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特表2024-530386コーティングフィルム、コーティング用組成物及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】コーティングフィルム、コーティング用組成物及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   C08J 7/046 20200101AFI20240814BHJP
   C09D 183/08 20060101ALI20240814BHJP
   C09D 183/07 20060101ALI20240814BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20240814BHJP
   C08G 77/20 20060101ALI20240814BHJP
   C08F 299/08 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
C08J7/046 B CER
C08J7/046 CEZ
C09D183/08
C09D183/07
C09D7/20
C08G77/20
C08F299/08
B32B27/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577471
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2022011278
(87)【国際公開番号】W WO2023043048
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0122469
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】アン,サン-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ピル レ
【テーマコード(参考)】
4F006
4F100
4J038
4J127
4J246
【Fターム(参考)】
4F006AA39
4F006AB42
4F006BA02
4F006BA09
4F006BA11
4F006CA05
4F006EA03
4F006EA05
4F100AH06
4F100AH06B
4F100AJ06
4F100AK42
4F100AK49
4F100AK49A
4F100AK52
4F100AK52B
4F100AR00B
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA07
4F100EH46
4F100EH46B
4F100GB48
4F100JB06
4F100JB06B
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4F100JL06
4F100YY00B
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4J038DL101
4J038HA116
4J038HA176
4J038JA20
4J038JB01
4J038JB32
4J038KA04
4J038KA06
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4J038MA07
4J038MA09
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4J038NA12
4J038NA17
4J038PA17
4J038PA19
4J038PB08
4J127AA04
4J127BB041
4J127BB081
4J127BB151
4J127BC061
4J127BC151
4J127BD321
4J127BD331
4J127BE571
4J127BE57Y
4J127BF711
4J127BF71Y
4J127BF761
4J127BF76Y
4J127BG081
4J127BG08Y
4J127BG381
4J127BG38Y
4J127BG391
4J127BG39Y
4J127DA44
4J127EA15
4J127FA08
4J127FA56
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4J246BA16X
4J246BB020
4J246BB022
4J246BB02X
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4J246CA349
4J246CA34X
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4J246FA131
4J246FA321
4J246FA461
4J246FC061
4J246GC03
4J246GC09
4J246GC26
4J246GD08
4J246HA22
4J246HA61
(57)【要約】
本発明の一実施例は、基材フィルム、及び前記基材フィルム上のコーティング層を含み、前記コーティング層は、100度以上の水接触角、及び98度以上のスクラッチ後の水接触角を有する、コーティングフィルム及び前記コーティングフィルムを含む表示装置を提供する。また、本発明の一実施例は、前記コーティング層を製造するためのコーティング用組成物を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルム;及び
前記基材フィルム上のコーティング層;を含み、
前記コーティング層は、
100度以上の水接触角;及び
98度以上のスクラッチ後の水接触角を有する、コーティングフィルム:
ここで、前記水接触角は、5μLの水滴(H2O)を前記コーティング層に滴下した後に測定された、前記コーティング層の表面と、前記水滴の境界との間の角度として定義され、
前記スクラッチ後の水接触角は、前記コーティングフィルムを100mm×50mmのサイズにカットして、コーティングフィルムのサンプルを製造し、前記コーティング層が上方を向くように、粘着テープを用いて前記コーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、#0000(LIBERON社)の不織布を巻いた20mm×20mmのサイズのステンレス(SUS)治具でもって、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で10,000回にわたって前記コーティングフィルムのサンプルにおける前記コーティング層の表面を往復させてから測定された水接触角である。
【請求項2】
前記水接触角と前記スクラッチ後の水接触角の差が10度以下である、請求項1に記載のコーティングフィルム。
【請求項3】
前記コーティング層は、100度ないし120度の水接触角、及び98度ないし110度のスクラッチ後の水接触角を有する、請求項1に記載のコーティングフィルム。
【請求項4】
前記コーティング層は、二つ以下のスクラッチ数を有する、請求項1に記載のコーティングフィルム:
ここで、前記スクラッチ数は、前記コーティングフィルムを100mm×50mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、前記コーティング層が上方を向くように、粘着テープを用いて前記コーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、#0000(LIBERON社)の不織布を巻いた20mm×20mmサイズのステンレス(SUS)治具でもって、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で10,000回にわたって前記コーティングフィルムのサンプルにおける前記コーティング層の表面を往復させてから、肉眼で観察されたスクラッチの数である。
【請求項5】
前記コーティング層は、95度以上の消しゴム摩耗後の水接触角を有する、請求項1に記載のコーティングフィルム:
前記消しゴム摩耗後の水接触角は、前記コーティングフィルムを200mm×50mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、前記コーティング層が上方を向くように、粘着テープを用いて前記コーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、「マナスル」消しゴム(耐摩耗性試験用の消しゴム)を治具に固定し、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で1,000回にわたって前記コーティングフィルムのサンプルの前記コーティング層表面を往復させてから測定された水接触角である。
【請求項6】
前記水接触角と、前記消しゴム摩耗後の水接触角との差が10度以下である、請求項5に記載のコーティングフィルム。
【請求項7】
前記コーティング層は、95度ないし110度の消しゴム摩耗後の水接触角を有する、請求項5に記載のコーティングフィルム。
【請求項8】
前記コーティング層の厚さ10μmを基準に、2mm以下のカール(curl)を有する、請求項1に記載のコーティングフィルム:
ここで、前記カール(curl)は、前記コーティングフィルムを100mm×100mmのサイズの正方形にカットして作られたコーティングフィルムのサンプルを平らなガラス基板に位置させた後、前記コーティングフィルムのサンプルの隅角が、前記ガラス基板の床面から離隔した距離と定義される。
【請求項9】
前記コーティング層の厚さ10μmを基準に、1mm以下のクラックの半径(crack point radius)を有する、請求項1に記載のコーティングフィルム:
ここで、クラックの半径(crack point radius)は、前記コーティングフィルムを20mm×100mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、前記コーティング層が、前記コーティングフィルムのサンプルが曲げられる外側の方向を向くように、前記コーティングフィルムのサンプルを耐屈曲試験機(“Radius Bending Tester”)に取り付けた後、曲率半径を小さくしていくに伴って前記コーティングフィルムのサンプルが曲げられて(bending)いき、前記コーティングフィルムのサンプルにクラック(Crack)が発生する時の曲率半径として定義される。
【請求項10】
シラン化合物及び重合硬化助剤を含み、
前記シラン化合物は、
下記化学式1で表される第1シラン化合物;
下記化学式2で表される第2シラン化合物;及び
下記化学式3で表される第3シラン化合物;を含み、
前記重合硬化助剤は、
ジオール(diol);及び
水(H2O)を含む、コーティング用組成物:
