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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】慣性センサおよび電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/08 20060101AFI20240814BHJP
   G01P 15/125 20060101ALI20240814BHJP
   G01P 15/18 20130101ALI20240814BHJP
【FI】
G01P15/08 102Z
G01P15/125 Z
G01P15/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507951
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2022114309
(87)【国際公開番号】W WO2023030100
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111014475.2
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュ、フアイ ユアン
(72)【発明者】
【氏名】ジア、メングル
(57)【要約】
慣性センサおよび電子デバイスが提供される。慣性センサの機械構造層(220)は、固定子(221)および可動子(222)を含み、検出電極(241)は、絶縁基板(211)上に配置されている。可動子(222)は、駆動されることで固定子(221)に対して移動し、検出電極(241)および可動子(222)により生成される静電容量の変化が検出され、その結果、慣性センサの動きステータスまたは電子デバイスの動きステータスが判定され得る。絶縁基板(211)は、絶縁基板(211)上の第1の電気コネクタ(212)に巻き付くために、機械構造層(220)への密閉された接続内にある。このように、密閉された接続が実装され、真空度が改善される場合、慣性センサ内のコンポーネントの電気接続が実装され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねられた基板層(210)、機械構造層(220)およびカバー層(230)を備え、ここで、前記機械構造層(220)は、前記基板層(210)および前記カバー層(230)の間の密閉された接続内にある;
前記基板層(210)は、基板(211)を有し、ここで、前記基板(211)は、絶縁体であり、前記機械構造層(220)は、前記機械構造層(220)および前記基板(211)の間の密閉接続部分(215)を形成するために、前記基板(211)への密閉された接続内にあり、前記密閉接続部分(215)は、絶縁体である;
前記基板層(210)は、第1の電気コネクタ(212)をさらに有し、ここで、前記第1の電気コネクタ(212)は、前記基板(211)の、前記機械構造層(220)に近い側へ取り付けられており、前記第1の電気コネクタ(212)は、内部ピン(242)を含む;および
前記内部ピン(242)の第1の端面は、前記基板(211)と接触しており、前記内部ピン(242)の第2の端面は、前記機械構造層(220)と接触しており、前記内部ピン(242)の側面は、前記第1の端面および前記第2の端面の間に接続されており、前記内部ピン(242)の前記側面は、前記密閉接続部分(215)と接触しており、前記内部ピン(242)は、前記機械構造層(220)へ電気的に接続されている、
慣性センサ(20)。
【請求項2】
前記基板(211)は、基板溝(2111)を含み、前記第1の電気コネクタ(212)は、少なくとも部分的に前記基板溝(2111)内に収容されている、請求項1に記載の慣性センサ(20)。
【請求項3】
前記基板層(210)は、ライン保護層(247)をさらに有し、前記ライン保護層(247)は、前記基板(211)の、前記機械構造層(220)に近い前記側上に配置されており、かつ、前記機械構造層(220)および前記基板(211)の間の前記密閉された接続を貫通して形成されたキャビティ内に位置しており、前記ライン保護層(247)は、前記第1の電気コネクタ(212)の外縁部の一部分に巻き付いている、請求項1または2に記載の慣性センサ(20)。
【請求項4】
前記第1の電気コネクタ(212)は、第1の導電層(2461)および第2の導電層(2462)を含み、前記第1の導電層(2461)は、前記第1の電気コネクタ(212)のラインの第1の部分を含み、前記第2の導電層(2462)は、前記第1の電気コネクタ(212)の前記ラインの第2の部分を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
【請求項5】
前記基板層(210)は、
前記基板(211)の、前記第1の電気コネクタ(212)から離れている側へ取り付けられた第2の電気コネクタ(213);および
前記基板(211)を貫通しており、かつ、前記第1の電気コネクタ(212)および前記第2の電気コネクタ(213)の間に電気的に接続されたビア(214)
をさらに有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
【請求項6】
前記第2の電気コネクタ(213)は、前記ビア(214)を覆っており、かつ、前記基板(211)への密閉された接続内にある、請求項5に記載の慣性センサ(20)。
【請求項7】
前記第1の電気コネクタ(212)は、前記ビア(214)を覆っており、かつ、前記基板(211)への密閉された接続内にある、請求項5または6に記載の慣性センサ(20)。
【請求項8】
前記慣性センサ(20)は、チップ(21)をさらに備え、前記チップ(21)は、前記基板層(210)の、前記機械構造層(220)から離れている側上に配置されている、請求項5から7のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
【請求項9】
前記チップ(21)は、前記カバー層(230)の、前記機械構造層(220)から離れている側上に配置されており、前記カバー層(230)は、
カバー基板(232)、ここで、前記カバー基板(232)は、導体であり、前記カバー基板(232)は、前記機械構造層(220)への密閉された接続内にあり、前記カバー基板(232)は、第1の部分(2321)および第2の部分(232a)を含む;
絶縁部分(234)、ここで、前記絶縁部分(234)は、前記カバー基板(232)を貫通しており、前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)および前記カバー基板(232)の前記第2の部分(232a)は、前記絶縁部分(234)の両方の側上に位置している;および
第3の電気コネクタ(233)、ここで、前記第3の電気コネクタ(233)は、前記カバー基板(232)の、前記チップ(21)に近い側へ取り付けられており、前記第3の電気コネクタ(233)は、前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)を通じて前記機械構造層(220)における第1の部分へ電気的に接続されており、前記第3の電気コネクタ(233)は、前記カバー基板(232)の前記第2の部分(232a)および前記機械構造層(220)における第2の部分を通じて前記内部ピン(242)へ電気的に接続されている、
を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
【請求項10】
前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)および前記機械構造層(220)は、接合コネクタ(231)により接続されており、前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)は、溢流溝(235)をさらに含み、前記溢流溝(235)は、前記接合コネクタ(231)および前記絶縁部分(234)の間に位置している、請求項9に記載の慣性センサ(20)。
【請求項11】
前記慣性センサ(20)は、前記チップ(21)をさらに備え、前記チップ(21)は、前記カバー層(230)の、前記機械構造層(220)から離れている前記側上に配置されている、請求項9または10に記載の慣性センサ(20)。
【請求項12】
前記基板(211)の抵抗率は、10Ωmよりも大きい、請求項1から11のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
【請求項13】
前記基板(211)の材料は、ガラスであり、前記機械構造層(220)の材料は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンである、請求項1から12のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)を備える電子デバイス(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月31日に中国国家知識産権局に出願された、「慣性センサおよび電子デバイス」と題する中国特許出願第202111014475.2号の優先権を主張する。当該中国特許出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、慣性センサの分野および電子デバイスの分野に関し、より具体的には、慣性センサおよび電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
電子デバイスは、慣性センサ(慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)とも称され得る)を用いて電子デバイスの加速度および傾斜角などの動きステータスを検出して、例えば、電子デバイスの衝撃、回転および振動を識別し得る。さらに、電子デバイスは、ナビゲーション、配向、スクリーン回転およびカメラ手ぶれ補正などの機能を実装し得る。電子デバイスに適用される慣性センサの性能は、改善される必要がある。例えば、慣性センサの検出精度は、高いものであるべきである。別の例では、電子デバイス内の慣性センサにより占有される空間が最小化され得る。別の例では、慣性センサは、配線を容易にすべきである。
【発明の概要】
【0004】
本願は、慣性センサおよび電子デバイスを提供するものであり、電子デバイスに適用される慣性センサの性能を最適化することを目的としている。
【0005】
第1の態様によれば、積み重ねられた基板層、機械構造層およびカバー層が含まれる。機械構造層は、基板層およびカバー層の間の密閉された接続内にある。
【0006】
基板層は、基板を含む。基板は、絶縁体であり、機械構造層は、機械構造層および基板の間の密閉接続部分を形成するために、基板への密閉された接続内にあり、密閉接続部分は、絶縁体である。
【0007】
基板層は、第1の電気コネクタをさらに含む。第1の電気コネクタは、基板の、機械構造層に近い側へ取り付けられており、第1の電気コネクタは、内部ピンを含む。
【0008】
内部ピンの第1の端面は、基板と接触している。内部ピンの第2の端面は、機械構造層と接触している。内部ピンの側面は、第1の端面および第2の端面の間に接続されている。内部ピンの側面は、密閉接続部分と接触している。内部ピンは、機械構造層へ電気的に接続されている。
【0009】
基板は、接合処理を用いることにより機械構造層への密閉された接続内にあってよく、基板基部および機械構造層の間の密閉された接続を貫通して形成された部分に内部応力が生成され得る。内部応力は、内部ピンに作用してよく、その結果、基板基部および機械構造層の間の密閉された接続を貫通して形成された部分は、内部ピンに対して押圧し得る。内部ピンが圧縮力を受けた後、内部ピンにより伝送される信号の安定性が改善されてよく、また、第1の電気コネクタのインピーダンスが低減されてよい。
【0010】
いくつかの材料がガスを揮発させることがあり、機械構造層が真空度に関する高い要件を有しているので、基板は、機械構造層への密閉された接続内に直接配置される。これは、基板層、機械構造層およびカバー層を含むキャビティ内の慣性センサのコンポーネントによりガスが揮発される可能性を低減するのに役立ち、基板層、機械構造層およびカバー層を含むキャビティの真空度を維持するのに役立つ。
【0011】
基板は、機械構造層への密閉された接続内に直接配置され、その結果、基板および機械構造層は、容易に位置合わせされ得る。これは、基板を機械構造層と位置合わせおよび接続するための処理精度を低減するのに役立つ。
【0012】
基板は、機械構造層への密閉された接続内に直接配置されている。これは、慣性センサにより用いられる材料の低減およびこの材料を処理するためのプロセスの低減に役立つ。これはさらに、慣性センサを製造するためのコストを低減するのに役立つ。
【0013】
一実施形態において、機械構造層は、固定子および可動子を含み、固定子は、基板層へ固定されており、可動子は、固定子に対して移動し得る。第1の電気コネクタは、ラインおよび検出電極をさらに含み、ラインは、内部ピンおよび検出電極の間に電気的に接続されており、検出電極は、静電容量を生成するために可動子に対向して配置されている。慣性センサは、チップをさらに含み、チップは、内部ピンを用いることにより可動子を駆動して固定子に対して移動させ、かつ、ラインおよび検出電極を用いることにより、可動子および検出電極により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得するように構成されている。
