(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】脊椎プレート
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20240808BHJP
A61B 17/70 20060101ALI20240808BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/70
A61B17/86
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512118
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 IB2022057983
(87)【国際公開番号】W WO2023026238
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521056308
【氏名又は名称】イージス・スパイン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ビラミル・フェルナンド・エル
(72)【発明者】
【氏名】クー・ラリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】アン・ヨンボ
(72)【発明者】
【氏名】リー・ジェ・シク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL57
4C160LL62
4C160LL69
(57)【要約】
本発明は、整形外科手術および神経系外科手術において脊椎に対して固定手術を行うのに用いられる脊椎プレートを提供する。脊椎プレートは、中央本体と、中央本体の長手方向の両側に配置される一対の回転部分と、を含み、一対の回転部分のそれぞれは、骨ねじを有する。脊椎プレートはまた、一対の回転部分のそれぞれにスパイクねじを含む。一対の回転部分のそれぞれは、回転接続部分を含み、中央本体は、回転支持部分を含む。回転ピンが、中央本体を、中央本体の長手方向の両側に配置された一対の回転部分と接続するために用いられ、一対の回転部分が中央本体に対して時計回りまたは反時計回りに回転することを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎プレートであって、
中央本体と、
一対の回転部分であって、前記一対の回転部分は、前記中央本体の長手方向の両側に配置されている、一対の回転部分と、を含み、
前記一対の回転部分のそれぞれは、椎骨に挿入される骨ねじを含む、脊椎プレート。
【請求項2】
前記中央本体は、
中央穴と、
2つの回転ロックユニットと、を含み、
前記2つの回転ロックユニットは、解放または固定されるように構成されている、請求項1に記載の脊椎プレート。
【請求項3】
前記一対の回転部分のそれぞれは、回転接続部分を含み、前記中央本体は、回転支持部分を含む、請求項1に記載の脊椎プレート。
【請求項4】
前記脊椎プレートは、回転ピンをさらに含み、
前記回転ピンは、前記中央本体を前記一対の回転部分と接続するように構成され、前記一対の回転部分が任意の角度で前記中央本体に対して回転するのを可能にするように構成されている、請求項1に記載の脊椎プレート。
【請求項5】
前記一対の回転部分のそれぞれは、前記中央本体の右側に配置された回転部分については反時計回りに、また、前記中央本体の左側に配置された回転部分については時計回りに、前記中央本体に対して回転するように構成され、
前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して最大90°である、請求項4に記載の脊椎プレート。
【請求項6】
前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の前記角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して90°よりも大きい、請求項5に記載の脊椎プレート。
【請求項7】
前記一対の回転部分のそれぞれは、回転接続部分を含み、前記中央本体は、回転支持部分を含み、
前記一対の回転部分のそれぞれの回転は、前記回転接続部分が前記一対の回転部分のそれぞれと共に回転するので、前記回転支持部分の上方部分によって制限される、請求項4に記載の脊椎プレート。
【請求項8】
前記一対の回転部分のそれぞれは、前記中央本体の右側に配置された回転部分については時計回りに、また、前記中央本体の左側に配置された回転部分については反時計回りに、前記中央本体に対して回転するように構成され、
前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して45°未満である、請求項4に記載の脊椎プレート。
【請求項9】
前記一対の回転部分のそれぞれの回転は、前記中央本体の底部分と前記一対の回転部分のそれぞれの底部分との間に形成された回転角度制御部分によって、制限される、請求項8に記載の脊椎プレート。
【請求項10】
前記一対の回転部分のそれぞれは、スパイクねじを含む、請求項1に記載の脊椎プレート。
【請求項11】
前記スパイクねじは、ヘッド部分と、本体部分と、を含み、
前記ヘッド部分と前記本体部分は、異なるねじ山を有する、請求項10に記載の脊椎プレート。
【請求項12】
前記ヘッド部分の前記ねじ山のピッチは、前記本体部分の前記ねじ山のピッチよりも小さく、それにより、前記椎骨を前記脊椎プレートの方に引っ張りながらセルフロックすることを可能にする、請求項11に記載の脊椎プレート。
【請求項13】
ワッシャーが、前記骨ねじ上で前記一対の回転部分のそれぞれの上のワッシャー支持部上に置かれている、請求項10に記載の脊椎プレート。
【請求項14】
前記脊椎プレートは、前記ワッシャーが前記一対の回転部分のそれぞれに対して回転するように構成され、前記骨ねじのヘッドが前記ワッシャーに対して回転するように構成されるように、設計されている、請求項13に記載の脊椎プレート。
【請求項15】
前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の前記角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して最大20°である、請求項8に記載の脊椎プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年3月17日出願の米国特許出願第16/821,321号の一部継続出願である、2021年8月26日出願の米国特許出願第17/412,820号の優先権を主張するものであり、前述の出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
1.発明の分野
本発明は、脊椎プレートに関し、より具体的には、整形外科手術および神経系外科手術において脊椎に対して固定手術を行うために使用される脊椎プレートに関する。
【0003】
2.関連技術の説明
