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特表2024-530340制御装置、記憶媒体、コンピュータプログラム製品、エアロゾル生成装置及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】制御装置、記憶媒体、コンピュータプログラム製品、エアロゾル生成装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20240808BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240808BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513782
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 CN2022112218
(87)【国際公開番号】W WO2023029951
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111039355.8
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】竇恒恒
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD15
4B162AD16
(57)【要約】
制御装置、記憶媒体、コンピュータプログラム製品、エアロゾル生成装置及びその制御方法において、エアロゾル生成装置は発熱体(13)を含む。発熱体は磁気温度特性を有する発熱体(13)である。エアロゾル生成装置はRLC回路(12)を含む。RLC回路(12)はインダクタコイルを含む。且つ、インダクタコイルの少なくとも一部は発熱体(13)の磁界内に位置する。制御モジュールは、RLC回路(12)を制御することで、インダクタコイルに交流電流を発生させて発熱体を誘導加熱し、RLC回路(12)の特定パラメータを検出することで発熱体(13)の温度を特定するために用いられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を含むエアロゾル生成装置において、
前記発熱体は磁気温度特性を有する発熱体であり、且つ、エアロゾル生成装置は、
インダクタコイルを含み、且つ前記インダクタコイルの少なくとも一部が前記発熱体の磁界内に位置するRLC回路と、
前記RLC回路を制御することで、前記インダクタコイルに交流電流を発生させて前記発熱体を誘導加熱し、且つ、前記RLC回路の特定パラメータを検出することで前記発熱体の温度を特定するために用いられる制御モジュール、を含むことを特徴とするエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御モジュールは、更に、前記発熱体の温度に基づき、吸入動作が発生したか否かを特定するために用いられることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、更に、待機状態において、所定のタイミングでウェイクアップする方式で前記RLC回路の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の挿入検出を実現するとともに、通常動作状態において、前記RLC回路の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の抜き出し検出を実現するために用いられることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御モジュールは、第1の期間において、前記RLC回路を制御することで、前記インダクタコイルに交流電流を発生させて前記発熱体を誘導加熱し、第2の期間において、前記RLC回路の特定パラメータを検出することで前記発熱体の温度を特定するために用いられることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記RLC回路は、更に、第1コンデンサ、第2コンデンサ、第1スイッチングトランジスタ、第2スイッチングトランジスタを含み、前記第1スイッチングトランジスタの第2端子は前記第2スイッチングトランジスタの第1端子に接続され、前記第1スイッチングトランジスタの第1端子はバッテリの出力端子に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの第2端子は接地しており、前記第1スイッチングトランジスタの制御端子は前記制御モジュールの第1出力端子に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの制御端子は前記制御モジュールの第2出力端子に接続され、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサはバッテリの出力端子とグランドの間に直列に接続され、前記インダクタコイルの第1端子は前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタとの接続点に接続され、前記インダクタコイルの第2端子は前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの接続点に接続されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御モジュールは、
前記第2コンデンサの電圧を検出するための電圧検出ユニットと、
