(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】電動ファン及び掃除機器
(51)【国際特許分類】
F04D 23/00 20060101AFI20240808BHJP
F04D 25/08 20060101ALI20240808BHJP
F04D 29/44 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F04D23/00 B
F04D25/08
F04D29/44 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514067
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2022079373
(87)【国際公開番号】W WO2023029422
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111040388.4
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122146261.2
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517413993
【氏名又は名称】広東威霊電机制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG WELLING MOTOR MANUFACTURING CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.27 XINGYE ROAD,INDUSTRIAL PARK,BEIJIAO TOWN,SHUNDE DISTRICT,FOSHAN,GUANGDONG 528311,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲栄▼
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB50
3H130AC21
3H130BA62C
3H130BA97C
3H130CA05
3H130CA08
3H130CB00
3H130DA02Z
3H130DD03Z
3H130EA08B
(57)【要約】
電動ファン及び掃除機器であって、電動ファンは、シュラウド(100)と、可動インペラ(200)と、ケーシングアセンブリ(400)と、固定インペラ(300)と、モータとを含む。可動インペラ(200)は、前記シュラウド(100)内に設けられ、且つシュラウド(100)との間に吸気通路(110)が形成され、可動インペラ(200)は、可動インペラ本体(210)と吸気羽根(220)とを含み、可動インペラ本体(210)の最大外縁直径は、D1であり、ケーシングアセンブリ(400)は、外筒体(410)と支持構造とを含み、外筒体(410)の外径は、D2であり、固定インペラ(300)は、支持構造と接続され、固定インペラ(300)と外筒体(410)との間に第一のディフューザ通路(310)が形成され、固定インペラ(300)は、支持台(320)と第一のディフューザ羽根(330)とを含み、支持台(320)の外径は、D3であり、ここで、D2=(1.2-1.6)D1であり、D2=(1.15-1.6)D3である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュラウドと、
前記シュラウド内に設けられ、且つ前記シュラウドとの間に吸気通路が形成される可動インペラであって、前記可動インペラは、可動インペラ本体と前記可動インペラ本体の外周に設けられる吸気羽根とを含み、前記可動インペラ本体の最大外縁直径は、D1である、可動インペラと、
外筒体と前記外筒体内に設けられる支持構造とを含むケーシングアセンブリであって、前記外筒体は、前記シュラウドと接続され、前記外筒体の外径は、D2である、ケーシングアセンブリと、
前記支持構造と接続され、且つ前記支持構造の前記可動インペラに接近する端に位置する固定インペラであって、前記固定インペラと前記外筒体との間に第一のディフューザ通路が形成され、前記第一のディフューザ通路は、前記吸気通路と連通し、前記固定インペラは、支持台と前記支持台の外周に設けられる第一のディフューザ羽根とを含み、前記支持台の外径は、D3である、固定インペラと、
前記可動インペラを回転駆動するためのモータとを含み、
ここで、D2=(1.2-1.6)D1であり、D2=(1.15-1.6)D3である、電動ファン。
【請求項2】
前記支持構造は、内筒体と前記内筒体内に設けられる取り付けハブとを含み、前記内筒体と前記外筒体との間に第二のディフューザ通路が形成され、前記第二のディフューザ通路は、前記第一のディフューザ通路の排気端と連通し、前記内筒体と前記外筒体との間に第二のディフューザ羽根が設けられ、前記固定インペラは、前記取り付けハブに取り付けられる、請求項1に記載の電動ファン。
【請求項3】
前記取り付けハブは、軸受取り付け台と接続構造とを含み、前記接続構造は、前記軸受取り付け台と前記内筒体との間に設けられ、前記軸受取り付け台に少なくとも一つの第一のシール段差が設けられ、前記第一のシール段差は、前記支持台の内壁とシール嵌合する、請求項2に記載の電動ファン。
【請求項4】
前記接続構造は、前記軸受取り付け台の周方向に沿って間隔をおいて分布する複数の接続リブを含み、少なくとも二つの前記接続リブにいずれも第一の接続穴が設けられ、前記支持台に少なくとも二つの第二の接続穴が設けられ、前記第一の接続穴と前記第二の接続穴とは、締結具を挿入して固定される、請求項3に記載の電動ファン。
【請求項5】
前記支持台は、前記第一のシール段差とシール嵌合する位置に、軸方向に沿って延伸する第一の嵌合面と径方向に沿って延伸する第二の嵌合面とを有し、前記第一のシール段差は、接続され且つなす角を形成する第一の壁面と第二の壁面とを有し、前記第一の壁面は、前記第一の嵌合面と当接し、前記第二の壁面は、前記第二の嵌合面と当接し、前記なす角は、90°以上である、請求項3に記載の電動ファン。
【請求項6】
前記内筒体内に固定子収容キャビティが形成され、前記モータは、固定子アセンブリを含み、前記固定子アセンブリは、前記ケーシングアセンブリと接続され、且つ少なくとも一部が前記固定子収容キャビティ内に伸び込み、前記内筒体の前記固定インペラから離れる端に切り欠き溝が設けられ、前記切り欠き溝は、前記固定子収容キャビティと前記第二のディフューザ通路とを連通させる、請求項2に記載の電動ファン。
【請求項7】
前記内筒体に第二のシール段差が設けられ、前記第二のシール段差は、前記支持台の内周壁とシール嵌合する、請求項2に記載の電動ファン。
【請求項8】
