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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/04 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
D06F37/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512183
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 KR2022012530
(87)【国際公開番号】W WO2023027458
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111965
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】チョ ホンチュン
(72)【発明者】
【氏名】イ チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョチュン
(72)【発明者】
【氏名】アン ヨンチュン
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA24
3B165AB23
3B165AB32
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA82
3B165BA86
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA13
(57)【要約】
本発明は、衣類が受容されるドラム体、ドラム体の前方面を形成する前方カバー、ドラム体の後方面を形成する後方カバー、及び前方カバーを貫通するように備えられるドラム投入口が備えられるドラムと、回転磁界を形成するステーター、及び回転磁界によって回転するローターが備えられるモーターと、後方カバーとステーターとの間に位置する固定パネルと、固定パネルを貫通する固定パネル貫通穴と、予め設定された角度範囲内で回転自在に固定パネルに固定され、固定パネル貫通穴に位置する支持体、及び支持体を貫通する支持体貫通穴が備えられるハウジング取付部と、支持体に固定され、ステーターが固定される空間を提供するハウジング、一端はローターに固定され、他端はハウジングの内部に位置する入力軸、一端は支持体貫通穴に挿入されて後方カバーに固定され、他端はハウジングの内部に位置する出力軸、及びハウジングの内部に位置し、入力軸の回転運動を出力軸に伝達する歯車部が備えられる動力伝達部と、を含む衣類処理装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類が受容されるドラム体、前記ドラム体の前方面を形成する前方カバー、前記ドラム体の後方面を形成する後方カバー、及び前記前方カバーを貫通するように備えられるドラム投入口が備えられるドラムと、
回転磁界を形成するステーター、及び前記回転磁界によって回転するローターが備えられるモーターと、
前記後方カバーと前記ステーターとの間に位置する固定パネルと、
前記固定パネルを貫通する固定パネル貫通穴と、
予め設定された角度範囲内で回転自在に前記固定パネルに固定され、前記固定パネル貫通穴に位置する支持体、及び前記支持体を貫通する支持体貫通穴が備えられるハウジング取付部と、
前記支持体に固定され、前記ステーターが固定される空間を提供するハウジング、一端は前記ローターに固定され、他端は前記ハウジングの内部に位置する入力軸、一端は前記支持体貫通穴に挿入されて前記後方カバーに固定され、他端は前記ハウジングの内部に位置する出力軸、及び前記ハウジングの内部に位置し、前記入力軸の回転運動を前記出力軸に伝達する歯車部が備えられる動力伝達部と、を含むことを特徴とする衣類処理装置。
【請求項2】
前記固定パネルに対する前記支持体の回転角度を設定する変位制限部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記変位制限部は、
前記固定パネルを貫通するように備えられる取付穴と、
前記取付穴に挿入され、一端は前記後方カバーと前記固定パネルとの間に位置し、他端は前記ハウジングに固定される締結体と、
前記締結体に備えられ、前記後方カバーと前記固定パネルとの間に位置するヘッドと、を含み、
前記締結体の直径は、前記取付穴の直径より小さく設定されることを特徴とする請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記ステーターは、前記締結体又は前記ハウジングに固定されることを特徴とする請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記締結体に結合し、前記固定パネルと前記ハウジングとの間に位置するダンパーをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記ハウジングに備えられ、前記出力軸が貫通する出力軸貫通穴と、
前記出力軸貫通穴を囲むパイプ状で備えられ、前記ハウジングから突出して前記支持体貫通穴に挿入される出力軸支持部と、
前記出力軸支持部の円周面に固定され、前記出力軸支持部が前記支持体貫通穴から分離されることを防止する支持体固定部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記固定パネルに固定される第1固定体と、
前記第1固定体を貫通する第1固定体貫通穴と、
前記第1固定体貫通穴を囲むように前記第1固定体に備えられる支持部第1ハウジングと、
前記固定パネル又は前記第1固定体に固定される第2固定体と、
前記第2固定体を貫通する第2固定体貫通穴と、
前記第2固定体貫通穴を囲むように前記第2固定体に備えられ、前記支持部第1ハウジングと共に前記取付空間を形成する支持部第2ハウジングと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記支持体の回転経路を形成するガイドをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記ガイドは、
