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特表2024-530323ロッド整復器具フィードバックシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ロッド整復器具フィードバックシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
A61B17/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513368
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2021053720
(87)【国際公開番号】W WO2023033845
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,148
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ネルセン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ジャーマン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】セラ,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL53
4C160LL63
4C160LL69
(57)【要約】
様々な実施態様は、ロッド整復器具、脊椎固定監視システム、及び関連する方法を含む。或る特定の実施態様は、脊椎固定システムとともに使用するように適合されたロッド整復器具を含み、ロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を検出するように構成されたセンサを、ロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷のインジケータを提供する整復フィードバックシステムとともに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎固定システムとともに使用するように適合されたロッド整復器具であって、
近位端及び遠位端を有するロッド整復器であって、前記ロッド整復器の前記遠位端が、脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に着座させるために前記脊椎ロッドに係合するように構成される、ロッド整復器と、
前記椎弓根スクリュレシーバ内に前記脊椎ロッドを着座させる間に、前記ロッド整復器によって前記脊椎ロッドに及ぼされた負荷を検出するように構成されるセンサと、
前記センサと結合される整復フィードバックシステムであって、
前記ロッド整復器によって前記脊椎ロッドに及ぼされた前記負荷を示す負荷データを前記センサから受信し、
前記ロッド整復器具のオペレータによって検出可能である前記負荷データのインジケータを提供するように構成される、整復フィードバックシステムとを備える、ロッド整復器具。
【請求項2】
前記ロッド整復器の前記近位端に搭載されるハウジングを更に備え、前記整復フィードバックシステムが、前記ハウジング内に配置される、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項3】
前記整復フィードバックシステムが、プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリは、実行されると、前記プロセッサに、
前記負荷データを前記ロッド整復器の負荷閾値と比較させ、
前記負荷データが前記ロッド整復器の前記負荷閾値を満たすか満たさないかのインジケータを提供させる命令を記憶する、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項4】
前記負荷データが、前記椎弓根スクリュレシーバ内でのロックねじの締め付け中に前記ロックねじに加えられるトルクの量と、前記ロッド整復器に加えられる圧縮力とを少なくとも部分的に表し、前記負荷データが前記負荷閾値を満たすか満たさないかの前記インジケータが、前記脊椎ロッドに加えられる前記圧縮力が前記ロッド整復器の前記負荷閾値を満たすように修正されるべき量のインジケータを含み、前記負荷閾値が、患者固有の骨質を表す臨床データをねじ引き抜きと相関させるモデルに少なくとも部分的に基づく、請求項3に記載のロッド整復器具。
【請求項5】
前記負荷閾値が、前記脊椎ロッドを前記椎弓根スクリュレシーバ内に着座させる間に前記ロッド整復器によって前記脊椎ロッドに及ぼされた最大許容負荷を規定し、前記最大許容負荷が、
a)約50ポンド~約250ポンド、
b)約25ポンド~約150ポンド、又は、
c)約25ポンド~約75ポンドである、請求項3に記載のロッド整復器具。
【請求項6】
前記プロセッサが、
前記負荷データを、追加のロッド整復器に結合された追加のセンサのセットによって検出された追加の負荷データと比較し、
前記セット内の前記追加のロッド整復器のうちの少なくとも1つと比較した、前記ロッド整復器の相対負荷のインジケータを提供するように更に構成される、請求項3に記載のロッド整復器具。
【請求項7】
前記相対負荷のインジケータが、前記ロッド整復器が前記セット内の前記追加のロッド整復器に対して、より多く負荷されているか、より少なく負荷されているか、又は等しく負荷されているかを示す、請求項6に記載のロッド整復器具。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記セット内の前記ロッド整復器又は前記追加のロッド整復器のうちの少なくとも1つに関する負荷データが更新されるにつれて、前記相対負荷の前記インジケータを経時的に更新するように構成される、請求項7に記載のロッド整復器具。
【請求項9】
前記ロッド整復器具が、前記負荷データの前記インジケータが前記脊椎ロッドと係合された追加のロッド整復器のセットと比較した前記ロッド整復器の相対負荷のインジケータを含むように、マルチレベル整復処置において使用するために構成される、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項10】
前記脊椎固定システムが、前記脊椎ロッドと係合されたロッド整復器のセットを有するロッド整復器具のセットを含み、前記整復フィードバックシステムが、前記ロッド整復器具の各々に通信可能に結合され、各ロッド整復器によって前記脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データを受信するように構成される、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項11】
前記整復フィードバックシステムが、前記受信された負荷データに基づいて、前記ロッド整復器具のセットの整復順序のインジケータを提供するように更に構成される、請求項10に記載のロッド整復器具。
【請求項12】
前記整復フィードバックシステムが、
前記セット内の前記ロッド整復器具のうちの2つ以上からの前記負荷データを負荷閾値のセットと比較し、
前記2つ以上のロッド整復器具からの前記負荷データが前記負荷閾値のセットを満たすかどうかに基づいて、少なくとも1つの追加のロッド整復器具よりも特定のロッド整復器具の増加した負荷を優先させるインジケータを提供するように更に構成される、請求項10に記載のロッド整復器具。
【請求項13】
前記負荷閾値のセットが、前記2つ以上のロッド整復器具の各々に対する絶対負荷閾値を含む、請求項12に記載のロッド整復器具。
【請求項14】
前記負荷閾値のセットが、前記2つ以上のロッド整復器具の各々に対する相対負荷閾値を含む、請求項12に記載のロッド整復器具。
【請求項15】
前記整復フィードバックシステムが、前記ロッド整復器と物理的に結合される電子機器区画を含み、前記電子機器区画が、前記ロッド整復器に近接する前記負荷データの前記インジケータを提供するための視覚表示システム又は触覚表示システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項16】
前記整復フィードバックシステムが、前記電子機器区画と結合され、前記脊椎固定システム内の追加のロッド整復器具のセット上の追加の電子機器区画のセットと結合されたコントローラを更に備え、前記コントローラが、ワイヤレス又は有線接続を介して、前記電子機器区画及び前記追加の電子機器区画のセットと通信するように構成される、請求項15に記載のロッド整復器具。
【請求項17】
前記視覚表示システムが、前記負荷データの区別を示すために少なくとも2つの異なるパターンで照明されるように構成されたライトのセット、又は前記負荷データの少なくとも2つの異なる視覚インジケータを提供するように構成されたディスプレイを含む、請求項15に記載のロッド整復器具。
【請求項18】
前記電子機器区画内に収容され、前記視覚表示システム又は前記触覚表示システムに結合された電源を更に備える、請求項15に記載のロッド整復器具。
【請求項19】
前記センサが、前記ロッド整復器の前記近位端と前記遠位端との間に設けられる、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項20】
前記ロッド整復器が、マルチセクションシャフトを備え、前記センサが、前記マルチセクションシャフトの異なるセクション間に軸方向に搭載される、請求項19に記載のロッド整復器具。
【請求項21】
前記センサが、前記ロッド整復器の前記近位端に結合される、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項22】
前記センサが、前記整復フィードバックシステムの少なくとも一部とともにハウジング内に設けられる、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項23】
前記センサが、歪みゲージ、感圧フィルム、又は容量センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項24】
前記椎弓根スクリュレシーバと結合し、その中に前記ロッド整復器を受けるように構成されたガイドアセンブリを更に備える、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項25】
前記ロッド整復器が、前記脊椎ロッドを前記椎弓根スクリュレシーバ内に完全に着座させ、前記脊椎ロッドが前記椎弓根スクリュレシーバに固定されることを可能にするように構成される、請求項1に記載のロッド整復器具。
【請求項26】
脊椎固定処置中にオペレータにフィードバックを提供する方法であって、前記脊椎固定処置が、脊椎ロッドをロッド整復器と係合させて、前記脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に着座させることと、
前記脊椎ロッドを前記椎弓根スクリュレシーバ内に着座させる間に前記ロッド整復器によって前記脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データをセンサから受信することと、
前記脊椎固定処置中に前記オペレータによって検出可能な前記負荷データのインジケータを提供することとを含む、方法。
【請求項27】
前記負荷データの前記インジケータが、前記ロッド整復器に、又は前記ロッド整復器とは別個の出力デバイスに設けられた整復フィードバックシステムによって提供される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記負荷データを前記ロッド整復器の負荷閾値と比較することと、
前記負荷データが前記ロッド整復器の前記負荷閾値を満たすか満たさないかのインジケータを提供することと、
