動のための制御管理部及び/又は
-充電ステーション(L)を備えたルートプランナの動作部
を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
-少なくとも、充電ステーションに接続された電動車両(F1~F4)の地理位置(P1~P4)と、ステーション識別子とが外部の評価管理部へ通知され;
-評価管理部が、
・少なくとも電動車両(F1~F4)の地理位置(P1~P4)と、用いられる充電ケーブルの長さ(R1~R4)とに基づき、関連する充電ステーション(L)が存在する可能性がある面積(A1~A4)が特定されることで、
・充電ステーション(L)の所定の地理位置(PL_alt)が面積(A1~A4)内にあるかどうかをチェックすることで、及び
・少なくとも一回でも充電ステーションの所定の地理位置が面積内にない場合には、該充電ステーション(L)において充電した複数の電動車両(F1~F4)の面積(A1~A4)に基づき、充電ステーション(L)の可能性のある位置(PL_neu)を特定された特性情報として決定し、これにより、充電ステーション(L)のこれまでの位置(PL_alt)を補正することで
地理位置(P1~P4)及びステーション識別子を評価する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
面積(A1~A4)が、半径が電動車両(F1~F4)又は充電ステーション(L)の充電ケーブル(L)の長さ(R1~R4)に対応する円形状の面積であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
円形状の面積(A1~A4)の中心点が電動車両(F1~F4)の充電ソケットの位置に対応することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
評価管理部(AI)が、充電ステーション(L)の可能性のある位置(PL_neu)を、該充電ステーション(L)において充電意思を有する電動車両(F1~F4)に、及び/又は関与可能な管理部(F1~F4)としての充電ステーション(L)を含むルートプランナの管理部に提供することを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
-充電ステーション(L)の充電態様についての少なくとも1つの充電パラメータが評価管理部(AI)に通知され;
-評価管理部(AI)が、前記少なくとも1つの充電パラメータを評価のために統計的に評価し、統計的な評価の結果を分類し;及び
-評価管理部(AI)が、分類の結果を、特性情報として少なくとも1つの関与可能な管理部(F1~F4)に提供する
ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
充電ステーション(L)の充電態様についての少なくとも1つの充電パラメータが、ユーザの、充電ステーション(L)でのその電動車両(F1~F4)についての上記充電意思と充電ステーション(L)の作動までの間の時間的な態様を含み、評価管理部が、分類の結果を、充電ステーション(L)を作動させるための少なくとも1つの制御管理部に提供することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
充電ステーション(L)が公共の充電ステーションであることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電ステーションにおける充電過程についての少なくとも1つの特性情報を適合させる方法に関するものである。本発明は、公共の充電ステーションに特に有利に応用可能である。
【背景技術】
【0002】
通信プロトコルが関与する構成要素によってサポートされる場合に、公共の充電ステーションにおける電動車両の充電過程が充電ケーブルの接続あるいは分離によって容易に開始又は終了される基準ISO 15118(「Plug&Charge(プラグ&チャージ)」)が知られている。この場合、例えば充電過程の決済の承認のための充電カードの使用は不要である。
【0003】
スマートフォンのアプリケーションを用いて充電ステーションの充電電流の許可を行うことも知られている。このために、アプリ又は選択された充電ステーションは、充電ステーションの制御管理部に充電過程の開始あるいは終了を指示するスタート/ストップ機能を備えることが可能である。
【0004】
