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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】流体フロープレート
(51)【国際特許分類】
   C12M 3/00 20060101AFI20240808BHJP
   C12N 5/071 20100101ALI20240808BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
C12M3/00 A
C12N5/071
C12Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512120
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 GB2022052166
(87)【国際公開番号】W WO2023026034
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】2112237.9
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2204371.5
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521539395
【氏名又は名称】ニューセルス バイオテック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NEWCELLS BIOTECH LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181847
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 かおり
(72)【発明者】
【氏名】コリン ダグラス アーチボルド ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスカ ピサピア
(72)【発明者】
【氏名】ドノヴァン ベンジャミン オブライエン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA08
4B029AA11
4B029BB01
4B029FA15
4B029GB01
4B063QQ02
4B065AA87X
4B065CA60
(57)【要約】
ベース壁と、1つまたは複数の側壁と、上壁とによって画定されるキャビティ空間を備える流体リザーバ、を備える、流体フロープレートであって、前記上壁は、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるように適合された複数の開口部を含み、流体フロープレートは、前記流体リザーバ内の流体の双方向の流れがもたらされるように、揺動するように構成される。また、流体フロープレート含むキットおよび流体フロープレートを用いて細胞上の流体の流れをシミュレートする方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース壁と、1つまたは複数の側壁と、プレート状の平面を有する上壁とによって画定されるキャビティ空間を備える流体リザーバ、
を備える、流体フロープレートであって、
前記上壁は、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるように構成された少なくとも1つの開口部を備え、該開口部は、第1の端部において前記流体リザーバ内に開口し、第2の端部において前記流体フロープレートの表面に開口するチャネルであり、
前記リザーバの長さは、前記少なくとも1つの開口部の長さよりも長く、
前記流体フロープレートは、
取り外し可能な細胞培養面が前記チャネルにインサートされると、
前記取り外し可能な細胞培養面の底面が、前記流体リザーバの上壁の一部を形成し、前記取り外し可能な細胞培養面が、前記流体リザーバの上壁の表面と実質的に同一平面となるように配置される、
ように構成され、かつ、
前記流体リザーバ内で流体の双方向の流れがもたらされるように、前記流体フロープレートが揺動するように構成される、流体フロープレート。
【請求項2】
前記上壁は、従来の細胞培養インサートを受け入れ、かつ、保持するサイズであり、前記従来の細胞培養インサートは、取り外し可能な細胞培養面を提供する、請求項1に記載の流体フロープレート。
【請求項3】
前記流体リザーバは、少なくとも1つの流体入口を備える、請求項1または2に記載の流体フロープレート。
【請求項4】
前記少なくとも1つの流体入口は、第1の開口部と、第2の開口部と、少なくとも1つの側壁とを備え、
前記第1の開口部は、前記流体リザーバに開口し、
前記第2の開口部は、前記流体フロープレートの表面に開口し、前記第2の開口部は、前記第1の開口部と略反対側に配置されており、
前記第1の開口部は、前記少なくとも1つの側壁によって前記第2の開口部に接続される、
、請求項3に記載の流体フロープレート。
【請求項5】
前記取り外し可能な細胞培養面の回転を防止する手段を備える、請求項1~4のいずれかに記載の流体フロープレート。
【請求項6】
前記取り外し可能な細胞培養面の回転を防止する手段が、前記取り外し可能な細胞培養面上に配置された突起を受容するための溝を備える、請求項5に記載の流体フロープレート。
【請求項7】
複数の流体リザーバを備える、請求項1~6のいずれかに記載の流体フロープレート。
【請求項8】
各流体リザーバが、単一の開口部と流体連通している、請求項7に記載のフロープレート。
【請求項9】
