(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-19
(54)【発明の名称】改善された色素吸収のためのマイクロエマルジョンベース、及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
A23K 20/179 20160101AFI20240809BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240809BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240809BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240809BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240809BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240809BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240809BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240809BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240809BHJP
A61K 31/015 20060101ALI20240809BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20240809BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240809BHJP
A23L 5/41 20160101ALI20240809BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20240809BHJP
A23K 20/158 20160101ALI20240809BHJP
A23D 7/005 20060101ALN20240809BHJP
【FI】
A23K20/179
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/34
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/24
A61K47/18
A61K47/44
A61K31/015
A61K31/045
A61P3/00 171
A23L5/41
A61K9/107
A23K20/158
A23D7/005
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579367
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022035926
(87)【国際公開番号】W WO2023278828
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500462328
【氏名又は名称】ケミン、インダストリーズ、インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】KEMIN INDUSTRIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ドンゴル,クリシュナ・ゴパール
(72)【発明者】
【氏名】カウ,レオウ・サイ
(72)【発明者】
【氏名】コー,イン・シン
(72)【発明者】
【氏名】リン,テイ・ペック
【テーマコード(参考)】
2B150
4B018
4B026
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
2B150AA01
2B150AA06
2B150AB01
2B150AB04
2B150AE13
2B150AE22
2B150AE23
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2B150DA36
2B150DA37
4B018LB05
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4C206AA01
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4C206NA05
4C206NA11
4C206ZC21
(57)【要約】
本発明は、自己乳化マイクロエマルジョンベースとして機能することができ、水又は水相の添加を必要としないマイクロエマルジョンベースに関する。本発明の組成物は、鹸化された色素に直接適用されて、改善された色素吸収を伴う安定なマイクロエマルジョンを形成することができる。本発明の別の態様は、改善された色素吸収を伴う安定なマイクロエマルジョンを製造するための方法に関する。本発明の別の態様は、動物に色素又はカロテノイドを送達して動物に好ましい属性を付与するための安定なマイクロエマルジョンの使用方法に関する。本発明の別の態様は、色素又はカロテノイドの向上された送達、溶解度、及び吸収を伴う2つの機能を持つマイクロエマルジョン系に関する。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長鎖脂肪酸、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、バイオ乳化剤、及び少なくとも1つの共界面活性剤を含み、水の添加を必要としない、マイクロエマルジョンベース。
