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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】植込み型医療機器用アンカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/03 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61B17/03
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513062
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 US2022041455
(87)【国際公開番号】W WO2023028189
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/237,902
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ケビン エー.ギル
(72)【発明者】
【氏名】ミン-シュアン リン
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ エル.マリン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジェイ.マイナー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イー.ショー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン エム.トラップ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160DD65
4C160MM33
(57)【要約】
本開示の様々な態様は、植込み型医療機器を固定するように構成された固定用植込み型医療機器を含む装置、システム、及び方法を対象とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型医療機器用のアンカーであって、前記アンカーは、
1つ以上のワイヤであって、
複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された少なくとも1つの第1の内側頂点と、を画定する前記複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素と、
複数の第2の外側頂点と、複数の第2の接触機構の各々の間に配置された少なくとも1つの第2の内側頂点と、を画定する前記複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素と、を形成するように配置され、
前記複数の第1の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状を有し、前記複数の第2の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状を有するように、前記複数の第1の外側頂点の各々の間に実質的に線形のセクションと、前記複数の第2の外側頂点の各々の間に実質的に線形のセクションと、を含む、1つ以上のワイヤを備える、アンカー。
【請求項2】
前記複数の第1の接触機構は奇数個の接触機構を含み、前記複数の第2の接触機構は奇数個の接触機構を含む、請求項1に記載のアンカー。
【請求項3】
前記複数の第1の接触機構は5つの接触機構を含み、前記複数の第2の接触機構は5つの接触機構を含む、請求項2に記載のアンカー。
【請求項4】
前記複数の第1の接触機構及び前記複数の第2の接触機構は、前記複数の第1の接触機構及び前記複数の第2の接触機構が前記アンカーの中心長手方向軸の周りで互いに角度的に位置合わせされるように、互いの反対側に位置決めされる、請求項2又は3に記載のアンカー。
【請求項5】
前記複数の第1の接触機構の各々の前記少なくとも1つの第1の内側頂点は、前記アンカーの中心長手方向軸に隣接し、かつ該中心長手方向軸の周りに間隔を空けて配置されており、前記複数の第2の接触機構の各々の少なくとも1つの第2の内側頂点は、前記アンカーの前記中心長手方向軸に隣接し、かつ前記中心長手方向軸の周りに間隔を空けて配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項6】
前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、前記1つ以上のワイヤの少なくとも1つの巻きによって接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項7】
前記アンカーが、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間に延びている中間部分をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項8】
前記1つ以上のワイヤは、前記複数の第1の接触機構、前記中間部分、及び前記複数の第2の接触機構を形成する少なくとも1つのワイヤを含む、請求項7に記載のアンカー。
【請求項9】
前記中間部分は、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素とを連結している膜を含む、請求項7又は8に記載のアンカー。
【請求項10】
前記アンカーが非拘束状態にあるときに前記複数の第1の外側頂点及び前記複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している、請求項1~9のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項11】
前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素を形成する前記1つ以上のワイヤによって画定される、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素の膜範囲領域をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項12】
ワイヤであって、
中間セクションと、
前記中間部分の第1の側に配置され、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素と、
前記中間部分の第2の側に配置され、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素と、を形成するワイヤを含むアンカーを備える、植込み型医療システム。
【請求項13】
前記アンカーが非拘束状態にあるときに前記複数の第1の外側頂点及び前記複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している、請求項12に記載の植込み型医療システム。
【請求項14】
前記ワイヤは、前記第1のフレーム構成要素、前記第2のフレーム構成要素、及び前記中間部分を形成する連続的な巻きパターンを含む、請求項13に記載の植込み型医療システム。
【請求項15】
前記第1のフレーム構成要素は、湾曲を有する複数の第1の外側頂点と、前記複数の第1の接触機構の各々の間に配置された湾曲を有する少なくとも1つの第1の内側頂点とを含み、前記第2のフレーム構成要素は、湾曲を有する複数の第2の外側頂点と、前記複数の第2の接触機構の各々の間に配置された湾曲を有する少なくとも1つの第2の内側頂点とを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の植込み型医療システム。
【請求項16】
植込み型医療機器用のアンカーを展開する方法であって、前記方法は、
第1のフレーム構成要素の複数の第1の接触機構が中隔の第1の側に接触するように、前記中隔の前記第1の側にアンカーの前記第1のフレーム構成要素を配置することであって、前記第1のフレーム構成要素が、前記複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、前記複数の第1の接触機構が、前記複数の第1の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有するように、前記複数の第1の接触機構によって画定される複数の第1の外側頂点の間に実質的に線形のセクションを含む、配置することと、
第2のフレーム構成要素の複数の第2の接触機構が前記中隔の第2の側に接触するように、前記アンカーの前記第2のフレーム構成要素を前記中隔の前記第2の側に配置することと、を含む方法。
【請求項17】
前記第2のフレーム構成要素は、1つ以上のワイヤを含み、前記複数の第2の接触機構は、前記複数の第2の接触機構によって画定される複数の第2の外側頂点の間に実質的に線形のセクションを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の第2の接触機構の各々は、略ダイヤモンドの形状の部分を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の第1の接触機構は、奇数個の接触機構を含み、前記複数の第2の接触機構は、奇数個の接触機構を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記アンカーが非拘束状態にあるときに前記複数の第1の外側頂点及び前記複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
植込み型医療機器を患者内に固定するためのアンカーであって、前記アンカーは、前記アンカーのフレームを形成する1つ以上のワイヤを含み、前記アンカーは、
複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された複数の第1の内側頂点と、を含む前記複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素であって、前記第1のフレーム構成要素が前記複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、前記複数の第1の接触機構が前記複数の第1の外側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、前記複数の第1の接触機構の各々がダイヤモンドの形状に近似する部分を有する、第1のフレーム構成要素と、