を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記負荷データが、前記椎弓根スクリュレシーバ内でのロックねじの締め付け中に前記ロックねじに加えられるトルクの量と、前記ロッド整復器に加えられる圧縮力とを少なくとも部分的に表し、前記負荷データが前記負荷閾値を満たすか満たさないかの前記インジケータが、前記脊椎ロッドに加えられる前記圧縮力が前記ロッド整復器の前記負荷閾値を満たすように修正されるべき量のインジケータを含み、前記負荷閾値が、患者固有の骨質を表す臨床データをねじ引き抜きと相関させるモデルに少なくとも部分的に基づく、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記負荷閾値が、前記脊椎ロッドを前記椎弓根スクリュレシーバ内に着座させる間に前記ロッド整復器によって前記脊椎ロッドに及ぼされた最大許容負荷を規定し、前記最大許容負荷が、
a)約50ポンド~約250ポンド、
b)約25ポンド~約150ポンド、又は
c)約25ポンド~約75ポンドである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記負荷データを、追加のロッド整復器と結合された追加のセンサのセットによって検出された追加の負荷データと比較することと、
前記セット内の前記追加のロッド整復器のうちの少なくとも1つと比較した前記ロッド整復器の相対負荷のインジケータを提供することと、
を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記相対負荷のインジケータが、前記ロッド整復器が前記セット内の前記追加のロッド整復器のうちの少なくとも1つに対して、より多く負荷されているか、より少なく負荷されているか、又は等しく負荷されているかを示す、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記セット内の前記ロッド整復器又は前記追加のロッド整復器のうちの少なくとも1つに関する負荷データが更新されるにつれて、前記相対負荷のインジケータを経時的に更新することを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記脊椎固定処置が、前記負荷データの前記インジケータが、前記脊椎ロッドと係合された追加のロッド整復器のセットと比較した前記ロッド整復器の相対負荷のインジケータを含むようなマルチレベル整復処置を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記脊椎固定システムが、前記脊椎ロッドと係合されたロッド整復器のセットを有するロッド整復器具のセットを含み、前記方法が、前記セット内の各ロッド整復器によって前記脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データを受信することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記受信された負荷データに基づいて、前記ロッド整復器具のセットの整復順序のインジケータを提供することを更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記セット内の前記ロッド整復器具のうちの2つ以上からの前記負荷データを負荷閾値のセットと比較することと、
前記2つ以上のロッド整復器具からの前記負荷データが前記負荷閾値のセットを満たすかどうかに基づいて、少なくとも1つの追加のロッド整復器具よりも特定のロッド整復器具の増加した負荷を優先するインジケータを提供することと、
を更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記負荷閾値のセットが、前記2つ以上のロッド整復器具の各々に対する絶対負荷閾値を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記負荷閾値のセットが、前記2つ以上のロッド整復器具の各々に対する相対負荷閾値を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記負荷データの前記インジケータが、前記ロッド整復器に近接して前記オペレータに提供される視覚インジケータ又は触覚インジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記負荷データの前記インジケータが、前記視覚インジケータを含み、前記視覚インジケータが、前記負荷データの区別を示すために少なくとも2つの異なるパターンで照明されるように構成されたライトのセットを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記脊椎固定システムでは、前記ロッド整復器が、前記椎弓根スクリュレシーバと結合するガイドアセンブリ内に位置し、前記ロッド整復器が、前記脊椎ロッドを前記椎弓根スクリュレシーバ内に完全に着座させ、前記脊椎ロッドが前記椎弓根スクリュレシーバに固定されることを可能にするように構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項43】
脊椎固定処置で使用するための脊椎固定監視システムであって、
脊椎固定システムとともに使用するように適合された複数のロッド整復器具であって、前記ロッド整復器具の各々が、
近位端及び遠位端を有するロッド整復器であって、前記ロッド整復器の前記遠位端が、脊椎ロッドを対応する椎弓根スクリュレシーバ内に着座させるために前記脊椎ロッドに係合するように構成される、ロッド整復器と、
前記椎弓根スクリュレシーバ内に前記脊椎ロッドを着座させる間に、前記ロッド整復器によって前記脊椎ロッドの一部に及ぼされた負荷を検出するように構成されたセンサとを備える、複数のロッド整復器具と、
前記ロッド整復器具の各々の前記センサと結合される整復フィードバックシステムであって、前記整復フィードバックシステムが、
各ロッド整復器によって前記脊椎ロッドの前記一部に及ぼされた前記負荷を示す負荷データを、前記センサのうちの対応する1つから受信し、
前記複数のロッド整復器具の前記ロッド整復器のうちの少なくとも1つのための前記負荷データのインジケータを提供するように構成され、前記インジケータが、前記複数のロッド整復器具のオペレータによって検出可能である、整復フィードバックシステムとを含む、脊椎固定監視システム。
【請求項44】
前記整復フィードバックシステムが、前記ロッド整復器の各々に近接する前記負荷データの前記インジケータを提供するために、前記ロッド整復器の各々の前記近位端に搭載されたハウジングを備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記整復フィードバックシステムが、プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリは、実行されると、前記プロセッサに、
前記ロッド整復器の各々の前記負荷データを対応する負荷閾値と比較させ、
前記ロッド整復器の各々について、前記負荷データが前記ロッド整復器の前記負荷閾値を満たすか満たさないかのインジケータを提供させる
命令を記憶する、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記負荷データが、前記椎弓根スクリュレシーバ内でのロックねじの締め付け中に前記ロックねじに加えられるトルクの量と、前記ロッド整復器に加えられる圧縮力とを少なくとも部分的に表し、前記負荷データが前記負荷閾値を満たすか満たさないかの前記インジケータが、前記脊椎ロッドに加えられる前記圧縮力が前記ロッド整復器の前記負荷閾値を満たすように修正されるべき量のインジケータを含み、前記負荷閾値が、患者固有の骨質を表す臨床データをねじ引き抜きと相関させるモデルに少なくとも部分的に基づく、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
各負荷閾値が、前記脊椎ロッドを前記椎弓根スクリュレシーバ内に着座させる間に前記ロッド整復器によって前記脊椎ロッドの前記一部に及ぼされた最大許容負荷を規定し、前記最大許容負荷が、
a)約50ポンド~約250ポンド、
b)約25ポンド~約150ポンド、又は、
c)約25ポンド~約75ポンドである、請求項45に記載のシステム。
【請求項48】
前記整復フィードバックシステムが、少なくとも1つの追加のロッド整復器と比較したときの少なくとも1つのロッド整復器に対する相対負荷のインジケータを提供するように更に構成される、請求項43に記載のシステム。
【請求項49】
前記相対負荷のインジケータが、前記複数のロッド整復器具における前記ロッド整復器具のうちの最小負荷のロッド整復器具を示す、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記整復フィードバックシステムが、前記複数のロッド整復器具のための負荷データが更新されるにつれて、前記相対負荷の前記インジケータを経時的に更新するように更に構成される、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記脊椎固定処置が、前記ロッド整復器具の各々についての前記負荷データの前記インジケータが、前記脊椎ロッドと係合された前記ロッド整復器具の残りの部分と比較した相対負荷のインジケータを含むように、マルチレベル整復処置を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項52】
前記複数のロッド整復器具が、最大20個のロッド整復器具を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項53】
前記整復フィードバックシステムが、前記受信された負荷データに基づいて、前記複数のロッド整復器具の整復順序のインジケータを提供するように更に構成される、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記整復フィードバックシステムが、前記ロッド整復器具のうちの2つ以上からの前記負荷データを負荷閾値のセットと比較し、
前記2つ以上のロッド整復器具からの前記負荷データが前記負荷閾値のセットを満たすかどうかに基づいて、少なくとも1つの追加のロッド整復器具よりもロッド整復器具の増加した負荷を優先させるインジケータを提供するように更に構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記負荷閾値のセットが、前記2つ以上のロッド整復器具の各々に対する絶対負荷閾値を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記負荷閾値のセットが、前記2つ以上のロッド整復器具の各々に対する相対負荷閾値を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記整復フィードバックシステムが、各々が対応するロッド整復器と物理的に結合された複数の電子機器区画を含み、各電子機器区画が、各ロッド整復器に近接した前記負荷データの前記インジケータを提供するための視覚表示システム又は触覚表示システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項58】
前記視覚表示システムが、前記負荷データの区別を示すために少なくとも2つの異なるパターンで照明されるように構成されたライトのセットを含む、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
各ロッド整復器に結合された前記電子機器区画内に収容された電源を更に備え、前記電源が、前記視覚表示システム又は前記触覚表示システムに結合されている、請求項57に記載のシステム。
【請求項60】
