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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】キッチン用レンジガード
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/12 20060101AFI20240808BHJP
   F24C 15/36 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F24C15/12 F
F24C15/36 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510509
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 KR2022012911
(87)【国際公開番号】W WO2023038354
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0119991
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524064070
【氏名又は名称】ミリクル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】チョ ミリ
(57)【要約】
本発明は、調理器具の周りに設置されるキッチン用レンジガードであって、第1レンジガードと、第2レンジガードと、上記第1レンジガードの一側端部と上記第2レンジガードの他側端部を連結する弾性バンドと、を含み、上記第1レンジガードは高さ方向に沿って形成され、上記第1レンジガードの一側端部に配置される第1ホールを含み、上記第1レンジガードは高さ方向に沿って形成され、上記第2レンジガードの他側端部に配置される第2ホールを含み、上記弾性バンドは上記第1ホール及び上記第2ホールを貫通して上記第1レンジガードの一側端部と上記第2レンジガードの他側端部が当接するように上記第1レンジガードと上記第2レンジガードを固定し、上記高さ方向を軸方向にして、上記弾性バンドの復元力に対応して上記第1レンジガードと上記第2レンジガードがなす角度が調整されるキッチン用レンジガードを提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具の周りに設置されるキッチン用レンジガードであって、
第1レンジガードと、
第2レンジガードと、
上記第1レンジガードの一側端部と上記第2レンジガードの他側端部を連結する弾性バンドと、を含み、
上記第1レンジガードは高さ方向に沿って形成され、上記第1レンジガードの一側端部に配置される第1ホールを含み、
上記第1レンジガードは高さ方向に沿って形成され、上記第2レンジガードの他側端部に配置される第2ホールを含み、
上記弾性バンドは上記第1ホール及び上記第2ホールを貫通して上記第1レンジガードの一側端部と上記第2レンジガードの他側端部が当接するように上記第1レンジガードと上記第2レンジガードを固定し、
上記高さ方向を軸方向にして、上記弾性バンドの復元力に対応して上記第1レンジガードと上記第2レンジガードがなす角度が調整される、キッチン用レンジガード。
【請求項2】
上記第1レンジガードは、第1透明板と上記第1透明板の一側端部に締結される第1ヒンジを含み、
上記第2レンジガードは、第2透明板と上記第2透明板の他側端部に締結される第2ヒンジを含み、
上記第1ホールは上記第1ヒンジの内面の一部と上記第1透明板の一側端部が互いに離隔して形成され、
上記第2ホールは上記第2ヒンジの内面の一部と上記第2透明板の他側端部が互いに離隔して形成される、請求項1に記載のキッチン用レンジガード。
【請求項3】
上記第1レンジガードは第1透明板を含み、
上記第2レンジガードは第2透明板を含み、
上記第1ホールは上記第1透明板の上面と下面を貫通して形成され、
上記第2ホールは上記第2透明板の上面と下面を貫通して形成され、
上記第1透明板は第1側面を含み、上記第2透明板は上記第1側面と接触する第2側面を含むが、上記第1側面と上記第2側面はそれぞれ曲面であり、
上記第1側面は第1セレーションを含み、上記第2側面は第2セレーションを含み、
上記第1セレーションと上記第2セレーションは互いに噛み合う、請求項1に記載のキッチン用レンジガード。
【請求項4】
上記第1透明板は、上記第1ホールと連通して上記弾性バンドの一側を上記第1ホールに案内する第1スロットを含み、
