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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】材料試験用油圧パワーユニット
(51)【国際特許分類】
   F04B 17/03 20060101AFI20240814BHJP
   F04B 19/22 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
F04B17/03
F04B19/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506751
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022038880
(87)【国際公開番号】W WO2023014612
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】2111330.3
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ロバート スクワイアーズ
【テーマコード(参考)】
3H069
【Fターム(参考)】
3H069AA03
3H069BB01
3H069CC03
3H069DD05
3H069DD06
3H069DD14
3H069DD17
3H069EE41
(57)【要約】
本開示の一実施形態によれば、加圧された油圧流体を材料試験装置に提供する油圧パワーユニット(HPU)であって、HPUは、油圧流体を貯蔵するリザーバーと、材料試験装置に接続可能な出口に油圧流体を圧送するポンプと、ポンプを駆動するように構成された交流(AC)電気モーターであって、電気モーターは、リザーバー内に位置する、AC電気モーターと、AC給電を電気モーターに提供する電気インバーターであって、電気インバーターは、電気モーターの動作点を制御するように構成される、電気インバーターとを備える、HPUが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された油圧流体を材料試験装置に提供する油圧パワーユニット(HPU)であって、該HPUは、
油圧流体を貯蔵するリザーバーと、
前記材料試験装置に接続可能な出口に前記油圧流体を圧送するポンプと、
前記ポンプを駆動するように構成された交流(AC)電気モーターであって、前記電気モーターは、前記リザーバー内に位置する、AC電気モーターと、
AC給電を前記電気モーターに提供する電気インバーターであって、前記電気インバーターは、前記電気モーターの動作点を制御するように構成される、電気インバーターと
を備える、HPU。
【請求項2】
前記HPUは、目標圧力で前記出口に前記油圧流体を提供するように構成される、請求項1に記載のHPU。
【請求項3】
前記目標圧力は、受信された信号に基づいて設定される、請求項2に記載のHPU。
【請求項4】
前記電気インバーターは、前記AC給電の電圧、前記AC給電の電流、前記AC給電の周波数、及び前記AC給電の位相のうちのいずれか1つ以上を制御することによって、前記電気モーターの前記動作点を制御するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のHPU。
【請求項5】
前記電気インバーターは、前記動作点を維持するために前記電気モーターの動作効率が変更されるように、前記AC給電の前記電流、前記AC給電の前記周波数、及び前記AC給電の前記位相のうちの1つ以上を制御することによって前記電気モーターの前記動作点を制御するように構成される、請求項2又は請求項3のいずれかに従属する場合の請求項4に記載のHPU。
【請求項6】
前記ポンプは、前記出口からの前記油圧流体の流量を制御する可変容積式ポンプである、請求項1~5のいずれか一項に記載のHPU。
【請求項7】
前記電気モーターの回転速度を制御して、前記出口における前記油圧流体を前記目標圧力に維持するように構成されたコントローラーを備える、請求項2若しくは請求項3又はそれに従属するいずれかの請求項に従属する場合の請求項4~6のいずれか一項に記載のHPU。
【請求項8】
前記コントローラーは、前記ポンプの流体押しのけ容積を制御して、前記出口における前記油圧流体を前記目標圧力に維持するように構成される、請求項7に記載のHPU。
【請求項9】
前記ポンプは、調整可能な圧力設定点を有する圧力補償可変容積式ポンプとして動作可能であり、前記コントローラーは、前記調整可能な圧力設定点を制御することによって前記ポンプの前記流体押しのけ容積を制御するように構成される、請求項7又は請求項8に記載のHPU。
【請求項10】
前記コントローラーは、前記電気モーターの前記速度及び前記ポンプの前記流体押しのけ容積の両方を制御するように構成され、
前記ポンプの前記流体押しのけ容積及び前記電気モーターの前記回転速度の一方又は両方は、前記電気モーター及び前記ポンプの複合動作効率が制御されるように、所定の特徴付けデータに依存して制御される、
請求項7~9のいずれか一項に記載の油圧パワーユニット。
【請求項11】
前記コントローラーは、
前記ポンプを通って流れる油圧流体の流量を決定し、それに依存して前記ポンプの前記流体押しのけ容積及び前記電気モーターの前記回転速度の一方又は両方を制御するように構成され、
前記所定の特徴付けデータは、前記流量に依存して前記ポンプの目標流体押しのけ容積及び前記電気モーターの目標回転速度の一方又は両方を示す、
請求項10に記載の油圧パワーユニット。
【請求項12】
前記コントローラーは、前記目標流体押しのけ容積に基づいて前記ポンプの前記流体押しのけ容積を制御するか、又は
前記目標回転速度に基づいて前記電気モーターの前記回転速度を制御するように構成される、
請求項11に記載の油圧パワーユニット。
【請求項13】
前記電気モーターは、使用時に、前記リザーバー内の前記油圧流体内に浸漬されるように構成される、請求項1~12のいずれか一項に記載の油圧パワーユニット。
【請求項14】
前記ポンプは、前記リザーバー内に位置し、前記ポンプは、使用時に、前記リザーバー内の前記油圧流体内に浸漬されるように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の油圧パワーユニット。
【請求項15】
システムであって、
請求項1~14のいずれか一項に記載のHPUと、
前記HPUから加圧された油圧流体を受け取るように構成された材料試験装置と、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
サーボ油圧材料試験機(構造試験機としても知られることがある)は、油圧アクチュエータを利用して材料試料に試験力を加えることによって、材料試料の物理的特性を試験するために使用されている。油圧アクチュエータは、典型的には加圧された油圧流体を材料試験機に提供するように構成された油圧パワーユニットによって駆動されている。
【0002】
しかしながら、材料試験用途に使用される既存の油圧パワーユニットは、非効率的に動作し、過度に高い電力消費を引き起こす。
【0003】
本開示の目的は、従来技術の1つ以上の問題を少なくとも軽減することである。
【発明の概要】
【0004】
本開示によれば、加圧された油圧流体を材料試験装置に提供する油圧パワーユニット(HPU)を制御する方法であって、HPUは、電気モーター及びポンプを有し、方法は、第1の材料試験プロセスを実施するために第1の圧力設定点に基づいて加圧された油圧流体の圧力を制御することと、材料試験装置によって実施される第2の材料試験プロセスの第2の圧力設定点の指示を受信することと、第2の材料試験プロセスを実施するために第2の圧力設定点に基づいて加圧された油圧流体の圧力を制御することとを含む、方法が提供される。
【0005】
任意選択で、第2の圧力設定点は、第1の圧力設定点未満である。
【0006】
任意選択で、(例えば、第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点の一方又は両方に基づいて)圧力を制御することは、電気モーターの回転速度を制御することを含む。
【0007】
任意選択で、電気モーターの回転速度を制御することは、電気モーターのエネルギー消費が第2の圧力設定点に応じて低減されるように、電気モーターの回転速度を低減することを含む。
【0008】
任意選択で、(例えば第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点の一方又は両方に基づいて)圧力を制御することは、ポンプの流体押しのけ容積を制御することを含む。
【0009】
任意選択で、ポンプの流体押しのけ容積を制御することは、電気モーターのエネルギー消費が第2の圧力設定点に応じて低減されるように、ポンプの流体押しのけ容積を低減することを含む。
【0010】
任意選択で、(例えば、第1の圧力設定点及び第2の圧力設定点の一方又は両方に基づいて)圧力を制御することは、ポンプの流体押しのけ容積及び電気モーターの回転速度の両方を制御することを含み、ポンプの流体押しのけ容積及び電気モーターの回転速度の一方又は両方は、電気モーター及びポンプの複合動作効率が制御されるように、所定の特徴付けデータに応じて制御される。
【0011】
任意選択で、方法は、ポンプを通って流れる油圧流体の流量を決定し、それに依存してポンプの流体押しのけ容積及び電気モーターの回転速度の一方又は両方を制御することを更に含み、所定の特徴付けデータは、当該流量に依存してポンプの目標流体押しのけ容積及び電気モーターの目標回転速度の一方又は両方を示す。
【0012】
任意選択で、方法は、目標流体押しのけ容積に応じてポンプの流体押しのけ容積を制御することを更に含む。
【0013】
任意選択で、方法は、目標回転速度に応じて電気モーターの回転速度を制御することを更に含む。
【0014】
任意選択で、第2の圧力設定点の指示は、ユーザーインターフェイスにおいて受信されたユーザー入力に応じて決定される。
【0015】
任意選択で、第2の圧力設定点の指示は、材料試験装置のコントローラーによって決定される。
【0016】
任意選択で、第2の圧力設定点の指示は、通信ネットワークに通信可能に結合可能なリモートコンピューティングデバイスによって決定され、指示を受信することは、通信ネットワークを介してサーバーから指示を受信することを含む。
【0017】
任意選択で、第2の圧力設定点の指示は、第2の材料試験プロセスに対する負荷要求の予測に基づく。
【0018】
任意選択で、第2の材料試験プロセスの負荷要求の予測は、最大負荷要求の予測である。
【0019】
本開示の一実施形態によれば、方法であって、材料試験装置によって実施される材料試験プロセスの試験構成の指示を取得することであって、材料試験装置は、油圧パワーユニット(HPU)から加圧された油圧流体を受け取るように構成されることと、試験構成の受信された指示に基づいて材料試験プロセスの負荷要求を決定することと、決定された負荷要求に基づいて圧力設定点の指示をコントローラーに提供することであって、コントローラーは、材料試験プロセスを実施するために加圧された油圧流体の圧力を制御するように構成されることとを含む、方法が提供される。
【0020】
任意選択で、試験構成は、材料試験プロセスに対応する試料の材料組成、及び1つ以上の試験パラメーターの一方又は両方を含む。
【0021】
任意選択で、負荷要求は、最大負荷要求である。
【0022】
任意選択で、材料試験プロセスの負荷要求を決定することは、試験構成の取得された指示に基づいて負荷要求を予測することを含む。
【0023】
任意選択で、方法は、複数の以前の材料試験プロセスに対応する(例えば、取得された)(例えば、結果)データに基づいて、材料試験プロセスの負荷要求を予測することを更に含む。
【0024】
任意選択で、方法は、複数の以前の材料試験プロセスに対応する(例えば、結果)データを取得することを更に含む。
【0025】
任意選択で、データは、複数の以前の材料試験プロセスに対する(例えば、最大)負荷要求のそれぞれの指示を含み、各以前の材料試験プロセスはそれぞれの試験構成を有する。
【0026】
任意選択で、材料試験プロセスの負荷要求は、機械学習モデルに基づいて予測され、機械学習モデルは、複数の以前の材料試験プロセスに対応するデータに基づいて訓練される。
【0027】
本開示の一実施形態によれば、処理回路によって実行されると、処理回路に上記のいずれかの方法による方法を実施させる機械可読命令が提供される。
【0028】
本開示の一実施形態によれば、上記の機械可読命令を含むコンピュータープログラム製品が提供される。
【0029】
本開示の一実施形態によれば、上記の機械可読命令を含む(例えば、非一時的)コンピューター可読媒体が提供される。