前記取付空間に備えられ、前記支持体に向かって突出する第1突起と、
前記取付空間に備えられ、前記支持体に向かって突出する第2突起と、
前記支持体の円周面に沿って備えられ、前記第1突起の移動経路を形成する第1溝と、
前記支持体の円周面に沿って備えられ、前記第2突起の移動経路を形成する第2溝と、を含むことを特徴とする請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記第1突起と前記第2突起は、前記支持体貫通穴の中心を基準として互いに180度離隔した地点に位置することを特徴とする請求項9に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記第1溝は、前記支持体の最上端から前記支持体貫通穴に向かって折曲された溝として備えられ、
前記第2溝は、前記支持体の最下端から前記支持体貫通穴に向かって折曲された溝として備えられることを特徴とする請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記後方カバーを貫通するように備えられる後方カバー貫通穴と、
前記後方カバーに固定され、前記後方カバー貫通穴を閉鎖する軸締結部と、
前記軸締結部を貫通するように備えられ、前記出力軸の一端が挿入される締結部貫通穴と、
前記締結部貫通穴に挿入される前記出力軸の一端に結合し、前記出力軸を前記軸締結部に固定するナットと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記連結体の直径は、前記第1締結体から前記第2締結体に向かうほど減少するように備えられることを特徴とする請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記ドラムの内部に位置し、前記後方カバー貫通穴を閉鎖し、前記軸締結部が前記ドラムの内部に露出されることを防止する締結部カバーをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記締結部カバーを貫通するように備えられるカバー貫通穴と、
前記出力軸に備えられる締結溝と、
前記カバー貫通穴に挿入されて前記締結溝に固定され、前記締結部カバーを前記出力軸に固定するボルトと、を含むことを特徴とする請求項14に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は、衣類(洗濯対象物、又は乾燥対象物)を洗濯する洗濯機、乾燥する乾燥機、及び衣類の洗濯及び乾燥が両方実行可能な装置の総称である。
【0003】
洗濯機は、水が貯留されるタブ、タブの内部に備えられ、衣類が受容される洗濯ドラム、洗濯ドラムを回転させる駆動部(洗濯駆動部)を含むように備えられ、乾燥機は、衣類が受容される乾燥ドラム、乾燥ドラムを回転させる駆動部(乾燥駆動部)、及び乾燥ドラムに空気を供給して衣類から水分を除去する熱交換部を含むように備えられることが一般である。
【0004】
洗濯駆動部は、タブに固定され、回転磁界を形成するステーター、回転磁界によって回転するローター、タブを貫通し、洗濯ドラムとローターを連結する回転軸を含むように備えられるが、乾燥駆動部は、モーター、モーターの回転軸に固定されたプーリ、プーリの回転運動を乾燥ドラムに連結するベルト(動力伝達部)を含むように備えられることが一般である。
【0005】
洗濯駆動部は、モーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを直接に連結するように備えられる。衣類の洗濯や脱水のためには、洗濯駆動部が洗濯ドラムの回転数を高く制御するか、洗濯ドラムの回転方向を変更する必要があるが、モーターの回転軸が洗濯ドラムとローターを直接に連結するように備えられる場合、洗濯ドラムの回転数及び回転方向が容易に制御できるという効果がある。
【0006】
一方、従来の乾燥駆動部は、ベルトなどの動力伝達部が乾燥ドラムとモーターの回転軸を連結する構造が一般である。乾燥機は、乾燥ドラムの回転数を高く維持する必要性や乾燥ドラムの回転方向を変更する必要性が低いため、ベルトなどの動力伝達部によって乾燥ドラムを回転させてもよいからである。但し、乾燥ドラムの回転数及び回転方向が変更できる場合、乾燥ドラムの内部において衣類の動きが制御できるため、乾燥機においても乾燥時間の短縮及び乾燥性能の向上が期待できる。
【0007】
従来の乾燥機の中でローターと乾燥ドラムを減速機(動力伝達部)に連結した乾燥駆動部が備えられたものがある(韓国公開特許公報 第10-2020-0065931号)。この乾燥駆動部は、ローターに連結された入力軸と乾燥ドラムに連結された出力軸とが同軸を形成するように備えられ、乾燥時間の短縮及び乾燥性能の向上が期待できるが、乾燥ドラムと減速機の出力軸を組み立てることが難しく、乾燥ドラムと出力軸を組み立てるとき、減速機や乾燥ドラムの耐久性が低下(減速機に備えられたボルトの損傷、出力軸の損傷、乾燥ドラムの損傷など)が発生するという短所があった。
【0008】
また、従来の乾燥機は、減速機の出力軸に固定された乾燥ドラムの振動が減速機に伝達され、減速機に伝達された振動は、減速機が支持される支持体に伝達される。よって、減速機が支持される支持体の剛性は、乾燥ドラムが回転するとき、乾燥ドラムの振動(減速機の振動)を減殺又は抑制できるように設定される必要がある。
【0009】
支持体の厚さが厚い場合、乾燥ドラムの振動を効果的に抑制することはできるものの、衣類処理装置の製作コスト及び重さが上昇するという短所がある。逆に、支持体の厚さが薄い場合は、乾燥ドラムの振動を設定範囲以内に制限することができず、支持体や減速機が破損される恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0065931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、動力伝達部及びドラムの耐久性の低下が最小化できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0012】