上記第2透明板は、上記第2ホールと連通して上記弾性バンドの他側を上記第2ホールに案内する第2スロットを含み、
上記第1スロットは上記第1ホールまで曲線区間を含み、上記第1ホールに隣接して配置される第1係止爪を含み、
上記第2スロットは上記第2ホールまで曲線区間を含み、上記第2ホールに隣接して配置される第2係止爪を含み、
上記第1スロットの入口は上記第1透明板の前面に配置され、
上記第2スロットの入口は上記第2透明板の背面に配置され、
上記第1ホールを向く上記弾性バンドの挿入方向と上記第2ホールを向く上記弾性バンドの挿入方向は互いに反対である、請求項3に記載のキッチン用レンジガード。
【請求項5】
第1吸着部と第2吸着部をさらに含み、
上記第1透明板は上記第1ホールと連通する第1開口を含み、
上記第2透明板は上記第2ホールと連通する第2開口を含み、
上記第1吸着部は上記第1開口に露出された上記弾性バンドの一部領域と連結され、上記第2吸着部は上記第2開口に露出された上記弾性バンドの一部領域と連結され、
上記第1吸着部が上記第1透明板に吸着される位置または上記第2吸着部が上記第2透明板に吸着される位置に応じて上記弾性バンドの復元力が調整される、請求項4に記載のキッチン用レンジガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキッチン用レンジガードに関し、調理の際に飛び散る油や飲食物などの異物を様々な方向において遮断し、組み立て及び分離が容易であり、設置角度の調整が容易なキッチン用レンジガードに関する。
【背景技術】
【0002】
キッチン用レンジガードは調理器具の周辺に設置されて、調理の際に飛び散る油や飲食物などがキッチンの壁や調理器具の周辺または人に跳ねないように物理的に調理空間を取り囲む装置である。
【0003】
通常、ガスレンジやIHクッキングヒーターなどの調理器具はキッチンの壁に隣接して設置されるため、調理の際に油や調理物が飛び散ってキッチンの壁に付いてしまう。
【0004】
ガスレンジの場合、ガスレンジの後方にガードが設けられるため、ある程度は油や調理物がキッチンの壁に飛び散ることを防止することができるが、ガードの大きさが制限されるため、油や調理物の効果的な遮断には限界がある。
【0005】
IHクッキングヒーターの場合、ガスレンジのようなガードすらないため、油や調理物がキッチンの壁に直接飛び散る。
【0006】
キッチン用レンジガードは調理器具や調理台とは別物であり、調理器具とキッチンの壁との間に位置して、このように油や調理物がキッチンの壁に付くのを防止することができる。調理の際に跳ねる油や調理物はキッチン用レンジガードに付くようになる。使用者は、油や調理物の付いたキッチン用レンジガードのみを洗えばよいため、調理器具の周辺をきれいに管理することができる。
【0007】
このようなキッチン用レンジガードはパネルからなり、調理器具の周りに設置されることができる。パネルは透明な素材からなってパネルの後ろの視認性を確保したり、調理過程が見られるように形成されてもよい。また、パネルは難燃性、耐火性の材料からなって安定性を確保することができる。パネルは正方形の板状部材であって、調理器具の周りの調理台に立てられた形態で配置される。
【0008】
但し、このようにキッチン用レンジガードが調理器具とキッチンの壁との間に配置されても、調理器具の周りに油や調理物が飛び散ることがある。例えば、油や調理物がキッチンの壁とは方向の異なる調理器具の周りの調理台の上に飛び散ったり、隣接する調理道具またはキッチン装置に飛び散ることができる。または、IHクッキングヒーターなどの調理器具が設けられたアイランド型食卓の場合、食卓の周りの他の使用者に油や調理物が飛び散る可能性があり、安全事故の危険がある。
【0009】
また、最近では、様々な形態の調理器具が様々な位置に設けられるように発売されており、単に平坦な板状のキッチン用レンジガードの場合、様々な調理器具の形態に対応して調理器具をカバーすることが難しく、設置空間が大きく制限されるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、調理器具の様々な方向において、油や調理物が飛び散るのを防止しながらも、組み立て及び解体が容易であり、形態が可変的であるため、より多様な形態に配置可能なキッチン用レンジガードを提供することをその目的とする。