【請求項2】
前記長鎖脂肪酸が、オレイン酸エチルである、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項3】
前記少なくとも1つの非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン、ポリグリセロールポリリシノレエート、ポリソルベート(Tween20、40、60、65、80、85)、及びソルビタンモノラウレート(SPAN20から85)から成る群より選択される、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項4】
前記バイオ乳化剤が、レシチン、リゾレシチン、又は混合物である、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項5】
前記少なくとも1つの共界面活性剤が、短鎖アルコールである、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項6】
前記少なくとも1つの共界面活性剤が、グリセロール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、n-ペンタノール、ヘキサノール、ソルビトール、n-ペンタン酸、n-ヘキサン酸、n-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、2-アミノペンタン、1,2-ブタンジオール、プロピレングリコール、及びグリセロールから成る群より選択される、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項7】
油相としての約12.5~50重量%の範囲内の量のオレイン酸エチル、11.5~20.5重量%の範囲内の量の第一の非イオン性界面活性剤、16.5~29重量%の範囲内の量の第二の非イオン性界面活性剤、14~25重量%の範囲内の量のレシチン、及び7.5~14重量%の範囲内の量のプロピレングリコールを含む、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項8】
オレイン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸、オレイン酸エチル、ニーム油、タイム油、クローブ油、オイゲノール、シナモン油、ユーカリ油、レモングラス油、ローズ油、ラベンダー油、カルバクロール油、及びこれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1つの精油をさらに含む、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項9】
プロピオン酸、ギ酸、及び乳酸から成る群より選択されル少なくとも1つの酸をさらに含む、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項10】
pH2~12の範囲内で安定である、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項11】
少なくとも1つのカロテノイド、色素、及び/又は他の水不溶性生物活性構成成分若しくは栄養素とさらに組み合わされる、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース。
【請求項12】
少なくとも1つのカロテノイド、色素、及び/又は他の水不溶性生物活性構成成分、又は栄養素を動物に送達する方法であって、
油相、1又は複数の非イオン性界面活性剤、1又は複数の共界面活性剤、及びバイオ乳化剤を含有するマイクロエマルジョンベースを、
前記少なくとも1つのカロテノイド、色素、及び/又は他の水不溶性生物活性構成成分、又は栄養素、
と組み合わせることを含む、方法。
【請求項13】
前記油相が、オレイン酸エチルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記マイクロエマルジョンベースが、前記少なくとも1つのカロテノイド、色素、及び/又は他の水不溶性生物活性構成成分、又は栄養素の少なくとも50%を乳化するために、約5~8重量%の範囲内の量で添加される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記カロテノイドが、ルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、trans-カプサンチン、カプソルビン、ビオラキサンチン、アポカロテノイド、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項16】
前記鹸化された色素が、約72~87g/kgの総カロテノイド、及び約50~74g/kgの範囲内の総ルテインを含有する、請求項17に記載の方法。
【請求項17】
魚又は動物による色素又はカロテノイドの吸収を増加させる方法であって、前記魚又は動物に、請求項1に記載のマイクロエマルジョンベース及び鹸化された色素を含むマイクロエマルジョンを投与することを含む、方法。
【請求項18】