[化学式1]

[化学式2]

[化学式3]
Si(OR3)4
R11は、置換又は非置換のC2~C5の不飽和炭化水素基であり、R12、R13及びR14は、それぞれ独立してC1~C5のアルキル基であり、R21は、単結合又はC1~C4のアルキレン基であり、R22、R23及びR24は、それぞれ独立してC1~C5のアルキル基であり、mは、3ないし10の整数であり、R3は、C1~C4のアルキル基である。
【請求項11】
前記シラン化合物と前記重合硬化助剤のモル比は、1:1.2ないし1.8の範囲である、請求項10に記載のコーティング用組成物。
【請求項12】
前記シラン化合物の全モル数に対し、
80ないし90モル%の第1シラン化合物;
1ないし5モル%の第2シラン化合物;及び
7ないし15モル%の第3シラン化合物;
を含む、請求項10に記載のコーティング用組成物。
【請求項13】
前記第1シラン化合物は、下記化学式4で表されるビニルトリメトキシシラン(Vinyl trimethoxy silane)を含む、請求項10に記載のコーティング用組成物。
[化学式4]
【請求項14】
前記第2シラン化合物は、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltrimethoxysilane)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-decyltrimethoxysilane)及び1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-decyltriethoxysilane)の中から選択される少なくとも一つを含む、請求項10に記載のコーティング用組成物。
【請求項15】
前記第3シラン化合物は、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate、TEOS)及びオルトケイ酸テトラメチル(tetramethyl orthosilicate、TMOS)のうち少なくとも一つを含む、請求項10に記載のコーティング用組成物。
【請求項16】
前記ジオール(diol)は、エチレングリコール(Ethylene glycol)、1,3-プロパンジオール(1,3-propanediol)及び1,4-ブタンジオール(1,4-butanediol)のうちの少なくとも一つを含む、請求項10に記載のコーティング用組成物。
【請求項17】
塩基触媒をさらに含む、請求項10に記載のコーティング用組成物。
【請求項18】
前記シラン化合物の全体100重量部に対して、0.05ないし0.1重量部の前記塩基触媒を含む、請求項17に記載のコーティング用組成物。
【請求項19】
基材フィルム;及び
前記基材フィルム上のコーティング層;を含み、
前記コーティング層は、請求項10ないし18のいずれか一項に記載のコーティング用組成物によって形成された、コーティングフィルム。
【請求項20】
表示パネル;及び
前記表示パネル上に配置された、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のコーティングフィルム;
を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティングフィルム、コーティング用組成物及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光透過性フィルムは、光学及びフレキシブルディスプレイの分野の核心素材として、その重要性を増している。光透過性フィルムは、特に、軽量性、加工容易性及び柔軟性を有するため、ディスプレイ分野でガラスを代替する素材として用いられている。一般的な光透過性フィルムは、ガラスに比べて低い表面硬度及び耐摩耗性を持っていると知られていることから、ディスプレイ分野に光透過性フィルムを適用するため、光透過性フィルムの耐摩耗性を向上させるための研究が進められている。
【0003】
光透過性フィルムの機械的又は光学的特性を向上させる方法として、光透過性フィルムの表面にコーティング層を配置する方法がある。コーティング層が配置された光透過性フィルムをコーティングフィルムともいう。
【0004】
一方、パーソナル携帯情報端末(Portable Personal Digital Assistant)といった電子機器に、タッチスクリーンを用いて情報を入力する方法が最近広く適用されている。ところが、手やペンを使用して電子機器又は表示装置の表面に直接情報を入力する場合、手やペンとの接触によって、電子機器又は表示装置の表面が汚染される可能性がある。
【0005】
したがって、優れた耐摩耗性を持ちながら、同時に手やペンのタッチによる汚染に対して優れた抵抗性を有するか、優れた汚染除去特性を有する光透過性フィルム又はコーティングフィルムが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施例は、優れた耐摩耗性と優れた耐スクラッチ性を有するコーティングフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の一実施例は、優れた汚染防止特性を有するコーティングフィルムを提供することを目的とする。本発明の一実施例は、大きな水接触角を有し、スクラッチ後も大きな水接触角を維持することができ、優れた汚染抵抗性を有するコーティングフィルムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の別の一実施例は、前記の特性を有するコーティングフィルムの製造に用いられるコーティング用組成物を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の別の一実施例は、前記のコーティングフィルムを含む表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するための本発明の一実施例は、基材フィルム及び前記基材フィルム上のコーティング層を含み、前記コーティング層は、100度以上の水接触角、及び、98度以上のスクラッチ後の水接触角を有するコーティングフィルムを提供する。
【0011】
前記水接触角と、前記スクラッチ後の水接触角との差が10度以下でありうる。
【0012】
前記コーティング層は、100度ないし120度の水接触角、及び、98度ないし110度のスクラッチ後の水接触角を有しうる。
【0013】
前記コーティング層は、二つ以下のスクラッチ数を有しうる。
【0014】
前記コーティング層は、95度以上の、消しゴム摩耗後の水接触角を有しうる。
【0015】
前記水接触角と、前記消しゴム摩耗後の水接触角との差が10度以下でありうる。
【0016】
前記コーティング層は、95度ないし110度の、消しゴム摩耗後の水接触角を有しうる。
【0017】
前記コーティング層の厚さ10μmを基準に、2mm以下のカール(curl)を有しうる。
【0018】
前記コーティング層の厚さ10μmを基準に、1mm以下のクラックの半径(crack point radius)を有しうる。
【0019】
本発明の他の一実施例は、シラン化合物と重合硬化助剤を含み、前記シラン化合物は、下記化学式1で表される第1シラン化合物、下記化学式2で表される第2シラン化合物、及び、下記化学式3で表される第3シラン化合物を含み、前記重合硬化助剤は、ジオール(diol)及び水(H2O)を含むコーティング用組成物を提供する。
【0020】
[化学式1]
【0021】
[化学式2]
【0022】
[化学式3]
Si(OR3)4
【0023】
R11は、置換又は非置換のC2~C5の不飽和炭化水素基であり、R12、R13及びR14は、それぞれ独立してC1~C5のアルキル基であり、R21は、単結合又はC1~C4のアルキレン基であり、R22、R23及びR24 は、それぞれ独立してC1~C5のアルキル基であり、mは、3ないし10の整数であり、R3は、C1~C4のアルキル基である。
【0024】
前記シラン化合物と前記重合硬化助剤とのモル比は、1:1.2ないし1.8の範囲でありうる。
【0025】
前記シラン化合物の全モル数に対して、80ないし90モル%の第1シラン化合物、1ないし5モル%の第2シラン化合物及び7ないし15モル%の第3シラン化合物を含みうる。
【0026】
前記第1シラン化合物は、下記化学式4で表されるビニルトリメトキシシラン(Vinyl trimethoxy silane)を含みうる。
【0027】
[化学式4]
【0028】
前記第2シラン化合物は、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltrimethoxysilane)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-decyltrimethoxysilane)及び1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-decyltriethoxysilane)の中から選択される少なくとも一つを含みうる。
【0029】
前記第3シラン化合物は、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate, TEOS)及びオルトケイ酸テトラメチル(tetramethyl orthosilicate, TMOS)のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0030】
前記ジオール(diol)は、エチレングリコール(Ethylene glycol)、1,3-プロパンジオール(1,3-propanediol)及び1,4-ブタンジオール(1,4-butanediol)のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0031】
前記コーティング用組成物は、塩基触媒をさらに含みうる。
【0032】
前記コーティング用組成物は、前記シラン化合物全体100重量部に対して、0.05ないし0.1重量部の前記塩基触媒を含みうる。
【0033】
本発明の別の一実施例は、基材フィルム、及び前記基材フィルム上のコーティング用組成物によって形成されたコーティング層を含むコーティングフィルムを提供する。
【0034】
本発明の別の一実施例は、表示パネル、及び、前記表示パネル上に配置された前記コーティングフィルムを含む表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施例によるコーティング層は、パーフルオロ基(perfluoro group)を有し、優れた耐摩耗性、耐スクラッチ性及び耐汚染性を有することができる。
【0036】
