(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバおよびアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20240814BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240814BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/205
H01L21/31 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508326
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 FI2022050522
(87)【国際公開番号】W WO2023017212
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522115871
【氏名又は名称】ベネク・オサケユフティオ
【氏名又は名称原語表記】Beneq Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100187584
【氏名又は名称】村石 桂一
(72)【発明者】
【氏名】ボスンド,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ソイニネン,ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】カルッパネン,エスコ
(72)【発明者】
【氏名】メリライネン,パシ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA03
4K030EA11
4K030GA02
4K030HA01
4K030KA02
4K030LA15
5F045AA03
5F045BB08
5F045DP04
5F045DP19
5F045EB02
5F045EE20
5F045EM08
(57)【要約】
【課題】本発明は、アトミック・レイヤー・デポジッション・チャンバ(20)およびリアクタ(10)に関する。
【解決手段】リアクション・チャンバ(20))は、第1端部(24)と、第2端部(26)と、第1および第2端部(24、26)の間の長手方向中心軸(X)と、長手方向中心軸(X)の長さ(L)と、リアクション・チャンバ(20)の幅(W)を規定する第1側壁(27)および第2側壁(28)と、長手方向中心軸(X)に対して垂直に延びる幅中心軸(Y)とを備える。リアクション・チャンバ(20)は、長手方向中心軸(X)に沿って、第1端部(24)から幅中心軸(Y)に向かって増加する幅(W)と、幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かって減少する幅(W)と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部(24)と、第1端部(24)の反対側の第2端部(26)と、第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる長手方向中心軸(X)とを備え、長手方向中心軸(X)における第1端部(24)と第2端部(26)との間の長さ(L)を有しており、
第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる第1側壁(27)と、第1側壁(27)の反対側に有し、第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる第2側壁(28)とを備え、第1側壁(27)および第2側壁(28)が、第1端部(24)と第2端部(26)との間でリアクション・チャンバ(20)の幅(W)を規定し、リアクション・チャンバ(20)が、第1側壁(27)と第2側壁(28)との間で、長手方向中心軸(X)に対して垂直に延びる幅中心軸(Y)を有しており、
リアクション・チャンバ(20)内にガスを供給するためのガス・インレット(30)と、
リアクション・チャンバ(20)からガスを排出するためのガス・アウトレット(40)と、を備え、
ガス・インレット(30)およびガス・アウトレット(40)は、リアクション・チャンバ(20)の長手方向中心軸(X)に沿って間隔を置いて設けられている、アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、長手方向中心軸(X)に沿って、第1端部(24)から幅中心軸(Y)に向かう方向で増大する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、長手方向中心軸(X)に沿って、幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向で減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)の長さ(L)は、幅中心軸(Y)に沿ったリアクション・チャンバ(20)の幅(W)よりも大きい、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項2】
請求項1に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、且つ、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有する、
または、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と幅中心軸(Y)との間に幅増加エリア(G)を備え、幅増加エリア(G)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで延在し、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、且つ、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)と第2端部(26)との間に幅減少エリア(H)を備え、幅減少エリア(H)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで延在し、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで長手方向中心軸(X)に沿って幅減少(W)を有する、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項3】
請求項2に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
第1および第2側壁(27,28)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで延びる幅増加壁部(31)を備え、幅増加壁部(31)は、平面壁部または湾曲壁部であり、且つ、
第1および第2側壁(27,28)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで延びる幅減少壁部(41)を備え、幅減少壁部(41)は、平面壁部または湾曲壁部であり、
または、
第1および第2側壁(27,28)は、幅増加エリア(G)において幅増加壁部(31)を備え、幅増加壁部(31)は、平面壁部または湾曲壁部であり、且つ、
第1および第2側壁(27,28)は、幅減少エリア(H)において幅減少壁部(41)を備え、幅減少壁部(41)は、平面壁部または湾曲壁部である、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項4】
請求項1に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)から第1端部(24)に向かう方向および幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って一定の幅(W)を有し、
または、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と幅中心軸(Y)との間に設けられた幅増加エリア(G)を備え、幅増加エリア(G)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)と第2端部(26)との間に設けられた幅減少エリア(H)を備え、幅減少エリア(H)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅増加エリア(G)と幅減少エリア(H)との間に設けられた幅一定エリア(F)を備えている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と第2端部(26)との間、および、ガス・インレット(30)とガス・アウトレット(40)との間のリアクション・チャンバ(20)内に配置された基板ホルダ(50)を備える、
または、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と第2端部(26)との間、および、ガス・インレット(30)とガス・アウトレット(40)との間のリアクション・チャンバ(20)内に配置された基板ホルダ(50)を備え、基板ホルダ(50)は、リアクション・チャンバ(20)内で長手方向中心軸(X)と幅中心軸(Y)との交点に対して対称に配置されている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項6】
請求項5に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)および幅減少エリア(H)において長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
