(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管
(51)【国際特許分類】
G01N 21/71 20060101AFI20240814BHJP
F27D 21/00 20060101ALI20240814BHJP
F27D 3/16 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G01N21/71
F27D21/00 D
F27D3/16 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506911
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 CA2022051185
(87)【国際公開番号】W WO2023010215
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595006223
【氏名又は名称】ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】モロー,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ハメル,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】サブサビ,モハマド
【テーマコード(参考)】
2G043
4K055
4K056
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043BA02
2G043CA05
2G043FA06
2G043HA05
2G043KA08
2G043KA09
4K055AA03
4K055AA04
4K055MA03
4K055MA09
4K056AA02
4K056AA05
4K056AA06
4K056FA11
(57)【要約】
耐熱性ランスアセンブリおよび複合耐熱性ランスのさまざまな実施形態が説明される。一実施形態では、溶融物内に浸漬可能な浸漬端部を有する浸漬管と、その逆側端部に接続され、内部に光路を画定する長手方向に延びる複合管を形成する延長管と、を備える耐熱性ランスアセンブリが提供され、長手方向に延びる複合管は、使用中に不活性ガスを注入して、浸漬された溶融表面を形成および探査することができる。このアセンブリはさらに、複合管を長手方向に収容し、複合管および浸漬された溶融表面の流体汚染を軽減するために不活性ガスを注入可能なシュラウドを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融物を光学的に探査するために、光学検知システムとともに利用される耐熱性ランスアセンブリであって、
前記耐熱性ランスアセンブリは、溶融物内に浸漬可能な浸漬端部を有する浸漬管と、その逆側端部に接続されて、その中で前記光学検知システムと光学的に位置合わせするための光路を画定し、長手方向に延びる複合管を形成する延長管と、を備え、
前記長手方向に延びる複合管は、使用中に不活性ガスを注入可能であり、前記浸漬端部を介して溶融物内に浸漬された溶融表面を形成し、前記光路を介して前記不活性ガスに曝露される前記浸漬された溶融表面を光学的に探査し、
耐熱性ランスアセンブリは、前記長手方向に延びる複合管を長手方向に収容しその間に収容容積を画定するシュラウドをさらに備え、前記延長管と前記浸漬管の前記逆側端部との接続部が前記収容容積内に収容され、一方、前記浸漬端部は溶融物内への浸漬のためにそこから長手方向に延び、前記収容容積は、前記接続部を介して、前記長手方向に延びる複合管および浸漬された溶融表面の流体汚染を軽減するために、前記不活性ガスを注入可能である、
耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項2】
前記シュラウドは、前記長手方向に延びる複合管を同軸に収容する、
請求項1に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項3】
前記シュラウドは、前記接続部を越えて前記浸漬端部に向かって長手方向に少なくとも1インチ延びる、
請求項1または2に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項4】
前記シュラウドは、前記接続部を越えて前記浸漬端部に向かって長手方向に少なくとも2インチ延びる、
請求項3に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項5】
前記浸漬管および前記延長管は同様の熱膨張係数を有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項6】
前記浸漬管は、少なくとも1500℃の温度で構造的完全性を維持する耐食性および耐熱衝撃性を有する一方で前記延長管は、比較的低い耐食性および耐熱衝撃性によって画定される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項7】
前記浸漬管の前記逆側端部は、前記延長管の接続端部内にぴったりと受け入れられるか、またはその逆である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項8】
前記浸漬管は非多孔質セラミックシリンダを含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項9】
前記非多孔質セラミックシリンダは、窒化ホウ素、少なくとも40%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む窒化ホウ素、または窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)のいずれか1つで製造される、
請求項8に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項10】
前記浸漬管の少なくとも前記浸漬端部は、絶縁性非多孔質セラミック層で被覆されたセラミックシリンダを備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項11】
前記セラミックシリンダは酸化アルミニウム(アルミナ)を含む、
請求項10に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項12】
前記絶縁性非多孔質セラミック層は、窒化ホウ素、少なくとも40%のジルコニアを含む窒化ホウ素、または窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むZSBNのいずれか1つで製造される、
請求項10または11に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項13】
前記延長管は、モリブデン、クロム、イリジウム、ニオブ、オスミウム、タングステン、タンタル、またはそれらの合金のうちのいずれか1つ以上で製造された金属シリンダを備える、
請求項1~12のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項14】
前記延長管は、サイアロンまたはサイアロンIIのいずれか一方または両方で製造された非多孔質セラミックシリンダを備える、
請求項1~12のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項15】
前記長手方向に延びる複合管は、前記浸漬管と前記延長管との間の前記接続部にカプラをさらに備え、前記カプラが、ホウケイ酸塩またはホウ酸カルシウムの一方または両方で製造される、
請求項1~14のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項16】
前記長手方向に延びる複合管は、前記浸漬管と前記延長管との間の前記接続部にカプラをさらに備え、前記カプラは、前記浸漬管および前記延長管の端部を受け入れる1つ以上のフェルールを備え、前記1つ以上のフェルールが前記接続部を覆う絶縁シースを形成する、
請求項1~14のいずれか1項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項17】
前記延長管は2回以上の熱サイクルで再使用可能であり、前記浸漬管は1つ以上の代替浸漬管と交換可能である、
請求項1~16のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項18】
前記収容容積内の前記不活性ガスは、加圧されて溶融物に向かって放出され、溶融物表面の酸化を低減する、
請求項1~17のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項19】
前記不活性ガスはアルゴンガスを含む、
請求項1~18のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項20】
前記光学検知システムはレーザ誘起破壊分光法(LIBS)システムを含み、光学測定値はLIBS組成測定値を含み、前記光路はLIBSシステムと光学的に位置合わせされた光学窓で終端する、
請求項1~19のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項21】
前記溶融物は、少なくとも部分的に溶融した鉄、鋼、ニッケル、銅、白金、またはそれらの合金を含む、
請求項1~20のいずれか一項に記載の耐熱性ランスアセンブリ。
【請求項22】
溶融物を光学的に探査するための耐熱性ランス管であって、
溶融物内に浸漬可能な浸漬端部を有する浸漬管と、その逆側端部に接続されて長手方向に延びる複合管を形成し、内部に光路を画定する延長管と、
前記浸漬管は、少なくとも部分的に非多孔質セラミックで製造され、少なくとも1500℃の温度での腐食および熱衝撃に対して実質的に耐性がある、
耐熱性ランス管。
【請求項23】
前記浸漬管は、少なくとも1つの代替浸漬管と交換されるように前記延長管に取り外し可能に接続される、
請求項22に記載の耐熱性ランス管。
【請求項24】
前記非多孔質セラミックは、窒化ホウ素、少なくとも40%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む窒化ホウ素、または窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)のいずれか1つ以上を含む、
請求項22または23に記載の耐熱性ランス管。
【請求項25】
前記延長管は、金属で製造されている、
請求項22から24のいずれか一項に記載の耐熱性ランス管。
【請求項26】
前記金属は、モリブデン、クロム、イリジウム、ニオブ、オスミウム、タングステン、タンタル、またはそれらの合金のうちのいずれか1つ以上を含む、
請求項25に記載の耐熱性ランス管。
【請求項27】
前記長手方向に延びる複合管は、前記浸漬管と前記延長管との間にカプラをさらに備え、前記カプラは、ホウケイ酸塩またはホウ酸カルシウムのいずれか一方または両方で製造される、
請求項22から26のいずれか一項に記載の耐熱性ランス管。
【請求項28】
前記浸漬管は、前記浸漬端部が前記非多孔質セラミックで少なくとも部分的に被覆された酸化アルミニウム(アルミナ)管を含む、
請求項22~27のいずれか一項に記載の耐熱性ランス管。
【請求項29】
前記溶融物は、少なくとも部分的に溶融した鉄、鋼、ニッケル、銅、白金、またはそれらの合金を含む、
請求項22~28のいずれか一項に記載の耐熱性ランス管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乾式冶金プロセスおよびモニタリングに関し、特に、耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな乾式冶金プロセスにおいて、効率的なプロセス制御を達成するには、溶融材料の化学組成をタイムリーに決定することが不可欠である。一般に、特定の構成要素の定量的決定は、操作パラメータの調整に情報を提供するために、ひいては所望の組成または特性の製品を得るために必要とされる。しかし、高温を含む乾式冶金プロセスに特有の過酷な条件により、溶融材料の直接の組成測定が困難になる。これは、1500°C以上の溶融材料の流れが一般的である鉄鋼業界に特に当てはまる。