流体リザーバが、複数の開口部と流体連通する、請求項1~8のいずれかに記載のフロープレート。
【請求項10】
前記流体フロープレートは、プレート基板を備える、請求項1~9のいずれかに記載の流体フロープレート。
【請求項11】
前記流体リザーバは、前記プレート基板の凹部によって形成される、請求項10に記載の流体フロープレート。
【請求項12】
前記チャネルは、前記プレート基板の凹部により形成される、請求項1に記載の流体フロープレート。
【請求項13】
前記流体フロープレートの底面は、実質的に平面である、請求項1~12のいずれかに記載の流体フロープレート。
【請求項14】
前記底面に把持部材を備える、請求項1~13のいずれかに記載の流体フロープレート。
【請求項15】
前記取り外し可能な細胞培養面を横切って実質的に均一なせん断応力を発揮するように構成される、請求項1~14のいずれかに記載の流体フロープレート。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載の流体フロープレートと、取り外し可能な細胞培養面とを含むキット。
【請求項17】
従来のロッカーデバイスをさらに含む、請求項15または16に記載のキット。
【請求項18】
前記取り外し可能な細胞培養面は、従来の細胞培養インサートであり、開口部、ベース部、および少なくとも1つの側壁を含み、前記ベース部は、前記開口部と実質的に反対側に配置される、請求項15~17のいずれかに記載のキット。
【請求項19】
前記従来の細胞培養インサートが、該従来の細胞培養インサートの前記ベース部および少なくとも1つの側壁によって形成されたウェルを含む、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
前記従来の細胞培養インサートのベース部は、前記ウェル内の第1のベース部壁面と、前記ウェル外の第2のベース部壁面とを含み、
前記第2のベース部壁面は、前記第1のベース部壁面と実質的に平行になるように配置され、前記従来の細胞培養インサートの前記第2のベース部壁面の少なくとも一部の上で細胞を培養することができる、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
細胞上の流体の流れをシミュレートする方法であって、
請求項1~14に記載の流体フロープレートに取り外し可能な細胞培養面を固定することであって、前記取り外し可能な細胞培養面が細胞を含む、固定することと、
前記流体フロープレートに揺動運動を加えることと、
を含み、
前記流体フロープレートが流体を含み、前記揺動運動が前記流体フロープレートにおける流体の双方向の流れをもたらす、方法。
【請求項22】
前記揺動運動が、指定可能な角度およびサイクル頻度で揺動運動を発揮するように配置されたロッカーデバイスによって提供される、請求項21に記載の細胞上の流体の流れをシミュレートする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養物上の流体の流れをシミュレートするための流体フロープレートに関する。特に、細胞培養面上にせん断応力を均一に分布させるように構成され、ロッキングプラットフォームと共に使用するように構成された流体フロープレート。本発明はまた、流体の流れおよび細胞培養をシミュレートするためのキットおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
in vivo(インビボ)では、多くの細胞型が細胞外液流に曝露されている。in vitro(インビトロ)環境で細胞を培養する場合、より生理学的に関連のある細胞培養を作成するために、できるだけ多くのin vivo環境因子を再作成することが望ましいことが多い。インビボで細胞外液流に典型的に曝露される多くの細胞型は、細胞外液流によって細胞に加えられる流体力学的ストレスに対する生理学的応答を示す。従って、細胞を培養する場合には、細胞をインビトロで流体フローに曝露することにより、流体フロー応答をシミュレートすることが望ましい。
【0003】
現在、細胞をin vitroで流体流に曝露する手段が存在する。例えば、マイクロ流体デバイスを使用して、比較的少数の細胞を少量の流体に曝露することができる。この目的のためのマイクロ流体システムのそのような一例は、エミュレート腎臓チップ(Emulate Kidney-Chip)モデルである。エミュレート(RTM)モデルは、細胞の上面上にマイクロ流体フローを有するフィルター支持体を利用する。ヒト近位尿細管上皮細胞を用いたこのモデルの使用は、細胞が流れに曝露されると、流れなしで増殖させた細胞と比較した場合、in vivoで見られる細胞の生理学的状態をより代表することを実証した。
【0004】
細胞上の流体流れをシミュレートするための別のマイクロ流体モデルは、ノルティス(Nortis)モデルである。ノルティスモデルは、微小流体チューブの内面上で細胞を培養した後、チューブの内腔を通して流体をポンピングする。上記のエミュレート(RTM)およびノルティスモデルのようなマイクロ流体モデルは、構成要素の複雑さおよび装置を通って流体をポンピングする手段を有する必要性のために製造コストが高い。それらのサイズとコストの結果として、既存のマイクロ流体モデルを用いて高スループット実験を行うことは困難であり、コストがかかる。
【0005】
本発明は、in vitroで培養された細胞上の流体の流れをシミュレートする装置、キットおよび方法を提供することによって、先行技術に関連する問題を緩和することを目的とする。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、以下を含む流体フロープレートが提供される:
