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特表2024-530342電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/24 20060101AFI20240808BHJP
   G01D 5/353 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G01R15/24 D
G01D5/353 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024513957
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 AU2022051078
(87)【国際公開番号】W WO2023028665
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】2021902860
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2021903435
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524076497
【氏名又は名称】スマート デジタル オプティクス ピーティーワイ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100224384
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】マムドゥ,マター
(72)【発明者】
【氏名】ミッキー,アンドリュー マーク
(72)【発明者】
【氏名】イングラム,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ラザロ ウルティア,ジョセ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ガリャステギ ウリアルテ,アンドニ
【テーマコード(参考)】
2F103
2G025
【Fターム(参考)】
2F103BA37
2F103CA08
2F103EC09
2F103EC14
2F103FA15
2G025AA08
2G025AA13
2G025AB10
(57)【要約】
パッシブ光サニャック干渉計、それを用いた方法、及び、それの製造方法。一の実施形態では、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、NxNファイバカプラと、ここで、N≧3であり、NxNファイバカプラの第1の側に配置されたファイバコイルと、第1の直線偏光素子を介してファイバコイルの第1の端部に結合された、NxNファイバカプラの第1ポートと、第2の直線偏光素子を介してファイバコイルの第2の端部に結合された、NxNファイバカプラの第2ポートと、を備え、ファイバコイルは、ファイバコイル内の逆伝搬光信号における楕円偏光状態だけをサポートするように構成されている干渉計。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、
NxNファイバカプラと、ここで、N≧3であり、
前記NxNファイバカプラの第1の側に配置されたファイバコイルと、
第1の直線偏光素子を介して前記ファイバコイルの第1の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第1ポートと、
第2の直線偏光素子を介して前記ファイバコイルの第2の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第2ポートと、
を備え、
前記ファイバコイルは、前記ファイバコイル内の逆伝搬光信号における楕円偏光状態だけをサポートするように構成されている
干渉計。
【請求項2】
前記ファイバコイルは、前記ファイバコイル内の逆伝搬光信号における、少なくとも一つの近似円偏光状態だけをサポートするように構成されている
請求項1に記載の干渉計。
【請求項3】
前記ファイバコイルは、紡糸楕円複屈折偏光光ファイバを含む
請求項1又は2に記載の干渉計。
【請求項4】
前記ファイバコイルは、非偏光の紡糸楕円複屈折光ファイバを含み、
当該干渉計は、
少なくとも第1及び第2の略円形の偏光素子を備え、
前記第1の円形の偏光素子は、前記第1の直線偏光素子と、前記NxNファイバカプラの前記第1ポートと、前記ファイバコイルの前記第1の端部との間に結合された第1の1/4波長ファイバ部分とを含み、
前記第2の円形の偏光素子は、前記第2の直線偏光素子と、前記NxNファイバカプラの前記第2ポートと前記ファイバコイルの前記第1の端部との間に結合された第2の1/4波長ファイバ部分とを含む
請求項1又は2に記載の干渉計。
【請求項5】
前記NxNファイバカプラは、NxNシングルモード光ファイバカプラを含む
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の干渉計。
【請求項6】
前記NxNファイバカプラは、NxN偏波保持光ファイバカプラを含む
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の干渉計。
【請求項7】
前記ファイバコイルは、8の字の構成を備える
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の干渉計。
【請求項8】
前記NxNファイバカプラの第2の側に配置された光多重化ネットワークと、
前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートに光入力信号を挿入する光入力ユニットと、
前記NxNファイバカプラの前記第2の側の複数のポートの一つに光入力が挿入された場合、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートで、対応する光出力を測定する検出ユニットと、
の測定可能な光出力の少なくともいくつかを含む測定結果を形成する処理ユニットと、
を備え、
夫々の計測結果は、同一の光多重化ネットワーク依存因子を含み、
前記処理ユニットは、実質的に、光多重化ネットワーク独立測定を得るために、前記光多重化ネットワーク依存因子を除去する
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の干渉計。
【請求項9】
電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、
NxNファイバカプラと、
前記NxNファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、
前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された前記NxNファイバカプラの第1出力ポートと、
前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された前記NxNファイバカプラの第2出力ポートと、
少なくとも第1及び第2の略円形の偏光素子と、
を備え、
前記第1の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、
前記第2の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、
前記第1ファイバ及び前記第2ファイバ各々の第2の端部は互いに結合されており、
前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、
前記第1ファイバは、非偏光の紡糸複屈折光ファイバを含み、
前記第2ファイバは、非紡糸の高複屈折光ファイバを含む
干渉計。
【請求項10】
前記NxNファイバカプラは、NxNシングルモード光ファイバカプラを含む
請求項9に記載の干渉計。
【請求項11】
前記NxNファイバカプラは、NxN偏波保持光ファイバカプラを含む
請求項9に記載の干渉計。
【請求項12】
前記NxNファイバカプラの第2の側に配置された光多重化ネットワークと、
前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートに光入力信号を挿入する光入力ユニットと、
前記NxNファイバカプラの前記第2の側の複数のポートの一つに光入力が挿入された場合、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートで、対応する光出力を測定する検出ユニットと、
の測定可能な光出力の少なくともいくつかを含む測定結果を形成する処理ユニットと、
を備え、
夫々の計測結果は、同一の光多重化ネットワーク依存因子を含み、
前記処理ユニットは、実質的に、光多重化ネットワーク独立測定を得るために、前記光多重化ネットワーク依存因子を除去する
請求項9乃至11のいずれか一項に記載の干渉計。
【請求項13】
電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、
NxN偏波保持ファイバカプラと、
前記NxN偏波保持ファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、
前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された、前記NxN偏波保持ファイバカプラの第1出力ポートと、
