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特表2024-530485フォワードメッセージ処理方法及び装置、フォワードインターフェース、通信デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】フォワードメッセージ処理方法及び装置、フォワードインターフェース、通信デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 49/9057 20220101AFI20240814BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20240814BHJP
【FI】
H04L49/9057
H04W92/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507032
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2022081385
(87)【国際公開番号】W WO2023024494
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110987481.X
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】肖露
(72)【発明者】
【氏名】高靖欣
【テーマコード(参考)】
5K030
5K067
【Fターム(参考)】
5K030JA05
5K030JA11
5K030KA04
5K030KA05
5K067AA41
5K067EE10
(57)【要約】
本開示は、フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプに基づいて前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定するステップ(S110)と、前記タイプキーワードに基づいて前記フォワードメッセージのタイプを決定するステップ(S120)と、前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップ(S130)と、前記サービスデータの位置に基づいて前記サービスデータを抽出して処理するステップ(S140)と、を含むフォワードメッセージ処理方法を提供する。本開示は、フォワードメッセージ処理装置、フォワードインターフェース、通信デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプに基づいて、前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定するステップと、
前記タイプキーワードに基づいて、前記フォワードメッセージのタイプを決定するステップと、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップと、
前記サービスデータの位置に基づいて、前記サービスデータを抽出して処理するステップと、を含む
フォワードメッセージ処理方法。
【請求項2】
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの位置を決定する前記ステップは、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの前記フォワードメッセージ内の位置、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップと、
前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの前記フォワードメッセージ内の位置、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置に基づいて、前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドによって搬送される情報、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドによって搬送される情報を抽出して決定するステップと、
前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドによって搬送される情報、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドによって搬送される情報に基づいて、前記サービスデータの位置を決定するステップと、を含む
請求項1に記載のフォワードメッセージ処理方法。
【請求項3】
前記分類フィールドに基づいて、前記フォワードメッセージをサービス分類するステップをさらに含む
請求項2に記載のフォワードメッセージ処理方法。
【請求項4】
前記分類フィールドに基づいて、前記フォワードメッセージを分類するステップは、
前記分類フィールドと分類ラベルとの間のマッピング関係を特徴付ける予め設定されたマッピング関係に基づいて、前記分類フィールドに対応する分類ラベルを決定するステップと、
前記分類ラベルを利用して前記フォワードメッセージにラベルを付けるステップと、を含む
請求項3に記載のフォワードメッセージ処理方法。
【請求項5】
前記フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプがMAC層である場合、前記フォワードメッセージの伝送層のタイプに基づいて前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定する前記ステップにおいて、前記フォワードメッセージのイーサネットタイプ(ETHtype)フィールドを前記フォワードメッセージのタイプキーワードとして決定し、