【0014】
検出電極が絶縁基板上に配置されており、検出電極が可動子の近くに配置されているので、検出コンポーネントの検出電極および別の導体部分の間の距離が長く、検出結果に影響を及ぼす寄生容量の形成が容易ではなく、その結果、チップにより取得される結果は、より正確であり得る。このように、電子デバイスの動きステータスまたは慣性センサの動きステータスが、より正確に取得される。
【0015】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、基板は、基板溝を含み、第1の電気コネクタは、少なくとも部分的に、基板溝内に収容されている。
【0016】
第1の電気コネクタが少なくとも部分的に基板溝内に収容され得るので、検出コンポーネント内の第1の電気コネクタにより占有される空間(特に、厚さ方向において占有される空間)は、小さくてよい。第1の電気コネクタは、少なくとも部分的に、基板溝内に収容され得る。これは、第1の電気コネクタの厚さを増すことを容易にし、第1の電気コネクタのインピーダンスを低減するのに役立ち、さらに、慣性センサの検出性能を改善するのに役立つ。基板溝は、第1の電気コネクタのための収容空間を提供してよく、これは、第1の電気コネクタの厚さおよび第1の電気コネクタの配置などの構造パラメータを柔軟に設計するのに役立ち、その結果、第1の電気コネクタには、複数の導電層が設けられる。したがって、基板溝は、基板上に配置され、その結果、第1の電気コネクタのライン配置が疎になり得る。
【0017】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、基板層は、ライン保護層をさらに含む。ライン保護層は、基板の、機械構造層に近い側上に配置されており、通機械構造層および基板の間の密閉された接続を貫通して形成されたキャビティ内に位置している。ライン保護層は、第1の電気コネクタの外縁部の一部分に巻き付いている。
【0018】
ライン保護層は、絶縁され得る。ライン保護層は、ライン損傷の可能性を低減するのに役立つ。ライン保護層は、基板層、機械構造層およびカバー層を含む密閉されたまたは真空のキャビティ内に位置してよく、その結果、基板層および機械構造層は、直接接続される。
【0019】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、第1の電気コネクタは、第1の導電層および第2の導電層を含み、第1の導電層は、第1の電気コネクタのラインの第1の部分を含み、第2の導電層は、第1の電気コネクタのラインの第2の部分を含む。
【0020】
複数の導電層は、ラインジャンパの実装を容易にすることにより、フレキシブル配線を容易にし得る。慣性センサの静電容量検出性能を改善または維持するために、ライン間の間隔は、過度に小さくすべきではない。単層である第1の電気コネクタと比較して、複数の導電層が設けられた第1の電気コネクタのライン配置密度は、疎であってよい。これは、慣性センサの静電容量検出性能を改善または維持するのに役立つ。
【0021】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、基板層は、
基板の、第1の電気コネクタから離れている側へ取り付けられた第2の電気コネクタ;および
基板を貫通しており、かつ、第1の電気コネクタおよび第2の電気コネクタの間に電気的に接続されたビア
をさらに含む。チップは、第2の電気コネクタおよびビアを用いることにより、第1の電気コネクタへ電気的に接続されている。
【0022】
ビアを通じて、基板層、機械構造層およびカバー層を含む気密キャビティ内に位置する回路が、気密キャビティから引き出され得る。これは、チップ、および基板層における回路の間の電気接続を容易にし、さらに、慣性センサにより占有される横方向の空間を低減するのに役立つ。
【0023】
一実施形態において、第1の電気コネクタは、ラインおよび内部ピンをさらに含み、ラインは、内部ピンおよび検出電極の間に電気的に接続されている。
【0024】
第2の電気コネクタは、外部ピンを含み、外部ピンは、チップへ電気的に接続されている。
【0025】
ビアは、内部ピンおよび外部ピンの間に電気的に接続されている。
【0026】
チップのポートの変更が通常は難しいので、外部ピンがチップのポートとより容易に合致するようにすべく、ラインは、外部ピンの位置を調節するために、第1の電気コネクタを用いることにより配置され得る。基板層、機械構造層およびカバー層を含む気密キャビティの内部に第1の電気コネクタが位置しているので、第2の電気コネクタは、基板層、機械構造層およびカバー層を含む気密キャビティの外部に位置している。第2の電気コネクタの配置と比較して、ラインが第1の電気コネクタ上に優先的に配置されていることは、外部汚染物質によりラインが損傷する可能性を低減するのに役立つ。
【0027】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、第2の電気コネクタは、ビアを覆っており、かつ、基板への密閉された接続内にある。
【0028】
外部汚染物質がビアに入るのを防ぐために、第2の電気コネクタは、密閉され、基板へ取り付けられ得る。これは、慣性センサの検出精度を維持するのに役立つ。
【0029】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、第1の電気コネクタは、ビアを覆っており、かつ、基板への密閉された接続内にある。
【0030】
ビアを通過した外部汚染物質が基板層、機械構造層およびカバー層を含む気密キャビティに入るのを防ぐために、第1の電気コネクタは、密閉され、基板へ取り付けられ得る。これは、慣性センサの検出精度を維持するのに役立つ。
【0031】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、慣性センサは、チップをさらに含み、チップは、基板層の、機械構造層から離れている側上に配置されている。
【0032】
チップは、基板層に配置されている。これは、チップおよび機械構造層の間の電気接続を短縮させるのに役立ち、慣性センサのインピーダンスを低減するのに役立つ。
【0033】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、チップは、カバー層の、機械構造層から離れている側上に配置されており、カバー層は、
カバー基板、ここで、カバー基板は、導体であり、カバー基板は、機械構造層への密閉された接続内にあり、カバー基板は、第1の部分および第2の部分を含む;
絶縁部分、ここで、絶縁部分は、カバー基板を貫通しており、カバー基板の第1の部分およびカバー基板の第2の部分は、絶縁部分の両方の側上に位置している;および
第3の電気コネクタ、ここで、第3の電気コネクタは、カバー基板の、チップに近い側へ取り付けられており、第3の電気コネクタは、カバー基板の第1の部分を通じて機械構造層における第1の部分へ電気的に接続されており、第3の電気コネクタは、カバー基板の第2の部分および機械構造層における第2の部分(a)を通じて内部ピンへ電気的に接続されている、
を有する。
【0034】
絶縁部分は、カバー層に配置されており、その結果、カバー層は、互いに短絡しない複数の部分へ分割され得る。これは、カバー層を用いることにより信号伝送を容易にし、慣性センサの配線の柔軟性を改善する。
【0035】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、カバー基板の第1の部分および機械構造層は、接合コネクタにより接続されており、カバー基板の第1の部分は、溢流溝をさらに含み、溢流溝は、接合コネクタおよび絶縁部分の間に位置している。
【0036】
接合コネクタは、溢流溝へ高温で優先的に流れ得る。これは、接合コネクタがカバー基板の第1の部分からカバー基板の第2の部分へ流れる可能性を低減するのに役立ち、さらに、カバー基板の第1の部分およびカバー基板の第2の部分が導通される可能性を低減するのに役立つ。
【0037】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、慣性センサは、チップをさらに含み、チップは、カバー層の、機械構造層から離れている側上に配置されている。
【0038】
チップは、カバー層を用いることにより、機械構造層を制御し得る。これは、チップおよび機械構造層の間の電気接続の柔軟性を改善するのに役立つ。
【0039】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、基板の抵抗率は、10Ωmよりも大きい。
【0040】
基板の抵抗率は、高い。これは、慣性センサの、基板を用いることにより生成される寄生容量を低減するのに役立ち、さらに、慣性センサの検出精度を改善するのに役立つ。
【0041】
第1の態様に関連して、第1の態様のいくつかの実装において、基板の材料は、ガラスであり、機械構造層の材料は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンである。
【0042】
シリコン材料の処理プロセスは、成熟しており、ガラスの性能は、シリコンの性能と同様であり、例えば、ガラスの熱膨張係数は、シリコンの熱膨張係数に近くてよい。これは、慣性センサの機械的安定性を改善するのに役立つ。
【0043】
第2の態様によれば、第1の態様の任意の実装における慣性センサを含む電子デバイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本願の一実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
【0045】
図2】本願の一実施形態による慣性センサの構造の概略図である。
【0046】
図3】本願の一実施形態による別の慣性センサの構造の概略図である。
【0047】
図4】本願の一実施形態による慣性センサの構造の概略図である。
【0048】
図5図4における慣性センサの図である。
【0049】
図6図4における第1の電気コネクタの構造の概略図である。
【0050】
図7図4における機械構造層の構造の概略図である。
【0051】
図8】本願の一実施形態による別の慣性センサの構造の概略図である。
【0052】
図9図8における慣性センサの図である。
【0053】
図10図8における第1の電気コネクタの構造の概略図である。
【0054】
図11】本願の一実施形態によるさらに別の慣性センサの構造の概略図である。
【0055】
図12】本願の一実施形態によるさらに別の慣性センサの構造の概略図である。
【0056】
図13図12における第1の導電層の構造の概略図である。
【0057】
図14図12における第2の導電層の構造の概略図である。
【0058】
図15】本願の一実施形態によるまたさらに別の慣性センサの構造の概略図である。
【0059】
図16図15における第3の電気コネクタの構造の概略図である。
【0060】
図17図15における第1の電気コネクタの構造の概略図である。
【0061】
図18図8における慣性センサの処理方法の概略フローチャートである。
【0062】
図19図8における慣性センサの処理方法の概略フローチャートである。
【0063】
図20図8における慣性センサの処理方法の概略フローチャートである。
【0064】
図21図8における慣性センサの処理方法の概略フローチャートである。
【0065】
図22図8における慣性センサの処理方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下では、添付図面を参照して、本願の技術的解決手段を説明する。
【0067】
図1は、本願の一実施形態による電子デバイス100の構造の概略図である。例えば、電子デバイス100は、端末消費者製品または3C電子製品(コンピュータ(computer)、通信(communication)または消費者(consumer)電子製品)、例えば、携帯電話、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダ、ノートブックコンピュータ、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、ヘッドセット、ウォッチまたはスタイラスなどのデバイスであってよい。電子デバイス100が携帯電話である例を用いることにより、図1に示される一実施形態を説明する。
【0068】
電子デバイス100は、ハウジング11、ディスプレイ12および回路基板アセンブリ13を含み得る。具体的には、ハウジング11は、フレームおよびリアカバーを含み得る。フレームは、ディスプレイ12およびリアカバーの間に位置し得る。フレームは、ディスプレイ12の外縁部を囲むと共に、リアカバーの外縁部を囲み得る。ディスプレイ12、フレームおよびリアカバーの間に形成されたキャビティは、回路基板アセンブリ13を収容するように構成され得る。回路基板アセンブリ13は、回路基板、および回路基板上に配置された慣性センサ20を含み得る。回路基板は、例えば、メインボードまたはサブボードであってよい。
【0069】
図2および図3は、慣性センサ20の2つの実施形態を示す。図2に示される一実施形態において、慣性センサ20は、加速度センサであってよく、またはジャイロスコープであってよく、または加速度センサおよびジャイロスコープを統合してよい。図3に示される一実施形態において、慣性センサ20は、ジャイロスコープおよび加速度センサを統合し得る。慣性センサ20が加速度センサおよびジャイロスコープを統合している一実施形態において、慣性センサ20は、加速度センサの機能およびジャイロスコープの機能の両方を実装できるセンサであってよい。
