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特表2024-530407フローサイトメータ内の光信号についての光検出器利得補正係数を決定するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】フローサイトメータ内の光信号についての光検出器利得補正係数を決定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1429 20240101AFI20240814BHJP
【FI】
G01N15/1429 100
G01N15/1429 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501954
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022034952
(87)【国際公開番号】W WO2023287568
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/221,277
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS XP
2.WINDOWS
3.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジズオ
(72)【発明者】
【氏名】オースレイ,キーガン
(72)【発明者】
【氏名】バール,マシュー
(57)【要約】
本開示の態様は、フローサイトメータデータに適用するための光検出器利得補正係数を決定するための方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出することと、フローストリームを横切る複数の位置で光検出システムの光検出器チャネル(例えば、イメージング光検出器チャネル)内にデータ信号を生成することと、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することとを含む。方法は、また、光検出器チャネル(例えば、非イメージング光検出器チャネル)からのデータ信号に検出器利得補正係数を適用して、調整された信号強度を生成することを含む。光源と、主題の方法を実践するための光検出器(例えば、イメージング光検出器)を含む光検出システムとを有するシステム(例えば、粒子分析器)もまた説明される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体及び集積回路(例えば、FPGA)もまた提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するための方法であって、
フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出することと、
前記フローストリームを横切る複数の位置で、前記光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記フローストリームを横切る各位置で、
生成されたデータ信号の強度、
生成されたデータ信号のピークパルス振幅、又は
生成されたデータ信号のパルス面積
のうちの1つ以上を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フローストリームを横切る各位置での判定されたデータ信号の強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算することと
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成することを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
粒子分析器であって、
イメージング光検出器を備える光検出システムであって、前記光検出システムが、
フローストリームの水平軸を横切る光を検出し、
前記フローストリームを横切る複数の位置で、前記光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている、光検出システムと、
プロセッサであって、前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備え、前記メモリが、前記メモリに記憶された命令を備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算させる、プロセッサと
を備える、粒子分析器。
【請求項7】
前記メモリが、前記フローストリームを横切る各位置で、
生成されたデータ信号の強度、
生成されたデータ信号のピークパルス振幅、又は
生成されたデータ信号のパルス面積
のうちの1つ以上を判定するための命令を備える、請求項6に記載の粒子分析器。
【請求項8】
前記メモリが、前記フローストリームを横切る各位置での判定されたデータ信号の強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算するための命令を備える、請求項6又は7に記載の粒子分析器。
【請求項9】
前記光検出システムが、前記フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されており、
前記メモリが、生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するための命令を備える、請求項6~8のいずれか一項に記載の粒子分析器。
【請求項10】
前記メモリが、前記フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するための命令を備える、請求項6~9のいずれか一項に記載の粒子分析器。
【請求項11】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
フローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するための、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を備え、
前記命令が、
フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出するためのアルゴリズムと、
前記フローストリームを横切る複数の位置で、前記光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムと
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、前記フローストリームを横切る各位置で、
生成されたデータ信号の強度、
生成されたデータ信号のピークパルス振幅、又は
生成されたデータ信号のパルス面積
のうちの1つ以上を判定するためのアルゴリズムを備える、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、
前記フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムと
を備える、請求項11又は12に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、前記フローストリームを横切る各位置の前記計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するためのアルゴリズムを備える、請求項11~13のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
フローサイトメータデータを処理するためにプログラムされた集積回路であって、
プログラムすることが、光検出システムの光検出器チャネルからのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを備え、
前記検出器利得補正係数が、
フローストリームの水平軸を横切る複数の位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
によって計算される、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光検出は、例えば、試料(例えば、生体試料)が疾患又は病態の診断に使用されるとき、試料の構成要素を特徴付けるためにしばしば使用される。試料が照射されると、光は、試料によって散乱され、試料を通して透過されるだけでなく、試料によって(例えば、蛍光によって)放出され得る。形態、吸収率、及び蛍光標識の存在などの試料構成要素の違いは、試料によって散乱され、透過され、又は放出される光の変動を引き起こし得る。これらの変動は、試料内の構成要素の存在を特徴付け、かつ識別するために使用され得る。これらの変動を定量化するために、光が収集され、検出器の表面に導かれる。
【0002】
試料内の構成要素を特徴付けるために光検出を利用する1つの技術は、フローサイトメトリである。フローサイトメータは、光信号の効率的な検出と、対応する電気信号への光信号の変換とを可能にする光学系、光検出器、及び電子機器からなる光検出システムを含む。電子信号を処理して、ユーザが所望の分析を実行するために利用することができるパラメータを取得する。
【0003】
フローサイトメータは、蛍光信号を検出するための異なるタイプの光検出器を含む。(フローサイトメータで分析されている蛍光試料から出現する)光信号が光検出器に入射すると、入射光信号に比例する電気信号が光検出器の出力で生成される。光検出器の利得は、入力信号に対する出力信号の比率から決定される。光検出器の利得を使用して、試料蛍光が高い信頼度で光検出器の動作範囲に現れることを確実にするなど、光検出器による検出の動作範囲を制御することができる。
【0004】
通常、光検出器の利得は、光検出器に印加される電圧を変調することによって光検出器の利得を制御することができるように、電圧と正の相関がある。しかしながら、この相関は、光検出器のタイプ、入射光の波長、及び温度を含む多数のパラメータによって複雑になる。加えて、フローサイトメータの光学素子のアライメント不良又は収差、又は機械光学ドリフトは、光検出器からの信号強度の変動につながる可能性がある。試料を照射するために使用される種々のレーザビームは、フローストリームのコア幅にわたってビームプロファイルの大きな変動を有する可能性があり、レーザビーム強度プロファイルは、また、レーザドリフト及び環境変化に起因して経時的に変化する可能性がある。この変動は、較正された作動中のフローサイトメータでは許容可能でない。
【発明の概要】
【0005】
本開示の態様は、フローサイトメータデータに適用するための光検出器利得補正係数を決定するための方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出することと、フローストリームを横切る複数の位置で光検出システムの光検出器チャネル(例えば、イメージング光検出器チャネル)内にデータ信号を生成することと、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することとを含む。方法は、また、光検出器チャネル(例えば、非イメージング光検出器チャネル)からのデータ信号に検出器利得補正係数を適用して、調整された信号強度を生成することを含む。光源と、主題の方法を実践するための光検出器(例えば、イメージング光検出器)を含む光検出システムとを有するシステム(例えば、粒子分析器)もまた説明される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体及び集積回路(例えば、FPGA)もまた提供される。
【0006】
主題の方法を実践する際に、光は、フローストリームの水平軸を横切って検出される。いくつかの事例では、光は、フローストリームを横切る複数の位置で検出される。ある特定の事例では、光は、フローストリームを横切る複数の位置で同時に検出される。いくつかの実施形態では、データ信号は、フローストリームを横切る複数の位置でイメージング光検出器チャネル内に生成される。ある特定の実施形態では、データ信号は、フローストリームを横切って検出された光に応答して、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内に生成される。いくつかの実施形態では、データ信号は、フローストリームを横切る複数のピクセル位置でイメージング光検出器チャネル内に生成される。データ信号は、250ピクセル位置以上を含む、例えば100ピクセル位置以上などの、25ピクセル位置以上で生成されてもよい。いくつかの事例では、データ信号の強度は、各ピクセル位置で判定される。ある特定の事例では、方法は、全体的なデータ信号に基づいて、各ピクセル位置でのピークパルス振幅を判定することを含む。ある特定の事例では、方法は、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定することを含む。いくつかの実施形態では、光検出システムは、1つ以上のスリットに光学的に結合された光検出器を含む。いくつかの事例では、データ信号は、フローストリームを横切る各位置についての複数の光検出器チャネル内に生成される。ある特定の事例では、光検出システムは、複数の開口部を有するスリットに光学的に結合された光検出器を含む。ある特定の事例では、データ信号は、スリットの複数の開口部の各々の間で検出された光に応答して、複数の光検出器チャネル内に生成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法は、各ピクセル位置でイメージング検出器チャネルからの計算された利得補正係数を使用することなどによって、フローストリームを横切る複数の位置の検出器利得補正係数を決定することを含む。いくつかの事例では、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整である。他の事例では、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るピークパルス振幅間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置でのピークパルス振幅に対する調整である。他の事例では、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るパルス面積間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積に対する調整である。ある特定の実施形態では、方法は、例えば各ピクセル位置で判定されたデータ信号強度に基づいてロバスト変動係数(rCV)を計算することになどによって、フローストリームを横切るピクセル位置間の信号強度の変動を判定することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法は、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用することを含む。いくつかの事例では、1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に対する検出器利得補正係数は、イメージング光検出器チャネルからの利得補正係数と非イメージング光検出器チャネルからの信号強度とに基づいて計算される。ある特定の実施形態では、方法は、各ピクセル位置での決定された検出器利得補正係数に基づいて、検出器利得補正係数データファイルを生成することを含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、イメージング光検出器チャネルからの決定された各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルを含む。いくつかの事例では、方法は、検出器利得補正係数データファイルを、光検出システムの非イメージング光検出器チャネルのうちの1つ以上から生成されたデータ信号に適用することを含む。
【0009】
本開示の態様は、また、光検出器(例えば、イメージング光検出器)を含む光検出システムを有するシステム(例えば、粒子分析器)を含む。いくつかの実施形態では、光検出システムは、フローストリームの水平軸を横切る光を検出するように、かつフローストリームを横切る複数の位置で光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、光検出システムは、例えば複数の開口部を有するスリットに光学的に結合された光検出器などの、1つ以上のスリットに光学的に結合された光検出器を含む。いくつかの実施形態では、光検出システムは、スリットの複数の開口部の各々の間で検出された光に応答して、複数の光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている。ある特定の実施形態では、光検出システムは、フローストリームの水平軸を横切る光を検出するように、かつ250ピクセル位置以上を含む、例えば100ピクセル位置以上などの、フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、イメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている。いくつかの事例では、各ピクセル位置は、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する。いくつかの実施形態では、システムは、また、プロセッサであって、プロセッサに光学的に結合されたメモリを有する、プロセッサを含み、メモリが、メモリに記憶された命令を含み、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算させる。いくつかの実施形態では、システムは、粒子分析器である。ある特定の事例では、粒子分析器は、本明細書に記載される1つ以上の光検出器が、フローストリーム中の粒子から光を検出するように位置付けられているなど、フローサイトメータに組み込まれている。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムは、命令が記憶されたメモリを含み、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリームを横切る各位置で(例えば、各ピクセル位置で)信号強度を判定させる。いくつかの事例では、メモリは、全体的なデータ信号に基づいて各ピクセル位置でピークパルス振幅を判定するための命令を含む。ある特定の事例では、メモリは、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するための命令を含む。いくつかの実施形態では、メモリは、各ピクセル位置でイメージング検出器チャネルからの計算された利得補正係数を使用することなどによって、フローストリームを横切る複数の位置の検出器利得補正係数を決定するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、検出器利得補正係数を、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整として適用するための命令を含む。他の事例では、メモリは、検出器利得補正係数を、フローストリームを横切るピークパルス振幅間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置でのピークパルス振幅に対する調整として適用するための命令を含む。他の事例では、メモリは、検出器利得補正係数を、フローストリームを横切るパルス面積間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積に対する調整として適用するための命令を含む。ある特定の実施形態では、メモリは、各ピクセル位置での決定された検出器利得補正係数に基づいて、検出器利得補正係数データファイルを生成するための命令を含む。いくつかの事例では、検出器利得補正係数データファイルは、メモリに記憶される。ある特定の実施形態では、システムは、命令が記憶されたメモリを含み、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、各ピクセル位置で判定されたデータ信号強度に基づいてロバスト変動係数(rCV)を計算することなどによって、フローストリームを横切るピクセル位置間の信号強度の変動を判定させる。
【0011】
本開示の態様は、また、フローサイトメータデータに適用するための光検出器利得補正係数を決定するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出するためのアルゴリズムと、フローストリームを横切る複数の位置(例えば、ピクセル位置)で光検出システムの光検出器チャネル(例えば、イメージング光検出器チャネル)内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置(例えば、ピクセル位置)の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムとを含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切る複数の位置で光を同時に検出するためのアルゴリズムを含む。
【0012】
ある特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置で生成されたデータ信号の強度を判定するためのアルゴリズムを含む。他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号に基づいて各ピクセル位置でピークパルス振幅を判定するためのアルゴリズムを含む。他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するためのアルゴリズムを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、イメージング光検出器チャネルからの利得補正係数と非イメージング光検出器チャネルからの信号強度とに基づいて、1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号の利得補正係数を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を適用するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切るピークパルス振幅間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置でのピークパルス振幅に対する調整を適用するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切るパルス面積間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積に対する調整を適用するためのアルゴリズムを含む。ある特定の事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置で判定されたデータ信号強度に基づいてロバスト変動係数(rCV)を計算することなどによって、フローストリームを横切るピクセル位置間の信号強度の変動を判定するためのアルゴリズムを含む。ある特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置でデータ信号に適用される決定された検出器利得補正係数に基づく検出器利得補正係数データファイルを含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルとして非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0014】
本開示の態様は、また、フローサイトメータデータを処理するためにプログラムされた集積回路を含む。実施形態では、集積回路は、光検出システムの光検出器チャネルからのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。いくつかの事例では、集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。いくつかの事例では、集積回路は、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、検出器利得補正係数データファイルから、フローストリームを横切る各位置(例えば、ピクセル位置)についてのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、集積回路は、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、イメージング光検出器チャネルからの利得補正係数と非イメージング光検出器チャネルからの信号強度とに基づいて、1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号の利得補正係数を計算するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を適用するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フローストリームを横切るピークパルス振幅間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置でのピークパルス振幅に対する調整を適用するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、フローストリームを横切るパルス面積間の変動が、例えば3%以下などの、5%以下であるような、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積に対する調整を適用するためのプログラミングを含む。ある特定の実施形態では、集積回路は、検出器利得補正係数データファイルから各ピクセル位置での検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルとして、集積回路内にプログラムされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、添付の図面と併せて読み取るときに、以下の詳細な説明から最もよく理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【0017】
図1-1】ある特定の実施形態による検出器利得補正係数で光検出器からのデータ信号を調整することを示す。
図1-2】ある特定の実施形態による検出器利得補正係数で光検出器からのデータ信号を調整することを示す。
