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特表2024-530472制御された流体透過率を有する再利用可能なブランクおよびそれらから作製される容器
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  • 特表-制御された流体透過率を有する再利用可能なブランクおよびそれらから作製される容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】制御された流体透過率を有する再利用可能なブランクおよびそれらから作製される容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/42 20060101AFI20240814BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 29/00 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20240814BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B65D65/42 C
B65D85/50 100
B32B29/00
B32B27/10
B32B27/30 A
B32B27/20 A
B32B7/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506780
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 US2022039093
(87)【国際公開番号】W WO2023014671
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/228,446
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504376810
【氏名又は名称】ウエストロック・エム・ダブリュー・ヴイ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ディ・ベンソン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ティ・マクドネル
【テーマコード(参考)】
3E035
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E035AA05
3E035BA01
3E035BC01
3E035BC02
3E035BD03
3E035BD04
3E035CA01
3E086AB01
3E086AD02
3E086AD05
3E086AD23
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BB01
3E086BB42
3E086BB59
3E086BB71
3E086BB77
3E086BB85
3E086CA01
3E086CA25
4F100AK01C
4F100AK25B
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100CA13B
4F100CB00C
4F100DG10A
4F100GB16
4F100JD03B
4F100JD04B
4F100JD05B
4F100JL11C
4F100JL16A
4F100JL16B
4F100YY00B
(57)【要約】
パッケージのためのブランクが、再利用可能な紙を含む基材を含むことができ、該基材は、第1の側面と、該第1の側面の反対側の第2の側面とを有する。該ブランクは、水および/または酸素が基材まで通過するのを防止するように構成されている、該基材の該第1の側面上の1つ以上の再利用可能な耐流体層を含み得る。該1つ以上の再利用可能な耐流体層は、パッケージの外側に存在するように構成され得る。ブランクは、第2の側面上に配設されている再利用可能な流体透過層であり、該流体透過層によってまたは流体透過層を介して流体通過率および/または吸収の制御された量を可能にするように構成されている、再利用可能な流体透過層を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージのためのブランクであって、
再利用可能な紙を含む基材であり、第1の側面と、前記第1の側面の反対側の第2の側面と、を有する、基材と、
水および/または酸素が前記基材まで通過するのを防止するように構成されている、前記基材の前記第1の側面上の1つ以上の再利用可能な耐流体層であり、前記パッケージの外側に存在するように構成されている、1つ以上の再利用可能な耐流体層と、