または、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)から幅減少エリア(H)まで長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
または、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)、幅減少エリア(H)および幅一定エリア(F)において長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
または、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)から幅一定エリア(F)を介して幅減少エリア(H)まで長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項7】
請求項5または6に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
基板ホルダ(50)は、長手方向中心軸(X)において第1端部(24)の反対側に有する前端部(54)と、第2端部(26)の反対側に有する後端部(56)と、を備え、基板ホルダ(50)は、長手方向中心軸(X)において前端部(54)と後端部(56)との間のリアクション・チャンバ(20)内に基板ゾーン(Z
2)を規定し、
リアクション・チャンバ(20)は、リアクション・チャンバ(20)の第1端部(24)と基板ホルダ(50)の前端部(54)との間に、長手方向中心軸(X)に延びるサプライ・ゾーン(Z
1)を備え、ガス・インレット(30)は、サプライ・ゾーン(Z
1)に設けられており、
リアクション・チャンバ(20)は、リアクション・チャンバ(20)の第2端部(26)と基板ホルダ(50)の後端部(56)との間に、長手方向中心軸(X)に延びるディスチャージ・ゾーン(Z
3)を備え、ガス・アウトレット(40)は、ディスチャージ・ゾーン(Z
3)に設けられており、
幅増加エリア(G)は、サプライ・ゾーン(Z
1)から基板ゾーン(Z
2)まで長手方向中心軸(X)に延び、幅減少エリア(H)は、ディスチャージ・ゾーン(Z
3)から基板ゾーン(Z
2)まで長手方向中心軸(X)に延びている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項8】
請求項7に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
幅一定エリア(F)は、長手方向中心軸(X)において、基板ゾーン(Z
2)内に設けられている、
または、
幅一定エリア(F)は、長手方向中心軸(X)において、基板ゾーン(Z
2)内に設けられ、基板ゾーン(Z
2)は、長手方向中心軸(X)において、幅一定エリア(F)よりも大きい長さを有している、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1項に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
幅中心軸(Y)に沿った基板ホルダ(50)と第1または第2側壁(27、28)との間の第1距離(D1)は、長手方向中心軸(X)に沿った基板ホルダ(50)と第1または第2端部(24、26)との間の第2距離(D2)よりも小さい、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか1つに記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
基板ホルダ(50)は、1つ以上の円形基板または円形セミコンダクタ・ウェハを支持するように配置されている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項11】
リアクション・チャンバ(20)は、底壁(23)と、上壁(25)と、第1および第2側壁(27、28)と、第1および第2端部(24、26)とを備え、第1および第2側壁(27、28)並びに第1および第2端部(24、26)は、底壁(123)と上壁(25)との間に延びている、請求項1~10のいずれか1つに記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
ガス・インレット(30)およびガス・アウトレット(40)が底壁(23)に設けられ、
または、
ガス・インレット(30)が第1端部(24)の近傍で底壁(23)に設けられ、ガス・アウトレット(40)が第2端部(26)の近傍で底壁(23)に設けられ、
または
ガス・インレット(30)が第1端部(24)に設けられ、ガス・アウトレット(40)が第2端部(26)に設けられている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項12】
真空チャンバ(90)と、
真空チャンバ(90)内に配置されたリアクション・チャンバ(20)と、を備え、
リアクション・チャンバ(20)は、
第1端部(24)と、第1端部(24)の反対側の第2端部(26)と、第1端部(24)と第2端部(26)との間を延びる長手方向中心軸(X)とを備え、長手方向中心軸(X)における第1端部(24)と第2端部(26)との間が長さ(L)であり、
第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる第1側壁(27)および第2側壁(28)と、第1および第2側壁(27、28)の間の長手方向中心軸(X)に対して垂直に延びる幅中心軸(Y)とを備え、幅中心軸(Y)における前記第1及び第2側壁(27、28)の間が幅(W)であり、
リアクション・チャンバ(20)にガスを供給するガス・インレット(30)と、
リアクション・チャンバ(20)からガスを排出するガス・アウトレット(40)と、
ガス・インレット(30)およびガス・アウトレット(40)が、長手方向中心軸(X)において幅中心軸(Y)の反対側に間隔を隔てて設けられている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
リアクション・チャンバ(20)の第1および第2側壁(27,28)は、ガス・インレット(30)から幅中心軸(Y)において長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)、および幅中心軸(Y)からガス・アウトレット(40)に向かう方向において長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を規定するように配置され、
リアクション・チャンバ(20)の長さ(L)は、幅中心軸(Y)に沿ったリアクション・チャンバ(20)の幅(W)よりも大きい、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【請求項13】
請求項12に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
リアクタ(10)は、
真空チャンバ(90)の外側からリアクション・チャンバ(20)に延び、真空チャンバ(90)の外側からリアクション・チャンバ(20)にガスを供給するためにガス・インレット(30)に接続される少なくとも1つのガス・インレット・コネクション(110)と、
真空チャンバ(90)の外側からリアクション・チャンバ(20)に延び、リアクション・チャンバ(20)から真空チャンバ(90)の外側にガスを排出するためのガス・アウトレット(40)に接続されている少なくとも1つのガス・アウトレット・コネクション(210)と、を備えている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、ガス・インレット(30)から幅中心軸(Y)に向かう方向に長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)からガス・アウトレット(40)に向かう方向に長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)からガス・インレット(30)に向かう方向および幅中心軸(Y)からガス・アウトレット(40)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って一定の幅(W)を有している、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1つに記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
請求項1~11のいずれか1つに記載のリアクション・チャンバ(20)を備える、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(原子層堆積反応チャンバ)に関し、より詳細には、請求項1のプリアンブルに記載のリアクション・チャンバに関する。本発明はさらに、アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ、より詳細には、請求項12のプリアンブルに記載のリアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
アトミック・レイヤー・デポジッション(ALD)プロセスと1つのALDサイクルは、1つの単層を生成するための4回のガス交換で構成される。したがって、ALDサイクル時間は成長率の制限要因となる。さらに、サイクル時間は、パルス化学物質を基板表面にどれだけ速く分配(distributed)できるか、および残留ガスがどれだけ速く表面からパージされるかによって決まる。良好なガス交換と高品質を実現するには、基板表面全体に均一なガス・フローを実現する必要がある。基板全体にわたるガス・フローが不均一である場合、それはガス・フローが基板表面の異なる部分で異なっていることを意味する。ガス・フローが不均一であるため、1回の ALDサイクル中のガスの投与量を増やす必要があり、サイクル時間とリアクション・チャンバ内のガスの滞留時間を増やす必要がある。これにより、プロセス時間が遅くなり、効率が低下し、材料効率も低下する。