前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された、前記NxN偏波保持ファイバカプラの第2出力ポートと、
第1及び第2の直線偏光素子と、
を備え、
前記第1の直線偏光素子は、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、
前記第2の直線偏光素子は、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、
前記第1ファイバ及び前記第2ファイバ各々の第2の端部は互いに結合されており、
前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、
前記第1ファイバは、紡糸楕円複屈折光ファイバを含み、
前記第2ファイバは、非紡糸の高複屈折光ファイバを含む
干渉計。
【請求項14】
前記NxN偏波保持ファイバカプラの第2の側に配置された光多重化ネットワークと、
前記光多重化ネットワークを介して、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2の側の各ポートに光入力信号を挿入する光入力ユニットと、
前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2の側の複数のポートの一つに光入力が挿入された場合、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2の側の各ポートで、対応する光出力を測定する検出ユニットと、
の測定可能な光出力の少なくともいくつかを含む計測結果を形成する処理ユニットと、
を備え、
夫々の計測結果は、同一の光多重化ネットワーク依存因子を含み、
前記処理ユニットは、実質的に、光多重化ユニット独立測定を得るために、前記光多重化ネットワーク依存因子を除去する
請求項13に記載の干渉計。
【請求項15】
N=3である
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の干渉計。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の干渉計を用いて、導体内の電流を感知する方法。
【請求項17】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の干渉計を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、電流感知用のパッシブ光サニャク干渉計に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書の全体にわたって先行技術のいかなる言及、及び/又は、議論は、当該先行技術が周知である、又は、この分野の共通の一般知識の一部を形成することを自認するものとして、決して考慮されるべきではない。
【0003】
光ファイバベースの電流センサの多くの種類が、世界中の多くの研究チームによって提示され、開発されてきた。これらのセンサの大部分は、電流に対する干渉位相感度を最大化するためにアクティブ要素を特徴とする光ファイバジャイロスコープ技術に基づいている。伝導体の周りにコイル状に巻かれた光ファイバに非相反移相が誘起されるところで、ファラデー効果は必ず用いられる。コイルの周りを反対方向に進む光について、位相シフトは、等しく、且つ、反対である。
【0004】
US5,677,622は、ファラデー効果を介して電流を検出するために、紡糸の、シングルモード複屈折光ファイバコイルにおいて、夫々2つの楕円偏光モードを有する光ビームを逆伝搬するための単純な2x2光ビームスプリッタを備えるサニャック干渉計を用いたパッシブ光電流センサを記載する。一般に、ファラデー効果又はジャイロスコープ回転のいずれかによる非相反移相だけを生じるので、サニャック干渉計は理想的な選択である。一般に、ゆっくりとした環境変化は、「コモンモード」と考えることができ、例えば、周囲温度によって誘発される効果など、両方向について等しい。
【0005】
しかしながら、単純な2x2光ビームスプリッタを用いたパッシブサニャック干渉法は、ゼロ静的位相バイアスの干渉計をもたらす。実際には、これにより入力ポートから戻る全ての光が得られ、ゼロ強度は、2x2光ビームスプリッタの入力側の第2ポートで(ゼロ電流で)戻る、すなわち、入力ポートと、2x2光ビームスプリッタの入力側の第2ポートとの両方が、低感度点である。この特性は、入力ポートを介して戻る全ての光に起因して「ループミラー」という名称を生じさせている。
【0006】
3x3シングルモードファイバカプラ/コンバイナを使用することも、US5,677,622においてパッシブサニャック干渉法について提案されている。ファラデー効果を介して電流を検出するために、3x3シングルモードファイバカプラ/コンバイナの出力側の3つのポートのうちの2つからの、夫々2つの楕円偏光モードを有する光ビームは、紡糸の、シングルモード複屈折光ファイバコイルにおいて逆伝搬する。3x3シングルモードファイバカプラ/コンバイナの光入力ポートは、ループミラーと同様に動作するが、3x3シングルモードファイバカプラ/コンバイナの入力側にある他の2つのポートは、もはや低感度の静止点(ゼロ電流)ではなく、比較的高感度の点、すなわち+/2π/3ラジアンである。
【0007】
しかしながら、電流に対する良好な感度及び低いゼロ電流誤差の両方において安定な電流感知用のパッシブサニャック干渉計を達成することは、挑戦的なままである。
【0008】
本発明の実施形態は、上記の問題の少なくとも1つに対処しようとするものである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、
NxNファイバカプラと、ここで、N≧3であり、
前記NxNファイバカプラの第1の側に配置されたファイバコイルと、第1の直線偏光素子を介して前記ファイバコイルの第1の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第1ポートと、第2の直線偏光素子を介して前記ファイバコイルの第2の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第2ポートと、
を備え、
前記ファイバコイルは、前記ファイバコイル内の逆伝搬信号における楕円偏光状態だけをサポートするように構成されている
干渉計が提供される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、
NxNファイバカプラと、
前記NxNファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された前記NxNファイバカプラの第1出力ポートと、前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された前記NxNファイバカプラの第2出力ポートと、
少なくとも第1及び第2の略円形の偏光素子と、を備え、前記第1の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第2の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第1ファイバ及び前記第2ファイバ各々の第2の端部は互いに結合されており、
前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、
前記第1ファイバは、非偏光の紡糸複屈折光ファイバを含み、前記第2ファイバは、非紡糸の高複屈折光ファイバを含む
干渉計が提供される。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、
NxN偏波保持ファイバカプラと、
前記NxN偏波保持ファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された、前記NxN偏波保持ファイバカプラの第1出力ポートと、前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された、前記NxN偏波保持ファイバカプラの第2出力ポートと、
第1及び第2の直線偏光素子と、を備え、前記第1の直線偏光素子は、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第2の直線偏光素子は、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第1ファイバ及び前記第2ファイバ各々の第2の端部は互いに結合されており、
前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、
前記第1ファイバは、紡糸楕円複屈折光ファイバを含み、前記第2ファイバは、非紡糸の高複屈折光ファイバを含む
干渉計が提供される。
【0012】
本発明の第4の態様によれば、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、
NxNファイバカプラと、
前記NxNファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第1出力ポートと、前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第2出力ポートと、