【0070】
ジャイロスコープセンサは、電子デバイス100の動き姿勢を判定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、3つの軸(つまり、X、YおよびZ軸)を中心とする電子デバイス100の角速度は、ジャイロスコープセンサを用いることにより判定され得る。ジャイロスコープセンサは、手ぶれ補正に用いられ得る。例えば、シャッタが押圧された場合、ジャイロスコープセンサは、電子デバイス100の揺れ(jitter)の角度を検出し;レンズモジュールが補償する必要がある距離を、この角度に基づいて計算し;レンズが逆の動きを通じて電子デバイス100の揺れを相殺して手ぶれ補正を実装することを可能にする。ジャイロスコープセンサは、ナビゲーションシナリオおよび体感ゲームシナリオにおいても用いられ得る。
【0071】
加速度センサは、各方向(一般的に、3つの軸)における電子デバイス100の加速度値を検出し得る。電子デバイス100が静止している場合、重力の大きさおよび方向が検出されてよい。加速度センサはさらに、電子デバイス100の姿勢を識別するように構成されてよく、横長モードおよび縦長モードの間の切り替えまたは歩数計などの用途に適用される。
【0072】
図2および図3に示されるように、慣性センサ20は、チップ21および1つまたは複数の検出コンポーネント22を含み得る。検出コンポーネント22の一部または全部は、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system、MEMS)とも称され得る。チップ21は、検出コンポーネント22へ電気的に接続され得る。図2に示される一実施形態において、慣性センサ20は、単一の検出コンポーネント22を含み得る。チップ21は、検出コンポーネント22を用いることにより、加速度および/または角速度に関連する信号を取得し得る。図3に示される一実施形態において、慣性センサ20は、2つの検出コンポーネント22を含み得る。チップ21は、1つの検出コンポーネント22を用いることにより、信号に関連する加速度を取得し、別の検出コンポーネント22を用いることにより、信号に関連する角速度を取得し得る。
【0073】
図1図2および図3を参照して、以下では、慣性センサ20を用いることにより電子デバイス100の動きステータスを取得する原理を説明する。
【0074】
検出コンポーネント22は、可動子、固定子および検出電極を含み得る。固定子は、電子デバイス100内に固定され得る。可動子は、固定子に対して移動し得る。固定子および可動子の間には間隙が存在し、その結果、固定子および可動子は、静電容量を生成し得る。固定子および可動子により生成される静電容量は、可動子を駆動することで固定子に対して移動させるために用いられ得る。静電容量は、可動子および検出電極の間に生成され得る。可動子および検出電極により生成される静電容量は、電子デバイス100の動きステータスを検出するために用いられ得る。一実施形態において、可動子および固定子は、例えば、櫛構造を含み得る。櫛のような可動子は、可動櫛であってよい。櫛のような固定子は、固定櫛であってよい。
【0075】
チップ21は、検出コンポーネント22の可動子を駆動することで固定子に対して予め設定された周波数で振動させるために、交流信号を検出コンポーネント22へ送信し得る。振動は基本的に、検出電極および可動子の間の間隔を変化させず、検出電極および可動子により生成される静電容量の静電容量値は基本的に、不変のままである。したがって、電子デバイス100内で動き(並進、または回転等を含む)が発生しない場合、検出電極および可動子により生成される静電容量の静電容量値は基本的に、それに対応して不変のままである。電子デバイス100が移動する場合、電子デバイス100の動きにより、可動子に追加の力がかかり得る。この力により検出電極および可動子の間の間隔が変化することで、検出電極および可動子により生成される静電容量の静電容量値が変化し得る。チップ21は、検出電極および可動子により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得することで、電子デバイス100の動きステータスに関連する信号を取得し得る。
【0076】
チップ21および検出コンポーネント22は、検出コンポーネント22上の複数のピンを用いることにより、検出コンポーネント22へ電気的に接続され得る。チップ21は、ワイヤ接合(wire bonding)、スポットはんだ付け、導電接合または導電材料コーティング等などの方式で、複数のピンへ電気的に接続され得る。チップ21は、複数のピンのうちのいくつかを用いることにより検出コンポーネント22上の可動子を駆動することで振動させ得る。チップ21はさらに、複数のピンのうちの他のものを用いることにより、固定子および可動子により生成される静電容量の静電容量値を取得し得る。
【0077】
検出コンポーネント22は、主に導電材料で作られていてよい。動きステータス検出に関連する導電部分に加え、互いに切断された他の導電部分が互いに極めて近くに配置される場合、寄生容量が生成され得る。結果として、チップ21により検出コンポーネント22から取得される静電容量検出結果の確度が影響を受け得る。
【0078】
図4は、本願の一実施形態による慣性センサ20の構造の概略図である。図4に示される慣性センサ20は、図1に示される慣性センサ20に対応し得る。
【0079】
慣性センサ20は、チップ21および検出コンポーネント22を含み得る。検出コンポーネント22は、積み重ねられた基板層210、機械構造層220およびカバー層230を含み得る。機械構造層220は、カバー層230および基板層210の間に位置し得る。機械構造層220は、MEMS層とも称され得る。機械構造層220は、検出コンポーネント22の重要な層であってよい。機械構造層220は、導体材料で作られていてよく、または主に導体材料で作られていてよい。機械構造層220は、固定子221および可動子222を含み得る。図4に示される一実施形態において、チップ21は、カバー層230上に配置され得る。別の実施形態におけるチップ21は、代替的に、基板層210に配置され得る。
【0080】
接合を通じて、機械構造層220は、基板層210へ固定されてよく、機械構造層220は、基板層210への密閉された接続内にある。接合を通じて、カバー層230は、機械構造層220へ固定されてよく、カバー層230は、機械構造層220への密閉された接続内にある。したがって、電子デバイス100の動きステータスを検出するための慣性センサ20のコンポーネント(図4に示される可動子222および検出電極241等)は、基板層210、機械構造層220およびカバー層230を含む気密キャビティ内に収容され得る。
【0081】
基板層210は、基板211を含み得る。基板211は、絶縁材料(例えば、ガラス)を用いることにより準備され得る。基板211は、機械構造層220への密閉された接続内にあってよい。基板211および機械構造層220の間の密閉接続部分215は、絶縁体であってよい。言い換えると、機械構造層220における信号は、密閉接続部分215を通じて導通されないことがある。
【0082】
いくつかの実施形態において、基板211の抵抗率は、10Ωmよりも大きい。いくつかの他の実施形態において、基板211の熱膨張係数は、機械構造層220の熱膨張係数に近くてよい。接合処理では一般的に熱が必要とされるので、基板211の熱膨張係数が機械構造層220の熱膨張係数に近いことは、基板211および機械構造層220の間の接合関係の安定性を改善するのに役立つと共に、基板層210または機械構造層220に亀裂が生成される可能性を低減する。これは、慣性センサの機械的安定性を改善するのに役立つ。
【0083】
一実施形態において、基板211は、ガラスを用いることにより準備されてよく、機械構造層220は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いることにより準備されてよい。図4に示されるように、基板211および機械構造層220は、基板211および機械構造層220の間の密閉された接続を実装するために、陽極接合を通じて統合され得る。陽極接合に用いられる温度は、低くてよい。これは、基板211および機械構造層220の内部応力を低減するのに役立つ。
【0084】
基板層210は、基板211上に配置された第1の電気コネクタ212をさらに含み得る。第1の電気コネクタ212は、基板211の、機械構造層220に近い側へ取り付けられ得る。
【0085】
例えば、第1の電気コネクタ212は、検出電極241を含み得る。検出電極241は、機械構造層220における可動子222に対向して配置され得る。検出電極241により出力される信号が、チップ21へ伝送され得る。
【0086】
別の例では、第1の電気コネクタ212は、内部ピン242および外部ピン243をさらに含み得る。内部ピン242は、機械構造層220における固定子221へ接続され得る。外部ピン243は、チップ21へ電気的に接続され得る。図4に示される一実施形態において、チップ21は、電気接続ワイヤ245を用いることにより、外部ピン243へ電気的に接続され得る。
【0087】
内部ピン242は、基板211および機械構造層220を含む密閉接続部分215と接触し得る。内部ピン242は、基板層210と平行に配置された第1の端面および第2の端面を含み得る。第1の端面は、機械構造層220と接触していてよく、第2の端面は、基板層210と接触していてよい。このように、内部ピン242は、機械構造層220へ電気的に接続され得る。内部ピン242は、第1の端面および第2の端面の間に接続された側面をさらに含んでよく、側面は、密閉接続部分215と接触し得る。図4に示される一実施形態において、内部ピン242には、密閉接続部分215が巻き付けられ得る。別の実施形態において、内部ピン242の一方の側には、密閉接続部分215が巻き付けられていてよく、他方の側には、密閉接続部分215の外へ延在していてよい。
【0088】
別の例では、第1の電気コネクタ212は、ライン(図4)には示されていない)をさらに含み得る。ラインは、検出電極241および内部ピン242の間に電気的に接続されてよく、代替的に、内部ピン242および外部ピン243の間に電気的に接続されてよく、代替的に、検出電極241および外部ピン243の間に電気的に接続されてよい。
【0089】
基板211および機械構造層220を含む密閉接続部分215をラインが通過する場合、密閉接続部分は、ラインの側面と接触し得る。
【0090】
一実施形態において、チップ21は、第1の電気コネクタ212の外部ピン243、ラインおよび内部ピン242を用いることにより、機械構造層220における固定子221へ電気信号を出力してよく、その結果、機械構造層220における可動子222は、固定子221に対して移動する。
【0091】
別の実施形態において、チップ21の1つのポートは、第1の電気コネクタ212の外部ピン243およびラインを用いることにより、第1の電気コネクタ212の検出電極241へ電気的に接続されてよく、チップ21の別のポートは、第1の電気コネクタ212の外部ピン243、ラインおよび内部ピン242を用いることにより、機械構造層220における可動子222へ電気的に接続されてよく、その結果、チップ21は、検出電極241および可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。
【0092】
図4に示される基板層210に配置された検出電極241に加え、検出電極が、代替的に、慣性センサの別の位置に配置され得る。例えば、検出電極は、機械構造層220における固定子221上に配置され得る。別の例では、検出電極は、カバー層230の、機械構造層220に近い側上に配置され得る。
【0093】
検出電極241が絶縁基板211上に配置されており、検出電極241が可動子222の近くに配置されているので、検出コンポーネント22の検出電極241および別の導体部分の間の距離が長く、検出結果に影響を及ぼす静電容量の形成が容易ではなく、その結果、チップ21により取得される静電容量値の変化は、より正確であり得る。このように、電子デバイスの動きステータスまたは慣性センサ20の動きステータスが、より正確に取得される。
【0094】
いくつかの実施形態において、基板層210は、ライン保護層をさらに含み得る。ライン保護層は、基板211の、機械構造層220に近い側上に配置され得る。ライン保護層は、絶縁され得る。ライン保護層は、第1の電気コネクタ212のラインの外縁部の少なくとも一部分に巻き付き得る。例えば、第1の電気コネクタ212のラインは、ライン保護層および基板211の間に取り付けられ得る。ライン保護層は、ピン開口を含み得る。第1の電気コネクタ212の内部ピン242または外部ピン243は、ピン開口内に収容されてよく、ライン保護層は、露出されている。これは、外部ピン243およびチップ21の間の電気接続または内部ピン242および機械構造層220の間の電気接続を実装するのに役立つ。
【0095】
機械構造層220およびカバー層230の間を接合する方式は、例えば、陽極接合または共晶接合であってよい。
【0096】
一実施形態において、カバー層230は、共晶接合を通じて機械構造層220への密閉された接続内にあってよい。図4に示されるように、接合部分が、カバー層230および機械構造層220の両方に予め配置されている。カバー層230における接合部分および機械構造層220における接合部分が熱を通じて統合されることで、カバー層230および機械構造層220の間に接続される接合コネクタ231が形成され、カバー層230および機械構造層220の間の密閉された接続が実装され得る。カバー層230および機械構造層220は、例えば、単結晶シリコンで作られていてよい。