【0003】
先行技術のリアクション・チャンバとALDリアクタでは、均一なガス・フロー、短いサイクルタイム、良好な材料効率が損なわれている。これは特に、シリコンウェーハのような丸い形状の基板を加工する場合に顕著である。丸い形状の基板を加工する場合、丸い基板の中央部よりも端部の方が、ガスが交換されやすい。
【0004】
図2は、先行技術におけるアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ10のアトミック・レイヤー・デポジッション・チャンバ20を示す。
図2のリアクション・チャンバ20は、リアクション・チャンバ20の反対側に第1端部24と第2端部26を有する。リアクション・チャンバ20は、さらに、第1端部24の近傍にガス・インレット30を備え、第2端部26の近傍にガス・アウトレット40を備える。ガス・インレット30とガス・アウトレット40はリアクション・チャンバ20の底部22に設けられている。ガス・インレット30とガス・アウトレット40の間には、1枚以上の円形基板を支持するための基板ホルダ50が配置されている。ガスは、ガス・インレット30からガス・アウトレット40までリアクション・チャンバ20内を流れるように、ガス・インレット30から供給され、ガス・アウトレット40から排出される。ガス・インレット30とガス・アウトレット40の間のガス・フローは、1つまたは複数の円形基板の表面を横切って流れる。
【0005】
先行技術のリアクション・チャンバ20では、
図2に示すように、リアクタ・ウォールは、第1端部24と第2端部26との間の方向、またはガス・インレット30とガス・アウトレット40との間の方向で直線状である。ガス・フローのガス分子は、ガス・インレット30からガス・アウトレットまでの2つのフロー・パス、第1フロー・パスAと第2・フロー・パスBを有する。ガス・インレット30から供給されるガスは、フロー・パスAのコンダクタンスがフロー・パスBに比べて小さいため、フロー・パスAを通る傾向がある。したがって、ガス分子の大部分はフロー・パスAを通り、ガス分子がリアクション・チャンバの側壁付近や円形基板の端部付近から流れるためバイパス効果が生じる。少量のガス分子は、フロー・パスBを流れる。これと同じバイパス効果は、円形のリアクション・チャンバでも起こる。基板表面のほんのわずかなエリアだけが、ガス・インレット30とガス・アウトレット40の間のリアクション・チャンバの側壁に近いため、バイパス効果は、円形基板の場合に特に問題となる。さらに、
図2のリアクション・チャンバには、リアクション・チャンバ20内のガス・フローを遅くするガス・ポケットがある。
【0006】
従来技術のリアクション・チャンバ20のバイパス効果は、前駆体分子の大部分がコーティングされる基板表面をバイパスし、ガス・アウトレット40に直接流れるため、前駆体ガスの経済性を低下させる。従って、前駆体分子のほんの一部だけがフロー・パスBをたどるという事実により、リアクション・チャンバ20の中央部分で前駆体ガスの用量不足が発生する。用量が不足していると、基板表面および基板表面に設けられたコーティングにさらなる均一性の問題が発生する。リアクション・チャンバ20の中央部分の用量不足をリアクション・チャンバ20に供給される前駆体の高過量で補う場合、パージすべき前駆体分子が存在するため、リアクション・チャンバ20のパージにはより長い時間がかかる。したがって、ALDサイクル時間が延長され、材料効率だけでなくプロセスの効率も損なわれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解決または少なくとも軽減するアトミック・レイヤー・デポジッション・チャンバおよびアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタを提供することである。
【0008】
本発明の目的は、独立請求項1に記載されたことを特徴とするアトミック・レイヤー・デポジッション・チャンバによって達成される。本発明の目的はさらに、独立請求項12に記載されることを特徴とするアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタによって達成される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0010】
本発明は、第1端部と、第1端部とは反対側の第2端部と、第1端部と第2端部との間に延びる長手方向の中心軸と、長手方向中心軸の方向における第1端部と第2端部との間の長さとを備えるアトミック・レイヤー・デポジッション・チャンバを提供するという考えに基づいている。リアクション・チャンバはさらに、第1端部と第2端部との間に延びる第1側壁と、第1側壁の反対側にあり第1端部と第2端部との間に延びる第2側壁とを備え、第1側壁と第2側壁は、第1端部と第2端部との間のリアクション・チャンバの幅を画定し、リアクション・チャンバは、第1側壁と第2側壁との間に延び、長手方向中心軸に対して垂直な幅中心軸を有する。リアクション・チャンバはまた、リアクション・チャンバにガスを供給するためのガス・インレットと、リアクション・チャンバからガスを排出するためのガス・アウトレットとを備える。ガス・インレットおよびガス・アウトレットは、リアクション・チャンバの長手方向中心軸に沿って間隔を置いて設けられる。
【0011】
本発明によれば、リアクション・チャンバは、長手方向中心軸に沿って、第1端部から幅中心軸に向かう方向に増加する幅を有する。リアクション・チャンバはまた、長手方向中心軸に沿って、幅中心軸から第2端部に向かう方向に減少する幅を有する。リアクション・チャンバの長さは、幅中心軸に沿ったリアクション・チャンバの幅よりも大きい。
【0012】
第1端部と第2端部との間の方向に増加する幅と減少する幅を有するリアクション・チャンバは、側壁を基板から非常に短い距離に配置することを可能にする。さらに、幅の増減により、リアクション・チャンバの側壁を円形基板の外縁に部分的に沿わせて配置することが可能となる。さらに、幅よりも大きな長さによって提供される楕円形または楕円形のような形状は、前駆体ガス分子が基板に接触する前に拡散するのに十分な時間と空間を有する様に、第1および第2端部の方向において基板からガス・インレットの間に十分な距離を形成することを可能にする。したがって、バイパス効果は最小限に抑えられる。
【0013】
一実施形態では、リアクション・チャンバは、長手方向中心軸に沿って第1端部から幅中心軸まで増加する幅と、長手方向中心軸に沿って幅中心軸から第2端部まで減少する幅を有する。
【0014】
したがって、リアクション・チャンバの幅は、第1端部から幅中心軸に向かって増加し、幅中心軸から第2端部に向かって減少する。
【0015】
別の実施形態において、リアクション・チャンバは、第1端部と幅中心軸との間に幅増加エリアを備え、幅増加エリアは、第1端部から幅中心軸まで延び、第1端部から幅中心軸まで長手方向中心軸に沿って幅増加を有する。リアクション・チャンバは、幅中心軸と第2端部との間に幅減少エリアをさらに備え、幅減少エリアは、幅中心軸から第2端部まで延び、幅中心軸から第2端部まで長手方向中心軸に沿って幅減少を有する。
【0016】
幅増加エリアと幅減少エリアは、楕円形または楕円形のようなリアクション・チャンバとして提供され、良好な前駆体流の均一性と、第1端部と第2端部の間、またはガス・インレットとガス・アウトレットの間の速いフローを可能にする。
【0017】
一実施形態では、第1および第2側壁は、第1端部から幅中心軸まで延びる増加する幅の壁部分を備える。幅増加壁部分は、平面壁部分または湾曲壁部分である。第1および第2側壁は、幅中心軸から第2端部まで延びる幅が減少する壁部分を備える。幅減少壁部分は、平面壁部分または湾曲壁部分である。
【0018】
直線的に増減する壁部は、シンプルなリアクション・チャンバ構造を提供する。
【0019】
湾曲して増減する壁部は、円形基板の形状により近いリアクション・チャンバ形状を提供する。
【0020】
別の実施形態では、第1および第2側壁は、幅増加エリア内に幅増加壁部分を含む。幅増加壁部分は、平面壁部分または湾曲壁部分である。第1および第2側壁は、幅減少エリア内に幅減少壁部分を含む。幅減少壁部分は、平面壁部分または湾曲壁部分である。
【0021】
直線的に幅が増減するエリアは、シンプルなリアクション・チャンバ構造を提供する。
【0022】
湾曲して幅が増減するエリアは、円形基板の形状により近いリアクション・チャンバ形状を提供する。
【0023】
一実施形態では、リアクション・チャンバは、第1端部から幅中心軸に向かう方向において長手方向中心軸に沿って増加する幅と、幅中心軸から第2端部に向かう方向において長手方向中心軸に沿って減少する幅とを有する。リアクション・チャンバはさらに、幅中心軸から第1端部に向かう方向および幅中心軸から第2端部に向かう方向に、長手方向中心軸に沿って一定の幅を有する。リアクション・チャンバはさらに、幅中心軸から第1端部に向かう方向および幅中心軸から第2端部に向かう方向に、長手方向中心軸に沿って一定の幅を有する。
【0024】
幅増加と幅減少との間の一定の幅は、より均一で安定したガス・フローの提供を強化することができる。さらに、基板ホルダをリアクション・チャンバ内にさらに容易に配置することができる。
【0025】
別の実施形態では、リアクション・チャンバは、第1端部と幅中心軸との間に設けられた幅増加エリアを備える。幅増加エリアは、第1端部から幅中心軸に向かう方向で長手方向中心軸に沿った増加する幅を含む。リアクション・チャンバは、幅中心軸と第2端部との間に設けられた幅減少エリアを備える。幅減少エリアは、長手方向中心軸に沿って、幅中心軸から第2端部に向かう方向に減少する幅を含む。リアクション・チャンバは、幅増加エリアと幅減少エリアとの間に設けられた幅一定エリアをさらに備える。
