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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/50 20200101AFI20240808BHJP
【FI】
D06F33/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513111
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 KR2022012522
(87)【国際公開番号】W WO2023027452
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111822
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンチ
(72)【発明者】
【氏名】イ チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ウンチェ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヨンチュ
(72)【発明者】
【氏名】キム テウン
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA24
3B167AB30
3B167AE01
3B167AE04
3B167AE12
3B167BA08
3B167LC02
3B167LC20
(57)【要約】
本発明の衣類処理装置は、予熱区間、恒率乾燥区間、減率乾燥区間、冷却区間のそれぞれにおいて衣類の損傷を防止し、又は衣類の収縮を防止する様々で最適化した複数のドラムモーションの組み合わせを提供する衣類処理装置に関する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を受容するドラムと、前記ドラムを回転させる駆動部と、前記ドラムの空気が循環されるか、前記空気に含有されている水分が凝縮される空間を提供する循環流路と、前記循環流路に流れる前記空気を加熱する熱交換部とを含む衣類処理装置の制御方法であって、
前記熱交換部によって前記ドラムに加熱された前記空気を供給する空気供給段階と、
前記空気供給段階の実行中に前記ドラムを回転する回転段階とを含み、
前記回転段階は、
前記衣類が前記ドラムの内壁に付着した状態で回転する高速区間と、前記衣類が前記ドラムの内壁から落下して回転する低速区間が周期的に行われる干しモーションを含む、衣類処理装置の制御方法。
【請求項2】
前記高速区間では、前記ドラムが少なくとも1回転以上に回転し、
前記低速区間では、前記ドラムが少なくとも1回転以上に回転する、請求項1に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項3】
前記高速区間の持続時間は、前記低速区間の持続時間と等しいか長く設定される、請求項1に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項4】
前記空気供給段階は、予熱区間(preheating period)、恒率乾燥区間(constant rate period)、及び減率乾燥区間(falling rate period)に区分され、
前記恒率乾燥区間は、前記予熱区間において前記熱交換部の冷媒の温度が基準値に到達するか、前記熱交換部が基準時間の間に作動する場合に進入し、
前記干しモーションは、前記恒率乾燥区間において行われる、請求項1に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項5】
前記干しモーションは、前記恒率乾燥区間において前記衣類の乾燥度が基準値に到達する場合に行われる、請求項4に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記回転段階は、
前記衣類が前記ドラムの高点より下部から落下するように前記ドラムを回転させるタンブリングモーションをさらに含み、
前記恒率乾燥区間において、前記タンブリングモーションの以後に前記干しモーションが行われる、請求項4に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記タンブリングモーションが基準時間の間に行われる場合、前記干しモーションが行われる、請求項6に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記回転段階は、前記ドラムの回転速度を変化させる振りモーションをさらに含み、
前記恒率乾燥区間において、前記干しモーションは、前記振りモーションの以前に行われる、請求項4に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記干しモーションは、前記衣類の乾燥度が目標値に到達する場合に終了する、請求項8に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記干しモーションは、前記恒率乾燥区間において所定時間の間に行われる場合に終了する、請求項8に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項11】
前記空気供給段階は、予熱区間(preheating period)、恒率乾燥区間(constant rate period)、及び減率乾燥区間(falling rate period)に区分され、
前記減率乾燥区間は、前記循環流路の吐出温度が基準温度以上に上昇するか、前記衣類の乾燥度が設定値に到達する場合に進入し、
前記干しモーションは、前記減率乾燥区間において行われる、請求項1に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記干しモーションは、前記減率乾燥区間において前記衣類の乾燥度が所定値に到達する場合に行われる、請求項11に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項13】
前記干しモーションは実行される場合、前記減率乾燥区間の終了時まで持続する、請求項11に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項14】
前記回転段階は、
前記衣類が前記ドラムの中心より低い地点から落下するように前記ドラムを回転させる転がしモーションを含み、
前記減率乾燥区間において、前記干しモーションは前記転がしモーションの以後に行われる、請求項11に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項15】
前記干しモーションの実行時間は、前記転がしモーションの実行時間より短く設定される、請求項14に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項16】
前記転がしモーションは、前記減率乾燥区間の進入時点から前記衣類の乾燥度が目標値に到達するまで行われる、請求項14に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項17】
前記回転段階は、前記衣類が前記ドラムの内壁に付着した状態で回転する高速区間と、前記衣類が前記ドラムの内壁から落下して回転する低速区間が周期的に行われるが、前記周期が前記干しモーションより短い引張りモーションを含み、
前記干しモーションは、前記引張りモーションが行われた以後に行われる、請求項1に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項18】
前記引張りモーションは、前記高速区間が前記低速区間より長く設定され、
前記干しモーションの前記高速区間は、前記引張りモーションの高速区間より長く設定される、請求項17に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項19】
前記干しモーションの前記低速区間は、前記引張りモーションの高速区間より長く設定される、請求項18に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項20】
前記引張りモーションの前記低速区間は、
前記衣類が前記ドラムの高点と前記ドラムの中心との間から落下するように前記ドラムが回転される定速区間と、
前記定速区間より前記ドラムの回転速度が遅い減速区間とを含み、
前記減速区間の持続時間は、前記定速区間の持続時間より短く設定される、請求項18に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項21】
衣類を受容するドラムと、前記ドラムを回転させる駆動部と、前記ドラムの空気が循環されるか、前記空気に含有されている水分が凝縮される空間を提供する循環流路と、前記循環流路を流れる前記空気を加熱する熱交換部とを含む衣類処理装置の制御方法であって、
前記熱交換部によって前記ドラムに加熱された前記空気を供給する空気供給段階と、
前記空気供給段階の実行中に前記ドラムを回転する回転段階とを含み、
前記回転段階は、
前記ドラムを第1速度で第1時間の間に回転させる高速区間と、前記ドラムを第1速度より低い第2速度で第2時間の間に回転させる低速区間を繰り返して行う干しモーションを含む、衣類処理装置の制御方法。
【請求項22】
前記第1時間は、前記第2時間と等しいか長く設定される、請求項21に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項23】
前記干しモーションは、前記高速区間と前記低速区間との間に、前記第2速度より低い第3速度で第3時間の間に回転する準備区間を配置する、請求項22に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項24】
前記第3時間は、前記第2時間より短く設定される、請求項23に記載の衣類処理装置の制御方法。
【請求項25】
前記第3時間は、前記ドラムが1回転する時間より長く設定される、請求項23に記載の衣類処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関する。より詳細には、衣類の乾燥が可能な衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は、衣類(洗濯対象物、又は乾燥対象物)の洗濯、乾燥、又は洗濯及び乾燥が可能な装置であって、洗濯機、乾燥機、及び乾燥兼用の洗濯機を含む概念である。
【0003】
近来、ヒートポンプを用いて衣類の乾燥を集中的に行う衣類処理装置が登場した。このような従来の衣類処理装置は、ドラムの内部に受容された衣類にヒートポンプから発生した熱風を供給し、それと同時にドラムを回転しながら衣類を熱風に均一に露出させることで、衣類の乾燥を行うことができた。
【0004】
図1は従来の乾燥行程を行う衣類処理装置の構造を示す図である。
【0005】
韓国公開特許公報第10-2019-0121656号を参照すれば、従来の乾燥機は、駆動部3をキャビネット1の底面に固定するように備えられる。
【0006】
具体的には、この乾燥機は、キャビネット1と、ドラム2とを含み、ドラム2の空気を外部に循環させる循環流路5と、循環流路5に受容されて空気を凝縮して再加熱するヒートポンプ6とを含む。ヒートポンプ6で凝縮された水はポンプ8を用いて貯水タンク9に貯留される。一方、駆動部3に振動が発生するか、駆動部3を介して一時的な外力が伝達されても、キャビネット1の底面12が変形又は傾斜されることが遮断できる。
【0007】
よって、従来の乾燥機は、駆動部3をキャビネット1の底面12、又はドラム2の下部でキャビネット1の底面に固定される基部などに固定する。この乾燥機は、駆動部3がドラム2の回転軸に並んで配置されないため、さらに別の構成を用いてドラム2を回転させる。
【0008】
具体的には、駆動部3は、キャビネット1の底に固定されるモーター部34と、モーター部34に回転する回転軸37と、回転軸37によって回転するプーリ35と、ドラム2の外周面とプーリ35の外周面を連結するベルト36とを含む。
【0009】
これにより、モーター部34が回転軸37を回転させると、プーリ35がベルト36を回転させることになり、ベルト36はドラム2を回転させる。このとき、プーリ35の直径はドラム2の直径より非常に小さいため、乾燥機は減速機を省略することができる。但し、この乾燥機は、プーリ35の直径がドラム2の直径より非常に小さいため、モーター部34が早く回転する場合は、ベルト36がドラム2又はプーリ35から滑るスリップ現象が発生する。よって、この乾燥機は、モーター部34の回転加速度を所定レベルの以下に制限するという問題があり、ドラム2を回転させるとき、ベルト36がスリップしないように、モーター部34を徐々に加速又は減速しなければならないという根本的な限界がある。
【0010】
よって、従来の乾燥機はドラム2の回転方向を迅速に切り換えることができず、ドラム2の回転が制御できないか、ドラム2の回転方向を変更することができない。
【0011】
よって、従来の衣類処理装置は、ドラムをベルト及びプーリによって回転させる構造である場合、乾燥行程中にドラムの速度を可変し難いため、衣類が過乾燥されて熱風に損傷されることを防止するために、衣類の乾燥度に応じてヒートポンプの駆動を制御する方式を取っている。
【0012】
例えば、韓国公開特許公報第10-2006-0023715号を参照すれば、従来の衣類処理装置は、乾燥行程の区間をヒートポンプの状態及び衣類の乾燥度に応じて、予熱区間、恒率乾燥区間、減率乾燥区間、冷却区間に区分し、各区間でドラムに供給される熱風の温度又は風量を制御することで衣類を保護している。
【0013】
図2は従来の衣類処理装置で衣類の乾燥を行うときのドラムの回転速度を示す図である。
【0014】
従来の衣類処理装置は、乾燥行程が予熱区間、恒率乾燥区間、減率乾燥区間によって行われるとき、衣類が上昇して落下しながら供給される熱風に露出させるタンブリングモーションのみを行っている。
【0015】
タンブリングモーションは、衣類をドラムの中央領域より上部に上昇させ、ドラムの高点より低い領域からドラムの下部に落下するようにドラムを回転させるモーションである。このために、タンブリングモーションでは、所定方向に1G以下の速度でドラムを回転させ、衣類がドラムの内壁に付着して離隔されることで落下しながら最も広い面積が熱風に繰り返して露出されるため、乾燥効率が最も良好なモーションである。
【0016】
しかし、タンブリングモーションのみを乾燥行程中に適用する場合、摩耗発生、毛羽発生などの衣類損傷、及び衣類の繊維直径変化、繊維間隔変化などの衣類収縮が生じるという問題があった。
【0017】
図3は従来の衣類処理装置でタンブリングモーションを行うことで発生する問題を示す図である。
【0018】
図3(a)を参照すれば、タンブリングモーションを進行するとき、ドラム2の内部に受容された衣類は、ドラム2の内壁に付着されて回転する第1領域I、ドラム2の内壁に接触しないものの衣類の表面が互いに摩擦する第2領域II、ドラム2の内壁から分離されてドラム2の内部から落下する第3領域IIIのいずれか1つに配置される。
【0019】
図3(b)を参照すれば、ドラムの第3領域IIIに位置する衣類は、1番の状態のように、ドラム2の内壁から全て分離された状態に配置されて熱風に露出される。この後、2番の状態のように、衣類がドラム2の内壁に接触する。
【0020】
しかし、衣類は自重及び落下する加速力によって、3番の状態のように、ドラム200の内壁に衝突し、ドラム200の内壁に押圧される。
【0021】
よって、第3領域IIIに配置された衣類は、ドラム200の内壁から分離された後、再び衝突して落差衝撃が発生する。その結果、衣類は繊維そのものが一時的に押圧されて収縮又は変形される可能性がある。
【0022】
図3(c)を参照すれば、ドラムの第2領域iiに位置する衣類は、ドラム2の内壁とは分離されているが、他の衣類と互いに接触しているか、同じ衣類でも他の部分が互いに接触している。このとき、ドラム2が第2速度L1で回転する場合、ドラム2の内壁に相対的に近い衣類と、ドラム2の内壁に相対的に離れている衣類が慣性力の差によって互いに摩擦することがある。よって、第2領域iiに位置する衣類は、互いに摩擦又は摩耗される余地がある。
【0023】
図3(d)を参照すれば、ドラムの第1領域iに位置する衣類は、ドラム2の中央Oより下部でドラム2の内壁に付着している場合がある。ドラム2が第2速度L1で回転する場合、第1領域iに位置する衣類は慣性力によってドラム2の内壁と完全に同時に移動することはできないため、第1領域iに位置する衣類とドラム2の内壁は互いに摩擦される。
【0024】
タンブリングモーションは、衣類と衣類との間、又は衣類が1枚でも衣類の領域間で摩擦が発生し、衣類とドラム200との間で摩擦が発生する。その結果、衣類が損傷するか摩耗が発生し、衣類に毛羽が発生する。
【0025】
また、タンブリングモーションは、衣類に落差衝撃が与えられる。よって、衣類が衝撃によって変形又は損傷され、衣類の内部空間が収縮し、衣類そのものが収縮される可能性がある。
【0026】
結果として、従来の衣類処理装置は、衣類の乾燥において最も有利なモーションであるタンブリングモーションを用いて衣類を乾燥するものの、衣類の状態を考慮せずに乾燥行程の全過程にタンブリングモーションを行い、衣類が損傷又は収縮される恐れがあるという根本的な限界がある。
【0027】
図4はドラムの回転速度及び回転方向を任意に変更できる従来の衣類処理装置の構造を示す図である。韓国公開特許公報第10-2020-0065932号を参照すれば、近来、乾燥行程を集中的に行う衣類処理装置において、駆動部3がドラム2に結合され、ドラムの回転方向及び回転速度を変更できる衣類処理装置が登場した。
【0028】
但し、この衣類処理装置も、乾燥行程において、衣類の状態に応じてドラムの回転モーションをどうやって変更させてどうやって適用するかについて具体的な暗示がなく、衣類の損傷又は収縮が防止できないという問題があった。
【0029】
また、従来の衣類処理装置は、駆動部3をキャビネットにどうやって固定してドラム2を回転させるかについて具体的な実施例がなく、実際の製品に具現することができないという限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程の過程において、衣類の摩擦又は摩耗が防止できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0031】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程の過程において、衣類同士の摩擦と、衣類とドラムとの摩擦が防止できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0032】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程の過程において、衣類に毛羽が発生することが防止できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0033】
本発明は、衣類の乾燥度又は衣類の表面状態に応じて、衣類がドラムと一体として回転する区間を設け、衣類の表面が保護できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0034】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程において、衣類の収縮が防止できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0035】
本発明は、乾燥行程の過程において、特定の衣類や特定の部位が過乾燥されることが防止できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0036】
本発明は、衣類の変形及び損傷を防止するか収縮を防止することに集中できる布地保護コースが別として備えられる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0037】
本発明は、衣類の表面を保護し、且つ衣類の乾燥を同時に進行可能なドラム回転モーションを提供する衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明は、前述した課題を解決するために、乾燥行程が進行される過程において、ドラムを加速して、衣類がドラムと一体として回転する区間を設ける衣類処理装置を提供する。
【0039】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程が進行される過程において、ドラムを1G以上に回転させる区間を設け、衣類がドラムの内壁から分離又は落下することを防止することができる。
【0040】
また、本発明による衣類処理装置は、ドラムを1G以上に回転させる区間の間にドラムを1G以下に回転させる低速区間を配置することができる。これにより、衣類を保護する区間の間にも衣類の表面が均一に乾燥されるように誘導することができる。
【0041】
本発明による衣類処理装置は、衣類の表面がほとんど乾燥される減率乾燥区間においてドラムを1G以上に加速する区間を設け、衣類がドラム及び他の衣類と摩擦される時間を最小化することができる。
【0042】
本発明による衣類処理装置は、衣類の表面が摩擦され易い減率乾燥区間に衣類がドラムと一体として回転する区間を配置することができる。また、減率乾燥区間においては、初期より末期の方がドラムの回転速度がより速い。また、減率乾燥区間には衣類が攪拌可能な速度でドラムが回転する区間が設けられるが、減率乾燥区間の最後は、常に、ドラムを加速して衣類がドラムと一体として回転する区間が配置される。
【0043】
本発明による衣類処理装置は、恒率乾燥区間にもドラムを1G以上に回転させる区間を配置することができる。
【0044】
恒率乾燥区間においてドラムが1G以上に回転される区間は、初期よりは末期に近く配置される。
【0045】
本発明による衣類処理装置は、1G以上にドラムを回転させる高速区間と、1G以下にドラムを回転させる低速区間が周期的に繰り返されるドラム回転モーション(いわゆる、干しモーション)を提供することができる。
【0046】
干しモーションにおいては、高速区間及び低速区間の持続時間は、ドラムが1回転以上に回転する時間より長く設定されることができる。
【0047】
干しモーションにおいて、高速区間の持続時間は、低速区間の持続時間より長いか等しく設定されることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程の過程において、衣類の摩擦又は摩耗が防止できるという効果がある。
【0049】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程の過程において、衣類同士の摩擦と、衣類とドラムとの摩擦が防止できるという効果がある。