前記第2コンデンサの電圧に基づき前記発熱体の温度を特定するための第1主制御ユニット、を含むことを特徴とする請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記電圧検出ユニットは、第1ダイオード及び第3コンデンサを含み、前記第1ダイオードの正極は前記第2コンデンサと前記第1コンデンサとの接続点に接続され、前記第1ダイオードの負極は前記第1主制御ユニットの入力端子に接続され、前記第3コンデンサは前記第1ダイオードの負極とグランドの間に接続されることを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記制御モジュールは、
前記インダクタコイルの電流を検出するための電流検出ユニットと、
前記インダクタコイルの電流に基づき前記発熱体の温度を特定するための第2主制御ユニット、を含むことを特徴とする請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記電流検出ユニットは、変流器、抵抗、第2ダイオード及び第4コンデンサを含み、前記変流器の一次巻線の一端は前記インダクタコイルの第2端子に接続され、前記変流器の一次巻線の他端は前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの接続点に接続され、前記変流器の二次巻線の一端は前記抵抗の第1端子及び前記第2ダイオードのアノードにそれぞれ接続され、前記変流器の二次巻線の他端及び前記抵抗の第2端子はそれぞれ接地しており、前記第4コンデンサは前記第2ダイオードの負極とグランドの間に接続されることを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
エアロゾル生成装置の制御方法において、
RLC回路を制御することで、インダクタコイルに交流電流を発生させて発熱体を誘導加熱し、前記RLC回路はインダクタコイルを含み、且つ前記インダクタコイルの少なくとも一部は前記発熱体の磁界内に位置し、
前記RLC回路の特定パラメータを検出することで前記発熱体の温度を特定する、
ことを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
更に、
前記発熱体の温度に基づき、吸入動作が発生したか否かを特定することを含むことを特徴とする請求項10に記載のエアロゾル生成装置の制御方法。
【請求項12】
更に、
待機状態において、所定のタイミングでウェイクアップする方式で前記RLC回路の特定パラメータを検出し、前記エアロゾル生成基質の挿抜状態を特定すること、及び/又は、
通常動作状態において、前記RLC回路の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の抜き出し検出を実現すること、を含むことを特徴とする請求項10に記載のエアロゾル生成装置の制御方法。
【請求項13】
メモリ及びプロセッサを含み、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶されている制御装置において、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項10~12のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置の制御方法のステップを実現することを特徴とする制御装置。
【請求項14】
コンピュータ命令を含み、前記コンピュータ命令がプロセッサ上で動作する際に、前記プロセッサは請求項10~12のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置の制御方法を実行することを特徴とする記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータ上で動作する際に、前記コンピュータが請求項10~12のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置の制御方法を実行することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化機器の分野に関し、特に、制御装置、記憶媒体、コンピュータプログラム製品、エアロゾル生成装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成装置は、アトマイザー内のエアロゾル生成基質を霧化可能とする装置であって、使用時の安全性、利便性、健康的、環境にやさしい等の利点を有していることから、ますます人々の関心と支持を集めている。
【0003】
従来のエアロゾル生成装置では、通常、温度センサを用いてエアロゾル生成基質の温度を検出している。しかし、このような方式の場合には、構造に温度センサのためのスペースを残す必要があるため、構造設計が制約を受けるとの課題が存在する。且つ、発熱体との電気的分離を実現不可能なため、電気的接続に起因するクリーニングの難しさとの課題も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術のエアロゾル生成装置は構造設計が制約を受け、クリーニングが難しいとの点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。
【0006】
