(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】応答装置の決定方法、装置及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G10L 15/28 20130101AFI20240808BHJP
G10L 15/32 20130101ALI20240808BHJP
【FI】
G10L15/28 230K
G10L15/32 200Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513487
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2022082565
(87)【国際公開番号】W WO2023029453
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111007071.0
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524050604
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRIC SCIENCE AND TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】District B, No. 8, Xinye 4th Road, Pioneer Park, Shunjiang Neighborhood Committee, Beijiao, Shunde Foshan, Guangdong 528311 China
(71)【出願人】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100213517
【氏名又は名称】韓 明花
(72)【発明者】
【氏名】チェン,バイヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イーロン
(72)【発明者】
【氏名】フオ,ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】シー,ホンイェン
(72)【発明者】
【氏名】スー,コンコン
(57)【要約】
応答装置の決定方法、装置、サーバ及びコンピュータ可読記憶媒体であって、方法は、音声制御信号を受信した後、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置となる目標確率値を取得し、ここで、確率値ポリシーは音声制御信号に対する装置の応答状態情報に基づいて決定され(S101)、目標確率値および受信された音声制御信号のS/N比に基づいて、目標S/N比を決定し(S102)、目標S/N比に基づいて、装置が音声制御信号に対する応答装置であるか否かを決定する(S103)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答装置の決定方法であって、
音声制御信号を受信した後、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置となる目標確率値を取得するステップであって、前記確率値ポリシーは音声制御信号に対する装置の応答状態情報に基づいて決定されたステップと、
前記目標確率値および受信された前記音声制御信号のS/N比に基づいて、目標S/N比を決定するステップと、
前記目標S/N比に基づいて、前記装置が前記音声制御信号に対する応答装置であるか否かを決定するステップと、を含むことを特徴とする応答装置の決定方法。
【請求項2】
前記確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する確率値の決定方式を含み、
装置が応答装置となる目標確率値を取得するステップは、
音声制御信号の受信時間を取得するステップと、
前記受信時間が位置する時間間隔に対応するという決定方式に従って前記目標確率値を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の応答装置の決定方法。
【請求項3】
前記方法は、更に、
前記音声制御信号におけるキーワードと予め設定された標準ワードとの類似度を算出して信頼度情報を得るステップと、
前記信頼度情報が予め設定された信頼度閾値よりも小さい場合、装置が前記音声制御信号に対する応答装置となるか否かの決定を許可しないステップであって、信頼度閾値が目標確率値の大きさによって決定されるステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の応答装置の決定方法。
【請求項4】
前記方法は、更に、
前記装置が応答装置となる回数を記録し、応答状態情報を得るステップと、
応答状態情報を送信するステップと、
前記応答状態情報に対応する確率値ポリシーの更新情報を受信するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の応答装置の決定方法。
【請求項5】
応答装置の決定方法であって、
音声制御信号に対する装置の応答状態情報を取得するステップであって、前記応答状態情報は、前記装置が応答装置となる回数を含むステップと、
前記応答状態情報における回数に基づいて、前記装置の確率値ポリシーを決定するステップと、
前記確率値ポリシーを送信するステップと、を含むことを特徴とする応答装置の決定方法。
【請求項6】
前記応答状態情報が各時間間隔において応答装置となる回数を含む場合、確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する決定方式を含むことを特徴とする請求項5に記載の応答装置の決定方法。
【請求項7】
前記応答状態情報が毎回応答装置となる有効性情報をさらに含む場合、各時間間隔における有効回数Tiおよび/または無効回数Fiに基づいて、各時間間隔における決定方式を決定し、ここで、iは正の整数であり、時間間隔の番号を表すことを特徴とする請求項6に記載の応答装置の決定方法。
【請求項8】
有効性情報が全て有効である場合、全ての時間間隔の有効回数から、有効回数最大値及び/又は有効回数最小値を得、有効回数最大値及び有効回数最小値のうちの少なくとも一方と、有効回数Tiとを算出し、i番目の時間間隔の確率値として第1数値を得る方式、
有効性情報が全て無効である場合、全ての時間間隔の無効回数から、無効回数最大値及び/又は無効回数最小値を得、無効回数最大値及び無効回数最小値のうちの少なくとも一方と、無効回数Fiとを算出し、第2数値を得、予め設定された標準値と前記第2数値との差に基づいて、i番目の時間間隔の確率値として第3数値を得る方式、及び
有効性情報の一部が有効であり、他の一部が無効である場合、前記装置の有効回数に対応する第1数値と無効回数に対応する第2数値とをそれぞれ決定し、第1数値と第2数値との差に基づいて、i番目の時間間隔の確率値として第4数値を得る方式のうちの1つまたは複数の方式によってi番目の時間間隔の確率値を決定することを特徴とする請求項7に記載の応答装置の決定方法。
【請求項9】
コンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサによって実行されるときに、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサによって実行されるときに、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
装置であって、
コンピュータプログラムを記憶することに適合するように配置されたメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して請求項1~4のいずれか一項に記載の方法を実現することに適合するように配置されたプロセッサと、を含む装置。
【請求項12】
サーバであって、
コンピュータプログラムを記憶することに適合するように配置されたメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して請求項5~8のいずれか一項に記載の方法を実現することに適合するように配置されたプロセッサと、を含むサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年08月30日に提出されて、出願番号が「202111007071.0」であって、出願の名称が「応答装置の決定方法、装置及びサーバ」である中国特許出願の優先権を主張し、この全内容が引用により本開示に組み込まれている。
【0002】
本開示は、電気機器の分野に関するものであり、具体的には、応答装置の決定方法、装置及びサーバに関するものである。
【背景技術】
【0003】
スマートホームシステムにおいて、同一空間内に音声応答機能を有する装置が複数存在する場合に、音声によるウェイクアップ指令があると、各装置のS/N比の数値をそれぞれに算出し、S/N比の数値が最も大きい装置を選択してウェイクアップを行う。
【0004】
実際の応用では、ユーザが装置Aにウェイクアップする予定であるが、実際にウェイクアップされる装置は装置Bである場合、実際の応答状況が要求と一致しないという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の主な目的は、音声制御シナリオにおける装置の実際の応答状況が要求と一致しないという従来技術の問題を解決する応答装置の決定方法、装置及びサーバを提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するために、本開示は、
音声制御信号を受信した後、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置となる目標確率値を取得するステップであって、前記確率値ポリシーは音声制御信号に対する装置の応答状態情報に基づいて決定されたステップと、
前記目標確率値および受信された前記音声制御信号のS/N比に基づいて、目標S/N比を決定するステップと、
前記目標S/N比に基づいて、前記装置が前記音声制御信号に対する応答装置であるか否かを決定するステップと、を含むことを特徴とする応答装置の決定方法を提供する。
【0007】
本開示の一実施例によれば、前記確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する確率値の決定方式を含み、
前記装置が応答装置となる目標確率値を取得するステップは、
音声制御信号の受信時間を取得するステップと、
前記受信時間が位置する時間間隔に対応するという決定方式に従って前記目標確率値を決定するステップと、を含む。
【0008】
本開示の一実施例によれば、前記方法は、更に、
前記音声制御信号におけるキーワードと予め設定された標準ワードとの類似度を算出して信頼度情報を得るステップと、
前記信頼度情報が予め設定された信頼度閾値よりも小さい場合、装置が前記音声制御信号に対する応答装置となるか否かの決定を許可しないステップであって、信頼度閾値が目標確率値の大きさによって決定されるステップと、を含む。
【0009】
本開示の一実施例によれば、前記方法は、更に、
前記装置が応答装置となる回数を記録し、応答状態情報を得るステップと、
応答状態情報を送信するステップと、
前記応答状態情報に対応する確率値ポリシーの更新情報を受信するステップと、を含む。
【0010】
コンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサによって実行されるときに、上記のいずれかに記載された方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体である。
【0011】
装置であって、
コンピュータプログラムを記憶することに適合するように配置されたメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して上記のいずれかに記載された方法を実現することに適合するように配置されたプロセッサと、を含む。
【0012】
応答装置の決定方法であって、
音声制御信号に対する装置の応答状態情報を取得するステップであって、前記応答状態情報は、前記装置が応答装置となる回数を含むステップと、
前記応答状態情報における回数に基づいて、前記装置の確率値ポリシーを決定するステップと、
前記確率値ポリシーを送信するステップと、を含む。
【0013】
本開示の一実施例によれば、前記応答状態情報が各時間間隔において応答装置となる回数を含む場合、確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する決定方式を含む。
【0014】
本開示の一実施例によれば、前記応答状態情報が毎回応答装置となる有効性情報をさらに含む場合、各時間間隔における有効回数Tiおよび/または無効回数Fiに基づいて、各時間間隔における決定方式を決定し、ここで、iは正の整数であり、時間間隔の番号を表す。
【0015】
本開示の一実施例によれば、
有効性情報が全て有効である場合、全ての時間間隔の有効回数から、有効回数最大値及び/又は有効回数最小値を得、有効回数最大値及び有効回数最小値のうちの少なくとも一方と、有効回数Tiとを算出し、i番目の時間間隔の確率値として第1数値を得る方式、
有効性情報が全て無効である場合、全ての時間間隔の無効回数から、無効回数最大値及び/又は無効回数最小値を得、無効回数最大値及び無効回数最小値のうちの少なくとも一方と、無効回数Fiとを算出し、第2数値を得、予め設定された標準値と前記第2数値との差に基づいて、i番目の時間間隔の確率値として第3数値を得る方式、及び
有効性情報の一部が有効であり、他の一部が無効である場合、前記装置の有効回数に対応する第1数値と無効回数に対応する第2数値とをそれぞれ決定し、第1数値と第2数値との差に基づいて、i番目の時間間隔の確率値として第4数値を得る方式のうちの1つまたは複数の方式によってi番目の時間間隔の確率値を決定する。
【0016】
コンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサによって実行されるときに、上記のいずれかに記載された方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体である。
