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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】経皮的循環補助システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/165 20210101AFI20240808BHJP
   A61M 60/216 20210101ALI20240808BHJP
【FI】
A61M60/165
A61M60/216
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512097
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022041232
(87)【国際公開番号】W WO2023028062
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/237,001
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ、ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン、スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD08
4C077DD30
4C077JJ03
4C077JJ08
(57)【要約】
本開示の様々な態様は、血液ポンプを送達するためのシステムである、装置、システム、および方法を対象としている。システムは、ポンプを通して血液を流動させるように構成された1つまたは複数のインペラを含み得る血液ポンプを含むことができる。システムは、1つまたは複数のガイドワイヤを含んでいてもよい。ガイドワイヤは、1つまたは複数の近位セクションと、1つまたは複数の遠位セクションとを含んでいてよく、遠位セクションは、第1の寸法を有し、近位セクションは、第2の寸法を有し、第1の寸法は、第2の寸法よりも大きくてよい。ガイドワイヤは、テーパ状であってよく、幾何学的に成形されていてよく、湾曲したプロファイル、それらの組み合わせ、または他の構成を有していてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤであって、
第1の横寸法を有する遠位セクションと、
前記第1の横寸法よりも小さい第2の横寸法を有する近位セクションと
を含む、ガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤに結合されるとともに、前記ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、
インペラハウジングと、
モータハウジングと、
前記インペラハウジング内に配置されたインペラであって、前記血液ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラと
を含む、血液ポンプと
を備える、経皮的循環補助システム。
【請求項2】
前記インペラハウジングは、第3の横寸法を有し、前記モータハウジングは、第4の横寸法を有し、前記第4の横寸法は、前記第3の横寸法よりも小さい、請求項1に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項3】
前記第3の横寸法は、直径であり、前記第4の横寸法は、直径である、請求項2に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項4】
前記ガイドワイヤおよび前記血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備える、請求項2または3のいずれかに記載の経皮的循環補助システム。
【請求項5】
前記イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、前記第3の横寸法は、前記内側横寸法の99.75パーセントから98.25パーセントの範囲内にある、請求項4に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項6】
前記イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、前記第4の横寸法は、前記内側横寸法の91.25パーセントから91.75パーセントの範囲内にある、請求項4に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項7】
前記ガイドワイヤは、前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に移行セクションをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項8】
前記インペラハウジングは、入口および出口を含み、前記ガイドワイヤは、前記出口から近位に延在し、前記インペラハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項9】
前記ガイドワイヤの前記近位セクションは、前記出口から近位に延在し、前記インペラハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項8に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項10】
前記ガイドワイヤの前記遠位セクションは、前記出口から近位に延在し、前記インペラハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項8または9のいずれかに記載の経皮的循環補助システム。
【請求項11】
前記第1の横寸法は、直径であり、前記第2の横寸法は、直径である、請求項1~10のいずれか一項に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項12】
ガイドワイヤ近位セクション横寸法を有する近位セクションを含むガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤに結合されるとともに、前記ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、
インペラアセンブリハウジング横寸法を有するインペラアセンブリハウジング、および前記インペラアセンブリハウジング内に配置されたインペラアセンブリであって、前記ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラを含む、インペラアセンブリと、
前記インペラハウジングに結合されたモータハウジングであって、モータハウジング横寸法を有するモータハウジングと
を含む血液ポンプと
を備え、
ih≧dmh+2dgps
であり、
ihは、前記インペラアセンブリハウジング横寸法であり、