また、電動車両のユーザが故障した公共の充電ステーションをその管理者へ例えば適当なウェブサイトを介して通知することが可能であることが知られている。しかしながら、例えば、充電ステーションの設置時のデータベースへの誤った、又は不正確な入力によって、及び/又は充電ステーションの充電態様の製造者指示からの部材若しくは構造に起因する差異によって、電動車両を当該充電ステーションにおいて充電したい電動車両のユーザにとっての不便が生じてしまうことがある。例えば、充電ステーションの地理位置は、不正確にしかルートプランナに表示される地理位置と一致しないことがあり、これはより、ユーザが充電ステーションを見つけることが困難となる。充電ステーションは、場合によっては、電動車両のユーザにより要求される充電電流の許可/充電開始に対して非常に遅く応答することとなることがあり、これにより、ユーザは、当該充電ステーションにおける充電過程の作動あるいは開始が失敗していると誤って考えることがあり得る。そして、まだ以前の作動を行おうとしているにもかかわらず、ユーザが新たに充電を作動させようと試みると、当該充電ステーションの動作が所定の期間阻止されることとなり得る。なぜなら、特にオンライン接続を介した、同時の、又は短時間で連続して行われる作動を阻止する機構をいくつかの充電ステーションが備えているためである。したがって、ユーザは、しばしば、電動車両を他の充電ステーションへ接続する必要があると考え、これが面倒な駐車のし直しにつながり得る。
【0005】
特許文献1には、充電ステーションの位置を特定する方法及び装置が開示されており、位置を特定するために、少なくとも1つの携帯電話の移動事象が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2013/053394号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に克服するとともに、充電ステーションにおける充電過程に関連する現在の特性情報を適合し、あるいは補正する可能性を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該課題は、独立請求項の特徴により解決される。好ましい実施形態は、特に各従属請求項から見て取れる。
【0009】
上記課題は、充電ステーションにおける充電過程についての少なくとも1つの特性情報を適合させる方法であって、
-充電過程についての少なくとも1つの充電パラメータ(以下では、一般性を限定することなく「充電パラメータ」という。)が、該充電ステーションに接続された(及びこれにより充電された、又は充電される)電動車両から外部の評価管理部へ通知され;
-評価管理部が、少なくとも1つの充電パラメータを評価し、
-評価管理部が、評価に基づき特定される少なくとも1つの特性情報を将来の充電過程において充電ステーションに関与可能な少なくとも1つの管理部に提供する
方法によって解決される。
【0010】
当該方法により、複数の電動車両の(過去の)充電パラメータを評価することで、現在及び/又は将来の充電過程についての特性情報を統計的に信頼性をもってチェックすることができ、必要であれば補正することが可能であるという利点が得られる。そして、これにより、充電過程の実行が容易となり、特に、当該充電ステーションにおける充電過程の容易な実行についての電動車両のユーザの期待が裏切られる確率が低減され、その一方、ユーザ満足度が高められる。したがって、方法は、特に所定の製造者の電動車両のグループ又は一群の充電パラメータを評価することで、一群の複数の電動車両によって使用される各充電ステーションの特性についての「一群学習曲線」を作成する可能性を提供する。
【0011】
充電ステーションにおける充電過程についての特性情報は、特に、充電過程に影響を与える充電ステーションの特性についてのそれぞれ利用可能な情報と理解され得る。
【0012】
特性情報の適合は、特性情報の補正又は正確な指定を含み得る。
【0013】
外部の評価管理部は、例えば、電動車両の製造者のバックエンドであり得る。
【0014】
通知は、例えば、例えば無線を介した少なくとも1つの充電パラメータの伝達を含み得る。
【0015】
評価管理部が少なくとも1つの充電パラメータを評価することは、特に、評価管理部が、少なくとも1つの通知された充電パラメータと、場合によっては少なくとも1つの別のパラメータとに基づき、少なくとも1つの特性情報を特定あるいは演算することを含む。したがって、少なくとも1つの充電パラメータは評価の入力量に対応し、少なくとも1つの特性情報は評価の結果に対応する。特性情報が充電パラメータに対応すること、すなわち、特性情報及び充電パラメータが同一の量であるものの、値が異なり得ることが1つの発展形態である。特性情報が充電パラメータに対応しないことが1つの発展形態である。
【0016】
評価管理部が、当該充電ステーションでの将来の充電過程において関与可能な少なくとも1つの管理部の、評価に基づき特定した少なくとも1つの特性情報を提供することは、場合によっては適合あるいは補正された特性情報が、当該充電ステーションでの将来の充電過程に関与あるいは取り込まれることができる管理部に提供されることが可能であることを含む。このために、特定された特性情報は、例えば利用可能なデータベースにメモリされることができ、及び/又は関与可能な管理部へアクティブに伝達されることが可能である。
【0017】
充電パラメータは、例えば、充電ステーションの充電特性及び/又は充電ステーションにおいて充電された、若しくは充電される電動車両の充電特性を含み得る。これに代えて、又はこれに加えて、充電パラメータは、充電過程についての幾何学的な量を含むことができる。