【0017】
サーバであって
コンピュータプログラムを記憶することに適合するように配置されたメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行して上記のいずれかに記載された方法を実現することに適合するように配置されたプロセッサと、を含む。
【0018】
本開示の技術案では、ユーザの操作習慣に適合することを前提として応答装置を決定し、決定操作は、ユーザの要求により適合し、決定結果とユーザの期待との一致度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の実施例または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の記述に使用される必要な図面を簡単に説明し、以下の図面は、本開示のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずにこれらの図面に示された構成に基づいて他の関連図面を得ることも明らかである。
【
図1】本開示の実施例一が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
【
図2】本開示の実施例二が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
【
図3】本開示の実施例三が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
【
図4】本開示の実施例四が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
【
図5】本開示の実施例五が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
【0020】
本開示の目的の実現、機能的特徴及び利点については、実施例に関連しながら、添付図面を参照して更に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施例における図面を参考しながら、本開示の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明された実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得た他のすべての実施例は、本開示の保護の範囲に属する。
【0022】
なお、本開示の実施例におけるすべての方向性表示(例えば、上、下、左、右、前、後…)は、ある特定の姿勢(図面に示すように)における各部材間の相対的な位置関係、運動状況等を説明するためにのみ使用され、その特定の姿勢が変化すると、それに応じてその方向性に関する表示も変化する。
【0023】
また、本開示における「第1」、「第2」などに関する説明は、記述的な目的のためにのみ使用され、その相対的な重要性を示すまたは暗示するものとして、または技術的特徴の数を暗黙に指定するものとして理解できない。したがって、「第1」および「第2」で限定される特徴は、明示的または暗黙的に少なくとも1つの当該特徴を含むことが可能である。本開示の記述では、「複数」とは、別段の明確で具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば、二つ、三つを意味する。
【0024】
本開示においては、特に明示的な規定及び限定がない限り、「接続」、「固定」という用語は一般的に理解されるべきであり、例えば、「固定」は固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、特に明示的な限定がない限り、直接、または中間媒体を介して間接的な接続であってもよく、2つの要素の内部の連通または2つの要素の相互作用であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、本開示における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0025】
なお、本開示の各実施例間の技術案は相互に結合することができるが、当業者が実現できることを基礎としなければならず、技術案の結合に相互に矛盾が生じ、又は実現できない場合には、このような技術案の結合は存在せず、本開示で要求される保護範囲にも含まれないと考えるべきである。
【0026】
実施例一
【0027】
図1は本開示の実施例一が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
図1に示すように、この方法は、以下のステップ101~ステップ103を含む。
【0028】
ステップ101であって、音声制御信号を受信した場合、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置と決定される目標確率値を得るステップであって、前記確率値ポリシーは音声制御信号に対する装置の応答状態情報に基づいて決定されたステップである。
【0029】
一例示的な実施例では、装置は音声応答機能を有し、エアコン、テレビ、冷蔵庫、スマートスピーカーなどの家電装置とすることができる。
【0030】
一例示的な実施例では、音声制御コマンドは、ウェイクアップ指令、パラメータ設定指令、またはオン/オフ指令であってもよい。
【0031】
一例示的な実施例では、確率値ポリシーは、クラウドプラットフォームによって主動的に装置に送信されてもよい。あるいは、装置がクラウドプラットフォームに要求し、クラウドプラットフォームはその要求に応じて装置に送信する。
【0032】
一例示的な実施例では、確率値ポリシーにおける確率値が満足するルールは、
装置が応答装置と決定された回数が多いほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が高く、装置に対応する確率値が高いことを示し、逆に、装置が応答装置と決定された回数が少ないほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が低く、装置に対応する確率値が低いことを示すことを含む。
【0033】
応答状態情報に基づいて確率値ポリシーが生成されるので、履歴的な使用過程で当該装置を応答装置として決定したユーザの使用習慣を正確に反映することができる。現在の環境下の確率値のみを適用する従来技術と比較して、本開示は、現在の環境下で装置が応答装置と決定されることを決定する確率値に基づく方案と比較して、履歴の操作中の確率値で反映されたユーザの操作習慣を組み合わせることにより、応答装置の決定をより良く支援することができる。
【0034】
ステップ102であって、目標確率値および予め取得した音声制御信号のS/N比に基づいて、目標S/N比を決定するステップである。
【0035】
ここで、S/N比は、受信した音声制御信号のエネルギー値と雑音信号のエネルギー値との比であり、従来技術におけるS/N比の算出方式はいずれも本ステップに適用されるので、ここでは割愛する。
【0036】
一例示的な実施例では、目標確率値とS/N比とを乗算し、乗算の結果を目標S/N比として得ることができる。
【0037】
