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特表2024-530428バリアント頻度を決定し、疾患進行を監視するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】バリアント頻度を決定し、疾患進行を監視するための方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6869 20180101AFI20240814BHJP
   C12Q 1/6855 20180101ALI20240814BHJP
   C12Q 1/6886 20180101ALI20240814BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20240814BHJP
   G16B 20/20 20190101ALI20240814BHJP
   G16B 30/10 20190101ALI20240814BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z ZNA
C12Q1/6855 Z
C12Q1/6886 Z
C12M1/00 A
G16B20/20
G16B30/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503864
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022032725
(87)【国際公開番号】W WO2023003647
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/225,397
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】517192663
【氏名又は名称】ファウンデーション・メディシン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ケネディー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】イップ, ワイ-キー
(72)【発明者】
【氏名】リプソン, ドロン
(72)【発明者】
【氏名】フライディン, ジョナサン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA23
4B029FA02
4B063QA13
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
対象由来の試験サンプル中のバリアント頻度を決定するための方法、および配列決定リードをバリアント有するか、または有しないと分類するための方法が本明細書に記載される。例示的な方法は、配列決定リードを対応するバリアント配列および対応する参照配列にアライメントすることによって参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを生成すること、ならびに決定されたマッチスコアに基づいて、配列決定リードをバリアントを有するか、または有しないとして分類することを含む。疾患の進行を監視する方法および疾患を有する対象を処置する方法も本明細書に記載される。そのような方法を実装するためのデバイスおよびシステムについてさらに記載される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアントの対立遺伝子頻度を決定する方法であって、
前記サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを前記複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
前記複数の核酸分子から前記1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
前記増幅された核酸分子から前記増幅された核酸分子を捕捉する工程;
シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、前記複数の配列決定リードの1つ以上が前記遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程;
1つ以上のプロセッサを使用して、前記1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、前記遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、前記1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成する工程;
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記遺伝的バリアントを含むバリアント配列に各配列決定リードをアライメントすることによって、前記1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成する工程;
それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、前記遺伝的バリアントを有するか、前記遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードのうちの少なくとも1つとして分類する工程;
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記複数の配列決定リードの中に前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定する工程;
前記1つ以上のプロセッサを使用して、バリアント特異的モデルに基づく確率メトリック、前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および分類された配列決定リードの総数を決定する工程;ならびに
前記決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の閾値が遺伝子座特異的であり、バリアント特異的である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記確率メトリックが、ノイズではなく前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在に起因して前記遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記決定された確率メトリックを第2の閾値と比較する工程と;
前記決定された確率メトリックが前記第2の閾値以上である場合、前記サンプル中に前記遺伝的バリアントが存在しないことを、前記1つ以上のプロセッサによって特定する工程;または
前記決定された確率メトリックが前記第1の閾値以上であり、かつ前記第2の閾値未満である場合、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、前記1つ以上のプロセッサによって特定する工程と
をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記対象が、癌の疑いがあるか、または癌を有すると決定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記対象から前記サンプルを得ることをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプルが、組織生検サンプル、液体生検サンプル、または正常対照を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプルが液体生検サンプルであり、かつ血液、血漿、脳脊髄液、痰、便、尿、または唾液を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルが液体生検サンプルであり、かつ無細胞DNA(cfDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の核酸分子が、腫瘍核酸分子と非腫瘍核酸分子との混合物を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記腫瘍核酸分子が、不均質組織生検サンプルの腫瘍部分に由来し、かつ前記非腫瘍核酸分子が、前記不均質組織生検サンプルの正常部分に由来する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記サンプルが液体生検サンプルを含み、前記腫瘍核酸分子が前記液体生検サンプルの循環腫瘍DNA(ctDNA)画分に由来し、前記非腫瘍核酸分子が前記液体生検サンプルの非腫瘍無細胞DNA(cfDNA)画分に由来する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のアダプターが、増幅プライマー、フローセルアダプター配列、基質アダプター配列、またはサンプルインデックス配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記捕捉された核酸分子が、1つ以上のベイト分子へのハイブリダイゼーションによって増幅された核酸分子から捕捉される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のベイト分子が、1つ以上の核酸分子を含み、各核酸分子が、捕捉された核酸分子の領域に相補的な領域を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
核酸分子を増幅する工程が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅技術、非PCR増幅技術、または等温増幅技術を実施することを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記配列決定が、次世代配列決定(NGS)技術、全ゲノム配列決定(WGS)、全エクソーム配列決定、標的配列決定、直接配列決定、またはサンガー配列決定技術の使用を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記配列決定が、次世代配列決定を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記遺伝的バリアントの存在または非存在を示す報告を生成する工程をさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記報告をヘルスケア提供者に送信することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記報告が、コンピュータネットワークまたはピアツーピア接続を介して送信される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出する方法であって、
前記サンプルに関連する複数の配列決定リードを得る工程であって、前記複数の配列決定リードのうちの1つ以上が前記遺伝的バリアントに関連するバリアント遺伝子座と重複する、前記サンプルに関連する複数の配列決定リードを得る工程;
1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、前記遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、前記複数の配列決定リードのそれぞれについての参照マッチスコアを生成する工程;
前記1つ以上のプロセッサによって、各配列決定リードを、前記遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、前記複数の配列決定リードのそれぞれについてのバリアントマッチスコアを生成する工程;
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアに基づいて、前記遺伝的バリアントを有すること、前記遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類する工程;
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の配列決定リード中に前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定する工程;
前記1つ以上のプロセッサによって、バリアント特異的モデル、前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および分類された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定する工程;ならびに
前記決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、前記1つ以上のプロセッサによって、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在を特定する工程
を含む、方法。
【請求項24】
前記バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の閾値が遺伝子座特異的であり、かつバリアント特異的である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記確率メトリックが、ノイズではなく前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在に起因して前記遺伝的変バリアントが検出される可能性と関連する、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記決定された確率メトリックを第2の閾値と比較する工程と;
前記決定された確率メトリックが前記第2の閾値以上である場合に、前記サンプル中に前記遺伝的バリアントが存在しないことを、前記1つ以上のプロセッサによって特定する工程;または
前記決定された確率メトリックが前記第1の閾値以上であり、かつ前記第2の閾値未満である場合に、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、前記1つ以上のプロセッサによって特定する工程と
を、さらに含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記バリアント特異的モデルが、前記1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることを含む、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記確率分布が二項分布である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記確率メトリックが、前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、前記第2の数が、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である、請求項23~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記バリアント特異的モデルが、前記バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数に関連する、請求項23~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上のノイズ源が、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記バリアント特異的モデルが、前記バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する、請求項23~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ以上の関数が、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアにより、前記配列決定リードが前記参照配列よりも前記バリアント配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードが前記遺伝的バリアントを有すると分類される、請求項23~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアにより、前記配列決定リードが前記バリアント配列よりも前記参照配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードが前記遺伝的バリアントを有しないと分類される、請求項23~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードが前記確定的でないリードとして分類される、請求項23~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の閾値が、前記バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される、請求項23~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の閾値または前記第2の閾値の少なくとも一方が、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される、請求項23~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の閾値が、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される、請求項23~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記第2の閾値が、前記バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、前記遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記参照配列および前記バリアント配列が、前記バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む、請求項23~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記5’フランキング領域および前記3’フランキング領域が、それぞれ、約5塩基長~約5000塩基長である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記サンプルから前記バリアント配列を生成することを含む、請求項23~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
バリアント配列を生成する工程が、
前記サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを前記複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
前記複数の核酸分子から前記1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
前記増幅された核酸分子から前記増幅された核酸分子を捕捉する工程;および
シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、前記複数の配列決定リードの1つ以上が前記遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程
を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記参照配列および前記バリアント配列が、前記遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である、請求項23~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および前記遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、前記遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定する工程を含む、請求項23~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについて前記サンプルに関連する配列決定リードを分類する工程;
第2のバリアント特異的モデル、前記第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および前記第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定する工程;ならびに
前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較する工程であって、前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックが前記第3の閾値未満である場合に、前記サンプル中の前記第2の遺伝的バリアントの存在が同定される、前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較する工程
を含む、請求項23~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の遺伝的バリアントが、前記1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックを第4の閾値と比較する工程;
決定された確率メトリックが前記第4の閾値以上である場合、前記サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定する工程
を含み、
前記決定された確率メトリックが前記第3の閾値以上であり、かつ前記第4の閾値未満である場合、前記サンプル中の前記第2の遺伝的バリアントの存在または非存在が確定的ではない、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記対象の疾患状態を決定することを含む、請求項23~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記疾患状態が、前記サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記疾患状態がcfDNAの最大の体細胞対立遺伝子の割合である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記疾患状態が、前記対象における癌の再発、前記患者における治療法に抵抗性の癌の存在、または特定の処置法によって処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記サンプルがcfDNAを含む、請求項23~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアが、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される、請求項23~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記配列アライメントアルゴリズムが、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記遺伝的バリアントが、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む、請求項23~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記バリアントパネルが、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される、請求項23~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記対象が、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記疾患が癌である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記サンプルを使用して決定された前記対象の疾患状態と前記以前のサンプルに基づく前記対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて前記処置を調整することをさらに含む、請求項59または60に記載の方法。
【請求項63】
前記サンプル中の核酸分子を配列決定することによって前記1つ以上の配列決定リードを生成することを含む、請求項23~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記バリアントが体細胞変異である、請求項23~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記バリアントが生殖細胞系列変異である、請求項23~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記サンプルに関連する診断値として前記サンプルの前記遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用することをさらに含む、請求項23~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記遺伝的バリアントの存在に基づいて前記対象のゲノムプロファイルを生成することをさらに含む、請求項23~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記生成されたゲノムプロファイルに基づいて、前記対象に対して、抗癌剤を選択すること、抗癌剤を投与すること、または抗癌処置を適用することをさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記サンプルの前記遺伝的バリアントの存在が、前記対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される、請求項23~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記サンプルの遺伝的バリアントの存在が、前記対象のための提案される処置を決定する際に使用される、請求項23~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記サンプルの遺伝的バリアントの存在が、前記対象に処置を適用または投与する際に使用される、請求項23~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
対象からのサンプル中の疾患状態を検出するための方法であって、
前記対象から取得された前記サンプル中の核酸分子を配列決定して、複数の配列決定リードを生成する工程;および
請求項1~71のいずれか一項に記載の方法に従って、サンプル中のバリアント対立遺伝子頻度を決定する遺伝的バリアントを検出する工程
を含む、方法。
【請求項73】
疾患の進行または再発を監視する方法であって、
疾患を有する対象から取得した第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して第1のセットの配列決定リードを生成する工程;
対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程;
第1のサンプルよりも遅い時点で対象から取得した第2のサンプル中の核酸分子を配列決定して、第2のセットの配列決定リードを生成する工程;および
請求項1~71のいずれか一項に記載の方法に従って、配列決定リードの第2のセットを使用して、遺伝的バリアントを検出するか、または配列決定リードの第2のセットを使用して、バリアント対立遺伝子頻度を決定する工程
を含む、方法。
【請求項74】
前記第1のサンプルが前記対象から取得された後、かつ前記第2のサンプルが前記対象から取得される前に、疾患療法を前記対象に投与することを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記バリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの前記第1のセットにおける配列決定リードの数に基づいて第1の疾患状態を決定する工程;および
前記バリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの第2のセットにおける配列決定リードの数に基づいて第2の疾患状態を決定する工程
を含む、請求項73または74に記載の方法。
【請求項76】
前記第1の疾患状態と前記第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定することをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記第1のサンプルが前記対象から取得された後、前記第2のサンプルが前記対象から取得される前に、疾患療法を前記対象に投与する工程;および
前記決定された疾患進行に基づいて前記疾患療法を調整する工程
を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
疾患を有する対象を処置する方法であって、
前記対象から第1のサンプルを取得する工程;
第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して配列決定リードの第1のセットを生成する工程;
配列決定リードの第1のセットを使用して第1の疾患状態を決定する工程;
前記対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程;
前記対象に疾患療法を投与する工程;
前記疾患療法が前記対象に投与された後に前記対象から第2のサンプルを取得する工程;
第2のサンプル中の核酸分子を配列決定して、配列決定リードの第2のセットを生成する工程;
請求項1~71のいずれか一項に記載の方法に従って、配列決定リードの第2のセットを使用して、遺伝的バリアントを検出するか、または配列決定リードの第2のセットを使用して、バリアント対立遺伝子頻度を決定する工程;
配列決定リードの第2のセットに基づいて第2の疾患状態を決定する工程;
前記第1の疾患状態と前記第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定する工程;
前記疾患進行に基づいて対象に投与される前記疾患療法を調整する工程;
前記調整された疾患療法を前記対象に投与する工程
を含む、方法。
【請求項79】
前記疾患が癌である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記サンプルが、前記対象からの液体生検サンプルに由来する、請求項1~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記サンプルが、前記対象からの固体組織サンプル、液体組織サンプルまたは血液サンプルに由来する、請求項1~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記サンプルから抽出された核酸分子を配列決定して前記複数の配列決定リードを生成することをさらに含む、請求項23~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
(1)前記対象についての識別情報、および(2)前記遺伝的バリアントの有無の呼び出し、または前記遺伝的バリアントについての前記バリアント対立遺伝子頻度の呼び出しを含む報告を生成または更新することを含む、請求項23~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記対象または前記対象のためのヘルスケア提供者に前記報告を送信することをさらに含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
1つ以上のプロセッサと、
メモリと、
1つ以上のプログラムと
を備える装置であって、前記1つ以上のプログラムが前記メモリに記憶され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、前記1つ以上のプログラムが、
1つ以上のバリアントからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択するための命令;
バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを取得するための命令;
各配列決定リードを、前記遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、前記複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成するための命令;
各配列決定リードを、前記遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、前記複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成するための命令;
前記1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、前記遺伝的バリアントを有すること、前記遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類するための命令;
遺伝的バリアントを有するとして分類された配列決定リードの数を決定するための命令;
バリアント特異的モデルおよび分類された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定するための命令;ならびに
前記決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在を特定するための命令
を含む、装置。
【請求項86】
前記バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、請求項85に記載の装置。
【請求項87】
前記第1の閾値が遺伝子座特異的およびバリアント特異的である、請求項85または86に記載の装置。
【請求項88】
前記確率メトリックが、ノイズではなく前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在に起因して前記遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である、請求項85~87のいずれか一項に記載の装置。
【請求項89】
1つ以上のプログラムが、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記決定された確率メトリックを第2の閾値と比較するための命令、および
前記決定された確率メトリックが前記第2の閾値以上である場合に、前記サンプル中に前記遺伝的バリアントが存在しないことを、前記1つ以上のプロセッサによって特定するための命令;または
前記決定された確率メトリックが前記第1の閾値以上であり、かつ前記第2の閾値未満である場合、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、前記1つ以上のプロセッサによって特定するための命令
をさらに含む、請求項85~88のいずれか一項に記載の装置。
【請求項90】
前記バリアント特異的モデルが、前記1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることによって生成される、請求項85~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項91】
前記確率分布が二項分布である、請求項90に記載の装置。
【請求項92】
前記確率メトリックが、前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、前記第2の数が、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である、請求項85~91のいずれか一項に記載の装置。
【請求項93】
前記バリアント特異的モデルが、前記バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数に関連する、請求項85~92のいずれか一項に記載の装置。
【請求項94】
前記1つ以上のノイズ源が、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項93に記載の装置。
【請求項95】
前記バリアント特異的モデルが、前記バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する、請求項85~94のいずれか一項に記載の装置。
【請求項96】
前記1以上の関数が、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項95に記載の装置。
【請求項97】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアにより、前記配列決定リードが前記参照配列よりも前記バリアント配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが前記遺伝的バリアントを有すると分類される、請求項85~96のいずれか一項に記載の装置。
【請求項98】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアにより、前記配列決定リードが前記バリアント配列よりも前記参照配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが前記遺伝的バリアントを有しないと分類される、請求項85~97のいずれか一項に記載の装置。
【請求項99】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードが前記確定的でないリードとして分類される、請求項85~98のいずれか一項に記載の装置。
【請求項100】
前記第1の閾値が、前記バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される、請求項85~99のいずれか一項に記載の装置。
【請求項101】
前記第1の閾値または前記第2の閾値の少なくとも一方が、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される、請求項85~100のいずれか一項に記載の装置。
【請求項102】
前記第1の閾値が、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される、請求項85~101のいずれか一項に記載の装置。
【請求項103】
前記第2の閾値が、前記バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、前記遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される、請求項85~102のいずれか一項に記載の装置。
【請求項104】
前記参照配列および前記バリアント配列が、前記バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む、請求項85~103のいずれか一項に記載の装置。
【請求項105】
前記5’フランキング領域および前記3’フランキング領域が、それぞれ、約5塩基長~約5000塩基長である、請求項104に記載の装置。
【請求項106】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプルから前記バリアント配列を生成するための命令をさらに含む、請求項85~105のいずれか一項に記載の装置。
【請求項107】
前記バリアント配列を生成する工程が、
前記サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを前記複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
前記複数の核酸分子から前記1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
前記増幅された核酸分子から前記増幅された核酸分子を捕捉する工程;および
シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、前記複数の配列決定リードの1つ以上が前記遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程
を含む、請求項106に記載の装置。
【請求項108】
前記参照配列および前記バリアント配列が、前記遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である、請求項85~107のいずれか一項に記載の装置。
【請求項109】
前記1つ以上のプログラムが、前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および前記遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、前記遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定するための命令をさらに含む、請求項85~108のいずれか一項に記載の装置。
【請求項110】
前記1つ以上のプログラムが、
前記1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについて前記サンプルに関連する配列決定リードを分類し;
第2のバリアント特異的モデル、前記第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および前記第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定し;ならびに
前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較し、前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックが前記第3の閾値未満である場合、前記サンプル中の前記第2の遺伝的バリアントの存在を同定する
ための命令をさらに含む、請求項85~109のいずれか一項に記載の装置。
【請求項111】
前記第2の遺伝的バリアントが、前記1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する、請求項110に記載の装置。
【請求項112】
前記1つ以上のプログラムが、前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックを第4の閾値と比較し;
決定された確率メトリックが前記第4の閾値以上である場合、前記サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定する命令を含み、
前記決定された確率メトリックが前記第3の閾値以上であり、かつ前記第4の閾値未満である場合に、前記サンプル中の前記第2の遺伝的バリアントの存在または非存在が確定的ではない、請求項111に記載の装置。
【請求項113】
前記1つ以上のプログラムが、前記対象の疾患状態を決定するための命令をさらに含む、請求項85~112のいずれか一項に記載の装置。
【請求項114】
前記疾患状態が、前記サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である、請求項113に記載の装置。
【請求項115】
前記疾患状態がcfDNAの最大の体細胞対立遺伝子割合である、請求項114に記載の装置。
【請求項116】
前記疾患状態が、前記対象における癌の再発、前記対象における治療法に抵抗性の癌の存在、または特定の治療法によって処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む、請求項114に記載の装置。
【請求項117】
前記サンプルがcfDNAを含む、請求項85~116のいずれか一項に記載の装置。
【請求項118】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアが、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される、請求項85~117のいずれか一項に記載の装置。
【請求項119】
前記配列アライメントアルゴリズムが、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つである、請求項118に記載の装置。
【請求項120】
前記遺伝的バリアントが、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む、請求項85~119のいずれか一項に記載の装置。
【請求項121】