mhは、モータハウジング横寸法であり、
gpsは、ガイドワイヤ近位セクションの横寸法である、経皮的循環補助システム。
【請求項13】
前記ガイドワイヤは、前記近位セクションに結合された遠位セクションをさらに含み、前記遠位セクションは、ガイドワイヤ遠位セクション横寸法を有し、
ih≦dmh+2dgds
であり、dgdsは、前記ガイドワイヤ遠位セクション横寸法である、請求項12に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項14】
前記ガイドワイヤの前記近位セクションおよび前記血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備える、請求項12または13のいずれかに記載の経皮的循環補助システム。
【請求項15】
前記インペラアセンブリハウジングは、入口および出口を含み、前記ガイドワイヤは、前記出口から近位に延在し、前記インペラアセンブリハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項12~14のいずれか一項に記載の経皮的循環補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経皮的循環補助システムに関する。より詳細には、本開示は、経皮的循環補助デバイスおよびそのようなデバイスを心臓内に配置するためのガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
血液ポンプなどの経皮的循環補助デバイスは、心機能または心拍出量が低下した患者に最大約数週間にわたって一時的な補助を提供することができる。概して、そのようなデバイスの性能、より詳細には、血流およびトルク発生特性は、インペラ、モータ、または他の構成要素のサイズまたは直径を増加させることによって改良され、同時に、デバイス誘発性の溶血(すなわち、血液細胞の破裂または破壊)も低減させる。そのようなデバイスは、典型的には、ガイドワイヤを使用して患者の心臓に送達され、ガイドワイヤは、血液ポンプとイントロデューサシースの内側表面との間に配置される。したがって、ガイドワイヤは、さもなければ血液ポンプを収容することができるイントロデューサシース内のスペースを占める。
【発明の概要】
【0003】
例1では、経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤであって、第1の横寸法を有する遠位セクションと、第1の横寸法よりも小さい第2の横寸法を有する近位セクションとを含む、ガイドワイヤと、ガイドワイヤに結合されるとともに、ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、インペラハウジングと、モータハウジングと、インペラハウジング内に配置されたインペラであって、血液ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラとを含む、血液ポンプとを備えている。
【0004】
例2では、例1の経皮的循環補助システムにおいて、インペラハウジングは、第3の横寸法を有し、モータハウジングは、第4の横寸法を有し、第4の横寸法は、第3の横寸法よりも小さい。
【0005】
例3では、例2の経皮的循環補助システムにおいて、第3の横寸法は、直径であり、第4の横寸法は、直径である。
例4では、例2または例3のいずれかの経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤおよび血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備えている。
【0006】
例5では、例4の経皮的循環補助システムにおいて、イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、第3の横寸法は、内側横寸法の99.75パーセントから98.25パーセントの範囲内にある。
【0007】
例6では、例4の経皮的循環補助システムにおいて、イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、第4の横寸法は、内側横寸法の91.25パーセントから91.75パーセントの範囲内にある。
【0008】
例7では、例1~6のいずれかの経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤは、近位セクションと遠位セクションとの間に移行セクションをさらに含んでいる。
例8では、例1~7のいずれかの経皮的循環補助システムにおいて、インペラハウジングは、入口および出口を含み、ガイドワイヤは、出口から近位に延在し、インペラハウジングを通り、入口から遠位に延在するように構成されている。
【0009】
例9では、例8の経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤの近位セクションは、出口から近位に延在し、インペラハウジングを通り、入口から遠位に延在するように構成されている。
【0010】
例10では、例8または9のいずれかの経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤの遠位セクションは、出口から近位に延在し、インペラハウジングを通り、入口から遠位に延在するように構成されている。
【0011】
例11では、例1~10のいずれかの経皮的循環補助システムにおいて、第1の横寸法は、直径であり、第2の横寸法は、直径である。
例12では、経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤ近位セクション横寸法を有する近位セクションを含むガイドワイヤと、ガイドワイヤに結合されるとともに、ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、インペラアセンブリハウジング横寸法を有するインペラアセンブリハウジング、およびインペラアセンブリハウジング内に配置されたインペラアセンブリであって、ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラを含む、インペラアセンブリと、インペラハウジングに結合されたモータハウジングであって、モータハウジング横寸法を有するモータハウジングとを含む血液ポンプとを備え、
a. dih≧dmh+2dgps
であり、dihは、インペラアセンブリハウジング横寸法であり、dmhは、モータハウジング横寸法であり、dgpsは、ガイドワイヤ近位セクションの横寸法である。
【0012】
例13では、例12の経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤは、近位セクションに結合された遠位セクションをさらに含み、遠位セクションは、ガイドワイヤ遠位セクション横寸法を有し、
a. dih≦dmh+2dgds
であり、dgdsは、ガイドワイヤ遠位セクション横寸法である。