【0003】
高融点の溶融材料の組成測定にはいくつかの方法が利用可能である。たとえば、最も単純な方法には、溶融材料の槽からサンプルを取得すること、冷却または急冷すること、分析のために労力をかけてサンプルを調整すること、最後にオフラインの実験用装置を使用して組成を分析することが含まれる。この方法の欠点の1つは、サンプルの取得と組成の決定の間に必然的に生じる時間遅延(数分から数時間の範囲)である。さらに、この方法のオフライン特性により、溶融材料のリアルタイムおよび/または連続的な組成測定は不可能であるため、オペレータは特定の用途に応じて、測定のために不連続な時点を選択する必要がある。
【0004】
高融点の溶融材料について、より連続的な組成測定値を得るために、様々な間接的な検知手段を利用することができる。間接的な検知には、溶融材料の温度、酸素活性、オフガス組成などの直接的な組成測定値に比べて取得がそれほど複雑ではない特性の測定と、このような間接的に測定された特性を溶融材料の組成に遡って関連付けるために、既知の材料の関係を利用することとが含まれる。間接的な方法は精度の点で限界がある。たとえば、温度の測定などの特定の間接的な方法は、温度の影響を大きく受ける選択された元素または化合物の測定にのみ関連する。さらに、特定の仮定(熱力学的平衡の仮定など)に依存すると、計算された組成に誤差が生じる(反応速度論の影響を無視することなどにより)可能性がある。
【0005】
したがって、溶融材料の直接的、リアルタイム、および連続的な組成測定を提供するために、レーザ誘起破壊分光法(LIBS)を使用することができる。典型的な構成では、LIBSには、物質をアブレーションまたは蒸発させてプラズマを形成するために、遠隔地から溶融材料のターゲットスポットに向けて短い高エネルギーレーザパルスを繰り返し放射することが含まれる。プラズマは、分光計によって分析される電磁放射線を放出し、他の分光技術と同様に、この分析はプラズマのスペクトル特徴の分析を通じて元素組成および/または濃度と相関する。従来のLIBSを使用して溶融材料の組成測定を実行するシステムの欠点の1つは、溶融表面がバルク溶融物とは冶金学的に異なることが多く、そのためバルク溶融物の適切で代表的な測定値を提供できない可能性があることである。これは、溶融物の表面材料と大気との間で起こる反応(酸化など)、または溶融物の表面に浮遊する残留スラグ、原料、その他の不純物など、さまざまな理由によるものと考えられる。
【0006】
これに対抗するために、一部のLIBSアプローチは、溶融物中に一般に不活性ガスで満たされたランスを挿入し、そのランスを通してレーザパルスを方向付けることを含む。ランスを溶融物に挿入するとき、通常、溶融物の表面を比較的静的に保ちながら、測定点での溶融材料の静水圧のバランスをとるのに十分な圧力が、ランス内に存在する。比較的静的な表面での組成測定はLIBS測定を簡素化するが、他の冶金学的問題を生じる。主に、溶融材料(特に金属)は一般に不均質であり、さまざまな小粒子(prill)や内包物などから構成されている。したがって、停滞した表面の測定は、特に溶融浴が停滞している場合には、バルク溶融物を代表することができない可能性がある。
【0007】
この目的のために、2005年6月21日に刊行されたLucasらによる米国特許第6,909,505号は、ランスの先端部を溶融材料(スラグの下)に挿入し、ランスを通してガスを流すことでその先端部で溶融材料に気泡を生じさせ、次いで、LIBSによって気泡の内表面の組成を測定することからなる「バブリング法」について開示する。このように、バブリング法は、溶融材料のリアルタイムなインライン組成測定値を取得する方法を提供する。バブリング法には、気泡からのランダムな変動が検出器で受け取るプラズマ放射光の変動を引き起こすなど、独自の課題が伴うが、測定表面はバルク溶融物からの新しい材料で常に更新されるため、冶金学的観点からは優れていると考えられている。このバブリング法は、溶融アルミニウム、亜鉛、鉛、および通常1000°Cまでの溶融温度を持つ他の低融点金属に効果的である。
【0008】
バブリング法で利用されるような、リアルタイムで連続的なLIBS組成測定用の既存のランスは、低い機械的強度、溶融物への挿入中の熱衝撃、溶融材料および/またはスラグによる腐食、並びに溶融状態での化学反応性を含む、高温での重大な欠点を抱えている。例えば、そのようなランスは通常、耐食性および耐熱衝撃性を示すアルミナなどの多孔質セラミックで製造される。ただし、多孔質セラミックの細孔サイズは6nm~500μmの間で異なる場合があるため、これらのランスは一般に透過性であり、特に高感度のLIBS測定値を取得する場合には問題になる。他の既知のランスは、溶融シリカまたはサイアロンIIで製造されているが、どちらも高温での耐腐食性と耐熱衝撃性が不十分である。さらに他の既知のランスは、高温に耐えるために追加の冷却機構を必要とするが、これは安全上の危険をもたらすため望ましくない。
【0009】
この背景情報は、関連性があると出願人が信じている情報を明らかにするために提供される。前述の情報のいずれかが従来技術を構成すること、または関連技術における一般常識の一部を形成することを必ずしも認めることを意図したものではなく、また、そのように解釈されるべきでもない。
【発明の概要】
【0010】
以下は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本明細書に記載される一般的な発明概念の簡略化された概要を提示する。この概要は、開示内容の広範な概観を示すものではない。本開示の実施形態の重要な要素または重要な要素を制限すること、または以下の説明および特許請求の範囲によって明示的または黙示的に記載される範囲を超えてそれらの範囲を描写することは意図されていない。
【0011】
既知の技術の欠点のいくつかを克服する、または少なくともその有用な代替物を提供する耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管が求められている。したがって、本開示のいくつかの態様は、耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管の例を提供する。
【0012】
一態様によれば、溶融物を光学的に探査するために光学検知システムとともに利用される耐熱性ランスアセンブリが提供される。耐熱性ランスアセンブリは、溶融物内に浸漬可能な浸漬端部を有する浸漬管と、その逆側端部に接続されて、光学検知システムと光学的に位置合わせするための光路を画定する長手方向に延びる複合管を形成する延長管とを備える。長手方向に延びる複合管は、使用中に不活性ガスを注入可能であり、浸漬端部を介して溶融物内に浸漬された溶融表面を形成し、それにより、前記光路を介して前記不活性ガスに曝露された前記浸漬された溶融表面を光学的に探査する。耐熱性ランスアセンブリはまた、長手方向に延びる複合管を長手方向に収容してそれらの間に収容容積を画定するシュラウドを備える。延長管における浸漬管の逆側端部との接続部が収容容積内に収容される一方で、浸漬端部は、溶融物内に浸漬するためにそこから長手方向に延びる。収容容積は、不活性ガスが注入可能であることで、接続部を介して、長手方向に延びる複合管および浸漬された溶融表面の流体汚染を軽減する。
【0013】
一実施形態では、シュラウドは、長手方向に延びる複合管を同軸に収容する。
【0014】
一実施形態では、シュラウドは、接続部を越えて浸漬端部に向かって長手方向に少なくとも1インチ延びる。
【0015】
一実施形態では、シュラウドは、接続部を越えて浸漬端部に向かって長手方向に少なくとも2インチ延びる。
【0016】
一実施形態では、浸漬管および延長管は同様の熱膨張係数を有する。
【0017】
一実施形態では、浸漬管は、少なくとも1500℃の温度で構造的完全性を維持する耐食性および耐熱衝撃性を有するが、延長管は、比較的低い耐食性および耐熱衝撃性によって画定される。
【0018】
一実施形態では、浸漬管の逆側端部は延長管の接続端部内にぴったりと受け入れられ、またはその逆も同様である。
【0019】
一実施形態では、浸漬管は非多孔質セラミックシリンダを含む。
【0020】
一実施形態では、非多孔質セラミックシリンダは、窒化ホウ素、少なくとも40%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む窒化ホウ素、または窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)のいずれか1つで製造される。
【0021】
一実施形態では、浸漬管の少なくとも浸漬端部は、絶縁性非多孔質セラミック層で被覆されたセラミックシリンダを備える。
【0022】
一実施形態では、セラミックシリンダは酸化アルミニウム(アルミナ)を含む。
【0023】
一実施形態では、絶縁性非多孔質セラミック層は、窒化ホウ素、少なくとも40%のジルコニアを含む窒化ホウ素、または窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むZSBNのいずれか1つで製造される。
【0024】
一実施形態では、延長管は、モリブデン、クロム、イリジウム、ニオブ、オスミウム、タングステン、タンタル、またはそれらの合金のうちのいずれか1つ以上で製造された金属シリンダを備える。
【0025】
一実施形態では、延長管は、サイアロンまたはサイアロンIIのいずれか一方または両方で製造された非多孔質セラミックシリンダを備える。
【0026】
一実施形態では、長手方向に延びる複合管は、浸漬管と延長管との間の接続部にカプラ(coupler)をさらに備え、カプラは、ホウケイ酸塩またはホウ酸カルシウムのいずれか一方または両方で製造される。
【0027】
一実施形態では、長手方向に延びる複合管は、浸漬管と延長管とを接続するカプラをさらに備え、カプラは、浸漬管および延長管の端部を受け入れる1つ以上のフェルールを備え、1つ以上のフェルールが接続部を覆う絶縁シースを形成する。
【0028】
一実施形態では、延長管は2回以上の熱サイクルで再使用可能であるが、浸漬管は1つ以上の代替浸漬管と交換可能である。
【0029】
一実施形態では、収容容積内の不活性ガスは加圧されて溶融物に向かって放出され、溶融物表面の酸化を低減する。
【0030】
一実施形態では、不活性ガスはアルゴンガスを含む。
【0031】
一実施形態では、光学検知システムは、レーザ誘起破壊分光法(LIBS)システムを備え、光学測定値はLIBS組成測定値を含み、光路はLIBSシステムと光学的に位置合わせされた光学窓で終端する。
【0032】
一実施形態では、溶融物は、少なくとも部分的に溶融した鉄、鋼、ニッケル、銅、白金、またはそれらの合金を含む。
【0033】
別の態様によれば、溶融物を光学的に探査するための耐熱性ランス管が提供され、この耐熱性ランス管は、溶融物内に浸漬可能な浸漬端部を有する浸漬管と、その逆側端部に接続されて長手方向に延びる複合管を形成し、内部に光路を画定する延長管と、を備え;浸漬管は少なくとも部分的に非多孔質セラミックで製造されており、少なくとも1500℃の温度での腐食および熱衝撃に対して実質的に耐性がある。
【0034】
一実施形態では、浸漬管は、少なくとも1つの代替の浸漬管と交換されるように延長管に取り外し可能に接続される。
【0035】
一実施形態では、非多孔質セラミックは、窒化ホウ素、少なくとも40%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む窒化ホウ素、または窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)のいずれか1つ以上を含有する。
【0036】
一実施形態では、延長管は金属で製造される。
【0037】
一実施形態では、金属は、モリブデン、クロム、イリジウム、ニオブ、オスミウム、タングステン、タンタル、またはそれらの合金のうちのいずれか1つ以上を含む。
【0038】
一実施形態では、長手方向に延びる複合管は、浸漬管と延長管との間のカプラをさらに備え、カプラはホウケイ酸塩またはホウ酸カルシウムのいずれか一方または両方で製造される。