前記第2の側面上に配設されている再利用可能な流体透過層であり、前記流体透過層によってまたは前記流体透過層を介して、制御された量の流体通過率および/または吸収を実現可能にするように構成されている、再利用可能な流体透過層と、
を含む、ブランク。
【請求項2】
前記再利用可能な流体透過層は、30分で約10g/mから15g/mまでのコッブ値を有するかまたは実現する、請求項1に記載のブランク。
【請求項3】
前記再利用可能な流体透過層は、アクリルから形成される、請求項1に記載のブランク。
【請求項4】
前記再利用可能な流体透過層は、約1.5lbs/MSFから約2.5lbs/MSFまでのコート量を有する、請求項3に記載のブランク。
【請求項5】
前記再利用可能な流体透過層は、約2lbs/MSFのコート量を有する、請求項4に記載のブランク。
【請求項6】
前記再利用可能な流体透過層は、前記基材の前記第2の側面上の唯一の層である、請求項3に記載のブランク。
【請求項7】
1つ以上の前記再利用可能な耐流体層は30分で約2g/m未満のコッブ値を有するかまたは実現する、請求項6に記載のブランク。
【請求項8】
1つ以上の前記再利用可能な耐流体層が実質的に防水性のものとなるように、1つ以上の前記再利用可能な耐流体層は30分で約0g/mのコッブ値を有するかまたは実現する、請求項7に記載のブランク。
【請求項9】
1つ以上の前記再利用可能な耐流体層は
前記基材上に配設されている第1の層と、
前記第1の層上に配設されている第2の層と
を含む少なくとも2つの層を含む、請求項6に記載のブランク。
【請求項10】
少なくとも2つの前記層は高分子層である、請求項9に記載のブランク。
【請求項11】
前記第1の層は顔料を含む、請求項10に記載のブランク。
【請求項12】
前記第1の層は、接着剤で裏打ちされた二重反射性の空気および蒸気制御層(AVCL)であり、前記接着剤で前記基材に結合されている、請求項10に記載のブランク。
【請求項13】
前記第1の層は、アメリカ合衆国・オハイオ州45236-1299・シンシナティ・シェルロード・9080に所在のマイケルマン,インコーポレーテッドによって販売されているVaporBase(商標)200高分子塗膜である、請求項12に記載のブランク。
【請求項14】
前記第2の層は、アメリカ合衆国・オハイオ州45236-1299・シンシナティ・シェルロード・9080に所在のマイケルマン,インコーポレーテッドによって販売されているVaporCoat(登録商標)2200Rである、請求項13に記載のブランク。
【請求項15】
前記基材は板紙である、請求項1に記載のブランク。
【請求項16】
前記基材は約60lbs/MSFのコート量を含む、請求項15に記載のブランク。
【請求項17】
前記板紙は100%未使用の板紙である、請求項16に記載のブランク。
【請求項18】
冷凍商品を保持するための容器であって、
再利用可能な紙を含む基材であり、第1の側面と、前記第1の側面の反対側の第2の側面と、を有する、基材と、
水および/または酸素が前記基材まで通過するのを防止するように構成されている、前記基材の前記第1の側面上の1つ以上の耐流体層であり、パッケージの外側に存在するように構成されている、1つ以上の耐流体層と、
前記第2の側面上に配設されている再利用可能な流体透過層であり、前記流体透過層によってまたは前記流体透過層を介して、制御された量の流体通過率および/または吸収を実現可能にするように構成されており、前記容器は、前記再利用可能な流体透過層が前記冷凍商品が載る内面であるように構成されている、再利用可能な流体透過層と、
を含む、容器。
【請求項19】
前記冷凍商品は冷凍の魚の切り身である、請求項18に記載の容器。
【請求項20】
ブランクを形成する方法であり、
吸水性の基材の第1の側面を、1つ以上の再利用可能な耐水層または再利用可能な防水層でコーティングするステップと、
再利用可能な流体透過層で前記基材の第2の側面をコーティングするステップであり、
前記再利用可能な流体透過層は、前記流体透過層によってまたは前記流体透過層を介して、制御された量の流体透過率および/または吸収を実現可能にするように構成された制御された量の流体透過率を有する、ステップと、