【0030】
本開示の一実施形態によれば、電気モーター及びポンプを有する油圧パワーユニット(HPU)を制御するコントローラーであって、HPUは、加圧された油圧流体を材料試験装置に提供するように構成され、コントローラーは、第1の材料試験プロセスを実施するために第1の圧力設定点に基づいて加圧された油圧流体の圧力を制御し、材料試験装置によって実施される第2の材料試験プロセスの第2の圧力設定点の指示を受信し、第2の材料試験プロセスを実施するために第2の圧力設定点に基づいて加圧された油圧流体の圧力を制御するように構成される、コントローラーが提供される。
【0031】
本開示の一実施形態によれば、上記のいずれかのコントローラーによるコントローラーを含む油圧パワーユニット(HPU)が提供される。
【0032】
本開示の一実施形態によれば、上記の油圧パワーユニットによる油圧パワーユニットと、油圧パワーユニットから加圧された油圧流体を受け取るように構成された材料試験装置とを備えるシステムが提供される。
【0033】
本開示の一実施形態によれば、装置であって、材料試験装置によって実施される材料試験プロセスの試験構成の指示を取得し、試験構成の取得された指示に基づいて試験プロセスの負荷要求を決定し、決定された負荷要求に基づいて圧力設定点の指示をコントローラーに提供するように構成され、コントローラーは、材料試験プロセスを実施するために加圧された油圧流体の圧力を制御するように構成される、装置が提供される。
【0034】
本開示の一実施形態によれば、加圧された油圧流体を材料試験装置に提供する油圧パワーユニット(HPU)であって、HPUは、油圧流体を貯蔵するリザーバーと、材料試験装置に接続可能な出口に油圧流体を圧送するポンプと、ポンプを駆動するように構成され、リザーバー内に位置する交流(AC:alternating current)電気モーターと、AC給電を電気モーターに提供する電気インバーターであって、電気モーターの動作点を制御するように構成される、電気インバーターとを備える、HPUが提供される。任意選択で、HPUは、目標圧力で出口に油圧流体を提供するように構成される。
【0035】
任意選択で、HPUは、目標圧力で出口に油圧流体を提供するように構成される。
【0036】
任意選択で、目標圧力は、受信した信号に基づいて設定される。
【0037】
任意選択で、電気インバーターは、AC給電の電圧、AC給電の電流、AC給電の周波数、及びAC給電の位相のうちの任意の1つ以上を制御することによって、電気モーターの動作点を制御するように構成される。
【0038】
任意選択で、電気インバーターは、動作点を維持するために電気モーターの動作効率が変更されるように、AC給電の電流、AC給電の周波数、及びAC給電の位相のうちの1つ以上を制御することによって、電気モーターの動作点を制御するように構成される。
【0039】
任意選択で、ポンプは、出口からの油圧流体の流量を制御する可変容積式ポンプである。
【0040】
任意選択で、HPUは、出口における油圧流体を目標圧力に維持するために電気モーターの回転速度を制御するように構成されたコントローラーを備える。
【0041】
任意選択で、コントローラーは、目標圧力を示す圧力信号を受信する入力を有する。
【0042】
任意選択で、コントローラーは、電気モーターの回転速度を制御するために電気インバーターにモーター制御信号を提供する第1の出力を有する。
【0043】
任意選択で、モーター制御信号は、AC給電の1つ以上のパラメーターを示す。
【0044】
任意選択で、モーター制御信号は、目標圧力を示す。
【0045】
任意選択で、コントローラーは、ポンプの流体押しのけ容積を制御して、出口における油圧流体を目標圧力に維持するように構成される。
【0046】
任意選択で、コントローラーは、ポンプの流体押しのけ容積を制御するためにポンプ制御信号をポンプに提供する第2の出力を有する。
【0047】
任意選択で、ポンプ制御信号は、ポンプの目標押しのけ容積を示す。
【0048】
任意選択で、ポンプ制御信号は、目標圧力を示す。
【0049】
任意選択で、ポンプは、調整可能な圧力設定点を有する圧力補償可変容積式ポンプとして動作可能であり、コントローラーは、当該調整可能な圧力設定点を制御することによってポンプの流体押しのけ容積を制御するように構成される。
【0050】
任意選択で、コントローラーは、電気モーターの速度及びポンプの流体押しのけ容積の両方を制御するように構成され、ポンプの流体押しのけ容積及び電気モーターの回転速度の一方又は両方は、電気モーター及びポンプの複合動作効率が制御されるように、所定の特徴付けデータに応じて制御される。
【0051】
任意選択で、コントローラーは、ポンプを通って流れる油圧流体の流量を決定し、それに依存してポンプの流体押しのけ容積及び電気モーターの回転速度の一方又は両方を制御するように構成され、所定の特徴付けデータは、当該流量に依存してポンプの目標流体押しのけ容積及び電気モーターの目標回転速度の一方又は両方を示す。
【0052】
任意選択で、コントローラーは、目標流体押しのけ容積に基づいてポンプの流体押しのけ容積を制御するように構成される。
【0053】
任意選択で、コントローラーは、目標回転速度に基づいて電気モーターの回転速度を制御するように構成される。
【0054】
任意選択で、電気モーターは、使用時にリザーバー内の油圧流体内に浸漬されるように構成される。
【0055】
任意選択で、ポンプはリザーバー内に位置する。
【0056】
任意選択で、ポンプは、使用時にリザーバー内の油圧流体内に浸漬されるように構成される。
【0057】
任意選択で、HPUは、リザーバー内に配置された冷却ポンプを備え、モーターは、冷却ポンプを駆動して油圧流体を油圧パワーユニットの外部の冷却装置に圧送するように構成される。
【0058】
任意選択で、冷却ポンプは、使用時にリザーバー内の油圧流体内に浸漬されるように構成される。
【0059】
本開示の一実施形態によれば、上記のいずれかのHPUと、HPUから加圧された油圧流体を受け取るように構成された材料試験装置とを備えるシステムが提供される。
【0060】
ここで、本開示の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本開示の一実施形態による、油圧パワーユニット及び材料試験装置を備える一例示のシステムを概略的に示す図である。
【0062】
図2】本開示の一実施形態による一例示の油圧パワーユニットを概略的に示す図である。
【0063】
図3】本開示の一実施形態による別の例示の油圧パワーユニットを概略的に示す図である。
【0064】
図4】本開示の一実施形態による別の例示の油圧パワーユニットを概略的に示す図である。
【0065】
図5】本開示の一実施形態による別の例示の油圧パワーユニットを概略的に示す図である。
【0066】
図6】本開示の種々の実施形態による一例示の装置を概略的に示す図である。
【0067】
図7】本開示の一実施形態による方法を概略的に示す一例示のフローチャートである。
【0068】
図8】本開示の一実施形態による方法を概略的に示す別の例示のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1は、本開示の一実施形態による一例示のシステム100を概略的に示している。システム100は、材料試料の物理的特性の試験を提供することができる。材料試料は、例えば、生産プロセスによって生産された材料の試料であってもよく、その物理的特性を試験することで、例えば、生産プロセスの品質を評価することができる。
【0070】
システム100は、油圧パワーユニット(HPU)110(油圧パワーパックと称されることもある)と、(例えば、サーボ油圧)材料試験装置130とを備える。任意選択で、システム100は、コントローラー140及び負荷決定器142の一方又は両方を更に備える。いくつかの例では、コントローラー140は、図7に関連して以下で説明するように、本開示の一実施形態による方法を実施するように構成することができる。いくつかの例では、負荷決定器142は、図8に関して以下で説明するように、本開示の一実施形態による方法を実施するように構成することができる。
【0071】
材料試験装置130は、油圧作動手段を使用して、1つ以上の材料試験プロセスを実施して、材料試料の1つ以上の軸に沿って力及びトルクの一方又は両方を加えるように構成され、それにより、材料試料の物理的特性を評価することが可能になり得る。
【0072】
材料試験プロセスは、例えば、任意のタイプの機械的な材料試験又は物理的な材料試験を含むことができる。いくつかの例では、材料試験プロセスは、1つ以上の対応する試験パラメーターに依存してもよく、該1つ以上の対応する試験パラメーターは、例えば、1つ以上の試験変数が材料試験プロセスに従って(例えば、材料試料の1つ以上の軸に対して)どのように制御されるかを示すことができる。
【0073】
いくつかの例では、1つ以上の試験変数は、(例えば、線形又は回転)作動押しのけ容積、作動力、作動トルク、材料試料内に誘発される歪み、及び材料試料の温度(例えば、材料試料の自己加熱から生じ得る)のうちの任意の1つ以上を含むことができる。
【0074】
いくつかの例では、材料試験プロセスは、例えば、上述した試験変数等の任意の1つ以上の試験変数が制御される任意のタイプの材料試験プロセスを含むことができる。いくつかの例では、材料試験プロセスは、例えば、高サイクル疲労試験(例えば、作動力及び作動押しのけ容積の一方又は両方が制御され得る)、低サイクル疲労試験(例えば、材料試料内に誘発される歪みが制御され得る)、及び複合疲労試験(例えば、作動力及び材料試料の温度が制御され得る)を含む疲労試験と、亀裂伝播試験(例えば、作動力が制御され得る)と、破壊靱性試験(例えば、作動押しのけ容積及び作動力の一方又は両方が制御され得る)と、二軸試験(例えば、材料試料の第1の軸に沿った(例えば、直線)作動押しのけ容積又は作動力が制御され得て、材料試料の第1の軸に直交する第2の軸に沿った(例えば、回転)作動力又は作動トルクが制御され得る)と、変動振幅(スペクトル)荷重試験(例えば、作動力が制御され得る)と、静的試験(例えば、作動押しのけ容積、作動力、及び材料試料内に誘発される歪みのうちの任意の1つ以上が制御され得る)と、応力試験、引張試験、圧縮試験、ねじり試験、及び歪み試験を含むが、これらに限定されない任意の他の種類の機械的又は物理的試験と、のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0075】
HPU110は、材料試験装置130に接続可能であり、使用時に、加圧された油圧流体を材料試験装置130に提供して、材料試験装置130による1つ以上の材料試験プロセスの実施を可能にするように構成することができる。
【0076】
HPU110は、電気モーター112と、ポンプ114と、リザーバー116と、出口118(「圧力」として知られ得る)と、入口120(「戻り(return)」として知られ得る)とを備える。任意選択で、以下で更に説明するように、HPU110は、モータードライバー回路122、ユーザーインターフェイス124、及び通信回路126のうちの任意の1つ以上を更に備えることができる。
【0077】
電気モーター112は、ポンプ114を駆動するように構成され、ポンプ114は、油圧流体を貯蔵するように構成されたリザーバー116から出口118に油圧流体を圧送し、それによって加圧された油圧流体を出口118に提供するように構成される。HPU110の出口118は、矢印160によって示されるように、1つ以上のパイプ等の流体結合手段を介して、加圧された油圧流体を材料試験装置130の入口134に提供するように構成することができる。HPU110の入口120は、矢印162によって示されるように、流体結合手段を介して材料試験装置130の出口136から油圧流体を受け取るように構成することができる。HPU110の入口120は、例えば、材料試験プロセスの実施中に、油圧流体が材料試験装置130の油圧作動手段を通って流れ、油圧作動手段によって利用された後に、例えば、材料試験装置130の出口136から当該油圧流体を受け取ることができる。HPU110の入口120は、受け取った油圧流体をリザーバー116に戻すように更に構成されてもよい。
【0078】
特に明記しない限り、電気モーター112は、例えば、1相又は3相等の任意の相数を有する任意のAC電気モーターを含む任意のタイプの交流(AC)電気モーター、任意のタイプの直流(DC:direct current)電気モーター、及び任意の他のタイプの電気モーターを含む任意のタイプの電気モーターを含むことができる。
【0079】