【0013】
例14では、例12または例13のいずれかの経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤの近位セクションおよび血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備えている。
【0014】
例15では、例12~例14のいずれかの経皮的循環補助システムにおいて、インペラアセンブリハウジングは、入口および出口を含み、ガイドワイヤは、出口から近位に延在し、インペラアセンブリハウジングを通り、入口から遠位に延在するように構成されている。
【0015】
例16では、経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤであって、第1の横寸法を有する遠位セクションと、第1の横寸法よりも小さい第2の横寸法を有する近位セクションとを含む、ガイドワイヤと、ガイドワイヤに結合されるとともに、ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、第3の横寸法を有するインペラハウジングと、インペラハウジングに結合されるとともに、第3の横寸法よりも小さい第4の横寸法を有するモータハウジングと、インペラハウジング内に配置されたインペラであって、血液ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラとを含む、血液ポンプとを備えている。
【0016】
例17では、例16の経皮的循環補助システムにおいて、第1の横寸法は、第1の直径であり、第2の横寸法は、第2の直径である。
例18では、例16の経皮的循環補助システムにおいて、第3の横寸法は、第1の直径であり、第4の横寸法は、第2の直径である。
【0017】
例19では、例16の経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤは、近位セクションと遠位セクションとの間に移行セクションをさらに含んでいる。
例20では、例16の経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤの近位セクションおよび血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備えている。
【0018】
例21では、例20の経皮的循環補助システムにおいて、イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、第3の横寸法は、内側横寸法の99.75パーセントから98.25パーセントの範囲内にある。
【0019】
例22では、例16の経皮的循環補助システムにおいて、インペラハウジングは、入口および出口を含み、ガイドワイヤは、出口から近位に延在し、インペラハウジングを通り、入口から遠位に延在するように構成されている。
【0020】
例23では、例22の経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤの近位セクションは、出口から近位に延在し、インペラハウジングを通り、入口から遠位に延在するように構成されている。
【0021】
例24では、例22の経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤの遠位セクションは、出口から近位に延在し、インペラハウジングを通り、入口から遠位に延在するように構成されている。
【0022】
例25では、例20の経皮的循環補助システムにおいて、イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、第4の横寸法は、内側横寸法の91.25パーセントから91.75パーセントの範囲内にある。
【0023】
例26では、経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤ近位セクション横寸法を有する近位セクションを含むガイドワイヤと、ガイドワイヤに結合されるとともに、ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、インペラアセンブリハウジング横寸法を有するインペラアセンブリハウジング、およびインペラアセンブリハウジング内に配置されたインペラアセンブリであって、ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラを含む、インペラアセンブリと、インペラハウジングに結合されたモータハウジングであって、モータハウジング横寸法を有するモータハウジングとを含む血液ポンプとを備え、
a. dih≧dmh+2dgps
であり、dihは、インペラアセンブリハウジング横寸法であり、dmhは、モータハウジング横寸法であり、dgpsは、ガイドワイヤ近位セクションの横寸法である。
【0024】
例27では、例26の経皮的循環補助システムにおいて、ガイドワイヤは、近位セクションに結合された遠位セクションをさらに含み、遠位セクションは、ガイドワイヤ遠位セクション横寸法を有し、
a. dih≦dmh+2dgds
であり、dgdsは、ガイドワイヤ遠位セクション横寸法である。
【0025】
例28では、例26の経皮的循環補助システムは、ガイドワイヤの近位セクションおよび血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備えている。
【0026】
例29では、例28の経皮的循環補助システムにおいて、イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、インペラアセンブリハウジング横寸法は、内側横寸法の99.75パーセントから98.25パーセントの範囲内にある。
【0027】
例30では、対象内に血液ポンプを配置するための方法は、対象の血管のアクセスポイントにイントロデューサシースを挿入すること、イントロデューサシースにガイドワイヤを挿入することであって、ガイドワイヤは、遠位セクションおよび近位セクションを有し、遠位セクションは、第1の横寸法を有し、近位セクションは、第2の横寸法を有し、第2の横寸法は、第1の横寸法よりも小さい、ガイドワイヤを挿入すること、イントロデューサシースを通してガイドワイヤの近位セクションに沿って血液ポンプを前進させることを含み、血液ポンプは、第3の横寸法を有するインペラハウジングと、第3の横寸法よりも小さい第4の横寸法を有するモータハウジングと、インペラハウジング内に配置されるとともに、血液ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラとを備えている。
【0028】
例31において、例30の方法は、イントロデューサシースを通してガイドワイヤの近位セクションに沿って血液ポンプを前進させた後に、ガイドワイヤの遠位セクションに沿って血液ポンプを前進させることをさらに含む。
【0029】
例32では、例30の方法において、血液ポンプを前進させることは、血液ポンプの入口および出口を通してガイドワイヤを延在させることを含む。