前記整復フィードバックシステムが、前記脊椎固定システム内の前記複数のロッド整復器具上の前記複数の電子機器区画と結合されるコントローラを更に含み、前記コントローラが、ワイヤレス又は有線接続を介して、前記複数の電子機器区画と通信するように構成される、請求項57に記載のシステム。
【請求項61】
前記コントローラが、視覚ディスプレイと、前記脊椎固定処置を監視するための追加のセンサとを備える集中制御モジュール内に収容される、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記ロッド整復器具の各々について、前記センサが、前記ロッド整復器の前記近位端と前記遠位端との間に設けられる、請求項43に記載のシステム。
【請求項63】
前記ロッド整復器具の各々について、前記ロッド整復器が、マルチセクションシャフトを備え、前記センサが、前記マルチセクションシャフトの異なるセクション間に軸方向に搭載される、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記ロッド整復器具の各々について、前記センサが、前記ロッド整復器の前記遠位端に結合される、請求項43に記載のシステム。
【請求項65】
前記ロッド整復器具の各々について、前記センサが、前記整復フィードバックシステムの少なくとも一部とともにハウジング内に設けられる、請求項43に記載のシステム。
【請求項66】
前記ロッド整復器具の各々について、前記センサが、歪みゲージ、感圧フィルム、又は容量センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項67】
各整復器具が、対応する椎弓根スクリュレシーバと結合し、その中に対応するロッド整復器を受けるように構成されたガイドアセンブリを更に備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項68】
前記ロッド整復器具の各々について、前記ロッド整復器が、前記脊椎ロッドの前記一部を前記対応する椎弓根スクリュレシーバ内に完全に着座させ、前記脊椎ロッドの前記一部が前記対応する椎弓根スクリュレシーバに固定されることを可能にするように構成される、請求項43に記載のシステム。
【請求項69】
第1の椎弓根スクリュ及びレシーバを備える第1の骨アンカと、
前記第1の骨アンカの前記レシーバ内に着座されるように構成されたロッドと、
前記第1の骨アンカに結合するように構成された器具と、
前記器具に結合され、前記第1の骨アンカ、前記ロッド、又は前記器具のうちの少なくとも1つに関するデータを決定するように構成されたセンサと、
を含む、脊椎固定システム。
【請求項70】
前記データが負荷データを含む、請求項69に記載の脊椎固定システム。
【請求項71】
前記器具が、前記ロッドを前記レシーバ内に着座させるように構成された整復器具であり、前記負荷データが、前記ロッドを前記第1の骨アンカの前記レシーバ内に着座させる間に前記整復器具によって前記ロッドに及ぼされた負荷を含む、請求項70に記載の脊椎固定システム。
【請求項72】
前記負荷データが、前記ロッドが前記骨アンカ内に少なくとも部分的に着座しているときの前記ロッドと前記骨アンカとの間の引張負荷を含む、請求項70に記載の脊椎固定システム。
【請求項73】
前記データがねじり力データを含む、請求項69に記載の脊椎固定システム。
【請求項74】
前記器具が、前記レシーバ内でロックねじを締め付け、前記骨アンカに対して前記ロッドをロックするように構成されたドライバであり、前記ねじり力データが、前記レシーバ内で前記ロックねじを締め付ける間の前記ロックねじに対するねじり力を含む、請求項73に記載の脊椎固定システム。
【請求項75】
前記器具が、前記レシーバ内で前記ロッドを着座させ、前記レシーバ内のロックねじを締め付け、それによって前記ロッドを前記骨アンカに対してロックするように構成されたドライバであり、前記ねじり力データが、前記レシーバ内で前記ロックねじを締め付ける間の前記ロックねじに対するねじり力を含む、請求項73に記載の脊椎固定システム。
【請求項76】
前記器具が、
前記ロッドを前記レシーバ内に着座させるように構成されたロッド整復器具と、
前記ロッド整復器具を通して挿入されて、前記レシーバ内にロックねじを送達して締め付け、前記骨アンカに対して前記ロッドをロックするように構成されたドライバとを備える、請求項69に記載の脊椎固定システム。
【請求項77】
前記データが、
前記ロッドを前記第1の骨アンカの前記レシーバ内に着座させる間に前記整復器具によって前記ロッドに及ぼされた負荷と、
前記ロッドが前記骨アンカ内に少なくとも部分的に着座しているときの前記ロッドと前記骨アンカとの間の引張負荷との少なくとも1つを含む、請求項76に記載の脊椎固定システム。
【請求項78】
前記データが、前記レシーバ内で前記ロックねじを締め付ける間の前記ロックねじに対するねじり力を含む、請求項76に記載の脊椎固定システム。
【請求項79】
前記器具と通信可能に結合され、前記器具の位置を検出するように構成されたナビゲーションシステム、
を更に含む、請求項69に記載の脊椎固定システム。
【請求項80】
前記ナビゲーションシステムが、前記器具が位置を変えるときに前記器具によって動かされた距離を決定するように構成され、前記ナビゲーションシステムが、前記距離をプロセッサに通信する、請求項79に記載の脊椎固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年8月31日に出願された米国仮出願第63/239148号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、医療デバイスに関する。より詳細には、本開示は、脊椎手術及び脊椎固定デバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
脊椎固定構造体は、脊椎に安定性を提供するために利用される。ほとんどの場合、固定構造体は、隣接する椎骨がそれらの間の骨成長を容易にするために準備される融合手術の補助として使用される。椎骨間の動きは骨成長を阻害する傾向があるので、固定構造体は、骨が成長して堅固な固定を達成することができるように、動きを防止するために採用される。1つ以上の椎骨の位置が、脊柱のより自然な整合を回復するように調節されなければならない場合、固定構造物はまた、融合が達成されるまで新しい整合を維持するように機能する。
【0004】
様々な形態の固定構造体が当該技術分野において既知であり、そのうちのロッドベースの固定構造体は、最も一般的なものの1つである。典型的には、ロッドベースの構造体は、2つ以上の椎骨の一部(例えば、後方要素)に結合され、次いで固定ロッドによって接続される複数のアンカを備える。アンカは、固定ロッドが捕捉されロックされるロッドハウジングを更に備える。ロッドハウジングは、アンカ部分に固定され、枢動可能に又は回転可能に結合されてもよく、一般に、ロッドチャネルによって分離された一対の直立アームを備える。固定構造体を構築するとき、外科医は、各アンカのロッドチャネル内にロッドを位置合わせして着座させなければならず、これは一般に「整復」と呼ばれる作業である。整復は、特に、接続されるべき椎骨のうちの1つ以上が他の椎骨と整合していないとき、課題となる可能性があり、整復距離及び力要件は、アンカごとに大きく変動し得る。従来の整復処置は、各ロッド整復器によって脊椎ロッドに印加される負荷を判断する際に、外科医(又はオペレータ)の専門知識に大きく依存する。複数の椎骨を伴うマルチレベル固定処置では、脊椎ロッドと係合されている間に、どのロッド整復器(複数の場合もある)が適切に装填されているかを外科医が判断することは、特に困難であり得る。
【発明の概要】
【0005】
上記及び他の必要性は、本開示に記載されるロッド整復器具、脊椎固定監視システム、及び関連する方法の実施形態によって対処される。以下に述べる全ての例及び特徴は、任意の技術的に可能な方法で組み合わせることができる。
【0006】
様々な実施態様は、ロッド整復器具、脊椎固定監視システム、及び関連する方法を含む。或る特定の実施態様は、脊椎固定システムとともに使用するように適合されたロッド整復器具を含み、ロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を検出するように構成されたセンサを、ロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷のインジケータを提供する整復フィードバックシステムとともに含む。
【0007】
特定の態様では、脊椎固定システムとともに使用するように適合されたロッド整復器具は、近位端と遠位端とを有するロッド整復器であって、ロッド整復器の遠位端が、脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に着座させるために脊椎ロッドに係合するように構成される、ロッド整復器と、脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバに着座させる間にロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を検出するように構成されたセンサと、センサに結合された整復フィードバックシステムであって、整復フィードバックシステムは、センサから、ロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データを受信するように構成され、ロッド整復器具のオペレータによって検出可能な負荷データのインジケータを提供するように構成される、整復フィードバックシステムとを備える。
【0008】
追加の特定の態様では、方法は、脊椎固定処置中にオペレータにフィードバックを提供することを含み、脊椎固定処置は、脊椎ロッドをロッド整復器に係合させて脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に着座させることを含む。方法は、センサから、脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に着座させる間にロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データを受信することと、脊椎固定処置中にオペレータによって検出可能な負荷データのインジケータを提供することとを更に含むことができる。
【0009】
更なる特定の態様では、脊椎固定処置で使用するための脊椎固定監視システムは、脊椎固定システムとともに使用するように適合された複数のロッド整復器具であって、ロッド整復器具の各々が、近位端及び遠位端を有するロッド整復器であって、ロッド整復器の遠位端が、脊椎ロッドを対応する椎弓根スクリュレシーバ内に着座させるために脊椎ロッドに係合するように構成されたロッド整復器と、脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に着座させる間に、ロッド整復器によって脊椎ロッドの一部に及ぼされた負荷を検出するように構成されたセンサと、ロッド整復器具の各々のセンサに結合された整復フィードバックシステムであって、各ロッド整復器によって脊椎ロッドの一部に及ぼされた負荷を示す負荷データをセンサのうちの対応する1つから受信し、複数のロッド整復器具内のロッド整復器のうちの少なくとも1つに関する負荷データのインジケータを提供するように構成され、インジケータは、複数のロッド整復器具のオペレータによって検出可能である、整復フィードバックシステムとを備える複数のロッド整復器具を含む。
【0010】
他の特定の態様では、脊椎固定システムは、第1の椎弓根スクリュ及びレシーバを含む第1の骨アンカと、第1の骨アンカのレシーバ内に着座されるように構成されたロッドと、第1の骨アンカに結合するように構成された器具と、器具に結合され、第1の骨アンカ、ロッド、又は器具のうちの少なくとも1つに関するデータを決定するように構成されたセンサとを含む。