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は以上で言及した課題に限らず、ここに言及されていない他の課題は以下の記載から当業者には明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、調理器具の周りに設置されるキッチン用レンジガードであって、第1レンジガードと、第2レンジガードと、上記第1レンジガードの一側端部と上記第2レンジガードの他側端部を連結する弾性バンドと、を含み、上記第1レンジガードは高さ方向に沿って形成され、上記第1レンジガードの一側端部に配置される第1ホールを含み、上記第1レンジガードは高さ方向に沿って形成され、上記第2レンジガードの他側端部に配置される第2ホールを含み、上記弾性バンドは上記第1ホール及び上記第2ホールを貫通して上記第1レンジガードの一側端部と上記第2レンジガードの他側端部が当接するように上記第1レンジガードと上記第2レンジガードを固定し、上記高さ方向を軸方向にして、上記弾性バンドの復元力に対応して上記第1レンジガードと上記第2レンジガードがなす角度が調整されるキッチン用レンジガードを提供することができる。
【0013】
上記第1レンジガードは、第1透明板と上記第1透明板の一側端部に締結される第1ヒンジを含み、上記第2レンジガードは、第2透明板と上記第2透明板の他側端部に締結される第2ヒンジを含み、上記第1ホールは上記第1ヒンジの内面の一部と上記第1透明板の一側端部が互いに離隔して形成され、上記第2ホールは上記第2ヒンジの内面の一部と上記第2透明板の他側端部が互いに離隔して形成されることができる。
【0014】
上記第1レンジガードは第1透明板を含み、上記第2レンジガードは第2透明板を含み、上記第1ホールは上記第1透明板の上面と下面を貫通して形成され、上記第2ホールは上記第2透明板の上面と下面を貫通して形成され、上記第1透明板は第1側面を含み、上記第2透明板は上記第1側面と接触する第2側面を含むが、上記第1側面と上記第2側面はそれぞれ曲面であり、上記第1側面は第1セレーションを含み、上記第2側面は第2セレーションを含み、上記第1セレーションと上記第2セレーションは互いに噛み合うことができる。
【0015】
上記第1透明板は、上記第1ホールと連通して上記弾性バンドの一側を上記第1ホールに案内する第1スロットを含み、上記第2透明板は、上記第2ホールと連通して上記弾性バンドの他側を上記第2ホールに案内する第2スロットを含み、上記第1スロットは上記第1ホールまで曲線区間を含み、上記第1ホールに隣接して配置される第1係止爪を含み、上記第2スロットは上記第2ホールまで曲線区間を含み、上記第2ホールに隣接して配置される第2係止爪を含み、上記第1スロットの入口は上記第1透明板の前面に配置され、上記第2スロットの入口は上記第2透明板の背面に配置され、上記第1ホールを向く上記弾性バンドの挿入方向と上記第2ホールを向く上記弾性バンドの挿入方向は互いに反対であることができる。
【0016】
第1吸着部と第2吸着部を含み、上記第1透明板は上記第1ホールと連通する第1開口を含み、上記第2透明板は上記第2ホールと連通する第2開口を含み、上記第1吸着部は上記第1開口に露出された上記弾性バンドの一部領域と連結され、上記第2吸着部は上記第2開口に露出された上記弾性バンドの一部領域と連結され、上記第1吸着部が上記第1透明板に吸着される位置または上記第2吸着部が上記第2透明板に吸着される位置に応じて上記弾性バンドの復元力が調整されることができる。
【発明の効果】
【0017】
実施例は、複数個のレンジガードを弾性バンドを介して連結し、それぞれのレンジガードがなす角度を調整するように構成することで、調理器具の様々な方向において油や調理物が飛び散ることを防止するメリットがある。
【0018】
実施例は、第1レンジガードと第2レンジガードが結合された状態において、軸中心で回転が自由であるため、より多様な形態の調理器具、様々な形態のキッチンの条件に対応して設置が容易なメリットがある。
【0019】
実施例は、弾性バンドでヒンジを構成して、組み立てまたは解体が容易なメリットがある。
【0020】
実施例は、弾性バンドでヒンジを構成することで、第1レンジガードと第2レンジガードを完全に重なった状態に折り畳むことができるため、製品の体積を大きく減らして配送や保管が容易なメリットがある。
【0021】
実施例は、第1レンジガードと第2レンジガードの接触面が曲面からなり、接触面にセレーションが形成されて、角度が調整された状態において第1レンジガードと第2レンジガードとの結合性を上げ、第1レンジガードと第2レンジガードがなす角度を段階的に調整することができるメリットがある。