組成物が、家禽食餌に組み込まれ、卵黄カラースコアの上昇をもたらす、請求項19に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、水産食餌に組み込まれ、前記魚の外部色素の強度上昇をもたらす、請求項19に記載の方法。
【請求項20】
前記鹸化された色素が、72g/kg~87g/kgの総カロテノイド、及び50g/kg~74g/kgの範囲内の総ルテインを含有する、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
色素は、ブロイラーの皮膚の着色及び卵黄の色を向上させるために、食品産業において広く用いられている。しかし、カロテノイド及びキサントフィルなどの多くの色素は、水に不溶性であり、動物体内での溶解度及び吸収が制限される。このため、所望される結果を実現するために、より高用量の色素が必要であり、このことは、全体のコストを上昇させる。したがって、カロテノイド、特にルテインなどの天然の又は植物ベースの色素の価格は、ある特定の用途には高価過ぎることが多く、したがって、高用量範囲では費用対効果が悪い。
【背景技術】
【0002】
Quantum GLO(商標)(Kemin Industries)は、キサントフィルの溶解度及び吸収を改善するためのマイクロエマルジョンを含有する市販の製品である。このマイクロエマルジョン系は、合成界面活性剤、水、及び油相を含有し、活性成分の最大濃度は20g/kgである。この製品の有益性にもかかわらず、より少ない量で含むことができるが、生体利用度及び吸収は改善された高濃縮マイクロエマルジョンが、例えば、より高い>40g/kgのキサントフィルを封入可能である新規マイクロエマルジョンが、依然として求められている。
【発明の概要】
【0003】
これらの既存の制限を克服するために、本発明者らは、水不溶性色素の溶解度を改善する新規な高濃縮マイクロエマルジョンベースを識別した。この改善により、より多い量がこれまで必要とされていた用途で従来から制限されてきた色素を含めることが可能となる。より具体的には、本発明者らは、驚くべきことに、新規なマイクロエマルジョンベースが、鹸化された色素に適用可能であり、鹸化された色素内の水が、安定なマイクロエマルジョンを形成することを見出した。
【0004】
本発明は、水相を必要としないマイクロエマルジョンベースを含有する組成物に関する。本発明者らは、驚くべきことに、本発明の組成物が、鹸化された色素と組み合わされて、改善された色素吸収を伴う安定なマイクロエマルジョンを形成することができることを識別した。本発明の別の態様は、「自己乳化」マイクロエマルジョンベースとして機能することができる、高濃度のバイオ乳化剤/界面活性剤を含む組成物に関する。本発明の別の態様は、油相、1又は複数の非イオン性界面活性剤、1又は複数の共界面活性剤、及びバイオ乳化剤を含有するマイクロエマルジョンベースを、少なくとも1つのカロテノイド、色素、及び/又は他の水不溶性生物活性構成成分若しくは栄養素と組み合わせることによって、少なくとも1つのカロテノイド、色素、及び/又は他の水不溶性生物活性構成成分若しくは栄養素を動物に送達する方法に関する。
【0005】
本発明の別の態様は、改善された色素吸収を伴う安定なマイクロエマルジョンを製造するための方法に関する。本発明の別の態様は、改善された色素吸収など、動物又は魚に対して好ましい属性を付与するための安定なマイクロエマルジョンの使用方法に関する。本発明のマイクロエマルジョンベースは、水不溶性色素の生体内での低い溶解度及び生体利用度の課題に対処するものである。本発明のなお別の態様は、色素の向上された送達、溶解度、及び吸収を伴う2つの機能を持つ(two-in-one)マイクロエマルジョン系に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、1時間後の水中における色素の分散を示し、マイクロエマルジョンを含有するサンプルは、水中での色素の分散を示している。
【
図2A】
図2は、マイクロエマルジョンの一連の顕微鏡画像である。
図2A~
図2Bは、マイクロエマルジョンベースを含まない水と油との混合物の顕微鏡画像である。
【
図2B】
図2は、マイクロエマルジョンの一連の顕微鏡画像である。
図2A~
図2Bは、マイクロエマルジョンベースを含まない水と油との混合物の顕微鏡画像である。
【
図2C】
図2は、マイクロエマルジョンの一連の顕微鏡画像である。
図2C~
図2Dは、マイクロエマルジョンベースが添加された水と油との混合物の顕微鏡画像である。
【
図2D】
図2は、マイクロエマルジョンの一連の顕微鏡画像である。
図2C~
図2Dは、マイクロエマルジョンベースが添加された水と油との混合物の顕微鏡画像である。
【
図3】
図3は、相図であり、ME w/o領域は、透明なマイクロエマルジョン(ME)が得られる所望される組み合わせを表し、ME o/w領域は、エマルジョンの領域を表す。
【
図4A】
図4は、代表的なTEM顕微鏡画像を示す(2μm):A)新規なマイクロエマルジョンベースを含む鹸化された濃縮物(「sap con」)の顕微鏡画像。
【
図4B】
図4は、代表的なTEM顕微鏡画像を示す(2μm):B)鹸化された濃縮物のみの顕微鏡画像。
【
図4C】
図4は、代表的なTEM顕微鏡画像を示す(2μm):C)既存のマイクロエマルジョンを含む鹸化された濃縮物の顕微鏡画像。
【
図5A】
図5は、代表的なTEM顕微鏡画像を示す(500nm):A)新規なマイクロエマルジョンベースを含む鹸化された濃縮物の顕微鏡画像。
【
図5B】