前記第1のフレーム構成要素の反対側に配置され、複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素であって、前記複数の第2の接触機構は、複数の第2の外側頂点と、前記複数の第2の接触機構の各々の間に配置された複数の第2の内側頂点と、を含む、第2のフレーム構成要素と、を備えるアンカー。
【請求項22】
前記1つ以上のワイヤは、巻かれたワイヤであり、前記1つ以上のワイヤの巻線は、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素を形成する、請求項21に記載のアンカー。
【請求項23】
前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間にあり、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素とを接続している中間部分をさらに備え、前記中間部分が、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間に配置され、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素とを接続している膜材料を含む、請求項21又は22に記載のアンカー。
【請求項24】
1つ以上のワイヤが前記第1のフレーム構成要素を形成し、1つ以上のワイヤが前記第2のフレーム構成要素を形成し、前記第1のフレーム構成要素を形成する前記1つ以上のワイヤが、前記第2のフレーム構成要素を形成する前記1つ以上のワイヤから分離している、請求項23に記載のアンカー。
【請求項25】
前記中間部分には、いかなるワイヤもない、請求項23又は24に記載のアンカー。
【請求項26】
前記アンカーが非拘束状態にあるときに前記複数の第1の外側頂点及び前記複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している、請求項21~25のいずれか一項に記載のアンカー。
【請求項27】
植込み型医療機器を固定するためのシステムであって、前記システムは、
アンカーであって、
複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素と、
複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素であって、前記第1のフレーム構成要素の反対側に位置決めされている、第2のフレーム構成要素と、
前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間の長手方向間隔が調整可能であるように、前記第1のフレーム構成要素を前記第2のフレーム構成要素に接続している中間部分であって、巻きを含む中間部分と、を含むアンカー、を備えるシステム。
【請求項28】
植込み型医療機器を患者内に固定するためのアンカーであって、前記アンカーは、前記アンカーのフレームを形成する1つ以上のワイヤを含み、前記アンカーは、
複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された複数の第1の内側頂点と、を含む前記複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素であって、前記第1のフレーム構成要素が前記複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、前記複数の第1の接触機構が前記複数の第1の内側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、前記複数の第1の接触機構は、前記アンカーの中心長手方向軸の周りに配置された複数の第1の閉じたループを形成し、重なり合わない前記第1の閉じたループの各々は、複数の第1の線形のセクションによって前記第1の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続されている、第1のフレーム構成要素と、
前記第1のフレーム構成要素の反対側に配置され、複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素であって、前記複数の第2の接触機構は、複数の第2の外側頂点と、前記複数の第2の接触機構の各々の間に配置された複数の第2の内側頂点と、を含む第2のフレーム構成要素と、を備えるアンカー。
【請求項29】
前記複数の第2の接触機構を形成する前記1つ以上の巻かれたワイヤ及び前記複数の第2の接触機構は、前記複数の第2の内側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、前記複数の第2の接触機構は、前記アンカーの前記中心長手方向軸の周りに配置された複数の第2の閉じたループを形成し、重なり合わない前記第2の閉じたループの各々は、複数の第2の線形のセクションによって前記第2の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続されている、請求項27に記載のアンカー。
【請求項30】
前記複数の第1の線形のセクションは、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間に位置決めされる中間領域を画定する、請求項27又は28に記載のアンカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月27日に出願された仮特許出願第63/237,902号の利益を主張するものであり、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
植込み型医療機器は、関連付けられるアンカーを用いて患者の体内に固定されることが多い。アンカーは、医療機器の他の部分と一体であってもよく、又は医療機器に取り付けられる別個の構成要素であってもよい。アンカーが関連付けられる医療機器は、グラフト、ステントグラフト、ポンプ、又は体内の定位置に保持される様々な他の医療機器のうちのいずれかを含む。血管系、臓器、又は他の身体構造などの医療機器が固定され得る身体構造には様々なものがある。また、そのような医療機器は、様々な治療目的のうちのいずれかを達成するように構成されてもよい。例えば、心房中隔欠損症、卵円孔開存症、又は腸、卵管、若しくは他の身体構造における他の状態を治療するための閉鎖栓として、固定用医療機器を利用することができる。固定用医療機器のさらなる例としては、シャント、人工弁など、患者内での流体の移動を容易にするのに役立つものが挙げられる。さらに他のタイプの植込み型機器は、スマート医療機器など、生理的状態をモニタリング及び/又は制御するための各種デバイスを含むことができる。
【発明の概要】
【0003】
一例(「例1」)によれば、植込み型医療機器用のアンカーは、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素を形成するように配置された1つ以上のワイヤを含む。第1のフレーム構成要素は、複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された少なくとも1つの第1の内側頂点とを画定する複数の第1の接触機構を含む。第2のフレーム構成要素は、複数の第2の外側頂点と、複数の第2の接触機構の各々の間に配置された少なくとも1つの第2の内側頂点とを画定する複数の第2の接触機構を含む。1つ以上のワイヤは、複数の第1の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状を有し、複数の第2の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状を有するように、複数の第1の外側頂点の各々の間の実質的に線形のセクションと、複数の第2の外側頂点の各々の間の実質的に線形のセクションとを含む。
【0004】
別の例(「例2」)によれば、例1に加えて、複数の第1の接触機構は奇数個の接触機構を含み、複数の第2の接触機構は奇数個の接触機構を含む。
【0005】
別の例(「例3」)によれば、例2に加えて、複数の第1の接触機構は5つの接触機構を含み、複数の第2の接触機構は5つの接触機構を含む。
【0006】
別の例(「例4」)によれば、例2又は例3に加えて、複数の第1の接触機構及び複数の第2の接触機構は、複数の第1の接触機構及び複数の第2の接触機構がアンカーの中心長手方向軸の周りで互いに角度的に位置合わせされるように、互いの反対側に位置決めされる。
【0007】
別の例(「例5」)によれば、例1~例4のいずれか1つに加えて、複数の第1の接触機構の各々の少なくとも1つの第1の内側頂点は、アンカーの中心長手方向軸に隣接し、かつその周りに間隔を空けて配置されており、複数の第2の接触機構のそれぞれの少なくとも1つの第2の内側頂点は、アンカーの中心長手方向軸に隣接し、その周りに間隔を空けて配置されている。
【0008】
別の例(「例6」)によれば、例1~例5のいずれか1つに加えて、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素は、1つ以上のワイヤの少なくとも1つの巻きによって接続されている。
【0009】
別の例(「例7」)によれば、例1~例6のいずれか1つに加えて、アンカーは、第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素との間に延びている中間部分をさらに備える。
【0010】
別の例(「例8」)によれば、例7に加えて、1つ以上のワイヤは、複数の第1の接触機構、中間部分、及び複数の第2の接触機構を形成する少なくとも1つのワイヤを含む。
【0011】
別の例(「例9」)によれば、例7又は例8に加えて、中間部分は、第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素とを連結している膜を含む。
【0012】
別の例(「例10」)によれば、例1~例9のいずれか1つに加えて、アンカーが非拘束状態にあるときに複数の第1の外側頂点及び複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している。
【0013】