【0022】
実施例は、第1レンジガードと第2レンジガードにそれぞれ弾性バンドが掛かるホールとスロットを含み、それぞれのスロットの方向を反対にして弾性バンドの組立性を向上させ、第1レンジガードと第2レンジガードとの結合性を上げるメリットがある。
【0023】
実施例は、弾性バンドと連結される吸着部を含み、吸着部の吸着位置を変更することで、第1レンジガードと第2レンジガードの位置または弾性バンドの弾性変化に対応して弾性バンドの復元力を調整することができるメリットがある。
【0024】
実施例は、第1レンジガードと第2レンジガードの透明板はポリカーボネートからなり、透明性を確保しながらも強度を上げるメリットがある。
【0025】
実施例は、第1レンジガードと第2レンジガードの透明板は、例えば、トウモロコシ由来の成分を重合して形成されてもよく、キッチンの環境に相応しいように、熱気が加わると、環境にやさしい物質が発生する環境にやさしい素材からなるメリットがある。
【0026】
実施例は、第1レンジガードと第2レンジガードの透明板はコーティング層を含み、コーティング層はPM2.5、汚染物質を吸収したり、抗菌/抗ウイルス機能を有したり、調理器具の熱効率を上げたり、耐燃性、耐火性を向上させるなどの多様な機能性を備えることができるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施例によるキッチン用レンジガードを示す斜視図である。
図2】実施例によるキッチン用レンジガードを示す斜視図である。
【0028】
図3図1に示すキッチン用レンジガードの分解図である。
【0029】
図4図3に示す第1レンジガードと第2レンジガードの接合状態を示す図である。
図5図3に示す第1レンジガードと第2レンジガードの接合状態を示す図である。
図6図3に示す第1レンジガードと第2レンジガードの接合状態を示す図である。
【0030】
図7】キッチン用レンジガードの使用状態を示す図である。
図8】キッチン用レンジガードの使用状態を示す図である。
図9】キッチン用レンジガードの使用状態を示す図である。
図10】キッチン用レンジガードの使用状態を示す図である。
図11】キッチン用レンジガードの使用状態を示す図である。
図12】キッチン用レンジガードの使用状態を示す図である。
【0031】
図13】他の実施例によるキッチン用レンジガードを示す図である。
【0032】
図14】第1吸着部と第2吸着部を含むキッチン用レンジガードを示す図である。
【0033】
図15図3に示すキッチン用レンジガードにおける第1レンジガードと第2レンジガードの様々な配置状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の目的、特定の利点及び新規の特徴は添付の図面に関わる以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。また、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる用語または単語は通常または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に基づいて、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。そして、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不要に不明確にし得る関連の公知技術に対する詳細な説明は省略する。
【0035】
以下、実施例によるキッチン用レンジガードを説明するにおいて、各構成要素の「上または下」に形成または配置されると記載される場合、上または下は2つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、1つ以上のさらに他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上または下」で表現される場合、1つの構成要素を基準として上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0036】
また、第1、第2などの用語を使用することができ、当該用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などは限定されない。
【0037】