目標確率値によって現在の環境下のS/N比を修正することにより、得られたS/N比にS/N比の大きさだけでなく、ユーザの操作習慣も反映できる。
【0038】
ステップ103であって、目標S/N比に基づいて、音声制御信号に対して装置が応答装置であるか否かを決定するステップである。
【0039】
現在の環境におけるS/N比を直接使用する従来技術と比較して、本開示の実施例が提供した方案は目標確率値と現在のS/N比とから得られる目標S/N比を用いて判断し、目標S/N比は、S/N比の大きさだけでなく、ユーザの操作習慣をも反映することができるので、目標S/N比によって決定された応答装置は、ユーザの操作習慣に適合することを前提として決定された応答装置であり、決定操作がユーザの要求により適合し、決定結果とユーザの期待との一致度を向上させることができる。
【0040】
本開示の実施例一で提供される方法によれば、音声制御信号が受信された場合、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置と決定される目標確率値を得、目標確率値および受信された音声制御信号のS/N比に従って、目標S/N比を決定し、目標S/N比に従って、音声制御信号に対して装置が応答装置であるか否かを決定し、ユーザの操作習慣に適合することを前提として応答装置を決定することにより、決定操作がユーザの要求により適合し、決定結果とユーザの期待との一致度を向上させることができる。
【0041】
実施例二
【0042】
図2は本開示の実施例二が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
図2に示すように、この方法は、以下のステップ201~205を含む。
【0043】
ステップ201であって、音声制御信号を受信した場合、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置と決定される目標確率値を得るステップであって、前記確率値ポリシーは音声制御信号に対する装置の応答状態情報に基づいて決定されたステップである。
【0044】
一例示的な実施例では、装置は音声応答機能を有し、エアコン、テレビ、冷蔵庫、スマートスピーカーなどの家電装置とすることができる。
【0045】
一例示的な実施例では、音声制御コマンドは、ウェイクアップ指令、パラメータ設定指令、またはオン/オフ指令であってもよい。
【0046】
一例示的な実施例では、確率値ポリシーは、クラウドプラットフォームによって主動的に装置に送信されてもよい。あるいは、装置がクラウドプラットフォームに要求し、クラウドプラットフォームはその要求に応じて装置に送信する。
【0047】
一例示的な実施例では、確率値ポリシーにおける確率値が満足するルールは、
装置が応答装置と決定された回数が多いほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が高く、装置に対応する確率値が高いことを示し、逆に、装置が応答装置と決定された回数が少ないほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が低く、装置に対応する確率値が低いことを示すことを含む。
【0048】
応答状態情報に基づいて確率値ポリシーが生成されるので、履歴的な使用過程で当該装置を応答装置として決定したユーザの使用習慣を正確に反映することができる。現在の環境下の確率値のみを適用する従来技術と比較して、本開示は、現在の環境下で装置が応答装置と決定されることを決定する確率値に基づく方案と比較して、履歴の操作中の確率値で反映されたユーザの操作習慣を組み合わせることにより、応答装置の決定をより良く支援することができる。
【0049】
一例示的な実施例によれば、確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する装置の確率値の決定方式である。
【0050】
装置が応答装置と決定される目標確率値を決定する際に、装置がこの音声制御信号を受信した時刻を取得し、その時刻に対応する目標時間間隔で採用された決定方式に従って目標確率値を取得することができる。
【0051】
ここで、時間間隔の長さは必要に応じて設定することができ、1時間を例として説明すると、受信時間が11:30であれば、目標時間間隔は11:00~12:00となり、その目標時間間隔に対応する決定方式に従って目標確率値が得られる。
【0052】
装置の確率値ポリシーが異なる時間間隔を含む決定方式を設定することにより、同一の装置が異なる時間間隔内で応答装置となる確率情報を反映することができ、異なる時間における当該装置に対するユーザの操作習慣をより正確に反映することができ、目標確率値の大きさをより正確にすることができ、応答装置をより正確に決定することを支援することができる。
【0053】
ステップ202であって、キーワードと予め設定された標準ワードとの類似度算出を行い、信頼度情報を得、そのうち、キーワードが音声制御信号から得られるステップである。
【0054】
音声制御信号がウェイクアップ指令であることを例として説明すると、音声制御信号におけるキーワードとウェイクアップ指令に対応する標準ワードとの類似度算出を行い、信頼度情報を得ることができる。
【0055】
ステップ203であって、信頼度情報が予め設定された信頼度閾値より大きいか否かを判定するステップである。
【0056】
ここで、当該信頼度閾値は目標確率値の大きさによって決定され、そのうち、目標確率の数値が大きいほど、当該装置が応答装置と決定される可能性が高く、信頼度の数値が低いことを示し、逆に、目標確率の数値が小さいほど、当該装置が応答装置と決定される可能性が低く、信頼度の数値が高いことを示す。
【0057】
音声制御信号がウェイクアップ指令であることを例として説明すると、目標確率の数値が大きいほど、当該装置がウェイクアップされる可能性が高いことを示す場合、異なる環境下で当該装置がスムーズにウェイクアップされることを便利にするために、信頼度の数値を低く設定し、装置がウェイクアップされる成功率を高める。逆に、目標確率の数値が小さいほど、当該装置がウェイクアップされる可能性が低いことを示す場合、装置の誤った環境音によるウェイクアップを低減するために、信頼度の数値を高く設定し、装置がウェイクアップされる成功率を適切に制御する。
【0058】
以上の例から分かるように、目標確率値に基づいて信頼度閾値を設定することにより、装置が応答装置と決定されるという決定を支援することができる。
【0059】
信頼度情報が信頼度閾値より大きい場合、ステップ204が実行され、そうでない場合、プロセスは終了する。
【0060】
ステップ204であって、目標確率値および予め受信された音声制御信号のS/N比に基づいて、目標S/N比を決定するステップである。
【0061】
ここで、S/N比は、受信した音声制御信号のエネルギー値と雑音信号のエネルギー値との比であり、従来技術におけるS/N比の算出方式はいずれも本ステップに適用されるので、ここでは割愛する。
【0062】
一例示的な実施例では、目標確率値とS/N比とを乗算し、乗算の結果を目標S/N比として得ることができる。
【0063】
