(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】冷却水制御ユニット
(51)【国際特許分類】
B60K 11/02 20060101AFI20240814BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240814BHJP
B60L 58/24 20190101ALI20240814BHJP
【FI】
B60K11/02
B60L3/00 H
B60L58/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581067
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 KR2022014476
(87)【国際公開番号】W WO2023080448
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150023
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524004571
【氏名又は名称】ハンオン システムズ イーエフピー コリア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ソン ファン
(72)【発明者】
【氏名】シン, オ サン
(72)【発明者】
【氏名】シム, ジョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ビョン, グァン ヨル
【テーマコード(参考)】
3D038
5H125
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC22
3D038AC23
5H125AA01
5H125BC19
5H125CD06
5H125FF22
5H125FF24
5H125FF27
(57)【要約】
【課題】エコカーに備えられた様々な電装部品に冷却水を供給及び統合するための冷却水制御ユニットを提供すると共に、前記冷却水制御ユニットの作動時に発生する高熱を前記冷却水を用いて安定して冷却できる冷却水制御ユニットを提供する。
【解決手段】本発明の冷却水制御ユニットは、全体の外形をなすハウジング部と、ハウジング部の内部で回転可能に設けられ、冷却水の移送方向を切り替えるために備えられたバルブユニットと、ハウジング部に結合された冷却水ポンプユニットと、バルブユニットを駆動させるために備えられた駆動モータ部と、バルブユニット、冷却水ポンプユニット、及び駆動モータ部の作動を制御するための制御ユニットと、制御ユニットが内蔵されており、冷却水が流入される冷却水流入部が形成され、制御ユニットから発生した熱エネルギーが、冷却水流入部を介して流入した冷却水との熱伝逹により熱交換されることで、制御ユニットに対する冷却が行われる制御機ハウジングと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体の外形をなすハウジング部と、
前記ハウジング部の内部で回転可能に設けられ、冷却水の移送方向を切り替えるために備えられたバルブユニットと、
前記ハウジング部に結合された冷却水ポンプユニットと、
前記バルブユニットを駆動させるために備えられた駆動モータ部と、
前記バルブユニット、前記冷却水ポンプユニット、及び駆動モータ部の作動を制御するための制御ユニットと、
前記制御ユニットが内蔵されており、前記冷却水が流入される冷却水流入部が形成され、前記制御ユニットから発生した熱エネルギーが、前記冷却水流入部を介して流入した冷却水との熱伝逹により熱交換されることで、前記制御ユニットに対する冷却が行われる制御機ハウジングを含むことを特徴とする冷却水制御ユニット。
【請求項2】
前記ハウジング部は、前記ハウジング部に供給される冷却水が貯蔵される冷却水リザーバと、
前記冷却水流入部又は前記冷却水リザーバを介して移送された冷却水を排出するように形成された冷却水出口部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項3】
前記制御機ハウジングは、前記ハウジング部とは異なる材質が用いられることを特徴とする請求項1に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項4】
前記制御機ハウジングは、熱伝逹率の高い材質が用いられることを特徴とする請求項1に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項5】
前記制御機ハウジングは、前記制御ユニットを収容するように制御機収容部が形成され、前記制御ユニットと前記制御機収容部との間には、前記制御ユニットから発生した熱エネルギーを前記制御機収容部に熱伝逹できるように熱伝逹層が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項6】