いくつかの例では、HPU110は、本技術に従って電気モーター112に電力を提供するように構成され得るモータードライバー回路122を任意選択で備えることができる。電気モーター112が3相AC電気モーターを含み、モータードライバー回路122が存在しないいくつかの例では、HPU110は、始動中に電気モーター112を制御するように構成された始動回路(例えば、スターデルタスターター、又は任意の他のタイプの始動回路等)(図示せず)を任意選択で備えてもよい。
【0080】
いくつかの例では、モータードライバー回路122は、本技術に従って電気モーター112の回転速度を制御するように構成することができる。図2図5に関連して以下で更に説明するように、いくつかの例では、モータードライバー回路122は、(例えば、選択的に調整可能な)圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するように(例えば、HPU110の出力圧力を目標圧力に維持し、目標圧力は圧力設定点に基づいており、例えば、目標圧力は圧力設定点以上である)、電気モーター112の回転速度を制御するようにコントローラー140によって制御され得る。本明細書で使用される場合、HPU110の出力圧力は、HPU110の出口118に提供される加圧された油圧流体の圧力を指すために使用され、該圧力は、材料試験装置130に提供される加圧された油圧流体の圧力に実質的に対応することができる。
【0081】
いくつかの例では、モータードライバー回路122は、圧力設定点の指示を受信し、電気モーター112の回転速度を制御することによって、圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するように動作可能な制御手段(図示せず)を備えることができる。当該制御手段は、モータードライバー回路122内に一体化されてもよく、又はモータードライバー回路122の外部にあり、それと動作可能に結合されてもよい。当該制御手段は、例えば、比例積分微分(PID:proportional-integral-derivative)ベースの制御アルゴリズム、又は任意の他のタイプの制御アルゴリズム等の制御アルゴリズムを実装するように動作可能な処理回路を備える電子制御手段、又は任意の他のタイプの制御手段を含むことができる。いくつかの例では、モータードライバー回路122の当該制御手段は、圧力設定点とHPU110の測定された出力圧力の指示との両方に基づいてHPU110の出力圧力を制御するように動作可能であり得て、測定された出力圧力は、例えば、HPU110の出力圧力を示す1つ以上のメトリックを測定するように動作可能な圧力センサー(図示せず)又は任意の他のタイプのセンサーによって提供される。換言すれば、当該制御手段は、HPU110の出力圧力の指示を含むフィードバックに基づいて閉ループ制御を実装するように構成することができる。他の例では、以下で更に説明するように、コントローラー140は、すぐ上で説明した制御手段の機能を実装することができる。
【0082】
いくつかの例では、電気モーター112の回転速度は、モーター制御信号(図示せず)をモータードライバー回路122に提供することによって、本技術に従って制御することができる。モータードライバー回路122が上述したような制御手段を含む例では、モーター制御信号は、例えば、圧力設定点の指示を含むことができる。代替的に、他の例では、モーター制御信号は、例えば、モータードライバー回路122によって電気モーター112に提供される給電の1つ以上のパラメーターの指示を含んでもよい。
【0083】
モータードライバー回路122は、電気モーター112のタイプに依存し得る。例えば、電気モーター112がAC電気モーターである例では、モータードライバー回路124は、電気インバーター(例えば、可変周波数ドライブ、ACドライブ、又は可変速度ドライブとも称され得る)を含むことができる。これらの例では、モータードライバー回路によって電気モーター112に提供される給電は、AC給電であってもよい。電気インバーターは、当該AC給電の電圧、当該AC給電の電流、当該AC給電の周波数、及び当該AC給電の位相のうちの任意の1つ以上を制御するように構成することができる。
【0084】
電気モーター112がDCモーターである例では、モータードライバー回路122は、例えば、ハーフブリッジモータードライバー、フルブリッジモータードライバー、又は可変回転速度でDCモーターを駆動するのに適した任意の他のタイプのドライバー回路を含むことができる。これらの例では、電気モーター112に提供される給電は、パルス幅変調DC給電を含むことができ、モータードライバー回路122は、例えば、給電のパルス幅変調(PWM:pulse width modulation)デューティサイクルを制御するように構成することができる。
【0085】
材料試験の目的で使用される既存のシステムは、典型的には、HPUの電気モーターを非効率的かつ無駄の多い方法で動作させるため、HPUの過度に高い電力消費を引き起こすことが観測されている。有利には、以下で更に説明されるように、いくつかの実施形態では、本開示は、AC電気モーターを有するHPUを提供し、その動作点は、電気インバーターによって制御され、これにより、いくつかの例では、AC電気モーターが改善された動作効率を有することを可能にし得る。
【0086】
いくつかの例では、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、電気モーター112の動作点を制御するように構成することができる。理解されるように、電気モーターの動作点は、電気モーター112が動作している回転速度出力トルク点を指すことができる。動作点は、電気モーター112のトルク速度曲線と、電気モーター112によって駆動されるシステム、例えばポンプ114のトルク速度曲線との交点に、それに流体結合された対応する油圧回路に応じて対応することができる。(AC)給電の1つ以上のパラメーターを制御することによって、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、電気モーター112のトルク速度曲線を制御し、それによって、システムの所与のトルク速度曲線に対するその動作点を制御するように動作可能であり得る。
【0087】
いくつかの例では、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、動作点を維持するために電気モーター112の動作効率が変更されるように、(AC)給電の1つ以上のパラメーターを制御することによって電気モーター112の動作点を制御するように構成することができる。電気モーターの動作効率は、入力電力(例えば、電気モーター112に提供される電力)と出力電力(例えば、負荷に提供される電力)との比に依存し得る。出力電力は、電気モーター112の動作点に依存し得る。電気モーター112の所与の動作点に対して、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、動作点、したがって出力電力を維持し、入力電力を低減し、それによってその動作点に対する電気モーター112の動作効率を高めるように、電気モーター112に提供される(AC)給電の1つ以上のパラメーターを制御するように構成することができる。そうするために、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、例えば、電気モーター112に関連する電力損失(例えば、電気モーター112のステーター巻線及びローター巻線における銅損、又は任意の他の損失)を低減するように、AC給電の1つ以上のパラメーターを制御することができる。動作点を維持するために動作効率を変更する際に、電気インバーターは、例えば、いわゆるスカラー制御、いわゆるベクトル制御、又は任意の他のタイプの制御技術を含む、任意のタイプの制御技術を使用することができる。電気インバーターは、開ループ制御、又は電気モーター112の動作点を示す1つ以上のメトリックを測定するように動作可能な1つ以上のセンサー(図示せず)によって提供されるフィードバックに基づく閉ループ制御を利用することができる。
【0088】
特に明記しない限り、ポンプ114は、例えば、機械エネルギー又は電気エネルギーを流体動力に変換するように動作可能な任意のタイプのポンプを含む、任意のタイプのポンプを含むことができる。いくつかの例では、ポンプ114は、例えば、遠心ポンプ、又は任意の他のタイプの非容積式ポンプ等の非容積式ポンプ、容積式ポンプ、及び任意の他のタイプのポンプのうちのいずれか1つを含むことができる。
【0089】
ポンプ114が容積式ポンプを含む例では、ポンプ114は、例えば、往復ポンプ、回転ポンプ、外部ギアポンプ、内部ギアポンプ、ローブポンプ、ジローターポンプ、任意の他のタイプのギアポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、アキシャルピストンポンプ及びラジアルピストンポンプを含むピストンポンプ、又は任意の他のタイプの容積式ポンプのうちのいずれか1つを含むことができる。いくつかの例では、ポンプ114は、流体押しのけ容積(ポンプサイクルごとに押しのけられる流体の体積)が固定されている固定容積式ポンプを含むことができ、又は別様で固定容積式ポンプとして動作可能であり得る。代替的に、ポンプ114は、流体押しのけ容積が制御可能であり得る可変容積式ポンプであってもよい。例証的な例として、ポンプ114は、調整可能な斜板を有するアキシャル可変容積式ポンプを含むことができ、該斜板の角度は、ポンプ114の流体押しのけ容積を制御するように調整することができる。しかしながら、これは可変容積式ポンプの単なる一例であり、本開示はそのように限定されない。
【0090】
ポンプ114が可変容積式ポンプである例では、ポンプ114は、その流体押しのけ容積を制御して、その出力圧力を圧力設定点に実質的に対応するように調節するように構成された圧力補償可変容積式ポンプとして動作可能であり得る。圧力設定点は、固定されていても調整可能であってもよい。いくつかの例では、ポンプ114は、ポンプ114の圧力設定点を設定するために圧力設定点の指示を受信するように構成されてもよい。
【0091】
ポンプ114が可変容積式ポンプである例では、ポンプ114は、ポンプ114の流体押しのけ容積を制御することによって、圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するように動作可能な圧力補償制御手段(図示せず)を備えることができる。圧力補償制御手段は、ポンプ114内に一体化されてもよく、又はポンプ114の外部にあって、それと動作可能に結合されてもよい。圧力補償制御手段は、例えば、圧力補償弁等の油圧制御手段、機械制御手段、電子制御手段、それらの任意の組み合わせ、又は任意の他のタイプの制御手段を含むことができる。いくつかの例では、圧力補償制御手段は、固定圧力設定点に基づいてポンプ114の流体押しのけ容積を制御することができる。他の例では、圧力補償制御手段は、圧力設定点の指示を受信し、受信した指示に基づいてポンプ114の流体押しのけ容積を制御するように構成することができる。いくつかの例では、圧力補償制御手段は、例えば、比例積分微分(PID)ベースの制御アルゴリズム、又は任意の他のタイプの制御アルゴリズム等の制御アルゴリズムを実装するように動作可能な処理回路を備える、例えば、電子制御手段を備えてもよい。いくつかの例では、圧力補償制御手段は、圧力設定点とHPU110の測定された出力圧力の指示との両方に基づいてHPU110の出力圧力を制御することができ、測定された出力圧力は、例えば、HPU110の出力圧力を示す1つ以上のメトリックを測定するように動作可能な圧力センサー(図示せず)又は任意の他のタイプのセンサーによって提供される。いくつかの例では、圧力センサーは、ポンプ114内に一体化されてもよい。他の例では、圧力センサーは、ポンプ114の外部にあり、その圧力補償制御手段に動作可能に結合されてもよい。
【0092】
いくつかの例では、以下で更に説明するように、コントローラー140は、上述した圧力補償制御手段の機能を実装することができる。
【0093】
ポンプ114が可変容積式ポンプである例では、ポンプ114の流体押しのけ容積は、ポンプ制御信号をポンプ114に提供することによって、本技術に従って制御することができる。ポンプ114が上述したような圧力補償制御手段を備える例では、ポンプ制御信号は、例えば、圧力設定点の指示を含むことができる。代替的に、他の例では、ポンプ制御信号は、例えば、ポンプ114の流体押しのけ容積の指示を含むことができる。
【0094】