【0050】
本発明による衣類処理装置は、乾燥行程の過程において、衣類に毛羽が発生することが防止できるという効果がある。
【0051】
本発明は、衣類の乾燥度又は衣類の表面状態に応じて、衣類がドラムと一体として回転する区間を設け、衣類の表面が保護できるという効果がある。
【0052】
本発明は、衣類の表面を保護し、且つ衣類の乾燥を同時に進行し、衣類の乾燥及び衣類の保護を両方達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】従来の衣類処理装置の構造を示す図である。
【0054】
図2】従来の衣類処理装置の乾燥行程方法を示す図である。
【0055】
図3】従来の衣類処理装置の問題点を示す図である。
【0056】
図4】従来の衣類処理装置の他の構造を示す図である。
【0057】
図5】本発明の衣類処理装置の外観を示す図である。
【0058】
図6】本発明の衣類処理装置の内部の簡略に示す図である。
【0059】
図7】衣類処理装置を構成する内部構成を互いに分離して示す分解斜視図である。
【0060】
図8】本発明の一実施例による減速機の外観を示す図である。
【0061】
図9】駆動部を拡大して詳細に示した断面図である。
【0062】
図10】本発明の一実施例による基部及び背面板を示す図である。
【0063】
図11】本発明の一実施例による背面板と減速機及びモーター部の結合構造を示す図である。
【0064】
図12】本発明の一実施例による減速機とステータの結合構造を後方から示す図である。
【0065】
図13】本発明の一実施例による減速機とモーター部の結合を示す図である。
【0066】
図14】衣類が乾燥行程の過程において損傷又は収縮される状況を示す図である。
【0067】
図15】繊維Lの直径の変化による衣類の体積の変化を示す図である。
【0068】
図16】本発明の衣類処理装置が乾燥行程を行う実施例を示す図である。
【0069】
図17】空気供給段階S1が行われるとき、熱交換部900とドラム200の内部の状態を示す図である。
【0070】
図18】本発明の衣類処理装置の回転段階がタンブリングモーションを含むことを示す図である。
【0071】
図19】タンブリングモーションにおいて衣類の状態を示す図である。
【0072】
図20】回転段階が引張りモーションを含むことを示す図である。
【0073】
図21】本発明の衣類処理装置が引張りモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0074】
図22】回転段階が返しモーションを含むことを示す図である。
【0075】
図23】回転段階が返しモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0076】
図24】回転段階が干しモーションを含むことを示す図である。
【0077】
図25】回転段階が干しモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0078】
図26】回転段階が振りモーションを含むことを示す図である。
【0079】
図27】回転段階が振りモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0080】
図28】回転段階が転がしモーションを含むことを示す図である。
【0081】
図29】回転段階が転がしモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0082】
図30】回転段階が停止モーションを含むことを示す図である。
【0083】
図31】空気供給段階S1中の予熱区間で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【0084】
図32】空気供給段階S1中の恒率乾燥区間A2で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【0085】
図33】空気供給段階S1中の減率乾燥区間で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【0086】
図34】空気供給段階S1中の冷却区間で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
以下、添付する図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。
【0088】
但し、本発明は様々な形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。また、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のないところは省略し、明細書の全体を通して類似するところについては類似する図面符号を付している。
【0089】
本発明において、同じ構成要素についての重複する説明は省略する。
【0090】
また、この明細書において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接連結されているか又は接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできることで理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことで理解すべきである。
【0091】
また、本明細書において用いた用語はただ特定の実施例を説明するために用いられたもので、本発明を限定する意図はない。
【0092】
また、本明細書において、単数の表現は文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【0093】
また、本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は実施された特徴、数字、段階、モーション、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、モーション、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除しないことに理解すべできある。
【0094】
また、本明細書において、「及び/又は」という用語は、記載された複数の項目の組み合わせ又は記載された複数の項目のうちのいずれかを含む。本明細書において、「A又はB」は「A」、「B」又は「AとB」を含む。
【0095】
図5は本発明の衣類処理装置の外観を示す図である。
【0096】
本発明の一実施例による衣類処理装置は、外観を形成するキャビネット100を含む。
【0097】
キャビネット100は、衣類処理装置の前方面を形成する前面パネル110、上面を形成する上部パネル150及び側面を形成する側面パネル140を含む。側面パネル140は、左側面を形成する左側パネル141を含む。前面パネル110には、キャビネット100の内部と連通する開口部111及びキャビネット100に回転自在に結合され、開口部111を開閉するドア130が備えられる。
【0098】
前面パネル110には操作パネル117が設けられる。操作パネル117には、ユーザから制御命令が入力される入力部118、ユーザが選択可能な制御命令などの情報が出力される表示部119が備えられる。制御命令は、一連の乾燥行程を行う乾燥コース又は乾燥オプションを含む。キャビネット100の内部には入力部118を介して入力された制御命令を行うように内部構成を制御するコントロールパネルが設けられる。コントロールパネルは、衣類処理装置の内部の構成と連結され、入力された命令を行うように当該構成を制御する。
【0099】
入力部118は、衣類処理装置の電力供給を要請する電力供給要請部、複数のコースのうち、ユーザが希望するコースを選択可能にするコース入力部、ユーザが選択したコースの開始を要請する実行要請部を含む。
【0100】
表示部119は、テキスト(text)及び図形の出力が可能なディスプレイパネル、及び音声信号及び音響の出力が可能なスピーカーのいずれか1つを含む。
【0101】
一方、本発明の衣類処理装置は、衣類を乾燥する過程から生成された水分を別として貯留する貯水タンク120を含む。貯水タンク120は、前面パネル110の一側から外部に引き出す取っ手を含む。貯水タンク120は、乾燥行程中に発生する凝縮水を集める。これにより、ユーザは貯水タンク120をキャビネット100から引き出して凝縮水を除去した後、キャビネット100に再び取り付ける。これにより、本発明の衣類処理装置は、下水口などの設置が難しい場所にも配置することができる。
【0102】
一方、貯水タンク120は、ドア130の上部に配置される。これにより、ユーザが貯水タンク120を前面パネル110から引き出すとき、相対的に少し腰を屈めることができ、ユーザの便宜性が増大する効果がある。
【0103】
図6は本発明の衣類処理装置の内部を簡略に示す図である。本発明の衣類処理装置は、キャビネット100の内部に受容され、衣類を受容するドラム200と、ドラム200を回転させる駆動部と、ドラム200に熱風を供給する熱交換部900と、循環流路部820が備えられる基部800とを含む。循環流路部820は、ドラム200と連通する。ドラム200から排出された空気は、循環流路部820に供給される。また、循環流路部820から排出された空気は、ドラム200に再び供給される。
【0104】
駆動部は、ドラム200を回転させる動力を提供するモーター部500を含む。駆動部は、ドラム200を回転させるようにドラム200と直接に連結される。例えば、駆動部は、DD(Direct Drive unit)タイプである。これにより、駆動部は、ベルトとプーリなどの構成を省略し、ドラム200を直接に回転させることで、ドラム200の回転方向又はドラム200の回転速度を制御することができる。
【0105】
モーター部500は、高速RPMで回転する。例えば、ドラム200の内部の衣類がドラム200の内壁に付着されたまま回転できるRPMより遥かに大きいRPMで回転することができる。
【0106】
但し、ドラム200の内部の衣類は、ドラム200の内壁に持続的に付着されて回転する場合、ドラム内壁に付着されている部分は熱風に露出されないため、乾燥効率が減少するという問題がある。
【0107】
ドラム200の内部において衣類がドラム200の内壁に付着されずに転んだり攪拌されるために、ローター520を低速RPMで回転させる場合、駆動部が発生する出力やトルクを完全に活用できないという問題が発生する。
【0108】
よって、本発明の衣類処理装置の駆動部は、RPMを低減させてモーター部500の最大出力を活用しつつもトルクが増加できる減速機600をさらに含む。
【0109】
また、駆動部は、ドラム200と連結され、ドラム200を回転させるドラム回転軸6341を含む。
【0110】
ドラム200は円筒状であり、衣類を受容する。また、洗濯に用いられるドラムとは異なり、乾燥のみに用いられるドラム200の内部には水が投入される必要がなく、ドラム200の内部に凝縮された液状の水がドラム200の外部に排出される必要がない。よって、ドラム200には円周面に沿って設けられる貫通穴が省略されてもよい。即ち、乾燥のみに用いられるドラム200は、洗濯に用いられるドラム200とは異なる。
【0111】
ドラム200は、一体の円筒状であるが、円周面を含むドラム体210と後方面を形成するドラム背面220が結合された形状である。
【0112】
ドラム体210の前方には衣類が出入りする投入口211が備えられる。ドラム背面220の後方にはドラムを回転させる駆動部が連結される。ドラム体210とドラム背面220はボルトのような締結部材によって結合してもよいが、これに限らず、ドラム体210とドラム背面220が共に回転するように結合できれば様々な方法で結合することができる。
【0113】
ドラム体210には回転によって内部に受容された衣類が混ざるように、内部の衣類を上部に持ち上げるリフト213が備えられる。ドラム200が回転するとき、内部に受容された衣類はリフト213によって上昇及び落下する過程を繰り返す。ドラム200の内部に受容された衣類は、上昇と落下を繰り返して、熱風に均一に接触する。よって、乾燥効率が増加し、乾燥時間が短縮されるという効果がある。
【0114】
ドラム体210の円周面には強化ビード212が形成される。強化ビード212は、ドラム200の円周面に沿って内/外部から陥没又は突出される。この強化ビードは複数備えられ、互いに離隔して備えられる。この強化ビードは、所定のパターンを形成し、円周面の内/外部に備えられる。
【0115】
強化ビード212によってドラム体210の剛性が増加する。よって、ドラム体210に多量の衣類が受容されるか、駆動部によって急激な回転力が伝達されても、ドラム体210が捩じれることが防止できる。また、強化ビード212が備えられる場合、ドラム体210の円周面が平坦な面である場合に比べて、衣類と内周面との間隔が増加するため、ドラム200に供給される熱風がより効果的に衣類とドラム200の間に流入される。強化ビードによってドラムの耐久性が高くなり、衣類処理装置の乾燥効率が上昇する効果がある。
【0116】
通常、DDタイプの洗濯機である場合は、駆動部はドラム200を受容するタブに結合して固定され、ドラム200は駆動部と結合してタブに支持される。但し、本発明の衣類処理装置は、乾燥行程を集中的に行うように備えられるため、ドラム200を受容するためにキャビネット100に固定されるタブ(tub)が省略される。
【0117】
これにより、本発明の衣類処理装置は、ドラム200又は駆動部をキャビネット100の内部に固定又は支持する支持部400をさらに含む。
【0118】
支持部400は、ドラム200の前方に配置される前面板410と、ドラム200の後方に配置される背面板420とを含む。前面板410及び背面板420は板状であり、ドラム200の前方及び後方に対向するように配置される。前面板410と背面板420との間隔は、ドラム200の長さと等しいか、ドラム200の長さより長く設定される。前面板410及び背面板420は、キャビネット100の底面又は基部800に固定して支持される。
【0119】
前面板410は、キャビネットの前方面を形成する前面パネルとドラム200との間に配置される。また、前面板410には投入口211と連通する投入連通穴412が備えられる。前面板410に投入連通穴412が備えられるため、ドラム200の前方面が支持されながらも、ドラム200に衣類を投入したり引き出すことができる。
【0120】
前面板410は投入連通穴412の下側に備えられるダクト連結部416を含む。ダクト連結部416は、前面板410の下側面を形成する。
【0121】
前面板410はダクト連結部416を貫通するダクト連通穴417を含む。ダクト連通穴417は中空状であり、ドラムの投入口211を介して排出される空気をドラム200の下側に導く。また、ドラム211を介して排出される空気をドラム200の下部に位置する循環流路部820に導く。
【0122】
ダクト連通穴417には衣類から発生するリント又は粒子の大きい異物をろ過するフィルタ部(図示せず)が設けられる。フィルタ部は、ドラム200から排出される空気をろ過して衣類処理装置の内部に異物が蓄積されることを防止することができ、異物が蓄積されて空気の循環を妨害することを防止できるという効果がある。
【0123】
投入口211が前方に配置されるため、駆動部は、前面板410よりは背面板420に設けられることが好ましい。駆動部は背面板420に取り付けられて支持される。これにより、駆動部は背面板420によって位置が安定的に固定された状態でドラム200を回転させる。
【0124】
前面板410と背面板420の少なくとも1つは、ドラム200を回転自在に支持する。前面板410と背面板420の少なくとも1つは、ドラム200の前端又は後端を回転自在に受容する。
【0125】
例えば、ドラム200の前方は前面板410に回転自在に支持され、ドラム200の後方は背面板420から離隔されるが、背面板420に取り付けられるモーター部500に連結され、間接的に背面板420に支持される。これにより、ドラム200が支持部400に接触又は摩擦される領域が最小化し、不要な騒音や振動が発生することが遮断できる。
【0126】
もちろん、ドラム200は前面板410と背面板420の両方に回転自在に支持されてもよい。
【0127】
前面板410の下部にはドラム200の前方を支持する支持ホイール415が1つ以上備えられる。支持ホイール415は前面板410の背面に回転自在に備えられる。支持ホイール415はドラム200の下部に接触したまま回転することができる。
【0128】
ドラム200が駆動部によって回転する場合、ドラム200は後方に連結されたドラム回転軸6341によって支持される。ドラム200の内部に衣類が受容される場合、衣類によってドラム回転軸6341に加われる荷重が増加する。よって、ドラム回転軸6341は荷重によって撓む恐れがある。
【0129】
支持ホイール415がドラム200の前方の下部を支持する場合、ドラム回転軸6341にかかる荷重を軽減することができる。よって、ドラム回転軸6341が撓むことを防止し、振動によって騒音が発生することを防止できる。
【0130】
支持ホイール415はドラム200の回転中心を基準として互いに対称する位置に備えられてドラム200の荷重を支持する。支持ホイール415はドラム200の左右側の下部にそれぞれ備えられてドラム200を支持することが好ましい。但し、これに限らず、ドラム200の作動環境に応じてより多い数の支持ホイール415が備えられてもよい。
【0131】
基部800に備えられる循環流路部820は、ドラム200の内部にある空気を循環させ、ドラム200の内部に再び投入する流路を形成する。
【0132】
循環流路部820はドラム200から排出された空気が流入される流入ダクト821、ドラム200に空気を供給する排出ダクト823、流入ダクト821と排出ダクト823を連結する移動ダクト822を含む。
【0133】
ドラム200の前方から空気が排出される場合、移動ダクト822は循環流路部820の前方側に位置する。また、排出ダクト823は循環流路部820の後方側に位置する。
【0134】
排出ダクト823は、循環流路部820の外部に空気を排出する送風部8231をさらに含む。送風部8231は排出ダクト823の後方側に備えられる。送風部8231を介して排出された空気はドラム200に移動する。
【0135】
循環流路部820の上側にはダクトカバー部830が結合され、循環流路部820の開放した上面の一部を遮蔽する。ダクトカバー部830は循環流路部820の外部に空気が流出されることが防止できる。言い換えれば、ダクトカバー部830は空気が循環する流路の一面を形成する。
【0136】
また、基部800に備えられる熱交換部900は、循環流路部820の内部に備えられて空気を冷却する第1熱交換機910と、循環流路部820の内部に備えられて第1熱交換機910で冷却した空気を加熱する第2熱交換機920とを含む。
【0137】
第1熱交換機910はドラム200から排出された空気を除湿し、第2熱交換機920は除湿した空気を加熱する。加熱した空気はドラム200に再供給され、ドラム200に受容された衣類を乾燥させる。
【0138】
第1熱交換機910及び第2熱交換機920は冷媒が流動する熱交換機として備えられる。冷媒が流動する熱交換機として備えられる場合、第1熱交換機910は蒸発器として備えられ、第2熱交換機920は凝縮器として備えられる。第1熱交換機910及び第2熱交換機920に沿って移動する冷媒がドラム200から排出された空気と熱交換を行う。
【0139】
熱交換部900は循環流路部820に設けられ、循環流路部820の内部の空気流動を発生させる循環流路ファン950を含む。また、熱交換部900は、循環流路ファン950を回転させる循環流路ファンモーター951をさらに含む。循環流路ファン950は、循環流路ファンモーター951によって回転動力が供給されて回転する。循環流路ファン950が作動すると、第1熱交換機910で除湿され、第2熱交換機920で加熱された空気がドラム200の後方に移動する。
【0140】
循環流路ファン950は、流入ダクト821、移動ダクト822、排出ダクト823のいずれか1つに設けられる。循環流路ファン950は回転するように備えられるため、循環流路ファン950が作動するときに騒音が発生する可能性がある。よって、循環流路ファン950が循環流路部820の後方に配置されることが好ましい。
【0141】
循環流路ファン950は送風部8231に設けられてもよい。また、循環流路ファンモーター951は送風部8231の後方に位置してもよい。循環流路ファンモーター951によって循環流路ファン950が回転する場合、循環流路部820の内部の空気は送風部8231を介して循環流路部820の外部に排出される。
【0142】
ユーザがドラム200の内部に位置する衣類を容易に引き出すために、ドラム200の投入口211が相対的に高い位置に配置されることが好ましいため、循環流路部820及び熱交換部900は、ドラム200の下部に配置されることが好ましい。
【0143】
ドラム200の後方には循環流路部820から排出された空気をドラム200に導く背面板420が備えられる。背面板420はドラム背面220と離隔して備えられる。循環流路部820は前面板410を介してドラム200の内部の空気が供給され、背面板420を介してドラム200に空気を供給する。循環流路部820から排出された空気は背面板420を経てドラム200に導かれる。
【0144】
基部800は、循環流路部820から排出される空気を背面板420に導くコネクタ850をさらに含む。コネクタ850は、排出された空気が背面板420の全域に均一に広がるように誘導する。
【0145】
コネクタ850は送風部8231に設けられる。即ち、コネクタ850は送風部8231から排出される空気を背面板420に導く。背面板420に供給された熱風はドラム背面220を介してドラム200の内部に流入される。
【0146】
本発明の衣類処理装置のドラム200は、ベルトなどに結合されて間接的に回転するのではなく、ドラム200の後方に位置する駆動部に直接に連結されて回転する。よって、従来の乾燥機のドラムが前方及び後方が開放された円筒状であることとは異なり、本発明の衣類処理装置のドラムの後方は遮蔽されて駆動部と直接に結合される。
【0147】
前述のように、ドラム200は、円筒状で備えられ、衣類を受容するドラム体210と、ドラム体210の後方に結合され、ドラムの背面を形成するドラム背面220とを含む。
【0148】
ドラム背面220はドラム体210の後方を遮蔽するように備えられ、駆動部と直接に結合される結合面を提供する。即ち、ドラム背面220は、駆動部と連結されて回転動力が供給され、ドラム200の全体を回転させる。その結果、ドラム体210の前方は衣類が投入される投入口211が形成され、後方はドラム背面220で遮蔽される。
【0149】
