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特表2024-530385工学機械設備のモデリング方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】工学機械設備のモデリング方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20240814BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20240814BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20240814BHJP
   G06F 111/20 20200101ALN20240814BHJP
   G06F 111/04 20200101ALN20240814BHJP
【FI】
G06F30/10 200
G06F30/12
G06F30/20
G06F111:20
G06F111:04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575972
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2023072267
(87)【国際公開番号】W WO2023193509
(87)【国際公開日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】202211285652.5
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SIMULINK
(71)【出願人】
【識別番号】521560414
【氏名又は名称】ジエンスー エックスシーエムジー コンストラクション マシーナリー リサーチ インスティチュート リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523460844
【氏名又は名称】ジエンスー エックスシーエムジー ステート キー ラボラトリー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ヨンジー
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ウェイウェイ
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA07
5B146DC05
5B146DJ14
5B146DL02
(57)【要約】
本開示は、工学機械の技術分野に属し、工学機械設備のモデリング方法および装置に関する。工学機械設備のモデリング方法は、ユーザからのモデリング要求への応答として、ユーザに合致するサブシステムを工学機械設備の複数のサブシステムから決定するステップと、ユーザに合致するサブシステムのモデリングページをユーザに表示するステップと、ユーザによって使用可能なモデルライブラリに基づき、工学機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するステップと、工学機械設備のサブシステムモデルをモデルライブラリに追加するステップと、を含む。本方法によって、工学機械設備のモデリング効率を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械設備のモデリング方法であって、
ユーザからのモデリング要求への応答として、前記ユーザに合致したサブシステムを前記建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップと、
前記ユーザに合致した前記サブシステムのモデリングページを前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、前記建設機械設備の前記サブシステムのモデルを前記モデリングページに構築するステップであって、前記モデルライブラリは、前記ユーザに合致した前記サブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルを前記モデルライブラリに追加するステップと、
を含む建設機械設備のモデリング方法。
【請求項2】
前記ユーザに合致したサブシステムを前記建設機械設備の複数のサブシステムから決定する前記ステップは、
前記建設機械設備に対する前記ユーザの選択操作に応じて、前記ユーザによって選択された建設機械設備をページに提示されたさまざまな種類の建設機械設備から決定するステップと、
前記ユーザのモデリング権限情報を取得するステップと、
前記ユーザの前記モデリング権限情報に応じて、前記ユーザに合致した前記サブシステムを前記ユーザによって選択された前記建設機械設備の前記複数のサブシステムから決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項3】
前記ユーザに合致したサブシステムを前記建設機械設備の複数のサブシステムから決定する前記ステップは、
前記ユーザのモデリング権限情報を取得するステップと、
前記ユーザの前記モデリング権限情報に応じて、前記ユーザに合致した前記サブシステムを前記建設機械設備の前記複数のサブシステムから決定するステップと、
を含む、請求項1に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項4】
前記ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、前記建設機械設備の前記サブシステムのモデルを前記モデリングページに構築する前記ステップは、
第1のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後、第1のモデリングページを提示するステップと、
前記ユーザのために呼び出し可能な前記モデルライブラリから前記ユーザによって選択されたモデルを前記第1のモデリングページに提示するステップと、
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルを得るために、前記ユーザのパラメータ設定または変更指示に応じて、前記ユーザのために呼び出し可能な前記モデルライブラリから前記ユーザによって選択された前記モデルに対してパラメータの設定または変更を実施するステップと、
を含む、請求項1に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項5】
前記ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、前記建設機械設備の前記サブシステムのモデルを前記モデリングページに構築する前記ステップは、
第2のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後、第2のモデリングページを提示するステップと、
前記ユーザのために呼び出し可能な前記モデルライブラリから前記ユーザによって選択されたコンポーネントを前記第2のモデリングページに提示するステップと、
