(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】入口組立体
(51)【国際特許分類】
F23G 7/06 20060101AFI20240814BHJP
B05B 7/08 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
F23G7/06 D ZAB
B05B7/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501176
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 GB2022051748
(87)【国際公開番号】W WO2023285782
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】シルベスタイン マイケル ジェイ
【テーマコード(参考)】
3K078
4F033
【Fターム(参考)】
3K078AA03
3K078AA06
3K078BA20
3K078BA26
3K078CA01
4F033QA10
4F033QB02X
4F033QB03X
4F033QB11X
4F033QB12X
4F033QB14X
4F033QD21
4F033QD24
(57)【要約】
入口組立体、除害装置及び方法が開示される。入口組立体は、半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置のためのものであり、入口組立体は、除害装置の燃焼室の中に排出流を送給するように構成された入口ノズルと、除害装置の燃焼室の中に反応物を送給するように構成された反応物ノズルとを備え、反応物ノズルは、入口ノズルに対して同軸に配置され、反応物ノズルは、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するように構成される。このように、排出流の除害を助けるために燃焼室に供給される反応物の量は、排出流の周りの異なる位置又は場所で変えることができる。これによって、反応物の流量を、入口ノズルから燃焼室の中に放出される排出流の流量に適合させることができ、これは、異なる位置で排出流の流量に適合するように正しい量の反応物をもたらし、これは、反応物の過剰供給を引き起こすことなく、除害装置の破壊率効率を改善する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置のための入口組立体であって、
前記除害装置の燃焼室の中に前記排出流を送給するように構成された入口ノズルと、
前記除害装置の前記燃焼室の中に反応物を送給するように構成された反応物ノズルであって、前記反応物ノズルは、前記入口ノズルに対して同軸に配置され、前記反応物ノズルは、外周の周りの異なる位置で前記反応物を異なる量で送給するように構成されている、反応物ノズルと、
を備える、入口組立体。
【請求項2】
前記入口ノズル及び前記反応物ノズルは、前記反応物を前記燃焼室に中に前記排出流に対して同軸に送給するように構成されている、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項3】
前記反応物ノズルの前記外周に前記反応物を供給するように構成された上流側ギャラリを備える、請求項1又は2に記載の入口組立体。
【請求項4】
前記入口ノズル及び前記反応物ノズルは、前記排出流を取り囲みながら、前記燃焼室の中に前記反応物を送給するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項5】
前記反応物ノズルは、
前記排出流の第2の領域の近傍よりも、前記排出流の第1の領域の近傍でより多くの前記反応物を送給するように構成される、及び
前記反応物ノズルの第2の部分内よりも、前記反応物ノズルの第1の部分内でより多くの前記反応物を送給するように構成される、
のうちの少なくとも1つである、請求項1から4のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項6】
前記入口ノズルは、長円形断面を有し、前記反応物ノズルは、環状長円形断面を有し、前記反応物ノズルは、前記環状長円形断面の直線部分内よりも、前記環状長円形断面の円形部分の近傍内でより多くの前記反応物を送給するように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項7】
前記反応物ノズルの内面は、前記入口ノズルの外面から離間しており、前記反応物ノズルの前記内面と前記入口ノズルの前記外面との間の隙間距離は、前記外周部の周りの異なる位置で前記反応物を異なる量で送給するために、前記外周の周りで異なる、請求項1から6のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項8】