【0097】
別の実施形態において、カバー層230および機械構造層220は、カバー層230および機械構造層220の間の密閉された接続を実装するために、陽極接合を通じて統合され得る。カバー層230は、例えば、単結晶シリコンで作られていてよい。機械構造層220は、例えば、多結晶シリコンで作られていてよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、カバー層230は、主に絶縁材料または導体材料で作られていてよい。例えば、カバー層230は、ガラス、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンで作られていてよい。カバー層230は、絶縁材料、例えばガラスを用いることにより準備される。これは、検出結果に影響を及ぼす静電容量をカバー層230、および機械構造層220における可動子222が生成する可能性を低減するのに役立つ。カバー層230は、導体材料、例えば単結晶シリコンを用いることにより準備され、その結果、カバー層230は、慣性センサ20の導電回路を形成するために用いられる。
【0099】
図4に示されるように、カバー層230は、溝をさらに含んでよく、溝は、機械構造層220における可動子222に対向して配置され得る。溝の窪み方向は、可動子222から離れている方向であってよい。溝がカバー層230に配置されていることは、検出結果に影響を及ぼす静電容量をカバー層230および可動子222が生成する可能性を低減するのに役立つ。
【0100】
図5に示される構造の概略図を取得するために、慣性センサ20は、図4に示されるZ方向において観察され得る。図6に示される構造の概略図を取得するために、基板211上の第1の電気コネクタ212は、図4に示されるZ方向において観察され得る。図5に示される慣性センサ20または図6に示される第1の電気コネクタ212は一実施形態に過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本願において提供される解決手段に基づいて、別の可能な構造を容易に推定し得る。例えば、第1の電気コネクタ212は、代替的に、より多くのまたはより少ないコンポーネントを含み得る。
【0101】
図5に示されるように、チップ21は、ポート25a、ポート25bおよびポート25cを含み得る。基板層210における第1の電気コネクタ212は、外部ピン243a、外部ピン243bおよび外部ピン243cを含み得る。外部ピン243aは、電気接続ワイヤ245aを用いることにより、ポート25aへ電気的に接続され得る。外部ピン243bは、電気接続ワイヤ245bを用いることにより、ポート25bへ電気的に接続され得る。外部ピン243cは、電気接続ワイヤ245cを用いることにより、ポート25cへ電気的に接続され得る。別の実施形態において、チップ21のポート、および外部ピン243は、代替的に、はんだボール、導電性充填剤または導電性接着剤等を用いることにより、電気的に接続され得る。
【0102】
図6に示されるように、基板層210における第1の電気コネクタ212は、ライン244a、ライン244bおよびライン244cをさらに含み得る。基板層210における第1の電気コネクタ212は、検出電極241a、検出電極241bおよび内部ピン242をさらに含み得る。ライン244aは、検出電極241aおよび外部ピン243aの間に電気的に接続され得る。ライン244bは、検出電極241bおよび外部ピン243bの間に電気的に接続され得る。ライン244cは、内部ピン242および外部ピン243cの間に電気的に接続され得る。内部ピン242は、図4に示される機械構造層220へ電気的に接続され得る。図4を参照すると、検出電極241aは、機械構造層220における1つの可動子222に対向して配置されてよく、検出電極241bは、機械構造層220における別の可動子222に対向して配置されてよい。
【0103】
図5および図6に示されるように、チップ21は、外部ピン243a、ライン244a、検出電極241a、外部ピン243c、ライン244cおよび内部ピン242を用いることにより、検出電極241a、および機械構造層220における可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピン243b、ライン244b、検出電極241b、外部ピン243c、ライン244cおよび内部ピン242を用いることにより、検出電極241bおよび可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピン243c、ライン244cおよび内部ピン242を用いることにより可動子222を駆動することで、機械構造層220における固定子221に対して移動させ得る。
【0104】
図7に示される構造の概略図を取得するために、機械構造層220は、図4に示されるZ方向において観察され得る。図7は、機械構造層220の可能な実施形態を示す。本願の実施形態において提供される機械構造層220は、図7に示される一実施形態に限定されなくてよい。
【0105】
機械構造層220は、固定櫛2210および可動櫛2220を含み得る。固定櫛2210は、図4に示される固定子221に属し得る。可動櫛2220は、図4に示される可動子222に属し得る。固定櫛2210は、慣性センサ20に対して一体的に固定され得る。可動櫛2220は、固定櫛2210に対して移動し得る。図4を参照すると、可動櫛2220は、可動櫛2220および検出電極241を用いることにより静電容量を生成するために、基板層210における検出電極241に対向して配置され得る。可動櫛2220および検出電極241により生成される静電容量の静電容量値は、慣性センサ20の動きステータスを示し得る。
【0106】
固定櫛2210および可動櫛2220は、互い違いに配置され得る。固定櫛2210は、複数の第1の櫛2211を含んでよく、可動櫛2220は、複数の第2の櫛2221を含んでよい。固定櫛2210の第1の櫛2211は、可動櫛2220の2つの第2の櫛2221の間の間隙へ延在し得る。可動櫛2220の第2の櫛2221は、固定櫛2210の2つの第1の櫛2211の間の間隙へ延在し得る。言い換えると、2つの隣接する第1の櫛2211の間には第2の櫛2221が存在し、2つの隣接する第2の櫛2221の間には第1の櫛2211が存在する。静電容量を生成するために、互いに隣接する第1の櫛2211および第2の櫛2221の間には間隙が存在する。
【0107】
機械構造層220は、第1のアンカーエリア2212および第2のアンカーエリア2213をさらに含み得る。第1のアンカーエリア2212および第2のアンカーエリア2213は、図4に示される固定子221に属し得る。第1のアンカーエリア2212および第2のアンカーエリア2213は、慣性センサ20に対して一体的に固定され得る。第1のアンカーエリア2212および第2のアンカーエリア2213は、可動櫛2220の両方の端部へ接続されてよく、可動櫛2220へ電気的に接続されてよい。チップ21は、第1のアンカーエリア2212および第2のアンカーエリア2213に交流信号を印加してよく、可動櫛2220は、交流信号に基づき固定櫛2210に対して移動してよい。例えば、可動櫛2220は、第1のアンカーエリア2212に近い、第2のアンカーエリア2213から離れている方向に移動し得る。別の例では、可動櫛2220は、第2のアンカーエリア2213に近い、第1のアンカーエリア2212から離れている方向に移動し得る。可動櫛2220の振動方向は、第1のアンカーエリア2212から第2のアンカーエリア2213への方向および第2のアンカーエリア2213から第1のアンカーエリア2212への方向を含み得る。
【0108】
機械構造層220は、第1の伸縮エリア2222および第2の伸縮エリア2223をさらに含み得る。第1の伸縮エリア2222および第2の伸縮エリア2223は、図4に示される可動子222に属し得る。第1の伸縮エリア2222は、第1のアンカーエリア2212、および可動櫛2220の第1の端部の間に接続されてよく、第2の伸縮エリア2223は、第2のアンカーエリア2213、および可動櫛2220の第2の端部の間に接続されてよい。可動櫛2220が第1のアンカーエリア2212に近く、第2のアンカーエリア2213から離れている場合、第1の伸縮エリア2222は、圧縮されてよく、第2の伸縮エリア2223は、伸長されてよい。可動櫛2220が第2のアンカーエリア2213に近く、第1のアンカーエリア2212から離れている場合、第1の伸縮エリア2222は、伸長されてよく、第2の伸縮エリア2223は、圧縮されてよい。
【0109】
慣性センサ20が動きステータスにある、例えば、慣性センサ20が回転または加速させられる場合、可動櫛2220は、可動櫛2220の駆動方向に垂直な方向に移動し得る。例えば、可動櫛2220の一部分が、図3Dの紙面に垂直な方向における変位を有し得る。図4および図7を参照すると、可動櫛2220および検出電極241により生成される静電容量の静電容量値を変化させるために、可動櫛2220および検出電極241の間の間隔が変化し得る。例えば、可動櫛2220の中心は、第1のアンカーエリア2212および第2のアンカーエリア2213を用いることにより、慣性センサ20に対して一体的に固定されてよく、可動櫛2220の、固定櫛2210に近い側は、検出電極241に近くてよく、または検出電極241から離れていてよい。第1の伸縮エリア2222および第2の伸縮エリア2223は、それに対応して伸長または圧縮され得る。
【0110】
図4から図7に示される実施形態において、カバー層230は、チップ21および機械構造層220の間の電気接続に関与しなくてよい。別の可能な実施形態において、カバー層230は、代替的に、チップ21および機械構造層220の間の電気接続に関与してよい。例えば、カバー層230は、カバー基板および電気コネクタを含み得る。カバー基板は、絶縁材料を用いることにより準備される。電気コネクタは、例えば、カバー基板の、機械構造層220に近い側上に配置されてよく、機械構造層220へ電気的に接続される。電気コネクタは、例えば、接合コネクタであってよい。カバー基板上の電気コネクタは、例えば、電極、ラインまたはピンであってよい。カバー層230における電気コネクタの関連する説明については、本願において提供される一実施形態の基板層210における第1の電気コネクタ212の関連する説明を参照されたい。
【0111】
図8は、本願の一実施形態による別の慣性センサ20の構造の概略図である。
【0112】
図4に示される慣性センサ20と同様に、図8に示される慣性センサ20は、チップ21および検出コンポーネント22を含み得る。検出コンポーネント22は、積み重ねられた基板層210、機械構造層220およびカバー層230を含み得る。機械構造層220は、基板層210およびカバー層230の間に位置し得る。基板層210およびカバー層230の間の気密キャビティを形成するために、基板層210は、機械構造層220への密閉された接続内にあってよく、カバー層230は、機械構造層220への密閉された接続内にあってよい。機械構造層220は、可動子222および固定子221を含んでよく、固定子221は、基板層210へ固定されてよく、可動子222は、基板層210およびカバー層230の間の気密キャビティ内の固定子221に対して移動してよい。基板層210は、絶縁基板211、および基板211上に配置された第1の電気コネクタ212を含み得る。チップ21は、第1の電気コネクタ212を用いることにより可動子222を駆動することで、固定子221に対して高周波で振動させ得る。チップ21はさらに、第1の電気コネクタ212を用いることにより、検出電極241および可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。
【0113】
図4に示される一実施形態および図8に示される一実施形態の間の相違点は、チップ21が、基板層210の、機械構造層220から離れている側上に配置され得ることである。基板211は、第1の電気コネクタ212および第2の電気コネクタ213を含み得る。第1の電気コネクタ212および第2の電気コネクタ213は、基板211の2つの側へ取り付けられる。第1の電気コネクタ212は、基板211の、機械構造層220に近い側上に配置され得る。第2の電気コネクタ213は、基板211の、機械構造層220から離れている側上に配置され得る。基板211は、ビア214をさらに含み得る。ビア214は、基板211を貫通してよく、第1の電気コネクタ212および第2の電気コネクタ213の間に電気的に接続される。
【0114】
第1の電気コネクタ212の特定の実装については、図4に示される第1の電気コネクタ212の特定の実装を参照されたい。
【0115】
第2の電気コネクタ213は、外部ピン243を含み得る。例えば、外部ピン243は、ビア214へ接続され得る。外部ピン243は、ビア214に対向して配置され得る。チップ21は、外部ピン243、ビア214および第1の電気コネクタ212を用いることにより可動子222を駆動することで、固定子221に対して振動させ、可動子222および検出電極241により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、第2の電気コネクタ213は、ラインをさらに含んでよく、ラインは、例えば、ビア214および外部ピン243の間に電気的に接続されてよい。一実施形態において、ラインを保護するために、ライン保護層はさらに、基板211の、機械構造層220から離れている側上に配置され得る。ライン保護層は、絶縁され得る。ライン保護層は、ラインの外縁部の少なくとも一部分に巻き付き得る。例えば、ラインは、ライン保護層および基板211の間に取り付けられ得る。ライン保護層は、ピン開口を含み得る。外部ピン243は、ピン開口内に収容されてよく、ライン保護層は、露出される。これは、外部ピン243およびチップ21の間の電気接続を実装するのに役立つ。ビア214に外部汚染物質が入る可能性を低減するために、ラインの1つのコンポーネント、外部ピン243またはライン保護層は、ビアを覆ってよく、このコンポーネントは、基板211への密閉された接続内にあってよい。