例33では、例30の方法において、血液ポンプを前進させることは、同時に、イントロデューサシースを通してガイドワイヤの近位セクションに沿って血液ポンプを前進させることを含む。
【0030】
例34では、例33の方法において、血液ポンプを前進させることは、同時に、イントロデューサシースを通してガイドワイヤの近位セクションに沿って血液ポンプを前進させた後に、同時に、イントロデューサシースから遠位にガイドワイヤの遠位セクションに沿って血液ポンプを前進させることをさらに含む。
【0031】
例35では、例30の方法において、イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、第3の横寸法は、内側横寸法の99.75パーセントから98.25パーセントの範囲内にある。
【0032】
複数の実施形態が開示されているが、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から、本発明のさらに他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本明細書に開示される主題の実施形態による、例示的な経皮的循環補助システムのいくつかの構成要素の側断面図である。
図2図2は、本明細書に開示される主題の実施形態による、図1の線2-2内のシステムの機械的循環補助デバイス(本明細書では言い換え可能に「血液ポンプ」とも呼ばれる)の拡大側断面図である。
図3図3は、本明細書に開示される主題の実施形態による、図1の線2-2内のシステムのガイドワイヤの拡大側断面図である。
図4図4は、本明細書に開示される主題の実施形態による、患者の血管への初期挿入時の図1のシステムの側断面図である。
図5図5は、本明細書に開示される主題の実施形態による、患者の血管内にあり、図4に示される位置から遠位方向に前進したときの図1のシステムの側断面図である。
図6A図6Aは、本明細書に開示される主題の実施形態による、別の例示的なガイドワイヤの断面図である。
図6B図6Bは、本明細書に開示される主題の実施形態による、別の例示的なガイドワイヤの断面図である。
図6C図6Cは、本明細書に開示される主題の実施形態による、さらに別の例示的なガイドワイヤの断面図である。
図7図7は、本明細書に開示される主題の実施形態による、別の例示的な経皮的循環補助システムの斜視断面図である。
図8図8は、本明細書に開示される主題の実施形態による、経皮的循環補助システムを使用するとともに、血液ポンプを患者の心臓に送達するための例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、様々な修正形態および代替形態に従うが、特定の実施形態が、例として図面に示されており、以下で詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本発明を記載された特定の実施形態に限定することではない。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替を包含することが意図される。
【0035】
図1は、本明細書に開示される主題の実施形態による例示的な経皮的循環補助システム100のいくつかの構成要素の側断面図を示す。概して、システム100は、機械的循環補助デバイス102(本明細書では言い換え可能に「血液ポンプ」とも呼ばれる)と、ガイドワイヤ104と、イントロデューサシース(他の場所に示される)とを含む。以下にさらに詳細に説明されるように、ガイドワイヤ104およびイントロデューサシースは、患者の心臓内などの患者内の標的位置への血液ポンプ102の経皮的送達を容易にする。
【0036】
引き続き図1を参照し、さらに図2を参照すると、血液ポンプ102は、概して、インペラアセンブリハウジング106およびモータハウジング108を含む。いくつかの実施形態では、インペラハウジング106およびモータハウジング108は、一体的またはモノリシックに構築されていてよい。他の実施形態では、インペラアセンブリハウジング106およびモータハウジング108は、取り外し可能または恒久的に結合されるように構成された別個の構成要素であってもよい。
【0037】
インペラアセンブリハウジング106は、その中にインペラアセンブリ110を担持する。インペラアセンブリ110は、インペラシャフト112と、インペラアセンブリハウジング106に対して回転し、血液ポンプ102を通して血液を駆動するインペラ114とを含む。より詳細には、インペラ114は、血液を、インペラアセンブリハウジング106上に形成された血液入口116から流し、インペラアセンブリハウジング106を通って、インペラハウジング106上に形成された血液出口118から流出させる。いくつかの実施形態では、インペラシャフト112およびインペラ114は、一体化されていてよく、他の実施形態では、インペラシャフト112およびインペラ114は、別個の構成要素であってもよい。図1および図2に示すように、入口116および/または出口118は、各々、複数の開口を含むことができる。他の実施形態では、入口116および/または出口118は、各々、単一の開口を含むことができる。図1および図2に示すように、入口116は、インペラアセンブリハウジング106の端部に形成されていてよく、出口118は、インペラアセンブリハウジング106の側部に形成されていてよい。他の実施形態では、入口116および/または出口118は、インペラアセンブリハウジング106の他の部分に形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、インペラアセンブリハウジング106は、遠位方向に延在するカニューレ(図示せず)に結合していてもよく、カニューレは、血液を受け入れ、血液を入口116に送達することができる。
【0038】
引き続き図1および図2を参照すると、モータハウジング108は、モータ120を担持し、モータ120は、インペラアセンブリハウジング106に対してインペラ114を回転可能に駆動するように構成されている。図示の実施形態では、モータ120は、駆動磁石124に結合された駆動シャフト122を回転させる。駆動磁石124の回転は、インペラアセンブリ110に接続される被駆動磁石126の回転を引き起こす。より具体的には、インペラシャフト112を組み込む実施形態では、インペラシャフト112およびインペラ114は、被駆動磁石126とともに回転するように構成されている。他の実施形態では、モータ120は、他の構成要素を介してインペラアセンブリ110に結合することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、コントローラ(図示せず)が、モータ120に動作可能に結合されるとともに、モータ120を制御するように構成されていてよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、モータハウジング108内に配置されていてよい。