目標確率値によって現在の環境下のS/N比を修正することにより、得られたS/N比にS/N比の大きさだけでなく、ユーザの操作習慣も反映できる。
【0064】
ステップ205であって、目標S/N比に基づいて、音声制御信号に対して装置が応答装置であるか否かを決定するステップである。
【0065】
現在の環境におけるS/N比を直接使用する従来技術と比較して、本開示の実施例が提供する方案は目標確率値と現在のS/N比とから得られる目標S/N比を用いて判断し、目標S/N比は、S/N比の大きさだけでなく、ユーザの操作習慣をも反映することができるので、目標S/N比によって決定された応答装置は、ユーザの操作習慣に適合することを前提として決定された応答装置であり、決定操作がユーザの要求により適合し、決定結果とユーザの期待との一致度を向上させることができる。
【0066】
本開示の実施例二で提供される方法によれば、音声制御信号が受信された場合、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置と決定される目標確率値を得、目標確率値および受信された音声制御信号のS/N比に従って、目標S/N比を決定し、目標S/N比に従って、音声制御信号に対して装置が応答装置であるか否かを決定し、ユーザの操作習慣に適合することを前提として応答装置を決定することにより、決定操作がユーザの要求により適合し、決定結果とユーザの期待との一致度を向上させることができる。装置の確率値ポリシーが異なる時間間隔を含む決定方式を設定することにより、異なる時間における当該装置に対するユーザの操作習慣をより正確に反映することができ、目標確率値の大きさをより正確にすることができ、応答装置をより正確に決定することを支援することができる。目標確率値に基づいて信頼度閾値を設定することにより、装置が応答装置と決定されるという決定を支援することができる。
【0067】
実施例三
【0068】
図3は本開示の実施例三が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
図3に示すように、この方法は、以下のステップ301~308を含む。
【0069】
ステップ301であって、音声制御信号を受信した場合、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置と決定される目標確率値を得るステップであって、前記確率値ポリシーは音声制御信号に対する装置の応答状態情報に基づいて決定されたステップである。
【0070】
一例示的な実施例では、装置は音声応答機能を有し、エアコン、テレビ、冷蔵庫、スマートスピーカーなどの家電装置とすることができる。
【0071】
一例示的な実施例では、音声制御コマンドは、ウェイクアップ指令、パラメータ設定指令、またはオン/オフ指令であってもよい。
【0072】
一例示的な実施例では、確率値ポリシーは、クラウドプラットフォームによって主動的に装置に送信されてもよい。あるいは、装置がクラウドプラットフォームに要求し、クラウドプラットフォームはその要求に応じて装置に送信する。
【0073】
一例示的な実施例では、確率値ポリシーにおける確率値が満足するルールは、
装置が応答装置と決定された回数が多いほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が高く、装置に対応する確率値が高いことを示し、逆に、装置が応答装置と決定された回数が少ないほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が低く、装置に対応する確率値が低いことを示すことを含む。
【0074】
応答状態情報に基づいて確率値ポリシーが生成されるので、履歴的な使用過程で当該装置を応答装置として決定したユーザの使用習慣を正確に反映することができる。現在の環境下の確率値のみを適用する従来技術と比較して、本開示は、現在の環境下で装置が応答装置と決定されることを決定する確率値に基づく方案と比較して、履歴の操作中の確率値で反映されたユーザの操作習慣を組み合わせることにより、応答装置の決定をより良く支援することができる。
【0075】
一例示的な実施例によれば、確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する装置の確率値の決定方式である。
【0076】
装置が応答装置と決定される目標確率値を決定する際に、この音声制御信号の受信時刻を取得し、受信時刻が位置する目標時間間隔に対応する決定方式に従って目標確率値を得ることができる。
【0077】
ここで、時間間隔の長さは必要に応じて設定することができ、1時間を例として説明すると、受信時間が11:30であれば、目標時間間隔は11:00~12:00となり、その目標時間間隔に対応する決定方式に従って目標確率値が得られる。
【0078】
装置の確率値ポリシーが異なる時間間隔を含む決定方式を設定することにより、同一の装置が異なる時間間隔内で応答装置となる確率情報を反映することができ、異なる時間における当該装置に対するユーザの操作習慣をより正確に反映することができ、目標確率の数値をより正確にすることができ、応答装置をより正確に決定することを支援することができる。
【0079】
ステップ302であって、キーワードと予め設定された標準ワードとの類似度算出を行い、信頼度情報を得、そのうち、キーワードが音声制御信号から得られるステップである。
【0080】
音声制御信号がウェイクアップ指令であることを例として説明すると、音声制御信号におけるキーワードとウェイクアップ指令に対応する標準ワードとの類似度算出を行い、信頼度情報を得ることができる。
【0081】
ステップ303であって、信頼度情報が予め設定された信頼度閾値より大きいか否かを判定するステップである。
【0082】
ここで、当該信頼度閾値は目標確率値の大きさによって決定され、そのうち、目標確率の数値が大きいほど、当該装置が応答装置と決定される可能性が高く、信頼度の数値が低いことを示し、逆に、目標確率の数値が小さいほど、当該装置が応答装置と決定される可能性が低く、信頼度の数値が高いことを示す。
【0083】
音声制御信号がウェイクアップ指令であることを例として説明すると、目標確率の数値が大きいほど、当該装置がウェイクアップされる可能性が高いことを示す場合、異なる環境下で当該装置がスムーズにウェイクアップされることを便利にするために、信頼度の数値を低く設定し、装置がウェイクアップされる成功率を高める。逆に、目標確率の数値が小さいほど、当該装置がウェイクアップされる可能性が低いことを示す場合、装置の誤った環境音によるウェイクアップを低減するために、信頼度の数値を高く設定し、装置がウェイクアップされる成功率を適切に制御する。
【0084】
信頼度情報が信頼度閾値より大きい場合、ステップ303が実行され、そうでない場合、プロセスは終了する。
【0085】
ステップ304であって、目標確率値および予め受信された音声制御信号のS/N比に基づいて、目標S/N比を決定するステップである。
【0086】
ここで、S/N比は、受信した音声制御信号のエネルギー値と雑音信号のエネルギー値との比であり、従来技術におけるS/N比の算出方式はいずれも本ステップに適用されるので、ここでは割愛する。
【0087】
