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特表2024-530295ビアリールYAP/TAZ-TEADタンパク質間相互作用阻害剤の結晶形態
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ビアリールYAP/TAZ-TEADタンパク質間相互作用阻害剤の結晶形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/84 20060101AFI20240808BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240808BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240808BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
C07D307/84 CSP
A61P43/00 111
A61P35/00
A61K31/343
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513078
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2022058131
(87)【国際公開番号】W WO2023031799
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/115963
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ボ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ルニャン
(72)【発明者】
【氏名】ムッツ,ミシャル
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,リナ
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ,インコン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA06
4C086GA14
4C086GA15
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、概して、ビアリールYAP/TAZ-TEADタンパク質間相互作用阻害剤、4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド及び2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド並びにその塩の結晶多形形態と、癌の治療においてその形態を使用する方法とに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド(化合物B)又はその薬学的に許容される溶媒和物及び/若しくは塩の結晶形態。
【請求項2】
4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド(化合物A)又はその薬学的に許容される溶媒和物及び/若しくは塩の結晶形態。
【請求項3】
前記化合物Bは、コハク酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項4】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも13.26°±0.2°、16.99°±0.2°、19.92°±0.2°及び26.66°±0.2°における前記ピークを含む、請求項3に記載の結晶形態。
【表1】
【請求項5】
ほぼ室温において、図1に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項3又は4に記載の結晶形態。
【請求項6】
図2に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項3~5のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項7】
図3に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項3~6のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項8】
前記化合物Bは、リンゴ酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項9】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個以上、例えば14個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも13.86°±0.2°、16.91°±0.2°、19.63°±0.2°及び23.52°±0.2°における前記ピークを含む、請求項8に記載の結晶形態。
【表2】
【請求項10】
ほぼ室温において、図4に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項8又は9に記載の結晶形態。
【請求項11】
図5に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項8~10のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項12】
図6に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項8~11のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項13】
前記化合物Bは、乳酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項14】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも10.50°±0.2°、13.37°±0.2°、18.07°±0.2°及び22.41°±0.2°における前記ピークを含む、請求項13に記載の結晶形態。
【表3】
【請求項15】
ほぼ室温において、図7に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項13又は14に記載の結晶形態。
【請求項16】
図8に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項13~15のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項17】
図9に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項13~16のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項18】
前記化合物Bは、安息香酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項19】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも5.47°±0.2°、10.92°±0.2°、12.24°±0.2°及び21.87°±0.2°における前記ピークを含む、請求項18に記載の結晶形態。
【表4】
【請求項20】
ほぼ室温において、図10に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項18又は19に記載の結晶形態。
【請求項21】
図11に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項18~20のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項22】
図12に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項18~21のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項23】
前記化合物Bは、グルタミン酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項24】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも13.33°±0.2°、14.96°±0.2°、20.02°±0.2°及び26.77°±0.2°における前記ピークを含む、請求項23に記載の結晶形態。
【表5】
【請求項25】
ほぼ室温において、図13に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項23又は24に記載の結晶形態。
【請求項26】
図14に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項23~25のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項27】
図15に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項23~26のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項28】
前記化合物Bは、マレイン酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項29】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも12.80°±0.2°、14.57°±0.2°、16.11°±0.2°及び17.71°±0.2°における前記ピークを含む、請求項28に記載の結晶形態。
【表6】
【請求項30】
ほぼ室温において、図16に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項28又は29に記載の結晶形態。
【請求項31】
図17に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項28~30のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項32】
図18に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項28~31のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項33】
前記化合物Bは、マロン酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項34】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも9.68°±0.2°、13.90°±0.2°、21.20°±0.2°及び21.94°±0.2°における前記ピークを含む、請求項33に記載の結晶形態。
【表7】
【請求項35】
ほぼ室温において、図19に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項33又は34に記載の結晶形態。
【請求項36】
図20に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項33~35のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項37】
図21に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項33~36のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項38】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも12.25°±0.2°、17.91°±0.2°、19.28°±0.2°及び24.08°±0.2°における前記ピークを含む、請求項33に記載の結晶形態。
【表8】
【請求項39】
ほぼ室温において、図22に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項33又は38に記載の結晶形態。
【請求項40】
図23に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項33、38又は39のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項41】
図24に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項33又は38~40のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項42】
前記化合物Bは、メシル酸塩の形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項43】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも13.76°±0.2°、15.78°±0.2°、16.46°±0.2°及び18.18°±0.2°における前記ピークを含む、請求項42に記載の結晶形態。
【表9】
【請求項44】
ほぼ室温において、図25に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項42又は43に記載の結晶形態。
【請求項45】
図26に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項42~44のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項46】
図27に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項42~45のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項47】
前記化合物Bは、遊離形態である、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項48】
前記化合物Bは、化合物Bの遊離形態である2-メチル-2-ブタノール溶媒和物の形態である、請求項47に記載の結晶形態。
【請求項49】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも5.58°±0.2°、9.66°±0.2°、15.56°±0.2°及び19.44°±0.2°における前記ピークを含む、請求項47又は48に記載の結晶形態。
【表10】
【請求項50】
ほぼ室温において、図28に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項47~49のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項51】
図29に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項47~50のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項52】
図30に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項47~51のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項53】
前記化合物Aは、遊離形態の化合物A又はその溶媒和物である、請求項2に記載の結晶形態。
【請求項54】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個全ての2θ値)を含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも7.00°±0.2°、9.21°±0.2°、10.98°±0.2°及び21.80°±0.2°におけるピークを含む、請求項53に記載の結晶形態。
【表11】
【請求項55】
ほぼ室温において、図31に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項53又は54に記載の結晶形態。
【請求項56】
前記化合物Aは、遊離形態の化合物Aの溶媒和物である、実施形態53~55のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項57】
図32に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項53~56のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項58】