別の例(「例11」)によれば、例1~10のいずれか1つに加えて、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素を形成する1つ以上のワイヤによって画定される、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素の膜範囲領域をさらに備える。
【0014】
別の例(「例12」)によれば、植込み型医療システムは、ワイヤを含むアンカーを含む。ワイヤは、中間セクション、第1のフレーム構成要素、及び第2のフレーム構成要素を形成する。第1のフレーム構成要素は、中間部分の第1の側に配置され、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する複数の第1の接触機構を含み、第2のフレーム構成要素は、中間部分の第2の側に配置され、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する複数の第2の接触機構を含む。
【0015】
別の例(「例13」)によれば、例12に加えて、アンカーが非拘束状態にあるときに複数の第1の外側頂点及び複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している。
【0016】
別の例(「例14」)によれば、例13に加えて、ワイヤは、第1のフレーム構成要素、第2のフレーム構成要素、及び中間部分を形成する連続的な巻きパターンを含む。
【0017】
別の例(「例15」)によれば、例12~例14のいずれか1つに加えて、第1のフレーム構成要素は、湾曲を有する複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された湾曲を有する少なくとも1つの第1の内側頂点とを含み、第2のフレーム構成要素は、湾曲を有する複数の第2の外側頂点と、複数の第2の接触機構の各々の間に配置された湾曲を有する少なくとも1つの第2の内側頂点とを含む。
【0018】
別の例(「例16」)によれば、植込み型医療機器用のアンカーを展開する方法は、第1のフレーム構成要素の複数の第1の接触機構が中隔の第1の側に接触するように、アンカーの第1のフレーム構成要素を中隔の第1の側に配置することを含み、第1のフレーム構成要素が、複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、複数の第1の接触機構が、複数の第1の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有するように、複数の第1の接触機構によって画定される複数の第1の外側頂点の間に実質的に線形のセクションを含む。アンカーの第2のフレーム構成要素は、第2のフレーム構成要素の複数の第2の接触機構が中隔の第2の側に接触するように、中隔の第2の側に配置される。
【0019】
別の例(「例17」)によれば、例16に加えて、第2のフレーム構成要素は、1つ以上のワイヤを含み、複数の第2の接触機構は、複数の第2の接触機構によって画定される複数の第2の外側頂点の間に実質的に線形のセクションを含む。
【0020】
別の例(「例18」)によれば、例17に加えて、複数の第2の接触機構は各々、略ダイヤモンドの形状の部分を有する。
【0021】
別の例(「例19」)によれば、例16に加えて、複数の第1の接触機構は奇数個の接触機構を含み、複数の第2の接触機構は奇数個の接触機構を含む。
【0022】
別の例(「例20」)によれば、例19に加えて、アンカーが非拘束状態にあるときに複数の第1の外側頂点及び複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している。
【0023】
別の例(「例21」)によれば、患者内に植込み型医療機器を固定するためのアンカーは、アンカーのフレームを形成する1つ以上のワイヤを含む。アンカーは、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された複数の第1の外側頂点及び複数の第1の内側頂点を含む複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素を含む。第1のフレーム構成要素は、複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、複数の第1の接触機構は、複数の第1の外側頂点の各々の間に線形のセクションを含む。複数の第1の接触機構は各々、ダイヤモンドの形状に近似する一部を有する。また、第2のフレーム構成要素は、第1のフレーム構成要素の反対側に配置され、複数の第2の接触機構の各々の間に配置された複数の第2の外側頂点及び複数の第2の内側頂点を含む複数の第2の接触機構を含む。
【0024】
別の例(「例22」)によれば、例21に加えて、1つ以上のワイヤは、巻かれたワイヤであり、1つ以上のワイヤの巻線は、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素を形成する。
【0025】
別の例(「例23」)によれば、例21又は例22に加えて、アンカーは、第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素との間にあり、それらを接続している中間部分をさらに備え、中間部分が、第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素との間に配置され、それらを接続している膜材料を含む。
【0026】
別の例(「例24」)によれば、例23に加えて、1つ以上のワイヤが第1のフレーム構成要素を形成し、1つ以上のワイヤが第2のフレーム構成要素を形成し、第1のフレーム構成要素を形成する1つ以上のワイヤが、第2のフレーム構成要素を形成する1つ以上のワイヤから分離している。
【0027】
別の例(「例25」)によれば、例23又は24に加えて、中間部分には、いかなるワイヤもない。
【0028】
別の例(「例26」)によれば、例21~例25のいずれか1つに加えて、アンカーが非拘束状態にあるときに複数の第1の外側頂点及び複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内側に湾曲している。
【0029】
別の例(「例26」)によれば、植込み型医療機器を固定するためのシステムは、アンカーを含む。アンカーは、複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素と、複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素とを含み、第2のフレーム構成要素は、第1のフレーム構成要素の反対側に位置決めされている。アンカーはまた、第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素との間の長手方向間隔が調整可能であるように、第1のフレーム構成要素を第2のフレーム構成要素に接続している中間部分を含み、中間部分は巻きを含む。
【0030】
別の例(「例27」)によれば、患者内に植込み型医療機器を固定するためのアンカーは、アンカーのフレームを形成する1つ以上のワイヤを含む。アンカーは、複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された複数の第1の内側頂点とを含む複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素を含み、第1のフレーム構成要素が複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、複数の第1の接触機構が複数の第1の内側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、複数の第1の接触機構がアンカーの中心長手方向軸の周りに配置された複数の第1の閉じたループを形成し、重なり合わない第1の閉じたループの各々は、複数の第1の線形のセクションによって第1の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続される。アンカーはまた、複数の第2の外側頂点と、複数の第2の接触機構の各々の間に配置された複数の第2の内側頂点とを含む複数の第2の接触機構を含む、第1のフレーム構成要素の反対側に配置された第2のフレーム構成要素を含む。
【0031】
別の例(「例28」)によれば、例27に加えて、複数の第2の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤ及び複数の第2の接触機構は、複数の第2の内側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、複数の第2の接触機構が、アンカーの中心長手方向軸の周りに配置された複数の第2の閉じたループを形成し、重なり合わない第2の閉じたループの各々は、複数の第2の線形のセクションによって第2の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続されている。
【0032】
別の例(「例29」)によれば、例27又は例28に加えて、複数の第1の線形のセクションは、第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素との間に位置決めされた中間領域を画定する。
【0033】
前述の例は単なる例であり、本開示によって別様に提供される本発明の概念のいずれかの範囲を限定又は別様に狭めるように解釈されるべきではない。複数の例が開示されているが、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から、さらに他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的ではなく、本質的に例示的であると見なされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付の図面は、本開示の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、実施形態を示し、本明細書の説明とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0035】
図1】一実施形態による、植込み型医療機器と関連付けられ得る例示的なアンカーである。
【0036】