図5は、代表的なTEM顕微鏡画像を示す(500nm):B)鹸化された濃縮物のみの顕微鏡画像。
【
図5C】
図5は、代表的なTEM顕微鏡画像を示す(500nm):C)現行のマイクロエマルジョンを含む鹸化された濃縮物の顕微鏡画像。
【
図6】
図6は、新規なマイクロエマルジョンを含む鹸化された濃縮物及び鹸化された濃縮物のみの粒径分布を示す。
【
図7】
図7は、金橙色であるQuantum Glo 40プロトタイプの写真である。
【
図8】
図8は、各処理群のルテイン含有量の比較を示す。
【
図9A】
図9A~
図9Eは、飼料に色素を含めた場合及び含めていない場合(コントロール)による、異なる処理の卵黄の色の変動を示す写真である。
【
図9B】
図9A~
図9Eは、飼料に色素を含めた場合及び含めていない場合(コントロール)による、異なる処理の卵黄の色の変動を示す写真である。
【
図9C】
図9A~
図9Eは、飼料に色素を含めた場合及び含めていない場合(コントロール)による、異なる処理の卵黄の色の変動を示す写真である。
【
図9D】
図9A~
図9Eは、飼料に色素を含めた場合及び含めていない場合(コントロール)による、異なる処理の卵黄の色の変動を示す写真である。
【
図9E】
図9A~
図9Eは、飼料に色素を含めた場合及び含めていない場合(コントロール)による、異なる処理の卵黄の色の変動を示す写真である。
【
図10】
図10は、様々な温度でのQuantum GLO 40の回収を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、自己乳化マイクロエマルジョンベースとして機能することができる高濃度のバイオ乳化剤/界面活性剤を含む組成物に関する。本発明の組成物は、鹸化された色素に直接適用されて、改善された色素吸収を伴う安定なマイクロエマルジョンを形成することができる。本発明の別の態様は、改善された色素吸収を伴う安定なマイクロエマルジョンを製造するための方法に関する。本発明の別の態様は、改善された色素吸収などの好ましい属性を付与するための安定なマイクロエマルジョンの使用方法に関する。本発明の別の態様は、色素の向上された送達、溶解度、及び吸収を伴う2つの機能を持つマイクロエマルジョン系に関する。
【0008】
少なくとも1つの実施形態によると、本発明は、オレイン酸エチルなどの油相としての長鎖脂肪酸エステル、1又は複数の食品グレードエトキシル化非イオン性界面活性剤(一般的にポリオキシル35ヒマシ油又はエトキシル化ヒマシ油として理解されるEL35、及び一般的にはポリソルベート80又はポリエチレンソルビトールエステルとして理解されるTween80など)、加水分解及び非加水分解レシチン、並びにプロピレングリコールなどの少なくとも1つの短鎖アルコール共界面活性剤を用いた系を含有する自己乳化マイクロエマルジョンベースである。ある特定の実施形態では、列挙した構成成分は、表1に開示される量で存在する。限定されない例として、例えば、鹸化された色素を含むマイクロエマルジョンベースをおよそ5~8%含めることで、組成物は、鹸化された色素中に存在する約7~8%の水で安定なマイクロエマルジョンを形成することができ、50%超の鹸化された色素を乳化することができる。
【0009】
【表1】
少なくとも1つの実施形態によると、本発明は、マイクロエマルジョンベースの鹸化された色素に対する比を包含する。
【0010】
別の実施形態によると、本発明は、2つの異なるマイクロエマルジョン系の組み合わせを取り入れて高濃縮マイクロエマルジョンベースを製剤することができる自己乳化マイクロエマルジョンベースである。
【0011】
限定されない例として、1つの実施形態では、オレイン酸エチル/EL35及びオレイン酸エチル/EL35-Tween80が、カロテノイドに適する送達系である。なおさらに、短鎖アルコールを添加することで、界面活性剤の溶解度特性を変化させるその能力に起因して、ナノ/マイクロエマルジョンの形成が改善される。系内の合成界面活性剤の高い含有量を低減するために、レシチン/リゾレシチンが、バイオ界面活性剤として所望に応じて含まれてもよい。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン、ポリグリセロールポリリシノレエート(polyglycerol polyracinoleate)、ポリソルベート(Tween20、40、60、65、80、85)、及びソルビタンモノラウレート(SPAN 20から85)から成る群より選択される。少なくとも1つの実施形態では、乳化剤は、レシチン及び/若しくはリゾレシチン(例:ダイズ、タマゴ、ヒマワリ、ナタネ、コメヌカ)、又はポリオキシルヒマシ油(Cremophor EL)-10から80である。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、レシチン/リゾレシチンベースのマイクロエマルジョンは、オレイン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸、オレイン酸エチル、ニーム油、タイム油、クローブ油、オイゲノール、シナモン油、ユーカリ油、レモングラス油、ローズ油、ラベンダー油、カルバクロール油、及びこれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1つの精油を含む。
【0014】
少なくとも1つの実施形態によると、レシチン/リゾレシチンベースのマイクロエマルジョンを含めることは、それが天然源であること、及び吸収を高めるという実績が証明されていることから、望ましい。様々な研究から、色素製品と共にリゾレシチンを飼料に添加することで、産卵鶏における色素吸収を改善することができることが示されてきた。