前記バリアントパネルが、前記対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される、請求項85~120のいずれか一項に記載の装置。
【請求項122】
前記対象が、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている、請求項121に記載の装置。
【請求項123】
前記疾患が癌である、請求項122に記載の装置。
【請求項124】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプルを使用して決定された前記対象の疾患状態と、前記以前のサンプルに基づく前記対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて前記処置を調整するための命令をさらに含む、請求項121または122に記載の装置。
【請求項125】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプル中の核酸分子を配列決定することによって前記1つ以上の配列決定リードを生成するための命令をさらに含む、請求項85~124のいずれか一項に記載の装置。
【請求項126】
前記バリアントが体細胞変異である、請求項85~125のいずれか一項に記載の装置。
【請求項127】
前記バリアントが生殖細胞系列変異である、請求項85~126のいずれか一項に記載の装置。
【請求項128】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプルに関連する診断値として前記サンプルの前記遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用するための命令をさらに含む、請求項85~127のいずれか一項に記載の装置。
【請求項129】
前記1つ以上のプログラムが、前記遺伝的バリアントの存在に基づいて前記対象のゲノムプロファイルを生成するための命令をさらに含む、請求項85~128のいずれか一項に記載の装置。
【請求項130】
前記生成されたゲノムプロファイルに基づいて、前記対象に抗癌剤を投与するか、または抗癌処置を適用するための命令をさらに含む、請求項129に記載の装置。
【請求項131】
前記サンプルの前記遺伝的バリアントの存在が、前記対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される、請求項85~130のいずれか一項に記載の装置。
【請求項132】
前記サンプルの遺伝的バリアントの存在が、前記対象のための提案される処置を決定する際に使用される、請求項85~131のいずれか一項に記載の装置。
【請求項133】
前記サンプルの遺伝的バリアントの存在が、前記対象に処置を適用または投与する際に使用される、請求項85~132のいずれか一項に記載の装置。
【請求項134】
1つ以上のプログラムを記憶している非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記1つ以上のプログラムは、命令を含み、前記命令は、電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、
1つ以上のバリアントからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択すること;
バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを取得すること;
各配列決定リードを、前記遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、前記複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成すること;
各配列決定リードを、前記遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、前記複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成すること;
前記複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアに基づいて、前記遺伝的バリアントを有すること、前記遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類すること;
前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定すること;
バリアント特異的モデルおよび標識された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定すること;ならびに
前記決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在を特定すること
を前記デバイスに行わせる、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項135】
前記バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、請求項134に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項136】
前記第1の閾値が遺伝子座特異的およびバリアント特異的である、請求項134または請求項135に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項137】
前記確率メトリックが、ノイズではなく前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在に起因して前記遺伝的バリアントが検出される可能性を示す統計値である、請求項134~136のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項138】
前記1つ以上のプログラムが、
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記決定された確率メトリックを第2の閾値と比較するための命令、および
前記決定された確率メトリックが前記第2の閾値以上である場合、前記サンプル中に前記遺伝的バリアントが存在しないことを、前記1つ以上のプロセッサによって特定するための命令;または
前記決定された確率メトリックが前記第1の閾値以上であり、かつ前記第2の閾値未満である場合、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、前記1つ以上のプロセッサによって特定するための命令
をさらに含む、請求項134~137のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項139】
前記バリアント特異的モデルが、前記1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることを含む、請求項134~138のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項140】
前記確率分布が二項分布である、請求項139に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項141】
前記確率メトリックが、前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、前記第2の数が、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である、請求項134~140のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項142】
前記バリアント特異的モデルが、前記バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおける1つ以上のノイズ源に関連する1つ以上の関数に関連する、請求項134~141のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項143】
前記1つ以上のノイズ源が、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項142に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項144】
前記バリアント特異的モデルが、前記バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する、請求項134~143のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項145】
前記1以上の関数が、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項144に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項146】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアにより、前記配列決定リードが前記参照配列よりも前記バリアント配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが前記遺伝的バリアントを有すると分類される、請求項134~145のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項147】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアにより、前記配列決定リードが前記バリアント配列よりも前記参照配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが前記遺伝的バリアントを有しないと分類される、請求項134~146のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項148】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードが前記確定的でないリードとして分類される、請求項134~147のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項149】
前記第1の閾値が、前記バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される、請求項134~148のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項150】
前記第1の閾値または前記第2の閾値の少なくとも一方が、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される、請求項134~149のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項151】
前記第1の閾値が、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される、請求項134~150のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項152】
前記第2の閾値が、前記バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、前記遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される、請求項150に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項153】
前記参照配列および前記バリアント配列が、前記バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む、請求項134~152のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項154】
前記5’フランキング領域および前記3’フランキング領域が、それぞれ、約5塩基長~約5000塩基長である、請求項153に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項155】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプルから前記バリアント配列を生成するための命令をさらに含む、請求項134~154のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項156】
前記バリアント配列を生成する工程が;
前記サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを前記複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
前記複数の核酸分子から前記1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
前記増幅された核酸分子から前記増幅された核酸分子を捕捉する工程;および
シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、前記複数の配列決定リードの1つ以上が前記遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、前記捕捉された核酸分子を配列決定して、前記核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程
を含む、請求項155に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項157】
前記参照配列および前記バリアント配列が、前記遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である、請求項134~156のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項158】
前記1つ以上のプログラムが、前記遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および前記遺伝的バリアントを有しないと標識された配列決定リードの数を使用して、前記遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定するための命令をさらに含む、請求項134~157のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項159】
前記1つ以上のプログラムが、
前記1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについて前記サンプルに関連する配列決定リードを分類し;
第2のバリアント特異的モデル、前記第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および前記第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定し;ならびに
前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較し、前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックが前記第3の閾値未満である場合、前記サンプル中の前記第2の遺伝的バリアントの存在を同定する
ための命令をさらに含む、請求項134~158のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項160】
前記第2の遺伝的バリアントが、前記1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する、請求項159に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項161】
前記1つ以上のプログラムが、
前記第2の遺伝的バリアントについての前記決定された確率メトリックを第4の閾値と比較し;
決定された確率メトリックが前記第4の閾値以上である場合、前記サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定するための命令を含み、
前記決定された確率メトリックが前記第3の閾値以上であり、かつ前記第4の閾値未満である場合、前記サンプル中の前記第2の遺伝的バリアントの存在または非存在が確定的ではない、請求項160に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項162】
前記1つ以上のプログラムが、前記対象の疾患状態を決定するための命令をさらに含む、請求項134~161のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項163】
前記疾患状態が、前記サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である、請求項162に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項164】
前記疾患状態がcfDNAの最大の体細胞対立遺伝子割合である、請求項163に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項165】
前記疾患状態が、前記対象における癌の再発、前記患者における治療法に抵抗性の癌の存在、または特定の治療法によって処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む、請求項163に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項166】
前記サンプルがcfDNAを含む、請求項134~165のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項167】
前記参照マッチスコアおよび前記バリアントマッチスコアが、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される、請求項134~166のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項168】
前記配列アライメントアルゴリズムが、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つである、請求項167に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項169】
前記遺伝的バリアントが、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む、請求項134~168のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項170】
前記バリアントパネルが、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される、請求項134~169のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項171】
前記対象が、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている、請求項170に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項172】
前記疾患が癌である、請求項171に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項173】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプルを使用して決定された前記対象の疾患状態と、前記以前のサンプルに基づく前記対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて前記処置を調整するための命令をさらに含む、請求項170または171に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項174】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプル中の核酸分子を配列決定することによって前記1つ以上の配列決定リードを生成するための命令をさらに含む、請求項134~173のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項175】
前記バリアントが体細胞変異である、請求項134~174のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項176】
前記バリアントが生殖細胞系列変異である、請求項134~175のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項177】
前記1つ以上のプログラムが、前記サンプルに関連する診断値として前記サンプルの前記遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用するための命令をさらに含む、請求項134~176のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項178】
前記1つ以上のプログラムが、前記遺伝的バリアントの存在に基づいて前記対象のゲノムプロファイルを生成するための命令をさらに含む、請求項134~177のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項179】
前記1つ以上のプログラムが、前記生成されたゲノムプロファイルに基づいて、前記対象に抗癌剤を投与するか、または抗癌処置を適用するための命令をさらに含む、請求項178に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項180】
前記サンプルの前記遺伝的バリアントの存在が、前記対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される、請求項134~179のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項181】
前記サンプルの遺伝的バリアントの存在が、前記対象のための提案される処置を決定する際に使用される、請求項134~180のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項182】
前記サンプルの遺伝的バリアントの存在が、前記対象に処置を適用または投与する際に使用される、請求項134~181のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項183】
コンピュータシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に結合されたメモリであって、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1~86のいずれか一項に記載の方法を実行させるための命令を記憶するように構成されたメモリと
を備える、コンピュータシステム。
【請求項184】
前記複数の配列決定リードが、100~3,000個の遺伝子座、200~2,800個の遺伝子座、300~2,600個の遺伝子座、400~2,400個の遺伝子座、500~2,200個の遺伝子座、600~2,000個の遺伝子座、700~1,800個の遺伝子座、800~1,600個の遺伝子座、900~1,400個の遺伝子座、1,000~1,200個の遺伝子座、400~1,000個の遺伝子座、400~1,200個の遺伝子座、400~1,400個の遺伝子座、400~1,600個の遺伝子座、400~1,800個の遺伝子座、400~2,000個の遺伝子座、400~2,200個の遺伝子座、400~2,400個の遺伝子座、400~2,600個の遺伝子座、400~2,800個の遺伝子座、400~3,000個の遺伝子座、600~1,000個の遺伝子座、600~1,200個の遺伝子座、600~1,400個の遺伝子座、600~1,600個の遺伝子座、600~1,800個の遺伝子座、600~2,000個の遺伝子座、600~2,200個の遺伝子座、600~2,400個の遺伝子座、600~2,600個の遺伝子座、600~2,800個の遺伝子座、600~3,000個の遺伝子座、800~1,000個の遺伝子座、800~1,200個の遺伝子座、800~1,400個の遺伝子座、800~1,600個の遺伝子座、800~1,800個の遺伝子座、800~2,000個の遺伝子座、800~2,200個の遺伝子座、800~2,400個の遺伝子座、800~2,600個の遺伝子座、800~2,800個の遺伝子座、800~3,000個の遺伝子座、1,000~1,200個の遺伝子座、1,000~1,400個の遺伝子座、1,000~1,600個の遺伝子座、1,000~1,800個の遺伝子座、1,000~2,000個の遺伝子座、1,000~2,200個の遺伝子座、1,000~2,400個の遺伝子座、1,000~2,600個の遺伝子座、1,000~2,800個の遺伝子座、1,000~3,000個の遺伝子座、1,200~1,400個の遺伝子座、1,200~1,600個の遺伝子座、1,200~1,800個の遺伝子座、1,200~2,000個の遺伝子座、1,200~2,200個の遺伝子座、1,200~2,400個の遺伝子座、1,200~2,600個の遺伝子座、1,200~2,800個の遺伝子座、1,200~3,000個の遺伝子座、1,400~1,600個の遺伝子座、1,400~1,800個の遺伝子座、1,400~2,000個の遺伝子座、1,400~2,200個の遺伝子座、1,400~2,400個の遺伝子座、1,400~2,600個の遺伝子座、1,400~2,800個の遺伝子座、1,400~3,000個の遺伝子座、1,600~1,800個の遺伝子座、1,600~2,000個の遺伝子座、1,600~2,200個の遺伝子座、1,600~2,400個の遺伝子座、1,600~2,600個の遺伝子座、1,600~2,800個の遺伝子座、1,600~3,000個の遺伝子座、1,800~2,000個の遺伝子座、1,800~2,200個の遺伝子座、1,800~2,400個の遺伝子座、1,800~2,600個の遺伝子座、1,800~2,800個の遺伝子座、1,800~3,000個の遺伝子座、2,000~2,200個の遺伝子座、2,000~2,400個の遺伝子座、2,000~2,600個の遺伝子座、2,000~2,800個の遺伝子座、2,000~3,000個の遺伝子座、2,200~2,400個の遺伝子座、2,200~2,600個の遺伝子座、2,200~2,800個の遺伝子座、2,200~3,000個の遺伝子座、2,400~2,600個の遺伝子座、2,400~2,800個の遺伝子座、2,400~3,000個の遺伝子座、2,600~2,800個の遺伝子座、2,600~3,000個の遺伝子座、または2,800~3,000個の遺伝子座を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項185】
最小カバレッジ要件が、少なくとも75倍、100倍、150倍、150倍、200倍、または250倍である、請求項1~22または184のいずれか一項に記載の方法。
【請求項186】
オンラインポータルを介して前記報告を含むユーザインタフェースを表示する工程をさらに含む、請求項1~22または請求項184~185のいずれか一項に記載の方法。
【請求項187】
モバイルデバイスを介して前記報告を含むユーザインターフェースを表示することをさらに含む、請求項1~22または請求項184~186のいずれか一項に記載の方法。
【請求項188】
前記癌が、B細胞癌(多発性骨髄腫)、黒色腫、乳癌、肺癌、気管支癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、膀胱癌、脳癌、中枢神経系癌、末梢神経系癌、食道癌、子宮頸癌、子宮頸部癌、子宮内膜癌、口腔の癌、咽頭の癌、肝臓癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸癌、虫垂癌、唾液腺癌、甲状腺癌、副腎癌、骨肉腫、軟骨肉腫、血液組織の癌、腺癌、炎症性筋線維芽細胞腫、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、真性赤血球増加症、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ血管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮癌、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体細胞腫、血管芽細胞腫、聴神経芽腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、胃癌、頭頸部癌、小細胞癌、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍である、請求項61に記載の方法。
【請求項189】
前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在に基づいて、前記対象に投与する癌療法を選択することをさらに含む、請求項23~72または188のいずれか一項に記載の方法。
【請求項190】
前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在に基づいて、前記対象に投与するための癌療法の有効量を決定することをさらに含む、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在に基づいて前記癌療法を前記対象に投与することをさらに含む、請求項189または190に記載の方法。
【請求項192】
前記癌療法が、化学療法、放射線療法、免疫療法、手術、またはサンプル中の遺伝的バリアントの存在を標的とするように構成された療法を含む、請求項189または190に記載の方法。
【請求項193】
癌療法を選択する方法であって、
対象からのサンプル中の前記遺伝的バリアントの存在の決定に応答して、前記対象についての癌療法を選択する工程であって、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在が、請求項23~72または188~192のいずれか一項に記載の方法に従って決定される、前記対象についての癌療法を選択する工程を含む、方法。
【請求項194】
対象の癌を処置する方法であって、
前記対象からのサンプル中の前記遺伝的バリアントの存在を決定することに応答して、有効量の癌療法を前記対象に投与する工程
を含み、前記サンプル中の前記遺伝的バリアントの存在が、請求項23~72または188~192のいずれか一項に記載の方法に従って決定される、方法。
【請求項195】
対象における腫瘍の進行または再発を監視する方法であって、
請求項23~72または請求項188~192のいずれか一項に記載の方法に従って、第1の時点で前記対象から得られた第1のサンプル中の前記遺伝的バリアントの第1の存在を決定する工程;
第2の時点で前記対象から得られた第2のサンプル中の前記遺伝的バリアントの第2の存在を決定する工程;および
前記遺伝的バリアントの前記第1の存在を前記遺伝的バリアントの前記第2の存在と比較することによって、前記腫瘍の進行または再発を監視する工程
を含む、方法。
【請求項196】
前記第2のサンプルについての前記遺伝的バリアントの第2の存在が、請求項23~72または188~192のいずれか一項に記載の方法に従って決定される、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
前記腫瘍の進行に応答して腫瘍療法を調整することをさらに含む、請求項195または196に記載の方法。
【請求項198】
前記腫瘍の進行に応答して、前記腫瘍療法の投与量を調整すること、または種々の腫瘍療法を選択することをさらに含む、請求項195~197のいずれか一項に記載の方法。
【請求項199】
前記調整された腫瘍療法を前記対象に投与することをさらに含む、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
前記第1の時点が、前記対象が腫瘍療法を実施される前であり、前記第2の時点が、前記対象が前記腫瘍療法を実施された後である、請求項195~199のいずれか一項に記載の方法。
【請求項201】
前記対象が、癌を有するか、癌を有するリスクがあるか、癌について日常的に検査されているか、または癌を有する疑いがある、請求項195~200のいずれか一項に記載の方法。
【請求項202】
前記癌が固形腫瘍である、請求項195~201のいずれか一項に記載の方法。
【請求項203】
前記癌が血液癌である、請求項195~202のいずれか一項に記載の方法。
【請求項204】
前記対象の前記ゲノムプロファイルが、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)試験、遺伝子発現プロファイリング試験、癌ホットスポットパネル試験、DNAメチル化試験、DNA断片化試験、RNA断片化試験、またはそれらの任意の組み合わせからの結果をさらに含む、請求項69に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月23日に出願された米国仮特許出願第63/225,397号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
バリアントを同定するための方法およびシステム、試験サンプル中のバリアント頻度を決定するための方法およびシステム、疾患進行(癌進行など)を監視する方法および疾患(癌など)を有する対象を処置する方法が本明細書に記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
ゲノム試験は、癌のより良い理解を発展させ、より効果的な処置アプローチを管理することに向けて大きな有望性を示している。ゲノム試験は、患者の生物学的サンプル(癌細胞または癌細胞の無細胞核酸産物を含有し得る)中のゲノムまたはその一部の配列決定、および参照遺伝子配列に対するサンプル中の任意の遺伝的バリアント(例えば、腫瘍に関連し得る突然変異)の同定を含む。遺伝的バリアントは、例えば、挿入、欠失、置換、再編成、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。特定の患者の癌に見られるこれらの遺伝的バリアント(例えば、変異)を同定して理解することはまた、より良い治療法を開発するのに役立ち、ゲノム情報を使用して特定の癌バリアントを処置するための最良のアプローチを識別する(または無効なアプローチを除外する)のに役立ち得る。
【0004】
一般に、生物学的サンプルは、その中に含まれるDNAを抽出および単離することを最終目的として、様々な可能な技術を用いて検査室において処理される。その単離されたDNAが配列決定され、患者サンプルからのDNAのデータ構造表現(電子的とし得る)をもたらす。多くの場合、そのデータ構造表現は、数千またはそれ以上の「リード」の形式である(例えば、数万、数十万、数百万、数千万、または数億リード)。単一のリードは、一般に、患者のDNAの比較的短い(例えば、50~150塩基)部分配列を含む。対照的に、ヒトゲノム全体は、約30億塩基長であり、本出願の目的のための関心部分領域は、数万塩基長とし得る。
【0005】
癌およびクローン性造血などの疾患は、患者から採取されたサンプル中の核酸分子間のバリアント頻度を決定することによって、患者において監視または決定し得る。癌の重症度は、一般に、腫瘍ゲノム内のバリアントの数またはそれらのバリアントがサンプル中に現れる相対頻度と相関する。例えば、無細胞DNAは、一般に、ゲノムDNAと循環腫瘍DNAとの混合物である。癌の重症度が増すにつれて、無細胞DNAの大部分が癌に起因すると考えられる。腫瘍ゲノムを示すバリアントの相対頻度を追跡することによって、疾患の進行が監視され得る。
【0006】
バリアントコーリングプロセスは、一般に、陽性バリアントコーリングが行われる前に、閾値数の配列決定リードがバリアントを有していると同定されることを必要とする。十分な数の配列決定リードを検出することには、多くの場合、かなりの配列決定深度が必要とされ、これは、限られた量の疾患関連核酸しか入手できない場合には不可能であることがある。検出の限界が低く、疾患の進行を追跡するために使用し得る効率的なバリアントコーリングプロセスが依然として必要とされている。
【0007】
バリアントコーリングプロセスには、バリアントコーリングプロセスにおける配列決定およびアライメントプロセス中に配列決定リードに導入されるノイズが含まれる場合がある。配列決定データに関連する潜在的な誤差の結果として、バリアントがサンプルデータ中に存在しない場合、配列決定リードは代替(例えば、バリアント)として誤って識別されることがある。すなわち、これらの誤差は偽陽性をもたらす可能性があり、実際にはバリアントが配列決定リードに存在しない場合、配列決定リードはバリアントとして同定される。したがってノイズを考慮して精度を向上させ得る、高い検出限界を必要としないバリアントコーリング方法を実装する必要が依然としてある。
【発明の概要】
【0008】
発明の簡単な概要
遺伝的バリアントを検出し、対象からのサンプル中のバリアント対立遺伝子頻度を決定する方法が本明細書に記載される。疾患の進行を監視する方法および疾患を有する対象を処置する方法も本明細書に記載される。そのような方法を実行するための電子デバイスおよびシステムがさらに記載される。
【0009】
対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定する例示的な方法は、サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程、1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程、複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程、増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程、1つ以上のプロセッサを使用して、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成する工程、1つ以上のプロセッサを使用して、遺伝的バリアントを含むバリアント配列に各配列決定リードをアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成する工程、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上のプロセッサを使用して、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードのうちの少なくとも1つとして分類する工程、1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列決定リードの中に遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定する工程、1つ以上のプロセッサを使用して、バリアント特異的モデルに基づく確率メトリック、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および分類された配列決定リードの総数を決定する工程;ならびに決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサを使用して、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定する工程を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは遺伝子座特異的である。いくつかの実施形態では、第1の閾値は遺伝子座特異的であり、バリアント特異的である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較する工程、決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定する工程、または決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定する工程を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、対象は、癌の疑いがあるか、または癌を有すると決定される。いくつかの実施形態では、方法は、対象から組織サンプルを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織生検サンプル、液体生検サンプル、または正常対照を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、液体生検サンプルであり、かつ血液、血漿、脳脊髄液、痰、便、尿、または唾液を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは液体生検サンプルであり、かつ無細胞DNA(cfDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、腫瘍核酸分子と非腫瘍核酸分子との混合物を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍核酸分子は、不均質組織生検サンプルの腫瘍部分に由来し、かつ非腫瘍核酸分子は、不均質組織生検サンプルの正常部分に由来する。
【0012】
いくつかの実施形態では、サンプルは、液体生検サンプルを含み、腫瘍核酸分子は、液体生検サンプルの循環腫瘍DNA(ctDNA)画分に由来し、非腫瘍核酸分子は液体生検サンプルの非腫瘍無細胞DNA(cfDNA)画分に由来する。いくつかの実施形態では、1つ以上のアダプターは、増幅プライマー、フローセルアダプター配列、基質アダプター配列、またはサンプルインデックス配列を含む。いくつかの実施形態では、捕捉された核酸分子は、1つ以上のベイト分子へのハイブリダイゼーションによって増幅された核酸分子から捕捉される。いくつかの実施形態では、1つ以上のベイト分子が、1つ以上の核酸分子を含み、各核酸分子が、捕捉された核酸分子の領域に相補的な領域を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子を増幅することは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅技術、非PCR増幅技術、または等温増幅技術を実施することを含む。いくつかの実施形態では、配列決定は、次世代配列決定(NGS)技術、全ゲノム配列決定(WGS)、全エクソーム配列決定、標的配列決定、直接配列決定、またはサンガー配列決定技術の使用を含む。いくつかの実施形態では、配列決定は、次世代シーケンサーを含む。いくつかの例では、少なくとも75倍、100倍、150倍、150倍、200倍または250倍の最小配列決定カバレッジが必要とされる。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数の配列決定リードは、100~3,000個の遺伝子座、200~2,800個の遺伝子座、300~2,600個の遺伝子座、400~2,400個の遺伝子座、500~2,200個の遺伝子座、600~2,000個の遺伝子座、700~1,800個の遺伝子座、800~1,600個の遺伝子座、900~1,400個の遺伝子座、1,000~1,200個の遺伝子座、400~1,000個の遺伝子座、400~1,200個の遺伝子座、400~1,400個の遺伝子座、400~1,600個の遺伝子座、400~1,800個の遺伝子座、400~2,000個の遺伝子座、400~2,200個の遺伝子座、400~2,400個の遺伝子座、400~2,600個の遺伝子座、400~2,800個の遺伝子座、400~3,000個の遺伝子座、600~1,000個の遺伝子座、600~1,200個の遺伝子座、600~1,400個の遺伝子座、600~1,600個の遺伝子座、600~1,800個の遺伝子座、600~2,000個の遺伝子座、600~2,200個の遺伝子座、600~2,400個の遺伝子座、600~2,600個の遺伝子座、600~2,800個の遺伝子座、600~3,000個の遺伝子座、800~1,000個の遺伝子座、800~1,200個の遺伝子座、800~1,400個の遺伝子座、800~1,600個の遺伝子座、800~1,800個の遺伝子座、800~2,000個の遺伝子座、800~2,200個の遺伝子座、800~2,400個の遺伝子座、800~2,600個の遺伝子座、800~2,800個の遺伝子座、800~3,000個の遺伝子座、1,000~1,200個の遺伝子座、1,000~1,400個の遺伝子座、1,000~1,600個の遺伝子座、1,000~1,800個の遺伝子座、1,000~2,000個の遺伝子座、1,000~2,200個の遺伝子座、1,000~2,400個の遺伝子座、1,000~2,600個の遺伝子座、1,000~2,800個の遺伝子座、1,000~3,000個の遺伝子座、1,200~1,400個の遺伝子座、1,200~1,600個の遺伝子座、1,200~1,800個の遺伝子座、1,200~2,000個の遺伝子座、1,200~2,200個の遺伝子座、1,200~2,400個の遺伝子座、1,200~2,600個の遺伝子座、1,200~2,800個の遺伝子座、1,200~3,000個の遺伝子座、1,400~1,600個の遺伝子座、1,400~1,800個の遺伝子座、1,400~2,000個の遺伝子座、1,400~2,200個の遺伝子座、1,400~2,400個の遺伝子座、1,400~2,600個の遺伝子座、1,400~2,800個の遺伝子座、1,400~3,000個の遺伝子座、1,600~1,800個の遺伝子座、1,600~2,000個の遺伝子座、1,600~2,200個の遺伝子座、1,600~2,400個の遺伝子座、1,600~2,600個の遺伝子座、1,600~2,800個の遺伝子座、1,600~3,000個の遺伝子座、1,800~2,000個の遺伝子座、1,800~2,200個の遺伝子座、1,800~2,400個の遺伝子座、1,800~2,600個の遺伝子座、1,800~2,800個の遺伝子座、1,800~3,000個の遺伝子座、2,000~2,200個の遺伝子座、2,000~2,400個の遺伝子座、2,000~2,600個の遺伝子座、2,000~2,800個の遺伝子座、2,000~3,000個の遺伝子座、2,200~2,400個の遺伝子座、2,200~2,600個の遺伝子座、2,200~2,800個の遺伝子座、2,200~3,000個の遺伝子座、2,400~2,600個の遺伝子座、2,400~2,800個の遺伝子座、2,400~3,000個の遺伝子座、2,600~2,800個の遺伝子座、2,600~3,000個の遺伝子座、または2,800~3,000個の遺伝子座を含む