また、本発明は、動力伝達部が固定される固定パネルの耐久性の低下が最小化できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0013】
また、本発明は、動力伝達部とドラムの組立てが容易な衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、衣類が受容される空間を提供するドラム体、ドラム体の前方面を形成する前方カバー、ドラム体の後方面を形成する後方カバー、前方カバーを貫通するように備えられるドラム投入口が備えられるドラムと、回転磁界を形成するステーター、及び回転磁界によって回転するローターが備えられるモーターと、後方カバーとステーターとの間に位置する固定パネルと、固定パネルを貫通する固定パネル貫通穴と、予め設定された角度範囲内で回転自在に固定パネルに固定され、固定パネル貫通穴に位置する支持体、及び支持体を貫通する支持体貫通穴が備えられるハウジング取付部と、支持体に固定され、ステーターが固定される空間を提供するハウジング、一端はローターに固定され、他端はハウジングの内部に位置する入力軸、一端は支持体貫通穴に挿入されて後方カバーに固定され、他端はハウジングの内部に位置する出力軸、及びハウジングの内部に位置し、入力軸の回転運動を出力軸に伝達する歯車部が備えられる動力伝達部と、を含む衣類処理装置を提供する。
【0015】
衣類処理装置は、固定パネルに対する支持体の回転角度を設定する変位制限部をさらに含む。
【0016】
変位制限部は、固定パネルを貫通するように備えられる取付穴と、取付穴に挿入され、一端は後方カバーと固定パネルとの間に位置し、他端はハウジングに固定される締結体と、締結体に備えられ、後方カバーと固定パネルとの間に位置するヘッドと、を含む。
【0017】
締結体の直径は、取付穴の直径より小さく設定される。
【0018】
ステーターは、締結体又はハウジングに固定される。
【0019】
衣類処理装置は、締結体に結合し、固定パネルとハウジングとの間に位置するダンパーをさらに含む。
【0020】
衣類処理装置は、ハウジングに備えられ、出力軸が貫通する出力軸貫通穴と、出力軸貫通穴を囲むパイプ状で備えられ、ハウジングから突出して支持体貫通穴に挿入される出力軸支持部と、出力軸支持部の円周面に固定され、出力軸支持部が支持体貫通穴から分離されることを防止する支持体固定部と、をさらに含む。
【0021】
衣類処理装置は、固定パネルに固定される第1固定体と、第1固定体を貫通する第1固定体貫通穴と、第1固定体貫通穴を囲むように第1固定体に備えられる支持部第1ハウジングと、固定パネル又は第1固定体に固定される第2固定体と、第2固定体を貫通する第2固定体貫通穴と、第2固定体貫通穴を囲むように第2固定体に備えられ、支持部第1ハウジングと共に取付空間を形成する支持部第2ハウジングと、を含む。
【0022】
衣類処理装置は、支持体の回転経路を形成するガイドをさらに含む。
【0023】
ガイドは、取付空間に備えられ、支持体に向かって突出する第1突起と、取付空間に備えられ、支持体に向かって突出する第2突起と、支持体の円周面に沿って備えられ、第1突起の移動経路を形成する第1溝と、支持体の円周面に沿って備えられ、第2突起の移動経路を形成する第2溝と、を含む。
【0024】
第1突起と第2突起は、支持体貫通穴の中心を基準として、互いに180度離隔した地点に位置するように備えられる。
【0025】
第1溝は、支持体の最上端から支持体貫通穴に向かって折曲された溝として備えられ、第2溝は、支持体の最下端から支持体貫通穴に向かって折曲された溝として備えられる。
【0026】
衣類処理装置は、後方カバーを貫通するように備えられる後方カバー貫通穴と、後方カバーに固定され、後方カバー貫通穴を閉鎖する軸締結部と、軸締結部を貫通するように備えられ、出力軸の一端が挿入される締結部貫通穴と、締結部貫通穴に挿入される出力軸の一端に結合し、出力軸を軸締結部に固定するナットと、を含む。
【0027】
連結体の直径は、第1締結体から第2締結体に向かうほど減少するように備えられる。
【0028】
衣類処理装置は、ドラムの内部に位置し、後方カバー貫通穴を閉鎖し、軸締結部がドラムの内部に露出されることを防止する締結部カバーをさらに含む。
【0029】
衣類処理装置は、締結部カバーを貫通するように備えられるカバー貫通穴と、出力軸に備えられる締結溝と、カバー貫通穴に挿入され、締結溝に固定され、締結部カバーを出力軸に固定するボルトと、を含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、動力伝達部及びドラムの耐久性の低下が最小化できる衣類処理装置を提供する。
【0031】
また、本発明は、動力伝達部が固定される固定パネルの耐久性の低下が最小化できる衣類処理装置を提供する。
【0032】
また、本発明は、動力伝達部とドラムの組立てが容易な衣類処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】衣類処理装置の一例を示す。
図2】キャビネットの構造及び支持パネルの一例を示す。
図3】ドラムの一例を示す。
図4】乾燥部の一例を示す。
図5】固定パネルの一例を示す。
図6】動力伝達部の一例を示す。
図7】動力伝達部の一例を示す。
図8】ドラム、固定パネル、及び動力伝達部の結合構造の一例を示す。
図9】ドラム、固定パネル、及び動力伝達部の結合構造の一例を示す。
図10】ドラムと出力軸の結合構造の一例を示す。
図11】ドラムと出力軸の結合構造の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参考しながら衣類処理装置の実施例について詳細に説明する。
【0035】