前記制御機収容部は、前記制御ユニットから発生した熱エネルギーが前記冷却水流入部の延びた経路に沿って熱伝逹される際に方向性を付与するために形成された熱伝逹誘導部をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項7】
前記熱伝逹誘導部は、薄板状に形成され、前記冷却水流入部が流入される方向から所定の長さに延びることを特徴とする請求項6に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項8】
前記熱伝逹誘導部は、前記制御機収容部の内側底面に所定の長さに形成された第1の熱伝逹誘導部と、
前記第1の熱伝逹誘導部の延びた端部から前記制御機収容部の内縁に沿って延びる第2の熱伝逹誘導部と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項9】
前記熱伝逹誘導部は、前記制御機収容部で凸状又は凹状のいずれかの形態に形成されたことを特徴とする請求項6に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項10】
前記冷却水ポンプユニットは、エコカーに備えられた電力系ユニットに冷却水を供給するために備えられた第1の冷却水ポンプと、
前記エコカーに備えられたバッテリユニット又はバッテリと接続された電装品に冷却水を供給するために備えられた第2の冷却水ポンプと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項11】
前記冷却水流入部は、前記第1の冷却水ポンプに低温の冷却水を供給すると共に、前記制御ユニットから発生した熱エネルギーとの熱伝逹が行われるように備えられた第1の冷却水流入部と、
前記第2の冷却水ポンプに低温の冷却水を供給すると共に、前記制御ユニットから発生した熱エネルギーとの熱伝逹が行われるように備えられた第2の冷却水流入部と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項12】
前記冷却水リザーバには、内部空間を互いに独立して区画及び貯蔵するように隔壁が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の冷却水制御ユニット。
【請求項13】
前記制御機ハウジングと結合し、前記駆動モータ部が内部に収納されるハウジングカバーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の冷却水制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却水制御ユニットに係り、より詳しくは、エコカーに備えられた各種の冷却ユニット又は加熱ユニット及び電力系に供給される冷却水の効率的な供給及び冷却するための冷却水制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内燃機関車両の環境問題により、エコカーとして電気自動車などの普及が拡大する傾向にある。しかし、従来の内燃機関車両の場合、エンジンの廃熱を用いて室内を暖めることができるため、別途暖房を便利に行うことができる。
近年、内燃機関車両よりも環境を配慮するさまざまなエコカーが登場している。一例として、電気駆動式自動車(Electric vehicle:EV)は、将来の自動車公害及びエネルギー問題を解決する可能性が最も高い代替手段である点から研究が活発に進められている。
電気駆動式自動車は、化学変化により発生する電気によって駆動される燃料バッテリ駆動式と、バッテリの電源によってAC又はDCモータを駆動して動力を得る二次バッテリ式又はバッテリー電池式に大別され、これらの以外の方式により電力を供給して動力を得る方式も含まれる。
【0003】
このような電気駆動式自動車は、車両の駆動部に電気を供給すると多量の熱を発生する。また、電気駆動式自動車は、発熱すると抵抗も共に上昇して放電が促進され、充電効率や放電効率も減少するだけでなく、寿命が短くなる問題もあるため、熱を適切に冷却するための冷却水循環回路が設けられている。
また、電気駆動式自動車は、その内部に従来の内燃機関自動車と同様に、室内空間の冷房及び暖房のための冷媒循環回路、室内空気の換気のための空気循環回路などが設けられている。
このように、電気駆動式自動車は、上述したバッテリの冷却水循環回路だけでなく、空気循環回路、冷媒循環回路などに流体の流れを分配、制御、及び調整できる各種のバルブ装置が設けられている。
一方、車両の電動化によって、車両の室内だけでなく、高電圧バッテリ、モータなどの電装品に対する熱管理の必要性も新たに加えられた。すなわち、電気駆動式自動車の場合、空調の必要性が室内空間、バッテリ、電装品ごとに互いに異なっており、これらに独立して対応すると共に効率的に連携することで、可能な限りエネルギーを節約できる技術が必要となっている。