前記フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプがIPV4層である場合、前記フォワードメッセージの伝送層のタイプに基づいて前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定する前記ステップにおいて、前記フォワードメッセージのプロトコル(Protocol)フィールドを前記フォワードメッセージのタイプキーワードとして決定する
請求項1から4のいずれか一項に記載のフォワードメッセージ処理方法。
【請求項6】
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、シーケンスフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップと、
前記シーケンスフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置に基づいて、前記シーケンスフィールドによって搬送される情報を抽出して決定し、前記シーケンスフィールドによって搬送される情報に基づいて、前記フォワードメッセージを送信する順序を決定するステップと、をさらに含む
請求項1から4のいずれか一項に記載のフォワードメッセージ処理方法。
【請求項7】
フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプに基づいて前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定するように構成されたタイプキーワード決定モジュールと、
前記タイプキーワードに基づいて前記フォワードメッセージのタイプを決定するように構成されたメッセージタイプ決定モジュールと、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記サービスデータの位置に基づいて前記サービスデータを抽出して処理するように構成されたサービスデータ処理モジュールと、を備える
フォワードメッセージ処理装置。
【請求項8】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のコンピュータプログラムが記憶されているメモリであって、前記1つ又は複数のコンピュータプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、請求項1から6のいずれか一項に記載のフォワードメッセージ処理方法を実施させるメモリと、
前記プロセッサと前記メモリとの間に接続され、前記プロセッサと前記メモリとの間の情報のやりとりを実現するように構成された1つ又は複数の入出力(I/O)インターフェースと、を備える
フォワードインターフェース。
【請求項9】
請求項8に記載のフォワードインターフェースを含む、通信デバイス。
【請求項10】
プロセッサによって実行されると、請求項1から6のいずれか1項に記載のフォワードメッセージ処理方法を実施するコンピュータプログラムが記憶されている
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月26日に提出された中国特許出願NO. 202110987481.Xの優先権を主張し、当該中国特許出願の内容を参照により本願に援用する。
【0002】
本開示は通信技術の分野に関するものであり、具体的にはフォワードメッセージ処理方法、フォワードメッセージ処理方法を実行するフォワードメッセージ処理装置、フォワードインターフェース、通信デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
5Gネットワーキングシナリオに必要な低遅延、高帯域幅、及び大容量データなどのニーズに対応するために、関連技術のフォワードインターフェースプロトコル、即ち、共通公共無線周波数インターフェース(CPRI,Common Public Radio Interface)プロトコルは、イーサネットフォワードプロトコル、即ち、5Gフォワードインターフェースプロトコルに進化している。関連する5Gフォワードインターフェースプロトコルは、イーサネット伝送無線周波数信号(RoE,Radio over Ethernet)プロトコル、強化共通公共無線周波数インターフェース(eCPRI,enhanced Common Public Radio Interface)プロトコル、開放無線アクセスネットワーク(oRAN,open Radio Access Network)プロトコル、x無線アクセスネットワーク(xRAN,x Radio Access Network)プロトコルなどを含む。CPRIプロトコルと比較して、イーサネットフォワードインターフェースプロトコルは、イーサネットメッセージ(例えば、MAC、IP、UDPなどのタイプのメッセージ)に基づいてカプセル化し、5Gネットワーキングシナリオの要求をより柔軟にサポートすることができる。しかし、5Gフォワードインターフェースプロトコルは複数種類あり、それぞれのプロトコルはそれをサポートするために一部のロジックを作成し、設計が複雑であり、リソースの消費電力が増加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様として、
フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプに基づいて、前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定するステップと、
前記タイプキーワードに基づいて、前記フォワードメッセージのタイプを決定するステップと、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップと、