いくつかの例では、電気モーター112及びポンプ114の一方又は両方は、リザーバー116(図示せず)内に位置することができる。これらの例では、少なくとも使用時に、電気モーター112及びポンプ114の一方又は両方は、リザーバー116に貯蔵された油圧流体に少なくとも部分的に浸漬され得る。これらの例では、リザーバー116に貯蔵された油圧流体は、電気モーター112及びポンプ114の一方又は両方によって生成された音響ノイズを少なくとも部分的に減衰させることができる。有利には、これらの例は、HPUを材料試験装置130と同じ部屋に許容可能に配置することを有利に可能にし得る、比較的静かなHPU(例えば、高価な音響クラッディングを使用しない)を提供することができ、これにより、例えば、材料試験装置130とは別の部屋にHPUを配置する油圧インフラストラクチャの使用を回避することができる。さらに、リザーバー116に貯蔵された油圧流体は、電気モーター112及びポンプ114の一方又は両方に熱冷却を提供することができる。かかる熱冷却は、例えば、油圧流体が以下に説明されるように能動的に冷却される例において、特に効果的であり得る。
【0095】
いくつかの例では、HPU110は、任意選択で冷却ポンプ(図示せず)を備えることができる。冷却ポンプは、リザーバー116内に配置することができる。電気モーター112は、冷却ポンプを駆動して、油圧流体をHPU110の外部の冷却装置(図示せず)に圧送するように構成することができる。これらの例では、少なくとも使用時に、冷却ポンプは、リザーバー116内に貯蔵された油圧流体中に少なくとも部分的に浸漬されてもよく、これにより、有利には、電気モーター112及びポンプ114に関連して上述したものと同様の利点を提供することができる。
【0096】
システム100全体を再び参照すると、材料試験装置130は、油圧アクチュエータ132と、入口134と、出口136とを備える。
【0097】
油圧アクチュエータ132は、材料試験プロセスの材料試料の1つ以上の軸に沿って力及びトルクの一方又は両方を加えるように構成することができる。油圧アクチュエータ132は、例えば、限定されないが、油圧シリンダーを含む線形油圧アクチュエータ、回転油圧アクチュエータ、油圧モーター、二軸油圧アクチュエータ、任意の他のタイプの油圧アクチュエータ、及びそれらの任意の組み合わせを含む、任意のタイプの油圧アクチュエータを含むことができる。いくつかの例では、材料試験装置130の油圧アクチュエータ132は、10MN未満、5MN未満、又は10kN~5MNの力の範囲で動作するように構成され得るが、他の力の範囲も可能であり得る。材料試験装置130の入口134は、矢印160によって示されるように、流体結合手段を介してHPU110の出口118から加圧された油圧流体を受け取るように構成することができる。材料試験装置130の入口134は、HPU110の出口118から受け取った加圧された油圧流体の少なくとも一部を油圧アクチュエータ132に提供して、材料試験プロセスに従って材料試料の試験を可能にするように更に構成することができる。材料試験装置130の出口136は、矢印162によって示されるように、流体結合手段を介してHPUの出口120に油圧流体を提供するように構成することができる。材料試験装置130の出口136は、例えば、油圧流体が材料試験装置130の油圧アクチュエータ132を通って流れ、それによって利用された後に、当該油圧流体を出口120に提供することができる。
【0098】
材料試験の目的のために使用される既存のシステムは、典型的には、電気モーター及びポンプを有するHPUを利用しており、所与の負荷に対して、電気モーター及びポンプは、非効率的に動作し、電気モーター及びポンプの複合動作効率が所与の負荷に対して非最適又は非効率的になることが観測されている。
【0099】
さらに、かかる既存のシステムのHPUは、典型的には、実施される材料試験プロセスの圧力要求に関係なく、固定された(すなわち、調整不可能な)出力圧力で加圧された油圧流体を材料試験装置に提供するように構成されている。かかるシステムでは、所与の材料試験プロセスの圧力要求を満たすために、HPUから生じる油圧流体の圧力がHPUの下流の材料試験装置によって調整される場合がある。
【0100】
したがって、かかる既存のシステムのHPUの固定された出力圧力が、所与の材料試験プロセスの圧力要求を超える状況では、かかるHPUは、材料試験プロセスを正常に行うために必要な圧力を超えて、その出力において油圧流体を不必要かつ無駄に加圧する場合がある。さらに、かかる状況では、材料試験プロセスの要件を満たすために、HPUの下流でHPUによって出力される油圧流体の圧力を(例えば、圧力逃し弁を使用して)低減する必要がある場合があり、それには、更なる関連するエネルギーコストが生じる可能性があり、例えば、圧力逃し弁によって排出された油圧流体の熱を処理するために必要とされる関連するエネルギー消費を有する冷却システムを実装することが必要となる可能性がある。したがって、既存の解決策は非効率的であり、特にHPUの出力圧力よりも(例えば、実質的に)低い圧力要求を有する材料試験プロセスを実施するときに、過度に高い電力消費を引き起こすことになる。
【0101】
有利には、以下で更に説明されるように、本開示は、加圧された油圧流体を材料試験装置に提供するように構成された電気モーター及びポンプを有するHPUを提供し、電気モーター及びポンプの一方又は両方は、目標HPU出力圧力を維持しながら、それらの動作効率を改善するように制御することができる。さらに、HPUの出力圧力は、制御可能とすることができ、特定の材料試験プロセスの圧力要求を満たすように調整し、それによって、材料試験の目的のためにより効率的なHPUを提供することができる。
【0102】
図1に戻ると、いくつかの例では、システム100は、本技術に従ってHPU110の出力圧力を制御するように構成され得るコントローラー140を備えることができる。
【0103】
いくつかの例では、コントローラー140は、(例えば、選択的に調整可能な)圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するように構成することができる。例えば、コントローラー140は、HPU110の出力圧力を目標圧力に維持するように構成することができ、目標圧力は、圧力設定点に基づく(例えば、目標圧力は圧力設定点以上である)。
【0104】
いくつかの例では、コントローラー140は、圧力設定点の指示(例えば、それを含む信号)を受信するように構成された第1の入力(図示せず)を有することができる。追加的又は代替的に、図2図5に関連して以下で更に説明されるように、コントローラー140は、HPU110の測定された出力圧力の指示(例えば、それを含む信号)を受信するように構成された第2の入力(図示せず)を有することができる。
【0105】
以下で更に説明するように、圧力設定点の指示は、材料試験装置130によって実施される材料試験プロセスの試験構成に基づいて決定することができる。いくつかの例では、当該決定は、材料試験プロセスに対する(例えば、最大)負荷要求の予測を含むことができる。圧力設定点の指示は、例えば、HPU110のユーザーインターフェイス124等のユーザーインターフェイス、又は材料試験装置130に関連付けられたユーザーインターフェイスを含むがこれに限定されない、コントローラー140と通信可能に結合可能な任意の他のユーザーインターフェイス、例えば負荷決定器142等の装置、例えば材料試験装置130に関連付けられたコンピューティングデバイス(例えば、材料試験装置130のコントローラー)を含むコンピューティングデバイス、又はコントローラー140に通信可能に結合可能なリモートコンピューティングデバイスから受信することができる。
【0106】
いくつかの例では、圧力設定点の指示は、材料試験プロセスに関する(例えば、デフォルトの)圧力設定点に対応することができる。いくつかの例では、コンピューティングデバイスは、例えば、材料試験プロセスに基づいて、圧力設定点の指示を決定することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、それぞれの試験構成に応じて圧力設定点の1つ以上の(例えば、デフォルトの)指示を記憶するように構成された(コンピューティングデバイス内に含まれるか、又はそれに通信可能に結合され得る)メモリにアクセスすることができ、コンピューティングデバイスは、メモリから指示を取得することによって圧力設定点の指示を決定することができる。いくつかの例では、コンピューティングデバイスは、材料試験装置130と関連付けることができる(例えば、その中に含まれる、又は例えば、そのコントローラーに通信可能に結合される)。他の例では、コンピューティングデバイスは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)等の通信ネットワーク(図示せず)を介してコントローラー140に通信可能に結合可能なリモートコンピューティングデバイスを含むことができる。通信ネットワークは、有線若しくは無線、又は有線及び無線の組み合わせであってもよい。
【0107】
いくつかの例では、圧力設定点の指示は、例えば、圧力設定点の値、又はそれに基づく、若しくは別様に圧力設定点を示す任意の他の値を含むことができる。いくつかの例では、圧力設定点の指示は、例えば、(例えば、材料試験プロセスの材料試験装置130の油圧アクチュエータ132の)力要求の指示を含むことができる。これらの例では、コントローラー140は、任意の適切な方法又は技術を使用して、力要求を圧力設定点に変換する(例えば、力要求に基づいて圧力設定点を決定する)ように構成することができる。いくつかの例では、コントローラー140は、例えば、所定の油圧アクチュエータ特徴付けデータに基づいて、力要求を圧力設定点に変換することができる。所定の油圧アクチュエータ特徴付けデータは、(例えば、油圧アクチュエータ132に提供される油圧流体の)入力圧力と油圧アクチュエータ132によって出力される力との間の関係を示すことができる。例えば、油圧アクチュエータ特徴付けデータは、第1の入力圧力に対する油圧アクチュエータ132の第1の作動力を示してもよい。これらの例では、力要求は、第1の作動力に対する力要求の比に基づいて第1の入力圧力をスケーリングすることによって、圧力設定点に変換することができる。例証的な例として、第1の作動力は、油圧アクチュエータ132のフルスケール力量(例えば、100kN)に対応してもよく、第1の入力圧は、最大定格入力圧(例えば、210バール)に対応してもよい。力要求が、例えば、油圧アクチュエータ132のフルスケール力量の半分(例えば、50kN)であった場合、力要求は、最大定格入力圧を半分の係数でスケーリングすることによって(例えば、105バールの圧設定点を与えるために)、対応する圧設定点に変換することができる。しかしながら、これは単に1つの例証的な例であり、本開示はそのように限定されない。いくつかの例では、所定の油圧アクチュエータ特徴付けデータは、任意の対応する入力圧力に対する油圧アクチュエータ132の任意の所与の作動力を示すことができ、力要求は、当該所与の作動力に関連する任意の値とすることができる。他の例では、所定の油圧特徴付けデータは、入力圧力と油圧アクチュエータ132によって出力される力との間の関係を示す任意の他のデータを含むことができる。
【0108】
いくつかの例では、上述したものと同様の変換プロセスを利用して、圧力要求を力要求に変換することができる。他の例では、任意の他の方法又は技術が、力要求を圧力要求(又は設定点)に、又はその逆に変換するために使用されてもよい。
【0109】
いくつかの例では、コントローラー140は、電気モーター112の回転速度を制御して、圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するように構成することができる。これらの例では、コントローラー140は、上述のモーター制御信号をモータードライバー回路122に提供し、それに応じて電気モーター112の回転速度を制御するように構成された第1の出力(図示せず)を有することができる。
【0110】
ポンプ114が可変容積式ポンプを含む例では、コントローラー140は、圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するために、ポンプ114の流体押しのけ容積を制御するように構成することができる。これらの例では、コントローラー140は、上述のポンプ制御信号をポンプ114に提供し、それに応じてポンプ114の流体押しのけ容積を制御するように構成された第2の出力(図示せず)を有することができる。
【0111】