前記のようなコーティング層を有する本発明の一実施例によるコーティングフィルムは、大きな水接触角、及び、大きなスクラッチ後の水接触角を有することができる。それによって、本発明の一実施例によるコーティングフィルムは、優れた滑り特性、優れた汚染防止性、及び優れた汚染除去特性を有することができる。
【0037】
本発明の一実施例により、多官能シラン化合物を含むコーティング用組成物によって製造されたコーティング層は、優れた耐摩耗性及び耐スクラッチ性を有することができる。このようなコーティング層を含む本発明の一実施例によるコーティングフィルムは、優れた耐摩耗性及び耐スクラッチ性を有することができる。また、本発明の一実施例によるコーティングフィルムのコーティング層は、優れた柔軟性を有することができる。
【0038】
本発明の一実施例によるコーティングフィルムが表示パネルの表示面に貼付されてなる表示装置は、優れた表面汚染防止特性、優れた表面汚染除去特性、優れた耐摩耗性及び耐スクラッチ性を有することができ、優れた柔軟性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施例によるコーティングフィルムの概略的な断面図である。
図2】水接触角の測定を説明する概略的な断面図である。
図3】カール(curl)の測定を説明する概略的な断面図である。
図4】クラックの半径(crack point radius)の測定を説明する概略図である。
図5】本発明の一実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
図6図4の「P」部分を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。以下に説明する実施例は、本発明の明確な理解を助けるための、例示的な目的で提示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0041】
本明細書で言及された「含む」、「有する」、「行われる」等が使用される場合、「~のみ」という表現が使用されない限り、他の部分が追加されうる。構成要素が単数として表現された場合、特に明示的な記載がない限り、複数を含む。また、構成要素を解釈するにあたり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0042】
位置関係に関する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部(上方)に」、「~下部(下方)に」、「~横(側方)に」等で二つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」又は「直接」という表現が使用されない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置しうる。
【0043】
時間関係に関する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~の次に」、「~前に」等で時間的前後関係が説明される場合、「すぐ」又は「直接」という表現が使用されない限り、連続的でない場合も含みうる。
【0044】
第1、第2等は、様々な構成要素を記述するために使用されるが、それらの構成要素は、これらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想の範囲内において第2構成要素であることもありうる。
【0045】
「少なくとも一つ」の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されるべきである。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目のうちの少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目又は第3項目のそれぞれのみならず、第1項目、第2項目及び第3項目のうちの二つ以上から提示できるすべての項目の組み合わせを意味することができる。
【0046】
本発明の様々な実施例の各特徴が部分的に又は全体的に互いに結合する又は組み合わさることが可能で、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに独立して実施可能であることもあり、関連関係として一緒に実施されることもありうる。
【0047】
図1は、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)の概略的な断面図である。
【0048】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、基材フィルム(110)、及び基材フィルム(110)上のコーティング層(120)を含む。
【0049】
基材フィルム(110)として光透過性フィルムを使用することができる。光透過性フィルムとしてポリイミドフィルム及びポリアミドイミドフィルムを含むポリイミド系(PI)フィルムを使用することができる。しかし、本発明の一実施例はこれに限定されるものではなく、ポリカーボネートフィルム(PC)、ポリアクリルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、セルロースフィルム等を基材フィルム(110)として使用することもできる。
【0050】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)は、シラン化合物及び重合硬化助剤を含むコーティング用組成物によって作ることができる。シラン化合物及び重合硬化助剤を含むコーティング用組成物によって作られたコーティング層(120)は、シロキサン樹脂を含みうる。
【0051】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)を形成するためにパーフルオロシラン化合物を使用することがある。パーフルオロシラン化合物に含まれるパーフルオロ基(perfluoro group)は、コーティング層の上部に位置しうる。その結果、パーフルオロ基(perfluoro group)がコーティング層(120)の表面の物性に影響を与えることができる。
【0052】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)は、優れた耐摩耗性、耐スクラッチ性、耐汚染性及び柔軟性を有することがある。その結果、コーティング層(120)を含むコーティングフィルム(100)が、優れた耐摩耗性、耐スクラッチ性、耐汚染性及び柔軟性を有することができる。
【0053】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)は、5ないし50μmの厚さを有しうる。コーティング層(120)の厚さが5μm未満の場合、コーティング層(120)によるコーティングフィルム(100)の耐摩耗性、耐スクラッチ性及び耐汚染性の特徴が十分に発揮されないのでありうる。コーティング層(120)の厚さが50μmを超える場合、コーティングフィルム(100)の厚さが厚くなり、コーティングフィルム(100)の柔軟性が低下しうる。
【0054】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)は、100度以上の水接触角及び98度以上のスクラッチ後の水接触角を有することがある。より具体的には、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、100度以上の水接触角及び98度以上のスクラッチ後の水接触角を有しうる。
【0055】
本発明の一実施例によれば、水接触角は、5μLの水滴(H2O)をコーティング層(120)に滴下した後に測定された、コーティング層(120)の表面と、水滴(H2O)の境界との角度であると定義される。
【0056】
図2は、水接触角の測定を説明する概略的な断面図である。
【0057】
本発明の一実施例によれば、KRUSS社のMSA(Mobile Surface Analyzer)モデルを使用して、図2に示すように5μLの水滴(WD)をコーティング層(120)に滴下した後、コーティング層(120)の表面と、水滴の境界との角度(θ)を測定することにより、水接触角を求めることができる。具体的には、5μLの水滴(WD)を2.7μL/secの速度でコーティング層(120)の表面に滴下した後、コーティング層(120)の表面と水滴(WD)の境界との角度(θ)を0.2秒毎に7回測定し、このような測定を5回繰り返すことにより、その平均値を水接触角とすることができる。
【0058】
本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、100度以上の水接触角を有する。100度以上の大きな水接触角を有するコーティング層(120)は、優れた滑り特性を有することができる。コーティング層(120)が、優れた滑り特性を有する場合、汚染物質がコーティング層(120)に付着又は被着することが困難であるため、コーティング層(120)が優れた汚染防止特性を有しうる。また、コーティング層(120)が優れた滑り特性を有する場合、コーティング層(120)に付着又は被着していた汚染物質が容易に除去されうる。その結果、コーティング層(120)が優れた汚染除去特性を有することができる。
【0059】
本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、98度以上のスクラッチ後の水接触角を有する。
【0060】
スクラッチ後の水接触角は、コーティングフィルム(100)を100mm×50mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)が上方を向くように粘着テープ(3M社)を用いて、前記コーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、#0000(LIBERON社)の不織布を巻いた20mm×20mmのサイズのステンレス(SUS)治具でもって、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で10,000回にわたってコーティングフィルムのサンプルのコーティング層(120)の表面を往復させてから測定された水接触角である。
【0061】
要約すると、スクラッチ後の水接触角は、コーティングフィルム(100)のコーティング層(120)の表面がスクラッチ誘発過程を経てから測定された水接触角を意味する。スクラッチ後の水接触角を測定するために、KRUSS社のMSA(Mobile Surface Analyzer)モデルを使用することができる。
【0062】