一般に、脊椎は身体の柱を形成するもので、その上方部分は、上方の頭蓋骨と下方の骨盤をつなぐ人体の背骨を形成する部分である。脊椎は、上から、7つの頸椎、12個の胸椎、5つの腰椎、5つの仙椎、3~5個の尾骨を含む。このような脊椎では、椎間板疾患および腰椎椎間板ヘルニアなどの症状が、長期使用または過度の使用によって起こる可能性が高い。一般に、脊椎の骨折および脱臼などの脊椎障害を有する患者は、それぞれの椎骨を、互いに対して動かないように固定することによって治療および矯正を受ける。このため、当技術分野では、脊椎固定デバイスが、固定術中に脊椎を固定するために広く使用されてきた。
【0004】
このような脊椎プレートは、一般に、脊椎障害の治療に使用される植え込みプレートを指す。脊椎インプラントは、さまざまな脊椎障害により損傷した椎間板が除去された椎骨間に人工インプラントの癒合ケージが挿入され、椎骨間の間隔を回復および維持する、脊椎固定術に用いられる。従来の場合、椎骨間に挿入される癒合ケージは、椎体の背面に同時に取り付けられる骨ねじおよびロッドと同時に使用されるか、もしくは、プレートおよび椎骨にねじ込まれる接続ボルトによってケージが結合および固定されるように使用されるか、または、ケージ自体が骨ねじ穴を備え、これは、骨ねじがケージを椎骨に直接固定するために設置され得る。
【0005】
しかしながら、脊椎(spin)形状は手術中の患者の状態により多様であるため、医師が状況に応じて脊椎プレートの形状を変更することにより脊椎プレートを使用する必要があるケースが生じる。しかし、患者の様々な脊椎形状に従って脊椎プレートの形状を正確に変更することは容易ではない。そのため、実際に手術を行う際、脊椎プレートが椎骨に付着せず、剥がれたり、やや不完全に取り付けられたりして、副作用が生じたり、手術を再度実施しなければならなくなったりするという問題がある。
【0006】
さらに、手術による失血が少ない、筋肉損傷のリスクが低下する、感染症および術後疼痛のリスクが低下する、回復時間が速い、皮膚切開が比較的小さいため美容効果が高い、などの潜在的利点があるため、患者は、低侵襲脊椎(MIS)手術を好む。MIS手術を行うためには、医師ができるだけ小さな皮膚切開部を作ることで脊椎エリアにアクセスし、これらの小さな皮膚切開部を通して脊椎プレートを挿入できるべきであることが極めて重要である。言い換えれば、手術中の患者の状態に応じて形状が容易に変更され得、患者の小さな皮膚切開部を通して挿入され得る脊椎プレートが、MIS手術を成功させるために必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018-0235671A号
【特許文献2】米国特許出願公開第2013-0060283A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、プレートの長手方向端部のいずれか1つ以上を任意の角度で回転されている状態で固定することによって使用されるように回転デバイスおよびロックデバイスが設置された、脊椎プレートを提供することであり、それにより、医師は、手術中に脊椎プレートの形状を医師が希望する形状に変更して脊椎プレートを使用することができ、患者の様々な脊椎形状に対応して手術を行うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、中央本体と、中央本体の両側に配置され、椎骨に挿入される固定ねじが受容される1つ以上の固定ねじ穴を有する一対の端部本体と、を含む脊椎プレートが提供され、一対の端部本体のうちの少なくとも一方は、端部本体を選択的に回転可能な様式で中央本体に固定するように構成された回転デバイスと、回転デバイスをロック解除状態またはロック状態に維持するように構成されたロックデバイスと、を含む。
【0010】
ここで、中央本体は、その中に形成された1つ以上の固定ねじ穴を含むことができ、その中に、椎骨に挿入される固定ねじが受容される。
【0011】
さらに、回転デバイスは、中央本体の両端部に形成された中央ピン接合部と、端部本体の端部に形成された端部ピン接合部と、中央ピン接合部および端部ピン接合部に、貫通するように挿入される回転ピンと、を含むことができる。
【0012】
さらに、ロックデバイスは、回転ピンの外側に位置するように中央ピン接合部に形成された中央ロック部と、回転ピンの外側に位置するように端部ピン接合部に形成された端部ロック部と、回転ピンの外側で中央ピン接合部および端部ピン接合部に挿入され、端部ロック部および中央ロック部に固定されてその回転を防止するロックチューブと、を含むことができる。
【0013】
さらに、ロックチューブは、端部ロック部および中央ロック部と接触するようにその外周に形成され、端部ロック部と中央ロック部との間の相対位置を固定するように構成されたチューブロック部と、その一端部に形成されたノブと、を含むことができる。
【0014】
さらに、中央ロック部は、中央ピン接合部に、その内周に沿って形成された中央セレーションであってよく、端部ロック部は、端部ピン接合部に、その内周に沿って形成された端部セレーションであってよく、チューブロック部は、ロックチューブの外周に形成されて中央セレーションおよび端部セレーションの双方に接触するチューブセレーションであってよい。
【0015】
さらに、中央ロック部は、中央ピン接合部の内周上に、その周方向において形成された複数のロック溝またはロック突起であってよく、端部ロック部は、端部ピン接合部の内周上に、その周方向において形成された複数のロック溝またはロック突起であってよく、チューブロック部は、中央ロック部と端部ロック部との間の相対位置を固定するように細長い形態でロックチューブの外周上に形成されたキー溝またはキー突起であってよい。
【0016】
さらに、ノブは、把持を容易にするように、多角形の形状で形成され得るか、または、その外周上に形成された突起もしくは溝を有し得る。
【0017】
さらに、ノブは、その内面に形成された、デバイスと結合するためのデバイス結合部を有することができる。
【0018】
さらに、デバイス結合部は、ノブの内面に形成された雌ねじであってよい。
【0019】
さらに、デバイス結合部は、ノブの内面に形成された結合凹部または結合突起であってよい。
【0020】
さらに、回転デバイスは、1つおよび/または2つの端部ピン接合部と、2つおよび/または1つの中央ピン接合部と、を含み得、1つの端部/中央ピン接合部が2つの中央/端部ピン接合部間に挿入される。
【0021】
さらに、回転ピン支持座部が、2つの中央/端部ピン接合部の、1つの端部/中央ピン接合部にのみ形成され得る。
【0022】
さらに、回転デバイスは、中央本体内に回転可能に配置され、かつ端部ピン接合部の外面に接触して端部本体の回転を阻止する回転ロックユニットを含むことができる。
【0023】
さらに、中央本体は、その中に形成され、回転ロックユニットが挿入される回転ロックユニット座部と、各回転ロックユニット座部の片側に形成されて回転ロックユニットの側面を端部ピン接合部に向かって露出させる開口部と、を含むことができる。
【0024】