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルを得るために、前記ユーザのコンポーネント接続操作およびコンポーネントパラメータ設定操作への応答として、前記ユーザによって選択された前記コンポーネントと前記ユーザによって選択された前記コンポーネントのパラメータとの間の接続関係を設定するステップと、
を含む、請求項4に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項6】
前記ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、前記建設機械設備の前記サブシステムのモデルを前記モデリングページに構築する前記ステップは、
前記ユーザによって選択されたコンポーネントの機能プロンプト情報と前記コンポーネントに接続可能な別のコンポーネントのプロンプト情報とを前記第2のモデリングページに提示するステップを更に含む、請求項5に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項7】
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルを前記モデルライブラリに追加する前記ステップは、
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルをチェックするステップと、
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルが前記チェックに合格したという条件で、前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルを前記モデルライブラリに追加するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項8】
前記建設機械設備の前記複数のサブシステムのモデルに応じて、前記建設機械設備のモデルを構築するステップ、または、
前記ユーザによって設定された作業条件と前記建設機械設備の前記モデルとに応じて、モデリングから得られた前記建設機械設備の性能に対して、視覚化解析を実施するステップ、
の少なくとも一方を更に含む、請求項1~7の何れか一項に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項9】
前記ユーザの権限を設定するステップを更に含み、前記ユーザの前記権限は、モデリングのための前記ユーザの権限、前記建設機械設備のデータにアクセスするための前記ユーザの権限、または前記モデルライブラリを呼び出すための前記ユーザの権限、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~7の何れか一項に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項10】
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルが前記チェックに合格しなかったという条件で、チェック不合格プロンプト情報を前記ユーザに提示するステップを更に含む、請求項7に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項11】
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルをチェックする前記ステップは、
前記サブシステムの前記モデルにおけるパラメータ設定が範囲を越えているかどうかをチェックするステップ、および/または、
前記サブシステムの前記モデルにおけるコンポーネント間の接続関係が正しいかどうかをチェックするステップ、
を含む、請求項7に記載の建設機械設備のモデリング方法。
【請求項12】
建設機械設備のモデリング装置であって、
ユーザからのモデリング要求への応答として、前記ユーザに合致したサブシステムを前記建設機械設備の複数のサブシステムから決定するように構成された決定モジュールと、
前記ユーザに合致した前記サブシステムのモデリングページを前記ユーザに提示するように構成された提示モジュールと、
前記ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、前記建設機械設備の前記サブシステムのモデルを前記モデリングページに構築するように構成された構築モジュールであって、前記モデルライブラリは、前記ユーザに合致した前記サブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む、構築モジュールと、
前記建設機械設備の前記サブシステムの前記モデルを前記モデルライブラリに追加するように構成された記憶モジュールと、
を備えた装置。
【請求項13】
電子デバイスであって、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサであって、前記メモリに記憶されている命令に基づき、請求項1~11の何れか一項に記載の建設機械設備のモデリング方法を実施するように構成されたプロセッサと、
を備えた電子デバイス。
【請求項14】
コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、プロセッサによって実行されると、請求項1~11の何れか一項に記載の建設機械設備のモデリング方法を具現化する、コンピュータ記憶媒体。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、
プロセッサによって実行されると、請求項1~11の何れか一項に記載の建設機械設備のモデリング方法を前記プロセッサに実施させる命令、
を備えたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年10月20日に提出された中国特許出願公開第202211285652.5号に基づくものであり、その優先権を主張し、その全開示内容が引用により本願明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、建設機械の技術分野に関し、特に建設機械設備のモデリング方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネおよび消費低減技術の発展に伴い、益々多くのモデリングおよびシミュレーション解析法が建設機械に適用されている。建設機械に対するモデリング解析の実施時、油圧システム、制御システム、および電気システムなど、複数のシステムに関連するモデリングは、複数の分野においてユーザに高い専門性を要求するので、車両システム全体のモデリングは極めて難しい。車両モデル全体がより複雑になるほど、車両全体のモデリング効率が下がるので、作業効率に影響する。
【0004】