【0004】
電装部品に対する冷却システムは、主に電装品、アクチュエータ及びHSG(hybrid start and generator)などを冷却水を用いて冷却し、酷寒期には冷却水がバイパス回路を介してラジエーターを迂回するようにすると共に、PE部品(Power Electronics)の廃熱を用いてバッテリを通過させることでバッテリを昇温させる構造からなる。
しかし、エコカーの電装冷却システムにおける冷却水の流れを制御するための部品は、複数のコンポネント(component)から暖房、冷却、廃熱回収などの様々な用途を満たす必要がある。
【0005】
従来のエコカーに備えられた冷却水バルブと冷却水ポンプを例として説明する。
添付の
図1に示す通り、従来の冷却水バルブ10と冷却水ポンプ20、30は、既設置の電装品に隣接してそれぞれ互いに異なる位置に離隔した状態で個別に車両に取り付けられ、前記離隔したそれぞれの構成要素は、所定の長さに延びるホースを介して接続される。
一例として、制御機40は、前記冷却水バルブ10と冷却水ポンプ20、30の作動を制御するために別の位置に独立して備えられており、前記冷却水バルブ10及び冷却水ポンプ20、30と接続され、ワイヤリング60を介して車両30とも接続される。
【0006】
前記従来の冷却水バルブ10と冷却水ポンプ20、30は、移動する冷却水を用いた別の冷却回路が備えられておらず、前記冷却水ポンプ20、30に移動する冷却水のみを用いて放熱を行わなければならないため、高パワーの冷却水用ポンプの開発には限界があった。また、前記冷却水バルブは、高温の温度条件では作動できなくなり、許容作動電流が低下するという問題があった。
また、前記冷却水バルブ10と冷却水ポンプ20、30とを互いに接続するためのワイヤリング60が必ず必要となり、組立工数及び製造コストが増加し、また部品の取り付けの利便性が低下するという問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、エコカーに備えられた様々な電装部品に冷却水を供給及び統合するための冷却水制御ユニットを提供すると共に、前記冷却水制御ユニットの作動時に発生する高熱を前記冷却水を用いて安定して冷却できる冷却水制御ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の冷却水制御ユニットは、全体の外形をなすハウジング部100と、前記ハウジング部100の内部で回転可能に設けられ、冷却水の移送方向を切り替えるために備えられたバルブユニット200と、前記ハウジング部100に結合された冷却水ポンプユニット300と、前記バルブユニット200を駆動させるために備えられた駆動モータ部400と、前記バルブユニット200、前記冷却水ポンプユニット300、及び駆動モータ部400の作動を制御するための制御ユニット500と、前記制御ユニット500が内蔵されており、前記冷却水が流入される冷却水流入部610が形成され、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーが、前記冷却水流入部610を介して流入した冷却水との熱伝逹により熱交換されることで、前記制御ユニット500に対する冷却が行われる制御機ハウジング600と、を含む。
【0009】
前記ハウジング部100は、前記ハウジング部100に供給される冷却水が貯蔵される冷却水リザーバ110と、前記冷却水流入部610又は前記冷却水リザーバ110を介して移送された冷却水を排出するように形成された冷却水出口部120と、をさらに含む。
前記制御機ハウジング600は、前記ハウジング部100とは異なる材質が用いられる。前記制御機ハウジング600は、熱伝逹率の高い材質が用いられる。
前記制御機ハウジング600は、前記制御ユニット500を収容するように制御機収容部602が形成され、前記制御ユニット500と前記制御機収容部602との間には、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーを前記制御機収容部602に熱伝逹できるように熱伝逹層604が形成される。
【0010】
前記制御機収容部602は、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーが前記冷却水流入部610の延びた経路に沿って熱伝逹される際に方向性を付与するために形成された熱伝逹誘導部606をさらに含む。
前記熱伝逹誘導部606は、薄板状に形成され、前記冷却水流入部610が流入される方向から所定の長さに延びる。
前記熱伝逹誘導部606は、前記制御機収容部602の内側底面に所定の長さに形成された第1の熱伝逹誘導部606aと、前記第1の熱伝逹誘導部606aの延びた端部から前記制御機収容部602の内縁に沿って延びる第2の熱伝逹誘導部606bと、を含む。