【0039】
一実施形態では、浸漬管は、浸漬端部が非多孔質セラミックで少なくとも部分的に被覆された酸化アルミニウム(アルミナ)管を含む。
【0040】
一実施形態では、溶融物は、少なくとも部分的に溶融した鉄、鋼、ニッケル、銅、白金、またはそれらの合金を含む。
【0041】
他の態様、特徴、および/または利点は、添付の図面を参照して単なる例として与えられる、特定の実施形態の以下の非限定的な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して提供される。
【0043】
図中の要素は、簡単かつ明確にするために示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、現在開示されている様々な実施形態の理解を容易にするために、他の要素に比べて強調されている場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用または必要な、一般的ではあるがよく理解されている要素は、現在開示されているさまざまな実施形態をより見やすくするために、描かれていないことが多い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、一実施形態における耐熱性ランスアセンブリの概略図であり、複合管を取り囲むスリーブまたはシュラウドの一端が開口している。
【
図2】
図2は、別の実施形態による耐熱性ランスアセンブリの側面図であり、複合管を取り囲むスリーブまたはシュラウドの一端が閉じている。
【
図3】
図3は、
図2に示す耐熱性ランスアセンブリのA-A断面の長手方向断面図であり、第1の管と第2の管との間の接続部を示す。
【
図4】
図4は、
図2および
図3に示される耐熱性ランスアセンブリの、
図2に示される断面D-Dにおける断面図である。
【
図5】
図5は、
図2~4に示される耐熱性ランスアセンブリの拡大図であり、
図3に示されるセクションEおよびFを詳細に示し、第2の管の長さが可変であることを示す。
【
図6】
図2から
図5に示す耐熱性ランスアセンブリの底面斜視図および上面斜視図であり、スリーブまたはシュラウドによって収容された接続部を備えた複合管を示している。
【
図7】
図7は、実験初日に所定の溶融サンプルについて得られた検量線のグラフであり、測定値は従来の実験用技術(x軸)および耐熱性ランスアセンブリを使用するLIBS(y軸)を用いて取得され、別の実施形態において同等の結果が得られたことを示す。
【
図8】
図8は、2日目に
図7の同じ所定の溶融サンプルについて得られた検量線のグラフであり、やはり従来の実験用技術(x軸)および耐熱性ランスアセンブリを使用するLIBS(y軸)を用いて行われ、特定の実験装置を変更して、同様の結果が得られたことを示す。
【
図9】
図9は、所与の溶融サンプルについて得られた組成測定値、具体的には成分濃度のグラフであり、従来の実験用技術(x軸)および耐熱性ランスアセンブリを使用するLIBS(y軸)を用いて取得され、さらなる実施形態で、別の実験において、同等の結果が得られたことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書のさまざまな実装および態様については、以下で説明する詳細を参照して説明する。以下の説明および図面は本明細書を例示するものであり、本明細書を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書のさまざまな実装を完全に理解できるように、多数の具体的な詳細が説明される。しかしながら、場合によっては、本明細書の実装についての簡潔な説明を提供するために、よく知られた、または従来の詳細は説明されない。
【0046】
本開示の実装例を提供するために、様々なデバイス、装置、システム、およびプロセスを以下に説明する。以下に説明される実装は、特許請求される実装を制限するものではなく、特許請求される実装は、以下に説明されるものとは異なるプロセスまたは装置を含む場合がある。特許請求される実施形態は、以下に説明される任意の1つの装置またはプロセスの特徴のすべてを有する装置またはプロセス、または以下に説明される装置またはプロセスの複数またはすべてに共通する特徴に限定されない。以下に説明する装置またはプロセスが、請求された主題の実装ではない可能性がある。
【0047】
さらに、本明細書で説明される実装の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を説明する。しかしながら、当業者であれば、本明細書に記載の実施は、これらの特定の詳細がなくても実施できることを理解するであろう。他の例では、本明細書で説明される実装を曖昧にしないように、周知の方法、手順、およびコンポーネントについては詳細に説明していない。これには、例えば、従来のLIBSシステムなどの光学検知システムが含まれる場合がある。
【0048】
本明細書では、要素は、1つ以上の機能を実行する「ように構成されている」、またはそのような機能を実行する「ために構成されている」と説明される場合がある。一般に、機能を実行するように構成された、または機能を実行するために構成された要素は、その機能を実行できるようになっている、またはその機能を実行するのに適している、またはその機能を実行するように適合されている、またはその機能を実行するように動作可能である、またはその機能を実行するように構築されているか、そうでなければ機能を実行できる。
【0049】
本明細書の目的上、「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」および「X、Y、およびZのうちの1つ以上」という用語は、Xのみ、Yのみ、Zのみ、またはX、 Y、およびZの2つ以上の任意の組み合わせ(たとえば、XYZ、XY、YZ、ZZなど)として解釈され得ることが理解される。同様のロジックは、「少なくとも1つ・・・」および「1つ以上・・・」という言葉が出現する場合、2つ以上の項目に適用できる。
【0050】
別途定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0051】
本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、以下の用語は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、本明細書に明示的に関連付けられた意味を有する。本明細書で使用される「実施形態のうちの1つにおいて」または「様々な実施形態のうちの少なくとも1つにおいて」という表現は、同じ実施形態を指す場合があるが、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、本明細書で使用される「別の実施形態において」または「いくつかの実施形態において」という語句は、異なる実施形態を指す場合があるが、必ずしも別の実施形態を指すわけではない。したがって、以下に説明するように、本明細書に開示される発明の範囲または精神から逸脱することなく、様々な実施形態を容易に組み合わせることができる。
【0052】
さらに、本明細書で使用される場合、用語「または」は包括的な「または」の意味であり、文脈上明らかに別段の指示がない限り、用語「および/または」と同等である。「に基づいて」という用語は排他的なものではなく、文脈で明確に別段の指示がない限り、記載されていない追加の要素に基づくことも認められる。さらに、本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、「a」、「an」、および「the」の意味には、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の参照が含まれる。「in」には、「中(in)」と「上(on)」が含まれる。
【0053】
本明細書で使用される「含む/備える(comprising)」という用語は、以下のリストが網羅的なものではなく、他の任意の追加の適切な項目、例えば1つ以上のさらなる特徴、成分、要素および/またはステップを含んでも含まなくてもよいことを意味すると理解されるであろう。
【0054】
いくつかの解説では、「ランス」という用語は、溶融物に挿入可能な(複合)管を意味すると理解され得るが、他の解説では、この用語は、文脈が示す場合、(複合)管およびそのスリーブまたはシュラウドを意味すると理解され得る。文脈によっては、「ランス」という用語は、前述の解釈のいずれかまたは両方である可能性がある。
【0055】
「溶融物」という用語は、本明細書では、溶融金属を含むがこれに限定されない任意の溶融材料を指すために使用され、乾式冶金プロセスを受ける溶融物と、試験目的で採取されるサンプル溶融物の両方を含む。さらに、「溶融物」は、不純物、小粒子(prill)、内容物(内因性および外因性の両方)、スラグなどを含むものと理解されるべきであるが、「溶融物」には高純度の溶融物も含まれ得る。
【0056】
鉄および鋼などの高融点の溶融材料を用いた既知のLIBS組成測定技術を利用するために、本明細書では、特定の実装基準を満たす耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管が、異なる実施形態に従って提案される。実装基準は、例えば、いくつか例を挙げると、動作条件または溶融タイプに基づいて異なり得るため、数種の異なる実施形態が1つ以上の異なる実装基準を満たす可能性があることを理解されたい。したがって、これらの実装基準は、実装基準の非限定的な例として本明細書に提供されており、耐熱性ランス管および/またはアセンブリの使用事例に基づいて変化し得る。
【0057】
例えば、ランスは高温に耐えることが必要な場合がある。純鉄の溶解温度は1537℃である。しかし、実際には、炉の温度制御が難しいため、鉄の溶解中に1650℃以上の温度が発生することがよくある。このような高温では、熱衝撃に対する耐性だけでなく、機械的強度もランスの次の要件となり得る。ランスに損傷、亀裂、または漏れが発生すると、空気またはガス(酸素または窒素など)がランス(特にここでは光学測定値が取得される管)に侵入することがあり、これにより高感度のLIBSシステムの組成測定値が変化し、得られるスペクトル読み取り値に潜在的に影響を与える。同じ理由で、ランスは溶融材料(通常は金属)および/または溶融スラグによる腐食に耐性がある必要がある場合がある。耐食性は、ランスの寿命を延ばすなど、他の理由でも有用または必須である場合がある。これに関連して、「腐食」は、腐食、溶解、侵食、化学反応性、またはランスに損傷を与えるか破壊する可能性のあるプロセスのうちのいずれか1つ以上を含み、広く解釈されるものとする。腐食にはさらに、特定の環境(その他の材料の酸化による)におけるランスの1つ以上の材料の化学反応性の結果として発生するガスの発生が含まれる。耐食性により、ランスを繰り返し使用できるようになり、LIBSシステムに関連する費用が削減される。
【0058】
耐食性の要件は、特定の溶融金属に対して耐性のあるランス材料が通常、溶融スラグに対して十分に耐性がないという事実によってさらに複雑になる可能性がある。たとえば、溶鋼は非常に腐食性が高いが、溶鋼に耐性のある材料(つまり、酸性材料)は通常、溶融スラグ(塩基性材料)に対してはあまり耐性がない。したがって、いくつかの実施形態では、溶融材料とスラグの両方において耐食性を有する適切な材料が必要とされ得る。このような耐食性は、ランスの浸漬可能な部分に特に関係するが、炉内に配置され、ランスと同様の条件にさらされるスリーブまたはシュラウドにも関係する場合がある。
【0059】
耐食性の要件にさらに関連するのは、そのような高温において化学的に不活性であるか少なくとも安定であるというランスの潜在的な要件である。
【0060】
高融点の溶融材料を用いた既知のLIBS組成測定技術を利用することに対するさらなる制約は、能動冷却システムは、そこから生じる安全上の懸念のため、当該技術分野または科学において一般に受け入れられないか、または望ましくないものと考えられる場合があることである。したがって、冷却システムを使用せずに、高融点の金属に利用できるランスが望まれており、少なくとも、このようなランスは冷却を必要とするシステムの有用な代替手段を提供し得る。