図2】ある特定の実施形態によるイメージング光検出器チャネル内に生成された検出器利得補正係数を1つ以上の非イメージング光検出器チャネルに適用することを例示するものである。
図3】ある特定の実施形態によるフローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するためのフローチャートを示す。
図4A】ある特定の実施形態による粒子分析システムの機能ブロック図を示す。
図4B】ある特定の実施形態によるフローサイトメータを示す。
図5】ある特定の実施形態による粒子分析器制御システムの一実施例のための機能ブロック図を示す。
図6A】ある特定の実施形態による粒子ソーターシステムの概略図を示す。
図6B】ある特定の実施形態による粒子ソーターシステムの概略図を示す。
図7】ある特定の実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の態様は、フローサイトメータデータに適用するための光検出器利得補正係数を決定するための方法を含む。ある特定の実施形態による方法は、フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出することと、フローストリームを横切る複数の位置で光検出システムの光検出器チャネル(例えば、イメージング光検出器チャネル)内にデータ信号を生成することと、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することとを含む。方法は,また、光検出器チャネル(例えば、非イメージング光検出器チャネル)からのデータ信号に検出器利得補正係数を適用して、調整された信号強度を生成することを含む。光源と、主題の方法を実践するための光検出器(例えば、イメージング光検出器)を含む光検出システムとを有するシステム(例えば、粒子分析器)もまた説明される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体及び集積回路(例えば、FPGA)もまた提供される。
【0019】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん、変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する対象となるためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0020】
値の範囲が提供される場合、文脈が別段明示しない限り、各介在値は、その範囲の上限及び下限と、その記載された範囲内の任意の他の記載値又は介在値との間に、下限の単位の10分の1まで本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本発明内に包含される。記述の範囲が、制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方又は両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0021】
数値に「約」という用語が先行するある特定の範囲が本明細書で提示される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、及びその用語が先行する数に近いか又はほぼそれである数に文字の裏付けを提供するために使用される。ある数が具体的に列挙された数に近いか、又は近似するか否かを判定するとき、その近い又は近似する列挙されない数は、それが提示されている文脈において、具体的に列挙されている数の実質的な等価物を提供する数であり得る。
【0022】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書に記載のものと同様の又は同等な任意の方法及び材料が、本発明の実践又は試験に使用され得るが、代表的な例示的な方法及び材料が以下に記載される。
【0023】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、あたかも各個々の刊行物又は特許が参照によって組み込まれるように具体的かつ個々に示されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれ、参照によって本明細書に組み込まれることによって、それらの刊行物が引用される関連した方法及び/又は材料を開示及び記載する。いかなる刊行物の引用も、出願日以前のその開示に関するものであり、本発明が、先行発明を理由に、そのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。更に、提供された公開日は、実際の公開日とは異なる場合があり、個別に確認される必要がある場合がある。
【0024】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、いかなる任意選択可能な要素も排除するように起草されていることがあることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「単独で」、「のみ」などのそのような排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0025】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載及び例示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の一部の実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はこれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0026】
装置及び方法は、文法的な滑らかさのために機能的な説明を伴って記載されている、又は記載されるが、特許請求の範囲は、明示的に米国特許法第112条下で策定されない限り、「手段」又は「ステップ」の構成の限定によって必ずしも限定されるものと解釈されるべきではなく、均等物の司法的法理の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び均等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が明示的に米国特許法第112条下で策定される場合、米国特許法第112条下で完全な法定の均等物が付与されるべきであることを明確に理解されたい。
【0027】
上記に概説されるように、本開示は、フローサイトメータデータに適用するための光検出器利得補正係数を決定するための方法を提供する。本開示の実施形態を更に説明するにあたって、フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出し、フローストリームを横切る複数の位置で光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成し、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算するための方法が、最初に、より詳細に説明される。次に、光源と、主題の方法を実践するための光検出器を有する光検出システムとを含むシステムが説明される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体及び集積回路もまた、説明される。
【0028】
光検出器利得補正係数を決定するための方法
本開示の態様は、フローサイトメータデータに適用するための光検出器利得補正係数を決定するための方法を含む。いくつかの実施形態では、方法は、フローストリームの水平軸を横切る複数の位置の検出器利得補正係数を計算することを含む。いくつかの事例では、主題の方法は、計算された検出器利得補正係数が、検出された光に応答して生成されたデータ信号に適用されるときに、フローストリームを横切る低減された光検出器信号強度変動を提供する。いくつかの事例では、本明細書に記載される検出器利得補正係数は、計算された検出器利得補正係数が、検出された光に応答して生成されたデータ信号に適用されるときに、例えば、rCVが、99%以上を含む、例えば、10%以上、例えば、25%以上、例えば、50%以上、例えば、75%以上、例えば、90%以上などの、5%以上低減された、低減されたロバスト変動係数(rCV)を提供する。ある特定の事例では、計算された検出器利得補正係数を適用することは、粒子分析器又はフローサイトメータの1つ以上のレーザが位置合わせ不良であるなど、粒子分析器又はフローサイトメータにおける位置合わせ不良の光学素子によって引き起こされる光検出器信号強度変動を低減又は排除するために十分である。他の事例では、計算された検出器利得補正係数を適用することは、ガウシアンビームプロファイル又はスーパーガウシアンビームプロファイルを有する光源(例えば、レーザ)でのフローストリームの照射によって引き起こされる光検出器信号強度の変動を低減又は排除するために十分である。ある特定の実施形態では、主題の方法は、99%以上を含む、例えば、10%以上、例えば、25%以上、例えば、50%以上、例えば、75%以上、例えば、90%以上などの、5%以上、光検出システムの信号対雑音比を増加させるなど、光検出システムの信号対雑音比の増加を提供する。ある特定の事例では、主題の方法は、10倍以上を含む、例えば、3倍以上、例えば、4倍以上、例えば、5倍以上などの、2倍以上、信号対雑音比を増加させる。ある特定の実施形態では、本開示の方法は、100倍以上を含む、例えば、3倍以上、例えば、5倍以上、例えば、10倍以上、例えば、25倍以上、例えば、50倍以上などの、2倍以上、強度検出及び強度定量の範囲を広げるために十分である。
【0029】
主題の方法を実践する際に、光検出システムでフローストリームの水平軸から光が検出される。以下でより詳細に記載されるように、いくつかの実施形態では、フローストリームからの光は、フローストリームを横切る複数の位置でイメージング光検出器チャネル内で検出される。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、10mm以上を含む、例えば、2mm以上、例えば、3mm以上、例えば、4mm以上、例えば、5mm以上、例えば、6mm以上、例えば、7mm以上、例えば、8mm以上、例えば、9mm以上などの、1mm以上の調査領域を横切るなど、例えば、10μm以上、例えば、15μm以上、例えば、20μm以上、例えば、25μm以上、例えば、50μm以上、例えば、75μm以上、例えば、100μm以上、例えば、250μm以上、例えば、500μm以上、例えば、750μm以上などの、5μm以上のフローストリームの調査領域を横切ってフローストリーム中を伝搬している粒子を照射することを含む。いくつかの事例では、フローストリーム中で照射される粒子は、1つ以上のフルオロフォアを有するビーズ(以下でより詳細に記載される)などのマルチスペクトル粒子である。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、光源が、中断されない光束を提供し、かつ光強度の望ましくない変化をほとんど又は全く伴わずにフローストリーム中の粒子の照射を維持するなど、フローストリーム中の粒子を連続波光源で照射することを含む。いくつかの実施形態では、連続光源は、非パルス照射又は非ストロボ照射を放出する。ある特定の実施形態では、連続光源は、実質的に一定の発光強度を提供する。例えば、方法は、照射の時間間隔中に、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.01%以下、例えば、0.001%以下、例えば、0.0001%以下、例えば、0.00001%以下などの、10%以下変動する発光強度を提供する連続光源でフローストリーム中の粒子を照射することを含み得、照射の時間間隔中に発光強度が0.000001%以下変動する場合を含む。光出力の強度は、他の光検出器タイプの中でも、走査スリットプロファイラ、電荷結合デバイス(増感型電荷結合デバイスICCDなどのCCD)、測位センサ、電力センサ(例えば、熱電対列電力センサ)、光学電力センサ、エネルギーメータ、デジタルレーザ光度計、レーザダイオード検出器を含むがこれらに限定されない、任意の好都合なプロトコルによって測定することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、方法は、光が所定の時間間隔で放出される場合など、フローストリーム中を伝搬している粒子をパルス光源で照射することを含み、各時間間隔は、所定の照射持続時間(すなわち、パルス幅)を有する。ある特定の実施形態では、方法は、フローストリームの各調査領域内の粒子をパルス光源で周期的な光フラッシュを用いて照射することを含む。例えば、各光パルスの周波数は、例えば、0.0005kHz以上、例えば、0.001kHz以上、例えば、0.005kHz以上、例えば、0.01kHz以上、例えば、0.05kHz以上、例えば、0.1kHz以上、例えば、0.5kHz以上、例えば、1kHz以上、例えば、2.5kHz以上、例えば、5kHz以上、例えば、10kHz以上、例えば、25kHz以上、例えば、50kHz以上などの、0.0001kHz以上であり得、100kHz以上を含む。ある特定の事例では、光源によるパルス照射の周波数は、例えば、0.00005kHz~900kHz、例えば、0.0001kHz~800kHz、例えば、0.0005kHz~700kHz、例えば、0.001kHz~600kHz、例えば、0.005kHz~500kHz、例えば、0.01kHz~400kHz、例えば、0.05kHz~300kHz、例えば、0.1kHz~200kHzなどの、0.00001kHz~1000kHzの範囲であり、1kHz~100kHzを含む。各光パルスの光照射の持続時間(すなわち、パルス幅)は、変動し得、例えば、0.000005ミリ秒以上、例えば、0.00001ミリ秒以上、例えば、0.00005ミリ秒以上、例えば、0.0001ミリ秒以上、例えば、0.0005ミリ秒以上、例えば、0.001ミリ秒以上、例えば、0.005ミリ秒以上、例えば、0.01ミリ秒以上、例えば、0.05ミリ秒以上、例えば、0.1ミリ秒以上、例えば、0.5ミリ秒以上、例えば、1ミリ秒以上、例えば、2ミリ秒以上、例えば、3ミリ秒以上、例えば、4ミリ秒以上、例えば、5ミリ秒以上、例えば、10ミリ秒以上、例えば、25ミリ秒以上、例えば、50ミリ秒以上、例えば、100ミリ秒以上などの、0.000001ミリ秒以上であり得、500ミリ秒以上を含む。例えば、光照射の持続時間は、例えば、0.000005ミリ秒~950ミリ秒、例えば、0.00001ミリ秒~900ミリ秒、例えば、0.00005ミリ秒~850ミリ秒、例えば、0.0001ミリ秒~800ミリ秒、例えば、0.0005ミリ秒~750ミリ秒、例えば、0.001ミリ秒~700ミリ秒、例えば、0.005ミリ秒~650ミリ秒、例えば、0.01ミリ秒~600ミリ秒、例えば、0.05ミリ秒~550ミリ秒、例えば、0.1ミリ秒~500ミリ秒、例えば、0.5ミリ秒~450ミリ秒、例えば、1ミリ秒~400ミリ秒、例えば、5ミリ秒~350ミリ秒などの、0.000001ミリ秒~1000ミリ秒の範囲であり得、10ミリ秒~300ミリ秒を含む。
【0032】
フローストリームは、任意の好都合な光源で照射され得、レーザ光源及び非レーザ光源(例えば、発光ダイオード)を含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、パルス波レーザ又は連続波レーザなどのレーザで粒子を照射することを含む。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであってもよい。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの事例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の事例では、主題のシステムは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の事例では、関心のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の事例では、主題のシステムは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、光源は、400nm~800nmを含む、例えば、200nm~1500nm、例えば、250nm~1250nm、例えば、300nm~1000nm、例えば、350nm~900nmなどの、特定の波長を出力する。ある特定の実施形態では、連続波光源は、365nm、385nm、405nm、460nm、490nm、525nm、550nm、580nm、635nm、660nm、740nm、770nm、又は850nmの波長を有する光を放出する。
【0034】
フローストリームは、100mm以上の距離を含む、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、25mm以上などの、0.001mm以上の距離などの、任意の好適な距離から、光源によって照射され得る。加えて、フローストリームの照射は、30°~60°を含む、例えば、15°~85°、例えば、20°~80°、例えば、25°~75°などの、10°~90°の範囲の角度などの、任意の好適な角度で、例えば、90°の角度で、あり得る。
【0035】
フローストリームの水平軸を横切る複数の異なる位置からの光が検出される。実施形態では、方法は、フローストリームの水平軸を横切る500個以上の位置を含む、例えば、25個以上の位置、例えば、50個以上の位置、例えば、75個以上の位置、例えば、100個以上の位置、例えば、150個以上の位置、例えば、200個以上の位置、例えば、250個以上の位置などの、フローストリームを横切る10個以上の位置(例えば、所定の長さのセグメント)で光を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、光は、フローストリームを横切る各位置から同時に検出される。いくつかの実施形態では、フローストリームからの光は、例えばイメージング光検出器が複数のピクセル位置でフローストリームを横切って光を同時に検出する場合など、イメージング光検出器で検出される。例えば、フローストリームからの光は、フローストリームの水平軸を横切る500個以上のピクセル位置を含む、例えば、25個以上のピクセル位置、例えば、50個以上のピクセル位置、例えば、75個以上のピクセル位置、例えば、100個以上のピクセル位置、例えば、150個以上のピクセル位置、例えば、200個以上のピクセル位置、例えば、250個以上のピクセル位置などの、フローストリームを横切る10個以上のピクセル位置でイメージング光検出器で検出され得る。いくつかの事例では、各ピクセル位置は、フローストリームの水平軸を横切る異なる位置に対応する。
【0036】
光検出器は、限定されるものではないが、光検出器の中でもとりわけ、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード(APD)、象限フォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む、任意の好都合な光検出プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、光検出器は、1cm~5cmを含む、例えば、0.05cm~9cm、例えば、0.1cm~8cm、例えば、0.5cm~7cmなどの、0.01cm~10cmの範囲の、各領域のアクティブな検出表面積を有するフォトマルチプライヤなどの、光電子増倍管である。
【0037】
ある特定の実施形態では、光検出システムは、スリットに光学的に結合された1つ以上の光検出器を含む。光検出器の活性検出表面のサイズに応じて、ある特定の事例によるスリットは、0.5mm~1.5mmの幅を含む、例えば、0.1mm~1.9mm、例えば、0.2mm~1.8mm、例えば、0.3mm~1.7mm、例えば、0.4mm~1.6mmなどの、0.01mm~2mmの幅を有し、かつ0.5mm~1.5mmの長さを含む、例えば、0.1mm~1.9mm、例えば、0.2mm~1.8mm、例えば、0.3mm~1.7mm、例えば、0.4mm~1.6mmなどの、0.01mm~2mmの長さを有する長方形(又は他の多角形形状)の開口部を有する。ある特定の事例では、スリットの幅は、0.4mm以下である幅を含む、例えば、0.9mm以下、例えば、0.8mm以下、例えば、0.7mm以下、例えば、0.6mm以下、例えば、0.5mm以下などの、1mm以下である。ある特定の実施形態では、スリットは、フローストリームの長手方向軸に沿って延在する開口部を含む。ある特定の事例では、光検出システムは、10個以上の開口部を有するスリットを含む、例えば、3つ以上の開口部、例えば、4つ以上の開口部、例えば、5つ以上の開口部、例えば、6つ以上の開口部、例えば、7つ以上の開口部、例えば、8つ以上の開口部、例えば、9つ以上の開口部などの、2つ以上の開口部を有するスリットに光学的に結合された光検出器を含む。ある特定の実施形態では、光検出システムは、スリットの複数の開口部の各々の間で検出された光に応答して、複数の光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている。
【0038】
光は、例えば、2つ以上の波長、例えば、5つ以上の異なる波長、例えば、10個以上の異なる波長、例えば、25個以上の異なる波長、例えば、50個以上の異なる波長、例えば、100個以上の異なる波長、例えば、200個以上の異なる波長、例えば、300個以上の異なる波長などの、1つ以上の波長の光が光検出器によって測定され得、フローストリーム中の粒子から400個以上の異なる波長の光を測定することを含む。光は、連続的に、又は離散的な間隔で測定され得る。いくつかの事例では、対象となる検出器は、光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、対象となる検出器は、1000ミリ秒毎を含む、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成される。
【0039】
フローストリームからの光の測定は、各離散的な時間間隔中に、10回以上を含む、例えば、2回以上、例えば、3回以上、例えば、5回以上などの、1回以上行われ得る。ある特定の実施形態では、フローストリームからの光は、光検出器によって2回以上測定され、ある特定の事例では、データは平均される。
【0040】
ある特定の実施形態による主題の方法を実践する際に、データ信号が、フローストリームの水平軸を横切る500個以上のピクセル位置を含む、例えば、25個以上のピクセル位置、例えば、50個以上のピクセル位置、例えば、75個以上のピクセル位置、例えば、100個以上のピクセル位置、例えば、150個以上のピクセル位置、例えば、200個以上のピクセル位置、例えば、250個以上のピクセル位置などの、フローストリームを横切る10個以上のピクセル位置などの、フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内に生成される。いくつかの事例では、方法は、各ピクセル位置でのデータ信号の強度を判定することを含む。いくつかの事例では、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のピーク振幅が判定される。いくつかの事例では、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積が判定される。ある特定の事例では、方法は、各ピクセル位置で生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、及びパルス面積のうちの1つ以上をプロットすることを含む。いくつかの実施形態では、フローストリームの水平軸を横切る生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、又はパルス面積の変動が評価される。ある特定の実施形態では、方法は、フローストリームを横切る生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、又はパルス面積のうちの1つ以上のロバスト変動係数を計算することを含む。例えば、データ信号強度のロバスト変動係数は、各ピクセル位置でのプロットされたデータ信号に基づいて計算され得る。
【0041】
フローストリームを横切って生成されたデータ信号に基づいて、イメージング光検出器チャネル内の各ピクセル位置について、検出器利得補正係数が計算される。いくつかの実施形態では、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間に強度変動がほとんど又は全くないように、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を決定することによって計算される。言い換えれば、検出器利得補正係数が各ピクセル位置でのデータ信号に適用されると、データ信号強度は、フローストリームの水平軸を横切って均一性を呈する。例えば、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下であるような、各ピクセル位置における信号強度に対する調整であり得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つ以上のピクセル位置での検出器利得補正係数は、加算調整であり、検出器利得補正係数は、1つ以上のピクセル位置でのデータ信号強度を増加させる。他の実施形態では、1つ以上のピクセル位置での検出器利得補正係数は、減算調整であり、検出器利得補正係数は、1つ以上のピクセル位置でのデータ信号強度を減少させる。いくつかの実施形態では、検出利得補正係数を各ピクセル位置でのイメージング光検出器チャネル内の生成されたデータ信号に適用することは、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数を2.5%以上低減することを含めて、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数を、例えば、0.2%以上、例えば、0.3%以上、例えば、0.4%以上、例えば、0.5%以上、例えば、0.6%以上、例えば、0.7%以上、例えば、0.8%以上、例えば、0.9%以上、例えば、1.0%以上、例えば、1.5%以上、例えば、2.0%以上などの、0.1%以上低減するために十分である。
【0043】