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上のプロセッサによって、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を示す報告を生成する工程をさらに含む。いくつかの例では、報告は、本明細書に記載の方法からの出力を含む。いくつかの実施形態では、報告は、コンピュータネットワークまたはピアツーピア接続を介してインターネットにより、例えばヘルスケア提供者に送信される。いくつかの例では、本方法は、表示装置のデータフィールドに報告を表示する工程をさらに含む。いくつかの例では、本方法は、オンラインポータルを介して本方法からの報告または出力を含むユーザインターフェースを表示する工程をさらに含む。いくつかの例では、本方法は、モバイルデバイスを介して本方法からのレポートまたは出力を含むユーザインターフェースを表示する工程をさらに含む。
【0015】
対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出する例示的な方法は、サンプルに関連する複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードのうちの1つ以上が遺伝的バリアントに関連するバリアント遺伝子座と重複する、サンプルに関連する複数の配列決定リードを得る工程、1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについての参照マッチスコアを生成する工程、1つ以上のプロセッサによって、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについてのバリアントマッチスコアを生成する工程、1つ以上のプロセッサによって、複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類する工程、1つ以上のプロセッサによって、複数の配列決定リード中に遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定する工程、1つ以上のプロセッサによって、バリアント特異的モデル、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および分類された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定する工程;ならびに決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサによって、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定する工程を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは遺伝子座特異的である。いくつかの実施形態では、第1の閾値は遺伝子座特異的であり、バリアント特異的である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性と関連する。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較する工程、決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定する工程、または決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定する工程を含む。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることによって生成される。いくつかの実施形態では、確率分布は二項分布である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、第2の数は、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上のノイズ源は、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上の関数は、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードは遺伝的バリアントを有すると分類される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードは遺伝的バリアントを有しないと分類される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードは確定的でないリードとして分類される。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の閾値は、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される。いくつかの実施形態では、第1の閾値または第2の閾値の少なくとも一方は、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される。いくつかの実施形態では、第1の閾値は、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される。いくつかの実施形態では、第2の閾値は、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される。
【0019】
いくつかの実施形態では、参照配列およびバリアント配列は、バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む。いくつかの実施形態では、5’フランキング領域および3’フランキング領域は、それぞれ、約5塩基長から約5000塩基長である。いくつかの実施形態では、本方法は、サンプルからバリアント配列を生成することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、バリアント配列を生成する工程は、サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程、1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程、複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程、増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程を含む。いくつかの実施形態では、参照配列およびバリアント配列は、遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについてサンプルに関連する配列決定リードを分類する工程、第2のバリアント特異的モデル、第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定する工程、ならびに第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較する工程であって、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックが第3の閾値未満である場合に、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在が同定される、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の遺伝的バリアントは、1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する。いくつかの実施形態では、本方法は、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを第4の閾値と比較する工程、決定された確率メトリックが第4の閾値以上である場合、サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定する工程を含み、決定された確率メトリックが第3の閾値以上であり、かつ第4の閾値未満である場合に、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在または非存在は確定的ではない。
【0022】
いくつかの実施形態では、対象の疾患状態を決定することを含む。いくつかの実施形態では、疾患状態が、サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である。いくつかの実施形態では、疾患状態は、cfDNAの最大体細胞対立遺伝子画分である。いくつかの実施形態では、疾患状態は、対象における癌の再発、対象における処置様式に抵抗性の癌の存在、または特定の処置様式で処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、cfDNAを含む。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、配列アライメントアルゴリズムは、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つであるいくつかの実施形態では、遺伝的バリアントは、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む。いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される
【0023】
いくつかの実施形態では、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている。いくつかの実施形態では、疾患は癌である。いくつかの実施形態では、癌は、B細胞癌(多発性骨髄腫)、黒色腫、乳癌、肺癌、気管支癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、膀胱癌、脳癌、中枢神経系癌、末梢神経系癌、食道癌、子宮頸癌、子宮頸部癌、子宮内膜癌、口腔の癌、咽頭の癌、肝臓癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸癌、虫垂癌、唾液腺癌、甲状腺癌、副腎癌、骨肉腫、軟骨肉腫、血液組織の癌、腺癌、炎症性筋線維芽細胞腫、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、真性赤血球増加症、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ血管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮癌、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体細胞腫、血管芽細胞腫、聴神経芽腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、胃癌、頭頸部癌、小細胞癌、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍である。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、サンプルを使用して決定された対象の疾患状態と以前のサンプルに基づく対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて処置を調整することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、サンプル中の核酸分子を配列決定することによって1つ以上の配列決定リードを生成することを含む。いくつかの実施形態では、バリアントは体細胞変異である。いくつかの実施形態では、バリアントは生殖細胞系列変異である。
【0025】
いくつかの実施形態では、サンプルに関連する診断値としてサンプルの遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアント中の決定された存在は、対象のための提案される処置を決定する際に使用される。例えば、例えば、サンプル中の遺伝的バリアントの決定された存在は、抗癌剤(または抗癌療法、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然産物およびホルモンを含むがこれらに限定されない、悪性または癌性疾患の処置に有効な任意の薬物)、化学療法、放射線療法、免疫療法、手術、または遺伝的バリアントの存在を標的とするように構成された療法を提案する際に使用され得る。
【0026】
いくつかの例では、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を決定するための開示された方法は、特定の疾患、例えば癌の検出、監視、危険因子の予測、または処置の選択の一部として、対象に由来するサンプル中の1つ以上の遺伝子座におけるバリアント配列の存在の同定を含むゲノムプロファイリングのプロセスの一部として実施され得る。いくつかの例では、ゲノムプロファイリングのために選択されるバリアントパネルは、選択された遺伝子座セットにおけるバリアント配列の検出を含み得る。いくつかの例では、ゲノムプロファイリングのために選択されるバリアントパネルは、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)、単一のアッセイで数百の遺伝子(関連する癌バイオマーカーを含む)を評価するために使用される次世代配列決定(NGS)アプローチを介して、いくつかの遺伝子座でのバリアント配列の検出を含み得る。ゲノムプロファイリングのプロセスの一部としてサンプル中の遺伝的バリアントの存在を決定するための開示された方法を含めることにより、例えば所与の患者サンプル中の遺伝的バリアントの存在を独立して確認することによって、ゲノムプロファイリングに基づいて行われる、例えば疾患検出コールの有効性を改善し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントの存在に基づいて対象のゲノムプロファイルを生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、生成されたゲノムプロファイルに基づいて、対象に対して、抗癌剤を投与すること、または抗癌処置を適用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象のための提案される処置を決定する際に使用される。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象に処置を適用または投与する際に使用される。
【0028】
いくつかの例では、対象のゲノムプロファイルは、対象のゲノムプロファイルが、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)試験、核酸配列決定に基づく試験、遺伝子発現プロファイリング試験、癌ホットスポットパネル試験、DNAメチル化試験、DNA断片化試験、RNA断片化試験、またはそれらの任意の組み合わせからの結果をさらに含む。いくつかの例では、いくつかの例では、ゲノムプロファイルは、個人のゲノムおよび/またはプロテオームにおける遺伝子(またはそのバリアント配列)、コピー数変異、エピジェネティック形質、タンパク質(またはその改変)、および/または他のバイオマーカーの存在に関する情報、ならびに個人の対応する表現型形質、ならびに遺伝的またはゲノム形質、表現型形質、および環境因子の間の相互作用に関する情報を含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、対象からのサンプルにおける疾患状態を検出するための例示的な方法は、複数の配列決定リードを生成するために対象から取得されたサンプル中の核酸分子を配列決定すること、および本明細書中に記載される方法に従ってサンプル中のバリアント対立遺伝子頻度を決定する遺伝的バリアントを検出することを含む。いくつかの実施形態では、疾患の進行または再発を監視する例示的な方法は、疾患を有する対象から取得された第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して配列決定リードの第1のセットを生成する工程、対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程、第1のサンプルよりも遅い時点で対象から取得した第2のサンプル中の核酸分子を配列決定して、第2のセットの配列決定リードを生成する工程;および本明細書記載の方法に従って、配列決定リードの第2のセットを使用して、遺伝的バリアントを検出するか、または配列決定リードの第2のセットを使用して、バリアント対立遺伝子頻度を決定する工程を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のサンプルが対象から取得された後、かつ第2のサンプルが対象から取得される前に、疾患療法を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、バリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの第1のセットにおける配列決定リードの数に基づいて第1の疾患状態を決定すること;およびバリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの第2のセットにおける配列決定リードの数に基づいて第2の疾患状態を決定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1のサンプルが対象から取得された後、かつ第2のサンプルが対象から取得される前に、疾患療法を対象に投与すること、および決定された疾患進行に基づいて疾患療法を調整することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、疾患を有する対象を処置する方法は、対象から第1のサンプルを取得する工程、第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して配列決定リードの第1のセットを生成する工程、配列決定リードの第1のセットを使用して第1の疾患状態を決定する工程、対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程、対象に疾患療法を投与する工程、疾患療法が対象に投与された後に対象から第2のサンプルを取得する工程、第2のサンプル中の核酸分子を配列決定して、配列決定リードの第2のセットを生成する工程、本明細書に記載の方法に従って、配列決定リードの第2のセットを使用して、遺伝的バリアントを検出するか、または配列決定リードの第2のセットを使用して、バリアント対立遺伝子頻度を決定する工程、配列決定リードの第2のセットに基づいて第2の疾患状態を決定する工程、第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定する工程、疾患進行に基づいて対象に投与される疾患療法を調整する工程、ならびに調整された疾患療法を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、疾患は癌である。
【0032】
いくつかの実施形態では、サンプルは、対象からの液体生検サンプルに由来する。いくつかの実施形態では、サンプルは、対象からの固体組織サンプル、液体組織サンプルまたは血液サンプルに由来する。いくつかの実施形態では、本方法は、サンプルから抽出された核酸分子を配列決定して複数の配列決定リードを生成することをさらに含むいくつかの実施形態では、本方法は、(1)対象についての識別情報、および(2)遺伝的バリアントの有無の呼び出し、または遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度の呼び出しを含む報告を生成または更新することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、対象または対象のためのヘルスケア提供者に報告を送信することをさらに含む。
【0033】
例示的な装置は、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプログラムを備える装置であって、1つ以上のプログラムがメモリに記憶され、1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、1つ以上のプログラムが、1つ以上のバリアントからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択するための命令、バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを取得するための命令、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成するための命令、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成するための命令、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類するための命令、遺伝的バリアントを有するとして分類された配列決定リードの数を決定するための命令、バリアント特異的モデルおよび分類された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定するための命令、ならびに決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサを使用して、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定するための命令を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは遺伝子座特異的である。いくつかの実施形態では、第1の閾値は遺伝子座特異的であり、バリアント特異的である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較するための命令、および決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令、または決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令をさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることによって生成される。いくつかの実施形態では、確率分布は二項分布である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、第2の数は、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上のノイズ源は、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上の関数は、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードは遺伝的バリアントを有すると分類される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードは遺伝的バリアントを有しないと分類される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードは確定的でないリードとして分類される。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1の閾値は、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される。いくつかの実施形態では、第1の閾値または第2の閾値の少なくとも一方は、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される。いくつかの実施形態では、第1の閾値は、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される。いくつかの実施形態では、第2の閾値は、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される。
【0038】
いくつかの実施形態では、参照配列およびバリアント配列は、バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む。いくつかの実施形態では、5’フランキング領域および3’フランキング領域は、それぞれ、約5塩基長から約5000塩基長である。
【0039】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプルからバリアント配列を生成するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、バリアント配列を生成する工程は、サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程、1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程、複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程、増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程を含む。いくつかの実施形態では、参照配列およびバリアント配列は、遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定するための命令をさらに含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについてサンプルに関連する配列決定リードを分類するための命令、第2のバリアント特異的モデル、第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定するための命令、ならびに第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較し、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックが第3の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在を同定するための命令をさらに含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、第2の遺伝的バリアントは、1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを第4の閾値と比較し、決定された確率メトリックが第4の閾値以上である場合に、サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定する命令をさらに含み、決定された確率メトリックが第3の閾値以上であり、かつ第4の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在または非存在は確定的ではない。
【0042】
いくつかの実施形態では、本方法は、対象の疾患状態を決定することを含む。いくつかの実施形態では、疾患状態が、サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である。いくつかの実施形態では、疾患状態は、cfDNAの最大体細胞対立遺伝子画分である。いくつかの実施形態では、疾患状態は、対象における癌の再発、対象における処置様式に抵抗性の癌の存在、または特定の処置様式で処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、cfDNAを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、配列アライメントアルゴリズムは、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つであるいくつかの実施形態では、遺伝的バリアントは、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む。いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される。いくつかの実施形態では、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている。いくつかの実施形態では、疾患は癌である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプルを使用して決定された対象の疾患状態と、以前のサンプルに基づく対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて処置を調整するための命令をさらに含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプル中の核酸分子を配列決定することによって1つ以上の配列決定リードを生成するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、バリアントは体細胞変異である。いくつかの実施形態では、バリアントは生殖細胞系列変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプルに関連する診断値としてサンプルの遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、遺伝的バリアントの存在に基づいて対象のゲノムプロファイルを生成するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、生成されたゲノムプロファイルに基づいて、対象に抗癌剤を投与するか、または抗癌処置を適用するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象のための提案される処置を決定する際に使用される。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象に処置を適用または投与する際に使用される。
【0045】
1つ以上のプログラムを記憶している例示的な非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は命令を含み、命令は、電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のバリアントからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択すること、バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを取得すること、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成すること、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成すること、複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類すること、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定すること、バリアント特異的モデルおよび標識された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定すること;ならびに決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定することをデバイスに行わせる。
【0046】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは遺伝子座特異的である。いくつかの実施形態では、第1の閾値は遺伝子座特異的であり、バリアント特異的である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較するための命令、および決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令;または決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令をさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることによって生成される。いくつかの実施形態では、確率分布は二項分布である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、第2の数は、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上のノイズ源は、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上の関数は、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードは遺伝的バリアントを有すると分類される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードは遺伝的バリアントを有しないと分類される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードは確定的でないリードとして分類される。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の閾値は、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される。いくつかの実施形態では、第1の閾値または第2の閾値の少なくとも一方は、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される。いくつかの実施形態では、第1の閾値は、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される。いくつかの実施形態では、第2の閾値は、リアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される。
【0050】
いくつかの実施形態では、参照配列およびバリアント配列は、バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む。いくつかの実施形態では、5’フランキング領域および3’フランキング領域は、それぞれ、約5塩基長から約5000塩基長である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプルからバリアント配列を生成するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、バリアント配列を生成する工程は、サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程、1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程、複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程、増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程を含む。いくつかの実施形態では、参照配列およびバリアント配列は、遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である。
【0051】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについてサンプルに関連する配列決定リードを分類するための命令、第2のバリアント特異的モデル、第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定するための命令;ならびに第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較し、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックが第3の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在を同定するための命令をさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、第2の遺伝的バリアントは、1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを第4の閾値と比較し、決定された確率メトリックが第4の閾値以上である場合に、サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定する命令をさらに含み、決定された確率メトリックが第3の閾値以上であり、かつ第4の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在または非存在が確定的ではない。
【0053】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、対象の疾患状態を決定するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、疾患状態が、サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である。いくつかの実施形態では、疾患状態は、cfDNAの最大体細胞対立遺伝子画分である。いくつかの実施形態では、疾患状態は、対象における癌の再発、対象における処置様式に抵抗性の癌の存在、または特定の処置様式で処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、cfDNAを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、配列アライメントアルゴリズムは、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つであるいくつかの実施形態では、遺伝的バリアントは、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される。いくつかの実施形態では、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている。いくつかの実施形態では、疾患は癌である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプルを使用して決定された対象の疾患状態と、以前のサンプルに基づく対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて処置を調整するための命令をさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプル中の核酸分子を配列決定することによって1つ以上の配列決定リードを生成するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、バリアントは体細胞変異である。いくつかの実施形態では、バリアントは生殖細胞系列変異である。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、サンプルに関連する診断値としてサンプルの遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、遺伝的バリアントの存在に基づいて対象のゲノムプロファイルを生成するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のプログラムは、生成されたゲノムプロファイルに基づいて、対象に抗癌剤を投与するか、または抗癌処置を適用するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象のための提案される処置を決定する際に使用される。いくつかの実施形態では、サンプルの遺伝的バリアントの存在は、対象に処置を適用または投与する際に使用される。
【0057】
例示的なコンピュータシステムは、プロセッサと、プロセッサに通信可能に結合されたメモリであって、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本明細書に記載の方法のいずれかを実行させる命令を記憶するように構成されたメモリとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、配列決定リードを標識するための方法の例示的な実施形態を示している。
【0059】
図2図2は、一実施形態によるコンピューティングデバイスの一例を示す。
【0060】
図3図3は、実施例でさらに説明するように、サンプル1のパネルにおけるバリアントのバリアント分布を示す。
【0061】
図4図4は、実施例でさらに説明するように、サンプル2のパネルにおけるバリアントのバリアント分布を示す。
【0062】
図5図5は、本明細書中に記載される例示的な方法を使用して検出されたバリアントリードの数(y軸)と、標準的なバリアントコーリングプロトコルを使用して検出されたバリアントリードの数(x軸)とのプロットを、実施例において記載されるように、サンプル1について対数スケール(左)および正規化(右)で示す。
【0063】
図6図6は、実施例に記載されるように、サンプル1について対数スケール(左)および正規化(右)でバリアント遺伝子座(x軸)と重複する配列決定リードの初期プールからの配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度に対する、本明細書に記載される例示的方法を使用してバリアントを有するか、またはバリアントを有しない(すなわち、確定的でないリードを除外する)と標識された配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度のプロット(y軸)を示す。
【0064】
図7図7は、本明細書中に記載される例示的な方法を使用して検出されたバリアントリードの数(y軸)と、標準的なバリアントコーリングプロトコルを使用して検出されたバリアントリードの数(x軸)とのプロットを、実施例において記載されるように、サンプル2について対数スケール(左)および正規化(右)で示す。
【0065】
図8図8は、実施例に記載されるように、サンプル2について対数スケール(左)および正規化(右)でバリアント遺伝子座(x軸)と重複する配列決定リードの初期プールからの配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度に対する、本明細書に記載される例示的方法を使用してバリアントを有するか、またはバリアントを有しない(すなわち、確定的でないリードを除外する)と標識された配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度のプロット(y軸)を示す。
【0066】
図9A図9Aは、本明細書に記載される別の例示的な方法を使用して検出されたバリアントリードの数(y軸)と、標準的なバリアントコーリングプロトコルを使用して検出されたバリアントリードの数(x軸)とのプロットを、実施例において記載されるように、サンプル1について対数スケール(左)および正規化(右)で示している。
【0067】