現在、建設機械の分野において、モデリング解析は、主にスタンドアロン版ソフトウェア、例えば、Simulink、AMESim(Advanced Modeling Environment for performing Simulation of engineering systems)、ADAMS(Automatic Dynamic Analysis of Mechanical Systems)、ANSYS(Analysis system)、およびこれらに類するもの、に大きく依存している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、建設機械設備のモデリング方法および装置を提供する。
【0006】
本開示の第1の態様によると、建設機械設備のモデリング方法が提供される。本方法は、ユーザからのモデリング要求への応答として、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップと、ユーザに合致したサブシステムのモデリングページをユーザに提示するステップと、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するステップであって、モデルライブラリは、ユーザに合致したサブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデルライブラリに追加するステップと、を含む。
【0007】
一部の実施形態において、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップは、建設機械設備に対するユーザの選択操作に応じて、ユーザによって選択された建設機械設備をページに提示されたさまざまな種類の建設機械設備から決定するステップと、ユーザのモデリング権限情報を取得するステップと、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムをユーザによって選択された建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップと、を含む。
【0008】
一部の実施形態において、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップは、ユーザのモデリング権限情報を取得するステップと、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップと、を含む。
【0009】
一部の実施形態において、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するステップは、第1のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後、第1のモデリングページを提示するステップと、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたモデルを第1のモデリングページに提示するステップと、建設機械設備のサブシステムのモデルを得るために、ユーザのパラメータ設定または変更指示に応じて、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたモデルに対してパラメータの設定または変更を実施するステップと、を含む。
【0010】
一部の実施形態においては、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するステップは、建設機械設備のサブシステムのモデルを得るために、第2のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後、第2のモデリングページを提示するステップと、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたコンポーネントを第2のモデリングページに提示するステップと、ユーザのコンポーネント接続操作およびコンポーネントパラメータ設定操作への応答として、ユーザによって選択されたコンポーネントとユーザによって選択されたコンポーネントのパラメータとの間の接続関係を設定するステップと、を更に含む。
【0011】
一部の実施形態においては、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するステップは、ユーザによって選択されたコンポーネントの機能プロンプト情報とこのコンポーネントに接続可能な別のコンポーネントのプロンプト情報とを第2のモデリングページに提示するステップと、を更に含む。
【0012】
一部の実施形態において、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデルライブラリに追加するステップは、建設機械設備のサブシステムのモデルをチェックするステップと、建設機械設備のサブシステムのモデルがチェックに合格したという条件で、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデルライブラリに追加するステップと、を含む。
【0013】
一部の実施形態において、本方法は、建設機械設備内の複数のサブシステムのそれぞれのモデルに応じて、建設機械設備のモデルを構築するステップ、またはユーザによって設定された作業条件と建設機械設備のモデルとに応じたモデリングから得られた建設機械設備の性能に対して、視覚化解析を実施するステップ、の少なくとも一方を更に含む。
【0014】
一部の実施形態において、本方法は、ユーザの権限を設定するステップを更に含む。ユーザの権限は、モデリングのためのユーザの権限、建設機械設備のデータにアクセスするためのユーザの権限、またはモデルライブラリを呼び出すためのユーザの権限、のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
一部の実施形態において、本方法は、建設機械設備のサブシステムのモデルがチェックに合格しなかったという条件で、チェック不合格プロンプト情報をユーザに提示するステップを更に含む。
【0016】
一部の実施形態において、建設機械設備のサブシステムのモデルをチェックするステップは、サブシステムのモデルにおけるパラメータ設定値が範囲を越えているかどうかをチェックするステップ、および/または、サブシステムのモデル内のコンポーネント間の接続関係が正しいかどうかをチェックするステップ、を含む。
【0017】
本開示の第2の態様によると、建設機械設備のモデリング装置が提供される。本モデリング装置は、ユーザからのモデリング要求への応答として、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するように構成された決定モジュールと、ユーザに合致したサブシステムのモデリングページをユーザに提示するように構成された提示モジュールと、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するように構成された構築モジュールであって、このモデルライブラリは、ユーザに合致したサブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む、構築モジュールと、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデルライブラリに追加するように構成された記憶モジュールと、を含む。