【0117】
図9に示される構造の概略図を取得するために、慣性センサ20は、図8に示されるZ方向に対向する方向において観察され得る(基板基部211上の第2の電気コネクタ213およびビア214は、点線により示されている)。図10に示される構造の概略図を取得するために、基板211上の第1の電気コネクタ212は、図8に示されるZ方向において観察され得る。図9に示される慣性センサ20、第2の電気コネクタ213、または図10に示される第1の電気コネクタ212は一実施形態に過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本願において提供される解決手段に基づいて、別の可能な構造を容易に推定し得る。例えば、第1の電気コネクタ212および第2の電気コネクタ213は、代替的に、より多いまたはより少ないコンポーネントを含み得る。
【0118】
チップ21がポートa、ポートbおよびポートcを含み得る、と仮定する。図9に示されるように、基板層210における第2の電気コネクタ213は、外部ピン243a、外部ピン243bおよび外部ピン243cを含み得る。外部ピン243aは、ポートaへ電気的に接続され得る。外部ピン243bは、ポートbへ電気的に接続され得る。外部ピン243cは、ポートcへ電気的に接続され得る。図9に示される一実施形態において、チップ21のポートおよび外部ピン243の間の電気接続の方式は、例えば、はんだボールを用い得る。チップ21のポート、および外部ピン243は、代替的に、電気接続ワイヤ、導電性充填剤または導電性接着剤等を用いることにより電気的に接続され得る。
【0119】
図10に示されるように、基板層210における第1の電気コネクタ212は、ライン244aおよびライン244bをさらに含み得る。基板層210における第1の電気コネクタ212は、検出電極241aおよび検出電極241bをさらに含み得る。基板層210における第1の電気コネクタ212は、内部ピン242a、内部ピン242bおよび内部ピン242cをさらに含み得る。ライン244aは、検出電極241aおよび内部ピン242aの間に電気的に接続され得る。ライン244bは、内部ピン242bおよび内部ピン242cの間に電気的に接続され得る。内部ピン242cは、図4に示される機械構造層220へ電気的に接続され得る。図4を参照すると、検出電極241aは、機械構造層220における1つの可動子222に対向して配置されてよく、検出電極241bは、機械構造層220における別の可動子222に対向して配置されてよい。
【0120】
図9および図10に示されるように、基板層210は、ビア214a、ビア214bおよびビア214cをさらに含み得る。ビア214aは、内部ピン242aおよび外部ピン243aの間に電気的に接続され得る。ビア214bは、内部ピン242bおよび外部ピン243bの間に電気的に接続され得る。ビア214cは、検出電極241bおよび外部ピン243cの間に電気的に接続され得る。
【0121】
図9および図10に示されるように、チップ21は、外部ピン243a、ビア214a、内部ピン242a、ライン244a、検出電極241a、外部ピン243b、ビア214b、内部ピン242b、ライン244bおよび内部ピン242cを用いることにより、検出電極241a、および機械構造層220における可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピン243c、ビア214c、検出電極241b、外部ピン243b、ビア214b、内部ピン242b、ライン244bおよび内部ピン242cを用いることにより、検出電極241bおよび可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピン243b、ビア214b、内部ピン242b、ライン244bおよび内部ピン242cを用いることにより可動子222を駆動することで、機械構造層220における固定子221に対して移動させ得る。
【0122】
図8から図10に示される実施形態において、慣性センサ20の外部ピン243は、第1の電気コネクタ212上のラインおよび/または第2の電気コネクタ213上のラインを用いることにより、チップ21のポートに対応して配置され得る。これは、慣性センサ20の外部ピン243およびチップ21のポートの間の安定的な固定および接続方式を実装するのに役立つことがあり、例えば、はんだボール、導電性充填剤または接着剤の方式が用いられる。
【0123】
図11は、本願の一実施形態によるさらに別の慣性センサ20の構造の概略図である。図11に示される慣性センサ20および図8から図10に示される慣性センサ20の間のわずかな相違点は、ビア214aが検出電極241aおよび外部ピン243aの間に接続されてよく、ビア214bが内部ピン242および外部ピン243bの間に接続されてよく、ビア214cが検出電極241bおよび外部ピン243cの間に接続されてよいことである。言い換えると、必要な場合、第1の電気コネクタ212および第2の電気コネクタ213の間の電気接続関係において、不要なラインまたは不要な内部ピン等は、慣性センサのインピーダンスを低減するために省略され得る。
【0124】
図8から図11に示される実施形態において、カバー層230は、チップ21および機械構造層220の間の電気接続に関与しなくてよい。別の可能な実施形態において、カバー層230は、代替的に、チップ21および機械構造層220の間の電気接続に関与してよい。例えばは、カバー層230は、カバー基板、電気コネクタ1および電気コネクタ2を含み得る。カバー基板は、絶縁材料を用いることにより準備される。電気コネクタ1は、例えば、カバー基板の、機械構造層220に近い側上に配置されてよく、機械構造層220へ電気的に接続される。電気コネクタ2は、基板の、機械構造層220から離れている側上に配置され得る。カバー層230は、カバー基板を貫通するビアをさらに含み得る。カバー基板を貫通するビアは、電気コネクタ1および電気コネクタ2の間に電気的に接続され得る。電気コネクタ1または電気コネクタ2は、例えば、電極、ラインまたはピンのうちの1つまたは複数を含み得る。カバー層230における電気コネクタ2の関連する説明については、本願において提供される一実施形態の基板層210における第2の電気コネクタ213の関連する説明を参照されたい。カバー層230におけるビアの関連する説明については、本願において提供される一実施形態における基板層210におけるビア214の関連する説明を参照されたい。
【0125】
図11は、本願の一実施形態によるさらに別の慣性センサ20の構造の概略図である。
【0126】
図8に示される慣性センサ20と同様に、図11に示される慣性センサ20は、チップ21および検出コンポーネント22を含み得る。検出コンポーネント22は、積み重ねられた基板層210、機械構造層220およびカバー層230を含み得る。機械構造層220は、基板層210およびカバー層230の間に位置し得る。基板層210およびカバー層230の間の気密キャビティを形成するために、基板層210は、機械構造層220への密閉された接続内にあってよく、カバー層230は、機械構造層220への密閉された接続内にあってよい。機械構造層220は、可動子222および固定子221を含んでよく、固定子221は、基板層210へ固定されてよく、可動子222は、基板層210およびカバー層230の間の気密キャビティ内の固定子221に対して移動してよい。基板層210は、絶縁基板211を含んでよく、基板211の2つの側上に配置された第1の電気コネクタ212および第2の電気コネクタ213をさらに含んでよく、第1の電気コネクタ212および第2の電気コネクタ213の間に電気的に接続されたビア214をさらに含んでよい。チップ21は、基板層210の、機械構造層220から離れている側上に配置され得る。チップ21は、第2の電気コネクタ213、ビア214および第1の電気コネクタ212を用いることにより、可動子222を駆動することで、固定子221に対して高周波で振動させ得る。チップ21はさらに、第1の電気コネクタ212、ビア214および第2の電気コネクタ213を用いることにより、検出電極241および可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。
【0127】
図11に示される一実施形態および図8に示される一実施形態の間の相違点は、積み重ねられた複数の導電層を第1の電気コネクタ212が含み得ることである。複数の導電層は、例えば、第1の導電層2461および第2の導電層2462を含み得る。第1の導電層2461は、検出電極、ライン、内部ピンまたは外部ピンのうちの1つまたは複数を含み得る。第2の導電層2462は、ラインであってよい。第1の導電層2461は、第2の導電層2462の、機械構造層220に近い側上に配置され得る。第1の導電層2461は、第1の電気コネクタ212のラインの第1の部分を含んでよく、第2の導電層2462は、第1の電気コネクタ212のラインの第2の部分を含んでよい。
【0128】
いくつかの実施形態において、基板層210は、ライン保護層247をさらに含み得る。ライン保護層247は、絶縁され得る。ラインは、基板211の、機械構造層220に近い側へ取り付けられ得る。ライン保護層247は、第1の電気コネクタ212の外縁部の少なくとも一部分に巻き付き得る。ライン保護層247は、第1の電気コネクタ212の複数の導電層の、機械構造層220に近い側上に露出され得る。ライン保護層247の外部に露出する、第1の電気コネクタ212の一部分(例えば、第1の導電層2461の一部分)は、別のコンポーネント(例えば、機械構造層220、および、別の例では、チップ21)へ電気的に接続され得る。代替的に、ライン保護層247の外部に露出する、第1の電気コネクタ212の一部分は、可動子222と共に静電容量を生成し得る。第1の電気コネクタ212が酸化される可能性を低減するために、第1の電気コネクタ212の露出されていない部分(例えば、第2の導電層2462)は、ライン保護層247内にカプセル化され得る。
【0129】
図11に示されるように、第1の導電層2461は、第1の電気コネクタ212の、機械構造層220に最も近い導電層であってよい。ライン保護層247は、第1の導電層2461の、基板211に近い端面、および第1の導電層2461の側面に巻き付き得る。ライン保護層247は、少なくとも部分的に、第1の導電層2461の、機械構造層220に近い端面上に露出され得る。例えば、検出電極241、外部ピンまたは内部ピンは、ライン保護層247の外部に露出され得る。第2の導電層2462は、基板基部211およびライン保護層247の間に取り付けられ得る。第2の導電層2462を保護するために、ライン保護層247は、第2の導電層2462を覆い、第2の導電層2462に巻き付き得る。
【0130】
いくつかの実施形態において、基板211は、第1の基板溝2111を含み得る。第1の電気コネクタ212は、部分的に、または全体的に、第1の基板溝2111内に収容され得る。第1の電気コネクタ212が少なくとも部分的に第1の基板溝2111内に収容され得るので、検出コンポーネント22内の第1の電気コネクタ212により占有される空間(特に、厚さ方向において占有される空間)は、小さくてよい。第1の電気コネクタ212は、少なくとも部分的に、第1の基板溝2111内に収容され得る。これは、第1の電気コネクタ212の厚さを増すことを容易にし、第1の電気コネクタ212のインピーダンスを低減するのに役立ち、さらに、慣性センサ20の検出性能を改善するのに役立つ。第1の基板溝2111は、第1の電気コネクタ212のための収容空間を提供してよく、これは、第1の電気コネクタ212の厚さおよび第1の電気コネクタ212の配置などの構造パラメータを柔軟に設計するのに役立ち、その結果、第1の電気コネクタ212には、複数の導電層が設けられる。したがって、第1の基板溝2111は、基板211上に配置され、その結果、第1の電気コネクタ212のライン配置が疎になり得る。
【0131】
図13に示される構造の概略図を取得するために、第1の電気コネクタ212の第1の導電層2461は、図12に示されるZ方向において観察され得る。図14に示される構造の概略図を取得するために、第1の電気コネクタ212の第2の導電層2462は、図12に示されるZ方向において観察され得る。図12から図14に示される実施形態において、第1の電気コネクタ212は、第1の導電層2461および第2の導電層2462という2つの導電層を含み得る。第1の導電層2461は、機械構造層220に最も近い導電層であってよい。図11に示される第2の電気コネクタ213の構造およびビア214の構造については、図9に示される一実施形態を参照されたい。図13および図14に示される第1の電気コネクタ212は一実施形態に過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本願において提供される解決手段に基づいて、別の可能な構造を容易に推定し得る。例えば、第1の電気コネクタ212は、代替的に、より多くのまたはより少ないコンポーネントを含み得る。
【0132】