少なくとも第1及び第2の略円形の偏光素子と、ここで、前記第1の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第2の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、
前記第1ファイバの第2の端部と、前記ファイバケーブルの第3ファイバの第1の端部との間に結合された第1の1/2波長板と、
前記第2ファイバの第2の端部と、前記第3ファイバの第2の端部との間に結合された第2の1/2波長板と、を備え、
前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、
前記第1、前記第2及び前記第3ファイバ各々は、非偏光の紡糸複屈折光ファイバを含む
干渉計が提供される。
【0013】
本発明の第5の態様によれば、第1乃至第4の態様のいずれか一つの干渉計を用いて導体内の電流を感知する方法が提供される。
【0014】
本発明の第6の態様によれば、第1乃至第4の態様のいずれか一つの干渉計を製造する方法が提供される。
【0015】
本発明の実施形態は、ほんの一例であるが、以下の書面による説明及び図面と併せて理解され、当業者には容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係る、密閉電流を測定するために、2つのインライン偏光子を特徴とし、SPOFのコイルを用いる3x3サニャック電流センサを示す概略図である。
図2図2は、一実施形態に係る、密閉電流を測定するために、2つの円偏光子を特徴とし、紡糸HiBiのコイルを用いる3x3のサニャック電流センサを示す概略図である。
図3図3は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つのインライン偏光子を特徴とし、8の字のSPOFのコイルを用いる3x3のサニャック電流センサを示す概略図である。
図4図4は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つの円偏光子を特徴とし、8の字の紡糸HiBiのコイルを用いる3x3サニャック電流センサを示す概略図である。
図5図5(a)は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つの円偏光子を特徴とし、一つの紡糸HiBiファイバと一つの非紡糸HiBiファイバとを含むケーブルを用いる3x3サニャック電流センサを示す概略図である。図5(b)及び(c)は、図5(a)の干渉計のループバック構成のジオメトリを示す概略図である。
図6図6(a)は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つの円偏光子を特徴とし、3つの紡糸HiBiファイバを含むケーブルを用いる3x3サニャック電流センサを示す概略図である。図6(b)及び(c)は、それぞれ、フリンジのフェージングのないフリンジ強度及び75%のフリンジのフェージングのあるフリンジ強度のグラフを示す。
図7図7は、一実施形態に係る、密閉電流を測定するために、2つのインライン偏光子を特徴とし、SPOFのコイルを用いる3x3偏波保持サニャック電流センサを示す概略図である。
図8図8は、一実施形態に係る、密閉電流を測定するために、2つの円偏光子を特徴とし、紡糸HiBiのコイルを用いる3x3偏波保持さサニャック電流センサを示す概略図である。
図9図9は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つのインライン偏光子を特徴とし、図8に示されるSPOFのコイルを用いる3x3偏波保持サニャック電流センサを示す概略図である。
図10図10は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つの円偏光子を特徴とし、8の字の紡糸HiBiのコイルを用いる3x3偏波保持サニャック電流センサを示す概略図である。
図11図11は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つのインライン偏光子を特徴とし、一つのSPOFファイバと一つの非紡糸のHiBiファイバとを含むケーブルを用いる3x3偏波保持サニャック電流センサを示す概略図である。
図12図12は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つの円偏光子を特徴とし、一つの紡糸HiBiファイバと一つの非紡糸のHiBiファイバとを含むケーブルを用いる3x3偏波保持サニャック電流センサを示す概略図である。
図13図13は、一実施形態に係る、密閉電流を測定し、回転を除くために、2つの円偏光子を特徴とし、3つの紡糸HiBiファイバを含むケーブルを用いる3x3偏波保持サニャック電流センサを示す概略図である。
図14図14は、光多重化回路網と共に3×3光カプラを用いるパッシブ干渉測定を行うための方法及び装置を示す概略図である。
図15図15は、説明される例示的な実施形態で使用するための例示的な円偏光子の詳細を示す概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態は、多数の構成で使用可能な、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計における最小限のフリンジフェージングを達成し、且つ、維持するための方法及びシステムを提供する。様々な例示的な実施形態では、電流に対する感度は、好ましくは、円偏光に対して最大化され、直線偏光に対してゼロまで最小化される。
【0018】
簡単に説明すると、ファラデー効果は、伝搬方向に対して平行に整列された磁場に曝される媒体を光が横断するときの、光の偏光の応答に与えられる名前である。マイケル・ファラデーは、最初に、磁場が媒体を通過する光の偏光状態を回転させることを観察し、光と磁場がリンクしていると結論づけた。
【0019】
この直線偏光の回転は媒質中の円形複屈折により生じる。円形複屈折は、直線偏光状態を回転させる、又は、等価的に左右の円偏光状態の相対位相速度を変化させるだろう。
【0020】
通常の電気通信ファイバにおける円偏光は、磁場に起因する位相シフトを受けるが、任意の複屈折(例えば、曲げにより誘起される)は、偏光状態を変化させ、光が、右回りの円偏光から左回りの円偏光に周期的に又はランダムに交換される場合、磁場誘起位相シフトもまた、周期的に又はランダムに交換される。その結果、感知ファイバ内の線形複屈折がファラデー誘起回転を抑制し、磁場に対する感度を効果的に低下させる。通常のテレコミュニケーションファイバ単独での曲げ誘起線形複屈折は、磁場に対する感度を抑制することになる。ファイバドロープロセス中に、高複屈折ファイバ(HiBiファイバ)の予備整形物を紡ぐことは、円形複屈折を、さもなければ非常に大きな線形複屈折を有する構造に付加する。結果として生じる楕円複屈折は、大きく、比較的パッケージングに影響されない楕円複屈折を有するファイバに生じる任意のパッケージングによる曲げ複屈折に比べて大きい。
【0021】
例示的な実施形態の一のグループでは、これは、特定の例示的な実施形態を参照して以下でより詳細に説明されるように、紡糸楕円複屈折性、効果的な偏光、通電導体を囲むファイバコイル、又は、ループバック構成で通電導体の周りに巻かれたファイバケーブルにおける光ファイバ、を用いて達成可能である。このようなファイバは、ここでは紡糸偏光光ファイバ(SPOF)とも呼ばれる。一例では、SPOFは、設計された動作波長におけるスピンピッチとファイバビート長との間の所定の割合で、ドロープロセス中に紡がれるHiBiファイバの予備成形物から延伸される。ファイバのパラメータと製造条件の慎重なファイバ設計と制御とは、2つの基本楕円偏光固有モード、すなわち楕円複屈折ファイバ、をサポートするファイバをもたらす。加えて、ファイバは、低速楕円偏光モードが伝送され、高速モードが非可逆である波長領域を有するように設計される。これは、SPOFを実現するために、単一偏光窓として説明することができる単一偏光動作領域を作り出す。2つのモードは、典型的には、それぞれ送信モードおよび非可逆モードとして説明される。典型的に1メートル当たり1dBだけの微分損失を有するSPOFは、30メートルのファイバにわたり30dBの消光をもたらす。比較のために、複屈折性結晶を用いて現在作られている最良のバルク光学偏光子は、典型的には20~30dBの消光比を提供する。バルク光学結晶偏光子と異なり、SPOFは分布型偏光子である。SPOFは、以下でより詳細に説明するように、光がSPOFを通過するときに光を連続的に偏光させるという意味である。
【0022】
例示的な実施形態の当該グループでは、広帯域の偏光解消光をファイバコイル内に発することができ、光がコイルに沿って進むにつれて、SPOFは、一つの楕円形、好ましくは少なくとも略円形、の偏光状態のみがコイルの他端に現れることを保証する。この偏光効果は相反的であり、その結果、SPOFは、同一の利き手で各方向における、即ち、両方の逆伝搬ビームについて偏光状態が右回りの楕円形/円形である、又は、両方の逆伝搬ビームについて偏光状態が左回りの楕円形/円形である、一つの偏光状態だけを効果的にサポートする。
【0023】