【0018】
本開示の第3の態様によると、電子デバイスが提供される。本電子デバイスは、メモリと、このメモリに結合されたプロセッサであって、メモリに記憶されている命令に基づき、上記のような建設機械設備のモデリング方法を実施するように構成されたプロセッサと、を備える。
【0019】
本開示の第4の態様によると、コンピュータ記憶媒体が提供される。本コンピュータ記憶媒体にはコンピュータプログラム命令が記憶されており、これらコンピュータプログラム命令は、プロセッサによって実行されると、上記のような建設機械設備のモデリング方法を具現化する。
【0020】
本開示の第5の態様によると、コンピュータプログラムが提供される。本コンピュータプログラムは命令を含み、これら命令は、プロセッサによって実行されると、上記のような建設機械設備のモデリング方法をプロセッサに実施させる。
【0021】
本願明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示しており、明細書と共に、本開示の原理を説明する役割を担う。
【0022】
添付の図面を参照した以下の詳細説明により、本開示がより明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の一部の実施形態による建設機械設備のモデリング方法を示す流れ図である。
図2】本開示の他の実施形態による建設機械設備のモデリング方法を示す概略流れ図である。
図3】本開示の他の実施形態による建設機械設備のモデリング方法を示す概略流れ図である。
図4】本開示の一部の実施形態による建設機械設備のモデリングサブシステムの分割を示す概略図である。
図5】本開示の一部の実施形態によるマルチユーザ協調モデリングを示す概略流れ図である。
図6】本開示の一部の実施形態による建設機械設備のモデリング装置を示すブロック図である。
図7】本開示の一部の実施形態による電子デバイスを示すブロック図である。
図8】本開示の一部の実施形態を具現化するためのコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下においては、添付の図面を参照して、本開示のさまざまな例示的実施形態を詳細に説明する。これら実施形態に示されているコンポーネントおよびステップの相対配置、数式、および数値は、特に別様に明記されていな限り、本開示の範囲を限定しないことに留意されたい。
【0025】
更に、図面に示されている各部分のサイズは、説明の便宜上、実際の縮尺で描かれていないことを理解されたい。
【0026】
少なくとも1つの例示的実施形態の以下の説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、本開示およびその適用または用途を限定する意図は全くない。
【0027】
関連技術の当業者に公知の手法、方法、およびデバイスは詳述されていない場合もあるが、これら手法、方法、およびデバイスは、本願明細書の一部と適宜見做されるものとする。
【0028】
本願明細書に図示および説明されている全ての例において、何れの固有値も、限定としてではなく、単なる例示と見做されるものとする。したがって、例示的実施形態の他の例は、それぞれ異なる値を有し得る。
【0029】
添付の図面において、同様の参照番号および文字は後続の図面内の同様の項目を指している。したがって、1つの図面において1つの特定の項目を一旦規定したら、その項目は後続の図面において更に説明する必要がないことに留意されたい。
【0030】
関連技術においては、スタンドアロン版ソフトウェアを使用して、建設機械の各モジュールに対する独立モデリングが実施されている。これは、ユーザによるモデリングの効率低下をもたらす。
【0031】
上記を考慮して、本開示は、建設機械設備のモデリング方法および装置を提供する。本方法および装置においては、異なるユーザがそれぞれモデリング権限を有するサブシステムのモデリングをそれぞれ実施し、モデル化されたサブシステムモデルをモデルライブラリに公開するので、他のユーザは、サブシステムのモデリング実施時に、公開されているサブシステムモデルを直接呼び出すことができる。これにより、建設機械設備のモデリング効率が向上し、建設機械設備に対するマルチユーザ協調モデリングが具現化される。
【0032】
図1は、本開示の一部の実施形態による建設機械設備のモデリング方法を示す流れ図である。図1に示されているように、本開示の一部の実施形態における建設機械設備のモデリング方法は、ユーザからのモデリング要求への応答として、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップS110を含む。
【0033】
一部の実施形態において、ステップS110は、ユーザからのモデリング要求を受け付けた後、ユーザのモデリング権限情報を取得するステップと、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップと、を含む。
【0034】
例えば、建設機械設備は、次の複数のサブシステム、すなわち、機械システム、油圧システム、電気システム、および制御システム、に分割されている。
【0035】
例えば、ユーザからのモデリング要求は、具体的には、建設機械設備のモデリングシステムへのユーザのログイン要求である。建設機械設備のモデリングシステムへのユーザのログイン要求が受け付けられた後、最初に、ユーザのユーザ名およびパスワードのチェックが実施される。ユーザ名およびパスワードがチェックに合格したという条件で、ユーザに合致したサブシステムを決定するために、ユーザ名により、ユーザのモデリング権限情報を問い合わせる。ユーザ名およびパスワードがチェックに不合格であったという条件で、ログイン失敗プロンプト情報がユーザに返される。
【0036】
例えば、建設機械設備のモデリングシステムへのログイン成功後、ユーザは、ページ上の指定されたページ制御用部品(例えば、「モデル」ボタン)をタップしてモデリング要求を送信する。ユーザからのモデリング要求が受け付けられた後、ユーザのモデリング権限情報が取得され、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムが決定される。
【0037】
他の実施形態において、ステップS110は、建設機械設備に対するユーザの選択操作に応じて、ユーザによって選択された建設機械設備をページに提示されたさまざまな種類の建設機械設備から決定するステップと、ユーザのモデリング権限情報を取得するステップと、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムをユーザによって選択された建設機械設備の複数のサブシステムから決定するステップと、を含む。
【0038】
例えば、ユーザがモデリングシステムへのログインに成功した後、ユーザに選択させるために、さまざまな種類の建設機械設備がポップアップウィンドウの形態でヒューマンマシンインタラクションサイドに提示される。例えば、ユーザのために、次の5種類、すなわち、掘削機、ポンプ車、回転穿孔リグ、道路ローラ、およびローダ、が提示される。ユーザが掘削機を選択すると、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムが掘削機の複数のサブシステムから決定される。例えば、取得されたユーザのモデリング権限情報がユーザAは掘削機内の油圧システムのためのモデリング権限を有することを示している場合、掘削機内の油圧システムがユーザに合致したサブシステムと見做される。