他の実施形態では、コントローラは、モータハウジング108の外側(例えば、カテーテルハンドル、独立ハウジングなどの中)に配置されていてよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、複数の構成要素を含んでもよく、そのうちの1つまたは複数は、モータハウジング108内に配置されていてよい。実施形態によれば、コントローラは、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つまたは複数のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、1つまたは複数のコンプレックスPLD(CPLD)、1つまたは複数のカスタム特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数の専用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらおよび/または他の構成要素の任意の組み合わせであってよく、それらを含んでいてもよく、またはそれらに含まれていてもよい。コントローラは、本明細書では単数形で言及されるが、コントローラは、複数のインスタンスで実装されてもよく、複数のコンピューティングデバイスにわたって分散されてもよく、複数の仮想マシン内でインスタンス化されてもよく、および/または同様のものであってもよい。他の実施形態では、モータ120は、他の方法で制御されていてもよい。
【0040】
図1および図2をさらに参照すると、システム100は、従来のシステムと比較して改良されたトルクおよび血流を提供し、デバイス誘発性の溶血を低減させることができる。概して、この性能の向上は、血液ポンプ102およびガイドワイヤ104の異なるセクションの相対的な寸法によって促進される。より具体的には、ガイドワイヤ104は、第1の比較的大きい横寸法dgdsを有する遠位セクション128と、第2の比較的小さい横寸法dgpsを有する近位セクション130とを含む(本明細書で使用されるように、「横寸法」は、円形構成要素の直径または非円形断面を有する構成要素の最大幅寸法を指すと理解される)。別の言い方をすれば、ガイドワイヤ104の第2の横寸法dgpsは、ガイドワイヤ104の第1の横寸法dgdsよりも小さい。ガイドワイヤ104の第1の横寸法dgdsは、患者の血管系を通る前進を容易にするために、従来のガイドワイヤ104の横寸法と同様であってよく、ガイドワイヤ104の第2の横寸法dgpsは、以下の段落からより明らかになる理由のために、従来のガイドワイヤの横寸法よりも小さくてよい。いくつかの実施形態では、第1の横寸法dgdsおよび/または第2の横寸法dgpsは、直径である。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ104の第1の横寸法dgdsは、0.014~0.035インチ(0.3556~0.889ミリメートル)の範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ104の第2の横寸法dgpsは、0.006~0.1018インチ(0.1524~2.58572ミリメートル)の範囲内であってよい。
【0041】
インペラアセンブリハウジング106は、第3の比較的大きい横寸法dihを含み、モータハウジング108は、第4の比較的小さい横寸法dmhを含む。いくつかの実施形態では、血液ポンプ102の第4の横寸法dmhは、血液ポンプ102の第3の横寸法dihよりも小さい。他の実施形態では、血液ポンプ102の第4の横寸法dmhは、血液ポンプ102の第3の横寸法dihと類似または同じであってもよい。血液ポンプ102の第3の横寸法dihは、従来の血液ポンプのものよりも大きくてもよく、血液ポンプ102の第4の横寸法dmhは、以下の段落からより明らかになる理由のために、従来の血液ポンプのものと同様であるか、またはそれよりも大きくてよい。いくつかの実施形態では、第3の横寸法dihおよび/または第4の横寸法dmhは、直径である。いくつかの実施形態では、血液ポンプ102の第3の横寸法dihは、0.205~0.211インチ(5.207~5.3594ミリメートル)の範囲内、または0.189~0.195インチ(4.8006~4.953ミリメートル)の範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、血液ポンプ102の第4の横寸法dmhは、0.1805~0.1865インチ(4.5847~4.7371ミリメートル)の範囲内、または0.189~0.195インチ(4.8006~4.953ミリメートル)の範囲内であってよい。
【0042】
ここで図1および図3を参照すると、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ104は、遠位セクション128を近位セクション130に結合する移行セクション132を含む。移行セクション132は、近位セクション130および遠位セクション128の寸法に一致するようにテーパ状であり、その結果、ガイドワイヤ104の全体的にテーパ状の直径プロファイルが得られる。他の実施形態では、移行セクション132は、省略されてもよい。いくつかの実施形態では、近位セクション130、移行セクション132、および遠位セクション128の寸法は、それらの長さに沿って均一であってよいが、他の実施形態では、近位セクション130、移行セクション132、および/または遠位セクション128の寸法は、それらの長さに沿って不均一であってもよい。
【0043】
ガイドワイヤ104は、例えば、センタレス研削、スタンピングまたは圧延加工、両方の組み合わせ、または他の形状形成方法を含む、様々な方法によって形成されていてよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ104は、患者の脈管構造内での追跡可能性を促進し、ガイドワイヤ104上で血液ポンプ102を前進させる間の摩擦を低減させるコーティング(図示せず)を含んでいてもよい。そのようなコーティングは、原子層堆積などの化学蒸着プロセスによるPTFE、ポリマーコーティング、またはセラミックコーティングを含んでいてよい。ガイドワイヤ104のより小さい寸法の近位セクション130を組み込むことにより、ガイドワイヤ104がポンプ出口118の窓からモータハウジング108の外側エッジと平行に近い状態で出るように押勢することによって、ポンプ出口118(図1および図2参照)の窓のエッジ上のコーティングを剥離する可能性を低減することもできる。
【0044】