即ち、発熱体を含むエアロゾル生成装置を構成する。前記発熱体は磁気温度特性を有する発熱体である。且つ、エアロゾル生成装置は、インダクタコイルを含み、且つ前記インダクタコイルの少なくとも一部が前記発熱体の磁界内に位置するRLC回路と、前記RLC回路を制御することで、前記インダクタコイルに交流電流を発生させて前記発熱体を誘導加熱し、且つ、前記RLC回路の特定パラメータを検出することで前記発熱体の温度を特定するために用いられる制御モジュール、を含む。
【0007】
好ましくは、前記制御モジュールは、更に、前記発熱体の温度に基づき、吸入動作が発生したか否かを特定するために用いられる。
【0008】
好ましくは、前記制御モジュールは、更に、待機状態において、所定のタイミングでウェイクアップする方式で前記RLC回路の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の挿入検出を実現するとともに、通常動作状態において、前記RLC回路の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の抜き出し検出を実現するために用いられる。
【0009】
好ましくは、前記制御モジュールは、第1の期間において、前記RLC回路を制御することで、前記インダクタコイルに交流電流を発生させて前記発熱体を誘導加熱し、第2の期間において、前記RLC回路の特定パラメータを検出することで前記発熱体の温度を特定するために用いられる。
【0010】
好ましくは、前記RLC回路は、更に、第1コンデンサ、第2コンデンサ、第1スイッチングトランジスタ、第2スイッチングトランジスタを含む。前記第1スイッチングトランジスタの第2端子は前記第2スイッチングトランジスタの第1端子に接続され、前記第1スイッチングトランジスタの第1端子はバッテリの出力端子に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの第2端子は接地しており、前記第1スイッチングトランジスタの制御端子は前記制御モジュールの第1出力端子に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの制御端子は前記制御モジュールの第2出力端子に接続され、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサはバッテリの出力端子とグランドの間に直列に接続され、前記インダクタコイルの第1端子は前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタとの接続点に接続され、前記インダクタコイルの第2端子は前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの接続点に接続される。
【0011】
好ましくは、前記制御モジュールは、前記第2コンデンサの電圧を検出するための電圧検出ユニットと、前記第2コンデンサの電圧に基づき前記発熱体の温度を特定するための第1主制御ユニット、を含む。
【0012】
好ましくは、前記電圧検出ユニットは、第1ダイオード及び第3コンデンサを含む。前記第1ダイオードの正極は前記第2コンデンサと前記第1コンデンサとの接続点に接続され、前記第1ダイオードの負極は前記第1主制御ユニットの入力端子に接続され、前記第3コンデンサは前記第1ダイオードの負極とグランドの間に接続される。
【0013】
好ましくは、前記制御モジュールは、前記インダクタコイルの電流を検出するための電流検出ユニットと、前記インダクタコイルの電流に基づき前記発熱体の温度を特定するための第2主制御ユニット、を含む。
【0014】
好ましくは、前記電流検出ユニットは、変流器、抵抗、第2ダイオード及び第4コンデンサを含む。前記変流器の一次巻線の一端は前記インダクタコイルの第2端子に接続され、前記変流器の一次巻線の他端は前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの接続点に接続され、前記変流器の二次巻線の一端は前記抵抗の第1端子及び前記第2ダイオードのアノードにそれぞれ接続され、前記変流器の二次巻線の他端及び前記抵抗の第2端子はそれぞれ接地しており、前記第4コンデンサは前記第2ダイオードの負極とグランドの間に接続される。
【0015】
本発明は、更に、エアロゾル生成装置の制御方法を構成する。当該方法は、以下を含む。
【0016】
RLC回路を制御することで、インダクタコイルに交流電流を発生させて発熱体を誘導加熱する。前記RLC回路はインダクタコイルを含む。且つ、前記インダクタコイルの少なくとも一部は前記発熱体の磁界内に位置する。
【0017】
前記RLC回路の特定パラメータを検出することで前記発熱体の温度を特定する。
【0018】
好ましくは、更に、前記発熱体の温度に基づき、吸入動作が発生したか否かを特定することを含む。
【0019】
好ましくは、更に、待機状態において、所定のタイミングでウェイクアップする方式で前記RLC回路の特定パラメータを検出し、前記エアロゾル生成基質の挿抜状態を特定すること、及び/又は、通常動作状態において、前記RLC回路の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の抜き出し検出を実現すること、を含む。
【0020】
本発明は、更に、メモリ及びプロセッサを含む制御装置を構成する。前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されている。前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、上述したエアロゾル生成装置の制御方法のステップを実現する。
【0021】