チップ21がポートa、ポートbおよびポートcを含み得る、と仮定する。基板層210における第2の電気コネクタ213は、外部ピンa、外部ピンbおよび外部ピンcを含み得る。外部ピンaは、ポートaへ電気的に接続され得る。外部ピンbは、ポートbへ電気的に接続され得る。外部ピンcは、ポートcへ電気的に接続され得る。チップ21のポートおよび外部ピンの間の電気接続の方式は、例えば、はんだボールを用い得る。チップ21のポート、および外部ピンは、代替的に、電気接続ワイヤ、導電性充填剤または導電性接着剤等を用いることにより電気的に接続され得る。
【0133】
図13および図14に示されるように、第1の電気コネクタ212は、ライン244a、ライン244b、内部ピン242a、内部ピン242b、内部ピン242c、内部ピン242d、内部ピン242e、検出電極241aおよび検出電極241bを含み得る。基板層210は、ビアa、ビアbおよびビアcをさらに含み得る。ビアaは、内部ピン242cおよび外部ピンaの間に電気的に接続され得る。ビアbは、内部ピン242eおよび外部ピンbの間に電気的に接続され得る。ビアcは、検出電極241bおよび外部ピンcの間に電気的に接続され得る。
【0134】
検出電極241aは、第1の導電層2461および第2の導電層2462を占有し得る。ライン244aおよび内部ピン242aは、第1の導電層2461を占有し得る。内部ピン242cは、第2の導電層2462を占有し得る。ライン244aは、検出電極241aおよび内部ピン242aの間に電気的に接続され得る。内部ピン242aは、内部ピン242cに対向して配置されてよく、内部ピン242aは、内部ピン242cへ電気的に接続されてよい。
【0135】
内部ピン242bは、第1の導電層2461を占有し得る。図12を参照すると、内部ピン242bは、機械構造層220へ電気的に接続され得る。ライン244b、内部ピン242dおよび内部ピン242eは、第2の導電層2462を占有し得る。ライン244bは、内部ピン242dおよび内部ピン242eの間に電気的に接続され得る。内部ピン242bは、内部ピン242dに対向して配置されてよく、内部ピン242bは、内部ピン242dへ電気的に接続されてよい。
【0136】
検出電極241bは、第1の導電層2461および第2の導電層2462を占有し得る。
【0137】
チップ21は、外部ピンa、ビアa、内部ピン242c、内部ピン242a、ライン244a、検出電極241a、外部ピンb、ビアb、内部ピン242e、ライン244b、内部ピン242dおよび内部ピン242bを用いることにより、検出電極241a、および機械構造層220における可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピンc、ビアc、検出電極241b、外部ピンb、ビアb、内部ピン242e、ライン244b、内部ピン242dおよび内部ピン242bを用いることにより、検出電極241bおよび可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピンb、ビアb、内部ピン242e、ライン244b、内部ピン242dおよび内部ピン242bを用いることにより可動子222を駆動することで、機械構造層220における固定子221に対して移動させ得る。
【0138】
複数の導電層は、ラインジャンパの実装を容易にすることにより、フレキシブル配線を容易にし得る。慣性センサ20の静電容量検出性能を改善または維持するために、ライン間の間隔は、過度に小さくすべきではない。単層である第1の電気コネクタ212と比較して、複数の導電層が設けられた第1の電気コネクタ212のライン配置密度は、疎であってよい。これは、慣性センサ20の静電容量検出性能を改善または維持するのに役立つ。
【0139】
図12から図14に示される実施形態において、カバー層230は、チップ21および機械構造層220の間の電気接続に関与しなくてよい。別の可能な実施形態において、カバー層230は、代替的に、チップ21および機械構造層220の間の電気接続に関与してよい。例えば、カバー層230は、カバー基板および電気コネクタを含み得る。カバー基板は、絶縁材料を用いることにより準備される。電気コネクタは、例えば、カバー基板の、機械構造層220に近い側上に配置されてよく、機械構造層220へ電気的に接続される。電気コネクタは、例えば、複数の導電層を含む。いくつかの実施形態において、カバー基板は、第2の基板溝を含み得る。カバー基板上の電気コネクタは、少なくとも部分的に、第2の基板溝内に収容され得る。別の実施形態において、カバー層230は、ライン保護層をさらに含み得る。ライン保護層は、電気コネクタの外縁部の少なくとも一部分に巻き付き得る。カバー層230の関連する説明については、本願において提供される別の実施形態を参照されたい。ここでは、詳細について再び説明しない。
【0140】
図15は、本願の一実施形態によるまたさらに別の慣性センサ20の構造の概略図である。
【0141】
図4に示される慣性センサ20と同様に、図15に示される慣性センサ20は、チップ21および検出コンポーネント22を含み得る。検出コンポーネント22は、積み重ねられた基板層210、機械構造層220およびカバー層230を含み得る。機械構造層220は、基板層210およびカバー層230の間に位置し得る。基板層210およびカバー層230の間の気密キャビティを形成するために、基板層210は、機械構造層220への密閉された接続内にあってよく、カバー層230は、機械構造層220への密閉された接続内にあってよい。機械構造層220は、可動子222および固定子221を含んでよく、固定子221は、基板層210へ固定されてよく、可動子222は、基板層210およびカバー層230の間の気密キャビティ内の固定子221に対して移動してよい。基板層210は、絶縁基板211、および基板211上に配置された第1の電気コネクタ212を含み得る。チップ21は、カバー層230の、機械構造層220から離れている側上に配置され得る。チップ21は、第1の電気コネクタ212を用いることにより可動子222を駆動することで、固定子221に対して高周波で振動させ得る。チップ21はさらに、第1の電気コネクタ212を用いることにより、検出電極241および可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。
【0142】
図4に示される一実施形態および図15に示される一実施形態の間の相違点は、チップ21が、カバー層230および第1の電気コネクタ212を用いることにより可動子222を駆動することで、固定子221に対して高周波で振動させ、および/または検出電極241および可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得ることである。
【0143】
カバー層230は、カバー基板232を含み得る。カバー基板232は、導体材料を用いることにより準備され得る。例えば、カバー基板232および機械構造層220は、同じタイプの導体材料を用い得る。いくつかの実施形態において、カバー基板232の熱膨張係数は、機械構造層220の熱膨張係数に近くてよい。カバー層230は、接合、例えば、陽極接合または共晶接合を通じて、機械構造層220への密閉された接続内にある。
【0144】
例えば、図15に示されるように、カバー基板232および機械構造層220の両方は、単結晶シリコンの材料を用いることにより準備され得る。カバー基板232は、共晶接合を通じて機械構造層220への密閉された接続内にある。カバー基板232および機械構造層220の間には、接合コネクタ231が存在し得る。接合コネクタ231は、導体材料であってよい。カバー基板232は、接合コネクタ231を用いることにより、機械構造層220へ電気的に接続され得る。接合コネクタ231は、例えば、金属材料で作られていてよい。接合コネクタ231は、カバー基板232上の内部ピンであってよく、カバー基板232および機械構造層220の間の電気接続を実装するように構成されている。
【0145】
カバー層230は、代替的に、カバー基板232上に配置された第3の電気コネクタ233を含み得る。第3の電気コネクタ233は、カバー基板232の、チップ21に近い側へ取り付けられ得る。第3の電気コネクタ233は、チップ21へ電気的に接続された外部ピンを含み得る。第3の電気コネクタ233は、代替的に、ラインおよび/または検出電極を含み得る。チップ21は、第3の電気コネクタ233を用いることにより、カバー基板232へ電気的に接続され得る。カバー基板232が機械構造層220へ電気的に接続されるので、チップ21および機械構造層220は、導通され得る。
【0146】
例えば、第3の電気コネクタ233は、チップ21から機械構造層220における可動子222およびいくつかの固定子221へ電気信号を伝送してよく、その結果、機械構造層220における可動子222は、固定子221に対して移動する。別の例では、検出電極241からの信号が、カバー基板232および第3の電気コネクタ233を用いることによりチップ21へ伝送されてよく、その結果、チップ21は、慣性センサ20の動きステータスに関連する信号を取得し得る。図15に示される一実施形態において、検出電極241は、基板211の、機械構造層220から離れている側上に配置され得る。別の可能な実施形態において、検出電極241は、機械構造層220における固定子221上に配置されてよく、代替的に、カバー層230の、機械構造層220に近い側上に配置されてよい。
【0147】
第3の電気コネクタ233は、複数の外部ピン243を含み得る。複数の外部ピン243は、それに対応して、カバー基板232の複数の部分へそれぞれ電気的に接続され得る。言い換えると、外部ピン243のいずれか1つは、カバー基板232の対応する部分へ電気的に接続されてよく、カバー基板232の他の部分から切断されてよい。カバー基板232の複数の部分を切断するために、つまり、カバー基板232の複数の部分が導通されないようにするために、機械構造層220は、代替的に、カバー基板232の複数の部分を離間させるための絶縁部分234を含み得る。絶縁部分234は、カバー基板232を貫通するように構成され得る。
【0148】
第3の電気コネクタ233の1つの外部ピン243が、カバー基板232の第1の部分2321へ電気的に接続されてよく、カバー基板232の第2の部分2322から切断されてよい、と仮定する。カバー基板232の第1の部分2321は、機械構造層220へ電気的に接続されてよく、カバー基板232の第2の部分2322は、機械構造層220から切断されてよい。カバー基板232の第1の部分2321およびカバー基板232の第2の部分2322を離間するために、カバー層230における絶縁部分234は、カバー基板232の第1の部分2321およびカバー基板232の第2の部分2322の間に位置し得る。これは、カバー基板232の第1の部分2321およびカバー基板232の第2の部分2322の間の短絡または伝導を防ぐのに役立つ。
【0149】
機械構造層220は、接合コネクタ231を用いることにより、カバー層230への密閉された接続内にあってよい。機械構造層220における接合部分およびカバー層230における接合部分を高温で熱することで、接合コネクタ231が形成され得る。処理中、接合コネクタ231は、任意に流れ得る。接合コネクタ231がカバー基板232の第1の部分2321および第2の部分2322の間で絶縁部分234にわたって接続され得る可能な事例が存在する。カバー基板232の第1の部分2321および第2の部分2322は、絶縁部分234の2つの側上に位置し得る。
【0150】
接合コネクタ231を用いることによりカバー基板232の第1の部分2321および第2の部分2322が導通されるのを防ぐために、カバー基板232は、溢流溝235をさらに含み得る。溢流溝235は、絶縁部分234およびカバー基板232の第1の部分2321の間に位置し得る。接合コネクタ231は、溢流溝235へ高温で優先的に流れ得る。これは、接合コネクタ231がカバー基板232の第1の部分2321からカバー基板232の第2の部分2322へ流れる可能性を低減するのに役立ち、さらに、カバー基板232の第1の部分2321およびカバー基板232の第2の部分2322が導通される可能性を低減するのに役立つ。
【0151】
いくつかの実施形態において、カバー層230は、ライン保護層248をさらに含み得る。ライン保護層248は、カバー基板232の、チップ21に近い側上に配置され得る。ライン保護層248は、絶縁され得る。ライン保護層248は、第3の電気コネクタ233の外縁部の少なくとも一部分に巻き付き得る。例えば、第3の電気コネクタ233のラインは、ライン保護層248および基板211の間に取り付けられ得る。ライン保護層248は、ピン開口を含み得る。第3の電気コネクタ233の外部ピン243は、ピン開口内に収容されてよく、ライン保護層248は、露出されている。これは、ピンおよびチップ21の間の電気接続またはピンおよび機械構造層220の間の電気接続を実装するのに役立つ。
【0152】
図16に示される構造の概略図を取得するために、第3の電気コネクタ233は、図15に示されるZ方向において観察され得る。図17に示される構造の概略図を取得するために、第1の電気コネクタ212は、図15に示されるZ方向において観察され得る。図16に示される第3の電気コネクタ233および図17に示される第1の電気コネクタ212は一実施形態に過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本願において提供される解決手段に基づいて、別の可能な構造を容易に推定し得る。例えば、第1の電気コネクタ212および第3の電気コネクタ233は、代替的に、より多いまたはより少ないコンポーネントを含み得る。