【0026】
幅増加エリアと幅減少エリアとの間の幅一定エリアは、より均一で安定したガス・フローの提供を強化することができる。さらに、幅一定エリアは、基板ホルダにとって構造的に良好な位置を提供する。
【0027】
一実施形態では、リアクション・チャンバは、リアクション・チャンバ内で第1端部と第2端部との間、およびガス・インレットとガス・アウトレットとの間に配置された基板ホルダを備える。
【0028】
別の実施形態では、リアクション・チャンバは、リアクション・チャンバ内で第1端部と第2端部との間、およびガス・インレットとガス・アウトレットとの間に配置された基板ホルダを備える。基板ホルダは、リアクション・チャンバ内において長手方向中心軸と幅中心軸との交点に対して対称に配置される。
【0029】
したがって、基板ホルダは、基板ホルダを通る高速かつ均一なガス・フローにより幅増加エリアおよび幅減少エリアの利点がある。
【0030】
一実施形態では、基板ホルダは、幅増加エリアおよび幅減少エリアにおいて長手方向中心軸の方向に延在するように配置される。
【0031】
別の実施形態では、基板ホルダは、幅増加エリアから幅減少エリアまで長手方向中心軸の方向に延在するように配置される。
【0032】
したがって、基板は、リアクション・チャンバの側壁が基板の縁部の近くに設けられるように、幅増加エリアおよび幅減少エリアまで延在するように配置することもできる。
【0033】
さらなる実施形態では、基板ホルダは、幅増加エリア、幅減少エリア、および幅一定エリアにおいて長手方向中心軸の方向に延在するように配置される。
【0034】
さらに別の実施形態では、基板ホルダは、幅増加エリアから幅一定エリアを介して幅減少エリアまで長手方向中心軸の方向に延在するように配置される。
【0035】
したがって、基板は、リアクション・チャンバの側壁がガス・インレットおよびガス・アウトレットに向かう方向においても基板の縁部に近接して設けられるように、幅一定エリアから幅増加エリアおよび幅減少エリアへと延びるように配置することもできる。
【0036】
一実施形態では、基板ホルダは、長手方向中心軸の方向に、第1端部の反対側の前端部と、第2端部の反対側の後端部とを備える。基板ホルダは、長手方向中心軸の前端部と後端部との間のリアクション・チャンバ内に基板ゾーンを画定する。リアクション・チャンバはまた、リアクション・チャンバの第1端部と基板ホルダの前端部との間で長手方向中心軸方向に延びるサプライ・ゾーンを備える。ガス・インレットはサプライ・ゾーンに設けられる。リアクション・チャンバは、リアクション・チャンバの第2端部と基板ホルダの後端部との間で長手方向中心軸の方向に延びるディスチャージ・ゾーンをさらに備える。ガス・アウトレットは、ディスチャージ・ゾーンに設けられる。幅増加エリアは、サプライ・ゾーンから基板ゾーンまで長手中心軸の方向に延在し、幅減少エリアは、ディスチャージ・ゾーンから基板ゾーンまで長手中心軸の方向に延在する。
【0037】
したがって、基板エリアは、長手中心軸方向において、幅増加エリアおよび幅減少エリアと重なっている。 したがって、リアクション・チャンバの側壁は、基板エリア内の基板の端に近い。
【0038】
一実施形態では、幅一定エリアは、基板ゾーン内に長手方向中心軸の方向に設けられる。
【0039】
別の実施形態では、幅一定エリアは長手方向中心軸の方向で基板ゾーン内に設けられ、基板ゾーンは長手方向中心軸の方向で幅一定エリアよりも長い長さを有する。
【0040】
したがって、基板エリア内で均一なガス・フローが実現される。
【0041】
一実施形態では、幅中心軸に沿った基板ホルダと第1または第2側壁との間の第1距離は、長手方向中心軸に沿った基板ホルダと第1または第2端部との間の第2距離よりも小さい。
【0042】
したがって、基板はリアクション・チャンバの側壁に近くなり、ガス・インレット/ガス・アウトレットと基板ホルダとの間により大きな空間および距離を設けることができる。
【0043】
一実施形態では、基板ホルダは、1つ以上の円形基板または円形半導体ウェハを支持するように配置される。
【0044】
本発明のリアクション・チャンバは、幅の増減により円形基板とリアクション・チャンバの側壁との間の距離を最小限に抑えることができるため、円形基板に特に適している。
【0045】
いくつかの実施形態では、リアクション・チャンバは、底壁、上壁、第1および第2側壁、ならびに第1および第2端部を備える。第1および第2側壁、ならびに第1および第2端部は、底壁と上壁との間に延在する。
【0046】
一実施形態では、ガス・インレットおよびガス・アウトレットは底壁に設けられる。 これにより、シンプルなリアクション・チャンバの構築が可能となる。
【0047】
別の実施形態では、ガス・インレットは第1端部の近くの底壁に設けられ、ガス・アウトレットは第2端部の近くの底壁に設けられる。これにより、ガス・インレット/ガス・アウトレットと基板ホルダまたは基板の間に大きな距離が得られ、同時にリアクション・チャンバの構造もシンプルになる。
【0048】
さらなる実施形態では、ガス・インレットは第1端部に設けられ、ガス・アウトレットは第2端部に設けられる。これにより、ガス・インレット/ガス・アウトレットと基板ホルダまたは基板の間に大きな距離が得られる。
【0049】
本発明はさらに、真空チャンバと、真空チャンバ内に配置されたリアクション・チャンバとを備えるアトミック・レイヤー・デポジション・リアクタに関する。リアクション・チャンバは、第1端部と、第1端部の反対側の第2端部と、第1端部と第2端部との間に延びる長手方向の中心軸と、長手方向の中心軸に沿った第1端部と第2端部との間の長さを備える。リアクション・チャンバはまた、第1端部と第2端部との間に延びる第1側壁および第2側壁と、第1側壁と第2側壁との間の長手方向中心軸に対して垂直に延びる幅中心軸と、幅中心軸の方向における第1側壁と第2側壁との間の幅とを備える。リアクション・チャンバは、リアクション・チャンバ内にガスを供給するためのガス・インレットと、リアクション・チャンバからガスを排出するためのガス・アウトレットとをさらに備える。ガス・インレットとガス・アウトレットは、幅中心軸を挟んで長手中心軸方向の反対側に間隔を隔てて設けられている。
【0050】
本発明によれば、リアクション・チャンバの第1および第2側壁は、ガス・インレットから幅中心軸に向かう方向において長手方向中心軸に沿って増加する幅と、幅中心軸からガス・アウトレットに向かう方向において長手方向中心軸に沿って減少する幅とを画定するように配置され、リアクション・チャンバの長さは、幅中心軸に沿ったリアクション・チャンバの幅よりも大きい。
【0051】
ガス・インレットとガス・アウトレットとの間の方向における増加する幅および減少する幅により、側壁を基板、特に円形基板の外縁から非常に短い距離に配置することが可能になる。さらに、幅よりも長い長さによって提供される楕円形または楕円形のような形状は、前駆体ガス分子が基板に接触する前に拡散するのに十分な時間と空間を有するように、長手方向中心軸の方向において基板からガス・インレットの間に十分な距離を形成することを可能にする。したがって、バイパス効果は最小限に抑えられる。
【0052】
一実施形態では、リアクタは、真空チャンバの外側からリアクション・チャンバに延び、真空チャンバの外側からリアクション・チャンバにガスを供給するためにガス・インレットに接続される少なくとも1つのガス・インレット・コネクションと、真空チャンバの外側からリアクション・チャンバに延び、リアクション・チャンバから真空チャンバの外側にガスを排出するためにガス・アウトレットに接続される少なくとも1つのガス・アウトレット・コネクションとを備える。
【0053】
したがって、リアクション・チャンバへのガスの供給および排出は、真空チャンバの外で行われる。リアクション・チャンバ内に制御された安全な処理環境が生成される。
【0054】
一実施形態では、リアクション・チャンバは、ガス・インレットから幅中心軸に向かう方向に長手方向中心軸に沿って増加する幅を有する。リアクション・チャンバは、長手方向中心軸に沿って、幅中心軸からガス・アウトレットに向かう方向に減少する幅を有する。リアクション・チャンバはさらに、幅中心軸からガス・インレットに向かう方向、および幅中心軸からガス・アウトレットに向かう方向において、長手方向中心軸に沿って一定の幅を有する。
【0055】
リアクタのリアクション・チャンバは、上述で開示したようなリアクション・チャンバであってよい。
【0056】
本発明の利点は、ガス・インレットとガス・アウトレットとの間の方向、および長手方向中心軸の方向において、増加する幅および減少する幅が、側壁を基板、特に円形基板の外縁から非常に短い距離に配置することを可能にすることである。さらに、幅よりも長さの方が大きいことにより、楕円形または楕円形のような形状が得られるため、長手方向の中心軸の方向において、基板からガス・インレットまでの間に十分な距離を形成することができ、前駆体ガス分子が基板に接触する前に広がる十分な時間と空間を確保することができる。したがって、バイパス効果は最小限に抑えられる。同時に、リアクション・チャンバ内にガス・ポケットのない良好な流動力学が達成されるため、かなりの過剰量を利用する必要がなく、リアクションのパージを短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明を、添付の図面を参照して、具体的な実施形態によって詳細に説明される。
【0058】
【
図1】アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタの概略図を示す。
【
図2】従来技術のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバを概略的に示す図である。