ドラム背面220には駆動部とドラム背面220を連結するブッシング部300が備えられる。ブッシング部300はドラム背面220に備えられ、ドラム200の回転中心を形成する。ブッシング部300はドラム背面220と一体として備えられてもよく、動力を伝達する回転軸と堅固に結合されるために、ドラム背面220より剛性で耐久性の大きい材質で備えられてもよい。ブッシング部300はドラム背面220の回転中心と同軸を成すように、ドラム背面220に着座して結合される。
【0150】
ドラム背面220は、ドラム体210の外周面に結合される周縁部221と、周縁部221の内側に備えられて駆動部と結合される取付板222とを含む。ブッシング部300は取付板222に着座して結合される。ドラムを回転させる回転軸は、ブッシング部300を介して取付板222に結合され、さらに堅固に結合できるという効果がある。また、ドラム背面220の変形が発生することを防止できる。
【0151】
ドラム背面220は、周縁部221と取付板222との間に貫設され、ドラム背面220の前後方を連通する吸引穴224を含む。循環流路部820を介して供給される熱風は、吸引穴224を介してドラム体210の内部に流入される。吸引穴224はドラム背面220を貫通して備えられる複数の穴として備えられるか、メッシュ(MESH)状の網として備えられる。
【0152】
背面板420の後方にはドラム200を回転させる駆動部が位置付けられる。駆動部は、回転動力を発生するモーター部500と、モーター部500の回転力を減速させてドラム200に伝達する減速機600とを含む。
【0153】
背面板420の後方にはモーター部500が配置される。また、モーター部500は減速機600によって背面板420の後方に結合される。
【0154】
減速機600は背面板420の背面に固定され、モーター部500は減速機600の背面に結合される。即ち、背面板420は、減速機600又はモーター部500が支持される支持面を提供する。但し、これに限らず、モーター部500は背面板420に結合されてもよい。
【0155】
図7は衣類処理装置を構成する内部構成を互いに分離して示した分解斜視図である。
【0156】
本発明の一実施例による衣類処理装置は、衣類を受容するドラム200、ドラムの前方面を支持する前面板410、ドラムの後方に位置する背面板420、ドラムの下部に備えられ、ドラムの内部の空気が循環されるか、空気に含有された水分が凝縮される空間を提供する基部800、ドラムの後方に位置して、ドラムに回転動力を提供するモーター部510、520、540、モーター部の回転を減速してドラムに伝達する減速機600、背面板420に結合され、モーター部が外部に露出されることを防止する背面カバー430を含む。
【0157】
基部800は、ドラム200と連通してドラムから空気が流入されるか、ドラムに空気を排出する循環流路部820を含む。
【0158】
前面板410は、前方面を形成する前面パネル411、前面パネル411を貫通し、ドラム200と連通する投入連通穴412を含む。前面板410は、前面パネル411の背面に備えられ、投入連通穴412の半径方向の外側を囲むように備えられ、ドラム体210の一部を受容する前方ガスケット413が備えられる。
【0159】
前方ガスケット413は、ドラム体210を回転自在に支持し、投入口211の外周面又は内周面と接触可能に備えられる。前方ガスケット413は、ドラム体210と前面板410との間にドラム200の内部の熱風が漏れることを防止することができる。前方ガスケット413は、プラスチック樹脂系又は弾性体からなり、別の封止部材が前方ガスケット413にさらに結合され、ドラム体210から衣類又は熱風が前面板410へ離脱することを防止する。
【0160】
一方、前面板410は投入連通穴412の内周面を貫通するダクト連通穴417を含む。また、前面板410は、ダクト連通穴417の下側に延長され、ドラム体210と循環流路部820とを連通する流路を形成するダクト連結部416を含む。
【0161】
ダクト連結部416はダクト連通穴417を介してドラム体210と連通され、ドラム体210から排出された空気はダクト連通穴417を介してダクト連結部416に流入され、循環流路部820に導かれる。ドラム体210から排出された空気はダクト連結部416によって循環流路部820に導かれるため、ドラムの内部の空気が流出されることが防止できるという効果がある。
【0162】
ダクト連結部416には、ドラム200から吐出された空気から異物又はリントをろ過し、循環流路部820に異物が流入することを防止するフィルタ部材(図示せず)が設けられる。
【0163】
前面板410は、前面パネル411の背面に回転自在に設けられ、ドラム200の下部を支持する支持ホイール415が設けられる。支持ホイール415がドラム200の前方を支持して、ドラムに連結された回転軸が撓むことが防止できるという効果がある。
【0164】
前面板410は、前面パネル411を貫通して、乾燥過程から発生した凝縮水が貯留される貯水タンク120(図1を参照)が引き出されるか支持される貯水タンク支持穴414が備えられる。貯水タンク支持穴414が上側に備えられる場合、ユーザが貯水タンクを引き出すとき、腰を屈めなくてもよいため、ユーザの便宜性が増大される効果がある。
【0165】
衣類を受容するドラム200は、前方には衣類が出入りする投入口211が備えられるドラム体210と、後方面を形成するドラム背面220とを含む。
【0166】
ドラム背面220は、ドラム体210と連結される周縁部221、周縁部221の内側においてドラム背面220を貫通するように形成される吸引穴224、及びドラム背面220の回転中心に備えられ、回転軸と結合される取付板222を含む。吸引穴224を介してドラムの後方に空気が流入される。
【0167】
ドラム背面220は周縁部221から回転中心に向かって延長される補強リブ225をさらに含む。補強リブ225は吸引穴224を回避して延長される。補強リブ225は吸引穴224によってドラム背面220の剛性が減少することが防止できるという効果がある。補強リブ225は、取付板222の外周面から周縁部221の内周面に向かって放射状に延長される。
【0168】
また、ドラム背面220は、補強リブ225を互いに連結するようにドラム背面220の周方向に延長される円周リブ227をさらに含む。吸引穴224は、補強リブ225と円周リブ227及び周縁部221との間ごとに配置される。補強リブ225及び円周リブ227は、ドラム背面220がモーター部500から回転力が伝達されても変形することを防止する効果がある。
【0169】
流入ダクト821は、前面板410のダクト連通穴417に連通され、前面板410の内部に設けられた流路と連通するように備えられる。移動ダクト822は流入ダクト821の末端からドラム200の後方に向かって延長され、排出ダクト823は移動ダクト822の末端に備えられ、空気をドラム200に導くように備えられる。
【0170】
送風部8231は排出ダクト823の下流側に位置し、送風部8231は循環流路ファンが設けられる空間を提供する。循環ファン流路ファンが作動すると、流入ダクト821に流入された空気が送風部8231の上部に排出される。
【0171】
一方、基部800にはドラム200の内部で循環する空気を冷却及び加熱する熱交換部900が設けられる。熱交換部900は、第1熱交換機及び第2熱交換機に連結されて圧縮された冷媒を供給する圧縮機930を含む。圧縮機930は、循環される空気と直接に熱交換を行わないように備えられるため、循環流路部820の外部に位置してもよい。
【0172】
また、熱交換部は、送風部8231の後方に支持され、循環流路ファンを回転させる循環流路ファンモーター951を含む。循環流路ファンモーター951は、送風部8231の後方に結合される。
【0173】
一方、本発明の一実施例による衣類処理装置は、循環流路部820に結合され、循環流路部820から排出される熱風をドラム200の後方又は背面板420に導くコネクタ850をさらに含む。
【0174】
コネクタ850は、排出ダクト823の上部に配置され、第2熱交換機920を通過して加熱された熱風を排出ダクト823より上方に導くように備えられる。また、コネクタ850は、送風部8231の上側に備えられた開口部に結合される。
【0175】
コネクタ850は、内部に流路を形成するように備えられる。コネクタ850は、循環流路ファンによって発生する空気の流動を背面板420に均一に導くように備えられる。即ち、コネクタ850は送風部8231から離れるほど流路の面積が増加するように備えられる。
【0176】
背面板420は、基部800に結合されるか、基部800に支持され、ドラム200の後方に位置する。背面板420は前面板410に対向する背面パネル421、背面パネル421から陥没形成され、空気が流動する流路を形成し、循環流路部820から排出された空気をドラムに導くダクト部423を含む。
【0177】
背面板420は駆動部が結合されるか支持される取付部425を含む。取付部425は、背面パネル421を貫通するように備えられ、ダクト部423の内周面に配置される。取付部425は、ダクト部423の内周面から半径方向の内側に離隔して備えられる。
【0178】
ここで、駆動部は、前述のように、減速機600とモーター部500の結合体を意味する。また、駆動部は、モーター部500のみを意味してもよい。即ち、動力を発生させ、回転動力をドラムに伝達する構成を駆動部と称する。
【0179】
駆動部は取付部425に取り付けられる。取付部425は駆動部の荷重を支持する。駆動部は取付部425に支持されたままドラム200と連結される。
【0180】
ダクト部423はドラム背面220の一部を受容するように備えられる。ダクト部423はドラム背面220と共に空気が移動する流路を形成する。
【0181】
駆動部はダクト部423との干渉を防止するように取付部425に設けられる。即ち、駆動部はダクト部423の内周面から半径方向の内側に離隔して配置される。駆動部は取付部425に設けられるが、後方が外部に露出され、外部の空気によって冷却される。
【0182】
駆動部はドラム200を回転させる動力を提供するモーター部500を含む。モーター部500は、回転磁場を発生させるステータ510と、ステータ510によって回転するローター520とを含む。
【0183】
ローター520は、ステータ510を受容し、ステータ510の周縁に沿って回転するアウターロータータイプとして備えられる。このとき、ローター520には駆動軸が結合され、ステータ510と取付部425を貫通してドラム200に直接に連結されてもよい。この場合、ローター520が直接にドラム200を回転させる動力を伝達する。
【0184】
ローター520はワッシャー部540を介して駆動軸と結合される。ワッシャー部540は駆動軸とローター520を連結する機能を行う。ワッシャー部540によってローター520と駆動軸との間の接触面積が増加するため、ローター520の回転をさらに効果的に伝達できるという効果がある。
【0185】
減速機600はモーター部500とドラム200を連結するように備えられる。減速機600はモーター部500の動力を変換してドラム200を回転させる。減速機600は、モーター部500とドラム200との間に配置され、モーター部500の動力が伝達され、これを変換してドラム200に伝達する。減速機600は、ローターのRPMを小さいRPMに変換するが、トルク値を増加させてドラム200に伝達する。
【0186】
具体的には、減速機600は、ローター520と結合され、ローター520と共に回転する駆動軸と結合される。減速機600は、内部に駆動軸に噛み合って回転し、駆動軸のrpmを変換するもののトルクが増加できる歯車結合体を含み、歯車結合体は、ドラム200に結合され、ドラムを回転させるドラム回転軸と連結される。よって、駆動軸530が回転すると、ドラム回転軸は駆動軸より遅いrpmで回転するが、より大きいトルクで回転することができる。
【0187】
この減速機600は、駆動軸とドラム回転軸とが同軸を維持できるか否かに応じてその性能が左右される。即ち、駆動軸とドラム回転軸が互いにずれてしまうと、減速機600の内部の歯車結合体を構成する部品が駆動軸とドラム回転軸のいずれか1つとの結合が緩むか結合が解除される恐れがある。よって、駆動軸の動力がドラム回転軸に正確に伝達できないか、駆動軸が空回りする現象が発生する。
【0188】
また、駆動軸とドラム回転軸が一時でもずれる場合、減速機600の内部の歯車が互いにずれて衝突して不要な振動や騒音が発生する。
【0189】
また、駆動軸とドラム回転軸が一時でもずれる角度が激しくなる場合、減速機600が正位置から完全に外れるか破損される恐れがある。
【0190】
これを防止するために、減速機を備えた衣類処理装置は、通常、外力が発生しても変形せずに本来の状態を維持する支持体に減速機600とモーター部500を固定させることが好ましい。
【0191】
例えば、洗濯機の場合、ドラムを受容するタブをキャビネットに1次に固定した後、タブの内部に射出成形の方式で内装されている剛体で制作された軸受けハウジングにモーター部と減速機を2次に固定する方式を適用する。これにより、タブに相当な振動が発生しても、減速機と駆動部は軸受けハウジングや固定鋼板と共に傾斜するか振動する。その結果、減速機と駆動部そのものは、常に結合された状態がそのまま維持される効果が導き出され、駆動軸と回転軸が同軸である状態が維持できる。
【0192】
但し、本発明の衣類処理装置は乾燥機として備えられるため、キャビネットの内部に固定されるタブの構成が省略される。また、キャビネットの背面パネルは相対的に薄い板からなり、ステータ510が固定されても、ローター520が回転するときの反発力によって背面パネルが容易に振動するか撓まれる。背面パネルが振動するか一時でも撓まれる場合、ドラム200と結合して配置される減速機600とモーター部500の回転中心が互いにずれてしまうという問題が発生する。
【0193】
また、背面パネルは薄い鋼板からなるため、減速機600とモーター部500の両方を支持することが難しい。例えば、減速機600とモーター部500が並んで背面パネルに結合される場合、減速機600とモーター部500の全体長さ及び自重によって回転モーメントが発生して、減速機600が下部に垂れるという問題が発生する。その結果、ドラムに結合されたラム回転軸そのものが減速機600とずれてしまい、駆動軸と同軸が維持できなくなる。
【0194】
一方、背面板420にステータ510が結合され、モーター部500が支持されることが考えられる。ドラム200の内部に衣類が多量に受容されるか、偏心が発生する場合には、ドラム200が回転する度にドラム回転軸が衣類の配置に沿ってずれてしまう。このとき、ステータ510がドラム200と別として分離され、背面板420に固定されているため、ドラム回転軸はステータ510とは異なる幅で振動するか異なる角度で傾けられる。よって、ドラム回転軸と駆動軸の同軸が維持できない。
【0195】
他の観点から、ドラム200は前面板410と背面板420に支持されて設けられた位置が所定レベルに固定される。よって、ドラム200と結合されたドラム回転軸の位置も所定レベルに固定される。よって、ドラム200に振動が発生しても、この振動は前面板410又は背面板420のいずれか1つによって緩衝される。
【0196】
但し、ドラム200から発生した振動がモーター部500まで伝達される場合、背面板420に減速機600及びモーター部500が固定されても、ドラム回転軸が振動する振動幅よりモーター部500及び背面板420が振動する振動幅がより大きい場合がある。このときにも、駆動軸とドラム回転軸が同軸を維持できないという問題が発生する。
【0197】
この問題を解決するために、本発明の衣類処理装置は、モーター部500を減速機600に結合して固定させる。言い換えれば、減速機600そのものが駆動部全体の基準点として役割を果たす。即ち、減速機600が駆動部全体の振動及び傾斜する角度量の基準役割を果たす。
【0198】
モーター部500が衣類処理装置の他の構成に固定されず、減速機600のみに固定されるため、駆動部に振動が伝達されるか外力が伝達される場合、減速機600が傾斜するか振動するとき、モーター部500は常に減速機600と共に傾斜するか振動する。
【0199】
その結果、減速機600とモーター部500は1つの振動系を形成し、減速機600とモーター部500は互いを基準として相対運動せずに固定された状態が維持できる。
【0200】
モーター部500のうち、ステータ510が直接に減速機600に結合して固定される。これにより、駆動軸530が減速機600を基準として設けられた位置が可変しない。駆動軸530の中心と減速機600の中心とは互いに一致した状態で配置され、駆動軸530は減速機600の中心と同軸を維持する状態で回転する。
【0201】
第1軸M1はドラム200の回転中心に沿って前後方向に延長される仮想の線を意味する。即ち 第、1軸M1はX軸に並んで備えられる。
【0202】
第2軸M2及び第3軸M3は衣類処理装置の前方から後方の上側に延長される仮想の線を意味する。即ち、第2軸M2及び第3軸M3はXZ平面に並んで、又はY軸と直交するように備えられる。
【0203】
第1軸M1及び第2軸M2は減速機600で互いに交差する。また、第1軸M1及び第3軸M3は取付部425で交差する。
【0204】
減速機600及びモーター部500は、ドラム200に負荷がないか、モーター部500がモーションしない場合には、地面に平行な第1軸M1に沿って配置されるように設計される。
【0205】
但し、ドラム200又はモーター部500に振動が発生する場合、減速機600に振動が伝達されて減速機600が傾斜することで、一時的に減速機600が第2軸M2に沿って傾斜した状態になる。
【0206】
このとき、モーター部500は減速機600に結合された状態であるため、減速機600と共に振動するか傾斜する。よって、モーター部500は第2軸M2上で減速機600に並んで配置される。よって、駆動軸とドラム回転軸も第2軸M2に沿って並んで配置される。
【0207】
結果として、減速機600が傾斜しても、モーター部500は減速機600と一体として動き、駆動軸とドラム回転軸は同軸を維持することができる。
【0208】
減速機600は背面板420に結合して固定される。この場合、減速機600は背面板420に結合された状態で傾斜するか振動するため、背面板420が減速機600及びモーター部500、ドラム200を含む振動系の中心として役割を果たす。この場合も、モーター部500は背面板420と直接に結合されず、減速機600のみに結合して固定される。
【0209】
減速機600とモーター部500及びドラム200が第1軸M1に沿って並んで配置されているとき、ドラム200やモーター部500の振動によって減速機600が第3軸M3に並んで傾斜することがある。第3軸M3は背面板420に結合された減速機600を通過する。このとき、減速機600とモーター部500が結合されているため、モーター部500も減速機600と同様に第3軸M3に並んで傾斜する。
【0210】
結果として、モーター部500とドラム200は減速機600に結合され、モーター部500とドラム200は減速機600を基準として互いに並んで傾斜するか同時に振動する。
【0211】
前述した同軸及び一致の意味は、物理的に完璧な同軸及び一致を意味するのではなく、機械工学的に認定できるような誤差範囲又は当業者が同軸又は一致と認めるようなレベルの範囲を許容する概念である。例えば、駆動軸530とドラム回転軸6341が5度以内にずれた範囲を同軸又は一致の状態として定義してもよい。但し、このような角度値は一例に過ぎず、設計上許容される誤差は変更できる。
【0212】
駆動軸530が減速機600を基準として回転するが、傾斜することを防止するために固定され、ステータ510も減速機600に固定されているため、ステータ510とローター520との間隔は常に維持される。その結果、ステータ510とローター520の衝突が防止でき、ローター520がステータ510を回転しながら回転中心が可変することで発生する騒音や振動が根本的に遮断できる。
【0213】
ドラム回転軸6341は減速機600の内部からドラム200に向かって延長するように備えられ、減速機600と共に振動し、減速機600と共に傾斜する。即ち、ドラム回転軸6341は減速機600で回転するように備えられるだけで、設置位置は固定されてもよい。その結果、ドラム回転軸6341と駆動軸530は常に並んで配置され、同軸を形成する。言い換えれば、ドラム回転軸6341の中心と駆動軸530の中心とは互いに一致する状態を維持する。
【0214】
一方、ドラム背面220と背面板420との間には封止部450が備えられる。封止部450は背面板420のダクト部423に流入した空気が外部に流出されず、吸引穴224に流入されるようにドラム背面220と背面板420との間を密閉する。
【0215】
封止部450はダクト部423の外側面及び内側面のそれぞれに配置される。ダクト部423の半径方向の外側には第1封止451が備えられ、半径方向の内側には第2封止452が備えられる。第1封止451はドラム背面220とダクト部423との間で半径方向の外側に熱風が流出されることを防止し、第2封止452はドラム背面220とダクト部423との間で半径方向の内側に熱風が流出されることを防止する。
【0216】
言い換えれば、封止部450は吸引穴224の半径方向の外側及び内側のそれぞれに配置される。第1封止451は吸引穴224の半径方向の外側に、第2封止452は吸引穴224の半径方向の内側に備えられる。
【0217】
封止部450は熱風の流出を防止するために、ドラム背面220と背面板420のいずれにも接触することが好ましい。ドラム200は衣類処理装置の作動過程において回転するため、封止部450にはドラム背面220によって持続的な摩擦が加わることになる。よって、封止部450は、回転によって発生する摩擦力、摩擦熱にも性能が低下せずに、ドラム背面220とダクト部423との間を封止できる材質で備えられることが好ましい。
【0218】
一方、背面板420の後方にはモーター部500又は減速機600が結合されるが、背面板420は薄い鉄板からなるため、減速機600及びドラム200によって減速機600に伝達される荷重により撓まれるか変形が発生する可能性がある。即ち、減速機600、モーター部500などを設けるために、背面板420の剛性を確保する必要がある。
【0219】
このために、背面板420は結合の剛性を補強するためのブラケット700をさらに含む。背面板420にはさらにブラケット700が結合され、減速機600及びモーター部500はブラケット700によって背面板420に結合される。
【0220】
減速機600はブラケット700及び背面板420と同時に結合される。締結部材を用いて減速機600、背面板420、ブラケット700を同時に貫通して結合する。背面板420はブラケット700が結合されて剛性を確保する。剛性を確保した背面板420には減速機600、モーター部500などが結合される。
【0221】
ブラケット700に減速機600が先に結合され、ブラケット700が背面板420に結合される方式で締結される。即ち、減速機は、背面板420には直接に結合されず、ブラケット700を介して背面板420に固定されることも可能である。