図1は衣類処理装置100の一例を示し、衣類処理装置100は、キャビネット1、及びキャビネットの内部に回転自在に備えられ、衣類(洗濯対象物又は乾燥対象物)が受容される空間を提供するドラム2を含むように備えられる。図2に示すように、キャビネット1の内部にはドラム2に高温の乾燥空気(常温より高い温度の空気、室内空気の乾燥度より高い乾燥度の空気)を供給して、衣類から水分を除去する乾燥部3が備えられる。
【0036】
図2に示すように、キャビネット1は、衣類処理装置の前方面を形成する前方パネル11、及び衣類処理装置の底面を形成する基部パネル17を含む。前方パネル11にはドラム2に連通する投入口111が備えられるが、投入口111は、ドア113によって閉鎖されるように備えられる。
【0037】
前方パネル11には制御パネル115が備えられるが、制御パネル115には、ユーザから制御命令が入力される入力部、ユーザが選択可能な制御命令などの情報が出力される表示部が備えられる。入力部は、衣類処理装置に電力供給を要請する電力供給要請部、複数のコースのうち、ユーザが希望するコースを選択可能にするコース入力部、ユーザが選択したコースの開始を要請する実行要請部を含むように備えられる。
【0038】
ドラム2の内部が中空の円筒状で備えられる。図3に示すように、ドラム2は前方面及び後方面が開放された円筒状のドラム体21、ドラム体21の前方面を形成する前方カバー22、及びドラム体21の後方面を形成する後方カバー23を含むように備えられる。
【0039】
前方カバー22には、ドラム体21の内部を外部と連通させるドラム投入口221が備えられ、後方カバー23には外気をドラム体21に流入させる空気流入口233が備えられる。
【0040】
ドラム体21にはリフター24がさらに備えられる。リフター24は、衣類がドラムの内部において上昇と落下を繰り返すようにする手段である。リフター24は、前方カバー22から後方カバー23に向かって延長された板(board)が、ドラム体21からドラム2の回転中心に向かって突出(ドラムの円周面からドラムの回転中心に向かって突出)されることで備えられる。
【0041】
衣類処理装置100が衣類の乾燥のみのための装置として備えられる場合、ドラム2にはドラムの内部をドラムの外部と連通させるために、ドラム体21を貫通するドラム貫通穴が備えられなくてもよい。
【0042】
図4に示すように、前述したドラム2は、本体第1支持部12と本体第2支持部15の少なくともいずれか1つに回転自在に固定される。図4は、後方カバー23は、後述する動力伝達部6を介して本体第2支持部15に回転自在に固定され、前方カバー22は、本体第1支持部12に回転自在に連結される一例を示す。
【0043】
本体第1支持部12は、キャビネット1に固定され、前方パネル11と前方カバー22との間に位置する支持パネル121として備えられる。支持パネル121は、基部パネル17に固定されることで、前方パネル11と前方カバー22との間に位置するように備えられる。この場合、前方パネル11の後方面(支持パネルに向かう面)は支持パネル121に固定され、下端は基部パネル17に固定される。
【0044】
支持パネル121は、支持パネル貫通穴122、支持パネル貫通穴122とドラム投入口221を連結するドラム連結体123、支持パネル貫通穴122と投入口111を連結するパネル連結体125を含むように備えられる。支持パネル貫通穴122は、支持パネル121を貫通するように備えられ、投入口111とドラム投入口221を連通させる手段である。
【0045】
ドラム連結体123は、支持パネル121の後方面(支持パネルが提供する空間のうち、ドラム投入口に向かう面)に固定されるパイプとして備えられる。ドラム連結体123の一端は支持パネル貫通穴122を囲むように備えられ、ドラム連結体123の自由端は前方カバー22を支持するように備えられる。即ち、ドラム連結体123の自由端はドラム投入口221に挿入されてもよく、ドラム投入口221を形成する前方カバー22の自由端(ドラム投入口の縁部)に接触するように備えられてもよい。図4は、ドラム連結体123の自由端が前方カバー22の自由端に接触する一例を示す。
【0046】
パネル連結体125は、支持パネル121の前方面(支持パネルが提供する空間のうち、前方パネルに向かう面)に固定されるパイプとして備えられる。パネル連結体125の一端は支持パネル貫通穴122を囲むように備えられ、パネル連結体125の他端は投入口111に連結されるように備えられる。よって、投入口111に供給される衣類は、パネル連結体125、支持パネル貫通穴122、ドラム連結体123、及びドラム投入口221を介してドラム体21に移動する。
【0047】
支持パネル121には、ドラム2の内部の空気をドラムの外部に排出する排気口126が備えられ、排気口126にはフィルタ127が着脱自在に固定される。フィルタ127は、ドラム2から排気口126に移動する空気から異物をろ過可能なものであればどのような構造でもよい。
【0048】
支持パネル121には、ドラム2の下垂を防止するドラム支持部128がさらに備えられてもよい。ドラム支持部は、支持パネル121に固定され、ドラム2を回転自在に支持するローラーとして備えられる。図4はドラム支持部128が前方カバー22を支持するように備えられることを示すが、ドラム支持部128はドラム体21の円周面を支持するように備えられてもよい。
【0049】
本体第2支持部15は、後方カバー23と離隔した地点に位置するようにキャビネット1に固定される固定パネル151として備えられる。図5は、固定パネル151が基部パネル17に固定され、衣類処理装置100の後方面(キャビネットの後方面)を形成する一例を示す。
【0050】
固定パネル151には、モーター5が取り付けられる空間を提供する駆動部取付溝152が備えられる。駆動部取付溝152は、固定パネル151がドラムの後方カバー23に向かって凹んで折曲した溝として備えられる。固定パネル151には、ドラム2を回転させる軸(出力軸)が貫通する固定パネル貫通穴153が備えられるが、固定パネル貫通穴153は、駆動部取付溝152の内部に位置する。