【
図3】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの一実施形態を概略的に示す図である。
【
図4】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの一実施形態を概略的に示す図である。
【
図5】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの一実施形態を概略的に示す図である。
【
図6】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの一実施形態を概略的に示す図である。
【
図7】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの一実施形態を概略的に示す図である。
【
図8】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの一実施形態を概略的に示す図である。
【
図9】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの別の実施形態を概略的に示す図である。
【
図10】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの別の実施形態を概略的に示す図である。
【
図11】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの別の実施形態を概略的に示す図である。
【
図12】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの別の実施形態を概略的に示す図である。
【
図13】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバのさらなる実施形態を概略的に示す図である。
【
図14】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバのさらなる実施形態を概略的に示す図である。
【
図15】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバのさらに別の実施形態を概略的に示す図である。
【
図16】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバのさらに別の実施形態を概略的に示す図である。
【
図17】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの代替実施形態を概略的に示す図である。
【
図18】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの変形例を概略的に示す図である。
【
図19】本発明に係るアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバの変形例を概略的に示す図である。
【
図20】
図13および14の実施形態の変形例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ10を概略的に示す。リアクタ10は、真空チャンバ90を備える。真空チャンバ90は、かなりの圧力に耐えるように構築されている。真空デバイス92は、真空チャンバ90に接続されており、真空チャンバ90内に真空または加圧状態を提供するように配置されている。真空デバイス92は、真空コネクション94を介して真空チャンバ90に接続されている。
【0060】
真空デバイス92は、真空チャンバ90内を真空または加圧状態にすることができる真空ポンプなどの装置である。真空デバイス92は、真空チャンバ90の外部に配置されている。
【0061】
リアクタ10は、真空チャンバ90の内部に配置されたリアクション・チャンバ20をさらに備える。基板はリアクション・チャンバ20内で処理される。
【0062】
リアクション・チャンバ20は、第1端部24と、第1端部24の反対側の第2端部26と、第1端部24と第2端部26との間に延びる第1側壁27と第2側壁28とを備える。リアクション・チャンバ20は、第1端部24と第2端部26との間の長さと、第1側壁27と第2側壁28との間の幅を有する。
【0063】
リアクション・チャンバ20はさらに、底壁23および上壁25を備える。第1端部24、第2端部26、第1側壁27、および第2側壁28は、底壁23と上壁25との間に延びる。
【0064】
リアクション・チャンバ20は、壁23、25、24、26、27、28によって画定されるリアクション・スペース21を有する。
【0065】
リアクション・チャンバ20には、前駆体ガス、パージ・ガスなどがリアクション・チャンバ20内に供給されるガス・インレット30が設けられている。いくつかの実施形態では、1つ以上のガス・インレット30を有する。
【0066】
ガス・インレット30は、前駆体ガス・ソースおよびパージ・ガス・ソースなどの1つまたは複数のガス・ソース100に接続される。ガス・ソース100は、リアクション・チャンバ20の外部および真空チャンバ90の外部に配置されている。ガス・ソース100は、リアクション・チャンバ20内にガスを供給するためのガス・インレット30に接続されている。これにより、真空チャンバ90の外部からリアクション・チャンバ20内にガスが供給される。ガス・ソース100は、ガス・サプライ・コネクション110を介してガス・インレット30に接続されている。ガス・サプライ・コネクション110は、ガス・ソース100から、真空チャンバ90の外側からリアクション・チャンバ20およびガス・インレット30まで延びている。ガス・ソース100は、ガス・ボトルなどであってもよい。
【0067】
また、リアクション・チャンバ20には、リアクション・チャンバ20内から前駆体ガスやパージ・ガスなどが排出されるガス・アウトレット40が設けられている。いくつかの実施形態では、1つ以上のガス・アウトレット40を有する。
【0068】
ガス・アウトレット40は、ディスチャージ・デバイス200に接続されている。ディスチャージ・デバイス200は、リアクション・チャンバ20の外部かつ真空チャンバ90の外部に配置されている。ディスチャージ・デバイス200は、リアクション・チャンバ20内にガスを排出するためのガス・アウトレット40に接続されている。これにより、ガスがリアクション・チャンバ20から真空チャンバ90の外に排出される。ディスチャージ・デバイス200は、ガス・ディスチャージ・コネクション210を用いてガス・アウトレット40に接続されている。ガス・ディスチャージ・コネクション210は、ディスチャージ・デバイス200から真空チャンバ90の外側からリアクション・チャンバ20およびガス・アウトレット40まで延びている。
【0069】
したがって、前駆体ガスおよびパージ・ガスなどのガスは、ガス・インレット30からガス・アウトレット40までリアクション・チャンバ20内を流れる。処理される基板は、ガス・インレット30とガス・アウトレット40との間のリアクション・チャンバ20内に配置される。
【0070】
リアクション・チャンバ20にはさらに、処理のために1つ以上の基板が配置され支持される基板ホルダが設けられる。基板ホルダは、ガス・インレット30とガス・アウトレット40の間の基板ホルダを通ってガスが流れ、基板の表面がガスに曝されるように、ガス・インレット30とガス・アウトレット40の間に配置される。
【0071】
ガス・インレット30およびガス・アウトレット40は、それぞれ、底壁23の第1端部24および第2端部26の近傍に設けられている。
【0072】
あるいは、ガス・インレット30およびガス・アウトレット40は、それぞれ第1端部24および第2端部26の近傍の上壁25に設けられる。
【0073】
代替実施形態では、ガス・インレット30およびガス・アウトレット40は、それぞれ第1端部24および第2端部26に設けられる。
【0074】
したがって、ガス・インレット30とガス・アウトレット40は、リアクション・チャンバ20内において、第1端部24と第2端部26との間の方向に互いに離間して設けられる。したがって、基板はガス・インレット30とガス・アウトレット40の間に配置され得る。
【0075】
本発明において、リアクション・チャンバ20は、略楕円形または楕円形のような形状を有する。これは、第1端部24と第2端部26との間のリアクション・チャンバ20の長さが、リアクション・チャンバ20の幅または最大幅よりも大きいことを意味する。さらに、楕円のような形状は、リアクション・チャンバ20の幅が、第1端部24から第2端部26に向かう方向において、リアクション・チャンバの長さの少なくとも一部に沿って増加することを意味し、そして、リアクション・チャンバ20の幅が、第2端部26から第1端部24に向かう方向において、リアクション・チャンバの長さの少なくとも一部に沿って増加することを意味する。したがって、リアクション・チャンバ20の幅は、第1端部24から第2端部26からリアクション・チャンバ20の中心に向かう方向に増加する。リアクション・チャンバ20の幅は、リアクション・チャンバ20の側壁によって画定される。
【0076】
リアクション・チャンバ20の楕円形または楕円形のような形状は、第1端部24と第2端部26との間に形成される。あるいは、楕円形または楕円形のような形状は、少なくともガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に形成される。
【0077】
図3~
図19の実施形態では、ガス・インレット30およびガス・アウトレット40は、リアクション・チャンバ20の底壁23に設けられている。
【0078】