図2】一実施形態による、植込み型医療機器と関連付けられ得るアンカーの一部分を形成し得る、例示的なフレーム構成要素である。
【0037】
図3】一実施形態による、植込み型医療機器及び巻き付け構成と関連付けられ得るアンカーの一部分を形成し得る、例示的なフレーム構成要素である。
【0038】
図4】一実施形態による、植込み型医療機器と関連付けられる例示的なアンカーである。
【0039】
図5】一実施形態による、アンカーと関連付けられ得る例示的な医療機器である。
【0040】
図6】一実施形態による、植込み型医療機器と関連付けられ得る別の例示的なアンカーである。
【0041】
図7】一実施形態による、植込み型医療機器と関連付けられ得る別の例示的なアンカーである。
【0042】
図8】一実施形態による、植込み型医療機器と関連付けられ得る別の例示的なアンカーである。
【0043】
図9】一実施形態による、植込み型医療機器と関連付けられ得る別の例示的なアンカーである。
【0044】
図10】一実施形態による、例示的なアンカーである。
【0045】
図11】一実施形態による、例示的なアンカー及び植込み型医療機器である。
【0046】
図12】一実施形態による、例示的なアンカー及び植込み型医療機器である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意味しない。例えば、本出願において使用される用語は、当業者がそのような用語に帰するであろう意味の文脈において広く読まれるべきである。
【0048】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値を含み、記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む測定値を指すために、互換的に使用され得る。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連分野の当業者によって理解され、容易に確認されるように、合理的に少量だけ、記載された測定値から逸脱する。そのような逸脱は、例えば、測定誤差、測定及び/又は製造機器校正の差、測定の読み取り及び/又は設定におけるヒューマンエラー、他の構成要素に関連する測定の差を考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われる微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による物体の不正確な調整及び/又は操作などに起因し得る。当業者がそのような合理的に小さい差の値を容易に把握しないと判断される場合、用語「約」及び「およそ」は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解され得る。
様々な実施形態の説明
【0049】
当業者であれば、本開示の様々な態様が、意図された機能を実行するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現され得ることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されている場合があり、その点に関して、図面は限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0050】
本開示の様々な態様は、患者内に植込み型医療機器を固定することと、患者内で使用するための医療機器とを対象とする。場合によっては、本明細書の植込み型医療機器の実施形態は、植込み型医療機器と関連付けられ得る(例えば、植込み型医療機器に取り付けられてもよく、かつ/又は植込み型医療機器と一体的に形成されてもよい)。閉鎖栓であってもよい植込み型医療機器は、心房中隔又は様々な他の位置のいずれかを横切って設置される場合に、心不全を治療するためのシャントとともにさらに配置されてもよい。これらは単なる例であり、アンカー及びそれに関連する様々な設計は、シャント、人工弁、並びに例えば、スマート医療機器などの生理的状態をモニタリング及び/又は制御するためのデバイスなど、体内の様々な位置に植え込まれるそのような植込み型医療機器とともに使用され得る。アンカーは、本明細書で論じるように、医療機器の固定を容易にし、塞栓形成のリスクを最小限に抑え、緩い血栓を生成するリスクを最小限に抑え、かつ/又は緩い組織成長を可能にするリスクを最小限に抑えることができ、これらはすべて脳卒中を引き起こす可能性がある。本装置、システム、及び方法は、植込み型医療機器又は患者内の構造に固定する医療機器のためのカテーテル送達アンカーを対象とする。
【0051】
図1は、一実施形態による固定用植込み型医療機器である。アンカー100は、患者の心臓H内に植え込まれて示されている。デバイス100は、患者の左心房と右心房との間に配置されて示されている。場合によっては、デバイス100は、心臓H内、例えば、左心房LAと右心房RAとの間の血圧又は圧を調節するために使用され得る。示されるように、デバイス100は、概して、中隔の第1の側(例えば、右心房RA内)に配置される第1のフレーム構成要素110と、中隔の第2の側(例えば、左心房LA内)に配置される第2のフレーム構成要素120と、中隔を通って延びている中間セクション130とを含む。心臓H内の血圧の調節を補助するために、弁は、中間セクション130内に設置されてもよい。針は、中隔内に開口部を作製するために使用されてもよい。閉鎖栓、開窓閉鎖栓などを含む様々な植込み型医療機器のいずれかを示された位置に固定するために、この設計を使用することができる。また、前述のように、心臓、具体的には、中隔壁における固定の例が描写されているが、身体内の様々な位置及び関連する治療のいずれも、本明細書に開示されるアンカー設計から恩恵を受けることができる。
【0052】
シース140並びに拘束及び/又は解放ライン(図示せず)は、デバイス100の展開を促進するために使用されてもよい。例えば、第1のフレーム構成要素110を含むデバイス100の第1の側は、シース140が中隔を通ってLAに前進させられた後に解放されてもよく、第2のフレーム構成要素120を含む第2のフレーム構成要素120は、中隔のRA側で解放されてもよい。(例えば、図2に示される)中間セクション130は、開口部内に配置される。フレーム構成要素110,120及び/又は中間セクション130は、患者内の所望の治療領域へのデバイス100の送達中にシース140内で圧縮され、その後、デバイス100の展開中に拡張されてもよい。他の場合では、アンカー100は、心臓内の異なる位置又は患者内の異なる位置(例えば、胃腸系、血管系、脳)に植え込まれてもよい。
【0053】
場合によっては、中間セクション130は、植込み型医療機器500の少なくとも一部と関連付けられるように構成されている。中間セクション130は、様々な例による医療機器500と関連付けられてもよい(例えば、一体的に形成されてもよく、取り付けられてもよく、又は他の方法で関連付けられてもよい)。中間セクション130は、場合によっては、植込み型医療機器500の固定を容易にするために、又は血流、血栓形成、若しくは同様を管理するために、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120の各々を越えて、第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120との間に延びてもよい。
【0054】
図2は、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120の例示的な巻線パターンを示す。特に、図2は、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120、並びに第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素との間の係合セクション130を画定するための巻線パターンの周りのワイヤの2つのパスを示す。第1のフレーム構成要素110は、内側巻線として示され、第2のフレーム構成要素120は、わずかにオフセットされ、外側巻線として示される。これは3次元物体の2次元表現であるので、説明を目的としてこのように示した。巻線は、様々な実施形態に従って本質的に同じサイズを有し得る。また、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120の両方が示されているが、一方のフレーム構成要素のみが図2に示される一般的な形状をとってもよく、他方は存在しなくてもよく、又は様々な例に従って異なる形状をとってもよい。示されるように、単一のワイヤ350を複数の巻線ペグ352の周りに巻き付けて、所望に応じて第1のフレーム構成要素110(及び第2のフレーム構成要素120)を形成することができる。
【0055】
第1のフレーム構成要素110(及び第2のフレーム構成要素120)は、一実施形態による植込み型医療機器500を固定するためのアンカーの一部分を形成することができる。第1のフレーム構成要素110及び/又は第2のフレーム構成要素120について示される形状は、図1図10及び図11に示される第1のフレーム構成要素110及び/又は第2のフレーム構成要素120の形状及び構成であってもよい。示されるように、第1のフレーム構成要素110は、第2のフレーム構成要素120と同様に、1つ以上のワイヤを含んでもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、1つ以上のワイヤは、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及びアンカーの第1のフレーム構成要素と第2のフレーム構成要素との間の中間セクション130(例えば、図1図10、及び図11に示されるような)を形成してもよい。第1のフレーム構成要素110は、中間セクション130がフレーム構成要素の間、又は実質的にフレーム構成要素の間にあるように、中間セクション130の第1の側に配置されてもよく、第2のフレーム構成要素120は、中間セクション130の第2の側に配置されてもよい。
【0056】