前記支持台は、前記第一のディフューザ通路の吸気端に遷移セグメントが設けられ、前記遷移セグメントは、前記吸気通路から前記第一のディフューザ通路に流れるように気流をガイドするために用いられる、請求項1に記載の電動ファン。
【請求項9】
前記遷移セグメントの外郭線は、弧形を呈している、請求項8に記載の電動ファン。
【請求項10】
前記遷移セグメントの外郭線両端の接続線が位置する直線と水平線とのなす角は、30°~65°である、請求項9に記載の電動ファン。
【請求項11】
前記可動インペラの軸方向に沿って、前記遷移セグメントの外郭線の、前記吸気通路の排気端に接近する端と前記可動インペラ本体の最大外縁との距離は、0.5mm~1mmである、請求項9に記載の電動ファン。
【請求項12】
前記第二のディフューザ羽根の数は、前記第一のディフューザ羽根の数よりも多い、請求項2に記載の電動ファン。
【請求項13】
前記第二のディフューザ羽根は、第一の羽根構造と第二の羽根構造とを含み、前記第二のディフューザ通路の気流方向に沿って、前記第二の羽根構造は、本体部と厚肉化部とを順に含み、前記厚肉化部と前記本体部との接続箇所は、前記第二の羽根構造の弦長の0.5~0.8倍の位置に位置し、前記第二の羽根構造の前記内筒体から離れる端は、外縁であり、前記本体部の外縁の厚さは、前記第二の羽根構造の弦長の0.1~0.3倍の位置に前記気流方向に沿って徐々に増大し、前記厚肉化部の外縁の厚さは、前記気流方向に沿って変わらず、前記第一の羽根構造は、隣接する前記第二の羽根構造の間に設けられる、請求項2に記載の電動ファン。
【請求項14】
前記第二の羽根構造の外縁の最小厚さは、前記第二の羽根構造の外縁の最大厚さの0.1~0.3倍である、請求項13に記載の電動ファン。
【請求項15】
前記ケーシングアセンブリは、前記シュラウドから離れる端に電子制御板が設けられ、前記シュラウドと前記電子制御板との軸方向における最大距離は、Hであり、前記電動ファンの最大入力パワーは、Pであり、前記電動ファンの最大パワー密度は、σであり、σ=P/(3.14*(D2/2)
2*H)であり、前記σは、0.0045W/mm
3以上である、請求項1に記載の電動ファン。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の電動ファンを含む、掃除機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月6日に提出され、出願番号が202111040388.4であり、名称が「電動ファン及び掃除機器」である中国特許出願、及び2021年9月6日に提出され、出願番号が202122146261.2であり、名称が「電動ファン及び掃除機器」である中国実用新案登録出願の優先権を主張しており、その内容のすべては、援用により本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、電動ファンの技術分野に関し、特に電動ファン及び掃除機器に関する。
【背景技術】
【0003】
集塵器などの関連する家庭用掃除機器の発展に伴い、電動ファンは、製品のコア動力部材として、徐々に小型、軽量及び高出力の方向に発展してきた。しかしながら、従来の技術では、電動ファンが小型及び軽量の要求を満たすとともに、そのパワーは、一定の影響を受ける。同様に、電動ファンが一定のパワー要求を満たすとともに、そのサイズもそれに応じて増加するので、上記問題を解決するために、電動ファンの構造を最適化する必要もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、従来の技術で存在する技術問題のうちの一つを少なくとも解決することを目的とする。そのため、本開示は、小型の需要を満たし、且つ電動ファンのパワー上限を大幅に向上させることができる電動ファンを提案する。
【0005】
本開示は、さらに上記電動ファンを有する掃除機器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一の態様の実施例による電動ファンは、シュラウドと、前記シュラウド内に設けられ、且つ前記シュラウドとの間に吸気通路が形成される可動インペラであって、前記可動インペラは、可動インペラ本体と前記可動インペラ本体の外周に設けられる吸気羽根とを含み、前記可動インペラ本体の最大外縁直径は、D1である、可動インペラと、外筒体と前記外筒体内に設けられる支持構造とを含むケーシングアセンブリであって、前記外筒体は、前記シュラウドと接続され、前記外筒体の外径は、D2である、ケーシングアセンブリと、前記支持構造と接続され、且つ前記支持構造の前記可動インペラに接近する端に位置する固定インペラであって、前記固定インペラと前記外筒体との間に第一のディフューザ通路が形成され、前記第一のディフューザ通路は、前記吸気通路と連通し、前記固定インペラは、支持台と前記支持台の外周に設けられる第一のディフューザ羽根とを含み、前記支持台の外径は、D3である、固定インペラと、前記可動インペラを回転駆動するためのモータとを含み、ここで、D2=(1.2-1.6)D1であり、D2=(1.15-1.6)D3である。
【0007】
本開示の実施例による電動ファンは、少なくとも以下のような有益な効果を有する。モータは、可動インペラを回転駆動し且つ気流を形成し、気流は、吸気通路から第一のディフューザ通路内に入って加圧された後に流れ出す。この技術案の電動ファンは、外筒体の外径D2と可動インペラ本体の最大外縁直径D1及び支持台の外径D3という三者の間の関係:D2=(1.2-1.6)D1、D2=(1.15-1.6)D3を限定することによって、ケーシングアセンブリの外径サイズが一定である場合に、且つ電動ファンのディフューザ効果を両立させると同時に、可動インペラと支持台のサイズを大きくすることができ、それによって可動インペラの吸気量を増やし、モータの回転速度を向上させ、さらに電動ファンのパワーを大幅に増加させ、電動ファンが小型要求を満たすことを確保すると同時に、パワーの最大化を実現することができることで、外径が45mm以下である電動ファンは、450Wのパワー要求を満たすことができ、電動ファンの小型化と軽量化を実現し、小型電動ファンのパワー上限を大幅に向上させる。
【0008】
本開示のいくつかの実施例により、前記支持構造は、内筒体と前記内筒体内に設けられる取り付けハブとを含み、前記内筒体と前記外筒体との間に第二のディフューザ通路が形成され、前記第二のディフューザ通路は、前記第一のディフューザ通路の排気端と連通し、前記内筒体と前記外筒体との間に第二のディフューザ羽根が設けられ、前記固定インペラは、前記取り付けハブに取り付けられる。
【0009】
本開示のいくつかの実施例により、前記取り付けハブは、軸受取り付け台と接続構造とを含み、前記接続構造は、前記軸受取り付け台と前記内筒体との間に設けられ、前記軸受取り付け台に少なくとも一つの第一のシール段差が設けられ、前記第一のシール段差は、前記支持台の内壁とシール嵌合する。