【0018】
少なくとも1つの充電パラメータが、以下のグループ:
-充電ステーションに接続された電動車両の(地理)位置;
-充電ステーションに接続された電動車両の向き;
-電動車両又は充電ステーションの充電ケーブルの長さ;
-電動車両が接続された充電ステーションの識別子(以下では、一般性を限定することなく「ステーション識別子」という。);
-電動車両の識別子;
-充電過程の実行又は失敗(例えば誤った作動、中断);
-充電ステーションの充電態様;
のうち少なくとも1つのパラメータを含んでいることが1つの構成である。
【0019】
充電される電動車両の幾何学的な量「地理位置」は、例えばGPS、WLAN又は他の地理位置手法によって特定されることが可能である。充電される電動車両の幾何学的な量「向き」、特に充電ステーションに対するその長手方向の角度は、例えば、走行データ及び/又は電動車両によって撮影される画像の評価によって特定されることが可能である。幾何学的な量「充電ケーブルの長さ」は、電動車両の充電ケーブルの長さを含むことができ、これは、電動車両の充電ケーブルが充電ステーションへの接続に用いられる場合に特に有利である。
【0020】
充電ケーブルの長さは、電動車両から直接通知されることができるか、又は電動車両のタイプに基づき、例えば電動車両の特に同様に通知されるVINに基づき導出されることが可能である。しかし、ユーザが充電ケーブルの長さをあらかじめデータメモリに入力すること、又は車両における充電ソケットへの差込後に測定により車両が長さを特定することも可能である。
【0021】
充電ステーションが既知の長さの充電ケーブルを備えていれば、例えば、ステーション識別子を介して長さを導出することも可能である。ステーション識別子は、例えば、充電ステーションと電動車両の間のデータ交換によって、電動車両によって受け取られることが可能である。
【0022】
充電ステーションの充電態様は、1つ又は複数の充電パラメータ、例えばユーザによる充電許可の要求と実際に行われた充電許可の間の期間を含み得る。そのほか、電動車両の識別子、例えばそのVINによって、所定の特性情報が電動車両タイプに依存するかどうかを評価することが可能である。所定の充電ステーションが例えば同一の電気インフラストラクチャ世代の所定の電動車両タイプについてのみ問題を引き起こすことがあり得る。
【0023】
電動車両は、例えばプラグインハイブリッド車両又はフル電動で駆動される車両であり得る。
【0024】
少なくとも1つの関与可能な管理部が、
-充電ステーションにおける充電意思を有する電動車両;
-(例えば充電ステーションの管理部の)充電ステーションの作動のための制御管理部及び/又は
-例えば関心のあるポイントとしての充電ステーションを備えたルートプランナの動作部(オペレータ、管理部)
を含んでいることが1つの構成である。
【0025】
充電意思を有する電動車両は、例えば、ルートプランニング時に、将来の充電のための所定の充電ステーションをルートに沿って選択することがある。これに代えて、又はこれに加えて、充電意思を有する電動車両は、現在充電ステーションに接続されている電動車両であり得る。充電ステーションを作動させる制御管理部は、例えば、充電ステーションの動作部の制御装置であり得る。電動車両は、例えばルートプランナを利用することができ、地図/マップには、これに記録された充電ステーションの少なくとも位置が表示され、場合によっては、充電ステーションの充電特性、例えばコネクタタイプ、充電能力、利用可能な決済方法などのような更に別の情報が表示されている。
【0026】
-少なくとも、充電ステーションに接続された電動車両の少なくとも地理位置と、ステーション識別子とが外部の評価管理部へ通知され;
評価管理部が、
-少なくとも電動車両の地理位置と、用いられる充電ケーブルの長さとに基づき、関連する充電ステーションが存在する可能性がある面積(A1~A4)が充電パラメータとして特定されることで、
-充電ステーションの所定の位置が面積内にあるかどうかをチェックすることで、及び
-一回でも充電ステーションの所定の地理位置が面積内にない場合には、該充電ステーションにおいて充電した複数の電動車両の面積に基づき、充電ステーションの可能性のある位置を特定された特性情報として決定し、これにより、充電ステーションのこれまでの位置を補正、例えば置換することで
地理位置及びステーション識別子を評価する
ことが1つの構成である。
【0027】
これにより、これまで場合によっては誤って、又は非常に不正確に設定された(特性情報としての)充電ステーションの位置を補正することができるため、電動車両のユーザは、当該充電ステーションをより良好に見つけることが可能である。設定された位置についての不正確性は、例えば、充電ステーションの位置の誤った手入力(例えば番号誤記など)又は充電ステーションの設置時の充電ステーションの不正確な地理的な位置特定によって生じ得る。したがって、これまでの位置が適合あるいは補正される。
【0028】