【0051】
前述のように、ドラム2が、ドラム体21、ドラム体に固定される前方カバー22、及びドラム体に固定される後方カバー23からなる場合、ドラム体21の開放された前方面及び後方面が支持パネル121及び固定パネル151のそれぞれに回転自在に連結される構造に比べて、ドラムの剛性が高くなる。ドラムの剛性が高くなる場合、ドラムの回転時においてドラム体21の変形を最小化することができ、これはドラム体21の変形時にドラム体と支持パネルとの間の空間、ドラム体と固定パネルとの間の空間に衣類が挟まれる問題を最小化することができる(モーターの負荷を最小化することができる)。
【0052】
図4に示すように、乾燥部3は、排気口126に連結される排気流路31、排気流路31から供給される空気をドラム体21に導く供給流路32、及び排気流路31の内部に備えられ、空気の除湿と加熱を順次に行う熱交換部34を含むように備えられる。
【0053】
排気流路31は、排気口126に連結される第1ダクト311、供給流路32に連結される第2ダクト312、第1ダクト311と第2ダクト312を連結する第3ダクト313を含むように備えられる。第3ダクト313は基部パネル17に固定される。
【0054】
熱交換部34は、排気流路31に流入された空気の除湿と加熱を順次に進行可能であれば様々な装置として備えられるが、図4は熱交換部34がヒートポンプ(heat pump)として備えられる一例を示す。即ち、熱交換部34は、排気流路31に流入された空気から水分を除去する第1熱交換機(吸熱部)341、排気流路31の内部に備えられ、吸熱部341を通過した空気を加熱する第2熱交換機(発熱部)343、及びドラム2から排出された空気が吸熱部と発熱部を順次に経た後、その空気を供給ダクト32に移動させるファン349を含む。
【0055】
吸熱部341と発熱部343は空気の移動方向に沿って順次に配置され、冷媒の循環流路を形成する冷媒管348を介して互いに連結される。冷媒は、排気流路31の外部に位置する圧縮機345によって冷媒管348に沿って移動し、冷媒管348には冷媒の圧力を調節する圧力調節器347が備えられる。
【0056】
図5に示すように、ドラムの後方カバー23に備えられる空気流入口233は複数の穴が後方カバー23の中心(ドラムの回転中心)を囲むように配置されることで備えられる。この場合、供給流路32は、固定パネル151に備えられ、第2ダクト312から排出される空気の移動経路を形成する供給ダクト321、供給ダクト321の内部の空気を空気流入口233に導く第1流路形成部323及び第2流路形成部324を含むように備えられる。
【0057】
供給ダクト321は、固定パネル151が後方カバー23から離れる方向に折曲されることで流路(空気の移動経路)を形成するように備えられる。また、供給ダクト321は、駆動部取付溝152を囲むリング状で備えられ、第2ダクト312の排出口は供給ダクト321の円周面に連結されるように備えられる。
【0058】
第1流路形成部323は、空気流入口233が形成するリング(ring)の外側円周面(リングの2つの円周面のうち、長い直径を有する円周面)を囲むように備えられ、第2流路形成部324は、空気流入口233が形成するリングの内側円周面(リングの2つの円周面のうち、短い直径を有する円周面)を囲むように備えられる。
【0059】
第1流路形成部323と第2流路形成部324は後方カバー23に固定されてもよく、供給ダクト321に固定されてもよいが、図5は流路形成部323、324が後方カバー23に固定される一例を示す。
【0060】
図5の場合、第1流路形成部323の自由端は供給ダクト321が形成する流路(リング状の流路)の外側円周面を囲み、第2流路形成部324の自由端は供給ダクト321が形成する流路の内側円周面を囲むように備えられる。第1流路形成部323と第2流路形成部324は、ゴムやフェルト(felt)などで備えられる。
【0061】
ドラム2の回転に必要な動力を発生させるモーター5は、駆動部取付溝152に位置して回転磁界(rotating field)を形成するステーター51、及び回転磁界によって回転するローター52を含むように備えられる。ローター52の回転運動は、固定パネル151に固定される動力伝達部6を介してドラム2に伝達され、ステーター51は、動力伝達部6に固定される。
【0062】
ステーター51が動力伝達部6に固定される場合、動力伝達部6に備えられる入力軸64と出力軸65の同軸度(coaxiality)の維持に有利な効果がある(ドラムが回転するとき、衣類処理装置の振動を最小化することができ、動力伝達部の耐久性の低下を最小化することができる)。
【0063】
駆動部取付溝512に位置するモーター5が外部に露出されることを防止するために(外部環境にモーターが露出されることを防止することで、モーターの耐久性向上及び安全事故防止のために)、固定パネル151にはモーター5が外部へ露出されることを防止するカバーパネル19がさらに備えられる。また、カバーパネル19は、供給ダクト321が外部に露出されることも防止可能な形状(供給ダクトを囲む形状)で備えられる。供給ダクト321の外部に熱が抜け出すことを最小化するだけではなく、供給ダクト321に身体が接触されるときに発生可能な安全事故を防止するためである。
【0064】
ステーター51は、中心に貫通穴(コア貫通穴)が備えられるリング状のコア511、コア511の外側円周面から放射状に突出する複数の支持棒513、コア及び支持棒を絶縁するインシュレーター512、及び支持棒513を囲むように備えられるコイル514を含むように備えられる。
【0065】
ローター52は、ディスク状のローター体521、ローター体521の縁部から固定パネル515に向かって延長され、ステーター51が受容される空間を形成するローター円周面522、及びN極とS極が交番に露出されるようにローター円周面522に固定される複数の永久磁石523を含むように備えられる。
【0066】
図6は、ローター52とドラムの後方カバー23を連結する動力伝達部6の一例を示す。