【0222】
一方、背面板420の後方にモーター部500又は減速機600が結合される場合、モーター部500と減速機600は外部に露出される。よって、背面板420の後方に結合されてモーター部500が吐出することを防止する必要がある。また、ダクト部423は熱風によって加熱される。よって、ダクト部423の後面を断熱する必要が発生する。
【0223】
背面カバー430は、背面板420の後方に結合され、ダクト部423とモーター部500又は減速機600が外部に露出されることを防止する。背面カバー430はダクト部423及び駆動部と離隔して配置される。
【0224】
背面カバー430は、モーター部500が外部の干渉によって破損したり、ダクト部423を介して熱損失が発生して乾燥効率が減少したりすることを防止する効果がある。
【0225】
図8は本発明の一実施例による減速機の外観を示す図である。
【0226】
*減速機600は外観を形成する減速機ハウジング610、620を含む。減速機ハウジングはドラムと対向する第1ハウジング610と、モーター部と対向する第2ハウジング620とを含む。
【0227】
減速機600は歯車ボックスを含む。歯車ボックスは、モーター部から動力が伝達され、モーター部のRPMを小さいRPMに変換するが、トルク値を増加させ、ドラムに伝達するように備えられる。歯車ボックスはほとんどが第2ハウジング620の内部に受容され、第1ハウジング610は減速機600の内部を遮蔽する。これにより、減速機600の全体的な厚さを縮小することができる。歯車ボックスの詳細な構成については後述する。
【0228】
第1ハウジング610は、第2ハウジング620を遮蔽する第1ハウジング遮断体611と、第1ハウジング遮断体611から第2ハウジング620に離れる方向に延長される第1ハウジング軸受部612とを含む。第1ハウジング軸受部612は、ドラム回転軸6341を受容し、ドラム回転軸6341を回転自在に支持する。
【0229】
第1ハウジング610はモーター部を支持するステータ結合部613を含む。ステータ結合部613は第1ハウジング遮断体611の周縁面から第1ハウジング軸受部612に離れる方向に延長される。
【0230】
ステータ結合部613はモーター部が締結されるステータ締結穴615を含む。ステータ締結穴615はステータ結合部613から陥没形成される。ステータ締結穴615には別の締結部材が挿入される。締結部材を用いてステータ結合部613とモーター部を結合する。
【0231】
第1ハウジング610はモーター部の結合をガイドする結合ガイド614をさらに含む。結合ガイド614は、第1ハウジング遮断体611の周縁面から第1ハウジング軸受部612に離れる方向に延長される。結合ガイド614は、ステータ結合部613と連結されるように第1ハウジング遮断体611から延長される。結合ガイド614はステータ510をステータ結合部613に結合する場合、ステータ510の位置をガイドする。これにより、組立性を向上させる。
【0232】
図8を参照すれば、第2ハウジング620は内部に歯車結合体を受容する。一般に、減速機600に結合される歯車ボックスは、太陽歯車と、太陽歯車を公転する遊星歯車と、遊星歯車を受容して遊星歯車が回転するように誘導する輪歯車とを含む。第2ハウジング620は、第1ハウジング610に結合される第2ハウジング結合体621、第2ハウジング結合体621から第1ハウジング610に離れる方向に延長され、歯車ボックスが受容される空間を形成する第2ハウジング遮断体622、第2ハウジング遮断体622の内周面から第1ハウジング610に離れる方向に延長され、駆動軸530を支持する第2ハウジング軸受部を含む。
【0233】
第1ハウジング610の中心と第2ハウジング620の中心とは同軸上に配置されるように設計される。駆動軸540及びドラム回転軸6341は同軸上に位置された方が動力伝達において有利である。よって、ドラム回転軸6341を回転自在に支持する第1ハウジング軸受部612と、駆動軸540を回転自在に支持する第2ハウジング軸受部とは同軸を成すように結合されることが好ましい。
【0234】
駆動軸530は第2ハウジング620の内部に挿入されて第2ハウジング620の内部で回転自在に支持される。駆動軸530にはローター520を回転自在に支持するワッシャー部540が結合される。ワッシャー部540は、中心に駆動軸530が受容される軸支持穴543が形成される受容体542、受容体の外周面から半径方向に延長され、ローターが結合される面を形成するワッシャー結合体541を含む。軸支持穴543は駆動軸530の外周面に形成される突起が結合されるように、突起と対応する溝状で備えられる。
【0235】
ワッシャー部540は、ワッシャー結合体541から減速機に離れる方向に突設されるワッシャー結合突起5411を1つ以上含む。また、ワッシャー部540は、ワッシャー結合体541を貫通するワッシャー結合穴5412を1つ以上含む。
【0236】
ワッシャー結合突起5411はローターに形成される受容溝に結合される。ワッシャー結合穴5412はローターを貫通する締結部材が挿入され、ローターとワッシャー部540を結合するために用いられる。
【0237】
ワッシャー結合突起5411及びワッシャー結合穴5412は、ワッシャー結合体541の表面から円周方向に沿って交互に位置して複数備えられる。
【0238】
図9は駆動部を拡大して詳細に示した断面図である。
【0239】
駆動部は、回転動力を発生させるモーター部500と、モーター部500の回転速度を減速して、ドラムに伝達する減速機とを含む。減速機600はドラムを回転させるドラム回転軸6341を含む。
【0240】
モーター部500は、外部電源が供給されて回転磁界を発生させるステータ510と、ステータ510の外周面を囲むように備えられるローター520とを含む。ローター520の内周面には永久磁石が配置される。
【0241】
ステータ510から発生する回転磁気によってローター520の内周面に位置した永久磁石は所定方向に運動し、永久磁石はローター520の内周面に固定される。よって、ローター520はステータ510の回転磁界によって回転する。
【0242】
ローター520の回転中心にはローター520と共に回転してローター520の回転動力を伝達する駆動軸530が結合される。駆動軸530はローター540と共に回転する。駆動軸530はワッシャー部540を介してローター540に結合される。
【0243】
駆動軸530はローター520と直接に連結されるが、ワッシャー部540を介して連結される場合、ローター520とより堅固に結合されるため、ローター520の回転力をより効果的に伝達することができる。また、駆動軸530に荷重が集中的に加われることを防止して、駆動軸530の耐久性を増加させるという効果がある。
【0244】
駆動軸530はドラムと直接に連結されるが、駆動軸530はローター520の回転速度と同じ速度で回転するため、減速が必要となる。よって、駆動軸530は減速機に連結され、減速機がドラムと連結される。即ち、減速機は駆動軸530の回転を減速してドラムを回転させる。
【0245】
減速機600は、外観を形成する第1ハウジング610と、第2ハウジング620及び駆動軸530の動力を減速する歯車ボックス630とを含む。第2ハウジング620は歯車ボックス630を受容する空間を提供し、第1ハウジング610は第2ハウジング620が提供する受容空間を遮蔽する。
【0246】
第2ハウジング620は、第1ハウジング610と結合される第2ハウジング結合体621、第2ハウジング結合体621の内周面から後方に延長されて受容空間を形成し、歯車ボックス630を受容する第2ハウジング遮断体622、第2ハウジング遮断体622から後方に延長されて駆動軸530を受容する第2ハウジング軸受部623からなる。
【0247】
歯車ボックス630は第2ハウジング遮断体622の内周面に沿って設けられる輪歯車633を含む。輪歯車633の内周面には輪歯車633と歯車結合される遊星歯車632が1つ以上備えられ、輪歯車633の内側には遊星歯車632と歯車結合され、駆動軸530と共に回転する太陽歯車631が備えられる。
【0248】
太陽歯車631は駆動軸530に結合されて回転するように備えられる。太陽歯車631は駆動軸530とは別の部材として備えられるが、これに限らず、太陽歯車631は駆動軸530と一体として形成されてもよい。
【0249】
太陽歯車631、遊星歯車632及び輪歯車633はヘリカル歯車として備えられてもよい。各々の歯車がヘリカル歯車として備えられる場合、騒音が低減され、動力伝達の効率が増加される。但し、これに限らず、太陽歯車631、遊星歯車632及び輪歯車633は平歯車として備えられてもよい。
【0250】
歯車ボックス630の作動例として、ローターの回転につれて、駆動軸530と駆動軸530に連結された太陽歯車631が回転すると、太陽歯車631の外周面で歯車結合される遊星歯車632が輪歯車633と太陽歯車631との間で歯車結合されて回転する。
【0251】
遊星歯車632は自転中心に挿入される遊星歯車軸6323を含む。遊星歯車軸6323は遊星歯車632を回転自在に支持する。
【0252】
減速機は遊星歯車軸6323を支持する第1キャリア6342及び第2キャリア6343をさらに含む。遊星歯車軸6323は、前方では第2キャリア6343によって支持され、後方では第1キャリア6342によって支持される。
【0253】
ドラム回転軸6341は第2キャリア6343の回転中心からモーター部に離れる方向に延長される。ドラム回転軸6341は第2キャリア6343とは別の構成として備えられ、共に回転するように結合される。一方、ドラム回転軸6341は第2キャリア6343から延長され、第2キャリア6343と一体として形成される。
【0254】
ドラム回転軸6341はドラムと結合されてドラムを回転させる。前述のように、ドラム回転軸6341はブッシング部のような連結体を媒介してドラムに結合されてもよく、別の連結体なく直接にドラムに結合されてもよい。
【0255】
ドラム回転軸6341は第1ハウジング610によって支持される。第1ハウジング610は、第2ハウジング620の受容空間を遮蔽する第1ハウジング遮断体611と、第1ハウジング遮断体611から第2ハウジング620に離れる方向に延長され、ドラム回転軸6341を受容する第1ハウジング軸受部612とを含む。第1ハウジング軸受部612の内周面には第1軸受け660及び第2軸受け670が圧入されるように備えられ、ドラム回転軸6341を回転自在に支持する。
【0256】
第1ハウジング610及び第2ハウジング620は、減速機締結部材681を介して互いに結合される。また、減速機締結部材681は第1ハウジング610と第2ハウジング620を同時に貫通して両部材を結合する。また、減速機締結部材681は、第1ハウジング610、第2ハウジング620及び背面板420を同時に貫通して、第1ハウジング610と第2ハウジング620を結合すると共に、減速機600を背面板420に固定させる。
【0257】
背面板420は厚さの薄い鉄板から形成される。よって、減速機600、減速機600に結合されるモーター部500及び減速機600に連結されるドラム200をいずれも支持するための剛性の確保が難しい。よって、減速機600を背面板420に結合するとき、背面板420の剛性を確保するためにブラケット700が用いられる。ブラケット700は背面板420より剛性の高い材質で形成して、背面板420の前面又は後面に結合される。
【0258】
ブラケット700は背面板420の前面に結合されて、減速機600が結合される剛性を確保し、減速機600は背面板420及びブラケット700と同時に結合される。背面板420とブラケット700及び減速機を結合するために、ボルトのような締結部材が用いられる。
【0259】
また、減速機600を背面板420に固定するために、第1ハウジング610と第2ハウジング620を結合するために利用した減速機締結部材681を用いることができる。即ち、減速機締結部材681は、第2ハウジング620、第1ハウジング、背面板420及びブラケット700を一挙に貫通して結合する。このように結合する場合、背面板420は前方ではブラケット700によって、後方では第1ハウジング610によって支持されるため、減速機600の結合によっても剛性を確保することができる。但し、これに限らず、まずは減速機締結部材681を用いて第1ハウジング610と第2ハウジング620のみを結合した後、別の締結部材を用いて減速機600を背面板420に結合する。
【0260】
また、第1ハウジング610の半径方向の外側にはモーター部500が結合されるステータ結合部613が形成される。ステータ結合部613はステータ結合部613に対応して陥没形成される結合溝を含む。
【0261】
ステータ510は背面板420に直接に結合されてもよいが、ステータ結合部613に結合されてもよい。ステータ510は内周面に備えられてステータを支持する固定リブ512を含む。固定リブ512はステータ結合部613に結合される。固定リブ512とステータ結合部613はステータ結合フィン617によって互いに結合される。
【0262】
モーター部500は背面板420から離隔されたまま減速機600に結合されることで、モーター部500と減速機600が1つの振動体を形成する。よって、外部から振動が加われても、ローター520に結合された駆動軸530と減速機600に連結されるドラム回転軸6341が同軸を維持することが容易である。
【0263】
ドラム回転軸6341はドラム200の振動によって軸の方向がずれてしまう恐れがある。しかし、モーター部500はドラム回転軸6341を支持する第1ハウジング610に結合されているため、ドラム回転軸6341の軸方向がずれても、第1ハウジング610によって駆動軸530の軸方向もまた類似にずれる。即ち、モーター部500は減速機600と一体として移動し、ドラム回転軸6341と駆動軸530は外部から力が加われても同軸を維持することができる。
【0264】
前述のような結合構造によってモーター部500から発生する動力がドラム200に伝達される効率性及び信頼性が上昇し、ドラム回転軸6341と駆動軸530の軸ずれによって発生する歯車ボックス630の摩耗、動力伝達の効率の減少、耐久性及び信頼性の減少などを防止できるという効果がある。
【0265】
図10は本発明の一実施例による基部及び背面板を示す図である。
【0266】
図10を参照すれば、背面板420はドラムの後方に位置する。背面板420は循環流路部820から排出された熱風をドラムに導く。即ち、背面板420はドラムの後方に位置して、熱風がドラムの全体に均一に供給されるように流路を形成する。
【0267】
背面板420は、ドラム背面に対向する背面パネル421と、背面パネル421から後方に陥没して流路を形成するダクト部423とを含む。ダクト部423は、背面パネル421から後方に加圧されて備えられる。ダクト部423はドラム背面の一部を受容する。
【0268】
ダクト部423は、循環流路部の後方に位置する流入部4233と、ドラムの後方に位置する流動部4231とを含む。流動部4231はドラムの一部を受容する。流動部4231はドラムの一部を受容し、ドラムの後方に備えられる流路を形成する。
【0269】
流動部4231はドラム背面に形成される吸入穴と対向するように環状で備えられる。流動部4231は背面パネル421から陥没して備えられる。即ち、流動部4231は、前方は開放され、ドラムの背面と共に流路を形成する。
【0270】
流動部4231の前方が開放される場合、流動部4231に移動した熱風は、別の構成を通過することなく直接にドラムに移動することができる。よって、熱風が別の構成を通過するとき発生する熱損失を防止することができる。即ち、熱風の熱損失を低減させ、乾燥効率を増加させるという効果がある。
【0271】
背面板420は流動部4231の半径方向の内側に備えられる取付部425を含む。取付部425は減速機600又はモーター部500が結合される空間を提供する。即ち、背面板420は、内側に備えられる取付部425、取付部425の半径方向の外側に環状で備えられる流動部4231を含む。
【0272】
具体的に、流動部4231は熱風が流動する内部空間を外側から囲む流動外周部4231aを含む。また、流動部4231は熱風が流動する内部空間を内側から囲む流動内周部4231bを含む。即ち、流動外周部4231aは流動部4231の外側周縁を形成し、流動内周部4231bは流動部4231の内側周縁を形成する。
【0273】
また、流動部4231は熱風が移動する流路の後方面を形成する流動陥没面4232を含む。流動陥没面4232は流動外周部4231aと流動内周部4231bを連結するように備えられる。即ち、流動内周部4231b、流動外周部4231a、流動陥没面4232によって循環流路部820から排出された熱風が流動する空間が形成される。
【0274】
また、流動陥没面4232によって熱風が後方に漏れることを防止し、ドラムに向かって熱風を導く。即ち、流動陥没面4232は流動部4231の陥没面を意味する。
【0275】
流入部4233は循環流路部820に対向する。流入部は送風部8231に対向する。流入部4233は送風部8231との干渉を防止するために、背面パネル421から後方に陥没して備えられる。流入部4233の上側は流動部4231に連結される。
【0276】
本発明の一実施例による衣類処理装置は、送風部8231に連結されるコネクタ850を含む。コネクタ850は送風部8231から排出された熱風を流動部4231に導く。コネクタ850は内部に流路が形成され、送風部4231から排出された熱風を流動部4231に導く。即ち、コネクタ850は送風部8231と流動部4231を連結する流路を形成する。コネクタ850の内部に備えられる流路の断面積は、送風部8231から離れるほど増加する。
【0277】
コネクタ850は流入部4233に対向する。流入部4233はコネクタ850と干渉することを防止するために、後方に陥没して形成される。また、コネクタ850の上端は、流動部4231と流入部4233を区画するように備えられる。即ち、コネクタ850から排出された熱風は流動部4231に流入されるが、流入部4233に流入されることを防止する。
【0278】
コネクタ850は流動部4231に熱風を均一に供給するように備えられる。コネクタ850は送風部8231から離れるほど幅が増加するように備えられる。コネクタ850の上端は流動外周部4231aの円周方向の延長線に沿って位置する。
【0279】
よって、コネクタ850から排出された熱風は流入部4233に移動せず、流動部4231に全体的に供給される。コネクタ850は流動部4231の一側に熱風が集中することを防止して、ドラムの内部に熱風を均一に供給することができる。よって、衣類の乾燥効率が増加するという効果がある。
【0280】
コネクタ850は上流側に行くほど幅が増加するように備えられ、コネクタ850に沿って移動する熱風の速度は流動方向に従って減少するように備えられる。即ち、コネクタ850は熱風の速度を調節するディフューザー(diffuser)の機能を行う。コネクタ850は熱風の速度を減少させ、熱風がドラムの所定部分のみに集中して供給されることを防止することができる。
【0281】
前述したコネクタ850の形状によって、コネクタ850に対向し、コネクタ850との干渉が防止されるように備えられる流入部4233もまた、送風部8231から離れるほど幅が増加するように備えられる。流入部4233の形状によりダクト部423の全体的な形状は前方から見て「9」のような形状となる。
【0282】
ドラムは乾燥行程中に回転するため、ドラムは流動部4231と所定距離離れるように備えられる。この離隔空間を介して熱風が流出される場合がある。
【0283】
よって、衣類処理装置はドラムと流動部4231との間の離隔空間から熱風が漏れることを防止する封止部450をさらに含む。封止部450は流動部4231の周縁に沿って位置する。
【0284】
封止部450は流動部4231の外側周縁に沿って備えられる第1封止451を含む。第1封止451はドラムと流動部4231の外側周縁との間に備えられる。また、第1封止451はドラム背面220と背面板420のいずれにも接触し、漏れをさらに効果的に防止する。
【0285】
一方、第1封止451はコネクタ850の前方面に接触される。また、第1封止451はコネクタ850の上端に接触される。コネクタ850は流動部4231と共に熱風が流動する流路を形成する。よって、第1封止451はコネクタ850に接触され、ドラムとコネクタ850との間に熱風が漏れることを防止する。
【0286】
封止部450は流動部4231の内側周縁に沿って備えられる第2封止452を含む。第2封止452はドラムと流動部4231の内側周縁との間に備えられる。また、第2封止452はドラム背面220と背面板420のいずれにも接触する。第2封止452は流動部4231に沿って移動する熱風が取付部425方向に漏れることを防止する。
【0287】
ドラム200は衣類処理装置の作動過程で回転するため、封止部450にはドラム背面220によって持続的な摩擦が加われる。よって、封止部450は回転に応じて発生する摩擦力、摩擦熱にも性能が低下せず、ドラム背面220と流動部4231との間を封止できる材質から備えられることが好ましい。
【0288】
図11は本発明の一実施例による背面板と減速機及びモーター部の結合構造を示す図である。
【0289】
図11を参照すれば、減速機600は背面板420に支持され、モーター部500は減速機600に結合される。即ち、背面板420は減速機600とモーター部500をいずれも支持する。
【0290】
背面板420の後方には回転動力を提供するモーター部500と、モーター部の動力を減速してドラムに伝達する減速機600が位置する。
【0291】
減速機600はダクト部423の内部に位置するように背面板420に設けられる。減速機600は流動部4231との干渉が防止できるように、流動部4231の半径方向の内側に位置する。
【0292】
流動部4231に沿って移動する熱風の熱気によって減速機600の内部の歯車装置が損傷する場合がある。よって、流動部4231と減速機600とは所定距離離れるように備えられる。
【0293】
減速機600は背面板420を貫通して結合される。よって、減速機600は背面板420の前方に位置するドラムと連結される。
【0294】
ステータ510は減速機600に結合される。ステータ510は減速機600に結合され、背面板420と離隔するように設けられる。このとき、減速機600はドラムとモーター部との間に位置し、ドラムとモーター部を背面板420から離隔して支持する。即ち、減速機600がドラムとモーター部を支持する中心となる。
【0295】
一方、ステータ510は、リング状で備えられる本体511と、本体511の内周面から延長され、減速機のステータ結合部613に結合される固定リブ512と、本体511の周縁に沿って外周面から延長され、コイルに巻き込まれるティース514と、ティース514の自由端に備えられ、コイルが離脱することを防止するポールシュ515とを含む。
【0296】