【0015】
本発明の別の実施形態は、二重作用マイクロエマルジョン系に関し、これは、新規な高濃縮自己乳化バイオ界面活性剤マイクロエマルジョンベースである。少なくとも1つの実施形態によると、マイクロエマルジョンベースは、水相を必要としない。この新規なベース製剤は、天然色素などの鹸化された色素に適用されて、鹸化された色素中に存在する水を利用して安定なマイクロエマルジョンを形成することができる。
【0016】
当業者であれば、本発明の多種多様な有益な属性を容易に理解し得るものではあるが、ある特定の態様について簡潔に論ずる価値はある。
【0017】
例えば、少なくとも1つの実施形態によると、本発明は、マイクロエマルジョンベースを作製するための、オレイン酸エチル、Tween80、EL35、ダイズ/ナタネレシチン(加水分解及び非加水分解)、及びプロピレングリコールの組み合わせを含む透明な液体である。ある特定の実施形態では、マイクロエマルジョンベースは、鹸化された色素に直接適用されて、水中油型マイクロエマルジョンが得られる。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、約5~6%を例とする少量で添加されて約50%以上の鹸化された色素を乳化することができる自己乳化マイクロエマルジョンベースである。この成果により、マイクロエマルジョンベースに水を必要とせずに色素を使用し、代わりに鹸化された色素内の含有水を利用して生体内で安定なマイクロエマルジョンを形成するという柔軟性が得られる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、1又は複数のマイクロエマルジョン系の新規な組み合わせである。例えば、EL35は、より良好な乳化能力を有し得るものの、当業者であれば、それが、合成界面活性剤に起因して健康に有害な影響を有し得ることは理解されよう。オレイン酸エチル/EL35及びオレイン酸エチル/EL35-Tween80マイクロエマルジョンの一部を、加水分解及び非加水分解レシチンマイクロエマルジョンで置き換えることによって、研究者らは、予想外なことに、EL35に類似の合成界面活性剤を多量に含めることを回避することができた。
【0020】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、油相のみを含有してマイクロエマルジョンベースが得られる独特の組成物である。界面活性剤/油相及び水相を含有する典型的なマイクロエマルジョンの代わりに、本発明は、界面活性剤/共界面活性剤及びオレイン酸エチルを油相として含み、水相を必要とせずに製剤されたベースである。少なくとも1つの実施形態によると、水相は、鹸化された色素によって与えられる。水相の量が予め固定されていないことで、本発明は、適用時における改善された柔軟性を有する。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によると、組成物は、オレイン酸エチル(油相としての長鎖脂肪酸エステル)、EL35及びTween80、レシチン(加水分解及び非加水分解)、並びにプロピレングリコール(短鎖アルコール共界面活性剤)を含有する、鹸化された色素と乳化してその水溶性を改善するマイクロエマルジョンベースを含む。別の選択肢としての実施形態では、本発明の組成物は、所望に応じて、バイオ乳化剤を含んでもよい。別の選択肢としての実施形態では、組成物は、所望に応じて、少なくとも1つの精油を含んでもよい。本明細書で述べる成分は、いかなる組み合わせで又はいかなる順序で組み合わされてもよい。
【0022】
少なくとも1つの実施形態では、組成物は、約10~50重量%、例えば約13~40%又は12.5~30%の範囲内の量のオレイン酸エチル、約11.5~20.5%、例えば約12~20%の範囲内の量のEL35及び約16.5~29%、例えば約17~29%の範囲内の量のTween80などの少なくとも1つのエトキシル化非イオン性界面活性剤、約14~25%、例えば約18~25%の範囲内の量のダイズ/ナタネレシチンなどのバイオ乳化剤、並びに約7.5~14%、例えば約10~14%の範囲内の量のプロピレングリコールを含むがこれに限定されない短鎖アルコールなどの少なくとも1つの共界面活性剤を含む。
【0023】
少なくとも1つの実施形態によると、組成物は、自己乳化し、鹸化された色素中に存在する水分で安定なマイクロエマルジョンを形成する能力を有する適切なマイクロエマルジョンベースを含む。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によると、組成物は、固定された量の水相を必要としない。少なくとも1つの実施形態では、組成物は、水相を含まない。例えば、少なくとも1つの実施形態では、マイクロエマルジョンベースは、水を添加する必要がない。別の選択肢としての実施形態では、マイクロエマルジョンベースは、所望に応じて、水相又は存在する水を含んでもよい。
【0025】