ベース壁と、1つまたは複数の側壁と、上壁とによって画定されるキャビティ空間を備える流体リザーバを備え、
前記上壁は、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるように構成された少なくとも1つの開口部を備え、
前記リザーバの長さは、前記少なくとも1つの開口部の長さよりも長く、
前記流体フロープレートは、前記流体リザーバ内の流体の双方向の流れがもたらされるように、揺動するように構成される。
【0007】
有利には、取り外し可能な細胞培養面上の細胞を、流体リザーバ内の流れに曝露することができ、それによって、細胞上の流体の流れをシミュレートすることができる。
【0008】
有利には、流体フロープレートは、を、取り外し可能な細胞培養面に0.2ダイン(dyne)/cm2~2ダイン/cm2のせん断応力を作用させるように構成される。
【0009】
有利には、これは、in vivoで近位尿細管細胞のような細胞に及ぼされるせん断応力を複製し、それによって、流体の流れに対する生理学的に関連した応答を誘発する。特に、流体フロープレートは、より大きなせん断応力が関心の対象となる場合、例えば、特定の病態を模倣する病態モデルを提供するために、2ダイン/cm2を超える応力を発揮するように構成することができる。
【0010】
好ましくは、上壁は、従来の細胞培養インサートを受け入れ、保持するような大きさであり、前記従来の細胞培養インサートは、取り外し可能な細胞培養面を提供する。
【0011】
有利には、従来の細胞培養インサートは、容易に入手可能であり、細胞を流体フロープレートの所定の位置に保持する費用効率のよい手段である。従来の細胞培養インサートの実施例には、トランスウェル(Transwell)(RTM)およびThinCert(商標)インサートが含まれる。
【0012】
好ましくは、流体フロープレートは、取り外し可能な細胞培養面の回転を防止する手段を備える。
【0013】
有利には、取り外し可能な細胞培養面の回転を防止する手段は、使用時に、細胞培養インサートのような取り外し可能な細胞培養面が開口部内で回転することを防止する。取り外し可能な細胞培養面の望ましくない回転は、細胞に作用する流体力学に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0014】
流体フロープレートは、例えば、取り外し可能な細胞培養面上に位置する対応する雌または雄部分と嵌合することができる雄または雌部分を含むことができる。
【0015】
好ましくは、取り外し可能な細胞培養面の回転を防止するための手段は、取り外し可能な細胞培養インサート上に位置する突起(凸部)を受容するための溝を含む。取り外し可能な細胞培養面は、代替的に、取り外し可能な細胞培養インサート上に位置する溝によって受容可能な突起(凸部)を含むことができることが理解されよう。
【0016】
有利には、取り外し可能な細胞培養面上に突起を受け入れるように構成された流体フロープレート上の溝は、開口部における取り外し可能な細胞培養面の回転を防止するのに有効であろう。さらに、多くの従来の細胞培養インサートは、複数の突起を備えており、従って、これらの突起に対応する溝を設けることは、それらの回転を防止するための便利な手段を提供する。
【0017】
好ましくは、揺動(ロッキング)運動は、従来のロッカーによって提供される。
【0018】
従来のロッカーは、当技術分野で周知であり、典型的には、移動プラットフォーム、デッキ、またはマルチウェルプレートまたは同様のものを載置することができる他の支持体を駆動するベース電動モータユニットを備えている。モータの速度は調整可能であり、より激しい高速ミキシング動作を経由し、緩やかなミキシング動作を提供する。プラットフォーム、デッキまたは支持体は、典型的には、滑らない表面を有する。典型的には、ロッカーは、基本的なシーソー運動または横揺れ運動を提供する。
【0019】
有利には、ロッカーは、流体リザーバ内の流体流をもたらすための便利な手段を提供する。
【0020】
任意に、流体フロープレートは、複数の流体リザーバを含む。
【0021】
有利には、複数のリザーバを有する流体フロープレートは、プレート当たり複数の実験条件を可能にする。例えば、各リザーバ内の流体は、異なる成分を含むことができる。
【0022】
任意に、各流体リザーバは、単一の開口部と流体連通している。
【0023】
このように、流体リザーバ内の液体を使用する際には、開口部にインサートされた単一の細胞培養インサートと接触する。
【0024】
これにより、各細胞培養インサートに独自の条件を提供することができ、細胞培養インサート上の細胞から放出されたあらゆる因子が、他の細胞培養インサート上の細胞に移入されないようにすることができ、またその逆もまた同様である。
【0025】
あるいは、各流体リザーバは、複数の開口部と流体連通している。
【0026】
この代替法は、細胞培養インサート上の細胞から放出された任意の因子が、流体リザーバーを介して他の細胞培養インサート上の細胞と流体連通することを可能にする。
【0027】
このように、流体リザーバ内の液体の使用においては、複数の開口部にインサートされた複数の細胞培養インサートと接触する。
【0028】
あるいは、流体フロープレートは、少なくとも1つが単一の開口部と流体連通しており、少なくとも1つが複数の開口部と流体連通している、複数の流体リザーバを含む。
【0029】
好ましくは、流体リザーバは細長い。これは、一般に、幅よりも長さ(または長さより幅)が長いと理解される。
【0030】