図9B図9Bは、実施例に記載されるように、サンプル1について対数スケール(左)および正規化(右)でバリアント遺伝子座(x軸)と重複する配列決定リードの初期プールからの配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度に対する、本明細書に記載される例示的方法を使用してバリアントを有するか、またはバリアントを有しない(すなわち、確定的でないリードを除外する)と標識された配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度のプロット(y軸)を示す。
【0068】
図10A図10Aは、本明細書に記載される別の例示的な方法を使用して検出されたバリアントリードの数(y軸)と、標準的なバリアントコーリングプロトコルを使用して検出されたバリアントリードの数(x軸)とのプロットを、実施例において記載されるように、サンプル2について対数スケール(左)および正規化(右)で示す。
【0069】
図10B図10Bは、実施例に記載されるように、サンプル2について対数スケール(左)および正規化(右)でバリアント遺伝子座(x軸)と重複する配列決定リードの初期プールからの配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度に対する、本明細書に記載される例示的方法を使用してバリアントを有するか、またはバリアントを有しない(すなわち、確定的でないリードを除外する)と標識された配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座でのバリアント遺伝子座深度のプロット(y軸)を示す。
【0070】
図11図11は、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出し、バリアント対立遺伝子頻度を決定するための例示的な方法を示す。
【0071】
図12図12は、複数のサンプルに基づいて確率モデルを決定するための例示的な方法を示す。
【0072】
図13図13は、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出し、バリアント対立遺伝子頻度を決定するための例示的な方法を示す。
【0073】
図14図14は、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出し、バリアント対立遺伝子頻度を決定するための例示的な方法を示す。
【0074】
図15図15は、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出し、バリアント対立遺伝子頻度を決定するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0075】
発明の詳細な説明
対象から得られた1つ以上のサンプルの遺伝的バリアントを検出する方法、および/またはバリアント対立遺伝子頻度を評価するための方法が本明細書に記載される。本明細書に開示される方法は、対象を処置するときに臨床判断を行う際に使用し得、その結果、処置する医師は、対象の評価に確信し得る。対象の核酸分子の配列決定およびデノボバリアントコーリングは、疾患を特徴付けるために使用し得る有用な情報を提供し得る。しかしながら、核酸配列決定は、一般に、PCR増幅中に導入される突然変異、配列決定中のヌクレオチド検出中に行われる誤差、および配列決定プロセス中に導入されることがある他の異常に起因する実質的なノイズに曝される。このため、多くの配列決定パイプラインは、バリアントが確信的に呼び出される前に、同じバリアントを有する閾値数の固有の配列決定リードを必要とする。十分に深い深度での配列決定はこの障害を克服し得るが、高価である可能性があり、限られた腫瘍核酸が利用可能である場合(例えば、循環腫瘍(ctDNA)の場合、小さな腫瘍クローンから排出される)には不可能であり得る。さらに、特定の真正バリアントが検出されることがあるが、バリアントを有する検出された配列決定リードの数がコール閾値を満たさないため、積極的に呼び出されない。いくつかの実施形態では、所定のバリアントパネルからバリアントを有すると分類された配列決定リードは、推測的パネルからの偽陽性バリアントコールの可能性がランダムな偶然に起因する可能性が低いので、検出の限界を低下させる。さらに、デノボバリアントコーリングは、計算コストが高い。本明細書に記載の方法は、所与のバリアントの対立遺伝子頻度のより効率的なバリアントコーリングおよびより効率的な測定を生成するためのバリアントコールプロセスを合理化する。例えば、本明細書に記載の方法は、選択された数の遺伝子座の分析に限定され得る。
【0076】
さらにまた、本明細書中に記載される方法は、モデル(例えば、確率モデル)を使用してノイズを考慮することによって遺伝的バリアントを検出するまたはバリアント対立遺伝子頻度を決定する精度を改善するために使用され得る。上述のように、核酸配列決定は、サンプルの配列決定、増幅、および/またはアライメント中に導入されるノイズの影響を受けやすい。サンプルの配列決定リードに関連する潜在的な誤差の結果として、バリアントが配列決定リードに存在しない場合、代替(例えば、バリアント)として誤って識別されることがある。すなわち、配列決定およびアライメントプロセスを介して導入された誤差は偽陽性をもたらす可能性があり、実際には配列決定リードにバリアントが存在しない場合、配列決定リードはバリアントとして同定される。したがって、サンプルを評価する際にノイズを考慮することにより、結果の精度を向上させ得る。したがって、本明細書に開示される方法に関して論じられるように、モデル、例えばバリアント特異的モデル(例えば、確率モデル)を利用して、サンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定するときのノイズを説明し、精度を改善し得る。
【0077】
いくつかの例では、配列決定リードに関連するノイズは、遺伝子座特異的であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、アライメントプロセスは、バリアント遺伝子座におけるバリアントの配列状況に敏感であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、サンプルに関連するノイズを考慮することは、遺伝子座特異的であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおける1つ以上のノイズ源に関連する1つ以上の関数と関連し得る。上記のように、1つ以上のノイズ源は、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0078】
バリアント特異的モデル(例えば、確率モデル)は、バリアントとして同定されたリードの観測数が偽陽性(例えば、ノイズに起因して)ではなく真陽性(例えば、実際の遺伝的バリアント)を示す確率を提供し得る。バリアント特異的モデルは、目的のバリアント、例えば、参照バリアントを含まないことが知られているサンプルのプールに基づいて生成し得る。次いで、モデルを対象からのサンプルに適用して、バリアント対立遺伝子頻度を決定するか、またはサンプル中のバリアントの有無を検出し得る。いくつかの実施形態では、バリアント対立遺伝子頻度の決定またはバリアントの検出は、初期サンプルを使用して対象に対して確立された個人のバリアントパネルを利用し得る。個別化バリアントパネルは、疾患を示す遺伝的バリアントを含む。次いで、バリアントパネルが使用されて、対象からのほとんどの配列決定リードを、バリアント配列を有するかまたは有しないかのいずれかとして迅速に標識し得る。次いで、標識された配列決定リードが使用されて、バリアント頻度に基づいて疾患状態を決定し得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定する方法は、1つ以上のバリアントからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択することを含む。本方法は、バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを得ることを含み得る。本発明は、1つ以上のプロセッサを使用して、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含まない対応する参照配列にアライメントすることによって、複数の各配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成する工程と、1つ以上のプロセッサを使用して、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成する工程とを含み得る。本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類することを含み得る。本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列決定リードにおいて遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定する工程、および1つ以上のプロセッサを使用して、バリアント特異的モデルおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率メトリックを決定する工程を含み得る。本方法は、決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサを使用して、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定する工程を含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定する方法は、対象からのサンプルから得られた複数の核酸分子を提供することを含み、複数の核酸分子は腫瘍核酸分子および非腫瘍核酸分子の混合物を含む。場合により、1つ以上のアダプターを、複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子にライゲートし得る。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子からの核酸分子を増幅し得る。いくつかの実施形態では、増幅された核酸分子からの核酸分子を捕捉し得、捕捉された核酸分子は、1つ以上のベイト分子へのハイブリダイゼーションによって増幅された核酸分子から捕捉される。いくつかの実施形態では、捕捉された核酸分子は、シーケンサーによって配列決定され、遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードが得られる。
【0081】
いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、遺伝的バリアントを含まない対応する参照配列に各配列決定リードをアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサはまた、遺伝的バリアントを含むバリアント配列に各配列決定リードをアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、複数の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、複数の配列決定リードの中に遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、バリアント特異的モデルおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率メトリックを決定し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定し得る。サンプル中の遺伝的バリアントの存在の同定に基づいて、サンプル中の疾患状態を検出し得る。
【0082】
バリアント対立遺伝子頻度を決定する方法は、疾患の進行を監視するために使用され得る。例えば、疾患進行を監視する方法は、疾患を有する対象から取得された第1の試験サンプル中の核酸分子を配列決定して第1の配列決定リードを生成する工程;対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程;第1の試験サンプルよりも遅い時点で対象から取得された第2の試験サンプル中の核酸分子を配列決定して第2の配列決定リードを生成する工程;本明細書に記載される方法を使用して第2の配列決定リードを標識する工程を含み得る。次いで、分類された配列決定リードが使用されて対象の疾患状態を決定し得、これを以前に決定された疾患状態(例えば、第1の試験サンプルが対象から取得された時点での対象に関連する疾患状態)と比較して疾患進行を監視し得る。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデル、例えば、確率モデルを適用して、対象の疾患状態を決定し得る。
【0083】
疾患状態監視は、例えば、監視された疾患進行に基づいて疾患療法を調整することによって、疾患を有する対象を処置するためにさらに使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、疾患を有する対象を処置する方法は、対象から第1の試験サンプルを取得する工程、第1の配列決定リードを生成するために第1の試験サンプル中の核酸分子を配列決定する工程、対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程、対象に疾患療法を投与する工程、疾患療法が対象に投与された後に対象から第2の試験サンプルを取得する工程、第2の配列決定リードを生成するために第2の試験サンプル中の核酸分子を配列決定する工程、本明細書に記載される方法を使用して第2の配列決定リードを標識する工程、第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定する工程、疾患進行に基づいて対象に投与される疾患療法を調整する工程、調整された疾患療法を対象に投与する工程を含み得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、疾患は癌である。
【0085】
定義
本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の言及を含む。
【0086】
本明細書における値またはパラメータ「約」への言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変動を含む(および説明する)。例えば、「約X」という記載は、「X」という記載を含む。
【0087】
「個人」、「患者」、および「対象」という用語は、同義的に使用され、ヒトなどの動物を指す。
【0088】
「参照」配列は、試験または対象配列(例えば、配列決定リード)と比較するために使用される任意の配列であり、標準化された参照配列(例えば、Genome Reference ConsortiumからのGRCh38または代替の参照アセンブリなどの標準化された参照アセンブリからの配列)または個別化された参照配列(例えば、対象の健康な組織からの配列)とし得る。
【0089】
「バリアント」という用語は、対象配列と、対象配列と比較される参照配列との間の任意の配列差を指す。したがって、「バリアント」という用語は、健常個人からの配列と集団変異とを同定するために使用される参照配列との間の差、または疾患疾患(例えば、腫瘍組織)からの配列と健常組織(例えば、突然変異)からの配列との間の差を包含する。
【0090】
本明細書に記載される本発明の態様および変形は、態様および変形「からなる」および/または「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0091】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値、およびその状態範囲内の任意の他の記載値または介在値は、本開示の範囲内に含まれることを理解されたい。記載された範囲が上限または下限を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかを除外した範囲も本開示に含まれる。
【0092】
本明細書に記載される分析方法のいくつかは、配列を参照配列にマッピングすること、配列情報を決定すること、および/または配列情報を分析することを含む。相補配列が容易に決定および/または分析され得、本明細書において提供される説明は、相補配列に関して行われる分析方法を包含することが当該技術分野において十分に理解されている。
【0093】
本明細書において使用されるセクションの見出しは、編成のみを目的としており、記載された主題を限定するものと解釈されるべきではない。説明は、当業者が本発明を製造および使用することを可能にするために提示され、特許出願およびその要件の文脈で提供される。記載された実施形態に対する様々な変更は、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書の一般的な原理は、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された原理および特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0094】
図は、様々な実施形態にかかるプロセスを示している。例示的なプロセスでは、いくつかのブロックは、任意に組み合わされ、いくつかのブロックの順序は、任意に変更され、いくつかのブロックは、任意に省略される。いくつかの例では、例示的なプロセスと組み合わせて追加の工程が実行され得る。したがって、図示されている(および以下により詳細に説明されている)動作は、本質的に例示的なものであり、従って、限定するものとみなされるべきではない。
【0095】
本明細書で参照される全ての刊行物、特許、および特許出願の開示は、それぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。参照により援用される参考文献が本開示と矛盾する限り、本開示が優先するものとする。
バリアントパネル
【0096】
本明細書に記載される特定の方法は、1つ以上の目的の遺伝的バリアントを含むバリアントパネルを使用する。遺伝的バリアントは、例えば、特定の疾患(例えば、癌または癌クローン)または疾患状態(例えば、転移)に関連するバリアントとし得る。いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、個別化バリアントパネルである。いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、特定の疾患を有する対象の集団において検出されたバリアントに基づく疾患患者集団バリアントパネルである。いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、複数の疾患についてスクリーニングする包括的なパネルの一部であり得る。いくつかの実施形態では、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)、単一のアッセイで数百の遺伝子(関連する癌バイオマーカーを含む)を評価するために使用される次世代配列決定(NGS)アプローチを介して同定されるバリアントを含み得る。
【0097】
バリアントパネルの変形形態は、任意のサイズであってもよい。バリアントは、参照配列およびバリアント配列と関連している。したがって、標的化されたバリアントが事前に知られている限り、参照配列およびバリアント配列が容易に構築され得る。バリアントパネル中のバリアントは、例えば、1つ以上の単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、1つ以上の複数ヌクレオチドバリアント(MNV)、再編成接合、および/または1つ以上のインデルを含み得る。MNVは、参照配列と同じヌクレオチドを含むヌクレオチド位置によって離間した2つ以上の連続するヌクレオチドバリアントおよび/または2つ以上の単一ヌクレオチドバリアントを含み得る。いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、1つ以上の融合バリアントまたは他の再編成バリアント(例えば、反転または欠失事象)を含む。バリアントパネル中のバリアントは、バリアントの遺伝子座、および/または参照配列に対するバリアントを含み得る。ほんの一例として、SNPバリアントは、遺伝子座(例えば、遺伝子名および遺伝子内の塩基位置、またはゲノム内の塩基位置)およびバリアント(例えば、C→G変異)を含み得る。
【0098】
バリアントパネルは、疾患に関連する任意の数のバリアント、または実施例1以上、2以上、5以上、10以上、25以上、50以上、100以上、500以上、1000以上、5000以上、10,000以上、20,000以上、50,000以上、または100,000以上、または約1から約10、約10から約25、約25から約100、約100から約500、約500から約1000、約1000から約5000、約5000から約10,000、約10,000から約20,000、約20,000から約50,000、または約50,000から約100,000を含み得る。
【0099】
バリアントパネルまたは対象バリアントは、いくつかの実施形態では、再編成接合を含み得る。挿入、欠失または逆位生成などの再編成バリアントは、参照配列に対して2つの再編成接合(または複雑な再編成ではそれ以上)を生成し得る。接合は、本明細書に記載される方法を使用して、例えば、接合の少なくとも1つを含むバリアント配列を使用することによって検出され得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、特定の対象のために生成された個別化バリアントパネルである。対象についてサンプルが取得され得、サンプル内の核酸分子(例えば、DNA、RNA、またはその双方)が配列決定されて配列決定リードを生成する。いくつかの実施形態では、RNA分子は、逆転写されて、対応するcDNA分子を形成する。次いで、既知のバリアントコーリング方法が使用されて、生成された配列決定リードからバリアントを呼び出し得る。
【0101】
対象から取得されるサンプルは、疾患組織に由来する核酸分子、または疾患組織に由来する核酸分子と健康な組織に由来する核酸分子との混合物(または、2つの別々のサンプルが、疾患組織に由来する核酸分子を使用する第1のサンプルおよび健康な組織に由来する第2のサンプルを使用して分析され得る)を含み得る。例えば、サンプルは、循環腫瘍DNA(ctDNA、すなわち腫瘍組織に天然に由来するDNA)およびゲノム無細胞DNA(すなわち、健康な組織に天然に由来するcfDNA)を含む無細胞DNA(cfDNA)を含み得る。cfDNAは配列決定し得、(ゲノム無細胞DNAを参照して、または何らかの他の参照ゲノムを参照して)呼び出される腫瘍に関連するバリアント、および呼び出される1つ以上の腫瘍バリアントの数をバリアントパネルに含め得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、病変組織(例えば、固形腫瘍生検サンプルまたは血液腫瘍生検サンプル)または健康な組織を得るための組織生検サンプル(例えば、固形組織サンプルまたは血液学的組織サンプル)に由来し得る。核酸サンプルは、組織サンプルに由来し得、配列決定リードを生成するために使用され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、疾患組織(例えば、腫瘍組織)から得られた核酸分子と健康な組織との間のバリアントを呼び出すことによって生成される。例えば、バリアントは、一致した正常な腫瘍サンプルを使用して呼び出され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、血漿(例えば、cfDNA)から得られた核酸分子と末梢血単核細胞(PBMC)から得られた核酸分子との間のバリアントを呼び出すことによって生成される。
【0104】
いくつかの実施形態では、核酸分子を取得するために使用されるサンプルは、血液、血清、唾液、組織(例えば、固形または血液学的組織)、脳脊髄液、羊水、腹腔液、間質液、または胚組織とし得る。いくつかの実施形態では、組織は、新鮮組織(すなわち、凍結または保存されていない)である。いくつかの実施形態では、組織は、凍結組織または保存組織(例えば、ホルムアルデヒド固定パラフィン包埋(FFPE)またはパラホルムアルデヒド固定パラフィン包埋(PFPE)組織)である。
【0105】
いくつかの実施形態では、個別化バリアントパネルを生成するために使用されるサンプルは、疾患療法の開始前に対象から取得される。いくつかの実施形態では、個別化バリアントパネルを生成するために使用されるサンプルは、疾患療法の開始後に対象から取得される。
【0106】
個別化バリアントパネルは、個別化参照ゲノムもしくは配列(例えば、対象の非疾患ゲノム配列)または標準参照ゲノムもしくは配列(例えば、参照ゲノムまたは1つもしくは複数の他の個人から組み立てられた参照配列、例えば、標準または公的に利用可能な参照配列、例えば、Genome Reference Consortiumのヒトゲノムビルド37(GRCh37)、または他の適切な参照ゲノム)を使用して、疾患を有する対象に対して生成され得る。疾患組織に由来する核酸分子間の差異が参照と比較され、バリアントを同定し得る。
【0107】
いくつかの実施形態ではバリアントパネル中のバリアントは、特定の疾患(特定の癌など)または特定の疾患(特定の癌など)を有する対象の集団に関連することが知られている1つ以上のバリアントを含む。例えば、バリアントパネルは、文献からキュレートされた1つ以上のバリアントを含み得る。
【0108】
バリアントパネルのバリアントは、対応する参照配列と、左右のフランキング領域(例えば、5’フランキング領域および3’フランキング領域)を有するバリアントの遺伝子座を含む対応するバリアント配列とに関連付けられている。バリアント遺伝子座の左右のフランキング領域は、バリアントの状況を提供し、対応する参照配列と対応するバリアント配列の双方について同じである。したがって、対応する参照配列および対応するバリアント配列は、バリアント自体を除いて同一である。対応するバリアント配列はバリアントを含み、対応する参照配列はバリアントを含まない(例えば、それは、バリアントの位置に参照または「野生型」配列を含む)。いくつかの実施形態では、フランキング領域は、それぞれ、約5塩基以上、約10塩基以上、約15塩基以上、約20塩基以上、約25塩基以上、約30塩基以上、約50塩基以上、約75塩基以上、約100塩基以上、約150塩基以上、約200塩基以上、約250塩基以上、約300塩基以上、約400塩基以上または約500塩基以上を含む。いくつかの実施形態では、フランキング領域は、それぞれ、約5塩基~約5000塩基、例えば約5~約10塩基、約10~約20塩基、約20~約50塩基、約50~約100塩基、約100~約200塩基、約200~約500塩基、約500~約1000塩基、約1000塩基~約2500塩基または約2500塩基~約5000塩基を含む。いくつかの実施形態では、左右の隣接領域は、同じ数の塩基を有し、いくつかの実施形態では、左右の隣接領域は、異なる数の塩基を有する。
【0109】
対応する参照配列および対応するバリアント配列は、例えば、バリアントを同定するために使用される参照配列(個別化参照配列または標準参照配列とし得る)を使用して生成され得る。対応するバリアント配列を生成するために、バリアントが選択され、参照配列を使用して左右のフランキング配列がバリアントに付加される。対応する参照配列を生成するために、参照配列は、対応するバリアント列と同じ塩基位置を使用して使用される。したがって、いくつかの実施形態では、対応する参照配列および対応するバリアント配列は、遺伝的バリアントを除いて同一である。
【0110】
バリアントパネルは、非一時的コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、本明細書に記載の方法の1つ以上を実行するために1つ以上のプロセッサによってアクセスされ得るテーブルまたはファイル(例えば、バリアントコーリングフォーマット(VCF)ファイルまたは他の適切なファイルフォーマット)に記憶されたリストであってもよい。いくつかの実施形態では、対応する参照配列および対応するバリアント配列は、バリアントパネルと同じテーブルまたはファイルに記憶され、いくつかの実施形態では、対応する参照配列および対応するバリアント配列は、バリアントパネルとは異なるテーブルまたはファイルに記憶される。
【0111】
バリアントパネルは、疾患(癌など)に関連するバリアントパネル、または対象の疾患(癌など)に関連する個別化バリアントパネルとし得る。例示的な疾患は、B細胞癌、例えば、多発性骨髄腫、黒色腫、乳癌、肺癌(非小細胞肺癌またはNSCLCなど)、気管支癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌が含まれるが、これらに限定されない、胃癌、卵巣癌、膀胱癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、食道癌、子宮頸癌、子宮癌または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸または付属器癌、唾液腺癌、甲状腺癌、副腎腺癌、骨肉腫、軟骨肉腫、血液組織の癌、腺癌、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、胃腸間質腫瘍(GIST)、結腸癌、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、多発性細胞血症ベラ、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨形成性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄質癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、胃癌、頭頸部癌、小細胞癌、本態性血小板血症、アグノーゲン性骨髄性化生、高好酸球性症候群、全身性肥満細胞症、おなじみの高好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌癌、癌様腫瘍などを含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、バリアントパネル中のバリアントは、疾患に関連しない。例えば、バリアントパネルは、以前の呼び出しまたは推定呼び出しをサポートするために使用され得る。全ゲノム配列決定および他の配列決定方法は、低い確実性で行われる呼び出しをもたらされ得る。本明細書に記載される方法は、より高い配列信頼性を提供するために、(正または負のいずれかの)特定の呼び出しをサポートするために使用され得る。
【0113】
いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、以下の遺伝子のいずれかのうちの1つ以上のバリアント(例えば、SNP、MNP、再編成接合またはインデル)を含む:ABCB1、ABCC2、ABCC4、ABCG2、ABL1、ABL2、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、APC、AR、ARAF、ARFRP1、ARID1A、ATM、ATR、AURKA、AURKB、BCL2、BCL2A1、BCL2L1、BCL2L2、BCL6、BRAF、BRCA1、BRCA2、C1orf144、CARD11、CBL、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CDH1、CDH2、CDH20、CDH5、CDK4、CDK6、CDK8、CDKN2A、CDKN2B、CDKN2C、CEBPA、CHEK1、CHEK2、CRKL、CRLF2、CTNNB1、CYP1B1、CYP2C19、CYP2C8、CYP2D6、CYP3A4、CYP3A5、DNMT3A、DOT1L、DPYD、EGFR、EPHA3、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHB1、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERCC2、ERG、ESR1、ESR2、ETV1、ETV4、ETV5、ETV6、EWSR1、EZH2、FANCA、FBXW7、FCGR3A、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT1、FLT3、FLT4、FOXP4、GATA1、GNA11、GNAQ、GNAS、GPR124、GSTP1、GUCY1A2、HOXA3、HRAS、HSP90AA1、IDH1、IDH2、IGF1R、IGF2R、IKBKE、IKZF1、INHBA、IRS2、ITPA、JAK1、JAK2、JAK3、JUN、KDR、KIT、KRAS、LRP1B、LRP2、LTK、MAN1B1、MAP2K1、MAP2K2、MAP2K4、MCL1、MDM2、MDM4、MEN1、MET、MITF、MLH1、MLL、MPL、MRE11A、MSH2、MSH6、MTHFR、MTOR、MUTYH、MYC、MYCL1、MYCN、NF1、NF2、NKX2-1、NOTCH1、NPM1、NQO1、NRAS、NRP2、NTRK1、NTRK3、PAK3、PAX5、PDGFRA、PDGFRB、PIK3CA、PIK3R1、PKHD1、PLCG1、PRKDC、PTCH1、PTEN、PTPN11、PTPRD、RAF1、RARA、RB1、RET、RICTOR、RPTOR、RUNX1、SLC19A1、SLC22A2、SLCO1B3、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMARCA4、SMARCB1、SMO、SOD2、SOX10、SOX2、SRC、STK11、SULT1A1、TBX22、TET2、TGFBR2、TMPRSS2、TOP1、TP53、TPMT、TSC1、TSC2、TYMS、UGT1A1、UMPS、USP9X、VHL、およびWT1。
【0114】
いくつかの実施形態では、バリアントは、突然変異、例えば腫瘍に関連する突然変異である。いくつかの実施形態では、バリアントは体細胞変異である。いくつかの実施形態では、バリアントは生殖細胞系列変異である。
【0115】
標識配列決定リード
配列決定リードは、遺伝的バリアントを含むものとして、または遺伝的バリアントを含まないものとして分類され得る。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、以下により詳細に記載されるように、確定的でないとして分類され得、これは、配列決定リードが、バリアントを有するとして、またはバリアントを有しないとして分類され得ないことを示す。配列決定リードは、参照配列内の位置にマッピングされ得、マッピングされた位置は、遺伝子座に関連するバリアントパネルから遺伝的バリアントを選択するために使用される。バリアントおよび配列決定リードが関連付けられると、配列決定リードは、参照マッチスコアを生成するための参照配列(すなわち、バリアントを含まない対応する配列)およびバリアントマッチスコアを生成するためのバリアント配列(すなわち、バリアントを含む対応する配列)と主張される。配列決定リードは、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが参照配列よりも バリアント配列とより密接にマッチすることを示す場合、バリアントを有するとして、または参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが参照配列とより密接にマッチすることを示す場合、バリアントを有しないとして標識され得る。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして分類される。
【0116】
いくつかの実施形態では、対象からの試験サンプル中のバリアントの有無を検出するか、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定する方法は、(a)バリアントパネルからのバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択する工程;(b)バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連する1つ以上の配列決定リードを取得する工程;(c)各配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成する工程であって、対応する参照配列が遺伝的バリアントを含まない、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成する工程;(d)各配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成する工程であって、対応するバリアント配列が遺伝的バリアントを含む、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成する工程;(e)参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードであるかのいずれかであると分類する工程を含み;参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと分類され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして分類される。
【0117】
配列決定リードが参照配列にアライメントされて、参照ゲノム内の配列決定リードの位置を決定し得る。アライメントは、リードのためのマッピング位置を含む配列アライメントマップファイル(例えば、SAMまたはBAMファイル)を生成するために使用され得る。次いでバリアントパネルがアクセスされて遺伝的バリアントを選択し得、バリアントの遺伝子座と重複する1つ以上の配列決定リードが取得され得る(例えば、配列決定アライメントマップファイルにアクセスすることによって)。重複は、変形形態の1つ以上の塩基位置にあってもよい(例えば、バリアントが多塩基バリアントである場合)。いくつかの実施形態では、バリアントの同じ単一塩基(例えば、第1の塩基)と重複する配列決定リードが使用される。対応する参照配列および対応するバリアント配列も選択され、対応する参照配列および対応するバリアント配列は選択されたバリアントと関連付けられる。
【0118】
任意の所与の配列決定リードに対する参照マッチスコアは、配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって生成され、バリアントマッチスコアは、配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって生成される。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが比較可能であるように、同じアライメントアルゴリズムを使用して生成される。マッチスコアは、クエリ配列(例えば、配列決定リード)が対応するバリアント配列または対応する参照配列にどれだけ密接にマッチしているかを示す値を提供する。例示的なアライメントアルゴリズムは、Smith-Watermanアルゴリズム(SWA)(例えば、Striped Smith-Watermanアルゴリズム)またはNeedleman-Wunschアルゴリズム(NWA)を含む。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、Smith-Watermanアルゴリズムを使用して生成される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、Striped Smith-Watermanアルゴリズムを使用して生成される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、Needleman-Wunschアルゴリズムを使用して生成される。
【0119】
配列決定リードは、バリアントマッチスコアと参照マッチスコアとを比較することによって標識される。例えば、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードは、遺伝的バリアントを有すると分類される。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードは、遺伝的バリアントを有しないと標識される。いくつかの例では、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとは等しく、その場合、配列決定リードは、確定的でないリードとして分類され得る。いくつかの実施形態では、確定的でないリードとして標識された配列決定リードは、さらなる分析から除外される。
【0120】
配列決定リードは、対象に由来する試験サンプル中の核酸分子を配列決定することによって取得され得る。いくつかの実施形態では、試験サンプルは、個別化バリアントパネルにおいて遺伝的バリアントを決定するために使用される試験サンプルと同じタイプのサンプルである。例示的な試験サンプルとしては、血液、血清、唾液、組織(例えば、固形または血液学的組織)、脳脊髄液、羊水、腹腔液、間質液、または胚性組織が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組織は、新鮮組織(すなわち、凍結または保存されていない)である。いくつかの実施形態では、組織は、凍結組織または保存組織(例えば、ホルムアルデヒド固定パラフィン包埋(FFPE)またはパラホルムアルデヒド固定パラフィン包埋(PFPE)組織)である。
【0121】
いくつかの実施形態では、試験サンプルは、液体生検サンプル(例えば、血漿、末梢血など)に由来する。液体生検は、2つ以上の一致したサンプルまたはサンプル成分に分けられ得る。例えば、サンプルは、血漿成分(cfDNAを含み得る)および末梢血単核細胞(PBMC)成分を含み得る。個々の構成要素は、各構成要素の遺伝的プロファイル間の差異を決定するために別々に分析され得る。これは、例えば、体細胞変異またはクローン造血を同定するために使用され得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、サンプルは、固形組織生検サンプルに由来する。組織生検は、癌性細胞、非癌性(例えば、健康)細胞、またはそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、組織生検サンペルは新鮮組織(すなわち、凍結または保存されていない)である。いくつかの実施形態では、組織は、凍結組織または保存組織(例えば、ホルムアルデヒド固定パラフィン包埋(FFPE)またはパラホルムアルデヒド固定パラフィン包埋(PFPE)組織)である。
【0123】
試験サンプル中の核酸分子は、DNA、RNA、またはそれらの混合物とすし得。いくつかの実施形態では、RNA分子は、逆転写されて、対応するcDNA分子を形成する。対象から取得される試験サンプルは、疾患組織に由来する核酸分子、または疾患組織に由来する核酸分子と健康な組織に由来する核酸分子との混合物を含み得る。例えば、サンプルは、循環腫瘍DNA(ctDNA、すなわち腫瘍組織に天然に由来するDNA)およびゲノム無細胞DNA(すなわち、健康な組織に天然に由来するcfDNA)を含む無細胞DNA(cfDNA)を含み得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、病変組織(例えば、固形腫瘍生検サンプルまたは血液腫瘍生検サンプル)または健康な組織を得るための組織生検サンプル(例えば、固形組織サンプルまたは血液学的組織サンプル)に由来し得る。核酸サンプルは、組織サンプルに由来し得、配列決定リードを生成するために使用され得る。
【0124】
配列決定リードを標識するための記載された方法は、遺伝的バリアントパネルから選択される異なる遺伝子座で異なる遺伝的バリアントを使用して、任意の数のバリアントについて繰り返され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、標識された配列決定リードは、対象からのサンプルにおける遺伝的バリアントの存在を呼び出すために使用される。例えば、1つ以上の配列決定リード(または1つ以上の固有の配列決定リード)が遺伝的バリアントを有すると標識されている場合、その遺伝的バリアントの存在が呼び出され得る。遺伝的バリアントの存在を呼び出すための閾値セットは、呼び出しを行うための所望の信頼度に応じて、所望のように設定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントの存在を呼び出すための閾値は、遺伝的バリアントを有すると分類された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の配列決定リード(または固有の配列決定リード)として呼び出され得、ここで、遺伝的バリアントの存在は、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リード(または固有の配列決定リード)の数が閾値を満たすかまたは閾値より高い場合に呼び出される。
【0126】
いくつかの実施形態では、標識された配列決定リードは、サンプル中のバリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定するために使用される。試験サンプルの遺伝子座iにおけるバリアント対立遺伝子頻度(F)は、
に従ってバリアント(V)を有すると標識された配列決定リードの数およびバリアント(R)を有しない配列決定リードの数を使用して決定され得る。