を含む、ブランクを形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年8月2日に出願された米国仮特許出願第63/228,446号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は再利用可能なブランクおよびそれらから作製される容器に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば冷凍食品商品用の、現在の箱が蝋でコーティングされている。最初に、外側が蝋でコーティングされる。次いで、該箱がひっくり返され、箱の内側がコーティングされる。該内側のコーティングは意図的に修正されて、コーティング内に、(例えば、冷凍の魚の切り身が接触する側面上に)極小穴部を作り出す。これら穴部の理由は、該魚の中の水分を該極小穴部を通過させて水分を吸収し、冷凍焼けを回避することである。また、穴部は、パッケージが開かれた時に、魚がより小さい表面積で蝋表面と接触しているため、より容易な解放を可能にする。これらの箱は、蝋コーティングに因り、再利用可能でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような従来の方法およびシステムは、一般に、それらの意図された目的に十分であると考えられてきた。しかし、当該技術分野において、改善されたブランクおよびそれらから作製される容器のニーズが依然として存在する。本開示は、このニーズの解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
パッケージのためのブランクが、再利用可能な紙を含む基材を含むことができ、該基材は、第1の側面と、該第1の側面の反対側の第2の側面とを有する。該ブランクは、水および/または酸素が基材まで通過しないように構成されている、基材の第1の側面上に1つ以上の再利用可能な耐流体層を含み得る。該1つ以上の再利用可能な耐流体層は、該パッケージの外側に存在するように構成され得る。ブランクは、第2の側面上に配設されている再利用可能な流体透過層であり、前記流体透過層によってまたは前記流体透過層を介して、制御された量の流体通過率および/または吸収を実現可能にするように構成されている、再利用可能な流体透過層を含み得る。
【0006】
ある実施形態では、再利用可能な流体透過層は、例えば30分で約10g/mから15g/mまでのコッブ(Cobb)吸収率を有するかまたは実現することができる。ある実施形態では、再利用可能な流体透過層がアクリルで作製され得る(例えば、所望のコッブ評価を実現するように構成されている)。
【0007】
再利用可能な流体透過層は、例えば約1.5lbs/MSFから約2.5lbs/MSFまでのコート量を有し得る。例えば、再利用可能な流体透過層は約2lbs/MSFのコート量を有し得る。ある実施形態では、再利用可能な流体透過層は基材の第2の側面上の唯一の層であり得る。
【0008】
1つ以上の再利用可能な耐流体層は30分で約2g/m未満のコッブ値を有するかまたは実現することができる。例えば、ある実施形態では、該1つ以上の再利用可能な耐流体層が実質的に防水性のものとなるように、1つ以上の再利用可能な耐流体層が30分で約0g/mのコッブ値を有するかまたは実現することができる。
【0009】
ある実施形態では、1つ以上の再利用可能な耐流体層は少なくとも2つの層を含む(例えば、板の外面上に)。該少なくとも2つの層は、基材上に配設されている第1の層と、該第1の層上に配設されている第2の層とを含み得る。少なくとも2つの層は例えば高分子層(例えば、水蒸気もしくは酸素の透過率または他の所望のコッブ評価を実現するように構成されている)であり得る。
【0010】
ある実施形態では、第1の層が顔料を含み得る。ある実施形態では、該第1の層は接着剤で裏打ちされた二重反射性の空気および蒸気制御層(AVCL)(an adhesive backed double reflective air and vapor control layer)であり、該コーティングで前記基材に結合されている。例えば、第1の層は、アメリカ合衆国・オハイオ州45236-1299・シンシナティ・シェルロード・9080(9080 Shell Road, Cincinnati, OH 45236-1299 USA)に所在のマイケルマン,インコーポレーテッド(Michelman, Inc.)によって販売されている、VaporBase(商標)200高分子塗膜であり得る。ある実施形態では、第2の層は、アメリカ合衆国・オハイオ州45236-1299・シンシナティ・シェルロード・9080に所在のマイケルマン,インコーポレーテッドによって販売されている、VaporCoat(登録商標)2200Rであり得る。第1の層および/または第2の層用の任意の他の適切な耐水コーティング(例えば、高分子コーティング)が本明細書において検討されている。
【0011】
ある実施形態では、基材は板紙であり得る。該基材は約60lbs/MSFのコート量を含み得る。該板紙は100%未使用の板紙であり得る。任意の他の適切な基材(例えば、吸水性材料で作製されている)が本明細書において検討されている。