図1及び図2は実施例によるキッチン用レンジガードを示す斜視図であり、図3図1に示すキッチン用レンジガードの分解図である。
【0038】
以下、図において、x軸はキッチン用レンジガードの厚さ方向を示し、y軸はキッチン用レンジガードの幅方向を示し、z軸はキッチン用レンジガードの高さ方向を示す。
【0039】
図1図3を参照すると、実施例によるキッチン用レンジガードは、第1レンジガード100と、第2レンジガード200と、弾性バンド300と、を含んでもよい。以下、第1レンジガード100と第2レンジガード200はキッチン用レンジガードを構成する複数個のレンジガードのうち1つであり、互いに隣接して配置されるレンジガードと定義される。このような第1レンジガード100と第2レンジガード200は弾性バンド300により結ばれ、高さ方向zを軸方向にして回転可能に互いに結合される特徴がある。弾性バンド300は閉曲線をなす弾性バンド300であって、必要に応じて1つまたは複数個が含まれてもよい。このようなキッチン用レンジガード10は調理器具1の周りに配置される。
【0040】
第1レンジガード100は第1透明板110を含んでもよい。第1透明板110は厚さより幅の広い板状部材であり、例えば、四角形のような多角形からなってもよい。
【0041】
第2レンジガード200は第2透明板210を含んでもよい。第2透明板210も厚さより幅の広い板状部材であり、例えば、四角形のような多角形からなってもよい。厚さが薄いため、設置空間に対する制約が大きくなく、洗浄などの管理が容易である。
【0042】
第2レンジガード200は第1レンジガード100と大きさ及び形状が同じであってもよい。しかし、本発明はこれに限定されず、製品に応じて第1レンジガード100と大きさ及び形状が異なってもよい。
【0043】
また、第1透明板110の厚さと第2透明板210の厚さも異なってもよい。
【0044】
第1透明板110と第2透明板210はそれぞれ透明な素材からなってもよい。例えば、第1透明板110と第2透明板210はポリカーボネートからなり、透明性を確保しながらも強度を上げることができる。また、キッチンの環境に対応して、第1透明板110と第2透明板210は人体に有害な成分が排除された材質で構成されてもよい。
【0045】
一方、このような第1透明板110と第2透明板210はコーティング層を含むことができる。コーティング層はPM2.5、汚染物質を吸収したり、抗菌/抗ウイルス機能を有したり、調理器具の熱効率を上げたり、耐燃性、耐火性を向上させるなどの機能を有する成分を含むことができる。
【0046】
例えば、第1透明板110と第2透明板210は、それぞれ金属アルコキシド(alkoxide)とシランカップリング剤の混合物に紫外線硬化型オリゴマーとモノマー及び溶媒を添加して生成した混合溶液に光開始剤を撹拌して製造したものであってもよい。
【0047】
または、第1透明板110と第2透明板210は、アルミナジルコニア複合ゾルにシランカップリング剤、金属アルコキシド(alkoxide)及び溶媒を混合した後、窒素雰囲気下で真空状態のグローブボックスを用いて攪拌した混合物に架橋剤を添加して製造したものであってもよい。
【0048】
そして、第1透明板110と第2透明板210は、キッチンの環境に対応して、環境にやさしい素材からなることができる。例えば、第1透明板110と第2透明板210は環境にやさしいプラスチック素材PETG(Polyethylene terephthalate)にトウモロコシ由来の成分を重合して製造したものであってもよい。
【0049】
図4図5及び図6は、図3に示す第1レンジガード100と第2レンジガード200の結合状態を示す図である。
【0050】
第1実施例
【0051】
図2図6を参照すると、実施例によるキッチン用レンジガードは、第1ヒンジ120と第2ヒンジ220により第1レンジガード100と第2レンジガード200が結合されることができる。第1ヒンジ120は第1透明板110との間に弾性バンド300の一側が挿入される第1ホールH1を形成する。そして、第2ヒンジ220は第2透明板210との間に弾性バンド300の他側が挿入される第2ホールH2を形成する。
【0052】
第1ヒンジ120は第1透明板110の一側端部に取り付けられる。第1ヒンジ120は断面が「コ」の字状に構成されることで、内側に第1透明板110の一側端部が挿入される空間を形成する。このような第1ヒンジ120は複数個が設けられてもよい。例えば、1つの第1ヒンジ120は第1透明板110の一側端部の上側に配置され、他の1つの第1ヒンジ120は第1透明板110の一側端部の下側に配置されることができる。