図1は、ある特定の実施形態による検出器利得補正係数で光検出器からのデータ信号を調整することを示す。101に示されるように、光検出器からのデータ信号は、複数のピクセル位置にわたって不均一な強度を呈する。この不均一な光検出器信号強度は、いくつかの事例では、フローストリームを照射するために使用されるレーザ光のアライメント不良又は変則によって引き起こされ得る。例えば、フローストリームを照射するために使用されるレーザ光は、円筒形レンズ(例えば、パウエルレンズ)によって生成された変則的なフラットトップビームプロファイルを有し得るか、又は1つ以上の光学素子とアライメント不良になり得る。ある特定の事例では、不均一な光検出器信号強度は、フローストリームを照射するためにガウシアンビームプロファイル又はスーパーガウシアンビームプロファイルを有するレーザ光を使用することによって引き起こされ得る。検出器利得補正係数は、イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に基づいて、各ピクセル位置(例えば、ピクセル1~100)について本明細書に記載されるように計算される。各ピクセル位置の検出器利得補正係数のプロットが、102に示される。101のデータ信号に102の検出器利得補正係数を適用することは、103に示される各ピクセル位置で、補正されたデータ信号を生成する。補正されたデータ信号103のロバスト変動係数(rCV)は、101のデータ信号と比較して、1.6%(101についての4.9%のrCVから103についての3.3%のrCVに)低減される。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法は、決定された検出器利得補正係数を、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に適用することを含む。例えば、各ピクセル位置での決定された検出器利得補正係数は、光検出システムの128個以上の非イメージング光検出器チャネルを含む、例えば、3つ以上、例えば、4つ以上、例えば、8つ以上、例えば、12個以上、例えば、16個以上、例えば、24個以上、例えば、32個以上、例えば、48個以上、例えば、64個以上などの、2つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に適用され得る。これらの実施形態では、決定された検出器利得補正係数を適用することは、各非イメージング光検出器チャネル内のフローストリームを横切るデータ信号の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下である場合など、フローストリームを横切る信号強度変動をほとんど又は全く呈さないデータ信号を非イメージング光検出器チャネル内に生成するために十分である。
【0045】
いくつかの実施形態では、非イメージング光検出器チャネルからのデータ信号に適用される検出器利得補正係数は、加算調整であり、検出器利得補正係数は、データ信号強度を増加させる。他の実施形態では、非イメージング光検出器チャネルからのデータ信号に適用される検出器利得補正係数は、減算調整であり、検出器利得補正係数は、データ信号強度を減少させる。ある特定の実施形態では、検出器利得補正係数をイメージング光検出器チャネル内のデータ信号に適用することは、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数を2.5%以上低減することを含めて、フローストリームを横切る非イメージング光検出器データ信号強度のロバスト変動係数を、例えば、0.2%以上、例えば、0.3%以上、例えば、0.4%以上、例えば、0.5%以上、例えば、0.6%以上、例えば、0.7%以上、例えば、0.8%以上、例えば、0.9%以上、例えば、1.0%以上、例えば、1.5%以上、例えば、2.0%以上などの、0.1%以上低減するために十分である。
【0046】
図2は、ある特定の実施形態によるイメージング光検出器チャネル内に計算された検出器利得補正係数を1つ以上の非イメージング光検出器チャネルに適用することを例示している。各々がフローストリームの水平軸を横切る、5つの異なるレーザビームからのレーザ光で、粒子(例えば、ビーズ又は細胞)が照射される。フローストリームを横切って照射するために、イメージングレーザビームが使用される。イメージングビームは、粒子についてのイメージング信号を生成する。信号は、各粒子のピクセル位置を含む。イメージング光検出器チャネル内の各ピクセル位置で生成されたデータ信号に基づいて、検出器利得補正係数が計算される。イメージング光検出器チャネル内の各ピクセル位置は、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する。非イメージングビームは、ピクセル位置情報なしで各粒子についての信号を生成する。各ピクセル位置でのレーザ強度又は収集効率が異なる場合、収集された信号は、粒子間で変化する(例えば、高いrCVを引き起こす)こととなる。イメージング光検出器チャネルからのピクセル位置を使用して、検出器利得補正を実行して、イメージング光検出器チャネル及び非イメージング光検出器チャネルの両方についての粒子間の変動を補償することができる。そうするために、イメージング光検出器チャネル内に計算された検出器利得補正係数を使用して、非イメージング光検出器チャネルのうちの1つ以上に生成されたデータ信号に適用するための検出器利得補正係数を計算する。
【0047】
ある特定の実施形態では、方法は、各ピクセル位置での決定された検出器利得補正係数に基づいて、検出器利得補正係数データファイルを生成することを含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、イメージング光検出器チャネルから決定された各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルを含む。いくつかの事例では、方法は、検出器利得補正係数データファイルを、メモリに記憶されたデータ信号などの1つ以上のデータ信号セットに適用することを含む。以下により詳細に記載されるように、検出器利得補正係数データファイルは、検出器利得補正係数データファイルを用いてプログラムされた集積回路(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を有する光検出器チャネルからのデータ信号に適用され得る。
【0048】
図3は、ある特定の実施形態によるフローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するためのフローチャートを示す。ステップ301において、光源が、フローストリームの水平軸を横切って粒子を照射する。粒子からの光は、イメージング光検出器を有する光検出システムで検出される。イメージング光検出器チャネルからのデータ信号は、フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、ステップ302において生成される。生成されたデータ信号に基づいて、ステップ303において、各ピクセル位置での検出器利得補正係数が計算される。ある特定の事例では、ステップ303における各ピクセル位置での利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、例えば、3%以下などの、5%以下であるか、又はこの場合に、光検出器チャネル内のデータ信号の計算されたrCVが、例えば、1.5%以上などの、1%以上低減されるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整であるように計算される。ステップ304において、利得補正係数をイメージング光検出器チャネルからのデータ信号に適用して、フローストリームを横切って均一である各ピクセル位置でイメージング光検出器からのデータ信号を生成する。ステップ305において、イメージング光検出器チャネルからの利得補正係数に基づいて、利得補正係数を計算し、1つ以上の非イメージング光検出器チャネルからのデータ信号に適用して、フローストリームを横切って均一である各非イメージング光検出器からのデータ信号を生成する。いくつかの事例では、各ピクセル位置での計算された利得補正係数を使用して、検出器利得補正係数データファイルを生成し(ステップ306)、これを、以前又は以後に収集されたデータ信号に適用することができる(ステップ307)。
【0049】
光検出器利得補正係数を決定するためのシステム
本開示の態様は、また、イメージング光検出器を含む光検出システムを有するシステム(例えば、粒子分析器)を含む。ある特定の実施形態によるシステムは、フローストリームを照射するための光源と、フローストリームの水平軸を横切る光を検出するように、かつ複数のピクセル位置でイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成された光検出システムとを含む。いくつかの実施形態では、光源は、例えば、中断されない光束を提供し、かつ光強度の望ましくない変化をほとんど又は全く伴わずにフローストリーム中の粒子の照射を維持する、連続波光源である。いくつかの実施形態では、連続光源は、非パルス照射又は非ストロボ照射を放出する。ある特定の実施形態では、連続光源は、実質的に一定の発光強度を提供する。例えば、連続光源は、照射の時間間隔中に、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.01%以下、例えば、0.001%以下、例えば、0.0001%以下、例えば、0.00001%以下などの、10%以下変動する発光強度を提供し得、照射の時間間隔中の発光強度が0.000001%以下変動する場合を含む。光出力の強度は、他の光検出器タイプの中でも、走査スリットプロファイラ、電荷結合デバイス(増感型電荷結合デバイスICCDなどのCCD)、測位センサ、電力センサ(例えば、熱電対列電力センサ)、光学電力センサ、エネルギーメータ、デジタルレーザ光度計、レーザダイオード検出器を含むがこれらに限定されない、任意の好都合なプロトコルによって測定することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、光源は、例えば、光が所定の時間間隔で放出され、各時間間隔が所定の照射持続時間(すなわち、パルス幅)を有する、1つ以上のパルス光源を含む。ある特定の実施形態では、パルス光源は、周期的な光のフラッシュで光検出器を照射するように構成されている。例えば、各光パルスの周波数は、例えば、0.0005kHz以上、例えば、0.001kHz以上、例えば、0.005kHz以上、例えば、0.01kHz以上、例えば、0.05kHz以上、例えば、0.1kHz以上、例えば、0.5kHz以上、例えば、1kHz以上、例えば、2.5kHz以上、例えば、5kHz以上、例えば、10kHz以上、例えば、25kHz以上、例えば、50kHz以上などの、0.0001kHz以上であり得、100kHz以上を含む。ある特定の事例では、光源によるパルス照射の周波数は、例えば、0.00005kHz~900kHz、例えば、0.0001kHz~800kHz、例えば、0.0005kHz~700kHz、例えば、0.001kHz~600kHz、例えば、0.005kHz~500kHz、例えば、0.01kHz~400kHz、例えば、0.05kHz~300kHz、例えば、0.1kHz~200kHzなどの、0.00001kHz~1000kHzの範囲であり、1kHz~100kHzを含む。各光パルスの光照射の持続時間(すなわち、パルス幅)は、変動し得、例えば、0.000005ミリ秒以上、例えば、0.00001ミリ秒以上、例えば、0.00005ミリ秒以上、例えば、0.0001ミリ秒以上、例えば、0.0005ミリ秒以上、例えば、0.001ミリ秒以上、例えば、0.005ミリ秒以上、例えば、0.01ミリ秒以上、例えば、0.05ミリ秒以上、例えば、0.1ミリ秒以上、例えば、0.5ミリ秒以上、例えば、1ミリ秒以上、例えば、2ミリ秒以上、例えば、3ミリ秒以上、例えば、4ミリ秒以上、例えば、5ミリ秒以上、例えば、10ミリ秒以上、例えば、25ミリ秒以上、例えば、50ミリ秒以上、例えば、100ミリ秒以上などの、0.000001ミリ秒以上であり得、500ミリ秒以上を含む。例えば、光照射の持続時間は、例えば、0.000005ミリ秒~950ミリ秒、例えば、0.00001ミリ秒~900ミリ秒、例えば、0.00005ミリ秒~850ミリ秒、例えば、0.0001ミリ秒~800ミリ秒、例えば、0.0005ミリ秒~750ミリ秒、例えば、0.001ミリ秒~700ミリ秒、例えば、0.005ミリ秒~650ミリ秒、例えば、0.01ミリ秒~600ミリ秒、例えば、0.05ミリ秒~550ミリ秒、例えば、0.1ミリ秒~500ミリ秒、例えば、0.5ミリ秒~450ミリ秒、例えば、1ミリ秒~400ミリ秒、例えば、5ミリ秒~350ミリ秒などの、0.000001ミリ秒~1000ミリ秒の範囲であり得、10ミリ秒~300ミリ秒を含む。
【0051】
光源は、レーザ光源及び非レーザ光源(例えば、発光ダイオード)を含み得る。ある特定の実施形態では、システムは、パルス波レーザ又は連続波レーザなどのレーザを含む。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであってもよい。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの事例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の事例では、主題のシステムは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の事例では、関心のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。更に他の事例では、主題のシステムは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Ybレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0052】
光源は、400nm~800nmを含む、例えば、200nm~1500nm、例えば、250nm~1250nm、例えば、300nm~1000nm、例えば、350nm~900nmなどの、特定の波長を出力するように構成され得る。ある特定の実施形態では、連続波光源は、365nm、385nm、405nm、460nm、490nm、525nm、550nm、580nm、635nm、660nm、740nm、770nm、又は850nmの波長を有する光を放出する。
【0053】
光源は、100mm以上の距離を含む、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、5mm以上、例えば、10mm以上、例えば、25mm以上などの、0.001mm以上の距離などの、フローストリームから任意の好適な距離に位置付けられ得る。光源は、30°~60°を含む、例えば、15°~85°、例えば、20°~80°、例えば、25°~75°などの、10°~90°の範囲の角度などの、任意の好適な角度に、例えば、90°の角度に、位置付けられ得る。
【0054】
実施形態では、光検出システムは、フローストリームの水平軸を横切る複数の異なる位置から光を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、光検出システムは、フローストリームの水平軸を横切る500個以上の位置を含む、例えば、25個以上の位置、例えば、50個以上の位置、例えば、75個以上の位置、例えば、100個以上の位置、例えば、150個以上の位置、例えば、200個以上の位置、例えば、250個以上の位置などの、10個以上の位置(例えば、所定の長さのセグメント)でフローストリームを横切る光を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、光検出システムは、フローストリームを横切る各位置から光を同時に検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、光検出システムは、複数のピクセル位置においてフローストリームを横切る光を同時に検出するイメージング光検出器を含む。例えば、イメージング光検出器は、フローストリームの水平軸を横切る500個以上のピクセル位置を含む、例えば、25個以上のピクセル位置、例えば、50個以上のピクセル位置、例えば、75個以上のピクセル位置、例えば、100個以上のピクセル位置、例えば、150個以上のピクセル位置、例えば、200個以上のピクセル位置、例えば、250個以上のピクセル位置などの、フローストリームを横切る10個以上のピクセル位置でフローストリームからの光を検出するように構成され得る。いくつかの事例では、各ピクセル位置は、フローストリームの水平軸を横切る異なる位置に対応する。
【0055】
光検出器は、限定されるものではないが、光検出器の中でもとりわけ、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード(APD)、象限フォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む、任意の好都合な光検出プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、光検出器は、1cm~5cmを含む、例えば、0.05cm~9cm、例えば、0.1cm~8cm、例えば、0.5cm~7cmなどの、0.01cm~10cmの範囲の、各領域のアクティブな検出表面積を有するフォトマルチプライヤなどの、光電子増倍管である。
【0056】
ある特定の実施形態では、光検出システムは、スリットに光学的に結合された1つ以上の光検出器を含む。光検出器の活性検出表面のサイズに応じて、ある特定の事例によるスリットは、0.5mm~1.5mmの幅を含む、例えば、0.1mm~1.9mm、例えば、0.2mm~1.8mm、例えば、0.3mm~1.7mm、例えば、0.4mm~1.6mmなどの、0.01mm~2mmの幅を有し、かつ0.5mm~1.5mmの長さを含む、例えば、0.1mm~1.9mm、例えば、0.2mm~1.8mm、例えば、0.3mm~1.7mm、例えば、0.4mm~1.6mmなどの、0.01mm~2mmの長さを有する長方形(又は他の多角形形状)の開口部を有する。ある特定の事例では、スリットの幅は、0.4mm以下である幅を含む、例えば、0.9mm以下、例えば、0.8mm以下、例えば、0.7mm以下、例えば、0.6mm以下、例えば、0.5mm以下などの、1mm以下である。ある特定の実施形態では、スリットは、フローストリームの長手方向軸に沿って延在する開口部を含む。ある特定の事例では、光検出システムは、10個以上の開口部を有するスリットを含む、例えば、3つ以上の開口部、例えば、4つ以上の開口部、例えば、5つ以上の開口部、例えば、6つ以上の開口部、例えば、7つ以上の開口部、例えば、8つ以上の開口部、例えば、9つ以上の開口部などの、2つ以上の開口部を有するスリットに光学的に結合された光検出器を含む。ある特定の実施形態では、光検出システムは、スリットの複数の開口部の各々の間で検出された光に応答して、複数の光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている。
【0057】
光検出システムの光検出器は、400個以上の異なる波長のフローストリーム中の粒子からの光を測定することを含めて、例えば、2つ以上の波長、例えば、5つ以上の異なる波長、例えば、10個以上の異なる波長、例えば、25個以上の異なる波長、例えば、50個以上の異なる波長、例えば、100個以上の異なる波長、例えば、200個以上の異なる波長、例えば、300個以上の異なる波長などの、1つ以上の波長の光を測定するように構成され得る。光は、連続的に、又は離散的な間隔で測定され得る。いくつかの事例では、対象となる検出器は、光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、対象となる検出器は、1000ミリ秒毎を含む、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成される。
【0058】
光検出器は、各離散的な時間間隔中に、10回以上を含む、例えば、2回以上、例えば、3回以上、例えば、5回以上などの、1回以上、フローストリームからの光の測定を行うように構成され得る。ある特定の実施形態では、フローストリームからの光は、光検出器によって2回以上測定され、ある特定の事例では、データは平均される。
【0059】
実施形態では、システムは、プロセッサであって、プロセッサに光学的に結合されたメモリを有するプロセッサを含み、メモリが、メモリに記憶された命令を含み、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算させる。いくつかの事例では、メモリは、フローストリームの水平軸を横切る500個以上のピクセル位置を含む、例えば、25個以上のピクセル位置、例えば、50個以上のピクセル位置、例えば、75個以上のピクセル位置、例えば、100個以上のピクセル位置、例えば、150個以上のピクセル位置、例えば、200個以上のピクセル位置、例えば、250個以上のピクセル位置などの、フローストリームを横切る10個以上のピクセル位置などの、フローストリームを横切る複数のピクセル位置での検出器利得補正係数を計算するための命令を含む。
【0060】
いくつかの事例では、メモリは、各ピクセル位置でのデータ信号の強度を判定するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のピーク振幅を判定するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するための命令を含む。ある特定の事例では、メモリは、各ピクセル位置で生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、及びパルス面積のうちの1つ以上をプロットするための命令を含む。いくつかの実施形態では、メモリは、フローストリームの水平軸を横切る生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、又はパルス面積の変動を評価するための命令を含む。ある特定の実施形態では、メモリは、フローストリームを横切る生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、又はパルス面積のうちの1つ以上のロバスト変動係数を計算するための命令を更に含む。例えば、データ信号強度のロバスト変動係数は、各ピクセル位置でのプロットされたデータ信号に基づいて計算され得る。
【0061】
システムは、プロセッサであって、プロセッサに光学的に結合されたメモリを有する、プロセッサを含み、メモリが、メモリに記憶された命令を含み、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、フローストリームを横切る生成されたデータ信号に基づいて、イメージング光検出器における各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算させる。いくつかの実施形態では、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間に強度変動がほとんど又は全くないように、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を決定することによって計算される。例えば、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下であるような、各ピクセル位置における信号強度に対する調整であり得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、1つ以上のピクセル位置での検出器利得補正係数は、加算調整であり、検出器利得補正係数は、1つ以上のピクセル位置でのデータ信号強度を増加させる。他の実施形態では、1つ以上のピクセル位置での検出器利得補正係数は、減算調整であり、検出器利得補正係数は、1つ以上のピクセル位置でのデータ信号強度を減少させる。いくつかの実施形態では、検出利得補正係数を各ピクセル位置でイメージング光検出器チャネル内の生成されたデータ信号に適用することは、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数(rCV)を2.5%以上低減することを含めて、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数を、例えば、0.2%以上、例えば、0.3%以上、例えば、0.4%以上、例えば、0.5%以上、例えば、0.6%以上、例えば、0.7%以上、例えば、0.8%以上、例えば、0.9%以上、例えば、1.0%以上、例えば、1.5%以上、例えば、2.0%以上などの、0.1%以上低減するために十分である。
【0063】
いくつかの実施形態では、メモリは、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するための命令を含む。いくつかの事例では、メモリは、イメージング光検出器チャネルからの利得補正係数と非イメージング光検出器チャネルからの信号強度とに基づいて、1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号の利得補正係数を計算するための命令を含む。例えば、メモリは、光検出システムの128個以上の非イメージング光検出器チャネルを含む、例えば、3つ以上、例えば、4つ以上、例えば、8つ以上、例えば、12個以上、例えば、16個以上、例えば、24個以上、例えば、32個以上、例えば、48個以上、例えば、64個以上などの、2つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するための命令を含む。これらの実施形態では、メモリは、各非イメージング光検出器チャネル内のフローストリームを横切るデータ信号の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下である場合など、フローストリームを横切る信号強度変動をほとんど又は全く呈さないデータ信号を非イメージング光検出器チャネル内に生成するために、決定された検出器利得補正係数を適用するための命令を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、非イメージング光検出器チャネルからのデータ信号に適用される検出器利得補正係数は、加算調整であり、検出器利得補正係数は、データ信号強度を増加させる。他の実施形態では、非イメージング光検出器チャネルからのデータ信号に適用される検出器利得補正係数は、減算調整であり、検出器利得補正係数は、データ信号強度を減少させる。ある特定の実施形態では、メモリは、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数を2.5%以上低減することを含めて、フローストリームを横切る非イメージング光検出器データ信号強度のロバスト変動係数を、例えば、0.2%以上、例えば、0.3%以上、例えば、0.4%以上、例えば、0.5%以上、例えば、0.6%以上、例えば、0.7%以上、例えば、0.8%以上、例えば、0.9%以上、例えば、1.0%以上、例えば、1.5%以上、例えば、2.0%以上などの、0.1%以上低減するために、非イメージング光検出器チャネル内のデータ信号に検出器利得補正係数を適用するための命令を含む。