上で簡単に説明したように、システム100は、イントロデューサシース(他の場所に示す)も含むことができる。概して、イントロデューサシースは、内径および外径を有するルーメンを有する。イントロデューサシースは、シリコーン、Vestamid(登録商標)、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンポリウレタン、熱可塑性ゴム、ポリプロピレン、Pebax(登録商標)、または他の医療グレードの合成物もしくはプラスチックなどの様々な適切な材料から構築されていてよい。ステンレス鋼およびニチノールなどの金属を使用して、構造的完全性、可撓性、拡張/収縮特性、または他のそのような特徴を有するイントロデューサシースを提供することができる。他の実施形態では、ガイドワイヤ104および血液ポンプ102は、イントロデューサシースを使用せずに送達されてもよい。代わりに、ガイドワイヤ104および血液ポンプ102は、血管に吻合されたグラフトを介して送達され、解剖学的構造とのY字接続を形成してもよい。いくつかの実施形態では、イントロデューサシースは、0.209~0.214インチ(5.3086~5.4356ミリメートル)の範囲内の内側横寸法(より具体的には、内径)を有していてよい。
【0045】
図4は、患者の大腿動脈などの血管Vへの初期挿入時のシステム100を示す。より具体的には、イントロデューサシース134は、血管Vに挿入され、ガイドワイヤ104は、近位セクション130がイントロデューサシース134内に配置され、遠位セクション128(他の場所に示される)がイントロデューサシース134から遠位に配置されるように、イントロデューサシース134を通して挿入される。血液ポンプ102は、最初に、イントロデューサシース134内に配置され、動くことが可能なようにガイドワイヤ104に結合される。より具体的には、ガイドワイヤ104の近位セクション130は、ポンプ入口116から遠位に延在し、インペラアセンブリハウジング106を通り、ポンプ出口118から近位に延在している。
【0046】
図5は、図4に示される位置から遠位方向に前進したときのシステム100を示す。より具体的には、ガイドワイヤ104の遠位セクション128および血液ポンプ102は、イントロデューサシース134から遠位に血管V内に位置している。ガイドワイヤ104の遠位セクション128は、ポンプ入口116から遠位に延在し、インペラアセンブリハウジング106を通り、ポンプ出口118から近位に延在している。
【0047】
図4および図5は、血液ポンプ102およびガイドワイヤ104のセクションの寸法によって提供される利点のさらなる説明を容易にもする。図4に示されるように、ガイドワイヤ104の近位セクション130は、その比較的小さい横寸法dgpsに起因して、イントロデューサシース134内に追加的なクリアランスを提供する。その結果、ガイドワイヤ104の近位セクション130は、血液ポンプ102がイントロデューサシース134を通って動くことを可能にすると同時に、血液ポンプ102が従来の血液ポンプと比較して比較的大きいことも可能にする。例えば、モータ120、駆動磁石124、および/または被駆動磁石126(全て図1に示される)などの、出口118に近位の血液ポンプ102の1つまたは複数の構成要素は、従来の血液ポンプのものと比較して比較的大きいサイズを有していてよい。別の例として、インペラアセンブリハウジング106およびインペラ114などの、出口118の遠位の1つまたは複数の構成要素は、従来の血液ポンプのものと比較して、比較的に大きいサイズを有していてよい。特定の例として、インペラアセンブリハウジング106は、上述したように、比較的大きな横寸法dihを有することができる。血液ポンプ102のこれらの構成要素に比較的大きい寸法を提供することにより、モータ120、駆動磁石124、および/または被駆動磁石126によってより多くのトルクを生成することが可能になり、あるいはインペラ114が血流の増加および/または溶血の低減を提供することが可能になる。例えば、インペラ114などの特定の構成要素のサイズを大きくすることによって、血液ポンプ102は、インペラ114のより低い回転速度において、より大きい血流量を達成することができ、溶血の可能性を低減することができる。そのような構成は、血液ポンプ102の剛体長さが、従来の血液ポンプと比較して比較的短いことを可能にすることもでき、これは、血液ポンプ102を用いて患者の血管系をナビゲートすることを容易にする。
【0048】
加えて、従来の血液ポンプとは対照的に、インペラアセンブリハウジング106の横寸法dihは、イントロデューサシース134の内部横寸法(例えば、イントロデューサシース134の内径)よりもわずかに小さいだけであってよい。より具体的には、インペラアセンブリハウジング106の横寸法dihは、イントロデューサシース134の内部横寸法の99.75パーセントから98.25パーセントの範囲内、99.5パーセントから98.5パーセントの範囲内、または99.25パーセントから98.75パーセントの範囲内にあってよい。同様に、従来の血液ポンプとは異なり、インペラアセンブリハウジング106の横寸法dihは、モータハウジング108の横寸法dmhとガイドワイヤ104の近位セクション130の横寸法dgpsとの合計と類似していてよい。より具体的には、インペラアセンブリハウジング106の横寸法dihは、式1に示すようなものとすることができる。
【0049】
ih≧dmh+2dgps (1)
同様に、従来の血液ポンプとは対照的に、モータハウジング108の横寸法dmhは、イントロデューサシース134の内部横寸法よりもわずかに小さいだけであってよい。より具体的には、モータハウジング108の横寸法dmhは、イントロデューサシース134の内部横寸法の90.75パーセントから92.25パーセントの範囲内、91.00パーセントから92.00パーセントの範囲内、または91.25パーセントから91.75パーセントの範囲内にあってよい。
【0050】
ここで図5を参照すると、ガイドワイヤ104の遠位セクション128の横寸法dgdsは、近位セクション130の横寸法dgpsよりも大きくてもよく、いくつかの実施形態では、従来のガイドワイヤの横寸法と同様であってもよく、その理由は、(1)遠位セクション128は、イントロデューサシース134から遠位に配置されるように構成され、その結果、遠位セクション128は、血液ポンプ102がイントロデューサシース134を通って動く際に干渉を引き起こさないこと、および(2)患者の血管系を通る前進を容易にすることである。いくつかの実施形態では、遠位セクション128の横寸法dgdsは、式2に示されるように、インペラアセンブリハウジング106の横寸法dihおよびモータハウジング108の横寸法dmhに関連していてよい。
【0051】
ih≦dmh+2dgds (2)
図1図5に示される例示的なシステム100は、本開示の実施形態の使用または機能の範囲に関していかなる限定も示唆することを意図するものではない。また、例示的なシステム100は、そこに例示されている任意の単一の構成要素または構成要素の組み合わせに関連する依存性または要件を有するものとして解釈されるべきではない。加えて、図1図5に示される様々な構成要素は、いくつかの実施形態では、そこに示される他の構成要素(および/または図示されていない構成要素)のうちの様々なものと統合されてもよく、それらのすべては、本開示の範囲内にあると見なされる。
【0052】