【0010】
本開示のいくつかの実施例により、前記接続構造は、前記軸受取り付け台の周方向に沿って間隔をおいて分布する複数の接続リブを含み、少なくとも二つの前記接続リブにいずれも第一の接続穴が設けられ、前記支持台に少なくとも二つの第二の接続穴が設けられ、前記第一の接続穴と前記第二の接続穴とは、締結具を挿入して固定される。
【0011】
本開示のいくつかの実施例により、前記支持台は、前記第一のシール段差とシール嵌合する位置に、軸方向に沿って延伸する第一の嵌合面と径方向に沿って延伸する第二の嵌合面とを有し、前記第一のシール段差は、接続され且つなす角を形成する第一の壁面と第二の壁面とを有し、前記第一の壁面は、前記第一の嵌合面と当接し、前記第二の壁面は、前記第二の嵌合面と当接し、前記なす角は、90°以上である。
【0012】
本開示のいくつかの実施例により、前記内筒体内に固定子収容キャビティが形成され、前記モータは、固定子アセンブリを含み、前記固定子アセンブリは、前記ケーシングアセンブリと接続され、且つ少なくとも一部が前記固定子収容キャビティ内に伸び込み、前記内筒体の前記固定インペラから離れる端に切り欠き溝が設けられ、前記切り欠き溝は、前記固定子収容キャビティと前記第二のディフューザ通路とを連通させる。
【0013】
本開示のいくつかの実施例により、前記内筒体に第二のシール段差が設けられ、前記第二のシール段差は、前記支持台の内周壁とシール嵌合する。
【0014】
本開示のいくつかの実施例により、前記支持台は、前記第一のディフューザ通路の吸気端に遷移セグメントが設けられ、前記遷移セグメントは、前記吸気通路から前記第一のディフューザ通路に流れるように気流をガイドするために用いられる。
【0015】
本開示のいくつかの実施例により、前記遷移セグメントの外郭線は、弧形を呈している。
【0016】
本開示のいくつかの実施例により、前記遷移セグメントの外郭線両端の接続線が位置する直線と水平線とのなす角は、30°~65°である。
【0017】
本開示のいくつかの実施例により、前記可動インペラの軸方向に沿って、前記遷移セグメントの外郭線の、前記吸気通路の排気端に接近する端と前記可動インペラ本体の最大外縁との距離は、0.5mm~1mmである。
【0018】
本開示のいくつかの実施例により、前記第二のディフューザ羽根の数は、前記第一のディフューザ羽根の数よりも多い。
【0019】
本開示のいくつかの実施例により、前記第二のディフューザ羽根は、第一の羽根構造と第二の羽根構造とを含み、前記第二のディフューザ通路の気流方向に沿って、前記第二の羽根構造は、本体部と厚肉化部とを順に含み、前記厚肉化部と前記本体部との接続箇所は、前記第二の羽根構造の0.5~0.8倍の弦長の位置に位置し、前記第二の羽根構造の前記内筒体から離れる端は、外縁であり、前記本体部の外縁の厚さは、前記第二の羽根構造の0.1~0.3倍の弦長の位置に前記気流方向に沿って徐々に増大し、前記厚肉化部の外縁の厚さは、前記気流方向に沿って変わらず、前記第一の羽根構造は、隣接する前記第二の羽根構造の間に設けられる。
【0020】
本開示のいくつかの実施例により、前記第二の羽根構造の外縁の最小厚さは、前記第二の羽根構造の外縁の最大厚さの0.1~0.3倍である。
【0021】
本開示のいくつかの実施例により、前記ケーシングアセンブリは、前記シュラウドから離れる端に電子制御板が設けられ、前記シュラウドと前記電子制御板との軸方向における最大距離は、Hであり、前記電動ファンの最大入力パワーは、Pであり、前記電動ファンの最大パワー密度は、σであり、σ=P/(3.14*(D2/2)2*H)であり、前記σは、0.0045W/mm3以上である。
【0022】
本開示の第二の態様の実施例による掃除機器は、以上の実施例に記載の電動ファンを含む。
【0023】
本開示の実施例による掃除機器は、少なくとも以下のような有益な効果を有する。
【0024】
第一の態様の実施例を採用した電動ファンについて、電動ファンは、モータによって可動インペラを回転駆動し且つ気流を形成し、気流は、吸気通路から第一のディフューザ通路内に入って加圧された後に流れ出す。電動ファンは、外筒体の外径D2と可動インペラ本体の最大外縁直径D1及び支持台の外径D3という三者の間の関係:D2=(1.2-1.6)D1、D2=(1.15-1.6)D3を限定することによって、ケーシングアセンブリの外径サイズが一定である場合に、且つ電動ファンのディフューザ効果を両立させると同時に、可動インペラと支持台のサイズを大きくすることができ、それによって可動インペラの吸気量を増やし、モータの回転速度を向上させ、さらに電動ファンのパワーを大幅に増加させ、電動ファンが小型要求を満たすことを確保すると同時に、パワーの最大化を実現することができることで、外径が45mm以下である電動ファンは、450Wのパワー要求を満たすことができ、小型電動ファンのパワー上限を大幅に向上させ、掃除機器の小型化と軽量化に有利である。
【0025】
本開示の追加の態様と利点は、以下の記述において部分的に与えられ、部分的に以下の記述において明らかになり、又は本開示の実践によって理解される。
以下では、図面と実施例を結び付けながら、本開示をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一つの実施例の電動ファンの一つの角度の断面図である。
【
図2】本開示の一つの実施例の電動ファンの別の角度の断面図である。
【
図3】本開示の一つの実施例のケーシングアセンブリと固定インペラの分解概略図である。
【
図4】本開示の一つの実施例の可動インペラの構造概略図である。
【
図5】本開示の一つの実施例のケーシングアセンブリの一つの角度の構造概略図である。
【
図6】本開示の一つの実施例のケーシングアセンブリの外筒体を取り外した後の構造概略図である。
【
図7】本開示の一つの実施例のケーシングアセンブリの別の角度の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本開示の実施例を詳細に記述し、前記実施例の例は、図面において示され、ここで、同じ又は類似している記号は、終始に同じ又は類似している素子又は同じ又は類似機能を有する素子を表す。以下では、参照図面によって記述された実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示に対する制限として理解されるべきではない。
【0028】
本開示の記述において、方位記述に関し、例えば上、下などにより指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本開示の記述を容易にし、記述を簡略化するためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本開示に対する制限として理解されるべきではない。
【0029】