【0065】
ある特定の実施形態では、メモリは、各ピクセル位置での決定された検出器利得補正係数に基づいて、検出器利得補正係数データファイルを生成するための命令を含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、イメージング光検出器チャネルから決定された各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルを含む。いくつかの事例では、メモリは、検出器利得補正係数データファイルを、メモリに記憶されたデータ信号などの1つ以上の記憶されたデータ信号セットに適用するための命令を含む。
【0066】
ある特定の実施形態では、システムは、フローストリーム中の粒子を伝搬するように構成されたフローセルを更に含む。流体試料を試料調査領域に伝搬させる任意の好都合なフローセルが採用されてもよく、いくつかの実施形態では、フローセルは、長手方向軸を画定する近位円筒形部分と、長手方向軸に対して横方向である、オリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐台形部分とを含む。近位円筒形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)は、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mm、及び4mm~8mmを含む、1mm~15mmの範囲で変わり得る。遠位円錐台形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)も同様に、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。フローセルノズルチャンバの直径は、いくつかの実施形態では、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。
【0067】
ある特定の事例では、フローセルは、円筒形部分を含まず、フローセル内部チャンバ全体が円錐台形に成形されている。これらの実施形態では、円錐台形内部チャンバの長さ(ノズルオリフィスに対して横方向の長手方向軸に沿って測定される)は、4mm~8mmを含む、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mmなどの、1mm~15mmの範囲であり得る。円錐台形内部チャンバの近位部分の直径は、4mm~7mmを含む、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mmなどの、1mm~10mmの範囲であり得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、試料フローストリームは、フローセルの遠位縁部でオリフィスから発せられる。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。ある特定の実施形態では、対象となるフローセルは、円形オリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、いくつかの実施形態では、150μm~500μmを含む、例えば、2μm~17500μm、例えば、5μm~15000μm、例えば、10μm~12500μm、例えば、15μm~10000μm、例えば、25μm~7500μm、例えば、50μm~5000μm、例えば、75μm~1000μm、例えば、100μm~750μmなどの、1μm~20000μmの範囲で相違し得る。特定の実施形態では、ノズルオリフィスは、100μmである。
【0069】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成されている試料注入ポートを含む。実施形態では、試料注入システムは、フローセル内部チャンバに試料の好適なフローを提供するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、100μL/分以上を含む、2μL/分以上など、3μL/分以上など、5μL/分以上など、10μL/分以上など、15μL/分以上など、25μL/分以上など、50μL/分以上などの、1μL/分以上であってもよく、いくつかの事例では、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、100μL/秒以上を含む、2μL/秒以上など、3μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、15μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上などの、1μL/秒以上である。
【0070】
試料注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスであってもよく、又は、内部チャンバの近位端に位置付けられた導管であってもよい。試料注入ポートが内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、対象の断面形状は、限定されるものではないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。ある特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、特定の例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0071】
ある特定の事例では、試料注入ポートは、フローセル内部チャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルオリフィスに沿った試料注入ポートのオリフィスを有するように配置された導管であってもよい。試料注入ポートが、フローセルオリフィスに沿って配置された導管である場合、試料注入チューブの断面形状は、任意の好適な形状であってもよく、対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。導管のオリフィスは、形状に応じて変わり得、特定の例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じであるか、又は異なってもよい。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、例えば、2°~9°、例えば、3°~8°、例えば、4°~7°、及び5°のベベル角を含む、1°~10°の範囲のベベル角を有する傾斜した先端部を含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、フローセルは、また、フローセルにシース流体を提供するように構成されているシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、フローセル内部チャンバにシース流体のフローを提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生成するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに伝達されるシース流体の速度は、2500μL/秒以上を含む、50μL/秒以上など、75μL/秒以上など、100μL/秒以上など、250μL/秒以上など、500μL/秒以上など、750μL/秒以上など、1000μL/秒以上などの、25μL/秒以上であってもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、対象の断面形状は、これらに限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面上部に結合されている放物線底部などの不規則形状を含む。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変化してもよく、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mmを含む、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mmなどの、0.1mm~5.0mmの範囲、例えば、1.5mmの開口部を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、システムは、フローセルを通じてフローストリームを伝搬させるためにフローセルと流体連通するポンプを更に含む。フローセルを通るフローストリームのフローを制御するために、任意の好都合な流体ポンププロトコルが、採用されてもよい。ある特定の事例では、システムは、パルスダンパを有する蠕動ポンプなどの、蠕動ポンプを含む。本主題のシステム内のポンプは、フローストリーム中の試料からの光を検出するために好適な速度でフローセルを通して流体を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、フローセル内の試料フローの速度は、1000μL/分以上を含む、例えば、2μL/分以上、例えば、3μL/分以上、例えば、5μL/分以上、例えば、10μL/分以上、例えば、25μL/分以上、例えば、50μL/分以上、例えば、75μL/分以上、例えば、100μL/分以上、例えば、250μL/分以上、例えば、500μL/分以上、例えば、750μL/分以上などの、1μL/分(マイクロリットル毎分)以上である。例えば、システムは、10μL/分~50μL/分を含む、例えば、1uL/分~250uL/分、例えば、1uL/分~100uL/分、例えば、2μL/分~90μL/分、例えば、3μL/分~80μL/分、例えば、4μL/分~70μL/分、例えば、5μL/分~60μL/分などの、1μL/分~500μL/分の範囲の速度でフローセルを通して試料を流すように構成されているポンプを含み得る。ある特定の実施形態では、フローストリームの流量は、5μL/分~6μL/分である。ある特定の実施形態では、上述したような複数の光検出器を有する光検出システムが、粒子ソーターなどの粒子分析器の一部であるか、又はこの粒子分析器に位置付けられている。特定の実施形態では、主題のシステムは、フローストリーム中の試料によって放出された光を検出するための光検出システムの一部として、フォトダイオード及び増幅器コンポーネントを含むフローサイトメトリックシステムである。好適なフローサイトメトリシステムは、限定されるものではないが、Ormerod(ed.)Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995);Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28;Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11;Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344;及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものを含んでもよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、対象となるフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ並びにBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソーター、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソーター、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソーター及びBD Biosciences Via(商標)セルソーター、BD Biosciences Influx(商標)セルソーター、BD Biosciences Jazz(商標)セルソーター、BD Biosciences Aria(商標)セルソーター、BD Biosciences FACSAria(商標)IIセルソーター、BD Biosciences FACSAria(商標)IIIセルソーター、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusionセルソーター、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソーター、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6セルソーターなどを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、例えば、米国特許第10,663,476号、同第10,620,111号、同第10,613,017号、同第10,605,713号、同第10,585,031号、同第10,578,542号、同第10,578,469号、同第10,481,074号、同第10,302,545号、同第10,145,793号、同第10,113,967号、同第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号、同第4,987,086号、同第4,498,766号に記載されるものなどのフローサイトメトリックシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0076】
いくつかの実施形態では、対象のシステムは、米国特許公開第2017/0299493号に記載されているものなどの、密閉された粒子選別モジュールを用いて、粒子を選別するように構成された粒子選別システムであり、その開示は、参照により、本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、米国特許公開第2020/0256781号に記載されたものなどの、複数の選別判定ユニットを有する選別判定モジュールを使用して選別され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、主題のシステムは、2017年3月28日に出願され、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、偏向板を有する粒子選別モジュールを含む。
【0077】
ある特定の事例では、本発明のフローサイトメトリシステムは、無線周波数タグ付き発光を用いた蛍光イメージング(FIRE)によってフローストリーム中の粒子をイメージングするように構成されており、例えば、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されたもの、及び米国特許第9,423,353号、第9,784,661号、第9,983,132号、第10,006,852号、第10,078,045号、第10,036,699、第10,222,316号、第10,288,546号、第10,324,019号、第10,408,758号、第10,451,538号,第10,620,111号、並びに米国特許公開第2017/0133857号、第2017/0328826号、第2017/0350803号、第2018/0275042号、第2019/0376895号、及び第2019/0376894号に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
いくつかの実施形態では、システムは、粒子分析システム401(図4A)を使用して、粒子を収集容器中に物理的に選別することの有無にかかわらず、粒子を分析及び特性評価することができる、粒子分析器である。図4Aは、計算ベースの試料分析及び粒子特性評価のための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、粒子分析システム401は、フローシステムである。図4Aに示される粒子分析システム401は、全体的又は部分的に、本明細書に記載の方法を実行するように構成され得る。粒子分析システム401は、流体工学システム402を含む。流体工学システム402は、試料管405と、試料の粒子403(例えば、細胞)が共通試料経路409に沿って中を移動する試料管内の移動流体カラムとを含むか又はそれらと連結され得る。
【0079】
粒子分析システム401は、各粒子が共通試料経路に沿って1つ以上の検出ステーションを通過するときに、各粒子から信号を収集するように構成された検出システム404を含む。検出ステーション408は、概して、共通試料経路の監視エリア407を指す。いくつかの実施態様では、検出は、粒子403が監視エリア407を通過するときに、それらの粒子の光、又は1つ以上の他の特性を検出することを含み得る。図4Aでは、1つの監視エリア407を有する1つの検出ステーション408が示されている。粒子分析システム401のいくつかの実施態様は、複数の検出ステーションを含むことができる。更に、いくつかの検出ステーションは、2つ以上の領域を監視することができる。
【0080】
各信号には、各粒子に対してデータポイントを形成するための信号値が割り当てられる。上述したように、このデータは、事象データと称され得る。データポイントは、粒子に対して測定されたそれぞれの特性の値を含む多次元データポイントであり得る。検出システム404は、一連のそのようなデータポイントを第1の時間間隔で収集するように構成されている。
【0081】
粒子分析システム401は、また、制御システム306も含むことができる。制御システム406は、1つ以上のプロセッサ、振幅制御回路、及び/又は周波数制御回路を含むことができる。示された制御システムは、流体工学システム402に動作可能に関連付けられ得る。制御システムは、ポアソン分布、及び第1の期間中に検出システム404によって収集されたデータポイントの数に基づいて、第1の期間の少なくとも一部分について計算された信号周波数を生成するように構成され得る。制御システム406は、第1の期間の一部分におけるデータポイントの数に基づいて、実験的な信号周波数を生成するように更に構成され得る。制御システム406は、追加的に、実験的な信号周波数を、計算された信号周波数又は所定の信号周波数のそれと比較することができる。
【0082】
図4Bは、本発明の例示的な実施形態による、フローサイトメトリのためのシステム400を示す。このシステム400は、フローサイトメータ410、コントローラ/プロセッサ490、及びメモリ495を含む。フローサイトメータ410は、1つ以上の励起レーザ415a~415c、集束レンズ420、フローチャンバ425、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、蛍光収集レンズ440、1つ以上のビームスプリッタ445a~445g、1つ以上のバンドパスフィルタ450a~450e、1つ以上のロングパス(「LP」)フィルタ455a~455b、及び1つ以上の蛍光検出器460a~460fを含む。
【0083】
励起レーザ115a~115cは、レーザビームの形態の光を放出する。励起レーザ415a~415cから放出されるレーザビームの波長は、図4Bの例示的なシステムにおいて、それぞれ、488nm、633nm、及び325nmである。レーザビームは、最初、ビームスプリッタ445a及び445bのうちの1つ以上を通して導かれる。ビームスプリッタ445aは、488nmの光を透過し、633nmの光を反射する。ビームスプリッタ445bは、UV光(10~400nmの範囲の波長を有する光)を透過し、488nm及び633nmの光を反射する。
【0084】
次いで、レーザビームは、集束レンズ420に導かれ、集束レンズ420は、フローチャンバ425内の、試料の粒子が位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローチャンバは、調査のために、通常一度に1つ、ストリーム中の粒子を集束レーザビームに誘導する流体工学システムの一部である。フローチャンバは、ベンチトップフローサイトメータ内にフローセルを、又はストリームインエアサイトメータ内にノズル先端部を備えることができる。
【0085】
レーザビームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子と相互作用する。蛍光放出、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、ビームスプリッタ445a~445g、バンドパスフィルタ450a~450e、ロングパスフィルタ455a~455b、及び蛍光収集レンズ440のうちの1つ以上を通して、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、及び1つ以上の蛍光検出器460a~460fのうちの1つ以上へと経路設定され得る。
【0086】
蛍光収集レンズ440は、粒子レーザビーム間の相互作用から放出された光を収集し、1つ以上のビームスプリッタ及びフィルタに向けてその光を経路設定する。バンドパスフィルタ450a~450eなどのバンドパスフィルタは、狭い波長範囲がフィルタを通過することを可能にする。例えば、バンドパスフィルタ450aは、510/20フィルタである。第1番目の数字は、スペクトル帯域の中心を表す。第2番目の数字は、スペクトル帯域の範囲を提供する。したがって、510/20フィルタは、スペクトル帯域の中心の各側面上に10nm、又は500nm~520nmに広がる。ショートパスフィルタは、指定された波長以下の光の波長を透過する。ロングパスフィルタ455a~455bなどのロングパスフィルタは、指定された光の波長以上の光の波長を透過する。例えば、670nmのロングパスフィルタであるロングパスフィルタ455aは、670nm以上の光の波長を透過する。フィルタは、特定の蛍光色素に対する検出器の特異性を最適化するために選択される場合が多い。それらのフィルタは、検出器に透過された光のスペクトル帯域が蛍光色素の放出ピークに近くなるように構成され得る。
【0087】
ビームスプリッタは、異なる波長の光を、異なる方向に導く。ビームスプリッタは、ショートパス及びロングパスなどのフィルタ特性によって特徴付けられ得る。例えば、ビームスプリッタ445gは、620SPビームスプリッタであり、これは、このビームスプリッタ445gが、620nm以下の波長の光を透過し、620nmよりも長い波長の光を異なる方向に反射させることを意味する。一実施形態では、ビームスプリッタ445a~445gは、ダイクロイックミラーなどの光学ミラーを含むことができる。
【0088】
前方散乱検出器430は、フローセルを通る直接ビームから軸外にわずかに離れて位置付けられ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成される。前方散乱検出器によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱検出器は、フォトダイオードを含むことができる。側方散乱検出器435は、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成され、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある。粒子に関連付けられた蛍光分子からの蛍光放出は、1つ以上の蛍光検出器460a~460fによって検出され得る。側方散乱検出器435及び蛍光検出器は、光電子増倍管を含むことができる。前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、及び蛍光検出器で検出された信号は、検出器によって電子信号(電圧)に変換され得る。このデータは、試料に関する情報を提供することができる。
【0089】
当業者は、本発明の一実施形態によるフローサイトメータが、図4Bに示されるフローサイトメータに限定されず、当技術分野で既知の任意のフローサイトメータを含み得ることを認識する。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、及び検出器を有してもよい。
【0090】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ490によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ495内に記憶されて、コントローラ/プロセッサ490によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ190は、検出器に結合されて、その検出器から出力信号を受け取り、また、フローサイトメータ400の電気構成要素及び電気機械構成要素に結合されて、レーザ、流体流パラメータなどを制御することができる。入力/出力(I/O)機能部497は、システム内にも提供され得る。メモリ495、コントローラ/プロセッサ490、及びI/O497は、全体的に、フローサイトメータ410の不可欠な部分として提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイは、また、フローサイトメータ400のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部497の一部も形成し得る。代替的に、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490の一部又は全ては、フローサイトメータ410と無線又は有線で通信することができる。メモリ495及びI/O497と併せて、コントローラ/プロセッサ490は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0091】