ポンプ114が可変容積式ポンプを含む例では、コントローラー140は、圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するために、(例えば、モーター制御信号を介して)電気モーター112の回転速度と、(例えば、ポンプ制御信号を介して)ポンプ114の流体押しのけ容積との両方を制御するように構成することができる。これらの例では、コントローラー140は、電気モーター112及びポンプ114の複合動作効率が制御されるように、所定の特徴付けデータに応じてポンプ114の流体押しのけ容積及び電気モーター112の回転速度の一方又は両方を制御するように構成することができる。
【0112】
所定の特徴付けデータは、例えば、ポンプを通って流れる(例えば、出口118に提供される)油圧流体の流量に応じたポンプ114の目標流体押しのけ容積を示すことができる。追加的又は代替的に、所定の特徴付けデータは、例えば、当該流量に応じた電気モーター112の目標回転速度を示すことができる。目標流体押しのけ容積及び目標回転速度は、所与の流量を提供することができると同時に、電気モーター112及びポンプ114の複合動作効率がその流量に対して実質的に最適化されることを可能にする。所定の特徴付けデータは、例えば、ポンプ114及び電気モーター112の特徴付け測定値、又はポンプ114及び電気モーター112のモデリング、又は任意の他の方法に基づき得る。
【0113】
いくつかの例では、コントローラー140は、ポンプ114を通って流れる油圧流体の流量を決定し、当該決定された流量に応じてポンプ114の流体押しのけ容積及び電気モーター112の回転速度の一方又は両方を制御するように構成することができる。流量は、任意の方法で決定され得る。例えば、流量は、任意のタイプの流量センサー(図示せず)を使用して測定されてもよい。他の例では、流量は、例えば、電気モーター112の回転速度及びポンプ114の流体押しのけ容積を含む、測定され得るか又は他の方法で知られ得る流量を示す他のパラメーターに基づいて推測されてもよい。
【0114】
いくつかの例では、コントローラー140は、所定の特徴付けデータ及び決定された流量に基づいて、ポンプ114の流体押しのけ容積及び電気モーター112の回転速度の一方又は両方を制御するように構成することができる。いくつかの例では、コントローラー140は、特徴付けデータによって示される上述の目標流体押しのけ容積に基づいて、ポンプ114の流体押しのけ容積を制御するように構成することができる。追加的又は代替的に、コントローラー140は、特徴付けデータによって示される上述の目標回転速度に基づいて、電気モーター112の回転速度を制御するように構成することができる。
【0115】
いくつかの例では、コントローラー140は、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御し(例えば、HPUの出力圧力を第1の目標圧力に維持し、第1の目標圧力は第1の圧力設定点に基づいており、例えば、第1の目標圧力は第1の圧力設定点以上である)、材料試験装置130によって実施される第2の材料試験プロセスの第2の圧力設定点の指示を受信し、第2の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御する(例えば、HPUの出力圧力を第2の目標圧力に実質的に維持し、第2の目標圧力は第2の圧力設定点に基づいており、例えば、第2の目標圧力は第2の圧力設定点以上である)ように構成することができる。
【0116】
いくつかの例では、第1の圧力設定点は、例えば、デフォルト圧力設定点に対応するか、又は別様にそれに基づいてもよく、例えば、HPU110は、最初に給電投入されたときのデフォルト圧力設定点、又は例えば、コントローラー140によって以前に受信された第1の設定点の指示に基づいて制御するように構成される。
【0117】
いくつかの例では、第2の圧力設定点は、第1の圧力設定点未満であり得る。したがって、第2の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御することは、第1の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御することと比較して、HPU110のエネルギー消費を低減することができる。
【0118】
第1の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御することは、例えば、本明細書に開示される上述の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御する任意の方法を含む、圧力設定点に基づいてHPUの出力圧力を制御する任意の方法を含むことができる。同様に、第2の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御することは、例えば、本明細書に開示される上述の圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御する任意の方法を含む、圧力設定点に基づいてHPUの出力圧力を制御する任意の方法を含むことができる。
【0119】
コントローラー140は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせのいずれかで実装され得る。いくつかの例では、コントローラー140は、例えば、マイクロコントローラー、プログラマブルロジックコントローラー、又は任意の他のタイプの処理回路等の処理回路を備えてもよい。
【0120】
システム100全体を再び参照すると、システム100は、材料試験装置130によって実施される材料試験プロセスの負荷要求を決定し、HPU110が決定された負荷要求に基づいてその出力圧力を制御することを可能にするように構成され得る負荷決定器142を備えることができる。本明細書で使用される場合、材料試験プロセスの負荷要求は、例えば、材料試験プロセスの(例えば、材料試験装置130に提供される加圧された油圧流体の)圧力要求、又は材料試験プロセスの(例えば、油圧アクチュエータ132の)力要求に対応することができる。
【0121】
いくつかの例では、負荷決定器142は、材料試験装置によって実施される材料試験プロセスの試験構成の指示を取得し、材料試験構成の受信された指示に基づいて試験プロセスの負荷要求を決定し、決定された負荷要求に基づいて圧力設定点の指示をコントローラー140に提供するように構成することができる。負荷要求は、例えば、材料試験プロセスの最大負荷要求、例えば、その材料試験プロセスが正常に実施されるために必要とし得る最高圧力又は最高作動力に対応することができる。換言すれば、負荷要求は、材料試験プロセスが正常に実施されるために必要とされるHPU110の少なくとも最小出力圧力を示すことができる。圧力設定点の指示は、例えば、圧力設定点の値、又はそれに基づく、若しくは別様で、例えば、力要求の指示を含む圧力設定点を示す任意の他の値を含んでもよい。
【0122】
いくつかの例では、試験構成は、材料試験試料の材料組成のうちの任意の1つ以上と、例えば、本明細書に開示される任意の試験変数を含むが、それらに限定されない、1つ以上の試験変数が、材料試験プロセスに従ってどのように制御されるかを示し得る1つ以上の試験パラメーターとを含むことができる。
【0123】
いくつかの例では、負荷決定器142は、材料試験プロセスの試験構成の指示を含む信号を受信するように構成された入力(図示せず)を有することができる。試験プロセスの試験構成の指示は、例えば、HPU110のユーザーインターフェイス128又は負荷決定器142と通信可能に結合可能な任意の他のユーザーインターフェイス等のユーザーインターフェイス、例えば、本明細書に開示される材料試験装置130に関連付けられた任意のコンピューティングデバイス等の材料試験130装置に関連付けられたコンピューティングデバイスを含むコンピューティングデバイス、例えば、本明細書に開示される任意のリモートコンピューティングデバイスを含むリモートコンピューティングデバイス、又は任意の他のコンピューティングデバイスから受信され得る。
【0124】
いくつかの例では、負荷決定器142は、圧力設定点の指示を含む信号をコントローラー140に提供するように構成された出力(図示せず)を有することができる。
【0125】
いくつかの例では、材料試験プロセスは、材料試験装置130の油圧アクチュエータ132の作動力が制御変数である、いわゆる力制御試験プロセスに対応することができる。これらの例では、力要求は既知であってもよく、したがって、その材料試験プロセスに対する負荷要求は、試験構成のみから決定可能であってもよい。
【0126】
いくつかの例では、作動力は、材料試験プロセスの制御された変数でなくてもよい。例えば、材料試験プロセスは、いわゆる歪み制御試験、又は作動力が制御された変数ではない任意の他のタイプの試験プロセスに対応することができる。これらの例では、材料試験プロセスの負荷要求は、例えば、試験される材料試料の材料組成又は試験パラメーターに依存し得る。これらの例では、負荷要求は、同じ試験構成を有する以前の試験に対応する結果データに基づいて決定されてもよく、結果データは、その試験構成に対する負荷要求の指示を含む。他の例では、負荷要求は、試験構成に基づいて予測することができる。例えば、負荷要求は、1つ以上の以前の試験プロセスに対応する結果データに基づいて予測することができる。結果データは、例えば、1つ以上の以前の試験プロセスのそれぞれについての(例えば、最大)負荷要求のそれぞれの指示を含むことができ、各試験プロセスは、それぞれの試験構成を有する。
【0127】
いくつかの例では、結果データは、取得された試験構成とは異なるそれぞれの試験構成を有する1つ以上の試験プロセスに対応することができる。これらの例では、試験構成に対する負荷要求は、結果データと、取得された試験構成と結果データの試験構成(複数の場合もある)との間の単数又は複数の差とに基づいて決定することができる。
【0128】
例証的な例として、取得された試験構成は、第1の材料組成及び第1の試験パラメーターを含むことができ、結果データは、第1の試験パラメーターを含むが第2の材料組成を含む以前の試験構成に対応するデータを含むことができ、第2の材料組成は第1の材料組成と異なる。第1の試験パラメーターと、第1の材料組成と第2の材料組成との間の差とに基づいて、取得された試験構成の負荷要求を予測することができる。例えば、第1の材料組成と第2の材料組成との間の差が材料試料の物理的特性にどのように影響を及ぼすかを(例えば、モデリングを介して)知るか又は決定することができ、それに基づいて負荷要求を予測することができる。しかしながら、これは単に1つの例証的な例であり、本開示はそのように限定されない。
【0129】
いくつかの例では、取得された試験構成の負荷要求は、機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク等)に基づいて予測されてもよく、機械学習モデルは、複数の以前の試験プロセスに対する(例えば、最大)負荷要求のそれぞれの指示を含む結果データに基づいて訓練され、各以前の試験プロセスは、それぞれの試験構成を有する。これらの例では、負荷決定器142は、訓練された機械学習モデルを含むことができる。いくつかの例では、負荷決定器142は、機械学習モデルを訓練するように構成することができる。他の例では、機械学習モデルは、限定はしないが、本明細書で開示する任意のコンピューティングデバイスを含む、負荷決定器142に通信可能に結合されたコンピューティングデバイスによって訓練することができる。
【0130】
いくつかの例では、負荷決定器142は、負荷決定器142によってアクセス可能なメモリからデータ(例えば、結果データ)を取得することができる。メモリは、負荷決定器142内に含まれてもよく、又は負荷決定器142の外部にあり、それと通信可能に結合されてもよい。メモリは、例えば、本明細書に開示される任意のコンピューティングデバイス内に含まれてもよい。いくつかの例では、負荷決定器142は、本明細書に開示される任意の例に従って、圧力要求を力要求に、又はその逆に変換するように動作可能であり得る。
【0131】
負荷決定器142は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせのいずれかで実装され得る。いくつかの例では、負荷決定器142は、例えば、マイクロコントローラー、プログラマブルロジックコントローラー、又は任意の他のタイプの処理回路等の処理回路を備え得る。
【0132】