【0011】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0012】
或る特定の例では、ロッド整復器具は、ロッド整復器の近位端に搭載されるハウジングを更に備え、整復フィードバックシステムは、ハウジング内に配列される。
【0013】
場合によっては、ハウジングは、a)モジュール式及び/又は使い捨て式であるか、b)既存のナットに搭載されかつ使い捨て式であるか、又はc)ロッド整復器の任意の部分に搭載される。
【0014】
特定の実施態様では、整復フィードバックシステムは、プロセッサとメモリとを含み、メモリは、実行されると、プロセッサに負荷データをロッド整復器の負荷閾値と比較し、負荷データがロッド整復器の負荷閾値を満たすか満たさないかのインジケータを提供する命令を記憶する。
【0015】
或る特定の態様では、負荷データは、椎弓根スクリュレシーバ内でロックねじを締め付ける間にロックねじに加えられるトルクの量と、ロッド整復器に加えられる圧縮力とを少なくとも部分的に表し、負荷データが負荷閾値を満たすか満たさないかのインジケータは、脊椎ロッドに加えられる圧縮力がロッド整復器の負荷閾値を満たすように修正されるべき量のインジケータを含み、負荷閾値は、患者固有の骨質を表す臨床データをねじ引き抜きと相関させるモデルに少なくとも部分的に基づく。
【0016】
或る特定の場合には、負荷閾値は、椎弓根スクリュレシーバ内に脊椎ロッドを着座させる間にロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた最大許容負荷を規定し、最大許容負荷は、a)約50ポンド~約250ポンド、b)約25ポンド~約150ポンド、又はc)約25ポンド~約75ポンドである。
【0017】
いくつかの態様では、プロセッサは、負荷データを、追加のロッド整復器に結合された追加のセンサのセットによって検出された追加の負荷データと比較し、セット内の追加のロッド整復器のうちの少なくとも1つと比較したロッド整復器の相対負荷のインジケータを提供するように更に構成される。
【0018】
特定の実施態様では、相対負荷のインジケータは、ロッド整復器がセット内の追加のロッド整復器に対してより多く負荷されているか、より少なく負荷されているか、又は等しく負荷されているかを示す。
【0019】
場合によっては、相対負荷のインジケータは、常に、セット内の最小負荷ロッド整復器のインジケータを含む。
【0020】
或る特定の態様では、プロセッサは、ロッド整復器又はセット内の追加のロッド整復器のうちの少なくとも1つに関する負荷データが更新されるにつれて、相対負荷のインジケータを経時的に更新するように構成される。
【0021】
特定の場合には、整復器具は、負荷データのインジケータが、脊椎ロッドと係合された追加のロッド整復器のセットと比較したロッド整復器の相対負荷のインジケータを含むように、マルチレベル整復処置において使用するために構成される。
【0022】
或る特定の実施態様では、脊椎固定システムは、脊椎ロッドと係合されたロッド整復器のセットを有するロッド整復器具のセットを含み、整復フィードバックシステムは、ロッド整復器具の各々に通信可能に結合され、各ロッド整復器によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データを受信するように構成される。
【0023】
いくつかの態様では、ロッド整復器のセットは、患者の脊椎の各側に10個のサブセットで配置された合計で最大20個のロッド整復器を含む。
【0024】
特定の場合には、整復フィードバックシステムは、受信された負荷データに基づいて、ロッド整復器具のセットのための整復順序のインジケータを提供するように更に構成される。
【0025】
或る特定の態様では、整復順序のインジケータは、ロッド整復器具のセットの多段階整復のための命令を含む。
【0026】
いくつかの実施態様では、整復フィードバックシステムは、セット内のロッド整復器具のうちの2つ以上からの負荷データを負荷閾値のセットと比較し、2つ以上のロッド整復器具からの負荷データが負荷閾値のセットを満たすかどうかに基づいて、少なくとも1つの追加のロッド整復器具よりも特定のロッド整復器具の増加した負荷を優先させるインジケータを提供するように更に構成される。
【0027】
或る特定の場合には、負荷閾値のセットは、2つ以上のロッド整復器具の各々に対する絶対負荷閾値を含む。
【0028】
特定の態様では、絶対負荷閾値は、a)患者の脊椎に沿った所与のロッド整復器具の場所、b)患者の解剖学的構造、又はc)患者の骨質のうちの少なくとも1つに基づいて変動する。
【0029】
いくつかの実施態様では、負荷閾値のセットは、2つ以上のロッド整復器具の各々に対する相対負荷閾値を含む。
【0030】
或る特定の態様では、整復フィードバックシステムは、ロッド整復器と物理的に結合された電子機器区画を含み、電子機器区画は、ロッド整復器に近接した負荷データのインジケータを提供するための視覚表示システム又は触覚表示システムのうちの少なくとも1つを有する。
【0031】
特定の実施態様では、触覚表示システムは、少なくとも1つの振動触覚アクチュエータを含む。
【0032】
場合によっては、整復フィードバックシステムは、電子機器区画と結合され、脊椎固定システム内の追加のロッド整復器具のセット上の追加の電子機器区画のセットと結合されたコントローラを更に備え、コントローラは、ワイヤレス又は有線接続を介して、電子機器区画及び追加の電子機器区画のセットと通信するように構成される。
【0033】
特定の態様では、有線接続は、光ファイバ接続を含む。
【0034】
或る特定の場合には、視覚表示システムは、負荷データの区別を示すために少なくとも2つの異なるパターンで照明されるように構成されたライトのセット、又は負荷データの少なくとも2つの異なる視覚インジケータを提供するように構成されたディスプレイを含む。
【0035】
いくつかの実施態様では、ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)を含む。
【0036】
特定の態様では、ロッド整復器具は、電子機器区画内に収容され、視覚表示システム又は触覚表示システムと結合された電源を更に含む。
【0037】
或る特定の実施態様では、センサは、ロッド整復器の近位端と遠位端との間に設けられる。
【0038】
場合によっては、ロッド整復器は、マルチセクションシャフトを備え、センサは、マルチセクションシャフトの異なるセクション間に軸方向に搭載される。
【0039】
特定の実施態様では、センサは、ロッド整復器の近位端に結合される。
【0040】
或る特定の態様では、センサは、整復フィードバックシステムの少なくとも一部とともにハウジング内に設けられる。
【0041】
場合によっては、センサは、歪みゲージ、感圧フィルム、又は容量センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0042】
特定の実施態様では、ロッド整復器具は、椎弓根スクリュレシーバと結合し、その中にロッド整復器を受けるように構成されたガイドアセンブリを更に備える。
【0043】
或る特定の場合には、ロッド整復器は、脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に完全に着座させ、脊椎ロッドが椎弓根スクリュレシーバに固定されることを可能にするように構成される。
【0044】
いくつかの態様では、整復フィードバックシステムは、ロッド整復器に、又はロッド整復器とは別個の出力デバイスに設けられる。
【0045】
特定の実施態様では、出力デバイスは、a)ユーザインターフェース、b)ディスプレイ、c)オーディオシステム、又はd)外科処置インターフェースのうちの少なくとも1つを含む。
【0046】
或る特定の場合には、脊椎固定システムでは、ロッド整復器は、椎弓根スクリュレシーバと結合するガイドアセンブリ内に位置し、ロッド整復器は、脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に完全に着座させ、脊椎ロッドが椎弓根スクリュレシーバに固定されることを可能にするように構成される。
【0047】
特定の態様では、整復フィードバックシステムは、ロッド整復器の各々に近接する負荷データのインジケータを提供するために、ロッド整復器の各々の近位端に搭載されたハウジングを備える。
【0048】
或る特定の場合には、器具に結合され、第1の骨アンカ、ロッド、又は器具のうちの少なくとも1つに関するデータを決定するように構成されたセンサは、負荷データを含むデータを決定する。
【0049】
いくつかの実施態様では、第1の骨アンカに結合するように構成された器具は、ロッドをレシーバ内に着座させるように構成された整復器具であり、負荷データは、ロッドを第1の骨アンカのレシーバ内に着座させる間に整復器具によってロッドに及ぼされた負荷を含む。
【0050】
特定の態様では、器具に結合されたセンサは、第1の骨アンカ、ロッド、又は器具のうちの少なくとも1つに関するデータを決定するように構成され、ロッドが骨アンカ内に少なくとも部分的に着座しているときのロッドと骨アンカとの間の引張負荷を含むデータを決定する。
【0051】
場合によっては、器具に結合されたセンサは、第1の骨アンカ、ロッド、又は器具のうちの少なくとも1つに関するデータを決定するように構成され、ねじり力データを含むデータを決定する。特定の態様では、器具は、レシーバ内でロックねじを締め付け、骨アンカに対してロッドをロックするように構成されたドライバであり、ねじり力データは、レシーバ内でロックねじを締め付ける間のロックねじに対するねじり力を含む。追加の特定の態様では、器具は、ロッドをレシーバ内に着座させ、ロックねじをレシーバ内で締め付けることによってロッドを骨アンカに対してロックするように構成されたドライバであり、ねじり力データは、ロックねじをレシーバ内で締め付ける間のロックねじに対するねじり力を含む。
【0052】
或る特定の場合には、第1の骨アンカに結合するように構成された器具は、ロッドをレシーバ内に着座させるように構成されたロッド整復器具と、ロッド整復器具を通して挿入されて、ロックねじをレシーバ内に送達して締め付け、ロッドを骨アンカに対してロックするように構成されたドライバとを備える。これらの態様のうちのいくつかでは、データは、第1の骨アンカのレシーバ内にロッドを着座させる間に整復器具によってロッドに及ぼされた負荷、又はロッドが骨アンカ内に少なくとも部分的に着座されたときのロッドと骨アンカとの間の引張負荷のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの追加の態様では、データは、レシーバ内でのロックねじの締め付け中のロックねじに対するねじり力を含む。
【0053】
特定の実施態様では、脊椎固定システムは、器具と通信可能に結合され、器具の位置を検出するように構成されたナビゲーションシステムを更に含む。これらの場合のいくつかでは、ナビゲーションシステムは、器具が位置を変えるときに器具によって移動された距離を決定するように構成され、ナビゲーションシステムは、距離をプロセッサに通信する。
【0054】
この概要セクションに記載されているものを含む、本開示に記載されている2つ以上の特徴を組み合わせて、本明細書に具体的に記載されていない実施態様を形成することができる。
【0055】
上記は、特許請求される主題のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概観ではない。主要な若しくは重要な要素を特定すること、又は特許請求される主題の範囲を描写することは意図されていない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【0056】