ローター520は円筒の中空状で備えられるローター体521を含む。また、ローター520はローター体521の背面から前方に陥没する設置体522を含む。ローター520はローター体521の内周面に沿って永久磁石が配置される。
【0297】
ローター520は、駆動軸530と結合され、ローター520の回転動力を駆動軸530を介して外部に伝達する。駆動軸530はワッシャー部540を介してローター520に連結される。
【0298】
また、モーター部500は駆動軸530を支持するワッシャー部540を含む。ワッシャー部540はローターと結合されるワッシャー結合体541を含む。ワッシャー結合体541は円板状である。
【0299】
ワッシャー部540はローターに受容される受容体542を含む。受容体542はワッシャー結合体541から後方に突設される。ワッシャー部540は受容体542の中央に貫通される軸支持穴543を含む。駆動軸530は軸支持穴543に挿入されてワッシャー部540によって支持される。
【0300】
また、ワッシャー部540はワッシャー結合体541を貫通するワッシャー結合穴5412を含む。また、設置体522はワッシャー結合穴5412と対応する位置に備えられるローター結合穴526を含む。即ち、ワッシャー部540とローター520は、ワッシャー結合穴5412とローター結合穴526を同時に貫通して結合する結合部材によって互いに結合される。即ち、ワッシャー部540とローター520は互いに共に回転するように結合される。
【0301】
また、ワッシャー部540はワッシャー結合体541から後方に突出するワッシャー結合突起5411を含む。また、設置体522はワッシャー結合突起5411と対応するワッシャー突起受容穴525を含む。ワッシャー結合突起5411はワッシャー突起受容穴525に挿入されてワッシャー部540とローター520の結合を支持する。
【0302】
また、ローター520は設置体522の中央に貫通して備えられるローター設置穴524を含む。ローター設置穴524は受容体542を受容する。これにより、ワッシャー部540はローター520によって駆動軸530と共に回転し、駆動軸530とローター520の結合を堅固に支持する。よって、モーター部500の全体の耐久性及び信頼性が確保できるという効果がある。
【0303】
図12は本発明の一実施例による減速機とステータの結合構造を後方から示す図である。
【0304】
ステータ510は、減速機600に固定され、リング状である本体511と、本体511の内周面から延長され、減速機のステータ締結穴615に結合される固定リブ512と、本体511の周縁に沿って外周面から延長されてコイルが巻き込まれるティース514と、ティース514の自由端に備えられ、コイルが離脱することを防止するポールシュ515と、コイルに電流を供給するように制御を行うターミナル(図示せず)とを含む。
【0305】
ステータ510は本体511を貫通して本体511の内部に備えられる受容空間513を含む。固定リブ512は、本体511の内部から受容空間513を基準として所定角度離れて複数備えられ、固定リブ512の内側には固定部材が設けられる固定リブ穴5121が備えられ、フィンのような固定部材を用いて固定リブ穴5121と減速機のステータ締結穴615が結合される。
【0306】
ステータ510が減速機600に直接に結合される場合、減速機600の一部はステータ510に受容される。特に、減速機600がステータ510に受容される場合、減速機とモーター部をいずれも含む駆動部全体の厚さが縮小され、ドラムの容積をさらに拡張させる。
【0307】
このために、減速機600は本体511の直径より小さく備えられる。即ち、第1ハウジング610と第2ハウジング620は最大の直径が本体511の直径よりは小さく備えられる。これにより、減速機600は少なくとも一部が本体511に受容されて配置される。但し、ステータ結合部613は減速機のハウジングから固定リブ512に重なるように延長される。これにより、ステータ結合部613は固定リブ512に結合され、第1ハウジングと第2ハウジング620の一部は本体511の内部に位置する。
【0308】
図13は本発明の一実施例による減速機とモーター部の結合を示す図である。
【0309】
ステータ510は減速機600に結合される。減速機600のハウジングから外部に突出したステータ結合部613に結合され、減速機の少なくとも一部が本体511の内部に受容される。これにより、本体511の中心と駆動軸530及び減速機600の中心とが常に同軸を維持することができる。
【0310】
一方、ローター520はポールシュ515と所定距離離れた状態でステータ510を受容するように配置される。ローター520は駆動軸530が本体511に受容されている減速機600に固定されているため、ローター520とステータ510との間隔G1が常に維持できる。
【0311】
よって、ローター520とステータ510が衝突したり、ステータ510において一時的に捩じれて回転したりすることが防止され、騒音や不要な振動が発生することが遮断できる。
【0312】
一方、減速機600の中心と駆動軸530の中心を通過する仮想の第1直径線K1と、本体511の中心を通過する仮想の第2直径線K2と、ローター520の中心を通過する仮想の第3直径線K3がいずれも減速機600の回転中心に配置される。
【0313】
これにより、減速機600そのものが駆動軸530の回転中心となり、ステータ510が減速機600に直接に固定されているため、駆動軸530が減速機600を基準として捩じれることが遮断できる。その結果、減速機600の信頼性を保障することができる。
【0314】
図14は衣類が乾燥行程の過程で損傷又は収縮する状況を示す図である。
【0315】
図14(a)を参照すれば、衣類を形成する繊維Lは所定の太さを有する。例えば、繊維Lが乾布状態である場合、繊維Lの直径は第1直径D1である。
【0316】
繊維Lは体積が膨張又は圧縮可能な材質であるため、内部に空気を含有する空隙Cが配置される。
【0317】
衣類が洗濯行程を行い、水Wに浸る場合には、繊維Lそのものも水を含むことができるが、空隙Cの内部に水が満たされることもある。
【0318】
図14(b)を参照すれば、衣類が水wから引き出された場合にも、空隙Cには水がそのまま含まれている可能性がある。特に、繊維Lそのものが毛細管の役割を行うため、繊維Lが空気中に配置されても、空隙Cには水Wがそのまま満たされている可能性がある。
【0319】
一方、衣類が水Wに浸る状態から引き出された場合、水の表面張力などによって一部が収縮される。よって、繊維Lが水Wに浸ってから引き出された場合、繊維の直径は第1直径D1より小さい第2直径D2に小さくなる。
【0320】
図14(c)を参照すれば、繊維Lの直径が小さくなった状態で乾燥行程が行われる場合、空隙Cの内部に含まれた水は蒸発して、空隙Cの内部には空き空間が形成される。
【0321】
繊維Lは急激に再生成された空隙Cを埋めるための収縮力及び復元力が発生する。その結果、繊維Lは内部に収縮される。
【0322】
図14(d)を参照すれば、繊維Lの内部に空隙Cが再生成された状態で、ドラムの回転によって繊維Lに外力Fが作用する場合、空隙Cは除去される。言い換えれば、繊維Lが空隙Cを埋めようとする収縮力又は繊維Lに加わる落差衝撃Fまで与えられた場合、空隙Cは除去される。
【0323】
図14(e)を参照すれば、空隙Cが除去される場合、繊維Lはその分収縮され、繊維Lの直径は第2直径D2より小さい第3直径D3になる。
【0324】
その結果、本発明の衣類処理装置により衣類を乾燥する過程において、衣類の繊維Lの直径は第1直径D1から第3直径D3に縮小される。
【0325】
図15は繊維Lの直径変化による衣類の体積変化を示す図である。
【0326】
図15(a)を参照すれば、繊維Lが組み合わされた衣類の一部の長さは第1長さT1となり、衣類の一部の厚さは第1直径D1となる。
【0327】
図15(b)を参照すれば、内部に空隙Cが除去され、繊維lが収縮される場合、衣類の一部の長さは第1長さより短い第2長さT2に短くなり、衣類の一部の厚さも第1直径D1より小さい第3直径D2に薄くなる。
【0328】
その結果、衣類の全体としては乾燥行程の過程において乾燥前の状態より長さ及び厚さがいずれも収縮される可能性がある。
【0329】
さらに、衣類が乾燥されて衣類が乾布状態に近くなるほど衣類の表面は小さい摩擦によっても毛羽などが発生する。
【0330】
また、衣類が乾燥されず、湿布状態に近く、衣類が本来の重さより重い場合、衣類同士で摩擦されるか衣類がドラムに摩擦されるときに摩擦力がより増加して衣類の表面が摩耗される。
【0331】
これを防止するために、本発明の衣類処理装置は、衣類の収縮だけではなく、衣類の摩耗まで防止できるように乾燥行程を行う。
【0332】
図16は本発明の衣類処理装置が乾燥行程を行う実施例を示す図である。
【0333】
図16(a)は乾燥行程を構成する制御段階を示す図である。
【0334】
本発明の衣類処理装置のコントロールパネルは、ドラム200に受容された衣類の水分を除去する乾燥行程を行う任意の乾燥コース及びオプションを行う。
【0335】
コントロールパネルは、入力部118を介して任意の乾燥コース及びオプションのいずれか1つが選択される選択命令と、選択されたコース及びオプションが実行される実行命令を受信する。
【0336】
任意の乾燥コース及びオプションは、駆動部と、熱交換部900を作動させてドラム200を回転させ、ドラム200の内部に熱風を供給して、乾燥行程を行うアルゴリズムで構成される。
【0337】
例えば、任意の乾燥コース及びオプションは共通的にドラム200に空気を供給する空気供給段階S1と、空気供給段階S1中にドラム200を回転させて衣類に空気を露出させる回転段階S2と、ドラム200の内部の温度又は冷媒の温度を制御する温度制御段階S3とを含む。
【0338】
空気供給段階S1、回転段階S2、及び温度制御段階S3は、乾燥行程中に同時に行われてもよい。
【0339】
空気供給段階S1は熱交換部900と循環流路ファン950を駆動してドラム200に熱風を供給することを含む。また、空気供給段階S1は熱交換部900は駆動せず、循環流路ファン950のみを駆動して、ドラム200の内部に相対的に低温の空気を供給することも含む。
【0340】
一方、回転段階S2と温度制御段階S3は衣類を保護するために行われる。
【0341】
具体的に、回転段階S2と温度制御段階S3は乾燥行程を行う任意の乾燥コース及びオプションを行うために実行される。また、回転段階s2と温度制御段階s3は、衣類の損傷防止、衣類の収縮防止など衣類を保護するために行われる。
【0342】
例えば、任意の乾燥コース及びオプションが衣類の損傷防止及び衣類の収縮防止の機能を行う場合、衣類保護のための回転段階s2と温度制御段階S3が行われる。
【0343】
また、衣類を保護するための布地保護コースがある場合、布地保護コースが行われるとき、衣類の保護のための回転段階s2と温度制御段階S3が行われる。
【0344】
以下、衣類を保護するための空気供給段階S1、回転段階S2、温度制御段階S3が実行されることについて説明する。
【0345】
空気供給段階S1、回転段階S2、温度制御段階S3は、任意の乾燥コース及びオプションが行われるときに実行されてもよく、布地保護コースがある場合、布地保護コースが行われるときに実行されてもよい。
【0346】
図16(b)は空気供給段階S1の制御方法を示す図である。
【0347】
また、空気供給段階S1は、第1熱交換機910が集水部860に収集した水で洗浄されるとき、循環流路ファン950が停止し、ポンプ861が作動することも含む。結果として、空気供給段階S1はドラム200に一時的に空気が供給されない区間も含む。
【0348】
一方、駆動部がドラム200と直結されているため、回転段階S2ではドラム200の回転速度及び回転方向が変更される。即ち、空気供給段階S1が行われる場合、コントロールパネルはモーター部500を駆動して減速機600を介してドラム200を回転させる。モーター部500は任意の乾燥コース及びオプションに設定されたアルゴリズムに従ってドラム200の回転速度と回転方向を変更する。
【0349】
一般に、空気供給段階S1は、熱交換部900の状態、熱交換部900の作動時間、循環流路部820に吐出される空気の温度、衣類の乾燥度、モーター部500の作動時間のいずれか1つによって、予熱区間(preheating period)A1、恒率乾燥区間(constant rate period)A2、減率乾燥区間(falling rate period)A3、冷却区間(cooling period)A4に区分される。
【0350】
図16(c)は回転段階S2の制御方法を示す図である。
【0351】
回転段階S2は、衣類がドラム200の内壁に付着されて回転する第1速度でドラム200を回転させる高速区間Hと、衣類がドラム200が回転する度にドラム200の内壁から分離されて攪拌されるようにドラム200を第1速度より低い第2速度で回転させる定速区間Lとを含む。
【0352】
第1速度は衣類に1G以上の遠心力を発生させるようにドラム200を回転させる速度又はそれ以上の速度に相当し、第2速度は衣類が1G以下の遠心力を発生させるようにドラム200を回転させる速度に相当する。
【0353】
回転段階S2は、予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3、冷却区間A4のいずれにおいても行われる。
【0354】
また、回転段階S2は、予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3、冷却区間A4の少なくともいずれか1つにおいて所定時間の間は中止されてもよいが、空気供給段階S1が予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3)、冷却区間A4のいずれか1つの区間全体で中止されなくてもよい。
【0355】
回転段階S2は、予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3、冷却区間A4において、衣類の損傷防止、衣類の収縮防止、衣類の乾燥の少なくともいずれか1つのために高速区間Hと低速区間Lとの様々な組み合わせを配置することができる。
【0356】
これにより、回転段階S2は、高速区間Hによって衣類をドラム200に付着させ、衣類の摩擦や摩耗を防止し、低速区間Lによって衣類の乾燥を行うこともでき、速度を第2速度より下げて回転させる場合、衣類に加わる機械力を減少して衣類の収縮を防止することもできる。
【0357】
また、回転段階S2は、布地を保護する機能を基準として、防止区間S21、保護区間S22、分離区間S23、露出区間S24にも区分できる。
【0358】
防止段階S21は、衣類がドラムの内壁に付着されて回転する第1速度H1以上にドラムを回転させる高速区間Hを含む。即ち、防止段階は、衣類をドラム200に付着して回転させることで、衣類同士で摩擦すること、及び衣類とドラム200が摩擦することを防止できる。
【0359】
また、防止段階S21は、第1速度H1より低い速度で回転する低速区間Lをさらに含む。これにより、防止段階S21は高速区間Hと低速区間Lが周期的に配置されてもよい。これにより、防止段階S21は低速区間Lによって衣類を攪拌することで、高速区間Hで衣類の特定の領域のみが過乾燥されることを防止し、衣類が均一に乾燥できるように誘導する。
【0360】
即ち、防止段階S21では、衣類の低速区間Lが含まれ、衣類の保護だけではなく、衣類の乾燥も行う。
【0361】
防止段階S21では、後述する引張りモーションと干しモーションのいずれか1つが行われる。
【0362】
防止段階S21は、予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3の少なくともいずれか1つにおいて行われる。予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3には衣類の乾燥だけではなく、いずれも衣類の保護は必要であるため、防止段階S21が予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3のそれぞれにおいて少なくとも1つ以上行われる。
【0363】
予熱区間A1は、冷媒の温度が開始温度から所定温度TCに到達するときに終了し、恒率乾燥区間A2は、乾燥度が設定値cに到達するか、恒率乾燥区間A2の持続時間が基準時間を経過するときに終了し、減率乾燥区間A3は、乾燥度が完了値eに到達するときに終了することで区分できる。
【0364】
一方、予熱区間A1で行われる防止段階S21は、恒率乾燥区間A2又は減率乾燥区間A3で行われる防止段階S22より低速区間Lに比べて高速区間Hの比率がより長く設定される。予熱区間A1は衣類が湿布状態であるため、相対的に大きく収縮されている状態であるため、高速区間Hを多く配置して、衣類を最大に膨張させる必要があるからである。
【0365】
また、恒率乾燥区間A2又は減率乾燥区間A3で行われる防止段階S22は、低速区間Lの比率が予熱区間A1より高く、衣類を乾燥させる効率がさらに増加する。
【0366】
一方、回転段階S2は、ドラム200を制限速度よりは早く、第1速度H1よりは低く回転させ、衣類を空気に露出させる露出段階S24を行う。
【0367】
露出段階S24は、衣類の保護とは関係なく、衣類の乾燥を目的とする段階とみられる。例えば、露出段階S24はタンブリングモーション、返しモーションなどが行われる段階である。
【0368】
一方、防止段階S21は、恒率乾燥区間A2又は減率乾燥区間A3では露出段階S24の終了後に行われる。露出段階S24において衣類の乾燥が進行されて乾布に近くなるほど、衣類の表面に毛羽が発生したり摩擦によって損傷し易いため、露出段階S24の以後に防止段階S21を行い、衣類と衣類、衣類とドラムの摩擦を最小化することができる。
【0369】
保護段階S22は、ドラムを第2速度L1以下に回転させる低速区間Lを含む段階である。具体的に、保護段階S22は、衣類がドラムの中心Oの高さより上昇ことを遮断する制限速度L3で回転させる制限区間を含む。
【0370】
即ち、保護段階S22は、衣類に加わる落差衝撃を減少し、ドラムと衣類との摩擦もさらに防止することに相当する。
【0371】
保護段階S22は、衣類の落差衝撃を最小化することで、衣類の内部の繊維にある空隙Cを保持し、衣類の収縮を防止する。また、保護段階S22は、衣類の収縮を防止すると共に、衣類をドラム200の内部で攪拌して衣類の乾燥を行う。
【0372】
保護段階S22は転がしモーションが行われることと対応する。
【0373】
また、保護段階S22は、衣類の空隙Cを保持するために行われるため、乾燥が相当に進行された減率乾燥区間A3において行われる。
【0374】
一方、回転段階S2は、ドラムを第1速度H1又は第2速度L1で回転して、その後、速度を上げて回転し、また速度を下げて回転することを周期的に繰り返す分離段階S23をさらに含む。
【0375】
分離段階S23は、乾燥度に応じる衣類の慣性力の差を用いて、湿布と乾布を分離する。よって、恒率乾燥区間A2において分離段階S23を行う場合、湿布を乾布から分離して集中的に乾燥し、乾布が過乾燥されることを防止する。
【0376】
分離段階S23は、振りモーションが行われることと対応する。
【0377】
減率乾燥区間A3は、衣類の乾燥が相当に進行された状態であるため、衣類を均一に乾燥することがより重要な区間である。よって、分離段階S23は、減率乾燥区間A3の進入前に行われ、衣類が乾燥度別に分離されるようにし、減率乾燥区間A3の持続時間を大幅に減少させる。
【0378】
減率乾燥区間A3では、保護段階S22が行われた後、防止段階S21が行われる。これは保護段階S22において衣類の乾燥度が高くなると、衣類とドラムとの摩擦を防止する必要があり、防止段階S21においても低速区間Lで衣類の攪拌及び衣類の乾燥が行われ、高速区間Hでもドラム200の内壁に付着されていない衣類の領域まで乾燥が行われるためである。
【0379】
減率乾燥区間A3において防止段階S21は、乾燥度が所定値dに到達するとき、防止段階S21を行う。
【0380】
結果として、本発明の衣類処理装置は、空気供給段階S1の各区間ごとに防止段階S21、保護段階S22、分離段階S23を適宜に選択するか組み合わせて、衣類の摩耗防止、衣類の収縮防止、衣類の均一な乾燥を図る。
【0381】
例えば、予熱区間A1では、引張りモーションを行って湿布の収縮を防止し、恒率乾燥区間A2では、タンブリングモーションで衣類を乾燥し、干しモーションで衣類の摩耗を防止し、後述する振りモーションを行って衣類を均一に乾燥し、減率乾燥区間A3では、後述する転がしモーションを行って衣類の収縮を防止して乾燥し、干しモーションを行って衣類に毛羽が発生することを防止する。
【0382】
コース及びオプションの種類に応じて、空気供給段階S1の各区間ごとに、回転段階S2は、引張りモーション、干しモーション、タンブリングモーション、返しモーション、転がしモーション、後述する停止モーションを適宜に選択して行う。
【0383】
また、本発明の衣類処理装置は、空気供給区間S1に回転段階S2を行うとき、前述したモーションをいずれも適用することができる。
【0384】
あるいは、本発明の衣類処理装置は、ドラムモーションのうち、所定のモーションのみを所定の区間に選択的に行ってもよい。
【0385】
例えば、本発明の衣類処理装置は、所定の乾燥コース及びオプションが行われる場合、回転段階S2を行うとき、予熱区間A1では引張りモーションを行うこと、恒率乾燥区間A2ではタンブリングモーション、干しモーション又は振りモーションを行うこと、減率乾燥区間A3では転がしモーション、干しモーションを行うこと、冷却区間A4では停止モーションを行うこと、からいくつかを選択して行ってもよい。即ち、本発明の衣類処理装置は、回転段階S2を行うとき、予熱区間A1では引張りモーションを行い、その他の区間ではタンブリングモーションを行ってもよい。
【0386】
図16(d)は温度制御段階S3の制御方法を示す図である。
【0387】
温度制御段階S3は、圧縮機930の駆動を制御して、ドラム200の内部の温度又はドラム200に供給される熱風の温度を制御する段階である。温度制御段階S3は、予熱区間A1、恒率乾燥区間A2、減率乾燥区間A3、冷却区間A4においてそれぞれ圧縮機930の制御方式が異なってもよい。
【0388】
温度制御段階S3は、ドラム200の内部の温度を衣類が損傷される制限温度T_limitを超えないように制御する段階である。このために、温度制御段階S3は、圧縮機930を加熱RPM(rpm_h)で回転させる第11段階S31と、圧縮機930を加熱RPMより低い恒率RPM(rpm_cr)で回転させる第2段階S32と、圧縮機930を恒率RPMより低い減率RPM(rpm-fr)で回転させる第3段階S33とを含む(図17を参照)。
【0389】
言い換えれば、温度制御段階S3は、空気供給段階S1の実行中に圧縮機930の駆動RPMを順次に減速することで、冷媒の温度を調節して、ドラム200の内部の温度が制限温度T_limitを超えないように制御することができる。これにより、衣類が熱風によって過熱されて損傷することが防止できる。