本発明は、更に、記憶媒体を構成する。前記記憶媒体はコンピュータ命令を含む。前記コンピュータ命令がプロセッサ上で動作する際に、前記プロセッサは上述したエアロゾル生成装置の制御方法を実行する。
【0022】
本発明は、更に、コンピュータプログラム製品を構成する。前記コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作する際に、前記コンピュータは上述したエアロゾル生成装置の制御方法を実行する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の技術方案を実施する場合には、制御モジュールがRLC回路を制御することでインダクタコイルに交流電流を発生させる際に発熱体が誘導発熱する。且つ、発熱体は、温度が変化すると、磁気温度特性を有することに起因してインダクタコイルの皮相抵抗とインダクタンスに影響を及ぼし、更にはRLC回路の特定パラメータに変化を生じさせる。そのため、RLC回路の特定パラメータの変化に基づき発熱体の温度の変化を特定可能である。このような検出方式の場合には、温度センサを設ける必要がないため、エアロゾル生成装置の構造設計が制約を受けるとの課題が解決される。且つ、インダクタコイルは発熱体との電気的接続が不要なため、電気的接続に起因するクリーニングの難しさとの課題も解決される。
【0024】
以下に、図面と実施例を組み合わせて本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明におけるエアロゾル生成装置の実施例1の論理構造図である。
図2図2は、本発明におけるエアロゾル生成装置の実施例2の回路図である。
図3図3は、本発明の一実施例における発熱体の温度及びコンデンサの電圧の経時変化のグラフである。
図4図4は、本発明の一実施例における発熱体の温度及びコンデンサの電圧の経時変化のグラフである。
図5図5は、本発明におけるエアロゾル生成装置の実施例3の回路図である。
図6図6は、本発明におけるエアロゾル生成装置の制御方法の実施例1のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施例における図面を組み合わせて、本発明の実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、言うまでもなく、記載する実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働を行わないことを前提に取得するその他全ての実施例は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。
【0027】
図1は、本発明におけるエアロゾル生成装置の実施例1の論理構造図である。本実施例のエアロゾル生成装置は、制御モジュール11、RLC回路12及び発熱体13を含む。発熱体13はエアロゾル生成基質14内に埋め込み可能である。且つ、発熱体13は磁気温度特性を有する発熱体である。即ち、特定のキュリー温度を有する金属又は合金である。特定のキュリー温度(例えば420℃)以下の場合、発熱体の磁気誘導値は温度の上昇に伴い減少し、且つほぼ線形の関係を示す。発熱体13の材料としては、例えば、鉄ニッケルクロム合金を選択可能である。RLC回路12は、インダクタコイル(内部抵抗を有する)L1を含む。且つ、インダクタコイルL1の少なくとも一部は発熱体13の磁界内に位置する。制御モジュール11は、RLC回路12を制御することで、インダクタコイルL1に交流電流を発生させて発熱体13を誘導加熱するとともに、RLC回路12の特定パラメータを検出することで発熱体13の温度を特定するために用いられる。RLC回路12の特定パラメータには、例えば、RLC回路12におけるコンデンサの電圧やインダクタコイルの電流が含まれる。
【0028】
本実施例では、インダクタコイルL1に交流電流が流れる際に、発熱体13が誘導発熱することでエアロゾル生成基質14を霧化加熱する。発熱体13は、温度が変化すると、特定の温度状況(150~420℃の間)では明らかな磁気温度特性を有することから、インダクタコイルL1の皮相抵抗とインダクタンスに影響を及ぼす。動作中のRLC回路では、インダクタンスと皮相抵抗が変化することで、例えば、RLC回路12におけるコンデンサの電圧やインダクタコイルの電流といったRLC回路12の特定パラメータに変化が生じる。そのため、RLC回路12の特定パラメータの変化に基づき発熱体13の温度の変化を特定可能である。このような検出方式の場合には、温度センサを設ける必要がないため、エアロゾル生成装置の構造設計が制約を受けるとの課題が解決される。且つ、インダクタコイルL1は発熱体13との電気的接続が不要なため、電気的接続に起因するクリーニングの難しさとの課題も解決される。
【0029】
更に、選択的な実施例において、制御モジュール11は、発熱体13の温度に基づき、吸入動作が発生したか否かを特定するためにも用いられる。本実施例では、エアロゾル生成基質に吸入気流が流れると発熱体に明らかな温度変化が生じる。そのため、特定された温度変化から吸入動作の検出を実現可能であり、更には吸入数のカウントが行われる。
【0030】
更に、選択的な実施例において、制御モジュール11は、待機状態において、所定のタイミングでウェイクアップする方式でRLC回路12の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の挿入検出を実現するとともに、通常動作状態において、RLC回路12の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の抜き出し検出を実現するためにも用いられる。本実施例では、エアロゾル生成装置にエアロゾル生成基質が挿入されている場合と、エアロゾル生成基質が挿入されていない場合という状況の違いによって、発熱体13の磁気誘導値も異なる。そのため、RLC回路12の特定パラメータを検出することで、エアロゾル生成基質の挿抜検出を実施可能である。