前記熱伝逹誘導部606は、前記制御機収容部602で凸状又は凹状のいずれかの形態に形成される。
【0011】
前記冷却水ポンプユニット300は、エコカーに備えられた電力系ユニットに冷却水を供給するために備えられた第1の冷却水ポンプ310と、前記エコカーに備えられたバッテリユニット又はバッテリと接続された電装品に冷却水を供給するために備えられた第2の冷却水ポンプ320と、を含む。
前記冷却水流入部610は、前記第1の冷却水ポンプ310に低温の冷却水を供給すると共に、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーとの熱伝逹が行われるように備えられた第1の冷却水流入部612と、前記第2の冷却水ポンプ320に低温の冷却水を供給すると共に、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーとの熱伝逹が行われるように備えられた第2の冷却水流入部614と、を含む。
前記冷却水リザーバ110には、内部空間を互いに独立して区画及び貯蔵するように隔壁113が形成される。
前記制御機ハウジング600と結合し、前記駆動モータ部400が内部に収納されるハウジングカバー700をさらに含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エコカーに搭載された電力系電装品又はバッテリ電装品に供給される冷却水を統合的に管理し、制御機ハウジングと外部空気との熱交換による空冷式放熱と、前記制御ユニットから発生する高温の熱エネルギーと冷却水との熱伝導方式を用いた熱交換により、制御ユニットの安定した冷却を図ることができる。
また、ポンプユニット、駆動モータ部、バルブユニット、及び制御ユニットが一体化された冷却水制御ユニットを簡単に製作できるように構成することで、作業者の作業性を向上させ、製作コストを削減させることができる。
さらに、制御ユニットから発生した熱エネルギーを制御機ハウジングと冷却水の移動による熱伝逹によって放熱することで、様々な温度変化及び使用場所の変更に関わらず、安定して作動できる冷却水制御ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来のエコカーに備えられた冷却水バルブと冷却水ポンプを示す図である。
【
図2】本実施形態による冷却水制御ユニットの分解斜視図である。
【
図3】本実施形態による冷却水制御ユニットを様々な角度で見た結合斜視図である。
【
図4】本実施形態による冷却水制御ユニットを様々な角度で見た結合斜視図である。
【
図6】本実施形態による制御機ハウジングを示す図である。
【
図7】本実施形態による制御機ハウジングを示す図である。
【
図9】本実施形態による制御機ハウジングに備えられた熱伝逹誘導部を示す平面図である。
【
図10】本実施形態による熱伝逹誘導部の変形実施形態を示す図である。
【
図11】本実施形態による熱伝逹誘導部の他の実施形態を示す図である。
【
図12】本実施形態による冷却水制御ユニットの作動状態図である。
【
図13】本実施形態による冷却水制御ユニットの作動状態図である。
【
図14】本実施形態による冷却水制御ユニットの作動状態図である。
【
図15】本実施形態による冷却水制御ユニットの作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の利点及び特徴、またそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照することによって明らかになるであろう。しかし、本開示は、以下に開示される実施形態で限定されるのでなく、互いに異なる様々な形態で実現され、単に本実施形態は、本開示の開示を完全にし、本開示が属する技術分野における通常の知識を有する者に開示の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示は、特許請求の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指称する。