前記サービスデータの位置に基づいて、前記サービスデータを抽出して処理するステップと、を含む
フォワードメッセージ処理方法を提供する。
【0005】
本開示の第2の態様として、
前記フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプに基づいて前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定するように構成されたタイプキーワード決定モジュールと、
前記タイプキーワードに基づいて前記フォワードメッセージのタイプを決定するように構成されたメッセージタイプ決定モジュールと、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するように構成された位置決定モジュールと、
前記サービスデータの位置に基づいて前記サービスデータを抽出して処理するように構成されたサービスデータ処理モジュールと、を備える
フォワードメッセージ処理装置を提供する。
【0006】
本開示の第3の態様として、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のコンピュータプログラムが記憶されているメモリであって、前記1つ又は複数のコンピュータプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、本開示の第1の態様に記載のフォワードメッセージ処理方法を実施させるメモリと、
前記プロセッサと前記メモリとの間に接続され、前記プロセッサと前記メモリとの間の情報のやりとりを実現するように構成された1つ又は複数の入出力(I/O)インターフェースと、を備える
フォワードインターフェースを提供する。
【0007】
本開示の第4の態様として、本開示の第3の態様によるフォワードインターフェースを含む通信デバイスを提供する。
【0008】
本開示の第5の態様として、プロセッサによって実行されると、本開示の第1の態様に記載のフォワードメッセージ処理方法を実施するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示によるフォワードメッセージ処理方法の一実施形態のフローチャートである。
図2図2は、ステップS130の一実施形態のフローチャートである。
図3図3は、eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージのデータ構造の概略図である。
図4図4は、RoEプロトコルに基づくフォワードメッセージのデータ構造の概略図である。
図5図5は、ステップS131の一実施形態のフローチャートである。
図6図6は、本開示によるフォワードメッセージ処理方法の別の実施形態のフローチャートである。
図7図7は、ステップS150の一実施形態のフローチャートである。
図8図8は、本開示によるフォワードメッセージ処理方法のさらに別の実施形態のフローチャートである。
図9図9は、本開示によるフォワードメッセージ処理装置の一実施形態のモジュール概略図である。
図10図10は、本開示によるフォワードインターフェースの一実施形態の構造概略図である。
図11図11は、本開示によるコンピュータ可読記憶媒体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
当業者が本開示の技術案をよりよく理解するために、以下に図面を組み合わせて本開示によるフォワードメッセージ処理方法、フォワードメッセージ処理装置、フォワードインターフェース、通信デバイス、及びコンピュータ可読記憶媒体を詳しく説明する。
【0011】
以下では図面を参照して例示的な実施例について十分に説明するが、示される実施例は異なる形式で体現されてもよく、本開示は、本明細書に説明する実施例に限定されると解釈されるべきではない。これらの実施例は、本開示を徹底して完全なものにするために提供され、当業者に本開示の範囲を十分に理解させるように提供される。
【0012】
なお、本開示の実施例及び実施例における各特徴は、矛盾しない限り、互いに任意に組み合わせることができる。
【0013】
例えば本明細書で用いられる「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の、関連する列挙された項目の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含む。
【0014】
本開示で用いられる用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図しない。例えば本明細書で用いられる単数形の「1つ」及び「当該」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で用いられる「含む」、「……からなる」という用語は、特定の特徴、全体、ステップ、操作、要素及び/又は構成要素の存在を指定しているが、1つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。
【0015】
特に限定されない限り、技術的及び科学的な用語を含む、本明細書で用いられる全ての用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術及び本開示の背景でのそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本開示で明確にそのように限定されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味を有すると解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0016】