【0012】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、冷凍商品を保持するための容器が、ブランクの実施形態に関して前述されているように、再利用可能な紙を含む基材と、1つ以上の再利用可能な耐流体層と、再利用可能な流体透過層とを含み得る。該容器は、再利用可能な流体透過層が、冷凍商品が載る内面であるように構成され得る。ある実施形態では、該冷凍商品は冷凍の魚の切り身である。
【0013】
ブランクを形成する方法が、吸水性基材の第1の側面を、1つ以上の再利用可能な耐水層または再利用可能な防水層でコーティングするステップと、再利用可能な流体透過層で基材の第2の側面をコーティングするステップであり、再利用可能な流体透過層は、流体透過層によってまたは流体透過層を介して、制御された量の流体通過率および/または吸収を実現可能にするように構成された制御された量の流体透過率を有する、ステップと、を含み得る。本方法は、任意の他の適切な方法および/またはそれの部分を含み得る。
【0014】
本開示の実施形態のこれらのかつ他の特徴が、図面と併用される次の詳細な説明から、当業者により容易に明らかになるであろう。
【0015】
本開示が属する技術分野の当業者が、過度の実験なしで、本開示のデバイスおよび方法をどのように作製し使用するかを容易に理解するように、その実施形態を、ある図を参照して、本明細書において以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示によるブランクの実施形態の概略横断面図である。
図2】本開示による容器の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、同様の参照番号が本開示の同様の構造特徴または態様を同定する図面を参照する。説明および例示の目的で、かつ限定ではなく、本開示によるブランクの実施形態の例示的な図が図1に示されており、全般的に参照文字100で指定されている。本開示の他の実施形態および/または態様が図2に示されている。本明細書に記載されているある実施形態が、冷凍食品商品(例えば、冷凍の魚の切り身または任意の他の適切な商品)用のパッケージングを提供するのに使用され得る。
【0018】
図1を参照すると、パッケージ(例えば、図2に示されているパッケージ200)用のブランク100が、再利用可能な紙を含む基材101を含み得る。該基材101は、第1の側面101aと、該第1の側面101aの反対側の第2の側面101bとを有する。ある実施形態では、基材101は板紙であり得る。ある実施形態では、該板紙は100%未使用の板紙であり得る。任意の他の適切な基材(例えば、再利用可能な吸水性材料で作製されている)が本明細書において検討されている。該ブランク100は容器に形成可能のものとなるように形成され得るが、本明細書において使用されている「ブランク100」という用語は、任意の目的のために使用され得る材料のブランクシートも含み得る。
【0019】
基材101は、ある実施形態では、約60lbs/MSFのコート量を含み得る。ある実施形態では、該基材101は約60ミルの厚さであり得る。そのようなコート量および厚さと共に、基材101は約3lbs/(MSF*mils)の密度を有し得る。任意の他の適切なコート量、厚さ、または密度が本明細書において検討されている。
【0020】
ブランク100は、例えば、水および/または酸素が基材101まで通過するのを防止するように構成されている、基材101の第1の側面101a上に1つ以上の再利用可能な耐流体層103a、103bを含み得る。図2に示されているように、1つ以上の再利用可能な耐流体層103a、103bは、パッケージ200の外側に存在するように構成され得る。
【0021】
ブランク100は、第2の側面101b上に配設されている再利用可能な流体透過層105を含み得る。該流体透過層105は、流体透過層105によってまたは流体透過層を介して制御された量の流体通過率および/または吸収(水および/または酸素)を実現可能にするように構成され得る(例えば、水が基材101によって吸収されることを可能にするために)。ある実施形態では、流体透過層105は、例えば流体透過層105が水および/または酸素の所望の透過率を実現するために物質的にかつ/または化学的に構成されているように、いかなる穿孔もない連続層であり得る。ある実施形態では、流体透過層105は加えて1つ以上の穿孔を有する可能性がある。
【0022】
ある実施形態では、再利用可能な流体透過層105は、例えば30分で約10g/mから15g/mまでのコッブ値を有するかまたは実現することができる。任意の他の適切なコッブ評価が本明細書において検討されている(例えば、冷凍食品からの水分が、水飽和に因る基材101の粘着または弱体化を引き起こすことなく、基材101を所望の速度で透過することを可能にするために)。ある実施形態では、図示のように、再利用可能な流体透過層105が基材101の第2の側面101b上の唯一の層であり得る。