ある構成要素が他の構成要素と「連結された(connected to)」又は「接続された(coupled to)」と指称される場合は、他の構成要素と直接連結又は接続された場合、又はそれらの間にまた他の構成要素を介在した場合をすべて含む。一方、ある構成要素が他の構成要素と「直接連結された(directly connected to)」又は「直接接続された(directly coupled to)」と指称される場合は、それらの間にまた他の構成要素を介在しない場合を意味する。「及び/又は」は言及された項目のそれぞれ及び1つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0015】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのものであり、本開示を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文脈で特に断らない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises/comprising)」は、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、1つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。
第1、第2などが様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されないことは言うまでもない。これらの用語はある構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。
【0016】
図2は、本実施形態による冷却水制御ユニットの分解斜視図であり、
図3及び
図4は、本実施形態による冷却水制御ユニットを様々な角度で見た結合斜視図であり、
図5は、
図4の縦断面図であり、
図6及び
図7は、本実施形態による制御機ハウジングを示す図であり、
図8は、
図7の結合断面図である。
図2から
図8に示す通り、本実施形態による冷却水制御ユニット1は、ハウジング部100と、バルブユニット200と、冷却水ポンプユニット300と、駆動モータ部400と、制御ユニット500と、制御機ハウジング600と、を含む。また、前記制御機ハウジング600の一側をカバーするためにハウジングカバー700をさらに含む。
前記ハウジング部100は、冷却水制御ユニット1の全体の外形をなし、前記バルブユニット200は、前記ハウジング部100の内部で回転可能に設けられ、前記冷却水の移送方向を切り替えるために備えられる。
【0017】
前記バルブユニット200の一例として、6方バルブ(6way valve)が用いられるが、3方バルブ(3way valve)又は8方バルブ(8way valve)が用いられてもよい。前記バルブユニット200は、冷却水の移動方向が変更されるように、円周方向に複数の通孔が形成され、後述する駆動モータ部400と軸結合する回転軸が備えられたシリンダ202と、前記シリンダ202の外側に結合される第1のシール部204と、前記シリンダ202の上側に備えられた第2のシール部206と、前記シリンダ202の下側に備えられた第3のシール部208と、を含む。
前記冷却水ポンプユニット300は、前記ハウジング部100に結合され、エコカーに冷却水が必要な電装品に供給するために備えられる。
前記駆動モータ部400は、前記バルブユニット200を駆動させるために備えられており、前記制御ユニット500は、前記バルブユニット200、前記冷却水ポンプユニット300、及び駆動モータ部400の作動を制御するために備えられる。
【0018】
前記制御機ハウジング600は、前記制御ユニット500が内蔵されており、冷却水が流入される冷却水流入部610が形成され、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーが、前記冷却水流入部610を介して流入した冷却水との熱伝逹により熱交換されることで、前記制御ユニット500に対する冷却を図るために備えられる。
特に、前記制御機ハウジング600は、外気と空冷によって冷却が行われ、前記冷却水流入部610を介して吸入された低温の冷却水によって伝達された低温の熱エネルギーと、前記制御ユニット500の作動により発生した高温の熱エネルギーとの熱交換によって冷却を図ることができ、これについてのより詳細な説明は後述する。
前記ハウジング部100は、前記前記ハウジング部100に供給される冷却水が貯蔵される冷却水リザーバ110と、前記冷却水流入部610又は前記冷却水リザーバ110を介して移送された冷却水を排出するように形成された冷却水出口部120をさらに含む。
前記ハウジング部100は、図面を基準として左側と右側にポンプユニット300が一体に結合されており、後述する制御機ハウジング600及びカバー700とも一体に結合することにより、冷却水の安定した供給と、制御機ハウジング600に搭載された制御ユニット500に対する冷却の両方を図ることができる。
【0019】
制御ユニット500は、単一の制御構成により、前記バルブユニット200、前記冷却水ポンプユニット300、及び駆動モータ部400に対する制御を全て行うことができ、統合的な制御を便利に行うことができる。
特に、前記バルブユニット200、前記冷却水ポンプユニット300、及び駆動モータ部400に個別の制御機を取り付けることなく、前記制御ユニット500により単一の制御が可能となり、製作コストを削減すると共に制御安定性を向上させることができる。