本発明の代替実施形態では、ガス・インレット30およびガス・アウトレット40は、それぞれリアクション・チャンバ20の上壁25または第1端部24および第2端部26に設けられる。本発明は、ガス・インレット30とガス・アウトレット40の正確な位置に限定されない。
【0079】
さらに、一般に、リアクション・チャンバ20は、第1端部24と第2端部26との間の長さLを有する。リアクション・チャンバ20はまた、リアクション・チャンバ20の長さ方向に、かつ第1端部24と第2端部26との間の方向に延びる長手方向中心軸Xを備える。
【0080】
第1および第2側壁27、28は、リアクション・チャンバ20の幅Wを画定する。本発明に係るリアクション・チャンバ20では、リアクション・チャンバ20の幅Wが長手方向中心軸Xに沿って変化する。リアクション・チャンバ20はまた、第1側壁27と第2側壁28との間の方向に、かつ長手方向中心軸Xに対して垂直に延びる幅中心軸Yを備える。
【0081】
長手方向中心軸Xはリアクション・チャンバの長さ方向に延び、幅中心軸Yは、リアクション・チャンバの幅方向に延びる。
【0082】
長手方向中心軸Xは、リアクション・チャンバ20を長さ方向に2等分する。幅中心軸Yは、リアクション・チャンバ20を幅方向に2等分する。
【0083】
図3は、本発明に係るリアクション・チャンバ20の一実施形態を上方から示している。リアクション・チャンバ20は、略楕円形または楕円形のような形状を有する。
【0084】
図3に示すリアクション・チャンバは、第1端部24と第2端部26と、第1端部24と第2端部26の間に延びる第1側壁27と、第1側壁27に対向し、第1端部24と第2端部26の間に延びる第2側壁28と、を備える。
【0085】
本実施形態では、ガス・インレット30およびガス・アウトレットは、底壁23に設けられている。
【0086】
リアクション・チャンバ20内には、第1端部24と第2端部26との間、より具体的にはガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に、基板ホルダ50が配置されている。基板ホルダ50は、処理中に1つまたは複数の基板、特に円形の基板を保持するように配置される。
【0087】
図3の矢印AおよびBは、リアクション・チャンバ20内のガス・インレット30からガス・アウトレット40へのガスの流れを表す。リアクション・チャンバ20の楕円形または楕円形のような形状により、リアクション・チャンバ20または底壁23を横切るガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に均一な流れが生じる。より均一な量のガス分子は、側壁27、28に沿った長いフロー・パスAと、ガス・インレット30からガス・アウトレット40までの直線的なフロー・パスBを通る。
【0088】
図4に示すように、リアクション・チャンバ20は、第1端部24から第1および第2側壁27、28によって画定される幅中心軸Yまで長手方向中心軸Xに沿って増加する幅Wを備える。さらに、リアクション・チャンバ20は、長手方向中心軸Xに沿って幅中心軸Yから第2端部26まで減少する幅Wを有する。したがって、リアクション・チャンバ20は、長手方向中心軸Xに沿った幅中心軸Yにおいて最大の幅を有する。
【0089】
したがって、リアクション・チャンバ20は、第1端部24から幅中心軸Yまでの長手方向中心軸Xに沿って、第1端部24と幅中心軸Yとの間に幅増加エリアGを備える。同様に、リアクション・チャンバ20は、
図4に示すように、幅中心軸Yと長手方向中心軸Xに沿った第2端部26との間に幅減少エリアHを含む。
【0090】
図5は、リアクション・チャンバ20内の基板ホルダ50を示す。リアクション・チャンバ20の楕円形または楕円形のような形状は、幅中心軸Yに沿って基板ホルダ50と第1および第2側壁27、28との間に第1距離D
1を有し、長手方向中心軸Xに沿って基板ホルダ50と第1および第2端部24、26との間に第2距離D
2を有するように配置される。リアクション・チャンバ20の楕円形または楕円形のような形状は、第2距離D
2が第1距離D
1よりも大きくなるように配置される。これにより、第1距離D
1を大きくすることなく、バイパス効果を排除するとともに、ガス・インレット30およびガス・アウトレット40のサイズを大きくすることができる。
【0091】
図6に示すように、基板ホルダ50は、第1端部24と第2端部26との間、およびガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に配置される。
【0092】
基板ホルダ50は、長手方向中心軸Xと幅中心軸Yとの断面において、リアクション・チャンバ20の中央に配置されることが好ましい。
【0093】
基板ホルダ50は、長手方向中心軸Xの方向に、第1端部24の反対側の前端部54と、第2端部26の反対側の後端部56とを備える。基板ホルダ50は、長手方向中心軸Xにおける前端部54と後端部56との間のリアクション・チャンバ20内に基板ゾーンZ2を画定する。
【0094】
リアクション・チャンバ20は、リアクション・チャンバ20の第1端部24と基板ホルダ50の前端部54との間で長手方向中心軸Xの方向に延在するサプライ・ゾーンZ1をさらに備える。ガス・インレット30は、サプライ・ゾーンZ1に設けられている。リアクション・チャンバ20はまた、リアクション・チャンバ20の第2端部26と基板ホルダ50の後端部56との間で長手方向中心軸Xの方向に延びるディスチャージ・ゾーンZ3を備える。ガス・アウトレット40は、ディスチャージ・ゾーンZ3に設けられている。
【0095】
ガス・インレット30は第1端部24の近くに配置され、ガス・アウトレット40は第2端部26の近くに配置される。
【0096】
したがって、リアクション・チャンバ20は、長手方向中心軸Xに沿って、サプライ・ゾーンZ1、基板ゾーンZ2、およびディスチャージ・ゾーンZ3の3つのゾーンを備える。ガスは、サプライ・ゾーンZ1のガス・インレット30から供給され、ガス・アウトレット40を介してディスチャージ・ゾーンZ3から排出され、基板ゾーンZ2を流れる。
【0097】
図6に示すように、幅増加エリアGは、長手方向中心軸Xの方向にサプライ・ゾーンZ
1から基板ゾーンZ
2まで延びる。したがって、幅増加エリアGと基板ゾーンZ
2は部分的に重なる。
図6の実施形態では、幅増加エリアGおよび基板ゾーンZ
2は、基板ホルダ50の前端部54と幅中心軸Yとの間で重なっている。同様に、幅減少エリアHは、ディスチャージ・ゾーンZ
3から基板ゾーンZ
2まで長手方向中心軸Xの方向に延びる。したがって、幅減少エリアHと基板ゾーンZ
2は部分的に重なる。
図6の実施形態では、幅減少エリアHおよび基板ゾーンZ
2は、幅中心軸Yと基板ホルダ50の後端部56との間で重なっている。
【0098】
図3から
図6の実施形態では、リアクション・チャンバ20の第1および第2側壁27、28は湾曲している。第1および第2側壁27、28は、第1端部24と第2端部26との間で湾曲し、外側に凸状である。
【0099】
図7は、幅中心軸Yに沿って第1端部24の方向から見たリアクション・チャンバ20の断面図を示す。基板ホルダ50は、1つ以上の基板を支持するための1つ以上の基板支持面またはシェルフ52を備える。基板ホルダ50は、第1および第2側壁27、28から第1距離D
1を隔てて配置される。
【0100】
図8は、長手方向中心軸Xに沿って第2側壁28の方向から見たリアクション・チャンバ20の別の断面図を示す。基板ホルダ50は、第1および第2端部24、26から第2距離D
2に配置される。リアクション・チャンバ20はさらに、サプライ・ゾーンZ
1、基板ゾーンZ
2、およびディスチャージ・ゾーンZ
3を備える。
【0101】
図9から
図12は、第1および第2側壁27、28が直線状または平面状である代替実施形態を示している。第1側壁27および第2側壁28は、第1端部24から幅中心軸Yまで延びる分岐壁部31を備える。第1および第2側壁27、28は、
図10に示すように、幅中心軸Yから第2端部26まで延びる収束壁部41をさらに備える。
【0102】
分岐壁部31および収束壁部41は直線状または平面状である。
【0103】
分岐壁部31は、第1端部24から幅中心軸Yまで長手方向中心軸Xに沿って増加する幅Wを画定する。さらに、収束壁部41は、長手方向中心軸Xに沿って幅中心軸Yから第2端部26まで減少する幅Wを画定する。したがって、リアクション・チャンバ20は、長手方向中心軸Xに沿った幅中心軸Yにおいて最大の幅を有する。
【0104】
したがって、リアクション・チャンバ20は、第1端部24から分岐壁部31によって画定される幅中心軸Yまでの長手方向中心軸Xに沿って、第1端部24と幅中心軸Yとの間に幅増加エリアGを備える。同様に、リアクション・チャンバ20は、
図10に示すように、幅中心軸Yと、収束壁部41によって画定される長手方向中心軸Xに沿った第2端部26との間に幅減少エリアHを備える。
【0105】
分岐壁部31および収束壁部41は、リアクション・チャンバ20の楕円形または楕円形のような形状を提供する。
【0106】
図11は、リアクション・チャンバ20内の基板ホルダ50を示す。基板ホルダ50は、幅中心軸Yに沿って第1及び第2側壁27、28から第1距離D
1を隔てて配置されている。基板ホルダ50はさらに、長手方向中心軸Xに沿って第1および第2端部24、26から第2距離D
2のところに配置される。リアクション・チャンバ20の楕円形または楕円形のような形状は、第2距離D
2が第1距離D
1よりも大きくなるように配置される。
【0107】
図9に示すように、基板ホルダ50は、第1端部24と第2端部26との間、およびガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に配置される。
【0108】
基板ホルダ50は、長手方向中心軸Xと幅中心軸Yとの断面において、リアクション・チャンバ20の中央に配置されることが好ましい。
【0109】