第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120の各々は、複数の接触機構240を含むことができ、図2では、説明を容易にするためにその1つの位置が強調されている。接触機構は、患者内の構造との接触に好適である。接触機構を有する実施形態は、長期的な固定を強化するために組織の内方成長を可能にし、組織浸食の発生を低減するために、接触機構が接触する組織に対して無外傷であることを可能にするように構成されてもよく、これは、いくつかの実施形態では、接触機構をフィルムで被覆することによって達成されてもよい。例えば、図4に関連して示され、後に説明されるように、被覆としても説明される膜460は、第1のフレーム構成要素110の接触機構242及び第2のフレーム構成要素120の接触機構242にわたって配置されてもよい。
【0057】
アンカーが第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120とを含む場合、第1のフレーム構成要素110の接触機構240は複数の第1の接触機構240であってもよく、第2のフレーム構成要素120の接触機構240は複数の第2の接触機構240であってもよい。接触機構240は、場合によっては、複数の外側頂点242と、複数の接触機構240の各々の間に配置された少なくとも1つの内側頂点244とを含んでもよい。固定用デバイスが第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120を含む場合、第1のフレーム構成要素110の複数の外側頂点242及び少なくとも1つの内側頂点244は、複数の第1の外側頂点242及び少なくとも1つの第1の内側頂点244であってもよく、第2のフレーム構成要素120の複数の外側頂点242及び少なくとも1つの内側頂点244は、複数の第2の外側頂点242及び少なくとも1つの第2の内側頂点244であってもよい。
【0058】
場合によっては、フレーム構成要素を形成する1つ以上のワイヤは、複数の外側頂点242の各々の間に実質的に線形のセクション246を含む。複数の外側頂点242の各々の間の実質的に線形のセクション246は、図2に示されるように、接触機構242の略ダイヤモンド形状を形成し得る。加えて、複数の接触機構242は、場合によっては奇数個の接触機構242(例えば、3つ、5つ、7つ)であってもよく、他の場合では偶数個の接触機構242(例えば、2つ、4つ、6つ、8つ)であってもよい。場合によっては、複数の接触機構242の各々の少なくとも1つの内側頂点244は、中間セクション130の円周に隣接し、間隔を空けて配置されている。場合によっては、外側頂点242及び少なくとも1つの内側頂点244は湾曲を有する。
【0059】
場合によっては、複数の外側頂点242は、展開テザー又は展開システムの部分に係合するために使用され得る。複数の外側頂点242はまた、デバイスが展開された後にデバイスの再捕捉又は回収を可能にするために、回収ループに係合してもよい。展開システムは、本明細書に組み込まれる国際公開第2020018697(A1)号(Coleら)でさらに詳細に論じられるように、1つ以上の拘束ライン及び/又は解放ラインを使用してもよい。
【0060】
図3は、一実施形態による、植込み型医療機器及び巻線構成を固定するよう構成されたアンカーの一部分を形成し得る、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120を示す。図3では、巻線ペグ352は示されておらず、ワイヤ350の端部は最終的なフレーム形状にトリミングされている。図2及び図3には1本のワイヤが示されているが、第1のフレーム構成要素110は、1つ以上のワイヤ350で形成されてもよい。
【0061】
図2に示されるように、場合によっては、ワイヤ(複数可)350は、第1のフレーム構成要素110を形成する際に始点354及び終点354を含んでもよい。場合によっては、ワイヤ(複数可)350の始点354は、第1のフレーム構成要素110内にあってもよく、終点354は、第2のフレーム構成要素120内にあってもよい。加えて、ワイヤ(複数可)350は、中間セクション130を形成することができる。場合によっては、中間セクション130は、ワイヤ(複数可)350の少なくとも1つの巻きを含む円周を含む。ワイヤ(複数可)350は、複数の第1の接触機構242、セクション130、及び複数の第2の接触機構242を形成する少なくとも1つのワイヤ350を含むことができる。ワイヤ(複数可)350は、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及び中間セクション130を形成する際に、連続的な巻線パターンを含む。
【0062】
示されるように、第1のフレーム構成要素110は、5つの接触機構242を含み、その各々は、ダイヤモンド形状を含む。場合によっては、5つの接触機構242(又は奇数個の接触機構)は、心房中隔(又は身体/患者の標的領域)内に植え込まれたときに逸脱に抵抗することができる。接触機構242の形状及び配置は、逸脱に抵抗し、かつ中間セクション130内に配置される植込み型医療機器500を安定させることができる。奇数個の接触機構242及び接触機構の形状は、接触機構242の圧潰又は拘束を容易にする一方で、応力を最小限に抑え、逸脱を最小限に抑え、回収可能性を可能にする。場合によっては、フレーム構成要素110,120は、実質的に平面であってもよく、又は凹状若しくは凸状であってもよい。
【0063】
図4は、一実施形態による、植込み型医療機器用の例示的なアンカー400である。アンカー400は、植込み型医療機器500(センサ、ポンプ、リード、又は他の医療機器)を含むシステムの一部分であってもよい。上記で詳細に説明したように、アンカー400は、セクション130内に植込み型医療機器500を設置することが可能なように構成された中間セクション130と、中間セクション130の第1の側に配置された第1のフレーム構成要素110であって、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する奇数個の接触機構242を含み得る第1のフレーム構成要素110と、中間セクション130の第2の側に配置された第2のフレーム構成要素120であって、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する奇数個の接触機構242を含み得る第2のフレーム構成要素120とを含む。
【0064】
場合によっては、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及び中間セクション130は、少なくとも1つのワイヤによって形成されている。図2及び図3に示されるように、ワイヤ(複数可)350は、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及び中間セクション130を形成する際に、連続的な巻線パターンを含む。場合によっては、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120は、別個の膜を有する別個のワイヤから形成されている。第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120は、互いに分離していてもよい。他の場合では、中間セクション130は、第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120とを分離する膜で形成されてもよい。加えて、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120の一方又は両方は、凹状であってもよい。
【0065】
場合によっては、図4に示されるように、第1のフレーム構成要素110の接触機構242及び第2のフレーム構成要素120の接触機構242は、(例えば、中間セクション130の長手方向軸に対して)位置合わせされる。フレーム構成要素110,120の各々の接触機構242が許容されていることで、植え込み後のアンカー400の横断又は再横断を可能にし得る。場合によっては、アンカー400は、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120に連結された膜460を含む。膜460は、第1のフレーム構成要素110の接触機構242及び第2のフレーム構成要素120の接触機構242にわたって配置され得る。図4に示されるように、膜460は、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120を形成する少なくとも1つのワイヤを含まない第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120の領域462にまたがる。上述したように、第1のフレーム構成要素110の接触機構242と第2のフレーム構成要素120の接触機構242とは、位置合わせされる。ワイヤが存在しない膜の領域462は、再交差のために(例えば、アブレーション、左心耳デバイス植込みなどの将来の処置のために)穿刺されてもよい。同様の概念が、図2及び図12に示される設計に適用され、膜460が含まれ、それらの設計の接触機構242を被覆してもよい。また、同様に、ワイヤが存在しない膜は、再交差のために(例えば、アブレーション、左心耳デバイス植込みなどの将来の手技のために)穿刺されてもよい。
【0066】
アンカー400を植え込む際、アンカーは、うっ血性心不全を有する患者の治療を管理する方法において、身体構造の壁における欠損を閉塞する、又は所望の他の治療のために使用され得る。示されるように、アンカー400は、患者の組織(例えば、心房中隔)上に設置されてもよい。第1のフレーム構成要素110は、中隔の第1の側に配置されてもよく、第2のフレーム構成要素120は、中隔の第2の側に配置されてもよい。アンカー400の展開後、植込み型医療機器500が中間セクション130内に配置されてもよく、又は実施形態における中間セクション130によって画定される開口部が、血流が心不全を治療することを可能にするように拡大されてもよく、又は中間セクション130によって画定される開口部が、血流が生じず欠損が閉塞されるように縮小されてもよい。他の場合では、植込み型医療機器500は、アンカー400とともに構築され、定位置に送達されてもよい。
【0067】
図5は、アンカー400に連結され、患者の体内に固定され得る植込み型医療機器500の一般化された図を含む。植込み型医療機器500は、ステントグラフト、ステント、弁、ポンプ、リード、又はヘルスモニタリング機能などを有するスマート医療機器を含む他のタイプの医療機器などの様々なデバイスのいずれかであってもよい。
【0068】