【0053】
第2ヒンジ220は第2透明板210の他側端部に取り付けられる。第2ヒンジ220は断面が「コ」の字状に構成されることで、内側に第2透明板210の他側端部が挿入される空間を形成する。このような第2ヒンジ220は複数個が設けられてもよい。例えば、1つの第2ヒンジ220は第2透明板210の他側端部の上側に配置され、他の1つの第2ヒンジ220は第2透明板210の他側端部の下側に配置されることができる。
【0054】
第1ホールH1は第1ヒンジ120の内壁と第1透明板110の一側端部との間の空間を意味し、高さ方向zに沿って配置される。第2ホールH2は第2ヒンジ220の内壁と第2透明板210の他側端部との間の空間を意味し、高さ方向zに沿って配置される。第1レンジガード100と第2レンジガード200が組み立てられた状態において、弾性バンド300の一側は第1ホールH1に位置し、弾性バンド300の他側は第2ホールH2に位置する。
【0055】
図7図12はキッチン用レンジガードの使用状態を示す図である。
【0056】
図7及び図12を参照すると、第1ヒンジ120と第2ヒンジ220は開放面が互いに反対側を向くように互いに当接した状態で、使用者が弾性バンド300を伸ばして第1ヒンジ120と第2ヒンジ220の当接した部分に弾性バンド300を取り付けると、弾性バンド300が第1ヒンジ120と第2ヒンジ220を締め付けて連結される。弾性バンド300は伸縮可能であるため、第1ヒンジ120と第2ヒンジ220が当接した部分が軸中心となり、弾性バンド300の弾性変形に応じて、第1透明板110と第2透明板210が自由に回転できる。従って、使用者は様々な形態の調理器具、様々な形態のキッチンの条件に対応して、第1透明板110と第2透明板210がなす角度を自由に調整することができる。
【0057】
第1透明板110と第2透明板210にはそれぞれ第1溝G1と第2溝G2が形成されてもよい。第1溝G1は第1透明板110の一側端部のうち第1ヒンジ120が取り付けられる領域に凹状に形成される。また、第2溝G2は第2透明板110の他側端部のうち第2ヒンジ220が取り付けられる領域に凹状に形成される。このような第1溝G1と第2溝G2は弾性バンド300の設置空間とバンディング空間を確保する役割を担う。
【0058】
このように、第1レンジガード100と第2レンジガード200がなす角度が調整できれば、複数個のレンジガードを組み合わせることで、調理器具の周りの様々な方向において油や調理物が飛び散ることが防止できるメリットがある。また、第1レンジガード100と第2レンジガード200が鋭角をなすように配置されると、調理台や食卓に立てやすいというメリットがある。
【0059】
複数個のレンジガードを組み合わせて、レンジガードが調理器具を全体的に取り囲むように配置することができる。このようなキッチン用レンジガードは第1レンジガード100と第2レンジガード200が完全に重なった状態で使用してもよい。弾性バンド300が回転軸の役割をするため、第1レンジガード100と第2レンジガード200を完全に重ねやすい。複数個のレンジガードを完全に重ねった状態で調理器具1の周りに立てて使用してもよい。
【0060】
一方、第1レンジガード100と第2レンジガード200が結合された状態において、使用者が弾性バンド300を伸ばして弾性バンド300を第1ヒンジ120と第2ヒンジ220から分離すると、第1レンジガード100と第2レンジガード200が容易に分離できる。そのため、第1レンジガード100と第2レンジガード200の組み立てだけでなく、解体も容易なメリットがある。
【0061】
弾性バンド300は第1ヒンジ120の数及び第2ヒンジ220の数に対応して複数個が設けられてもよい。
【0062】
図13は他の実施例によるキッチン用レンジガードを示す図である。
【0063】
第2実施例
【0064】
図13を参照すると、ヒンジが排除され、弾性バンド300が挿入される第1ホールH3が第1透明板130に形成されてもよい。また、第2ホールH4が第2透明板230に形成されてもよい。
【0065】
第1ホールH3は第1透明板130の一側端部の上面と下面を貫通して形成されることができる。第2ホールH4は第2透明板230の他側端部の上面と下面を貫通して形成されることができる。
【0066】