例示的な実施形態の別のグループでは、一つの楕円、好ましくは少なくとも略円形、の偏光状態だけが、非偏光の紡糸楕円複屈折光ファイバ(ここでは、紡糸HiBiファイバとも呼ばれる)に励起される。感知コイルの入出力端における等価物、略円形の偏光子、を含めることは、同じ利き手で偏光された光が各方向に励起されることを保証する。上記のSPOFの説明を参照すると、紡糸HiBiファイバは、設計された動作波長におけるスピンピッチとファイバビート長との間の所定の割合で、ドロープロセス中に紡がれるHiBiファイバの予備成形物から延伸される。再度、ファイバのパラメータと製造条件の慎重なファイバ設計と制御とは、2つの基本楕円偏光固有モード、すなわち楕円複屈折ファイバ、をサポートするファイバをもたらす。しかしながら、SPOFとは対照的に、紡糸HiBiファイバは、以下でより詳細に説明されるように、両方の楕円モードが導かれる領域で動作するように設計される。
【0024】
例示的な実施形態の当該グループでは、略円偏光子は、直線偏光子を1/4波長板と組み合わせることによって達成可能である。ファイバでは、これは、偏波保持軸、好ましい実施形態では、例えば45度に整列された偏光軸、の慎重な整列で、直線偏光子を、非紡糸の高複屈折光ファイバ(ここでは、非紡糸のHiBiファイバとも呼ばれる)(長さ1/4ビート長)の短いセクションと組み合わせる/継ぎ合わせることによって行うことができる。
【0025】
例示的な実施形態の別のグループでは、3x3ビームカプラは、好ましくは、最適且つ安定したフリンジコントラストを達成するために、直線偏光子の非紡糸のHiBiファイバピッグテールの軸にそろえられた、偏波保持(PM)ファイバ、具体的には、非紡糸のHiBiファイバ、と3x3ビームカプラの非紡糸のHiBiファイバの軸とを用いて構成される。これは、フリンジフェージングが、厳しいパッキング要件なしに最小化されることを保証でき、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証できる。以下でさらに詳細に説明するように、PM3x3ビームカプラを用いる場合、AC電流測定精度も非常に高く維持され、潜在的に改善されることに留意されたい。
【0026】
例示的な実施形態の別のグループでは、ケーブルを介して両方向に伝搬する間、ファイバケーブルの一つのセクションが電流に対する感度を有し、他のセクションが電流に対する感度がゼロである特定のループバック構成が使用さる。したがって、以下でより詳細に説明するように、ジャイロスコープ効果の優れた排除を提供することができる。
【0027】
例示的な実施形態の別のグループでは、3本の非偏光の紡糸楕円複屈折光ファイバ有する電流感知ケーブルにおいて、楕円形(好ましくは円形)偏光モードの利き手を入れ替えることによって、電流に対する感度を3倍にすることができる特定のループバック構成が提供される。これは、以下でより詳細に説明するように、ループバック構成内の電流感知ケーブルの一端の紡糸HiBiファイバのそれぞれのペア間の継ぎ合わせで、2つの半波長板を使用することによって達成することができる。
【0028】
例示的な実施形態の上記グループは、相互に排他的ではなく、代わりに、それぞれ、例示的な実施形態の上記のグループのうちの一以上の特徴を有する様々な例示的な実施形態に組み合わせることができることに留意されたい。
【0029】
以下では、いくつかの個々の例示的な実施形態を、限定ではなく例として詳細に説明する。
【0030】
図1は、密閉導体104内の電流を測定するために、SPOFのコイル102を備える、一の例示的な実施形態に係る3x3のサニャック電流センサ100を示す概略図を示す。コイル102は、導体104の周囲に形成された一以上のループを有する。広帯域偏光解消光は、例えば3×3シングルモードファイバカプラ106の112、シングルモード低複屈折入力ピッグテールの一つを介して、SPOFのコイル102内に発射することができる。3x3シングルモードファイバカプラ106の2つのシングルモード低複屈折出力ピッグテール(符号109、111で示す)が、直線偏光子114、116の非紡糸のHiBiピッグテールに継ぎ合わされる。直線偏光子114、116の他の非紡糸のHiBiピッグテールは、SPOFのコイル102の各端部に継ぎ合わされる(符号113、115で示される)。全ての継ぎ合わせにおいて、各端面における偏波保持軸は、好ましくは、揃えられる。実際には、楕円率が円形に近づくにつれて、アライメントはあまり重要でなくなる。
【0031】
光がSPOFに沿って進むにつれて、SPOFは、一つの楕円偏光状態だけがコイル102の他端に現れることを保証する。この偏光効果は相反的であり、その結果、SPOFのコイル102は、事実上、同一の利き手で各方向における、即ち、両方の逆伝搬ビームについて偏光状態が右回りの楕円形/円形である、又は、両方の逆伝搬ビームについて偏光状態が左回りの楕円形/円形である、一つの偏光状態だけを効果的にサポートする。この実施形態では、3x3シングルモードファイバカプラ106において干渉する光の単一偏光は、インライン偏光子の形状である直線偏光子114、116を用いて更に強化される。
【0032】
図2は、密閉導体208内の電流を測定するために、3x3シングルモードファイバカプラ205と、(少なくともおよそ)2つの円偏光子202、204と、紡糸HiBiファイバのコイル206とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3サニャック電流センサ200を示す概略図を示す。コイル206は、導体208の周囲に形成された一つ以上のループを備える。
【0033】
単一の円偏光状態が、紡糸HiBiファイバのコイル206の各端部の中に励起される。
感知コイル206の入力端及び出力端に、同等の、略円形の偏光子202、204を含むことは、紡糸HiBiファイバの感知コイル206の各方向で同一の利き手の偏光が励起されることを保証する。この例示的な実施形態における円偏光子202、204は、少なくとも略直線偏光子210、212と、非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクション(即ち、長さ1/4ビート長を有する)との組み合わせを含む。具体的には、3x3シングルモードファイバカプラ205の2つのシングルモード低複屈折出力ピッグテールが、それぞれ、直線偏光子210、212の非紡糸のHiBiピッグテールに継ぎ合わされている(符号213、215で示される)。直線偏光子210、212の他の非紡糸のHiBiピッグテールは、端面において45度の偏光軸で、紡糸HiBiファイバのコイル206の各端部(符号209、211で共同表示された接合面)に継ぎ合わされた非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクションに継ぎ合わされる。直線偏光子210、212の非紡糸のHiBiピッグテールと非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクションとの間の継ぎ合わせ以外の継ぎ合わせでは、各端面における偏波保持軸は、好ましくは、揃えられる。実際には、楕円率が円形に近づくにつれて、アライメントはあまり重要でなくなる。
【0034】
その結果、各方向に、即ち、3x3シングルモードファイバカプラ205において干渉する両方の逆伝搬ビームについて、単一の偏光状態しか伝搬しない。直線偏光子210、212は、この例示的な実施形態では、インライン偏光子の形状である。
【0035】
図3は、ジャイロスコープ効果によって生じ得る回転を除きながら、密閉導体304内の電流を測定するために8の字のSPOFのコイル302を備える、一の例示的な実施形態による3x3のサニャック電流センサ300を示す概略図を示す。コイル302は、導体104の周囲に形成された一以上の8の字のループを備える。広帯域偏光解消光は、シングルモード低複屈折入力ピッグテールのうちの1つ、例えば3x3シングルモードファイバカプラ306の312、を介して、SPOFのコイル302内に発射することができる。3x3シングルモードファイバカプラ306の2つのシングルモード低複屈折出力ピッグテールが、直線偏光子314、316の非紡糸のHiBiピッグテールに継ぎ合わされる(符号309、311で示す)。直線偏光子314、316の他の非紡糸のHiBiピッグテールは、SPOFのコイル302の各端部に継ぎ合わされる(符号313、315で示される)。全ての継ぎ合わせにおいて、各端面における偏波保持軸は、好ましくは、揃えられる。実際には、楕円率が円形に近づくにつれて、アライメントはあまり重要でなくなる。
【0036】
光がSPOFに沿って進むと、SPOFは、コイル302の他端に出現する楕円状態が1つのみであることを保証する。この偏光効果は相反的であり、その結果、SPOFのコイル302は、同一の利き手で各方向における、即ち、両方の逆伝搬ビームについて偏光状態が右回りの楕円形/円形である、又は、両方の逆伝搬ビームについて偏光状態が左回りの楕円形/円形である、一つの偏光状態だけを効果的にサポートする。加えて、逆伝搬ビーム各々が、SPOFの8の字のコイル302内の導体304の周りでその方向を変えるので、いかなるジャイロスコープ効果も実質的に打ち消されることになる。3x3シングルモードファイバカプラ306において干渉する光の単一偏光は、この例示的な実施形態ではインライン偏光子の形状である直線偏光子312、314を用いて更に強化される。
【0037】