【0039】
本開示の本実施形態において、さまざまな種類の建設機械設備がユーザに提示され、ユーザの種類選択操作とユーザの権限情報とに応じて、ユーザに合致したサブシステムが決定されるので、異なるユーザがそれぞれ異なるサブシステムのためのモデリングをそれぞれ実施できる。これにより、建設機械設備のモデリング効率が向上するばかりでなく、建設機械設備のモデリングの権限制御が実現される。したがって、ユーザの研究専門分野に一致しないサブシステムのモデリングによって引き起こされるモデルの誤操作が効果的に軽減され、建設機械設備のモデリングの有効性向上に役立つ。
【0040】
一部の実施形態において、本方法は、ステップS110の前に、支持されている建設機械設備をモデル管理モジュールによって設定するステップ、さまざまな種類の建設機械設備のためのサブシステムの分割および構成を実施するステップ、および/または、権限管理モジュールによってユーザの権限を設定するステップ、を更に含む。ユーザの権限は、モデリングのためのユーザの権限、建設機械設備のデータにアクセスするためのユーザの権限、またはモデルライブラリを呼び出すためのユーザの権限、のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
例えば、建設機械設備は、モデル管理モジュールによって、油圧システム、機械システム、制御システム、および電気システムなどの複数のサブシステムに分割されている。これらサブシステム間の通信を確立するために、サブシステム間のインタフェース関係が設定されている。
【0042】
例えば、ユーザのそれぞれ異なる研究方向性に応じて、異なるサブシステムのためのモデリング権限が設定されている。例えば、ユーザAの研究方向性が油圧システムである場合は、ユーザAに油圧システムのためのモデリングを実施させるために、油圧システムのためのモデリングおよび変更権限がユーザAに与えられ、更には、ユーザA自身によって構築された油圧システムモデルと車両モデル全体との間のインタフェース接続関係をユーザAに見せるために、建設機械設備内の各サブシステムのためのアクセス権限がユーザAに与えられている。
【0043】
本方法は、ユーザに合致したサブシステムのモデリングページをユーザに提示するステップS120を更に含む。
【0044】
一部の実施形態において、ユーザに合致したサブシステムのモデリングページは、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリのための提示領域を含む。モデルライブラリは、ユーザに合致したサブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
本方法は、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するステップS130を更に含む。
【0046】
一部の実施形態において、建設機械設備のサブシステムのモデルは、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリの中のモデルまたはこのモデルのコンポーネントに基づき、モデリングページに構築される。
【0047】
一部の実施形態においては、さまざまなモデリングモード、例えば、パラメトリックモデリングおよび一般モデリング、が支持されている。
【0048】
本方法は、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデルライブラリに追加するステップS140を更に含む。
【0049】
一部の実施形態において、ステップS140は、建設機械設備のサブシステムのモデルをチェックするステップと、建設機械設備のサブシステムのモデルがチェックに合格したという条件で、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデルライブラリに追加し、サブシステムのモデルを公開するステップと、を含む。
【0050】
例えば、建設機械設備のサブシステムのモデルをチェックするステップは、サブシステムのモデルにおけるパラメータ設定値が範囲を越えているかどうかをチェックするステップ、および/またはモデル内のコンポーネント間の接続関係が正しいかどうかをチェックするステップ、を含む。
【0051】
一部の実施形態において、建設機械設備のモデリング方法は、建設機械設備のサブシステムのモデルがチェックに合格しなかったという条件で、チェック不合格プロンプト情報をユーザに提示するステップを更に含む。
【0052】
本開示のこれら実施形態において、ユーザによって構築されたサブシステムのモデルはモデルライブラリに追加されるので、別のユーザがこのサブシステムのこのモデルをモデルライブラリから直接呼び出し、このサブシステムのこのモデルに応じたモデリングを実施できる。これにより、モデリングの有効性と迅速性とが向上される。更に、サブシステムの構築されたモデルに対して最初に自動チェックが実施され、その後、チェックに合格した後、このサブシステムのこのモデルが公開され、ライブラリに追加される。これは、モデリングのエラー率の低減に役立つ。モデルがチェックに合格しなかった場合は、チェック不合格理由などのプロンプト情報がユーザに提示される。これは、ユーザがモデリングエラーを発見するために好都合であり、モデリングの難しさを低減し、モデリング効率を向上させる。
【0053】
一部の実施形態において、建設機械設備のモデリング方法は、建設機械設備内の複数のサブシステムのモデルに応じて、建設機械設備のモデルを構築するステップ、および、ユーザによって設定された作業条件と建設機械設備のモデルとに応じて、モデリングから得られた建設機械設備の性能の視覚化解析を実施するステップ、の少なくとも一方を更に含む。例えば、ユーザAは、油圧システムのモデリングの完了後、この油圧システムのモデルを車両システム全体に統合し、車両システム全体に対する総合シミュレーションを実施し得る。
【0054】
本開示のこれら実施形態においては、上記のステップによって協調モデリングが実現される。これは、建設機械設備のモデリング効率を向上させるばかりでなく、建設機械設備のモデリングの利便性および有効性も向上させる。
【0055】
図2は、本開示の一部の実施形態による建設機械設備のサブシステムのモデルの構築を示す概略流れ図である。図2に示されているように、本開示の一部の実施形態において、建設機械設備のサブシステムのモデルを構築するステップ(すなわち、ステップS130)は、第1のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後に、第1のモデリングページを提示するステップS131を特に含む。
【0056】