【0067】
動力伝達部6は、固定パネル151に固定されるハウジングH、ハウジングHの底面(ローターが位置する方向に向かう面)に回転自在に固定される入力軸64、ハウジングHの上部面(固定パネルが位置する方向に向かう面)に回転自在に固定される出力軸65、及びハウジングの内部に備えられ、入力軸64の回転運動を出力軸65に伝達する歯車部Gを含むように備えられる。
【0068】
入力軸64は、一端はローター52に固定され、他端はハウジングHの内部に位置するシャフトとして備えられ、出力軸65は、一端は後方カバー23に固定され、他端はハウジングHの内部に位置するシャフトとして備えられる。歯車部Gは、ハウジングHの内部に位置する入力軸64の一端とハウジングの内部に位置する出力軸65の一端を連結するように備えられる。
【0069】
ハウジングHは、ドラム2が位置する空間(キャビネットの内部空間)と分離された空間(キャビネットの外部空間)に位置するように備えられることが好ましい。キャビネットの内部の熱(ドラムや乾燥部から放出される熱)がハウジングHの内部に伝達されることを最小化することで、動力伝達部6の耐久性を向上させるためである。
【0070】
入力軸64は、軸固定部54を介してローター体521に結合される。軸固定部54には入力軸64の一端が固定される軸固定穴543を含むように備えられる。
【0071】
出力軸65は、固定パネル貫通穴153に挿入され、後方カバー23に連結されるが、後方カバー23には出力軸65が固定される軸締結部25が備えられる。出力軸65の回転時に後方カバー23の中心に作用する応力を分散するためである。軸締結部25の具体的な構造は後述する。
【0072】
ハウジングHは、内部が中空の円筒状で備えられるが、固定体151に向かう面に開放穴が備えられるハウジング体62、及びハウジング体62に固定され、開放穴を閉鎖するハウジングカバー63を含むように備えられる。
【0073】
ハウジング体62は、歯車部Gが取り付けられる受容空間621を形成するように備えられる。受容空間621は、入力軸64が固定されるハウジング基部62a、及びハウジング基部62aの縁部からハウジングカバー63に向かって延長されるハウジング円周面62bを介して形成されるように備えられる。
【0074】
図7に示すように、ハウジング体62には、ハウジング基部62aからローター52に向かって延長される入力軸支持部625が備えられるが、入力軸支持部625は、ハウジング体62を貫通する入力軸貫通穴626を囲むパイプとして備えられる。
【0075】
入力軸貫通穴626に挿入される入力軸64は、入力軸軸受628、629を介して入力軸支持部625に回転自在に固定される。入力軸軸受は、入力軸支持部625に固定される入力軸第1軸受628、及び入力軸貫通穴626の内部に固定され、入力軸第1軸受628とローター52との間に位置する入力軸第2軸受629を含むように備えられる。
【0076】
ハウジングカバー63は、ハウジング体62に備えられる開放穴を開閉可能であればどのような形状でもよいが、図7はハウジングカバー63がディスク状のカバー体631として備えられる一例を示す。ハウジングカバー63は、ハウジング円周面62bに備えられるカバー固定板623を介してハウジング体62に固定されるように備えられる。
【0077】
ハウジングカバー63は、カバー体631を貫通するように備えられる出力軸貫通穴632、カバー体631から固定パネル151に向かって延長されるが、出力軸貫通穴632を囲むパイプ状の出力軸支持部635を含むように備えられる。
【0078】
出力軸支持部635には出力軸65を出力軸貫通穴632に回転自在に固定する出力軸軸受638、639が備えられる。
【0079】
出力軸軸受は、出力軸支持部635に固定され、出力軸貫通穴631の内部に位置する出力軸第1軸受638及び出力軸第2軸受639を含むように備えられる。
【0080】
歯車部Gは、ハウジング円周面62bに固定され、受容空間621に位置するリング歯車66、入力軸64に固定され、受容空間621の内部に位置する主動歯車69、受容空間622の内部に位置し、出力軸65の他端が固定されるケージ67、ケージ67に回転自在に固定され、主動歯車69とリング歯車66を連結する従動歯車68を含むように備えられる。
【0081】
リング歯車(ring gear)66は、ハウジング円周面62bに固定される歯車体661、歯車体を貫通するように備えられる歯車体貫通穴663、及び歯車体の内側円周面に沿って備えられる歯車の歯(gear teeth)665を含むように備えられる。
【0082】
ケージ67は、歯車体貫通穴663の内部に位置し、出力軸65の一端が固定される第1基部671、歯車体貫通穴663の内部に位置し、中央に基部貫通穴673が備えられる第2基部672、及び第1基部と第2基部を連結し、従動歯車68の回転軸を形成する連結軸675を含むように備えられる。出力軸65は、第1基部671に固定されるため、出力軸65が回転するか否かはケージ67が回転するか否かに応じて決定される。
【0083】
従動歯車68は、連結軸675に回転自在に固定される複数の歯車として備えられるが、図面では従動歯車が第1従動歯車681、第2従動歯車682、及び第3従動歯車683で備えられる一例を示す。
【0084】
入力軸64は、基部貫通穴673に挿入され、出力軸65と同軸を形成し、主動歯車69に備えられる歯車の歯は、従動歯車間に形成される空間に位置し、従動歯車682、682、683の歯に噛み合う。
【0085】
前述した動力伝達部6の作動過程は、以下のようである。ローター52の回転時に入力軸64が回転する。入力軸64によって主動歯車69が回転すると、主動歯車69に噛み合わされている従動歯車681、682、683も回転する。従動歯車681、682、683は、ハウジング体62に固定されるリング歯車66に噛み合わされた状態であるため、従動歯車68の回転時にケージ67及び出力軸65が回転し、出力軸65に固定されるドラム2も回転する。
【0086】