【0061】
本明細書に記載されるように、実施形態は、高い溶融温度を有する金属から比較的正確な組成測定値を得るために、LIBSなどの光学検知システムとともに利用することができる耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管の異なる例を提供する。実際、これらの実施形態のいくつかは、上述の実装基準の1つ以上を達成することによって、従来のシステムの欠点のいくつかを解決しうるか、または少なくとも改善することができる。
【0062】
図1を参照し、例示的な一実施形態に従って、全体的に符号10を使用して参照される耐熱性ランスアセンブリについて説明する。耐熱性ランスアセンブリ10は、光学検知システム(「LIBS」を参照、詳細には示されていない)とともに使用され、溶融物50を光学的に探査し、具体的には溶融物50から光学組成測定値を取得することができる。耐火性ランスアセンブリ10は、一般に、それを通る光路(破線で示す)を画定する複合管12を備える。複合管12は、溶融物50内に浸漬可能または挿入可能な第1の端部(浸漬端部)14.1と、延長管16(または第2の管)がその長さを長手方向に延長するように接続される第2の(逆側)端14.2とを有する浸漬管14(または第1の管)を備える。このように浸漬管14および延長管16は複合管12を形成し、本明細書ではこれを長手方向に延びる複合管と互換的に呼ぶ。
【0063】
図示するとおり、複合管12によって画定される光路は、光学検知システム(「LIBS」)との光学的位置合わせのためのものである。複合管12はさらに、使用中に、加圧不活性流体、特にこの実施形態では不活性ガスを注入可能であり、第1の端部または浸漬端部14.1を介して溶融物50内に浸漬された溶融表面52を形成し、光路を介して上述の不活性ガスに暴露される上述の浸漬された溶融表面を光学的に探査する。この光路と挿入ガス路については、以下でさらに詳しく説明する。
【0064】
耐熱性ランスアセンブリ10はさらに、離間した位置で第1の浸漬管14と延長管16との間の接合または接続を収容(すなわち包囲)し、シュラウド18(またはスリーブ)を備え、複合管12とシュラウド18との間の収容容積20(または空隙)を画定する。これに関連して、シュラウド18および収容容積によって収容される接合部または接続部は、管14、16の間の接合を指すか、または管14、16の間の接続を形成する1つ以上の構成要素を指し得る。この実施形態では、シュラウド18は、複合管12(の少なくとも一部)を長手方向に収容し、浸漬端部14.1は溶融物50に浸漬するためにそこから長手方向に延びる。使用中、収容容積20は、その内部に加圧不活性流体、具体的には不活性ガス(例えばアルゴンガス)を注入可能、つまり受け取り、接続部を介して複合管12および浸漬された溶融表面52の流体汚染を軽減する。例えば、不活性ガスは、複合管12(例えば、管14、16のうちの1つの長さに沿った接続部など)内で漏れが発生した場合、収容容積20から光路に入ることができ、これにより、漏れが防止されるか、光路の潜在的な外部流体汚染が軽減される。
【0065】
上述したように、シュラウド18は複合管12を長手方向に収容する。特に、
図1に示すように、シュラウド18は複合管12を同軸に取り囲み、複合管12の一端から延長管16の長さに沿って接合部または接続部を横切って延びる。特に、この実施形態におけるシュラウド18は、接合部または接続部を越えて少なくとも1または2インチ(または2~5cm)延び、浸漬管14の第2の端部14.2を覆う。図は縮尺どおりに描かれていない可能性があるため、複合管12に対するシュラウド18の長さの比率は正確であることを意図していない。
【0066】
この実施形態では、耐熱性ランスアセンブリ10は、浸漬管14と延長管16との間の接合部に配置された接続部22を含む。したがって、シュラウド18は接続部22を覆い、接続部22で漏れが発生したとしても、収容容積20からの不活性ガスが光路に侵入できる。
【0067】
この実施形態では、浸漬管14および延長管16は、異なる長さの管を備え、浸漬管14は延長管16よりも短い。このような異なる管の長さは、例えば、浸漬管14が延長管16よりも高価である場合、または浸漬管14が延長管16よりも強い腐食もしくは磨耗(熱、溶融物50との反応性などにより)にさらされ、より頻繁な交換が必要となる場合に、有利となり得る。この特定の例では、浸漬管14の長さは約5cmであり、延長管16の長さは約2mであるため、延長管16の(延長された)長さにより、溶融物50に届くための浸漬管14の長さが短縮される。多くの代替の適切な長さの浸漬管14および延長管16を使用することができ、他の実施形態は同じまたは類似の長さの管を提供し得る。
【0068】
延長管16は、浸漬管14と同様の熱膨張係数を有する。当業者には知られているように、熱膨張係数は温度に対する歪み値を反映することができ、熱膨張係数の低い材料は(接着強度が高いため)歪み値が低くなる。したがって、これに関連して、同様の熱膨張係数を有する材料は、同様の結合構造を有する任意の2つ以上の材料、あるいは、結合構造は異なるが同様の膨張および/または歪み特性を有する任意の2つ以上の材料を含み得る。さらに、これに関連して、低い熱膨張係数を有する材料は、特定の温度(1500℃を超えるなど)での熱膨張スケールの下限に該当する任意の材料を含み得る。この特定の実施形態では、浸漬管14および延長管16は、低い熱膨張係数を有する1つ以上の異なる耐熱性材料で製造される。したがって、これらの1つ以上の異なる耐熱性材料も低い歪み値を示し、それによって、浸漬管14と延長管16との間の接合部、したがって接続部22にかかる膨張圧力が確実に小さくなる。
【0069】
浸漬管14および延長管16は、1つ以上の異なる耐熱性材料で製造されることがあり、機械的強度の大幅な損失、または腐食もしくはその他の劣化を招くことなく、少なくとも1500℃に耐えることができ、したがって少なくとも予め決められた期間(たとえば、単一の熱溶融サイクル、または少なくとも2つの溶融サイクル)、使用可能であり得る。非多孔質セラミックおよび高融点金属を含むがこれらに限定されない、複数の異なる耐熱性材料および/または材料の組み合わせが、異なる実施形態に適することがある。事実上、浸漬管14および/または延長管16が少なくとも1500℃に耐えることができる1つ以上の異なる耐熱性材料で製造されることによって、耐熱性ランスアセンブリ10は、高い溶融温度を有する溶融物中で利用することができる。しかしながら、この実施形態における浸漬管14のみが、少なくとも部分的に溶融物50内に挿入可能である(実際、浸漬されるのは浸漬端部14.1だけである)という事実により、少なくとも1500℃に耐えることができるといえる。浸漬管14が複数の部品を含む実施形態では、溶融物に挿入される部品のみが少なくとも1500℃に耐えることができる必要がある場合がある。これは、例えば、浸漬端部14.1のみを含んでもよい。
【0070】
この実施形態では、浸漬管14および延長管16の両方が、腐食および熱衝撃に耐性のある1つ以上の耐熱性材料で製造される。このような特性により、腐食性金属を用いる用途、並びに/または極度の熱および/もしくは反復的な熱サイクルを必要とする用途において、耐熱性ランスアセンブリ10の利用が可能になる。この文脈における「腐食」という用語は、上に示したように、再び広く解釈することができる。腐食には、例えば、浸漬管14および延長管16における微小亀裂の形成および/または伝播が含まれ得る。他の例では、腐食には、1つ以上の耐熱性材料の酸化が含まれ得る。浸漬管14は溶融物50への挿入中に熱衝撃を受けることがあるが、溶融物50の近傍および/または溶融物50が入っている炉内に持ち込まれると(図示のように、一般的には溶融物50に挿入されないが)、延長管16が熱衝撃を受けることがある。耐熱性ランスアセンブリ10を、典型的には大気圧および大気圧下の外部環境から、炉内および/または1500℃を超える温度の溶融物50内に移動させると、浸漬管14および延長管16の一方または両方が熱衝撃を受けることがある。耐熱性ランスアセンブリ10の機械的および/または化学的安定性を維持するために、浸漬管14と延長管16の両方が熱衝撃に耐性があることが必要な場合がある。
【0071】
浸漬管14および延長管16の1つ以上の耐熱性材料は、異なる耐食性および耐熱衝撃性特性を有していてもよい。特に、浸漬管14は、浸漬端部14.1において溶融物50内に少なくとも部分的に挿入可能であり、延長管16とは対照的により高い耐食性および熱衝撃耐性を有することができ、典型的には浸漬管14の長さによって溶融物50から離隔する(かつ溶融物50の中に挿入されない)。浸漬管14の1つ以上の耐熱性材料は、1500℃を超える温度の溶融物中に挿入できるように、腐食および熱衝撃に対して十分な耐性を有し得る。一方、延長管16の1つ以上の耐熱性材料は、腐食および熱衝撃に対して十分な耐性を持ち得、溶融物50の直上(すなわち、1500℃の溶融物50に挿入しない)の温度に耐え、典型的には使用中の炉内に少なくとも部分的に配置される。
【0072】
この特定の実施形態では、浸漬管14の第2の端部14.2は、その中に延長管16の第1の端部16.1をぴったりと受け入れる。浸漬管14および延長管16は、この滑合(snug fit)を達成するためのそれぞれの外径および内径を有する。この滑合は、締まり嵌めを形成し得、接続部22の一部を形成してもよく、浸漬管114と延長管16との間の接合部を少なくとも部分的に封止してもよい。他の実施形態では、浸漬管14の第2の端部14.2は、延長管16の第1の端部16.1内にぴったりと受け入れられてもよい。さらに他の実施形態では、浸漬管14および延長管16は同様の直径を有し、それぞれの管の端部は互いにおよびこれらを連結する接続部22と面一に当接する。実際、本開示の一般的な性質および範囲を逸脱することなく、複合管12の様々な接続が想定される。
【0073】
ここで浸漬管14(「浸漬プローブ」と呼ばれることもある)に目を向けると、図示のように、浸漬管14の浸漬端部14.1(第1の端部)は、少なくとも部分的に溶融物50内に挿入可能である。浸漬管14は、使用中に溶融物50および/または耐熱性ランスアセンブリ10が挿入される炉に起因するかまたはこれにより引き起こされる温度曝露から、シュラウド18および接続部22を遠ざけることができる長さを有し得る。特に、シュラウド18も接続部22も、溶融物50に挿入されず、いかなる形でも溶融物50と接触しない。有利なことに、シュラウド18と接続部22を溶融物50から確実に離したままにすることにより、これらの部品は、浸漬管14と比較して、特に浸漬端部14.1と比較して、耐熱性、耐食性、および/または熱衝撃耐性が低くてもよい。
【0074】
この実施形態では、浸漬管14は非多孔質セラミックシリンダを備え、浸漬端部14.1がその下端に画定されている。非多孔質セラミックは通常、熱膨張係数が低く、高温での機械的強度が高く、耐腐食性と耐熱衝撃性の両方に優れる。非多孔質セラミックには、一般に不浸透性であるというさらなる潜在的な利点がある。この実施形態では、浸漬管14の断面は円形であるが、他の実施形態では、浸漬管14の様々な他の形状(例えば、正方形、三角形、長方形、多角形)および/または寸法が想定され得ることを理解されたい。非多孔質セラミックシリンダ14の厚さが大きいと耐食性が高くなり、厚さが薄いと耐食性が低くなるため、非多孔質セラミックシリンダ14の厚さは、耐熱性ランスアセンブリ10の特定の意図する用途に基づいて選択することができる。この実施形態では、非多孔質セラミックシリンダ14は、厚さが約2~3mm、内径が約20mm、外径が約25mm~30mm、具体的には24mm~26mmである。無孔セラミックシリンダ14の外径は、延長管16と嵌合し、上述したように、具体的には延長管16の第1の端部16.1に滑合できるようなものである。
【0075】