前記隙間距離は、
より少ない前記反応物の送給を必要とする位置よりも、より多くの前記反応物の送給を必要とする位置で大きい、及び
請求項6又は7に従属する場合、前記環状長円形断面の直線部分内よりも、前記環状長円形断面の円形部分の近傍内で大きい、
のうちの少なくとも1つである、請求項1から7のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項9】
前記反応物は、前記外周の周りの異なる位置で前記反応物の異なる量を送給するように構成された前記外周の周りに位置決めされた開口を介して、前記反応物ノズルに供給される、請求項1から8のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項10】
前記開口は、半径方向に延びる、請求項9に記載の入口組立体。
【請求項11】
前記開口のサイズ及び密度のうちの少なくとも1つは、前記外周の周りの異なる位置で異なる、請求項9又は10に記載の入口組立体。
【請求項12】
前記開口のサイズ及び密度のうちの少なくとも1つは、
より少ない前記反応物の送給を必要とする位置よりも、より多くの前記反応物の送給さを必要とする位置で大きい、及び
前記環状長円形断面の直線部分内よりも、前記環状長円形断面の円形部分の近傍内で大きい、
のうちの少なくとも1つである、請求項9から11のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項13】
前記反応物は、前記外周の周りに位置決めされた有孔材料を介して前記反応物ノズルに供給され、前記有孔材料は、前記外周部の周りの異なる位置で前記反応物の異なる量を送給するために、異なる有孔率を有する、請求項1から12のいずれかに記載の入口組立体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の入口組立体を備える除害装置。
【請求項15】
入口ノズルを用いて除害装置の燃焼室の中に排出流を送給するステップと、
前記入口ノズルに対して同軸に反応物ノズルを配置するステップと、
前記反応物ノズルを、外周の周りの異なる位置で反応物の異なる量を送給するように構成するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、入口組立体、除害装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射バーナー又は他の形式の除害装置などの除害装置が知られており、典型的には、例えば、半導体業界又はフラットパネルディスプレイ製造業界において使用される製造処理ツールからの排出ガス流を処理するために使用される。このような製造中、残留ペルフルオロ化合物(PFC)及び他の化合物が、処理ツールから圧送された排出ガス流に存在する。PFCは、排出ガスから除去し難く、環境への放出は、比較的高い温室効果作用を有することが知られているために望ましくない。
【0003】
公知の放射バーナーは、欧州公開第0,694,735号に記載されているものなど、燃焼を使用して、PFC及び他の化合物を排出ガス流から除去する。典型的には、排出ガス流は、PFC及び他の化合物を含有する窒素流である。排出ガス流は、有孔ガスバーナーの出口面によって横方向に取り囲まれた燃焼室へ運ばれる。場合によっては、燃料ガスなどの処理材料は、燃焼室に入る前に排出ガス流と混合させることができる。燃料ガス及び空気は、出口面で燃焼に影響を与えるために有孔バーナーに同時に供給される。有孔バーナーからの燃焼生成物は、排出流の化合物を燃焼させるために排出流混合物と反応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
除害装置の構成は存在するが、各々が独自の欠点を有する。従って、除害装置用の改良された構成を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置のための入口組立体が提供され、入口組立体は、除害装置の燃焼室の中に排出流を送給するように構成された入口ノズルと、除害装置の燃焼室の中に反応物を送給するように構成された反応物ノズルであって、反応物ノズルは、入口ノズルに対して同軸に配置され、反応物ノズルは、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するように構成される、反応物ノズルと、を備える。
【0007】
第1の態様は、既存の除害装置の問題点は、特定の運転条件下では除害性能が最適ではない場合があることを認識している。詳細には、一部の条件下での破壊率効率が必要とされるほど高くはない場合がある、及び/又は、特定の破壊率効率を達成するために反応物の過剰供給が必要とされる場合がある。