有利には、流体リザーバは細長く、少なくとも1つの開口部の長さよりも長い長さを有し、流体がリザーバ内を流れるのに十分な空間を提供する。流体リザーバは、前記開口部の両側の開口部の長さを越えて延在することが好ましい。
【0031】
好ましくは、リザーバは、滑らかな内部プロファイルを有する。最も好ましくは、リザーバは長方形のプリズム形状である。
【0032】
好ましくは、流体リザーバの高さと幅の比率は、1:2~1:10、より好ましくは1:4~1:5である。ここで、高さはリザーバの下壁からリザーバの上壁まで測定する。
【0033】
好ましくは、流体フロープレートは、プレート基板(プレート基材)を含み、リザーバは、プレート基板内の凹部によって形成される。
【0034】
任意に、流体リザーバの上壁は、取り外し可能な細胞培養面を受容するための複数の開口を含み、1つまたは複数の開口は、ベース壁と実質的に反対側に配置される。
【0035】
任意に、上壁は、取り外し可能な細胞培養面を受容するための1つまたは複数の開口部を含む板状平面を有し、ベース壁と実質的に反対側に配置される。
【0036】
好ましくは、各開口部はチャネルであり、前記チャネルは、第1の端部で流体リザーバ内に開口し、第2の端部で流体フロープレート表面に対して開口する。チャネルは板状の平面表面て伸びている。
【0037】
任意に、チャネルは、プレート基板の凹部によって形成される。
【0038】
好ましくは、流体フロープレートは、従来の細胞培養インサートが、使用時に、従来の細胞培養インサートの底面が、流体リザーバの上壁の一部を形成するように、チャネルにインサート可能であるように構成される。
【0039】
好ましくは、従来の細胞培養インサートの底面(すなわち、インサートがインサートされたときに流体リザーバに面する表面)は、典型的には、細胞増殖表面である。
【0040】
好ましくは、流体フロープレートは、取り外し可能な細胞培養面が、流体リザーバの上壁の表面と実質的に同一平面となるように配置されるように構成される。
【0041】
有利には、取り外し可能な細胞培養面は、上壁の連続した内面を提供するために、上壁の前記内面と実質的に同一平面となる。連続した上壁の提供は、流体リザーバ内の流体の円滑な流動を補助する。
【0042】
任意に、取り外し可能な細胞培養面の少なくとも一部は、流体リザーバの上面の開口をシール(密封)する。
【0043】
任意に、取り外し可能な細胞培養面の上部は、流体リザーバの上面の開口をシールする。
【0044】
任意に、少なくとも細胞増殖表面に近接する表面は、流体リザーバの上面の開口部をシールする。
【0045】
好ましくは、シール部は液体密封シール(liquid tight seal)である。
【0046】
有利には、取り外し可能な細胞培養面による開口部の液体密封は、細胞培養媒体のような液体が、使用時に、液体リザーバから取り外し可能な細胞培養面へおよびその周囲へ移動することを防止する。取り外し可能な細胞培養面による流体リザーバの液体密封により、流体リザーバ内の液体は、細胞増殖表面上で培養される細胞を露出させることができるせん断応力を発生させることができる。流体リザーバの上壁の液体密封がないと、流体リザーバ内の液体は、流体リザーバから、取り外し可能な細胞培養面内およびその周囲に移動する可能性が高い。この液体の漏出は、流体リザーバ内の液体の流体力学に影響を及ぼし、その後、せん断応力の発生に影響を及ぼす。
【0047】
好ましくは、取り外し可能な細胞培養面は、押し嵌めによって開口部に嵌合する。
【0048】
有利には、取り外し可能な細胞培養面と開口部との間の押し嵌め構成は、液密シールを提供する。
【0049】
好ましくは、液体密封シールは、流体リザーバの上壁と実質的に同一平面である(flush)、または実質的に同じ平面上にある。
【0050】
有利には、液体密封シールは、流体リザーバの上壁と同一平面である、または実質的に同じ平面上に設けられ、流体リザーバ内の流体の平滑な流れをアシストする連続した上壁を提供する。
【0051】
好ましくは、流体フロープレートの底面は、実質的に平面である。
【0052】
有利には、平坦な底面は、ロッカー(rocker)のような平坦な表面上で流体フロープレートを安定化するのをアシストする。
【0053】
好ましくは、流体フロープレートは、底面上に把持部材を備える。
【0054】
有利には、把持部は、ロッカーのような表面への流体フロープレートの底部の把持をアシストし、ロッカー上の意図しない動きを減少させる。
【0055】
好ましくは、流体リザーバは、少なくとも1つの流体入口を含む。
【0056】
有利には、流体入口(流体注入口)は、取り外し可能な細胞表面が嵌合された後に、流体を流体リザーバに添加および/または流体リザーバからの除去を可能にする。好ましくは、流体入口は、取り外し可能な細胞培養インサートを受け入れるための開口部から分離されている。
【0057】
有利には、流体入口は、また、プレートが左右に揺動されているときに、リザーバ内の任意の液体、例えば、培地が移動することができる追加の体積を提供する。これにより、リザーバ内の液体の効率的な物質移動が可能になる。
【0058】
好ましくは、少なくとも1つの流体入口は、流体フロープレートの上壁を通って延在し、第1の開口部と、第2の開口部と、少なくとも1つの側壁とを含み、ここで、第1の開口部は、流体リザーバに開口しており、第2の開口部は、流体フロープレートの上壁の表面に開口しており、前記第2の開口部は、前記第1の開口部と実質的に反対側に配置され、前記第1の開口部は、少なくとも1つの側壁によって前記第2の開口部に接続される。
【0059】
好ましくは、入口(インレット)は、実質的にリザーバの端部に、リザーバの端部に、またはリザーバの端部に近接して設けられる。