この実施形態では、非多孔質セラミックシリンダ14は、窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に45%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)を含む。ZSBNは耐食性があり、1500℃を超える温度でも耐熱衝撃性に優れる。特に、ZSBNにおけるジルコニア、窒化ホウ素、およびホウケイ酸ガラスの組み合わせは、特に耐食性および耐熱衝撃性の向上に関して、1つ以上の個々の成分単独よりも優れた特性および/または特徴を示す可能性がある。特に、この実施形態では、ZSBNは、ジルコニアの耐食性と窒化ホウ素の耐熱衝撃性とを組み合わせており、それにより、低い熱膨張係数を有し、1500℃に耐えることができ、腐食および熱衝撃の両方に耐性のある耐熱性材料を生成する。
【0076】
しかし、上述したように、例えば非多孔質セラミックを含む、低熱膨張係数を有する任意の適切な材料は、浸漬管14用のZSBNに代わる実用可能な代替物を提供し得る。他の実施形態では、非多孔質セラミックシリンダ14は、例えば、窒化ホウ素、少なくとも40%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む窒化ホウ素、またはZSBNを含み得るが、異なる割合のジルコニアおよび/または異なるマトリックス組成を含み得る。
【0077】
この実施形態における浸漬管14のZSBN組成物は、少なくとも部分的に、一般的な非多孔質セラミックを用いる先行技術に対して有利であり、溶融材料に挿入可能なランスを製造するために従来用いられ、より高い温度で一般的に構造の完全性を失い溶融する多孔質セラミックの、明白な代替品になりえる。たとえば、サイアロンおよびサイアロンIIは、約1000℃~1200℃の範囲までは実用可能な非多孔質セラミックだが、この範囲を超える温度にさらされると、ランスの構造的完全性が失われ、溶解することがある。従来使用されている他の合成材料は、繰り返しの熱サイクルに耐えられない可能性がある。たとえば、溶融シリカは高温に耐えるように見えるが、試験してみると、高温での熱サイクルに耐えられるのは数分間だけである。さらに他の従来使用されている材料は、そのような高温では十分な耐食性を提供できない可能性がある。例えば、炭化ケイ素およびグラファイトは、適切な熱衝撃耐性を備えているように見えるが、耐食性が不足しており、数分以内に溶鋼中で溶解する。ジルコニアおよびマグネシアは、それ自体は耐食性を示すが、耐熱衝撃性が低く、通常、使用中にランスに亀裂またはその他の損傷が発生する。アルミナ自体も同様で、耐腐食性はあるが、耐熱衝撃性がない。しかしながら、本実施形態のZSBNは、低い熱膨張係数を有することができ、浸漬管14が高温、具体的には1500℃を超える温度で構造的完全性を維持することを可能にし、さらに腐食と熱衝撃の両方に対して耐性を持つ。
【0078】
本開示の別の特定の実施形態(図示せず)では、浸漬管14は、溶融物50に挿入されるセラミックシリンダの少なくとも一端に絶縁性非多孔質セラミック層によってコーティングされたセラミックシリンダを備える。この実施形態では、絶縁性非多孔質セラミック層は、セラミックシリンダを断熱する役割を果たし、溶融物に挿入されるときにセラミックシリンダが受ける熱衝撃を軽減し、セラミックシリンダの構造的完全性を維持することができる。この実施形態では、絶縁性非多孔質セラミック層は、セラミックシリンダの長さに沿って数インチ延びる。一実施形態では、セラミックシリンダは酸化アルミニウム(アルミナ)から製造され、絶縁性非多孔質セラミック層は、窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に45%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)を含む。しかしながら、絶縁性非多孔質セラミック層は、少なくとも1500℃に耐えることができる1つ以上の他の耐熱性非多孔質セラミックを含んでもよく、特にそのような温度での腐食および熱衝撃への耐性があり、例えば、窒化ホウ素、少なくとも40%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む窒化ホウ素、またはさまざまな成分を含むZSBNを含有する。上述の特定の実施形態に対するこの代替実施形態の1つの利点は、1500℃に耐えることができ、かつ十分な腐食性および熱衝撃耐性を有する材料の必要量が、少なくて済む可能性があることである。具体的には、管全体ではなく、セラミックシリンダ上の絶縁性非多孔質セラミック層のみが必要とされる。適切な非多孔質セラミック材料が高価な場合、別の管を非多孔質セラミック材料でコーティングする方が経済的に実行可能である可能性がある。セラミックシリンダは通常、絶縁性非多孔質セラミック層で外面をコーティングされ、溶融物からの材料の飛散がセラミックシリンダに到達したときの腐食が防止される。セラミックシリンダへの絶縁性非多孔質セラミック層の接着を改善するためのさらなる技術は、浸漬管の構築中に、メッシュ結合などによって使用されてもよく、これは本開示の一般的な範囲および性質に十分に含まれることを意図する。さらに、他の実施形態では、絶縁性非多孔質セラミック層が単に浸漬端部14.1を被覆してもよいことを理解されたい。
【0079】
本実施形態に戻り、引き続き
図1を参照すると、接続部22は取り外し可能であり、浸漬管14は、1つ以上の代替浸漬管(図示せず)と交換可能である。この実施形態では、1つ以上の代替浸漬管は浸漬管14と同一の組成を有し、ZSBN管を含む。他の実施形態では、1つ以上の代替浸漬管の組成は、例えば意図される用途に応じて、浸漬管14と同様であるか、または異なる。浸漬管14および1つ以上の代替浸漬管は、異なる意図された用途などのために、接続部22によって延長チューブ16に接続可能な代替浸漬管14の長さを提供するように、様々な長さの管を含んでもよい。
【0080】
ここで延長管16(「浸漬ランス」または「ランスエクステンダ」と呼ばれることもある)に目を向けると、延長管16は、1500℃を超える温度を伴う2回以上の熱サイクルで再使用できるほど十分な耐食性を有する。上述のとおり、延長管16は浸漬管14と同様の熱膨張係数を有する。この例の浸漬管14はZSBNを含むので、延長管16は、ZSBNの低い熱膨張係数と同様の低い熱膨張係数を有する。この実施形態では、延長管16は非多孔質の金属シリンダを備え、それにより使用中に光路にガスが入るのを防止する。実際、金属の非多孔質は、延長管16の耐食性にも寄与する。ほとんどの金属は本質的に耐熱衝撃性も有する。
【0081】
この実施形態では、延長管16の断面は円形であるが、他の実施形態については、延長管16の様々な他の形状(例えば、正方形、三角形、長方形、多角形)および/または寸法が想定され得ることを理解されたい。さらに、延長管16の形状および/または寸法は浸漬管14と一致する必要はない。金属シリンダ16の厚さが大きいと耐食性が高くなり、厚さが薄くなると耐食性が低くなるため、金属シリンダ16の厚さは、耐熱性ランスアセンブリ10の特定の意図する用途に基づいて選択することができる。この実施形態では、金属シリンダ16は、厚さが約2~3mm、内径が24~26mm、外径が28~32mmであり、上述したように、浸漬管14の第2の端部14.2の内部に滑合浸漬管14と嵌合することで、浸漬管14と嵌合することができる。
【0082】
この実施形態では、金属シリンダ16は特にモリブデンを含む。モリブデン(Mo)の融点は2622℃で、比較的安定している。他の実施形態では、金属シリンダ16は、例えばクロム、イリジウム、ニオブ、オスミウム、タングステン、タンタル、またはモリブデン若しくは前述の金属のいずれかの適切な合金を含む、他の適切な金属で構成されてもよい。さらに他の実施形態では、延長管16は、例えばサイアロンおよびサイアロンIIのいずれか一方または両方で製造された非多孔質セラミックシリンダを備える。さらに別の実施形態では、延長管16は、非多孔質セラミックなどでコーティングされた金属シリンダを備えてもよい。
【0083】
次に接続部22に目を向けると、この実施形態では、接続部22は耐熱性材料で製造される。上で示したように、接続部22は浸漬管14と同様の耐熱性を必要としないことがあるが、この実施形態では、接続部22は炉内の熱に耐えることができる。特に、この例における接続部22は、ホウケイ酸塩またはホウ酸カルシウムで製造される。
【0084】
この特定の実施形態では、
図1に示すように、接続部22は、浸漬管14と延長管16との間に配置されたフェルールの形態である管コネクタを備える。フェルール22は、浸漬管14と延長管16との相補的な雄ねじ面(図示せず)に係合する雌ねじ面(図示せず)を有する。こうして、この実施形態では、フェルール22が浸漬管14と延長管16との間の接合部を覆うスリーブまたはシースを形成するように、浸漬管14および延長管16(互いに滑合する)は逆側ではフェルール22の内側に受け入れられる。有利なことに、この配置は接合部を少なくとも部分的に封止し、空気汚染が複合管12の光路に侵入することを防ぎ、バルク溶融物の代表的な表面および/または光学検知システム(「LIBS」)によって取得される光学測定値を潜在的に変更する。したがって、複合管12は、実質的に不透過性であるか、言い換えると絶縁されている、と説明することができる。いくつかの実施形態では、接続部22は、フェルールと浸漬管14および延長管16の一方または両方との間の接合部をさらに封止するために、1つ以上のシールを含んでもよい。
【0085】
上述したように、この実施形態では、接続部22(具体的にはフェルール)は、浸漬管14と延長管16との間の取り外し可能な接続を画定する。有利なことに、そのような取り外し可能な接続部22は、浸漬管14が腐食または磨耗したときに、浸漬管14を1つ以上の代替浸漬管(図示せず)からの第1の交換管と交換し、次に、第1の交換管を1つ以上の代替浸漬管からの第2の交換管と交換することを可能にする。したがって、この実施形態では、耐熱性ランスアセンブリ10は、2回以上の熱サイクルラウンドに再使用可能なアセンブリを提供する。
【0086】
本書では図示されない耐熱性ランス10の他の実施形態では、複数の積み重ねられたフェルールが管コネクタ22を形成し、浸漬管14と延長管16とを接合し、絶縁スリーブを形成するという同様の機能を果たすことができる。他の実施形態では、やはり本書では図示されないが、接続部22は、例えばホウケイ酸塩またはホウ酸カルシウムのうちのいずれか1つを含む、セラミックベースの結合の形態での結合を含んでもよく、これは本開示の一般的な範囲および性質に十分に含まれることを意図する。接続部22として結合剤が設けられる場合、浸漬管14は延長管16にしっかりと取り付けられ、交換できない(または追加の結合剤溶解ステップでのみ交換可能)。他の実施形態では、接続部22は1つ以上の締結具を備えてもよい。1つ以上の締結具は、ナットおよびキー、または同様の締結手段のうちの1つ以上を備えてもよい。いくつかの実施形態では、接続部22は、浸漬管14と延長管16との確実な接続を提供するために、1つ以上のフェルールに加えて締結具(ナットまたはキー)を含んでもよい。接続部22の他の様々な要素および構造はさらなる実施形態において実用可能であり、これらは本開示の性質および範囲内に含まれることが意図される。いくつかの実施形態では、接続部22は接合部で少なくとも部分的な封止を形成することができるが、接続部22は、浸漬管14と延長管16との間に封止された接続部(または不浸透性シール)を形成する必要はなく、他の相補的な機能がこれに相当してもよい。
【0087】
次に光路に目を向けると、この実施形態では、光路は遮られずに複合管12を通る経路を提供し、複合管12を通して光学検知システム(「LIBS」)の光学検知手段が光学的に探査するか、さもなければ使用時に溶融物50から光学測定値を取得することができる。この実施形態では、