【0008】
従って、入口組立体が提供される。入口組立体は、除害装置用とすることができる。除害装置は、半導体処理ツールからの排出流を処理するためのものとすることができる。入口組立体は、入口ノズルを備えることができる。入口ノズルは、除害装置の燃焼室の中に排出流を送給するように構成することができる。入口組立体は、反応物ノズルを備えることができる。反応物ノズルは、除害装置の燃焼室の中に反応物を送給するように構成することができる。反応物ノズルは、入口ノズルに対して同軸に配置すること、又は、入口ノズルを取り囲むように配置することができる。反応物ノズルは、外周の周りの異なる位置で、反応物を異なる分量、量、又は異なる流量で送給するように構成又は配置することができる。このように、排出流の除害を助けるために燃焼室に供給される反応物の量は、排出流の周りの異なる位置又は場所で変えることができる。これによって、反応物の流量を、入口ノズルから燃焼室の中に放出される排出流の流量に適合させることができ、これは、異なる位置で排出流の流量に適合するように正しい量の反応物をもたらし、これは、反応物の過剰供給を引き起こすことなく、除害装置の破壊率効率を改善する。
【0009】
入口ノズル及び反応物ノズルは、反応物を燃焼室に中に排出流に対して同軸に送給又は運ぶように配置又は構成することができる。換言すれば、反応物は、排出流に隣接して燃焼室の中に送給することができる。
【0010】
入口組立体は、上流側ギャラリを備えることができる。上流側ギャラリは、反応物ノズルの外周に反応物を搬送又は供給するように構成又は配置することができる。
【0011】
入口ノズル及び反応物ノズルは、燃焼室内へ反応物を送給又は運ぶように構成することができる。反応物は、燃焼室へ送給又は運ばれる排出流を取り囲むように送給又は運ぶことができる。
【0012】
反応物ノズルは、排出流の第2の領域、部分又は一部の近傍よりも、排出流の第1の領域、部分又は一部の近傍でより多くの反応物を送給するように構成又は配置することができる。換言すれば、反応物は、第2の領域の近傍の流量よりも、第1の領域の近傍でより大きな流量で送給することができる。これによって、第2の領域の反応物と比較して、第1の領域でさらなる反応物が供給される。
【0013】
反応物ノズルは、反応物ノズルの第2の部分内よりも、反応物ノズルの第1の部分内でより多くの反応物を送給又は運ぶように構成又は配置することができる。換言すれば、反応物ノズルは、第2の部分内の流量よりも、第1の部分内でより大きな流量の反応物を送給することができる。
【0014】
入口ノズルは、長円形断面を有することができる。反応物ノズルは、環状長円形断面を有することができる。反応物ノズルは、環状長円形断面の直線部分内よりも、環状長円形断面の円形部分の近傍内でより多くの反応物を送給するように構成することができる。換言すれば、反応物ノズルは、直線部分内の流量よりも、円形部分でより大きな流量で反応物を送給するように構成することができる。
【0015】
反応物ノズルの内面は、入口ノズルの外面から離間することができる。反応物ノズルの内面と入口ノズルの外面との間の隙間距離は、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するために、外周の周りで異なることができる。換言すれば、反応物ノズルと入口ノズルとの間の距離は、反応物ノズル内の異なる位置で反応物を異なる流量で送給するために変えることができる。
【0016】
隙間距離は、より少ない反応物の送給を必要とする位置よりも、より多くの反応物の送給を必要とする位置で大きくすることができる。換言すれば、隙間距離は、反応物ノズル内の異なる位置で送給される反応物の流量を変えるために変更することができる。
【0017】
隙間距離は、環状長円形断面の直線部分内よりも、環状長円形断面の円形部分の近傍内で又はそれに近接して大きくすることができる。
【0018】
反応物は、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するように構成される、外周の周りに位置決めされた開口を介して、反応物ノズルに供給することができる。反応物ノズルの周りに開口を構成することによって、入口ノズル内の異なる位置で反応物を異なる流量で送給することができる。
【0019】
開口は、半径方向に延びることができる。
【0020】
開口のサイズ及び/又は密度は、外周の周りの異なる位置で異なることができる。
【0021】
開口のサイズ及び/又は密度は、より少ない反応物の送給を必要する位置よりも、より多くの反応物の送給を必要とする位置で大きくすることができる。換言すれば、開口のサイズ及び/又は密度を構成することによって、より大きな流量の反応物を一部の位置で送給することができ、より小さな流量の反応物を反応物ノズル内の他の位置で送給することができる。