充電ステーションに接続された電動車両の地理位置及びステーション識別子が通知されることが1つの発展形態である。電動車両の充電ケーブルの長さも、同様に通知されることができるか、又は電動車両の種類に基づき特定されることが可能である。充電ステーションが固定して設けられた充電ケーブルを備えていれば、その長さは、電動車両とのデータ交換により通知されることができるか、又はステーション識別子から導出されることが可能である。
【0029】
当該充電パラメータは、関連する充電ステーションが位置すべき、又は位置するはずの範囲の面積を特定するために用いられる。なぜなら、場合によっては、電動車両の位置不正確性のようないくつかの体系的な不確実性、電動車両の充電プラグの位置についての不正確な認識などを伴って、電動車両及び充電ケーブルの長さの地理位置によって充電ステーションのあり得る位置が一義的に位置特定されるためである。
【0030】
充電ステーションが当該面積内に存在せず、これが1つ又は複数の充電過程に対して特定されると、充電ステーションの可能性のある位置は、当該充電ステーションにおいて充電した複数の電動車両の面積に基づき検出された特性情報として特定されるとともに、これまで設定あるいは認識又はメモリされていた充電ステーションの位置の代わりに受け入れられる。
【0031】
充電ステーションの可能性のある(新たな)位置が複数の電動車両について特定された面積の幾何学的な重ね合わせに基づいて演算され、例えば、大部分の個々の面積が重ねられた重なった1つ又は複数の範囲の幾何学的な重心点として演算されることが1つの発展形態である。
【0032】
面積が、半径が電動車両又は充電ステーションの充電ケーブルの長さに対応する円形状の面積であることが1つの構成である。このような面積特定は、特に容易に実行されることが可能である。
【0033】
円形状の面積の中心点が電動車両の充電ソケットの位置に対応することが1つの構成である。これにより、面積をより正確に特定することが可能である。
【0034】
面積が電動車両の向きに依存して特定されることが1つの発展形態である。これによっても、面積をより正確に特定することが可能である。したがって、例えば、SUV又はバスのような高い電動車両においては、充電ケーブルが電動車両を越えてガイドされないと考えられる場合には、電動車両の前方で充電プラグから延在する半円のみが面積とみなされることが可能である。これに代えて、又はこれに加えて、電動車両の向きを認識して、充電プラグの位置をより正確に特定することが可能である。
【0035】
評価管理部が充電ステーションの可能性のある位置を当該充電ステーションにおける充電意思を有する電動車両に提供し、及び/又は関心のあるポイントなどとしての充電ステーションを有するルートプランナの動作部を関与可能な管理部として提供することが1つの構成である。
【0036】
充電ステーションの充電態様についての少なくとも1つの充電パラメータが評価管理部に通知され;評価管理部が、少なくとも1つの充電パラメータを評価のために統計的に評価し、統計的な評価の結果を分類し;及び評価管理部が、分類の結果を、特性情報として少なくとも1つの関与可能な管理部に提供することが1つの構成である。したがって、例えば製造者指示に基づく目標特性情報又は標準特性情報を電動車両の実際の動作によってチェックし、場合によっては補正することが可能であるという利点が得られる。このとき、これに基づき演算される特性情報の統計的な信頼性を得るために、電動車両の量が活用される。
【0037】
充電パラメータの統計的な母集団に基づき、これに基づき特定される特定情報を評価するために、例えば、これまでの特性情報を確認し、廃棄し、又は補正するために分類が用いられる。例えば、充電ステーションは、所定の電動車両タイプについて「適切」又は「不適切」として分類されることなどが可能である。
【0038】
充電ステーションの充電態様についての少なくとも1つの充電パラメータが、電動車両のユーザにより要求される、充電ステーション(L)での充電作動と充電ステーションの作動までの間の時間的な態様を含み、評価管理部が、分類の結果を、充電ステーションを作動させるための少なくとも1つの制御管理部に提供することが1つの構成である。したがって、例えば、充電ステーションの要求と作動の間の期間を、目標期間内として、又は「異常に長い継続時間」として分類することが可能である。例えばより長い切換時間が生じると、全てのコネクタが同時に開放されることができなければ、当該切換時間が統計的に検出され、特定の充電ステーションの制御(作動)において考慮されることが可能である。そして、制御管理部は、できる限り迅速に充電過程を開始するために、特に好都合な制御(作動)推移を用いることが可能である。
【0039】
充電ステーションが公共の充電ステーションであることが1つの構成である。充電ステーションが交流充電ステーションであることが1つの発展形態である。
【0040】
動作における態様変化を示唆する、充電ステーションに設置された構成要素の変更についての兆候が存在すれば、車両による次の充電過程が実行されるまでに、関連する分類をチェックすることが可能である。
【0041】