【0023】
ある実施形態では、再利用可能な流体透過層105はアクリルで作製され得る(例えば、ある厚さでかつ/またはさもなければ所望のコッブ評価を実現するように構成されている)。該所望のコッブ評価を実現するために、任意の他の適切な材料が本明細書において検討されている。
【0024】
再利用可能な流体透過層105は、例えば約1.5lbs/MSFから約2.5lbs/MSFまでのコート量を有し得る。例えば、再利用可能な流体透過層105は約2lbs/MSFのコート量を有し得る。任意の適切なコート量、密度、および/または厚さが本明細書において検討されている。
【0025】
1つ以上の再利用可能な耐流体層103a、103bは30分で約2g/m未満のコッブ値を有するかまたは実現することができる。例えば、ある実施形態では、1つ以上の耐流体層103a、103bが実質的に防水性のものとなるように(例えば、例えば複数層の場合に、コッブ評価が耐性層の任意の組合せによって実現されるかまたは個々に実現される)、1つ以上の再利用可能な耐流体層103a、103bは、30分で約0g/mのコッブ値を有するかまたは実現する。
【0026】
ある実施形態では、図1に示されているように、1つ以上の再利用可能な耐流体層103a、103bは少なくとも2つの層103a、103bを含む。該少なくとも2つの層103a、103bは、基材101上に配設されている第1の層103aと、該第1の層103a上に配設されている第2の層103bを含み得る。
【0027】
ある実施形態では、少なくとも2つの層103a、103bは例えば高分子層であり得る(例えば、防水性または他の所望のコッブ評価を実現するように構成されている)。所望の耐水性/不透過性を実現する任意の他の適切な材料が本明細書において検討されている。任意の適切な所望の特性(例えば、耐水性/不透過性)をもたらす任意の適切な数の層(例えば、1つ、2つ、3つ等)が本明細書において検討されている。
【0028】
ある実施形態では、第1の層103aは顔料を含み得る。ある実施形態では、第1の層103aは接着剤で裏打ちされた二重反射性の空気および蒸気制御層(AVCL)とすることができ、該接着剤で基材101に結合されている。例えば、第1の層103aは、アメリカ合衆国・オハイオ州45236-1299・シンシナティ・シェルロード・9080に所在のマイケルマン,インコーポレーテッドによって販売されている、VaporBase(商標)200高分子塗膜であり得る。ある実施形態では、第2の層103bは、アメリカ合衆国・オハイオ州45236-1299・シンシナティ・シェルロード・9080に所在のマイケルマン,インコーポレーテッドによって販売されている、VaporCoat(登録商標)2200Rであり得る。任意の他の適切な材料が本明細書において検討されている。
【0029】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、図2を参照して、冷凍商品(図示せず)を保持するための容器200が、ブランク100の実施形態に関連して前述されている、再利用可能な紙を含む基材101と、1つ以上の再利用可能な耐流体層103a、103bと、再利用可能な流体透過層105とを含み得る。該容器200は、例えば、図示のように、再利用可能な流体透過層105が、例えば冷凍商品が載る内面であるように構成され得る。
【0030】
流体透過層105は、例えば、容器200の少なくとも底面に配置され得る。ある実施形態では、該流体透過層105は、容器200の底面(例えば、1つ以上の底板)上にのみ配置されている。ある実施形態では、該流体透過層105は全内面上に配設され得る。例えば、ブランク100は、第2の側面101aの全部分上に配設されている流体透過層105を有することができ、容器200は折り曲げられること、または別途ブランク100から組み立てられることが可能である。ある実施形態では、ブランク100は第2の面の部分上にのみ流体透過層105を有し得る。容器200を形成する任意の適切な方法が、本明細書において検討されている(例えば、ブランク100から最初に形成され、次いで層103a、103b、105等に関してコーティングされる)。
【0031】
ある実施形態では、冷凍商品は冷凍の魚の切り身である。任意の他の適切な冷凍商品または任意の他の適切な非冷凍商品が本明細書において検討されている。
【0032】