さらに、回転ロックユニットは、回転ロックユニット座部に形成された回転突起座部に挿入される回転突起と、回転突起と一体的に形成された回転ロックユニット本体と、回転ロックユニット本体の外面の一部分に形成されて端部ピン接合部と接触する接触面と、回転ロックユニット本体の外面のその他の部分に形成され、端部ピン接合部と接触することなく接触面を連続的に形成する非接触面と、を含むことができる。
【0025】
さらに、脊椎プレートは、中央本体と、一対の回転部分と、を含むことができ、一対の回転部分は、中央本体の長手方向の両側に配置される。一対の回転部分のそれぞれは、椎骨に挿入される骨ねじを含む。
【0026】
さらに、中央本体は、中央穴と、2つの回転ロックユニットと、を含むことができる。2つの回転ロックユニットは、解放または固定されるように構成されている。
【0027】
さらに、一対の回転部分のそれぞれは、回転接続部分を含み、中央本体は、回転支持部分を含む。
【0028】
さらに、脊椎プレートは、回転ピンを含むことができる。回転ピンは、中央本体を一対の回転部分と接続するように構成され、一対の回転部分が任意の角度で中央本体に対して回転するのを可能にするように構成されている。
【0029】
さらに、一対の回転部分のそれぞれは、中央本体の右側に配置された回転部分については反時計回りに、また、中央本体の左側に配置された回転部分については時計回りに、中央本体に対して回転するように構成されている。一対の回転部分のそれぞれと中央本体との間の角度は、中央本体の長手方向に対して最大90°である。
【0030】
さらに、一対の回転部分のそれぞれと中央本体との間の角度は、中央本体の長手方向に対して90°よりも大きい。
【0031】
さらに、一対の回転部分のそれぞれは、回転接続部分を含み、中央本体は、回転支持部分を含む。一対の回転部分のそれぞれの回転は、回転接続部分が一対の回転部分のそれぞれと共に回転するので、回転支持部分の上方部分によって制限される。
【0032】
さらに、一対の回転部分のそれぞれは、中央本体の右側に配置された回転部分については時計回りに、また、中央本体の左側に配置された回転部分については反時計回りに、中央本体に対して回転するように構成されている。一対の回転部分のそれぞれと中央本体との間の角度は、中央本体の長手方向に対して45°未満である。
【0033】
さらに、一対の回転部分のそれぞれの回転は、中央本体の底部分と一対の回転部分のそれぞれの底部分との間に形成された回転角度制御部分によって、制限される。
【0034】
さらに、一対の回転部分のそれぞれはスパイクねじを含む。
【0035】
さらに、スパイクねじは、ヘッド部分と本体部分とを含み、ヘッド部分と本体部分は、異なるねじ山を有する。
【0036】
さらに、ヘッド部分のねじ山のピッチは、本体部分のねじ山のピッチよりも小さく、それにより、椎骨を脊椎プレートの方に引っ張りながらセルフロックすることを可能にする。
【0037】
さらに、ワッシャーが、骨ねじ上で一対の回転部分のそれぞれの上のワッシャー支持部上に置かれている。
【0038】
さらに、脊椎プレートは、ワッシャーが一対の回転部分のそれぞれに対して回転するように構成され、骨ねじのヘッドがワッシャーに対して回転するように構成されるように、設計されている。
【0039】
さらに、一対の回転部分のそれぞれと中央本体との間の角度は、中央本体の長手方向に対して最大20°とすることができる。
【0040】
本発明によれば、回転デバイスおよびロックデバイスは、プレートの長手方向端部のいずれか1つ以上を任意の角度で回転された状態で固定することによって使用されるように設置され得、これにより、医師は、脊椎プレートの形状を医師が希望する形状に変更することができ、患者の様々な脊椎形状に対処することにより手術を行うことができる。
【0041】
本発明の上記および他の目的、特徴、および他の利点は、添付図面と併せて理解される以下の詳細な説明から、より明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の実施形態1による脊椎プレートを示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態1による脊椎プレートの中央本体を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態1による脊椎プレートの端部本体を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態1による脊椎プレートの回転ピンを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態1による脊椎プレートのロックチューブを示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態1による脊椎プレートにおいてロックチューブが解放された状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態1による脊椎プレートにおいてロックチューブが固定された状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態1による脊椎プレートの端部本体が中央本体に対して回転され、その後、ロックチューブが固定されて端部本体をロックしている状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態1による脊椎プレートの端部本体が中央本体に対して回転され、その後、ロックチューブが解放されて端部本体をロック解除した状態を示す斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態2による脊椎プレートを、ロック解除された状態で示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態2による脊椎プレートの中央本体を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態2による脊椎プレートの端部本体を示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態2による脊椎プレートの回転ロックユニットを示す斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態2による脊椎プレートの回転ピンを示す斜視図である。
【
図15】回転ロックユニットが解放された状態の、本発明の実施形態2による脊椎プレートの部分拡大斜視図である。
【
図16】回転ロックユニットが固定された状態の、本発明の実施形態2による脊椎プレートの部分拡大斜視図である。
【
図17】本発明の実施形態2による脊椎プレートを、ロックされた状態で示す斜視図である。
【
図18】本発明の実施形態3による脊椎プレートを示す斜視図である。
【
図19】本発明の実施形態3による脊椎プレートを示す上面図である。
【
図20】本発明の実施形態3による脊椎プレートを示す底面図である。
【