本開示の第1の態様として、フォワードメッセージ処理方法を提供する。図1に示すように、前記フォワードメッセージ処理方法は、
フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプに基づいて、前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定するステップS110と、
前記タイプキーワードに基づいて、前記フォワードメッセージのタイプを決定するステップS120と、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップS130と、
前記サービスデータの位置に基づいて、前記サービスデータを抽出して処理するステップS140と、を含む。
【0017】
前記フォワードメッセージはイーサネットフォワードプロトコルに基づくメッセージであり、イーサネットフォワードプロトコルはいずれもイーサネットプロトコルに基づくものである。前記フォワードメッセージのタイプは、即ち、前記フォワードメッセージをカプセル化するイーサネットフォワードプロトコルのタイプであり、例えば、前記フォワードメッセージのタイプは、MACメッセージ、IPV4メッセージ、IPV6メッセージ等の複数のタイプのうちの1つであり得る。本開示では、メッセージのタイプ及び伝送層に関連する、フォワードメッセージのフィールドが、前記タイプキーワードとして決定され得る。同じ種類の伝送層において伝送するとき、異なるタイプのフォワードメッセージによって搬送されるタイプキーワードは異なる。
【0018】
例えば、前記伝送層がMAC層である場合、前記フォワードメッセージ内のイーサネットタイプ(ETHtype)フィールドは、前記タイプキーワードとして決定され得る。IPV4タイプのフォワードメッセージの場合、ETHtypeフィールドは0x0800であり、IPV6タイプのフォワードメッセージの場合、ETHtypeフィールドは0x86DDであり、eCPRIタイプのフォワードメッセージの場合、ETHtypeフィールドは0xAEFFである。
【0019】
また、例えば、前記伝送層がIPV4層である場合、前記フォワードメッセージ内のプロトコル(Protocol)フィールドは、前記フォワードメッセージのタイプキーワードとして決定され得る。前記フォワードメッセージのタイプは、前記フォワードメッセージ内のProtocolフィールドを識別することによって決定され得る。
【0020】
前記フォワードメッセージのタイプを決定すると、前記フォワードメッセージの具体的な構造が明確となり、前記フォワードメッセージの具体的な構造に基づいて、サービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定し、当該サービスデータを抽出することができる。
【0021】
前記フォワードメッセージ処理方法は、フォワードメッセージの受信端のフォワードインターフェースに用いられ、前記フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプによってフォワードメッセージの具体的なタイプを決定することができ、即ち、受信した異なるフォワードメッセージの送信端から送信された異なるタイプのフォワードメッセージに対して、前記受信端のフォワードインターフェースはいずれも受信したフォワードメッセージからサービスデータを抽出することができ、異なるタイプのイーサネットフォワードプロトコルに対する互換性を実現し、受信端のフォワードインターフェースにプロトコルごとに対応するロジックを配置する必要がなく、異なるタイプのフォワードメッセージを受信し処理することができるフォワードインターフェースの構造を簡素化し、実現コストを低減することができる。
【0022】
なお、ここに記載の「サービスデータ」とは、フォワードメッセージのペイロード(payload)におけるデータを意味する。
【0023】
本開示において、前記フォワードメッセージのタイプに基づいて前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの位置を決定するステップ(即ち、ステップS130)の具体的な実施形態については、特に限定されない。例えば、フォワードメッセージのタイプに基づいてサービスデータの位置を直接算出することができる。
【0024】
実現を容易にするために、いくつかの実施形態において、図2に示すように、ステップS130は、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの前記フォワードメッセージ内の位置、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップS131と、
前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの前記フォワードメッセージ内の位置、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置に基づいて、前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドによって搬送される情報、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドによって搬送される情報を抽出して決定するステップS132と、
前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドによって搬送される情報、及び前記フォワードメッセージの長さフィールドによって搬送される情報に基づいて、前記サービスデータの位置を決定するステップS133と、を含んでもよい。
【0025】