一例示的な実施例では、目標確率値とS/N比とを乗算し、乗算の結果を目標S/N比として得ることができる。
【0088】
目標確率値によって現在の環境下のS/N比を修正することにより、得られたS/N比にS/N比の大きさだけでなく、ユーザの操作習慣も反映できる。
【0089】
ステップ305であって、目標S/N比に基づいて、音声制御信号に対して装置が応答装置であるか否かを決定するステップである。
【0090】
現在の環境におけるS/N比を直接使用する従来技術と比較して、本開示の実施例が提供する方案は目標確率値と現在のS/N比とから得られる目標S/N比を用いて判断し、目標S/N比は、S/N比の大きさだけでなく、ユーザの操作習慣をも反映することができるので、目標S/N比によって決定された応答装置は、ユーザの操作習慣に適合することを前提として決定された応答装置であり、決定操作がユーザの要求により適合し、決定結果とユーザの期待との一致度を向上させることができる。
【0091】
ステップ306であって、応答状態情報を記録するステップであって、前記応答状態情報は、装置が応答装置と決定される回数情報を含むステップである。
【0092】
ステップ307であって、応答状態情報を送信するステップである。
【0093】
上記送信操作のトリガ条件は、記録開始時からの時間が予め設定された時間閾値に達してから送信されたものであってもよいし、クラウドプラットフォームから送信された要求を受信してから送信されたものであってもよい。
【0094】
ステップ308であって、応答状態情報に対応する確率値ポリシーの更新情報を受信するステップである。
【0095】
確率値ポリシーの更新情報を受信することにより、確率値ポリシーをタイムリーに更新することができ、ユーザの操作習慣によりよく一致し、決定結果とユーザの期待との一致度をさらに向上させることができる。
【0096】
本開示の実施例で提供される方法によれば、音声制御信号が受信された場合、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置と決定される目標確率値を得、目標確率値および受信された音声制御信号のS/N比に従って、目標S/N比を決定し、目標S/N比に従って、音声制御信号に対して装置が応答装置であるか否かを決定し、ユーザの操作習慣に適合することを前提として応答装置を決定することにより、決定操作がユーザの要求により適合し、決定結果とユーザの期待との一致度を向上させることができる。装置の確率値ポリシーが異なる時間間隔を含む決定方式を設定することにより、異なる時間における当該装置に対するユーザの操作習慣をより正確に反映することができ、目標確率値の大きさをより正確にすることができ、応答装置をより正確に決定することを支援することができる。目標確率値に基づいて信頼度閾値を設定することにより、装置が応答装置と決定されるという決定を支援することができる。確率値ポリシーを更新することにより、ユーザの操作習慣によりよく一致し、決定結果とユーザの期待との一致度をさらに向上させることができる。
【0097】
実施例四
【0098】
図4は本開示の実施例四が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
図4に示すように、この方法は、以下のステップ401~403を含む。
【0099】
ステップ401であって、装置の応答状態情報を取得するステップであって、当該応答状態情報には、装置が音声制御信号に対する応答装置となる回数情報が記録されているステップである。
【0100】
上記取得操作のトリガ条件は、装置の記録開始時からの時間が予め設定された時間閾値に達してから主動的に送信されたものであってもよいし、クラウドプラットフォームから取得要求が送信されてから受信したものであってもよい。
【0101】
ステップ402であって、応答状態情報における回数情報に基づいて、装置の確率値ポリシーを決定するステップである。
【0102】
一例示的な実施例では、確率値ポリシーにおける確率値が満足するルールは、
装置が応答装置と決定された回数が多いほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が高く、装置に対応する確率値が高いことを示し、逆に、装置が応答装置と決定された回数が少ないほど、その装置が現在の環境において引き続き応答装置となる可能性が低く、装置に対応する確率値が低いことを示すことを含む。
【0103】
応答状態情報に基づいて確率値ポリシーが生成されるので、履歴的な使用過程で当該装置を応答装置として決定したユーザの使用習慣を正確に反映することができる。現在の環境下の確率値のみを適用する従来技術と比較して、本開示は、現在の環境下で装置が応答装置と決定されることを決定する確率値に基づく方案と比較して、履歴の操作中の確率値で反映されたユーザの操作習慣を組み合わせることにより、応答装置の決定をより良く支援することができる。
【0104】
ステップ403であって、確率値ポリシーを送信するステップである。
【0105】
ユーザの操作習慣を反映する確率値ポリシーを装置に送信することにより、装置は、確率値ポリシーに従って音声制御信号に対する応答装置となるか否かを決定することができる。
【0106】
本開示の実施例四で提供される方法は、装置の履歴データにおける応答状態情報を取得し、応答状態情報における回数情報に基づいて、装置の確率値ポリシーを決定し、確率値ポリシーを送信し、決定操作がユーザの要求に適合するためのデータ支援を提供する。
【0107】
上述した実施例四では、確率値ポリシーの決定方式は、以下の手段を用いて決定され得る。
【0108】
適用シナリオ1
応答状態情報には、各時間間隔における装置が応答装置と決定された回数情報が含まれる。
【0109】
各時間間隔における装置が応答装置と決定された回数情報を用いて、各時間間隔における装置が応答装置と決定された確率値の決定方式を決定して、装置の確率値ポリシーを得ることができる。
【0110】
装置の確率値ポリシーが異なる時間間隔を含む決定方法を設定することにより、同一の装置が異なる時間間隔で応答装置となる確率情報を反映することができ、異なる時間における当該装置に対するユーザの操作習慣をより正確に反映することができ、目標確率の数値をより正確にすることができ、応答装置をより正確に決定することを支援することができる。
【0111】
適用シナリオ2
応答状態情報には、
各時間間隔における装置が応答装置と決定された回数情報と、
装置は毎回応答装置となる有効性情報と、が含まれる。
【0112】
装置が応答装置と決定された後、ユーザによって当該装置が正しい応答装置であることが確認された場合、有効性情報は有効である。
【0113】
装置が応答装置と決定されたことは環境音による誤ウェイクアップであって、ユーザによって装置が間違い応答装置であることが確認された場合、有効性情報は無効である。
【0114】
ここで、装置が応答装置と決定された場合、ユーザが制御しようとする対象と同一であれば、装置が正しい応答装置であることを意味し、ユーザが制御しようとする対象と異なれば、装置は間違い応答装置であることを意味する。
【0115】