【0390】
図17は空気供給段階S1が行われるときの熱交換部900とドラム200の内部の状態を示す図である。
【0391】
予熱区間A1は圧縮機930の作動時間や作動条件を基準として区分される。具体的に、乾燥行程が開始されると、圧縮機930は駆動を開始して冷媒を圧縮し、第2熱交換機920に吐出させる。このとき、圧縮機930から吐出される冷媒の温度が開始温度T0から所定温度TCに到達するまでの区間を予熱区間A1として設定する。
【0392】
所定温度TCは、圧縮機930が乾燥行程中で吐出する冷媒の最大温度に相当する。例えば、摂氏90度に相当する。
【0393】
あるいは、所定温度TCは、圧縮機930から吐出された冷媒が第2熱交換機920を最大温度で加熱する温度に相当する。
【0394】
あるいは、圧縮機930の作動HZが加熱HZ又は最大HZのいずれか1つに到達するまでの区間を予熱区間A1として設定する。
【0395】
あるいは、圧縮機930が作動した後、初期時間に到達するまでの区間を予熱区間A1として設定する。
【0396】
一方、予熱区間A1は循環流路部930を流れる空気の温度が加熱温度まで到達するまでの温度で設定されてもよい。加熱温度は衣類の水分が自然乾燥される量より多く乾燥される温度であって、摂氏40度に相当する。即ち、熱交換部900が作動して、循環流路部930に吐出される空気が加熱温度に到達するまでの区間を予熱区間A1として確定する。
【0397】
結果として、予熱区間A1は、乾燥行程の初期区間であって、圧縮機930が作動し始めて、第2熱交換機920を所定温度まで加熱することで、ドラム200の内部又は循環流路部930を流れる空気の温度が衣類の水分を十分に乾燥させるまで加熱及び準備される区間であるといえる。
【0398】
予熱区間A1において圧縮機930及び循環流路ファン950の作動によってドラム200の内部には持続的に加熱されている空気が流入される。その結果、ドラム200の内部の温度は漸次に増加し、衣類から水分が蒸発する。
【0399】
また、予熱区間A1において回転段階S2が進行され、衣類がドラム200で回転するため、衣類の表面に空気が均一に露出される。その結果、予熱区間A1においても衣類の乾燥が進行される。
【0400】
予熱区間A1の以後には恒率乾燥区間A2が開始される。
【0401】
予熱区間A1及び恒率乾燥区間A2は衣類の乾燥度を基準として区分できる。
【0402】
具体的に、本発明の衣類処理装置は、衣類の乾燥度が測定可能な乾燥センサーを含む。乾燥センサーはドラム200の内部の衣類と接触可能に備えられる。乾燥センサーは前面板410に取り付けられてもよく、前方ガスケット413の内周面の下部に配置されてもよい。
【0403】
乾燥センサーは衣類と接触して衣類の抵抗値などを測定して、衣類の乾燥度を演算する電極センサーとして構成される。
【0404】
もちろん、乾燥センサーは、衣類の乾燥度が測定できるものであれば、どのような形態でもよい。
【0405】
衣類の乾燥度が基準値aに到達する場合、予熱区間A1が終了し、恒率乾燥区間A2に進入することと設定される。例えば、基準値aは20%に相当する。
【0406】
恒率乾燥区間A2は熱風がドラム200の内部に十分に流入され、衣類から水分が本格的に乾燥される区間である。
【0407】
恒率乾燥区間A2においては、衣類から水分が多量に持続に蒸発して、気化熱を熱風から吸収する。よって、恒率乾燥区間A2においてはドラム200の内部温度が予熱区間A1より小さい幅に増加するか、所定レベルに維持される。
【0408】
恒率乾燥区間A2は、ドラム200の内部温度又は循環流路部930に吐出される温度が乾燥温度のレベルに維持され、乾燥温度は、予熱区間A1の終了温度である所定温度TCに対応する。
【0409】
即ち、恒率乾燥区間A2にはドラム200の内部に所定温度TCより高い熱風が供給されても、ドラム200の内部温度は所定温度TC以下に留まる。
【0410】
*恒率乾燥区間A2でも回転段階S2は行われ、ドラム200に配置された衣類の位置を持続的に可変することで、衣類が熱風に均一に露出される。よって、ドラム200が停止しているときより多量の水分が衣類200から気化される。
【0411】
恒率乾燥区間A2の以後に減率乾燥区間A3が行われる。
【0412】
恒率乾燥区間A2が行われる過程において、衣類からの水分の蒸発量が漸次に減少する。これにより、衣類に含まれた水分が気化する量が減らし、ドラム200の内部に流入される熱風の温度を十分に下げることができなくなる。その結果、ドラム200の内部の温度は、供給される熱風によって乾燥温度より高く上昇する。よって、減率乾燥区間A3は、ドラム200の内部の温度が乾燥温度より上昇する時点から進入することと設定される。
【0413】
減率乾燥区間A3は、恒率乾燥区間A2が進行される過程において、衣類の乾燥度が設定値cに到達するときに進入することと設定される。衣類が電極センサーとして備えられた乾燥センサーに接触して演算された乾燥度が設定値cに到達するときに減率乾燥区間A3に進入することとみられる。
【0414】
設定値cは50%以上に設定され、例えば、80%に設定される。衣類の乾燥度が50%以上になると、衣類から吐出される水分量が減らすため、気化熱も小さくなり、熱風の温度が低くならないためである。
【0415】
減率乾燥区間A3でも回転段階S2が行われ、ドラム200の内部で乾燥が完了していない衣類が熱風に露出されるように誘導される。よって、衣類において乾燥が完了した部分がドラム200の回転によってドラム200の内壁や他の衣類に隠され、過乾燥されることが防止できる。
【0416】
また、衣類において乾燥が完了していない部分がドラム200の回転によってドラム200の内部に露出されることで、乾燥されないことが防止できる。
【0417】
減率乾燥区間A3の以後に冷却区間A4が行われる。冷却区間A4は衣類の乾燥が完了されたが、ドラム200の内部が未だ冷却されず、ユーザが負傷する余地のある区間に相当する。
【0418】
減率乾燥区間A3の進行中に衣類の乾燥度が完了値eに到達するときに冷却区間A4に進入することと設定される。例えば、完了値eは90%以上に相当する。
【0419】
冷却区間A4には圧縮機930は作動せず、モーター部500及び循環流路ファン950が駆動される。これにより、ドラム200には熱風より温度の低い冷風が供給され、冷風がドラム200の内部で回転する衣類に均一に接触して衣類が冷却される。
【0420】
冷却区間A4はドラム200の内部温度が安全温度に到達するときに終了される。安全温度は、ユーザに火気が露出されていない温度であって、20度に相当する。
【0421】
冷却区間A4でも回転段階S2が行われ、衣類の全ての領域が冷風に露出される。よって、衣類が冷却されるだけではなく、衣類の流動によりドラム200の内部の空気も冷風と混合されて冷却される。
【0422】
一方、冷却区間A4には回転段階S2が終了された後、所定時間を待機する待機段階がさらに行われてもよい。即ち、冷却区間A4の末期にはドラム200の回転なく循環流路ファン950のみを駆動し、ドラム200に冷風のみが流入されるか、循環流路ファン950も駆動せず、衣類が自然冷却されるように放置する。
【0423】
一方、本発明の衣類処理装置は、空気供給段階S1及び回転段階S2の実行中にさらに温度制御段階S3を行ってもよい。
【0424】
温度制御段階S3は、ドラム200の内部の温度が限界温度Tmax以上に上昇することを防止する段階であって、限界温度は、衣類の乾燥と殺菌を行うものの、衣類が高熱によって損傷及び変形されることを防止する温度である。
【0425】
例えば、限界温度Tmaxは摂氏60度以下に設定される。
【0426】
温度制御段階S3は空気供給段階S1の全体の区間において行われる。
【0427】
温度制御段階S3は、ドラム200の内部から吐出される空気又は流入される空気のいずれか1つが限界温度Tmaxを超えないように圧縮機930の駆動rpmと、圧縮機930から吐出される冷媒の温度を制御する。
【0428】
温度制御段階S3では、圧縮機930から吐出される冷媒の温度が冷媒の最高温度Thから時間によって所定温度に減少するように設定される制限温度を超えないように制御される。
【0429】
冷媒の制限温度T_limitは、予熱区間A1から冷却区間A4に至るまで全区間にわたって減少するように設定される。その結果、冷媒の温度が各区間において低くなり、ドラム200の温度は限界温度Tmaxを超えないように制御される。
【0430】
冷媒の制限温度T_limitは時間によって異なり、時間が経過するほど減少する。
【0431】
温度制御段階S3では圧縮機930は吐出される冷媒の温度が各瞬間に設定される制限温度を超えないように制御される。
【0432】
温度制御段階S3では、減率乾燥区間の制限温度T_limitは恒率乾燥区間の制限温度T_limitより低く、恒率乾燥区間の制限温度T_limitは減率乾燥区間の制限温度T_limitより低く設定される。
【0433】
温度制御段階S3において圧縮機930はRPMが制御され、冷媒の温度を制御することでドラムの温度を制御する。
【0434】
具体的に、予熱区間A1が進行すれば、第1段階S31が行われる。圧縮機930は加熱RPM(rpm_H)まで加速されて駆動し、加熱RPMは乾燥行程中に圧縮機930まで到達する最大RPMに相当する。これにより、予熱区間A1において冷媒の温度が迅速に上昇する。
【0435】
予熱区間A1が終了するか、恒率乾燥区間A2に進入する場合、第2段階S32が行われる。これにより、圧縮機930は駆動するrpmが減速するように制御される。恒率乾燥区間A2において圧縮機930は加熱rpmより低い恒率rpm(rpm_CR)で駆動するように制御される。
【0436】
これにより、恒率乾燥区間A2においてドラム200の温度が上昇することを防止する。
【0437】
減率乾燥区間A3では第3段階S33が行われる。圧縮機930は恒率rpmより低い減率rpm(rpm_FR)で駆動するように制御される。
【0438】
以後、冷却区間A4では圧縮機930は駆動を中止し、ドラム200の温度が低くなる。
【0439】
結果として、温度制御段階S3において圧縮機930は駆動されるため、冷媒の温度が上昇し、ドラムの温度は上昇又は維持される。
【0440】
また、温度制御段階S3において圧縮機930のrpmは、各区間において低くなり、ドラム200の温度は限界温度Tmaxを超えない。
【0441】
また、温度制御段階S3において圧縮機930は駆動するrpmが低くなっても駆動を中止せずに連続して駆動するため、冷媒は圧縮されてドラム200に流入される空気を加熱することができる。これにより、ドラム200の温度は限界温度Tmax以下から所定の温度以下に落ちず、維持される。
【0442】
結果として、本発明の衣類処理装置は、回転段階S2だけではなく、温度制御段階S3によって衣類の損傷を防止することができる。
【0443】
図18は本発明の衣類処理装置の回転段階がタンブリングモーションを含むことを示す図である。
【0444】
回転段階S2は、ドラム200を1G以上の加速力を提供する第1速度H1より低い速度である第2速度L1で一方向に回転させるタンブリングモーションを含む。
【0445】
例えば、ドラム200の直径が24インチ又は27インチである場合、第1速度H1は50RPM以上に相当し、第2速度L1は50RPM又はその以下の速度に相当する。
【0446】
第1速度H1はドラム200が回転するとき、ドラム200に受容された衣類がドラムの内壁に付着されて回転する速度で定義される。ドラム200が第1速度H1より低い第2速度L1で回転するタンブリングモーションでは、ドラム200に受容された衣類はドラム200の内壁から分離されて回転する。これにより、ドラム200に受容された衣類がドラム200が回転する度にドラム200の内壁から分離及び落下して熱風に均一に露出される。
【0447】
タンブリングモーションは、ドラム200が第2速度L1で回転するのであれば、時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に回転してもよい。但し、タンブリングモーションは、ドラム200の回転方向は変更せずに維持して、モーター部500に加わる負荷を節減することができ、衣類が急激に撚れたり絡まることが防止できる。
【0448】
図19はタンブリングモーションにおいて衣類の状態を示す図である。
【0449】
図19(a)を参照すれば、ドラム200の内部に受容された衣類は自重によってドラム200の下部に配置される。
【0450】
図19(b)を参照すれば、タンブリングモーションが行われ、ドラム200が時計回りに回転する場合、ドラム200の内部に受容された衣類はドラム200との摩擦力と、ドラム200が第2速度L1で回転しながら発生する遠心力により、ドラム200の内壁に付着して上部に上昇する。
【0451】
衣類はドラム200の回転中心(O)又は中央より上部までドラム200の内壁に付着して上昇する。
【0452】
図19(c)を参照すれば、ドラム200は1Gより低い遠心力を提供する第2速度L1で回転するため、衣類がドラム200の中心より上部に移動するが、ドラム200の高点より低い位置でドラム200の内壁に分離され、ドラム200の下部に向かって落下する。
【0453】
即ち、タンブリングモーションにおいてドラム200に受容された衣類は、ドラム200の下部でドラム200の半径Rよりは上にドラム200の内壁に付着して上昇するが、ドラム200の下部でドラム200の直径2R分までは上昇せず、ドラム200の内壁から分離される。
【0454】
言い換えれば、タンブリングモーションにおいて衣類は自重がドラム200からの遠心力より大きいため、ドラム200の中央Oとドラム200の高点との間でドラム200の内壁から分離されてドラム200の低点に向かって落下する。
【0455】
また、衣類はドラム200と共に回転する慣性力によって、ドラム200の内壁から分離される場合、ドラム200の低点より一側に偏って落下する。例えば、ドラム200が時計回りに回転する場合、衣類はドラム200の低点から右側に向かって落下し、ドラム200が反時計回りに回転する場合、衣類はドラム200の低点から左側に向かって落下する。
【0456】
その結果、衣類はドラムの中央Oより高い一側の上部からドラムの中央Oより低い他側の下部に落下し、できる限りドラム200の直径2Rに近く移動し、衣類がドラム200に供給される熱風に露出される面積や時間がさらに長くなる。
【0457】
また、衣類がドラム200の内壁に付着して分離されることを繰り返し、ドラム200の中央Oに対向する露出面が変わり、衣類の表面の全体が均一に熱風に露出される。
【0458】
その結果、タンブリングモーションにおいて衣類は最も効果的に乾燥される。但し、前述のように、タンブリングモーションのみを持続する場合、衣類の収縮や摩耗が発生する。
【0459】
これを防止するために、本発明の衣類処理装置は、前述した衣類の摩耗及び衣類の収縮を防止するために、タンブリングモーションの他にドラムのモーションをさらに提供する。また、本発明の衣類処理装置は、各区間に適用されるドラムモーションを可変させるか様々な組み合わせを適用する。
【0460】
言い換えれば、本発明の衣類処理装置において回転段階S2は、空気供給段階S1の各区間においてドラム200の回転速度、ドラム200の回転方向、ドラム200の持続時間などを様々に可変する。即ち、本発明の衣類処理装置の回転段階S2は、収縮される衣類を膨張させたり、衣類に加わる機械力及び摩擦力などの外力を減少させるなど、衣類とドラムの摩擦を最小化する様々なモーションを行う。
【0461】
本発明の衣類処理装置は、モーター部500がドラム200に直接に結合されるか、減速機600によってドラム200に直接に締結されるため、モーター部500はドラム200の回転方向及び回転速度を自在に変化させることができる。
【0462】
よって、本発明の衣類処理装置は、空気供給段階S1において衣類の状態及びドラム200の内部の状態に応じて、ドラム200の回転速度、ドラム200の回転方向、ドラム200の回転速度の持続時間のうちの少なくとも1つを可変し、衣類の収縮及び摩耗、損傷をいずれも予防することができる。
【0463】
以下、本発明の衣類処理装置が回転段階S2において実行可能な様々なモーションについて説明する。
【0464】
回転段階S2は、衣類がドラムの内壁に付着した状態で回転するようにドラムを回転させる高速区間Hと、衣類がドラムの内壁から落下して回転するようにドラムを回転させる低速区間Lとで構成される。
【0465】
高速区間Hは、ドラム200が1G以上の加速力を発生させる第1速度H1以上に回転する区間であり、低速区間Lは、ドラム200が第1速度H1より低い第2速度L1で回転して1G以下の加速力を発生させる区間である。
【0466】
例えば、本発明の衣類処理装置は、第2速度L1は50RPM又はその以下の速度に設定され、第1速度H1は50RPMを超える速度に設定される。
【0467】
図20は回転段階が引張りモーションを含むことを示す図である。
【0468】
回転段階S2は、ドラム200を第2速度L1で準備時間の間に回転し、ドラム200を第1速度H1で膨張時間の間に回転することを周期的に繰り返す引張りモーションを行う。
【0469】
これにより、衣類は準備時間の間はドラム200の内部でドラム200の内壁から分離されて攪拌され、膨張時間の間はドラム200の内壁に付着して1G以上の加速力を受ける。
【0470】
膨張時間は準備時間より長く設定される。よって、衣類は攪拌される時間より長く1G以上の加速力を受ける。
【0471】
衣類は膨張時間の間は1G以上の加速力によってドラム200の内壁に付着するため、ドラム200の内周面に沿って膨張する。また、衣類は膨張時間以後の準備時間の間はドラム200の内壁から分離されるため、次の膨張時間に衣類の他の領域がドラム200の内壁に付着する。
【0472】
引張りモーションは衣類が膨張時間の間に引っ張られ、準備時間の間には引っ張られる部分が変わり、膨張時間の間にはまた引っ張られることが繰り返される。その結果、引張りモーションでは収縮された衣類が膨張したり、衣類の収縮が防止されるように予め引っ張られるという効果が導出される。
【0473】
一方、引張りモーションは、さらに第3速度L2で待機時間の間に回転することを行ってもよい。引張りモーションにおいて、第3速度L2で待機時間の間に回転することは、第2速度L1から第1速度H1に加速される間に配置される。これにより、ドラム200が第2速度L1で回転して、第3速度L2に減速された後、第1速度H1まで加速される。その結果、ドラム200において衣類に加わる加速力が増加して衣類がさらに膨張する。
【0474】
また、引張りモーションにおいて第3速度L2で待機時間の間に回転することは、第1速度H1から第2速度L1に減速された以後に配置されてもよい。これにより、ドラム200が第1速度H1で回転して、第2速度L1に減速された後、第3速度L2まで減速される。その結果、ドラム200の回転速度が第1速度H1から第3速度L2まで減速する時間が増加し、衣類に加わる落差衝撃が減少される。また、ドラム200を制動するために、モーター部500に加わる負荷が節減される。
【0475】
一方、待機時間は膨張時間より短く設定される。その結果、引張りモーションでは衣類が引っ張られる時間がより多く確保できる。
【0476】
また、待機時間は準備時間より短く設定される。その結果、引張りモーションでは衣類が攪拌される時間を最小化し、衣類が互いに摩耗されるか、ドラム200に摩擦することを最小化することができる。
【0477】
一方、膨張時間は、準備時間と待機時間の和と同一であるか、準備時間と待機時間の和より長く設定される。これにより、引張りモーションにおいて衣類が引っ張られる時間が衣類が攪拌される時間と同一であるかより長く設定される。
【0478】
結果として、引張りモーションでは高速区間Hと低速区間Lが周期的に配置される。
【0479】
また、低速区間Lは2段階の速度区間にさらに区分されてもよい。よって、引張りモーションでは全3つ以上の速度区間が周期的に繰り返される。
【0480】
引張りモーションではドラム200が第1速度H1で膨張時間の間に回転し、第2速度L1に減速されて準備時間の間に回転した後、また第3速度L2に減速されて待機時間の間に回転し、その後、また第1速度H1に加速されて膨張時間の間に回転することを周期的に繰り返す。
【0481】
結果として、引張りモーションは、1周期間に2回の1G以上の加速区間を通過する。
【0482】
図21は本発明の衣類処理装置が引張りモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0483】
図21(a)を参照すれば、ドラム200の内部の衣類は初期長さD1状態で配置される。
【0484】
図21(b)を参照すれば、ドラム200は第2速度L1で準備時間の間に回転するか、第3速度L2で待機時間の間に回転し、衣類はドラム200の内壁に付着して上昇せずにドラム200で攪拌される。
【0485】
図21(c)を参照すれば、ドラム200が第1速度H1まで加速されて回転する。よって、ドラム200は膨張時間の間に第1速度H1を維持し、膨張時間はドラムが1回転する時間より長く設定される。よって、衣類はドラム200の内壁に付着して回転し、ドラム200の内壁に沿って膨張する。
【0486】
図21(d)を参照すれば、衣類は初期長さD1より長い膨張長さ(D2)だけ拡張される。 また、この過程が繰り返され、衣類は膨張力を持続的に受けて収縮されず、収縮されてもまた膨張する。
【0487】
図22は回転段階が返しモーションを含むことを示す図である。
【0488】
回転段階S2はドラム200を1G以上の加速力を提供する第1速度H1より低い速度である 第2速度L1で両方向に回転させる返しモーションを含む。
【0489】
返しモーションは所定時間の間に一方向にタンブリングモーションを行い、また所定時間の間に他方向にタンブリングモーションを行う。
【0490】
所定時間はドラムが1回転する時間に相当する。この場合、返しモーションはドラム200を時計回りに第2速度L1で1回転し、ドラム200を反時計回りに第2速度L1で1回転することである。この場合、ドラム200は衣類を一方向に攪拌した後、他方向に攪拌して衣類を返す効果を発生する。
【0491】
その結果、衣類がドラム200の内部に露出される面が変わり、衣類の特定の領域が過乾燥されることを防止し、均一に乾燥されることが誘導される。
【0492】
返しモーションは、タンブリングモーションが行われるとき、特定時点に間欠的に行われる。また、返しモーションが行われる場合、タンブリングモーションは回転方向が変更される。
【0493】
その結果、タンブリングモーションにおいて衣類がドラム200に接触する面が変わり、その後に続くタンブリングモーションにおいて衣類で乾燥されていない領域が集中的に乾燥される。
【0494】