ブランク、例えばブランク100、を形成する方法が、吸水(および/または酸素)性基材101の第1の側面101aを、1つ以上の再利用可能な耐水層または再利用可能な防水層(例えば、層103a、103b)でコーティングするステップと、基材101の第2の側面101bを、制御された量の流体透過率を有し、流体透過層105によってまたは流体透過層105を介して制御された量の流体通過率(水および/または酸素蒸気)および/または吸収を実現可能にする、再利用可能な流体透過層105でコーティングするステップとを含み得る。本方法は、任意の他の適切な方法および/またはその部分を含み得る。
【0033】
実施形態が、冷凍の魚の切り身を保存するための再利用可能な板紙を提供し得る。実施形態が、ブロック形態の魚の冷凍の切り身をパッケージングするために水産業において使用されている両面に蝋を塗られた板の、100%再利用可能な代替案を含み得る。実施形態が、微小穿孔積層板紙(micro-perforated laminated paperboard)を含み得る。実施形態が、所望の機能特性を達成する板紙の両面上のコーティング(例えば、各面上の異なるコーティング)を含み得る。例えば、実施形態が、必要な特性を達成するために、板の一方または両方の側面上に積層フィルムを使用し得る。
【0034】
板紙がコーティングされておりかつ再利用可能であり得る一方、従来の製品は再利用可でない。例えば、再利用可能なコーティングは板紙の両面上に置かれることが可能であり、同時に、長期間に亘って(例えば、約6か月から約1年まで)保存される場合、冷凍の魚の切り身を冷凍焼けから保護するための特定の要件を満たしている。特定のコーティングが、水および酸素蒸気の透過速度などの、制御される必要がある決定的性質を満たすように塗布され得る。
【0035】
また、魚に接触する、コーティングされた板紙の内側は、冷凍および加圧過程中の解放のし易さならびに制御された板の吸水を可能にする決定的性質を有し得る。冷凍期間の終了後、コーティングされた板紙が冷凍の魚ブロックを容易に解放することが望ましく、また、冷凍の魚が切り分けられ、高温の油の中で揚げられた場合、オイルフラッシュがないか、最小限であることが望ましい。
【0036】
ある実施形態が、例えばその嵩高性、および冷凍庫/加圧過程を経る時に吸水する能力のため、ウエストロック(Westrock)社によって販売されているKraftpak(登録商標)板紙または基材と類似した板紙を活用し得る。また、Kraftpak(登録商標)は、従来の折畳み段ボール板紙(folding carton paperboard)よりも低い、25%程度である密度を有する。しかし、基材は、選択された量の吸収率を有する、任意の適切な板紙(例えば、Kraftpak(登録商標)、ライナーボード等)であり得ると考えられる。
【0037】
実施形態では、板紙の外面上に、約0g/mの吸水および1日当たり約35,000cc/m未満の酸素を実現し得る、両面コーティングが塗布され得る。該外側コーティングは、ダブルバンプ(double-bump)コーティング塗布を活用することができる。第1の層は、表面を封止するように指定されている顔料を有する高分子コーティングであり得るベースコート(例えば、VaporBase(商標)200)であり得る。第2の層はトップコート(例えば、Michelman(登録商標)VC2200R)とすることができ、表面をさらに封止しかつ水コッブ評価を30分で約5g/m未満に低減する(例えば、0g/mを標的にする)ようにもっぱら指定されている高分子コーティングであり得る。
【0038】
例えば魚と接触するための内面上に、板紙の重量の最大70%までである水の冷凍および加圧吸収率と、140グラム重量未満の180度の剥離解放力とを有する、片面コーティングが適用され得る(例えば、再利用可能な、アクリルコーティングの単一層)。該内側コーティング層は一回の塗布のコーティング層であり得る。それは、例えば、30分で10g/mの水コッブ値を得るように指定されているアクリルベースのコーティング(例えば、Michelman(登録商標)X300AF)であり得る。
【0039】
実施形態が冷凍食品パッケージングにおいて使用され得る。任意の他の分野の用途が本明細書において検討されている。
【0040】
容器および/またはブランクが、任意の適切な目的のために、その任意の適切なパネルに塗布される任意の適切な接着剤を含み得る。任意の適切な折畳み線の種類(例えば、ミシン線、折り目、切れ目/折り目等)が本明細書において検討されている。任意の適切なパネル配置(例えば、大体任意の適切な位置にあるパネル)が本明細書において検討されている。任意の適切な容器形状が本明細書において検討されている。任意の適切なブランク形状が本明細書において検討されている。
【0041】