一部の実施形態において、モデリングページには、第1のモデリングモードのための選択用部品(例えば、「パラメトリックモデリング」という名前のボタン)と、第2のモデリングモードのための選択用部品(例えば、「一般モデリング」という名前のボタン)が設けられている。第1のモデリングモードのための選択用部品をユーザがタップしたことが検出されると、第1のモデリングページが提示される。
【0057】
ステップ130は、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたモデルを第1のモデリングページに提示するステップS132を更に含む。
【0058】
第1のモデリングページは、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリのための提示領域を備える。このモデルライブラリは、ユーザに合致したサブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
一部の実施形態において、モデルライブラリは、ツリー構造の形態でユーザに提示される。ユーザは、モデリング時、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからサブシステムの公開モデルを選択し、それを提示用の指定領域にドラッグする。
【0060】
ステップ130は、建設機械設備のサブシステムのモデルを得るために、ユーザのパラメータ設定または変更指示に応じて、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたモデルに対して、パラメータの設定または変更を実施するステップS133を更に含む。
【0061】
一部の実施形態において、ユーザのパラメータ設定または変更指示は、モデルパラメータ設定または変更ページを介して受け付けられる。これらの指示に応じて、建設機械設備のサブシステムの新しいモデルを1つ得るために、ユーザによって選択されたモデルの中のコンポーネントのパラメータが設定または変更される。
【0062】
本開示のこれら実施形態において、サブシステムのためのパラメトリックモデリングは、上記のステップによって実現される。このようなモデリングモードを採用することによって、建設機械設備のモデリング効率を向上でき、建設機械設備のモデリングの難しさが低減される。
【0063】
図3は、本開示の一部の実施形態による建設機械設備のサブシステムのモデルの構築を示す概略流れ図である。図3に示されているように、本開示の一部の実施形態において、建設機械設備のサブシステムのモデルを構築するステップ(すなわち、ステップS130)は、第2のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後に、第2のモデリングページを提示するステップS131’を特に含む。
【0064】
一部の実施形態において、モデリングページには、第1のモデリングモードのための選択用部品(例えば、「パラメトリックモデリング」という名前のボタン)と第2のモデリングモードのための選択用部品(例えば、「一般モデリング」という名前のボタン)とが設けられている。第2のモデリングモードのための選択用部品をユーザがタップしたことが検出されると、第2のモデリングページが提示される。
【0065】
ステップ130は、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたコンポーネントを第2のモデリングページに提示するステップS132’を更に含む。
【0066】
第2のモデリングページは、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリのための提示領域を備える。このモデルライブラリは、ユーザに合致したサブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む。
【0067】
一部の実施形態において、第2のモデリングページは、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリを1つ以上含む。ユーザによるモデルライブラリの選択操作に応じて、ユーザによって選択されたモデルライブラリがユーザのためのモデリング空間に読み込まれる。
【0068】
一部の実施形態において、ステップS130は、ユーザによって選択されたコンポーネントの機能プロンプト情報とこのコンポーネントに接続可能な別のコンポーネントのプロンプト情報とを第2のモデリングページに提示するステップを更に含む。
【0069】
例えば、ユーザがモデルライブラリ内の油圧シリンダコンポーネントを指定領域にドラッグすると、システムは、この油圧シリンダコンポーネントの機能を問い合わせ、この油圧シリンダコンポーネントに接続可能な別のコンポーネントを決定し、この油圧シリンダコンポーネントおよびこの油圧シリンダコンポーネントに接続可能な別のコンポーネントの機能のプロンプト情報をユーザに提示するので、モデリングの難しさが低減され、モデリング効率が向上する。
【0070】
ステップ130は、建設機械設備のサブシステムのモデルを得るために、ユーザのコンポーネント接続操作およびコンポーネントパラメータ設定操作への応答として、ユーザによって選択されたコンポーネントとユーザによって選択されたコンポーネントのパラメータとの間の接続関係を設定するステップS133’を更に含む。
【0071】
本開示のこれら実施形態において、サブシステムのための一般モデリングは、上記のステップによって実現される。パラメトリックモデリングおよび一般モデリングを含む、さまざまなモデリングモードを支持することによって、建設機械設備のモデリングの融通性を向上でき、ユーザのモデリング経験を深められる。
【0072】
図4は、本開示の一部の実施形態による建設機械設備のモデリングサブシステムの分割を示す概略図である。本開示の一部の実施形態において、建設機械設備は、モデル管理モジュールによって複数のモデリングサブシステムに事前に分割されており、各モデリングサブシステムのためにそれぞれのモデリングコンポーネントが提供されている。図4に示されているように、建設機械設備400は、以下のモデリングサブシステム、すなわち、機械システム410、油圧システム420、電気システム430、制御システム440、および作業条件読み込みシステム450、に分割されている。更に、サブシステム間の通信が実現されるように、サブシステム間の有効な接続を確立するために、サブシステムのインタフェースを設定および管理できる。
【0073】
一部の実施形態において、機械システム410には、以下のモデリングコンポーネント、すなわち、歩行機構、旋回機構、作業デバイス、が設けられている。
【0074】
一部の実施形態において、油圧システム420には、以下のコンポーネント、すなわち、油圧シリンダ、油圧ポンプ、油圧回路、が設けられている。
【0075】
一部の実施形態において、電気システム430には、油圧バルブなどの電気コンポーネントが設けられている。
【0076】
一部の実施形態において、制御システム440には、制御ハンドルおよびPIDなどの制御コンポーネントが設けられている。
【0077】