図33に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項53~57のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項59】
前記化合物Aは、4-ヒドロキシ安息香酸塩の形態である、請求項2に記載の結晶形態。
【請求項60】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個全ての2θ値)を含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも10.98°±0.2°、11.78°±0.2°、16.79°±0.2°及び20.00°±0.2°におけるピークを含む、請求項59に記載の結晶形態。
【表12】
【請求項61】
ほぼ室温において、図34に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項59又は60に記載の結晶形態。
【請求項62】
図35に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項59~61のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項63】
図36に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項59~62のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項64】
前記化合物Aは、3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩の形態である、請求項2に記載の結晶形態。
【請求項65】
以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個全ての2θ値)を含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、前記X線粉末回折パターンは、少なくとも10.48°±0.2°、約11.75°±0.2°、16.27°±0.2°及び19.70°±0.2°におけるピークを含む、請求項64に記載の結晶形態。
【表13】
【請求項66】
ほぼ室温において、図37に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、請求項64又は65に記載の結晶形態。
【請求項67】
図38に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項64~66のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項68】
図39に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、請求項64~67のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項69】
請求項1~68のいずれか一項に記載の結晶形態及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項70】
医薬として使用するための、請求項1~68のいずれか一項に記載の結晶形態又は請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項71】
請求項1~68のいずれか一項に記載の結晶形態及び1つ以上の治療的活性剤を含む組み合わせ。
【請求項72】
YAP過剰発現、及び/又はYAP増幅、及び/又はYAP/TAZ-TEAD相互作用によって媒介される疾患又は病態の治療に使用するための;或いは(i)1つ以上のYAP/TAZ融合体;(ii)1つ以上のNF2/LATS1/LATS2切断変異若しくは欠失;又は(iii)1つ以上の機能的なYAP/TAZ融合体を有する癌又は腫瘍の治療に使用するための、請求項1~68のいずれか一項に記載の結晶形態又は請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項73】
YAP過剰発現、及び/又はYAP増幅、及び/又はYAP/TAZ-TEAD相互作用によって媒介される疾患又は病態を治療する方法、或いは(i)1つ以上のYAP/TAZ融合体;(ii)1つ以上のNF2/LATS1/LATS2切断変異若しくは欠失;又は(iii)1つ以上の機能的なYAP/TAZ融合体を有する癌又は腫瘍を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の、請求項1~68のいずれか一項に記載の結晶形態;又は請求項69に記載の医薬組成物;又は請求項71に記載の組み合わせを投与することを含む方法。
【請求項74】
癌の治療に使用するためのものであり、好ましくは、前記癌は、中皮腫(胸膜中皮腫、悪性胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫及び精巣鞘膜の中皮腫を含む)、癌腫(子宮頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、食道扁平上皮癌、食道腺癌、膀胱の尿路上皮癌及び皮膚の扁平上皮癌を含む)、炎症性硬結(良性型炎症性硬結)、汗孔癌(悪性汗孔癌を含む)、テント上上衣腫(小児テント上上衣腫を含む)、類上皮血管内皮腫(EHE)、上衣腫瘍、固形腫瘍、乳癌(三種陰性乳癌を含む)、肺癌(非小細胞肺癌を含む)、卵巣癌、結腸直腸癌(結腸直腸癌腫を含む)、黒色腫、膵臓癌(膵臓腺癌を含む)、前立腺癌、胃癌、食道癌、肝臓癌(肝細胞癌、胆管細胞癌及び肝芽腫を含む)、神経芽細胞腫、シュワン腫、腎臓癌、肉腫(横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫(ERMS)、骨肉腫、未分化多形性肉腫(UPS)、カポジ肉腫、軟部肉腫及び希少軟部肉腫を含む)、骨癌、脳腫瘍、髄芽腫、神経膠腫、髄膜腫及び頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含む)から選択される癌又は腫瘍から選択される、請求項1~68のいずれか一項に記載の結晶形態又は請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項75】
前記癌、腫瘍、疾患又は病態は、中皮腫(胸膜中皮腫、悪性胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫及び精巣鞘膜の中皮腫を含む)、癌腫(子宮頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、食道扁平上皮癌、食道腺癌、膀胱の尿路上皮癌及び皮膚の扁平上皮癌を含む)、炎症性硬結(良性型炎症性硬結)、汗孔癌(悪性汗孔癌を含む)、テント上上衣腫(小児テント上上衣腫を含む)、類上皮血管内皮腫(EHE)、上衣腫瘍、固形腫瘍、乳癌(三種陰性乳癌を含む)、肺癌(非小細胞肺癌を含む)、卵巣癌、結腸直腸癌(結腸直腸癌腫を含む)、黒色腫、膵臓癌(膵臓腺癌を含む)、前立腺癌、胃癌、食道癌、肝臓癌(肝細胞癌、胆管細胞癌及び肝芽腫を含む)、神経芽細胞腫、シュワン腫、腎臓癌、肉腫(横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫(ERMS)、骨肉腫、未分化多形性肉腫(UPS)、カポジ肉腫、軟部肉腫及び希少軟部肉腫を含む)、骨癌、脳腫瘍、髄芽腫、神経膠腫、髄膜腫及び頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含む)から選択される、請求項73に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ビアリールYAP/TAZ-TEADタンパク質間相互作用阻害剤、4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド及び2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド並びにその塩の結晶多形形態と、癌の治療においてその形態を使用する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
正常な組織増殖並びに組織の修復及び再構築には、特別な制御と、調節された転写活性とのバランスが必要とされる。転写出力は、いくつかの重要なシグナル伝達モジュールを通して調整されるが、その1つがHippo経路である。ショウジョウバエ(Drosophila)及び哺乳動物における遺伝学的研究により、転写共活性化因子YAP及びTAZ(公式の遺伝子名:WWTR1)を阻害するMst1/2及びLats1/2キナーゼで構成されている、保存されたコアシグナル伝達カセットが明らかにされた。
【0003】
活性化されたHippo経路により、YAP及びTAZがリン酸化し、細胞質で捕捉/分解するように変換される。Hippo経路が不活性化されると、YAP及びTAZは、核に移動し、転写因子、すなわちTEADファミリーのメンバー(TEAD1~4)と会合する。YAP/TAZ-TEAD複合体は、次に、細胞増殖、細胞死及び細胞分化に関与する下流遺伝子の転写を促進する。YAP及びTAZは、いくつかの他の因子と相互作用することもできるが、TEADは、増殖促進並びにYAP及びTAZの腫瘍形成能の重要なメディエーターになることが一般に認められる(Yu et al.,2015;Holden and Cunningham,2018で概説されている経路)。
【0004】
そのため、YAP及び/又はTAZの過剰活性化(及びその後のYAP/TAZ-TEAD転写複合体の過剰活性化)は、一般に、いくつかのヒト癌で観察される。これは、乳房、肺(例えば、非小細胞;NSCLC)、卵巣、結腸直腸、膵臓、前立腺、胃、食道、肝臓及び骨(肉腫)を含む多くの腫瘍における上昇したYAP/TAZのレベル及び核局在化によって証明される(Steinhardt et al.,2008;Harvey et al.,2013;Moroishi et al.,2015;Zanconato et al.,2016及びその中の参考文献で広範に概説されている)。
【0005】
中心的なHippo経路の構成要素の遺伝的改変は、これまで一次試料において限定された頻度で検出されているが、NF2又はLats1/2における不活性化変異と関連し、且つYAP/TEAD過剰活性化と関連する最も顕著な癌悪性腫瘍は、悪性胸膜中皮腫(MPM)である(Sekido,2018で概説されている)。同様に、いくつかのヒト腫瘍は、11p22.1座位のYAP(例えば、肝細胞癌、髄芽腫、食道扁平上皮癌)、3q25.1座位のTAZ(WWTR1)(例えば、横紋筋肉腫、三種陰性乳癌)又はYAP若しくはTAZを含む遺伝子融合(類上皮血管内皮腫、上衣腫瘍)の増幅によって特徴付けられる(Yu et al.,2015及びその中の参考文献で概説されている)。MPMの場合と同様に、そのような腫瘍もその上昇したYAP/TAZ-TEAD活性に依存すると予測される。
【0006】
Hippo経路の最も遠位にあるエフェクターノードとしてのYAP/TAZ-TEAD PPIを妨害することにより、この複合体の発癌能が消失すると予測される。
【0007】
注目すべきことに、活性化されたYAP/TAZ-TEADを有する腫瘍細胞は、化学療法薬に対する抵抗性を示すが、これは、場合により癌幹細胞様特性を付与するYAP/TAZに関連する。更に、YAP/TAZ-TEADの活性化は、様々な遺伝学的及び薬理学的スクリーニングの結果から報告されるとおり、BRAF、MEK又はEGFR阻害剤などの分子標的療法に対する抵抗性も付与する(Kapoor et al.,2014;Shao et al.,2014;Lin et al.,2015)。これは、同様に、YAP/TAZ-TEAD活性を阻害する(他の癌治療と並行して又は連続的に)ことにより、他の治療に対する腫瘍抵抗性の発達を低減することによって有利な治療上の影響を提供し得ることを示唆している。
【0008】
上記の多形形態によるPPIの妨害におけるYAP/TAZ-TEAD活性の阻害も免疫監視からの腫瘍の回避を鈍化させ得る。これは、例えば、T細胞を抑制する骨髄細胞の動員を生じさせるケモカインCXCL5の発現を促進するYAPに関して報告されたデータによって証明されている(Wang et al.,2016)。Treg(制御性T細胞)におけるYAPもアクチビンシグナル伝達及びTreg機能を介してFOXP3発現を補助することが実証されている。したがって、YAPを欠損することにより、抗腫瘍免疫をもはや抑制することが不可能な機能障害性のTregがもたらされる。したがって、YAP/TEAD活性を選択的に阻害することは、Treg機能を阻止することによる抗腫瘍免疫の増強に寄与し得る(Ni et al.,2018)。近年の文献でも、YAPがPD-L1発現を上方制御し、この機構により、例えばBRAF阻害剤抵抗性黒色腫細胞における細胞傷害性T細胞免疫応答の回避を直接的に媒介することが示唆されている(Kim et al.,2018)。
【0009】
例えば、以下を参照されたい。
Yu,F-X.,Zhao,B.and Guan,K.-L.(2015).Hippo pathway in organ size control,tissue homeostasis,and cancer.Cell,163,811-828.
Holden,J.K.and Cunningham,C.N.(2018).Targeting the Hippo pathway and cancer through the TEAD family of transcription factors.Cancers(Basel),10,E81.
Steinhardt,A.A.,Gayyed,M.F.,Klein,A.P.,Dong,J.,Maitra,A.,Pan,D.,Montgomery,E.A.,Anders,R.A.(2008).Expression of Yes-associated protein in common solid tumors.Hum.Pathol.,39,1582-1589.
Harvey,K.F.,Zhang,X.,and Thomas,D.M.(2013).The Hippo pathway and human cancer.Nat.Rev.Cancer,13,246-257.
Moroishi,T.,Hansen,C.G.,and Guan,K.-L.(2015).Nat.Rev.Cancer,15,73-79.
Zanconato,F.,Cordenonsi,M.,and Piccolo,S.(2016).YAP/TAZ at the roots of cancer.Cancer Cell,29,783-803.
Sekido,Y.(2018).Cancers(Basel),10,E90.
Kapoor,A.,Yao,W.,Ying,H.,Hua,S.,Liewen,A.,Wang,Q.,Zhong,Y.,Wu,C.J.,Sadanandam,A.,Hu,B.et al.(2014).Yap1 activation enables bypass of oncogenic Kras addiction in pancreatic cancer.Cell,158,185-197.
Shao,D.D.,Xue,W.,Krall,E.B.,Bhutkar,A.,Piccioni,F.,Wang,X.,Schinzel,A.C.,Sood,S.,Rosenbluh,J.,Kim,J.W.,et al.(2014).KRAS and YAP1 converge to regulate EMT and tumor survival.Cell,158,171-184.
Lin,L.,Sabnis,A.J.,Chan,E.,Olivas,V.,Cade,L.,Pazarentzos,E.,Asthana,S.,Neel,D.,Yan,J.J.,Lu,X.et al.(2015).The Hippo effector YAP promotes resistance to RAF- and MEK-targeted cancer therapies.Nat.Genet.,47,250-256.
Wang,G.,Lu,X.,Dey,P.,Deng,P.,Wu,C.C.,Jiang,S.,Fang,Z.,Zhao,K.,Konaprathi,R.,Hua,S.,et al.(2016).Cancer Discov.,6,80-95.
Ni,X.,Tao,J.,Barbi,J.,Chen,Q.,Park B.V.,Li,Z.,Zhang,N.,Lebid,A.,Ramaswamy,A.,Wei,P.,et al.(2018).YAP is essential for Treg-mediated suppression of antitumor immunity.Cancer Discov.,8,1026-1043.
Kim,M.H.,Kim,C.G.,Kim,S.K.,Shin,S.J.,Choe,E.A.,Park,S.H.,Shin,E.C.,and Kim,J.(2018).Cancer Immunol Res.,6,255-266.