図21】本発明の実施形態3による脊椎プレートにおける別々の構成要素の斜視図である。
【
図22】ワッシャーが骨ねじ上で一対の回転部分のそれぞれの上のワッシャー支持部上に置かれている、本発明の実施形態3による脊椎プレートの部分拡大斜視図である。
【
図23】中央本体の底部分と一対の回転部分のそれぞれの底部分との間に回転角度制御部分が形成された、本発明の実施形態3による脊椎プレートの部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明は、添付図面を参照して詳細に説明される。それぞれの図面の構成要素に参照数字を付す場合、異なる図面に図示されていても、同じ要素は同じ参照数字で示されることに留意されたい。本発明の実施形態では、本発明の趣旨を不必要に不明瞭にし得ると判断される公知の機能および構成は、説明しない。
【0044】
本発明の実施形態1による脊椎プレート100が、
図1~
図9を参照して説明される。
図1は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100を示す斜視図である。
図1に示されるように、脊椎プレート100は、基本的に、中央本体102と、中央本体102の長手方向の両側に配置され、椎骨に挿入される固定ねじが受容される1つ以上の固定ねじ穴110が形成された、一対の端部本体104および106と、を含み、一対の端部本体104および106の少なくとも一方は、端部本体を選択的に回転可能な様式で中央本体102に固定するための回転デバイスと、回転デバイスをロック解除状態またはロック状態に維持するためのロックデバイスと、を含む。
【0045】
脊椎プレート100は、チタン、Co-Cr合金などの既知の材料で作られ得るが、これらに限定されるものではない。
【0046】
固定ねじ穴110は、受容された固定ねじ(図示せず)のヘッドを支持するように、ねじ支持部108を含み得る。脊椎プレート100を隣接する一対の椎体間に使用する場合、固定ねじ穴110は端部本体104および106において両側に形成されていれば十分であるが、脊椎プレートを3つ以上の椎体に使用する場合、椎骨に挿入される固定ねじを受容するための1つ以上の固定ねじ穴を中央本体102にさらに形成することが可能である。
【0047】
図2は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100の中央本体を示す斜視図である。
図2に示されるように、中央本体102は、その両端部に形成された中央ピン接合部118および124と、中央ピン接合部118および124に形成された中央ロック部と、その中央部分に形成された窓128と、を含むことができる。
【0048】
図3は、本発明の実施形態1による脊椎プレートの端部本体を示す斜視図である。
図3に示されるように、端部本体104および106は、中央本体102の長手方向の両側に配置され、椎骨に挿入される固定ねじを受容する1つ以上の固定ねじ穴110を含み得る。さらに、端部本体104および106は、その端部に形成された端部ピン接合部112と、端部ピン接合部112に形成された端部ロック部と、を含むことができる。
【0049】
端部ロック部は、端部ピン接合部112の内周上に形成された端部セレーション114であってよく、端部ピン接合部112の内周上に、その周方向において形成された複数のロック溝またはロック突起(図示せず)であってもよい。
【0050】
回転デバイスは、中央本体102の両端部に形成された中央ピン接合部118および124と、端部本体104および106の端部に形成された端部ピン接合部112と、中央ピン接合部118および124ならびに端部ピン接合部112に、貫通するように挿入される回転ピン130と、を含むことができる。
【0051】
実施形態1では、回転デバイスは、1つの端部ピン接合部112と、互いから離間された2つの中央ピン接合部118および124と、を含み得、端部ピン接合部112は、2つの中央ピン接合部118および124の間に挿入される。一方、1つの変形例では、回転デバイスは、2つの端部ピン接合部と、1つの中央ピン接合部と、を含み得、中央ピン接合部が2つの端部ピン接合部の間に挿入される。さらに、回転デバイスは、1つの中央ピン接合部と、1つの端部ピン接合部と、を含むこともでき、様々な変形例が、上述した構成以外に可能である。
【0052】
ロックデバイスは、回転ピン130の外側に位置するように中央ピン接合部118および124に形成された中央ロック部と、回転ピン130の外側に位置するように端部ピン接合部112に形成された端部ロック部と、回転ピン130の外側で中央ピン接合部118および124ならびに端部ピン接合部112に挿入され、端部ロック部および中央ロック部に固定されてその回転を防止するロックチューブ140と、を含むことができる。
【0053】
中央ロック部は、中央ピン接合部118および124の内周上に形成された中央セレーション120および126とすることができる。中央セレーション120および126のピッチを小さくすると、様々な角度が実施され得るが、その一方で、ピッチは小さくされて機械的性能の低下を引き起こす。したがって、安定性が性能試験を通じて確保され得るとともに、角度変化の範囲が小さくなり得るように、中央セレーション120および126のピッチを決定することが重要である。
【0054】
さらに、中央ロック部は、中央ピン接合部118および124の内周上に、その周方向において形成された複数のロック溝またはロック突起(図示せず)であってもよい。
【0055】
窓128は、手術中に脊椎プレートと接触する椎骨表面を確認するためのビューポートとして機能することができ、また、窓128を通してデバイスを結合するためのアプリケーションとして利用されてもよい。
【0056】
図4は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100の回転ピン130を示す斜視図である。
図4に示されるように、回転ピン130は、回転ピン中央部分132と、回転ピン端部分134および136と、を含み、中央ピン接合部118および124ならびに端部セレーション114を通過して、中央ロック部および端部ロック部に挿入され得る。回転ピン130の長さは、2つの中央本体接合部118および124の外側に露出しないように、2つの中央本体接合部118および124の最も外側の端部間の距離と等しいか、またはそれより短くすることができる。
【0057】
さらに、端部ピン接合部112は、これに形成された回転ピン支持座部116を有し得、その上に、回転ピン130が回転可能に位置すると共にこれと接触する。端部ピン接合部112に回転ピン支持座部116を形成することにより、回転ピン130が外側に外れるのを防ぐように回転ピン130を安定的に支持することができる。さらに、この目的で、回転ピン130の、回転ピン支持座部116と接触する部分の断面が、長手方向においてその部分から外側の部分の断面よりも小さくなるように形成されてもよい。
【0058】