一部の実施形態において、作業条件読み込みシステム450は、固定点掘削、楊重、および旋回、固定点荷下ろし、および空バケット復帰などの作業条件のためのコンポーネントが設けられている。
【0078】
本開示の本実施形態において、建設機械設備の車両システム全体は、機械システム、油圧システム、制御システム、および電気システムなどの複数のサブシステムに分割されているので、異なるユーザがそれぞれモデリング権限を有するサブシステムのためのモデリングをそれぞれ実施するために好都合であり、モデリング効率の向上に役立つばかりでなく、未知の分野においては、ユーザの研究方向性が異なる故に、モデルのモデリングによって引き起こされる誤操作の回避にも役立つ。
【0079】
図5は、本開示の一部の実施形態によるマルチユーザ協調モデリングを示す概略流れ図である。図5に示されているように、本開示の実施形態によるマルチユーザ協調モデリングの流れは、ユーザAがモデル1を構築するステップS510を含む。
【0080】
例えば、ユーザAは、自身がモデリング権限を有するサブシステム(例えば、油圧システム)のためのモデル1を構築する。
【0081】
マルチユーザ協調モデリングの流れは、ユーザBがモデル2を構築するステップS520を更に含む。
【0082】
例えば、ユーザBは、自身がモデリング権限を有するサブシステム(例えば、電気システム)のためのモデル2を構築する。
【0083】
マルチユーザ協調モデリングの流れは、ユーザCがモデル3を構築するステップS530を更に含む。
【0084】
例えば、ユーザCは、自身がモデリング権限を有するサブシステム(例えば、機械システム)のためのモデル3を構築する。
【0085】
マルチユーザ協調モデリングの流れは、モデルを公開するステップS540を更に含む。
【0086】
ユーザA、B、Cがサブシステムのモデルをそれぞれ構築した後、それぞれが構築したモデルがモデルライブラリに追加されて公開される。
【0087】
マルチユーザ協調モデリングの流れは、ユーザDがモデルライブラリを呼び出すステップS550を更に含む。
【0088】
マルチユーザ協調モデリングの流れは、ユーザDが車両モデル全体を構築するステップS560を更に含む。
【0089】
例えば、ユーザDは、モデリング時、ユーザA、B、Cによって構築されたサブシステムモデル1、2、3をモデルライブラリから呼び出し、サブシステムモデル1、2、3に基づき、建設機械設備の車両モデル全体を構築し得る。
【0090】
本開示のこれら実施形態において、マルチユーザ協調モデリングは、上記のステップによって実現可能であり、建設機械設備のモデリングの効率を向上させる。
【0091】
図6は、本開示の一部の実施形態による建設機械設備のモデリング装置を示すブロック図である。図6に示されているように、本開示のこれら実施形態による建設機械設備のモデリング装置600は、決定モジュール610と、提示モジュール620と、構築モジュール630と、記憶モジュール640とを備える。
【0092】
決定モジュール610は、ユーザからのモデリング要求への応答として、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定するように構成されている。
【0093】
一部の実施形態において、ユーザからのモデリング要求を受け付けた後、決定モジュール610は、ユーザのモデリング権限情報を取得し、決定モジュール610は、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムを建設機械設備の複数のサブシステムから決定する。
【0094】
例えば、ユーザからのモデリング要求は、具体的には、建設機械設備のモデリングシステムへのユーザのログイン要求である。建設機械設備のモデリングシステムへのユーザのログイン要求が受け付けられた後、最初に、このユーザのユーザ名およびパスワードのチェックが実施される。ユーザ名およびパスワードがチェックに合格したという条件で、決定モジュール610は、ユーザに合致したサブシステムを決定するために、ユーザ名に応じて、ユーザのモデリング権限情報を問い合わせる。ユーザ名およびパスワードがチェックに合格しなかったという条件で、決定モジュール610は、ログイン失敗プロンプト情報をユーザに返す。
【0095】
他の実施形態において、決定モジュール610は、建設機械設備に対するユーザの選択操作に応じて、ユーザによって選択された建設機械設備をページに提示されたさまざまな種類の建設機械設備から決定し、ユーザのモデリング権限情報を取得し、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムをユーザによって選択された建設機械設備の複数のサブシステムから決定する。
【0096】
例えば、ユーザがモデリングシステムへのログインに成功した後、ユーザに選択させるために、さまざまな種類の建設機械設備がポップアップウィンドウの形態でヒューマンマシンインタラクションサイドに提示される。例えば、次の5種類、すなわち、掘削機、ポンプ車、回転掘削リグ、ロードローラ、およびローダ、がユーザのために提示される。ユーザが掘削機を選択すると、ユーザのモデリング権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムが掘削機の複数のサブシステムから決定される。例えば、取得されたユーザのモデリング権限情報がユーザAは掘削機内の油圧システムのためのモデリング権限を有することを示している場合は、掘削機内の油圧システムがユーザに合致したサブシステムと見做される。
【0097】
本開示のこれら実施形態においては、さまざまな種類の建設機械設備がユーザに提示され、ユーザの種類選択操作およびユーザの権限情報に応じて、ユーザに合致したサブシステムが決定されるので、異なるユーザがそれぞれ異なるサブシステムのためのモデリングをそれぞれ実施できる。これにより、建設機械設備のモデリング効率が向上するばかりでなく、建設機械設備のモデリングの権限制御も実現されるので、ユーザの研究専門分野に一致しないサブシステムのモデリングによって引き起こされるモデルの誤操作が効果的に軽減され、建設機械設備のモデリングの有効性の向上に役立つ。
【0098】
提示モジュール620は、ユーザに合致したサブシステムのモデリングページをユーザに提示するように構成されている。
【0099】
構築モジュール630は、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリに基づき、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデリングページに構築するように構成されている。
【0100】
モデルライブラリは、ユーザに合致したサブシステムの公開モデル、別のサブシステムの公開モデル、または公開コンポーネント、のうちの少なくとも1つを含む。
【0101】