図1に示すように、光路はガスチャネルまたはガス流路をさらに画定し、これにより、気泡52を形成するために、使用中に複合管12を通じて浸漬管14の第1の端部14.1で溶融物50中に放出される不活性ガスの流れを可能にし、この気泡52から、光学的測定値が光学検知システムによって測定され得る。すなわち、溶融物内に浸漬された溶融表面(例えば、気泡52の内面)を形成するために、複合管を介して不活性ガスを注入することができ、これによって、溶融物50の光探査が、注入された不活性ガスへの暴露下でこの浸漬された溶融物表面から隔離される。すなわち、光学測定値は、溶融物50中の不活性ガスによって形成された気泡52の内部浸漬された溶融表面から取得することができ、それによって溶融物50の組成をより正確に反映することができる。上述したように、溶融物50内で気泡を発生させるガスは、溶融物50と反応性がないか、または溶融物50を汚染しない、アルゴンなどの不活性ガスであってもよい。アルゴンはさらに、光路から汚染粒子状物質を除去するように機能することができ、それによって正確な光学測定値を維持する。この実施形態では、図示のとおり、アルゴンは、耐熱性ランスアセンブリ10の上端に配置された入口17を通ってガスチャネルに入る。この入口17は、上流の加圧不活性流体源(図示せず)に接続可能であってもよい。いくつかの実施形態では、本書では図示しないが、耐熱性ランスアセンブリ10は、複合管12によって画定されるガスチャネルへの、アルゴンなどの挿入ガスの流れを制御する手段を含んでもよい。特に、いくつかの実施形態は、ガスチャネル内の圧力は比較的一定に保つ手段を有してもよい。このような手段は、圧力弁などを含んでもよい。
【0088】
次にシュラウド18に目を向けると、この実施形態では、シュラウド18は2つまたは3つのネジによって複合管12に接続される(ただし、少なくとも一端でシュラウド18を複合管に接続するための様々な手段が考えられる)。有利なことに、使用中、複合管12(浸漬管14、延長管16または接続部22のいずれであってもよい)に破断、亀裂、または他の損傷が生じ、これにより漏れが生じるかまたは封止が破られ、圧力差(ベンチュリ効果と同様)により、収容容積20内の不活性ガスがそこを通って侵入し、複合管12内の光路に入る可能性がある。したがって、以下でさらに説明するように、延長管16が金属を含有し、かつ浸漬管14がZSBNを含有するこの実施形態では、収容容積20内の接続部22を取り囲む加圧不活性ガスが、金属とZSBNとの自然膨張の差を補うことができ、それによって、それを通じて光学測定値が得られる複合管12の光路の汚染を回避する。
【0089】
収容容積20内の加圧不活性ガスから生じる少なくとも部分的な封止は、接合部を封止するための接続部22の要件を軽減できることを理解されたい。特に、接続部22は接合部を少なくとも部分的に封止することができるが、収容容積20内の加圧不活性ガスは外部からの正圧が加わることでこれを補うことができ、接続部22が封止を形成しない場合、または接続部22での漏れが発生した場合に、収容容積20内の加圧不活性ガスは光路内にそこを通って侵入し(または吸収され)、光路の空気汚染(溶融バルクの代表的な表面を汚染し得る)を避けることができる。したがって、シュラウド18と、使用時の収容容積20内の加圧不活性ガスが、接続部22に加えて複合管12のための二次封止手段を形成することができる。
【0090】
この実施形態では、上述したように、
図1に示すとおり、シュラウド18は、複合管12、具体的には延長管16、接続部22および浸漬管14の上部14.2を収容するかまたは封入する円筒体である。この実施形態では、シュラウド18の内径は約40mm~50mmである。シュラウド18は、1つ以上の耐熱性材料で製造されるが、シュラウド18は通常の使用では溶融物50に挿入されないため、浸漬管14と同等の耐腐食性および/または熱衝撃耐性は必要としない。浸漬管14は、使用時にシュラウド18が溶融物50の上の離間した位置に配置されるように、シュラウド18の下端を越えて延びる。
【0091】
収容容積20は、説明したように、複合管12とシュラウド18との間に形成される。したがって、収容容積20の容積は、複合管12およびシュラウド18のそれぞれの容積に依存する。シュラウド18は、複合管12の周囲に同軸上に並べられ、それらの間に収容容積20を画定する。特に、いくつかの実施形態では、収容容積20は、不活性ガスがその中に受け入れられたときに少なくとも接続部22に正圧を加えるのに十分な形状および寸法である必要がある場合がある。この実施形態における耐熱性ランスアセンブリ10は、シュラウド18内に配置された入口24を備え、そこを通って加圧不活性ガスが収容容積20内に受け入れられる。入口24は、上流の加圧不活性ガス源(図示せず)に接続可能である。この実施形態における耐熱性ランスアセンブリ10は、シュラウド18内、具体的にはその下端に配置された出口26をさらに備え、この出口を通して加圧不活性ガスが収容容積20から外部環境(耐熱性ランスアセンブリ10の外部)に放出される。したがって、この実施形態では、収容容積20は具体的には空隙とみなされてもよい。出口26を介して収容容積20から放出された加圧不活性ガスはいずれも、溶融物50の上面へ落ちるか沈むことがあり、それにより、溶融物50の上部露出層の酸化電位をさらに低下させる。実施形態では、LIBSを用いて実行される光探査の精度がさらに向上し得る。
【0092】
この特定の実施形態では、上述したように、加圧不活性流体はガス、具体的にはアルゴン(Ar)を含み、上流の加圧不活性流体源は加圧アルゴン源を含む。したがって、この実施形態に示すように、耐熱性ランスアセンブリ10は、2つのアルゴン含有チャネルまたはアルゴン流路を含み、1つは光路を横切り、溶融物50内に気泡を発生させ、もう1つは浸漬管14と延長管16との間の接合部を封止する。この実施形態では両方のチャネルまたは経路でアルゴンが利用されるが、他の実施形態では任意の不活性流体(および各チャネル内の潜在的に異なる流体)が実用可能であり得ることを理解されたい。さらに、アルゴンガスは空気より重いため、上述したように出口26から出ると下に落ちると予想されることを理解されたい。他の比較的重い不活性ガスもこの目的に適することがある。さらに、アルゴンガスは熱伝導率が低いため、例えば空気に比べてより優れた断熱体である。他の比較的絶縁性の単原子ガス、またはガスの組み合わせも、この目的に適することがある。
【0093】
本実施形態の1つの利点は、耐熱性ランスアセンブリ10が1500℃を超える温度に耐えるための冷却機構または冷却流体を必要としないことを含み得る。複合管12とシュラウド18の両方は、耐熱材料で製造可能であり、少なくとも浸漬管14、または少なくとも浸漬端部14.1が1500℃を超える温度に耐えることができる。したがって、この実施形態ではアルゴンである加圧不活性ガスは、耐熱性ランスアセンブリ10を冷却するために冷却される必要はない。ただし、圧縮アルゴンガスは、いくつかの実施形態では比較的低いレベルの冷却を提供し得る一方で、耐熱性ランスアセンブリ10の動作に必ずしも必要ではないことは理解されたい。
【0094】
次に光学検知システムに目を向けると、この実施形態では、光学検知システムは、
図1に示すように、レーザ誘起破壊分光法(LIBS)システムを備える。より具体的には、耐熱性ランスアセンブリ10は、溶融物50からのLIBS組成測定値の形で光学測定値を取得するために、光学窓に設置されたLIBSシステムに機械的に接続されてもよい。LIBSシステムは、例えば、短く強力なレーザパルスを放射するためのレーザ源(例えば、フラッシュランプ励起またはアクティブQスイッチングを備えたダイオード励起固体レーザ源)、レーザがこれを通して放射される光学窓、光学窓に対してレーザと同じ側に設けられた検出手段(例えば、ラインもしくは2Dカメラ、または増強電荷結合素子カメラ)、および検出された放射線からスペクトル情報を抽出する少なくとも1つの分光計を備えてもよい。LIBSシステムへのこのような機械的接続の一部を形成する要素はいずれも、耐熱性があり、1500℃を超える温度に耐えることさえできる場合がある。このような機械的接続の一部を形成できる構成要素には、例えば、カラー、締結具、シールなどが含まれ得る。
【0095】
従って、当業者は一般的に、LIBSシステムの感度を理解するであろうし、使用中に亀裂、漏れなどが発生した場合、複合管12の光路に入ることができる加圧不活性ガス(具体的にはアルゴン)と共に用いられる接続部22と収容容積20との両方によって、複合管12の光路がいかなる空気によっても確実に汚染されないようにすることで示される利点を理解するであろう。
【0096】
使用時、耐熱性ランスアセンブリ10は、例えば熱衝撃を防ぐために、浸漬管14を溶融物50に挿入する前に予熱を必要とする場合がある。この実施形態では、耐熱性ランスアセンブリ10は、泡立てを始め、LIBS組成測定値を得るために、浸漬管14の第1の端部14.1(具体的には浸漬端部)を溶融物50にゆっくりと挿入する前に、所定の時間、炉内で溶融物50の真上の位置(典型的にはわずか数ミリメートル上)に浸漬管14を配置し、耐熱性ランスアセンブリ10をその位置に保持することによって予熱される。耐熱性ランスアセンブリ10のこの予熱は、耐熱性ランスアセンブリ10が接続されているLIBSシステムを作動させる前に行うことができる。
【0097】
溶融物50(具体的には、気泡52の浸漬された溶融表面)について取得されたLIBS組成測定値は、例えば、スペクトルシグネチャとしてオペレータに提示され得る、または別の方法でさらに処理され得る、元素組成および/または百分率もしくは他の値等で表される濃度を含み得る。組成測定値は、操作条件が所望の結果を生み出すためのものであるか(例えば、溶融物の組成および/または濃度を参照して)、または温度などの1つ以上の操作条件の調整が必要であるかどうかをオペレータに知らせることができる。LIBS組成測定値は、溶融物50中の1つ以上の内包物(図示せず)からの組成測定値も含むことができる。内包物には、通常、この例では、例えばスラグに由来する可能性がある外因性内包物と、溶融プロセス中に生じる内因性内包物とが含まれる。特に、内包物は、酸化鉄、酸化銅もしくは酸化ニッケル、または溶融物50に溶解しない他の固体金属間化合物を含み得る。そのような内包物は、非金属内包物を含み得る。溶融物50中の1つ以上の内包物からLIBS組成測定値を取得することは、少なくとも部分的に、融解物50の純度または清浄度を示すことができる。特に、この実施形態では、LIBSシステムと組み合わせた耐熱性ランスアセンブリ10を通じて、内包物の存在だけでなく、必要であれば、内包物の特定の組成も同定することができる。内包物の組成を特定することは、融解プロセスに関して、例えば内包物を減少させるために融解物50を曝露させる特定の温度についての情報を提供することができる。
【0098】
この実施形態では、溶融物50は少なくとも部分的に溶融金属を含む。例えば、少なくとも部分的に溶融した金属は、鉄、鋼、ニッケル、銅、白金、およびそれらの合金のうちの1つ以上であり得る。耐熱性ランスアセンブリ10の特定の用途は、1500℃を超える溶融温度が必要とされる鉄鋼産業で想定されている。例えば、耐熱性ランスアセンブリ10は、製鋼の二次冶金に利用することができる。しかし、本開示を参照すれば当業者には理解されるように、耐熱性ランスアセンブリ10は、高い融解温度を有する任意の金属からLIBS組成測定値を得るために使用することができる。耐熱性ランスアセンブリ10は、例えば、酸化しやすく、ひいては敏感なLIBS測定値に影響を与える可能性がある溶融鉄金属において特に使用することができる。ただし、示されるように、使用中に浸漬管14の端部または先端のみが溶融物50に浸漬され、その端部または先端部は通常、溶融金属に到達する前に溶融スラグと接触する。
【0099】
この実施形態では、LIBSシステムは、溶融物50(具体的には、気泡52の浸漬された溶融表面)における酸素スペクトル線(スペクトルプロファイルの一部として)を監視するように構成された追加の分光計をさらに備える。酸素スペクトル線は、いくつかの実施形態では、溶融物50内、具体的には溶融物50内の気泡52の内面における酸化物の形成を示すことになる。酸素(O2)濃度を知ることは、潜在的な酸化が発生していること(LIBSシステムの精度に影響を与える可能性があること)をオペレータに知らせることに関連し、オペレータは、LIBS組成測定値が取得される間に溶融物50の酸化を防止するための措置を講じられるようになる。それ以外にも、適用可能な場合は、酸素濃度を知ることは、熱サイクル中または熱サイクル後に溶融物50に予想される溶融物特性をオペレータに知らせることに関連する場合がある。