図5は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100のロックチューブ140を示す斜視図である。
図5に示されるように、ロックチューブ140は、その外周上に形成されて端部ロック部および中央ロック部と接触し、端部ロック部と中央ロック部との間の相対位置を固定するように構成されたチューブロック部と、その一端部に形成されたノブ144と、を含むことができる。
【0059】
チューブロック部は、ロックチューブ140の外周上に形成され、中央セレーション120および126と端部セレーション114との両方に接触する歯143を有するチューブセレーション142とすることができる。
【0060】
さらに、チューブロック部は、中央ロック部と端部ロック部との間の相対位置を固定するように、ロックチューブ140の外周上に細長い形態で形成されたキー溝またはキー突起(図示せず)であってもよい。すなわち、2つ以上のキー溝またはキー突起が、チューブロック部としてロックチューブ140の外周上に形成されて、チューブロック部のキー溝またはキー突起に対応する任意の角度で、中央ロック部としての中央ピン接合部118および124ならびに端部ロック部としての端部ピン接合部112の内周上に半径方向に形成された複数の突起または溝に挿入される。
【0061】
チューブロック部、中央ロック部、端部ロック部の形状は、上述したものに限定されず、様々な変更が可能である。
【0062】
ノブ144は、多角形の形状で形成され得るか、または、その外周上に形成された突起または溝を有し得、これにより把持が容易となる。ノブ144は、ロックチューブ140を中央ロック部および端部ロック部に挿入する際に、挿入を容易にするためのグリップとして機能することができる。
【0063】
さらに、ノブ144は、その内面に形成された、デバイスと結合するためのデバイス結合部146を有していてもよく、デバイス結合部146は、ノブ144の内面に形成された雌ねじ、結合凹部または結合突起であってよい。本発明では、ノブ144に雌ねじ、結合凹部または結合突起をデバイス結合部146として形成することにより、ロックチューブ140が中央ロック部および端部ロック部に固定されてロック状態となった後でも、ロックチューブ140は、ノブ144に形成されたデバイス結合部146にデバイス(図示せず)を結合することにより解放されてロックチューブを再びロック解除状態に戻すことができる。このとき、回転ピン130が片側に押圧された状態で、デバイス(図示せず)がデバイス結合部146に結合されるか、または、回転ピン130の長さは、中央ピン接合部118および124ならびに端部ピン接合部112の全長よりも小さくなるように形成される。
【0064】
図6は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100においてロックチューブ140が解放された状態を示す斜視図であり、
図7は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100においてロックチューブ140が固定された状態を示す斜視図である。
図6および
図7に示すように、回転ピン130は、中央ピン接合部118および124ならびに端部ピン接合部112を通して挿入され、端部ピン接合部112に形成された回転ピン支持座部116により安定的に挿入され得る。
【0065】
ロックチューブ140が
図6に示されるように中央ロック部および端部ロック部に完全に固定される前の状態であるロック解除状態では、端部本体104および106が中央本体102に対して所望の角度で位置付けられるように調整することが可能である。さらに、ロックチューブ140が
図7に示されるように中央ロック部および端部ロック部に完全に固定された状態であるロック状態では、中央本体102に対する端部本体104および106の回転が防止されて固定状態となる。
【0066】
図8は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100の端部本体104および106が中央本体102に対して回転され、その後、ロックチューブ140が固定されて端部本体104および106をロックした状態を示す斜視図であり、
図9は、本発明の実施形態1による脊椎プレート100の端部本体104および106が中央本体102に対して回転され、その後、ロックチューブ140が解放されて端部本体104および106をロック解除した状態を示す斜視図である。
図8および
図9に示されるように、本発明によれば、端部本体104および106は、中央本体102に対して所望の角度で位置付けられるように調整され得る。
図8に示したようなロック状態の後でも、ロックチューブ140は、
図9に示したように、ロックチューブ140のノブ144に形成されたデバイス結合部146によって解放されてロックチューブを再びロック解除状態に戻すことができる。
【0067】
次に、本発明の実施形態2による脊椎プレート200が、
図10~
図17を参照して説明される。
図10は、本発明の実施形態2による脊椎プレート200を示す斜視図である。
図10に示されるように、脊椎プレート200は、基本的に、中央本体202と、中央本体202の長手方向の両側に配置され、椎骨に挿入される固定ねじが受容される1つ以上の固定ねじ穴210を有する一対の端部本体204および206と、を含み、一対の端部本体204および206の少なくとも一方は、端部本体を中央本体202に選択的に回転可能な様式で固定するための回転デバイスと、回転デバイスをロック解除状態またはロック状態に維持するためのロックデバイスと、を含み、これらは、実施形態1と同じである。
【0068】
脊椎プレート200は、チタン、Co-Cr合金などの既知の材料で作製することができるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
固定ねじ穴210は、受容された固定ねじ(図示せず)のヘッドを支持するように、ねじ支持部208を含み得る。脊椎プレート200を隣接する一対の椎体間に使用する場合、固定ねじ穴210は端部本体204および206において両側に形成されていれば十分であるが、脊椎プレートを3つ以上の椎体に使用する場合、椎骨に挿入される固定ねじを受容するための1つ以上の固定ねじ穴を中央本体202にさらに形成することが可能である。
【0070】
図11は、本発明の実施形態2による脊椎プレート200の中央本体202を示す斜視図である。
図11に示されるように、中央本体202は、その両端部に形成された中央ピン接合部218および224と、中央ピン接合部218および224に形成された中央ピン穴220および226と、を含むことができる。さらに、窓228が中央本体202に追加的に形成され得る。
【0071】
図12は、本発明の実施形態2による脊椎プレートの端部本体を示す斜視図である。
図12に示されるように、端部本体204および206は、中央本体202の長手方向の両側に配置され、椎骨に挿入される固定ねじを受容する1つ以上の固定ねじ穴210を含み得る。さらに、端部本体204および206は、その端部に形成された端部ピン接合部212と、端部ピン接合部212に形成された端部ピン穴214と、を含むことができる。