【0127】
本明細書に記載される方法は、サンプル、2つ以上の異なる組織もしくはサンプル、または同じサンプルの2つ以上の異なる成分におけるバリアント対立遺伝子頻度を決定するために使用され得る。例えば、採血は、血漿(cfDNAを含む)と末梢血単核細胞(PBMC)とに分けられ得る。第1のサンプルまたは第1のサンプル成分(例えば、血漿)について第1のバリアント対立遺伝子頻度が決定され得、第2のサンプルまたは第2のサンプル成分(例えば、PBMC)について第2のバリアント対立遺伝子頻度が決定され得る。例えば、血漿由来の核酸分子とPBMC由来の核酸分子との間のバリアント対立遺伝子頻度の差は、クローン造血または確定的でない電位(CHIP)のクローン造血を有する対象に有用である。
【0128】
図1は、配列決定リードを標識するための方法の例示的な実施形態を示している。工程100において、遺伝的バリアントパネル(すなわち、ベースラインの変更)は、対象から取得された初期サンプルを配列決定することによって生成される。遺伝的バリアントパネルは、パネル中の各遺伝的バリアントに関する情報、例えば、対象識別子、バリアントを含有する遺伝子、バリアントの遺伝子座、および/または(参照と比較した)バリアントの変化を含み得る。対応する配列生成モジュール102において、対応する参照配列104および対応する変異バリアント配列リード106は、バリアントパネルからのバリアントおよびバリアントの文脈を提供するために使用される参照配列を使用して生成される。対応する参照配列104および対応するバリアント配列リード106は、バリアント遺伝子座を除いて同一であり、A→G SNPが存在する(下線によって示される)。対象から取得された第2の試験サンプルを配列決定することによって得られた配列決定リードは、参照配列にアライメントされ、マッピングされた配列決定リードは、アライメントマップファイル108に含まれる。アライメントマップファイル108は、配列決定リードからの配列を、配列決定リードのための遺伝子座情報とともに含む。場合により、アライメントマップファイル108は、対象に関する情報、サンプルが取得された時点、および/または他のサンプル情報などの追加情報を含み得る。バリアントがバリアントテーブルから選択され、バリアントリードの遺伝子座と重複する配列決定リードが配列決定リード取得モジュール110においてアライメントマップファイル108から取得される。図1に示される例において、配列決定リード112、114、116および118は、選択されたバリアントの遺伝子座と重複する配列決定リードを表す。アライメントモジュール120において、配列決定リード112、114、116および118は、それぞれ、対応する参照配列104とアライメントされて参照マッチスコア122を生成し、対応するバリアント配列リード106は、バリアントマッチスコア124を生成する。参照マッチスコア122およびバリアントマッチスコア124は、Smith-WatermanアルゴリズムまたはNeedleman-Wunschアルゴリズムなどのアライメントアルゴリズムを使用して生成され得る。分類モジュール126において、各配列決定リードについて、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを比較して、配列決定リードを、バリアントを有するか、バリアントを有しないか、または確定的でないリードであると分類する。図1に示される例において、配列決定リード112および114は、各リードについて参照マッチスコアがバリアントマッチスコアより大きいので、バリアントを有さないと分類される。配列決定リード116は、バリアントマッチスコアが参照マッチスコアよりも大きいので、バリアントを有するとして分類される。配列決定リード118は、バリアントマッチスコアが参照マッチスコアに等しいので、確定的でないリードとして分類される。
【0129】
本開示による実施形態は、対象からの試験サンプル中のバリアント頻度を決定するための例示的な方法を提供し得る。最初の工程では、バリアントパネルから、バリアント遺伝子座における遺伝的バリアントが選択される。いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、個別化バリアントパネルである。別の工程では、バリアント遺伝子座と重複し、試験サンプルと関連する配列決定リードが得られる。各配列決定リードに対する参照マッチスコアは、別の工程で配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって得られ、各配列決定リードに対するバリアントマッチスコアは、別の工程で配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって生成される。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを使用して、配列決定リードは、バリアントを有する、バリアントを有さない、または別の工程での確定的でないリードとして分類される。別の工程において、遺伝的バリアントの頻度は、バリアントを有すると分類された配列決定リードの数およびバリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して決定される。
【0130】
いくつかの実施形態では、本方法は、報告(印刷報告または電子医療記録など)を生成または更新することを含む。報告は、遺伝的バリアントの有無の呼び出し、バリアント対立遺伝子頻度の呼び出し、および/または疾患状態の1つ以上を含み得る。報告はまた、対象の識別情報(例えば、氏名、識別番号など)を含み得る。報告は、記憶されてもよく、または別の人またはエンティティ、例えば、患者または医療提供者(例えば、医師、看護師、介護士、病院、診療所など)に送信されてもよい。
【0131】
疾患状態および疾患の進行または再発の監視
疾患状態は、1つ以上のバリアント遺伝子座における試験サンプル中のバリアント頻度を使用して決定し得る。いくつかの実施形態では、バリアント頻度の増加は、疾患の重症度の増加を示す。いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードは、疾患組織に起因する。いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードは、非疾患組織に起因する。いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードは疾患組織に起因し、遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードは非疾患組織に起因する。いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードは第1の疾患組織に起因し、遺伝的バリアントを有しないと標識された配列決定リードは第2の疾患組織および/または非疾患組織に起因する。
【0132】
いくつかの実施形態では、疾患または癌を特徴付けるために1つ以上の遺伝的バリアントが使用される。例えば、1つ以上の遺伝的バリアントの存在が使用されて、疾患の元の原因(例えば、原発性癌)を追跡し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝的バリアントの検出が使用されて、特定の処置に特に感受性であるとして治療耐性癌または癌を特徴付け得る。疾患を特徴付けるために使用されるバリアントパネルは、既知のバリアント、例えば文献から管理されたバリアントに基づいてもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、疾患状態は、バリアントごとの状態で決定される。いくつかの実施形態では、疾患状態は、バリアントパネルからの複数のバリアントを使用して決定される。例えば、いくつかの実施形態では、疾患状態(DS)は、
に従って、バリアント(V)を有すると決定される配列決定リードの総数(または固有な配列決定リードの総数)およびバリアント(R)を有しないと決定される配列決定リードの総数(または固有な配列決定リードの総数)を使用して決定され得る。疾患状態は、複数の遺伝的バリアントについて、例えば要約統計量として決定され得る。いくつかの実施形態では、生殖細胞系突然変異に関連するバリアントは、疾患状態の決定から除外される。いくつかの実施形態では、クローン造血に関連するバリアントは、疾患状態の決定から除外される。いくつかの実施形態では、疾患状態は、例えば対象が癌を有する、癌の再発を有する、特定の処置様式に抵抗性の癌を有する、または特定の処置様式で処置され得る癌を有することを同定することによって定性的に評価される。いくつかの実施形態では、疾患状態が定量的に評価される(例えば、cfDNAの決定された腫瘍画分、またはcfDNAの最大体細胞対立遺伝子画分)。
【0134】
疾患の進行は、2つ以上の時点で疾患状態を決定することによって監視され得る。疾患状態は、試験サンプル中のバリアント頻度によって示され得る。例えば、第1の時点で対象から第1の試験サンプルが取得されてもよく、第2の時点で対象から第2の試験サンプルが取得されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の試験サンプルは、バリアントパネルを生成するために使用され、第1の時点における疾患状態を決定するために使用され、第2の試験サンプルは、第2の時点における疾患状態を決定するために生成されたバリアントパネルを使用する。
【0135】
対象は、第1の試験サンプルと第2の試験サンプルとの間で疾患の処置を受け得る(すなわち、介在処置)。したがって、疾患の進行を監視することによって、処置療法が疾患の処置に有効であるかどうかが決定され得る。処置療法は、疾患の進行に応じてさらに調整され得る。例えば、疾患が悪化するかまたは改善しない場合、治療用量を増加させるか、または代替処置療法が使用され得る。
【0136】
第1の時点と第2の時点との間の期間は、対象を効果的に監視するために所望の頻度とし得る。いくつかの実施形態では、第1の時点および第2の時点は、約1週間以上、約2週間以上、約4週間以上、約8週間以上、約12週間以上、約16週間以上、約6ヶ月以上、約1年以上、または約2年以上である。
【0137】
いくつかの実施形態では、対象を疾患進行について監視することは、対象を疾患再発について監視することを含む。例えば、寛解状態にあるとみなされる対象は、いくらかの再発リスクを有する最小量の残存疾患を有し得る。対象の試験サンプルが時折取得されて、疾患が再発したかどうかを調べるために疾患状態を決定し得る。疾患状態が再発した場合、対象が再発性疾患について処置され得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、疾患進行を監視する方法は、疾患を有する対象から取得された第1の試験サンプル中の核酸分子を配列決定して、第1の配列決定リードを生成する工程、対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程、第2の配列決定リードを生成するために、第1の試験サンプルよりも遅い時点で対象から取得された第2の試験サンプル中の核酸分子を配列決定する工程、および第2の配列決定リードを標識する工程、を含む。配列決定リードは、例えば、個別化バリアントパネルからのバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択すること、(b)バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連する1つ以上の配列決定リードを取得すること、(c)各配列決定リードを、対応する参照配列(対応する参照配列は遺伝的バリアントを含まない)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成すること、(d)各配列決定リードを、対応するバリアント配列(対応するバリアント配列は遺伝的バリアントを含む)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成すること、(e)参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードのいずれかであると分類すること、によって分類され得、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして標識される。
【0139】
本開示による実施形態は、疾患進行を監視するための方法を提供し得る。本方法は、最初の工程において、疾患を有する対象から得られた第1の試験サンプル中の核酸分子を配列決定して、第1の配列決定リードを生成することを含む。第1の配列決定リードから、個別化バリアントパネルが対象について生成される。別の工程では、対象の疾患重症度を示す、対象の疾患状態を決定し得る。疾患状態は、例えば、対象について決定されたバリアント頻度によって表され得る。一定期間後、第2の試験サンプルが対象から取得され得る。別の工程では、第2の試験サンプル中の核酸分子が配列決定される。別の工程では、バリアント遺伝子座における遺伝的バリアントは個別化バリアントパネルから選択される。別の工程では、バリアント遺伝子座と重複し、試験サンプルと関連する配列決定リードが得られる。各配列決定リードに対する参照マッチスコアは、配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって得られ、各配列決定リードに対するバリアントマッチスコアは、別の工程で配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって生成される。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを使用して、配列決定リードは、バリアントを有する、バリアントを有さない、または別の工程での確定的でないリードとして分類される。別の工程では、遺伝的バリアントの頻度は、バリアントを有すると分類された配列決定リードの数およびバリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して決定される。決定されたバリアント頻度を使用して、第2のサンプルが対象から取得される時間である疾患の重症度を示す対象の疾患状態を決定し得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、監視される疾患は癌である。例えば、いくつかの実施形態では、疾患は、B細胞癌、例えば、多発性骨髄腫、黒色腫、乳癌、肺癌(非小細胞肺癌またはNSCLCなど)、気管支癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、膀胱癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、食道癌、子宮頸癌、子宮癌または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸または付属器癌、唾液腺癌、甲状腺癌、副腎腺癌、骨肉腫、軟骨肉腫、血液組織の癌、腺癌、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、胃腸間質腫瘍(GIST)、結腸癌、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、多発性細胞血症ベラ、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨形成性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄質癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、胃癌、頭頸部癌、小細胞癌、本態性血小板血症、アグノーゲン性骨髄性化生、高好酸球性症候群、全身性肥満細胞症、おなじみの高好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌癌、または癌様腫瘍などである。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、ウイルス株または細菌株を同定するために使用される。細菌およびウイルスは変異する可能性があり、特定の株の種類を明確に区別することは、感染した対象を処置するために特に重要であり得る。例えば、対象に感染している黄色ブドウ球菌株がメチシリンおよび/またはバンコマイシンに耐性であるかどうかを知ることが重要である。抗生物質または他の薬物耐性細菌およびウイルスは、ゲノムシグネチャを有し、本明細書に記載の方法が使用されて異なる株を迅速に特徴付け得る。
【0142】
疾患処置
本明細書に記載される方法は、疾患を有する対象を処置するときに使用され得る。上述したように、本方法は、対象における癌進行などの疾患進行を監視することを含み得る。疾患の進行を監視することは、臨床医がより良好な処置決定を提供することを可能にし、疾患(例えば、癌)の再発または転移をスクリーニングするために使用され得る。
【0143】
第1の試験サンプルは、疾患を有する対象から取得され得、試験サンプルからの核酸分子は、第1の配列決定リードを生成するために配列決定され得、第1の配列決定リードは、対象についての個別化バリアントパネルを生成するために使用される。次いで、疾患療法が対象に投与され、一定期間後、第2の時点で対象から第2の試験サンプルが取得される。第2の試験サンプルからの核酸分子は、第2の配列決定リードを生成するための配列とし得、第2の配列決定リードは、本明細書に記載の方法を使用して標識され得る。配列決定リードは、例えば、個別化バリアントパネルからのバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択すること、(b)バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連する1つ以上の配列決定リードを取得すること、(c)各配列決定リードを、対応する参照配列(対応する参照配列は遺伝的バリアントを含まない)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成すること、(d)各配列決定リードを、対応するバリアント配列(対応するバリアント配列は遺伝的バリアントを含む)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成すること、および(e)参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードのいずれかであると分類すること、によって分類され得、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして標識される。第1の疾患状態は、第1の配列決定リードを使用して決定され得、第2の疾患状態は、標識された第2の配列決定リードを使用して決定され得る。疾患の進行は、第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって決定され得る。対象に投与される疾患療法は、疾患の進行に基づいて調整され得、次いで、調整された疾患療法が対象に投与され得る。
【0144】
例示的な実施形態では、疾患(癌など)を有する対象を処置する方法は、対象から第1の試験サンプルを取得する工程;第1の試験サンプル中の核酸分子を配列決定して第1の配列決定リードを生成する工程;第1の配列決定リードを使用して第1の疾患状態を決定する工程;対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程;対象に疾患療法を投与する工程;疾患療法が対象に投与された後に対象から第2の試験サンプルを取得する工程;試験サンプル中の核酸分子を配列決定して第2の配列決定リードを生成する工程;(a)バリアントパネルからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択し;(b)バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連する1つ以上の配列決定リードを取得し;(c)各配列決定リードを対応する参照配列(対応する参照配列は遺伝的バリアントを含まない)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成し;(d)各配列決定リードを対応するバリアント配列(対応するバリアント配列は遺伝的バリアントを含む)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成し;(e)参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードであるかのいずれかであると分類する工程(参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして標識される);分類された第2の配列決定リードを使用して第2の疾患状態を決定する工程;第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定する工程;疾患進行に基づいて対象に投与される疾患療法を調整する工程;および調整された疾患療法を対象に投与する工程を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、疾患療法(癌を処置するための癌療法など)は、手術(例えば、1つ以上の癌を除去するための切除手術)を含む。いくつかの実施形態では、疾患療法は、放射線療法(例えば、外部ビーム放射線療法、定位放射線療法、強度変調放射線療法、容積変調アーク療法、粒子療法(プロトン療法など)、オーガー療法、近接照射療法または全身放射性同位体療法)を含む。いくつかの実施形態では、疾患療法は、癌を処置するための1つ以上の化学療法剤などの1つ以上の化学薬品の投与を含む。例示的な化学療法剤としては、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、バルルビシン)アルキル化剤もしくはアルキル化剤様剤(カルボプラチン、カルムスチン、シスプラチン、シクロホスファミド、メルファラン、プロカルバジン、またはチオテパなど)またはタキサン(パクリタキセル、ドセタキセル、またはタキソテールなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0146】
いくつかの実施形態では、療法は免疫療法である。いくつかの実施形態では、療法は免疫チェックポイント阻害剤である。
【0147】
いくつかの実施形態では、疾患療法は標的療法である。例示的な標的療法としては、チロシン-キナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ボルテゾミブ、JAK阻害剤(例えば、トファシチニブ)、ALK阻害剤(例えば、クリゾチニブ)、BCL-2阻害剤(例えば、オバトクラックス、ナビトクラックス、ゴシポール)、PARP阻害剤(例えば、イニパリブ、オラパリブ)、PI3K阻害剤(例えば、ペリホシン)、アパチニブ、BRAF阻害剤(例えば、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、LGX818)、MEK阻害剤(例えば、トラメチニブ、MEK162)、CDK阻害剤、Hsp90阻害剤、またはサリノマイシン)、セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス、ベムラフェニブ、トラメチニブ、またはダブラフェニブ)、またはモノクローナル抗体(例えば、ペンブロリズマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブまたはベバシズマブ)が挙げられる。
【0148】
いくつかの実施形態では、対象に投与される治療剤は、本明細書中に記載される方法を使用してサンプル中の遺伝的バリアントを呼び出すことに基づいて選択される。例えば、本明細書に記載の方法を使用した特定のバイオマーカーの検出は、特定の治療様式を選択するための基礎として使用され得る。特定された所与の突然変異に対する例示的な個別化治療選択を表1に列挙する。
【表1】
【0149】
いくつかの実施形態では、処置される疾患は癌である。例えば、いくつかの実施形態では、疾患は、B細胞癌、例えば、多発性骨髄腫、黒色腫、乳癌、肺癌(非小細胞肺癌またはNSCLCなど)、気管支癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、膀胱癌、脳または中枢神経系癌、末梢神経系癌、食道癌、子宮頸癌、子宮癌または子宮内膜癌、口腔または咽頭癌、肝癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸または付属器癌、唾液腺癌、甲状腺癌、副腎腺癌、骨肉腫、軟骨肉腫、血液組織の癌、腺癌、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、胃腸間質腫瘍(GIST)、結腸癌、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄球性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、多発性細胞血症ベラ、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨形成性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄質癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、胃癌、頭頸部癌、小細胞癌、本態性血小板血症、アグノーゲン性骨髄性化生、高好酸球性症候群、全身性肥満細胞症、おなじみの高好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌癌、または癌様腫瘍などである。
【0150】
コンピュータシステムおよび方法
本明細書に記載の方法は、1つ以上のコンピュータシステムを使用して実装され得る。そのようなコンピュータシステムは、コンピュータシステムがそのような方法を実行するために1つ以上のプロセッサを実行するように構成された1つ以上のプログラムを含み得る。コンピュータ実装方法の1つ以上の工程は、自動的に実行されてもよい。
【0151】
いくつかの実施形態では、対象からの試験サンプル中の遺伝的バリアントの存在を検出し、および/もしくはバリアント対立遺伝子頻度を決定するための、または対象からの試験サンプルに関連する配列決定リードを分類するためのコンピュータ実装方法は、(a)1つ以上のプロセッサを使用して、メモリに記憶されたバリアントパネルからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択する工程;(b)1つ以上のプロセッサにおいて、メモリに記憶された1つ以上の配列決定リードを受信する工程であって、配列決定リードが、バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連する、メモリに記憶された1つ以上の配列決定リードを受信する工程;(c)1つ以上のプロセッサを使用して、各配列決定リードをメモリから取得された対応する参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成する工程であって、対応する参照配列が遺伝的バリアントを含まない、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成する工程;(d)1つ以上のプロセッサを使用して、各配列決定リードをメモリから取得された対応するバリアント配列にアライメントすることによって、1つまたは複数の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成する工程であって、対応するバリアント配列が、遺伝的バリアントを含む、1つまたは複数の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成する工程;(e)1つ以上のプロセッサを使用して、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、また確定的でないリードであるかのいずれかであると標識する工程を含み、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして標識される。
【0152】
コンピュータ実装方法のいくつかの実施形態では、本方法は、対応する参照配列および/または対応するバリアント配列を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、対応する参照配列および対応するバリアント配列は、遺伝的バリアントを除いて同一である。
【0153】
コンピュータ実装方法のいくつかの実施形態では、1つ以上の配列決定リードは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードを含み、本方法は、遺伝的バリアントを有する複数の配列決定リードからのいくつかの配列決定リードまたは遺伝的バリアントを有しない複数の配列決定リードからのいくつかの配列決定リードを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、遺伝的バリアントを有する配列決定リードの数および遺伝的バリアントを有しない配列決定リードの数を使用して、遺伝的バリアントについてのバリアント頻度を決定することをさらに含む。
【0154】
コンピュータ実装方法のいくつかの実施形態では、本方法は、バリアントパネルから選択される異なるバリアント遺伝子座における複数の遺伝的バリアントについて試験サンプルに関連する1つまたは複数の配列決定リードを標識することを含む。
【0155】
コンピュータ実装方法のいくつかの実施形態では、本方法は、対象の疾患状態を決定することを含む。例えば、疾患状態は、試験サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値とし得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、Smith-Watermanアライメントアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、Needleman-Wunschアライメントアルゴリズムを使用して決定される。
【0157】
本開示による実施形態は、対象からの試験サンプル中のバリアント頻度を決定するためのコンピュータ実装方法を提供し得る。最初の工程402では、1つ以上のプロセッサを使用して、メモリに記憶されたバリアントパネルから、バリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択することを含む。いくつかの実施形態では、この工程は、メモリに記憶されたバリアントパネルから1つ以上のバリアントについての遺伝的バリアントおよびバリアント遺伝子座の情報を受信することを含む。例えば、プロセッサは、メモリにアクセスして、メモリに記憶されたテーブルまたはファイルに列挙され得る遺伝的バリアントおよびバリアント遺伝子座の情報を取得し得る。選択は、任意の適切なプロセスによって(例えば、ランダムに、順次に、優先順位付けランクを使用して)バリアントパネルから行われる。いくつかの実施形態では、コンピュータ実装方法は、バリアントパネル内の所望の数(または全て)のバリアントが分析されるまで繰り返される。
【0158】
別の工程は、1つ以上のプロセッサにおいて、メモリに保存された1つ以上の配列決定リードを受け取ることを含み得、配列決定リードは、バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連付けられる。例えば、プロセッサは、バリアント遺伝子座と重複する1つ以上の配列決定リードを取得するためにメモリにアクセスし得る。メモリは、リードおよびリード遺伝子座を含む配列決定リード(例えば、BAMまたはSAMファイル)を含むテーブルまたはファイルを記憶し得る。次いで、選択されたバリアントの遺伝子座と重複するテーブルまたはファイル内の配列決定リードが選択され、1つ以上のプロセッサにおいて受信され得る。
【0159】
別の工程は、1つ以上のプロセッサを使用して、各配列決定リードをメモリから検索された対応する参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成することを含み得、対応する参照配列は遺伝的バリアントを含まない。いくつかの実施形態では、この工程は、選択されたバリアント(すなわち、対応する参照配列)に対応する参照配列を受信することを含む。例えば、対応する参照配列は、メモリ内のテーブルまたはファイルに記憶され得る。いくつかの実施形態では、対応する参照配列を記憶するテーブルまたはファイルは、選択されたバリアントまたはバリアントパネルに関する情報を記憶する同じテーブルまたはファイルである。いくつかの実施形態では、対応する参照配列を記憶するテーブルまたはファイルは、選択されたバリアントまたはバリアントパネルに関する情報を記憶するテーブルまたはファイルとは異なるテーブルまたはファイルである。選択されたバリアントに対応し、1つ以上のプロセッサにおいて受信された各配列決定リードは、アライメントモジュールを使用して対応する参照配列にアライメントされる。アライメントモジュールは、アライメントアルゴリズム(例えば、Smith-WatermanアライメントアルゴリズムまたはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズム)を実装して、参照マッチスコアを生成する。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアは、例えば、配列決定リードを記憶するテーブルもしくはファイルを自動的に更新することによって、または参照マッチスコアおよび関連リードもしくはリード識別子を含む新たなテーブルもしくはファイルを自動的に生成することによって、メモリに記憶される。
【0160】
別の工程は、1つ以上のプロセッサを使用して、各配列決定リードをメモリから検索された対応するバリアント配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成することを含み得、対応するバリアント配列は遺伝的バリアントを含む。いくつかの実施形態では、この工程は、選択されたバリアントに対応するバリアント配列(すなわち、対応するバリアント配列)を受信することを含む。例えば、対応するバリアント配列は、メモリ内のテーブルまたはファイル(これは、対応する参照配列を記憶するテーブルもしくはファイルと同じファイルもしくはテーブルであってもよく、または異なるファイルであってもよい)に記憶され得る。いくつかの実施形態では、対応するバリアント配列を記憶するテーブルまたはファイルは、選択されたバリアントまたはバリアントパネルに関する情報を記憶する同じテーブルまたはファイルである。いくつかの実施形態では、対応するバリアント配列を記憶するテーブルまたはファイルは、選択されたバリアントまたはバリアントパネルに関する情報を記憶するテーブルまたはファイルとは異なるテーブルまたはファイルである。選択されたバリアントに対応し、1つ以上のプロセッサにおいて受信された各配列決定リードは、アライメントモジュールを使用して対応するバリアント配列にアライメントされる。アライメントモジュールは、アライメントアルゴリズム(一般に、配列決定リードを基準アライメントモジュールとアライメントするために使用されるのと同じアライメントアルゴリズム)を実装してバリアントマッチスコアを生成する。いくつかの実施形態では、バリアントマッチスコアは、例えば配列決定リードを記憶するテーブルもしくはファイルを自動的に更新することによって、または参照マッチスコアおよび関連リードもしくはリード識別子を含む新たなテーブルもしくはファイルを自動的に生成することによって、メモリに記憶される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアの双方を含むテーブルまたはファイルが自動的に生成される。
【0161】
別の工程は、1つ以上のプロセッサを使用して、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、また確定的でないリードであるかのいずれかであると分類する工程を含み得、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして分類される。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサを使用して、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードであるかのいずれかであるとして分類する工程は、参照マッチスコアに基づき、バリアントマッチスコアは、標識モジュールによって実施される。標識モジュールは、バリアントマッチスコアと参照マッチスコアとを比較し得る。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアントとより密接に一致することを示す場合、配列決定リードは、遺伝的バリアントを有すると分類される。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードは、遺伝的バリアントを有しないと分類される。さらに、いくつかの実施形態では、配列決定リードは、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合、確定的でないリードとして分類される。いくつかの実施形態では、配列決定リードに関連する標識は、メモリに自動的に記憶される。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、メモリに記憶されたテーブルまたはファイルに自動的にアクセスし、配列決定リードの標識を含むようにファイルを更新する。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、テーブルまたはファイルを自動的に生成し、配列決定リードのための標識を含むメモリ上にそれを記憶する。
【0162】
別の工程は、1つ以上のプロセッサを使用して、バリアントを有する配列決定リードの数およびバリアントを有しない配列決定リードの数を使用して遺伝的バリアント頻度を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、遺伝的バリアントの頻度を記録するためにメモリ内のテーブルまたはファイルを自動的に生成または更新する。
【0163】
対象由来の試験サンプル中の遺伝的バリアントを検出するかまたは遺伝的バリアントの対立遺伝子頻度を決定するためのコンピュータ実装方法は、1つ以上のプロセッサと、参照配列およびバリアント配列対を記憶するメモリとを含む電子システムの使用を含み得る。参照配列およびバリアント配列対は、1つ以上のプロセッサを使用して、メモリに記憶されたバリアントパネルから選択され得る方法によって照会される遺伝的バリアントに対応する。1つ以上のプロセッサは、試験サンプルから1つ以上の配列決定リードを受信し得、配列決定リードは、照会された遺伝的バリアントの遺伝子座と重複する。1つ以上のプロセッサはまた、メモリから参照配列を受信し、各配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成し得る。さらに、1つ以上のプロセッサは、メモリからバリアント配列を受信し、各配列決定radを対応するバリアント配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成し得る。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、配列決定リードを、遺伝的バリアントを有するかまたは遺伝的バリアントを有しないとして分類し得る。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、確定的でないとして分類され得、これは、配列決定リードが、バリアントを有するものとして、またはバリアントを有しないものとして分類され得ないことを示し、例えば、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは等しい。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードは、遺伝的バリアントを有すると分類される。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードは、遺伝的バリアントを有しないと分類される。最後に、配列決定リードは、確定的でないリードとして分類され、例えば、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合は不確定である。分類された配列決定リードは、メモリに保存され得るか、または遺伝的バリアントを有する配列決定リードの数および/または遺伝的バリアントを有しない配列決定リードの数(および場合により、確定的でないリードの数)が、メモリに保存され得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ実装プロセスは、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および/または遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、サンプルをバリアントを有するとして呼び出し得、および/またはサンプルについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定し得る。このプロセスは、照会されるべき任意の数の遺伝的バリアントについて繰り返され得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、対象からの試験サンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、または遺伝的バリアントの対立遺伝子頻度を決定するコンピュータ実装方法であって、1つ以上のプロセッサと、遺伝的バリアントを含まない参照配列およびバリアント遺伝子座に遺伝的バリアントを含むバリアント配列を記憶するメモリとを備える電子デバイスを備え、1つ以上のプロセッサにおいて、参照配列およびバリアント配列に対応する試験サンプルに関連する1つ以上の配列決定リードを受信する工程;1つ以上のプロセッサにおいて、メモリから参照配列を受信する工程;1つ以上のプロセッサにおいて、各配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成する工程;1つ以上のプロセッサにおいて、メモリからバリアント配列を受信する工程;1つ以上のプロセッサにおいて、各配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成する工程;ならびに1つ以上のプロセッサにおいて、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードであるかのいずれかであると標識する工程を含み;参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして標識される。いくつかの実施形態では、本方法は、各配列決定リードに関連する標識をメモリに記憶することをさらに含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、コンピュータ実装方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、標識された1つ以上の配列決定リードに基づいて、試験サンプル中の遺伝的バリアントの存在を呼び出すことをさらに含み得る。遺伝的バリアントのコールは、1つ以上のプロセッサによってメモリに記憶され得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、コンピュータ実装方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、分類された1つ以上の配列決定リードに基づいて、試験サンプル中の遺伝的バリアントのバリアント対立遺伝子頻度を決定することをさらに含み得る。バリアント対立遺伝子頻度コールは、メモリに記憶され得る。
【0167】
コンピュータ実装方法は、メモリに記憶されたバリアントパネルの使用に依存して、本方法に従って使用される参照配列および/またはバリアント配列を生成し得る。本方法は、1つ以上のプロセッサを使用して、バリアントパネルから遺伝的バリアントを選択することと、1つ以上のプロセッサを使用して、参照配列および/またはバリアント配列を生成することと、参照配列および/またはバリアント配列をメモリに記憶することと、を含み得る。他の実施形態では、本方法に従って使用される参照配列および/または配列決定されたバリアントは、メモリに予め記憶されており、照会された遺伝的バリアントに対応する。
【0168】
いくつかの実施形態では、コンピュータ実装方法は、報告(電子医療記録など)の自動生成または更新を含む。報告は、遺伝的バリアントの有無の呼び出し、バリアント対立遺伝子頻度の呼び出し、および/または疾患状態の1つ以上を含み得る。報告はまた、対象の識別情報(例えば、氏名、識別番号など)を含み得る。報告は、メモリに記憶されてもよく、および/または第2の電子デバイス(例えば、対象の電子デバイスまたは対象の医療提供者)に送信されてもよい。