システム100全体を再び参照すると、コントローラー140及び負荷決定器142は、図1では、HPU110及び材料試験装置130とは別個であるように示されているが、これは、単に、1つの例証的な例であり、本開示はそのように限定されない。いくつかの例では、HPU110は、コントローラー140及び負荷決定器142の一方又は両方を備えることができる。他の例では、コントローラー140及び負荷決定器142の一方又は両方は、HPU110の外部にあり、HPU110と通信可能に結合可能であり得る。例えば、コントローラー140及び負荷決定器142の一方又は両方は、1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装されてもよい。いくつかの例では、当該1つ以上のコンピューティングデバイスのうちの1つ以上は、HPU110に対してローカルであり、例えば、限定はしないが、コントローラーエリアネットワーク(CAN)バス規格、ユニバーサルシリアルバス規格、Bluetooth規格、Wi-Fiダイレクト規格、又は任意の他のタイプの通信規格を含む任意の通信規格に従って、有線通信手段又は無線通信手段によってHPU110に直接結合可能であり得る。いくつかの例では、当該1つ以上のコンピューティングデバイスのうちの1つ以上は、材料試験装置130内に含まれるか、又はそれに関連付けられ得る(例えば、通信可能に結合可能である)。例えば、当該1つ以上のコンピューティングデバイスのうちの1つ以上は、材料試験装置を制御して試験プロセスを実施するように構成されてもよい。かかるコンピューティングデバイスは、例えば、それぞれの試験構成に応じて1つ以上の(例えば、デフォルトの)圧力設定点を記憶するように構成することができる。いくつかの例では、当該1つ以上のコンピューティングデバイスのうちの1つ以上は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)等、例えば、通信ネットワーク(図示せず)を介してHPU110と通信可能に結合可能なリモートコンピューティングデバイスであり得る。通信ネットワークは、有線若しくは無線、又は有線及び無線の組み合わせであってもよい。
【0133】
HPU110がコントローラー140を備える例では、通信回路126は、圧力設定点の指示を受信し、圧力設定点の指示をコントローラー140に提供するように構成することができる。
【0134】
コントローラー140がHPU110の外部にある例では、通信回路126は、例えば、上述のポンプ制御信号の指示を受信し、それをポンプ114に提供するように構成することができる。追加的又は代替的に、いくつかの例では、通信回路126は、コントローラー140から上述のモーター制御信号を受信し、それをモータードライバー回路122に提供するように構成することができる。
【0135】
図2図5は、本開示の種々の実施形態による例示の油圧パワーユニットを概略的に示している。図2図5に示す例示の油圧パワーユニットは、例えば、図1に示すHPU110に対応することができる。したがって、HPU110の上記の説明は、図2図5に示す例示の油圧パワーユニットにも適用可能である。図1及び図2図5の対応する特徴には、同じ参照番号が使用される。簡単にするために、ユーザーインターフェイス124及び通信回路126は、図2図5から省略されているが、図2図5に示される例示の油圧パワーユニットは、ユーザーインターフェイス124及び通信回路126の一方又は両方を任意選択で備えてもよく、また、図1に示されるHPU110に関して説明される任意の他の特徴を任意選択で備えてもよく、これは図2図5の説明から省略されている場合がある。
【0136】
図2図5に示される油圧パワーユニット、実際には図1に示されるHPU110は、明確にするために簡略化されており、本明細書に開示される任意の油圧パワーユニットは、図1図5に示されない油圧パワーユニットの従来の構成要素を備えてもよく、例えば、給電(複数の場合もある)、マニホールド(複数の場合もある)、圧力逃し弁(複数の場合もある)、圧力補償弁(複数の場合もある)、及び任意の他のタイプの弁を含む弁(複数の場合もある)、任意の他の従来の油圧構成要素、並びにそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されないことを理解されたい。
【0137】
図2は、本開示の一実施形態による一例示の油圧パワーユニット(HPU)200を概略的に示している。HPU200は、HPU200によって圧送される油圧流体の流量を制御することによって、加圧された油圧流体をその出口に一定の目標圧力で提供するように動作可能である。後述するように、流量は、HPUのポンプの流体押しのけ容積を制御することによって制御することができる。
【0138】
HPU200は、電気モーター112と、ポンプ114と、リザーバー116と、出口118と、入口120と、モータードライバー回路122と、圧力センサー210とを備える。
【0139】
図2に示される実施形態では、モータードライバー回路122は、電気モーター112に、それらの間の電気的結合を介して、給電202を提供するように構成される。
【0140】
図2に示される実施形態では、電気モーター112は、ポンプ114を、それらの間の機械的結合を介して駆動するように構成され、機械的結合は、矢印204によって示されている。
【0141】
図2に示される実施形態では、ポンプ114は、リザーバー116から、それらの間の流体結合を介して油圧流体を受け取るように構成され、当該流体結合は、矢印206によって示されている。ポンプ114は更に、リザーバー116から受け取った油圧流体を、出口118に、それらの間の流体結合を介して圧送するように構成され、当該流体結合は、矢印208によって示されている。入口120は、矢印214によって示されるように、(例えば、材料試験装置130等の材料試験装置から受け取った)油圧流体を、リザーバー116に、それらの間の流体結合を介して提供するように構成される。
【0142】
図2に示される実施形態では、電気モーター112は、実質的に固定された(例えば、実質的に一定の)回転速度で動作するように構成されたAC電気モーターであり、ポンプ114は、固定された圧力設定点を有する圧力補償可変容積式ポンプとして動作可能である。圧力センサー210は、HPU200の出力圧力を測定し、矢印212によって示されるように、測定された出力圧力の指示をポンプ114に提供するように構成される。ポンプ114は、本明細書に開示される例に従って、出力圧力を圧力設定点に実質的に維持するために、その固定された圧力設定点及び受信された測定された圧力に基づいてその流体押しのけ容積を制御するように構成される。
【0143】
有利には、圧力設定点における流量要求が特に低い状況では、ポンプ114の流体押しのけ容積は、それに対応して低い流体押しのけ容積の値に制御することができる。したがって、モーターに対する負荷要求が減少し、それによって、モーターの電力消費及びHPU200の電力消費が低減される。さらに、ポンプ114の流体押しのけ容積、したがって、圧力設定点でHPU200によって提供される流量は、流量要求を満たすように調整することができるため、関連するエネルギーコストを伴う関連する冷却要件を有し得る、例えば、安全弁を介して過剰な油圧流体流を排出する必要がなくなり得る。
【0144】
モータードライバー回路122は、電気モーター112に提供される(AC)給電の1つ以上のパラメーターを制御することによって電気モーター112の動作点を制御するように構成された、図1に関連して説明した電気インバーターを備える。図2に示される実施形態では、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、本明細書に開示される例によれば、動作点を維持するために電気モーター112の動作効率が変更されるように、AC給電の1つ以上のパラメーターを制御するように構成される。例えば、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、動作点を維持し、例えば、入力電力を低減し、それによって、その動作点に対する電気モーター112の動作効率を高めるように、電気モーター112に提供されるAC給電の1つ以上のパラメーターを制御するように構成されてもよい。したがって、HPU200は、エネルギー効率の良いHPUを提供することができる。
【0145】
圧力センサー210及び測定された出力圧力の指示212は、ポンプ114の外部にあるように示されているが、これは単なる一例であり、本開示はそのように限定されない。他の例では、ポンプ114は、圧力センサー210を備えることができる。
【0146】
図3は、本開示の一実施形態による一例示の油圧パワーユニット(HPU)300を概略的に示している。
【0147】
HPU300は、電気モーター112と、ポンプ114と、リザーバー116と、出口118と、入口120と、モータードライバー回路122と、圧力センサー310と、コントローラー140とを備える。
【0148】
HPU300は、HPU300によって圧送される油圧流体の流量を制御することによって、加圧された油圧流体をその出口に可変目標圧力で提供するように動作可能である。後述するように、流量は、HPU300の電気モーター112の回転速度を制御することによって制御することができる。
【0149】
図3に示される実施形態では、電気モーター112は、可変速度で動作するように構成され、ポンプ114は、実質的に固定された流体押しのけ容積を有する容積式ポンプとして動作可能である。
【0150】
図3に示される実施形態では、モータードライバー回路122は、電気モーター112に、それらの間の電気的結合を介して、給電302を提供するように構成される。
【0151】
図3に示される実施形態では、電気モーター112は、矢印304によって示されるように、ポンプ114を、それらの間の機械的結合を介して駆動するように構成される。
【0152】
図3に示される実施形態では、ポンプ114は、矢印306によって示されるように、リザーバー116から、それらの間の流体結合を介して油圧流体を受け取るように構成される。ポンプ114は、矢印308によって示されるように、リザーバー116から受け取った油圧流体を、出口118に、それらの間の流体結合を介して圧送するように更に構成される。入口120は、矢印314によって示されるように、(例えば、材料試験装置130等の材料試験装置から受け取った)油圧流体を、リザーバー116に、それらの間の流体結合を介して提供するように構成される。
【0153】
図3に示される実施形態では、コントローラー140は、電気モーター112の回転速度を制御して、例えば、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定点、第2の材料試験プロセスを実施する第2の圧力設定点、又は任意の他の圧力設定点等の圧力設定点に基づいてHPU300の出力圧力を制御する(例えば、HPU300の出力圧力を目標圧力に維持し、目標圧力は圧力設定点に基づいており、例えば、目標圧力は圧力設定点以上である)ように構成される。
【0154】
図3に示される実施形態では、コントローラー140は、圧力設定点(例えば、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定点、又は例えば、第2の材料試験プロセスを実施する第2の圧力設定点)の指示318を受信するように構成された入力316を備える。指示318は、例えば、本明細書で開示する任意の例に従って受信され得る。
【0155】
図3に示される実施形態では、コントローラー140は、モーター制御信号322をモータードライバー回路122に提供するように構成された出力320を有し、コントローラー140の出力320は、モーター制御信号を受信するように構成されたモータードライバー回路122の入力に電気的に結合される。モーター制御信号322は、例えば、本明細書に開示される任意の例に従って電気モーター112を制御するように動作可能であってもよい。
【0156】
図3に示される実施形態に関して、いくつかの例では、図1に示される実施形態に関連して説明したように、モータードライバー回路122は、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)の指示を受信し、電気モーター112の回転速度を制御することによって、圧力設定点に基づいてHPU300の出力圧力を制御するように動作可能な制御手段(図示せず)を備えることができる。これらの例では、モーター制御信号322は、例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等の圧力設定点の指示を含むことができる。他の例では、コントローラー140は、電気モーター112の回転速度を直接制御して、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)に基づいてHPU300の出力圧力を制御するように構成することができる。これらの例では、モーター制御信号322は、給電の1つ以上のパラメーターの指示を含んでもよく、モータードライバー回路122は、モーター制御信号322に従って給電の1つ以上のパラメーターを制御するように構成することができる。