前記制御ユニット500は、一例として、複数の電子素子が実装されたPCB基板を含む。前記電子素子は、作動時に所定の温度で発熱し、複数の電子素子が同時に発熱すると高温の熱が発生するため、冷却のための構成が必須となる。
前記制御ユニット500に対する冷却のために、前記制御ユニット500から発生した高温の熱エネルギーを受ける制御機ハウジング600を介して一次熱伝達を行うことで、前記電子素子で発生する熱エネルギーの伝導及び拡散により前記制御ユニット500の過熱を防止し、安定した作動を可能とすることができる。
【0020】
前記制御ユニット500は、単一構成により、前記バルブユニット200、前記冷却水ポンプユニット300、及び駆動モータ部400の作動を全て統合的に制御することができるため、冷却水の制御及び供給による効率性が向上し、エコカーに備えられた各種の電装品に冷却水を安定して供給することで、燃費及び作動安定性を同時に向上させることができる。
また、エコカーに搭載されたバッテリを昇温させる必要がある場合、制御ユニット500から発生した高温の熱エネルギーと熱交換されて昇温した冷却水を前記バッテリモジュールで供給して所定の温度に上昇させるように制御することもできる。
前記制御機ハウジング600は、前記ハウジング部100とは異なる材質が用いられ、一例として、前記制御ユニット500から発生した熱を迅速に伝導させるために熱伝逹率の高い材質が用いられる。一例として、前記制御機ハウジング600はアルミニウムが用いられるが、熱伝逹率の高い他の材質が用いられてもよい。
【0021】
また、制御機ハウジング600は、周辺空気と空冷により放熱可能であり、伝導された熱を空気と熱交換して空冷式で冷却できるため、空気の温度が低いほど放熱性能が向上する。
図6に示す通り、制御機ハウジング600は、前記制御ユニット500を収容するように制御機収容部602が形成され、前記制御ユニット500と前記制御機収容部602との間には、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーを前記制御機収容部602に熱伝逹できるように熱伝逹層604が形成される。
前記熱伝逹層604は、一例として、熱伝導ペースト(thermal conductive paste)が用いられてもよく、所定の厚さで前記制御機収容部602の内側に塗布され、前記制御ユニット500と密着した状態が維持される。
前記熱伝逹層604は、一例として、シート状に構成されてもよく、この場合、薄膜の熱伝逹シートが単一又は複数で積層され、前記制御ユニット500と密着した状態が維持される。熱伝逹層604が制御ユニット500と密着する位置は、電子素子が実装された上面とは反対側の下面と密着する。
【0022】
図7から
図11に示す通り、制御機収容部602は、所定の深さで形成された溝に該当し、前記制御機収容部602に前記制御ユニット500が挿入された状態で組み立てられる。
前記制御ユニット500に対する迅速な熱伝導及び安定した放熱のために、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーが前記冷却水流入部610の延びた経路に沿って熱伝逹される際に方向性を付与するために熱伝逹誘導部606が形成される。
すなわち、前記冷却水流入部610と対向する位置に前記熱伝逹誘導部606が配置されることで、制御ユニット500に密着した熱伝逹誘導部606に高温の熱エネルギーが集中すると共に、前記熱伝逹誘導部606の延びた経路に沿って移動が行われる。
【0023】
また、前記冷却水流入部610に流入した低温の冷却水は、前記熱伝逹誘導部606に集中した熱エネルギーとの熱伝達が行われることで、前記制御ユニット500に対する冷却を迅速に行うことができる。前記熱伝逹誘導部606を除いた残りの領域でも接触による熱伝逹が行われ、前記熱伝逹誘導部606にはさらに多くの熱の集中及び移動が行われる。
前記熱伝逹誘導部606は、薄板状に形成され、前記冷却水流入部610が流入される方向から所定の長さに延びる。前記熱伝逹誘導部606は、優先的に制御ユニット500から発生した熱エネルギーを受け取り、冷却水流入部610を介して移動する低温の冷却水との熱交換が行われるようにすることで迅速な冷却を可能とし、高温で発熱する複数の電子素子における誤作動を防止し、安定的に制御ユニット500を作動させることができる。
前記熱伝逹誘導部606は、図示した形態以外にも他の形態に多様に変更可能であり、図示した形態に限定されない。
また、熱伝逹誘導部606は、熱が発生する電子素子が過熱しないように、図示された配置状態に限定されず、制御機収容部602の端部でもう一度分岐して延びてもよい。
【0024】
図10に示す通り、熱伝逹誘導部606は、制御機収容部602の内側底面に所定の長さに形成された第1の熱伝逹誘導部606aと、前記第1の熱伝逹誘導部606aの延びた端部から前記制御機収容部602の内縁に沿って延びる第2の熱伝逹誘導部606bと、を含む。