【0010】
特定の薬物の活性医薬成分(API)の固体状態の形態は、多くの場合、その薬物の調製の容易さ、吸湿性、安定性、溶解性、貯蔵安定性、製剤化の容易さ、胃腸液中での溶解率及びインビボでのバイオアベイラビリティの重要な決定因子である。結晶形態は、同じ組成の物質が異なる格子配列で結晶化することで生じ、その結果、特定の結晶形態に特有の異なる熱力学的特性及び安定性がもたらされる。結晶形態は、同じ化合物の異なる水和物又は溶媒和物も含み得る。いずれの形態が好ましいかを決定するには、形態の多数の特性を比較し、多くの物理的特性変数に基づいて好ましい形態を選択する。調製の容易さ、安定性などの特定の態様が重要視されるいくつかの状況では、ある形態が好ましい可能性があることが十分にあり得る。他の状況では、より高い溶解率及び/又はより優れたバイオアベイラビリティのために別の形態が好ましい場合がある。
【0011】
したがって、化学物質が2つ以上の結晶形態で結晶化するこの能力は、薬物の有効期間、溶解性、製剤化特性及び加工特性に大きい影響を及ぼし得る。加えて、薬物の作用は、薬物分子の多形による影響を受け得る。多形が異なると、体内への取り込み率が異なり得、所望されているものよりも生物活性が低くなるか又は高くなる。極端な場合、望ましくない多形が毒性を示す可能性すらある。製造中に未知の結晶形態が生じると、大きい影響が生じる可能性がある。
【0012】
特定の化合物若しくは化合物の塩が多形を形成するかどうか、任意のそのような多形が治療用組成物中での商業的使用に適しているかどうか又はいずれの多形がそのような所望の特性を示すかどうかは、依然として予測することができない。
【発明の概要】
【0013】
本発明の多型形態は、TEADに結合し、それらがYAP及びTAZと相互作用することを選択的に妨害するように設計及び最適化され、上記の癌の治療において有用な薬物をもたらすものと考えられる。特に、そのような癌は、(限定されないが)記載される異常のいくつかによって特徴付けられ得る。特定の態様では、本発明の多形形態の利点として、改善された安定性、吸湿性及びモルホロジー(流動特性を改善することができる)が挙げられる。
【0014】
4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド及び2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミドの新規の多型結晶形態が当技術分野で求められている。このような形態は、製剤開発で特に有利な望ましい物理化学的特性を有し得、例えば改善された安定性、吸湿性及び/又はモルホロジー(流動特性を改善するような)を示す。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド(化合物B)又はその薬学的に許容される溶媒和物及び/若しくは塩の結晶形態が本明細書に提供される。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド(化合物A)又はその薬学的に許容される溶媒和物及び/若しくは塩の結晶形態が本明細書に提供される。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1又は第2の態様の結晶形態及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書に提供される。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、医薬として使用するための、本発明の第1若しくは第2の態様の結晶形態又は本発明の第3の態様の医薬組成物が本明細書に提供される。
【0019】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1又は第2の態様の結晶形態及び1つ以上の治療的活性剤を含む組み合わせが本明細書に提供される。
【0020】
本発明の第6の態様によれば、YAP過剰発現、及び/又はYAP増幅、及び/又はYAP/TAZ-TEAD相互作用によって媒介される疾患又は病態の治療に使用するための;或いは(i)1つ以上のYAP/TAZ融合体;(ii)1つ以上のNF2/LATS1/LATS2切断変異若しくは欠失;又は(iii)1つ以上の機能的なYAP/TAZ融合体を有する癌又は腫瘍の治療に使用するための、本発明の第1若しくは第2の態様の結晶形態又は本発明の第3の態様の医薬組成物が本明細書に提供される。
【0021】
本発明の第7の態様によれば、YAP過剰発現、及び/又はYAP増幅、及び/又はYAP/TAZ-TEAD相互作用によって媒介される疾患又は病態を治療する方法、(i)1つ以上のYAP/TAZ融合体;(ii)1つ以上のNF2/LATS1/LATS2切断変異若しくは欠失;又は(iii)1つ以上の機能的なYAP/TAZ融合体を有する癌又は腫瘍を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の、本発明による結晶形態(例えば、本発明の第1若しくは第2の態様)、本発明の第3の態様の医薬組成物又は本発明の第5の態様の組み合わせを投与することを含む方法が本明細書に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のコハク酸塩のX線粉末回折パターンである。
図2】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のコハク酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=200.0℃(分解下の融解)
図3】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のコハク酸塩の熱重量分析(TGA)図であり、TA Discovery TGA機器を使用してTGAを得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~200℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.45%
図4】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のL-リンゴ酸塩のX線粉末回折パターンである。
図5】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のL-リンゴ酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムであり、TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=195.4℃(分解下の融解)
図6】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のL-リンゴ酸塩の熱重量分析(TGA)図であり、TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~200℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.81%
図7】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のL-乳酸塩のX線粉末回折パターンである。
図8】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のL-乳酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムであり、TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=207.1℃(分解下の融解)
図9】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のL-乳酸塩の熱重量分析(TGA)図であり、TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~200℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.91%
図10】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)の安息香酸塩のX線粉末回折パターンである。
図11】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)の安息香酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=166.8℃(分解下の融解)
図12】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)の安息香酸塩の熱重量分析(TGA)図であり、TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~170℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.72%
図13】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のグルタミン酸塩のX線粉末回折パターンである。
図14】(化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のグルタミン酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムであり、TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=26℃(脱水)及びTonset=158.6℃(融解)
図15】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のグルタミン酸塩の熱重量分析(TGA)図であり、TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~135℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=1.45%
図16】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のリンゴ酸塩のX線粉末回折パターンである。
図17】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のリンゴ酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=204.0℃(分解下の融解)
図18】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のリンゴ酸塩の熱重量分析(TGA)図であり、TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~200℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.60%
図19】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のマロン酸塩(タイプI)のX線粉末回折パターンである。
図20】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のマロン酸塩(タイプI)の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて示差走査熱量測定を実施した。1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=186.6℃(分解下の融解)
図21】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のマロン酸塩(タイプI)の熱重量分析(TGA)図である。TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~182℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.51%
図22】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のマロン酸塩(タイプII)のX線粉末回折パターンである。
図23】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のマロン酸塩(タイプII)の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて示差走査熱量測定を実施した。1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=122.2℃(融解及び脱溶媒和)
図24】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のマロン酸塩(タイプII)の熱重量分析(TGA)図である。TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~200℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。タイプII:乾燥減量:LoD=26.7%
図25】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のメシル酸塩のX線粉末回折パターンである。
図26】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のメシル酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=22℃(脱水)及びTonset=267.9℃(融解)
図27】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)のメシル酸塩の熱重量分析(TGA)図である。TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~100℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.34%
図28】室温における化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)の遊離形態(2-メチル-2-ブタノール溶媒和物)のX線粉末回折パターンである。
図29】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)の遊離形態(2-メチル-2-ブタノール溶媒和物)の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムであり、TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=68℃(融解及び脱溶媒和)
図30】化合物B(2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド)の遊離形態(2-メチル-2-ブタノール溶媒和物)の熱重量分析(TGA)図である。TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を30℃~100℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=5.91%
図31】室温における化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の遊離形態である「変形形態A」のX線粉末回折パターンである。
図32】化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の遊離形態である「変形形態A」の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=117.5℃(融解)
図33】化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の遊離形態である「変形形態A」の熱重量分析(TGA)図である。TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を27℃~110℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)で報告し、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.38%