1つ以上の実施態様の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】様々な実施態様によるロッド整復器の斜視図を示す。
図2】様々な実施態様によるロッド整復器の追加の斜視図を示す。
図3】それぞれ、様々な実施態様によるロッド整復器の異なる側面図を示す。
図4】それぞれ、様々な実施態様によるロッド整復器の異なる側面図を示す。
図5】それぞれ、図3及び図4のロッド整復器のためのスリーブの上面図及び底面図を示す。
図6】それぞれ、図3及び図4のロッド整復器のためのスリーブの上面図及び底面図を示す。
図7】様々な実施態様による脊椎固定システムの斜視図を示す。
図8】種々の実施態様による、図7の脊椎固定システムの異なる斜視図を示す。
図9】様々な実施態様によるロッド整復器及び関連する電子機器の概略側面図である。
図10】様々な追加の実施態様による、ロッド整復器及び関連する電子機器の概略側面図である。
図11】様々な更なる実施態様による、ロッド整復器及び関連する電子機器の概略側面図である。
図12】様々な実施態様による脊椎固定システム及び器具を示すシステム図である。
図13】様々な実施態様による整復順序付けを示す例示的なデータフロー図である。
図14】様々な実施態様による脊椎固定システムの一部の側面図である。
図15】様々な実施態様による視覚表示機構の上面図である。
図16】様々な追加の実施態様による視覚表示機構の概略図である。
図17】様々な実施態様による例示的なドライバの側面図を示す。
図18】様々な実施態様による、図17の例示的なドライバの分解斜視図を示す。
【0058】
様々な実施態様の図面は、必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを示すことが意図されており、したがって、実施態様の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号は、図面間で同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
脊椎計装処置中のロッド整復のためのデバイス及び技法の様々な例示的実施形態が、本明細書に記載される。明確にするために、実際の実施態様の全ての特徴が必ずしも本明細書に記載されるわけではない。もちろん、このような実際の実施形態の開発では、開発者の特定の目標を達成するために、システム関連の制約及びビジネス関連の制約の遵守等、実装態様ごとに異なる多数の実装態様固有の決定を行わなければならないことが理解されよう。更に、そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって日常的な仕事であることが理解されよう。本明細書に記載されるロッド整復器具並びに関連システム、プログラム製品、及び方法は、個別及び組み合わせの両方で、特許保護を保証する、種々の発明的特徴及び構成要素を有する。
【0060】
本発明の開示された実施形態の任意の所与の要素は、単一の構造、単一のステップ、単一の物質等で具現化され得ることを理解されたい。同様に、開示された実施形態の所与の要素は、複数の構造、ステップ、物質等において具現化され得る。
【0061】
本開示は、少なくとも部分的に、ロッド整復器具、関連する固定システム、方法、及び監視システムを提供し、これらは、脊椎固定処置の有効性を向上させるとともに、そのような処置を実行する際のオペレータ(例えば、外科医)のエラーの機会を軽減するために、整復フィードバックシステムを有益に組み込む。開示された様々な実施態様は、従来の脊椎固定処置と比較して患者の転帰を改善することができる。開示された実施態様は、整復処置に関するリアルタイム及び/又は術後フィードバックを提供し、現在の処置転帰並びに将来の外科手術転帰の両方を向上させることができる。特定の場合には、整復フィードバックシステムは、マルチレベル整復処置における所望の整復順序付けに関する情報をオペレータに提供し、それによって、処置中の任意の所与の時間における器具の過負荷を軽減又は回避することができる。
【0062】
図中の共通の符号が付された構成要素は、説明のために実質的に等価な構成要素であると考えられ、それらの構成要素の冗長な説明は、明確にするために省略される。
【0063】
図1及び図2は、様々な実施態様による例示的なロッド整復器具又は整復器の斜視図を示す。開示される実施態様は、様々なフォームファクタのいくつかのロッド整復器具に適用され得ることが理解される。例えば、米国特許第10,136,927号(参照することによって全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるもの等の追加のロッド整復器具は、様々な開示される実施態様から利益を享受することができる。様々な実施態様では、例示的なロッド整復器具(整復器)は、患者の脊椎上への固定構造体10の設置中に使用される。固定構造体10は、各アンカ12にロックされた固定ロッド14によって接続されたアンカ部材12を備える。アンカ12は、構造体10によって固定される各椎骨に移植される。例えば、2つのアンカ12を使用して2つの椎骨を互いに固定することができ、3つの椎骨を一緒に固定するために3つを使用することができ、4つの椎骨を一緒に固定するために4つを使用することができる等である。加えて、複数のアンカ12が、各椎骨を隣接する椎骨に固定するために使用されてもよい(例えば、4つのアンカ12が、2つの椎骨を一緒に結合するために使用することができる)。アンカ12は、骨アンカ18と、固定ロッド14を捕捉してロックするためのハウジング20とを備える。骨アンカ18は、示されるように、椎骨(例えば、椎弓根又は椎体)への安定した固定に適した骨ねじであってもよい。骨アンカ18はまた、他の固定デバイス(例えば、フック、ステープル、クランプ等)を含んでもよい。ハウジング20は、骨アンカに取り付けられる基部と、ロッドチャネル22をともに形成する一対の直立アームとを有する。ハウジングはまた、固定ロッド14をロッドチャネル22内の定位置にロックする機構を備える。例えば、機構は、係止キャップ上の相補的特徴と相互作用する、各アームの内面上に配列された係止キャップガイド及び前進特徴を含んでもよい。基部は、アンカ18に固定されてもよく、又はハウジング20が1つ以上の方向(例えば、多軸)に回転できるように結合されてもよい。ハウジング20はまた、移植中に1つ以上の器具に解放可能に結合するための1つ以上の器具係合特徴を含む。本明細書に記載の整復器とともに使用するように構成されたアンカの例は、米国特許第9,198,698号(「Minimally Invasive Spinal Fixation System and Related Methods」)及び米国特許第11,051,861号(「Rod Reduction Assemblies and Related Methods」)に示され、記載されており、これらのそれぞれの内容全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の整復器は、固定構造体10のアンカ12のうちの1つ以上に係合されて、各アンカのロッドチャネル22内へのロッド14の整合及び前進を容易にすることができる。特定の実施態様では、固定構造体10は椎弓根スクリュを備える。
【0064】
ここで図1図6を参照すると、1つの例示的な実施形態によるロッド整復器(又は単に整復器)100が示されている。整復器100は、アンカ12の両方のアームに結合し、ロッド14に下向きの力を加えるように構成される。ロッド上の下向きの力は、ロッド14がロッドチャネル22内に完全に着座するまで、ロッド14及びアンカハウジング20を一緒に引っ張るように作用する。次いで、係止キャップ等の係止機構が、整復器100をアンカ12から切り離す前に、少なくとも部分的に係合され、ロッド14をハウジング20内に捕捉することができる。整復器100は、アンカ12に接続する結合ユニット102(図2)と、ロッド14をアンカに向かって付勢するために結合ユニット102に対して並進する並進ユニット104(図2)とを備える。
【0065】
結合ユニット102は、ベース部材106と、ベース部材106に枢動可能に結合された第1及び第2の取り付けアーム108とを備える。ベース部材106は、近位部分110と、中央部分112と、遠位部分114と、ベース部材106の全長を通って長手方向に延在する中央ルーメン116(図6)とを有する細長い略管状部材である。近位部分110は、使用者が整復器100を把持するための把持領域を提供するハンドル118を備える。ハンドル118の上には、他の器具を整復器100と結合することを可能にするヘッド124(図1図2)がある。ヘッド124は、ガイドと係合又は結合する任意の器具(例えば、椎体減捻アセンブリ、逆トルク等)もまた、整復器100と係合又は結合し得るように、低侵襲性ねじガイドの近位端を模倣するように構成されてもよい。図示されていないが、近位部分110は、並進ユニット104とねじ係合するために近位部分110の内部(すなわち、ルーメン116の近位端)に形成されたねじ部分を備えることができる。或る特定の実施態様では、駆動ノブ170は、近位部分110と中央部分112との間に設けられる。
【0066】
図7及び図8は、例示的な一実施形態による、上述したような後方脊椎固定構造体を導入して構築するように構成された脊椎固定システム210を示す。一例によれば、脊椎固定システム210は、椎弓根スクリュ212と、細長い脊椎ロッド214と、ガイドアセンブリ216とを備える。椎弓根スクリュ212は、1つ以上のレベルにわたって複数の椎骨内に両側又は片側に挿入される。追加の実施態様では、固定アンカ(先に参照することにより本明細書に組み込まれた米国特許第9,198,698号に記載されているもの等)を、1つ以上の椎骨内の椎弓根スクリュ212の代わりに利用することができる。脊椎固定システム210は、例として、図7及び図8に示す整復器具(整復器とも呼ばれる)218、並びにロッド挿入器、圧縮器具、ロックねじ挿入器、ガイドアジャスタ、タップガイド、及び拡張器を含む、脊椎固定構造体の設置及び組み立てを実行するように構成された種々の器具のいずれかを更に含んでもよく、これらの種々の実施形態は、先に参照することにより本明細書に組み込まれた米国特許第9,198,698号に更に詳細に記載されている。
【0067】
図9は、様々な実施態様によるロッド整復器具(又は単に器具)300の例示的な実施態様を示す。図9に示されるように、器具300は、ロッド整復器(又は単に整復器)302を備え、これは、本明細書の任意の実施態様に従って記載される整復器(複数の場合もある)、例えば、整復器100及び/又は整復器218と形態及び/又は機能が同様であり得る。特定の実施態様では、整復器302は、近位端304及び遠位端306を有する。遠位端306は、(例えば、図1図4に関して記載したように)脊椎ロッドを椎弓根スクリュレシーバ内に着座させるために脊椎ロッドに係合するように構成される。様々な実施態様では、ロッド整復器302は、脊椎ロッド(例えば、図8の脊椎ロッド214)を椎弓根スクリュレシーバ(例えば、図2のロッドチャネル22とも呼ばれる、図8の椎弓根スクリュ212のレシーバ)内に完全に着座させるように構成される。
【0068】
特定の実施態様では、器具300は、椎弓根スクリュレシーバ内に脊椎ロッドを着座させる間に、ロッド整復器302によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を検出するように構成されたセンサ308を備える。特定の例では、センサ308は、歪みゲージ、感圧フィルム、又は容量センサのうちの1つ以上を含む。様々な実施態様では、センサ308は、ロッド整復器302を介して、例えば脊椎ロッドに加えられる負荷を感知するように構成される。或る特定の例では、センサ308は、ロッド整復器302によって例えば脊椎ロッドに加えられる圧力及び/又はトルクを示すように構成される。