【0169】
本明細書に記載された技術は、1つ以上の装置で実施され得る。いくつかの実施形態では、装置は、1つ以上の電子デバイスを備える。図2は、一実施形態によるコンピューティングデバイスの一例を示す。デバイス200は、ネットワークに接続されたホストコンピュータとし得る。デバイス200は、クライアントコンピュータまたはサーバとし得る。図2に示すように、デバイス200は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、または電話もしくはタブレットなどのハンドヘルドコンピューティング装置(ポータブル電子デバイス)などの任意の適切なタイプのマイクロプロセッサベースのデバイスとし得る。デバイスは、例えば、プロセッサ210、入力デバイス220、出力デバイス230、ストレージ240、および通信デバイス260のうちの1つ以上を含み得る。入力デバイス220および出力デバイス230は、一般に、上述したものに対応し得、コンピュータと接続可能とし得るかまたは一体化され得る。
【0170】
入力デバイス220は、タッチスクリーン、キーボードもしくはキーパッド、マウス、または音声認識デバイスなどの入力を提供する任意の好適なデバイスであってもよい。出力デバイス230は、タッチスクリーン、触覚デバイス、またはスピーカなど、出力を提供する任意の好適なデバイスであってもよい。
【0171】
ストレージ240は、RAM、キャッシュ、ハードドライブ、またはリムーバブルストレージディスクを含む、電気、磁気、または光学メモリ等のストレージを提供する任意の好適なデバイスであってもよい。通信デバイス260は、ネットワークインターフェースチップまたはデバイスなどのネットワークを介してシグナルを送受信し得る任意の好適なデバイスを含み得る。コンピュータの構成要素は、物理的バスまたは無線等の任意の好適な様式で接続し得る。
【0172】
ストレージ240に記憶され、プロセッサ210によって実行され得るソフトウェア250は、例えば、(例えば、上述したようなデバイスにおいて具現化されるように)本開示の機能を具現化するプログラミングを含み得る。
【0173】
ソフトウェア250はまた、命令実行システム、装置、もしくは上述したもの等のデバイスによって、またはそれらと接続して使用するための任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に記憶および/または転送され得、命令実行システム、装置、もしくはデバイスからの、ソフトウェアに関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行し得る。本開示の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、ストレージ240等の任意の媒体とし得、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはそれらと接続して使用するためのプログラミングを含むか、もしくは記憶し得る。
【0174】
ソフトウェア250はまた、命令実行システム、装置、もしくは上述したものなどのデバイスによって、またはそれらと接続して使用するための任意の伝送媒体内に伝播され得、命令実行システム、装置、もしくはデバイスからの、ソフトウェアに関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行し得る。本開示の文脈において、伝送媒体は、任意の媒体とし得、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはそれらと接続して使用するための伝送プログラミングを通信、伝播、または伝送し得る。伝送可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、もしくは赤外線の有線または無線伝播媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0175】
デバイス200は、任意の好適な種類の相互接続された通信システムとし得るネットワークへと接続され得る。ネットワークは、任意の好適な通信プロトコルを実装し得、任意の好適なセキュリティプロトコルによって保護され得る。ネットワークは、無線ネットワーク接続(T1もしくはT3回線)、ケーブルネットワーク、DSL、または電話回線などの、ネットワークシグナルの送受信を実装し得る任意の好適な配置のネットワークリンクを含み得る。
【0176】
デバイス200は、ネットワーク上で動作するのに好適な任意のオペレーティングシステムを実装し得る。ソフトウェア250は、C、C++、Java、またはPythonなどの任意の好適なプログラミング言語で書かれ得る。様々な実施形態では、本開示の機能を具現化するアプリケーションソフトウェアは、異なる構成で(例えば、クライアント/サーバ配置で、またはウェブベースのアプリケーションもしくはウェブサービスとしてのウェブブラウザを介して)展開され得る。
【0177】
例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサと、メモリと、1つ以上のプログラムと、を備え、1つ以上のプログラムが、メモリに記憶され、1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、1つ以上のプログラムが、(a)バリアントパネルからのバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択するための命令;(b)バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連する1つ以上の配列決定リードを取得するための命令;(c)各配列決定リードを、対応する参照配列(対応する参照配列は遺伝的バリアントを含まない)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成するための命令;(d)各配列決定リードを、対応するバリアント配列(対応するバリアント配列は遺伝的バリアントを含む)にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成するための命令;(e)参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードのいずれかであると分類するための命令を含み、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして標識される。
【0178】
別の例示的な実施形態では、1つ以上のプログラムを記憶する非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上のプログラムが、ディスプレイを有する電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、(a)バリアントパネルからのバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択すること;(b)バリアント遺伝子座と重複する試験サンプルに関連する1つ以上の配列決定リードを取得すること;(c)各配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成すること(対応する参照配列が遺伝的バリアントを含まない);(d)各配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成すること(対応するバリアント配列が遺伝的バリアントを含む);ならびに(e)参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードであるかのいずれかであると標識することをデバイスに行わせ、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応する参照配列よりも対応するバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが対応するバリアント配列よりも対応する参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと標識され、配列決定リードが、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないリードとして標識される。
【0179】
ノイズを低減し、検出精度を向上させるためのモデル
本明細書に記載される方法は、対象から得られた1つ以上のサンプルの遺伝的バリアントを検出し、および/またはバリアント対立遺伝子頻度を評価するための方法を提供し得る。モデル、例えば、確率モデルまたは分布モデルは、ノイズを考慮し、方法の精度を改善するために利用し得る。いくつかの実施形態では、ノイズは、対象から得られたサンプルを配列決定して1つ以上の配列決定リードを作製し、その配列決定リードを参照配列とアライメントすることから導入され得る。配列決定リードに関連する潜在的な誤差、例えば、配列決定リードおよびアライメントプロセスによって導入される誤差の結果として、いくつかの方法は、バリアントがサンプルデータ中に存在しない場合、配列決定リードを代替として誤って割り当てる(例えば、バリアント)場合がある。すなわち、配列決定およびアライメントプロセスを介して導入された誤差は偽陽性をもたらす可能性があり、実際には配列決定リードにバリアントが存在しない場合、配列決定リードはバリアントとして同定される。
【0180】
本明細書で使用される場合、ノイズは、配列決定リードに導入された1つ以上の誤差を指し得る。いくつかの実施形態では、誤差は、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、および配列決定誤差のうちの1つ以上を含み得る。例えば、配列決定プロセスは、配列決定リードに1つ以上の誤差を導入し得る。例えば、サンプルを配列決定する間、システムは、配列決定リードに挿入、欠失、置換または再編成の1つ以上を意図せず導入し得る。いくつかの例では、アライメントプロセスは、配列決定リードに1つ以上の誤差を導入し得る。例えば、配列決定リードは、配列決定リードを参照配列と比較すると、配列決定リードにおける挿入、欠失、置換または再編成の1つ以上が出現するように、対応する参照配列とミスアライメントする可能性がある。
【0181】
いくつかの例では、配列決定リードに関連するノイズは、遺伝子座特異的であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、アライメントプロセスは、バリアント遺伝子座におけるバリアントの配列状況に敏感であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、サンプルに関連するノイズを考慮することは、遺伝子座特異的であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、モデルは、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおける1つ以上のノイズ源に関連する1つ以上の関数と関連し得る。上記のように、1つ以上のノイズ源は、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0182】
図11は、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出し、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定するための例示的な方法を示す。ステップ1102において、バリアント特異的モデルを、1つ以上の野生型サンプルに基づいて決定し得る。このモデルは、野生型サンプル(すなわち、バリアントを含まない配列決定リード)からの配列決定リードがバリアントを有するとして検出される偽陽性とは対照的に、同定された遺伝的バリアントが真陽性である可能性を示し得る。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、配列決定カウント、深度、または2つの比の1つ以上と関連付けられ得る。本明細書で使用される場合、「配列決定カウント」は、以前のベースライン変化の存在を支持すると分類されるいくつかのリードを指し得る。本明細書で使用される場合、「配列決定深度という用語は、以前のベースライン変化の遺伝子座に見られるいくつかのリードを指し得る。本明細書で使用される場合、配列決定深度に対する配列決定カウントの比は、バリアント対立遺伝子頻度(VAF)と関連付けられ得る。1つ以上の例では、明確でないリード(例えば、改変または参照ゲノムを支持しない)は除外される。
【0183】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、参照バリアント、例えば、上記のバリアントパネルから選択される遺伝的バリアントに関して決定し得る。例えば、野生型サンプルは、野生型配列決定リードが参照バリアントを含まないように、参照バリアントの遺伝子座を含むがバリアント自体を含まないように選択し得る。いくつかの実施形態では、バリアントを含まない配列決定リードは、野生型サンプルのそれぞれに対して遺伝子座特異的であり得、例えば、各野生型に対する配列決定リードは、参照バリアントの遺伝子座に対応し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の野生型サンプルは、野生型サンプルのプールに対応し得る。いくつかの実施形態では、野生型プールは10~10,000個のサンプルを含み得、例えば、いくつかの実施形態では、野生型プールは約10個のサンプル、約100個のサンプル、約1,000個のサンプル、約10,000個のサンプル、または約100,000個のサンプルを含み得る。当業者は、より多いまたはより少ないサンプルが野生型プールに含まれ得ること、および野生型プールのサイズが本開示の範囲を限定することを意図しないことを理解するであろう。モデルの生成の詳細について、図12を用いて説明する。
【0184】
工程1104において、バリアント特異的モデルを、対象からのサンプルから得られた複数の配列決定リードに適用し得る。バリアント特異的モデルは、サンプルから生成された配列決定リードに適用して、サンプルが参照バリアントを含むかどうかを決定し得る。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、遺伝子座特異的モデルであり得る。例えば、バリアント特異的モデルは、予め決められた遺伝子座に関して決定され得る。したがって、バリアント特異的モデルは、サンプルのバリアント遺伝子座、例えば、サンプル上の対応する遺伝子座に適用し得る。いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは、遺伝子座特異的でなくてもよく、1つ以上のバリアント遺伝子座に適用し得る。モデルの適用の詳細は、図13図15を参照して本明細書で説明される。
【0185】
図12は、1つ以上の野生型サンプル(例えば、図11の工程1102)に基づいてバリアント特異的モデルを決定するための例示的な方法を示す。工程1202において、バリアント遺伝子座と重複し、試験サンプルと関連する配列決定リードが取得される。例えば、配列決定リードは、サンプル中の核酸分子を配列決定することによって生成し得る。いくつかの実施形態では、これらの配列決定リードは、野生型プールから選択される野生型サンプルに由来し得る。
【0186】
工程1204において、各配列決定リードに対する参照マッチスコアは、配列決定リードを対応する参照配列にアライメントすることによって得ることが可能である。工程1206において、各配列決定リードに対するバリアントマッチスコアを、配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって生成し得る。参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを使用して、配列決定リードを、工程208においてバリアントを有する、バリアントを有しない、または確定的でないリードのうちの少なくとも一方として分類し得る。例えば、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードはバリアントを有すると分類され得る。別の例として、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードはバリアントを有しないと分類され得る。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないとして分類され得る。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、リードが参照配列として分類されるべきである尤度と、リードがバリアントとして分類されるべきである尤度とが等しいとき、確定的でないとして分類され得る。
【0187】
工程1210において、バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を、複数の配列決定リードについて決定し得る。いくつかの実施形態では、参照バリアントを有するものとして分類されている配列決定リードの数は、nとして表し得る。参照バリアントを有しないと分類された配列決定リードの総数はzとして表し得、確定的でないリードはICとして表し得る。上述のように、野生型のサンプルは、これらのサンプルが参照バリアントを含まないために選択される。これに基づいて、野生型のサンプルについて参照バリアントを有すると分類された配列決定リードの数は0であると予想され得る。しかしながら、実際には、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数は、配列決定データにおけるノイズのために非ゼロであり得る。したがって、野生型のサンプルからの遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数についての任意の非ゼロ値は、ノイズに起因し得る。
【0188】
ステップ1212において、モデル、例えば、分布モデルを、ステップ1210において遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および分類された配列決定リードの総数に基づいて適合させ得る。例えば、配列決定リードが野生型のサンプルからバリアントとして分類されている確率p(すなわち、偽陽性)を決定し得る。いくつかの実施形態では、配列決定リードがバリアントとして分類されている確率pは、p=n/Nとして表し得、ここで、Nは分類された配列決定リードの総数に対応する(例えば、N=n+z+IC)。
【0189】
いくつかの実施形態では、分布は、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および配列決定リードの総数から確定的でないと分類された配列決定リードの数を引いた数に基づいて適合させ得る(例えば、工程1212)。そのような実施形態によれば、配列決定リードがバリアントとして分類されている確率pは、p=n/(N-IC)として表し得、その結果、確定的でないリードの数は分析から除外される。この後者の実施形態によれば、確定的でないリードはサンプルがバリアントを含むかどうかを示さない可能性があるので、確率メトリックから確定的でないリードを除外することにより、精度を向上させ得る。
【0190】
いくつかの実施形態では、分布は、2つ以上のサンプル、例えば、野生型のプールからの2つ以上のサンプルの確率に基づいて適合させ得る。例えば、野生型プールからの第2のサンプルに関して工程1202から1210を繰り返して、配列決定リードがバリアントとして標識されている第2の確率を求め得る。次いで、分布を、野生型プールからのサンプルから決定された確率のセットに適合させ得る。分布に適合するために使用されるサンプルの数は、本開示を限定することを意図するものではなく、当業者は、野生型プールから選択される任意の数のサンプルを使用して対応する確率を決定し、分布に適合させ得ることを理解するであろう。例えば、バリアントnとして分類された配列決定リードの数がベルヌーイプロセスの結果として扱われる場合、N個の配列決定リードからn個の配列決定リードを見つける確率は、B(n;p,N)として表し得、Bは二項分布である。いくつかの実施形態では、N-IC配列決定リードからn個の配列決定リードを見つける確率は、B(n;p,N-IC)として表し得、Bは二項分布である。
【0191】
いくつかの実施形態では、分布は、2つ以上のサンプル、例えば、野生型のプールからの2つ以上のサンプルの確率に基づいて適合させ得る。例えば、野生型プールから選択された2つ以上のサンプルを含むサンプルプールに、工程1202から1210を適用して、2つ以上のサンプルからの配列決定リードがバリアントとして標識されている確率を得ることが可能である。次いで、プールされたサンプルから決定された確率に基づいて分布を適合させ得る。プールに含まれるサンプルの数は、本開示を限定することを意図するものではなく、当業者は、野生型プールから選択された任意の数のサンプルを使用して対応する確率を決定し、分布に適合させ得ることを理解するであろう。例えば、バリアントnとして分類されたサンプルプールからの配列決定リードの数がベルヌーイプロセスの結果として扱われる場合、N個の配列決定リードからn個の配列決定リードを見つける確率は、B(n;p,N)として表し得、Bは二項分布である。いくつかの実施形態では、N-IC配列決定リードからn個の配列決定リードを見つける確率は、B(n;p,N-IC)として表し得、Bは二項分布である。
【0192】
いくつかの例では、例示的な分布は、図12に関して説明した方法に基づいて適合させ得る。例えば、例示的な分布に基づいて得られたモデル適合は、野生型プールからの1つ以上のサンプルについて計算されたメトリックに基づく分布適合に対応し得る。モデルy軸は、配列決定リードの総数(Mとして表される)からバリアントとして分類された配列決定リードの観察された数(mとして表される)がノイズに由来する確率qに対応し得る。例えば、モデルは、m/Mを受信してqを決定するように構成し得る。いくつかの実施形態では、モデルは、m/(M-IC)を受信してqを決定するように構成し得る。
【0193】
いくつかの例では、確率分布、例えば、バリアント特異的モデルを使用して、1つ以上の閾値を決定し得る。1つ以上の閾値は、ノイズを説明するために対象からのサンプルを評価するときに使用し得る。例えば、閾値を使用して、遺伝的バリアントを検出するために、または対象からのサンプル中のバリアント対立遺伝子頻度を決定し得る。いくつかの例では、単一の閾値を使用して、配列決定リードを、バリアントを有するか、またはバリアントを有しないと同定し得る。いくつかの例では、少なくとも2つの閾値を使用して、配列決定リードを、バリアントを有するか、またはバリアントを有しないか、または確定的でないと同定し得る。いくつかの実施形態では、閾値はバリアント固有であり得る、すなわち、閾値は各バリアントに対して別々に決定され得る。例えば、バリアント間の閾値は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、閾値は、バリアント間で一貫していてもよい。ここで、閾値の使用の詳細について、図13を用いて説明する。
【0194】
いくつかの実施形態では、異なるバリアント遺伝子座については異なる確率分布を決定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、工程1102は、第1のバリアント遺伝子座に関して実行され、第2のバリアント遺伝子座に関して繰り返され得る。このように、第1のバリアント遺伝子座と第2のバリアント遺伝子座とでノイズが異なる程度まで、バリアント特異的モデルがこの違いを説明し得る。
【0195】
上記の例は二項分布に関して説明されるが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく他の機能を使用できることを理解するであろう。例えば、バリアント特異的モデルは、バリアント体遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに適合する1つ以上の関数と関連付けられ得る。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、一様分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数などのうちの1つ以上を使用し得る。いくつかの実施形態では、確率分布は、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数と関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、確率分布は、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードについてのデータに当てはめられた1つ以上の関数と関連付けられ得る。
【0196】
いくつかの実施形態では、確率分布を決定するための機構的アプローチ、例えば、バリアント特異的モデルを使用し得る。例えば、機構的アプローチに基づいて、各遺伝子座における特定のノイズ源(例えば、配列決定誤差、増幅(PCR)誤差、およびアライメント誤差)を分析し得る。例えば、増幅および配列決定に使用される化学、配列決定アーチファクト、および/または配列決定誤差に起因する特定の分子誤差は、例えば、工程1102に従って、特定の遺伝子座について検査およびモデル化し得る。1つ以上の例では、これらの別々のモデルを単一の複合モデルまたは分布に組み合わせ得る。いくつかの実施形態では、特定のサブプロセスに関連する1つ以上のモデルを使用して、固有分子識別子(UMI)および適合バックグラウンド補正(FBC)などの1つ以上の誤差補正スキームを実装することによって、様々な誤差(例えば、配列決定誤差およびPCR誤差)の影響を低減し得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、経験的アプローチを使用し得る。例えば、経験的アプローチに基づいて、例えば、工程1102に従って多数の配列決定リードを収集および検査し得、得られたデータを、例えば、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の関数に適合させ得る。例えば、バリアント特異的モデルは、3つの異なる二項分布の和によって表されてもよい。
【0198】
いくつかの実施形態では、1つ以上の閾値は、確率モデルに基づいて経験的に決定され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の閾値、例えば、第1および/または第2の閾値は、確率モデルを使用して経験的に決定し得、その結果、1つ以上の閾値は、遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、信頼水準は約90%または95%とし得るが、本開示の範囲から逸脱することなく、それより大きい、それより小さい、または範囲の信頼水準を使用し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の閾値が、臨床試験の結果に基づいて経験的に決定され得る。いくつかの実施形態では、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して、1つ以上の閾値を決定し得る。例えば、カプランマイヤー推定量を使用して、変数、例えば、スライディング閾値を提供することによって、バリアントを有する患者のセットとバリアントを有しない患者の第2のセットの転帰データの差を最大化し得る。例えば、1つ以上の閾値を調整し得、その結果、サンプルの分類は、例えば、バリアントを有しない状態から確定的でない状態および/またはバリアントを有する状態に変化し得る。いくつかの実施形態では、カプランマイヤー転帰を使用して、対象のサンプルが1つ以上のバリアントに関して遺伝的バリアントを有するとして検出されるかどうかの決定に基づいて対象を分類し得る。例えば、カプランマイヤープロセスは、Y個以上のサンプル(Y=1またはY=2)においてバリアントであると決定されたX個以上のバリアント(例えば、X=2)に基づいて、対象を「レスポンダー」と「ノンレスポンダー」(例えば、処置に反応性または処置に非反応性)に分離し得る。いくつかの実施形態では、Cox比例ハザードモデルを使用して1つ以上の閾値を決定し得る。例えば、Cox比例ハザードモデルは、処置されたハザードと未処置のハザードとが互いに比例すると仮定し得るパラメトリックモデルである。数学的定式化では、モデル内の共変量を使用することによってハザード比を推定し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、ソフトウェアを使用してモデルを指定し、危険率を推定する。
【0199】
図13は、バリアント特異的モデルを複数の配列決定リードに適用して、遺伝的バリアントを検出するための、または対象からのサンプル(例えば、図11の工程1104)からバリアント対立遺伝子を決定するための例示的な方法を示す。工程1302において、バリアント遺伝子座における遺伝的バリアントは、1つ以上のバリアントから選択され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のバリアントは、バリアントパネルから選択され得る。バリアントパネルは、個別化バリアントパネルとし得る。上述したように、初期サンプル、例えば、ベースラインサンプルを使用して、個別化バリアントパネルを対象のために確立し得る。個別化バリアントパネルは、疾患を示し得る遺伝的バリアントを含み得る。いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントは、ベースラインサンプルで同定された1つ以上のバリアントに基づいて選択し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のバリアントは、文献で同定されたバリアントから選択し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のバリアントは、経験的に同定された、例えば、臨床試験で同定されたバリアントから選択し得る。
【0200】
工程1304において、バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する配列決定リードを得ることが可能である。配列決定リードは、サンプル中の核酸分子を配列決定することによって生成し得る。例えば、時点サンプルは、M個の配列決定リードを含み得る。サンプルは、対象、例えば、ベースラインサンプルを提供した対象から得ることが可能である。各配列決定リードに対する参照マッチスコアは、工程1306において配列決定リードを参照配列にアライメントすることによって得られ、各配列決定リードに対するバリアントマッチスコアは、工程1308において配列決定リードを対応するバリアント配列にアライメントすることによって生成され得る。
【0201】
参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを使用して、配列決定リードを、工程1310においてバリアントを有する、バリアントを有しない、または確定的でないリードのうちの少なくとも一方として分類し得る。いくつかの実施形態では、Mは、分類された配列決定リードの総数に対応し得る。例えば、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードはバリアントを有すると分類され得る。別の例として、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することを示す場合、配列決定リードはバリアントを有しないと分類され得る。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、参照マッチスコアとバリアントマッチスコアとが等しい場合、確定的でないとして分類され得る。
【0202】
工程1312において、複数の配列決定リードにおいてバリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定し得る。いくつかの実施形態では、バリアントを有すると分類された配列決定リードの数はmに対応し得る。したがって、バリアントを有しないと標識された配列決定リードの数は、M-mに対応し得る。
【0203】
工程1314において、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数(m)および分類された配列決定リードの総数(M)に基づいて確率メトリックを決定し得る。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、バリアントとして分類された配列決定リードの数が、ノイズのためにバリアントとして分類された配列決定リードの数と異なるかどうかを示し得る。このようにして、統計値、例えば、確率メトリックを使用して、ノイズのためにバリアントとして分類された配列決定リードを割り引くことによって配列決定リードの結果の精度を改善し得る。
【0204】
いくつかの実施形態では、確率メトリックはp値であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、確率メトリックは、バリアント特異的モデルの出力に対応し得る。例えば、確率メトリックは
を決定することによる二項分布に基づいて取得され得、p=m/Mである。そのような実施形態では、分布は、n/Nに基づいて決定されたメトリックに関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、確定的でないと分類された配列決定リードを除外し得る。そのような実施形態では、確率メトリックは、工程1212に関して説明したように
を決定することによって二項分布に基づいて取得され得、p=m/(M-IC)である。そのような実施形態では、工程1212に関して説明したように、分布、例えば、バリアント特異的モデルは、n/(N-IC)に基づいて決定されたメトリックに関連付けられ得る。
【0205】
当業者は、例えば、一様分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数など、またはそれらの任意の組み合わせなど、他の分布および/または関数を使用して、本開示の範囲から逸脱することなく確率メトリックを決定し得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、確率メトリックは遺伝子座特異的であり得る。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、遺伝子座特異的でなくてもよい。
【0206】
工程1316において、確率メトリックが第1の閾値(T0)未満である場合、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を決定し得る。上述のように、いくつかの実施形態では、確率は、バリアント特異的モデルの出力に対応し得る。いくつかの実施形態では、確率メトリックは、第2の閾値(T1)と比較され得る。いくつかの実施形態では、決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合、サンプルは遺伝的バリアントを欠くと同定され得、例えば、遺伝的バリアントはサンプルに存在しない。決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合に、サンプルは確定的でないと識別され得る。いくつかの実施形態では、第1の閾値は約0.05(例えば、T0=0.05)であり得、第2の閾値は約0.1(例えば、T0=0.1)であり得る。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、1つ以上の閾値の他の値を使用できることを理解するであろう。
【0207】
いくつかの実施形態では、第1の閾値および/または第2の閾値は、バリアント特異的であり得る。いくつかの実施形態では、第1の閾値および/または第2の閾値は、遺伝子座特異的であり得る。例えば、閾値は、特定の遺伝子座における特定の遺伝的バリアントに関して決定され得る。上述したように、いくつかの実施形態では、図12で説明した工程1102で決定された確率モデルから、1つ以上の閾値を決定し得る。
【0208】
いくつかの実施形態では、第2の遺伝的バリアントを対象からのサンプル中で検出し得る。例えば、図13に記載される工程1104は、バリアントパネルから選択される第2の遺伝的バリアントについてサンプルに関連する配列決定リードを分類することをさらに含み得る。次に、第2の確率メトリックを、第2のバリアントに対するバリアント特異的モデルおよび第2の遺伝的バリアントに対する分類された配列決定リードの総数を使用して決定し得る。第2の遺伝的バリアントとして同定された、分類された配列決定リードの数はmとして表し得、第1の遺伝的バリアントとして同定された、分類された配列決定リードの数はmとして表し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の確率メトリックは、バリアント特異的モデルの出力に対応し得る。例えば、確率メトリックは、q=B(m;p,M)を決定することによる分布に基づいて取得し得、p=m/Mである。そのような実施形態では、分布は、n/Nに基づいて決定されたメトリックに関連付けられ得る。そのような実施形態では、確率メトリックは、工程1212に関して説明したように
を決定することによって二項分布に基づいて取得され得、p=m/(M-IC)である。そのような実施形態では、工程1212に関して説明したように、分布、例えば、バリアント特異的モデルは、n/(N-IC)に基づいて決定されたメトリックに関連付けられ得る。
【0209】
第2の遺伝的バリアントについて決定された第2の確率メトリックは、第3の閾値(T2)と比較され得る。第2の遺伝的バリアントについて決定された確率メトリックが第3の閾値未満である場合、サンプルは第2の遺伝的バリアントを含むと同定され得る。いくつかの実施形態では、第2の遺伝的バリアントについてのサンプルに関連する配列決定リードの分類は、遺伝子座特異的であり得る。例えば、第2の遺伝的バリアントについてのサンプルに関連する配列決定リードを標識することは、最初の遺伝的バリアントとは異なる遺伝子座に関連し得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、確率メトリックは、第4の閾値(T3)と比較され得る。いくつかの実施形態では、決定された確率メトリックが第4の閾値以上である場合、サンプルは遺伝的バリアントを欠いていると同定され得、例えば、遺伝的バリアントはサンプルに存在しない。決定された確率メトリックが第3の閾値以上であり、かつ第4の閾値未満である場合、サンプルは、不確定または確定的でないとして識別され得る。いくつかの実施形態では、第3の閾値は、例えば、約0.05(例えば、T2=0.05)とし得、第4の閾値は、例えば、約0.1(例えば、T3=0.1)とし得る。いくつかの実施形態では、第3および第4の閾値は、それぞれ第1および第2の閾値に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、第3および第4の閾値は、それぞれ第1および第2の閾値と異なり得る。当業者は、1つ以上の閾値、例えば、第1~第4の閾値が、本開示の範囲から逸脱することなく様々な値に対応し得ることを理解するであろう。
【0211】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバリアントおよび/またはバリアントパネル(例えば、工程1302において)を決定するために対象からのベースラインサンプルを使用することは、対象からのサンプルにおける遺伝的バリアントの検出またはバリアント対立遺伝子頻度の決定の感度を改善し得る。例えば、ベースライン情報に基づくアプローチは、対象の特定のバイオマーカー特性の認識から利益を得、非ベースライン情報に基づく評価の作成に関連する複数の試験課題を回避するので、非ベースライン情報に基づくアプローチより本質的に感度が高い。このようにして、遺伝子座特異的ノイズモデルを使用することにより、対象のゲノム内の局所バリアントのノイズ評価およびシステム性能を最適化し得る。例えば、開示される方法は、配列決定リードにおけるノイズおよび/または遺伝子座特異的ノイズを考慮することによってバリアント対立遺伝子頻度推定値を改善するための統計的に有意な方法を提供し得る。
【0212】
図14は、バリアント特異的モデルを複数の配列決定リードに適用するための例示的な方法を示し、配列決定リードは、対象からのサンプルから得られる(例えば、図11のステップ1104)。工程1402~1412は、工程1302~1312と実質的に同様であってもよい。工程1414において、バリアント対立遺伝子頻度は、バリアントを有する配列決定リードの数およびバリアントを有しない配列決定リードの数を使用して決定され得る。工程1416において、少なくとも2つの配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類され、試験サンプル中の遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度が、遺伝的バリアントを有しない1つ以上の参照サンプルについて決定された最大バリアント対立遺伝子頻度よりも大きい場合、サンプル中の遺伝的バリアントの存在は、遺伝的バリアントを有すると同定し得る(例えば、陽性)。いくつかの実施形態では、試験サンプル中の遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度が、遺伝的バリアントを有しない1つ以上の参照サンプル中のバリアント対立遺伝子頻度の決定についての指定信頼水準未満である場合、試験サンプルは遺伝的バリアントを有しないと同定される(例えば、陰性)。いくつかの実施形態では、信頼水準は95%に相当し得る。サンプルが陽性でも陰性でもないと同定された場合、サンプルは確定的でないと決定され得る。
【0213】
図15は、バリアント特異的モデルを複数の配列決定リードに適用するための例示的な方法を示し、配列決定リードは、対象からのサンプルから得られる(例えば、図11の工程1104)。工程1502~1510は、工程1302~1310と実質的に同様であってもよい。工程1512において、バリアント対立遺伝子頻度は、バリアントを有する配列決定リードの数およびバリアントを有しない配列決定リードの数を使用して決定され得る。工程1514において、遺伝的バリアントを有しない1つ以上の参照サンプルにおけるバリアント対立遺伝子頻度のブランク(LoB)の限界を決定し得る。工程1516において、試験サンプル中の遺伝的バリアントのバリアント対立遺伝子頻度がLoBより大きい場合、試験サンプルは遺伝的バリアントを有すると同定され得る。いくつかの実施形態では、試験サンプル中の遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度がLoB以下である場合、試験サンプルは遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないと同定され得る。
【0214】
いくつかの実施形態では、バリアントパネル中のバリアントは、参照配列と、左右のフランキング領域(例えば、5’フランキング領域および3’フランキング領域)を有するバリアントの遺伝子座を含み得る対応するバリアント配列とに関連付けられ得る。バリアント遺伝子座の左右のフランキング領域は、バリアントの文脈を提供し得、参照配列と対応するバリアント配列の両方について同じである。したがって、参照配列および対応するバリアント配列は、バリアント体自体を除いて同一であり得る。対応するバリアント配列はバリアントを含み得、参照配列はバリアントを含まなくてもよい(すなわち、バリアント配列は、バリアントの位置に参照または「野生型」配列を含む)。いくつかの実施形態では、フランキング領域は、それぞれ、約5塩基以上、約10塩基以上、約15塩基以上、約20塩基以上、約25塩基以上、約30塩基以上、約50塩基以上、約75塩基以上、約100塩基以上、約150塩基以上、約200塩基以上、約250塩基以上、約300塩基以上、約400塩基以上、または約500塩基以上を含む。いくつかの実施形態では、フランキング領域は、それぞれ、約5塩基~約5000塩基、例えば約5~約10塩基、約10~約20塩基、約20~約50塩基、約50~約100塩基、約100~約200塩基、約200~約500塩基、約500~約1000塩基、約1000塩基~約2500塩基または約2500塩基~約5000塩基を含み得る。いくつかの実施形態では、左右のフランキング領域は同じ数の塩基を有することがあり、いくつかの実施形態では、左右のフランキング領域は異なる数の塩基を有し得る。
【0215】