図4Bに例示されるシステムは、フローセル425から各検出器へのビーム経路におけるフィルタ及び/又はスプリッタの構成によって画定されるように、6つの異なる波長帯域(本明細書では、所与の検出器についての「フィルタウィンドウ」と称され得る)内の蛍光を検出する6つの異なる検出器を含む。フローサイトメータ実験に使用される異なる蛍光分子は、それら独自の特性波長帯域の光を放出する。実験に使用される特定の蛍光標識、及びそれらの関連する蛍光放出帯域は、検出器のフィルタウィンドウと概ね一致するように、選択され得る。ただし、より多くの検出器が提供され、かつより多くの標識が利用されるため、フィルタウィンドウと蛍光放出スペクトルとの間の完全な対応は、不可能である。特定の蛍光分子の放出スペクトルのピークは、1つの特定の検出器のフィルタウィンドウ内に存在する場合があるが、その標識の発光スペクトルの一部が、また、1つ以上の他の検出器のフィルタウィンドウとも重複することは、一般的に正しい。これは、こぼれ信号と称され得る。I/O497は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカーを有する複数の細胞母集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞母集団は、複数のマーカーのサブセットを有する。I/O497は、また、1つ以上のマーカーを1つ以上の細胞母集団に割り当てる生体データ、マーカー濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカーに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データも受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データも、また、メモリ495内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ490は、マーカーに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成され得る。
【0092】
図5は、生体事象を分析及び表示するための、分析コントローラ500などの、粒子分析器制御システムの一実施例の機能ブロック図を示す。分析コントローラ500は、生体事象のグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実施するように構成され得る。
【0093】
粒子分析器又は粒子選別システム502は、生体事象データを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリック事象データを生成することができる。粒子分析器502は、生体事象データを分析コントローラ500に提供するように構成され得る。データ通信チャネルが、粒子分析器又は粒子選別システム502と分析コントローラ500との間に含まれ得る。生体事象データは、データ通信チャネルを介して、分析コントローラ500に提供され得る。
【0094】
分析コントローラ500は、粒子分析器又は粒子選別システム502から生体事象データを受信するように構成され得る。粒子分析器又は粒子選別システム502から受信された生体事象データは、フローサイトメトリック事象データを含むことができる。分析コントローラ500は、生体事象データの第1のプロットを含むグラフィカル表示を表示デバイス506に提供するように構成され得る。分析コントローラ500は、対象の領域を、表示デバイス506によって示される生体事象データの母集団の周辺のゲートとして、例えば、第1のプロット上に重ねられて、レンダリングするように更に構成され得る。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描かれる、対象の1個以上の画像領域の論理結合であり得る。いくつかの実施形態では、そのディスプレイを使用して、粒子パラメータ又は飽和した検出器データを表示することができる。
【0095】
分析コントローラ500は、ゲート内の表示デバイス506上に生体事象データを、ゲートの外側の生体事象データ内の他の事象とは異なって表示するように更に構成され得る。例えば、分析コントローラ500は、ゲート内に含まれる生体事象データの色を、ゲートの外側の生体事象データの色とは区別するようレンダリングするように構成され得る。表示デバイス506は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成されている他の電子デバイスとして、実装され得る。
【0096】
分析コントローラ500は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成され得る。例えば、第1の入力デバイスは、マウス510として実装され得る。このマウス510は、表示デバイス506を介して表示又は操作されるゲートを識別する分析コントローラ500に対して、(例えば、カーソルをそこに位置決めするときに、所望のゲートをクリックすることによって)ゲート選択信号を始動させることができる。いくつかの実施態様では、第1のデバイスは、キーボード508、又はタッチスクリーン、入力用ペン、光検出器、若しくは音声認識システムなどの、入力信号を分析コントローラ500に提供するための他の手段として実装され得る。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含み得る。そのような実施態様では、入力機能は、各々、入力デバイスとみなされ得る。例えば、図5に示されるように、マウス510は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含み得、それらの各々は、起動事象を生成し得る。
【0097】
この起動事象は、分析コントローラ500に、データが表示される方法、データのどの部分が実際に表示デバイス506上に表示されるかを変更させ、かつ/又は粒子選別の対象の母集団の選択などの更なる処理への入力を提供させ得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、分析コントローラ500は、ゲート選択がマウス510によっていつ始動されたかを検出するように構成され得る。分析コントローラ500は、プロットの視覚化を自動的に修正して、ゲート制御プロセスを容易にするように更に構成され得る。この修正は、分析コントローラ500によって受信された生体事象データの特定の分布に基づき得る。
【0099】
分析コントローラ500は、記憶デバイス504に接続され得る。この記憶デバイス504は、分析コントローラ500から生体事象データを受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504は、また、分析コントローラ500からフローサイトメトリック事象データも受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504は、分析コントローラ500によって、フローサイトメトリック事象データなどの生体事象データの検索を可能にするように更に構成され得る。
【0100】
表示デバイス506は、分析コントローラ500から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、生体事象データのプロット、及びそのプロットの区画の輪郭を描くゲートを含み得る。表示デバイス506は、粒子分析器502、記憶デバイス504、キーボード508、及び/又はマウス510からの入力と併せて、分析コントローラ500から受信した入力に従って提示された情報を変更するように更に構成され得る。
【0101】
いくつかの実施態様では、分析コントローラ500は、ユーザインターフェースを生成して、選別のための例示的な事象を受信することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するための制御を含むことができる。例示的な事象若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についての事象データの収集前に、又は試料の一部分についての事象の初期セットに基づいて提供され得る。
【0102】
図6Aは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソーターシステム600(例えば、粒子分析器又は粒子選別システム502)の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子ソーターシステム600は、セルソーターシステムである。図6Aに示されるように、液滴形成トランスデューサ602(例えば、圧電発振器)は、流体導管601に結合されており、流体導管601は、ノズル603に結合され得るか、ノズル603を含み得るか、又はノズル603であり得る。流体導管601内で、シース流体604が、粒子609を含む試料流体606を流体力学的に集中させて移動流体カラム608(例えば、ストリーム)とする。移動流体カラム608内で、粒子609(例えば、細胞)は、1列縦隊に並べられて、監視エリア611(例えば、レーザストリームが交差する)を横切り、照射源612(例えば、レーザ)によって照射される。液滴形成トランスデューサ602の振動によって、移動流体カラム608は複数の液滴610に分裂し、そのうちのいくつかは粒子609を包含する。
【0103】
動作中、検出ステーション614(例えば、事象検出器)は、対象となる粒子(又は対象となる細胞)が監視エリア611を横切るときを識別する。検出ステーション614は、タイミング回路628に入力供給し、次いで、タイミング回路628は、フラッシュ電荷回路630に入力供給する。液滴分裂ポイントでは、時限液滴遅延(Δt)によって通知されて、フラッシュ電荷が移動流体カラム608に印加され得、したがって、対象となる液滴が電荷を担う。対象となる液滴は、選別されるべき1つ以上の粒子又は細胞を含み得る。次いで、帯電した液滴を、偏向板(図示せず)を作動させることによって選別して、液滴を、収集管、又はウェル若しくはマイクロウェルが特別に対象となる液滴に関連付けられ得るマルチウェル若しくはマイクロウェル試料プレートなどの容器内に偏向させることができる。図6Aに示されるように、液滴は、ドレイン容器638内に収集され得る。
【0104】
検出システム616(例えば、液滴境界検出器)は、対象となる粒子が監視エリア611を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に判定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム616は、機器が、液滴中の検出された各粒子の位置を正確に計算することを可能にする。検出システム616は、振幅信号620及び/又は位相信号618に入力供給することができ、それらは、次いで、振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624に(増幅器622を介して)入力供給する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、次いで、液滴形成トランスデューサ602を制御する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、制御システム内に含まれ得る。
【0105】
いくつかの実施態様では、ソートエレクトロニクス(例えば、検出システム616、検出ステーション614、及びプロセッサ640)は、検出された事象とそれに基づくソート意思決定とを記憶するように構成されたメモリと連結され得る。ソート意思決定は、粒子に対する事象データに含まれ得る。いくつかの実施態様では、検出システム616及び検出ステーション614は、単一の検出ユニットとして実装され得る、又は事象測定値が、検出システム616若しくは検出ステーション614のうちの一方によって収集され、かつ非収集要素に提供され得るように、通信可能に連結され得る。
【0106】
図6Bは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソーターシステムの概略図である。図6Bに示される粒子ソーターシステム600は、偏向板652及び654を含む。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷が印加される。これにより、分析のために粒子610を包含する液滴610のストリームが作り出される。粒子は、光散乱及び蛍光情報を生成するために、1つ以上の光源(例えば、レーザ)で照射され得る。粒子についての情報は、ソーティングエレクトロニクス又は他の検出システム(図6Bには図示せず)によるなどして分析される。偏向板652及び654は、独立して制御されて、帯電小滴を引き付けるか又は反発させて、小滴を目的の収集容器(例えば、672、674、676、又は678のうちの1つ)に向かって誘導し得る。図6Bに示されるように、偏向板652及び654は、粒子を第1の経路662に沿って容器674に向かって、又は第2の経路668に沿って容器678に向かって導くように制御され得る。粒子が関心対象でない(例えば、指定されたソート範囲内の散乱又は照明情報を呈さない)場合、偏向板は、粒子がフロー経路664に沿って進み続けることを可能にし得る。そのような非荷電の小滴は、吸引器670を介してなど、廃棄物容器内に移行し得る。
【0107】
選別エレクトロニクスは、測定値の収集を始動し、粒子に関する蛍光信号を受信し、偏向板をどのように調整して粒子の選別を引き起こすかを決定するために含まれ得る。図6Bに示される実施形態の例示的実装態様としては、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)によって市販されているBD FACSAria(商標)系のフローサイトメータが挙げられる。
【0108】
コンピュータ制御システム
本開示の態様は、コンピュータ制御システムを更に含み、システムは、本明細書に記載される方法の完全な自動化又は部分的な自動化のための1つ以上のコンピュータを更に含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされるときに、フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出するための命令と、フローストリームを横切る複数のピクセル位置で光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するための命令と、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するための命令とを含む。
【0109】
いくつかの事例では、コンピュータプログラムは、フローストリームを横切る複数の位置で光を同時に検出するための命令を含む。
【0110】
ある特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、各ピクセル位置で生成されたデータ信号の強度を判定するための命令を含む。他の実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号に基づいて、各ピクセル位置でのピークパルス振幅を判定するための命令を含む。他の実施形態では、コンピュータプログラムは、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するための命令を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するための命令を含む。いくつかの事例では、例えば、コンピュータプログラムは、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を適用するための命令を含む。いくつかの事例では、コンピュータプログラムは、フローストリームを横切るピークパルス振幅間の変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下であるような、各ピクセル位置でのピークパルス振幅に対する調整を適用するための命令を含む。いくつかの事例では、コンピュータプログラムは、フローストリームを横切るパルス面積間の変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下であるような、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積に対する調整を適用するための命令を含む。ある特定の事例では、コンピュータプログラムは、各ピクセル位置で判定されたデータ信号強度に基づいてロバスト変動係数(rCV)を計算することなどによって、フローストリームを横切るピクセル位置間の信号強度の変動を判定するための命令を含む。ある特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数を2.5%以上低減することを含めて、フローストリームを横切る非イメージング光検出器データ信号強度のロバスト変動係数を、例えば、0.2%以上、例えば、0.3%以上、例えば、0.4%以上、例えば、0.5%以上、例えば、0.6%以上、例えば、0.7%以上、例えば、0.8%以上、例えば、0.9%以上、例えば、1.0%以上、例えば、1.5%以上、例えば、2.0%以上などの、0.1%以上低減するために、非イメージング光検出器チャネル内のデータ信号に検出器利得補正係数を適用するための命令を含む。
【0112】
ある特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、各ピクセル位置でデータ信号に適用される決定された検出器利得補正係数に基づく検出器利得補正係数データファイルを含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルとしてコンピュータプログラムに記憶される。
【0113】
実施形態では、システムは、入力モジュール、処理モジュール、及び出力モジュールを含む。主題のシステムは、ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の両方を含んでもよく、ハードウェア構成要素は、例えば、サーバの形態で1つ以上のプラットフォームの形態をとってもよく、その結果、システムの機能要素、すなわち、特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理など)を実行するシステムのそれらの要素は、システムに表される1つ以上のコンピュータプラットフォーム上で及びそれにわたってソフトウェアアプリケーションの実行によって実行されてもよい。
【0114】
システムは、ディスプレイ及びオペレータ入力デバイスを含んでもよい。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は入手可能であるか、若しくは入手可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当技術分野で既知であるように、Java、Perl、C++、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、通常、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムは、また、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。プロセッサは、任意の好適なアナログ又はデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、第1の光信号及び第2の光信号に基づいて、ユーザが、光源をフローストリームと手動で位置合わせすることを可能にするアナログ電子機器を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0115】
システムメモリは、様々な既知又は将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク若しくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、又はディスクドライブを含む、様々な既知又は将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、それぞれ、コンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、又は磁気ディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、及び/又はプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、及び/又はメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0116】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム製品は、制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)が記憶されたコンピュータ使用可能媒体を備えて記載される。制御ロジックは、コンピュータ、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載の機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装は、関連技術分野の当業者には明らかである。
【0117】
メモリは、磁気、光学、又はソリッドステート記憶デバイス(磁気若しくは光学ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定型若しくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、又はメモリ又は何らかの他の携帯型若しくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存され得る。例えば、磁気又は光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本発明のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実践する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本発明によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取り及びアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、磁気ディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAM及びROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、並びに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0118】
プロセッサは、また、リモート位置でユーザと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザがシステムと直接接触せず、広域ネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、又は携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の好適な通信チャネルに接続されたコンピュータなど、外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0119】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信機及び/又は送信機を含む。通信インターフェースは、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数特定(RFID)、ジグビー通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、及び符号分割多元接続(CDMA)又はモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含むが、これらに限定されない、有線又は無線通信のために構成され得る。
【0120】
一実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成される(例えば、診療所又は病院環境における)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、例えば、USBポート、RS-232ポート、又は任意の他の好適な電気接続ポートなどの物理ポート又はインターフェースなど、1つ以上の通信ポートを含むように構成される。
【0121】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成され、主題のシステムが、コンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、又はユーザが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなど、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0122】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成される。
【0123】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11若しくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの共通標準を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成される。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又はデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、及びボタン、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0124】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上述の通信プロトコル及び/又は機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワーク又はサーバデバイスと、主題のシステム内、例えば、任意選択可能なデータ記憶ユニット内に記憶されたデータを自動又は半自動で通信するように構成される。
【0125】