一部の実施形態において、建設機械設備のサブシステムのモデルを構築モジュール630によって構築するステップは、第1のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後、第1のモデリングページを提示するステップと、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたモデルを第1のモデリングページに提示するステップと、建設機械設備のサブシステムのモデルを得るために、ユーザのパラメータ設定または変更指示に応じて、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたモデルに対してパラメータの設定または変更を実施するステップと、を含む。
【0102】
一部の実施形態において、建設機械設備のサブシステムのモデルを構築モジュール630によって構築するステップは、第2のモデリングモードのためのトリガ操作の検出後、第2のモデリングページを提示するステップと、ユーザのために呼び出し可能なモデルライブラリからユーザによって選択されたコンポーネントを第2のモデリングページに提示するステップと、建設機械設備のサブシステムのモデルを得るために、ユーザのコンポーネント接続操作およびコンポーネントパラメータ設定操作への応答として、ユーザによって選択されたコンポーネントとユーザによって選択されたコンポーネントのパラメータとの間の接続関係を設定するステップと、を含む。
【0103】
記憶モジュール640は、建設機械設備のサブシステムのモデルをモデルライブラリに追加するように構成されている。
【0104】
本開示のこれら実施形態においては、上記の装置によって、建設機械設備のための協調モデリングが実現される。これは、建設機械設備のモデリング効率を向上させ得るばかりでなく、建設機械設備のモデリングの利便性および有効性も向上させ得る。
【0105】
図7は、本開示の他の実施形態による電子デバイスを示すブロック図である。
【0106】
図7に示されているように、電子デバイス700は、メモリ710と、メモリ710に結合されたプロセッサ720と、を備える。メモリ710は、建設機械設備のモデリング方法の対応する実施形態を実施するための命令を記憶するために使用される。プロセッサ720は、本開示のこれら実施形態の何れにおいても、メモリ710に記憶されている命令に基づき、建設機械設備のモデリング方法を実施するように構成されている。
【0107】
図8は、本開示の一部の実施形態を具現化するためのコンピュータシステムを示すブロック図である。
【0108】
図8に示されているように、コンピュータシステム800は、汎用計算デバイスの形態で提示され得る。コンピュータシステム800は、メモリ810と、プロセッサ820と、さまざまなシステムコンポーネントを接続するバス830と、を備える。
【0109】
メモリ810は、例えば、システムメモリ、不揮発性記憶媒体、およびこれらに類するもの、を備え得る。システムメモリは、例えば、オペレーティングシステム、アプリケーション、ブートローダ、他のプログラム、等々を記憶している。システムメモリは、揮発性記憶媒体、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/またはキャッシュメモリ、を備え得る。不揮発性記憶媒体は、例えば、建設機械設備のモデリング方法のうちの少なくとも1つの対応する実施形態を実施するための命令を記憶している場合もある。不揮発性記憶媒体は、磁気ディスクメモリ、光メモリ、フラッシュメモリ、およびこれらに類するもの、を備えるが、これらだけには限定されない。
【0110】
プロセッサ820は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラム可能論理デバイス、ディスクリートゲート、またはトランジスタなどのディスクリートハードウェアコンポーネントを使用して具現化され得る。したがって、決定モジュール、提示モジュール、構築モジュール、および記憶モジュール、などの各モジュールは、メモリ内の対応するステップを実施するための命令を中央処理装置(CPU)によって実行することによって、具現化され得る、あるいは、対応するステップを実施するための専用回路によって具現化され得る。
【0111】
バス830は、さまざまなバスアーキテクチャのうちの何れでも使用し得る。例えば、バスアーキテクチャは、これだけには限定されないが、ISA(industry standard architecture)バスと、MCA(micro channel architecture)バスと、PCI(peripheral component interconnect)バスとを備える。
【0112】
コンピュータシステム800は、入出力インタフェース840と、ネットワークインタフェース850と、記憶インタフェース860と、これらに類するものとを更に備え得る。これらインタフェース840、850、860およびメモリ810は、バス830を介して、プロセッサ820に接続され得る。入出力インタフェース840は、ディスプレイ、マウス、およびキーボードなどの入出力デバイスのための接続インタフェースを提供し得る。ネットワークインタフェース850は、さまざまなネットワーキングデバイスのための接続インタフェースを提供する。記憶インタフェース860は、フロッピーディスク、USBフラッシュディスク、およびSDカードなどの外部記憶デバイスのための接続インタフェースを提供する。
【0113】
本明細書には、本開示のこれら実施形態による方法、装置、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図を参照して、本開示のさまざまな態様が説明されている。流れ図および/またはブロック図の各ブロック、および流れ図および/またはブロック図内のブロックの組み合わせ、はコンピュータ可読プログラム命令によって具現化され得る
【0114】
これらコンピュータ可読プログラム命令は、プロセッサによる命令の実行によって、流れ図および/またはブロック図内の1つ以上のブロックに指定されている機能を具現化するための手段が作成されるように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能装置、のプロセッサに提供され得る。
【0115】
これらコンピュータ可読プログラム命令は、更に、コンピュータ可読メモリに記憶され得る。これら命令は、コンピュータを特定の方法で機能させることによって、製品を製作させる。これら命令は、流れ図および/またはブロック図内の1つ以上のブロックに指定されている機能を具現化するための命令を含む。
【0116】
本開示は、全ハードウェア実施形態、全ソフトウェア実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの両側面が組み合わされた実施形態、の形態を取り得る。
【0117】
上記の実施形態における建設機械設備のモデリング方法および装置によって、建設機械設備のモデリングの効率を向上させることができる。
【0118】
以上、本開示による建設機械設備のモデリング方法および装置を詳細に説明した。本開示の概念を曖昧にしないために、当該技術分野において周知の一部の詳細は説明されていない。上記の説明により、当業者は本開示に開示されている技術的解決策の具現化方法を十分に理解できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】