異なるタイプのフォワードメッセージの場合、分類フィールドの位置は異なるが、同じレベルの分類フィールドに記述されたデータは、同じタイプのデータフローである。分類フィールドに対応するデータを決定することで、サービスデータの処理方式を決定することができる。前記フォワードメッセージは、少なくとも第1レベルの分類の分類フィールドを含んでもよい。例えば、eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージの場合、当該フォワードメッセージによって搬送されるデータは、2つのレベルの分類を含む。図3に示すように、eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージのデータは、第1レベルの分類フィールドMessage Typeで示されるデータフローと、第2レベルの分類フィールドPC_IDで示されるデータフローとを含む。また、例えば、RoEプロトコルに基づくフォワードメッセージによって搬送されるデータも、2つのレベルの分類を含む。図4に示すように、RoEプロトコルに基づくフォワードメッセージのデータは、第1レベルの分類フィールドsubTypeで示されるデータフローと、第2レベルの分類フィールドFlowIDで示されるデータフローとを含む。eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージとRoEプロトコルに基づくフォワードメッセージの場合、第1レベルの分類フィールドMessage Typeが示すデータフローと、第1レベルの分類フィールドsubTypeが示すデータフローは同じタイプのデータであり、第2レベルの分類フィールドPC_IDが示すデータフローと、第2レベルの分類フィールドFlowIDが示すデータフローは同じタイプのデータである。本開示において、各レベルの分類フィールドの位置は、フォワードメッセージのタイプに基づいて決定され得る。
【0026】
上述したように、各タイプのフォワードメッセージにおいて、長さフィールドの位置は確定的なものである。言い換えれば、フォワードメッセージ内の長さフィールドの位置は、単にメッセージのタイプに関連し、フォワードメッセージのメッセージタイプが決定される限り、当該フォワードメッセージの長さフィールドの位置が決定され得る。フォワードメッセージにおいて長さフィールドは、サービスデータの長さを直接又は間接的に反映することができる。
【0027】
例えば、eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージの場合、ペイロードサイズ(Payload size)フィールド(即ち、長さフィールド)は、PC_IDフィールド、SEQ_IDフィールド(即ち、シーケンスフィールド)、及びサービスデータの全長を含む。Message Typeの値に基づいてサービスデータの長さを決定することができる。具体的には、Message Type=0、1、2のいずれかの場合、サービスデータの長さはPayload sizeフィールドの値から4を引いた値となる。Message Type=3の場合、サービスデータの長さはPayload sizeフィールドの値から8を引いた値となる。Payload sizeフィールドの値とサービスデータの長さとの関係はeCPRIプロトコルにおいて既に詳細に規定されているため、ここではその説明を省略する。
【0028】
また、例えば、RoEプロトコルに基づくフォワードメッセージの場合、長さフィールドLengthは、orderinginfoフィールドの後に位置するサービスデータの長さを含む。
【0029】
図3に示すように、eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージは、バージョン(Version)フィールド、RSVフィールド、Cフィールド、Message Typeフィールド、ペイロードサイズ(Payload size)フィールドを搬送しているeCPRI共通ヘッダー(eCPRI Common header)と、PC_IDフィールド、SEQ_IDフィールド、ペイロード(payload)を搬送しているeCPRIペイロード(eCPRI Payload)の2つの部分を含む。
【0030】
図4に示すように、RoEプロトコルに基づくフォワードメッセージは、subTypeフィールド、FlowIDフィールド、Lengthフィールド、orderinginfoフィールドを搬送しているRoEヘッダー(RoE header)と、ペイロード(payload)を搬送しているRoEペイロード(RoE Payload)の2つの部分を含む。
【0031】
表1は、eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージのプロトコルフィールドと、RoEプロトコルに基づくフォワードメッセージフィールドとの間の比較関係を示す。
【表1】
【0032】
なお、本開示は、eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージとRoEプロトコルに基づくフォワードメッセージとを例に説明したが、本開示は、これに限定されず、本開示が提供する方法は、他のプロトコル(例えば、oRANプロトコル)に基づくフォワードメッセージにも適用できる。
【0033】
フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの位置、及びフォワードメッセージの長さフィールドの位置を決定し、フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドによって搬送される情報、及び長さフィールドによって搬送される情報に基づいて、サービスデータの位置を決定し、これに基づいてサービスデータを処理することができる。