【0060】
各リザーバには、少なくとも2つの入口(インレット)が設けられることが好ましい。前記少なくとも2つの入口が、リザーバのいずれかの端部に設けられることが好ましい。
【0061】
好ましくは、入口は、開口部とは異なる形状である。好ましくは、入口は、取り外し可能な細胞培養面を受け入れないように成形される。
【0062】
それほど好ましくない実施形態では、入口は、表面への第2の開口部を有していなくてもよい。この場合、液体培地のような流体の追加または除去に使用することはできず、流体フロープレートがそれに適用される揺動運動を有するときに、該流体が移動することができる体積空間として単に作用する。
【0063】
典型的には、入口によって提供される体積空間は、リザーバの平面より上の平面内に提供され、これは、プレートが揺動されるときに、リザーバから入口内または入口への液体の垂直移動を可能にする。
【0064】
好ましくは、流体フロープレートは、取り外し可能な細胞培養面にわたって実質的に均一なせん断応力を発揮するように構成される。
【0065】
有利には、取り外し可能な細胞表面上の細胞は、実質的に均一なせん断応力を受け、その結果、前記せん断応力に対する実質的に均一な生理学的応答が生じる。
【0066】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る流体フロープレートと、取り外し可能な細胞培養面とを備えるキットが提供される。
【0067】
好ましくは、取り外し可能な細胞培養面は、従来の細胞培養インサートである。
【0068】
必要に応じて、キットは、従来のロッカーデバイスをさらに備える。
【0069】
好ましくは、従来の細胞培養インサートは、開口部と、ベース部と、少なくとも1つの側壁とを含み、前記ベースは、前記開口部と実質的に反対側に配置される。
【0070】
好ましくは、従来の細胞培養インサートは、ウェルを含み、該ウェルは、従来の細胞培養インサートのベース部および少なくとも側壁によって形成される。
【0071】
好ましくは、従来の細胞培養インサートのベース部は、ウェル内の第1のベース壁と、ウェル外の第2のベース壁とを備え、前記第2のベース壁は、前記第1のベース壁と実質的に平行になるように配置される。
【0072】
好ましくは、取り外し可能な細胞培養面は、従来の細胞培養インサートの第2の表面の少なくとも一部で細胞を培養できるように構成される。
【0073】
有利には、細胞が従来の細胞培養インサートの外表面上で増殖される場合、細胞インサートが流体フロープレート内の所定の位置にあるとき、細胞は、流体フロープレートの流体リザーバと流体連通する。
【0074】
本発明の第3の態様によれば、細胞上の流体の流れをシミュレートする方法が提供され、該方法は、
本発明の第1の態様の流体フロープレートへの取り外し可能な細胞培養面を固定することであって、前記取り外し可能な細胞培養面が細胞を含む、固定することと、
前記流体フロープレートに揺動運動を加えることと、
を含み、
前記流体フロープレートが流体を含み、前記揺動運動が流体フロープレート内の流体の双方向の流れをもたらす。
【0075】
揺動(ロッキング)運動は、ロッカーデバイスによって提供されることが好ましい。
【0076】
プレートは、ロッカーデバイスによって、毎分0.1サイクルの周波数で、7度の角度で運動(ロッキング)されることが好ましい。他の実施形態では、プレートは、ロッカーデバイスによって、11~17度の間の角度で毎分7~14回揺動される。
【0077】
本発明の各種さらなる特徴および態様は、請求の範囲に定義される。
【0078】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0079】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として説明するが、ここで、同様の部品には対応する参照番号が付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1図1は、本発明の特定の実施形態による流体フロープレートの一連の簡略化された概略図を示す。
図2図2は、本発明の特定の態様による流体フロープレートの上面図を示す。
図3図3は、本発明の特定の態様による流体フロープレートの代替実施形態の上面図を示す。
図4図4は、ロッカーと共に使用される流体フロープレートの一連の簡略化された概略図を示す。
図5A図5Aは、流体リザーバの速度マグニチュードスライスプロットを示す。
図5B図5Bは、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるように構成された領域における流体フローリザーバの幅にわたるせん断応力プロファイルを示す。
図5C図5Cは、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるように構成された領域内の流体フローリザーバの幅にわたる速度プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1は、本発明の特定の実施形態による、プレート内の開口部を通って採取された流体フロープレートの斜視図および断面を示す。図1aは、流体フロープレート100の斜視図を示す。流体フロープレートは、8つの開口部103および2つの流体リザーバ(図示せず)を含む。当業者であれば、本発明に係る流体フロープレートは、任意の数の開口部および流体リザーバを包含することができることは明らかであろう。例えば、本発明による流体フロープレートは、24個の開口部および4個の流体リザーバを含むことができる。あるいは、本発明による流体フロープレートは、48個の開口部および8個の流体リザーバを組み込んでもよい。