そして、第1透明板130は弾性バンド300を第1ホールH3に挿入するための第1スロットST1を含んでもよい。第1スロットST1はその入口が第1透明板130の背面R1に配置され、第1ホールH3と連結されて、弾性バンド300の一側を第1ホールH3に案内する。このような第1スロットST1は高さ方向zに沿って第1透明板130の上端から下端まで長く形成されることができる。
【0067】
第2透明板230は弾性バンド300を第2ホールH4に挿入するための第2スロットST2を含んでもよい。第2スロットST2はその入口が第2透明板230の前面F2に配置され、第2ホールH4と連結されて、弾性バンド300の他側を第2ホールH4に案内する。このような第2スロットST2は高さ方向zに沿って第2透明板230の上端から下端まで長く形成されることができる。
【0068】
第1透明板130は一側端部に曲面状の第1側面S1を含んでもよい。第2透明板230は他側端部に曲面状の第2側面S2を含んでもよい。第1側面S1と第2側面S2は対向して配置され、弾性バンド300によって第1レンジガード100と第2レンジガード200が結合されると、互いに接触する。
【0069】
第1透明板130は第1セレーション(serration)SR1を含んでもよい。第1セレーションSR1は第1側面S1に沿って鋸歯状に形成される。第1セレーションSR1は高さ方向zに沿って第1透明板130の上端から下端まで長く形成されることができる。
【0070】
第2透明板230は第2セレーション(serration)SR2を含んでもよい。第2セレーションSR2は第2側面S2に沿って鋸歯状に形成される。第2セレーションSR2は高さ方向zに沿って第2透明板230の上端から下端まで長く形成されることができる。
【0071】
弾性バンド300の一側が第1スロットST1を経て第1ホールH3に挿入され、弾性バンド300の他側が第2スロットST2を経て第2ホールH4に挿入されると、弾性バンド300によって第1透明板130に第2透明板230が直接回転できるように結合される。
【0072】
第1スロットST1は第1ホールH3まで曲線区間を含むことができる。また、第1スロットST1は第1ホールH3に隣接する第1係止爪T1を含んでもよい。第1係止爪T1は第1スロットST1の内壁から突出して第1ホールH3に挿入された弾性バンド300の第1ホールH3からの離脱を防ぐ役割をする。
【0073】
第2スロットST2も第2ホールH4まで曲線区間を含むことができる。また、第2スロットST2は第2ホールH4に隣接する第2係止爪T2を含んでもよい。第2係止爪T2は第2スロットST2の内壁から突出して第2ホールH4に挿入された弾性バンド300の第2ホールH4からの離脱を防ぐ役割をする。
【0074】
第1透明板130の第1側面S1と第2透明板230の第2側面S2とが接触した状態において、第1スロットST1の入口方向と第2スロットST2の入口方向は反対であり、厚さ方向xにおいて第1ホールH3と第2ホールH4の位置も異なる。従って、弾性バンド300は第1透明板130の一側端部と第2透明板230の他側端部に斜めに掛けられて配置されることができる。そのため、第1レンジガード100と第2レンジガード200が回転するとき、第1透明板130と第2透明板230の接触性と結合性が良好なメリットがある。
【0075】
このように、弾性バンド300により第1レンジガード100と第2レンジガード200が結合されると、曲面状の第1側面S1と第2側面S2が接触して高さ方向zに沿って第1側面S1と第2側面S2が当接した部分が軸中心となり、弾性バンド300の弾性変形に応じて、第1透明板130と第2透明板230が自由に回転できる。従って、使用者は様々な形態の調理器具、様々な形態のキッチンの条件に対応して第1透明板130と第2透明板230がなす角度を自由に調整することができる。
【0076】
このとき、第1レンジガード100と第2レンジガード200が結合されると、第1セレーションSR1と第2セレーションSR2が噛み合う。そのため、第1レンジガード100と第2レンジガード200が回転するとき、第1透明板130と第2透明板230の接触性と結合性が良く、第1レンジガード100と第2レンジガード200がなす角度を段階的に調整することができるメリットがある。
【0077】
図14は、第1吸着部400と第2吸着部500を含むキッチン用レンジガードを示す図である。
【0078】
図14を参照すると、キッチン用レンジガードは第1吸着部400と第2吸着部500を含んでもよい。第1吸着部400と第2吸着部500はそれぞれ吸着板であってもよい。
【0079】