【0034】
本開示において、フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの位置をどのように決定するかは特に限定されない。フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの位置及びフォワードメッセージの長さフィールドの位置を迅速に決定するために、フォワードメッセージのメッセージタイプと各レベルの分類フィールドの位置との間の第1のマッピング関係、及びメッセージタイプと長さフィールドの位置との間の第2のマッピング関係をフォワードメッセージの受信端に予め記憶することができる。それに対応して、図5に示すように、ステップS131は、
前記フォワードメッセージのタイプと前記フォワードメッセージの各レベルの分類フィールドの位置との間のマッピング関係を特徴付ける第1のマッピング関係に基づいて、前記フォワードメッセージの分類フィールドの位置を決定するステップS131aと、
前記フォワードメッセージのタイプと前記フォワードメッセージの長さフィールドの位置との間のマッピング関係を特徴付ける第2のマッピング関係に基づいて、前記フォワードメッセージの長さフィールドの位置を決定するステップS131bと、を含んでもよい。
前記分類フィールドは、フォワードメッセージのサービスデータの位置を決定することに加えて、当該分類フィールドを含むフォワードメッセージをサービス分類するためにも用いられる。それに対応して、図6に示すように、前記フォワードメッセージ処理方法は、
前記分類フィールドに基づいて、前記フォワードメッセージをサービス分類するステップS150をさらに含んでもよい。
【0035】
異なるサービス分類のフォワードメッセージは、異なるサービスを実現するために用いられる。
【0036】
後続のフォワードメッセージの処理中に、フォワードメッセージのサービスタイプの良好な識別を容易にするために、いくつかの実施形態において、図7に示すように、ステップS150は、
前記分類フィールドと分類ラベルとの間のマッピング関係を特徴付ける予め設定されたマッピング関係に基づいて、前記分類フィールドに対応する分類ラベルを決定するステップS151と、
前記分類ラベルを利用して前記フォワードメッセージにラベルを付けるステップS152と、を含んでもよい。
【0037】
本開示において、Redefine IDを利用してフォワードメッセージにラベルを付けることができ、異なるサービスタイプのRedefine IDの値は異なる。
【0038】
複数のフォワードメッセージのサービスデータによって搬送されるサービス情報を回復することを可能にするために、現在受信したフォワードメッセージ内のサービスを処理することに加えて、受信したフォワードメッセージの、周期的に送信される複数のフォワードメッセージ内の順序を決定することが必要である。それに対応して、図8に示すように、前記フォワードメッセージ処理方法は、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、シーケンスフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するステップS160と、
前記シーケンスフィールドの前記フォワードメッセージ内の位置に基づいて、前記シーケンスフィールドによって搬送される情報を抽出して決定し、前記シーケンスフィールドによって搬送される情報に基づいて、前記フォワードメッセージを送信する順序を決定するステップS170と、をさらに含んでもよい。
【0039】
受信端のフォワードインターフェースに対応する通信デバイスに対しては、カプセル化済みのフォワードメッセージを複数受信した後、各フォワードメッセージ内のサービスデータを抽出してから、サービスデータを順に回復して、対応するサービス情報を得る必要がある。
【0040】
eCPRIプロトコルに基づくフォワードメッセージの場合、シーケンスフィールドはSEQ_IDであり、RoEプロトコルに基づくフォワードメッセージの場合、シーケンスフィールドはorderinginfoである。
【0041】
シーケンスフィールドは2つの表現形式を有し、1つ目は、一定のタイミング周期(例えば、10ms)が時間スケールに関連付けられたタイミング識別子であり、2つ目は、一定のタイミング周期(例えば、10ms)内のパケットインクリメント番号である。フォワードインターフェース内のメッセージは、一定の周期で送信されるので、上記2つの表現形式は相互に変換可能である。具体的な変換式は以下の通りである。
【0042】
各パケットのシリアル番号*パケット送信周期=パケットあたりのタイミングスケール。
本開示において、現在受信したフォワードメッセージの順序は、シーケンスフィールドの具体的な情報に基づいて計算されてもよい。
【0043】
本開示の第2の態様として、フォワードメッセージ処理装置を提供する。図9に示すように、前記フォワードメッセージ処理装置は、
前記フォワードメッセージを伝送する伝送層のタイプに基づいて前記フォワードメッセージのタイプキーワードを決定するように構成されたタイプキーワード決定モジュール910と、
前記タイプキーワードに基づいて前記フォワードメッセージのタイプを決定するように構成されたメッセージタイプ決定モジュール920と、
前記フォワードメッセージのタイプに基づいて、前記フォワードメッセージによって搬送されるサービスデータの前記フォワードメッセージ内の位置を決定するように構成された位置決定モジュール930と、
前記サービスデータの位置に基づいて前記サービスデータを抽出して処理するように構成されたサービスデータ処理モジュール940と、を備える。
【0044】