【0153】
チップ21がポート1、ポート2およびポート3を含み得る、と仮定する。機械構造層220における第3の電気コネクタ233は、外部ピン243a、外部ピン243bおよび外部ピン243cを含み得る。外部ピン243aは、ポート1へ電気的に接続され得る。外部ピン243bは、ポート2へ電気的に接続され得る。外部ピン243cは、ポート3へ電気的に接続され得る。チップ21のポートおよび外部ピン243の間の電気接続の方式は、例えば、はんだボール、電気接続ワイヤ、導電性充填剤または導電性接着剤を含み得る。
【0154】
第3の電気コネクタ233は、ライン244a、ライン244bおよびライン244cをさらに含み得る。第3の電気コネクタは、内部ピン242a、内部ピン242bおよび内部ピン242cをさらに含み得る。ライン244aは、内部ピン242aおよび外部ピン243aの間に電気的に接続され得る。ライン244bは、内部ピン242bおよび外部ピン243bの間に電気的に接続され得る。ライン244cは、内部ピン242cおよび外部ピン243cの間に電気的に接続され得る。内部ピン242bおよび内部ピン242cは、例えば、接合コネクタであってよい。
【0155】
図15を参照すると、カバー基板232は、部分2321、部分232aおよび部分232bを含み得る。部分2321、部分232aおよび部分232bを互いに切断するために、絶縁部分234は、カバー基板232内に配置されている。カバー基板232の部分2321は、内部ピン242cへ接続され得る。カバー基板232の部分232aは、内部ピン242aへ接続され得る。カバー基板232の部分232bは、内部ピン242bへ接続され得る。
【0156】
機械構造層220は、導電部分、導電部分220および導電部分を含み得る。第1の電気コネクタ212は、内部ピン242dおよび内部ピン242eを含み得る。機械構造層220における導電部分は、内部ピン242aおよび内部ピン242eの間に電気的に接続され得る。機械構造層220の導電部分bは、内部ピン242bおよび内部ピン242dの間に電気的に接続され得る。機械構造層220における導電部分cは、内部ピン242cへ電気的に接続され得る。
【0157】
第1の電気コネクタ212は、検出電極241a、検出電極241b、ライン244dおよびライン244eをさらに含み得る。ライン244dは、内部ピン242dおよび検出電極241aの間に電気的に接続され得る。ライン244eは、内部ピン242eおよび検出電極241bの間に電気的に接続され得る。
【0158】
チップ21は、外部ピンb、ライン244b、内部ピン242b、機械構造層220における部分220b、内部ピン242d、ライン244d、検出電極241a、外部ピンc、ライン244c、内部ピン242c、および機械構造層220における部分220cを用いることにより、検出電極241a、および機械構造層220における可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピンa、ライン244a、内部ピン242a、機械構造層220における部分220a、内部ピン242e、ライン244e、検出電極241b、外部ピンc、ライン244c、内部ピン242c、および機械構造層220における部分220cを用いることにより、検出電極241b、および機械構造層220における可動子222により生成される静電容量の静電容量値の変化を取得し得る。チップ21は、外部ピン、ライン244c、内部ピン242c、および機械構造層220における部分220cを用いることにより可動子222を駆動することで、機械構造層220における固定子221に対して移動させ得る。
【0159】
図15から図17に示される実施形態において、カバー層230および基板層210の両方は、チップ21および機械構造層220の間の電気接続に関与し得る。これは、慣性センサの配線の柔軟性を改善するのに役立つ。
【0160】
本願の実施形態において提供される慣性センサ20の処理プロセスを当業者が知ることを可能にするために、本願の実施形態において、図18から図22に示される実施形態を用いることにより、図11に示される慣性センサ20の処理プロセスを説明する。本願の実施形態において提供される別の慣性センサ20の処理プロセスについては、図18から図22に示される実施形態を参照されたい。
【0161】
図18は、慣性センサ20の基板層210の処理プロセスのフローチャートである。
【0162】
701:絶縁基板211を取得する。
【0163】
702:基板211上でビアを処理し、ビア内に導体材料を配置して、基板211を貫通するビア214を形成する。
【0164】
ビアは、例えば、ガラス貫通ビア(through glass via、TGV)プロセスを用いることにより、基板211上で処理される。
【0165】
導体材料は、例えば、銅、タングステン、銀、金、アルミニウム、ゲルマニウムまたはリチウムなど、金属を含み得る。別の例では、導体材料は、有機導体材料を含み得る。一実施形態において、導体材料は、ビア内に充填され得る。別の実施形態において、導体材料は、ビアの内壁へ取り付けられ得る。
【0166】
703:第1の電気コネクタ212を基板211の1つの側上に配置し、第1の電気コネクタ212が基板211のビア214へ取り付けられる。
【0167】
第1の電気コネクタ212は、基板211への密閉された接続内にあってよく、これは、第1の電気コネクタ212および基板211の間の接続エリアを外気が通過するのを防ぐのに役立ち、さらに、慣性センサ20内に汚染が発生する可能性を低減するのに役立つ。第1の電気コネクタ212は、1つまたは複数の導電層を含み得る。第1の電気コネクタ212を基板211へ取り付けるプロセスは、例えば、限定されるわけではないが、蒸着、スパッタリングまたはリフトオフ(lift-off)を含み得る。
【0168】
いくつかの実施形態において、第1のライン保護層はさらに、第1の電気コネクタ212の、基板211から離れている側上で処理され得る。第1のライン保護層は、限定されるわけではないが、窒化物(nitride)を含み得る。例えば、堆積を通じて、第1のライン保護層は、基板211の一部分および第1の電気コネクタ212の一部分上に配置され得る。第1の電気コネクタ212の別の部分は、第1のライン保護層の外部へ露出され得る。第1のライン保護層の外部へ露出された、第1の電気コネクタ212の部分は、導電性めっき層を含み得る。導電性めっき層は、限定されるわけではないが、金またはリチウムなど、合金を含む。導電性めっき層は、第1の電気コネクタ212の露出されていない部分が酸化される可能性を低減するのに役立ち得る。
【0169】
図19は、慣性センサ20の機械構造層220の処理プロセスのフローチャートである。
【0170】
704:機械構造層原材料320を取得し、機械構造層原材料320は、第1の原材料層321、第2の原材料層322および原材料接続層233を含み、第1の原材料層321および第2の原材料層322は、原材料接続層233を用いることにより接続される。
【0171】
704は、例えば、シリコンオンインシュレータ(silicon-on-insulator、SOI)とみなされ得る。
【0172】
原材料接続層233の材料は、第1の原材料層321の材料および第2の原材料層322の材料とは異なり得る。いくつかの実施形態において、第1の原材料層321のエッチング効率(または除去効率)および第2の原材料層322のエッチング効率(または除去効率)は、原材料接続層233のエッチング効率よりも高くてよい。例えば、第1の原材料層321および第2の原材料層322は、主に単結晶シリコンまたは多結晶シリコンで作られていてよく、原材料接続層233は、主にガラスで作られていてよい。原材料接続層233および第1の原材料層321の間を接合する方式は、例えば、陽極接合であってよい。同様に、原材料接続層233および第2の原材料層322の間を接合する方式は、例えば、陽極接合であってよい。
【0173】
705:機械構造層原材料320の第1の原材料層321の、第2の原材料層322から離れている側上で第1の原材料層321をエッチングして、機械構造層220を形成する。
【0174】
例えば、機械構造層220は、第1の接続端部223、可動子222および固定子221を含み得る。エッチングの第1ラウンドにおいて、浅い溝が第1の原材料層321においてエッチングされることで、機械構造層220における第1の接続端部223が形成される。エッチングの第2ラウンドにおいて、深い溝が第1の原材料層321においてエッチングされることで、機械構造層220における可動子222および固定子221が形成される。原材料接続層233がエッチングされた後、エッチングプロセスが終了され得る。
【0175】
図20は、慣性センサ20の機械構造層220および基板層210の組み立てプロセスのフローチャートである。
【0176】
706:接合を通じて、機械構造層原材料320の機械構造層220を、基板211の、第1の電気コネクタ212が配置された側へ接続する。
【0177】
機械構造層220の、第2の原材料層322から離れている側は、接合を通じて基板211へ接続され得る。機械構造層220および基板211の間を接合する方式は、例えば、陽極接合を含む。
【0178】
707:第2の電気コネクタ213を、基板211の、第1の電気コネクタ212から離れている側上に配置し、第2の電気コネクタ213は、基板211のビア214へ取り付けられる。第2の電気コネクタ213は、チップ21へ電気的に接続するように構成された外部ピン243を含み得る。
【0179】
第2の電気コネクタ213は、基板211への密閉された接続内にあってよく、これは、ビア214を外気が通過するのを防ぐのに役立ち、さらに、慣性センサ20内に汚染が発生する可能性を低減するのに役立つ。第2の電気コネクタ213は、1つまたは複数の導電層を含み得る。第2の電気コネクタ213を基板211へ取り付けるプロセスは、例えば、限定されるわけではないが、蒸着、スパッタリングまたはリフトオフ(lift-off)を含み得る。
【0180】
いくつかの実施形態において、第2のライン保護層はさらに、第2の電気コネクタ213の、基板211から離れている側上で処理され得る。第2のライン保護層は、限定されるわけではないが、窒化物(nitride)を含み得る。例えば、堆積を通じて、第2のライン保護層は、基板211の一部分および第2の電気コネクタ213の一部分上に配置され得る。第2の電気コネクタ213の別の部分は、第2のライン保護層の外部へ露出され得る。第2のライン保護層の外部へ露出された、第2の電気コネクタ213の部分は、導電性めっき層を含み得る。導電性めっき層は、限定されるわけではないが、金またはリチウムなど、合金を含む。導電性めっき層は、第2の電気コネクタ213の露出されていない部分が酸化される可能性を低減するのに役立ち得る。
【0181】
708:機械構造層原材料320の第2の原材料層322および原材料接続層233を除去する。
【0182】
例えば、エッチングは、第2の原材料層322および原材料接続層233を除去するために、1回または複数回実行され得る。
【0183】
707:第1の接合部分261を、機械構造層220の、基板層210から離れている側上に配置する。
【0184】
第1の接合部分261は、処理、例えば、蒸着、スパッタリングまたはリフトオフを用いることにより、機械構造層220の、基板層210から離れている側へ取り付けられ得る。第1の接合部分261は、例えば、金属を含み得る。
【0185】
図21は、慣性センサ20の機械構造層220および基板層210の組み立てプロセスのフローチャートである。
【0186】
710:カバー層原材料330を取得する。
【0187】
カバー層原材料330の材料タイプは、例えば、機械構造層原材料320の材料タイプと同じであってよい。
【0188】
711:カバー層原材料330をカバー層原材料330の側上でエッチングして、カバー層230を形成する。
【0189】
例えば、カバー層230は、第2の接続端部236を含み得る。浅い溝がカバー層原材料330上でエッチングされることで、カバー層230における第2の接続端部236が形成される。
【0190】
712:第2の接合部分262をカバー層230のエッチングされた側上に配置する。
【0191】
第2の接合部分262は、処理、例えば、蒸着、スパッタリングまたはリフトオフを用いることにより、カバー層230へ取り付けられ得る。第2の接合部分262は、例えば、金属を含み得る。いくつかの実施形態において、図7Cに示される第1の接合部分261の材料タイプは、例えば、第2の接合部分262の材料タイプと同じであってよい。
【0192】
図22は、慣性センサ20のカバー層230、機械構造層220、基板層210およびチップ21の組み立てプロセスのフローチャートである。
【0193】
713:接合を通じて第1の接合部分261を第2の接合部分262へ接続することで、カバー層230および機械構造層220の間の接合コネクタ231を形成し、接合コネクタ231は、カバー層230および機械構造層220の間の密閉された接続内にある。
【0194】
第1の接合部分261および第2の接合部分262の間を接合する方式は、限定されるわけではないが、陽極接合または共晶接合等を含む。機械構造層220が基板層210およびカバー層230の間の密閉された接続内にあるので、機械構造層220における可動子222は、密閉されたキャビティ内で移動し得る。これは、カバー層230、機械構造層220および基板層210を含むキャビティに外部汚染物質が入るのを防ぐのに役立ち、さらに、慣性センサ20の検出精度を維持するのに役立つ。
【0195】