【0157】
図3に示される実施形態では、HPU300は、閉ループ制御を利用してHPU300の出力圧力を維持するように構成される。圧力センサー310は、HPU300の出力圧力を測定し、電気モーター112の回転速度を制御するフィードバックとして、測定された出力圧力の指示を提供するように構成される。モータードライバー回路122が上述の制御手段を備える例では、圧力センサーは、矢印324によって示されるように、測定された出力圧力の指示をモータードライバー回路122に提供するように構成することができる。コントローラー140が電気モーター112の回転速度を直接制御するように構成される例では、圧力センサーは、矢印328によって示されるように、測定された出力圧力の指示をコントローラー140の入力326に提供するように構成することができる。
【0158】
有利には、HPU300は、材料試験プロセスの圧力要求に従って、その出力圧力を調整するように動作可能なHPUを提供し、それによって、電力消費を低減したHPUを可能にする。
【0159】
図3に示される実施形態に関して、いくつかの例では、電気モーター112は、AC電気モーターを含むことができ、モータードライバー回路122は、本明細書で開示される例による電気インバーターを備えることができる。これらの例では、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、本明細書に開示される任意の例に従って、動作点を維持するために電気モーター112の動作効率が変更されるように、(AC)給電302の1つ以上のパラメーターを制御することによって、電気モーター112の動作点を制御するように構成されてもよい。有利には、これは、HPU300が更により効率的に動作することを可能にし得る。
【0160】
図4は、本開示の一実施形態による一例示の油圧パワーユニット(HPU)400を概略的に示している。
【0161】
HPU400は、電気モーター112と、ポンプ114と、リザーバー116と、出口118と、入口120と、圧力センサー410と、コントローラー140とを備える。任意選択で、いくつかの例では、HPU400は、モータードライバー回路122を備える。
【0162】
HPU400は、HPU400によって圧送される油圧流体の流量を制御することによって、加圧された油圧流体をその出口に可変目標圧力で提供するように動作可能である。以下に説明するように、流量は、HPU400のポンプ114の流体押しのけ容積を制御することによって制御することができる。
【0163】
図4に示される実施形態では、電気モーター112は、矢印404によって示されるように、ポンプ114を、それらの間の機械的結合を介して駆動するように構成される。
【0164】
図4に示される実施形態では、ポンプ114は、矢印406によって示されるように、リザーバー116から、それらの間の流体結合を介して油圧流体を受け取るように構成される。ポンプ114は、矢印408によって示されるように、リザーバー116から受け取った油圧流体を、出口118に、それらの間の流体結合を介して圧送するように更に構成される。入口120は、矢印414によって示されるように、(例えば、材料試験装置130等の材料試験装置から受け取った)油圧流体を、リザーバー116に、それらの間の流体結合を介して提供するように構成される。
【0165】
図4に示される実施形態では、電気モーター112は、例えば、本明細書に開示される任意のタイプの電気モーター又は任意の他のタイプの電気モーターを含む、任意のタイプの電気モーターを含む。
【0166】
図4に示される実施形態では、電気モーター112は、実質的に固定された速度で動作するように構成され、ポンプ114は、本明細書に開示される例に従って、調整可能な圧力設定点を有する圧力補償可変容積式ポンプとして動作可能である。
【0167】
図4に示される実施形態では、コントローラー140は、例えば、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定点、第2の材料試験プロセスを実施する第2の圧力設定点、又は任意の他の圧力設定点等の圧力設定点に基づいてHPU400の出力圧力を制御する(例えば、HPU400の出力圧力を目標圧力に維持し、目標圧力は圧力設定点に基づいており、例えば、目標圧力は圧力設定点以上である)ように構成される。いくつかの例では、コントローラー140は、第1の材料試験プロセスを実施する圧力設定点に基づいてポンプ114の流体押しのけ容積を制御するように構成される。
【0168】
図4に示される実施形態では、コントローラー140は、圧力設定点(例えば、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定点、又は例えば、第2の材料試験プロセスを実施する第2の圧力設定点)の指示418を受信するように構成された入力416を備える。指示418は、例えば、本明細書で開示する任意の例に従って受信され得る。
【0169】
図4に示される実施形態では、コントローラー140は、ポンプ制御信号422をポンプ114に提供するように構成された出力420を備え、コントローラー140の出力420は、ポンプ制御信号422を受信するように構成されたポンプ114の入力に電気的に結合される。ポンプ制御信号422は、例えば、本明細書で開示する任意の例に従ってポンプ114を制御するように動作可能であり得る。
【0170】
図4に示される実施形態に関して、いくつかの例では、図1に示される実施形態に関連して説明したように、ポンプ114は、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)の指示を受信し、ポンプ114の流体押しのけ容積を制御することによって、圧力設定点に基づいてHPU400の出力圧力を制御するように動作可能な圧力補償制御手段(図示せず)を備えることができる。これらの例では、ポンプ信号422は、例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等の圧力設定点の指示を含むことができる。他の例では、コントローラー140は、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)に基づいてHPU400の出力圧力を制御するために、ポンプ114の流体押しのけ容積を直接制御するように構成することができる。これらの例では、ポンプ制御信号422は、ポンプ114の流体押しのけ容積の指示を含むことができ、ポンプ114は、ポンプ制御信号422に従ってその流体押しのけ容積を制御するように構成することができる。
【0171】
図4に示される実施形態では、HPU400は、閉ループ制御を利用してHPU400の出力圧力を維持するように構成される。圧力センサー410は、HPU400の出力圧力を測定し、ポンプ114の流体押しのけ容積を制御するフィードバックとして、測定された出力圧力の指示を提供するように構成される。ポンプ114が上述の圧力補償制御手段を備える例では、圧力センサー410は、矢印424によって示されるように、測定された出力圧力の指示をポンプ114に提供するように構成することができる。コントローラー140がポンプの流体押しのけ容積を直接制御するように構成される例では、圧力センサー410は、矢印428によって示されるように、測定された出力圧力の指示をコントローラー140の入力426に提供するように構成することができる。
【0172】
有利には、HPU400は、材料試験プロセスの圧力要求に従って、その出力圧力を調整するように動作可能なHPUを提供し、それによって、電力消費を低減したHPUを可能にする。
【0173】
図4に示される実施形態に関して、いくつかの例では、電気モーター112は、AC電気モーターを含むことができ、HPU400は、電気モーター112に、それらの間の電気結合を介して(AC)給電402を提供するように構成された電気インバーターを備えるモータードライバー回路122を更に備えることができる。これらの例では、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、本明細書に開示される任意の例に従って、動作点を維持するために電気モーター112の動作効率が変更されるように、(AC)給電の1つ以上のパラメーターを制御することによって電気モーター112の動作点を制御するように構成することができる。有利には、これは、HPU400が更により効率的に動作することを可能にし得る。
【0174】
図5は、本開示の一実施形態による一例示の油圧パワーユニット(HPU)500を概略的に示している。
【0175】
HPU500は、電気モーター112と、ポンプ114と、リザーバー116と、出口118と、入口120と、モータードライバー回路122と、圧力センサー510と、コントローラー140とを備える。
【0176】
HPU500は、HPU500によって圧送される油圧流体の流量を制御することによって、加圧された油圧流体をその出口に可変目標圧力で提供するように動作可能である。後述するように、流量は、HPU500の電気モーター112の回転速度とポンプ114の流体押しのけ容積との両方を制御することによって制御することができる。ポンプ114の流体押しのけ容積及び電気モーター122の回転速度の一方又は両方は、電気モーター及びポンプの複合動作効率が制御されるように、所定の特徴付けデータに応じて制御することができる。
【0177】
図5に示される実施形態では、本明細書に開示される例に従って、電気モーターは、可変速度で動作するように構成され、ポンプ114は、調整可能な圧力設定点を有する圧力補償可変容積式ポンプとして動作可能である。
【0178】
図5に示される実施形態では、モータードライバー回路122は、電気モーター112に、それらの間の電気的結合を介して、給電502を提供するように構成される。
【0179】
図5に示される実施形態では、電気モーター112は、矢印504によって示されるように、ポンプ114を、それらの間の機械的結合を介して駆動するように構成される。
【0180】
図5に示される実施形態では、ポンプ114は、矢印506によって示されるように、リザーバー116から、それらの間の流体結合を介して油圧流体を受け取るように構成される。ポンプ114は、矢印508によって示されるように、リザーバー116から受け取った油圧流体を、出口118に、それらの間の流体結合を介して圧送するように更に構成される。入口120は、矢印514によって示されるように、(例えば、材料試験装置130等の材料試験装置から受け取った)油圧流体を、リザーバー116に、それらの間の流体結合を介して提供するように構成される。
【0181】
図5に示される実施形態では、コントローラー140は、電気モーター112の回転速度及びポンプ114の流体押しのけ容積の両方を制御して、例えば、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定、第2の材料試験プロセスを実施する第2の圧力設定点、又は任意の他の圧力設定点等の圧力設定点に基づいてHPU500の出力圧力を制御する(例えば、HPU500の出力圧力を目標圧力に維持し、目標圧力は圧力設定点に基づいており、例えば、目標圧力は圧力設定点以上である)ように構成される。いくつかの例では、コントローラー140は、圧力設定点に基づいて、電気モーター112の回転速度及びポンプ114の流体押しのけ容積の両方を制御するように構成される。
【0182】
図5に示される実施形態では、コントローラー140は、圧力設定点(例えば、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定点、又は例えば、第2の材料試験プロセスを実施する第2の圧力設定点)の指示518を受信するように構成された入力516を備える。指示518は、例えば、本明細書で開示する任意の例に従って受信され得る。
【0183】
図5に示される実施形態では、コントローラー140は、モーター制御信号522をモータードライバー回路122に提供するように構成された第1の出力520を備え、コントローラー140の第1の出力520は、モータードライバー回路122の入力に電気的に結合される。モーター制御信号522は、例えば、本明細書に開示される任意の例に従って電気モーター112を制御するように動作可能であってもよい。
【0184】
図5に示される実施形態では、コントローラー140は、ポンプ制御信号525をポンプ114に提供するように構成された第2の出力523を備え、コントローラー140の出力523は、ポンプ114の入力に電気的に結合される。ポンプ制御信号525は、例えば、本明細書で開示する任意の例に従ってポンプ114を制御するように動作可能であり得る。