本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、98度以上のスクラッチ後の水接触角を有するため、コーティング層(120)表面がスクラッチ環境にさらされた後も優れた滑り特性を有することができる。したがって、コーティングフィルム(100)の使用過程でコーティング層(120)がスクラッチ環境にさらされても、コーティングフィルム(100)は、優れた汚染防止特性及び汚染除去特性を有することができる。
【0063】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)の水接触角と、スクラッチ後の水接触角との差が10度以下のでありうる。
【0064】
コーティング層(120)の水接触角と、スクラッチ後の水接触角との差が大きくない場合、コーティングフィルム(100)の使用過程で、コーティング層(120)がスクラッチ環境にさらされても、コーティング層(120)の水接触角が大きく低下しないことを意味する。このように、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、スクラッチ環境において損傷を受ける度合いが大きくなく、スクラッチ環境において優れた耐性を有することができる。したがって、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、優れた耐スクラッチ性を有するといえる。
【0065】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)は、100度ないし120度の水接触角、及び、98度ないし110度のスクラッチ後の水接触角を有しうる。又は、本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)は、105度ないし120度の水接触角、及び100度ないし110度のスクラッチ後の水接触角を有しうる。本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)は、105度ないし115度の水接触角を有することもありうる。
【0066】
本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、二つ以下のスクラッチ数(number of scratches)を有しうる。
【0067】
本発明の一実施例によれば、スクラッチ数は、コーティングフィルム(100)を100mm×50mmのサイズにカットして、コーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)が上方を向くように、粘着テープ(3M社)を用いてコーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、#0000(LIBERON社)の不織布を巻いた20mm×20mmのサイズのステンレス(SUS)治具でもって、0.5kgfの荷重、45RPMの速度にて10,000回にわたって(の間)、コーティングフィルムのサンプルのコーティング層(120)の表面を往復させてから、肉眼で観察されたスクラッチ数を意味する。
【0068】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、一つ以下のスクラッチ数(number of scratches)を有することもありうるし、スクラッチを有しないこともありうる。
【0069】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)は、スクラッチ誘発過程を経た後にも、スクラッチが非常に少なく生じるか、または生じない。したがって、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、優れた耐スクラッチ性を有するといえる。
【0070】
本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)が表示装置のカバーウィンドウとして使用される場合、コーティングフィルム(100)はスクラッチ環境にさらされる。本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、優れた耐スクラッチ性を有するため、コーティングフィルム(100)が表示装置のカバーウィンドウとして使用されても、スクラッチが発生しないか、ほとんど発生しないのでありうる。
【0071】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、95度以上の消しゴム摩耗後の水接触角を有しうる。
【0072】
消しゴム摩耗後の水接触角は、コーティングフィルム(100)を200mm×50mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)が上方を向くようにして、粘着テープ(3M社)を用いてコーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、「マナスル」消しゴム(耐摩耗性試験用の消しゴム;Minoan abrasion test erasers)を治具に固定し、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で1,000回にわたって(の間)
コーティングフィルムのサンプルのコーティング層(120)表面を往復させてから測定された水接触角である。水接触角を測定するためにKRUSS社のMSA(Mobile Surface Analyzer)モデルを使用することができる。
【0073】
本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、95度以上の消しゴム摩耗後の水接触角を有するため、コーティング層(120)表面が摩耗できる環境にさらされても、コーティング層(120)への損傷は大きくないといえる。したがって、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、優れた耐摩耗特性を有するといえる。
【0074】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)の水接触角と前記消しゴム摩耗後の水接触角の差が10度以下でありうる。
【0075】
コーティング層(120)の水接触角と、消しゴム摩耗後の水接触角との差が大きくない場合、コーティングフィルム(100)の使用過程にてコーティング層(120)が摩耗されうる環境にさらされても、コーティング層(120)の水接触角が大きく低下しないことを意味する。このように、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、摩耗環境において損傷を受ける度合いが大きくないことから、優れた耐摩耗性を有するといえる。
【0076】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、95度ないし110度の消しゴム摩耗後の水接触角を有しうる。又は、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)のコーティング層(120)は、95度ないし105度の消しゴム摩耗後の水接触角を有しうる。
【0077】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)は、2mm以下のカール(curl)を有しうる。例えば、コーティング層(120)の厚さ10μmを基準に、コーティングフィルム(100)は、2mm以下のカール(curl)を有しうる。
【0078】
カール(curl)は、コーティングフィルム(100)を100mm×100mmのサイズの正方形にカットして作られた、コーティングフィルムのサンプルを、平らなガラス基板に位置させた後、コーティングフィルムのサンプルの隅角がガラス基板の底面から離隔した距離として定義される。
【0079】
図3は、カール(curl)の測定を説明する概略的な断面図である。図3で「curl」と示された距離、具体的には、コーティングフィルム(100)のサンプルの隅角がガラス基板(201)の床面(上面)から離隔した距離をコーティングフィルム(100)のカール(curl)といえる。
【0080】
コーティングフィルム(100)の製造過程にて、コーティング層(120)を形成するためにコーティング用組成物が硬化されうるのであり、硬化収縮によりカール(curl)が発生しうる。カール(curl)が発生する場合、コーティングフィルム(100)は、外観の変形に起因して、後加工が難しいのであり、カール(curl)が強く発生する場合、コーティング層(120)の剥離等の問題が生じうる。
【0081】
本発明の一実施例によれば、コーティング用組成物がジオール(diol)を含みうるのであり、ジオール(diol)によってコーティング用組成物に含まれた分子の距離が維持され、コーティング層(120)を含むコーティングフィルム(100)のカール(curl)が防止されうる。
【0082】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)は、1mm以下のカール(curl)を有しうるのであり、0.5mm以下のカール(curl)を有することもありうるのであり、肉眼で識別されるカール(curl)を有しないこともありうる。
【0083】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)は、1mm以下のクラックの半径(crack point radius)を有しうる。例えば、コーティング層(120)の厚さ10μmを基準に、1mm以下のクラックの半径(crack point radius)を有しうる。
【0084】
本発明の一実施例によれば、クラックの半径(crack point radius)は、コーティングフィルム(100)を20mm×100mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)が、コーティングフィルムのサンプルが曲げられる外側の方向を向くように、コーティングフィルムのサンプルを耐屈曲試験機(“Radius Bending Tester”)に取り付けた後、曲率半径を小さくしていくに伴いコーティングフィルムのサンプルが曲げられて(bending)いき、コーティングフィルムのサンプルにクラック(Crack)が発生する時の曲率半径であると定義される。
【0085】
図4は、クラックの半径(crack point radius)の測定について説明する概略図である。図4に示すように、コーティングフィルム(100)のサンプルを曲げるにあたり、曲げる地点の曲率半径を小さくしていきながら曲げる作業を繰り返して、コーティングフィルム(100)のサンプルにクラック(Crack)が発生する時の曲率半径を、クラックの半径(crack point radius)と定義する。
【0086】