前段で実施形態を説明し、図示したが、前段で開示されているパッケージを形成するブランク用の任意の適切なパネルおよび/または他の設計が、本明細書において検討されている。使用するための任意の適切な材料(例えば、紙、ボール紙、プラスチック板等)および/またはそれらの1つ以上の組合せが本明細書において検討されている。
【0042】
本明細書において開示されている任意の数値が厳密値である可能性があるか、または範囲内の数値である可能性があることを、当業者は理解する。さらに、本開示において用いられる近似値の任意の用語(例えば、「約(about)」、「おおよその(approximately)」、「約(around)」)が範囲内の表示値(stated value)を意味し得る。例えば、ある実施形態では、範囲は、(プラスマナス)20%内、または10%内、または5%内、または2%内、または当業者によって理解される任意の他の適切なパーセンテージまたは数内である可能性がある(例えば、既知の公差限界または誤差範囲に関して)。
【0043】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられている冠詞「a」、「an」、および「the」は、本明細書において、文脈上で他を明示する場合を除き、該冠詞の文法目的語の1つまたは2つ以上(すなわち少なくとも1つ)を言及するために用いられている。例として、「要素(an element)」は1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0044】
本明細書および特許請求の範囲において用いられている「および/または(and/or)」という語句は、そのように結合されている要素すなわちいくつかの場合に結合して存在しかつ他の場合に分離して存在する要素の「いずれかまたは両方(either or both)」を意味すると理解されるべきである。「および/または」を用いて列挙される複数の要素が同様に、すなわちそのように結合されている要素の「1つ以上(one or more)」と見なされるべきである。他の要素が、明確に同定されているそれらの要素に関連しているか関連していないかに関わらず、「および/または」節によって明確に同定されている要素以外に随意に存在し得る。したがって、非限定的例として、「Aおよび/またはB」への言及が、「含む(comprising)」などのオープンエンド言語と併用されている場合、一実施形態ではAのみ(随意にB以外の要素を含む);別の実施形態ではBのみ(随意にA以外の要素を含む);さらに別の実施形態ではAとBの両方(随意に他の要素を含む)等を指す可能性がある。
【0045】
本明細書および特許請求の範囲において用いられているように、「または(or)」は、前段で定義されている「および/または」と同じ意味を持つと理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区別する場合、「または」あるいは「および/または」は包括的であると解釈されるものとする。すなわち、多数のまたはリストの要素、および随意に追加のリストにない項目のうちの、少なくとも1つが含まれるばかりでなく、2つ以上が含まれる。「のうちの1つだけ(only one of)」もしくは「のうちの厳密に1つ(exactly one of)」、または特許請求の範囲において用いられる場合の「からなる(consisting of)」などの、それとは反対に明示されている用語だけが、多数のまたはリストの要素のうちの厳密に1つの要素の包含を指す。一般に、本明細書において用いられている「or」という用語は、「いずれか(either)」、「のうちの1つ(one of)」、「のうちの1つだけ」、または「のうちの厳密に1つ」などの排他性の用語が先行する場合、もっぱら、排他的な選択肢(すなわち「一方または他方しかし両方でない(one or the other but not both)」)を示すと解釈される。
【0046】
任意の開示されている実施形態の任意の適切な組合せおよび/またはその任意の適切な部分が、本開示を考慮して当業者によって理解されるように、本明細書において検討されている。
【0047】
前述されておりかつ図面に示されている本開示の実施形態は、それらが関連する技術分野における改善をもたらす。本開示はある実施形態への参照を含むが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して変更および/または修正が施される可能性があることを、当業者は容易に理解するであろう。
【符号の説明】
【0048】
100 ブランク
101 基材
101a (基材の)第1の側面
101b (基材の)第2の側面
103a 耐流体層、第1の(耐流体)層
103b 耐流体層、第2の(耐流体)層
105 流体透過層
200 パッケージ
図1
図2
【国際調査報告】