図4は、ジャイロスコープ効果によって生じ得る回転を除く一方で、密閉導体408内の電流を測定するために、3x3シングルモードファイバカプラ405と、(少なくともほぼ)2つの円偏光子402、404と、図8に示される紡糸HiBiファイバのコイル406とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3サニャック電流センサ400を示す概略図を示す。コイル406は、導体408の周囲に形成された一以上の8の字のループを備える。
【0038】
単一の円偏光状態が、紡糸HiBiファイバのコイル406の各端部の中に励起される。感知コイル406の入力端及び出力端に、同等の、略円形の偏光子402、404を含むことは、紡糸HiBiファイバの感知コイル406の各方向で同一の利き手の偏光が励起されることが保証される。この例示的な実施形態における円偏光子402、404は、直線偏光子410、412と、非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクション(即ち、長さ1/4ビート長を有する)との組み合わせを含む。具体的には、3x3シングルモードファイバカプラ405の2つのシングルモード低複屈折出力ピッグテールが、それぞれ、直線偏光子410、412の非紡糸のHiBiピッグテールに継ぎ合わされる(符号413、415で示される)。直線偏光子410、412の他の紡糸HiBiピッグテールは、端面において45度の偏光軸で、紡糸HiBiファイバのコイル406の各端部に継ぎ合わされている(継ぎ合わせ部は、符号409、411で示される)非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクションに継ぎ合わされる。直線偏光子410、412の非紡糸のHiBiピッグテールと非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクションとの間の継ぎ合わせ以外の継ぎ合わせでは、各端面における偏波保持軸は、好ましくは、揃えられる。実際には、楕円率が円形に近づくにつれて、アライメントはあまり重要でなくなる。
【0039】
その結果、各方向に、即ち、両方の逆伝搬ビームについて、単一の偏光状態だけが伝搬している。加えて、逆伝搬ビーム各々が、紡糸HiBiファイバの8の字のコイル406の各ループ内の導体408の周りでその方向を変えるので、いかなるジャイロスコープ効果も実質的に打ち消されることになる。直線偏光子410、412は、この例示的な実施形態では、インライン偏光子の形状である。
【0040】
図5Aは、(少なくともおおよそ)2つの円偏光子502、504と、一つの紡糸HiBiファイバ508及び一つの非紡糸のHiBiファイバ510を含むケーブル506とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3サニャック電流センサ500を示す概略図を示す。ケーブル506は、導体512の周囲に一以上のループ状に巻かれている。この例示的な実施形態における円偏光子502、504はまた、直線偏光子524、526と、非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクション(即ち、長さ1/4ビート長を有する)との組み合わせを含む。
【0041】
この実施形態では、紡糸HiBiファイバ508は、密閉導体512内の電流を感知するが、非紡糸のHiBiファイバ510は感知しない。導体512を囲むケーブル506と共に閉ループ(ここでは「ループバック構成」とも呼ばれる)を効果的に形成するために、2つの最適化継ぎ合わせが、符号516で示されるループの一端において互いにできるだけ近い位置に配置される。
【0042】
図5Bを参照すると、円偏光子502の一部であるHiBiファイバの1/4ビート長セクションは、非紡糸のHiBiファイバ510の一端510aに継ぎ合わされ、非紡糸のHiBiファイバ510の他端510bは、紡糸HiBiファイバ508の一端508bに継ぎ合わされる(符号522で示す)。紡糸HiBiファイバ508の他端508aは、円偏光子504の一部であるHiBiファイバの1/4波長セクションに継ぎ合わされている(符号520で示す)。可能な限り近くに符号520、522で示される継ぎ合わせを配置することは、好ましくは、ループバック構成において、電流感知紡糸HiBiファイバ508によって辿られる経路が、閉ループに対するよい近似であることを保証する。全ての継ぎ合わせにおいて、各端面における偏波保持軸は、好ましくは、揃えられる。実際には、楕円率が円形に近づくにつれて、アライメントはあまり重要でなくなる。
【0043】
図5Aに戻り、ループバック構成を形成するために、継ぎ合わせ520、522(図5Aの符号516で共同で示されている)を互いに近づけることによって、電流感知紡糸HiBiファイバ508によって辿られる経路は、符号514で示される閉ループに対して良好な近似である。従って、3x3シングルモードファイバカプラ518の2つの出力ポートの各々からの光は、電流に対する感度を有するケーブル506の一つのセクション内、即ち、紡糸HiBiファイバ508内、及び、電流に対するゼロ感度を有する他のセクション内、即ち、非紡糸のHiBiファイバ510内を進む、その間、ループバック構成におけるケーブル506を介して両方向に進む。従って、ジャイロスコープ効果の優れた除外を提供することができる。3x3シングルモードファイバカプラ518において干渉する光の単一偏光は、この実施例ではインライン偏光子の形状である直線偏光子524、526(円偏光子502、504各々の一部)を用いて達成される。
【0044】
図6Aは、3x3シングルモードファイバカプラ605と、(少なくともおよそ)2つの円偏光子602、604と、3つの紡糸HiBiファイバ608、609及び610を収容するケーブル606とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3サニャック電流センサ600を示す概略図を示す。1/2波長板611は、紡糸HiBiファイバ608の端部608aと紡糸HiBiファイバ609の端部609aとの間に配置/継ぎ合わされ、偏光モードの利き手を効果的に入れ替える。同様に、別の1/2波長板613が、紡糸HiBiファイバ609の端部609bと紡糸HiBiファイバ610の端部610bとの間に配置/継ぎ合わされる。波長板611、613についての継ぎ合わせと、円偏光子602、604と紡糸HiBiファイバ608、610との間の継ぎ合わせとをできるだけ近く配置することは、好ましくは、電流を感知する紡糸HiBiファイバ608、609、610によって辿られる各経路が閉ループに対して良好に近似されることを保証する。これは、ループ/コイル614の電流に対する感度を事実上3倍にするとともに、回転の除外にも優れている。図6Aでは、波長板611、613と、円偏光子602、604と紡糸HiBiファイバ608、610との間の継ぎ合わせと、の間の継ぎ合わせは、図面をより明確にするために示されていないが、近接して配置されている。
【0045】
当業者には理解されるように、上述の実施形態に係る3x3シングルモードカプラにおいて、最適干渉は、2つの再結合された光ビームの偏光状態が完全に整列されたときに発生する。一方、直交偏光状態は干渉せず、平均強度のみが出力に見られる。偏光状態が発散し始める、又は、完全なアライメントから外れ始めると、フリンジフェージングが生じる。このことは、サニャック電流感知干渉計における光ビームカプラの光ファイバリードにおいて起こり得ることが本発明者によって認識されている。フリンジフェージングは、信号対雑音性能を効果的に低減するだけでなく、静的位相誤差として効果的に現れる計算された位相における誤差をもたらすことができる。説明のために、図6Bは、フリンジフェージングを伴わないフリンジ強度のグラフを示し、一方、図6Cは、75%フリンジフェージングを伴うフリンジ強度のグラフを示す。
【0046】
注意深いパッケージングは、様々な例示的な実施形態においてフリンジフェージングを最小限に低減することができるが、例示的な実施形態の別のグループでは、3x3ビームカプラはまた、偏波維持(PM)ファイバ、具体的には、非紡糸のHiBiファイバを用いて構築され、3x3ビームカプラの非紡糸のHiBiファイバの軸は、好ましくは最適且つ安定したフリンジコントラストを達成するために、様々な例において、直線偏光子の非紡糸のHiBiファイバピッグテールの軸と揃えられる。これは、ここでは3x3PMカプラとも呼ばれる。これは、フリンジフェージングが、厳しいパッケージング要件なしに最小化されることを保証でき、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能および最小静的位相誤差を保証できる。
【0047】
図7は、密閉導体708内の電流を測定するために、2つのインライン偏光子702、704と、SPOFのコイル706と、を備える、一の例示的な実施形態に係る3x3偏波保持サニャク電流センサ700を示す概略図である。この例示的な実施形態が、好ましくは、フリンジフェージングを最小化し、改善された安定性及び低減されたゼロ電流誤差を提供することを除いて、3x3偏波保持サニャック電流センサ700は、図1を参照して上述した例示的な実施形態と同様である。より具体的には、好ましくは最適で安定したフリンジコントラストを達成するために、3x3PMカプラ710は、偏光の非紡糸のHiBiファイバを用いて構成され、3x3PMカプラ710の非紡糸のHiBiファイバ出力ピッグテールの端面における軸は、符号709、711で示され、継ぎ合わされている間、直線偏光子702、704の非紡糸のHiBiファイバピッグテールの端面における軸と揃えられる。これは、フリンジフェージングが最小化されることを保証することができ、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証することができる。