前記応答状態情報に基づいて、時間間隔毎に、装置が応答装置と決定された有効回数Ti及び/又は無効回数Fiを決定することができ、iは、時間間隔の番号であり、正の整数であり、さらに、各時間間隔に対応する有効回数Ti及び/又は無効回数Fiに基づいて、各時間間隔に対応する確率値の決定方式を決定し、確率値の算出ポリシーを得る。
【0116】
ここで、i番目の時間間隔に対応する確率値は、以下の1)~3)によって決定される。
【0117】
1)i番目の時間間隔で有効性情報がいずれも有効である。
各時間間隔における装置が応答装置となる有効回数を統計し、数値が最も大きい有効回数を選択し、有効回数最大値Tmaxを得、及び/又は、数値が最も小きい有効回数を選択し、有効回数最小値Tminを得る。
【0118】
有効回数最小値Tmin及び有効回数最大値Tmaxのうちの少なくとも一方と、有効回数Tiとを算出し、i番目の時間間隔に対応する確率値として第1数値を得る。
【0119】
上記の方式では、有効回数最小値Tminおよび有効回数最大値Tmaxのうちの少なくとも一方を用いることができるので、第1数値の決定方式としては、以下の3通りが考えられる。
【0120】
方式1において、有効回数最大値Tmaxのみを使用する。
有効回数Tiと有効回数最大値Tmaxとの比例値を第1数値として算出する。
方式2において、有効回数最小値Tminのみを使用する。
有効回数Tiと有効回数最小値Tminとの差を算出して第1算出値を得てから、第1算出値と有効回数最小値Tminとの比を算出する。
方式3において、有効回数最大値Tmaxと有効回数最小値Tminを使用する。
有効回数Tiと有効回数最小値Tminとの差を算出して第1算出値を得、有効回数最大値Tmaxと有効回数最小値Tminとの差を算出して第2算出値を得る。
第1算出値と第2算出値とを算出して、第1数値を得ることができる。
ここで、第1算出値及び第2算出値を算出して第1数値を決定できる。
【0121】
2)i番目の時間間隔で有効性情報がいずれも無効である。
各時間間隔における装置が応答装置となる無効回数を統計し、数値が最も大きい無効回数を選択し、無効回数最大値Fmaxを得、及び/又は、数値が最も小きい無効回数を選択し、無効回数最小値Fminを得る。
【0122】
無効回数最小値Fmin及び無効回数最大値Fmaxのうちの少なくとも一方と、無効回数Fiとを算出し、i番目の時間間隔に対応する確率値として第2数値を得る。
【0123】
上記の方式では、無効回数最小値Fminおよび無効回数最大値Fmaxのうちの少なくとも一方を用いることができるので、第2数値の決定方式としては、以下の3通りが考えられる。
【0124】
方式1において、無効回数最大値Fmaxのみを使用する。
無効回数Fiと無効回数最大値Fmaxとの比例値を第2数値として算出する。
方式2において、無効回数最小値Fminのみを使用する。
無効回数Fiと無効回数最小値Fminとの差を算出して第3算出値を得てから、第1算出値と無効回数最小値Fminとの比を算出する。
方式3において、無効回数最大値Fmaxと無効回数最小値Fminを使用する。
無効回数Fiと無効回数最小値Fminとの差を算出して第3算出値を得、無効回数最大値Fmaxと無効回数最小値Fminとの差を算出して第4算出値を得る。
第3算出値と第4算出値とを算出して、第2数値を得ることができる。
ここで、第3算出値及び第4算出値を算出して第2数値を決定できる。
【0125】
3)i番目の時間間隔で有効性情報の一部が有効であり、他の部分が無効である。
上記の方法を用いて、有効性情報が有効であることに対応する第1数値および有効性情報が無効であることに対応する第2数値を得る。
【0126】
第1数値と第2数値との差を利用して、i番目の時間間隔に対応する装置の確率値として第4数値を算出する。
【0127】
上記の方式で決定された確率値は、より正確であるため、ユーザの操作習慣により一致する。
【0128】
実施例五
【0129】
図5は本開示の実施例五が提供した応答装置の決定方法のフロー図である。
図5に示すように、
図5に示した方法は、音声制御信号がウェイクアップ指令であることを例として説明する。方法は、以下のステップ501~505を含む。
【0130】
ステップ501であって、装置がサーバに接続された時間が1週間に達すると、サーバは装置の1週間の使用記録からウェイクアップ閾値調整テーブル(上記確率値ポリシーに対応)を生成して装置に送信するステップである。
【0131】
閾値調整テーブルは以下の方式で得る。
時間間隔を1時間とし、1時間毎に装置の有効ウェイクアップ回数(T)と無効ウェイクアップ回数(F)を時間別に分けて統計し、すべての時間間隔で最大有効ウェイクアップ(Tmax)、最大無効ウェイクアップ(Fmax)、最小有効ウェイクアップ(Tmin)、最小無効ウェイクアップ(Fmin)を得た。
【0132】
その中で、有効ウェイクアップは、ウェイクアップ前後1分以内に有効意図が認識されたことを示し、無効ウェイクアップは、無効ウェイクアップが環境音による誤ウェイクアップや、ユーザが他の装置をウェイクアップしようとしたときに、現在の装置がウェイクアップされていると誤って判断された場合を含むことを示す。判定条件は、ウェイクアップ前後1分以内に有効意図がないこととする。
【0133】
ここで、1時間ごとのウェイクアップ閾値条件パーセンテージP=(T-Tmin)/(Tmax-Tmin)-(F-Fmin)/(Fmax-Fmin)(0%<P<100%)である。調整テーブルの内容は、毎時間のP値である。
【0134】
ここで、閾値調整可能範囲は、80%から95%のウェイクアップ率に対応する閾値範囲である。
【0135】
ステップ502であって、装置は、ウェイクアップ閾値調整テーブルを受信してから、予め設定された閾値調整可能範囲に従って、調整テーブルにおけるパーセンテージと組み合わせてウェイクアップ閾値を設定し、1時間ごとに閾値を算出する。
【0136】
ウェイクアップ信頼度は、ウェイクアップモデルが入力オーディオを処理した後に、オーディオとウェイクアップワードとの類似度であるウェイクアップ信頼度を出力することを示す。
【0137】
ウェイクアップ閾値はテスト検証により得られた固定値であり、このうち、ウェイクアップ信頼度がこの値より高い場合は命中ウェイクアップワードと判定される。
ステップ503であって、ユーザが装置をウェイクアップすると、S/N比であるSNR値を算出し、SNRは、ウェイクアップ閾値調整テーブルにおける現在のパーセンテージに乗算され、ユーザの使用習慣に適合するSNR値を得るステップである。
【0138】
ステップ504であって、複数の装置が同時にウェイクアップされた場合、ステップ503で算出された値を比較して、最大値の装置を選択してウェイクアップするステップである。
【0139】
ステップ505であって、サーバは、ウェイクアップ閾値調整テーブルを定期的に更新するステップである。
【0140】
本開示の実施例五により提供される方法は、ユーザの1時間ごとの使用習慣を統計し、装置のウェイクアップ閾値及びウェイクアップ後のSNR値を調整することにより、ユーザが目標装置をウェイクアップする成功率を向上させることができ、ユーザが少なく使用するときにウェイクアップ閾値を低下させることにより、環境音による誤ウェイクアップの確率を低減することができる。