本開示の記述において、複数は、二つ以上を指す。第一、第二と記述された場合は、技術的特徴を区別するという目的のためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示し又は指示される技術的特徴の数を暗黙に指明し又は指示される技術的特徴の前後関係を暗黙に指明すると理解されるべきではない。
【0030】
本開示の記述において、特に明確な限定がない限り、設置、取り付け、接続などの用語は、広義に理解されるべきであり、当業者は、技術案の具体的な内容を結び付けながら上記用語の本開示における具体的な意味を合理的に決定してもよい。
【0031】
図1に示すように、本開示は、電動ファンを提供し、電動ファンは、集塵器などの掃除機器において使用できる。電動ファンは、集塵器などの掃除機器のコア機能部材として、電動ファンの性能の良否は、集塵器などの掃除機器の品質の優劣を直接に決める。特にハンドヘルド型集塵器又はロボット掃除機などの携帯型掃除機器について、掃除機器は、すでに徐々に軽量化、携帯化の方向に発展し、それは、電動ファンの小体積、高出力と軽量などに対して要求がさらに厳しくなる。
【0032】
現在、市販されている外径が45mm以下である電動ファンは、いずれも450Wのパワーを達成することができず、これに基づき、本開示の実施例における電動ファンは、内部構造を最適化することによって、小型需要を満たすとともに、電動ファンのパワーを大幅に向上させることができ、外径が45mm以下である電動ファンが450Wのパワーを達成することができることを確保し、電動ファンの最大パワー密度σが0.0045W/mm3よりも小さくないことを保証する。
【0033】
具体的には、
図1と
図2を参照すると、本開示の実施例において提供された電動ファンは、シュラウド100と、可動インペラ200と、ケーシングアセンブリ400と、固定インペラ300と、モータとを含む。ここで、可動インペラ200は、シュラウド100内に取り付けられ、且つシュラウド100との間に吸気通路110を画定する。モータは、可動インペラ200を回転駆動して、気流を形成するために用いられる。気流が吸気通路110に入った後に、気流の運動エネルギーは、増加する。
図4を参照すると、可動インペラ200は、可動インペラ本体210と可動インペラ本体210の外周に設けられる吸気羽根220とを含み、可動インペラ本体210に取り付け溝又は取り付け穴が設けられ、モータは、可動インペラ本体210の取り付け溝又は取り付け穴内に伸び込んで、可動インペラ本体210と伝動接続され、さらに可動インペラ200全体を動かして回転させ、気流を形成するために用いられる。集塵器などの掃除機器は、電動ファンの負圧作用で、地上又は他の媒体表面上の塵埃、ゴミなどの異物を掃除機器のバグフィルター又は他の処理構造内に吸い込むことができ、塵埃などの異物を吸い込むという動作を完了する。ここで、可動インペラ本体210の最大外縁直径は、D1であり、即ち可動インペラ本体210の外郭線の径方向における最大距離は、D1である。
【0034】
図1から
図3を参照すると、ケーシングアセンブリ400は、外筒体410及び外筒体410内部に設置される支持構造(図示せず)を含み、外筒体410は、シュラウド100と接続され、外筒体410の外径は、D2である。固定インペラ300は、支持構造と接続され、且つ固定インペラ300は、支持構造の可動インペラ200に接近する端に設置され、支持構造は、固定インペラ300を支持する作用を果たす。固定インペラ300と外筒体410との間に第一のディフューザ通路310を画定し、第一のディフューザ通路310の吸気端は、吸気通路110の排気端と連通し、それによって気流は、吸気通路110から第一のディフューザ通路310内に流通する。気流が吸気通路110から第一のディフューザ通路310に流れ込んだ後に、第一のディフューザ通路310は、気流の運動エネルギーを気圧エネルギーに転化させ、ディフューザ効果を実現することで、気流の圧力を上昇させ、それによって第一のディフューザ通路310の排気端から流れ出す気流は、より遠く吹いて、電動ファンの排気強度と排気効率を増加させる。
【0035】
なお、支持構造と外筒体410との間に軸方向に沿う通路が確保され、気流は、第一のディフューザ通路310から出た後に、通路を介して吹き出すことができ、排気効果を実現する。支持構造は、嵌着、溶接又は接続部材を介して繋がりなどの方式を採用して外筒体410の内部に設けられてもよく、外筒体410と一体成形されてもよく、ここでそれに対して具体的に限定しない。
【0036】
図3を参照すると、固定インペラ300は、支持台320と第一のディフューザ羽根330とを含み、第一のディフューザ羽根330は、支持台320の外周に間隔をおいて設置され、支持台320の外径は、D3である。支持台320は、内周壁と内周壁内に設けられる内壁とを有する。ここで、内周壁は、筒状を呈し、内壁は、筒状の内周壁内に設けられ、且つ中心位置にスルーホールが設けられる。第一のディフューザ羽根330は、内周壁の壁面に設けられ、且つ内周壁の周方向に沿って間隔をおいて配置される。ここで、D2=(1.2-1.6)D1であり、D2=(1.15-1.6)D3であり、外筒体410の外径D2即ちケーシングアセンブリ400の外径サイズが一定である場合に、且つ電動ファンのディフューザ効果を両立させると同時に、可動インペラ200と支持台320のサイズをできるだけ大きくすることができる。具体的には、可動インペラ本体210の最大外縁直径D1の大きさをD2/(1.2-1.6)に設定する時に、可動インペラ200全体のサイズもそれに応じて増大し、従来の同一外径規格の電動ファンにおける可動インペラ200と比べると、可動インペラ200のサイズは、増加し、それによって可動インペラ200が回転する時の吸気量を増やす。支持台320の外径D3の大きさをD2/(1.15-1.6)に設定する時に、支持台320のモータを収容するための内部キャビティもそれに応じて増大し、従来の同一外径規格の電動ファンにおけるモータ収容キャビティと比べると、支持台320のモータを収容するための内部キャビティの大きさは、増加し、それによってモータの固定子アセンブリ500をできるだけ大きくすることができ、さらにモータの出力パワーを増やすことで、モータが可動インペラの回転速度を大きくすることができ、単位時間における吸気量を向上させるようにする。
【0037】
要するに、電動ファンの外径サイズが一定である場合に、外筒体410の外径D2と可動インペラ本体210の最大外縁直径D1及び支持台320の外径D3という三者の間の関係を限定することによって、電動ファンのディフューザ効果を両立させると同時に、可動インペラ200と支持台320のサイズをできるだけ大きくすることができ、可動インペラ200の吸気量を増やし、モータが可動インペラ200を動かす回転速度を向上させ、それによって電動ファンの気流の吸い込み量を大幅に増加させる。電動ファンが小型要求を満たすことを確保すると同時に、即ち電動ファンの外径サイズが変わらないことを保持すると同時に、パワーの最大化を実現することができることで、外径が45mm以下である電動ファンは、450Wのパワー要求を満たすことができ、集塵器などの掃除機器の小型化と軽量化に有利である。