前述した構造を有する動力伝達部6は、ハウジング取付部7によって固定パネル151に回転自在に固定される。
【0087】
図8に示すように、ハウジング取付部7は、予め設定された角度範囲内で回転自在に固定パネル151に固定される支持部74として備えられる。図8は、支持部74が第1固定体71及び第2固定体72によって固定パネル151に回転自在に固定される一例を示す。
【0088】
図9に示すように、第1固定体71及び第2固定体72は、支持部74が受容される取付空間73を形成する手段である。
【0089】
第1固定体71及び第2固定体72のそれぞれは互いに分離されて固定パネル151に固定される。これとは異なり、第1固定体72は固定パネル151に固定され、第2固定体72は第1固定体71に固定されてもよい。
【0090】
第1固定体71には、固定パネル貫通穴153に連通する第1固定体貫通穴711、及び第1固定体貫通穴711を囲むように備えられ、取付空間73の一部を形成する支持部第1ハウジング712が備えられる。
【0091】
第2固定体72には、固定パネル貫通穴153に連通(第1固定体貫通穴に連通)する第2固定体貫通穴721、及び第2固定体貫通穴721を囲むように備えられ、取付空間73の一部を形成する支持部第2ハウジング722が備えられる。取付空間73は、支持部第1ハウジング712と支持部第2ハウジング722の結合によって形成される。
【0092】
支持部74は、取付空間73の内部に位置する略球状の支持体741、支持体741を貫通する支持体貫通穴742を含むように備えられる。
【0093】
取付空間73に結合した支持体741は、固定パネル貫通穴153に位置する。よって、支持体741が取付空間73に固定される場合、支持体貫通穴742は、固定パネル貫通穴153に位置することになる。
【0094】
支持体貫通穴742には、動力伝達部の出力軸支持部635が挿入され、出力軸支持部635は、支持体固定部743を介して支持体741に固定される。出力軸支持部634の円周面にはねじ山が備えられ、支持体固定部743は、ねじ山に締結されるナットで備えられる。
【0095】
ハウジング取付部7には、支持体741の回転経路を形成するガイド75がさらに備えられる。ガイド75は、支持体741が固定パネル151の高さ方向に沿って移動する経路を形成するように備えられる。
【0096】
即ち、ガイド75は、固定パネル151から支持パネル121に向かって延長される平面のうち、固定パネル貫通穴153の中心を通過する垂直線H(第2固定体貫通穴の中心を通過する垂直線、第1固定体貫通穴の中心を通過する垂直線)が含まれる平面(Z-Y平面)内で支持体741を回転させる手段である。よって、図10に示すように、ガイド75は、支持体741が基部パネル17に平行な平面(X-Z平面)内で回転することを防止する手段となる。
【0097】
図9に示すように、ガイド75は、取付空間73に備えられ、支持体741に向かって突出する第1突起751、取付空間に備えられ、支持体741に向かって突出する第2突起752、支持体741の円周面に沿って備えられ、第1突起751の移動経路を形成する第1溝753、及び支持体741の円周面に沿って備えられ、第2突起752の移動経路を形成する第2溝754を含むように備えられる。
【0098】
第1突起751と第2突起752は、支持体貫通穴742の中心を基準として180度離隔した地点に位置するように備えられる。即ち、第1突起751は、支持体741の最上端に接触するように備えられ、第2突起752は、支持体741の最下端に接触するように備えられる。
【0099】
第1突起751は、支持部第1ハウジング712と支持部第2ハウジング722のうちの少なくとも1つに備えられ、第2突起752は、支持部第1ハウジング712と支持部第2ハウジング722のうちの少なくとも1つに備えられる。
【0100】
前述した実施例は、支持体741が球状で備えられる場合を説明しているが、支持体が前述した運動を可能にするものであれば、支持体741の形状は様々に変更できる。
【0101】
前述した構造を有する衣類処理装置100は、ドラムの後方カバー23は出力軸65に固定され、前方カバー22はドラム支持部128に着座した状態となる。ドラム2が回転するとき、ドラムには振動が発生するが、出力軸65が固定される動力伝達部6は、ハウジング取付部7によって固定パネル151に固定されているため、ドラムの振動が固定パネル151に伝達することを減らすことができる。よって、衣類処理装置100は、固定パネル151の耐久性の低下を最小化することができる。
【0102】
一方、衣類処理装置100には、支持体741の回転角度を制限する変位制限部8がさらに備えられる。変位制限部8によって支持体741の回転角度を制限する場合、ドラムの前方面22(前方カバー)の下垂(ドラムの回転中心を通過し、ドラムの長さ方向に平行な直線が水平線と成す角度)を調節することができる。
【0103】
変位制限部8は、固定パネル151を貫通し、ハウジングHに固定される締結体81を含むように備えられる。
【0104】
図11に示すように、締結体81の一端は後方カバー23と固定パネル151との間に位置し、他端はハウジングHに固定される。ハウジングHには締結体81の他端に結合するコネクタ637が備えられる。
【0105】
締結体81の一端には、後方カバー23と固定パネル151との間に位置し、締結体81が固定パネル151から分離されることを防止するヘッド82が備えられる。
【0106】
ステーター51は、コネクタ637に固定されてもよく、締結体81に直接に固定されてもよい。図11は、インシュレーター512と締結体81を連結するボルトがステーター51を締結体81に固定する一例を示す。
【0107】
締結体81は、取付穴84を介して固定パネル151を貫通する。締結体81が固定パネル151のみを貫通するように備えられる場合、取付穴84は固定パネル151に備えられる第1取付穴841になる。一方、締結体81が第1固定体71及び固定パネル151を貫通するように備えられる場合、取付穴84は、固定パネルに備えられる第1取付穴841及び第1固定体71を貫通する第2取付穴842で備えられる。