図6は、一実施形態による植込み型医療機器を固定するための、又は欠損部を閉塞するなどの患者の状態を治療するための別の例示的なアンカー400である。アンカー400は、ポンプ、リード、又は患者内に固定することができる他のタイプの医療機器を固定することができる。第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120が図6に示されており、第2のフレーム構成要素120の機構は、第1のフレーム構成要素110によって部分的に隠されている。第2のフレーム構成要素120は、第1のフレーム構成要素110について示されたものと同様の機構を有し得ることも明らかであろう。第1のフレーム構成要素110は、1つ以上のワイヤを含んでもよい。1つ以上のワイヤは、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及び中間部分(例えば、図1に示される中間セクション130)を形成することができる。他の場合では、中間セクション130は、第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120との間に配置され、それらを接続しているグラフト材料を含んでもよい。第1のフレーム構成要素110は、中間部分の第1の側に配置されてもよく、第2のフレーム構成要素120は、中間部分の第2の側に配置されてもよい。
【0069】
第1のフレーム構成要素110は、複数の接触機構240を含むことができ、図6では、説明を容易にするためにそのうちの1つが強調されている。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120とを含む場合、第1のフレーム構成要素110の接触機構240は複数の第1の接触機構240であってもよく、第2のフレーム構成要素120の接触機構240は複数の第2の接触機構240であってもよい。接触機構240は、場合によっては、複数の外側頂点242と、複数の接触機構240の各々の間に配置された複数の内側頂点244を含んでもよい。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120を含む場合、第1のフレーム構成要素110の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第1の外側頂点242及び複数の内側頂点244であってもよく、第2のフレーム構成要素120の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第2の外側頂点242及び複数の第2の内側頂点244であってもよい。
【0070】
内側頂点244は、医療機器の1つ以上の機構と係合するための内側係合機構を画定してもよい。場合によっては、示されるように、複数の第1の内側頂点244及び/又は複数の第2の内側頂点244は、植込み型医療機器500を固定するように構成されてもよい。アンカー400は、アンカーの中間部分又は中心部分としても記載される中間セクション130を介することを含む様々な方法で、植込み型機器と関連付けられてもよい。中間セクション130の形状は、アンカー性能、製造の容易さ、及び他の機能を含む様々な目的のために様々な形状をとることができる。例えば、中間セクション130の形状は、より良好な屈曲及び/又は疲労信頼性を促進し得、異なる構成の医療機器、又は他のものとの関連付けを容易にし得る。
【0071】
場合によっては、第1のフレーム構成要素110を形成する1つ以上のワイヤの部分は、接続されていない第2のフレーム構成要素120を形成する1つ以上のワイヤの部分から分離される。
【0072】
図7は、別の例示的なアンカー400である。アンカー400は、ポンプ、リード、又は患者内に固定することができる他のタイプの医療機器を固定することができる。図6に示される第1のフレーム構成要素110は、(図1図10及び図11に示されるような)第1のフレーム構成要素110及び/又は第2のフレーム構成要素120であってもよい。第1のフレーム構成要素110は、1つ以上のワイヤを含んでもよい。1つ以上のワイヤは、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及び中間部分(例えば、図1に示される係合セクション)を形成することができる。膜は、第1のフレーム構成要素及び第2のフレーム構成要素を被覆することができる。他の場合では、中間部分は、第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120との間に配置されており、それらを接続しているグラフト材料を含んでもよい。第1のフレーム構成要素110は、中間部分の第1の側に配置されてもよく、第2のフレーム構成要素120は、中間部分の第2の側に配置されてもよい。
【0073】
第1のフレーム構成要素110は、複数の接触機構240を含むことができ、図7では、説明を容易にするためにそのうちの1つが強調されている。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120とを含む場合、第1のフレーム構成要素110の接触機構240は複数の第1の接触機構240であってもよく、第2のフレーム構成要素120の接触機構240は複数の第2の接触機構240であってもよい。接触機構240は、場合によっては、複数の外側頂点242と、複数の接触機構240の各々の間に配置された複数の内側頂点244を含んでもよい。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120を含む場合、第1のフレーム構成要素110の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第1の外側頂点242及び複数の内側頂点244であってもよく、第2のフレーム構成要素120の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第2の外側頂点242及び複数の第2の内側頂点244であってもよい。
【0074】
場合によっては、第1のフレーム構成要素110を形成する1つ以上のワイヤの部分は、接続されていない第2のフレーム構成要素120を形成する1つ以上のワイヤの部分から分離される。加えて、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120は、中間部分(例えば、図1図10及び図11に示されるような)によって分離されてもよい。中間部分は、ワイヤの部分によって、及び/又は第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120との間に配置され、それらを接続しているグラフト材料によって形成されてもよい。
【0075】
図8は、一実施形態によるアンカー400を含む別の例示的な植込み型医療機器である。アンカー400は、ポンプ、リード、又は患者内に固定することができる他のタイプの医療機器を固定することができる。図8に示される第1のフレーム構成要素110は、(図1図10及び図11に示されるような)第1のフレーム構成要素110及び/又は第2のフレーム構成要素120であってもよい。第1のフレーム構成要素110は、1つ以上のワイヤを含んでもよい。1つ以上のワイヤは、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及び中間部分(例えば、図1に示される係合セクション)を形成することができる。他の場合では、中間部分は、第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120との間に配置されており、それらを接続しているグラフト材料を含んでもよい。第1のフレーム構成要素110は、中間部分の第1の側に配置されてもよく、第2のフレーム構成要素120は、中間部分の第2の側に配置されてもよい。
【0076】
第1のフレーム構成要素110は、複数の接触機構240を含むことができ、図8では、説明を容易にするためにそのうちの1つが強調されている。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120とを含む場合、第1のフレーム構成要素110の接触機構240は複数の第1の接触機構240であってもよく、第2のフレーム構成要素120の接触機構240は複数の第2の接触機構240であってもよい。接触機構240は、場合によっては、複数の外側頂点242と、複数の接触機構240の各々の間に配置された複数の内側頂点244を含んでもよい。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120を含む場合、第1のフレーム構成要素110の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第1の外側頂点242及び複数の内側頂点244であってもよく、第2のフレーム構成要素120の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第2の外側頂点242及び複数の第2の内側頂点244であってもよい。
【0077】
場合によっては、第1のフレーム構成要素110を形成する1つ以上のワイヤの部分は、接続されていない第2のフレーム構成要素120を形成する1つ以上のワイヤの部分から分離される。例えば、1つ以上のワイヤは、第1のフレーム構成要素110内で植込み型医療機器500に接続するように構成された複数の第1の内側頂点244の間に延びる境界を形成する第1のセクション854を形成してもよい。第2のフレーム構成要素120はまた、第2のフレーム構成要素120内で植込み型医療機器500に接続するように構成されてもよい1つ以上のワイヤの部分によって形成された第2のセクション854を含んでもよい。場合によっては、第1の内側係合セクション854及び/又は第2の内側係合セクション854は、固定される医療機器の外形に適合するように、略円形又は他の形状を有してもよい。第1のセクション854及び/又は第2のセクション854は、固定されるとき、植込み型医療機器500の回転自由度を制限するように構成されてもよい。
【0078】