本発明の一実施例によれば、コーティングフィルム(100)は、1mm以下の非常に小さなクラックの半径(crack point radius)を有することから、優れた屈曲性及び柔軟性を有するといえる。
【0087】
特に、本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)が、コーティングフィルムのサンプルが曲げられる外側の方向を向くようにコーティングフィルムのサンプルが耐屈曲試験機(“Radius Bending Testerに”)取り付けられるため、コーティング層(120)が、コーティングフィルムのサンプルが曲げられる内側の方向を向くようにコーティングフィルムのサンプルが取り付けられる場合よりも、より過酷な条件でクラックの半径(crack point radius)が測定される。それにもかかわらず、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)が1mm以下の非常に小さなクラックの半径(crack point radius)を有するため、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、優れた屈曲性及び柔軟性を有するといえる。
【0088】
より具体的には、本発明の一実施例によるコーティングフィルム(100)は、0.5mm以下のクラックの半径(crack point radius)を有することもありうる。
【0089】
本発明の一実施例は、コーティング用組成物を提供する。コーティング用組成物は、コーティングフィルム(100)におけるコーティング層(120)の形成に使用することができる。
【0090】
本発明の一実施例によれば、コーティング用組成物は、シラン化合物及び重合硬化助剤を含む。シラン化合物は、下記化学式1で表される第1シラン化合物、下記化学式2で表される第2シラン化合物及び下記化学式3で表される第3シラン化合物を含みうる。重合硬化助剤は、ジオール(diol)及び水(H2O)を含みうる。
【0091】
[化学式1]
【0092】
化学式1で、R11は、置換又は非置換のC2~C5の不飽和炭化水素基であり、R12、R13及びR14は、それぞれ独立してC1~C5のアルキル基である。ここで、不飽和炭化水素基及びアルキル基は、それぞれ直鎖状、枝分かれ状又は脂環状でありうる。
【0093】
[化学式2]
【0094】
化学式2で、R21は、単結合又はC1~C4のアルキレン基であり、R22、R23及びR24は、それぞれ独立してC1~C5のアルキル基である。ここで、アルキレン基及びアルキル基は、それぞれ直鎖状、枝分かれ状又は脂環状でありうる。化学式2で、mは、3ないし10の整数である。
【0095】
[化学式3]
Si(OR3)4
【0096】
化学式3で、R3は、C1ないしC4のアルキル基である。ここで、アルキル基は、直鎖状又は枝分かれ状でありうる。
【0097】
本発明の一実施例によれば、シラン化合物によってシロキサンが形成されうる。具体的には、シラン化合物は、重合及び硬化反応を行う。シラン化合物の重合及び硬化によって、コーティング用組成物が重合及び硬化して、コーティング層(120)を形成しうる。
【0098】
化学式1で示される第1シラン化合物は、不飽和炭化水素基を有するため、重合反応を行うことができる。第1シラン化合物は、シラン化合物の主成分として、コーティング用組成物が重合及び硬化するようにする中心的な役割を果たすことができる。第1シラン化合物によってコーティング用組成物の重合及び硬化が円滑に行われうる。
【0099】
第1シラン化合物は、例えば、下記化学式4で表されるビニルトリメトキシシラン(Vinyl trimethoxy silane)を含むのでありうる。
【0100】
[化学式4]
【0101】
第2シラン化合物は、パーフルオロ基(perfluoro group)を有するシラン化合物である。第2シラン化合物に含まれたパーフルオロ基(perfluoro group)は、コーティング層(120)の表面張力を低下させてコーティング層(120)の水接触角を増加させることができ、スクラッチ後又は摩耗後の接触角が秀れた状態に維持されるようにする。
【0102】
本発明の一実施例によれば、コーティング層(120)が大きな水接触角を有して優れた滑り(slip)特性を持たせ、コーティング層(120)の汚染防止特性及び汚染除去特性を向上させ、同時に耐スクラッチ性を向上させるために、コーティング用組成物は、化学式2で表される第2シラン化合物を含みうる。
【0103】
化学式2で表される第2シラン化合物は、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilan)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltrimethoxysilan)、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-decyltrimethoxysilane)及び1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-decyltriethoxysilane)の中から選択される少なくとも一つを含みうる。
【0104】
パーフルオロ基を有する第2シラン化合物を含むコーティング用組成物によって形成されたコーティング層(120)は、100度以上の水接触角、及び、98度以上のスクラッチ後の水接触角を有しうる。また、パーフルオロ基を有する第2シラン化合物を含むコーティング用組成物によって形成されたコーティング層(120)は、95度以上の、消しゴム摩耗後の水接触角を有しうる。
【0105】
大きな水接触角を有する本発明の一実施例によるコーティング層(120)は、優れた滑り特性を有することができ、その結果、コーティング層(120)の汚染防止特性、汚染除去特性が向上しうる。また、コーティング層(120)が優れた滑り特性を有することにより、スクラッチ環境でコーティング層(120)にスクラッチが発生することを防止しうる。その結果、コーティング層(120)の耐スクラッチ性が向上しうる。また、第2シラン化合物に含まれたフッ素(F)により、コーティング層(120)の耐摩耗性が向上しうる。
【0106】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物によって製造されたコーティング層(120)は、98度以上のスクラッチ後の水接触角を有するため、コーティング層(120)の表面がスクラッチ環境にさらされた後も、優れた滑り特性を有することができる。したがって、コーティング層(120)がスクラッチ環境にさらされた後も、コーティング層(120)の汚染防止特性及び汚染除去特性を維持することができる。
【0107】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物によって製造されたコーティング層(120)は、スクラッチ環境にさらされた後、二つ以下のスクラッチ数を有する。このように、コーティング層(120)は、スクラッチ環境に対する抵抗性に優れており、優れた耐スクラッチ性を有する。
【0108】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物によって製造されたコーティング層(120)は、95度以上の、消しゴム摩耗後の水接触角を有するため、コーティング層(120)が摩耗環境にさらされても、優れた滑り特性を有することができる。その結果、摩耗環境下においても、コーティング層(120)が優れた汚染防止特性及び汚染除去特性を維持することができる。
【0109】
第2シラン化合物として、例えば、下記化学式5で表される1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane)及び下記化学式6で表される1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルトリメトキシシラン(1H,1H,2H,2H-Perfluoro-decyltrimethoxysilane)がある。
【0110】
[化学式5]
【0111】
[化学式6]
【0112】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物は、コーティング層(120)の機械的強度、硬度及び耐スクラッチ性の向上のために、化学式3で表される第3シラン化合物を含みうる。
【0113】
本発明の一実施例によれば、第3シラン化合物は、4つのアルコキシ基を有する。化学式3で表されるように、4つのアルコキシ基を有するシラン化合物は、Q構造のシラン化合物とも呼ばれる。
【0114】
本発明の一実施例により、第3シラン化合物を含むコーティング用組成物によって形成されたコーティング層(120)は、シロキサン樹脂の高分子鎖に形成されたQ構造のシロキサン構造を含み、その結果、コーティング層(120)は、ガラスのような優れた硬度及び耐スクラッチ性を有することができる。
【0115】
第3シラン化合物は、例えば、オルトケイ酸テトラエチル(tetraethyl orthosilicate、TEOS)及びオルトケイ酸テトラメチル(tetramethyl orthosilicate、TMOS)のうち少なくとも一つを含みうる。
【0116】
第3シラン化合物として、例えば、下記化学式7で表されるオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)がある。
【0117】
[化学式7]
【0118】
本発明の一実施例によれば、コーティング用組成物によって形成されるコーティング層(120)の耐摩耗性、耐スクラッチ性、水接触角の向上のために、第1シラン化合物、第2シラン化合物及び第3シラン化合物の含有量が調整される。
【0119】
例えば、コーティング用組成物に含まれた第1シラン化合物の含有量が十分でなければ、コーティング用組成物のコーティング性及び硬化性が低下し、熱硬化工程の時間が大幅に増加しうる。また、第1シラン化合物の含有量が不足する場合、コーティング層の耐スクラッチ性が低下しうる。
【0120】
コーティング用組成物に第2シラン化合物の含有量が不足する場合、コーティング用組成物によって形成されたコーティング層の水接触角が減少し、滑り特性が低下しうる。一方、第2シラン化合物の含有量が過度に多い場合、作業性が低下し、コーティング性が低下しうる。
【0121】