【0072】
回転デバイスは、中央本体202の両端部に形成された中央ピン接合部218および224と、端部本体204および206の端部に形成された端部ピン接合部212と、中央ピン接合部218および224ならびに端部ピン接合部212に、貫通するように挿入される回転ピン230と、を含むことができる。
【0073】
実施形態2では、回転デバイスは、1つの端部ピン接合部212と、互いから離間された2つの中央ピン接合部218および224と、を含み得、端部ピン接合部212は、2つの中央ピン接合部218および224の間に挿入される。一方、1つの変形例では、回転デバイスは、2つの端部ピン接合部と、1つの中央ピン接合部と、を含み得、中央ピン接合部が2つの端部ピン接合部の間に挿入される。さらに、回転デバイスは、1つの中央ピン接合部と、1つの端部ピン接合部と、を含むこともでき、様々な変形例が、上述した構成以外に可能である。
【0074】
実施形態2の脊椎プレート200は、回転デバイスが、中央本体202に回転可能に配置され、端部ピン接合部212の外面に接触して端部本体204および206の回転を防止する、回転ロックユニット240を含むことを特徴とする。
【0075】
このために、中央本体202は、その中に形成され、回転ロックユニット240が挿入される回転ロックユニット座部252と、各回転ロックユニット座部252の片側に形成されて回転ロックユニット240の側面を端部ピン接合部212に向かって露出させる開口部254と、を含むことができる。さらに、回転突起座部256が、回転ロックユニット240を回転可能に支持するために回転ロックユニット座部252に形成され得る。
【0076】
さらに、
図13に示すように、回転ロックユニット240は、回転ロックユニット座部252に形成された回転突起座部256に挿入される回転突起248と、回転突起248と一体的に形成された回転ロックユニット本体242と、回転ロックユニット本体242の外面の一部分に形成されて端部ピン接合部と接触する接触面244と、回転ロックユニット本体242の外面のその他の部分に形成され、端部ピン接合部212と接触することなく接触面244を連続的に形成する非接触面246と、を含み得る。さらに、回転ロックユニット本体242は、その上側に形成され、デバイスが挿入されるデバイス溝250を有することができる。一方、デバイス突起が、デバイスに挿入されるように回転ロックユニット本体242に形成されてもよい。
【0077】
回転突起座部256および回転突起248は、回転突起248が回転突起座部256に形成された回転リング、環状リングもしくは環状溝に挿入されるか、回転突起248が互いと強固に嵌合されるように回転突起座部256に対応するその外周上に形成された構造を有するか、または、回転突起248の端部が回転突起座部256に形成された穴を貫通し、リベット止めもしくは固定ボルトの挿入などの既知の技術を用いてこれに固定されるような形で、互いに結合される。回転ロックユニット本体242は、全体としてボルト形状を有していてもよく、その上方中央に形成されたデバイス溝250は、六角形状または星形状などの既知の形状を有し得る。さらに、デバイス溝250に代えて、回転ロックユニット本体242に六角形状または星形状の突起を形成することも可能である。回転ロックユニット本体242の外周は、全体として円筒形状を有しており、その一辺上の切り欠き部分が非接触面246に相当し、切り取られていない、残りの部分が、接触面244に相当する。非接触面246と接触面244の中心角は、必要に応じて設計者により選択され得る。ただし、実施形態2では、非接触面246が開口部254に位置付けられた場合、非接触面246の幅は、開口部254の幅と実質的に等しい。さらに、非接触面246の切り欠き厚さは、非接触面246が開口部254に位置するときに、周囲の面と一致する高さを有するように設定されている。
【0078】
窓228は、手術中に脊椎プレートと接触する椎骨表面を確認するためのビューポートとして機能するように中央本体202に形成されており、また、窓228を通してデバイスを結合するためのアプリケーションとして利用されてもよい。
【0079】
図14は、本発明の実施形態2による脊椎プレート200の回転ピン230を示す斜視図である。
図14に示すように、回転ピン230は、回転ピン中央部分232と、回転ピン端部分234および236と、を含み、中央ピン接合部218および224ならびに端部ロック部を通過して、中央ピン穴220および226ならびに端部ピン穴214に挿入され得る。回転ピン230の長さは、2つの中央ピン接合部218および224の外側に露出しないように、2つの中央ピン接合部218および224の最も外側の端部間の距離と等しいか、またはそれより短くすることができる。
【0080】
さらに、端部ピン接合部212は、これに形成された回転ピン支持座部(図示せず)を有し得、その上に、回転ピン230が回転可能に位置すると共にこれと接触し、この点は実施形態1と同じである。端部ピン接合部212に回転ピン支持座部を形成することにより、回転ピン230が外側に外れるのを防ぐように回転ピン230を安定的に支持することができる。さらに、この目的で、回転ピン230の、回転ピン支持座部と接触する部分の断面が、その部分の外側の部分の断面よりも小さくなるように形成され得る。さらに、回転ピン支持座部は、中央ピン接合部218および224のいずれか一方に形成され得る。さらに、回転ピン支持座部を中央ピン接合部218および224と端部ピン接合部212との両方に形成することも可能である。
【0081】
以下、脊椎プレート200の動作が
図15~
図17を参照して説明される。
【0082】
図15に示されるように、回転ロックユニット240の非接触面246が中央本体202の開口部254に位置付けられると、それは開放状態と呼ばれる。この場合、回転ロックユニット240の非接触面246が端部ピン接合部212の表面と接触しないので、端部本体204および206は、中央本体202に対して自由に移動することができる。
【0083】
したがって、
図16に示されるように、使用者は、脊椎プレートが所望の角度となるように端部本体204および206を中央本体202に対して回転させ、その後、接触面244が開口部254を通って突出するように回転ロックユニット240を回転させる。本発明の実施形態2では、4つの回転ロックユニット240が両側に2つずつ配置されているため、上述した動作が4回繰り返される。
【0084】
その結果、
図17に示されるように、脊椎プレート200は、端部本体204および206が任意の角度で中央本体202に対して角度的に回転された状態で固定され得る。
【0085】
次に、本発明の実施形態3による脊椎プレート300が、
図18~
図23を参照して説明される。
図18は、本発明の実施形態3による脊椎プレート300を示す斜視図である。
図19は、本発明の実施形態3による脊椎プレートを示す上面図である。
図20は、本発明の実施形態3による脊椎プレートを示す底面図である。