参照配列および対応するバリアント配列は、例えば、バリアントを同定するために使用される参照配列(個別化参照配列または標準参照配列であり得る)を使用して生成され得る。対応するバリアント配列を生成するために、バリアントを選択し得、参照配列を使用して左右のフランキング配列をバリアントに追加し得る。参照配列を生成するために、参照配列は、対応するバリアント配列と同じ塩基位置を使用して使用され得る。したがって、いくつかの実施形態では、参照配列および対応するバリアント配列は、遺伝的バリアントを除いて同一であり得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、対象の疾患状態を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、疾患は癌であり得る。いくつかの実施形態では、疾患状態は、対象における癌の再発、対象における処置様式に抵抗性の癌の存在、または特定の処置様式で処置し得る癌の存在を示す定性的因子を含み得る。いくつかの実施形態では、疾患状態が定量的に評価される(例えば、cfDNAの決定された腫瘍画分、またはcfDNAの最大体細胞対立遺伝子画分)。例えば、疾患状態は、試験サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値とし得る。例えば、疾患状態は、cfDNAの最大体細胞対立遺伝子画分であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、サンプルはcfDNAを含み得る。
【0217】
いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、Smith-Watermanアライメントアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアは、Needleman-Wunschアライメントアルゴリズムを使用して決定される。
【0218】
いくつかの実施形態では、バリアントパネルは、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、バリアントは体細胞変異であり得る。いくつかの実施形態では、バリアントは生殖細胞系列変異であり得る。いくつかの実施形態では、遺伝的バリアントは、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合部を含み得る。
【0219】
いくつかの実施形態では、対象は、以前に得られたサンプルと現在得られているサンプルとの間で疾患のための介入処置を受けていてもよい。いくつかの実施形態では、処置は、サンプルを使用して決定された対象の疾患状態と、以前のサンプルに基づく対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて調整され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、生成されたゲノムプロファイルに基づいて、抗癌剤を対象に投与すること、または抗癌処置を対象に適用することをさらに含み得る。抗癌剤または抗癌処置は、癌細胞の処置に有効な化合物を指し得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、サンプル中の遺伝的バリアントの存在は、サンプルに関連する診断値として決定、適用、および/または同定され得る。いくつかの実施形態では、サンプルの1つ以上のゲノム遺伝子座における遺伝的バリアントの存在は、対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用し得(すなわち、対象のゲノムに関する情報)、次いで、疾患の存在を検出するため、疾患の進行を監視するため、または疾患のリスクを予測するために分析され得る。いくつかの実施形態では、サンプルの1つ以上のゲノム遺伝子座における遺伝的バリアントの存在は、対象のための提案された処置決定を下す際に使用され得る。いくつかの実施形態では、ゲノムプロファイルは包括的であり得、例えば、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)、単一のアッセイで数百の遺伝子(関連癌バイオマーカーを含む)を評価するために使用される次世代シーケンシング(NGS)アプローチを通して同定される1つ以上のゲノム遺伝子座におけるバリアント配列の存在に関する情報を含む。いくつかの実施形態では、ゲノムプロファイルは、例えば、1つ以上の選択されたゲノム遺伝子座におけるバリアント配列の存在に関する情報を含むようにカスタマイズされ得る。
【0221】
いくつかの実施形態では、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定する方法は、対象からのサンプルから得られた複数の核酸分子を提供することを含み、複数の核酸分子は腫瘍核酸分子および非腫瘍核酸分子の混合物を含む。場合により、1つ以上のアダプターを、複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子にライゲートし得る。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子からの核酸分子を増幅し得る。いくつかの実施形態では、増幅された核酸分子からの核酸分子を捕捉し得、捕捉された核酸分子は、1つ以上のベイト分子へのハイブリダイゼーションによって増幅された核酸分子から捕捉される。いくつかの実施形態では、捕捉された核酸分子は、シーケンサーによって配列決定され、遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードが得られる。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサを使用して、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成し得る。1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを、各配列決定リードを遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって生成し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、またはそれぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列決定リードにおいて遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサを使用して、バリアント特異的モデルおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率メトリックを決定し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を識別し得る。
【0222】
いくつかの実施形態では、バリアント特異的モデルは遺伝子座特異的であり得る。いくつかの実施形態では、第1の閾値は遺伝子座特異的であり、バリアント特異的である。いくつかの実施形態では、対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出し、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定することはまた、1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較すること、および決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの非存在を識別すること、または決定された確率メトリックが第1の閾値以上でありかつ第2の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの存在または非存在を確定的でないとして識別することのいずれかを含み得る。
【0223】
いくつかの実施形態では、対象は癌患者であり得る。いくつかの実施形態では、サンプルを対象から得ることが可能である。いくつかの態様では、サンプルは、組織生検サンプル、液体生検サンプル、循環腫瘍細胞(CTC)サンプル、無細胞DNA(cfDNA)サンプル、または正常対照を含み得る。いくつかの実施形態では、サンプルは液体生検サンプルであり得、血液、血漿、脳脊髄液、痰、便、尿、または唾液を含み得る。いくつかの実施形態では、腫瘍核酸分子は異種組織生検サンプルの腫瘍部分に由来し得、非腫瘍核酸分子は異種組織生検サンプルの正常部分に由来し得る。いくつかの実施形態では、腫瘍核酸分子は、無細胞DNAサンプルの循環腫瘍DNA(ctDNA)画分に由来し得、非腫瘍核酸分子は、無細胞DNAサンプルの非腫瘍画分に由来し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のアダプターは、増幅プライマーまたは配列決定アダプターを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のベイト分子は、それぞれが捕捉された核酸分子の領域に相補的な領域を含む1つ以上の核酸分子を含み得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、核酸分子の増幅には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅技術、非PCR増幅技術、または等温増幅技術を実施することが含まれる。いくつかの実施形態では、等温増幅技術は、ニッキングエンドヌクレアーゼ増幅反応(NEAR)、転写媒介増幅(TMA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、クラスター化され規則的に間隔があいた短い回文構造の繰り返し(CRISPR)、鎖置換増幅(SDA)から選択される少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、シーケンシングは、次世代シーケンシング(NGS)技術の使用を含む。いくつかの実施形態では、シーケンサーは、次世代シーケンサーを含み得る。
【0225】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、1つ以上のプロセッサによって、サンプルの腫瘍画分を示す報告を生成することを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、報告をヘルスケア提供者に送信することを含み得る。いくつかの実施形態では、報告は、コンピュータネットワークまたはピアツーピア接続を介して送信され得る。
【0226】
いくつかの実施形態では、対象からのサンプルにおける疾患状態を検出するための方法は、複数の配列決定リードを生成するために対象から取得されたサンプル中の核酸分子を配列決定すること、および上記の方法、例えば、図11図15に関して論じられる方法に従ってサンプル中のバリアント対立遺伝子頻度を決定する遺伝的バリアントを検出することを含み得る。
【0227】
いくつかの実施形態では、疾患の進行または再発を監視する方法は、疾患を有する対象から得られた第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して第1のセットの配列決定リードを生成し、対象のための個別化バリアントパネルを生成する工程を含み得る。この方法は、第1のサンプルよりも遅い時点で対象から取得された第2のサンプル中の核酸分子を配列決定し、第2のセットの配列決定リードを生成することを含み得る。この方法は、第2のセットの配列決定リードを使用して、遺伝的バリアントを検出すること、または第2のセットの配列決定リードを使用して、上記の方法、例えば、図11図15に関連して論じられる方法に従ってバリアント対立遺伝子頻度を決定することを含み得る。
【0228】
いくつかの実施形態では、疾患の進行または再発を監視する方法は、第1のサンプルが対象から得られた後で、第2のサンプルが対象から得られる前に、対象に疾患療法を投与する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、疾患の進行または再発を監視する方法は、バリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された第1のセットの配列決定リードにおける配列決定リードの数に基づいて第1の疾患状態を決定する工程、およびバリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された第2のセットの配列決定リードにおける配列決定リードの数に基づいて第2の疾患状態を決定する工程を含み得る。いくつかの実施形態では、疾患の進行または再発を監視する方法は、第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患の進行を決定する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、疾患の進行または再発を監視する方法は、第1のサンプルが対象から取得された後で、第2のサンプルが対象から取得される前に、疾患療法を対象に投与する工程、および決定された疾患進行に基づいて疾患療法を調整する工程をさらに含み得る。
【0229】
いくつかの実施形態では、疾患を有する対象を処置する方法は、対象から第1のサンプルを得る工程、第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して第1のセットの配列決定リードを生成する工程、第1のセットの配列決定リードを使用して第1の疾患状態を決定する工程、対象のための個別化バリアントパネルを生成する工程、および対象に疾患療法を投与する工程を含み得る。疾患を有する対象を処置する方法は、疾患療法が対象に投与された後に対象から第2のサンプルを取得する工程、第2のサンプル中の核酸分子を配列決定して第2のセットの配列決定リードを生成する工程、第2のセットの配列決定リードを使用して、遺伝的バリアントを検出する工程、または第2のセットの配列決定リードを使用して、方法、例えば、図11図15に関して論じられた方法に従ってバリアント対立遺伝子頻度を決定する工程をさらに含み得る。疾患を有する対象を治療する方法は、第2のセットの配列決定リードに基づいて第2の疾患状態を決定する工程、第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定する工程、疾患進行に基づいて対象に投与される疾患療法を調整する工程、および調整された疾患療法を対象に投与する工程をさらに含み得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、疾患は癌であり得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、対象からの液体生検サンプルに由来し得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、対象からの固形組織サンプル、液状組織サンプルまたは血液学的サンプルに由来し得る。
【0231】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される方法は、サンプルから抽出される核酸分子を配列決定して、複数の配列決定リードを生成することを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、(1)対象の情報を識別すること、および(2)遺伝的バリアントの有無のコール、または遺伝的バリアントのバリアント対立遺伝子頻度のコールを含む報告を生成または更新することを含み得る。そのような実施形態では、本方法は、対象または対象のためのヘルスケア提供者に報告を送信する工程をさらに含み得る。
【0232】
本明細書で開示される実施形態は、少なくとも1つ以上のプロセッサ、メモリ、および1つ以上のプログラムを含む電子機器を含み得る。1つ以上のプログラムは、メモリに記憶され得、1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され得る。1つ以上のプログラムは、バリアントパネルからバリアント遺伝子座において遺伝的バリアントを選択するための命令、バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを得るための命令、各配列決定リードを遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントさせることによって複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成するための命令、各配列決定リードを遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントさせることによって複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチ致スコアを生成するための命令、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または参照マッチスコアおよびそれぞれの配列決定リードのバリアントマッチスコアに基づいて確定的でないリードであるかの少なくとも1つとして分類するための命令、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定するための命令、バリアント特異的モデルおよび分類された配列決定リードの総数に基づいて確立メトリックを決定するための命令、ならびに決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサを使用して、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定するための命令を含み得る。
【0233】
本明細書で開示される実施形態は、1つ以上のプログラムを記憶する非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。1つ以上のプログラムは命令を含み得、命令は、電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のバリアントからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択すること、バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを取得すること、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成すること、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成すること、複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類すること、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定すること、バリアント特異的モデルおよび標識された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定すること;ならびに決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定することをデバイスに行わせる。
【0234】
本明細書で開示される実施形態は、プロセッサと、プロセッサに通信可能に連結されたメモリとを含むコンピュータシステムを含み得る。メモリは、プロセッサによって実行された場合に、プロセッサに、例えば、図11図15に関して上述した方法のいずれかに従って、対象由来のサンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアント対立遺伝子頻度を決定する方法を実行させる命令を格納するように構成され得る。
【実施例
【0235】
本明細書において提供される実施例は、例示のみを目的として含まれ、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0236】
実施例1
サンプル1およびサンプル2からの配列決定リードは、最初に、ベースラインサンプルからキュレートされたバリアントセットを生成するために標準的なバリアント呼び出しプロトコルを使用して呼び出される標的配列決定方法ならびにバリアントおよび対立遺伝子の深度を使用して得られた。サンプル1およびサンプル2について、バリアントパネルおよび対立遺伝子の深度を選択した。サンプル1のバリアントパネルのバリアントは、1~22塩基長の範囲であり(図3)、サンプル2のバリアントパネルのバリアントは、単一塩基長のバリアントのみを含んでいた(図4)。
【0237】
バリアントパネルにおける各バリアントに対応する参照配列(すなわち、参照配列)およびバリアントパネルにおける各バリアントに対応するバリアント配列(すなわち、変異参照配列)を生成した。バリアントまたは参照塩基を、バリアント遺伝子座の両側に200塩基で隣接させ、対応するバリアント配列および参照配列を生成した。
【0238】
バリアントパネル中のバリアントのバリアント遺伝子座と重複したサンプル1およびサンプル2から読み取った各配列決定を、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズムを使用して参照配列および対応するバリアント配列とアライメントして、それぞれ参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを生成した。マッチスコアを使用して、リードを、バリアントを有する、バリアントを有しない、または確定的でないリードのいずれかとして分類した。サンプル1からの199個のバリアントが検出され、サンプル2からの374個のバリアントが検出された。図5および図7は、マッチスコア(y軸)を、標準的なバリアントコーリングプロトコルを使用して検出されたバリアントリードの数(x軸)と対数スケールで比較することによって検出されたバリアントリードの数(左)およびサンプル1(図5)およびサンプル2(図7)について正規化された(右)プロットを示す。図6および図8は、サンプル1(図6)およびサンプル2(図8)について対数スケール(左)および正規化(右)でバリアント遺伝子座(x軸)と重複する配列決定リードの初期プールからの配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座におけるバリアント遺伝子座の深度に対する、バリアントを有するまたはバリアントを有しない(すなわち、確定的でないリードを除外する)と標識された配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座におけるバリアント対立遺伝子の深度のプロット(y軸)を示す。
【0239】
実施例2
サンプル1およびサンプル2からの配列決定リードは、最初に、ベースラインサンプルからキュレートされたバリアントセットを生成するために標準的なバリアント呼び出しプロトコルを使用して呼び出される標的配列決定方法ならびにバリアントおよび対立遺伝子の深度を使用して得られた。サンプル1およびサンプル2について、バリアントパネルおよび対立遺伝子の深度を選択した。サンプル1のバリアントパネルのバリアントは、1~22塩基長の範囲であり(図3)、サンプル2のバリアントパネルのバリアントは、単一塩基長のバリアントのみを含んでいた(図4)。
【0240】
バリアントパネルにおける各バリアントに対応する参照配列(すなわち、参照配列)およびバリアントパネルにおける各バリアントに対応するバリアント配列(すなわち、変異参照配列)を生成した。バリアントまたは参照塩基を、バリアント遺伝子座の両側に500塩基で隣接させ、対応するバリアント配列および参照配列を生成した。
【0241】
バリアントパネル中のバリアントのバリアント遺伝子座の単一塩基と重複したサンプル1およびサンプル2から読み取った各配列決定を、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズムを使用して参照配列および対応するバリアント配列とアライメントして、それぞれ参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアを生成した。マッチスコアを使用して、リードを、バリアントを有する、バリアントを有しない、または確定的でないリードのいずれかとして分類した。いくつかの例では、サンプル1からのバリアントが検出され、サンプル2からの375個のバリアントが検出された。図9Aおよび図10Aは、マッチスコア(y軸)を、標準的なバリアントコーリングプロトコル(x軸)を使用して検出されたバリアントリードの数と比較することによって検出されたバリアントリードの数のプロットを、サンプル1(図9A)およびサンプル2(図10A)について対数スケール(左)および正規化(右)で示している。図9Bおよび図10Bは、サンプル1(図9B)およびサンプル2(図10B)について対数スケール(左)および正規化(右)でバリアント遺伝子座(x-軸)と重複する配列決定リードの初期プールからの配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座におけるバリアント遺伝子座の深度に対する、バリアントを有するか、またはバリアントを有しない(すなわち、確定的でないリードを除外する)と分類された配列決定リードの合計についての各バリアント遺伝子座におけるバリアント遺伝子座の深度のプロット(y軸)を示す。
【0242】
例示的な実施形態
提供される実施形態は以下である。
1.対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出するか、またはバリアントの対立遺伝子頻度を決定する方法であって、
サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程;
シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程;
1つ以上のプロセッサを使用して、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対する参照マッチスコアを生成する工程;
1つ以上のプロセッサを使用して、遺伝的バリアントを含むバリアント配列に各配列決定リードをアライメントすることによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれに対するバリアントマッチスコアを生成する工程;
それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、1つ以上のプロセッサを使用して、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを有するか、遺伝的バリアントを有しないか、または確定的でないリードのうちの少なくとも1つとして分類する工程;
1つ以上のプロセッサを使用して、複数の配列決定リードの中に遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定する工程;
1つ以上のプロセッサを使用して、バリアント特異的モデルに基づく確率メトリック、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および分類された配列決定リードの総数を決定する工程;ならびに
決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサを使用して、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定する工程
を含む、方法。
2.バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、実施形態1に記載の方法。
3.第1の閾値が遺伝子座特異的であり、バリアント特異的である、実施形態1または2に記載の方法。
4.確率メトリックが、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
5.1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較する工程と;
決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定する工程;または
決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定する工程と
を、さらに含む、実施形態1~4のいずれか一項に記載の方法。
6.対象が、癌の疑いがあるか、または癌を有すると決定される、実施形態1~5のいずれか一項に記載の方法。
7.対象から試験サンプルを取得することをさらに含む、実施形態1~6のいずれか一項に記載の方法。
8.サンプルが、組織生検サンプル、液体生検サンプル、または正常対照を含む、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
9.サンプルが液体生検サンプルであり、かつ血液、血漿、脳脊髄液、痰、便、尿、または唾液を含む、実施形態8に記載の方法
10.サンプルが液体生検サンプルであり、かつ無細胞DNA(cfDNA)、循環腫瘍DNA(ctDNA)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態8または9に記載の方法。
11.複数の核酸分子が、腫瘍核酸分子と非腫瘍核酸分子との混合物を含む、実施形態1~10のいずれか一項に記載の方法。
12.腫瘍核酸分子が、不均質組織生検サンプルの腫瘍部分に由来し、かつ非腫瘍核酸分子が、不均質組織生検サンプルの正常部分に由来する、実施形態11に記載の方法。
13.サンプルが液体生検サンプルを含み、腫瘍核酸分子が液体生検サンプルの循環腫瘍DNA(ctDNA)画分に由来し、非腫瘍核酸分子が液体生検サンプルの非腫瘍無細胞DNA(cfDNA)画分に由来する、実施形態11に記載の方法。
14.1つ以上のアダプターが、増幅プライマー、フローセルアダプター配列、基質アダプター配列、またはサンプルインデックス配列を含む、実施形態1~13のいずれか一項に記載の方法。
15.捕捉された核酸分子が、1つ以上のベイト分子へのハイブリダイゼーションによって増幅された核酸分子から捕捉される、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
16.1つ以上のベイト分子が、1つ以上の核酸分子を含み、各核酸分子が、捕捉された核酸分子の領域に相補的な領域を含む、実施形態15に記載の方法。
17.核酸分子を増幅する工程が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅技術、非PCR増幅技術、または等温増幅技術を実施することを含む、実施形態実施形態1~16のいずれか一項に記載の方法。
18.配列決定が、次世代配列決定(NGS)技術、全ゲノム配列決定(WGS)、全エクソーム配列決定、標的配列決定、直接配列決定、またはサンガー配列決定技術の使用を含む、実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法。
19.配列決定が、次世代配列決定を含む、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
20.1つ以上のプロセッサによって、遺伝的バリアントの存在または非存在を示す報告を生成する工程をさらに含む、実施形態1~19のいずれか一項に記載の方法。
21.報告をヘルスケア提供者に送信することを含む、実施形態20に記載の方法。
22.報告が、コンピュータネットワークまたはピアツーピア接続を介して送信される、実施形態20に記載の方法。
23.対象からのサンプル中の遺伝的バリアントを検出する方法であって、
サンプルに関連する複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードのうちの1つ以上が遺伝的バリアントに関連するバリアント遺伝子座と重複する、サンプルに関連する複数の配列決定リードを得る工程;
1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについての参照マッチスコアを生成する工程;
1つ以上のプロセッサによって、各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについてのバリアントマッチスコアを生成する工程;
1つ以上のプロセッサによって、複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類する工程;
1つ以上のプロセッサによって、複数の配列決定リード中に遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定する工程;
1つ以上のプロセッサによって、バリアント特異的モデル、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および分類された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定する工程;ならびに
決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサによって、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定する工程
を含む、方法。
24.バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、実施形態23に記載の方法。
25.第1の閾値が遺伝子座特異的であり、かつバリアント特異的である、実施形態23または24に記載の方法。
26.確率メトリックが、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性と関連する、実施形態23~25のいずれか一項に記載の方法。
27.1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較する工程と;
決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定する工程;または
決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定する工程と
を、さらに含む、実施形態23~26のいずれか一項に記載の方法。
28.バリアント特異的モデルが、1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることを含む、実施形態23~27のいずれか一項に記載の方法。
29.確率分布が二項分布である、実施形態28に記載の方法。
30.確率メトリックが、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、第2の数が、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である、実施形態23~29のいずれか一項に記載の方法。
31.バリアント特異的モデルが、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数に関連する、実施形態23~30のいずれか一項に記載の方法。
32.1つ以上のノイズ源が、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態31に記載の方法。
33.バリアント特異的モデルが、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する、実施形態23~32のいずれか一項に記載の方法。
34.1つ以上の関数が、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、実施形態33に記載の方法。
35.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類される、実施形態23~34のいずれか一項に記載の方法。
36.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することが示される場合に、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと分類される、実施形態23~35のいずれか一項に記載の方法。
37.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードが確定的でないリードとして分類される、実施形態23~36のいずれか一項に記載の方法。
38.第1の閾値が、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される、実施形態23~37のいずれか一項に記載の方法。
39.第1の閾値または第2の閾値の少なくとも一方が、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される、実施形態23~38のいずれか一項に記載の方法。
40.第1の閾値が、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される、実施形態23~39のいずれか一項に記載の方法。
41.第2の閾値が、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される、実施形態39に記載の方法。
42.参照配列およびバリアント配列が、バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む、実施形態23~41のいずれか一項に記載の方法。
43.5’フランキング領域および3’フランキング領域が、それぞれ、約5塩基長~約5000塩基長である、実施形態42に記載の方法。
44.サンプルからバリアント配列を生成することを含む、実施形態23~43のいずれか一項に記載の方法。
45.バリアント配列を生成する工程が、
サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程;および
シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程
を含む、実施形態44に記載の方法。
46.参照配列およびバリアント配列が、遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である、実施形態23~45のいずれか一項に記載の方法。
47.遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定する工程を含む、実施形態23~46のいずれか一項に記載の方法。
48.
1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについてサンプルに関連する配列決定リードを分類する工程;
第2のバリアント特異的モデル、第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定する工程;ならびに
第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較する工程であって、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックが第3の閾値未満である場合に、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在が同定される、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較する工程
を含む、実施形態23~47のいずれか一項に記載の方法。
49.第2の遺伝的バリアントが、1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する、実施形態48に記載の方法。
50.
第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを第4の閾値と比較する工程;
決定された確率メトリックが第4の閾値以上である場合、サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定する工程
を含み;
決定された確率メトリックが第3の閾値以上であり、かつ第4の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在または非存在が確定的ではない、実施形態49に記載の方法。
51.対象の疾患状態を決定することを含む、実施形態23~50のいずれか一項に記載の方法。
52.疾患状態が、サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である、実施形態51に記載の方法。
53.疾患状態がcfDNAの最大の体細胞対立遺伝子の割合である、実施形態52に記載の方法。
54.疾患状態が、対象における癌の再発、患者における治療法に抵抗性の癌の存在、または特定の処置法によって処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む、実施形態52に記載の方法。
55.サンプルがcfDNAを含む、実施形態23~54のいずれか一項に記載の方法。
56.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される、実施形態23~55のいずれか一項に記載の方法。
57.配列アライメントアルゴリズムが、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つである、実施形態56に記載の方法。
58.遺伝的バリアントが、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む、実施形態23~57のいずれか一項に記載の方法。
59.バリアントパネルが、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される、実施形態23~58のいずれか一項に記載の方法。
60.対象が、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている、実施形態59に記載の方法。
61.疾患が癌である、実施形態60に記載の方法。
62.サンプルを使用して決定された対象の疾患状態と以前のサンプルに基づく対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて処置を調整することをさらに含む、実施形態59または60に記載の方法。
63.サンプル中の核酸分子を配列決定することによって1つ以上の配列決定リードを生成することを含む、実施形態23~62のいずれか一項に記載の方法。
64.バリアントが体細胞変異である、実施形態23~63のいずれか一項に記載の方法。
65.バリアントが生殖細胞系列変異である、実施形態23~64のいずれか一項に記載の方法。
66.サンプルに関連する診断値としてサンプルの遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用することをさらに含む、実施形態23~65のいずれか一項に記載の方法。
67.遺伝的バリアントの存在に基づいて対象のゲノムプロファイルを生成することをさらに含む、実施形態23~66のいずれか一項に記載の方法。
68.生成されたゲノムプロファイルに基づいて、対象に対して、抗癌剤を選択すること、抗癌剤を投与すること、または抗癌処置を適用することをさらに含む、実施形態67に記載の方法。
69.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される、実施形態23~68のいずれか一項に記載の方法。
70.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象のための提案される処置を決定する際に使用される、実施形態23~69のいずれか一項に記載の方法。
71.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象に処置を適用または投与する際に使用される、実施形態項23~70のいずれか一項に記載の方法。
72.対象からのサンプル中の疾患状態を検出するための方法であって、
対象から取得されたサンプル中の核酸分子を配列決定して、複数の配列決定リードを生成する工程;および
実施形態1~71のいずれか一項に記載の方法に従って、サンプル中のバリアント対立遺伝子頻度を決定する遺伝的バリアントを検出する工程
を含む、方法。
73.疾患の進行または再発を監視する方法であって、
疾患を有する対象から取得した第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して第1のセットの配列決定リードを生成する工程;
対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程;
第1のサンプルよりも遅い時点で対象から取得した第2のサンプル中の核酸分子を配列決定して、第2のセットの配列決定リードを生成する工程;および
実施形態1~71のいずれか一項に記載の方法に従って、配列決定リードの第2のセットを使用して、遺伝的バリアントを検出するか、または配列決定リードの第2のセットを使用して、バリアント対立遺伝子頻度を決定する工程
を含む、方法。
74.第1のサンプルが対象から取得された後、かつ第2のサンプルが対象から取得される前に、疾患療法を対象に投与することを含む、実施形態73に記載の方法。
75.
バリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの第1のセットにおける配列決定リードの数に基づいて第1の疾患状態を決定する工程;および
バリアントパネルからの遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの第2のセットにおける配列決定リードの数に基づいて第2の疾患状態を決定する工程
を含む、実施形態73または74に記載の方法。
76.第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定することをさらに含む、実施形態75に記載の方法。
77.