第3シラン化合物は、コーティング用組成物の重合時間を短縮させる役割を担うことでコーティング層(120)の耐摩耗性及び耐スクラッチ性を向上させる役割を果たす。一方、第3シラン化合物の含有量が増加する場合、コーティング層(120)のカール(curl)の発生が増加し、コーティング層(120)の柔軟性及び屈曲性が低下する。具体的には、コーティング用組成物に第3シラン化合物が過剰に含まれる場合、コーティング用組成物によって形成されるコーティング層(120)の柔軟性が低下しうる。一方、第3シラン化合物の含有量が不足する場合、シランQ構造がシロキサン樹脂の高分子鎖に十分に形成されず、コーティング用組成物によって形成されるコーティング層の硬度、強度及び耐スクラッチ性が低下しうる。
【0122】
このような特性を考慮して、本発明の一実施例によれば、シラン化合物の全モル数に対して、80ないし90モル%の第1シラン化合物、1ないし5モル%の第2シラン化合物及び7ないし15モル%の第3シラン化合物を使用することができる。
【0123】
より具体的には、本発明の一実施例によれば、シラン化合物の全モル数に対して、82ないし89モル%の第1シラン化合物、1ないし5モル%の第2シラン化合物及び8ないし12モル%の第3シラン化合物を使用することができる。
【0124】
溶媒は、シラン化合物が均一に混合するようにしてシラン化合物が容易に重合できるようにする。
【0125】
本発明の一実施例によれば、モル数基準で、シラン化合物よりも多量の重合硬化助剤を使用しうる。例えば、シラン化合物の円滑な混合及び重合のために、シラン化合物と重合硬化助剤とのモル比は、1:1.2ないし1.8の範囲でありうる(シラン化合物:重合硬化助剤=1:1.2~1.8)。より具体的には、シラン化合物と重合硬化助剤とのモル比は、1:1.4ないし1.6の範囲でありうる(シラン化合物:重合硬化助剤=1:1.4~1.6)。
【0126】
本発明の一実施例によれば、重量基準で、重合硬化助剤より多量のシラン化合物を使用しうる。例えば、優れた物性を有するコーティング層(120)を形成するために、重合硬化助剤とシラン化合物との重量比は、1:3ないし6の範囲でありうる(溶媒:シラン化合物=1:3~6)。
【0127】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物は、重合硬化助剤として、水(H2O)を含む。水(H2O)は、シロキサン樹脂を形成するためのモノマー同士の結合剤として使用することができ、脱水縮合反応に関与する。
【0128】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物は、重合硬化助剤としてジオール(diol)を含みうる。ジオール(diol)は、コーティング用組成物の硬化過程でシラン化合物同士の間隔を維持させる役割を果たすことにより、シラン化合物の硬化によってコーティング層(120)又はコーティングフィルム(100)にカール(curl)が発生することを抑制することができる。シラン化合物同士の間隔を維持するために、本発明の一実施例によれば、直鎖状のジオールを使用しうる。
【0129】
本発明の一実施例によれば、ジオール(diol)は、例えば、エチレングリコール(Ethylene glycol)、1,3-プロパンジオール(1,3-propanediol)及び1,4-ブタンジオール(1,4-butanediol)のうち少なくとも一つを含みうる。
【0130】
ジオールは、カール(curl)の発生を抑制し、コーティング層(120)の柔軟性を増加させる役割をする。しかし、ジオールの含有量が増加する場合、コーティング用組成物の重合時間が増加し、コーティング層(120)の耐摩耗性及び耐スクラッチ性が低下しうる。このような特徴を考慮して、水(H2O)とジオール(diol)の含有量を調整することがある。
【0131】
例えば、水(H2O)とジオール(diol)は、モル(mole)基準で、1:0.5~0.9の比(ratio)で使用されうる(水:ジオール=1:0.5~0.9)。より具体的には、水(H2O)とジオール(diol)とのモル比は、1:0.6~0.8の範囲になりうる(水:ジオール=1:0.6~0.8)。
【0132】
本発明の一実施例によれば、重量基準で、水(H2O)より多量のジオール(diol)を使用しうる。例えば、水(H2O)とジオール(diol)は、重量基準で、1:1.5~3の比で使用しうる(水:ジオール=1:1.5~3)。より具体的には、水(H2O)とジオール(diol)の重量比は、1:1.5~2.5の範囲になりうる(水:ジオール=1:1.5~2.5)。
【0133】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物は、触媒を含みうる。触媒は、例えば、コーティング層(120)の形成に必要なシロキサン樹脂の形成を促進しうる。
【0134】
本発明の一実施例によれば、触媒として、塩酸、酢酸、フッ化水素、硝酸、硫酸、ヨウ素酸等の酸触媒、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、イミダゾール等の塩基触媒及びアンバーライト(AmberLite)等のイオン交換樹脂を使用しうる。これらの触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。触媒は、シロキサン化合物100重量部基準で、0.0001ないし約10重量部で添加しうるが、触媒の含有量はこれに限定されるものではない。
【0135】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物は、塩基触媒を含みうる。塩基触媒として、水酸化ナトリウム(NaOH)を使用しうる。コーティング用組成物は、シラン化合物の全体100重量部に対して、0.05ないし0.1重量部の塩基触媒を含みうる。
【0136】
本発明の一実施例によるコーティング用組成物は、重合開始剤、酸化防止剤、レベリング剤及びコーティング助剤からなる群から選択された1種以上の添加剤をさらに含みうる。
【0137】
本発明の一実施例によれば、重合開始剤として、例えば、有機金属塩等の光重合開始剤とアミン、イミダゾール等の熱重合開始剤を使用しうる。重合開始剤は、シロキサン樹脂100重量部に対して約0.01ないし2重量部で使用しうる。
【0138】
一実施例によれば、コーティング層(120)を形成するために有機溶媒を使用しうる。有機溶媒によってコーティング用組成物の粘度が制御され、それによってコーティング用組成物の加工性が制御され、コーティング層(120)の厚さを容易に調整しうる。
【0139】
有機溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、メタノール等のアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;及びノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;からなる群から選択された1種以上を使用しうる。
【0140】
本発明の一実施例によれば、コーティング用組成物の重合及び硬化によってコーティング層(120)を形成しうる。
【0141】
より具体的には、コーティング用組成物が予備重合されてペースト(paste)状態の予備重合体が形成され、予備重合体に有機溶媒が添加されて粘度が調整されたペースト状態のコーティング用組成物が製造された後、基材フィルム(110)にコーティング用組成物がコーティングされてから硬化及び重合が行われてコーティング層(120)を形成しうる。
【0142】
コーティング層(120)の形成過程で、コーティング用組成物によってシロキサン樹脂が形成されうる。例えば、アルコキシジオールの置換反応及び縮合重合によりシロキサン樹脂が形成されうる。シロキサン樹脂の形成過程で、アルコキシが水と置換反応(又は加水分解)を行い、縮合重合が進行することもありうる。このような反応は、常温で進行することもありうるが、反応を促進するために50℃ないし120℃で1時間から20時間攪拌が行われうる。
【0143】
本発明の一実施例によれば、本発明の一実施例によるコーティング用組成物をコーティング、キャスティング、モールディング等の方法で基材フィルム(110)にコーティングして成形した後、光重合又は熱重合してコーティング層(120)を形成しうる。
【0144】
コーティング用組成物が重合するとき、光重合に適した光量条件は50mJ/cm2以上20,000mJ/cm2以下であり、光照射の前に、均一な表面を得るために40℃以上約200℃以下の温度で熱処理されうる。また、熱重合に適した温度は40℃以上200℃以下であり、温度はこれに限定されるものではない。
【0145】
図5は、本発明の別の一実施例による表示装置(200)の一部を示す断面図であり、図6は、図5の「P」部分を示す拡大断面図である。
【0146】
図5を参照すると、本発明の別の一実施例による表示装置(200)は、表示パネル(501)及び表示パネル(501)上のコーティングフィルム(100)を含む。図5には、図1のコーティングフィルム(100)を含む表示装置(200)が開示されている。
【0147】
図5及び図6を参照すると、表示パネル(501)は、基板(510)、基板(510)上の薄膜トランジスタ(TFT)及び薄膜トランジスタ(TFT)と接続された有機発光素子(570)を含む。有機発光素子(570)は、第1電極(571)、第1電極(571)上の有機発光層(572)、及び有機発光層(572)上の第2電極(573)を含む。図5及び図6に開示されている表示装置(200)は、有機発光表示装置である。
【0148】
基板(510)は、プラスチックで作られうる。具体的には、基板(510)は、ポリイミド系樹脂又はポリイミド系フィルムで作られうる。
【0149】
図示されていないが、基板(510)上にバッファ層が配置されうる。
【0150】
薄膜トランジスタ(TFT)は、基板(510)上に配置される。薄膜トランジスタ(TFT)は、半導体層(520)、半導体層(520)と絶縁されて半導体層(520)の少なくとも一部と重なるゲート電極(530)、半導体層(520)と接続されたソース電極(541)、及び、ソース電極(541)から離隔して半導体層(520)と接続されたドレイン電極(542)を含む。
【0151】
図6を参照すると、ゲート電極(530)と半導体層(520)との間にゲート絶縁膜(535)が配置される。ゲート電極(530)上に層間絶縁膜(551)が配置され、層間絶縁膜(551)上にソース電極(541)及びドレイン電極(542)が配置されうる。
【0152】
平坦化膜(552)は、薄膜トランジスタ(TFT)上に配置され、薄膜トランジスタ(TFT)の上部を平坦化する。
【0153】
第1電極(571)は、平坦化膜(552)上に配置される。第1電極(571)は、平坦化膜(552)に設けられたコンタクトホールを介して、薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極(542)と接続される。第1電極(571)は、ソース電極(541)と接続されることもありうる。
【0154】