少なくとも1つの実施形態によると、本発明のマイクロエマルジョンベースは、例えばpH4~10などのpH2~12の範囲内で安定である。別の選択肢としての実施形態では、マイクロエマルジョンベースは、pH5~9の範囲内で安定である。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によると、本発明のマイクロエマルジョンベースは、カロテノイド及び/又は他の水不溶性栄養素を含有する製品を乳化させるために適用することができる。例えば、少なくとも1つの実施形態によると、マイクロエマルジョンベースは、ルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、trans-カプサンチン、カプソルビン、ビオラキサンチン、アポカロテノイド、及びこれらの混合物を含有する製品を乳化するために用いることができる。
【0027】
少なくとも1つの実施形態では、本発明の組成物は、約5~8%の範囲内の量で、又は好ましい実施形態では、約5~6%の範囲内の量で添加されて又は含められて、鹸化された色素の少なくとも50%を乳化することができる。
【0028】
少なくとも1つの実施形態によると、鹸化された色素は、約60~90g/kg、例えば70~85g/kg又は72g/kg~87g/kgの範囲内の量の総カロテノイド、及び約40~85g/kg、例えば45~80g/kg又は50g/kg~74g/kgの範囲内の総ルテインを含有する。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によると、本発明は、可溶化能力及びリンパ輸送を向上させるために長鎖油のオレイン酸エチルを所望に応じて含めるマイクロエマルジョンの製造方法に関する。様々な研究において、薬物のリンパ輸送が油の鎖長に依存しており、したがって、長鎖油の方がより大きく向上させることが観察されている。
【0030】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、水中での色素分散を改善する方法に関する。例えば、本発明の自己乳化マイクロエマルジョンベースプロトタイプは、水中でのより大きい乳化度を示した。より大きい吸収には水への溶解度が非常に重要であることから、マイクロエマルジョンベースを含めることは、ブロイラー及び産卵鶏における色素の溶解度及び吸収を改善することになる。例えば、本発明の一態様は、本発明の組成物を動物の飼料に組み込んで、卵黄のカラースコアを高めることに関する。別の選択肢としての実施形態では、マイクロエマルジョンベースは、魚の皮膚及び鱗の色強度を高めるために、水産飼料に用いられる。本発明はまた、他の水不溶性分子と共に用いることができる可能性もある。
【0031】
本発明の追加の有益性としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる。
・高い乳化性、すなわち、最終乾燥品中、少なくとも5%の透明マイクロエマルジョンベースで、50%超の鹸化された色素を自己乳化することができる。好ましい実施形態によると、マイクロエマルジョンの全組成物は、87、88、89、又は90%の鹸化された色素など、約85~91%の鹸化された色素、5、6、7、8、9、又は10%の水など、約5~10%の水、及び8、9、10、11、12、13、又は14%のマイクロエマルジョンベースなど、約8~14%のマイクロエマルジョンベースである。
・水への溶解度が低い色素を水中に分散させることができ、及び本発明の添加によって、油及び水中に小ミセルを形成することができる。
・合成界面活性剤を多量に含めることを回避するために、オレイン酸エチル/EL35及びオレイン酸エチル/EL35-Tween80マイクロエマルジョンの一部を、加水分解及び非加水分解レシチンマイクロエマルジョンで置き換えた好ましい成分であり、既存のマイクロエマルジョンは、そのような構成成分を含有していない。
・リンパ輸送及び可溶化能力を向上させることができる。
【0032】
実施例
例1:分散実験により、水中での色素の分散の改善が示された。
【0033】
研究者らは、鹸化された色素及び自己乳化マイクロエマルジョンベースを評価した(9:1の色素対ベース)。5.95gのマイクロエマルジョンベースを、55.5gの鹸化された色素に添加した。この混合物を充分に混合して確実にマイクロエマルジョンを形成させ、このサンプルの0.16gを秤量し、水に添加した。混合物を1時間静置した。コントロールは、マイクロエマルジョンを含めることなく色素を含んでいた。コントロールに対して比較して、研究者らは、乱したり撹拌したりすることなく、色素の分散が生じたことを観察した(
図1)。
【0034】
分散実験から、新規なマイクロエマルジョン製品が、水中の色素の分散において、コントロールと比較してより優れていることが示された。これらの結果は、本発明の組成物が、ルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、trans-カプサンチン、カプソルビン、ビオラキサンチン、アポカロテノイド、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されないカロテノイドに適する送達系であることを示している。
【0035】
例2:粒径分析
研究者らは、ナノ粒子解析装置Horiba SZ-100Zを用い、当業者であれば容易に分かる方法を用いてサンプルの粒径を分析した。表1は、分析の概略を含む。ナノエマルジョンは、一般に、およそ10~100nmの範囲内の粒径を有することを特徴とする。分析から得た結果に基づいて、研究者らは、製剤されたマイクロエマルジョンプロトタイプが実際にはナノエマルジョンであったと結論付けた。
【0036】
【表2】
例3:小ミセルの観察