【0022】
開口のサイズ及び/又は密度は、環状長円形断面の直線部分内よりも、環状長円形断面の円形部分の近傍内で又はそれに近接して大きくことができる。
【0023】
反応物は、外周の周りに位置決めされた有孔材料を介して反応物ノズルに供給することができる。有孔材料は、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するために、異なる有孔率を有することができる。換言すれば、有孔率を変えることによって、反応物の流量は、外周の周りの異なる位置で異なることができる。
【0024】
第2の態様によれば、第1の態様の入口組立体を備える除害装置が提供される。
【0025】
除害装置は、上記の入口組立体の特徴を備えることができる。
【0026】
第3の態様によれば、入口ノズルを用いて除害装置の燃焼室の中に排出流を送給するステップと、入口ノズルに対して同軸に反応物ノズルを配置するステップと、反応物ノズルを、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するように構成するステップと、を含む方法が提供される。
【0027】
本方法は、流入ノズル及び反応物ノズルを、燃焼室の中に排出流に対して同軸に反応物を送給するように構成することを含むことができる。
【0028】
本方法は、反応物ノズルの外周に上流側ギャラリからの反応物を供給することを含むことができる。
【0029】
本方法は、流入ノズル及び反応物ノズルを、排出流を取り囲みながら、燃焼室の中に反応物を送給するように構成することを含むことができる。
【0030】
本方法は、反応物ノズルを、排出流の第2の領域の近傍よりも、排出流の第1の領域の近傍でより多くの反応物を送給するように構成することを含むことができる。
【0031】
本方法は、反応物ノズルの第2の部分内よりも、反応物ノズルの第1の部分内でより多くの反応物を送給するように構成することを含むことができる。
【0032】
入口ノズルは、長円形断面を含むことができ、反応物ノズルは、環状長円形断面を含むことができ、本方法は、反応物ノズルを、環状長円形断面の直線部分内よりも、環状長円形断面の円形部分の近傍内でより多くの反応物を送給するように構成することを含むことができる。
【0033】
本方法は、反応物ノズルの内面を入口ノズルの外面から離間させ、反応物ノズルの内面と入口ノズルの外面との間の隙間距離を、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するために、外周の周りで異なるように構成することを含むことができる。
【0034】
本方法は、隙間距離を、より少ない反応物の送給を必要とする位置よりも、より多くの反応物の送給を必要とする位置で大きくなるように構成することを含むことができる。
【0035】
本方法は、隙間距離を、環状長円形断面の直線部分内よりも、環状長円形断面の円形部分の近傍内で大きくなるように構成することを含むことができる。
【0036】
本方法は、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するように構成された外周の周りに位置決めされた開口を介して、反応物ノズルに反応物を供給することを含むことができる。
【0037】
本方法は、開口を半径方向に延びるように配置することを含むことができる。
【0038】
本方法は、開口のサイズ及び/又は密度のうちの少なくとも1つを、外周の周りの異なる位置で異なるように構成することを含むことができる。
【0039】
本方法は、開口のサイズ及び密度のうちの少なくとも1つを、より少ない反応物の送給を必要とする位置よりも、より多くの反応物の送給を必要とする位置で大きくなるように構成することを含むことができる。
【0040】
本方法は、開口のサイズ及び/又は密度のうちの少なくとも1つを、環状長円形断面の直線部分内よりも、環状長円形断面の円形部分の近傍内で大きくなるように構成することを含むことができる。
【0041】
本方法は、外周の周りに位置決めされた有孔材料を介して反応物を反応物ノズルに供給し、有孔材料を、外周の周りの異なる位置で反応物を異なる量で送給するために、異なる有孔率を有するように構成することを含むことができる。
【0042】
さらなる特定の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、適宜、及び、特許請求の範囲に明示的に記載される以外の組み合わせで独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0043】