【0100】
この実施形態では、LIBSシステムは、例えば合金鋼および鋳鉄の所望の特性を達成する上で重要である、鋼中の炭素(C)濃度を測定するために、具体的には247.8nmのスペクトル線を利用することができる。当業者には知られているように、鋼中の炭素には、0.001%(または10μg/g)未満から2%を超える質量分率が含まれる可能性があり、特に最も感度の高い線が真空紫外(VUV)波長領域にあるという点で、低レベルでの分光化学的測定は困難であり、放射線の強い吸収を避けるための真空または不活性ガスの条件と同様に、これらの波長に適した検出システムが必要である。上述したように、耐熱性ランスアセンブリ10の浸漬管14は、溶融物50に直接挿入され、それにより溶融物表面と検出器との間の距離が最小化され、上述したように、複合管12は、溶融物50内で気泡を発生させるようにアルゴンで満たされており、溶融物表面の酸化を最小限に抑える。有利なことに、例えば193nm線の代わりに247.8nm線を使用すると、長い光ファイバーを使用できるようになる可能性がある。特に、原子分光法では、193.1nmまたは247.8nmの炭素線を監視することで原子発光分光法による炭素の検出ができることが知られている。ただし、247.8nmは鉄線からの干渉を受け、193nmは干渉を受けないが、LIBSの光ファイバーによる伝送は吸収を受ける。247.8nmを使用するには、247.8の炭素線と同じ励起レベルを持つ別の鉄線を利用できる247.8nmのカーボンラインを干渉ラインから差し引くことで、193nmのカーボンラインに依存する代わりに光ファイバーで使用できるようになる。
【0101】
上述のように、耐熱性ランスアセンブリ10の特定の用途は、鉄鋼産業において想定されている。例えば、耐熱性ランスアセンブリ10は、取鍋冶金設備(LMF)および真空脱ガス装置(VD)などの製鋼二次冶金に利用することができる。耐熱性ランスアセンブリ10は、これらのプロセスに必要な温度に耐えることができるため、リアルタイムの連続組成測定値により、合金およびフラックスの使用傾向をより適切に把握することができ、したがって、バッチが完了する前において、時間の経過とともに大幅な節約につながると共に、各サンプルを取得および分析することに要するターンアラウンドタイムも無くすことができる。これを説明するために、サイクル時間が40分の典型的なバッチを考えると、そのうち4分は、次のプロセスの決定が行われる前にサンプルを取得および分析するのに必要である。このようなシナリオでは、LIBSに接続された耐熱性ランスアセンブリ10を用いてリアルタイムの連続組成測定値を得ることができる場合、最大10%の生産性向上が可能である。LIBSに接続された耐熱性ランスアセンブリ10は、一般に真空下で物理的にサンプリングすることができないVDにおいて特に有用であり得る。別の例では、耐熱性ランスアセンブリ10は、高炉製鉄において、具体的には高炉ランナ内の溶銑または銑鉄の組成測定のために使用され得る。ここで、溶銑生産のための平均溶銑シリコン(Si)の削減により節約が達成され得る。これらの使用および利点は、複合管12自体、耐熱性ランスアセンブリ10、および本明細書に記載の他の実施形態のいずれにも適用可能である。
【0102】
ここで
図2~6を参照し、さらなる例示的な実施形態に従って、全体的に符号200を使用して参照される耐熱性ランスアセンブリについて説明する。この実施形態における耐熱性ランスアセンブリ200は、主に
図1の例示的な実施形態と同様であり、したがって、簡潔にするために、共通の特徴は可能な限り省略する。この実施形態では、耐熱性ランスアセンブリ200は、1500℃以上の温度での腐食および熱衝撃に対して実質的に耐性がある複合管108(
図3に最もよく示される)を含む。複合管108は、それを通る光路110を画定し、溶融物中に挿入可能な第1の端102.1、およびその長手方向に延びる延長管104(または第2の管)に接続される第2の端(第1の端の逆側)を有する浸漬管102(または第1の管)と、接合部を少なくとも部分的に封止するように浸漬管102と延長管104との間の接合部に配置される接続部106とを備える。
【0103】
耐熱性ランスアセンブリ200はさらに、離間位置で少なくとも浸漬管102と延長管104との間の接合部を取り囲み、複合管108とシュラウド202との間の収容容積204(または空隙)を画定するシュラウド202(またはスリーブ)を備え、使用中に複合管108内に漏れが発生した場合に、この加圧不活性流体が収容容積204から光路110に入ることができるように、加圧不活性流体をその中に受け取り、それによって前記光路110の汚染を防止し、一貫した測定値を維持する。この実施形態では、シュラウド202が、延長管104、接続部106および浸漬管102の第2の端部を覆うことが再び示される。いくつかの実施形態では、本書では図示しないが、シュラウド202は、1つ以上のシールをさらに含むことができる。例えば、シュラウド202と浸漬管102との間に気密シールを形成する。
図1に示される実施形態と同様に、このアセンブリは、浸漬管102と延長管104との間の接合部を少なくとも部分的に封止することができ、典型的には接続部106の下の浸漬管102の少なくとも1インチを覆う。しかしながら、シュラウド202が、接続部106または浸漬管102を完全には収容しないかまたは覆わず、接続部106が十分な封止を維持することが期待される他の実施形態も想定される。
【0104】
この実施形態では、浸漬管102と延長管104とは同様の熱膨張係数を有する。浸漬管102は全体が、窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)の形態の非多孔質セラミックで製造され、延長管104(浸漬管よりも長い)はモリブデン製の金属シリンダを備える。
図2から
図6に示すこの特定の実施形態では、浸漬管102と延長管104は同様の直径を有し、それぞれの管102、104の端部は互いに面一に隣接している。耐熱性ランスアセンブリ10は、浸漬管102と延長管104との間のこの接合部に1つ以上のシールを含んでもよい。
【0105】
この実施形態では、複合管108は、前記浸漬管102と前記延長管104の各端部をその中に受け入れることで前記接合部の周囲に絶縁シースを形成する管コネクタの形態で、前記浸漬管102と前記延長管104との間の接合部に配置されたカプラ106をさらに備える。管コネクタ106は、ホウケイ酸塩またはホウ酸カルシウムのいずれかで製造される。
【0106】
この実施形態では、光路110への入口は符号206で示されており、この実施形態ではアルゴンガスが耐熱性ランスアセンブリ200に注入される場所である。しかしながら、この実施形態では、シュラウド202は、収容容積204が固定のまたは規定の容積を有するように、浸漬管102に近い端で閉鎖または封止される。図示されるように、耐熱性ランスアセンブリ200は、符号208で示される出口をさらに備える。この実施形態では、出口208は、容積204からアルゴンガスを放出して、収容体積204内で圧力を所定の一定値に維持する一方向圧力バルブを含む。
【0107】
この実施形態では、符号300は、耐熱性ランスアセンブリ200をLIBSシステムに接続するために使用される機械的接続部を広く指す。機械的接続部300、および「E」で囲まれた耐熱性ランスアセンブリ200の部分は、例えば、耐熱性ランスアセンブリ200が接続される特定のLIBSシステムに依存して、可変であることを理解されたい。
【0108】
ここで
図7~
図9を参照すると、これらのグラフは、従来の実験用技術(「ラボ分析」)を使用した溶融物と、および別の実施形態による、LIBSシステムに接続された耐熱性ランスアセンブリを使用した溶融物で得られた組成測定値の比較可能性を示す。これらの実験に使用された耐熱性ランスアセンブリは、前の図に示された実施形態と類似点を有するが、同一ではない。
【0109】
図7および
図8は、上述したように、製鉄用途のために設定された実験用規模の実験装置における2日間の試験結果を示しており、具体的には銑鉄中のケイ素(Si)またはマンガン(Mn)を測定することにより有用性を実証する。実験装置は、溶融銑鉄を保持するための誘導炉と、一実施形態に基づき、LIBSシステムに接続され、クレーンを介して誘導炉の上に配置された耐熱性ランスアセンブリ10とで構成した。LIBSシステムのプローブは、1064nmの波長でパルスあたり300mJのエネルギーを提供するQスイッチNd:YAGパルスレーザで構成した。LIBSシステムの光ファイバーにより、プラズマから放出された放射線を収集し、市販の分光計を使用して遠隔で分析できるようにした。この場合、3600ライン/mm回折格子を備えた焦点距離55cmのツェルニーターナー分光計および増感電荷結合素子(CCD)カメラを、288.16nmでのSi Iの測定、および293.31nmでのMn IIの測定に使用した。さらに、プローブには、193.09nmで炭素を測定するための特注の真空紫外(VUV)分光計が含まれていた。波長が約200nmを下回ると、放射線は空気中の酸素および光ファイバーによってさらに遮断された。したがって、これらの波長を測定するために、プラズマに直接の視野を向ける分光計を設置した。
【0110】
この実験では、手順に、誘導炉内で約35kgの銑鉄の初期装入物を溶解することを含めた。溶融した溶銑は、初期濃度約0.15重量%のSiと0.01重量%のMnを含んだ。溶融装入物は、1480℃から1530℃の間の温度まで加熱した(浴温度測定により測定)。次に、耐熱性ランスアセンブリ10、具体的には浸漬管の端部または先端をクレーンで降ろし、予熱のために数分間溶融物の上約2インチに配置した(他の予熱方法は使用しなかった)。予熱後、浸漬管の端部または先端を溶融物に挿入し、LIBSシステムのプローブを作動させて、アルゴンを複合管に流して溶融物中に気泡を発生させ、組成測定値を少なくとも10分間取得し、気泡の内表面から1秒あたり2レーザパルス(2Hz)の周波数で照射した。この後、浸漬管を浴から取り出した。従来の実験用組成分析のため、具体的には固体発光分光法(OES)のために浴試料を採取し、一定の浴温度を確保するために温度測定を行った。続いて、鉄(II)硫化物(FeSi)および鉄マンガン(FeMn)の浴添加を行って対象元素の濃度を高め、しばらく時間をとって添加物が溶融物中で均一になるようにした。この手順を数回繰り返し(通常は少なくとも6回の追加)、十分な炉内張りの完全性と安全性を確保するために最高温度で約2時間の運転時間後に終了した。
【0111】
前述したように、
図7および
図8は、特に、2日間の試験の結果を検量線として示す。両方の図で、そこに示されているように、上の点線の曲線はSi/Fe信号を反映し、下の点線の曲線はMn/Fe信号を反映する。記載されているように、横軸は、従来のサンプリング技術で測定された溶融物中の元素SiおよびMnの濃度(重量%)を反映している。縦軸は、LIBSシステムに接続された耐熱性ランスアセンブリで直接測定された元素SiおよびMnの濃度を反映しており、特徴的なスペクトル線で測定された光子数の比として示される。2つの選択されたSiおよびMnスペクトル線で測定された光子数は、既知の正規化手順に従って、対応するFeスペクトル線で測定された光子数で除算される。
図7と
図8の両方で、点線の曲線はデータの2次多項式最小二乗フィッティングに対応する。エラーバーの垂直高さは2標準偏差に相当する(データポイントごとに100スペクトル/50秒の測定の平均を使用)。結果はそれぞれ、Si測定では±0.008%、Mn測定では±0.013%の測定精度に相当する。
【0112】
当業者であれば、一旦確立された検量線がLIBS技術の基礎となることを理解するであろう。所定の一連の基準条件(LIBSシステム構成、光学幾何学、おおよその溶融化学および温度など)について、確立された検量線を使用して、システムによる任意の点で測定された光子数を使用する任意のシステムの化学組成を決定できる。2日間の検量線を注意深く比較すると、それらがわずかにずれていることがわかる。2日間の間に実験装置に変更が加えられたため、これは予想されることである。特に、初日(
図7)では、長さ29インチ(73.7cm)の耐熱性ランスアセンブリを使用し、2日目(