バンク層(580)は、第1電極(571)及び平坦化膜(552)の上に配置され、画素領域又は発光領域を画定(定義)する。例えば、バンク層(580)が複数の画素同士の間における境界領域にマトリックス構造で配置されることで、バンク層(580)によって画素領域が画定(定義)されうる。
【0155】
有機発光層(572)は、第1電極(571)上に配置される。有機発光層(572)は、バンク層(580)上にも配置されうる。有機発光層(572)は、一つの発光層を含むこともありうるのであって、上下に積層された二つ以上の発光層を含むこともありうる。このような有機発光層(572)からは、赤、緑及び青のいずれか一つの色を有する光が放出されうるのであり、白色(White)光が放出されることもありうる。
【0156】
第2電極(573)は、有機発光層(572)上に配置される。
【0157】
第1電極(571)、有機発光層(572)及び第2電極(573)が積層されて、有機発光素子(570)が構成されうる。
【0158】
図示されていないが、有機発光層(572)が白色(White)光を発光する場合、個々の画素は、有機発光層(572)から放出される白色(White)光を波長別にフィルタリングするためのカラーフィルタを含みうる。カラーフィルタは、光の移動経路上に形成される。
【0159】
第2電極(573)上に薄膜封止層(590)が配置されうる。薄膜封止層(590)は、少なくとも一つの有機膜及び少なくとも一つの無機膜を含みうるのであり、少なくとも一つの有機膜及び少なくとも一つの無機膜が交互に配置されうる。
【0160】
以上説明した積層構造を有する表示パネル(501)上にコーティングフィルム(100)が配置される。コーティングフィルム(100)は、表示パネル(501)の発光面をカバー及び保護するカバーウィンドウとして使用されうる。
【0161】
以下、具体的な実施例及び比較例を通じて、本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例及び比較例は、あくまでも本発明をより具体的に説明するためのものであり、これによって本発明が限定されるものではない。
【0162】
[比較例1]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Vinyl trimethoxy silane)(Shin-Etsu社、KBM-1003)148g(1モル)、水(H2O)27g(1.5モル)及びNaOH(SAMCHUN CHEMICALS)0.1gを入れ、メカニカルスターラー(Mechanical Stirrer)を用いて100rpmで、65℃で5時間攪拌して予備重合体を製造した。
【0163】
製造された予備重合体10gに、有機溶媒であるメチルエチルケトン(MEK)10g、及び光開始剤であるIRGACURE 184(BASF社)0.1gを混合し、コーティング用組成物をペースト状態に製造した。メイヤーバー(Mayer Bar) no.8を用いて前記製造されたコーティング用組成物のペーストを基材フィルム(110)である50μmの厚さのポリイミド系フィルム(CPI、KOLON社)に塗布して、コーティング層(120)を成形した。その結果、未硬化コーティングフィルムが製造された。
【0164】
未硬化コーティングフィルムを100℃のオーブン(Oven)で10分間乾燥させた後、紫外線ランプを用いて30秒間露光(150mW/cm2、2J/cm2)してコーティング層(120)を硬化させた。その結果、10μmの厚さのコーティング層(120)を有するコーティングフィルム(100)が完成した。
【0165】
[比較例2]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)148g(1モル)、水(H2O)19g(1.05モル)、エチレングリコール(Ethylene Glycol, EG)(Sigma Aldrich社)28g(0.45モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で7時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同様の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio) H2O:EG=7:3)
【0166】
[比較例3]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)148g、水(H2O)16g(0.9モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)37g(0.6モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で10時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio) H2O:EG=6:4)
【0167】
[比較例4]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)148g(1モル)、水(H2 O)14g(0.75モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)47g(0.75モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で12時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio H2O:EG=5:5)
【0168】
[比較例5]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)148g(1モル)、水(H2O)11g(0.6モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)56g(0.9モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で24時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio H2O:EG=4:6)
【0169】
[比較例6]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shinetsu社、KBM-1003)147g(0.99モル)、TEOS(Evonik社)2g(0.01モル)、水(H2O)16g(0.9モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)37g(0.6モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で9時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio) KBM-1003:TEOS=99:1、H2O:EG=6:4)
【0170】
[比較例7]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)141g(0.95モル)、TEOS(Evonik社)10g(0.05モル)、水(H2O)16g(0.915モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)38g(0.61モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio) KBM-1003:TEOS=95:5、H2O:EG=6:4)
【0171】
[比較例8]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)133g(0.9モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、水(H2O)16g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)38g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio) KBM-1003:TEOS=9:1、H2O:EG=6:4)
【0172】
[比較例9]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)119g(0.8モル)、TEOS(Evonik社)42g(0.2モル)、水(H2O)17g(0.96モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)40g(0.64モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で6時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio) KBM-1003:TEOS=8:2、H2O:EG=6:4)
【0173】
[比較例10]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)104g(0.7モル)、TEOS(Evonik社)62g(0.3モル)、水(H2O)18g(0.99モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)41g(0.66モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で5時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(モル比(mole ratio) KBM-1003:TEOS=7:3、H2O:EG=6:4)
【0174】
[比較例11]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)133g(0.895モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)3g(0.005モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち第2シラン化合物0.5モル%)
【0175】
[実施例1]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)132g(0.89モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)5g(0.01モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち第2シラン化合物1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilaneのモル比1.0%)