装置の特徴が、ある機能をもたらすように動作可能であると記載される場合、これは、その機能をもたらすか、又は、その機能をもたらすように適合又は構成されている装置の特徴を含むことを理解されたい。
【0044】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】1つの実施形態による除害装置のための入口組立体を通る断面である。
【
図2】排出流入口が取り外された入口組立体を示す。
【
図3】排出流入口と反応物ノズルとの間の隙間をより詳細に示す断面図である。
【
図4A】1つの実施形態による除害装置の入口組立体の上面断面図を示す。
【
図4B】1つの実施形態による除害装置の入口組立体の側面断面図を示す。
【
図5】排出流入口が取り外された除害装置の入口組立体の構成を示す。
【
図6】排出流入口が取り外された除害装置の入口組立体の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、まず概要を説明する。いくつかの実施形態は、特定の構成を提供し、この構成では、除害装置の燃焼室の中に排出流を送給する排出流ノズルが、排出流の除害を助けるために反応物を燃焼室に送給する共同設置された反応物ノズルを装備する。反応物ノズルは、反応物ノズル全体にわたる反応物の不均一な送給を可能にするように構成される。詳細には、反応物ノズルのいくつかの部分、一部分、位置又は領域は、他の部分よりも多くの反応物を送給するように構成される。これによって、燃焼室内の異なる場所に送給される反応物の流量又は量は、燃焼室内のそれらの場所での排出流の流量又は量に適合するように選択することができる。例えば、いくつかの入口ノズルは、不均一な流量又は量で排出流を燃焼室の中に送給する。詳細には、燃焼室内のいくつかの位置で入口ノズルによって送給される排出流の流量は、他の位置よりも大きくすることができる。従って、反応物ノズルは、排出流のより低い流量の領域に近接して供給される反応物の流量と比較して、排出流のより高い流量の領域に近接して反応物のより高い流量を送給するように構成することができる。これによって、使用される反応物の量を最適化することができ、その理由は、そうでない場合には、反応物の均一な流量が排出流の最大流量に適合することを必要とする場合があり、これは、所要の除害性能を達成するための反応物の過剰供給につながる。本方法を用いることによって、除害性能は、反応物の低減された供給量で維持することができる。
【0047】
入口組立体(第1の構成)
図1は、1つの実施形態による除害装置10のための入口組立体を通る断面である。取り付け台50が設けられており、取り付け台50は、その下流側表面55で燃焼室モジュール30のハウジング40に取り付けられている。燃焼室モジュール30は、ハウジング40の中に収容された有孔スリーブ90を含む。ハウジング40の中の有孔スリーブ90は、燃焼室120を画定する。取り付け台50は、排出流入口60を受け入れる入口開口を画定する壁部800を有する。この実施形態において、排出流入口60は、長円形断面を有する。しかしながら、円形又は他の断面を有するものなど、他の形状の排出流入口60が可能であることを理解されたい。ギャラリ810は、排出流入口60の半径方向外面65と壁部800の半径方向内面805との間に形成される。ハウジング40は、上流側表面に反応物ノズル830を受け入れる開口を画定する。以下で詳細に説明するように、反応物ノズル830の半径方向内面835は、排出流入口60の半径方向外面65から離間している。
【0048】
図2は、排出流入口60が取り外された入口組立体を示す。
図2から分かるように、反応物入口850が設けられており、これは反応物をギャラリ810の中に供給する。この実施形態には単一の反応物入口850が設けられるが、2以上の反応物入口及び異なる形状の反応物入口850が想定されることを理解されたい。
【0049】
図1に戻ると、排出流入口60の上流側端部の方に設けられた半径方向に延びるフランジ820は、ギャラリ810の上流側端部を流体封止するために取り付け台50と協働する。従って、反応物入口50を通って供給された反応物は、ギャラリ810へ流入し、反応物ノズル830に向かって移動する。反応物は、反応物ノズル830の半径方向内面835と排出流入口60の半径方向外面65との間を移動し、排出流入口60から放出される排出流を取り囲みながら燃焼室120に放出される。
【0050】
図3は、排出流入口60と反応物ノズル830との間の隙間をより詳細に示す断面図である。