図34】室温における化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の4-ヒドロキシ安息香酸塩のX線粉末回折パターンである。
図35】化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の4-ヒドロキシ安息香酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=216.7℃(分解を伴う融解)
図36】化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の4-ヒドロキシ安息香酸塩の熱重量分析(TGA)図である。TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を27℃~110℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)で報告し、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=0.46%
図37】室温における化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩のX線粉末回折パターンである。
図38】化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。TA Discovery DSC機器を用いて結晶形態毎に示差走査熱量測定を実施した。分析毎に、1~3mgの試料をアルミニウム製T-zeroるつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。加熱速度は、0~300℃の温度範囲で1分当たり10℃であった。温度を摂氏度(℃)で報告し、エンタルピーを1グラム当たりのジュール(J/g)で報告する。プロットは、吸熱ピークを下向きに示している。吸熱融解ピーク(融点)を、外挿した開始温度で評価した。この方法による測定試料温度の精度は、約±1℃以内であり、約±5%の相対誤差内で融解熱を測定することができる。融解吸熱:Tonset=29℃(脱水)、Tonset=216.5℃(分解を伴う融解)
図39】化合物A(4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド)の3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩の熱重量分析(TGA)図である。TA Discovery TGA機器を使用してTGA曲線を得た。分析毎に、2~10mgの試料をアルミニウム製るつぼに入れ、ピンホールの蓋で閉じた。30~300℃で10℃/分の加熱速度においてTGA曲線を測定した。LoD(乾燥減量)を26℃~80℃で計算した。重量減少を測定試料温度に対してプロットする。温度を摂氏(℃)で報告し、重量減少を%で報告する。乾燥減量:LoD=1.63%
【発明を実施するための形態】
【0023】
X線粉末回折スペクトル又はパターンでは、例えば機器のばらつき(機器間の差違を含む)の結果として、角度2θ(°2θ)で測定された値に固有の変動が存在することを理解されたい。そのため、XRPDピーク測定値では最大±0.2°2θの変動が存在するが、そのようなピーク値でも、依然として本明細書に記載される結晶性物質の特定の固体状態の形態を代表するものと見なされることを理解されたい。XRPD実験及びDSC/TGA実験からの他の測定値(例えば、相対強度及び含水量)は、例えば、試料の調製及び/若しくは保管並びに/又は環境条件の結果として変動し得るが、この測定値も、依然として本明細書に記載される結晶性物質の特定の固体状態の形態を代表するものと見なされることも理解されたい。
【0024】
4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド及び2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミドの新規の多型結晶形態が当技術分野で求められている。このような形態は、製剤開発で特に有利な望ましい物理化学的特性を有し得、例えば、改善された安定性、吸湿性及び/又はモルホロジー(流動特性を改善するような)を示す。
【0025】
したがって、本発明は、以下の番号が付与された実施形態を提供する。
【0026】
実施形態1.2-((2S,3S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-3-メチル-2-((メチルアミノ)メチル)-2-フェニル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-3-フルオロ-4-メトキシベンズアミド(化合物B)又はその薬学的に許容される溶媒和物及び/若しくは塩の結晶形態。
【0027】
実施形態2.4-((2S,4S)-5-クロロ-6-フルオロ-2-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)-5-フルオロ-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-N-メチルニコチンアミド(化合物A)又はその薬学的に許容される溶媒和物及び/若しくは塩の結晶形態。
【0028】
実施形態3.化合物Bは、コハク酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0029】
実施形態4.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも13.26°±0.2°、16.99°±0.2°、19.92°±0.2°及び26.66°±0.2°におけるピークを含む、実施形態3に記載の結晶形態。
【0030】
【表1】
【0031】
実施形態5.ほぼ室温において、図1に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態3又は実施形態4に記載の結晶形態。
【0032】
実施形態6.図2に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態3~5のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0033】
実施形態6a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約200.0℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態3~5のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0034】
実施形態7.図3に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態3~6aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0035】
実施形態7a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~200℃に加熱されたときに約0.45%の乾燥減量を有する、実施形態3~6aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0036】
実施形態7b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態3~7aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0037】
実施形態8.化合物Bは、リンゴ酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0038】
実施形態9.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個以上、例えば14個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも13.86°±0.2°、16.91°±0.2°、19.63°±0.2°及び23.52°±0.2°におけるピークを含む、実施形態8に記載の結晶形態。
【0039】
【表2】
【0040】
実施形態10.ほぼ室温において、図4に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態8又は実施形態9に記載の結晶形態。
【0041】
実施形態11.図5に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態8~10のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0042】
実施形態11a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約195.4℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態8~10のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0043】
実施形態12.図6に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態8~11aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0044】
実施形態12a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~200℃に加熱されたときに約0.81%の乾燥減量を有する、実施形態8~11aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0045】
実施形態12b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態8~12aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0046】
実施形態13.化合物Bは、乳酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0047】
実施形態14.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも10.50°±0.2°、13.37°±0.2°、18.07°±0.2°及び22.41°±0.2°におけるピークを含む、実施形態13に記載の結晶形態。
【0048】
【表3】
【0049】
実施形態15.ほぼ室温において、図7に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態13又は実施形態14に記載の結晶形態。
【0050】
実施形態16.図8に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態13~15のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0051】
実施形態16a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約207.1℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態13~15のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0052】
実施形態17.図9に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態13~16aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0053】
実施形態17a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~200℃に加熱されたときに約0.91%の乾燥減量を有する、実施形態13~16aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0054】
実施形態17b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態13~17aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0055】
実施形態18.化合物Bは、安息香酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0056】
実施形態19.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも5.47°±0.2°、10.92°±0.2°、12.24°±0.2°及び21.87°±0.2°におけるピークを含む、実施形態18に記載の結晶形態。
【0057】
【表4】
【0058】
実施形態20.ほぼ室温において、図10に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態18又は実施形態19に記載の結晶形態。
【0059】
実施形態21.図11に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態18~20のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0060】
実施形態21a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約166.8℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態18~20のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0061】
実施形態22.図12に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態18~21aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0062】
実施形態22a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~170℃に加熱されたときに約0.72%の乾燥減量を有する、実施形態18~21aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0063】
実施形態22b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態18~22aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0064】
実施形態23.化合物Bは、グルタミン酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0065】
実施形態24.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも13.33°±0.2°、14.96°±0.2°、20.02°±0.2°及び26.77°±0.2°におけるピークを含む、実施形態23に記載の結晶形態。
【0066】
【表5】
【0067】
実施形態25.ほぼ室温において、図13に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態23又は実施形態24に記載の結晶形態。
【0068】
実施形態26.図14に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態23~25のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0069】
実施形態26a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約26.0℃及び約158.6℃のTonset値での融解吸熱を有する、実施形態23~25のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0070】
実施形態27.図15に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態23~26aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0071】