第1のサンプルが対象から取得された後、第2のサンプルが対象から取得される前に、疾患療法を対象に投与する工程;および
決定された疾患進行に基づいて疾患療法を調整する工程
を含む、実施形態76に記載の方法。
78.疾患を有する対象を処置する方法であって、
対象から第1のサンプルを取得する工程;
第1のサンプル中の核酸分子を配列決定して配列決定リードの第1のセットを生成する工程;
配列決定リードの第1のセットを使用して第1の疾患状態を決定する工程;
対象についての個別化バリアントパネルを生成する工程;
対象に疾患療法を投与する工程;
疾患療法が対象に投与された後に対象から第2のサンプルを取得する工程;
第2のサンプル中の核酸分子を配列決定して、配列決定リードの第2のセットを生成する工程;
実施形態1~71のいずれか一項に記載の方法に従って、配列決定リードの第2のセットを使用して、遺伝的バリアントを検出するか、または配列決定リードの第2のセットを使用して、バリアント対立遺伝子頻度を決定する工程;
配列決定リードの第2のセットに基づいて第2の疾患状態を決定する工程;
第1の疾患状態と第2の疾患状態とを比較することによって疾患進行を決定する工程;
疾患進行に基づいて対象に投与される疾患療法を調整する工程;
調整された疾患療法を対象に投与する工程
を含む、方法。
79.疾患が癌である、実施形態78に記載の方法。
80.サンプルが、対象からの液体生検サンプルに由来する、実施形態1~79のいずれか一項に記載の方法。
81.サンプルが、対象からの固体組織サンプル、液体組織サンプルまたは血液サンプルに由来する、実施形態1~80のいずれか一項に記載の方法。
82.サンプルから抽出された核酸分子を配列決定して複数の配列決定リードを生成することをさらに含む、実施形態23~81のいずれか一項に記載の方法。
83.(1)対象についての識別情報、および(2)遺伝的バリアントの有無の呼び出し、または遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度の呼び出しを含む報告を生成または更新することを含む、実施形態23~82のいずれか一項に記載の方法。
84.対象または対象のためのヘルスケア提供者に報告を送信することをさらに含む、実施形態83に記載の方法。
85.
1つ以上のプロセッサと、
メモリと、
1つ以上のプログラムと
を備える装置であって、1つ以上のプログラムがメモリに記憶され、1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され、1つ以上のプログラムが、
1つ以上のバリアントからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択するための命令;
バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを取得するための命令;
各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成するための命令;
各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成するための命令;
1つ以上の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類するための命令;
遺伝的バリアントを有するとして分類された配列決定リードの数を決定するための命令;
バリアント特異的モデルおよび分類された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定するための命令;ならびに
決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、1つ以上のプロセッサを使用して、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定するための命令
を含む、装置。
86.バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、実施形態85に記載の装置。
87.第1の閾値が遺伝子座特異的およびバリアント特異的である、実施形態85または86に記載の装置。
88.確率メトリックが、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的変バリアントが検出される可能性を示す統計値である、実施形態85~87のいずれか一項に記載の装置。
89.1つ以上のプログラムが、
1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較するための命令、および
決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令;または
決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令
をさらに含む、実施形態85~88のいずれか一項に記載の装置。
90.バリアント特異的モデルが、1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることによって生成される、実施形態85~89のいずれか一項に記載の装置
91.確率分布が二項分布である、実施形態90に記載の装置。
92.確率メトリックが、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、第2の数が、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である、実施形態85~91のいずれか一項に記載の装置。
93.バリアント特異的モデルが、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおけるノイズ源の1つ以上に関連する1つ以上の関数に関連する、実施形態85~92のいずれか一項に記載の装置。
94.1つ以上のノイズ源が、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態93に記載の装置。
95.バリアント特異的モデルが、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する、実施形態85~94のいずれか一項に記載の装置。
96.1以上の関数が、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、実施形態95に記載の装置。
97.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類される、実施形態85~96のいずれか一項に記載の装置。
98.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと分類される、実施形態85~97のいずれか一項に記載の装置。
99.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードが確定的でないリードとして分類される、実施形態85~98のいずれか一項に記載の装置。
100.第1の閾値が、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される、実施形態85~99のいずれか一項に記載の装置。
101.第1の閾値または第2の閾値の少なくとも一方が、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される、実施形態85~100のいずれか一項に記載の装置。
102.第1の閾値が、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される、実施形態85~101のいずれか一項に記載の装置。
103.第2の閾値が、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される、実施形態85~102のいずれか一項に記載の装置。
104.参照配列およびバリアント配列が、バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む、実施形態85~103のいずれか一項に記載の装置。
105.5’フランキング領域および3’フランキング領域が、それぞれ、約5塩基長~約5000塩基長である、実施形態104に記載の装置。
106.1つ以上のプログラムが、サンプルからバリアント配列を生成するための命令をさらに含む、実施形態85~105のいずれか一項に記載の装置。
107.バリアント配列を生成する工程が、
サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程;および
シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程
を含む、実施形態106に記載の装置。
108.参照配列およびバリアント配列が、遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である、実施形態85~107のいずれか一項に記載の装置。
109.1つ以上のプログラムが、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および遺伝的バリアントを有しないと分類された配列決定リードの数を使用して、遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定するための命令をさらに含む、実施形態85~108のいずれか一項に記載の装置。
110.1つ以上のプログラムが、
1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについてサンプルに関連する配列決定リードを分類し;
第2のバリアント特異的モデル、第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定し;ならびに
第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較し、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックが第3の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在を同定する
ための命令をさらに含む、実施形態85~109のいずれか一項に記載の装置。
111.第2の遺伝的バリアントが、1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する、実施形態110に記載の装置。
112.1つ以上のプログラムが、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを第4の閾値と比較し;
決定された確率メトリックが第4の閾値以上である場合、サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定する命令を含み、
決定された確率メトリックが第3の閾値以上であり、かつ第4の閾値未満である場合に、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在または非存在が確定的ではない、実施形態111に記載の装置。
113.1つ以上のプログラムが、対象の疾患状態を決定するための命令をさらに含む、実施形態85~112のいずれか一項に記載の装置。
114.疾患状態が、サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である、実施形態113に記載の装置。
115.疾患状態がcfDNAの最大の体細胞対立遺伝子割合である、実施形態114に記載の装置。
116.疾患状態が、対象における癌の再発、対象における治療法に抵抗性の癌の存在、または特定の治療法によって処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む、実施形態114に記載の装置。
117.サンプルがcfDNAを含む、実施形態85~116のいずれか一項に記載の装置。
118.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される、実施形態85~117のいずれか一項に記載の装置。
119.配列アライメントアルゴリズムが、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つである、実施形態118に記載の装置。
120.遺伝的バリアントが、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む、実施形態85~119のいずれか一項に記載の装置。
121.バリアントパネルが、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される、実施形態85~120のいずれか一項に記載の装置。
122.対象が、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている、実施形態121に記載の装置。
123.疾患が癌である、実施形態122に記載の装置。
124.1つ以上のプログラムが、サンプルを使用して決定された対象の疾患状態と、以前のサンプルに基づく対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて処置を調整するための命令をさらに含む、実施形態121または122に記載の装置。
125.1つ以上のプログラムが、サンプル中の核酸分子を配列決定することによって1つ以上の配列決定リードを生成するための命令をさらに含む、実施形態85~124のいずれか一項に記載の装置。
126.バリアントが体細胞変異である、実施形態85~125のいずれか一項に記載の装置。
127.バリアントが生殖細胞系列変異である、実施形態85~126のいずれか一項に記載の装置。
128.1つ以上のプログラムが、サンプルに関連する診断値としてサンプルの遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用するための命令をさらに含む、実施形態85~127のいずれか一項に記載の装置。
129.1つ以上のプログラムが、遺伝的バリアントの存在に基づいて対象のゲノムプロファイルを生成するための命令をさらに含む、実施形態85~128のいずれか一項に記載の装置。
130.生成されたゲノムプロファイルに基づいて、対象に抗癌剤を投与するか、または抗癌処置を適用するための命令をさらに含む、実施形態129に記載の装置。
131.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される、実施形態85~130のいずれか一項に記載の装置。
132.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象のための提案される処置を決定する際に使用される、実施形態85~131のいずれか一項に記載の装置。
133.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象に処置を適用または投与する際に使用される、実施形態85~132のいずれか一項に記載の装置。
134.1つ以上のプログラムを記憶している非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上のプログラムは、命令を含み、命令は、電子デバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると、
バリアントパネルからバリアント遺伝子座における遺伝的バリアントを選択することと、
バリアント遺伝子座と重複するサンプルに関連する複数の配列決定リードを取得すること;
各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含まない参照配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについて参照マッチスコアを生成すること;
各配列決定リードを、遺伝的バリアントを含むバリアント配列にアライメントすることによって、複数の配列決定リードのそれぞれについてバリアントマッチスコアを生成すること
複数の配列決定リードのそれぞれを、それぞれの配列決定リードの参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアに基づいて、遺伝的バリアントを有すること、遺伝的バリアントを有しないこと、または確定的でないリードであることのうちの少なくとも1つとして分類すること;
遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数を決定すること;
バリアント特異的モデルおよび標識された配列決定リードの総数に基づいて確率メトリックを決定すること;ならびに
決定された確率メトリックが第1の閾値未満である場合に、サンプル中の遺伝的バリアントの存在を特定すること
をデバイスに行わせる、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
135.バリアント特異的モデルが遺伝子座特異的である、実施形態134に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
136.第1の閾値が遺伝子座特異的およびバリアント特異的である、実施形態134または実施形態135に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
137.確率メトリックが、ノイズではなくサンプル中の遺伝的バリアントの存在に起因して遺伝的バリアントが検出される可能性を示す統計値である、実施形態134~136のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
138.1つ以上のプログラムが、
1つ以上のプロセッサを使用して、決定された確率メトリックを第2の閾値と比較するための命令、および
決定された確率メトリックが第2の閾値以上である場合に、サンプル中に遺伝的バリアントが存在しないことを、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令;または
決定された確率メトリックが第1の閾値以上であり、かつ第2の閾値未満である場合、サンプル中の遺伝的バリアントの有無を確定的でないと、1つ以上のプロセッサによって特定するための命令
をさらに含む、実施形態134~137のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
139.バリアント特異的モデルが、1つ以上のプロセッサを使用して、野生型サンプルからの決定されたメトリックおよび分類された配列決定リードの総数に基づく確率分布を適合させることを含む、実施形態134~138のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
140.確率分布が二項分布である、実施形態139に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
141.確率メトリックが、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および第2の数から決定され、第2の数が、分類された配列決定リードの総数から、確定的でないリードであると分類された配列決定リードの数を引いた数である、実施形態134~140のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
142.バリアント特異的モデルが、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードにおける1つ以上のノイズ源に関連する1つ以上の関数に関連する、実施形態134~141のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
143.1つ以上のノイズ源が、サンプル調製誤差、増幅バイアス誤差、配列決定誤差、アライメント誤差、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態142に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
144.バリアント特異的モデルが、バリアント遺伝子座と重複する複数の配列決定リードのデータに当てはめられた1つ以上の関数に関連する、実施形態134~143のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
145.1以上の関数が、一様分布関数、二項分布関数、ポアソン分布関数、負の二項分布関数、正規分布関数、対数正規分布関数、コーシーローレンツ分布関数、対数ロジスティック分布関数、指数分布関数、ガンマ分布関数、超幾何分布関数、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含む、実施形態144に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
146.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードが参照配列よりもバリアント配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有すると分類される、実施形態134~145のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
147.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアにより、配列決定リードがバリアント配列よりも参照配列とより密接に一致することが示される場合、配列決定リードが遺伝的バリアントを有しないと分類される、実施形態134~146のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
148.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが等しい場合に、配列決定リードが確定的でないリードとして分類される、実施形態134~147のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
149.第1の閾値が、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定される、実施形態134~148のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
150.第1の閾値または第2の閾値の少なくとも一方が、臨床試験の結果を使用して経験的に決定される、実施形態134~149のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
151.第1の閾値が、カプランマイヤー推定量および複数の対象からのサンプルに関連するデータを使用して決定される、実施形態134~150のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
152.第2の閾値が、バリアント特異的モデルを使用して経験的に決定され、遺伝的バリアントを含まないと分類された配列決定リードが正しいという指定された信頼水準に対応する値に設定される、実施形態150に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
153.参照配列およびバリアント配列が、バリアント遺伝子座、5’フランキング領域および3’フランキング領域を含む、実施形態134~152のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
154.5’フランキング領域および3’フランキング領域が、それぞれ、約5塩基長~約5000塩基長である、実施形態153に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
155.1つ以上のプログラムが、サンプルからバリアント配列を生成するための命令をさらに含む、実施形態134~154のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
156.バリアント配列を生成する工程が;
サンプルから得られた複数の核酸分子を提供する工程;
1つ以上のアダプターを複数の核酸分子からの1つ以上の核酸分子上にライゲーションする工程;
複数の核酸分子から1つ以上のライゲーションされた核酸分子を増幅する工程;
増幅された核酸分子から増幅された核酸分子を捕捉する工程;および
シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程であって、複数の配列決定リードの1つ以上が遺伝的バリアントのバリアント遺伝子座と重複する、シーケンサーによって、捕捉された核酸分子を配列決定して、核酸分子を表す複数の配列決定リードを得る工程
を含む、実施形態155に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
157.参照配列およびバリアント配列が、遺伝的バリアントを除いて実質的に同一である、実施形態134~156のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
158.1つ以上のプログラムが、遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数および遺伝的バリアントを有しないと標識された配列決定リードの数を使用して、遺伝的バリアントについてのバリアント対立遺伝子頻度を決定するための命令をさらに含む、実施形態134~157のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
159.1つ以上のプログラムが、
1つ以上のバリアントから選択される第2の遺伝的バリアントについてサンプルに関連する配列決定リードを分類し;
第2のバリアント特異的モデル、第2の遺伝的バリアントを有すると分類された配列決定リードの数、および第2の遺伝的バリアントについて分類された配列決定リードの総数を使用して確率メトリックを決定し;ならびに
第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを対応する第3の閾値と比較し、第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックが第3の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在を同定する
ための命令をさらに含む、実施形態134~158のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
160.第2の遺伝的バリアントが、1つ以上のバリアントから選択される第2のバリアント遺伝子座に関連する、実施形態159に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
161.1つ以上のプログラムが、
第2の遺伝的バリアントについての決定された確率メトリックを第4の閾値と比較し;
決定された確率メトリックが第4の閾値以上である場合、サンプル中に第2の遺伝的バリアントが存在しないと同定するための命令を含み、
決定された確率メトリックが第3の閾値以上であり、かつ第4の閾値未満である場合、サンプル中の第2の遺伝的バリアントの存在または非存在が確定的ではない、実施形態160に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
162.1つ以上のプログラムが、対象の疾患状態を決定するための命令をさらに含む、実施形態134~161のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
163.疾患状態が、サンプル中の全無細胞DNA(cfDNA)と比較した循環腫瘍DNA(ctDNA)の割合に比例する値である、実施形態162に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
164.疾患状態がcfDNAの最大の体細胞対立遺伝子割合である、実施形態163に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
165.疾患状態が、対象における癌の再発、患者における治療法に抵抗性の癌の存在、または特定の治療法によって処置され得る癌の存在を示す定性的因子を含む、実施形態163に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
166.サンプルがcfDNAを含む、実施形態134~165のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
167.参照マッチスコアおよびバリアントマッチスコアが、配列アライメントアルゴリズムを使用して決定される、実施形態134~166のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
168.配列アライメントアルゴリズムが、Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、Striped Smith-Watermanアライメントアルゴリズム、またはNeedleman-Wunschアライメントアルゴリズムのうちの少なくとも1つである、実施形態167に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
169.遺伝的バリアントが、単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、多重ヌクレオチドバリアント(MNV)、インデル、または再編成接合を含む、実施形態134~168のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
170.バリアントパネルが、対象から得られた以前のサンプル中の核酸分子を配列決定し、1つ以上の遺伝的バリアントを同定することによって決定される、実施形態134~169のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
171.対象が、以前にサンプルを得てから、サンプルを得るまでの間に、疾患のための介入処置を受けている、実施形態170に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
172.疾患が癌である、実施形態171に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
173.1つ以上のプログラムが、サンプルを使用して決定された対象の疾患状態と、以前のサンプルに基づく対象の以前の疾患状態との間の差に基づいて処置を調整するための命令をさらに含む、実施形態170または171に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
174.1つ以上のプログラムが、サンプル中の核酸分子を配列決定することによって1つ以上の配列決定リードを生成するための命令をさらに含む、実施形態34~173のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
175.バリアントが体細胞変異である、実施形態134~174のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
176.バリアントが生殖細胞系列変異である、実施形態134~175のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
177.1つ以上のプログラムが、サンプルに関連する診断値としてサンプルの遺伝的バリアントの存在を決定、同定、または適用するための命令をさらに含む、実施形態134~176のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
178.1つ以上のプログラムが、遺伝的バリアントの存在に基づいて対象のゲノムプロファイルを生成するための命令をさらに含む、実施形態134~177のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
179.1つ以上のプログラムが、生成されたゲノムプロファイルに基づいて、対象に抗癌剤を投与するか、または抗癌処置を適用するための命令をさらに含む、実施形態178に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
180.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象のゲノムプロファイルを生成する際に使用される、実施形態134~179のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
181.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象のための提案される処置を決定する際に使用される、実施形態134~180のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
182.サンプルの遺伝的バリアントの存在が、対象に処置を適用または投与する際に使用される、実施形態134~181のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
183.コンピュータシステムであって、
プロセッサと、
プロセッサに通信可能に結合されたメモリであって、プロセッサによって実行されると、プロセッサに実施形態1~86のいずれか一項に記載の方法を実行させるための命令を記憶するように構成されたメモリと
を備える、コンピュータシステム。
184.複数の配列決定リードが、100~3,000個の遺伝子座、200~2,800個の遺伝子座、300~2,600個の遺伝子座、400~2,400個の遺伝子座、500~2,200個の遺伝子座、600~2,000個の遺伝子座、700~1,800個の遺伝子座、800~1,600個の遺伝子座、900~1,400個の遺伝子座、1,000~1,200個の遺伝子座、400~1,000個の遺伝子座、400~1,200個の遺伝子座、400~1,400個の遺伝子座、400~1,600個の遺伝子座、400~1,800個の遺伝子座、400~2,000個の遺伝子座、400~2,200個の遺伝子座、400~2,400個の遺伝子座、400~2,600個の遺伝子座、400~2,800個の遺伝子座、400~3,000個の遺伝子座、600~1,000個の遺伝子座、600~1,200個の遺伝子座、600~1,400個の遺伝子座、600~1,600個の遺伝子座、600~1,800個の遺伝子座、600~2,000個の遺伝子座、600~2,200個の遺伝子座、600~2,400個の遺伝子座、600~2,600個の遺伝子座、600~2,800個の遺伝子座、600~3,000個の遺伝子座、800~1,000個の遺伝子座、800~1,200個の遺伝子座、800~1,400個の遺伝子座、800~1,600個の遺伝子座、800~1,800個の遺伝子座、800~2,000個の遺伝子座、800~2,200個の遺伝子座、800~2,400個の遺伝子座、800~2,600個の遺伝子座、800~2,800個の遺伝子座、800~3,000個の遺伝子座、1,000~1,200個の遺伝子座、1,000~1,400個の遺伝子座、1,000~1,600個の遺伝子座、1,000~1,800個の遺伝子座、1,000~2,000個の遺伝子座、1,000~2,200個の遺伝子座、1,000~2,400個の遺伝子座、1,000~2,600個の遺伝子座、1,000~2,800個の遺伝子座、1,000~3,000個の遺伝子座、1,200~1,400個の遺伝子座、1,200~1,600個の遺伝子座、1,200~1,800個の遺伝子座、1,200~2,000個の遺伝子座、1,200~2,200個の遺伝子座、1,200~2,400個の遺伝子座、1,200~2,600個の遺伝子座、1,200~2,800個の遺伝子座、1,200~3,000個の遺伝子座、1,400~1,600個の遺伝子座、1,400~1,800個の遺伝子座、1,400~2,000個の遺伝子座、1,400~2,200個の遺伝子座、1,400~2,400個の遺伝子座、1,400~2,600個の遺伝子座、1,400~2,800個の遺伝子座、1,400~3,000個の遺伝子座、1,600~1,800個の遺伝子座、1,600~2,000個の遺伝子座、1,600~2,200個の遺伝子座、1,600~2,400個の遺伝子座、1,600~2,600個の遺伝子座、1,600~2,800個の遺伝子座、1,600~3,000個の遺伝子座、1,800~2,000個の遺伝子座、1,800~2,200個の遺伝子座、1,800~2,400個の遺伝子座、1,800~2,600個の遺伝子座、1,800~2,800個の遺伝子座、1,800~3,000個の遺伝子座、2,000~2,200個の遺伝子座、2,000~2,400個の遺伝子座、2,000~2,600個の遺伝子座、2,000~2,800個の遺伝子座、2,000~3,000個の遺伝子座、2,200~2,400個の遺伝子座、2,200~2,600個の遺伝子座、2,200~2,800個の遺伝子座、2,200~3,000個の遺伝子座、2,400~2,600個の遺伝子座、2,400~2,800個の遺伝子座、2,400~3,000個の遺伝子座、2,600~2,800個の遺伝子座、2,600~3,000個の遺伝子座、または2,800~3,000個の遺伝子座を含む、実施形態1~22のいずれか一項に記載の方法。
185.最小カバレッジ要件が、少なくとも75倍、100倍、150倍、150倍、200倍、または250倍である、実施形態1~22または184のいずれか一項に記載の方法。
186.オンラインポータルを介して報告を含むユーザインタフェースを表示する工程をさらに含む、実施形態1~22または実施形態184~185のいずれか一項に記載の方法。
187.モバイルデバイスを介して報告を含むユーザインターフェースを表示することをさらに含む、実施形態1~22または実施形態184~186のいずれか一項に記載の方法。
188.癌が、B細胞癌(多発性骨髄腫)、黒色腫、乳癌、肺癌、気管支癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、膀胱癌、脳癌、中枢神経系癌、末梢神経系癌、食道癌、子宮頸癌、子宮頸部癌、子宮内膜癌、口腔の癌、咽頭の癌、肝臓癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸癌、虫垂癌、唾液腺癌、甲状腺癌、副腎癌、骨肉腫、軟骨肉腫、血液組織の癌、腺癌、炎症性筋線維芽細胞腫、消化管間質腫瘍(GIST)、結腸癌、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄球性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、真性赤血球増加症、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軟部組織肉腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ血管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮癌、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体細胞腫、血管芽細胞腫、聴神経芽腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、甲状腺癌、胃癌、頭頸部癌、小細胞癌、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、好酸球増加症候群、全身性肥満細胞症、家族性好酸球増加症、慢性好酸球性白血病、神経内分泌癌、またはカルチノイド腫瘍である、実施形態61に記載の方法。
189.サンプル中の遺伝的バリアントの存在に基づいて、対象に投与する癌療法を選択することをさらに含む、実施形態23~72または188のいずれか一項に記載の方法。
190.サンプル中の遺伝的バリアントの存在に基づいて、対象に投与するための癌療法の有効量を決定することをさらに含む、実施形態189に記載の方法。
191.サンプル中の遺伝的バリアントの存在に基づいて癌療法を対象に投与することをさらに含む、実施形態189または190に記載の方法。
192.癌療法が、化学療法、放射線療法、免疫療法、手術、またはサンプル中の遺伝的バリアントの存在を標的とするように構成された療法を含む、実施形態189または190に記載の方法。
193.癌療法を選択する方法であって、
対象からのサンプル中の遺伝的バリアントの存在の決定に応答して、対象についての癌療法を選択する工程であって、サンプル中の遺伝的バリアントの存在が、実施形態23~72または188~192のいずれか一項に記載の方法に従って決定される、対象についての癌療法を選択する工程を含む、方法。
194.対象の癌を処置する方法であって、
対象からのサンプル中の遺伝的バリアントの存在を決定することに応答して、有効量の癌療法を対象に投与する工程
を含み、サンプル中の遺伝的バリアントの存在が、実施形態23~72または188~192のいずれか一項に記載の方法に従って決定される、方法。
195.対象における腫瘍の進行または再発を監視する方法であって、
実施形態23~72または実施形態188~192のいずれか一項に記載の方法に従って、第1の時点で対象から得られた第1のサンプル中の遺伝的バリアントの第1の存在を決定する工程;
第2の時点で対象から得られた第2のサンプル中の遺伝的バリアントの第2の存在を決定する工程;および
遺伝的バリアントの第1の存在を遺伝的バリアントの第2の存在と比較することによって、腫瘍の進行または再発を監視する工程
を含む、方法。
196.第2のサンプルについての遺伝的バリアントの第2の存在が、実施形態23~72または188~192のいずれか一項に記載の方法に従って決定される、実施形態195に記載の方法。
197.腫瘍の進行に応答して腫瘍療法を調整することをさらに含む、実施形態195または196に記載の方法。
198.腫瘍の進行に応答して、腫瘍療法の投与量を調整すること、または種々の腫瘍療法を選択することをさらに含む、実施形態195~197のいずれか一項に記載の方法。
199.調整された腫瘍療法を対象に投与することをさらに含む、実施形態198に記載の方法。
200.第1の時点が、対象が腫瘍療法を実施される前であり、第2の時点、対象が腫瘍療法を実施された後である、実施形態195~199のいずれか一項に記載の方法。
201.対象が、癌を有するか、癌を有するリスクがあるか、癌について日常的に検査されているか、または癌を有する疑いがある、実施形態195~200のいずれか一項に記載の方法。
202.癌が固形腫瘍である、実施形態195~201のいずれか一項に記載の方法。
203.癌が血液癌である、実施形態195~202のいずれか一項に記載の方法。
204.対象のゲノムプロファイルが、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)試験、遺伝子発現プロファイリング試験、癌ホットスポットパネル試験、DNAメチル化試験、DNA断片化試験、RNA断片化試験、またはそれらの任意の組み合わせからの結果をさらに含む、実施形態69に記載の方法。
【0243】
本開示および実施例は、添付の図面を参照して十分に説明されているが、様々な変形および変更が当業者にとって明らかになることに留意されたい。そのような変形および変更は、特許請求の範囲によって定義される本開示および例の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0244】
上記の説明は、説明を目的として、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの変更および変形が可能である。実施形態は、技術の原理およびそれらの実際の用途を最もよく説明するために選択および記載された。それにより、他の当業者は、企図される特定の使用に適した様々な変更を伴う技術および様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
【配列表】
2024530428000001.app
【国際調査報告】