【0048】
図8は、密閉導体808内の電流を測定するために、2つの円偏光子802、804と、紡糸HiBiのコイル806とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3偏波保持サニャク電流センサ800を示す概略図である。この例示的な実施形態が、好ましくは、フリンジフェージングを最小化し、改善された安定性及び低減されたゼロ電流誤差を提供することを除いて、3x3偏波保持サニャック電流センサ800は、図2を参照して上述された例示的な実施形態と同様である。より具体的には、この例示的な実施形態例では、好ましくは最適で安定したフリンジコントラストを達成するために、3x3PMカプラ810は、非紡糸のHiBiファイバを用いて構成され、3x3ビームカプラ810の非紡糸のHiBiファイバ出力ピッグテールの端面における軸は、符号809、811で示され、継ぎ合わされている間、直線偏光子812、814(円偏光子802、804各々の一部)の非紡糸のHiBiファイバピッググテールの端面における軸と揃えられる。これは、フリンジフェージングが最小化されることを保証することができ、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証することができる。
【0049】
図9は、密閉導体908内の電流を測定し、回転を除くために、2つのインライン直線偏光子902、904と、8の字に配置されたSPOFのコイル906とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3偏波保持サニャック電流センサ900を示す概略図である。この例示的な実施形態が、好ましくはフリンジフェージングを最小化し、改善された安定性及び低減されたゼロ電流誤差を提供することを除いて、3x3偏波保持サニャック電流センサ900は、図3を参照して上述した例示的な実施形態と同様である。より具体的には、この例示的な実施形態では、好ましくは最適で安定したフリンジコントラストを達成するために、3x3PMカプラ910は、非紡糸のHiBiファイバを使用して構成され、3x3ビームPMカプラ910の非紡糸のHiBiファイバ出力ピッグテールの端面における軸は、符号909、911で示され、継ぎ合わされている間、直線偏光子902、904の非紡糸のHiBiファイバピッグテールの端面における軸と揃えられる。これは、フリンジフェージングが最小化されることを保証することができ、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証することができる。
【0050】
図10は、密閉導体1008内の電流を測定し、回転を除くために、(少なくともおおよそ)2つの円偏光子1002、1004と、8の字に配置された紡糸HiBiのコイル1006とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3偏波保持サニャック電流センサ1000を示す概略図である。この例示的な実施形態が、好ましくはフリンジフェージングを最小化し、改善された安定性及び低減されたゼロ電流誤差を提供することを除いて、3x3偏波保持サニャック電流センサ1000は、図4を参照して上述した例示的な実施形態と同様である。より具体的には、この例示的な実施形態では、好ましくは最適で安定したフリンジコントラストを達成するために、3x3ビームPMカプラ1010は、非紡糸のHiBiファイバを用いて構成され、3x3PMカプラ1010の非紡糸のHiBiファイバ出力ピッグテールの端面における軸は、符号1009、1011で示され、継ぎ合わされている間、直線偏光子1012、1014(円偏光子1002、1004各々の一部)の非紡糸のHiBiファイバピッグテールの端面における軸と揃えられる。これは、フリンジフェージングが最小化されることを保証することができ、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証することができる。
【0051】
図11は、ループバック構成において、2つのインライン直線偏光子1102、1104と、一つのSPOFファイバ1108及び一つの非紡糸のHiBiファイバ1110を含むケーブル1106とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3偏波保持サニャック電流センサ1100を示す概略図を示す。ケーブル1106は、導体1112の周囲に一以上のループ状に巻かれている。この例示的な実施形態では、SPOFファイバ1108は、密閉導体1112内の電流を感知するが、非紡糸のHiBiファイバ1110は感知しない。
【0052】
この例示的な実施形態は、好ましくは、フリンジフェージングを最小化し、改善された安定性及び低減されたゼロ電流誤差を提供する。より具体的には、この例示的な実施形態では、好ましくは最適で安定したフリンジコントラストを達成するために、3x3PMカプラ1111は、非紡糸のHiBiファイバを用いて構成され、3x3PMカプラ1111の非紡糸のHiBiファイバ出力ピッグテールの端面における軸は、符号1107、1109で示され、継ぎ合わされている間、直線偏光子1102、1104の非紡糸のHiBiファイバピッグテールの端面における軸と揃えられる。これは、フリンジフェージングが最小化されることを保証することができ、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証することができる。導体1112を囲むケーブル1106と共に閉ループ(ここでは「ループバック構成」とも呼ばれる)を効果的に形成するために、SPOFファイバ1108の一端1108aと直線偏光子1104の非紡糸のHiBiファイバテールとの間、及び、SPOFファイバ1108の他端1108bとケーブル1106内の非紡糸のHiBiファイバ1110の一端110bとの間、の2つの最適化された継ぎ合わせが、符号1116で示される、好ましくは、ループバック構成内の電流感知紡糸HiBiファイバ1108によって辿られる経路が、閉ループに対する良好な近似であることを保証する(図5A、Bとも比較)ループの一端において、互いにできるだけ近い位置に配置される。最適化されたスプライスにおいて、端面における偏波保持軸は、好ましくは、揃えられる。実際には、楕円率が円形に近づくにつれて、アライメントはあまり重要でなくなる。
【0053】
従って、3x3PMカプラ1111の2つの出力ポートの各々からの光は、電流に対する感度を有するケーブル1106の一つのセクション内、即ち、SPOFファイバ1108内、及び、電流に対するゼロ感度を有する他のセクション内、即ち、非紡糸のHiBiファイバ1110内を進む、その間、ループバック構成におけるケーブル1106を介して両方向に進む。従って、ジャイロスコープ効果の優れた排除も提供することができる。3x3PMカプラ1111において干渉する光の単一偏光は、この例示的な実施形態においてインライン偏光子の形状である直線偏光子1102、1104を用いて達成される。
【0054】
図12は、(少なくともおおよそ)2つの円偏光子1202、1204と、一つの紡糸HiBiファイバ1208及び一つの非紡糸のHiBiファイバ1210を収容するケーブル1206とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3偏波保持サニャック電流センサ1200を示す概略図である。この例示的な実施形態が、好ましくは、フリンジフェージングを最小限に抑え、改善された安定性及び低減されたゼロ電流誤差を提供することを除いて、3x3偏波保持サニャック電流センサ1200は、図5A及びBを参照して上述した例示的な実施形態と同様である。より具体的には、この例示的な実施形態では、好ましくは最適で安定した干渉縞のコントラストを達成するために、3x3ビームPMカプラl210は、HiBiファイバを用いて構成され、3x3PMカプラl210の非紡糸のHiBiファイバの端面における軸は、符号1207、1209で示され、継ぎ合わされている間、直線偏光子1212、1214(円偏光子1202、1204各々の一部)の非紡糸のHiBiファイバピッググテールの端面における軸と揃えられる。これは、フリンジフェージングが最小化されることを保証することができ、その結果、好ましくは最小化されたDC値計算誤差を達成するために、最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証することができる。
【0055】