実施形態27a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~135℃に加熱されたときに約1.45%の乾燥減量を有する、実施形態23~26aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0072】
実施形態27b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態23~27aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0073】
実施形態28.化合物Bは、マレイン酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0074】
実施形態29.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも12.80°±0.2°、14.57°±0.2°、16.11°±0.2°及び17.71°±0.2°におけるピークを含む、実施形態28に記載の結晶形態。
【0075】
【表6】
【0076】
実施形態30.ほぼ室温において、図16に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態28又は実施形態29に記載の結晶形態。
【0077】
実施形態31.図17に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態28~30のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0078】
実施形態31a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約204.0℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態28~30のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0079】
実施形態32.図18に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態28~31aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0080】
実施形態32a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~200℃に加熱されたときに約0.60%の乾燥減量を有する、実施形態28~31aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0081】
実施形態32b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態28~32aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0082】
実施形態33.化合物Bは、マロン酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0083】
実施形態34.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも9.68°±0.2°、13.90°±0.2°、21.20°±0.2°及び21.94°±0.2°におけるピークを含む、実施形態33に記載の結晶形態。
【0084】
【表7】
【0085】
実施形態35.ほぼ室温において、図19に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態33又は実施形態34に記載の結晶形態。
【0086】
実施形態36.図20に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態33~35のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0087】
実施形態36a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約186.6℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態33~35のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0088】
実施形態37.図21に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態33~36aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0089】
実施形態37a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~182℃に加熱されたときに約0.51%の乾燥減量を有する、実施形態33~36aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0090】
実施形態37b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態34~37aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0091】
実施形態38.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも12.25°±0.2°、17.91°±0.2°、19.28°±0.2°及び24.08°±0.2°におけるピークを含む、実施形態33に記載の結晶形態。
【0092】
【表8】
【0093】
実施形態39.ほぼ室温において、図22に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態33又は実施形態38に記載の結晶形態。
【0094】
実施形態40.図23に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態33、38及び39のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0095】
実施形態40a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約122.2℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態33、38及び39のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0096】
実施形態41.図24に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態33及び38~40aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0097】
実施形態41a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~200℃に加熱されたときに約26.7%の乾燥減量を有する、実施形態33及び38~40aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0098】
実施形態41b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態38~41aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0099】
実施形態42.化合物Bは、メシル酸塩の形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0100】
実施形態43.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも13.76°±0.2°、15.78°±0.2°、16.46°±0.2°及び18.18°±0.2°におけるピークを含む、実施形態42に記載の結晶形態。
【0101】
【表9】
【0102】
実施形態44.ほぼ室温において、図25に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態42又は実施形態43に記載の結晶形態。
【0103】
実施形態45.図26に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態42~44のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0104】
実施形態45a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約22℃及び約267.9℃のTonset値での融解吸熱を有する、実施形態42~44のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0105】
実施形態46.図27に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態42~45aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0106】
実施形態46a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~100℃に加熱されたときに約0.34%の乾燥減量を有する、実施形態42~45aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0107】
実施形態46b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態42~46aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0108】
実施形態47.化合物Bは、遊離形態である、実施形態1に記載の結晶形態。
【0109】
実施形態48.化合物Bは、化合物Bの遊離形態である2-メチル-2-ブタノール溶媒和物の形態である、実施形態47に記載の結晶形態。
【0110】
実施形態49.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個以上、例えば12個以上、例えば13個全ての2θ値)におけるピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも5.58°±0.2°、9.66°±0.2°、15.56°±0.2°及び19.44°±0.2°におけるピークを含む、実施形態47又は実施形態48に記載の結晶形態。
【0111】
【表10】
【0112】
実施形態50.ほぼ室温において、図28に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態47~49のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0113】
実施形態51.図29に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態47~50のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0114】
実施形態51a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約68℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態47~50のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0115】
実施形態52.図30に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態47~51aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0116】
実施形態52a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で30℃~100℃に加熱されたときに約5.91%の乾燥減量を有する、実施形態47~51aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0117】
実施形態52b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態47~52aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0118】
実施形態53.化合物Aは、遊離形態の化合物A又はその溶媒和物である、実施形態2に記載の結晶形態。
【0119】
実施形態54.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個全ての2θ値)を含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも7.00°±0.2°、9.21°±0.2°、10.98°±0.2°及び21.80°±0.2°におけるピークを含む、実施形態53に記載の結晶形態。
【0120】
【表11】
【0121】
実施形態55.ほぼ室温において、図31に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態53又は実施形態54に記載の結晶形態。
【0122】
実施形態56.化合物Aは、遊離形態の化合物Aの溶媒和物である、実施形態53~55のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0123】
実施形態57.図32に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態53~56のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0124】
実施形態57a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約117.5℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態53~56のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0125】
実施形態58.図33に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態53~57aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0126】
実施形態58a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で27℃~110℃に加熱されたときに約0.38%の乾燥減量を有する、実施形態53~57aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0127】
実施形態58b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態53~58aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0128】
実施形態59.化合物Aは、4-ヒドロキシ安息香酸塩の形態である、実施形態2に記載の結晶形態。
【0129】
実施形態60.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば11個全ての2θ値)を含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも10.98°±0.2°、11.78°±0.2°、16.79°±0.2°及び20.00°±0.2°におけるピークを含む、実施形態59に記載の結晶形態。
【0130】
【表12】
【0131】
実施形態61.ほぼ室温において、図34に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態59又は実施形態60に記載の結晶形態。
【0132】
実施形態62.図35に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態59~61のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0133】