本発明の相互作用を試験するために、研究者らは、水及び油を用いて自己乳化マイクロエマルジョンベースを分析した。方法:1gのサンプルを調製し、10gの水と油との混合物(8:2の水:油)に添加した。次に、この混合物に30秒間のボルテックス撹拌を施し、すぐにスライドに添加した。結果:スライドを、倍率4×の光学顕微鏡下で観察した(
図2)。研究者らは、マイクロエマルジョンベースを含めたサンプル中に小ミセルが視認可能であることを観察した。
【0037】
図2を参照すると、新規なマイクロエマルジョンベースは、乳化して小ミセルを形成可能であることが観察された(
図2c~
図2d)。マイクロエマルジョンベースなしでは、油と相が2つの別々の相として存在している。研究者らは、マイクロエマルジョンベースの添加によって水中油型マイクロエマルジョンが形成されているものと結論付けることができた。
【0038】
例4:三相図
相図を用いて、マイクロエマルジョンを特性評価し、及び相図の領域中に形成されるエマルジョンの種類、すなわち水中油型(o/w)又は油中水型(w/o)に対する変動要素(variables)を特定した。この相図は、油相としてオレイン酸エチルを、水相として水を、界面活性剤及び共界面活性剤としてEL/Tween80/アルコールを用いて構築した。油相、水、及び界面活性剤/共界面活性剤の様々な比(重量基準)を、相図の3つの相にプロットした。EL35/Tween80/短鎖アルコールの割合は、1.98:2.81:2.4:1.31の重量比で固定した。次に、3つの変動要素の10gを15mlのコニカルチューブに入れ、60分間にわたってボルテックス撹拌した。混合後、混合物を静置して観察した。
【0039】
相図は、水、油相、界面活性剤(EL35、Tween80、リン脂質、及びプロピレングリコール)の間の関係性を調べるために構築した(
図3)。
【0040】
例5:透過型電子顕微鏡観察(TEM)
透過型電子顕微鏡観察(TEM)は、電子のビームを検体に透過させて画像を形成するという顕微鏡観察技術である。TEM分析の前に、サンプルを脱イオン水で50倍に希釈した。20μLのサンプルを、カーボン被覆銅グリッド上に30秒間にわたって滴下した。過剰のサンプルをろ紙で除去した。20μLの2%酢酸ウラニルを用いて30秒間の負染色を行った。過剰の染色剤をろ紙で除去し、その後デシケータ中で一晩乾燥させた。FEI Tecnai G2 Spirit Biotwin下でスライドを観察した。
【0041】
酢酸ウラニル染色剤を用いて、脂質とタンパク質との相互作用によって画像コントラストを高めた。合計で3つのサンプルを調製し、TEM画像を記録した(
図4~
図7)。研究者らは、鹸化された濃縮物、新規なマイクロエマルジョンベースを含む鹸化された濃縮物、及び既存の/これまでのマイクロエマルジョン調合剤を含む鹸化された濃縮物のTEM画像を調べた。
【0042】
例6:粒径分析
サンプルを水で希釈し、粒径分布を、Malvern DLS粒子分析器によって測定した。粒径分布の結果は、TEM画像を介して得られた観察結果を支持するものであった。鹸化された濃縮物は、新規なMEが添加された場合に、より小さい粒径を有しており、分布曲線のシフトが見られた(
図6)。
【0043】
例7:マイクロエマルジョンを含む色素製品Quantum GLO 40Y製剤
trans-ルテイン(80%)及びゼアキサンチン(5%)の脂肪酸エステルから成る合計で少なくとも150g/kgのキサントフィルを含むマリーゴールドオレオレジンを、最終製品としてのQuantum GLO 40を製造するために取り置いた。カロテノイドのエステルであるマリーゴールドオレオレジンを、表3の組成に従って鹸化し、そこで、遊離カロテノイド及び脂肪酸誘導体が放出された。マイクロエマルジョンベースを、鹸化された濃縮物(sap conc)に添加して(表4)、鹸化された色素内に存在する水分を用いてマイクロエマルジョンを形成させた。
【0044】
【0045】
【表4】
その後、マイクロエマルジョンをベースとする鹸化された濃縮物(sap conc)混合物を、ドライシリカキャリア上に噴霧し、
図7に示すように金橙色を有する、40g/kgのキサントフィルを含む粉末製品Quantum GLO 40Y Dryを製造した。
【0046】
例8:Quantum GLO 40Y(マイクロエマルジョンを含む色素)添加食餌による動物(産卵鶏)試験
280羽の市販品種(Hy-Lineブラウン)の産卵鶏を、5つの処理群に割り当て、各処理群は、実験単位として8羽の鶏を含む5つの反復群(replications)を有していた。実際に用いる食餌を製剤して、コントロール食餌として用いた。表5に概要を示すように、試験色素製品をコントロール食餌に添加した。
【0047】
【表5】
鶏に色素サプリメントを6週間与えた後、異なる処理群の卵黄のカラーファンスコア、ルテイン含有量、卵重量、飼料摂取量、及び飼料要求率(FCR)を比較し、そのデータを表6に示す。ルテイン含有量分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行った。
【0048】
色素あり及び色素なしの食餌サプリメントを与えた後の卵黄カラーファン(YCF)及びルテイン含有量の6週間後の結果が表6である。
【0049】
【表6】