図8)では、長さ24インチ(61.0cm)の耐熱性ランスアセンブリを使用した。他のすべてが同じに保たれ場合、耐熱性ランスアセンブリが短いと、LIBSレーザのレーザパルスがより小さな領域に集中するため、達成されるプラズマ温度と相対的な光子放出強度が変化する可能性がある。さらに、気泡表面上のレーザ焦点は、2つの測定日の間でわずかに異なる点に設定された。当業者であれば、商用システムの場合、これらのパラメータは一定に保たれるか、そうでなければ複数の検量線を介して考慮されることを理解するであろう(これらのパラメータを変化させることが設計上の利点を提供する場合)。この変化にもかかわらず、
図7および
図8は、従来のサンプリング技術で取得した測定値と、本開示の耐熱性ランスアセンブリおよびLIBSシステムとインラインで取得した測定値との間の直接的な関係の検量線トレンドを示している。
【0113】
図9は組成測定値のグラフであり、具体的には成分濃度の測定値であり、所定のサンプルについて、従来の実験用技術(横軸)および耐熱性ランスアセンブリを使用するLIBS(縦軸)を用いて一実施形態に従って測定されたものであり、同等の結果が得られたことを再度示している。この特定の実験装置では、溶融物は銅-ニッケルマットであった。凡例で示されているように、異なるマーカーは、銅-ニッケルマットの異なる元素について測定された組成測定値を反映し、銅(Cu)-円、ニッケル(Ni)-三角形、鉄(Fe)-四角、コバルト(Co)-プラス記号(+)、および硫黄(S)-ダイヤモンド形である。横軸は、従来の実験用技術で測定された、具体的には、銅-ニッケルマット溶融物から試験サンプルを取得し、試験サンプルを調整した後に実験用分析を行うことによって測定された、銅-ニッケルマット溶融物の濃度を反映する。縦軸は、LIBSシステムに接続された耐熱性ランスアセンブリで直接測定された、つまりリアルタイムで連続的に実行された測定における濃度を反映する。図示されているように、トレンドは、従来のサンプリングで取得された測定値と、耐熱性ランスアセンブリおよびLIBSシステムでリアルタイムに取得された測定値との間の直接的な関係を反映する。ただし、耐熱性ランスアセンブリおよびLIBSシステムを使用して、リアルタイムで測定値を得ると、同じ結果を得るまでの分析時間が短縮されることで効率が向上する。分析時間を短縮すると、分析に関連する、特に炉内の温度維持に関連するエネルギーコストが削減され得る。さらに、本開示により高温冶金プロセスに利用できる分析時間の全体的な短縮により、温室効果ガスの排出を削減することができる。
【0114】
したがって、
図7~
図9は、耐熱性ランスアセンブリの実施形態が、組成測定値を取得するための従来の実験用技術の適切な代替手段を少なくとも提供することを示す。さらに、本開示を参照して当業者には理解されるように、耐熱性ランスアセンブリの実施形態は、極度の高温で利用でき、従来の実験用技術とは異なる結果をもたらすであろう重大な空気汚染(溶融バルクの代表的な表面を維持する)を受けずに済む可能性がある。
【0115】
本開示の別の態様(図示せず)は、少なくとも一部が非多孔質セラミックを含む第1の端部を有する管を備える耐熱性ランス管を提供し、これは1500℃以上の温度での腐食および熱衝撃に対して実質的に耐性があり、したがって前記第1の端部は1500℃以上の温度で溶融物中に挿入可能である。異なる実施形態では、非多孔質セラミックは、窒化ホウ素、少なくとも40%の二酸化ジルコニウム(ジルコニア)を含む窒化ホウ素、または窒化ホウ素およびホウケイ酸ガラスのマトリックス中に約45%のジルコニアを含むジルコニアケイ酸窒化ホウ素(ZSBN)のいずれか1つ以上を含む。耐熱性ランス管は、上述のとおり、シュラウドまたはスリーブ内に受容されてもよく、これによって、耐熱性ランスアセンブリを提供するように、第1の端部がシュラウドまたはスリーブから突出する。
【0116】
したがって、いくつかの実施形態では、高温の溶融材料での使用に適した耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管が提供され得る。いくつかの実施形態では、1500℃以上の温度に耐えることができる耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管が提供され得る。耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管は、能動的な冷却システムを必要としないほど十分な耐熱性を有し、動作中の安全性を向上させ得る。耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管の実施形態は、鉄鋼産業で使用でき、および/または温度制御が難しい炉で使用できる。いくつかの実施形態では、不透過性であり、高温での使用中に損傷、亀裂、または漏れの形成を回避するのに十分な機械的強度を示す耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管が提供され得る。さらに、いくつかの実施形態では、耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管は、溶融金属および/または溶融スラグによる腐食に対して耐性を持つだけでなく、熱衝撃に対しても耐性を持つ場合がある。いくつかの実施形態では、耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管は、高温において実質的に化学的に安定であり得る。例えば、耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管は、高温では酸化しないものあり得る。有利なことに、前述の利点に加えて、耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管は、いくつかの実施形態では再使用可能であり、複数の熱サイクルにわたって繰り返し使用することができる。この再使用性により、LIBSシステムおよび/または金属の加工やモニタリングに関連する費用が削減される可能性があり得る。
【0117】
本明細書に開示される耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管のさらなる実施形態は、耐熱性ランスアセンブリまたは管が耐熱性ランスキット(図示せず)の一部として提供されることが想定される。1つの例示的なキットは、浸漬管、取り外し可能な接続部、および複数の可変長延長管を備えることができる。別の例示的なキットは、複数の浸漬管、取り外し可能な接続部、および複数用途の延長管を備え得る。キットは、異なる実施形態において本明細書に開示されるようなシュラウドまたはスリーブを含んでも含まなくてもよい。
【0118】
本明細書に開示される耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管の様々な実施形態は、LIBSシステムなどのより大きな光学センシングまたはプロービングシステムの一部を形成し得ることを理解されたい。一実施形態では、高い動作温度で溶融物の構成要素を測定するように動作するLIBSシステムが提供され得、LIBSシステムは、溶融物に浸漬可能な耐熱性ランスアセンブリ(以下のいずれかに類似した特徴を有する)のいずれか1つ以上(上述した実施形態のいずれかと同様の特徴を有する)と;短く強力なレーザパルスを放射するレーザ源と;レーザがそれを通して耐熱性ランスアセンブリの光路に放射される光学窓と;光学窓のレーザと同じ側にある検出手段と;検出された放射線からスペクトル情報を抽出するための少なくとも1つの分光計(いくつかの実施形態では、異なるスペクトル情報を抽出するための複数の分光計)と、を備える。このようなより広範なLIBSシステムは、本開示のさらなる態様を形成すると想定される。
【0119】
本開示の他の実施形態は、さらに、溶融物の構成要素を光学的に探査または測定する方法(図示せず)を対象とすることができる。実施形態では、溶融物の構成要素を精査する方法が提供され得、この方法は、大まかに以下のステップを備える:
・複合管と、複合管を少なくとも部分的に収容するシュラウドを備える耐熱性ランスアセンブリであって、複合管が、浸漬管、延長管、および任意選択でそれらの間のカプラを備える耐熱性ランスアセンブリを準備すること;
・少なくとも浸漬管の浸漬端部が予熱されるように、耐熱性ランスアセンブリを予熱すること;
・浸漬管の浸漬端部を溶融物中に挿入する一方で、同時に複合管とシュラウドとの間に不活性ガスを注入すること。
【0120】
本方法のいくつかの実施形態では、複合管を通してインサートガスを注入し、浸漬端部で気泡を発生させ、プロービング用の浸漬された溶融表面を形成することもできる。いくつかの実施形態では、方法は、腐食、亀裂または他の摩耗を示した後に浸漬管を交換用浸漬管と交換するステップを含んでもよく、延長管は通常、1つ以上の熱サイクルで再使用可能である。
【0121】
前述の利点のすべては、このような高融点金属に使用される従来のサンプリング技術では生じる時間の遅延および誤差を伴うことなく、高温での溶融金属(酸化されていない)の組成測定を、リアルタイムのインラインかつ直接(溶融金属内で)取得する方法を最終的に提供する。
【0122】
本開示の実施形態は、従来技術に勝る様々な利点を提示する。本明細書に記載される利点は、網羅的なリストを提供することを意図したものではなく、単に考えられる利点の少なくとも一部を例示するものである。当業者は、本開示の一般的な範囲および性質内に十分に収まることを意図した本開示のさらなる利点および/または応用を思いつくであろう。
【0123】
本開示は、例示を目的として様々な実施形態を説明するが、そのような説明はそのような実施形態に限定されることを意図するものではない。逆に、本明細書に記載および図示される出願人の教示は、実施形態から逸脱することなく、様々な代替案、修正案、および均等物を包含し、その一般的範囲は添付の特許請求の範囲に規定される。プロセス自体に必要なまたは固有の範囲を除き、本開示に記載される方法またはプロセスのステップまたは段階に対する特定の順序は意図または暗示されるものではない。多くの場合、説明した方法の目的、効果、または重要性を変更することなく、プロセスステップの順序を変更できる。
【0124】
本明細書に示され、詳細に説明される情報は、本開示の上述の目的、本開示の現時点で好ましい実施形態を完全に達成することができ、したがって、本開示により広く企図される主題を代表するものである。本開示の範囲は、当業者には明らかとなる他の実施形態を完全に包含し、従って、添付の特許請求の範囲以外の何物によっても限定されるものではなく、単数形で行われる要素へのいかなる言及も、明示的に記載されていない限り、「1つだけ」ではなく、「1つ以上」を意味する。上述の好ましい実施形態および追加の実施形態の要素と構造的および機能的に同等であると当業者によってみなされるものはすべて、本特許請求の範囲に包含されるものとする。さらに、本開示によって解決しようとするあらゆる問題に対処するためのシステムまたは方法に対する要件は存在せず、そのような問題は本特許請求の範囲に包含される。さらに、本開示の要素、成分、または方法ステップは、その要素、成分、または方法ステップが特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかに関係なく、一般に公開されることを意図したものではない。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載したとおり、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形状、材料、加工体商品、および製造材料の詳細における様々な変更および修正は、当業者にとって明らかなように、施されることが可能であり、かつ本開示に包含される。
【0125】
本出願は、2021年8月5日に出願された「耐熱性ランスアセンブリおよび耐熱性ランス管」という名称の米国仮特許出願第63/229,749号に対する優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】