【0185】
図5に示される実施形態に関して、いくつかの例では、図1に示される実施形態に関連して説明したように、モータードライバー回路122は、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)の指示を受信し、電気モーター112の回転速度を制御することによって、圧力設定点に基づいてHPU500の出力圧力を制御するように動作可能な制御手段(図示せず)を備えることができる。これらの例では、モーター制御信号522は、例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等の圧力設定点の指示を含むことができる。他の例では、コントローラー140は、電気モーター112の回転速度を直接制御して、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)に基づいてHPU500の出力圧力を制御するように構成することができる。これらの例では、モーター制御信号522は、給電の1つ以上のパラメーターの指示を含んでもよく、モータードライバー回路122は、モーター制御信号522に従って給電の1つ以上のパラメーターを制御するように構成することができる。
【0186】
図5に示される実施形態に関して、いくつかの例では、図1に示される実施形態に関連して説明したように、ポンプ114は、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)の指示を受信し、ポンプ114の流体押しのけ容積を制御することによって、圧力設定点に基づいてHPU500の出力圧力を制御するように動作可能な圧力補償制御手段(図示せず)を備えることができる。これらの例では、ポンプ制御信号525は、例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等の圧力設定点の指示を含むことができる。他の例では、コントローラー140は、圧力設定点(例えば、第1の圧力設定点又は第2の圧力設定点等)に基づいてHPU500の出力圧力を制御するために、ポンプ114の流体押しのけ容積を直接制御するように構成することができる。これらの例では、ポンプ制御信号525は、ポンプ114の流体押しのけ容積の指示を含むことができ、ポンプ114は、ポンプ制御信号525に従ってその流体押しのけ容積を制御するように構成することができる。
【0187】
図5に示される実施形態では、HPU500は、閉ループ制御を利用してHPU500の出力圧力を維持するように構成される。圧力センサー510は、HPU500の出力圧力を測定し、電気モーター112の回転速度及びポンプ114の流体押しのけ容積の両方を制御するフィードバックとして、測定された出力圧力の指示を提供するように構成される。
【0188】
モータードライバー回路122が上述の制御手段を備える例では、圧力センサー510は、矢印530によって示されるように、測定された出力圧力の指示をモータードライバー回路122に提供するように構成することができる。
【0189】
ポンプ114が上述の圧力補償制御手段を備える例では、圧力センサー510は、矢印532によって示されるように、測定された出力圧力の指示をポンプ114に提供するように構成することができる。
【0190】
コントローラー140が、電気モーター112の回転速度の直接制御、及びポンプ114の流体押しのけ容積の直接制御の一方又は両方を行うように構成される例では、圧力センサー510は、矢印534によって示されるように、測定された出力圧力の指示をコントローラー140の入力532に提供するように構成することができる。
【0191】
有利には、HPU500は、材料試験プロセスの圧力要求に従って、その出力圧力を調整するように動作可能なHPUを提供し、それによって、電力消費を低減したHPUを可能にする。
【0192】
いくつかの例では、コントローラー140は、圧力設定点に基づいてHPU110の出力圧力を制御するために、(例えば、モーター制御信号522を介して)電気モーター112の回転速度及び(例えば、ポンプ制御信号525を介して)ポンプ114の流体押しのけ容積の両方を制御するように構成されてもよく、コントローラー140は、本明細書に開示される任意の例に従って、電気モーター112及びポンプ114の複合動作効率が制御されるように、所定の特徴付けデータに依存してポンプ114の流体押しのけ容積及び電気モーター112の回転速度の一方又は両方を制御するように構成される。有利には、これは、HPU500が更により効率的に動作することを可能にし得る。
【0193】
図5に示される実施形態に関して、いくつかの例では、電気モーター112は、AC電気モーターを含むことができ、モータードライバー回路122は、(AC)給電502を電気モーター112に提供するように構成された電気インバーターを備えることができる。これらの例では、電気インバーターを備えるモータードライバー回路122は、本明細書に開示される任意の例に従って、動作点を維持するために電気モーター112の動作効率が変更されるように、(AC)給電の1つ以上のパラメーターを制御することによって電気モーター112の動作点を制御するように構成することができる。有利には、これにより、HPU500の効率を更に改善することができる。
【0194】
図6は、本開示の種々の実施形態による装置600を概略的に示している。いくつかの例では、装置600は、例えば、コントローラー140等、例えば、コントローラーに対応することができる。いくつかの例では、装置600は負荷決定器142に対応することができる。
【0195】
図6に示されるように、装置600は、プロセッサ610と、コンピュータープログラム命令624を含むコンピュータープログラム622を含むメモリ620とによって実装され得る。装置600は、プロセッサ610内に含まれるか、又はそれに動作可能に結合され得る出力インターフェイス630を備えることができ、それを介して、制御信号の形態のデータ及び/又はコマンドが、プロセッサ610によって出力される。装置600は、プロセッサ610内に含まれ得るか、又はそれに動作可能に結合され得る入力インターフェイス640を備えることができ、それを介して、データ及び/又はコマンドがプロセッサ610に入力される。装置600の実施態様は、ハードウェアのみ(回路)であってもよく、ファームウェアのみを含むソフトウェアで或る特定の態様を有してもよく、又はハードウェアとソフトウェア(ファームウェアを含む)の組み合わせであってもよい。コンピュータープログラム622は、(例えば、非一時的)コンピューター可読記憶媒体(ディスク、メモリ等)に記憶されてもよい。コンピュータープログラム622は、実行されたときに、すなわちプロセッサ610によって、図7及び図8のうちの1つ以上に関連して以下で説明する方法に従って方法を実施するように構成されたコンピューターソフトウェアであってもよい。
【0196】
図7は、本開示の一実施形態による油圧パワーユニットを制御することを概略的に示す一例示のフローチャート700を示している。油圧パワーユニットは、例えば、油圧パワーユニット110、油圧パワーユニット300、油圧パワーユニット400、及び油圧パワーユニット500のうちのいずれか1つを含むことができる。フローチャート700は、例えば、コントローラー140等の油圧パワーユニットを制御するように動作可能なコントローラーによって実施されてもよい。
【0197】
ブロック710において、材料試験装置に提供される加圧された油圧流体の圧力は、第1の材料試験プロセスを実施する第1の圧力設定点に基づいて制御される。第1の圧力設定点に基づいて加圧された油圧流体を制御することは、本明細書に開示される任意の例に従ってもよい。
【0198】
ブロック720において、材料試験装置によって実施される第2の材料試験プロセスの第2の圧力設定点の指示が受信される。第2の圧力設定点の指示を受信することは、本明細書に開示される任意の例に従ってもよい。
【0199】
ブロック730において、材料試験装置に提供される加圧された油圧流体の圧力は、第2の圧力設定点に基づいて制御される。第2の圧力設定点に基づいて加圧された油圧流体を制御することは、本明細書に開示される任意の例に従ってもよい。
【0200】
図8は、本開示による方法を概略的に示す一例示のフローチャートを示している。
【0201】
ブロック810において、材料試験装置によって実施される試験プロセスの試験構成の指示が取得され、材料試験装置は、油圧パワーユニット(HPU)から加圧された油圧流体を受け取るように構成される。材料試験装置は、例えば、材料試験装置130又は任意の他の材料試験装置に対応することができる。油圧パワーユニットは、例えば、油圧パワーユニット110、油圧パワーユニット300、油圧パワーユニット400、及び油圧パワーユニット500のうちのいずれか1つを含むことができる。材料試験プロセスは、例えば、本明細書に開示される任意の材料試験プロセスを含む、任意の材料試験プロセスに対応することができる。試験構成の指示は、本明細書で開示される任意の例に従って取得され得る。
【0202】
ブロック820において、試験プロセスの負荷要求が、試験構成の受信された指示に基づいて決定され得る。負荷要求は、本明細書で開示される任意の例に従って決定され得る。
【0203】
ブロック830において、決定された負荷要求に基づいて圧力設定点の指示がコントローラーに提供され、コントローラーは、材料試験プロセスを実施するために加圧された油圧流体の圧力を制御するように構成される。コントローラーは、例えば、コントローラー140に対応してもよい。指示は、本明細書に開示される任意の例に従って、コントローラーに提供され得る。
【0204】
本開示の実施形態はハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせの形において実現できることは理解されよう。任意のそのようなソフトウェアは、例えば、消去可能であるか否か、又は書き換え可能であるか否かは別として、ROMのような記憶デバイス等の揮発性記憶装置若しくは不揮発性記憶装置の形で、又は例えばRAM、メモリチップ、デバイス若しくは集積回路等のメモリの形で、又は例えば、CD、DVD、磁気ディスク若しくは磁気テープ等の光学的若しくは磁気的に読み取り可能な媒体上に記憶することができる。それらの記憶デバイス及び記憶媒体は、実行されるときに本開示の実施形態を実施する単数又は複数のプログラムを記憶するのに適している機械可読記憶装置の実施形態であることは理解されよう。したがって、複数の実施形態が、任意の先行する請求項において請求されるようなシステム又は方法を実施するコードを含むプログラムと、そのようなプログラムを記憶する機械可読記憶装置とを提供する。またさらに、本開示の実施形態は、有線接続又は無線接続を介して搬送される通信信号等の任意の媒体を介して電子的に伝達することができ、複数の実施形態がそれを適切に含む。
【0205】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの全ては、かかる特徴及び/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0206】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された各特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同じ、同等の、又は同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えることができる。したがって、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示される各特徴は、一般的な一連の同等又は類似の特徴の一例にすぎない。
【0207】
本発明は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規な1つ、若しくは任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの任意の新規な1つ、若しくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。特許請求の範囲は、単に前述の実施形態を網羅すると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲内に入る任意の実施形態も網羅すると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】