【0176】
[実施例2]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)129g(0.87モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)15g(0.03モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち第2シラン化合物1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilaneのモル比3.0%)
【0177】
[実施例3]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)126g(0.85モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)26g(0.05モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち第2シラン化合物1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilaneのモル比5.0%)
【0178】
[比較例12]
500mLのフラスコにビニルトリメトキシシラン(Shin-Etsu社、KBM-1003)119g(0.8モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)51g(0.1モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち第2シラン化合物1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilaneのモル比10%)
【0179】
比較例1ないし12及び実施例1ないし3によるコーティング用組成物を構成する、各成分のモル比(mole ratio)及び予備重合体の重量平均分子量及び多分散指数(PDI)は、表1のようにまとめることができる。
【0180】
【表1】
【0181】
[比較例13]
500mLのフラスコに3-メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-503、Shinetsu社)221g(0.89モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)5g(0.01モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilaneのモル比1%)
【0182】
[比較例14]
500mLのフラスコに3-メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-503、Shinetsu社)216g(0.87モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)15g(0.03モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilaneのモル比3%)
【0183】
[比較例15]
500mLのフラスコに3-メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-503、Shinetsu社)211g(0.85モル)、TEOS(Evonik社)21g(0.1モル)、1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilane(Sigma Aldrich社)26g(0.05モル)、水(H2O)17g(0.93モル)、エチレングリコール(EG、Sigma Aldrich社)39g(0.62モル)、NaOH 0.1gを入れ、65℃で8時間攪拌して予備重合体を製造したということを除き、比較例1と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。(シラン化合物のうち1H,1H,2H,2H-Perfluoro-octyltriethoxysilaneのモル比5%)
【0184】
比較例12ないし14によるコーティング用組成物を構成する各成分のモル比(mole ratio)及び予備重合体の重量平均分子量及び多分散指数(PDI)は、表2のようにまとめることができる。
【0185】
【表2】
【0186】
[比較例16]
コーティング用組成物に、フッ素系防汚性添加剤(Fluorinated Anti-smudge Additive)であるKY-1203(Shinetsu社)をシラン化合物の全重量に対して3重量%添加するということを除き、比較例8と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。
【0187】
[実施例4]
コーティング用組成物に、フッ素系防汚性添加剤(Fluorinated Anti-smudge Additive)であるKY-1203(Shinetsu社)をシラン化合物の全重量に対して3重量%添加するということを除き、実施例2と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。
【0188】
[比較例17]
コーティング用組成物に、フッ素系防汚性添加剤(Fluorinated Anti-smudge Additive)であるKY-1203(Shinetsu社)をシラン化合物の全重量に対して3重量%添加するということを除き、比較例13と同一の方法でコーティングフィルム(100)を製造した。
【0189】
[測定例]
実施例1ないし4及び比較例1ないし17で製造されたコーティングフィルムを対象に、下記の方法に基づいて物性評価を行い、その結果を下記の表3に開示する。
【0190】
(1)水接触角
KRUSS社のMSA(Mobile Surface Analyzer)モデルを用いて図2に示すように、5μLの水滴(WD)を2.7μL/secの速度でコーティング層(120)の表面に滴下した後、コーティング層(120)表面と、水滴(WD)の境界との角度(θ)を0.2秒毎に7回測定し、このような測定を5回繰り返して、その平均値を水接触角とする。
【0191】
表3にて、水接触角は、初期の水接触角で表される。
【0192】
(2)スクラッチ数
コーティングフィルム(100)を100mm×50mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)が上方を向くように、粘着テープ(3M社)を用いてコーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、#0000(LIBERON社)の不織布を巻いた20mm×20mmサイズのステンレス(SUS)治具でもって、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で10,000回にわたって(の間)コーティングフィルムのサンプルのコーティング層(120)の表面を往復させてから、肉眼で観察されたスクラッチ数を記録する。
【0193】
(3)スクラッチ後の水接触角
コーティングフィルム(100)を100mm×50mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)が上方を向くように、粘着テープ(3M社)を用いて前記のコーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、#0000(LIBERON社)の不織布を巻いた20mm×20mmのサイズのステンレス(SUS)治具でもって、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で10,000回にわたって(の間)コーティングフィルムのサンプルのコーティング層(120)の表面を往復させてスクラッチを誘発する。次に、スクラッチが誘発されたコーティングフィルムのサンプルに対して前記(1)の方法で水接触角を測定する。
【0194】
(4)消しゴム摩耗後の水接触角
コーティングフィルム(100)を200mm×50mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)が上方を向くように、粘着テープ(3M社)を用いてコーティングフィルムのサンプルを平面に固定した後、「マナスル」消しゴム(耐摩耗性試験用の消しゴム)を治具に固定し、0.5kgfの荷重、45RPMの速度で1,000回にわたって(の間)コーティングフィルムのサンプルのコーティング層(120)の表面を往復させてから、前記(1)の方法で水接触角を測定する。
【0195】
(5)カール(curl)
カール(curl)は、コーティングフィルム(100)を100mm×100mmのサイズの正方形にカットして作られたコーティングフィルムのサンプルを平らなガラス基板に位置させた後、コーティングフィルムのサンプルの隅角がガラス基板の床面(上面)から離隔した距離として測定される(図3の「curl」参照)。
【0196】
(6)クラックの半径(crack point radius)
コーティングフィルム(100)を20mm×100mmのサイズにカットしてコーティングフィルムのサンプルを製造し、コーティング層(120)がコーティングフィルムのサンプルが曲げられる外側の方向を向くように、コーティングフィルムのサンプルを耐屈曲試験機(“Radius Bending Tester”)に取り付けた後、曲率半径を小さくしていくに伴ってコーティングフィルムのサンプルが曲げられて(bending)いき、コーティングフィルムのサンプルにクラック(Crack)が発生する時の曲率半径として測定される(図4参照)。
【0197】
【表3】
【0198】
表3を参照すると、実施例1ないし4によるコーティングフィルム(100)は、100度以上の水接触角、二つ以下のスクラッチ数、98度以上のスクラッチ後の水接触角、95度以上の消しゴム摩耗後の水接触角、2mm以下のカール(curl)及び1mm以下のクラックの半径(crack point radius)を有することが確認できる。
【0199】
また、実施例1ないし4によるコーティングフィルム(100)は、水接触角と、スクラッチ後の水接触角との差が10度以下であり、水接触角と、消しゴム摩耗後の水接触角との差が10度以下であることが確認できる。
【0200】
このように、本発明の一実施例によるコーティングフィルムは、高い水接触角を有して滑り特性が優れているため、汚染防止特性及び汚染除去特性が優れており、耐スクラッチ性及び耐摩耗性に優れ、フレキシブル表示装置のカバーウィンドウ又は保護フィルムとして使用できることが確認できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】