【0031】
更に、選択的な実施例において、制御モジュール11は、第1の期間において、RLC回路12を制御することで、インダクタコイルL1に交流電流を発生させて発熱体13を誘導加熱し、第2の期間において、RLC回路12の特定パラメータを検出することで発熱体13の温度を特定するために用いられる。
【0032】
図2は、本発明におけるエアロゾル生成装置の実施例2の回路図である。本実施例のエアロゾル生成装置は、制御モジュール、RLC回路及び発熱体(図示しない)を含む。
【0033】
発熱体は磁気温度特性を有する発熱体である。また、RLC回路は、インダクタコイルL1、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、第1スイッチングトランジスタQ1、第2スイッチングトランジスタQ2を含む。インダクタコイルL1の少なくとも一部は発熱体13の磁界内に位置する。第1スイッチングトランジスタQ1及び第2スイッチングトランジスタQ2はいずれもMOSFETである。第1スイッチングトランジスタQ1のソースは第2スイッチングトランジスタQ2のドレインに接続され、第1スイッチングトランジスタQ1のドレインはバッテリの出力端子(BAT)に接続される。第2スイッチングトランジスタQ2のソースは接地している。第1コンデンサC1と第2コンデンサC2は、バッテリの出力端子(BAT)とグランドの間に直列に接続される。インダクタコイルL1の第1端子は、第1スイッチングトランジスタQ1と第2スイッチングトランジスタQ2との接続点に接続される。インダクタコイルL1の第2端子は、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2との接続点に接続される。
【0034】
制御モジュールは、電圧検出ユニットと第1主制御ユニットU1を含む。電圧検出ユニットは、第2コンデンサC2の電圧を検出するために用いられ、具体的に、第1ダイオードD1、第3コンデンサC3、抵抗R1を含む。第1ダイオードD1の正極は第2コンデンサC2と第1コンデンサC1との接続点に接続され、第3コンデンサC3及び抵抗R1は第1ダイオードD1の負極とグランドの間に接続される。第1主制御ユニットU1の入力端子は第1ダイオードD1の負極に接続され、第1主制御ユニットU1の第1出力端子は第1スイッチングトランジスタQ1のゲートに接続され、第1主制御ユニットU1の第2出力端子は第2スイッチングトランジスタQ2のゲートに接続される。且つ、第1主制御ユニットU1は、第2コンデンサC2の電圧に基づき発熱体の温度を特定するために用いられる。
【0035】
本実施例では、発熱体を加熱する必要がある場合、第1主制御ユニットU1が、第1出力端子及び第2出力端子を通じて、第1スイッチングトランジスタQ1と第2スイッチングトランジスタQ2を交互に導通させるよう制御する。これにより、インダクタコイルL1に交流電流を発生させて、発熱体に誘導発熱を開始させる。加熱パワーの大きさは、2つのスイッチングトランジスタの導通周波数及び制御時間に関連する。また、発熱体の温度検出を行う必要がある場合には、第1主制御ユニットU1が、第1出力端子及び第2出力端子を通じて、第1スイッチングトランジスタQ1と第2スイッチングトランジスタQ2を交互に導通させるよう制御することで、RLC回路に動作を開始させる。発熱体の温度の変化は、インダクタコイルL1の皮相抵抗とインダクタンスに影響を及ぼし、更には第2コンデンサC2の電圧にも影響を及ぼす。そのため、第1主制御ユニットU1は、第1ダイオードD1を通じて第2コンデンサC2の両端のピーク電圧の変化を検出することで、図3に示すように、発熱体の温度の変化を有効にフィードバック可能である。
【0036】
本実施例について更に説明すべき点として、発熱体の加熱と温度検出は同一の期間に実施してもよいし、2つの期間に分けて実施してもよい。且つ、同一期間に実施する場合には、当該期間内に、第1主制御ユニットの2つの出力端子が特定周波数の制御信号を出力可能である。また、異なる期間に実施する場合には、第1期間内に、第1主制御ユニットの2つの出力端子が特定周波数の制御信号を出力可能であり、第2期間内に、別の特定周波数の制御信号を出力可能である。そのほか、同一期間内に出力される制御信号の周波数は変化してもよい。
【0037】
具体的実施例では、バッテリの電気量の影響を回避するために、第1主制御ユニットは、第2コンデンサC2の両端のピーク電圧を検出したあと、更に、当該ピーク電圧とバッテリの出力電圧(即ち、RLC回路の供給電圧)との比率を求め、比率の変化に基づき発熱体の温度の変化をフィードバックする。こうすることで、バッテリの電気量が低い場合に生じる温度検出が不正確になるとの事態を回避できる。
【0038】
具体的実施例において、第1主制御ユニットU1は、更に、検出した発熱体の温度の変化に基づき、吸入動作が発生したか否かを特定する。具体的には、図4を組み合わせて、エアロゾル生成基質に吸入気流が流れると、発熱体には明らかな温度変化が生じる。よって、第1主制御ユニットU1は、第2コンデンサの両端の電圧を検出したあと、当該電圧とバッテリの出力電圧との比率に明らかなジャンプが出現したか否かを判断することで、吸入動作Vが発生したか否かを検出する。また、更に、吸入数のカウントを行う。