図9は、一実施形態による、医療機器用の別の例示的な植込み型アンカーである。アンカー400は、ポンプ、リード、又は患者内に固定することができる他のタイプの医療機器を固定することができる。図9に示される第1のフレーム構成要素110は、(図1図10及び図11に示されるような)第1のフレーム構成要素110及び/又は第2のフレーム構成要素120であってもよい。第1のフレーム構成要素110は、1つ以上のワイヤを含んでもよい。1つ以上のワイヤは、第1のフレーム構成要素110、第2のフレーム構成要素120、及び中間部分(例えば、図1に示される中間セクション130)を形成することができる。他の場合では、中間部分は、第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120との間に配置されており、それらを接続しているグラフト材料を含んでもよい。第1のフレーム構成要素110は、中間部分の第1の側に配置されてもよく、第2のフレーム構成要素120は、中間部分の第2の側に配置されてもよい。
【0079】
第1のフレーム構成要素110は、複数の接触機構240を含むことができ、図9では、説明を容易にするためにそのうちの1つが強調されている。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120とを含む場合、第1のフレーム構成要素110の接触機構240は複数の第1の接触機構240であってもよく、第2のフレーム構成要素120の接触機構240は複数の第2の接触機構240であってもよい。接触機構240は、場合によっては、複数の外側頂点242と、複数の接触機構240の各々の間に配置された複数の内側頂点244を含んでもよい。植込み型機器が第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120を含む場合、第1のフレーム構成要素110の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第1の外側頂点242及び複数の内側頂点244であってもよく、第2のフレーム構成要素120の複数の外側頂点242及び複数の内側頂点244は、複数の第2の外側頂点242及び複数の第2の内側頂点244であってもよい。
【0080】
場合によっては、第1のフレーム構成要素110を形成する1つ以上のワイヤの部分は、接続されていない第2のフレーム構成要素120を形成する1つ以上のワイヤの部分から分離される。加えて、1つ以上のワイヤはまた、複数の第1の内側頂点244の間に延びる境界を形成する、第1のセクション854を形成してもよい。第2のフレーム構成要素120はまた、1つ以上のワイヤの部分によって形成された第2のセクション854を含んでもよい。第1のセクション854及び/又は第2のセクション854は、植込み型医療機器と関連付けられるように構成されてもよい。場合によっては、第1のセクション854及び/又は第2のセクション854は、略多角形の形状を有してもよい。
【0081】
図10及び図11は、アンカーが付勢されていない状態又は非拘束状態にあるときに、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120が湾曲している(例えば、凸状に湾曲している)か、又は他の方法で互いに向かって湾曲している構成を示す。図10は、この機構の概略図であり、図11は、そのように構成されたアンカー400の一例を示す。場合によっては、第1のフレーム構成要素110及び第2のフレーム構成要素120は、中間セクション130に対して内向きに湾曲している。湾曲したフレーム構成要素110,120は、標的組織の位置との向上した接触を容易にし、植込み型医療機器500の性能を妨げる可能性がある湾曲したフレーム構成要素110,120に沿った閉塞性組織成長の機会を減少させ、かつ/又は血栓形成などの他の有害な影響を低減若しくは回避することができる。いくつかの例では、アンカーフレーム構成要素110,120の湾曲は、挟まれた身体構造(例えば、組織)に対して並置を強化し、接触機構240と挟まれた構造との間の望ましくない間隔を伴わずに(例えば、アンカー400の「コーニング」又は「テンティング」を伴わずに)、外側頂点242のより良好な潜在的接触を提供する。いくつかの例では、湾曲したフレーム構成要素110,120は、アンカー400が非拘束状態にあるときに、複数の第1の外側頂点242及び複数の第2の外側頂点242が互いに向かって角度が付いているように構成されている。
【0082】
図12は、様々な実施形態によるアンカー400のさらに別の構成を示す。示されるように、アンカー400は、閉じたワイヤループの形態で複数の接触機構240を画定する少なくとも1つのワイヤ350を含み、ワイヤループは、内側頂点244で重なり合うことによって閉じる。第1のフレーム構成要素110のみが図12に見られるが、第2のフレーム構成要素120は、実質的に同じ構成を有してもよく、又はサイズ若しくは形状、あるいは配向(例えば、第1のフレーム構成要素110から回転オフセットされることによって)のいずれかが異なってもよい。接触機構240は、複数の外側頂点242を画定する。接触機構240の内側頂点244の各々は、内側頂点244のうちの2つの隣接するものに接続されている。示されるように、それらは、複数の外側頂点242の各々の間に延びる線形のセクション246によって接続されている。この複数の線形のセクション246は、図示のように、植込み型医療機器500に関連付けられた中間セクション130を画定することができる。また、示されるように、接触機構240によって画定される閉じたワイヤループは、外側に位置決めされ、内側頂点244の外側で互いに重なり合わず、中間セクション130の内側でも重なり合わない。換言すれば、複数の接触機構240は、アンカー400の中心長手方向軸の周りに配置された複数の重なり合わない閉じたループを画定し、重なり合わない閉じたループの各々は、複数の線形のセクション246によって閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続されている。
【0083】
上記を考慮して、図12の設計によるアンカー400は、複数の第1の接触機構240の各々の間に配置された複数の第1の外側頂点242及び複数の第1の内側頂点244を含む複数の第1の接触機構240を含む第1のフレーム構成要素110を含んでもよい。第1のフレーム構成要素110は、複数の第1の接触機構240を形成する1つ以上の巻かれたワイヤ350を含んでもよく、複数の第1の接触機構は、複数の第1の内側頂点244の各々の間に複数の線形のセクション246を含んでもよい。複数の第1の接触機構240は、アンカーの中心長手方向軸の周りに配置された複数の第1の閉じたループを形成してもよく、重なり合わない第1の閉じたループの各々は、複数の第1の線形のセクション246によって第1の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続される。
【0084】
第2のフレーム構成要素120は、同様に構成されてもよく、1つ以上の巻かれたワイヤ350は、第2の内側頂点244の各々の間に第2の線形のセクション356を含む複数の第2の接触機構240を形成し、複数の第2の接触機構240は、アンカーの中心長手方向軸の周りに配置された複数の第2の閉じたループを形成し、重なり合わない第2の閉じたループの各々は、複数の第2の線形のセクション246によって第2の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続される。
【0085】
また、前述したように、複数の第1の線形のセクション246(及び/又は複数の第2の線形のセクション246)は、第1のフレーム構成要素110と第2のフレーム構成要素120との間に中間領域130を画定することができる。
【0086】
本明細書で論じる膜材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマー又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)ポリマーなどのフルオロポリマーを含むことができる。いくつかの場合では、膜材料は、限定ではないが、ポリエステル、シリコーン、ウレタン、ポリエチレンテレフタレート、若しくは別の生体適合性ポリマー、又はそれらの組み合わせなどで形成されてもよい。いくつかの場合では、生体吸収型材料又は生体吸収性材料、例えば、生体吸収型ポリマー又は生体吸収性ポリマーが使用されてもよい。いくつかの場合では、膜材料は、ダクロン、ポリオレフィン、カルボキシメチルセルロース織物、ポリウレタン、又は他の織布、不織布、若しくはフィルムエラストマーを含むことができる。
【0087】
加えて、ニチノール(NiTi)は、フレーム(及び本明細書で論じるフレームのうちのいずれか)の材料として使用されてもよいが、限定ではないが、ステンレス鋼、L605鋼、ポリマー、MP35N鋼、ポリマー材料、Pyhnox、Elgiloy、又は任意の他の適切な生体適合性材料、及びそれらの組み合わせなどの他の材料が、フレームの材料として使用されることができる。NiTiの超弾性特性及び柔軟性は、フレーム要素の適合性を高めることができる。加えて、NiTiは、所望の形状に形状設定することができる。すなわち、NiTiは、フレームが送達システムから展開されるときなど、フレームが拘束されていないとき、フレームが所望の形状に自己拡張する傾向があるように形状設定されることができる。
【0088】
本出願の発明は、一般的なものと、具体的な実施形態に関するものの両方について上述した。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な修正及び変形を行うことができることが当業者には明らかであろう。それゆえ、本実施形態は、説明される本発明の修正及び変形が、添付の特許請求の範囲、及びそれらの均等物の範囲内に収まるのであれば、そのような修正及び変形を包含するものであることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型医療機器用のアンカーであって、前記アンカーは、
1つ以上のワイヤであって、
複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された少なくとも1つの第1の内側頂点と、を画定する前記複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素と、
複数の第2の外側頂点と、複数の第2の接触機構の各々の間に配置された少なくとも1つの第2の内側頂点と、を画定する前記複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素と、を形成するように配置され、