【0082】
開口部103は、2つの平行列に配置され、各列は、4つの開口部103を含む。4つの開口部の各列はまた、2つの入口107a、107bを含み、これらは、4つの開口部が2つの入口107a、107bの間に位置するように配置される。各列は、流体リザーバ(図示せず)を含む。各列の4つの開口部および2つの入口は、流体リザーバにつながる。流体リザーバは、2つの入口107a、107bの間を走行する。開口部103は、従来の細胞培養インサートのような取り外し可能な細胞培養面を受容するように構成される。
【0083】
各列は、1つの入口のみを含むことができ、あるいは、開口部は、入口としても作用することができることが理解されるであろう(ただし、別個の入口を有することが一般に好ましい)。
【0084】
流体フロープレートは、プレート基板104から製造される。プレート基板は、典型的には、ポリスチレンなどのプラスチックである。流体フロープレートは、3次元(3D)印刷によって製造されてもよい。流体フロープレートは、単一の一体型装置として製造され得る。あるいは、流体フロープレートは、その後、接合または溶接などの任意の適切な手段によって固定される別個の構成要素として製造されてもよい。流体フロープレートは、開口部を覆うカバー部材をさらに備えることができる。
【0085】
破線(A-A)は、図1bおよび図1cに示される断面の平面を示す。
【0086】
図1bは、破線(A‐‐A)で示された平面を通り、所定の位置に取り外し可能な細胞培養面を有する、図1aに示された平板の断面を示す。取り外し可能な細胞培養面106a、106b、106c、106dは、トランスウェル(RTM)インサートのような従来の細胞培養インサートである。
【0087】
細胞培養インサート106a、106b、106c、106dは、細胞培養インサート106a、106b、106c、106dの上面が流体フロープレート100の上面と実質的に同じ高さ(同一平面)になるように、アパーチャ103a、103b、103c、103dに嵌合する。細胞培養インサート106a、106b、106c、106dの底部は、流体リザーバ105の上壁108と実質的に同じ高さ(同一平面)になる。
【0088】
流体リザーバ105は、プレート基板104によって4つの側壁およびベース壁上に区切られている。流体リザーバ105の上壁は、細胞培養インサート106a、106b、106c、106dの細胞培養面109a、109b、109c、109dによって部分的に区切られ、プレート基板104によって部分的に区切られる。
【0089】
細胞培養インサート106a、106b、106c、106dを開口部103a、103b、103c、103dにインサートすることにより、流体が流体リザーバ105から細胞培養インサート106a、106b、106c、106dの中および/または周囲に移動できないように、流体密封シールが提供される。
【0090】
入口107a、107bは、第1の端部上で流体フロープレートの上部に開口し、第2の端部で流体リザーバ105に開口する。入口107a、107bの4つの側壁は、プレート基板104によって区切られている。入口107a、107bは、使用時に、流体リザーバにアクセスするために細胞培養インサート物106a、106b、106c、106dのいずれかを取り外しする必要なしに、流体リザーバに流体を便利に添加および/もしくは取り外しするために、または流体リザーバに成分を追加するために使用することができる。
【0091】
流体フロープレート100は、使用時に、細胞培養インサート106a、106b、106c、106dの細胞培養面109a、109b、109c、109d上に増殖された細胞が、流体リザーバ105内の流体と流体連通するように配置される。流体は、入口107a、107bを介して、流体リザーバ105に添加および/または取り外しされ得る。流体フロープレート100は、従来のロッカーと共に使用されるように構成される。流体フロープレート100が着座するロッカーの角度および速度によって、流体リザーバ内の流体の流体流量が決定される。流体フロープレート100は、細胞培養面109a、109b、109c、109d上の細胞に加えられるせん断応力が、細胞培養面109a、109b、109c、109dの全表面にわたって実質的に等しくなるように構成される。
【0092】
開口部103a、103b、103c、103dは、流体流量リザーバ105の幅とほぼ同じ直径を有するように構成される(図2においてより明確に示される)。この構成は、細胞培養面109a、109b、109c、109d全体にわたる流体の流れを可能にする。好ましくは、開口部は、従来の細胞培養プレートのウェルと実質的に同じサイズである。流体リザーバの高さは、ベース壁109と上壁108との間の距離(H)である。流体リザーバの幅は、2つの側壁(図示せず)間の距離であり、開口部103の直径と略同一であるように構成される。例えば、流体リザーバは、高さ3mmおよび幅9mmを有することができる。流体リザーバの長さは図1b(L)に示されているが、9mmより大きい。
【0093】
図1cは、細胞培養インサートを装着しないで、破線(A‐A)で示される面を横切って取られた図1aの流体フロープレートの断面を示す。開口部103a、103b、103c、103dは、プレート基板104の凹部により形成されている。細胞培養インサートが適所に存在しない場合、流体リザーバ105の上壁108は連続していない。
【0094】