表6に概要を示した結果から、色素を含有する製品を鶏に与えることが、FCR、卵生産、卵重量、死亡率、及び飼料摂取量などの鶏の健康上の能力に有害な影響を及ぼすことなく、着色に対する明確な効果を有することが示された。0.5kg/tでのQuantum GLO 40Y Dryは、数値上は最も高いYCFスコアを有するが、統計的には、1kg/tのQuantum GLO Y Dryと同様である。0.4kg/tでのQuantum GLO 40Y DryのYCFスコアは、Quantum GLO Y Dryからの統計的差異を示したが、1kg/tで鶏に色素サプリメントを与えるOro GLO 20 Dryとの統計的差異はなかった。結果から、0.4kg/t(40%)のQuantum GLO 40Y Dry(新規マイクロエマルジョンを含む)が、1kg/tのOro GLO 20 Dry(マイクロエマルジョンなし)と比較した場合、YCFスコアにおいて同等の効果を示したことが分かった。
図8に示されるように、ルテイン含有量をグラフにプロットし、処理の効果を比較した。
【0050】
ルテインの生体利用度を、1kg/tのOro GLO 20 Dry及びQuantum GLO Y Dry、0.5kg/tのQuantum GLO 40Y Dry、並びに0.4kg/tのQuantum GLO 40 Y Dryの処理について評価した。データの概要を表7に示す。
【0051】
【表7】
表7に概要を示した結果から、Quantum GLO 40Y Dryが、Quantum GLO Y Dry及びOro GLO 20 Dryよりも高い生体利用度を有することが示された。このことから、0.4kg/tでのQuantum GLO 40Y Dryのルテイン生体利用度が、Quantum GLO Y Dryよりも高く、Oro GLO 20 Dryよりも非常に高いことが示された。
【0052】
最後に、
図9に示されるように、回収された卵の一部を、すべての処理についての色評価に用いた。例えば、Oro GLO 20 Dryと、他の処理、すなわち1kg/tのQuantum GLO Y Dry、Quantum GLO Y Dry、0.5kg/tでのQuantum GLO 40 Y Dry、及び0.4kg/tでのQuantum GLO 40Y Dryとの間には、卵黄色の明確な差異が観察された。
【0053】
例9:Quantum GLO 40Y Dryを用いた後のブロイラー皮膚色に関する商業農家からのフィードバック
Quantum GLO 40の効果について、競合製品を置き換えることによる、及び非マイクロエマルジョン製品のOro GLO 20 Dryを置き換えることによる、顧客による試験を行った。顧客からのフィードバックに基づくと、Quantum 40Y Dryは、表8のように、競合製品と比較して、より向上されたブロイラーの皮膚及び足の色を示した。
【0054】
【表8】
例10:Quantum GLO 40Y Dry使用後の産卵鶏商業農家フィードバック
Changhua County Egg Farm,Taiwanにおいて、Kem GLO DryとQuantum GLO 40との2:1の混合物を、HENDRIXブラウン産卵鶏の品種の鶏30000羽に、31~37週間の期間にわたって添加して与えた。顧客のフィードバックに基づくと、1週間にわたってQuantum GLO 40Y Dryを与えた後、卵黄中のルテイン含有量が200g増加した。顧客は、これまでの黄色色素製品(Oro Glo 20 Dry)と比較して、より良好な色素吸収に起因したより高いルテインの蓄積を指摘した。
【0055】
例11:ペレット化条件における熱安定性試験
Quantum GLO 40の高温での安定性を試験して、飼料のペレット化プロセス中に製品の安定性が維持されることを確認した。ペレット化温度安定性を試験するために、25℃、75℃、85℃、95℃、105℃、115℃の6つの温度点を選択した。オーブンが設定温度に到達した後に、サンプルを10分間オーブンに入れた。続いて、サンプル中のキサントフィルの回収率を次に測定し、回収は、3連で行った。
図10に示されるように、結果から、新規マイクロエマルジョンを含むQuantum GLO 40が、10分間の115℃まで安定であり、回収率は99.03%であることが示された。
【0056】
本発明を具体的な組成物、効果の理論などを参照して記載してきたが、当業者であれば、本発明がそのような例示的な実施形態又は機構に限定されることを意図するものではないこと、及び添付の請求項に定める本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、改変が成され得ることは明らかであろう。そのような明らかな改変及び変更のすべてが、添付の請求項に定める本発明の範囲内に含まれることを意図している。請求項は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、意図される目的を満たすために有効である任意の順序で、請求される成分及び工程を包含することを意図している。
【0057】
本明細書で表される組成及び範囲の少しの用量及び製剤の改変が成されてもよく、依然として本発明の範囲及び趣旨に含まれることもさらに理解されたい。
【0058】
上記の記載内容は、例証及び記述の目的で提示してきた。それは、網羅的なリストであることも、又は本発明を開示される厳密な形態に限定することも意図するものではない。当業者にとって明らかである他の別の選択肢としてのプロセス及び方法が本発明に含まれると見なされることを企図している。記載内容は、実施形態の単なる例である。他のいかなる改変、置換、及び/又は追加が成されてもよく、それらが本開示の意図する趣旨及び範囲に含まれることは理解される。上記内容から、本開示の例示的な態様が意図する目的の少なくともすべてを達成することが分かる。
【国際調査報告】