前記複数の第1の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状を有し、前記複数の第2の接触機構の各々が略ダイヤモンドの形状を有するように、前記複数の第1の外側頂点の各々の間に実質的に線形のセクションと、前記複数の第2の外側頂点の各々の間に実質的に線形のセクションと、を含む、1つ以上のワイヤを備える、アンカー。
【請求項2】
前記複数の第1の接触機構は奇数個の接触機構を含み、前記複数の第2の接触機構は奇数個の接触機構を含む、請求項1に記載のアンカー。
【請求項3】
前記複数の第1の接触機構は5つの接触機構を含み、前記複数の第2の接触機構は5つの接触機構を含む、請求項2に記載のアンカー。
【請求項4】
前記複数の第1の接触機構及び前記複数の第2の接触機構は、前記複数の第1の接触機構及び前記複数の第2の接触機構が前記アンカーの中心長手方向軸の周りで互いに角度的に位置合わせされるように、互いの反対側に位置決めされる、請求項2又は3に記載のアンカー。
【請求項5】
前記複数の第1の接触機構の各々の前記少なくとも1つの第1の内側頂点は、前記アンカーの中心長手方向軸に隣接し、かつ該中心長手方向軸の周りに間隔を空けて配置されており、前記複数の第2の接触機構の各々の少なくとも1つの第2の内側頂点は、前記アンカーの前記中心長手方向軸に隣接し、かつ前記中心長手方向軸の周りに間隔を空けて配置されている、請求項1又は2に記載のアンカー。
【請求項6】
前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、前記1つ以上のワイヤの少なくとも1つの巻きによって接続されている、請求項1又は2に記載のアンカー。
【請求項7】
前記アンカーが、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間に延びている中間部分をさらに備える、請求項1又は2に記載のアンカー。
【請求項8】
前記1つ以上のワイヤは、前記複数の第1の接触機構、前記中間部分、及び前記複数の第2の接触機構を形成する少なくとも1つのワイヤを含む、請求項7に記載のアンカー。
【請求項9】
前記中間部分は、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素とを連結している膜を含む、請求項7に記載のアンカー。
【請求項10】
前記アンカーが非拘束状態にあるときに前記複数の第1の外側頂点及び前記複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している、請求項1又は2に記載のアンカー。
【請求項11】
前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素を形成する前記1つ以上のワイヤによって画定される、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素の膜範囲領域をさらに備える、請求項1又は2に記載のアンカー。
【請求項12】
ワイヤであって、
中間セクションと、
前記中間部分の第1の側に配置され、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素と、
前記中間部分の第2の側に配置され、各々が略ダイヤモンドの形状の部分を有する複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素と、を形成するワイヤを含むアンカーを備える、植込み型医療システム。
【請求項13】
前記アンカーが非拘束状態にあるときに前記複数の第1の外側頂点及び前記複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している、請求項12に記載の植込み型医療システム。
【請求項14】
前記ワイヤは、前記第1のフレーム構成要素、前記第2のフレーム構成要素、及び前記中間部分を形成する連続的な巻きパターンを含む、請求項13に記載の植込み型医療システム。
【請求項15】
前記第1のフレーム構成要素は、湾曲を有する複数の第1の外側頂点と、前記複数の第1の接触機構の各々の間に配置された湾曲を有する少なくとも1つの第1の内側頂点とを含み、前記第2のフレーム構成要素は、湾曲を有する複数の第2の外側頂点と、前記複数の第2の接触機構の各々の間に配置された湾曲を有する少なくとも1つの第2の内側頂点とを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の植込み型医療システム。
【請求項16】
植込み型医療機器を患者内に固定するためのアンカーであって、前記アンカーは、前記アンカーのフレームを形成する1つ以上のワイヤを含み、前記アンカーは、
複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された複数の第1の内側頂点と、を含む前記複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素であって、前記第1のフレーム構成要素が前記複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、前記複数の第1の接触機構が前記複数の第1の外側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、前記複数の第1の接触機構の各々がダイヤモンドの形状に近似する部分を有する、第1のフレーム構成要素と、
前記第1のフレーム構成要素の反対側に配置され、複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素であって、前記複数の第2の接触機構は、複数の第2の外側頂点と、前記複数の第2の接触機構の各々の間に配置された複数の第2の内側頂点と、を含む、第2のフレーム構成要素と、を備えるアンカー。
【請求項17】
前記1つ以上のワイヤは、巻かれたワイヤであり、前記1つ以上のワイヤの巻線は、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素を形成する、請求項16に記載のアンカー。
【請求項18】
前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間にあり、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素とを接続している中間部分をさらに備え、前記中間部分が、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間に配置され、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素とを接続している膜材料を含む、請求項16又は17に記載のアンカー。
【請求項19】
1つ以上のワイヤが前記第1のフレーム構成要素を形成し、1つ以上のワイヤが前記第2のフレーム構成要素を形成し、前記第1のフレーム構成要素を形成する前記1つ以上のワイヤが、前記第2のフレーム構成要素を形成する前記1つ以上のワイヤから分離している、請求項18に記載のアンカー。
【請求項20】
前記中間部分には、いかなるワイヤもない、請求項18に記載のアンカー。
【請求項21】
前記アンカーが非拘束状態にあるときに前記複数の第1の外側頂点及び前記複数の第2の外側頂点が互いに向かって角度が付いているように、前記第1のフレーム構成要素及び前記第2のフレーム構成要素は、互いに向かって内向きに湾曲している、請求項16又は17に記載のアンカー。
【請求項22】
植込み型医療機器を固定するためのシステムであって、前記システムは、
アンカーであって、
複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素と、
複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素であって、前記第1のフレーム構成要素の反対側に位置決めされている、第2のフレーム構成要素と、
前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間の長手方向間隔が調整可能であるように、前記第1のフレーム構成要素を前記第2のフレーム構成要素に接続している中間部分であって、巻きを含む中間部分と、を含むアンカー、を備えるシステム。
【請求項23】
植込み型医療機器を患者内に固定するためのアンカーであって、前記アンカーは、前記アンカーのフレームを形成する1つ以上のワイヤを含み、前記アンカーは、
複数の第1の外側頂点と、複数の第1の接触機構の各々の間に配置された複数の第1の内側頂点と、を含む前記複数の第1の接触機構を含む第1のフレーム構成要素であって、前記第1のフレーム構成要素が前記複数の第1の接触機構を形成する1つ以上の巻かれたワイヤを含み、前記複数の第1の接触機構が前記複数の第1の内側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、前記複数の第1の接触機構は、前記アンカーの中心長手方向軸の周りに配置された複数の第1の閉じたループを形成し、重なり合わない前記第1の閉じたループの各々は、複数の第1の線形のセクションによって前記第1の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続されている、第1のフレーム構成要素と、
前記第1のフレーム構成要素の反対側に配置され、複数の第2の接触機構を含む第2のフレーム構成要素であって、前記複数の第2の接触機構は、複数の第2の外側頂点と、前記複数の第2の接触機構の各々の間に配置された複数の第2の内側頂点と、を含む第2のフレーム構成要素と、を備えるアンカー。
【請求項24】
前記複数の第2の接触機構を形成する前記1つ以上の巻かれたワイヤ及び前記複数の第2の接触機構は、前記複数の第2の内側頂点の各々の間に線形のセクションを含み、前記複数の第2の接触機構は、前記アンカーの前記中心長手方向軸の周りに配置された複数の第2の閉じたループを形成し、重なり合わない前記第2の閉じたループの各々は、複数の第2の線形のセクションによって前記第2の閉じたループのうちの2つの隣接する閉じたループに接続されている、請求項23に記載のアンカー。
【請求項25】
前記複数の第1の線形のセクションは、前記第1のフレーム構成要素と前記第2のフレーム構成要素との間に位置決めされる中間領域を画定する、請求項23又は24に記載のアンカー。
【国際調査報告】