図3から分かるように、反応物ノズル830の半径方向内面835と排出流入口60の半径方向外面65との間の隙間は、反応物ノズル830の周りの異なる位置で異なる。詳細には、反応物ノズル830の直線外周領域845に沿った半径方向内面835と半径方向外面65との間の距離は、湾曲外周領域860に沿ったその距離よりも短い。これに起因して、直線外周領域845よりも曲線外周領域860により多くの反応物が送給される。これは、直線部外周850に近接するよりも、湾曲外周領域860に近接してより多くの反応物が存在することを意味し、これは、各湾曲外周領域860の近くでその両端に向かって排出流入口60から流出する概して2つの流れに分かれる傾向がある、排出流の要件に適合する。排出流入口60の直線領域における中央部の方にはより少ない排出流が存在するので、その場所にはより少ない反応物が供給される。
【0051】
入口組立体(第2の構成)
図4Aは、1つの実施形態による除害装置10Aの入口組立体の上面断面図を示し、
図4Bは、1つの実施形態による除害装置10Aの入口組立体の側面断面図を示す。この構成は、上記のものと同様であるが、反応物入口850Aから供給されるギャラリ810Aを有する。壁部800Aは、排出流入口60を取り囲むように床部870から延びる。
図4Aから最もよく分かるように、反応物ノズル830Aの利用可能な容積は、排出流入口60の直線部分と比較すると、排出流入口60の湾曲部分の近傍においてより大きい。これは、排出流が排出流入口60から出て燃焼室120Aの中に流入する際に、排出流の2つの主要な流れの近傍における湾曲部分により多くの量の反応物を供給するのを助ける。
【0052】
この構成は、高流量の水素を含む半導体製造プロセスの排気に特に適する。例としては、シリコン源としてシラン又はジクロロシランのいずれかを使用するエピタキシャルシリコン及び多結晶シリコン成長が挙げられる。水素の流量は、入口当たりほぼ50から200リットル/分程度とすることができる。この水素の燃焼を助けるために、追加の空気が、排出流入口60の周りに反応物ノズル830Aによって供給される。排出流入口60の形状及びこれが排出流の流量に及ぼす影響に起因して、反応物ノズル830Aは、反応物の流量分配が不均一になり、両端により多くの流量を与えると共に中央部により少ない流量を与えるように通路を形作るよう成形される。これは、排出流入口60の遠位端から放出される排出流の流量パターンに適合する。
【0053】
入口組立体(第3の構成)
図5及び6は、排出流入口60が取り外された除害装置10Bの入口組立体の構成を示す。反応物を供給するギャラリ810Bと連通する半径方向に延びる開口880が設けられている。反応物は、ギャラリ810Bから開口880を通り、排出流入口60(図示せず)を取り囲むようになっている。開口880のサイズ、位置、及び密度は、排出流入口60の周りの異なる位置で送給される反応物の量を変えるために変更することができる。
【0054】
同様の効果は、反応物の供給部と流体連通し、これを通って反応物が反応物ノズルに入る、有孔率が変化する材料を設けることによって達成することができる。
【0055】
除害システムのためのスロットノズル構造は、その間に間隙がある内側ノズルと外側ノズルを備えることができる。この間隙は、燃料、酸素などの反応物ガスを供給するために使用することができる。また、不活性パージガスを供給するために使用することもできる。
【0056】
従って、ガスは、ポートを通って2つの長円形ノズルの間の内部空間に供給されることが分かる。流量分布手段は、流量を分散配置させるために設けられる。1つの実施形態において、ガスは、外側ノズルの頂部の周りのギャラリの中に流入する。切欠きは、ガスが通過する外側ノズルの頂部に切り込むことができる。切欠きからの別々の流れは、ノズル間の内部空間の遠位端で均一な流れを与えるために統合及び合流する。
【0057】
1つの実施形態において、ガスは、外側ノズルの側壁に設けられたポートから供給される。このポートの下方の隔壁は、ギャラリを形成する。隔壁に切り込まれた開口によって、内側ノズルが通過するのが可能になる。開口の外形と内側ノズルの外形の相違によって、ガスが流通する通路が形成される。この通路は、均一又は不均一とすることができる。不均一な通路は、内側ノズルからのプロセスガスの放出に適合する、例えば、軸線に向かってより多くの流量を与えると共に中心部においてより少ない流量を与える流量分布を形作ることができるので有利な場合がある。
【0058】
例えば、同心ドッグボーン形状、偏心ドッグボーン形状、∞形状などの他の開口形状が可能であることを理解されたい。
【0059】
本明細書では、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に開示してきたが、本発明は、正確な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更及び修正を行なうことができることが理解される。
【符号の説明】
【0060】
10;10A;10B 除害装置
30 燃焼室モジュール