図2は、本発明の特定の態様による流体フロープレートを示す。流体フロープレート200は、4つの列212、213、214、215を含む。各列は、プレート基板204の第1の端部における第1の流体入口210と、プレート基板204の第2の端部における第2の流体入口211とを含む。各流体入口210、211は、プレート基板表面への第1の端部で開口し、流体リザーバへの第2の端部で開口する。流体リザーバの配置は、破線で示される。
【0095】
第1および第2の流体入口の間に配置された各列212、213、214、215は、6つの開口部203を含む。各開口部は、第1の端部ではプレート基板表面に、第2の端部では流体リザーバに開口しており、前記第2の端部は、前記第1の端部と実質的に反対側に配置されている。開口部203の第1の端部と第2の端部との間には、開口部203の円周の周りに延在する壁があり、開口部203の第1の端部と開口部203の第2の端部とを接続している。開口部の壁は、プレート基板204によって区切られている。開口部は、従来の細胞培養インサートを受け入れるように構成される。
【0096】
4つの列212、213、214、215の各々は、各列上に配置された6つの開口部の各々が開口している、別個の流体リザーバに関連付けられている。各リザーバは、第1および第2の流体入口210、211が流体リザーバを介して流体連通するように、第1および第2の流体入口210、211の間に延在するキャビティである。
【0097】
図3は、本発明の特定の実施形態による流体フロープレートの代替実施形態を示す。流体フロープレート300は、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるのに適した6つの開口部303を含む。流体フロープレートは、任意の数の開口部を備えることができることは、当業者には明らかであろう。例えば、流体フロープレートは、4個の開口部、24個の開口部、または96個の開口部を含むことができる。各開口部303は、流体リザーバと関連付けられる(破線)。流体リザーバは、開口部303が開口する空洞である。有利には、各開口部303は、別個の流体リザーバに関連付けられており、各取り外し可能な細胞培養面に対して異なる実験条件の使用を可能にする。
【0098】
各開口部303および流体リザーバはまた、2つの流体注入口304a、304bと関連付けられる。流体注入口304a、304bは、第1の端部で流体フロープレートの上部に開口し、第2の端部で流体リザーバに開口するチャネルである。両端は4つの側壁で連結されている。4つの側壁は、プレート基板301によって設けられる。流体注入口304a、304bは、流体リザーバに流体を添加および/または除去するために使用される。また、流体注入口304a、304bは、オーバーフローを提供し、それによって、流体フロープレートが揺動されているときに、流体リザーバ内の流体は収集することができる。流体注入口の深さは18~20mm、長さ(l)は4mmである。流体注入口の深さは、流体フロープレートの表面上の開口部から流体リザーバまでの距離である。流体入口の深さ対長さ比は、5:1~4:1の間である。
【0099】
各開口部に付随する流体リザーバは、細長い。流体リザーバは、開口部の幅と実質的に同じ幅(w)を有する。流体リザーバの長さ(l)、すなわち2つの入口間の距離は、幅(w)よりも大きい。流体リザーバが細長くなっていることは、流体リザーバ内の十分な流体流を確保するために重要である。また、この実施形態で示されるように、リザーバは、リザーバの両端に流体入口304a、304bを有することが好ましい。
【0100】
図4は、従来のロッカー(rocker)と共に使用される流体フロープレートを描く一連のダイアグラムを示す。
【0101】
流体フロープレート400は、細胞培養培地などの流体を添加することができる流体リザーバ405を含む。流体フロープレート400は、それぞれが従来の細胞培養インサート406のような取り外し可能な細胞培養面を受容するように構成された複数の開口部を備える。流体フロープレートは、使用時に、流体リザーバ405内の流体が、細胞培養インサート406上で培養された細胞と流体連通するように構成される。
【0102】
流体リザーバ内の流体の流動をもたらすために、流体フロープレート400は、ロッカー416上に配置される。図4Aでは、流体流板400は、ロッカー416のプラットフォーム417上に置かれる。ロッカー416および流体フロープレート400は、実質的に水平な構成(level configuration)である。実質的に水平な構成は、約0°であると考えられる。次いで、ロッカー416は、流体リザーバ405内の流体の流れをもたらすために、プラットフォーム417を左右に傾ける。ロッカープラットフォーム417の傾斜の程度およびプラットフォーム417が傾斜する周期は、流体リザーバ405内の流体の流体流量を決定する。これは、次に、リザーバとともに任意の細胞が曝露されるせん断応力を決定する。例えば、近位尿細管細胞を用いて作業する場合、正常な生理学的状態は、細胞に0.2~2ダイン/cmのせん断応力を及ぼす。ロッカー416が毎分0.1サイクルで±7°の角度でプラットフォーム417を傾けるように構成されていれば、このような条件を反復することができる。他の実施形態では、ロッカー416は、プラットフォーム417を±14°の角度で毎分10回傾斜させるように構成することができる。図4Bおよび4Cは、第1および第2の方向に傾斜したプラットフォーム上の流体フロープレート400を描く。
【0103】
傾斜サイクルの傾斜角度および周期(すなわち、ロッキング速度)は、容易に調節され得ることが理解されるであろう。可変速度設定および傾斜角度のためのアルゴリズムは、当技術分野で周知であり、従来のロッカーに統合される。
【0104】