【0038】
図1から
図3及び
図5を参照すると、いくつかの実施例では、支持構造は、内筒体420と取り付けハブ430とを含み、内筒体420の内部に取り付け空間が形成され、取り付けハブ430は、内筒体420の内部に設置され、即ち取り付け空間内に設置される。固定インペラ300は、取り付けハブ430上に設置され、取り付けハブ430は、固定インペラ300を支持と固定する作用を果たす。内筒体420と外筒体410との間に第二のディフューザ通路440を画定し、即ち前文に記載の確保される通路を形成する。第二のディフューザ通路440の吸気端は、第一のディフューザ通路310の排気端と連通することで、気流は、第一のディフューザ通路310から第二のディフューザ通路440内に流通し、さらに第二のディフューザ通路440から流れ出すことができる。
【0039】
内筒体420と外筒体410との間に第二のディフューザ羽根450が設置され、第二のディフューザ羽根450は、第二のディフューザ通路440内に位置し、気流は、第一のディフューザ通路310から流れ出した後に、続いて第二のディフューザ通路440内に入り、気流は、第二のディフューザ羽根450の作用で加圧し続け、さらに気流の排気強度を補強する。ここで、第二のディフューザ羽根450は、内筒体420の外壁面上に固定され、又は外筒体410の内壁面上に固定されてもよく、さらに内筒体420の外壁面と外筒体410の内壁面との間に同時に固定されてもよく、ここでそれに対して具体的に限定しない。
【0040】
さらに、
図5を参照すると、取り付けハブ430は、接続構造(図示せず)と軸受取り付け台431とを含み、接続構造は、軸受取り付け台431と内筒体420との間に設置され、接続構造は、固定インペラ300と接続されて、固定インペラ300を固定と支持するために用いられる。接続構造と固定インペラ300は、ネジ接続、係止又は柱体と係止溝との嵌着などの方式によって固定されてもよい。
【0041】
続いて
図1、
図2、
図3と
図5を参照すると、軸受取り付け台431の周壁上に若干の第一のシール段差321が設けられ、第一のシール段差321の数は、1つ、2つ又は2つ以上に設定されてもよい。軸受取り付け台431は、支持台320の内壁により形成されるスルーホールを通過し、且つ第一のシール段差321を介して支持台320の内壁とシール嵌合し、気流が吸気通路110の排気端を流れ出した後に支持台320の内部に流れ込むことを回避し、それによって気流の損失を減少させ、気流の排気強度を保証し、電動ファンの作動効率を効果的に保証する。第一のシール段差321の数は、実際の取り付け需要に応じて設定されてもよく、第一のシール段差321の数が複数に設定される場合、複数の第一のシール段差321は、軸方向に沿って順に分布する。同様に、支持台320の内壁の嵌合面も第一のシール段差321の数と形状・大きさに応じて設置され、シール嵌合を実現する。
【0042】
具体的には、
図1から
図3を参照すると、支持台320は、第一のシール段差321とシール嵌合する位置に第一の嵌合面と第二の嵌合面とを有し、ここで、第一の嵌合面は、軸方向に沿って延伸し、第二の嵌合面は、径方向に沿って延伸する。第一のシール段差321は、第一の壁面3211と第二の壁面3212とを有し、第一の壁面3211と第二の壁面3212とは、接続され且つなす角を形成し、即ち第一の壁面3211と第二の壁面3212との間は、一定のなす角を有し、なす角は、90°よりも小さくない。言い換えれば、第一の壁面3211と第二の壁面3212との間のなす角は、90°以上である。ここで、第一の壁面3211は、第一の嵌合面と当接すれば、支持台320と第一のシール段差321との軸方向におけるシールを実現することができ、第二の壁面3212は、第二の嵌合面と当接すれば、支持台320と第一のシール段差321との径方向におけるシールを実現することができる。
【0043】
ここで、本実施例における「当接」は、第一の壁面3211と第一の嵌合面とが接触し且つ少なくとも一部の構造が互いに貼り合わされることができ、且つ第二の壁面3212と第二の嵌合面とが接触し且つ少なくとも一部の構造が互いに貼り合わされることができると理解されてもよく、それによって軸方向と径方向の二つの方向におけるシール効果を達成し、支持台320と第一のシール段差321との嵌合時のシール性を確保する。なお、第一の壁面3211と第二の壁面3212との間に形成されるなす角を90°以上に設定することで、さらに離型を容易にし、生産しやすく、シール効果もよりよい。
【0044】
同様に、
図1、
図2、
図3と
図5を参照すると、内筒体420に第二のシール段差421が設けられ、第二のシール段差421は、支持台320とシール嵌合し、言い換えれば、第二のシール段差421は、支持台320の内周壁と貼り合わされ、気流が内筒体420と第二のシール段差421との嵌合箇所を介して内筒体420内に入ることを回避し、それによって気流の漏洩を減少させ、気流の安定性及び加圧効果を保証する。第一のシール段差321と第二のシール段差421の二重設置によって、気流が内筒体420に漏れることを回避する効果を達成することができ、シール性がよりよい。気流が第二のディフューザ通路440の排気端から流れ出す時に、気流の気圧は、より安定的であり、強度がより高く、電動ファンの作動効能の向上に有利である。
【0045】
取り付けハブ430は、軸受取り付け台431上の第一のシール段差321を介して支持台320と嵌合すると同時に、さらに接続構造を介して支持台320と堅固な接続を実現する。接続構造は、複数のリブ体を軸受取り付け台431の周りに設置する形式を採用してもよく、シール板を軸受取り付け台431の外部に套設する方式を採用してもよく、即ち軸受取り付け台431と内筒体420との間に環状のシール板が設けられ、シール板の内輪は、軸受取り付け台431と接続され、シール板の外輪は、内筒体420と接続されてもよく、さらに複数の座体とリブ体を間隔をおいて分布する方式などを同時に採用してもよく、ここでそれに対して具体的に限定しない。
【0046】
図1、
図2、
図3と