40 ハウジング
50 取り付け台
55 下流側表面
60 排出流入口
65 外面
90 有孔スリーブ
120 燃焼室
800;800A 壁部
805;835 内面
810;810A ギャラリ
820 フランジ
830 反応物ノズル
845 直線外周領域
850 反応物入口
860 湾曲外周領域
870 床部
880 開口
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールからの排出流を処理する除害装置のための入口組立体であって、
前記除害装置の燃焼室の中に前記排出流を送給するように構成された入口ノズルと、
前記除害装置の前記燃焼室の中に反応物を送給するように構成された反応物ノズルであって、前記反応物ノズルは、前記入口ノズルに対して同軸に配置され、前記反応物ノズルは、外周の周りの異なる位置で前記反応物を異なる量で送給するように構成されている、反応物ノズルと、
を備える、入口組立体。
【請求項2】
前記入口ノズル及び前記反応物ノズルは、前記反応物を前記燃焼室に中に前記排出流に対して同軸に送給するように構成されている、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項3】
前記反応物ノズルの前記外周に前記反応物を供給するように構成された上流側ギャラリを備える、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項4】
前記入口ノズル及び前記反応物ノズルは、前記排出流を取り囲みながら、前記燃焼室の中に前記反応物を送給するように構成されている、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項5】
前記反応物ノズルは、
前記排出流の第2の領域の近傍よりも、前記排出流の第1の領域の近傍でより多くの前記反応物を送給するように構成される、及び
前記反応物ノズルの第2の部分内よりも、前記反応物ノズルの第1の部分内でより多くの前記反応物を送給するように構成される、
のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項6】
前記入口ノズルは、長円形断面を有し、前記反応物ノズルは、環状長円形断面を有し、前記反応物ノズルは、前記環状長円形断面の直線部分内よりも、前記環状長円形断面の円形部分の近傍内でより多くの前記反応物を送給するように構成されている、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項7】
前記反応物ノズルの内面は、前記入口ノズルの外面から離間しており、前記反応物ノズルの前記内面と前記入口ノズルの前記外面との間の隙間距離は、前記外周部の周りの異なる位置で前記反応物を異なる量で送給するために、前記外周の周りで異なる、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項8】
前記隙間距離は、
より少ない前記反応物の送給を必要とする位置よりも、より多くの前記反応物の送給を必要とする位置で大きい、又は
前記環状長円形断面の直線部分内よりも、前記環状長円形断面の円形部分の近傍内で大きい、請求項6に記載の入口組立体。
【請求項9】
前記反応物は、前記外周の周りの異なる位置で前記反応物の異なる量を送給するように構成された前記外周の周りに位置決めされた開口を介して、前記反応物ノズルに供給される、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項10】
前記開口は、半径方向に延びる、請求項9に記載の入口組立体。
【請求項11】
前記開口のサイズ及び密度のうちの少なくとも1つは、前記外周の周りの異なる位置で異なる、請求項9に記載の入口組立体。
【請求項12】
前記開口のサイズ及び密度のうちの少なくとも1つは、
より少ない前記反応物の送給を必要とする位置よりも、より多くの前記反応物の送給さを必要とする位置で大きい、又は、
前記環状長円形断面の直線部分内よりも、前記環状長円形断面の円形部分の近傍内で大きい、
請求項9に記載の入口組立体。
【請求項13】
前記反応物は、前記外周の周りに位置決めされた有孔材料を介して前記反応物ノズルに供給され、前記有孔材料は、前記外周部の周りの異なる位置で前記反応物の異なる量を送給するために、異なる有孔率を有する、請求項1に記載の入口組立体。
【請求項14】
請求項1に記載の入口組立体を備える除害装置。
【請求項15】
入口ノズルを用いて除害装置の燃焼室の中に排出流を送給するステップと、
前記入口ノズルに対して同軸に反応物ノズルを配置するステップと、
前記反応物ノズルを、外周の周りの異なる位置で反応物の異なる量を送給するように構成するステップと、
を含む、方法。
【国際調査報告】