【0039】
具体的実施例において、第1主制御ユニットU1は、待機状態において、所定のタイミングでウェイクアップする方式で第2コンデンサC2の両端の電圧を検出したあと、検出した電圧と第1の予め設定された値とを比較し、両者の差に基づいてエアロゾル生成基質の挿入検出を実現する。また、通常動作状態において、第2コンデンサC2の両端の電圧を検出したあと、検出した電圧と第2の予め設定された値とを比較し、両者の差に基づいてエアロゾル生成基質の抜き出し検出を実現する。そのほか、好ましくは、挿抜検出時に第1主制御ユニットUが出力する制御信号の周波数は、RLC回路の共振周波数よりも低い。
【0040】
図5は、本発明におけるエアロゾル生成装置の実施例3の回路図である。本実施例のエアロゾル生成装置は、制御モジュール、RLC回路及び発熱体(図示しない)を含む。また、図2に示した実施例と比較して、以下の点のみが異なっている。
【0041】
制御モジュールは、電流検出ユニットと第2主制御ユニットU2を含む。電流検出ユニットは、インダクタコイルL1の電流を検出するために用いられ、具体的に、変流器IL1、抵抗R2、第2ダイオードD2、第4コンデンサC4及び抵抗R3を含む。変流器IL1の一次巻線の一端はインダクタコイルL1の第2端子に接続され、変流器IL1の一次巻線の他端は第1コンデンサC1と第2コンデンサC2との接続点に接続される。変流器IL1の二次巻線の一端は抵抗R2の第1端子及び第2ダイオードD2のアノードにそれぞれ接続され、変流器IL1の二次巻線の他端及び抵抗R2の第2端子はそれぞれ接地している。第4コンデンサC4及び抵抗R3は、第2ダイオードD2の負極とグランドの間にそれぞれ接続される。第2主制御ユニットU2の入力端子は第2ダイオードD2の負極に接続される。第2主制御ユニットU2の第1出力端子は第1スイッチングトランジスタQ1のゲートに接続され、第2主制御ユニットU2の第2出力端子は第2スイッチングトランジスタQ2のゲートに接続される。且つ、第2主制御ユニットU2は、インダクタコイルL1の電流に基づき発熱体の温度を特定するために用いられる。
【0042】
本実施例において、第2主制御ユニットU2の発熱制御過程は図2に示した実施例と同様である。よって、ここでは詳述しない。発熱体の温度検出を行う必要がある場合には、第2主制御ユニットU2が、第1出力端子及び第2出力端子を通じて、第1スイッチングトランジスタQ1と第2スイッチングトランジスタQ2を交互に導通させるよう制御することで、RLC回路に動作を開始させる。発熱体の温度の変化は、インダクタコイルL1の皮相抵抗とインダクタンスに影響を及ぼし、更にはインダクタコイルL1の電流にも影響を及ぼす。そのため、変流器IL1は、インダクタコイルL1の電流を検出し、抵抗R2により電圧に変換したあと、第2ダイオードD2を通じて第2主制御ユニットU2の入力端子に送信する。こうすることで、第2主制御ユニットU2は、入力端子の入力信号の変化に基づいて発熱体の温度の変化を有効にフィードバック可能となる。
【0043】
図6は、本発明におけるエアロゾル生成装置の制御方法の実施例1のフローチャートである。本実施例の制御方法は以下を含む。
【0044】
ステップS10:RLC回路を制御することで、インダクタコイルに交流電流を発生させて発熱体を誘導加熱する。図1を組み合わせて、前記RLC回路はインダクタコイルを含む。且つ、前記インダクタコイルの少なくとも一部は前記発熱体の磁界内に位置する。
【0045】
ステップS20:前記RLC回路の特定パラメータを検出することで前記発熱体の温度を特定する。当該特定パラメータは、例えば、RLC回路におけるインダクタコイルの電流であってもよいし、RLC回路におけるコンデンサの電圧であってもよい。
【0046】
更に、本発明の制御方法は、前記発熱体の温度に基づき、吸入動作が発生したか否かを特定することも含む。
【0047】
更に、本発明の制御方法は、待機状態において、所定のタイミングでウェイクアップする方式で前記RLC回路の特定パラメータを検出し、前記エアロゾル生成基質の挿抜状態を特定すること、及び/又は、通常動作状態において、前記RLC回路の特定パラメータを検出し、検出した特定パラメータに基づきエアロゾル生成基質の抜き出し検出を実現すること、も含む。
【0048】
本発明は、更に、メモリ及びプロセッサを含む制御装置を構成する。前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されている。前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、上述したエアロゾル生成装置の制御方法のステップを実現する。
【0049】
本発明は、更に、記憶媒体を構成する。前記記憶媒体はコンピュータ命令を含む。前記コンピュータ命令がプロセッサ上で動作する際に、前記プロセッサは上述したエアロゾル生成装置の制御方法を実行する。
【0050】
本発明は、更に、コンピュータプログラム製品を構成する。前記コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作する際に、前記コンピュータは上述したエアロゾル生成装置の制御方法を実行する。
【0051】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を制限するものではない。当業者にとって、本発明は各種の変更及び変形を有し得る。本発明の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【国際調査報告】