前記第1の熱伝逹誘導部606aは、冷却水流入部610と最も隣接する位置に形成されることが好ましいが、制御機収容部602のレイアウトによって、図示した位置又は他の位置に変更されてもよい。
前記第2の熱伝逹誘導部606bは、第1の熱伝逹誘導部606aを介して伝達された熱エネルギーを、複数の電子素子が配置された位置に集中させることなく、前記制御機収容部602の内縁に沿って誘導した後に拡散させることで、熱エネルギーが移動できず、複数の電子素子が集中した位置に集中して高温に上昇する環境を最小化することにより、安定した熱伝導を行うことができる。
【0025】
前記第2の熱伝逹誘導部606bは、制御機収容部602の内縁に沿って延びるが、レイアウトによって、図示した位置を除いた位置に延びてもよい。
前記熱伝逹誘導部606は、前記制御機収容部602で凸状又は凹状のいずれかの形態に形成され、特定の形態に限定されず、多様に変更することができる。
図11に示す通り、本実施形態による熱伝逹誘導部606は、制御機収容部602の内側底面に所定の長さに延びる第1の熱伝逹誘導部606aの構成は同一であり、前記第1の熱伝逹誘導部606aから前記制御機収容部602の内側に向かって所定の長さに延びる第3の熱伝逹誘導部606cが備えられる。
前記第3の熱伝逹誘導部606cは、一例として、所定の厚さを有する板状に形成され、アルミニウム製の制御機ハウジング600の内側に挿入された状態で結合することができる。前記第3の熱伝逹誘導部606cは、制御機ハウジング600の一側面に前記第1の熱伝逹誘導部606aから伝達された熱を伝導させることで、冷却水流入部610に沿って移動する低温の冷却水との熱交換をより円滑に行ることにより、前記制御ユニット500に対する冷却を図ることができる。
【0026】
この場合、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーは、前記熱伝逹誘導部606を介する熱伝導と共に、前記制御機ハウジング600を介する熱伝導、及び前記制御機ハウジング600の外側で空冷により放熱を行うことができるため、前記制御ユニット500に対する迅速な放熱を可能とすることができる。
前記冷却水ポンプユニット300は、エコカーに備えられた電力系ユニットに冷却水を供給するために備えられた第1の冷却水ポンプ310と、前記エコカーに備えられたバッテリユニット又はバッテリと接続された電装品に冷却水を供給するために備えられた第2の冷却水ポンプ320と、を含む。
一例として、前記第1の冷却水ポンプ310は、エコカーに備えられた電力系電装品に冷却水を供給するために備えられる。一例として、エコカーに備えられたモータコントロール制御機に向かって所定の流速で冷却水を加圧及び供給するように作動することで、前記モータコントロール制御機に対する冷却を図ることができる。
第1の冷却水ポンプ310が供給される電装品をモータコントロール制御機として限定して説明したが、他の電力系電装品に供給することもできる。
【0027】
前記第2の冷却水ポンプ320は、エコカーに備えられたバッテリ電装品に冷却に必要な冷却水を所定の流速で加圧して冷却を図るために備えられる。
前記第1の冷却水ポンプ310と第2の冷却水ポンプ320は、それぞれモータハウジング(図示せず)、ステータ(図示せず)、ロータ(図示せず)、インペラハウジング(図示せず)、及びインペラ(図示せず)を含んで構成される。
前記第1の冷却水ポンプ310は、前記ハウジング部100を正面から見て左側に結合し、第2の冷却水ポンプ320は右側に結合される。
前記冷却水出口部120は、前記第1の冷却水ポンプ310と接続された第1の冷却水出口部122と、前記第2の冷却水ポンプ320と接続された第2の冷却水出口部124と、を含む。
第1の冷却水出口部122は、電力系ユニットに冷却水を供給するために備えられ、第2の冷却水出口部124は、バッテリユニット又はこれと接続された電装品に冷却水を供給するために備えられる。
前記第1及び第2の冷却水出口部122、124は、冷却水が移動するようにホースなどの接続部材がクランプを介して結合されてもよい。
【0028】
冷却水リザーバ110は、所定の深さまで延び、内部空間が隔壁113を介して区画され、温度の異なる冷却水を混合することなくそれぞれ貯蔵及び流動することができる。
一例として、前記冷却水リザーバ110は、前記ハウジング部100と別の構成に独立しておらず一体型に形成されているため、部品の単純化と組み立ての利便性を図り、製作コストを削減することができる。
前記冷却水リザーバ110は、所定の直径及び長さに延び、上述した第1の冷却水ポンプ310に冷却水を供給するための第1の冷却水リザーバ112と、第2の冷却水ポンプ320に冷却水を供給するための第2の冷却水リザーバ114と、を含む。