前記フォワードメッセージ処理装置は、本開示の第1の態様によるフォワードメッセージ処理方法を実行するために用いられる。前記フォワードメッセージ処理方法の具体的な動作原理及び有益な効果について、既に詳細に説明したので、ここではその説明を省略する。
【0045】
本開示の第3の態様として、フォワードインターフェースを提供する。図10に示すように、前記フォワードインターフェースは、
1つ又は複数のプロセッサ101と、
1つ又は複数のコンピュータプログラムが記憶されているメモリであって、前記1つ又は複数のコンピュータプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサ101によって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサ101に、本開示の第1の態様によるフォワードメッセージ処理方法を実施させるメモリ102と、
前記プロセッサ101と前記メモリ102との間に接続され、前記プロセッサ101と前記メモリ102との間の情報のやりとりを実現するように構成された1つ又は複数の入出力(I/O)インターフェース103と、を備える。
【0046】
プロセッサ101は、データ処理能力を有するデバイスであり、中央処理装置(CPU)などを含むが、これに限定されない。メモリ102は、データ記憶能力を有するデバイスであり、ランダムアクセスメモリ(RAM、より具体的には、SDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH)を含むが、これらに限定されない。I/Oインターフェース(即ち、読み書きインターフェース)103は、プロセッサ101とメモリ102との間に接続され、プロセッサ101とメモリ102との間の情報のやりとりを実現でき、データバス(Bus)などを含むが、これらに限定されない。
【0047】
いくつかの実施形態において、プロセッサ101、メモリ102、及びI/Oインターフェース103は、バス104を介して互いに接続され、さらにコンピューティングデバイスの他の構成要素と接続される。
【0048】
本開示の第4の態様として、本開示の第3の態様によるフォワードインターフェースを含む通信デバイスを提供する。
【0049】
いくつかの実施形態において、前記通信デバイスは、ベースバンド処理ユニットBBU、アクティブアンテナ処理ユニットAAU、無線周波数延伸ユニットRRUのうちの1つである。
【0050】
いくつかの実施形態において、BBU、AAU、RRUの各々に上述のフォワードインターフェースが設けられている。このように、BBU、AAU、RRUのいずれかが受信側として用いられる場合、本開示の第1の態様によるフォワードメッセージ処理方法に従って、フォワードメッセージを処理することができる。
【0051】
本開示の第5の態様として、図11に示すように、プロセッサによって実行されると、本開示の第1の態様によるフォワードメッセージ処理方法を実施するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0052】
当業者は、上記に開示されている方法のステップの全て又はいくつかのステップ、システム、装置の機能モジュール/ユニットが、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実施され得ることを理解するであろう。ハードウェア実施形態において、上記の説明で言及された機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的構成要素の区分に対応しない。例えば、1つの物理的構成要素は、複数の機能を有してもよく、或いは1つの機能又はステップは、いくつかの物理的構成要素によって協働して実行されてもよい。いくつかの物理的構成要素又は全ての物理的構成要素は、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、若しくはマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして実施されてもよく、又はハードウェアとして実施されてもよく、又は専用集積回路などの集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含み得るコンピュータ可読媒体上に配置されてもよい。当業者によく知られているように、コンピュータ記憶媒体という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク、又は所望の情報を記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。また、通信媒体は、一般に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波若しくは他の伝送機構などの変調データ信号内の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得ることが当業者に知られている。
【0053】
本明細書において例示的な実施例が開示されており、具体的な用語が用いられているが、それらは、一般的な例示的な意味でのみ用いられており、一般的な例示的な意味でのみ解釈されるべきであり、限定を目的としたものではない。いくつかの例では、特定の実施例に関連して説明される特徴、特性、及び/又は要素は、特に明記しない限り、単独で使用されてもよく、又は他の実施例に関連して説明される特徴、特性、及び/又は要素と組み合わせて用いられてもよいことは、当業者に明らかであろう。よって、添付の特許請求の範囲に記載された本開示の範囲から逸脱することなく、様々な形態及び詳細における変更が行われ得ることを当業者は理解するであろう。
図1
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【国際調査報告】