図21は、本発明の実施形態3による脊椎プレートにおける別々の構成要素の斜視図である。
【0086】
図18に示されるように、脊椎プレート300は、基本的に、中央本体302と、中央本体302の長手方向の両側に配置された一対の回転部分312と、を含み、一対の回転部分312のそれぞれが骨ねじ308を有する。これらの骨ねじ308は、椎骨に挿入される。脊椎プレート300は、一対の回転部分312のそれぞれにスパイクねじ306をさらに含む。中央本体302は、中央穴318と、2つの回転ロックユニット340と、を含む。これらの回転ロックユニット340は、
図15および
図16に示すように、解放および/または固定され得る。一対の回転部分312のそれぞれは、回転接続部分316を含み、中央本体は、回転支持部分314を含む。回転ピン330は、中央本体302を、中央本体302の長手方向の両側に配置された一対の回転部分312と接続し、一対の回転部分312が中央本体302に対して回転するのを可能にするために使用される。回転ピン330は、実施形態1および2と同じである。
【0087】
図18に示すように、本発明の実施形態3による脊椎プレート300は、特にMIS手術を対象としている。
【0088】
中央本体302の長手方向の両側に配置された一対の回転部分312は、任意の角度で中央本体302に対して回転され、それにより、医師はMIS手術中に脊椎プレートの形状を医師が望む形状に変更することによって脊椎プレートを使用し、患者の様々な脊椎形状に対応することにより手術を行うことができる。特に、一対の回転部分312のそれぞれは、一対の回転部分312のそれぞれと中央本体302との間の角度が中央本体302の長手方向に対して最大90°(「12時」)となるように、(中央本体302の右側に配置された回転部分312の場合)反時計回りに、または(中央本体302の左側に配置された回転部分312の場合)時計回りに、中央本体302に対して回転され得る。一対の回転部分312のそれぞれと中央本体302との間のこの角度は、90°よりも大きくすることができる。一対の回転部分312のそれぞれの回転は、回転接続部分316が一対の回転部分312のそれぞれと共に回転するので、回転支持部分314の上方部分(2つの回転ロックユニット340が位置付けられた表面)によって制限される。
【0089】
さらに、一対の回転部分312のそれぞれは、一対の回転部分312のそれぞれと中央本体302との間の角度が中央本体302の長手方向に対して45°未満(好ましくは、最大20°)(「4時」または「8時」)となるように、(中央本体302の右側に配置された回転部分312の場合)時計回りに、または(中央本体302の左側に配置された回転部分312の場合)反時計回りに、中央本体302に対して回転され得る。最大45°(好ましくは、最大20°)に限定する理由は、上および下の椎骨が互いに近接する方向に加わる圧縮力(人体により及ぼされる重み)によって脊椎プレートが支持されるためである。この角度が45°より大きい場合、回転部312は圧縮を適切に身体に伝えることができなくなる。この回転は、中央本体302の底部分322と一対の回転部分312それぞれの底部分320との間に形成された回転角度制御部分310によって制限される。これは、中央本体302の長手方向における中央本体302の2つの対向する底端部分322(中央本体302の底部左端部側および底部右端部側)と、一対の回転部分312それぞれの2つの底部分320との間に形成された2つの回転角度制御部分310があることを意味する。
図23に示されるように、中央本体302の底部分322と、一対の回転部分312のそれぞれの底部分320との間には、隙間がある。さらに、中央本体302の2つの対向する底端部分322は、中央本体302の長手方向において中央本体302の中心に向かって内側にわずかにくぼむように設計されている。しかしながら、中央本体302の2つの対向する底端部分322の設計は、
図23に図示されるように限定されるものではない。
【0090】
具体的には、手術のための手術経路を作成し、脊椎プレート300を手術経路に挿入する際、一対の回転部分312のそれぞれは、脊椎プレート300に対して上方に折り畳まれる。脊椎プレート300が手術部位に配置される(正確には、椎間板の周囲で上および下の椎骨にまたがるように位置付けられる)と、一対の回転部分312のそれぞれが回転してそれらの椎骨に接触する。この時点で、椎骨の端部は、椎骨の他の部分よりも直径がわずかに大きい。そのため、脊椎プレート300が椎骨に接触した状態で、一対の回転部分312のそれぞれは、椎骨の端部を取り囲んでいるように回転する、脊椎プレートの長手方向平面よりも大きく回転する。この時点で、骨ねじ308が挿入される。一対の回転部312のそれぞれの回転により、骨ねじ308は、脊椎プレート300の垂直方向に対して脊椎の内側に(例えば、椎間板の方向に)挿入される。したがって、骨ねじ308の挿入方向は、ワッシャー304を用いて脊椎の水平方向または上方向に調整され得る。次に、骨ねじ308の挿入は、上述したように、ワッシャー304と骨ねじ308のヘッドとの間、ワッシャー304と脊椎プレート300との間の摩擦により、任意の角度で固定され得る。さらに、ワッシャー304は、骨ねじ308の挿入方向を垂直方向にも水平方向にも拡大することができる。
【0091】
さらに、本発明の実施形態3による脊椎プレート300は、一対の回転部分312のそれぞれにスパイクねじ306を含む。従来の例では、スパイクまたは歯が使用され、脊椎プレートと一体的に形成される。しかしながら、このスパイクまたは歯は、脊椎プレートを椎骨に確実に固着させるための強固な性能を提供しない。したがって、本発明は、一対の回転部分312のそれぞれにスパイクねじ306を適用する。このスパイクねじ306は、ヘッド部分326と本体部分328とを含み、ヘッド部分326と本体部分328とは異なるねじ山を有する。スパイクねじ306は、ヘッド部分326のねじ山のピッチが本体部分328のねじ山のピッチよりも小さくなるように設計されており、これにより、椎骨を脊椎プレートの方に引っ張りながらセルフロックすることを可能にする。スパイクねじ306のヘッド部分326は、回転部分312のスパイクねじ支持部334と螺合している。
【0092】
図22に示すように、ワッシャー304は、骨ねじ308上で一対の回転部分312のそれぞれのワッシャー支持部332上に置かれる。ワッシャー304は、製造設備において、脊椎プレート300と共に組み立てられ、圧入される。製造プロセス中、ワッシャー304の上部分324は、収縮後にワッシャー支持部332の内側に挿入される。ワッシャー304の上部分324は、挿入後にワッシャー支持部332の内側で拡大される。手術中、骨ねじ308はワッシャー304に挿入されて、脊椎プレート300を椎体に固定する。したがって、骨ねじ308のヘッドがワッシャー304を押圧し、ワッシャー304が回転部分312のワッシャー支持部332を押圧して、それによって、摩擦を生じさせる。ワッシャー304の設計は、