実施形態62a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約216.7℃のTonsetでの融解吸熱を有する、実施形態59~61のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0134】
実施形態63.図36に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態59~62aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0135】
実施形態63a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で27℃~110℃に加熱されたときに約0.46%の乾燥減量を有する、実施形態59~62aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0136】
実施形態63b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態59~63aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0137】
実施形態64.化合物Aは、3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩の形態である、実施形態2に記載の結晶形態。
【0138】
実施形態65.以下からなる群から選択される4個以上の2θ値(例えば、5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個全ての2θ値)を含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられ、温度は、ほぼ室温であり、及び使用される放射線は、1.54060Åの波長を有し、好ましくは、X線粉末回折パターンは、少なくとも10.48°±0.2°、約11.75°±0.2°、16.27°±0.2°及び19.70°±0.2°におけるピークを含む、実施形態64に記載の結晶形態。
【0139】
【表13】
【0140】
実施形態66.ほぼ室温において、図37に示されるようなX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折パターンを有し、使用される放射線は、1.54060Åの波長を有する、実施形態64又は実施形態65に記載の結晶形態。
【0141】
実施形態67.図38に示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態64~66のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0142】
実施形態67a.TA Discovery DSC機器を用いた示差走査熱量測定によって測定される場合、毎分10℃で0~300℃に加熱されたときに約29℃及び約216.5℃のTonset値での融解吸熱を有する、実施形態64~66のいずれか1つに記載の結晶形態。
【0143】
実施形態68.図39に示されるものと実質的に同じ熱重量分析(TGA)図を有する、実施形態64~67aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0144】
実施形態68a.TA Discovery TGA機器を用いた熱重量分析によって測定される場合、10℃/分の加熱速度で26℃~80℃に加熱されたときに約1.63%の乾燥減量を有する、実施形態64~67aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0145】
実施形態68b.結晶形態は、実質的に相純粋である、実施形態64~68aのいずれか1つに記載の結晶形態。
【0146】
実施形態69.前述の実施形態のいずれか1つに記載の結晶形態及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【0147】
実施形態70.医薬として使用するための、実施形態1~68aのいずれか1つに記載の結晶形態又は実施形態69に記載の医薬組成物。
【0148】
実施形態71.実施形態1~68aのいずれか1つの結晶形態及び1つ以上の治療的活性剤を含む組み合わせ。
【0149】
実施形態72.YAP過剰発現、及び/又はYAP増幅、及び/又はYAP/TAZ-TEAD相互作用によって媒介される疾患又は病態の治療に使用するための;或いは(i)1つ以上のYAP/TAZ融合体;(ii)1つ以上のNF2/LATS1/LATS2切断変異若しくは欠失;又は(iii)1つ以上の機能的なYAP/TAZ融合体を有する癌又は腫瘍の治療に使用するための、実施形態1~68aのいずれか1つに記載の結晶形態又は実施形態69に記載の医薬組成物。
【0150】
実施形態73.YAP過剰発現、及び/又はYAP増幅、及び/又はYAP/TAZ-TEAD相互作用によって媒介される疾患又は病態を治療する方法、或いは(i)1つ以上のYAP/TAZ融合体;(ii)1つ以上のNF2/LATS1/LATS2切断変異若しくは欠失;又は(iii)1つ以上の機能的なYAP/TAZ融合体を有する癌又は腫瘍を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療的有効量の、実施形態1~68aのいずれか1つに記載の結晶形態;又は実施形態69に記載の医薬組成物;又は実施形態71に記載の組み合わせを投与することを含む方法。
【0151】
実施形態74.癌の治療に使用するためのものであり、好ましくは、癌は、中皮腫(胸膜中皮腫、悪性胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫及び精巣鞘膜の中皮腫を含む)、癌腫(子宮頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、食道扁平上皮癌、食道腺癌、膀胱の尿路上皮癌及び皮膚の扁平上皮癌を含む)、炎症性硬結(良性型炎症性硬結)、汗孔癌(悪性汗孔癌を含む)、テント上上衣腫(小児テント上上衣腫を含む)、類上皮血管内皮腫(EHE)、上衣腫瘍、固形腫瘍、乳癌(三種陰性乳癌を含む)、肺癌(非小細胞肺癌を含む)、卵巣癌、結腸直腸癌(結腸直腸癌腫を含む)、黒色腫、膵臓癌(膵臓腺癌を含む)、前立腺癌、胃癌、食道癌、肝臓癌(肝細胞癌、胆管細胞癌及び肝芽腫を含む)、神経芽細胞腫、シュワン腫、腎臓癌、肉腫(横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫(ERMS)、骨肉腫、未分化多形性肉腫(UPS)、カポジ肉腫、軟部肉腫及び希少軟部肉腫を含む)、骨癌、脳腫瘍、髄芽腫、神経膠腫、髄膜腫及び頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含む)から選択される癌又は腫瘍から選択される、実施形態1~68aのいずれか1つに記載の結晶形態又は実施形態69に記載の医薬組成物。
【0152】
実施形態75.癌、腫瘍、疾患又は病態は、中皮腫(胸膜中皮腫、悪性胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫及び精巣鞘膜の中皮腫を含む)、癌腫(子宮頸部扁平上皮癌、子宮内膜癌、食道扁平上皮癌、食道腺癌、膀胱の尿路上皮癌及び皮膚の扁平上皮癌を含む)、炎症性硬結(良性型炎症性硬結)、汗孔癌(悪性汗孔癌を含む)、テント上上衣腫(小児テント上上衣腫を含む)、類上皮血管内皮腫(EHE)、上衣腫瘍、固形腫瘍、乳癌(三種陰性乳癌を含む)、肺癌(非小細胞肺癌を含む)、卵巣癌、結腸直腸癌(結腸直腸癌腫を含む)、黒色腫、膵臓癌(膵臓腺癌を含む)、前立腺癌、胃癌、食道癌、肝臓癌(肝細胞癌、胆管細胞癌及び肝芽腫を含む)、神経芽細胞腫、シュワン腫、腎臓癌、肉腫(横紋筋肉腫、胎児性横紋筋肉腫(ERMS)、骨肉腫、未分化多形性肉腫(UPS)、カポジ肉腫、軟部肉腫及び希少軟部肉腫を含む)、骨癌、脳腫瘍、髄芽腫、神経膠腫、髄膜腫及び頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌を含む)から選択される、実施形態73に記載の方法。
【0153】
実施形態76.疾患又は病態は、中皮腫(胸膜中皮腫、悪性胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫及び精巣鞘膜の中皮腫を含む)並びにNF2/LATS1/LATS2変異を有する固形腫瘍から選択される、実施形態73に記載の方法。
【0154】
実施形態77.コハク酸塩の形態の化合物B。
【0155】
実施形態78.リンゴ酸塩の形態の化合物B。
【0156】
実施形態79.乳酸塩の形態の化合物B。
【0157】
実施形態80.安息香酸塩の形態の化合物B。
【0158】
実施形態81.グルタミン酸塩の形態の化合物B。
【0159】
実施形態82.マレイン酸塩の形態の化合物B。
【0160】
実施形態83.マロン酸塩の形態の化合物B。
【0161】
実施形態84.メシル酸塩の形態の化合物B。
【0162】
実施形態85.化合物Bの遊離形態、例えば化合物Bの遊離形態である2-メチル-2-ブタノール溶媒和物の形態の化合物B。
【0163】
実施形態86.化合物Aの遊離形態の形態の化合物A。
【0164】
実施形態87.4-ヒドロキシ安息香酸塩の形態の化合物A。
【0165】
実施形態88.3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩の形態の化合物A。
【0166】
定義
本明細書で使用する場合、「多形」、又は「結晶性変化」、又は「結晶形態」は、化学組成が同じであるが、結晶を形成する分子、原子及び/又はイオンの空間的配置が異なる結晶形態を指す。
【0167】
本明細書で使用する場合、「溶媒和物」は、結晶格子構造に取り込まれた1つ又は複数の溶媒の分子を更に含む、分子、原子及び/又はイオンの結晶形態を指す。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的配置及び/又は無秩序配置で存在し得る。溶媒和物は、化学量論又は非化学量論量の溶媒分子のいずれも含み得る。例えば、非化学量論量の溶媒分子による溶媒和物は、溶媒和物から溶媒が部分的に失われることによって生じ得る。溶媒和物は、二量体又は2つ以上の分子、すなわち化合物ABCから構成されるオリゴマーとして結晶格子構造内に生じ得る。溶媒は、水であり得、この場合、溶媒は、水和物と称され得る。
【0168】
本明細書で使用する場合、所与の化合物の「遊離形態」という用語は、周囲条件(例えば20℃、1気圧)で固体である存在する唯一の成分が前記化合物である、固体状態の形態を指す。したがって、本明細書で使用する場合、「遊離形態」という用語は、非溶媒和/非水和形態及び溶媒和/水和形態の両方を包含するが、コフォーマーが周囲条件で固体である塩及び共結晶は除外する。
【0169】
本明細書で使用する場合、1つ又は複数の「塩」という用語は、本発明の化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を指す。「塩」は、特に「薬学的に許容される塩」を含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、典型的に、生物学的又はその他の様式で望ましくないものではない塩を指す。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ基及び/若しくはカルボキシル基又はそれと同様の基が存在することにより、酸及び/又は塩基の塩を形成することができる。塩基性基及び酸性基の両方が同じ分子中に存在する場合、本発明の化合物は、分子内塩、例えば、双性イオン分子を形成することもできる。
【0170】
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸と共に形成され得る。
【0171】
塩を誘導することができる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
【0172】
塩を誘導することができる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などが挙げられる。
【0173】
薬学的に許容される塩基付加塩は、無機及び有機塩基と共に形成され得る。
【0174】
塩を誘導することができる無機塩基としては、例えば、アンモニウム塩及び周期表のI~XII列の金属が挙げられる。特定の実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛及び銅から誘導され、特に好適な塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩が挙げられる。
【0175】
塩を誘導することができる有機塩基としては、例えば、一級、二級及び三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが挙げられる。特定の有機アミンとしては、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジン及びトロメタミンが挙げられる。
【0176】
本明細書で使用する場合、「非結晶」は、分子、原子及び/又はイオンの、結晶ではない固体形態を指す。非結晶固体は、明確なX線回折パターンを示さない。
【0177】
本明細書で使用する場合、特定の多形形態に関する「実質的に相純粋」という用語は、同じ化合物の10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、最も好ましくは1重量%未満の任意の他の相(多形)を含む多形形態を意味する。
【0178】
X線回折ピーク位置に関して「実質的に同じ」という用語は、典型的なピーク位置及び強度変動が考慮されることを意味する。例えば、当業者であれば、ピーク位置(2θ)が多少の装置間変動(典型的には0.2°程度)を示すことを理解するであろう。更に、当業者であれば、相対ピーク強度が、装置間変動並びに結晶化度、好ましい配向、調製された試料表面及び当業者に既知の他の因子に起因する変動を示し、定性的尺度としてのみ解釈されるべきであることを理解するであろう。X線粉末回折の当業者は、所与の試料が参照試料と同じ多形に由来するものであるかどうかを容易に判断することができる。
【0179】
本明細書で使用する場合、「約」及び「実質的」という用語は、特徴(例えば、吸熱量、吸熱ピーク、発熱量、ベースラインシフトなど)に関して、これらの値が変動し得ることを示す。X線回折ピーク位置に関して、「約」又は「実質的」は、典型的なピーク位置及び強度変動が考慮されることを意味する。例えば、当業者であれば、ピーク位置(2θ)が多少の装置間変動(典型的には0.2°程度)を示すことを理解するであろう。場合により、この変動は、装置の較正差に応じて0.2°よりも高くなることがある。更に、当業者であれば、相対ピーク強度が、装置間変動並びに結晶化度、好ましい配向、調製された試料表面及び当業者に既知の他の因子に起因する変動を示し、定性的尺度としてのみ解釈されるべきであることを理解するであろう。DSCの場合、観察される温度の変動は、温度変化の速度並びに試料の調製技術及び用いられる特定の機器に依存することになる。そのため、DSC/TGAサーモグラムに関して本明細書で報告されている吸熱/融点の値は、±5℃変動し得る(それでも依然として本明細書に記載される特定の結晶形態の特徴であると見なされる)。他の特徴(例えば、重量パーセント(重量%)、反応温度)に関連して使用される場合、「約」という用語は、±5%のばらつきを示す。
【0180】
本発明の結晶形態の「治療的有効量」という用語は、対象の生物学的又は医学的応答、例えば酵素若しくはタンパク質の活性の減少若しくは阻害又は症状の寛解、病態の緩和、疾患の進行の減速若しくは遅延又は疾患の予防などを誘発する、本発明の結晶形態の量を指す。非限定的な一実施形態では、「治療的有効量」という用語は、対象に投与された場合、(1)(i)YAP/TAZ-TEAD複合体の過剰活性化に関連するか、(ii)YAPの過剰発現及び/若しくはYAP増幅によって媒介されるか、又は(iii)YAPの活性に関連するか、又は(iv)YAPの活性(正常若しくは異常)を特徴とする病態、若しくは障害、若しくは疾患を少なくとも部分的に緩和、阻害、予防及び/若しくは寛解させるか;或いは(2)YAP及び/又はTAZとTEADとの相互作用を減少又は阻害するのに有効である、本発明の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態では、「治療的有効量」という用語は、細胞、又は組織、又は非細胞生体材料、又は培地に投与された場合、YAP及び/又はTAZとTEADとの相互作用を少なくとも部分的に減少又は阻害するのに有効である、本発明の結晶形態の量を指す。