一方、所定時間はドラムがN回転する時間に相当する。例えば、所定時間は2分以上の時間に設定される。この場合、返しモーションはタンブリングモーションが周期的に方向を変えて行われることに対応する。
【0495】
これにより、ドラムが一方向に回転して衣類の特定の領域のみがドラム200の内壁に接触するかドラム200の内部に露出されている場合、ドラムが他方向に回転し、衣類が返されるか攪拌されて、衣類の他の領域がドラム200の内壁に接触するかドラム200の内部に露出される。
【0496】
その結果、ドラム200の内部の衣類が熱風に均一に露出される。
【0497】
もちろん、返しモーションはドラム200が第1速度H1で一方向に所定時間の間に回転し、第1速度H1で他方向に所定時間の間に回転することも含む。この場合は、ドラム200の内壁に付着した衣類の領域を変えて衣類に熱風が供給される領域を集中させる。
【0498】
また、返しモーションはドラム200が第1速度H1で一方向に所定時間の間に回転し、第2速度L1で他方向に所定時間の間に回転することを含む。
【0499】
図23は回転段階が返しモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0500】
図23(a)を参照すれば、ドラム200が時計回りに回転する。このとき、ドラム200が第2速度L1で回転する場合には、タンブリングモーションのように衣類はドラムの中央oより高い高さに上昇した後、下部に落下する。
【0501】
図23(b)を参照すれば、ドラム200は時計回りに回転することが減速され、瞬間的に停止するか反時計回りに回転し始める。ドラム200に受容された衣類は、ドラムの中央o領域の下に分布される。
【0502】
図23(c)を参照すれば、ドラム200は反時計回りに加速して回転する。このとき、ドラム200が第2速度L1に回転する場合、タンブリングモーションが反対方向に行われる効果が導出される。衣類はドラムの中央Oより高い領域に上昇した後、下部に落下する。このとき、時計回りに回転する場合とは回転方向が反対側となるため、衣類は時計回りに回転するときとは他の領域がドラム200の内壁に付着されて上昇する。これにより、衣類がドラム200の内部で少なくとも一部が返された状態で攪拌される。
【0503】
その結果、ドラム200が時計回りに回転するとき、他の領域が熱風により多く露出されて衣類が均一に乾燥される。
【0504】
返しモーションは、図21(A)から(C)までのモーションを周期的に繰り返す。また、図示とは異なり、返しモーションにおいてドラム200は第1速度H1で回転してもよい。
【0505】
図24は回転段階が干しモーションを含むことを示す図である。
【0506】
回転段階S2は、衣類がドラムの内壁に付着した状態で回転する高速区間Hと、衣類がドラムの内壁から落下して回転する低速区間Lとが周期的に行われる干しモーションを含む。
【0507】
干しモーションはドラム200を第1速度H1で第1時間の間に回転した後、ドラム200を第1速度H1より低い第2速度L1で第2時間の間に回転することを周期的に繰り返すモーションである。即ち、干しモーションにおいてドラム200は高速区間Hと低速区間Lとで周期的に回転する。
【0508】
干しモーションは、第1時間の間に1G以上の加速力を発生させるようにドラム200を回転し、第2時間の間に1G以下の加速力を発生させるようにドラム200を回転し、また第1時間の間に1G以上の加速力を発生させるようにドラム200を回転するモーションを繰り返す。
【0509】
干しモーションは、第1時間の間にドラム200が第1速度H1で回転し、タンブリングモーションを第2時間の間に行うことを繰り返す。
【0510】
衣類は、干しモーションが行われる場合、ドラム200に第1時間の間に付着して回転し、第2時間の間にドラム200から分離されて攪拌又は落下し、また第1時間の間には付着されて回転する。
【0511】
これにより、衣類は、タンブリングモーションよりもドラム200の内壁に付着している時間が長く設定され、ドラム200の内壁で摩擦されることを最小化することができる。また、衣類がドラム200の内壁に付着されて回転する場合、衣類がドラム200に固定されるため、衣類が互いに摩擦又は摩耗されることも防止できる。
【0512】
干しモーションは衣類が損傷することを防止するために、第1時間を第2時間より長く設定するか、少なくとも第2時間と等しく設定する。
【0513】
即ち、干しモーションは、衣類がドラム200の内壁に付着されて回転する時間を十分に確保し、衣類が不要に摩擦されることを防止する。
【0514】
結果として、干しモーションにおいて高速区間Hの持続時間は、低速区間Lの持続時間と等しいか長く設定されてもよく、高速区間Hの全体時間は持続時間の全体時間より長く設定されてもよい。
【0515】
干しモーションは、第1時間の間にドラム200を第1速度H1で回転し、衣類200においてドラム200の内壁に接触していない領域を熱風に集中的に供給する。また、第2時間の間にドラム200を第2速度L1で回転し、衣類200をドラムから分離して攪拌し、次の第1時間の間に衣類200の他の領域がドラム200の内壁に接触しないようにして、熱風が集中される領域を変更させる。
【0516】
その結果、干しモーションでは衣類の特定の領域が過乾燥されることを防止することができる。
【0517】
一方、干しモーションでは、衣類をドラム200の内壁に十分に固定するだけではなく、衣類をドラム200の内部において十分に攪拌する時間を確保するために、高速区間Hではドラムが少なくとも1回転以上に回転し、低速区間Lではドラムが少なくとも1回転以上に回転する。
【0518】
言い換えれば、第1時間はドラム200が1回転する時間以上に設定され、第2時間はドラム200が1回転する時間以上に設定される。例えば、第1時間は2分以上に設定され、第2時間も2分以上に設定される。
【0519】
干しモーションは高速区間Hと低速区間Lとの間に第2速度L1より低い第3速度L2で第3時間の間に回転する準備区間をさらに配置してもよい。干しモーションはドラム200を第1速度H1から第2速度L1に減速するとき、第3速度L2までさらに減速する。
【0520】
ドラム200の内壁に付着して1G以上の加速力を受けた衣類にまた強力な外力がさらに加わることを防止することができる。また、モーター部500が余力制動などで減速される場合、第3速度L2まで減速し、ドラム200の減速時間を長く確保することで、衣類に加わる加速力や外力の最大サイズを減少させる。よって、衣類がドラム200から分離される過程において摩擦又は毛羽などが発生することを防止できる。
【0521】
一方、第3時間はドラムが1回転する時間よりは長く設定され、衣類がドラム200において上部に上昇して、攪拌の前に適切に分布される時間を確保する。但し、第3時間は第2時間より短く設定され、不要に乾燥が遅延されることを防止する。
【0522】
第3速度L2は衣類がドラムの中央O領域より上部に上昇することが防止される速度でもある。
【0523】
結果として、干しモーションは、ドラム200が第1時間の間に第1速度H1で回転し、第2速度L1より低い第3速度L2まで減速された後、第3時間の間に回転し、その後、第2速度L1に加速されて第3時間の間に回転する過程を繰り返すことを含む。
【0524】
干しモーションではドラムの回転方向は変更されずに維持される。これにより、モーター部500に過度な負荷が発生するか、衣類が過度に攪拌及び摩擦されることが防止できる。
【0525】
一方、干しモーションの第1時間は、引張りモーションの膨張時間よりは長く設定される。また、第2時間は引張りモーションの準備時間よりも長く設定される。これは干しモーションが衣類の膨張を防止するのではなく、衣類に摩擦力が加わることを防止し、且つ衣類が十分に熱風に露出されることを誘導するモーションであるからである。
【0526】
即ち、干しモーションにおいて高速区間Hの比率は引張りモーションの高速区間Hの比率より小さい。
【0527】
また、干しモーションにおいて高速区間Hが経過した後、次の高速区間Hに到達する時間又は周期は、引張りモーションにおいて高速区間Hが経過した後、次の高速区間Hに到達する時間又は周期より長く設定される。
【0528】
一方、引張りモーション及び干しモーションはいずれも高速区間H及び低速区間Lが周期的に行われるという点では共通している。
【0529】
但し、引張りモーションは高速区間Hが低速区間Lより長く設定され、干しモーションの高速区間Hは引張りモーションの高速区間Hより長く設定される。
【0530】
これは引張りモーションが衣類の膨張に集中するモーションであれば、干しモーションは衣類の乾燥及び攪拌に集中するモーションであるからである。
【0531】
よって、干しモーションの低速区間Lは引張りモーションの高速区間Hより長く設定される。
【0532】
図25は回転段階が干しモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0533】
図25(a)を参照すれば、ドラム200が時計回りに第2速度L1で第2時間の間に回転する。このとき、衣類はドラムの中央領域Oに対応する高さ又はドラムの中央領域Oより高い位置まで上昇して落下することを繰り返して攪拌されることを繰り返す。第2速度L1で第2時間の間に回転する区間はタンブリングモーションに対応する。
【0534】
図25(b)を参照すれば、ドラム200が時計回りに第1速度H1で第1時間の間に回転する。衣類はドラム200の内壁に付着して第1時間の間に回転する。
【0535】
このとき、ドラム200は第2速度L1から第1速度H1まで徐々に加速されてもよい。例えば、干しモーションにおいて低速区間Lから高速区間Hまで変化する時間は1分程度に設定される。これにより、衣類に過度な物理力が加わることが遮断され、衣類の損傷を防止することができる。
【0536】
この過程において、衣類はドラム200の内壁に付着していない領域は熱風に露出されて集中的に乾燥される。また、衣類はドラム200の内壁に付着して持続的に回転するため、ドラム200に固定された効果が導出される。よって、衣類とドラム200は互いに相対運動しないため、衣類がドラム200と摩擦することが防止できる。
【0537】
また、衣類の全体がドラム200の内壁に付着されて回転するため、衣類同士も互いに摩擦せず、衣類の一部とその他の部分も互いに摩擦しない。その結果、衣類間の摩擦も防止され、衣類に毛羽などが発生することが防止できる。
【0538】
図25(c)を参照すれば、ドラム200はまた第1速度H1に減速されて回転する。このとき、ドラム200は第3速度L2まで減速されて回転する。その結果、衣類がドラム200の内壁から確実に分離されるだけではなく、ドラム200が回転する過程で持続的に攪拌される。衣類が攪拌されてドラム200の内壁に接触していた領域がドラム200の内部に露出されて乾燥される。
【0539】
一方、第1速度H1から第3速度L2に減速される時間は1分程度に設定される。
【0540】
ドラム200は第2速度L1に再び加速されて第2時間の間にまた回転する。衣類はドラム200の中央領域oより上部に上昇して落下し、熱風に持続的に露出されて攪拌されることが繰り返される。よって、衣類はドラムが第1速度H1で回転するときより高効率で乾燥される。
【0541】
図25(d)を参照すれば、ドラム200はまた第1速度H1に加速されて第1時間の間に回転する。
【0542】
干しモーションはこの過程を繰り返すことで、タンブリングモーションを間欠的に行って衣類を乾燥することができる。また、干しモーションはタンブリングモーションの途中に衣類をドラム200の内壁に付着して衣類が攪拌される過程で摩擦されるか、ドラムに摩擦される時間を大幅に縮小できる。
【0543】
結果として、干しモーションは衣類の乾燥及び衣類の保護をいずれも図ることができる。
【0544】
干しモーションは、恒率乾燥区間A2において行われる。干しモーションは衣類の乾燥度が減率乾燥区間に進入する目標値bに近づいた場合、恒率乾燥段階A2で行われば、衣類が摩擦又は摩耗されることが防止できる。
【0545】
また、干しモーションは、減率乾燥区間A3において行われる。減率乾燥区間A3では衣類の乾燥度が目標値bを超えた区間であるため、衣類に毛羽や摩耗が容易に発生する。よって、減率乾燥区間において衣類を保護するために干しモーションが行われる。
【0546】
このとき、干しモーションは、減率乾燥区間の最後に行われることが好ましい。干しモーションは、衣類をドラム200の内壁に固定する区間が長く設定されるモーションであるため、減率乾燥区間の初期に行う場合、衣類の乾燥が保障できず、減率乾燥区間の最後は衣類が最も乾燥された状態であるため、摩耗及び損傷から保護する必要性が大きいからである。
【0547】
よって、干しモーションは、減率乾燥区間において衣類の乾燥度が所定値dに到達するときに行われ、減率乾燥区間の終了時まで行われる。
【0548】
図26は回転段階が振りモーションを含むことを示す図である。
【0549】
回転段階s2はドラムの回転速度を2つ以上の領域に周期的に可変する振りモーションを含む。
【0550】
振りモーションは、衣類がドラムの内壁に付着されて回転する第1速度H1と、第1速度H1より遅い第2速度L1でドラムを周期的に回転することを含む。
【0551】
振りモーションは、ドラムの回転速度の差によって衣類に加速度の差を提供し、衣類が重さに応じて互いに分離されることを誘導する。
【0552】
一方、振りモーションは、衣類がドラムの内壁に付着されて回転する第1速度H1、第1速度H1より遅い第2速度L1、第2速度L1より遅い第3速度L2のうちの少なくとも2つ以上でドラム200の回転速度を周期的に可変することを含む。
【0553】
例えば、振りモーションは、ドラム200の速度を第2速度L1、第1速度H1、第3速度L2にしてドラムの速度を順次に可変することを含む。
【0554】
また、振りモーションは、ドラム200の速度を第2速度L1、第1速度H1、第3速度L2にしてドラムの速度を繰り返して行うことを含む。
【0555】
即ち、振りモーションは、ドラム200を第2速度L1で回転し、ドラム200を第1速度H1で加速した後、ドラム200を第3速度L2まで減速することを繰り返すことを含む。
【0556】
振りモーションにおいてドラム200が加速するときは、第3速度L2から第2速度L1に加速し、この後、第2速度L1から第1速度H1に加速する。これにより、ドラム200が急加速されることを防止して、モーター部500に過度な負荷が発生することを防止し、衣類がドラム200の内壁に押されることを防止する。
【0557】
また、振りモーションにおいてドラム200が減速するときは、第1速度H1から第3速度L2まで一度に減速して、ドラム200の内壁に付着している衣類に慣性力の差を極大化させる。これにより、振りモーションではドラム200の減速時に加速度の変化が大きく発生し、衣類が慣性力の差によって互いに分離される。
【0558】
振りモーションでは、衣類がドラム200から分離され、分離された衣類がまた均一に分布されてドラム200に付着されて回転することが繰り返される。
【0559】
結果として、振りモーションは、低速区間Lから高速区間Hに加速し、高速区間から低速区間Lに減速する過程を繰り返すモーションであり、高速区間Hから低速区間Lに減速するときには、加速前よりもさらに減速することができる。
【0560】
一方、振りモーションは、ドラム200の内部に加速度の変化を与え、衣類に慣性力の差を形成することが目的であるため、速度が変化する周期は短いほど有利である。
【0561】
但し、ドラムが1回転する間に速度が周期的に変化するように設定される場合、衣類が十分に分離される時間が確保されず、モーター部500に過度な負荷が発生する。
【0562】
よって、振りモーションにおいてドラムの速度が変化する時間は、ドラムが1回転する時間よりは長くて1分よりは短く設定される。例えば、この周期は、10秒から20秒の間に設定される。
【0563】
振りモーションでは1分以内にドラム200の全ての速度周期が完了される。
【0564】
振りモーションではドラム200の回転力の変化によって衣類に加わる加速力を変化させることで、衣類に作用する慣性力の差が発生する。衣類のうち、重い衣類は慣性力が高くドラム200の回転速度の変化に敏感に反応し、軽い衣類は慣性力が低くドラム200の回転速度の変化に鈍感に反応する。よって、重い衣類と軽い衣類は慣性力の差によって、ドラム200の回転速度の変化に応じて互いに分離される。
【0565】
その結果、重い衣類はドラム200の回転に従ってドラムの内部で上昇して下降するため熱風に頻繁に露出され、軽い衣類はドラム200の回転に比べて上昇幅が小さくて落差衝撃が小さく、位置変化量が小さいため衣類間の摩擦が小さく、ドラムとの摩擦も小さいため布地損傷も防止される。
【0566】
よって、振りモーションは、衣類の荷重の差に応じて衣類を分離させて乾燥行程を行うという長所がある。
【0567】
一方、衣類の乾燥度合が低く、湿布状態に近いか水分を含んでいる場合には重さが重いため、この衣類はドラム200の回転速度の変化に敏感に反応する。また、衣類の乾燥度合が高く、乾布状態に近いか水分の含有量が小さい場合には重さが軽いため、この衣類はドラム200の回転速度の変化に鈍感に反応する。
【0568】
よって、振りモーションは、衣類の乾燥度合の差に応じて、乾燥が大分行われた衣類と乾燥が少しだけ行われた衣類とを分離する効果もある。
【0569】
相対的に水分を含有している衣類は、ドラム200の回転変化に敏感に反応するため、持続的にドラム200の内部で高く上昇して落下し、ドラム200を通過する熱風に頻繁に露出される。よって、乾燥度が低いか、乾燥がもっと必要な衣類は、振りモーションにおいて乾燥がさらに行われる。
【0570】
相対的に水分を少し含有している衣類は、ドラム200の回転変化に鈍感に反応するため、ドラム200の内部で上昇幅が小さく、熱風に露出される領域が小さい。よって、乾燥度が高いか、乾燥が不要な衣類は、振りモーションにおいては乾燥率が低い。
【0571】
振りモーションは、ドラム200の回転速度を複数の区間で可変しても、各区間の持続時間は同じである。
【0572】
その結果、振りモーションでは乾燥がもっと必要な衣類の乾燥が行われるまで空気供給段階S1がさらに行われても、乾燥が十分に行われた衣類の過乾燥が防止できる。
【0573】
一方、タンブリングモーションの以後に干しモーションが行われ、振りモーションは干しモーションの以後に行われる。これはタンブリングモーションと干しモーションによって乾燥された衣類を分類するためである。
【0574】
また、振りモーションは、転がしモーションの以前に行われる。転がしモーションは衣類を低速で攪拌して乾燥するモーションであるため、乾燥がもっと必要な衣類を乾燥が十分に行われた衣類から分離した後に転がしモーションを行った方が転がしモーションの効果を極大化することができるからである。
【0575】
一方、振りモーションは高速区間Hを含むため、衣類が未だ水分を含有している恒率乾燥区間で行うことが好ましい。もちろん、減率乾燥区間で乾燥が完了した衣類と乾燥がもっと必要な衣類を分類するために行われてもよい。
【0576】
図27は回転段階が振りモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0577】
図27(a)を参照すれば、ドラム200の内部には全3つの種類の衣類が受容されている。
【0578】
全3つの衣類は、同じ時間の間に熱風に露出されても、衣類の材質やドラム200の内部の配置に応じて乾燥度合が異なる。
【0579】
例えば、1番目の衣類は乾燥が十分に行われず水分を多く含有している湿布状態である。2番目の衣類は乾燥が十分に行われて水分がほとんどない乾布状態である。3番目の衣類は乾燥が一部完了された状態である。
【0580】
図27(b)を参照すれば、ドラムが第2速度L1で回転する場合、タンブリングモーションのようにドラム200の内部の全ての衣類はドラム200に従って上昇し、ドラム200の高点より下部から落下して熱風に露出される。
【0581】
この過程では、1番目、2番目、3番目の衣類は類似する軌跡を形成してドラム200の内部で攪拌される。第2速度L1で回転することは10秒又は20秒程度で進行される。
【0582】
図27(c)を参照すれば、ドラム200は第1速度H1で加速されるか、超過速度で加速される。この場合、1番目の衣類は重いため、ドラム200の内壁に付着してドラム200と共に回転する。このとき、3番目の衣類は1番目の衣類よりは軽いため、1番目の衣類よりドラム200の速度変化に少し鈍感に変化する。よって、ドラム200の内壁に近く配置されるものの、1番目よりはドラム200の内壁に付着する力が弱い。
【0583】
一方、2番目の衣類は1番目及び3番目の衣類よりは軽いため、ドラム200の速度変化に少し鈍感に反応する。よって、ドラム200の内壁に直接に付着するよりは第2速度L1で回転する軌跡と類似に落下する。
【0584】
結果として、ドラムの回転速度の変化に応じて、1番目、2番目、3番目の衣類の軌跡に変化が発生し、1番目、2番目、3番目の衣類が分離される。
【0585】
この後、1番目の衣類はドラム200の回転速度に応じてドラム200で上昇して下降することを繰り返し、3番目の衣類は1番目の衣類より上昇する高さが小さく、2番目の衣類は3番目の衣類より上昇する高さが小さい。よって、2番目の衣類より3番目の衣類がさらに熱風に露出され、1番目の衣類が3番目の衣類より熱風に露出される。
【0586】
また、3番目の衣類が1番目の衣類よりドラム200に少しだけ摩擦され、2番目の衣類が3番目の衣類よりドラム200に少しだけ摩擦される。
【0587】
*よって、3番目の衣類のように、衣類が乾布状態に近いほど小さい摩擦にも毛羽が発生するが、振りモーションによって毛羽が防止される。
【0588】
また、1番目の衣類のように、衣類が湿布状態である場合、相対的に大きく摩擦されても毛羽が発生し難いため、相当な落差衝撃が発生しても問題なく、むしろ大きい落差で移動することで熱風にさらに露出される。
【0589】
図28は回転段階が転がしモーションを含むことを示す図である。
【0590】
回転段階S2は衣類がドラムの中央Oより下部から落下するか転がすようにドラムを回転させる転がしモーションを含む。
【0591】
転がしモーションは、一般に、タンブリングモーションが行われる第2速度L1より低い速度でドラム200を回転させるモーションである。
【0592】
これにより、転がしモーション200において衣類はドラム200の内部で移動する範囲や軌跡が最小化され、衣類に加わる機械力も最小化され、衣類が損傷又は摩耗されることが防止できる。
【0593】
また、転がしモーション200では衣類が繰り返して転がって全体の領域が均一にドラム200の内部に露出され、乾燥が効果的に行われる。
【0594】
一方、転がしモーション200は衣類に加える物理力を最小化するためであり、転がしモーションはドラム200の回転方向を変えずに、ドラム200の回転速度も定速に維持できる。