図21に示されるように限定されるものではない。ワッシャー304は、骨ねじ308のヘッドを取り囲み、ワッシャー304が骨ねじ308の円形の(楕円形のまたは丸い)ヘッド上に容易に置かれ得るように設計されている。骨ねじ308の挿入角度を大きくするために、脊椎プレート300は、ワッシャー304が一対の回転部分312のそれぞれに対して回転し、骨ねじ308のヘッドがワッシャー304に対して回転するように設計されている。骨ねじ308の大きな挿入角度を有することにより、回転部分312の両側が本体よりも下方に回転された場合、骨ねじ308を挿入することで、骨ねじ308は内側を向く。この問題を解決するために、骨ねじ308の挿入角度は、これらの角度が任意に調整され得るように設計されている。骨ねじ308を挿入して固定すると、ワッシャー304が押され、これにより、骨ねじ308のヘッドが摩擦によって締め付けられ保持される。
【0093】
本発明は、好ましい実施形態および変更例を参照して説明したが、本発明は、上述の特定の実施形態および変更例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定められるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形がなされ得ることが、関連技術の当業者には理解されるであろう。
【0094】
本発明によれば、手術中に脊椎プレートの形状を医師が希望する形状に変更し、それにより、患者の様々な脊椎形状に対応することができる脊椎プレートを開発することによって、脊椎プレートを使用することが可能である。
【0095】
さらに、脊椎プレートの形状は、1枚のプレートで様々な角度に変形され得、手術中に作業ごとにプレートを準備する負担を軽減することができ、それにより、製造業者の視点からは製品コストが大幅に削減される。
【0096】
〔参考数字の説明〕
100、200、300:脊椎プレート
102、202、302:中央本体
104、106、204、206:端部本体
108、208:ねじ支持部
110、210:固定ねじ穴
112、212:端部ピン接合部
114:端部セレーション
118、124、218、224:中央ピン接合部
116:回転ピン支持座部
120、126:中央セレーション
128、228:窓
130、230、330:回転ピン
132、232:回転ピン中央部分
134、136、234、236:回転ピン端部分
140:ロックチューブ
142:チューブセレーション
143:歯
144:ノブ
146:デバイス結合部
214:端部ピン穴
220、226:中央ピン穴
240、340:回転ロックユニット
242:回転ロックユニット本体
244:接触面
246:非接触面
248:回転突起
250:デバイス溝
252:回転ロックユニット座部
254:開口部
256:回転突起座部
304:ワッシャー
306:スパイクねじ
308:骨ねじ
310:回転角度制御部分
312:回転部分
314:回転支持部分
316:回転接続部分
318:中央穴
320:回転部分の底部分
322:中央本体の底部分
324:ワッシャーの上部分
326:スパイクねじのヘッド部分
328:スパイクねじの本体部分
332:ワッシャー支持部
334:スパイクねじ支持部
【0097】
〔実施の態様〕
(1) 脊椎プレートであって、
中央本体と、
一対の回転部分であって、前記一対の回転部分は、前記中央本体の長手方向の両側に配置されている、一対の回転部分と、を含み、
前記一対の回転部分のそれぞれは、椎骨に挿入される骨ねじを含む、脊椎プレート。
(2) 前記中央本体は、
中央穴と、
2つの回転ロックユニットと、を含み、
前記2つの回転ロックユニットは、解放または固定されるように構成されている、実施態様1に記載の脊椎プレート。
(3) 前記一対の回転部分のそれぞれは、回転接続部分を含み、前記中央本体は、回転支持部分を含む、実施態様1に記載の脊椎プレート。
(4) 前記脊椎プレートは、回転ピンをさらに含み、
前記回転ピンは、前記中央本体を前記一対の回転部分と接続するように構成され、前記一対の回転部分が任意の角度で前記中央本体に対して回転するのを可能にするように構成されている、実施態様1に記載の脊椎プレート。
(5) 前記一対の回転部分のそれぞれは、前記中央本体の右側に配置された回転部分については反時計回りに、また、前記中央本体の左側に配置された回転部分については時計回りに、前記中央本体に対して回転するように構成され、
前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して最大90°である、実施態様4に記載の脊椎プレート。
【0098】
(6) 前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の前記角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して90°よりも大きい、実施態様5に記載の脊椎プレート。
(7) 前記一対の回転部分のそれぞれは、回転接続部分を含み、前記中央本体は、回転支持部分を含み、
前記一対の回転部分のそれぞれの回転は、前記回転接続部分が前記一対の回転部分のそれぞれと共に回転するので、前記回転支持部分の上方部分によって制限される、実施態様4に記載の脊椎プレート。
(8) 前記一対の回転部分のそれぞれは、前記中央本体の右側に配置された回転部分については時計回りに、また、前記中央本体の左側に配置された回転部分については反時計回りに、前記中央本体に対して回転するように構成され、
前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して45°未満である、実施態様4に記載の脊椎プレート。
(9) 前記一対の回転部分のそれぞれの回転は、前記中央本体の底部分と前記一対の回転部分のそれぞれの底部分との間に形成された回転角度制御部分によって、制限される、実施態様8に記載の脊椎プレート。
(10) 前記一対の回転部分のそれぞれは、スパイクねじを含む、実施態様1に記載の脊椎プレート。
【0099】
(11) 前記スパイクねじは、ヘッド部分と、本体部分と、を含み、
前記ヘッド部分と前記本体部分は、異なるねじ山を有する、実施態様10に記載の脊椎プレート。
(12) 前記ヘッド部分の前記ねじ山のピッチは、前記本体部分の前記ねじ山のピッチよりも小さく、それにより、前記椎骨を前記脊椎プレートの方に引っ張りながらセルフロックすることを可能にする、実施態様11に記載の脊椎プレート。
(13) ワッシャーが、前記骨ねじ上で前記一対の回転部分のそれぞれの上のワッシャー支持部上に置かれている、実施態様10に記載の脊椎プレート。
(14) 前記脊椎プレートは、前記ワッシャーが前記一対の回転部分のそれぞれに対して回転するように構成され、前記骨ねじのヘッドが前記ワッシャーに対して回転するように構成されるように、設計されている、実施態様13に記載の脊椎プレート。
(15) 前記一対の回転部分のそれぞれと前記中央本体との間の前記角度は、前記中央本体の前記長手方向に対して最大20°である、実施態様8に記載の脊椎プレート。
【国際調査報告】