714:チップ21を、基板層210の、機械構造層220から離れている側上に配置し、チップ21のポートが、基板層210における第2の電気コネクタ213へ電気的に接続される。
【0196】
チップ21のポート、および基板層210における第2の電気コネクタ213の間の電気接続の方式は、限定されるわけではないが、はんだボール、導電性充填剤、導電性接着剤または電気接続ワイヤ等を含み得る。
【0197】
本願の一実施形態は、慣性センサ、電子デバイス、および慣性センサの処理方法を提供する。絶縁基板材料が用いられる。これは、基板層により静電容量が生成される可能性を低減するのに役立つ。ビアが絶縁基板層に配置され、その結果、チップおよび検出コンポーネントの間の電気接続の柔軟性が改善される。例えば、チップおよび検出コンポーネントは、電気接続ワイヤを用いることなく、またはほとんど用いることなく、電気的に接続され得る。電気接続ワイヤの接続安定性が弱く、電気接続ワイヤは、電子デバイス内のより多くの空間を占有する。慣性センサにおける電気接続ワイヤの適用が低減され、これは、チップおよび検出コンポーネントの間の電気接続の安定性を改善するのに役立ち、さらに、電子デバイス内の慣性センサにより占有される空間を低減するのに役立つ。
【0198】
前述の説明は、本願の特定の実装に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願において開示される技術的範囲内で当業者により容易に想到されるあらゆる変形または置換が、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねられた基板層、機械構造層およびカバー層を備え、ここで、前記機械構造層は、前記基板層および前記カバー層の間の密閉された接続内にある;
前記基板層は、基板を有し、ここで、前記基板は、絶縁体であり、前記機械構造層は、前記機械構造層および前記基板の間の密閉接続部分を形成するために、前記基板への密閉された接続内にあり、前記密閉接続部分は、絶縁体である;
前記基板層は、第1の電気コネクタをさらに有し、ここで、前記第1の電気コネクタは、前記基板の、前記機械構造層に近い側へ取り付けられており、前記第1の電気コネクタは、内部ピンを含む;および
前記内部ピンの第1の端面は、前記基板と接触しており、前記内部ピンの第2の端面は、前記機械構造層と接触しており、前記内部ピンの側面は、前記第1の端面および前記第2の端面の間に接続されており、前記内部ピンの前記側面は、前記密閉接続部分と接触しており、前記内部ピンは、前記機械構造層へ電気的に接続されている、
慣性センサ。
【請求項2】
前記基板は、基板溝を含み、前記第1の電気コネクタは、少なくとも部分的に前記基板溝内に収容されている、請求項1に記載の慣性センサ。
【請求項3】
前記基板層は、ライン保護層をさらに有し、前記ライン保護層は、前記基板の、前記機械構造層に近い前記側上に配置されており、かつ、前記機械構造層および前記基板の間の前記密閉された接続を貫通して形成されたキャビティ内に位置しており、前記ライン保護層は、前記第1の電気コネクタの外縁部の一部分に巻き付いている、請求項2に記載の慣性センサ。
【請求項4】
前記第1の電気コネクタは、第1の導電層および第2の導電層を含み、前記第1の導電層は、前記第1の電気コネクタのラインの第1の部分を含み、前記第2の導電層は、前記第1の電気コネクタの前記ラインの第2の部分を含む、請求項3に記載の慣性センサ。
【請求項5】
前記基板層は
前記基板の、前記第1の電気コネクタから離れている側へ取り付けられた第2の電気コネクタ;および
前記基板を貫通しており、かつ、前記第1の電気コネクタおよび前記第2の電気コネクタの間に電気的に接続されたビ
さらに有する、
請求記載の慣性センサ。
【請求項6】
前記第2の電気コネクタは、前記ビアを覆っており、かつ、前記基板への密閉された接続内にある、請求項5に記載の慣性センサ。
【請求項7】
前記第1の電気コネクタは、前記ビアを覆っており、かつ、前記基板への密閉された接続内にある、請求項6に記載の慣性センサ。
【請求項8】
前記慣性センサは、チップをさらに備え、前記チップは、前記基板層の、前記機械構造層から離れている側上に配置されている、請求項7に記載の慣性センサ。
【請求項9】
プは、前記カバー層の、前記機械構造層から離れている側上に配置されており、前記カバー層は
カバー基板、ここで、前記カバー基板は、導体であり、前記カバー基板は、前記機械構造層への密閉された接続内にあり、前記カバー基板は、第1の部分および第2の部分を含む;
絶縁部分、ここで、前記絶縁部分は、前記カバー基板を貫通しており、前記カバー基板の前記第1の部分および前記カバー基板の前記第2の部分は、前記絶縁部分の両方の側上に位置している;および
第3の電気コネクタ、ここで、前記第3の電気コネクタは、前記カバー基板の、前記チップに近い側へ取り付けられており、前記第3の電気コネクタは、前記カバー基板の前記第1の部分を通じて前記機械構造層における第1の部分へ電気的に接続されており、前記第3の電気コネクタは、前記カバー基板の前記第2の部分および前記機械構造層における第2の部分を通じて前記内部ピンへ電気的に接続されている、
を有する、
請求項1に記載の慣性センサ。
【請求項10】
前記カバー基板の前記第1の部分および前記機械構造層は、接合コネクタにより接続されており、前記カバー基板の前記第1の部分は、溢流溝をさらに含み、前記溢流溝は、前記接合コネクタおよび前記絶縁部分の間に位置している、請求項9に記載の慣性センサ。
【請求項11】
前記慣性センサは、前記チップをさらに備え、前記チップは、前記カバー層の、前記機械構造層から離れている前記側上に配置されている、請求項10に記載の慣性センサ。
【請求項12】
前記基板の抵抗率は、10Ωmよりも大きい、請求項11に記載の慣性センサ。
【請求項13】
前記基板の材料は、ガラスであり、前記機械構造層の材料は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンである、請求項12に記載の慣性センサ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の慣性センサを備える電子デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0198
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0198】
前述の説明は、本願の特定の実装に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願において開示される技術的範囲内で当業者により容易に想到されるあらゆる変形または置換が、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする
[項目1]
積み重ねられた基板層(210)、機械構造層(220)およびカバー層(230)を備え、ここで、前記機械構造層(220)は、前記基板層(210)および前記カバー層(230)の間の密閉された接続内にある;
前記基板層(210)は、基板(211)を有し、ここで、前記基板(211)は、絶縁体であり、前記機械構造層(220)は、前記機械構造層(220)および前記基板(211)の間の密閉接続部分(215)を形成するために、前記基板(211)への密閉された接続内にあり、前記密閉接続部分(215)は、絶縁体である;
前記基板層(210)は、第1の電気コネクタ(212)をさらに有し、ここで、前記第1の電気コネクタ(212)は、前記基板(211)の、前記機械構造層(220)に近い側へ取り付けられており、前記第1の電気コネクタ(212)は、内部ピン(242)を含む;および
前記内部ピン(242)の第1の端面は、前記基板(211)と接触しており、前記内部ピン(242)の第2の端面は、前記機械構造層(220)と接触しており、前記内部ピン(242)の側面は、前記第1の端面および前記第2の端面の間に接続されており、前記内部ピン(242)の前記側面は、前記密閉接続部分(215)と接触しており、前記内部ピン(242)は、前記機械構造層(220)へ電気的に接続されている、
慣性センサ(20)。
[項目2]
前記基板(211)は、基板溝(2111)を含み、前記第1の電気コネクタ(212)は、少なくとも部分的に前記基板溝(2111)内に収容されている、項目1に記載の慣性センサ(20)。
[項目3]
前記基板層(210)は、ライン保護層(247)をさらに有し、前記ライン保護層(247)は、前記基板(211)の、前記機械構造層(220)に近い前記側上に配置されており、かつ、前記機械構造層(220)および前記基板(211)の間の前記密閉された接続を貫通して形成されたキャビティ内に位置しており、前記ライン保護層(247)は、前記第1の電気コネクタ(212)の外縁部の一部分に巻き付いている、項目1または2に記載の慣性センサ(20)。
[項目4]
前記第1の電気コネクタ(212)は、第1の導電層(2461)および第2の導電層(2462)を含み、前記第1の導電層(2461)は、前記第1の電気コネクタ(212)のラインの第1の部分を含み、前記第2の導電層(2462)は、前記第1の電気コネクタ(212)の前記ラインの第2の部分を含む、項目1から3のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
[項目5]
前記基板層(210)は、
前記基板(211)の、前記第1の電気コネクタ(212)から離れている側へ取り付けられた第2の電気コネクタ(213);および
前記基板(211)を貫通しており、かつ、前記第1の電気コネクタ(212)および前記第2の電気コネクタ(213)の間に電気的に接続されたビア(214)
をさらに有する、
項目1から4のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
[項目6]
前記第2の電気コネクタ(213)は、前記ビア(214)を覆っており、かつ、前記基板(211)への密閉された接続内にある、項目5に記載の慣性センサ(20)。
[項目7]
前記第1の電気コネクタ(212)は、前記ビア(214)を覆っており、かつ、前記基板(211)への密閉された接続内にある、項目5または6に記載の慣性センサ(20)。
[項目8]
前記慣性センサ(20)は、チップ(21)をさらに備え、前記チップ(21)は、前記基板層(210)の、前記機械構造層(220)から離れている側上に配置されている、項目5から7のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
[項目9]
前記チップ(21)は、前記カバー層(230)の、前記機械構造層(220)から離れている側上に配置されており、前記カバー層(230)は、
カバー基板(232)、ここで、前記カバー基板(232)は、導体であり、前記カバー基板(232)は、前記機械構造層(220)への密閉された接続内にあり、前記カバー基板(232)は、第1の部分(2321)および第2の部分(232a)を含む;
絶縁部分(234)、ここで、前記絶縁部分(234)は、前記カバー基板(232)を貫通しており、前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)および前記カバー基板(232)の前記第2の部分(232a)は、前記絶縁部分(234)の両方の側上に位置している;および
第3の電気コネクタ(233)、ここで、前記第3の電気コネクタ(233)は、前記カバー基板(232)の、前記チップ(21)に近い側へ取り付けられており、前記第3の電気コネクタ(233)は、前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)を通じて前記機械構造層(220)における第1の部分へ電気的に接続されており、前記第3の電気コネクタ(233)は、前記カバー基板(232)の前記第2の部分(232a)および前記機械構造層(220)における第2の部分を通じて前記内部ピン(242)へ電気的に接続されている、
を有する、
項目1から4のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
[項目10]
前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)および前記機械構造層(220)は、接合コネクタ(231)により接続されており、前記カバー基板(232)の前記第1の部分(2321)は、溢流溝(235)をさらに含み、前記溢流溝(235)は、前記接合コネクタ(231)および前記絶縁部分(234)の間に位置している、項目9に記載の慣性センサ(20)。
[項目11]
前記慣性センサ(20)は、前記チップ(21)をさらに備え、前記チップ(21)は、前記カバー層(230)の、前記機械構造層(220)から離れている前記側上に配置されている、項目9または10に記載の慣性センサ(20)。
[項目12]
前記基板(211)の抵抗率は、10 Ωmよりも大きい、項目1から11のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
[項目13]
前記基板(211)の材料は、ガラスであり、前記機械構造層(220)の材料は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンである、項目1から12のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)。
[項目14]
項目1から13のいずれか一項に記載の慣性センサ(20)を備える電子デバイス(100)。
【国際調査報告】