流体フロープレート400は、1つ以上の把持部材418を含んでもよい。把持部材は、使用時に、流体フロープレート400とプラットフォーム417との間の摩擦を増加させて、プラットフォーム417上の流体フロープレート400の意図しない動きを減少させるのを補助する。この把持部材は、流体フロープレート400の底面に取り付けられた複数の小型把持脚部418とすることができる。小型把持脚部418は、ゴムなどの高摩擦材料を含み、流体フロープレート400の底面とプラットフォーム417の表面との間の摩擦を増加させる。
【0105】
図5Aは、流体リザーバの速度マグニチュードスライスプロットを示す。図5Aは、0.2ダイン/cm(0.02Pa)のせん断応力に対する流体フローリザーバ502を横切る速度の大きさを示す。流体リザーバ502は、取り外し可能な細胞培養面501a、502b、501cを受け入れるための3つの開口部を含む。速度マグニチュード(大きさ)、すなわち、せん断応力は、取り外し可能な細胞培養面501a、502b、501cの表面にわたって実質的に等しい。
【0106】
図5Bは、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるように構成された領域における流体フローリザーバの幅にわたるせん断応力プロファイルを示す。
【0107】
図5Cは、取り外し可能な細胞培養面を受け入れるように構成された領域内の流体フローリザーバの幅にわたる速度プロファイルを示す。
【0108】
実験データ
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)に開示されている特徴のすべて、および/または開示されている方法のすべての工程は、少なくともそのような特徴および/または工程のうちのいくつかが相互に排他的である場合の組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に開示されている各特徴(添付の特許請求の範囲、要約および図面を含む)は、明示的に別段の記載がない限り、同一の、同等のまたは類似の目的を果たす代替的特徴によって置き換えることができる。したがって、特に明記しない限り、開示される各特徴は、同等または類似の特徴の包括的な一連の1つの例にすぎない。本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付のクレーム、要約および図面を含む)に開示されている特徴の新規なもの、または新規なもの、またはそのように開示されている方法または方法のいずれかの工程の新規な組み合わせに及ぶ。
【0109】
本明細書中の実質的に任意の複数および/または単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または出願に適するように、複数から単数および/または単数から複数に翻訳することができる。明瞭にするために、種々の単数/複数の順列を本明細書に明示的に記載することができる。
【0110】
概して、本明細書で使用される用語、特に添付の特許請求の範囲で使用される用語は、概して、「オープン」用語として意図されていることは当業者には理解されるであろう(例えば、「含む」または「備える」という用語は「含むが、限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含むが、限定されない」などと解釈されるべきである)。導入された請求項記載の特定の数が意図されている場合、そのような意図は、当該請求項に明示的に記載され、そのような記載がない限り、そのような意図は存在しないことは、当業者に更に理解されるであろう。例えば、理解のための補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、クレームの記載を導入するための「少なくとも1つ」および「1つ以上」という導入語句の使用を含むことができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「1つ(a)」または「1つ(an)」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の引用を含む特定の請求項を、1つのそのような引用のみを含む実施形態に限定することを意味するものと解釈されるべきではなく、たとえ同じ請求項に「1つ以上」または「少なくとも1つ」という導入語句や、「1つ(a)」または「1つ(an)」などの不定冠詞が含まれている場合でも同様であり(例えば、「1つ(a)」および/または「1つ(an)」は「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、クレームの引用を導入するために使用される定冠詞の使用にも同じことが当てはまる。さらに、導入された請求項の引用の特定の番号が明示的に記載されている場合でも、当業者であれば、そのような引用は少なくとも引用された数字を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう。(例えば、他の修飾語のない「2つの引用」という単なる引用は、少なくとも2つの引用、または2つ以上の引用を意味する)。
【0111】
本開示の様々な実施形態が、説明の目的のために本明細書に記載されており、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変形がなされ得ることが理解されるであろう。従って、本明細書に開示される様々な実施形態は、以下の特許請求の範囲によって示される真の範囲を限定することを意図しない。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】