リアクション・チャンバ20は、リアクション・チャンバ20の第1端部24と基板ホルダ50の前端部54との間で長手方向中心軸Xの方向に延在するサプライ・ゾーンZ1をさらに備える。ガス・インレット30は、サプライ・ゾーンZ1に設けられている。リアクション・チャンバ20はまた、リアクション・チャンバ20の第2端部26と基板ホルダ50の後端部56との間で長手方向中心軸Xの方向に延びるディスチャージ・ゾーンZ3を備える。ガス・アウトレット40は、ディスチャージ・ゾーンZ3に設けられている。基板ゾーンZ2は、基板ホルダ50の前端部54と後端部56との間に設けられる。
【0110】
ガス・インレット30は第1端部24の近くに配置され、ガス・アウトレット40は第2端部26の近くに配置される。
【0111】
したがって、リアクション・チャンバ20は、長手方向中心軸Xに沿って、サプライ・ゾーンZ1、基板ゾーンZ2、およびディスチャージ・ゾーンZ3の3つのゾーンを備える。ガスは、サプライ・ゾーンZ1のガス・インレット30から供給され、ガス・アウトレット40を介してディスチャージ・ゾーンZ3から排出され、基板ゾーンZ2を流れる。
【0112】
図12に示すように、幅増加エリアGは、サプライ・ゾーンZ
1から基板ゾーンZ
2まで長手方向中心軸Xの方向に延びる。したがって、幅増加エリアGと基板ゾーンZ
2は部分的に重なる。
図12の実施形態では、幅増加エリアGおよび基板ゾーンZ
2は、基板ホルダ50の前端部54と幅中心軸Yとの間で重なっている。同様に、幅減少エリアHは、ディスチャージ・ゾーンZ
3から基板ゾーンZ
2まで長手方向中心軸Xの方向に延びる。したがって、幅減少エリアHと基板ゾーンZ
2は部分的に重なる。
図6の実施形態では、幅減少エリアHおよび基板ゾーンZ
2は、幅中心軸Yと基板ホルダ50の後端部56との間で重なっている。
【0113】
図13および14は、
図3~6の実施形態の変形例を示す。
図13および14の実施形態では、リアクション・チャンバ20は、略楕円形または楕円形のような形状を有する。
【0114】
図13のリアクション・チャンバは、第1端部24と第2端部26と、第1端部24と第2端部26の間に延びる第1側壁27と、第1側壁27に対向し、第1端部24と第2端部26の間に延びる第2側壁28と、を備える。
【0115】
本実施形態では、ガス・インレット30およびガス・アウトレットは、底壁23に設けられている。
【0116】
リアクション・チャンバ20内には、第1端部24と第2端部26との間に、より具体的にはガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に配置された基板ホルダ50を有する。基板ホルダ50は、処理中に1つまたは複数の基板、特に円形の基板を保持するように配置される。
【0117】
図13および
図14の実施形態では、第1および第2側壁27、28は、第1端部24から幅中心軸Yに向かって延びる分岐壁部31を備える。分岐壁部31は、リアクション・チャンバ20の増加する幅Wを画定する。
【0118】
第1および第2側壁27、28は、互いに平行に延びる平行壁部35をさらに備える。平行壁部35は、長手方向中心軸Xに沿って一定の幅Wを画定する。
【0119】
平行壁部35は、長手方向中心軸Xの方向に延在する。平行壁部35は、直線状または平面状である。
【0120】
平行壁部35は、分岐壁部31から第2端部26に向かって延びる。平行壁部35は、幅中心軸Yから第1端部24および第2端部26に向かって延びている。
【0121】
第1および第2側壁27、28は、平行壁部35から第2端部26まで延びる収束壁部41を備える。収束壁部41は、リアクション・チャンバ20の減少する幅Wを画定する。
【0122】
分岐壁部31および収束壁部41は、湾曲壁部である。分岐壁部31および収束壁部41は、外側に凸の湾曲形状を有している。
【0123】
リアクション・チャンバ20は、長手方向中心軸Xに沿って、第1端部24と平行壁部35との間に幅増加エリアGを備える。幅増加エリアGは、分岐壁部31によって画定される。リアクション・チャンバ20は、長手方向中心軸Xに沿って幅増加エリアGから第2端部26に向かって延びる幅一定エリアFをさらに含む。幅一定エリアFは、平行壁部35によって画定される。さらに、リアクション・チャンバ20は、
図14に示すように、長手方向中心軸Xに沿って幅一定エリアFと第2端部26との間に幅減少エリアHを備える。
【0124】
幅一定エリアFは、幅増加エリアGと幅減少エリアHとの間に配置されている。
【0125】
また、この実施形態では、基板ホルダ50は、第1および第2側壁27、28から第1距離D1の位置にあり、第1および第2端部24、26から第2距離D2の位置に有する。リアクション・チャンバ20の楕円形または楕円形のような形状は、第2距離D2が第1距離D1よりも大きくなるように配置される。
【0126】
図14に示すように、幅一定エリアFは、リアクション・チャンバ20の中央に設けられ、幅中心軸Yから第1及び第2端部24、26に向かって延びている。
【0127】
基板ホルダ50は、第1端部24と第2端部26との間、およびガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に配置される。
【0128】
基板ホルダ50は、長手方向中心軸Xと幅中心軸Yとの断面において、リアクション・チャンバ20の中央に配置されることが好ましい。
【0129】
リアクション・チャンバ20は、サプライ・ゾーンZ1、基板ゾーンZ2、およびディスチャージ・ゾーンZ3を備える。
【0130】
図14に示すように、幅増加エリアGは、長手方向中心軸Xの方向にサプライ・ゾーンZ
1から基板ゾーンZ
2まで延びる。したがって、幅増加エリアGと基板ゾーンZ
2は部分的に重なる。
図14の実施形態では、幅増加エリアGおよび基板ゾーンZ
2は、基板ホルダ50の前端部54と幅一定エリアFとの間で重なっている。同様に、幅減少エリアHは、ディスチャージ・ゾーンZ
3から基板ゾーンZ
2まで長手方向中心軸Xの方向に延びる。したがって、幅減少エリアHと基板ゾーンZ
2は部分的に重なる。
図14の実施形態では、幅減少エリアHおよび基板ゾーンZ
2は、幅一定エリアFと基板ホルダ50の後端部56との間で重なっている。
【0131】
さらに、基板ゾーンZ2内には、長手方向中心軸X方向に幅一定エリアFが設けられている。
【0132】
したがって、基板ゾーンZ2内には長手方向中心軸X方向に幅一定エリアFが設けられており、基板ゾーンZ2は長手方向中心軸X方向において幅一定エリアFよりも長い。
【0133】
図15および16は、
図13および14の実施形態に対応する実施形態を開示する。
図15および16の実施形態では、分岐壁部31および収束壁部41は、直線状または平面状の壁部として提供される。
【0134】
図17は、
図15および16の実施形態の変形例である実施形態を開示する。
【0135】
図17の実施形態は、長手方向中心軸Xの方向に第1端部24から第2端部26に向かって延びる第1端部幅一定エリアJを備える。第1端部幅一定エリアJは、第1端部24と幅増加エリアGとの間に設けられる。第1端部幅一定エリアJは、第1端部平行側壁部32によって画定される。
【0136】
第1端部平行側壁部32は、長手方向中心軸Xと平行に延びている。
【0137】
図17に示すように、ガス・インレット30は、第1端部幅一定エリアJに配置されている。これにより、ガス・インレット30と基板ホルダ50または前端部54との間の距離を長くすることができる。
【0138】
第1端部幅一定エリアJは、リアクション・チャンバ20のサプライ・ゾーンZ1に設けられる。
【0139】
基板ゾーンZ2と幅増加エリアGとは、長手方向中心軸Xの方向において部分的に重なっている。したがって、基板ゾーンZ2は幅増加エリアGまで延びている。
【0140】
図17の実施形態は、長手方向中心軸Xの方向に第2端部26から第1端部24に向かって延びる第2端部幅一定エリアKをさらに備える。第2端部幅一定エリアKは、第2端部25と幅減少エリアHとの間に設けられる。第2端部幅一定エリアKは、第2端部平行側壁部42によって画定される。
【0141】
第2端部平行側壁部42は、長手方向中心軸Xと平行に延びている。
【0142】
図17に示すように、ガス・アウトレット40は、第2端部幅一定エリアKに配置されている。これにより、ガス・アウトレット40と基板ホルダ50または後端部56との間の距離を増大させることができる。
【0143】
第2端部幅一定エリアKは、リアクション・チャンバ20のディスチャージ・ゾーンZ3に設けられる。
【0144】
基板ゾーンZ2と幅減少エリアHとは、長手方向中心軸Xの方向において部分的に重なっている。したがって、基板ゾーンZ2は、幅減少エリアHまで拡張される。
【0145】
幅一定エリアFは、基板ゾーンZ2内で、幅増加エリアGと幅減少エリアHの間に配置されている。
【0146】
図18は、
図3から
図6の実施形態の変形例を示す。リアクション・チャンバ20には、サプライ・ゾーンZ
1に配置されたサプライ・フロー・ガイド60が設けられる。サプライ・フロー・ガイド60は、ガス・インレット30からフロー・パスAおよびフロー・パスBへガス・フローをガイドするように配置されている。
【0147】
サプライ・フロー・ガイド60は、幅増加エリアGに配置されている。
【0148】
サプライ・フロー・ガイド60は、分岐壁部31と略平行となるように配置されている。長手方向中心軸Xの反対側に少なくとも1つのサプライ・フロー・ガイド60が存在している。
【0149】
リアクション・チャンバ20には、ディスチャージ・ゾーンZ3に配置されたディスチャージ・フロー・ガイド62がさらに設けられている。ディスチャージ・フロー・ガイド62は、フロー・パスAおよびフロー・パスBからのガス・フローをガス・アウトレット40へ案内するように配置されている。
【0150】