本開示に係るシステムは、様々な他の形態に変形されてもよい。例えば、本開示に係るガイドワイヤは、他の様々な形態に変形されてもよい。より具体的には、ガイドワイヤの遠位セクションは、例えば挿入中の患者の血管系への潜在的な外傷を低減または排除するために、1つまたは複数の可撓性部分を含むことができる。別の例として、ガイドワイヤの近位セクションは、ガイドワイヤの遠位セクションおよび/またはガイドワイヤの移行セクションとは異なる断面形状を有していてもよい。図6A図6Cは、ガイドワイヤ104の代わりにシステム100において使用され得るガイドワイヤなどのいくつかの実施形態を示す。しかしながら、ガイドワイヤ104と同様に、図6A図6Cに示すガイドワイヤは、比較的狭い近位セクションを含み、近位セクションがガイドワイヤの遠位セクションと同じ寸法および/または形状である場合よりも、および/または従来のガイドワイヤと比較して、血液ポンプ102のためのより多くのスペースをイントロデューサシース134内に提供する。
【0053】
図6Aは、本開示によるガイドワイヤ300の別の実施形態を示す。ガイドワイヤ300は、比較的平坦な形状を有している。より具体的には、近位セクション302、移行セクション(図示せず)、および/または遠位セクション(図示せず)は、比較的平坦な形状を有していてよい。いくつかの実施形態では、遠位セクションは、0.014~0.035インチ(0.3556~0.889ミリメートル)の範囲内の横寸法(より具体的には、厚さ)を有していてよく、近位セクション302は、0.003~0.014インチ(0.0762~0.3556ミリメートル)の範囲内の横寸法(より具体的には、厚さ)を有していてよい。
【0054】
図6Bおよび図6Cは、本開示によるガイドワイヤ400の別の実施形態を示す。ガイドワイヤ400は、概して湾曲したプロファイルを有している。より具体的には、ガイドワイヤ400は、それぞれ、イントロデューサシース134の内側表面136および血液ポンプ102のモータハウジング108の外側表面(両方とも図1に示される)と同一または類似の、外側表面402および内側表面404を含む。いくつかの実施形態では、近位セクション406、移行セクション(図示せず)、および/または遠位セクション(図示せず)は、湾曲プロファイルを有していてよい。いくつかの実施形態では、図6Cに示されるように、湾曲したプロファイルは、丸みを帯びた角を有している。これらの丸みを帯びた角は、ガイドワイヤがイントロデューサシース134および/または血液ポンプ102を擦ることを防止するのに役立つ。
【0055】
図7は、本明細書に開示される主題の実施形態による別の例示的な経皮的循環補助システム500を示す。示される実施形態では、システム500は、イントロデューサシース502と、ガイドワイヤ504と、血液ポンプ506とを含む。血液ポンプ506は、上述した血液ポンプ102と同じであってよく、または血液ポンプ506は、従来の血液ポンプであってもよい。ガイドワイヤ504は、上述したガイドワイヤのうちの任意のものと同じであってよく、またはガイドワイヤ504は、従来のガイドワイヤであってもよい。イントロデューサシース502は、ガイドワイヤ504および血液ポンプ506のための別個のルーメンを含む。より具体的には、イントロデューサシース502は、ガイドワイヤ504を受け入れるガイドワイヤルーメン508と、血液ポンプ506を受け入れる血液ポンプルーメン510とを含む。ガイドワイヤ504は、血液ポンプルーメン510内の血液ポンプ506とイントロデューサシース502との間のスペースを占有しないため、ガイドワイヤルーメン508は、血液ポンプ506のためにイントロデューサシース502内に比較的大きなスペースを提供する。加えて、ガイドワイヤ504は、血液ポンプ506に接触しない。ガイドワイヤ504は、血液ポンプルーメン510内のスペースを占有しないため、磁石、モータ、インペラアセンブリハウジング、インペラアセンブリなどの血液ポンプの1つまたは複数の構成要素は、比較的に大きい寸法を有することができ、前述の利点のうちの1つまたは複数を提供することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤルーメン508は、イントロデューサシース502に恒久的にまたは着脱可能に結合されていてよい。他の実施形態では、ガイドワイヤルーメン508は、イントロデューサシース502から分離されていてもよい。ガイドワイヤルーメン508およびイントロデューサシース502は、使用の準備ができたときに互いに結合されてもよい。
【0056】
図7に示される例示的なシステムは、本開示の実施形態の使用または機能の範囲に関していかなる限定も示唆することを意図するものではない。また、例示的なシステムは、そこに例示されている任意の単一の構成要素または構成要素の組み合わせに関連する依存性または要件を有するものとして解釈されるべきではない。加えて、図7に示される様々な構成要素は、いくつかの実施形態では、そこに示される他の構成要素(および/または図示されていない構成要素)のうちの様々なものと統合されてもよく、それらのすべては、本開示の範囲内にあると見なされる。
【0057】
図8は、本明細書に開示される主題の実施形態による、経皮的循環補助システムを使用するとともに、血液ポンプを患者の心臓に送達するための例示的な方法600のフロー図を示す。方法600は、システム100の特徴を説明するが、本明細書で企図されているシステムのうちの任意のものも同様に使用され得ることが理解される。ステップ602において、医師は、患者の大腿動脈などの患者の血管内にイントロデューサシース134を挿入するか、または血管とY字接続を形成する、血管に吻合された縫合グラフトを配置する。次に、医師は、イントロデューサシース134を通してガイドカテーテル(図示せず)を挿入し、ガイドワイヤ104が患者の血管系を通ることを容易にすることができる。代替的に、ガイドワイヤ104は、ガイドカテーテルを伴わずに、イントロデューサシース134を通して送達されてもよい。ステップ604において、医師は、イントロデューサシース134を通してガイドワイヤ104を挿入し、ガイドワイヤ104の遠位先端が心臓の左心室などの患者内の標的位置に配置されるように、血管を通してガイドワイヤ104を前進させる。患者の体外で、医師は血液ポンプ102をガイドワイヤ104の近位セクション130上に配置する。より具体的には、医師は、ガイドワイヤ104の近位端を血液入口116に挿入し、近位セクション130が出口118から現れるまで、インペラアセンブリハウジング160を通してガイドワイヤ104の近位セクション130を前進させる。その結果、医師は、ガイドワイヤ104の近位セクション130が、出口118から近位に延在し、インペラアセンブリハウジング106を通り、入口116から遠位に延在するように、血液ポンプ102を配置する。ステップ606において、医師は、血液ポンプ102を、ガイドワイヤ104の近位セクション130を越えて、そしてイントロデューサシース134の中へおよびそれを通って前進させる。イントロデューサシース134から遠位に出た後、ステップ608において、医師は、血液ポンプ102が標的位置に到達するまで、血液ポンプ102をガイドワイヤ104の移行セクション132および遠位セクション128上を前進させる。例えば、医師は、インペラアセンブリハウジング106に結合されたカニューレ(図示せず)が左心室に配置され、出口118が大動脈弁の近位、例えば大動脈内に配置されるように、血液ポンプ102を前進させることができる。ステップ610において、医師は、ガイドワイヤ104を患者から引き抜く。