【0069】
或る特定の実施態様では、センサ308は、骨アンカ(例えば、図1図6のアンカ12及び/又は図7及び図8の椎弓根スクリュ212)、脊椎ロッド(例えば、図1図6のロッド14及び/又は図7及び図8の脊椎ロッド214)、又は整復器302のうちの少なくとも1つに関するデータを決定するように構成される。或る特定の例では、センサ308は、ロッドが骨アンカ内に少なくとも部分的に着座しているときのロッドと骨アンカとの間の引張負荷を含む負荷データを提供する。追加の例では、センサ308は、ねじり力データを含む負荷データを提供する。
【0070】
特定の実施態様では、センサ308は、ロッド整復器302の近位端304と遠位端306との間に設けられる。例えば、図9に示すように、整復器302は、第1のセクション312及び第2のセクション314を含むマルチセクションシャフト310を備え、センサ308は、セクション312、314の間に軸方向に搭載される。図10に示すような追加の例では、センサ308は、ロッド整復器302の近位端304に、例えばロッド整復器302の端部に結合される。
【0071】
特定の実施態様では、ハウジング316は、例えば、整復器302の近位端304において、整復器302に結合される。或る特定の場合には、ハウジング316は、本明細書に記載されるような電子機器318を備える。追加の実施態様では、電子機器318は、遠隔脊椎固定管理システムと通信する(例えば、ワイヤレス及び/又は有線接続)ように構成される。特定の場合には、電子機器318は、整復フィードバックシステム320の少なくとも一部を含む。
【0072】
センサ308は、a)ロッド整復器302によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データをセンサから受信し、b)インジケータが器具300のオペレータによって検出可能であるように、負荷データのインジケータを提供するように構成される、整復フィードバックシステム320と結合される。本明細書で記載され、図9に仮想線で示されるように、整復フィードバックシステム320は、整復器302の近位端304に搭載されるハウジング316内に少なくとも部分的に配置することができる。追加の実施態様では、整復フィードバックシステム320は、本明細書で更に記載する集中脊椎固定管理システム内に少なくとも部分的に設けられる。
【0073】
或る特定の場合には、ハウジング316は、モジュール式及び/又は使い捨てである。すなわち、或る特定の場合には、ハウジング316は、整復フィードバックシステム320を実質的に含み、整復器の近位端304と選択的に結合及び/又は切り離すことができる(例えば、雄/雌ねじ切り、スナップ嵌めコネクタ、圧力嵌めコネクタ又は圧入嵌めコネクタ、接着剤(複数の場合もある)等の選択的結合器を用いて)。これらの場合のいくつかでは、整復フィードバックシステム320は、使い捨てであり、すなわち、脊椎固定処置中に1回使用することが意図されている。これらの例では、整復フィードバックシステム320は、限定的な仕様を意図したオンボード電子機器、例えば、センサ(複数の場合もある)308、電力、及び信号を処理及び出力するためのインターフェース回路等の信号調整電子機器を含むことができる。或る特定の場合には、インターフェース回路は、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、等の信号プロセッサと、信号をフィルタリング/調整する論理エンジンと、表示及び外部レシーバ等の外部構成要素への信号の送信等のオンボード機能を制御するコントローラとを備える。特定の例では、ハウジング316は、整復器302の近位端304上の既存のナットに選択的に結合される。追加の例では、ハウジング316は、中央ルーメン116又は整復器302の本体の別の部分に選択的に結合される。
【0074】
特定の例では、図11に示すように、センサ308は、整復フィードバックシステム320の少なくとも一部とともにハウジング316内に設けられる。これらの実施態様では、センサ308は、整復フィードバックシステム320、又はハウジング316内に存在する整復フィードバックシステム320の少なくとも一部と直接結合することができる。特定の場合には、電子機器318は、ハウジング316におけるオンボード電源321(例えば、1つ以上のバッテリ、充電デバイス、及び/又は有線電源)によって電力供給される。
【0075】
システム320と相互作用する構成要素に関連するデータフローを含む整復フィードバックシステム320の概略図が図12に示されている。本明細書に記載されるように、整復フィードバックシステム320は、オンボード(例えば、器具300上)システム及び/又は物理的に別個のシステム(例えば、ワイヤレス及び/又は有線接続を介して結合される)として機能することができる。或る特定の場合には、本明細書に記載されるように、整復フィードバックシステム320は、例えば、米国特許出願第16/562,411号(Systems and Methods for Spinal Surgical Procedures)に記載されているように、脊椎固定システム400の一部としてホストされるか、又は他の方法で実行され、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0076】
特定の実施態様では、整復フィードバックシステム320は、少なくとも1つのプロセッサ(PU)324(1つ以上のマイクロプロセッサ等)を備えるコントローラ322(例えば、1つ以上のマイクロコントローラ)を備え、メモリ326(例えば、メモリチップ及び/又はチップセット等の1つ以上の記憶構成要素を含む)と結合され、又はそれを含む。メモリ326は、PU(複数の場合もある)324によって実行されると、PU324に、i)センサ308から取得された負荷データを整復器302の負荷閾値と比較させ、ii)負荷データが整復器302の負荷閾値を満たすか満たさないかのインジケータを提供させる命令(例えば、整復フィードバック(RF)命令328)を記憶する。特定の場合には、負荷閾値は、アンカ(例えば、図1のアンカ12、又は図7、8の椎弓根スクリュ212)の所望の負荷を示す整復器302の負荷範囲を含む。様々な実施態様では、負荷閾値は、上限及び下限を有する範囲を含み、これは、例えば、センサ308の既知の測定誤差マージンに基づく測定における何らかの変動を考慮することができる。追加の実施態様では、負荷閾値は、例えば、1パーセント、2パーセント、又は3パーセントだけ、既知の測定誤差を説明する負荷値を含む。或る特定の実施態様では、負荷閾値は、患者固有の骨質を表す臨床データをねじ引き抜きと相関させるモデルに少なくとも部分的に基づく。この臨床データは、整復フィードバック命令328に格納されたモデルに組み込むことができ、例えば、更なるデータが利用可能になると、更新可能とすることができる。
【0077】
特定の実施態様では、負荷データは、椎弓根スクリュレシーバ(図8)内でロックねじを締め付ける間にロックねじに加えられるトルクの量と、整復器302に加えられる圧縮力とを少なくとも部分的に表す。これらの場合のいくつかでは、例えば、負荷データが負荷閾値を満たさない場合、インジケータは、脊椎ロッドに加えられるトルクが、整復器302の負荷閾値を満たすように修正されるべき量のインジケータを含むことができる。
【0078】
特定の実施態様では、負荷閾値(複数の場合もある)は、ロッドチャネル22(図2)とも呼ばれる椎弓根スクリュ212(図8)のレシーバ内に脊椎ロッドを着座させる間に、整復器302によって脊椎ロッド214(図8)に及ぼされた最大許容負荷を規定する。或る特定の場合には、最大許容負荷は、a)約50ポンド~約250ポンド、b)約25ポンド~約150ポンド、又はc)約25ポンド~約75ポンドのうちの1つである。或る特定の場合には、最大許容負荷範囲(a)~(c)は、組み合わせ可能であり、例えば、約50ポンド~約150ポンド、約25ポンド~約250ポンド等である。
【0079】
引き続き図12を参照すると、ロッド整復器302a、302b、302cのセットを管理するための整復フィードバックシステム320の例示的な図が示されている。これらの場合、整復フィードバックシステム320は、例えば、2つ以上の椎骨調節が患者の脊椎に沿って行われる、マルチレベル整復処置において整復器302を管理するように構成される、脊椎固定システム400の一部とすることができる。様々な実施態様では、ロッド整復器302のセットが脊椎ロッドに係合され、整復フィードバックシステム320は、ロッド整復器具の各々に通信可能に結合され(例えば、ワイヤレスで、又は有線手段を介して)、各ロッド整復器302によって脊椎ロッドに及ぼされた負荷を示す負荷データを受信するように構成される。この図は、説明を簡単にするために少数のロッド整復器302a、302b、302cを含むが、ロッド整復器のセットは、患者の脊椎の各側に10個のサブセットで配置された合計で最大20個のロッド整復器を含むことができることを理解されたい。図14は、患者の脊椎の片側に配置された6個の整復器302a-fを描写する例示的実施態様を示し、整合処置の間、患者の脊椎の反対側の6つの追加の整復器302(図示せず)と対応する(合計12個の整復器302)。
【0080】
特定の実施態様では、整復フィードバックシステム320は、直接的に(ワイヤレス接続又は有線接続を介して等)、又は整復器302a、302b、302c等の各々におけるオンボード整復フィードバックシステム320を介して、センサ308a、308b、308c等と結合される。或る特定の場合には、整復器302(センサ308を含む)は、例えば、電子機器318及び/又は脊椎固定システム400(図12)における通信デバイスを介して、整復フィードバックシステム320と通信するように構成される。通信デバイス(複数の場合もある)は、1つ以上の送信機及び/又はレシーバ(例えば、ワイヤレス及び/又は有線送信機/レシーバ)を含むことができる。様々な実施態様では、通信デバイスは、複数の通信プロトコル、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、BLE、Zigbee(登録商標)等のワイヤレスプロトコル、並びに無線通信及びインターホン通信、及び/又は有線接続(例えば、光ファイバー接続)のために構成される。
【0081】
いずれの場合も、整復フィードバックシステム320(特に、PU(複数の場合もある)324)は、1つ以上の整復器302が適切に負荷されている(例えば、過剰負荷又は過少負荷)かどうかを判定するために、1つ以上のセンサ308から受信した負荷データを、それらのセンサ308の対応する負荷閾値と比較するように構成される。図13は、a)特定の整復器302が過小負荷であるか過剰負荷であるか、及びb)複数の整復器302上の負荷を調整するための整復順序を決定するために、負荷データ340を閾値350のセットと比較するためのRF命令328の例示的なデータ構造を示す。負荷データ340に基づいて、RF命令328は、1つ以上の整復器302の識別子及び負荷調整の量等の整復(シーケンシング)命令360を提供する。或る特定の場合には、整復命令360は、複数の負荷データ340がマルチレベル整復処置の一部として取得される場合等、整復シーケンシング命令を含む。
【0082】