【0108】
図11は、締結体81が締結体ブラケット87、第1固定体71、及び固定パネル151をいずれも貫通するように備えられることを示し、この場合、取付穴84は、固定パネルに備えられる第1取付穴841、第1固定体71を貫通する第2取付穴842、及び締結体ブラケット87を貫通する第3取付穴843となる。ハウジングHが予め設定された角度範囲内で回転できるように(締結体が取付穴の内部で動くように)、締結体81の直径は取付穴84の直径より小さく設定される必要がある。
【0109】
締結体ブラケット87は、締結体81によって固定パネル151が損傷される恐れを最小化するための手段である。図9に示すように、締結体ブラケット87は、ディスク状で備えられ、第1固定体71に固定される。
【0110】
締結体ブラケット87には、固定パネル貫通穴153に連通するように備えられ、取付空間73を外部に露出するブラケット貫通穴871が備えられる。
【0111】
第3取付穴843は、ブラケット貫通穴871を囲むように配置される複数の貫通穴として備えられ、締結体ブラケット87には、第3取付穴843から第1固定体71に向かって延長される締結体ガイド872がさらに備えられる。
【0112】
図11に示すように、締結体ガイド872は、第2取付穴842及び第1取付穴841に挿入され、締結体81の直線運動をガイドするように備えられる。この場合、ハウジングHが予め設定された角度範囲内で回転自在に(締結体が締結体ガイドの内部で動くように)、締結体81の直径は締結体ガイド872の直径より小さく設定される必要がある。
【0113】
支持体741を中心としてハウジングHが回転(Y-Z平面内で回転)することを可能にすると共に、ハウジングHを初期位置に復帰させ、ドラムの前方カバー22の変位を制限し、ハウジングHが固定パネル151に衝突することを防止するために、変位制限部8にはダンパー85がさらに備えられる。ダンパー85は、締結体81に備えられ、固定パネル151とコネクタ637との間に位置するリング状のゴム又はバネとして備えられる。
【0114】
前述した構造を有する衣類処理装置100は、動力伝達部6のハウジングHが支持体741を中心として回転するため、ドラム2がY-Z平面内で振動しても、動力伝達部6に備えられる出力軸65、出力軸軸受638、639、ケージ67、及び歯車部Gに外力が伝達されることを最小化することができる。
【0115】
また、前述した構造の衣類処理装置100は、ハウジングHが支持体741を中心として回転するため(ドラムの振動がハウジングの運動エネルギーで消耗されるため)、ドラムの振動が固定パネル151に伝達されることを最小化することもできる(固定パネルの耐久性の向上)。
【0116】
前述のように、出力軸65が回転するとき、後方カバー23の中心に作用する応力を分散するために(後方カバーの耐久性の低下を最小化するために)、出力軸65は軸締結部25を介してドラムの後方カバー23に連結される。
【0117】
即ち、図8に示すように、後方カバー23には後方カバー貫通穴231が備えられ、軸締結部25は後方カバー23に固定され、後方カバー貫通穴231を閉鎖するように備えられる。
【0118】
軸締結部25は、後方カバー23に固定される第1締結体251、第1締結体251から延長され、後方カバー貫通穴231に挿入される連結体255、及び連結体255に固定され、ドラム2の内部に位置する第2締結管252を含むように備えられる。第2締結体252には出力軸65が挿入される締結部貫通穴253が備えられる。
【0119】
出力軸65は、ハウジングHの内部に位置し、ケージ67に固定される締結軸651、及び締結軸651から延長され、締結部貫通穴253に挿入される固定軸652を含むように備えられる。固定軸652の円周面にはねじ山653が備えられる。この場合、出力軸65は、ねじ山653に結合するナット256によって軸締結部25に固定される。
【0120】
ドラム2と出力軸65の組立ては、基部パネル17に動力伝達部6が取り付けられる固定パネル151を固定する過程、出力軸65を締結部貫通穴253に挿入する過程、支持パネル121を基部パネル17に固定し、前方カバー22の位置を固定する過程、及びナット256を介して出力軸65と軸締結部25を結合する過程によって進行される。
【0121】
支持パネル121を基部パネル17に固定する前、出力軸65は、締結部貫通穴253に挿入されている状態を維持するが、前方カバーはドラム支持部128に支持されない。但し、前述した衣類処理装置は、締結部貫通穴253及び支持体741のため、前方カバー22が排気流路31の上部面や基部17などに一時的に着座した状態を維持することができる。よって、衣類処理装置100は、軸締結部25と出力軸65を結合するとき、動力伝達部6の耐久性が低下する恐れを下げることができる。
【0122】
一方、連結体255の直径は、第1締結体251から第2締結体252に向かうほど減少するように備えられる。連結体255の形状が前述のように備えられる場合、固定軸652は、連結体255の表面に沿って締結部貫通穴253に導かれるため、固定軸652を締結部貫通穴253に挿入するために必要な時間を短縮することができる。
【0123】
前述した軸締結部25がドラム2の内部に露出されることを防止するために、本実施例においても締結部カバー27がさらに備えられる。締結部カバー27は、後方カバー貫通穴231を閉鎖し、軸締結部25の露出が防止できるものであれば、どのような形状でもよい。
【0124】
締結部カバー27は、カバー貫通穴271に挿入され、固定軸652の締結溝654に固定されるボルト273によって出力軸65に固定されるように備えられる。
【0125】
前述した衣類処理装置は、様々な形態に変更して実施されることができ、本発明の権利範囲は前述した実施例に限られない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】