出力コントローラは、人間であろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、画素のアレイとして論理的及び/又は物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間にグラフィカル入力及び出力インターフェースを提供するための、及びユーザ入力を処理するための、様々な既知又は将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用する代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャは、また、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、又は衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実装され得る。いくつかの実施例として、データは、SQL、HTML、若しくはXMLドキュメント、電子メール若しくは他のファイル、又は他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザが追加のSQL、HTML、XML、又は他のドキュメント若しくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、一般的にサーバと呼ばれるコンピュータのクラスのものであるが、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォーム又は将来開発されるタイプであってもよい。また一方、それらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、又は他のコンピュータタイプであってもよい。それらは、任意の既知又は将来のタイプのケーブル配線、又はネットワーク化されているか、又はされていないかのいずれかの無線システムを含む、他の通信システムを介して接続され得る。それらは、同一場所に配置され得るか、又は物理的に分離され得る。場合により、選択されたコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで採用されてもよい。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows NT(登録商標)、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unixなどが挙げられる。
【0126】
図7は、ある特定の実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス700の一般的なアーキテクチャを示す。図7に示されるコンピューティングデバイス700の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェア及びソフトウェア構成要素の配置を含む。コンピューティングデバイス700は、図7に示される要素よりも多くの(又はよりも少ない)要素を含み得る。ただし、有効な開示を提供するためには、これらの一般的に伝統的な要素の全てが、必ずしも示される必要はない。図示のように、コンピューティングデバイス700は、処理ユニット710、ネットワークインターフェース720、コンピュータ可読媒体ドライブ730、入力/出力デバイスインターフェース740、ディスプレイ750、及び入力デバイス760を含み、それらの全ては、通信バスを経由して互いに通信することができる。ネットワークインターフェース720は、1つ以上のネットワーク又はコンピューティングシステムへの接続性を提供し得る。したがって、処理ユニット710は、ネットワークを介して、他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信することができる。処理ユニット710は、また、メモリ770との間でも通信することができ、入力/出力デバイスインターフェース740を介して、任意選択可能なディスプレイ750のための出力情報を更に提供することができる。入力/出力デバイスインターフェース740は、また、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャー認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスなどの、任意選択可能な入力デバイス760から入力を受信することもできる。
【0127】
メモリ770は、処理ユニット710が順番に実行して1つ以上の実施形態を実装するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態では、モジュール又は構成要素としてグループ化される)を含むことができる。メモリ770は、一般的に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的、又は非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。メモリ770は、コンピューティングデバイス700の一般的な管理及び動作において、処理ユニット710によって使用されるためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム772を記憶することができる。メモリ770は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含むことができる。
【0128】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体
本開示の態様は、主題の方法を実践するための命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を更に含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法を実践するためのシステムの完全な自動化又は部分的な自動化のために、1つ以上のコンピュータ上で採用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法による命令は、「プログラミング」の形態でコンピュータ可読媒体にコード化され得、この場合、「コンピュータ可読媒体」という用語は、本明細書で使用される場合、実行及び処理のために命令及びデータをコンピュータに提供することに関与する任意の非一時的記憶媒体を指す。好適な非一時的記憶媒体の例は、磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD-ROM、Blue-ray(登録商標)ディスク、ソリッドステートディスク、及びネットワーク接続型記憶装置(NAS)を含むが、このようなデバイスが、コンピュータの内部にあるか、又は外部にあるかを問わない。情報を含むファイルは、コンピュータ可読媒体に「記憶」することができ、ここで、「記憶」とは、その情報がコンピュータによって後日アクセス可能及び検索可能であるように、その情報を記録することを意味する。本明細書に記載のコンピュータ実施方法は、任意の数のコンピュータプログラミング言語のうちの1つ以上で記述することができるプログラミングを使用して、実行され得る。そのような言語としては、例えば、Java(Sun Microsystems,Inc.,Santa Clara,CA)、Visual Basic(Microsoft Corp.,Redmond,WA)、及びC++(AT&T Corp.,Bedminster,NJ)、並びに任意の多くの他の言語が挙げられる。
【0129】
いくつかの実施形態では、対象となるコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされるときに、フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出するためのアルゴリズムと、フローストリームを横切る複数のピクセル位置で光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムとを有する。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切る複数の位置で光を同時に検出するためのアルゴリズムを含む。
【0130】
ある特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置で生成されたデータ信号の強度を判定するためのアルゴリズムを含む。他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号に基づいて各ピクセル位置でピークパルス振幅を判定するためのアルゴリズムを含む。他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するためのアルゴリズムを含む。ある特定の事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置で生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、及びパルス面積のうちの1つ以上をプロットするためのアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームの水平軸を横切る生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、又はパルス面積の変動を評価するためのアルゴリズムを含む。ある特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切る生成されたデータ信号の信号強度、ピーク振幅、又はパルス面積のうちの1つ以上のロバスト変動係数を計算するためのアルゴリズムを含む。例えば、データ信号強度のロバスト変動係数は、各ピクセル位置でのプロットされたデータ信号に基づいて計算され得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切る生成されたデータ信号に基づいて、イメージング光検出器チャネル内の各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間に強度変動がほとんど又は全くないように、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を決定することによって計算される。例えば、検出器利得補正係数は、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下であるような、各ピクセル位置における信号強度に対する調整であり得る。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数(rCV)を2.5%以上低減することを含めて、フローストリームを横切るデータ信号強度のロバスト変動係数を、例えば、0.2%以上、例えば、0.3%以上、例えば、0.4%以上、例えば、0.5%以上、例えば、0.6%以上、例えば、0.7%以上、例えば、0.8%以上、例えば、0.9%以上、例えば、1.0%以上、例えば、1.5%以上、例えば、2.0%以上などの、0.1%以上低減するために、各ピクセル位置でイメージング光検出器チャネル内の生成されたデータ信号に検出利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、イメージング光検出器チャネルからの利得補正係数と非イメージング光検出器チャネルからの信号強度とに基づいて、1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号の利得補正係数を計算するためのアルゴリズムを含む。例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、光検出システムの128個以上の非イメージング光検出器チャネルを含む、例えば、3つ以上、例えば、4つ以上、例えば、8つ以上、例えば、12個以上、例えば、16個以上、例えば、24個以上、例えば、32個以上、例えば、48個以上、例えば、64個以上などの、2つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に、決定された検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを含む。これらの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各非イメージング光検出器チャネル内のフローストリームを横切るデータ信号の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下である場合など、フローストリームを横切る信号強度変動をほとんど又は全く呈さないデータ信号を非イメージング光検出器チャネル内に生成するために、検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを含む。
【0133】
ある特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、各ピクセル位置での決定された検出器利得補正係数に基づいて、検出器利得補正係数データファイルを生成するためのアルゴリズムを含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、イメージング光検出器チャネルから決定された各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルを含む。いくつかの事例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、検出器利得補正係数データファイルを、メモリに記憶されたデータ信号などの1つ以上の記憶されたデータ信号セットに適用するためのアルゴリズムを含む。
【0134】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、ディスプレイ及びオペレータ入力デバイスを有する1つ以上のコンピュータシステム上で採用され得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は入手可能であるか、若しくは入手可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当技術分野で既知であるように、Java、Perl、C++、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行することを容易にする。オペレーティングシステムは、通常、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムは、また、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。
【0135】
集積回路デバイス
本開示の態様は、また、ある特定の実施形態による主題の方法を実践するためのプログラミングを有する集積回路デバイスを含む。いくつかの実施形態では、対象となる集積回路デバイスは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。他の実施形態では、集積回路デバイスは、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。更に他の実施形態では、集積回路デバイスは、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含む。いくつかの実施形態では、集積回路は、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、集積回路は、イメージング光検出器チャネルからの利得補正係数と非イメージング光検出器チャネルからの信号強度とに基づいて、1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号の利得補正係数を計算するためのプログラミングを含む。例えば、集積回路デバイスは、光検出システムの128個以上の非イメージング光検出器チャネルを含む、例えば、3つ以上、例えば、4つ以上、例えば、8つ以上、例えば、12個以上、例えば、16個以上、例えば、24個以上、例えば、32個以上、例えば、48個以上、例えば、64個以上などの、2つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。これらの実施形態では、集積回路デバイスは、各非イメージング光検出器チャネル内のフローストリームを横切るデータ信号の強度変動が、0.001%以下を含む、例えば、9%以下、例えば、8%以下、例えば、7%以下、例えば、6%以下、例えば、5%以下、例えば、4%以下、例えば、3%以下、例えば、2%以下、例えば、1%以下、例えば、0.5%以下、例えば、0.1%以下、例えば、0.05%以下、例えば、0.01%以下などの、10%以下である場合など、フローストリームを横切る信号強度変動をほとんど又は全く呈さないデータ信号を非イメージング光検出器チャネル内に生成するために、検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。
【0136】
ある特定の実施形態では、集積回路デバイスは、検出器利得補正係数データファイルから各ピクセル位置での検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを含む。いくつかの事例では、データ利得補正係数データファイルは、イメージング光検出器チャネルから決定された各ピクセル位置での検出器利得補正係数のテーブルを含む。いくつかの事例では、集積回路デバイスは、検出器利得補正係数データファイルを、メモリに記憶されたデータ信号などのデータ信号の1つ以上の記憶されたデータ信号セットに適用するためのプログラミングを含む。
【0137】
キット
本発明の態様は、キットを更に含み、キットは、本明細書に記載される光検出システムの構成要素のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キットは、コンピュータ可読媒体(例えば、フラッシュドライブ、USBストレージ、コンパクトディスク、DVD、Blu-ray(登録商標)ディスクなど)、又はインターネットウェブプロトコル若しくはクラウドサーバからプログラミングをダウンロードするための命令の形態など、主題のシステムのための複数の光検出器及びプログラミングを含む。キットは、また、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長セパレータ、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせなどの、光調整構成要素を含んでもよい。
【0138】
キットは、主題の方法を実践するための命令を更に含み得る。これらの命令は、様々な形態で主題のキット中に存在し得、そのうちの1つ以上は、キット中に存在し得る。これらの命令が存在し得る1つの形態は、好適な媒体又は基板、例えば、情報が印刷される1枚以上の紙、キットのパッケージ、添付文書などに印刷される情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0139】
マルチスペクトル蛍光粒子
上述したように、主題の方法は、いくつかの実施形態では、フローストリーム中の粒子を照射することを含む。いくつかの事例では、フローストリーム中の照射される粒子は、1つ以上のフルオロフォアを有する粒子(例えば、ビーズ)である。ある特定の実施形態による対象となる粒子は、全ての光源波長にわたって(例えば、システムの全てのLED又はレーザにわたって)、及び光検出器の検出波長全体にわたって明るい光検出器信号を提供する単一ピークマルチフルオロフォアビーズを含み得る。
【0140】
実施形態では、主題の粒子は、(例えば、流体組成物中の)上述したような光源によって照射されるフローストリーム中に流れるように仕込まれる。各粒子は、例えば、2つ以上、又は3つ以上、又は4つ以上、又は5つ以上、又は6つ以上、又は7つ以上、又は8つ以上、又は9つ以上、又は10個以上、又は11個以上、又は12個以上、又は13個以上、又は14個以上、又は15個以上、16個以上、又は17個以上、又は18個以上、又は19個以上、又は20個以上、又は25個以上、又は30個以上、又は35個以上、又は40個以上、又は45個以上、50個以上の異なるタイプのフルオロフォアなどの、1つ以上の異なるタイプのフルオロフォアを有し得る。例えば、各粒子は、2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つ、又は6つ、又は7つ、又は8つ、又は9つ、又は10個、又は11個、又は12個、又は13個、又は14個、又は15個、又は16個、又は17個、又は18個、又は19個、又は20個の異なるタイプのフルオロフォアを含み得る。
【0141】
実施形態では、各フルオロフォアは、粒子に安定に会合している。安定に会合したとは、フルオロフォアが粒子から容易に解離して、液体培地、例えば水性培地と接触しないことを意味する。いくつかの実施形態では、フルオロフォアのうちの1つ以上は、粒子に共有結合している。他の実施形態では、フルオロフォアのうちの1つ以上は、粒子に物理的に会合している(すなわち、非共有結合的に結合している)。他の実施形態では、1つ以上のフルオロフォアが、粒子に共有結合しており、1つ以上のフルオロフォアが、粒子に物理的に会合している。
【0142】
いくつかの実施形態では、各粒子は、2つ以上の異なるタイプのフルオロフォアを含む。任意の2つのフルオロフォアは、それらが分子式、励起最大値、及び発光最大値のうちの1つ以上によって互いに異なる場合、異なるとみなされる。したがって、異なるフルオロフォア又は別異するフルオロフォアは、化学組成の観点で、又はフルオロフォアの1つ以上の特性の観点で、互いに異なり得る。例えば、異なるフルオルフォアは、励起最大値及び発光最大値のうちの少なくとも1つによって互いに異なり得る。いくつかの場合では、異なるフルオロフォアは、それらの励起最大値によって互いに異なる。いくつかの場合では、異なるフルオロフォアは、それらの発光最大値によって互いに異なる。いくつかの場合では、異なるフルオロフォアは、それらの励起最大値及び発光最大値の両方によって互いに異なる。したがって、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアを含む実施形態では、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアは、励起最大値及び発光最大値のうちの少なくとも1つによって互いに異なり得る。例えば、第1のフルオロフォア及び第2のフルオロフォアは、励起最大値によって、発光最大値によって、又は励起最大値及び発光最大値の両方によって互いに異なり得る。所与のフルオロフォアのセットは、それらが励起最大値又は発光最大値の観点で互いに異なる場合に、別異するとみなされ得、そのような差は、いくつかの事例では、15nm以上を含む、例えば、10nm以上などの、5nm以上であり、いくつかの事例では、差の大きさは、15~100nmを含む例えば、10~200nmなど、例えば、25~50nmなどの、5~400nmの範囲である。
【0143】
ある特定の実施形態による対象となるフルオロフォアは、400nm~500nmを含む、例えば、150nm~750nm、例えば、200nm~700nm、例えば、250nm~650nm、例えば、300nm~600nmなどの、100nm~800nmの範囲の励起最大値を有する。ある特定の実施形態による対象となるフルオロフォアは、600nm~800nmを含む、例えば、450nm~950nm、例えば、500nm~900nm、例えば、550nm~850nmなどの、400nm~1000nmの範囲の発光最大値を有する。ある特定の事例では、フルオロフォアは、1050nm以上を含む、例えば、250nm以上、例えば、300nm以上、例えば、350nm以上、例えば、400nm以上、例えば、450nm以上、例えば、500nm以上、例えば、550nm以上、例えば、600nm以上、例えば、650nm以上、例えば、700nm以上、例えば、750nm以上、例えば、800nm以上、例えば、850nm以上、例えば、900nm以上、例えば、950nm以上、例えば、1000nm以上などの、200nm以上のピーク発光波長を有する蛍光色素などの発光色素である。例えば、フルオロフォアは、例えば、300nm~1100nm、例えば、400nm~1000nm、例えば、500nm~900nmなど、200nm~1200nmの範囲のピーク発光波長を有する光色素であり得、600nm~800nmのピーク発光波長を有する蛍光色素を含む。ある特定の実施形態では、主題のマルチスペクトル粒子は、349nm(UVレーザ)、488nm(青色レーザ)、532nm(Nd:YAG固体レーザ)、640nm(赤色レーザ)、及び405nm(紫色レーザ)の波長で照射するレーザによる安定な励起を提供する。ある特定の事例では、主題のマルチスペクトル粒子は、例えば、350nm~850nmなどの、全スペクトル検出帯域にわたる光源による安定な励起を提供する。
【0144】