図12図14を参照すると、様々な実施態様では、整復フィードバックシステム320は、複数のセンサ308の各々からの負荷データ340を比較し、整復命令360を提供するように構成され、整復命令360は、少なくとも2つの整復器302の間の相対負荷のインジケータを含むことができる。例えば、相対負荷のインジケータは、所与のロッド整復器(例えば、整復器302b)が、セット内の追加のロッド整復器(例えば、整復器302a、302c)のいずれか1つ又は全てに対して、より多く負荷されているか、より少なく負荷されているか、又は等しく負荷されているかを示すことができる。様々な実施態様では、負荷データ340は、整合処置中に連続的又は周期的に更新され、その結果、新しい負荷データ340は、処置中の延長された期間にわたって整復フィードバックシステム320によって処理される。特定の場合には、負荷データ340は、センサ308のうちの1つにおける負荷の変化が検出されるたびに、例えば、外科医による調整ごとに、更新される。これらの場合、整復命令360は、セット内の各整復器302に対する相対負荷を反映するように連続的に更新される。例示的な実施態様では、相対負荷のインジケータは、常に、整復器のセット内の最小負荷ロッド整復器302のインジケータを含み、その結果、システム320は、セット内の整復器302のうちの少なくとも1つの負荷データが更新されるにつれて、相対負荷のインジケータを経時的に更新するように構成される。
【0083】
図13に示すように、整復命令360は、受信された負荷データ340に基づいて、整復器302a、302b、302c等のセットの整復順序(又はシーケンシング)のインジケータを含むことができる。例えば、整復順序のインジケータは、整復器302のセットの多段階整復のための整復命令360を含むことができる。特に、図13は、システム320が、i)2つ以上の整復器具(例えば、整復器302)からの負荷データ340を閾値350のセットと比較し、ii)2つ以上の整復器具302a、302bからの負荷データ340が負荷閾値のセットを満たすかどうかに基づいて、特定の整復器具(例えば、整復器302b)の修正された負荷(例えば、増加又は減少した負荷)を、少なくとも1つの追加の整復器具(例えば、整復器302a)よりも優先させるインジケータを提供する、例示的実施態様を示す。場合によっては、閾値350は、各整復器302の絶対負荷閾値(例えば、絶対負荷閾値1、2、3)を含む。これらの絶対負荷閾値は、(例えば、センサ(複数の場合もある)308によって検出されるような)負荷データ340の最小及び/又は最大許容負荷値を表すことができる。或る特定の場合には、絶対負荷閾値は、a)患者の脊椎に沿った所与のロッド整復器具(例えば、整復器302)の場所、b)患者の解剖学的構造(例えば、脊椎の曲率)、又はc)患者の骨質のうちの少なくとも1つに基づいて変動する。例えば、RF命令328は、患者の特性(例えば、椎骨間の間隔、患者の脊椎の1つ以上のセクションの角形成等の生理学的及び/又は解剖学的特性)、並びに患者の骨質(例えば、Tスコア(相対的健康を標準と比較する)等の機械的骨質スケール、又はCTスキャン若しくはMRI等の骨スキャンから導出される品質インジケータ)を含み得る、患者固有の入力370に従って、調節又は別様に調整することができる。例えば、絶対負荷閾値は、患者の骨質(例えば、より低い骨質に対するより低い最大絶対負荷閾値)、及び/又は、整復器302が動作している隣接する椎骨の角形成(例えば、より高い角形成値に対するより高い最小絶対負荷閾値)に基づいて調節することができる。加えて、RF命令328は、脊椎に沿った所与の整復器302の場所に基づいて、例えば、L2対L4における異なる絶対負荷閾値を用いて調整することができる。
【0084】
更に、負荷閾値350は、2つ以上のロッド整復器具(例えば、整復器302a、302b、302c等)の各々に対する相対負荷閾値(例えば、相対負荷閾値1、相対負荷閾値2)を含むことができる。これらの場合、相対負荷閾値は、任意の2つの整復器302間、及び/又は任意の2つの隣接する整復器間(例えば、図14の整復器302aと302bとの間、又は整復器302dと302eとの間)の負荷の最大許容差を規定することができる。これらの相対負荷閾値は、整復順序を決定するために、例えば、別の整復器302cよりも特定の整復器302aの負荷を優先するために使用され得る。図13に示される例では、負荷データ340は、相対負荷閾値の前に絶対負荷閾値を使用して処理されるが、この順序は、様々な実施態様では逆にすることができる。追加の実施態様では、負荷閾値及び相対負荷を使用して、例えば外科医又は他の医療専門家等のユーザに指示するための整復順序を構築することができる。場合によっては、整復器(複数の場合もある)302の負荷データ340は、i)整復器(複数の場合もある)302の閾値を超えることを回避するための、所与の整復器302の閾値又は整復器302のグループの集約閾値、ii)任意の2つ以上の整復器302間の負荷差が差閾値を超えることを回避するための、整復器302間の相対負荷、iii)整復器302の操作中の上方及び/又は下方の整復限界、又はiv)手術前計画によって規定された整復順序に従うことのうちの1つ以上に基づいて分析される。或る特定の場合には、2つ以上の整復器302a、302b、302c等の負荷データ340を比較した後、システム320は、少なくとも1つの負荷調整(例えば、負荷調整1、負荷調整2等)を提供し、これは、整復(シーケンシング)命令360として使用するために順序付けされたリストに置かれる。例えば、整復(シーケンシング)命令360は、負荷調整1(例えば、整復器302bのトルクを時計回りの1/4回転又はX lbsの圧力増加で調整する)と、それに続く負荷調整2(例えば、負荷調整1の後:整復器302aのトルクを反時計回りの1/2回転又はY lbsの圧力減少で調整する)とを含むことができる。
【0085】
様々な実施態様では、異なる整復器具(例えば、整復器302a、302b等)にわたる負荷の相互に関連する性質により、整復シーケンシング命令360は、或る特定の場合には、完全なシーケンスにおいて所与の整復器302に対する負荷を2回以上調整することを含むマルチ整復器シーケンスを含むことができる。例えば、整復シーケンシング命令360は、最初に、ロッドをアンカレシーバ内に完全に着座させない量だけ、第1の整復器302a上の負荷を調節し、次いで、第2の整復器302b上の負荷を調節し、その後、ロッドをアンカレシーバ内に完全に着座させる量だけ、第1の整復器302上の負荷を更に調節する命令を含むことができる。
【0086】
特定の実施態様では、例えば図12に示すように、脊椎固定システム400は、整復フィードバックシステム320と、脊椎固定処置室内の外科医、医療専門家(複数の場合もある)、及び/又は他のオペレータとの間の相互作用を可能にするインターフェース380を更に含むことができる。場合によっては、脊椎固定システム400は、本明細書に記載されるワイヤレス及び/又は有線通信デバイス等の通信デバイス390を介して、整復器(複数の場合もある)302と通信する。インターフェース(複数の場合もある)380は、脊椎固定処置中に外科医、医療専門家及び/又はオペレータへの整復フィードバック情報の通信を可能にすることができる任意の従来の視覚、触覚、及び/又は聴覚インターフェースを含むことができる。或る特定の場合には、インターフェース(複数の場合もある)380は、液晶表示装置(LCD)、1つ以上のタッチスクリーン、仮想医療アシスタントシステム(例えば、音声ベースのコマンドシステム)等を含むことができるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含む。特定の場合には、図9図11に示すように、インターフェース(複数の場合もある)380は、整復器(複数の場合もある)302においてセンサ308によって検出された負荷データ340(図13)のインジケータを提供するための視覚表示システム410及び/又は触覚表示システム420を含むことができる。すなわち、或る特定の実施態様では、視覚表示システム410及び/又は触覚表示システム420の少なくとも一部は、整復器302に(例えば、ハウジング316に結合された各整復器に)設けられる。追加の実施態様では、視覚表示システム410及び/又は触覚表示システム420の一部は、集中インターフェース、例えば、脊椎固定システム400のインターフェース380に設けることができる。
【0087】
或る特定の実施態様では、触覚表示システム420は、少なくとも1つの振動触覚アクチュエータを含み、これは、整復器302が更なる負荷を必要とすること、及び/又は過負荷状態に近づいていることを外科医(又は他の医療専門家若しくはオペレータ)に伝えるように構成することができる。例えば、触覚表示システム420は、所与の整復器302の負荷が最大絶対負荷閾値に近づいているときに、(例えば、ハウジング316を振動させることによって)振動キューをトリガするように構成することができる。場合によっては、触覚表示システム420は、最大絶対負荷閾値に近づく及び/又はそれを超える対応するセンサ308からの負荷データに対する振動応答を開始するために、ハウジング316に一体化されるか、又は他の方法でハウジング316に接続され得る。追加の場合では、触覚表示システム420は、整復器の負荷の異なる振動キュー、例えば、負荷不足を示す振動キューの第1のセット、及び過負荷又は負荷限界に近づいていることを示す振動キューの第2のセットを提供するように構成される。
【0088】
図15は、整復器302の近位端304(例えば、ハウジング316の近位端)の例を示しており、これは、整復器302の負荷データの区別を示すために少なくとも2つの異なるパターンで照明されるように構成されたライト430のセットを有する視覚表示システム410を含む。この例は、異なる色のライト430を示すが、異なるパターンを提供するために、任意の進行照明構成を使用することができる。例えば、図15に示されるようなライト430の環状配置は、色の区別、例えば、所望の負荷を示す緑色、過負荷に近づいている黄色、過負荷を示す赤色を提供するように構成され得る。場合によっては、ライト430のこの環状配置は、同一又は類似の色を有するが、少なくとも2つの異なるパターンで照明することができる(過剰/過少負荷を示すために)。環状照明配置は、本明細書の実施態様に沿った様々な可能な配置のうちの1つにすぎず、したがって、線形光アレイ、光バー、光強度の区別等を使用して、所与の整復器302の負荷を視覚的に示すことができる。
【0089】
図16は、例えば、10個の異なる整復器302のセットにわたる負荷レベル(例えば、0~20のスケールで)を示す棒グラフを含む整復ディスプレイ450を含む、(例えば、インターフェース380を介した)視覚表示システム410の別の例を示す。この例では、棒グラフは、負荷データの変化が1つ以上の整復器302について検出されるときに動的に更新することができ、それにより、観察者(例えば、外科医、医療専門家、又は他のオペレータ)は、どの整復器302が最も負荷が少ないか、又はそうでなければ増加した負荷に耐えることができるか、及びどの整復器(複数の場合もある)302が負荷の上限に近づいているかを見ることができる。これらの場合のいくつかでは、整復ディスプレイ450は、色の区別(図示せず)を利用して、シーケンシングを示すか、又はそうでなければ、最小負荷整復器302、例えば、負荷の増加を受けるべき第1の整復器302の表示を補足することができる。
【0090】
図12に戻ると、様々な追加の実施態様(任意選択として仮想線で示される)では、整復フィードバックシステム320は、本明細書で記載される負荷センサ等の1つ以上のセンサ308を含むことができる1つ以上の追加の固定器具500と更に結合される。特定の場合には、固定器具500は、骨アンカレシーバ(例えば、骨アンカ(例えば、図1図6のアンカ12及び/又は図7及び図8の椎弓根スクリュ212)内のレシーバ)内のロックねじを締め付け、骨アンカに対してロッド(例えば、図1図6のロッド14及び/又は図7及び図8の脊椎ロッド214)をロックするように構成されたドライバを備える。そのような固定器具の例は、米国特許出願公開第2020/0297393号(米国特許出願第16/898,713号)において提供され、これは参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。更なる特定の場合において、固定器具500は、脊椎手術の間に器具及び/又はねじの軌道を規定するためのガイド(場合によっては「ガイドチューブ」とも呼ばれる)を備える。ガイド及びガイドチューブ等の固定器具の例は、米国特許出願公開第2021/0085485号(米国特許出願第16/995,602号)において提供され、これは参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0091】