図13は、2つの円偏光子1302、1304と、3つの紡糸HiBiファイバ1308、1309及び1310を含むケーブル1306とを備える、一の例示的な実施形態に係る3x3偏波保持サニャック電流センサ1300を示す概略図を示す。図6(a)を参照して上述した例示的な実施形態と比較すると、この例示的な実施形態では、1/2波長板1317が、紡糸HiBiファイバ1308の端部1308aと紡糸HiBiファイバ1309の端部1309aとの間に配置され、偏光モードの利き手を効果的に入れ替える。同様に、他の1/2波長板1319が、紡糸HiBiファイバ1309の端部1309bと紡糸HiBiファイバ1310の端部1310bとの間に配置/継ぎ合わされる。波長板1317、1319についての継ぎ合わせと、円偏光子1302、1304と紡糸HiBiファイバ1308、13010との間の継ぎ合わせとをできるだけ近く配置することは、好ましくは、電流を感知する紡糸HiBiファイバ1308、1309及び1310によって辿られる各経路が閉ループに対して良好に近似されることを保証する。図13では、波長板1317、1319と、円偏光子1302、304と紡糸HiBiファイバ1308、1310との間の継ぎ合わせと、の間の継ぎ合わせは、図面をより明確にするために示されていないが、近接して配置されてる。
【0056】
この例示的な実施形態は、ループ/コイル1316の電流に対する感度を事実上3倍にする一方で、回転の除外にも優れている。さらに、この例示的な実施形態は、好ましくは、フリンジフェージングを最小化し、改善された安定性及び低減されたゼロ電流誤差を提供する。より具体的には、この例示的な実施形態では、好ましくは最適かつ安定したフリンジコントラストを達成するために、3x3ビームカプラ1311は、HiBiファイバを用いて構成され、3x3ビームカプラ1311の非紡糸のHiBiファイバの軸は、継ぎ合わされている間、直線偏光子1313、1315(円偏光子1302、1404各々の一部)の非紡糸のHiBiファイバピッグテールの軸と揃えられる。これは、フリンジフェージングが最小化されることを保証することができ、その結果、好ましくは最小化されたゼロ電流誤差を有する最小化されたDC値計算誤差を達成するために最大信号対雑音性能及び最小静的位相誤差を保証することができる。
【0057】
上述した例示的な実施形態では、好ましくは、キャリブレーション処理を行う必要なしに、パッシブ干渉法のための信号処理に有益な測定を提供することができる。これは、国際公開第03/002932号に記載された技術を実施することによって達成することができる。図14を参照して、簡単に言えば、光多重化ネットワーク1402、光多重化ネットワーク1402を介して、光入力信号をポート1411~1413各々に挿入する光入力ユニット1404、及び、光入力がポート1411~1413の1つに挿入された場合に、光多重化ネットワーク1402を介して、ポート1411~1413各々に対応する光出力を測定するための検出ユニット1406とともに、3x3光カプラ1400を利用するパッシブ干渉計を実施するために、方法及び装置が実施される。
【0058】
3x3カプラの他の側には、パッシブサニャック干渉計1420及び密封導体1422が配置されている。サニャック干渉計1420は、上述の例示的な実施形態のうちのいずれか1つの形態であってもよい。
【0059】
処理ユニット1408は、結果を形成するように構成されており、各結果は、3の可能な光出力の少なくともいくつかを含み、各結果は、同一の光多重化ネットワーク1402依存因子を含む。この方法で、処理ユニット1408は、実質的にネットワーク独立測定を得るために、形成された結果を処理することに基づいて、光多重化ネットワーク1408依存因子を有利に除去することができる。
【0060】
また、光入力ユニット1404のソーススペクトルにわたる光多重化ネットワーク1402依存因子の小さな波長依存性の(二次的に小さい)影響とは別に、干渉計のゼロ誤差(導体1422のゼロ電流について)はゼロである。
【0061】
有利に、光入力ユニット1404は、実質的に単色光源を含む。
【0062】
光入力ユニット1404が広幅光源を含む場合、光多重化ネットワーク1402は、好ましくは、波長平坦化光カプラを含む。
【0063】
処理ユニット1408は、光多重化ネットワーク1402依存因子を除去することが、結果の独立した比率を形成することを含むように、構成されてよい。
【0064】
処理ユニット1408は、各結果を形成することが、因子の幾何平均を形成することを含むように構成されてもよい。他の実施形態では、演算手段が用いられてよい。
【0065】
図15は、説明された例示的な実施形態において用いるための例示的な円偏光子1500の詳細を示す概略図を示す。円偏光子1500は、少なくとも略直線の偏光子1502と、非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクション1504(即ち、長さ1/4ビート長を有する)との組み合わせを含む。具体的には、ファイバカプラ(図示せず)の出力ピッグテール1505の一方は、直線偏光子1502の非紡糸のHiBiピッグテール1508に継ぎ合わされる(符号1506で示される)。直線偏光子1502の他方の非紡糸のHiBiピッグテール1510は、端面における偏光軸が45度で、感知コイル又はケーブル(図示せず)の一端1516に順番に継ぎ合わされる(符号1514で示される)非紡糸のHiBiファイバの1/4ビート長セクション1504に継ぎ合わされる(符号1512で示される)。符号1506、1514で示される継ぎ合わせにおいて、各端面における偏波維持軸は、好ましくは、揃えられる。実際には、楕円率が円形に近づくにつれて、アライメントはあまり重要でなくなる。
【0066】
一実施形態では、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、NxNファイバカプラと、ここで、N≧3であり、前記NxNファイバカプラの第1の側に配置されたファイバコイルと、第1の直線偏光素子を介して前記ファイバコイルの第1の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第1ポートと、第2の直線偏光素子を介して前記ファイバコイルの第2の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第2ポートと、を備え、前記ファイバコイルは、前記ファイバコイル内の逆伝搬信号における楕円偏光状態だけをサポートするように構成されている干渉計が提供される。
【0067】
前記ファイバコイルは、前記ファイバコイル内の逆伝搬信号における、少なくとも一つの近似円偏光状態だけをサポートするように構成されていてよい。
【0068】
前記ファイバコイルは、紡糸楕円複屈折偏光光ファイバを含んでよい。
【0069】
前記ファイバコイルは、非偏光の紡糸楕円複屈折光ファイバを含んでよく、当該干渉計は、少なくとも第1及び第2の略円形の偏光素子を備え、前記第1の円形の偏光素子は、前記第1の直線偏光素子と、前記NxNファイバカプラの前記第1ポートと、前記ファイバコイルの前記第1の端部との間に結合された第1の1/4波長ファイバ部分とを含み、前記第2の円形の偏光素子は、前記第2の直線偏光素子と、前記NxNファイバカプラの前記第2ポートと前記ファイバコイルの前記第1の端部との間に結合された第2の1/4波長ファイバ部分とを含む。
【0070】
前記NxNファイバカプラは、NxNシングルモード光ファイバカプラを含んでよい。
【0071】
前記NxNファイバカプラは、NxN偏波保持光ファイバカプラを含んでよい。
【0072】
前記ファイバコイルは、「図8」の構成を備えてよい。
【0073】
前記NxNファイバカプラの第2の側に配置された光多重化ネットワークと、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートに光入力信号を挿入する光入力ユニットと、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の複数のポートの一つに光入力が挿入された場合、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートで、対応する光出力を測定する検出ユニットと、3の測定可能な光出力の少なくともいくつかを含む測定結果を形成する処理ユニットと、を備えてよく、夫々の計測結果は、同一の光多重化ネットワーク依存因子を含み、前記処理ユニットは、実質的に、光多重化ネットワーク独立測定を得るために、前記光多重化ネットワーク依存因子を除去する。
【0074】
一実施形態では、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、NxNファイバカプラと、前記NxNファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された前記NxNファイバカプラの第1出力ポートと、前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された前記NxNファイバカプラの第2出力ポートと、少なくとも第1及び第2の略円形の偏光素子と、を備え、前記第1の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第2の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第1ファイバ及び前記第2ファイバ各々の第2の端部は互いに結合されており、前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、前記第1ファイバは、非偏光の紡糸複屈折光ファイバを含み、前記第2ファイバは、非紡糸の高複屈折光ファイバを含む干渉計が提供される。
【0075】
前記NxNファイバカプラは、NxNシングルモード光ファイバカプラを含んでよい。
【0076】
前記NxNファイバカプラは、NxN偏波保持光ファイバカプラを含んでよい。