図5を参照すると、いくつかの実施例では、接続構造は、複数の接続リブ432を含み、接続リブ432は、周方向に沿って軸受取り付け台431の周りに間隔をおいて分布し、接続リブ432の数は、実際の需要に応じて設定されてもよく、例えば、接続リブ432の数は、6~9本などに設定されてもよく、ここでそれに対して具体的に限定しない。少なくとも二つの接続リブ432にいずれも第一の接続穴4321が設置され、支持台320に第二の接続穴322が設けられ、第二の接続穴322の数は、第一の接続穴4321と一致する。第一の接続穴4321と第二の接続穴322とは、締結具を挿入して固定されて、支持台320と接続リブ432とを接続し、それによって固定インペラ300を内筒体420に取り付け、固定インペラ300とケーシングアセンブリ400との間の固定作動を実現する。
【0047】
なお、接続構造は、複数の接続リブ432を間隔をおいて設置する方式を採用し、軸受取り付け台431と内筒体420とを接続すると同時に、さらに製品の生産用材料量を減少させ、生産コストを減少させることができる。第一の接続穴4321と第二の接続穴322の数は、実際の接続需要に応じて2つ又は3つなどに設定されてもよく、ここでそれに対して具体的に限定しない。
【0048】
いくつかの実施例では、三つの等ピッチで分布する接続リブ432にいずれも第一の接続穴4321が設置され、支持台320に三つの等ピッチで分布する第二の接続穴322が設けられ、第一の接続穴4321と第二の接続穴322との位置は、一対一に対応する。同様に、締結具は、三つ設けられ、締結具は、対応して第一の接続穴4321と第二の接続穴322を順に通過した後に、支持台320と接続リブ432とを接続して、固定インペラ300とケーシングアセンブリ400とを接続する。ケーシングアセンブリ400と固定インペラ300とは、三つの位置によって接続固定を実現し、安定的な三角関係を形成することができ、よりしっかり接続される。
【0049】
さらに、接続リブ432の数は、3の倍数であり、それによってケーシングアセンブリ400と固定インペラ300との間の接続要求を満たし、支持台320と接続リブ432との間が三つの等ピッチの位置によって接続することができることを確保し、固定インペラ300の取り付け需要を満たし、取り付けの利便性と安定性を向上させる。
【0050】
軸受取り付け台431内に軸受取り付け室4311が形成される。モータは、固定子アセンブリ500と回転子アセンブリ600とを含み、固定子アセンブリ500は、ケーシングアセンブリ400上に取り付けられ、且つ固定子アセンブリ500は、第二のディフューザ通路440の排気端に接近する端に位置する。固定子アセンブリ500とケーシングアセンブリ400とは、外筒体410の径方向において完全にずれ又は部分的にずれる。回転子アセンブリ600は、回転軸610と軸受620とを含み、軸受620は、軸受取り付け室4311内に取り付けられる。回転軸610の第一の端は、固定子アセンブリ500内に設置され、回転軸610の第二の端は、軸受620を通過した後に可動インペラ200に接続されて、可動インペラ200を回転駆動し、気流を形成する。
【0051】
即ち、回転軸610は、軸受620を通過した後に、回転軸610の第一の端は、固定子アセンブリ500と嵌合し、回転軸610の第二の端は、可動インペラ本体210内に伸び込んで、可動インペラ200に接続される。ここで、軸受620は、回転軸610を支持する作用を果たすことができ、回転軸610が固定子アセンブリ500の作用で可動インペラ200を迅速に動かして回転させることができることを確保して、気流を形成し、排気を実現する。
【0052】
外筒体410の径方向において、固定子アセンブリ500とケーシングアセンブリ400とが完全にずれる場合、電動ファンのサイズは、それに応じて増加する。さらに、
図1と
図2を参照すると、内筒体420の内部に固定子アセンブリを収容するための固定子収容キャビティ422が形成され、固定子アセンブリ500は、ケーシングアセンブリ400と接続され、且つ少なくとも一部が固定子収容キャビティ422内に伸び込む。即ち、固定子アセンブリ500がケーシングアセンブリ400と接続された後に、固定子アセンブリ500は、径方向において内筒体420と部分的に重なって、固定子アセンブリ500の可動インペラ200から離れる端とケーシングアセンブリ400の可動インペラ200から離れる端との軸方向における距離を短縮させ、それによって電動ファン全体の軸方向サイズを減少させ、電動ファンのサイズの大きさを大幅に低減させ、同様なモータパワーでより小型の設置要求を満たすことができる。
【0053】
図1、
図2と
図7を参照すると、回転軸610は、固定子アセンブリ500と協働し、且つ固定子アセンブリ500の作用で高速回転する。内筒体420の固定インペラ300から離れる端に切り欠き溝423が設けられる。内筒体420の固定インペラ300から離れる端で一部の壁面を切除した後に、切り欠き溝423を形成する。固定子収容キャビティ422は、切り欠き溝423を介して第二のディフューザ通路440と連通することで、固定子収容キャビティ422と、切り欠き溝423と、第二のディフューザ通路440との間は、互いに連通し、モータの放熱通路424を形成する。
【0054】
モータが作動する時に、回転軸610及び固定子アセンブリ500内部には熱量が発生し、且つ発熱の現象が現れる。固定子収容キャビティ422と、切り欠き溝423と、第二のディフューザ通路440との間が順に連通して放熱通路424を形成するため、固定子アセンブリ500と回転軸610が発生した熱量は、放熱通路424を介して放熱することができ、熱量は、放射放熱及び伝導放熱などの方式によって迅速に拡散し、それによってモータが作動する時に発生した熱量を奪い、迅速な放熱降温を実現することができ、それによって固定子アセンブリ500と回転軸610の温度を効果的に低減させ、電動ファンの作動時の安定性と安全性を保証し、モータの耐用年数を向上させる。
【0055】
切り欠き溝423の数は、実際の需要に応じて一つ、二つ、三つ又は三つ以上などに設定されてもよい。切り欠き溝423が二つに設定される場合、切り欠き溝423は、対称設置の方式を採用してもよい。熱気流は、固定子収容キャビティ422からそれぞれ二つの切り欠き溝423から流れ出し、均一な放熱を実現する。切り欠き溝423が三つ又は三つ以上に設定される場合、切り欠き溝423同士は、等ピッチで内筒体420の固定インペラ300から離れる端に間隔をおいて分布してもよく、それによって均一な放熱に有利であり、放熱効果がよりよい。
【0056】
回転軸610が可動インペラ200を動かして回転させる時に、気流は、吸気通路110と第一のディフューザ通路310に沿って順に流動する。
図1と
図2を参照すると、いくつかの実施例では、支持台320に遷移セグメント323が設けられ、遷移セグメント323は、支持台320の第一のディフューザ通路310の吸気端に接近する端に位置し、遷移セグメント323は、気流が吸気通路110から第一のディフューザ通路310に流れるように、吸気通路110から第一のディフューザ通路310内に流れ込むように気流をガイドするために用いられ、気流が吸気通路110から第一のディフューザ通路310に入る時の運動エネルギー損失を最大限に減少させることができ、排気効率がより高い。