弾性バンド300が繰り返した使用により伸びたり、第1レンジガード100と第2レンジガード200がなす角度の変化に対応して、弾性バンド300の復元力に変化が必要な場合、第1吸着部400と第2吸着部500を通じて弾性バンド300の弾性を調整することができる。
【0080】
第1透明板130は第1ホールH3と連通する第1開口131を含んでもよい。第1開口131は第1透明板130の前面F1に配置される。第2透明板230は第2ホールH4と連通する第2開口132を含んでもよい。第2開口141は第2透明板230の背面R2に配置される。第1吸着部400は第1開口131に露出された弾性バンド300の一部領域と連結される。第2吸着部500は第2開口132に露出された弾性バンド300の一部領域と連結される。
【0081】
第1吸着部400は第1透明板130の前面F1に付着されてもよく、第2吸着板は第2透明板230の背面R2に付着されてもよい。
【0082】
第1吸着部400は弾性バンド300の弾性変位の範囲内で第1透明板130の様々な領域に付着されて固定されることができる。第2吸着部500も弾性バンド300の弾性変位の範囲内で第1透明板130の様々な領域に付着されて固定されることができる。
【0083】
第1吸着部400が第1開口131から遠くなるか、または第2吸着部500が第2開口141から遠くなると、弾性バンド300が伸びて復元力が大きくなる。逆に、第1吸着部400が第1開口131に近くなるか、または第2吸着部500が第2開口141に近くなると、弾性バンド300が縮んで復元力が小さくなる。
【0084】
このように、第1透明板130における第1吸着部400の付着位置や第2透明板230における第2吸着部500の付着位置に応じて弾性バンド300が伸びたり縮んだりしながら弾性バンド300の復元力が調整される。
【0085】
図15は、図3に示すキッチン用レンジガードにおける第1レンジガード100と第2レンジガード200の様々な配置状態を示す図である。
【0086】
図15の(a)のように、キッチン用レンジガードは第1レンジガード100と第2レンジガード200が180度になるように配置されて使用されてもよい。調理器具の何れか1つの方向でより広い領域をカバーするための使用態様であることができる。
【0087】
図15の(b)のように、キッチン用レンジガードは第1レンジガード100と第2レンジガード200が鋭角になるように配置されて使用されてもよい。調理器具の様々な方向をカバーするための使用態様である。複数個のレンジガードを組み合わせて、レンジガードが調理器具を全体的に取り囲むように配置されてもよい。
【0088】
図15の(c)のように、キッチン用レンジガードは第1レンジガード100と第2レンジガード200が完全に重なった状態で使用されてもよい。弾性バンド300が回転軸の役割をするため、第1レンジガード100と第2レンジガード200を完全に重ねやすい。
【0089】
第1レンジガード100と第2レンジガード200が完全に重なると、販売されたキッチン用レンジガードを配送する際、体積が大きく減少するため、配送が容易なメリットがある。また、体積が小さいため、収納に要する空間が大きくないというメリットがある。また、調理器具の周りの環境や調理物の種類に対応してより厚いキッチン用レンジガードが必要な場合、第1レンジガード100と第2レンジガード200を重ねて使用することも可能である。
【0090】
以上、本発明の好ましい一実施例によるキッチン用レンジガードについて添付の図面を参照して具体的に説明した。
【0091】
上述の本発明の一実施例はすべての面において例示的なものであり、限定的なものでないと理解すべきであり、本発明の範囲は上述の詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示されるであろう。また、この特許請求の範囲の意味及び範囲はもちろんのこと、その等価概念から導出される全ての変更または変形可能な形態が本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0092】
H1、H3 第1ホール
H2、H4 第2ホール
100 第1レンジガード
110、130 第1透明板
120 第1ヒンジ
131 第1開口
200 第2レンジガード
210、230 第2透明板
220 第2ヒンジ
231 第2開口
300 弾性バンド
400 第1吸着部
500 第2吸着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15(a)】
図15(b)】
図15(c)】
【国際調査報告】