【0077】
前記NxNファイバカプラの第2の側に配置された光多重化ネットワークと、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートに光入力信号を挿入する光入力ユニットと、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の複数のポートの一つに光入力が挿入された場合、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートで、対応する光出力を測定する検出ユニットと、3の測定可能な光出力の少なくともいくつかを含む測定結果を形成する処理ユニットと、を備えてよく、夫々の計測結果は、同一の光多重化ネットワーク依存因子を含み、前記処理ユニットは、実質的に、光多重化ネットワーク独立測定を得るために、前記光多重化ネットワーク依存因子を除去する。
【0078】
一実施形態では、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、NxN偏波保持ファイバカプラと、前記NxN偏波保持ファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された、前記NxN偏波保持ファイバカプラの第1出力ポートと、前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された、前記NxN偏波保持ファイバカプラの第2出力ポートと、第1及び第2の直線偏光素子と、を備え、前記第1の直線偏光素子は、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第2の直線偏光素子は、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第1ファイバ及び前記第2ファイバ各々の第2の端部は互いに結合されており、前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、前記第1ファイバは、紡糸楕円複屈折光ファイバを含み、前記第2ファイバは、非紡糸の高複屈折光ファイバを含む干渉計が提供される。
【0079】
前記NxN偏波保持ファイバカプラの第2の側に配置された光多重化ネットワークと、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2の側の各ポートに光入力信号を挿入する光入力ユニットと、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2の側の複数のポートの一つに光入力が挿入された場合、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxN偏波保持ファイバカプラの前記第2の側の各ポートで、対応する光出力を測定する検出ユニットと、3の測定可能な光出力の少なくともいくつかを含む計測結果を形成する処理ユニットと、を備えてよく、夫々の計測結果は、同一の光多重化ネットワーク依存因子を含み、前記処理ユニットは、実質的に、光多重化ユニット独立測定を得るために、前記光多重化ネットワーク依存因子を除去する。
【0080】
一実施形態では、電流感知用のパッシブ光サニャック干渉計であって、NxNファイバカプラと、前記NxNファイバカプラに結合されたファイバケーブルと、前記ファイバケーブルの第1ファイバの第1の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第1出力ポートと、前記ファイバケーブルの第2ファイバの第1の端部に結合された、前記NxNファイバカプラの第2出力ポートと、少なくとも第1及び第2の略円形の偏光素子と、ここで、前記第1の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第1出力ポートと、前記第1ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第2の円形の偏光素子は、前記NxNファイバカプラの前記第2出力ポートと、前記第2ファイバの前記第1の端部との間に結合されており、前記第1ファイバの第2の端部と、前記ファイバケーブルの第3ファイバの第1の端部との間に結合された第1の1/2波長板と、前記第2ファイバの第2の端部と、前記第3ファイバの第2の端部との間に結合された第2の1/2波長板と、を備え、前記ファイバケーブルは、コイル状に巻かれて構成されており、前記第1、前記第2及び前記第3ファイバ各々は、非偏光の紡糸複屈折光ファイバを含む干渉計が提供される。
【0081】
前記NxNファイバカプラは、NxNシングルモード光ファイバカプラを含んでよい。
【0082】
前記NxNファイバカプラは、NxN偏波保持光ファイバカプラを含んでよい。
【0083】
前記NxNファイバカプラの第2の側に配置された光多重化ネットワークと、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートに光入力信号を挿入する光入力ユニットと、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の複数のポートの一つに光入力が挿入された場合、前記光多重化ネットワークを介して、前記NxNファイバカプラの前記第2の側の各ポートで、対応する光出力を測定する検出ユニットと、3の測定可能な光出力の少なくともいくつかを含む測定結果を形成する処理ユニットと、を備えてよく、夫々の計測結果は、同一の光多重化ネットワーク依存因子を含み、前記処理ユニットは、実質的に、光多重化ネットワーク独立測定を得るために、前記光多重化ネットワーク依存因子を除去する。
【0084】
上記実施形態において、Nは3に等しくてもよい。
【0085】
一実施形態では、上記実施形態のいずれか一つの干渉計を用いて、導体内の電流を感知する方法が提供される。
【0086】
一実施形態では、上記実施形態のいずれか一つの干渉計を製造する方法が提供される。
【0087】
システム及び方法の図解された実施形態の上記説明は、網羅的である、又は、システム及び方法を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。システム構成要素及び方法の特定の実施形態及び例が、図解目的のためにここで説明されるが、当業者が認識するように、システム、構成要素及び方法の範囲内で、様々な同等の修正が可能である。ここで提供されるシステム及び方法の教示は、上記のシステム及び方法だけでなく、他の処理システム及び方法にも適用することができる。
【0088】
当業者であれば、広く記載される本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されるように、本発明に多数の変形及び/又は修正を行うことができることを理解するであろう。従って、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。また、本発明は、特徴、又は、特徴の組み合わせが特許請求の範囲又は実施形態の詳細な説明において明示的に指定されていない場合であっても、概要セクションに含まれる異なる実施形態について説明された特徴の任意の組み合わせを含む。
【0089】
例えば、例示的な実施形態では3x3カプラを説明したが、NxNカプラ(N>=3)が異なる実施形態で用いられてもよい。
【0090】
一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、本明細書及び特許請求の範囲に開示される具体的な実施形態に、システム及び方法を限定するように解釈されるべきではなく、特許請求の範囲で動作する全ての処理システムを含むように解釈されるべきである。従って、システム及び方法は、本開示によって限定されず、代わりに、システム及び方法の範囲は、特許請求の範囲によって完全に決定されるべきである。
【0091】
文脈上明らかに他の意味を必要としない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、単語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」等は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で、即ち、「含むが、これらに限定されない」という意味で、解釈されるべきである。単数又は複数の数を使用する単語は、夫々、複数又は単数も含む。さらに、用語「ここでは」、「以下」、「上」、「下」、及び同様の意味の用語は、全体として本出願を指し、本出願の特定の部位を指すものではない。単語「又は」が、2つ以上の項目のリストに関して使用される場合、その単語は、単語の以下の解釈のすべてを包含する:リスト中の項目のいずれか、リスト中の項目の全て、及び、リスト中の項目の任意の組合せ。
図1
図2
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図6
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図8
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図10
図11
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【国際調査報告】