【0057】
遷移セグメント323は、円錐形、皿形又は円錐形と皿形を組み合わせて形成する構造を呈してもよく、即ち、遷移セグメント323の外郭線は、傾斜している直線状、弧形を呈してもよく、又は若干の傾斜直線及び/又は若干の弧線の接続によって成ってもよい。
図1から
図3を参照すると、いくつかの実施例では、遷移セグメント323の外郭線は、弧形を呈し、即ち遷移セグメント323は、皿形構造を呈し、それによって平滑遷移を実現することができ、比較的に良い導流効果を有する。
【0058】
さらに、遷移セグメント323の外郭線は、第一の端と第二の端とを有し、第一の端は、軸方向において第二の端よりも高く、言い換えれば、軸方向において、第一の端は、第二の端より可動インペラ200により接近する。遷移セグメント323の外郭線の両端の接続線が位置する直線と水平線とのなす角は、30°~65°であり、即ち遷移セグメント323の外郭線の第一の端と第二の端との接続線と水平線とのなす角は、30°~65°である。気流が可動インペラ200から固定インペラ300に流通する時に、即ち第一のディフューザ通路310から第二のディフューザ通路440に流通する過程において、気流は、高速低圧の状態から低速高圧の状態に転化する。遷移セグメント323の外郭線の第一の端と第二の端との接続線と水平線とのなす角を30°~65°に設定することで、比較的に良い遷移作用を有し、ディフューザ効果を確保し、気流が第一のディフューザ通路310から第二のディフューザ通路440に入る時のディフューザ需要を満たす。ここで、水平線は、電動ファンを
図1に示す状態に置く時に、水平線が内筒体420の径方向に平行であると理解されてもよい。
【0059】
さらに、可動インペラ200の軸方向に沿って、遷移セグメント323の外郭線の、吸気通路の排気端に接近する端と、可動インペラ本体210の最大外縁との距離は、0.5mm~1mmである。この距離によれば、気流が可動インペラ本体210の最大外縁を経た後に遷移セグメント323の外郭に直接流動し、さらに吸気通路110の排気端から第一のディフューザ通路310内に流れ込むことを確保することができ、それによって比較的に良い遷移効果を実現し、距離が大き過ぎる時に一部の気流が支持台320と可動インペラ200との間に形成される隙間内に漏洩することを引き起し、気流損失をもたらし、それによって排気効率に影響を与えることを回避する。同時に、距離が小さ過ぎる時に引き起こされる取り付け不便を回避することができる。この距離を0.5mm~1mmに設定することによって比較的に良い取り付け効果を確保することができ、取り付けやすく、且つ電動ファンの排気効率を確保することができる。
【0060】
気流は、第一のディフューザ通路310に入って加圧された後に、続いて第二のディフューザ通路440内に入って二次加圧される。いくつかの実施例では、第二のディフューザ羽根450の数は、第一のディフューザ羽根330の数よりも多い。第二のディフューザ羽根450は、第一のディフューザ通路310から流れ出す気流を複数に分岐することができ、さらに気流の圧力脈動を低減させ、気流の安定に有利であり、減速増圧の効果を有し、ノイズの低減に有利である。
【0061】
ここで、第一のディフューザ通路310における第一のディフューザ羽根330と第二のディフューザ通路440における第二のディフューザ羽根450の形状、厚さ及び設置角度などは、いずれも実際の需要に応じて設定されてもよい。さらに、
図6を参照すると、第二のディフューザ羽根450は、第一の羽根構造451と第二の羽根構造452とを含み、第二のディフューザ通路440の気流方向に沿って、第二の羽根構造452は、本体部と厚肉化部とを順に含む。厚肉化部の厚さは、本体部の厚さよりも大きく、厚肉化部と本体部との接続箇所は、第二の羽根構造452の弦長の0.5~0.8倍の位置に位置する。
【0062】
第二の羽根構造452の内筒体420から離れる端は、外縁であり、即ち第二の羽根構造452の外筒体410に接近する端は、外縁である。本体部の外縁の厚さは、第二の羽根構造452の弦長の0.1~0.3倍の位置に気流方向に沿って徐々に増大し、厚肉化部の外縁の厚さは、気流方向に沿って変わらない。
【0063】
言い換えれば、第二の羽根構造452は、周方向に沿って突出する弧形面4521を有し、弧形面4521の第二のディフューザ通路440の吸気端に接近する端は、前縁を有し、弧形面4521の第二のディフューザ通路440の排気端に接近する端は、後縁を有し、前縁と後縁との弧形面4521上の接続線は、弦長を形成する。第二の羽根構造452の周方向における厚さは、前縁の弦長の0.1~0.3倍の位置から後縁の弦長の0.2~0.5倍の位置まで徐々に増大し、第二の羽根構造452の周方向における厚さは、後縁の弦長の0.2~0.5倍の位置から後縁位置まで変わらないように保持する。第一の羽根構造451は、二つの隣接する第二の羽根構造452の間に設置される。第二の羽根構造452の厚さは、気流方向に沿って徐々に増大した後に変わらないように保持することで、気流の流通面積は、徐々に減少した後に変わらないように保持し、第二のディフューザ羽根450の気流に対する加圧効果を実現する。同時に、この方式によって設置される第二の羽根構造452は、後縁に比較的厚い構造を形成することができるため、第二の羽根構造452の後縁にパンクチャして固定子アセンブリ500を取り付けることを容易にし、固定子アセンブリ500の取り付けを実現すると同時に、気流のディフューザ効果を確保する。
【0064】
さらに、第二の羽根構造452の外縁の最小厚さは、第二の羽根構造452の外縁の最大厚さの0.1~0.3倍であり、即ち第一の羽根構造451の周方向における最小厚さは、第一の羽根構造451の周方向における最大厚さの0.1~0.3倍であり、それによって安定的に増圧する効果を実現することができる。なお、第二の羽根構造452の外縁の最大厚さは、パンクチャの要求を満たすべきである。なお、第二の羽根構造452の外縁の最小厚さは、約0.4mm~0.5mmに設定されてもよく、それによって第二の羽根構造452の外縁が薄過ぎて製品不良を引き起こすという現象を回避し、製品の起型不良率を低減させる。
【0065】
さらに、
図1、
図2、
図6と
図7を参照すると、電動ファンは、電子制御板700と少なくとも二つの第一のネジ締結具とをさらに含み、電子制御板700は、外筒体410のシュラウド100から離れる端と接続される。ここで、外筒体410は、少なくとも二つの支持アーム412が電子制御板700に接近する端に延伸し、支持アーム412は、内筒体420に接近する側に延伸し、且つ第二の羽根構造452と接続され、即ち第二の羽根構造452の厚肉化部と接続される。支持アーム412に第一のネジ穴4121が設けられ、第一のネジ穴4121は、外筒体410の軸方向に沿って設置される。電子制御板700に少なくとも二つの第一の連通穴710が設けられ、第一の連通穴710は、外筒体410の軸方向に沿って設置され、且つ第一の連通穴710の数と位置は、第一のネジ穴4121の数と位置に対応する。第一のネジ締結具は、連通穴を対応して通過した後に第一のネジ穴4121に伸び込んで、電子制御板700と支持アーム412とを接続し、電子制御板700とケーシングアセンブリ400との固定を実現する。