前記第1及び第2の冷却水リザーバ112、114には、所定の冷却水が流入した状態が維持されることで、ポンプユニット300の安定した作動を図ることができる。
【0029】
前記冷却水流入部610は、前記第1の冷却水ポンプ310に低温の冷却水を供給すると共に、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーとの熱伝逹が行われるように備えられた第1の冷却水流入部612と、前記第2の冷却水ポンプ320に低温の冷却水を供給すると共に、前記制御ユニット500から発生した熱エネルギーとの熱伝逹が行われるように備えられた第2の冷却水流入部614と、を含む。
第1及び第2の冷却水流入部612、614は、アルミニウム材料からなり、低温の冷却水が流入される場合、制御機ハウジング600の全体に低温の熱エネルギーが伝導され、前記制御ユニット500から伝達された高温の熱エネルギーとの熱交換が行われる。
前記制御機ハウジング600と結合し、前記駆動モータ部400が内部に収納されるハウジングカバー700をさらに含み、前記カバー700によって制御機ハウジング600に収納された制御ユニット500の一側が気密に結合される。
【0030】
前記ハウジング部100は、前記冷却水流入部610又は前記冷却水リザーバ110を介して移送された冷却水を排出するように形成された冷却水出口部120をさらに含む。前記第1の冷却水出口部122は、第1の冷却水ポンプ310に供給された冷却水を排出するために備えられ、第2の冷却水出口部124は、第2の冷却水ポンプ320に供給された冷却水を排出するために備えられる。
図12に示す通り、冷却水制御ユニットにより、電力系ユニット及びバッテリユニットに昇温した冷却水を供給するために、第1のモード(M1)で作動することができる。
前記第1のモード(M1)は、第1及び第2の冷却水リザーバ112、114を介して冷却水が流入された後、第1及び第2の冷却水ポンプ310、320によりポンピングされ、上述の第1及び第2の冷却水出口部122、124(
図3を参照)を介して、冷却水がそれぞれ電力系ユニット及びバッテリユニットに供給されて昇温させることができる。制御ユニット500は、駆動モータ部400を制御することにより、バルブユニット200が第1のモード(M1)に該当する位置に回転するように制御する。
【0031】
図13に示す通り、冷却水制御ユニットにより、電力系ユニットには昇温した冷却水を供給し、バッテリユニットには低温の冷却水を供給するために、第2のモード(M2)で作動することができる。
前記第2のモード(M2)は、第1の冷却水流入部612を介して流入した冷却水が第1の冷却水ポンプ310によってポンピングされ、第1の冷却水出口部122に排出される。
また、第2の冷却水流入部614を介して流入した冷却水は、第2の冷却水ポンプ320によってポンピングされ、第2の冷却水出口部124に排出された後、バッテリユニットに供給されることにより冷却を可能とすることができる。
図14に示す通り、冷却水制御ユニットにより、電力系ユニットには冷却した冷却水を供給し、バッテリユニットにも低温の冷却水を供給するために、第3のモード(M3)で作動することができる。
図15に示す通り、冷却水制御ユニットの初期駆動が行われる前に、ハウジング部100に残存している空気を全て除去し、冷却水を流入するために作動する第4のモード(M4)の状態を示している。
【0032】
以上、本発明について説明したが、該当の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除又は追加などによって本発明を多様に修正及び変更することが可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、エコカーに備えられた様々な電装部品に安定して冷却水を供給して冷却を行うことができる冷却水制御ユニットに用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 冷却水制御ユニット
100 ハウジング部
110 冷却水リザーバ
112 第1の冷却水リザーバ
113 隔壁
114 第2の冷却水リザーバ
120 冷却水出口部
122 第1冷却水出口部
124 第2の冷却水出口部
200 バルブユニット
202 シリンダ
204 第1のシール部
206 第2のシール部
208 シール部
300 冷却水ポンプユニット
310 第1の冷却水ポンプ
320 第2の冷却水ポンプ
400 駆動モータ部
500 制御ユニット
600 制御機ハウジング
602 制御機収容部
604 熱伝逹層
606 熱伝逹誘導部
606a 第1の熱伝逹誘導部
606b 第2の熱伝逹誘導部
606c 第3の熱伝逹誘導部
610 冷却水流入部
612 第1の冷却水流入部
614 第2の冷却水流入部
700 ハウジングカバー
【国際調査報告】