【0141】
本開示の実施例は、実行される時に上記の
図1~
図3のいずれか一項の方法を実行することができるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体を提供する。
【0142】
本開示の実施例は、実行される時に上記の
図4の方法を実行することができるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体を提供する。
【0143】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、メモリにおけるコンピュータプログラムを実行するときに上記の
図1~
図3のいずれか一項の方法を実行することができるプロセッサとを含む装置を提供する。
【0144】
上記の装置におけるプロセッサは、独立したモジュールとして装置内に配置されてもよく、または、装置のプロセッサ内に集積されてもよく、音声制御信号を受信したときに、装置が応答装置であるか否かを決定するために使用される。
【0145】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、メモリにおけるコンピュータプログラムを実行するときに上記の
図4の方法を実行することができるプロセッサとを含むサーバを提供する。
【0146】
上記サーバにおけるプロセッサは、独立したモジュールとして装置に配置されてもよく、またはサーバのプロセッサ内に集積されてもよく、装置が確率値ポリシーに従って応答装置を決定するように、装置に対して確率値ポリシーを生成するために使用される。
【0147】
上記は本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示の特許請求の範囲を限定するものではない。本開示の発明思想において、本開示明細書および添付された図面の内容を用いて行われた同等の構造変更、または他の関連技術分野において直接/間接的に適用されたものも、本開示の特許請求の範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答装置の決定方法であって、
音声制御信号を受信した後、予め設定された確率値ポリシーに従って、装置が応答装置となる目標確率値を取得するステップであって、前記確率値ポリシーは音声制御信号に対する装置の応答状態情報に基づいて決定されたステップと、
前記目標確率値および受信された前記音声制御信号のS/N比に基づいて、目標S/N比を決定するステップと、
前記目標S/N比に基づいて、前記装置が前記音声制御信号に対する応答装置であるか否かを決定するステップと、を含むことを特徴とする応答装置の決定方法。
【請求項2】
前記確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する確率値の決定方式を含み、
装置が応答装置となる目標確率値を取得するステップは、
音声制御信号の受信時間を取得するステップと、
前記受信時間が位置する時間間隔に対応するという決定方式に従って前記目標確率値を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の応答装置の決定方法。
【請求項3】
前記方法は、更に、
前記音声制御信号におけるキーワードと予め設定された標準ワードとの類似度を算出して信頼度情報を得るステップと、
前記信頼度情報が予め設定された信頼度閾値よりも小さい場合、装置が前記音声制御信号に対する応答装置となるか否かの決定を許可しないステップであって、信頼度閾値が目標確率値の大きさによって決定されるステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の応答装置の決定方法。
【請求項4】
前記方法は、更に、
前記装置が応答装置となる回数を記録し、応答状態情報を得るステップと、
応答状態情報を送信するステップと、
前記応答状態情報に対応する確率値ポリシーの更新情報を受信するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の応答装置の決定方法。
【請求項5】
応答装置の決定方法であって、
音声制御信号に対する装置の応答状態情報を取得するステップであって、前記応答状態情報は、前記装置が応答装置となる回数を含むステップと、
前記応答状態情報における回数に基づいて、前記装置の確率値ポリシーを決定するステップと、
前記確率値ポリシーを送信するステップと、を含むことを特徴とする応答装置の決定方法。
【請求項6】
前記応答状態情報が各時間間隔において応答装置となる回数を含む場合、確率値ポリシーは、各時間間隔に対応する決定方式を含むことを特徴とする請求項5に記載の応答装置の決定方法。
【請求項7】
前記応答状態情報が毎回応答装置となる有効性情報をさらに含む場合、各時間間隔における有効回数Tiおよび/または無効回数Fiに基づいて、各時間間隔における決定方式を決定し、ここで、iは正の整数であり、時間間隔の番号を表すことを特徴とする請求項6に記載の応答装置の決定方法。
【請求項8】
有効性情報が全て有効である場合、全ての時間間隔の有効回数から、有効回数最大値及び/又は有効回数最小値を得、有効回数最大値及び有効回数最小値のうちの少なくとも一方と、有効回数Tiとを算出し、i番目の時間間隔の確率値として第1数値を得る方式、
有効性情報が全て無効である場合、全ての時間間隔の無効回数から、無効回数最大値及び/又は無効回数最小値を得、無効回数最大値及び無効回数最小値のうちの少なくとも一方と、無効回数Fiとを算出し、第2数値を得、予め設定された標準値と前記第2数値との差に基づいて、i番目の時間間隔の確率値として第3数値を得る方式、及び
有効性情報の一部が有効であり、他の一部が無効である場合、前記装置の有効回数に対応する第1数値と無効回数に対応する第2数値とをそれぞれ決定し、第1数値と第2数値との差に基づいて、i番目の時間間隔の確率値として第4数値を得る方式のうちの1つまたは複数の方式によってi番目の時間間隔の確率値を決定することを特徴とする請求項7に記載の応答装置の決定方法。
【請求項9】
コンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサによって実行されるときに、請求項1~
8のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
プロセッサによっ
て、請求項
1~8のいずれか一項に記載の方法を
実行させるためのコンピュータプログラ
ム。
【請求項11】
装置であって、
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶することに適合するように配置されたメモリと、
前記コンピュータプログラムを実
行することに適合するように配置されたプロセッサと、を含む装置。
【請求項12】
サーバであって、
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶することに適合するように配置されたメモリと、
前記コンピュータプログラムを実
行することに適合するように配置されたプロセッサと、を含むサーバ。
【国際調査報告】