【0181】
本明細書で使用する場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その」という用語及び本発明に関連して(特に特許請求の範囲に関連して)使用される類似の用語は、本明細書で別段の指示がない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0182】
本明細書で別段の指示がない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、本明細書に記載される全ての方法は、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書で提供されるあらゆる例又は例示的な語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明を更に明らかにすることを意図したものであり、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。
【0183】
本明細書で使用する場合、「阻害する」、「阻害」又は「阻害すること」という用語は、所与の病態、症状、若しくは障害、若しくは疾患の軽減若しくは抑制又は生物活性若しくはプロセスのベースライン活性における著しい減少を指す。
【0184】
本明細書で使用する場合、任意の疾患又は障害の「治療する」、「治療すること」又は「治療」という用語は、一実施形態では、疾患又は障害を寛解すること(すなわち疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発症を減速、又は阻止、又は低減すること)を指す。別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、患者に認識されない可能性あるものを含む、少なくとも1つの身体的パラメータを緩和又は寛解することを指す。更に別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、身体的パラメータの安定化)のいずれか又は両方で疾患又は障害を調節することを指す。一実施形態では、「治療する」又は「治療すること」は、疾患又は障害の悪化を遅延させることを指す。
【0185】
本明細書で使用する場合、任意の疾患又は障害の「予防する」、「予防すること」又は「予防」という用語は、疾患若しくは障害の予防的治療又は疾患若しくは障害の発症を遅延させることを指す。
【0186】
本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、動物を指す。好ましくは、この動物は、哺乳動物である。対象は、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、鳥及び同類のものを指す。好ましい実施形態では、対象は、ヒトである。
【0187】
本明細書で使用する場合、対象が治療「を必要とする」又は「それを必要とする」のは、そのような対象が、そのような治療から生物学的に、医学的に又は生活の質において恩恵を受ける場合である。
【0188】
「含む」という用語は、「包含する」と同様に「からなる」を包含するものであり、例えば、Xを含む組成物は、Xから排他的になり得るか又は追加のものを含み得る(例えば、X及びY)。
【0189】
本発明の結晶形態は、1つ以上の他の治療剤と同時に又はその前若しくは後のいずれかで投与され得る。本発明の結晶形態は、同じ若しくは異なる投与経路によって個別に投与され得るか、又は他の薬剤と同じ医薬組成物中で共に投与され得る。治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて患者に投与される場合、治療的に活性があるか又は治療活性を促進する例えば化学化合物、ペプチド、抗体、抗体断片又は核酸である。
【0190】
本発明の組み合わせ療法では、本発明の結晶形態及び他の治療剤は、同じ又は異なる製造業者によって製造及び/又は製剤化され得る。更に、本発明の結晶形態及び他の治療薬は、(i)組み合わせ製品の医師への引き渡し前に(例えば、本発明の結晶形態と他の治療薬とを含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身によって(又は医師の指導の下に);(iii)患者自身において、例えば、本発明の結晶形態と他の治療薬とを連続投与する間に、組み合わせ療法にまとめることができる。
【0191】
本発明の化合物の合成は、元はPCT/IB2021/052136号明細書(国際公開第2021/186324号パンフレット)に記載されており、その内容が参照により組み込まれる。
【0192】
化合物Bの固体状態の化学特性
XRPD法
X線粉末回折(XRPD)パターンは、反射配置のBruker Advance D8を使用して得た。ゼロバックグラウンドのSiフラットサンプルホルダーを使用して粉末を分析した。使用した放射線はCu Kα(λ=1.5418Å)であった。2°~40°の2シータでパターンを測定した。
試料の量:5~10mg
サンプルホルダー:ゼロバックグラウンドのSiフラットサンプルホルダー
【0193】
【表14】
【0194】
各形態のXRPDで最も特徴的なピークを赤で強調し、A、B、C、Dと記す。
【0195】
1.化合物Bの結晶形態の基本的特徴及び調製例
1)化合物Bのコハク酸塩の特性評価
a.化合物Bのコハク酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図1を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0196】
【表15】
【0197】
b.化合物Bのコハク酸塩の単位格子
化合物Bの変形形態Aの予備実験での結晶構造(BDI35A)を100Kで測定した。このBDI35Aの構造は、空間群がP2の非対称単位(Z’=1)内にAPIカチオンを1つ、コハク酸水素アニオンを1つ含む。結晶構造情報を下記の表に列挙する。
【0198】
【表16】
【0199】
c.化合物Bのコハク酸塩のDSCサーモグラム
図2を参照されたい)
【0200】
d.化合物Bのコハク酸塩のTGAサーモグラム
図3を参照されたい)
【0201】
e.化合物Bのコハク酸塩の調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び19mgのコハク酸をバイアルに秤量し、次いで1mLの酢酸エチルを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0202】
実施例2:約70mgの化合物B及び19mgのコハク酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのTHFを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0203】
実施例3:約70mgの化合物B及び19mgのコハク酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのアセトニトリル/水(95/5、体積/体積)を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0204】
実施例4:約20mgの化合物B及び5.5mgのコハク酸をバイアルに秤量し、次いで0.15mLのメタノールを添加した。次いで、この溶液に1.35mLのIPAをゆっくりと添加した。試料を室温で一晩振盪した。固形物を遠心濾過により回収した。
【0205】
実施例5:約20mgの化合物B及び5.5mgのコハク酸をバイアルに秤量し、次いで0.15mLのメタノールを添加した。次いで、この溶液に1.35mLのMIBKをゆっくりと添加した。試料を室温で一晩振盪した。固形物を遠心濾過により回収した。
【0206】
実施例6:約20mgの化合物B及び5.5mgのコハク酸をバイアルに秤量し、次いで0.15mLのメタノールを添加した。次いで、この溶液に1.35mLのEAをゆっくりと添加した。試料を室温で一晩振盪した。固形物を遠心濾過により回収した。
【0207】
実施例7:約20mgの化合物B及び5.5mgのコハク酸をバイアルに秤量し、次いで0.15mLのメタノールを添加した。次いで、この溶液に1.35mLのMTBEをゆっくりと添加した。試料を室温で一晩振盪した。固形物を遠心濾過により回収した。
【0208】
実施例8:1.0gの遊離形態(化合物B)及び275mgのコハク酸を反応器に秤量し、5.5mlのメタノールを添加して、固形物を室温で溶解させた。室温において1時間300rpmで撹拌しながら、50mlのIPAを逆溶媒として添加し、次いで室温で一晩撹拌する。固形物を真空濾過により回収し、50℃で一晩乾燥させる。0.95gのコハク酸塩を75%の収率で得た。
【0209】
実施例9:8.0gの遊離形態(化合物B)及び2.2gのコハク酸を反応器に秤量し、次いで62.7mLのMeOH/IPA(9/2、体積/体積)を添加し、55℃で300rpm下のパドルで撹拌して、透明溶液を得る。10.6mLのIPAを添加し、次いで50mgの結晶核(0.5%重量/重量)を添加する。30分間で45℃に冷却する。次いで、約5時間で184mLのIPAを添加する。0.2K/分の速度で5℃まで冷却し、5℃で一晩撹拌する。固形物を真空下で濾過することによって回収し、50℃で2時間乾燥させる。8.72gのコハク酸塩を86%の収率で得た。
【0210】
2)化合物BのL-リンゴ酸塩の特性評価
a.化合物BのL-リンゴ酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図4を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0211】
【表17】
【0212】
b.化合物BのL-リンゴ酸塩のDSCサーモグラム
図5を参照されたい)
【0213】
c.化合物BのL-リンゴ酸塩のTGAサーモグラム
図6を参照されたい)
【0214】
d.化合物BのL-リンゴ酸塩の調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び22mgのL-リンゴ酸をバイアルに秤量し、次いで1mLの酢酸エチルを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0215】
実施例2:約20mgの化合物B及び6.2mgのL-リンゴ酸をバイアルに秤量し、次いで0.15mLのメタノールを添加した。次いで、この溶液に1.35mLのMIBKをゆっくりと添加した。試料を室温で3日間振盪した。固形物を遠心濾過により回収した。
【0216】
実施例3:約20mgの化合物B及び6.2mgのL-リンゴ酸をバイアルに秤量し、次いで0.15mLのメタノールを添加した。次いで、この溶液に1.35mLのEAをゆっくりと添加した。試料を室温で3日間振盪した。固形物を遠心濾過により回収した。
【0217】
実施例4:約20mgの化合物B及び6.2mgのL-リンゴ酸をバイアルに秤量し、次いで0.15mLのメタノールを添加した。次いで、この溶液に1.35mLのMTBEをゆっくりと添加した。試料を室温で一晩振盪した。固形物を遠心濾過により回収した。
【0218】
実施例5:2.1gの遊離形態(化合物B)を秤量し、21mLのEA溶媒に60℃で溶解すると、混濁した溶液が出現した。663.6mgのL-リンゴ酸を秤量し、21mLのEA溶媒に60℃で溶解すると、透明溶液が観察された。溶解したL-リンゴ酸溶液を、蠕動ポンプを用いることにより、0.2mL/分の添加速度で60℃の遊離形態の溶液に滴下した。L-リンゴ酸溶液を添加した後に、系内にゲルが出現した。混合物に結晶核を添加し、以下の温度プロファイルを適用した。4時間で60℃から20℃に冷却し(すなわち0.17℃/分の冷却速度)、3時間で20℃から50℃に加熱し、5時間で50℃から0℃に冷却する。この温度プロファイルを繰り返し、最終的に300rpmの撹拌速度において0℃で一晩保持した。沈殿した固形物を濾過し、40℃で3時間乾燥させ、2.35gの物質を得た(収率=87.2%)。
【0219】
実施例6:1.0gの遊離形態(化合物B)及び283mgのL-リンゴ酸をバイアルに秤量し、3.5mLのMEOH/EA(4/6、体積/体積)を添加し、300rpm下において25で撹拌して、透明溶液を得る。この透明溶液に、1.05mLのEAを添加する。5.1mg(0.5%)の結晶核を添加し、更に10分間撹拌する。次いで、9.45mLのEAを0.1mL/分の速度で添加する。0.2K/分の速度で5℃まで冷却し、5℃で一晩撹拌する。固形物を真空濾過により回収し、40℃で真空下において2時間乾燥させる。1.07gのL-リンゴ酸塩を83.4%の収率で得た。
【0220】
3)化合物BのL-乳酸塩の特性評価
a.化合物BのL-乳酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図7を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0221】
【表18】
【0222】
b.化合物BのL-乳酸塩のDSCサーモグラム
図8を参照されたい)
【0223】
c.化合物BのL-乳酸塩のTGAサーモグラム
図9を参照されたい)
【0224】
d.化合物BのL-乳酸塩の調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び15mgのL-乳酸をバイアルに秤量し、次いで1mLの酢酸エチルを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0225】
実施例2:約70mgの化合物B及び15mgのL-乳酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのTHFを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0226】
実施例3:約70mgの化合物B及び15mgのL-乳酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのアセトニトリル/水(95/5、体積/体積)を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。透明溶液を得、室温で乾燥するまで蒸発させた。固形物を回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0227】
実施例4:2.1gの遊離形態(化合物B)を秤量し、21mLのEA溶媒に60℃で溶解すると、混濁した溶液が出現した。445.8mgのL-乳酸を秤量し、21mLのEA溶媒に60℃で溶解すると、透明溶液が観察された。60℃の溶解したL-乳酸溶液に遊離形態の溶液を滴下した。L-乳酸溶液を添加した後に、懸濁が出現した。混合物に結晶核を添加し、以下の温度プロファイルを適用した。4時間で60℃から20℃に冷却し(すなわち0.17℃/分の冷却速度)、3時間で20℃から50℃に加熱し、5時間で50℃から0℃に冷却する。この温度プロファイルを繰り返し、最終的に300rpmの撹拌速度において0℃で一晩保持した。沈殿した固形物を濾過し、40℃で3時間乾燥させ、2.15gの物質を得た(収率=86%)。
【0228】
4)化合物Bの安息香酸塩の特性評価
a.安息香酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図10を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0229】
【表19】
【0230】
b.化合物Bの安息香酸塩のDSCサーモグラム
図11を参照されたい)
【0231】
c.化合物Bの安息香酸塩のTGAサーモグラム
図12を参照されたい)
【0232】
d.化合物Bの安息香酸塩の調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び20mgの安息香酸をバイアルに秤量し、次いで1mLの酢酸エチルを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0233】
実施例2:約70mgの化合物B及び20mgの安息香酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのアセトニトリル/水(95/5、体積/体積)を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0234】
5)化合物Bのグルタミン酸塩の特性評価