【0595】
転がしモーションは衣類に加われる落差衝撃が最も弱いため、主に減率乾燥区間A3において行われる。
【0596】
図29は回転段階が転がしモーションを行うときの衣類の状態を示す図である。
【0597】
*転がしモーション200において衣類はドラム200が回転するにつれてドラム200の内壁との摩擦力によって上昇する。但し、衣類はドラム200の低点からドラムの半径Rよりは高く上昇せず、ドラム200の内壁から分離されて、ドラム200の低点に向かって転がる。
【0598】
転がしモーション200においてドラムの速度は、第2速度L1より低い保護速度L4で回転する。
【0599】
保護速度L4は衣類がドラムの中央より上部に移動することが防止される速度に設定される。
【0600】
これにより、衣類はドラム200の低点から一側のみに連続して移動して転がす過程を繰り返すため、落差衝撃が小さく、衣類が収縮されることも防止できる。
【0601】
一方、転がしモーション200では、衣類がドラム200の中央領域Oより下部領域のみで攪拌されるため、乾燥センサーに頻繁に接触する。よって、転がしモーション200によって衣類の乾燥度の変化をさらに正確に検知できる。
【0602】
転がしモーションが行われる時間は、振りモーションが行われる時間より長く設定される。振りモーションは衣類を分類するモーションであり、転がしモーションは衣類を乾燥させるモーションであるからである。
【0603】
また、転がしモーションは振りモーションより後で行われることが好ましい。振りモーションによって乾燥が必要な衣類を乾燥が行われた衣類から分離することで、転がしモーションで熱風にさらに均一に露出するためである。
【0604】
振りモーションは恒率乾燥区間A2で行われ、転がしモーションは減率乾燥区間A3で行われることが適合である。
【0605】
図30は回転段階が停止モーションを含むことを示す図である。
【0606】
図30(a)を参照すれば、回転段階S2は、ドラム200を間欠的に回転させる停止モーションを含む。
【0607】
停止モーションは、ドラム200の回転とドラムの停止を繰り返して行い、ドラム200が回転する場合にはドラム200の回転方向は変更される。停止モーションは、ドラム200が一方向に1回回転すると、停止時間には待機した後、他方向に回転する。
【0608】
停止モーションは、ドラム200が回転する時間よりドラム200が停止する時間を長く設定する。例えば、停止モーションではドラムが停止する時間は、ドラムが回転する時間の3倍以上に設定される。
【0609】
よって、停止モーションではエネルギー消耗を最小化することができる。また、停止モーションでは衣類が持続的に自重によって押圧されず、位置が変更され、しわが形成されることが防止できる。
【0610】
図30(b)を参照すれば、停止モーションにおいてドラムは停止状態に位置する。
【0611】
この後、ドラム200が間欠的に時計回り又は反時計回りに回転しながら衣類の位置を変更したり、衣類を攪拌したり、衣類を返したりする。
【0612】
停止モーションにおいて、ドラム200が回転する速度は、保護速度L4に設定される。
【0613】
以下、回転段階S2の様々なモーションを最適に実行可能な区間を説明する。
【0614】
本発明の衣類処理装置は、前述のように、駆動部がドラム200に直接に締結されてドラム200を回転させるため、ドラム200の回転方向、回転時間、及び回転速度を自在に変更できる。
【0615】
よって、本発明の衣類処理装置の回転段階S2は、ドラム200を一方向に定速回転するのではなく、衣類の乾燥度及びドラム200の内部の状態に応じてドラム200の回転速度及び回転方向を変更する様々なモーションを行う。
【0616】
本発明の衣類処理装置は、全ての乾燥コース及びオプションにおいて衣類を保護するために、空気供給段階の各区間において様々なモーションを適用することができる。また、布地を保護する保護コースにおいて空気供給段階の各区間で様々なモーションを適用する。
【0617】
具体的に、本発明の衣類処理装置において、回転段階S2は、衣類がドラム200の内壁に付着している状態で回転するようにドラムを回転させる高速区間Hと、衣類がドラムの内壁から落下して回転するようにドラムを回転させる低速区間Lとで構成され、空気供給段階S1の進行中に特定の区間ごとに低速区間Lに対する高速区間Hの比率の設定が互いに異なり、布地を保護すると共に衣類の収縮も防止して乾燥行程を行う。
【0618】
図31は空気供給段階S1中の予熱区間で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【0619】
予熱区間A1は、湿布状態の衣類がドラム200に受容された状態であって、乾燥行程が開始される区間に相当する。よって、予熱区間A1に位置する衣類は、水によって収縮された状態である。即ち、衣類の繊維は第1直径D1から第2直径D2に収縮された状態である。
【0620】
この過程で乾燥行程が行われる場合、空隙Cが崩されなくても衣類が第2直径D2を有する繊維の形態となって収縮された状態で乾燥される。
【0621】
これを防止するために、予熱区間A1において回転段階S2は引張りモーションを行う。これにより、衣類は予熱区間A1で膨張され、衣類の繊維が第1直径D1に近く戻る。
【0622】
一方、湿布状態の衣類は、脱水行程を経て互いに絡まることがある。このとき、引張りモーションは、第1速度H1と第2速度L1が繰り返して行われるため、衣類が攪拌されて引っ張られ、衣類の絡みも解消できる。
【0623】
引張りモーションは予熱区間A1の間に行われる。予熱区間A1は、圧縮機の冷媒が所定温度TCまで加熱されていない状態であるか、圧縮機の駆動RPMが最大RPM又は所定RPMまで上昇されていない状態であるため、引張りモーションによってドラムの速度が周期的に早く変わっても、衣類処理装置が消耗するエネルギーが限界範囲を超えない。
【0624】
予熱区間A1では空気が加熱されて流入されるため、引張りモーション中に衣類は乾燥が進行される。
【0625】
一方、引張りモーションと干しモーションは同時に行われてもよい。また、引張りモーションの以後に干しモーションが行われてもよい。これにより、引張りモーションの過程において衣類の膨張と共に衣類の一部の攪拌及び位置変更をさらに確実に保障することができる。
【0626】
結果として、予熱区間A1において引張りモーション又は干しモーションが配置されるため、回転段階S2で高速区間Hと低速区間Lを繰り返して配置する。高速区間Hの合計時間は、低速区間Lの合計時間より長く設定される。また、高速区間Hの持続時間は、低速区間Lの持続時間より長く設定される。
【0627】
引張りモーションにおいて低速区間Lを第2速度L1で回転することを定速区間とし、第3速度L2で回転することを減速区間とする場合、予熱区間A1には高速区間Hと定速区間及び減速区間が周期的に配置される。
【0628】
引張りモーションでは待機時間が準備時間より短く設定されるため、減速区間は定速区間より持続時間が短く設定される。
【0629】
予熱区間A1は、高速区間Hが低速区間Lより長く配置されるため、衣類の攪拌よりは衣類の膨張に集中する区間である。
【0630】
図32は空気供給段階S1中の恒率乾燥区間A2で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【0631】
圧縮機から吐出される冷媒温度が所定温度TCに到達するか、圧縮機の駆動RPMが所定RPMに到達すると、予熱区間A1は終了し、恒率乾燥区間A2に進む。
【0632】
引張りモーションは、予熱区間A1が終了して、恒率乾燥区間A2に進入するときに終了する。
【0633】
恒率乾燥区間A2は、ドラム200の内部に最大の熱風が流入される区間であって、衣類の乾燥が本格的に行われる区間に相当する。よって、ドラム200の内部の衣類は最大に熱風に露出されることが好ましい。
【0634】
よって、恒率乾燥区間A2ではタンブリングモーションが先に行われる。よって、引張りモーションの終了後、タンブリングモーションが行われることで、衣類は膨張された状態でドラムの中央Oより上部に上昇し、ドラム0の高点より低いところでドラム200から分離されて落下し、熱風に最大に長く露出される。
【0635】
また、衣類は落下と上昇を繰り返して、絡みも解消され、ドラム200の内壁に付着する範囲も変わることで、衣類の全体が均一に熱風に露出される。
【0636】
一方、タンブリングモーションが所定時間の間に進行される場合、ドラム200に受容された衣類は熱風によって乾燥が十分に行われた衣類と乾燥がもっと必要な衣類とに分類される。
【0637】
この状態で繰り返してタンブリングモーションのみを行う場合、乾燥が十分に行われた衣類は落下衝撃により空隙Cが崩れて第3直径D3まで繊維が収縮され、表面がドラム200の内壁や他の衣類に摩擦して損傷される。
【0638】
これを防止するために、回転段階S2は振りモーションを行うことが好ましい。振りモーションによって乾燥が十分に行われた衣類と乾燥がもっと必要な衣類が分離される。
【0639】
その結果、乾燥がもっと必要な衣類は、乾燥が十分に行われた衣類から分離され、ドラム200のモーションと共に移動して、集中的に熱風に露出される。
【0640】
また、乾燥が十分に行われた衣類は、乾燥が必要な衣類と共に落下しないため、落下衝撃を共に受けなくてもよい。また、水分の蒸発で荷重が小さくなり、ドラム200のモーションに敏感に反応せず、過乾燥が予防され、摩擦や摩耗も防止できる。
【0641】
タンブリングモーションは、衣類が集中的に乾燥されるモーションであり、振りモーションは、衣類において乾燥がもっと必要な部分を分離してさらに乾燥するモーションに相当する。
【0642】
よって、振りモーションが持続する時間は、タンブリングモーションが持続する時間より短い。振りモーションは、乾燥が十分に行われた衣類を分離するためであり、恒率乾燥区間A2の末期に行われる。
【0643】
振りモーションは、衣類の乾燥度が目標値bに到達すれば行われる。即ち、恒率乾燥区間A2において衣類の乾燥度が目標値bに到達するときから恒率乾燥区間A2を終了し、減率乾燥区間A3に進入する前までに行われる。
【0644】
恒率乾燥区間A2では、タンブリングモーションが行われた後、振りモーションが行われる。また、振りモーションの持続時間は、タンブリングモーションの持続時間より短く設定される。
【0645】
振りモーションは乾燥された衣類を分類するモーションであり、タンブリングモーションが衣類を乾燥するためのモーションであるからである。
【0646】
一方、タンブリングモーションが行われて、振りモーションが行われる間に、さらに干しモーションが行われてもよい。
【0647】
よって、干しモーションが行われるとき、高速区間Hは、タンブリングモーションが行われる効果を図り、低速区間Lは、衣類がドラム200の内壁に付着してドラム200に固定されるため、衣類がドラム200に摩擦されるか衣類間で摩擦されることが防止できる。
【0648】
即ち、干しモーションは、タンブリングモーションが行われ、衣類の乾燥がある程度進行されたとき、衣類の損傷や摩擦を防止するために行われる。干しモーションは、タンブリングモーション中に衣類の攪拌を中止する休止期間を置くことである。
【0649】
干しモーションは、恒率乾燥区間A2で所定時間が経過すれば行われる。即ち、タンブリングモーションが行われる途中に所定時間が経過する場合、干しモーションが行われる。
【0650】
所定時間は、衣類の乾燥度が基準値aに相当する時間として設定され、恒率乾燥区間に進入した後、20分が経過した時間に設定される。
【0651】
干しモーションは、恒率乾燥区間A2において衣類の乾燥度が目標値bより低い基準値aに到達すれば所定時間行われる。
【0652】
乾燥度の目標値bは80%以上に相当し、例えば、基準値aは70%に相当する。
【0653】
また、干しモーションは、タンブリングモーションが完了された後で行われるが、タンブリングモーション中に間欠的に行われてもよい。
【0654】
また、干しモーションは、タンブリングモーションの終了後、振りモーションの開始まで行われる。
【0655】
一方、干しモーションも衣類を保護しながら全体の衣類を乾燥させるモーションであるため、振りモーションの前に行われる。干しモーションの持続時間は、タンブリングモーションの持続時間より短く、振りモーションの持続時間よりは長く設定される。
【0656】
結果として、恒率乾燥区間A2において、最後は常に振りモーションで終了され、その前にはタンブリングモーション及び干しモーションが行われる。
【0657】
もちろん、振りモーションは干しモーションの前に行われてもよい。即ち、振りモーションによって衣類が全て分類された状態で、干しモーションによって衣類の摩耗を防止しながら衣類の特定領域を集中的に乾燥することが効率的であるからである。
【0658】
もちろん、振りモーションの持続時間は、干しモーションの持続時間より長く設定されてもよい。振りモーションも衣類が分類される区間であるが、高速区間Hと低速区間Lをいずれも含んでいるため、衣類が分類された状態で熱風に露出される可能性もあるからである。
【0659】
よって、振りモーションが衣類を分類して乾燥が必要な衣類を集中的に乾燥させるため、干しモーション又はタンブリングモーションの持続時間より長く実行されてもよい。
【0660】
結果として、恒率乾燥区間A2ではタンブリングモーションが行われるため、干しモーション又は振りモーションが行われても、低速区間Lが高速区間Hより長く設定される。
【0661】
即ち、恒率乾燥区間A2は、加熱乾燥区間A1とは異なり、低速区間Lがより多く配置及び分布され、衣類の攪拌及び熱風の露出が中心となる区間である。
【0662】
一方、振りモーションが恒率乾燥区間A2に配置されることで、回転段階S2は恒率乾燥区間A2においてドラムの回転速度が可変する可変区間をさらに含み、可変区間は衣類の減率乾燥区間(falling rate period)の進入前まで行われる。
【0663】
振りモーションは、乾燥度が目標値bに到達するときに行われる場合、恒率乾燥区間に進入した後、乾燥度が基準値aに到達すれば可変区間が開始される。
【0664】
また、振りモーションが乾燥度ではなく時間で制御される場合は、恒率乾燥区間に進入した後、基準時間が経過すれば可変区間が開始される。
【0665】
振りモーションは、第1速度H1以上で回転する区間より早く超過速度で回転する区間が含まれているため、可変区間は高速区間Hよりドラムの回転速度が速い区間と遅い区間がいずれも含まれている。また、可変区間は、早い区間、高速区間H、遅い区間が周期的に配置される。
【0666】
一方、タンブリングモーションの以後に振りモーションが行われる場合は、可変区間の開始前まで低速区間Lが配置される。タンブリングモーションが振りモーションより長く実行されるため、恒率乾燥区間A2において低速区間Lの持続時間は、可変区間の持続時間より長く設定される。
【0667】
また、タンブリングモーションと振りモーションとの間にさらに干しモーションがさらに行われる場合、回転段階S2は低速区間Lと可変区間との間に高速区間Hと低速区間Lが周期的に繰り返して配置される。
【0668】
図33は空気供給段階S1中の減率乾燥区間で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【0669】
恒率乾燥区間A2が終了するときに減率乾燥区間A3が行われる。減率乾燥区間A3は、恒率乾燥区間A2において衣類から水分が相当多く除去されて、気化熱が不足となることで、ドラム200の内部の温度又は循環流路部930に吐出される空気の温度が上昇し始める区間である。
【0670】
即ち、恒率乾燥区間A2中にドラム200の内部の温度又は循環流路部930に吐出される空気の温度が基準温度TRに到達する時点に減率乾燥区間A3が開始される。
【0671】
また、ドラム200の内部の温度が上昇することは、衣類の乾燥が十分に行われたことを意味する。よって、衣類の乾燥度が目標値bより高い設定値cに進入するときに減率乾燥区間A3を開始する。
【0672】
設定値cは80%に相当する。
【0673】
減率乾燥区間A3は、ほとんどの衣類は乾燥が十分に行われたが、一部の衣類、又は衣類の一部の領域が完全に乾燥されていない状態の区間である。
【0674】
よって、減率乾燥区間A3において回転段階S2がタンブリングモーションのように高速区間Hが多くなる場合、乾燥された衣類に強い落下衝撃が発生して、空隙Cが崩れて収縮される。
【0675】
これを防止するために、減率乾燥区間A3に進入するときに回転段階S2は転がしモーションを行う。
【0676】
転がしモーションでは、衣類がドラム200の内部で上昇して下降する幅がタンブリングモーションよりは遥かに小さいため、衣類に落下衝撃が最小化される。
【0677】
また、転がしモーションでは、衣類がドラムの回転方向に沿って移動して、ドラムの半径Rより低い位置から連続して落下して攪拌されるため、衣類の表面が均一に熱風に露出される。
【0678】
よって、転がしモーションによって衣類の中で乾燥がもっと必要な部分を乾燥しながらも、乾燥が十分に行われた部分は落下衝撃が最小化されて収縮することが防止できる。
【0679】
転がしモーションは、設定時間の間に行われ、後述する干しモーションが行われるまでに行われる。
【0680】
減率乾燥区間A3が進行される場合、衣類はさらに乾燥され、乾燥がもっと必要な部分が非常に減らす。この状況で、転がしモーションが行われても、乾燥された衣類に落下衝撃が発生し、乾燥された衣類がドラム200と、及び衣類間で摩擦され、毛羽が発生したり摩耗したりする。
【0681】
よって、減率乾燥区間A3ではさらに干しモーションが行われてもよい。減率乾燥区間A3において行われる干しモーションは、高速区間Hが低速区間Lより遥かに長く設定される。
【0682】
これにより、干しモーションにおいて衣類200がドラム200の内壁に固定されてドラム200から落下するか、ドラム200及び衣類と摩擦されることが防止できる。
【0683】
また、干しモーションでもドラム200の内部に露出される部分は持続的に乾燥が行われる。よって、干しモーションでは乾燥が行われると同時に衣類が保護される。
【0684】
干しモーションは、衣類の乾燥度が完了値eより少し小さく、設定値cより高い所定値dに到達するときに行われる。
【0685】
具体的に、干しモーションは、転がしモーションの以後に行われる。即ち、転がしモーションが終了すれば干しモーションが行われる。
【0686】
また、転がしモーションの実行時間は、干しモーションの実行時間より長く設定される。転がしモーションが干しモーションより乾燥効率が高く、干しモーションは衣類が所定値d以上に乾燥されたとき、布地を保護する効果が奏されるからである。
【0687】
減率乾燥区間A3は、初期には転がしモーションが行われ、末期には干しモーションが行われる。その結果、減率乾燥区間A3は初期より後期の方がドラムの回転速度がより早く設定される。即ち、減率乾燥区間は、干しモーションにより末期に衣類がドラムの内壁に付着して1回転以上に回転するようにドラムが回転する。
【0688】
また、減率乾燥区間は、初期区間が末期区間よりドラムが遅く回転するように設定される。
【0689】
また、減率乾燥区間は、初期に転がしモーションによって衣類がドラムの内壁から分離されるか転がすようにドラムが回転する。
【0690】
一方、恒率乾燥区間A2は振りモーションで終了し、減率乾燥区間A3は転がしモーションで開始されるため、転がしモーションは振りモーションの以後に行われる。
【0691】
一方、減率乾燥区間A3を回転段階S2の速度からみれば、転がしモーションが干しモーションより長く行われるため、低速区間Lの持続時間が高速区間Hの持続時間より長く設定される。
【0692】
減率乾燥区間A3において転がしモーションが行われる場合は、回転段階S2の低速区間Lは、衣類がドラムの中央より下部から落下するように設定される。
【0693】
減率乾燥区間A3において転がしモーションと干しモーションが行われる場合は、回転段階S2において低速区間Lが終了すれば減率乾燥区間A2の完了時まで高速区間Hが配置されるか、高速区間Hと低速区間Lが周期的に繰り返し配置される。
【0694】
干しモーションは、回転段階S2の速度を基準として、高速区間Hの開始から減率乾燥区間A2の完了まで高速区間Hの持続時間が低速区間Lの持続時間と等しいか長く設定される。
【0695】
干しモーションは乾燥度が所定値dに到達すれば行われるため、回転段階S2において高速区間Hが開始される時点は、乾燥度が設定値cより高い所定値dに到達する時点に設定される。
【0696】
図34は空気供給段階S1中の冷却区間で適用可能な回転段階S2を示す図である。
【0697】
減率乾燥区間において衣類の乾燥度が設定値cより高い完了値eに到達する場合、冷却区間A4に進入する。完了値eは乾燥度の90%以上に設定される。
【0698】
冷却区間A4では衣類の乾燥は完了したが、ドラム200の内部の温度が外気より高く、ドアを開放すればユーザが火気に露出される区間である。
【0699】
よって、冷却区間A4では熱交換部900は駆動せず、循環送風ファン950のみが駆動して衣類が冷める。
【0700】
冷却区間A4では衣類の乾燥がほとんど完了しているため、ドラム200を最大に回転しないことが好ましい。冷却区間A4ではドラム200と衣類間で少しでも摩擦される場合、衣類が損傷される恐れがあるからである。
【0701】
但し、冷却区間A4においてドラム200に空気のみを流入する場合、ドラム200の低点に配置された衣類は荷重によって押され、衣類の処々にしわが発生する。
【0702】
よって、冷却区間A4には停止モーションが行われる。即ち、停止モーションによってドラム200が間欠的に回転して、衣類にしわが発生することを防止する。
【0703】
結果として、本発明の衣類処理装置は、空気供給区間S1において進行される回転段階S2は、複数のドラムモーションのいずれか1つを時間によって選択的に行われることで、衣類の損傷及び収縮を防止し、衣類の乾燥を完了することができる。
【0704】
本発明は様々な形態に変更して実施することができ、前述した実施例にその権利範囲が限定されない。よって、変更した実施例が本発明の特許請求の範囲の構成要素を含んでいる限り、本発明の権利範囲に属するものと判断する。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
図11
図12
図13
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図14(d)】
図14(e)】
図15
図16
図17
図18
図19(a)】
図19(b)】
図19(c)】
図20
図21(a)】
図21(b)】
図21(c)】
図21(d)】
図22
図23
図24
図25
図26
図27(a)】
図27(b)】
図27(c)】
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】