いくつかの事例では、各粒子は、光源による照射に応答して蛍光を放出するフルオロフォアを含む。いくつかの実施形態では、対象となるフルオロフォアは、限定されるものではないが、例えば、アクリジン色素、アントラキノン色素、アリールメタン色素、ジアリールメタン色素(例えば、ジフェニルメタン色素)、クロロフィル含有色素、トリアリールメタン色素(例えば、トリフェニルメタン色素)、アゾ色素、ジアゾニウム色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、非対称シアニン色素、キノン-イミン色素、アジン色素、ユーロジン色素、サフラニン色素、インダミン、インドフェノール色素、フッ素色素、オキサジン色素、オキサゾン色素、チアジン色素、チアゾール色素、キサンテン色素、フルオレン色素、ピロニン色素、フッ素色素、ローダミン色素、フェナントリジン色素、並びに前述の色素のうちの2つ以上の組み合わせ(例えば、タンデムの)、1つ以上の単分子色素単位を有する高分子色素、及びそれらの前述の色素のうちの2つ以上の混合物などの、分析用途(例えば、フローサイトメトリ、イメージングなど)での使用に好適な色素を含み得る。多数の染料が、例えば、Molecular Probes(Eugene,OR)、Dyomics GmbH(Jena,Germany)、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)、Sirigen,Inc.(Santa Barbara,CA)、及びExciton(Dayton,OH)などの様々な供給源から市販されている。例えば、フルオロフォアは、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジン及びアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、及びアクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;アロフィコシアニン、フィコエリトリン、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフルイミド-3,5-ジスルホネート(ルシファーイエローVS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー;クマリン及びクマリンなどの誘導体、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクルアリン(trifluoromethylcouluarin)(クマラン151);シアニン及びシアノシンなどの誘導体、Cy3,Cy3.5,Cy5、Cy5.5,及びCy7;4’6-ジアミニド-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミンペンタ酢酸塩;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド)、4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン並びにエオシン及びエオシンイソチオシアネートなどの誘導体;エリトロシン並びにエリトロシンB及びエリトロシンイソチオシアネートなどの誘導体;エチジウム;フルオレセイン並びに5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’ージメトキシー4’5’-ディクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオセインイソシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、及びQFITC(XRITC)などの誘導体;フルオレサミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(GFP);造礁サンゴ蛍光タンパク質(RCFP);リサミン(Lissamine)(商標);リサミンローダミン;ルシファーイエロー;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローズアニリン;ナイルレッド;オレゴングリーン;フェノールレッド;B-フィコエリスリン;オルトフタルジアルデヒド;ピレン並びにピレン、ピレンブチレート、及びサクシニミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;レアクティブレッド4(シバクロン(Cibacron)(商標)ブリリアントレッド3B-A);ローダミン並びに6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリサミン、ローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、及びテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)などの誘導体;リボフラビン;ロソリック酸及びテルビウムキレート誘導体;キサンテン;蛍光イソチオシアネートデキストランなどの色素共役ポリマー(すなわち、ポリマーに結合した色素)、並びに2つ以上の色素を組み合わせた(例えば、タンデムの)色素、及び前述の色素のうちの2つ以上の混合物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0145】
いくつかの事例では、フルオロフォアは、高分子色素である。方法のいくつかの事例では、高分子色素は、共役ポリマーを含む。共役ポリマー(CP)は、交互の不飽和結合(例えば、二重結合及び/又は三重結合)及び飽和(例えば、単結合)結合の骨格を含む非局在化電子構造を特徴とし、π電子は、一方の結合から他方の結合に移動することができる。したがって、共役骨格は、ポリマーの反復単位間の結合角度を制限して、高分子色素に、延長された線形構造を付与し得る。例えば、タンパク質及び核酸は、高分子でもあるが、いくつかの場合では、延長ロッド構造を形成せず、むしろより高次の三次元形状に折り畳む。加えて、CPは、「リジッドロッド」ポリマー骨格を形成し得、ポリマー骨格鎖に沿ったモノマー反復単位間の限られたツイスト(例えば、ねじれ)角度を経験し得る。いくつかの事例では、高分子色素は、リジッドロッド構造を有するCPを含む。高分子色素の構造特性は、分子の蛍光特性に影響を及ぼし得る。
【0146】
対象となる高分子色素としては、限定されるものではないが、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国公開第20040142344号、第20080293164号、第20080064042号、第20100136702号、第20110256549号、第20110257374号、第20120028828号、第20120252986号、第20130190193号、第20160264737号、第20160266131号、第20180231530号、第20180009990号、第20180009989号、及び第20180163054号と、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Gaylord et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp 6417-6418;Feng et al.,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419;及びTraina et al.,J.Am.Chem.Soc.,2011,133 (32),pp 12600-12607とにGaylord et al.によって記載される色素が挙げられる。
【0147】
高分子色素は、例えば、特定の吸収最大値波長、特定の発光最大値波長、吸光係数、量子収率などの、1つ以上の望ましい分光特性を有し得る(例えば、Chattopadhyay et al.,“Brilliant violet fluorophores:A new class of ultrabright fluorescent compounds for immunofluorescence experiments.”Cytometry Part A,81A(6),456-466,2012)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、高分子色素は、280nm~475nmの吸収曲線を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、280nm~475nmの範囲の吸収最大値(励起最大値)を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、280nm~475nmの範囲の波長を有する入射光を吸収する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、例えば、415nm~800nmなどの、400nm~850nmの範囲の発光最大値波長を有し、対象となる発光最大値の具体的な実施例は、限定されるものではないが、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nm、及び786nmを含む。いくつかの事例では、高分子色素は、410nm~430nm、500nm~520nm、560nm~580nm、590nm~610nm、640nm~660nm、700nm~720nm、及び775nm~795nmからなる群から選択される範囲の発光最大値波長を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、421nmの発光最大値波長を有する。いくつかの事例では、高分子色素は、510nmの発光最大値波長を有する。いくつかの場合では、高分子色素は、570nmの発光最大値波長を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、602nmの発光最大値波長を有する。いくつかの事例では、高分子色素は、650nmの発光最大値波長を有する。ある特定の場合では、高分子色素は、711nmの発光最大値波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、786nmの発光最大値波長を有する。ある特定の事例では、高分子色素は、421nm±5nmの発光最大値波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、510nm±5nmの発光最大値波長を有する。ある特定の事例では、高分子色素は、570nm±5nmの発光最大値波長を有する。いくつかの事例では、高分子色素は、602nm±5nmの発光最大値波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、650nm±5nmの発光最大値波長を有する。ある特定の事例では、高分子色素は、711nm±5nmの発光最大値波長を有する。いくつかの場合では、高分子色素は、786nm±5nmの発光最大値波長を有する。ある特定の実施形態では、高分子色素は、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nm、及び786nmからなる群から選択される発光最大値を有する。
【0148】
採用され得る具体的な高分子色素としては、限定されるものではないが、例えば、BD Horizon Brilliant(商標) Violet Dye(例えば、BV421、BV510、BV605、BV650、BV711、BV786)などのBD Horizon Brilliant(商標) Dye、BD Horizon Brilliant(商標) Ultraviolet Dye(例えば、BUV395、BUV496、BUV737、BUV805)、及びBD Horizon Brilliant(商標) Blue Dye(例えば、BB515)(BD Biosciences、San Jose,CA)が挙げられ得る。
【0149】
粒子は、上述したように、光源によって照射するための任意の好都合な形状であり得る。いくつかの事例では、粒子は、ディスク、球体、卵形、立方体、ブロック、コーンなど、及び不規則形状として成形又は構成された固体支持体である。粒子の質量は、いくつかの事例では、3mg~10mgを含む、例えば、0.05mg~19.5mg、例えば、0.1mg~19mg、例えば、0.5mg~18.5mg、例えば、1mg~18mg、例えば、1.5mg~17.5mg、例えば、2mg~15mgなどの、0.01mg~20mgの範囲で変化し得る。粒子は、Vertexシステム又は同等物を使用して決定される、5mm以上を含む、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、例えば、1mm以上、例えば、1.5mm以上、例えば、2mm以上、例えば、2.5mm以上、例えば、3mm以上、例えば、3.5mm以上、例えば、4mm以上、例えば、4.5mm以上などの、0.01mm以上の表面積を有し得る。
【0150】
粒子の寸法は、所望に応じて変化し得、いくつかの事例では、粒子は、3mm~6mmを含む、例えば、0.05mm~9.5mm、例えば、0.1mm~9mm、例えば、0.5mm~8.5mm、例えば、1mm~8mm、例えば、1.5mm~7.5mm、例えば、2mm~7mm、例えば、2.5mm~6.5mmなどの、0.01mm~10mmの範囲の最も長い寸法を有する。ある特定の事例では、粒子は、1mm~3mmを含む、例えば、0.05mm~4.5mm、例えば、0.1mm~4mm、例えば、0.5mm~3.5mmなどの、0.01mm~5mmの範囲の最も短い寸法を有する。
【0151】
ある特定の事例では、対象となる粒子は、粒子が、キャピラリーフローポロメータ又は同等物を使用して決定される、30μ~70μを含む、例えば、10μ~90μ、例えば、15μ~85μ、例えば、20μ~80μ、例えば、25μ~75μなどの、5μ~100μの範囲、例えば、50μの多孔性を有する場合など、多孔質である。
【0152】
粒子は、任意の好都合な材料から形成され得る。対象となるものは、いくつかの実施形態では、自己蛍光が低いか、又はない粒子、例えばビーズである。好適な材料は、限定されるものではないが、ガラス材料(例えば、ケイ酸塩)、セラミック材料(例えば、リン酸カルシウム)、金属材料、及び例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリジンなどの高分子材料などを含む。いくつかの事例では、粒子は、U.S.特許第9,797,899号に記載される、例えば多孔質マトリックスなどの固体支持体から形成されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、粒子の表面積は、任意の好適なマクロ多孔質又は微小多孔質基材であり得、好適なマクロ多孔質及び微小多孔質基材は、限定されるものではないが、セラミックマトリックス、例えばフリットガラスなどのフリット、高分子マトリックス、及び金属有機高分子マトリックスを含む。いくつかの実施形態では、多孔質マトリックスは、フリットである。「フリット」という用語は、本明細書では、その従来の意味で使用されて、例えばガラスなどの焼結された粒状固体から形成された多孔質組成物を指す。フリットは、フリットを調製するために使用される焼結顆粒のタイプに応じて変化する化学成分を有し得、採用され得るフリットは、限定されるものではないが、アルミノシリケート、三酸化ホウ素、ホウリンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、セラミック釉薬、コバルトガラス、クランベリーガラス、フッ化リン酸ガラス、フルオロケイ酸ガラス、溶融石英、二酸化ゲルマニウム、金属及び硫化埋め込みホウケイ酸塩、鉛ガラス、リン酸ガラス、五酸化リンガラス、リンケイ酸ガラス、ケイ酸カリウム、ソーダ石灰ガラス、ヘキサメタリン酸ナトリウムガラス、ケイ酸ナトリウム、テルライトガラス、ウランガラス、ボトリット、及びそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、多孔質マトリックスは、例えば、ホウケイ酸ガラス釉薬、アルミノケイ酸ガラス釉薬、フルオロケイ酸ガラス釉薬、ケイ酸カリウムガラス釉薬、又はホウリンケイ酸塩ガラス釉薬などのガラス釉薬である。
【0153】
いくつかの実施形態では、粒子は、多孔質有機ポリマーから形成されている。対象となる多孔質有機ポリマーは、試料の体積、試料中の成分、及び存在するアッセイ試薬に応じて変化し、限定されるものではないが、多孔質ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、酢酸エチルビニル(EVA)、ポリカーボネート、ポリカーボネート合金、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、コポリマー、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。例えば、対象となる多孔質ポリマーとしては、ホモポリマー、ヘテロポリマー、及びコポリマーが挙げられ、これらは、例えば、スチレン、例えば、エチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、及びビニルエチルベンゼンなどのモノアルキレンアリレンモノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートエチル、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、及びクロロメチルスチレンなどのクロリン含有モノマー;アクリニトリル及びメタクリロニトリルなどのアクリトニトリル化合物;並びにビニルアセテート、プロピオン酸ビニル、n-オクタデシルアクリルアミド、エチレン、プロピレン、及びブタン、並びにそれらの組み合わせなどの、モノマー単位からなる。
【0154】
いくつかの実施形態では、粒子は、金属有機ポリマーマトリックス、例えば、アルミニウム、バリウム、アンチモン、カルシウム、クロム、銅、エルビウム、ゲルマニウム、鉄、鉛、リチウム、リン、カリウム、ケイ素、タンタル、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、又はジルコニウムなどの金属を含有する骨格構造を有する有機ポリマーマトリックスから形成されている。いくつかの実施形態では、多孔質金属有機マトリックスは、限定されるものではないが、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)ブタン、ビス(トリエトキシシリル)ペンタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ヘプタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、及びそれらの組み合わせのポリマーを含む、有機シロキサンポリマーである。
【0155】
ユーティリティ
主題の方法、システム、及びコンピュータシステムは、光検出システムの光検出器を較正又は最適化することが望ましい様々な用途での使用を見出す。主題の方法及びシステムは、また、生体試料などの流体培地中の試料中の粒子成分を分析及び選別するために使用される、複数の光検出器を有する光検出システムのための使用を見出す。本開示は、また、フローサイトメトリにおける使用も見出され、ここでは改善された細胞選別精度、強化された粒子収集、低減されたエネルギー消費、粒子充電効率、より正確な粒子充電、及び細胞選別中の強化された粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい。実施形態では、本開示は、フローサイトメータによる試料分析中のユーザ入力又は手動調整の必要性を低減させる。ある特定の実施形態では、主題の方法及びシステムは、完全に自動化されたプロトコルを提供し、その結果、使用中のフローサイトメータへの調整が、任意のヒト入力があっても、ほとんど必要としない。
【0156】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、また、以下の付記によっても規定される。
【0157】
1.フローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するための方法であって、
フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出することと、
フローストリームを横切る複数の位置で、光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
を含む、方法。
2.光が、フローストリームを横切る複数の位置で同時に検出される、付記1に記載の方法。
3.フローストリームを横切る各位置での生成されたデータ信号の強度を判定することを含む、付記1又は2に記載の方法。
4.生成されたデータ信号に基づいて、フローストリームを横切る各位置でのピークパルス振幅を判定することを含む、付記1~3のいずれか一つに記載の方法。
5.フローストリームを横切る各位置での生成されたデータ信号のパルス面積を判定することを含む、付記1~4のいずれか一つに記載の方法。
【0158】
6.フローストリームを横切る各位置での判定されたデータ信号強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算することを更に含む、付記3~5のいずれか一つに記載の方法。
7.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記1~6のいずれか一つに記載の方法。
8.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記1~6のいずれか一つに記載の方法。
9.フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成することを更に含む、付記1~8のいずれか一つに記載の方法。
10.フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に適用することを更に含む、付記1~9のいずれか一つに記載の方法。
【0159】
11.光検出システムが、1つ以上のスリットに光学的に結合された光検出器を備える、付記1~10のいずれか一つに記載の方法。
12.データ信号が、フローストリームを横切る各位置についての複数の光検出器チャネル内に生成される、付記11に記載の方法。
13.光検出システムが、複数の開口部を有するスリットに光学的に結合された光検出器を備える、付記11又は12に記載の方法。
14.データ信号が、スリットの複数の開口部の各々の間で検出された光に応答して、複数の光検出器チャネル内に生成される、付記13に記載の方法。
15.フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算することと
を含む、付記1~14のいずれか一つに記載の方法。
【0160】
16.各ピクセル位置が、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する、付記15に記載の方法。
17.各ピクセル位置で生成されたデータ信号の強度を判定することを含む、付記15又は16に記載の方法。
18.生成されたデータ信号に基づいて、各ピクセル位置でのピークパルス振幅を判定することを含む、付記15~17のいずれか一つに記載の方法。
19.各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定することを含む、付記15~17のいずれか一つに記載の方法。
20.各ピクセル位置での判定されたデータ信号強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算することを更に含む、付記17~19のいずれか一つに記載の方法。
【0161】
21.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記15~20のいずれか一つに記載の方法。
22.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記15~20のいずれか一つに記載の方法。
23.各ピクセル位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成することを更に含む、付記15~22のいずれか一つに記載の方法。
24.フローストリームを横切る各ピクセル位置の計算された検出器利得補正係数を、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に適用することを更に含む、付記15~23のいずれか一つに記載の方法。
25.フローストリーム中を伝搬している粒子を光源で照射することを更に含む、付記1~24のいずれか一つに記載の方法。
【0162】
26.光源が、2つ以上のレーザを含む、付記25に記載の方法。
27.粒子が、マルチスペクトル蛍光ビーズを含む、付記25又は26に記載の方法。
28.フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数が、集積回路で計算される、付記1~27のいずれか一つに記載の方法。
29.集積回路が、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む、付記28に記載の方法。
【0163】
30.フローサイトメータデータを処理する方法であって、
光検出システムの光検出器チャネルからのデータ信号に検出器利得補正係数を適用することを含み、
検出器利得補正係数が、
フローストリームの水平軸を横切る複数の位置で、光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
によって計算される、方法。
31.検出器利得補正係数データファイルから、フローストリームを横切る各位置についてのデータ信号に検出器利得補正係数を適用することを含む、付記30に記載の方法。
32.検出器利得補正係数データファイルが、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数のテーブルを含む、付記31に記載の方法。
33.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記30~32のいずれか一つに記載の方法。
34.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記30~32のいずれか一つに記載の方法。
【0164】
35.光検出システムが、1つ以上のスリットに光学的に結合された光検出器を備える、付記30~34のいずれか一つに記載の方法。
36.データ信号が、フローストリームを横切る各位置についての複数の光検出器チャネル内に生成される、付記35に記載の方法。
37.光検出システムが、複数の開口部を有するスリットに光学的に結合された光検出器を備える、付記35又は36に記載の方法。
38.データ信号が、スリット内の複数の開口部の各々の間で検出された光に応答して、複数の光検出器チャネル内に生成される、付記37に記載の方法。
39.フローストリームの水平軸を横切る複数のピクセル位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算することと
を含む、付記30~38のいずれか一つに記載の方法。
【0165】
40.検出器利得補正係数データファイルから、フローストリームを横切る各ピクセル位置についてのデータ信号に検出器利得補正係数を適用することを含む、付記39に記載の方法。
41.検出器利得補正係数データファイルが、各ピクセル位置の検出器利得補正係数のテーブルを含む、付記40に記載の方法。
42.各ピクセル位置が、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する、付記39~41のいずれか一つに記載の方法。
43.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記39~42のいずれか一つに記載の方法。
44.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記39~42のいずれか一つに記載の方法。
【0166】
45.粒子分析器であって、
イメージング光検出器を備える光検出システムであって、光検出システムが、
フローストリームの水平軸を横切る光を検出し、
フローストリームを横切る複数の位置で、光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている、光検出システムと、
プロセッサであって、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備え、メモリが、メモリに記憶された命令を備え、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算させる、プロセッサと
を備える、粒子分析器。
46.メモリが、フローストリームを横切る各位置で生成されたデータ信号の信号強度を判定するための命令を備える、付記45に記載の粒子分析器。