a.化合物Bのグルタミン酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図13を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0235】
【表20】
【0236】
b.化合物Bのグルタミン酸塩のDSCサーモグラム
図14を参照されたい)
【0237】
c.化合物Bのグルタミン酸塩のTGAサーモグラム
図15を参照されたい)
【0238】
d.化合物Bのグルタミン酸塩の調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び22mgのグルタミン酸をバイアルに秤量し、次いで1mLの酢酸エチルを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0239】
実施例2:約70mgの化合物B及び22mgのグルタミン酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのアセトニトリル/水(95/5、体積/体積)を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。透明溶液を得、室温で乾燥するまで蒸発させた。固形物を回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0240】
6)化合物Bのマレイン酸塩の特性評価
a.化合物Bのマレイン酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図16を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0241】
【表21】
【0242】
b.化合物Bのマレイン酸塩のDSCサーモグラム
図17を参照されたい)
【0243】
c.化合物Bのマレイン酸塩のTGAサーモグラム
図18を参照されたい)
【0244】
d.化合物Bのマレイン酸塩の調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び19mgのマレイン酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのEAを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0245】
実施例2:約70mgの化合物B及び19mgのマレイン酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのTHFを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0246】
実施例3:約70mgの化合物B及び19mgのマレイン酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのアセトニトリル/水(95/5、体積/体積)を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。透明溶液を得、室温で乾燥するまで蒸発させた。固形物を回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0247】
7)化合物Bのマロン酸塩タイプIの特性評価
a.マロン酸塩タイプIのXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図19を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0248】
【表22】
【0249】
b.化合物Bのマロン酸塩タイプIのDSCサーモグラム
図20を参照されたい)
【0250】
c.化合物Bのマロン酸塩タイプIのTGAサーモグラム
図21を参照されたい)
【0251】
d.化合物Bのマロン酸塩タイプIの調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び17mgのマロン酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのEAを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0252】
8)化合物Bのマロン酸塩タイプIIの特性評価
a.マロン酸塩タイプIIのXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図22を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0253】
【表23】
【0254】
b.化合物Bのマロン酸塩タイプIIのDSCサーモグラム
図23を参照されたい)
【0255】
c.化合物Bのマロン酸塩タイプIIのTGAサーモグラム
図24を参照されたい)
【0256】
d.化合物Bのマロン酸塩タイプIIの調製方法
実施例1:約70mgの化合物B及び17mgのマロン酸をバイアルに秤量し、次いで1mLのTHFを添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0257】
9)化合物Bのメシル酸塩の特性評価
a.化合物Bのメシル酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図25を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0258】
【表24】
【0259】
b.化合物Bのメシル酸塩のDSCサーモグラム
図26を参照されたい)
【0260】
c.化合物Bのメシル酸塩のTGAサーモグラム
図27を参照されたい)
【0261】
d.化合物Bのメシル酸塩の調製方法
実施例1:約70mgの化合物Bをバイアルに秤量し、1mLのEAを添加した。次いで、約11μLのメタンスルホン酸を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0262】
実施例2:約70mgの化合物Bをバイアルに秤量し、1mLのTHFを添加した。次いで、約11μLのメタンスルホン酸を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0263】
実施例3:約70mgの化合物Bをバイアルに秤量し、1mLのアセトニトリル/水(95/5、体積/体積)を添加した。次いで、約11μLのメタンスルホン酸を添加した。試料を50℃で約2~4時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。透明溶液を得、室温で乾燥するまで蒸発させた。固形物を回収し、40℃で2時間乾燥させた。
【0264】
10)化合物Bの遊離形態である2-メチル-2-ブタノール溶媒和物の特性評価
a.化合物Bの遊離形態である2-メチル-2-ブタノール溶媒和物のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図28を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0265】
【表25】
【0266】
b.化合物Bの遊離形態である2-メチル-2-ブタノール溶媒和物のDSCサーモグラム
図29を参照されたい)
【0267】
c.化合物Bの遊離形態である2-メチル-2-ブタノール溶媒和物のTGAサーモグラム
図30を参照されたい)
【0268】
d.化合物Bの2-メチル-2-ブタノール溶媒和物の調製方法
実施例1:40mgの遊離形態(化合物B)をバイアルに秤量し、0.2mLの2-メチル-2-ブタノールを添加し、25℃で4週間撹拌した。固形物を遠心濾過により回収し、室温で乾燥させた。
【0269】
実施例2:1gの化合物Bを秤量して5mLの2M2Bに添加し、結晶核を添加して室温において5時間でスラリー化した。固形物を濾過して5mLの2M2Bで洗浄し、次いで周囲条件で一晩乾燥させ、その後40℃で0.5時間乾燥させた。
【0270】
【表26】
【0271】
【表27】
【0272】
【表28】
【0273】
コハク酸塩の選択の簡単な説明
対イオン、高い結晶化度、バルク安定性、吸湿性、モルホロジー及びプロセスの実行可能性に利点があることから、コハク酸塩を選択した。
【0274】
化合物Aの固体状態の化学特性
1.XRPD法
X線粉末回折(XRPD)パターンは、反射配置のBruker Advance D8を使用して得た。ゼロバックグラウンドのSiフラットサンプルホルダーを使用して粉末を分析した。放射線はCu Kα(λ=1.5418Å)であった。2°~40°の2シータでパターンを測定した。
試料の量:5~10mg
サンプルホルダー:ゼロバックグラウンドのSiフラットサンプルホルダー
【0275】
【表29】
【0276】
各形態のXRPDで最も特徴的なピークを赤で強調し、A、B、C、Dと記す。
【0277】
2.化合物Aの結晶形態の基本的特徴及び調製例
1)化合物Aの変形形態Aの特性評価
a.化合物Aの変形形態AのXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図31を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0278】
【表30】
【0279】
b.化合物Aの変形形態AのDSCサーモグラム
図32を参照されたい)
【0280】
c.化合物Aの変形形態AのTGAサーモグラム
図33を参照されたい)
【0281】
d.化合物Aの変形形態Aの調製方法
実施例1:約53mgの化合物A(非結晶)をバイアルに秤量し、次いで0.4mLのアセトンを添加し、450rpmにおいて室温で1時間混合した。次いで、固形物を濾過し、40℃で真空下において2時間乾燥させた。
【0282】
実施例2:約53mgの化合物A(非結晶)をバイアルに秤量し、次いで0.4mLのアセトニトリルを添加し、450rpmにおいて室温で1時間混合した。次いで、固形物を濾過し、40℃で真空下において2時間乾燥させた。
【0283】
実施例3:約3gの化合物Aの非結晶の遊離形態を、40℃で200mLのACN/水=1/1に添加し、混合物を600rpmで約6時間撹拌し、次いで6時間以内に10℃まで冷却し、撹拌を一晩維持した。得られた固形物を、50℃の20mLのEtOH/水=1/9中において約6時間で再平衡化し、次いで6時間で10℃まで徐々に冷却し、一晩撹拌した。固形物を吸引濾過により分離し、50℃で真空下において一晩乾燥させた。
【0284】
実施例4:約18gの化合物Aの非結晶の遊離形態を晶析器に秤量した。200mLのACN/水=1/9(体積/体積)を添加した。混合物を150rpmにおいて40℃で約6時間撹拌し、次いで室温まで徐々に冷却して一晩撹拌した。固形物を濾過により単離し、続いて50℃で真空下において一晩乾燥させた。約17.2gの白色固形物を得た。
【0285】
2)化合物Aの4-ヒドロキシ安息香酸塩の特性評価
a.化合物Aの4-ヒドロキシ安息香酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図34を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0286】
【表31】
【0287】
b.化合物Aの4-ヒドロキシ安息香酸塩のDSCサーモグラム
図35を参照されたい)
【0288】
c.化合物Aの4-ヒドロキシ安息香酸塩のTGAサーモグラム
図36を参照されたい)
【0289】
d.化合物Aの4-ヒドロキシ安息香酸塩の調製方法
実施例1:約53mgの化合物A(非結晶)及び1当量のモル質量の4-ヒドロキシ安息香酸をバイアルに秤量し、次いで0.5mLのter-ブチルメチルエーテルを添加し、50℃で約2時間混合した。次いで、試料を25℃に冷却し、スラリー化を一晩継続した。固形物を回収し、0.2mLのテトラヒドロフラン中に再懸濁し、次いで0.2mLのヘプタンを添加し、25℃で3日間混合物をスラリー化した。遠心濾過によって固形物を得た。
【0290】
実施例2:約53mgの化合物A(非結晶)及び1当量のモル質量の4-ヒドロキシ安息香酸をバイアルに秤量し、次いで0.5mLの酢酸エチル/ヘプタン(体積/体積、1/1)を添加し、50℃で約2時間混合した。次いで、試料を25℃に冷却し、スラリー化を一晩継続した。試料を乾燥するまで蒸発させ、次いで0.2mLのアセトンと0.5mLのヘプタンとを添加し、25℃で3日間混合物をスラリー化した。遠心濾過によって固形物を得た。
【0291】
実施例3:約212mgの化合物Aの遊離形態及び1当量のモル質量の4-ヒドロキシ安息香酸をバイアルに秤量した。1mLのTHFを添加し、透明溶液を得た。次いで、2mLのヘプタンをゆっくりと添加した。ゲル状の試料が形成され、少量の結晶核を添加して一晩スラリー化した。得られた固形物を濾過し、40℃で真空下において3時間乾燥させた。
【0292】
実施例4:約212mgの化合物Aの遊離形態及び1当量のモル質量の4-ヒドロキシ安息香酸をバイアルに秤量した。1.2mLのアセトンを添加した。最初に透明溶液を得、次いで、数分後にスラリーから一部の固形物が析出した。得られた固形物を濾過し、40℃で真空下において3時間乾燥させた。
【0293】
実施例5:約2.12gの化合物Aの遊離形態及び1当量のモル質量の4-ヒドロキシ安息香酸をバイアルに秤量した。10mLのアセトンを添加して最初に透明溶液を得、次いで、数分後にスラリーから一部の固形物が析出した。得られた固形物を濾過し、50℃で真空下において一晩乾燥させた。
【0294】
実施例6:約2.1gの化合物Aの非結晶の遊離形態及び552mgの4-ヒドロキシ安息香酸を秤量し、晶析器に添加した。次いで、15mLのエタノールを添加した。45℃で透明溶液を得た。そして、溶液を40℃まで徐々に冷却し、結晶核を添加した。混合物を6時間以内に40℃まで冷却し、一晩撹拌した。固形物を濾過により単離し、続いて50℃で真空下において約4時間乾燥させた。約1.2gの白色固形物を得た。
【0295】
3)化合物Aの3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩の特性評価
a.化合物Aの3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩のXRPDパターン
(XRPDパターンについては、図37を参照されたい。最も強力なピークを下記に示す)
【0296】
【表32】
【0297】
b.化合物Aの3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩のDSCサーモグラム
図38を参照されたい)
【0298】
c.化合物Aの3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩のTGAサーモグラム
図39を参照されたい)
【0299】
d.化合物Aの3,4-ジヒドロキシ安息香酸塩の調製方法
実施例1:約53mgの化合物A(非結晶)及び1当量のモル質量の3,4-ジヒドロキシ安息香酸をバイアルに秤量し、次いで0.5mLのアセトンを添加し、50℃で約2時間混合した。次いで、試料を25℃に冷却し、スラリー化を一晩継続した。遠心濾過によって固形物を得た。
【0300】
実施例2:約53mgの化合物A(非結晶)及び1当量のモル質量の3,4-ジヒドロキシ安息香酸をバイアルに秤量し、次いで0.5mLのアセトニトリルを添加し、50℃で約2時間混合した。次いで、試料を25℃に冷却し、スラリー化を一晩継続した。遠心濾過によって固形物を得た。
【0301】
実施例3:約1gの化合物Aの遊離形態及び1当量のモル質量の3,4-ヒドロキシ安息香酸を20mlのバイアルに秤量した。次いで、8mLのアセトンを添加し、50℃でほぼ1時間450rpmにおいて混合した。最初に透明溶液を得た。この溶液にいくつかの結晶核を添加し、1時間平衡化した後に、一部の固形物が沈殿した。次いで、試料を25℃に冷却し、スラリー化を一晩継続した。約1gの白色固形物を得た。
【0302】
【表33】
【0303】
【表34】
【0304】
【表35】
【0305】
遊離形態の選択の簡単な説明
結晶化度、溶解性、安定性及び多形挙動の面で優れた特性を示すことから、開発のために遊離形態(「変形形態A」としても知られる)が選択された。加えて、対イオンが存在しないために、対イオンの選択に関する安全上の懸念が存在しない。
【0306】
4-ヒドロキシ安息香酸塩も結晶化度、溶解性、安定性及び多形挙動の面で優れた特性を有した。しかしながら、対イオンに関する安全性データが不十分であることから、開発のために選択されなかった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
【国際調査報告】