追加の固定器具を参照すると、図17及び図18は、それぞれ、様々な実施態様によるドライバ600の例の側面図及び分解斜視図を示す。この場合、ドライバ600は、近位端610及び遠位端620を有し、遠位端620は、ロックねじと係合して締め付けるように構成される。センサ308は、ドライバ600と同軸に設けられて示されており、例えば、ドライバシャフト630のセクション630A、630Bの間又はその中に搭載されている。或る特定の場合には、センサ308用のハウジングは、シャフト630内の相補的な嵌合特徴部650と結合するための1つ以上の嵌合特徴部640を備える。或る特定の追加の場合には、例えば近位端610の近くでシャフト630に搭載されたハウジング316は、図9図11を参照して記載したような1つ以上の追加のセンサ308及び/又は電子機器318、電源(複数の場合もある)321、及び/又は表示システム410、420を含む。図17及び図18に示すドライバ600の例では、センサ(複数の場合もある)308は、例えば、ロッドを骨アンカに対してロックするプロセスにおいて、ロックねじをレシーバ内で締め付ける間にロックねじに加えられるねじり力を示すねじり力データを提供するように構成することができる。或る特定の場合には、ドライバ(又はドライバ器具)600は、本明細書に記載されるロッド整復器(複数の場合もある)302と結合されるように構成される。特定の実施態様では、ドライバ600は、ロッド整復器302を通して挿入されて、ロックねじをレシーバ内に送達して締め付け、ロッドを骨アンカに対してロックするように構成することができる。或る特定の実施態様によれば、ドライバ600内のセンサ(複数の場合もある)308は、ドライバ600によってロックねじに加えられるねじり力に関するねじり力データを提供するように構成され得る。いくつかの例では、ドライバ600は、ロックねじをその最終段階又は仕上げ段階で締め付けるように構成された「仕上げ」ドライバ又は「最終締め付け」ドライバとして展開することができる。そのような場合、ドライバ600内のセンサ(複数の場合もある)308は、最終段階又は仕上げ段階においてドライバ600によってロックねじに加えられるねじり力に関するデータを提供するように構成することができる。
【0092】
更に別の実施態様では、本明細書に記載の固定器具500(例えば、ドライバ600、ロッド整復器302及び/又はガイドチューブ)内のセンサ(複数の場合もある)308は、骨アンカのレシーバ内にロッドを着座させる間に固定器具500によってロッドに及ぼされた負荷に関するデータ、及び/又はロッドが骨アンカ内に少なくとも部分的に着座されるときのロッドと骨アンカとの間の引張負荷に関するデータを提供するように構成され得る。或る特定の実施態様では、トルク及び圧迫データの両方が、固定器具500上のセンサ(複数の場合もある)308によって記録され、分析及び/又は動作のために(例えば、整復命令を調整するために)整復フィードバックシステム320に提供される。例えば、ドライバ600及び/又はロッド整復器302に搭載されたセンサ等のセンサ308によって検出されたトルク及び/又は圧縮データは、センサ308と物理的に接触していないデバイス又は構成要素に加えられたトルク及び/又は圧縮の推測又は相関インジケータを表すことができることを理解されたい。例えば、器具500(例えば、ドライバ600)上のセンサ308は、器具500におけるトルクを検出するように構成することができ、そのトルクは、器具の遠位端と接触しているロックねじに伝達される。同様に、器具500(例えば、ロッド整復器302)上のセンサ308は、器具500における圧縮を検出することができ、その圧縮はロッドに伝達される。
【0093】
追加の実施態様では、本明細書に記載の1つ以上の固定器具、例えば、ロッド整復器302、固定器具(複数の場合もある)500等は、器具(複数の場合もある)の位置を検出するように構成されたナビゲーションシステムと(例えば、脊椎固定システム400を介して)通信可能に結合することができる。図12の例示的な一描写では、器具の位置に関するナビゲーション情報を提供するために、ナビゲーションシステム700(任意選択として仮想線で示される)が、整復フィードバックシステム320と結合される。例えば、ナビゲーションシステム700は、カメラ又はレーザベースの追跡システム等の光学追跡システム、全地球測位システム(GPS)、慣性測定ユニット(IMU)等を含むことができる。或る特定の場合には、ナビゲーションシステム700は、器具が位置を変更するときに器具によって移動された距離を決定するように構成され、ナビゲーションシステム700は、それを整復フィードバックシステム400に通信する。ナビゲーションシステム700の1つ以上の構成要素は、整復器具のうちの1つ以上に搭載されるか、又は別様に結合される、ハウジング、例えば、ハウジング316(図9図11)内に設けられるか、又は別様にそれと一体化されることができる。例えば、GPS及び/又はIMU等のナビゲーションシステムの構成要素は、ハウジング316内に設けることができる。或る特定の例では、ナビゲーションシステム700及び/又はその一部は、ロッド整復器(複数の場合もある)302、固定器具(複数の場合もある)500等の一部に固定され、ハウジング316から物理的に分離される。これらの場合のうちのいくつかでは、例えば、ハウジング316及び/又は他の電子機器パッケージがモジュール式である場合、ナビゲーションシステム700は、ロッド整復器302、固定器具500、又は他の器具に独立して結合されたままであり得る。追加の実施態様では、脊椎固定システム400は、ハウジング316及び/又は整復器具の外部にあるナビゲーションシステム700を含むか、又はそれと結合される。
【0094】
図12及び図13を参照すると、追加の実施態様では、整復フィードバックシステム320は、例えば、将来の処置を向上させ、及び/又は過去の処置における非効率性を診断するために、術後データ並びに整復処置及び/又はデバイス使用の分析を提供するように構成される。或る特定の実施態様では、整復フィードバックシステム320は、所与の処置中の整復シーケンシング及び/又はデバイス使用における識別された非効率性又はエラーに基づいて、RF命令328を更新するように構成される。特定の実施態様では、整復フィードバックシステム320は、RF命令328を反復的に、例えば処置ごとに修正するように構成された論理エンジンを含む。
【0095】
本明細書に述べるように、様々な実施態様に従って開示される整復デバイス、整復フィードバックシステム、及び脊椎固定システムは、従来の脊椎固定デバイス及びシステムに対して多くの利点を提供する。例えば、開示されるデバイス、システム、フィードバックシステム、及び方法は、脊椎固定処置の有効性を向上させることができるとともに、そのような処置を実行する際のオペレータ(例えば、外科医)のエラーを軽減することができる。様々な開示された実施態様は、従来の脊椎固定処置と比較して、患者の転帰を改善することができる。加えて、開示される実施態様は、整復処置に関するリアルタイム及び/又は術後フィードバックを提供し、現在の処置転帰並びに将来の外科手術転帰の両方を向上させることができる。或る特定の実施態様では、整復フィードバックシステムは、マルチレベル整復処置における所望の整復順序付けに関する情報をオペレータに提供することができ、それによって、処置中の任意の所与の時間における器具の過負荷を軽減又は回避する。
【0096】
本明細書で記載される機能、又はその一部、及びその様々な修正(以下、「機能」)は、少なくとも部分的に、1つ以上のデータ処理装置、例えば、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、複数のコンピュータ、及び/又はプログラム可能論理構成要素による実行のために、又はその運転を制御するために、コンピュータプログラム製品、例えば、1つ以上の非一時的機械可読媒体等の情報担体において有形に具現化されるコンピュータプログラムを介して、実装することができる。
【0097】
コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとして等、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトにおける複数のコンピュータ上で、又は複数のサイトにわたって分散され、ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0098】
機能の全て又は一部を実装することに関連する動作は、較正プロセスの機能を実行するために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能プロセッサによって実行され得る。機能の全て又は一部は、専用論理回路、例えば、FPGA及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)として実装することができる。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの構成要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスとを含む。
【0099】
様々な実施態様では、互いに「結合される」ものとして記載された構成要素は、1つ以上のインターフェースに沿って接合され得る。いくつかの実施態様では、これらのインターフェースは、異なる構成要素間の接合部を備えることができ、他の場合には、これらのインターフェースは、堅固に及び/又は一体的に形成された相互接続を含むことができる。すなわち、場合によっては、互いに「結合された」構成要素を同時に形成して、単一の連続部材を規定することができる。しかしながら、他の実施態様では、これらの結合された構成要素は、別個の部材として形成され、その後、既知のプロセス(例えば、はんだ付け、締結、超音波溶接、接着)によって接合され得る。様々な実施態様では、「結合される」と記載される電子構成要素は、これらの電子構成要素が互いにデータを通信することができるように、従来の有線及び/又はワイヤレス手段を介してリンクされ得る。更に、所与の構成要素内のサブ構成要素は、必ずしも図示されていない場合がある従来の経路を介してリンクされていると考えることができる。
【0100】
本明細書に記載される本発明の特徴は、目的を達成するための好ましい実施形態に関して記載されているが、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、これらの教示を考慮して変形が達成され得ることが当業者によって理解される。また、本発明は、脊椎への適用における好ましい使用に従って記載されてきたが、外科的固定、例えば、長骨213の固定を所望する様々な他の使用に適用され得ることが理解されるであろう。
【0101】
いくつかの実施態様について記載してきた。それにもかかわらず、本明細書で記載する本発明の概念の範囲から逸脱することなく追加の修正を行うことができ、したがって、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内にあることが理解されるであろう。
図1
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図5
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【国際調査報告】