本発明の上述の特性、特徴及び利点並びに当該利点がどのように達成されるかという態様を、図面と関連した以下の実施例の概略的な説明に関連してより明確かつ明らかに理解できるように詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】時間的に相前後して各位置P1~P4において充電のために公共の交流充電ステーションLに接続された電動車両F1~F4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
充電ステーションLの地理位置PL_altは、その設置時に、データベース(不図示)へ入力されているとともに、例えば、入力する人物の番号誤記によりその実際の位置と不正確にしか一致しない。充電ステーションを認識し、目的地としてアプローチすることができるように、データベースはルートプランナによって用いられる。したがって、ルートプランナでは、充電ステーションLは、その設置後、同様にまずは非常に不正確に/誤ってのみ、したがって電動車両のユーザによって見つけることが困難であるか、又は幸運によってのみ見つけることが可能である。
【0044】
また、電動車両F1~F4の一群の一群管理者、例えば、電動車両F1~F4とデータ交換可能で、特に電動車両F1~F4からのデータ、例えばその位置、車両識別子(例えばVIN)、充電ステーションに接続されているという事実、充電ステーションLから受信されたステーション識別子などを受信可能な車両製造者が存在する。一群管理者は、ここでは評価管理部AIとしても用いられる。
【0045】
したがって、例えば電動車両F1が充電されるべき場合に、ユーザ/運転者が充電ステーションLを幸運にも実際の位置において発見した場合には、ユーザは、充電するために、携帯する充電ケーブルを充電ステーションLへ差し込む。ここでは、このとき、例えば、充電ステーションLは、当該充電ステーションに固定して設置された固有の充電ケーブルを備えていないと仮定される。駐車された電動車両F1は、その後、充電パラメータとして、少なくともその地理位置P1、そのVIN及び充電ステーションLのステーション識別子を例えば無線メッセージを用いて評価管理部AIへ通知する。ある一態様では、電動車両F1の充電ケーブルの長さも通知されることが可能である。これに代えて、評価管理部AIは、車両特有のケーブル長さに基づき長さを取得することが可能である。
【0046】
そして、評価管理部AIは、ステーション識別子と一致する充電ステーションの現在メモリされている地理位置PL_altが、中心点が車両F1の位置P1、特にその充電ソケットに対応し接続される充電ケーブルの長さに半径が対応する円形状の面積A1内にあるかどうかをチェックする。
【0047】
これが該当しない(現在メモリされている地理位置PL_altが面積A1内にない)場合には、評価管理部AIは、後に更に第2の車両F2が当該充電ステーションLに接続するかどうか待機する。これが該当する(第2の車両F2が当該充電ステーションLに接続する)場合には、評価管理部AIは、充電ステーションLの現在メモリされている地理位置PL_altが、半径R2が車両F2の充電ケーブルの長さに対応する車両F2周囲(例えばその充電ソケットの位置の周囲)の面積A2内にあるかどうかをチェックする。車両F2についても該当しない(現在メモリされている地理位置PL_altが面積A2内にない)場合には、評価管理部AIによって、面積A1あるいはA2の断面の地理的な中心点が特性情報として特定され、新たな地理位置PL_neuとしてメモリされる。新たな地理位置PL_neuは、例えば、一群管理者の一群の電動車両へ、及び/又はルートプランナの管理者などに通知されることが可能である。
【0048】
ある一態様では、充電ステーションLの地理位置PL_neuは、接続される各車両が多くの面積A1,A2,A3,A4,・・・に基づく断面の地理的な中心点として演算されることで、当該接続される各車両F3,F4,・・・によってますますより正確に特定されることが可能である。ここでは、4つの車両F1~F4について説明されており、4つ全ての面積A1~A4についての断面が、直接地理位置PL_neuの周囲で延びる閉じた線に対応している。
【0049】
当然、本発明は、示した実施例に限定されていない。
【0050】
一般的に、「ein」、「eine」(単数を表す不定冠詞)などは、単数又は複数と理解されることができ、特に、例えば「ちょうど1つ」などのように明確に除外しない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」などと理解されることができる。
【0051】
また、数字の記載は、明確に除外しない限り、ちょうど記載された数字も、また通常の許容範囲も含み得る。
【符号の説明】
【0052】
AI 評価管理部
A1~A4 面積
F1~F4 電動車両
L 充電ステーション
P1~P4 位置
PL_alt 充電ステーションのこれまでの地理位置
PL_neu 充電ステーションの新たな地理位置
R1~R4 充電ケーブルの長さ
図1
【国際調査報告】