47.メモリが、フローストリームを横切る各位置で生成されたデータ信号のピークパルス振幅を判定するための命令を備える、付記45又は46に記載の粒子分析器。
48.メモリが、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するための命令を備える、付記45~47のいずれか一つに記載の粒子分析器。
49.メモリが、フローストリームを横切る各位置での判定されたデータ信号強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算する命令を備える、付記45~48のいずれか一つに記載の粒子分析器。
【0167】
50.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記45~49のいずれか一つに記載の粒子分析器。
51.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記45~50のいずれか一つに記載の粒子分析器。
52.メモリが、フローストリームを横切る各ピクセル位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するための命令を備える、付記45~51のいずれか一つに記載の粒子分析器。
53.光検出システムが、1つ以上のスリットに光学的に結合された光検出器を備える、付記45~52のいずれか一つに記載の粒子分析器。
54.光検出システムが、フローストリームを横切る各位置についての複数の光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている、付記53に記載の粒子分析器。
【0168】
55.光検出システムが、複数の開口部を備えるスリットに光学的に結合された光検出器を備える、付記53又は54に記載の粒子分析器。
56.光検出システムが、スリットの複数の開口部の各々の間で検出された光に応答して、複数の光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている、付記55に記載の粒子分析器。
57.光検出システムが、フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されており、
メモリが、生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するための命令を含む、付記45~56いずれか一つに記載の粒子分析器。
58.各ピクセル位置が、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する、付記57に記載の粒子分析器。
59.メモリが、各ピクセル位置で生成されたデータ信号の信号強度を判定するための命令を備える、付記57又は58に記載の粒子分析器。
【0169】
60.メモリが、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス振幅を判定するための命令を備える、付記57~59のいずれか一つに記載の粒子分析器。
61.メモリが、各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するための命令を備える、付記57~60のいずれか一つに記載の粒子分析器。
62.メモリが、各ピクセル位置での判定されたデータ信号強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算する命令を備える、付記57~61のいずれか一つに記載の粒子分析器。
63.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記57~62のいずれか一つに記載の粒子分析器。
64.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記57~62のいずれか一つに記載の粒子分析器。
【0170】
65.メモリが、各ピクセル位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するための命令を備える、付記57~64のいずれか一つに記載の粒子分析器。
66.メモリが、フローストリームを横切る各ピクセル位置の計算された検出器利得補正係数を、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に適用するための命令を備える、付記57~65のいずれか一つに記載の粒子分析器。
67.フローストリーム中を伝搬している粒子を照射するための光源を更に備える、付記45~66のいずれか一つに記載の粒子分析器。
68.光源が、2つ以上のレーザを含む、付記67に記載の粒子分析器。
【0171】
69.非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
フローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するための、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を備え、
命令が、
フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出するためのアルゴリズムと、
フローストリームを横切る複数の位置で、光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムと
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
70.フローストリームを横切る複数の位置で光を同時に検出するためのアルゴリズムを備える、付記69に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
71.フローストリームを横切る各位置で生成されたデータ信号の強度を判定するためのアルゴリズムを備える、付記69又は70に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
72.生成されたデータ信号に基づいて、フローストリームを横切る各位置でのピークパルス振幅を判定するためのアルゴリズムを備える、付記69~71のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
73.フローストリームを横切る各位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するためのアルゴリズムを備える、付記69~72のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0172】
74.フローストリームを横切る各位置での判定されたデータ信号強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算するためのアルゴリズムを備える、付記69~73のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
75.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記69~74のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
76.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記69~74のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
77.フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するためのアルゴリズムを備える、付記69~76のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
78.フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されるデータ信号に適用するためのアルゴリズムを備える、付記69~77のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0173】
79.フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムと
を備える、付記69~78のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
80.各ピクセル位置が、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する、付記79に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
81.各ピクセル位置で生成されたデータ信号の強度を判定するためのアルゴリズムを備える、付記79又は80に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
82.生成されたデータ信号に基づいて、各ピクセル位置でのピークパルス振幅を判定するためのアルゴリズムを備える、付記79~81のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
83.各ピクセル位置で生成されたデータ信号のパルス面積を判定するためのアルゴリズムを備える、付記79~82のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0174】
84.各ピクセル位置での判定されたデータ信号強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算するためのアルゴリズムを備える、付記81~83のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
85.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記79~84のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
86.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記79~84のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
87.各ピクセル位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するためのアルゴリズムを備える、付記79~86のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
88.フローストリームを横切る各ピクセル位置の計算された検出器利得補正係数を、光検出システムの1つ以上の非イメージング光検出器チャネル内に生成されたデータ信号に適用するためのアルゴリズムを備える、付記79~87のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0175】
89.フローストリーム中を伝搬している粒子を光源で照射するためのアルゴリズムを備える、付記79~88のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
90.粒子が、マルチスペクトル蛍光ビーズを含む、付記89に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0176】
91.非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
フローサイトメータデータを処理するための、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を備え、命令が、光検出システムの光検出器チャネルからのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを備え、
検出器利得補正係数が、
フローストリームの水平軸を横切る複数の位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
によって計算される、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
92.検出器利得補正係数データファイルから、フローストリームを横切る各位置についてのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを備える、付記91に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
93.検出器利得補正係数データファイルが、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数のテーブルを含む、付記91に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
94.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記91~93のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
95.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記91~93のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0177】
96.フローストリームの水平軸を横切る複数のピクセル位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算することと
のためのアルゴリズムを備える、付記91~95のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
97.検出器利得補正係数データファイルから、フローストリームを横切る各ピクセル位置についてのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを備える、付記96に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
98.検出器利得補正係数データファイルが、各ピクセル位置の検出器利得補正係数のテーブルを含む、付記97に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
99.各ピクセル位置が、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する、付記96~98のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
100.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記96~99のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
101.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記96~99のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0178】
102.フローサイトメータデータを処理するためにプログラムされた集積回路であって、
プログラムすることが、光検出システムの光検出器チャネルからのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを備え、
検出器利得補正係数が、
フローストリームの水平軸を横切る複数の位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
によって計算される、集積回路。
103.検出器利得補正係数データファイルから、フローストリームを横切る各位置についてのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを備える、付記102に記載の集積回路。
104.検出器利得補正係数データファイルが、フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数のテーブルを含む、付記103に記載の集積回路。
105.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記102~104のいずれか一つに記載の集積回路。
106.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、フローストリームを横切る各位置での信号強度に対する調整を含む、付記102~104のいずれか一つに記載の集積回路。
【0179】
107.フローストリームの水平軸を横切る複数のピクセル位置で、光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算することと
のためのプログラミングを備える、付記102~106のいずれか一つに記載の集積回路。
108.検出器利得補正係数データファイルから、フローストリームを横切る各ピクセル位置についてのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのプログラミングを備える、付記107に記載の集積回路。
109.検出器利得補正係数データファイルが、各ピクセル位置の検出器利得補正係数のテーブルを含む、付記107に記載の集積回路。
110.各ピクセル位置が、フローストリームの水平軸を横切る位置に対応する、付記107~109のいずれか一つに記載の集積回路。
111.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が5%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記107~110のいずれか一つに記載の集積回路。
【0180】
112.検出器利得補正係数が、フローストリームを横切るデータ信号間の強度変動が3%以下であるような、各ピクセル位置での信号強度に対する調整を含む、付記107~110のいずれか一つに記載の集積回路。
113.フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である、付記102~112のいずれか一つに記載の集積回路。
114.特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、付記102~112のいずれか一つに記載の集積回路。
115.複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)を含む、付記102~112のいずれか一つに記載の集積回路。
【0181】
上記の発明は、明確な理解のために例示及び例によって多少詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、それらの発明に対してある特定の変更及び修正が行われ得ることは、容易に明らかである。
【0182】
したがって、前述した内容は、本発明の原理を単に例示しているに過ぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本発明の原理を具現化し、その精神及び範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解される。更に、本明細書に列挙される全ての例及び条件付き言語は、主に、本発明の原理及び本発明者によって当該技術分野を促進するために寄与する概念を閲読者が理解することを支援する点を意図しており、そのような具体的に列挙される例及び条件に限定されるものではないと解釈されるものである。更に、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにそれらの特定の実施例を列挙する本明細書の全ての記述は、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含することが意図される。追加的に、そのような同等物は、現在既知の同等物及び将来開発される同等物の両方、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を実施する開発される任意の要素を含むことが意図される。更に、本明細書に開示のいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、公共に供することを意図しない。
【0183】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」がそのクレームのそのような限定の始まりに記載されている場合にのみ、当該クレームの制限について呼び出されると明示的に定義されており、そのような正確な語句が、クレームの制限において使用されない場合は、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は呼び出されない。
【0184】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2021年7月13日に出願された米国仮特許出願第63/221,277号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するための方法であって、
フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出することと、
前記フローストリームを横切る複数の位置で、前記光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記フローストリームを横切る各位置で、
生成されたデータ信号の強度、
生成されたデータ信号のピークパルス振幅、又は
生成されたデータ信号のパルス面積
のうちの1つ以上を判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フローストリームを横切る各位置での判定されたデータ信号の強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算することと
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成することを更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
粒子分析器であって、
イメージング光検出器を備える光検出システムであって、前記光検出システムが、
フローストリームの水平軸を横切る光を検出し、
前記フローストリームを横切る複数の位置で、前記光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されている、光検出システムと、
プロセッサであって、前記プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備え、前記メモリが、前記メモリに記憶された命令を備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算させる、プロセッサと
を備える、粒子分析器。
【請求項7】
前記メモリが、前記フローストリームを横切る各位置で、
生成されたデータ信号の強度、
生成されたデータ信号のピークパルス振幅、又は
生成されたデータ信号のパルス面積
のうちの1つ以上を判定するための命令を備える、請求項6に記載の粒子分析器。
【請求項8】
前記メモリが、前記フローストリームを横切る各位置での判定されたデータ信号の強度に基づいて、ロバスト変動係数(rCV)を計算するための命令を備える、請求項6又は7に記載の粒子分析器。
【請求項9】
前記光検出システムが、前記フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するように構成されており、
前記メモリが、生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するための命令を備える、請求項6又は7に記載の粒子分析器。
【請求項10】
前記メモリが、前記フローストリームを横切る各位置の計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するための命令を備える、請求項6又は7に記載の粒子分析器。
【請求項11】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
フローサイトメータデータに適用するための検出器利得補正係数を決定するための、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を備え、
前記命令が、
フローストリームの水平軸を横切る光検出システムで光を検出するためのアルゴリズムと、
前記フローストリームを横切る複数の位置で、前記光検出システムの光検出器チャネル内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムと
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、前記フローストリームを横切る各位置で、
生成されたデータ信号の強度、
生成されたデータ信号のピークパルス振幅、又は
生成されたデータ信号のパルス面積
のうちの1つ以上を判定するためのアルゴリズムを備える、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、
前記フローストリームを横切る複数のピクセル位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各ピクセル位置の検出器利得補正係数を計算するためのアルゴリズムと
を備える、請求項11又は12に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、前記フローストリームを横切る各位置の前記計算された検出器利得補正係数を含む検出器利得補正係数データファイルを生成するためのアルゴリズムを備える、請求項11又は12に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
フローサイトメータデータを処理するためにプログラムされた集積回路であって、
プログラムすることが、光検出システムの光検出器チャネルからのデータ信号に検出器利得補正係数を適用するためのアルゴリズムを備え、
前記検出器利得補正係数が、
フローストリームの水平軸を横切る複数の位置で、前記光検出システムのイメージング光検出器チャネル内にデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号に応答して、前記フローストリームを横切る各位置の検出器利得補正係数を計算することと
によって計算される、集積回路。
【国際調査報告】