【0066】
いくつかの実施例では、電動ファンは、三つの第一のネジ締結具を含み、外筒体410は、三つの支持アーム412が電子制御板700に接近する端に延伸する。同様に、電子制御板700に三つの第一の連通穴710が設けられ、外筒体410と電子制御板700は、第一のネジ締結具が対応して挿入された後に固定される。より具体的には、3つの支持アーム412は、等ピッチで外筒体410の電子制御板700に接近する端に分布し、三つの第一の連通穴710は、等ピッチで電子制御板700に分布し、且つ支持アーム412上の第一のネジ穴4121に一対一に対応する。ケーシングアセンブリ400と電子制御板700とは、三つの位置によって接続固定を実現し、安定的な三角関係を形成することができ、よりしっかり接続される。
【0067】
よりさらに、
図7を参照すると、電動ファンは、少なくとも二つの第二のネジ締結具をさらに含み、固定子アセンブリ500に少なくとも二つの位置決め溝と少なくとも二つの第二の連通穴が設けられ、第二のディフューザ羽根450の電子制御板700に接近する側に少なくとも二つのボス453が設けられ、ボス453に第二のネジ穴4531と位置決め柱4532が設けられる。ここで、第二の連通穴と第二のネジ穴4531は、いずれも外筒体410の軸方向に沿って設置される。位置決め柱4532と位置決め溝とは、互いに嵌合し、位置決めを実現する。第二のネジ締結具は、第二の連通穴を対応して通過した後に第二のネジ穴4531に伸び込んで、固定子アセンブリ500とボス453とを接続し、それによって固定子アセンブリ500とケーシングアセンブリ400との接続を実現する。
【0068】
いくつかの実施例では、電動ファンは、三つの第二のネジ締結具を含み、固定子アセンブリ500に三つの位置決め溝と三つの第二の連通穴が設けられ、第二のディフューザ羽根450の電子制御板700に接近する側に三つのボス453が設けられる。ケーシングアセンブリ400と固定子アセンブリ500とは、三つの位置によって接続固定を実現し、安定的な三角関係を形成することができ、よりしっかり接続される。
【0069】
よりさらに、第二のディフューザ羽根450の数は、3の倍数であり、それによってケーシングアセンブリ400と電子制御板700との間、ケーシングアセンブリ400と固定子アセンブリ500との間がそれぞれ三つの接続位置によって接続することを容易にし、取り付け固定作動に利便性をもたらす。
【0070】
ケーシングアセンブリ400は、外筒体410を介してシュラウド100と接続され、シュラウド100と外筒体410との間は、例えば嵌着、溶接又はシール嵌合などの方式を採用して接続してもよい。さらに、
図1と
図2を参照すると、シュラウド100の外筒体410に接近する端に第三のシール段差120が設けられ、外筒体410のシュラウド100に接近する端に第四のシール段差411が設けられ、第三のシール段差120は、第四のシール段差411とシール嵌合し、装置のシール性を向上させるとともに、迅速な位置決め、取り付けを実現することができる。
【0071】
本開示の実施例における電動ファンは、内部構造を最適化することによって、小型需要を満たすとともに、電動ファンのパワーを大幅に向上させることができ、電動ファンの最大パワー密度σが0.0045W/mm3よりも小さくないことを保証し、電動ファンのパワー需要を満たす。ここで、σ=P/(3.14*(D2/2)2*H)であり、なお、Hは、シュラウド100と電子制御板700との軸方向における最大距離であり、即ち、軸方向において、シュラウド100の電子制御板700から離れる端と電子制御板700のシュラウド100から離れる端との距離は、Hである。D2/2は、外筒体410の外径D2の二分の一である。なお、Pは、電動ファンの最大入力パワーであり、最大入力パワーPが電動ファンの仕様値であり、且つ電動ファンの最大入力パワーPが製品の銘板上にマークされるため、ここで詳しい説明を省略する。
【0072】
本開示の実施例では、掃除機器をさらに提供し、掃除機器は、以上の実施例に記載の電動ファンを含み、電動ファンにおけるモータを介して可動インペラ200を回転駆動し且つ気流を形成し、気流は、吸気通路110から第一のディフューザ通路310内に入って加圧された後に流れ出す。この間、掃除機器は、電動ファンの作用で負圧を形成し、且つ掃除機器の吸い込み口を介して床板又は他の清掃すべき媒体表面上の塵埃などの物を掃除機器内に吸い込んで、掃除作動を行う。電動ファンは、外筒体410の外径D2と、可動インペラ本体210の最大外縁直径D1及び支持台320の外径D3という三者の間の関係、即ち:D2=(1.2-1.6)D1、D2=(1.15-1.6)D3を限定することによって、電動ファンが小型要求を満たすことを確保すると同時に、パワーの最大化を実現することができ、それによって外径が45mm以下である電動ファンは、450Wのパワー要求を満たすことができ、小型電動ファンのパワー上限を大幅に向上させ、掃除機器の小型化と軽量化に有利である。
【0073】
以上では、図面を結び付けながら本開示の実施例を詳細に説明したが、本開示は、上記実施例に限らず、当業者が備えている知識範囲において、さらに本開示の趣旨から逸脱しない前提で様々な変化を行ってもよい。
【符号の説明】
【0074】
100 シュラウド、110 吸気通路、120 第三のシール段差、200 可動インペラ、210 可動インペラ本体、220 吸気羽根、300 固定インペラ、310 第一のディフューザ通路、330 第一のディフューザ羽根、320 支持台、321 第一のシール段差、3211 第一の壁面、3212 第二の壁面、322 第二の接続穴、323 遷移セグメント、400 ケーシングアセンブリ、410 外筒体、412 支持アーム、4121 第一のネジ穴、411 第四のシール段差、440 第二のディフューザ通路、450 第二のディフューザ羽根、451 第一の羽根構造、452 第二の羽根構造、4521 弧形面、453 ボス、4531 第二のネジ穴、4532 位置決め柱、420 内筒体、421 第二のシール段差、422 固定子収容キャビティ、423 切り欠き溝、424 放熱通路、430 取り付けハブ、431 軸受取り付け台、4311 軸受取り付け室、432 接続リブ、4321 第一の接続穴、500 固定子アセンブリ、600 回転子アセンブリ、610 回転軸、620 軸受、700 電子制御板、710 第一の連通穴
【国際調査報告】