【0058】
図8に示される例示的な方法は、本開示の実施形態の使用または機能の範囲に関していかなる限定も示唆することを意図するものではない。また、例示的な方法は、そこに例示されている任意の単一のステップまたはステップの組み合わせに関連する依存性または要件を有するものとして解釈されるべきではない。
【0059】
本発明の範囲から逸脱することなく、説明した例示的な実施形態に対して様々な修正および追加を行うことができる。例えば、上記の実施形態は、特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、および記載された特徴の全てを含まない実施形態をも含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に入るすべてのそのような代替、修正、および変形を、そのすべての均等物とともに包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤであって、
第1の横寸法を有する遠位セクションと、
前記第1の横寸法よりも小さい第2の横寸法を有する近位セクションと
を含む、ガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤに結合されるとともに、前記ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、
インペラハウジングと、
モータハウジングと、
前記インペラハウジング内に配置されたインペラであって、前記血液ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラと
を含む、血液ポンプと
を備える、経皮的循環補助システム。
【請求項2】
前記インペラハウジングは、第3の横寸法を有し、前記モータハウジングは、第4の横寸法を有し、前記第4の横寸法は、前記第3の横寸法よりも小さい、請求項1に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項3】
前記第3の横寸法は、直径であり、前記第4の横寸法は、直径である、請求項2に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項4】
前記ガイドワイヤおよび前記血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備える、請求項2または3のいずれかに記載の経皮的循環補助システム。
【請求項5】
前記イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、前記第3の横寸法は、前記内側横寸法の99.75パーセントから98.25パーセントの範囲内にある、請求項4に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項6】
前記イントロデューサシースは、内側横寸法を有し、前記第4の横寸法は、前記内側横寸法の91.25パーセントから91.75パーセントの範囲内にある、請求項4に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項7】
前記ガイドワイヤは、前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に移行セクションをさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項8】
前記インペラハウジングは、入口および出口を含み、前記ガイドワイヤは、前記出口から近位に延在し、前記インペラハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項9】
前記ガイドワイヤの前記近位セクションは、前記出口から近位に延在し、前記インペラハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項8に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項10】
前記ガイドワイヤの前記遠位セクションは、前記出口から近位に延在し、前記インペラハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項11】
前記第1の横寸法は、直径であり、前記第2の横寸法は、直径である、請求項1~のいずれか一項に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項12】
ガイドワイヤ近位セクション横寸法を有する近位セクションを含むガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤに結合されるとともに、前記ガイドワイヤに沿って動かされるように構成された血液ポンプであって、
インペラアセンブリハウジング横寸法を有するインペラアセンブリハウジング、および前記インペラアセンブリハウジング内に配置されたインペラアセンブリであって、前記血液ポンプを通して血液を流動させるように構成されたインペラを含む、インペラアセンブリと、
前記インペラアセンブリハウジングに結合されたモータハウジングであって、モータハウジング横寸法を有するモータハウジングと
を含む血液ポンプと
を備え、
ih≧dmh+2dgps
であり、
ihは、前記インペラアセンブリハウジング横寸法であり、
mhは、モータハウジング横寸法であり、
gpsは、ガイドワイヤ近位セクションの横寸法である、経皮的循環補助システム。
【請求項13】
前記ガイドワイヤは、前記近位セクションに結合された遠位セクションをさらに含み、前記遠位セクションは、ガイドワイヤ遠位セクション横寸法を有し、
ih≦dmh+2dgds
であり、dgdsは、前記ガイドワイヤ遠位セクション横寸法である、請求項12に記載の経皮的循環補助システム。
【請求項14】
前記ガイドワイヤの前記近位セクションおよび前記血液ポンプを受け入れるように構成されたイントロデューサシースをさらに備える、請求項12または13のいずれかに記載の経皮的循環補助システム。
【請求項15】
前記インペラアセンブリハウジングは、入口および出口を含み、前記ガイドワイヤは、前記出口から近位に延在し、前記インペラアセンブリハウジングを通り、前記入口から遠位に延在するように構成されている、請求項12または13のいずれかに記載の経皮的循環補助システム。
【国際調査報告】