ディスチャージ・フロー・ガイド62は、幅減少エリアHに配置されている。
【0151】
ディスチャージ・フロー・ガイド62は、収束する収束壁部41と略平行となるように配置されている。長手方向中心軸Xの反対側に少なくとも1つのディスチャージ・フロー・ガイド62が存在する。
【0152】
図19は、
図3から
図6の実施形態に対するさらなる変形例を示す。リアクション・チャンバ20には、サプライ・ゾーンZ
1から基板ゾーンZ
2まで延びるように配置されたサプライ・フロー・ガイド60が設けられている。サプライ・フロー・ガイド60は、ガス・インレット30からフロー・パスAおよびフロー・パスBへガス・フローをガイドするように配置されている。
【0153】
サプライ・フロー・ガイド60は、幅増加エリアGに配置されている。
【0154】
サプライ・フロー・ガイド60は、分岐壁部31と実質的に平行となるように配置されている。サプライ・フロー・ガイド60は、長手方向中心軸Xの反対側に少なくとも1つ存在する。
【0155】
リアクション・チャンバ20にはさらに、ディスチャージ・ゾーンZ3から基板ゾーンZ2まで延びるように配置されたディスチャージ・フロー・ガイド62が設けられている。ディスチャージ・フロー・ガイド62は、フロー・パスAおよびフロー・パスBからのガス・フローをガス・アウトレット40へガイドするように配置されている。
【0156】
ディスチャージ・フロー・ガイド62は、幅減少エリアHに配置されている。
【0157】
ディスチャージ・フロー・ガイド62は、収束する収束壁部41と略平行となるように配置されている。長手方向中心軸Xの反対側に少なくとも1つのディスチャージ・フロー・ガイド62が存在する。
【0158】
いくつかの実施形態では、ディスチャージ・フロー・ガイド62は省略されてもよく、サプライ・フロー・ガイド60のみが存在する。
【0159】
サプライ・フロー・ガイド60よびディスチャージ・フロー・ガイド62は、プレート状または羽根状である。
【0160】
図20は、
図13および
図14の実施形態の変形例を示す。
図20の実施形態では、リアクション・チャンバ20は、略楕円形または楕円形のような形状を有する。
【0161】
リアクション・チャンバ20内には、第1端部24と第2端部26との間、より具体的にはガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に配置された長手方向の基板ホルダ50がある。基板ホルダ50は、処理中に1つまたは複数の基板、特に円形の基板を保持するように配置される。
【0162】
長手方向の基板ホルダ50は、ガス・インレット30とガス・アウトレット40との間で、円形基板などの2つ以上の基板を連続してまたは連続して保持または支持するように配置されている。連続する基板は、リアクション・チャンバ20の底壁23から同じレベルまたは高さに配置される。長手方向の基板ホルダ50は、
図7および
図8に示すように、2つ以上の基板を互いの上に保持または支持するように構成されてもよい。
【0163】
長手方向の基板ホルダ50は、第1端部24と第2端部26との間、およびガス・インレット30とガス・アウトレット40との間に配置される。
【0164】
好ましくは、長手方向の基板ホルダ50は、長手方向中心軸Xと幅中心軸Yとの断面において、リアクション・チャンバ20の中央に配置される。
【0165】
長手方向の基板ホルダ50は、幅増加エリアGから幅一定エリアFを介して幅減少エリアHまで延びている。
【0166】
代替の実施形態では、幅一定エリアFは省略されてもよく、長手方向の基板ホルダ50は、幅増加エリアGから幅減少エリアHまで延びる。
【0167】
以上、本発明を図示の実施例を参照して説明した。しかしながら、本発明は上記の例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変更することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部(24)と、第1端部(24)の反対側の第2端部(26)と、第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる長手方向中心軸(X)とを備え、長手方向中心軸(X)における第1端部(24)と第2端部(26)との間の長さ(L)を有しており、
第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる第1側壁(27)と、第1側壁(27)の反対側に有し、第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる第2側壁(28)とを備え、第1側壁(27)および第2側壁(28)が、第1端部(24)と第2端部(26)との間でリアクション・チャンバ(20)の幅(W)を規定し、リアクション・チャンバ(20)が、第1側壁(27)と第2側壁(28)との間で、長手方向中心軸(X)に対して垂直に延びる幅中心軸(Y)を有しており、
リアクション・チャンバ(20)内にガスを供給するためのガス・インレット(30)と、
リアクション・チャンバ(20)からガスを排出するためのガス・アウトレット(40)と、を備え、
ガス・インレット(30)およびガス・アウトレット(40)は、リアクション・チャンバ(20)の長手方向中心軸(X)に沿って間隔を置いて設けられている、アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、長手方向中心軸(X)に沿って、第1端部(24)から幅中心軸(Y)に向かう方向で増大する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、長手方向中心軸(X)に沿って、幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向で減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)の長さ(L)は、幅中心軸(Y)に沿ったリアクション・チャンバ(20)の幅(W)よりも大きい、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項2】
請求項1に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、且つ、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有する、
または、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と幅中心軸(Y)との間に幅増加エリア(G)を備え、幅増加エリア(G)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで延在し、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、且つ、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)と第2端部(26)との間に幅減少エリア(H)を備え、幅減少エリア(H)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで延在し、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで長手方向中心軸(X)に沿って幅減少(W)を有する、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項3】
請求項2に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
第1および第2側壁(27,28)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)まで延びる幅増加壁部(31)を備え、幅増加壁部(31)は、平面壁部または湾曲壁部であり、且つ、
第1および第2側壁(27,28)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)まで延びる幅減少壁部(41)を備え、幅減少壁部(41)は、平面壁部または湾曲壁部であり、
または、
第1および第2側壁(27,28)は、幅増加エリア(G)において幅増加壁部(31)を備え、幅増加壁部(31)は、平面壁部または湾曲壁部であり、且つ、
第1および第2側壁(27,28)は、幅減少エリア(H)において幅減少壁部(41)を備え、幅減少壁部(41)は、平面壁部または湾曲壁部である、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項4】
請求項1に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)から第1端部(24)に向かう方向および幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って一定の幅(W)を有し、
または、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と幅中心軸(Y)との間に設けられた幅増加エリア(G)を備え、幅増加エリア(G)は、第1端部(24)から幅中心軸(Y)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)と第2端部(26)との間に設けられた幅減少エリア(H)を備え、幅減少エリア(H)は、幅中心軸(Y)から第2端部(26)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅増加エリア(G)と幅減少エリア(H)との間に設けられた幅一定エリア(F)を備えている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と第2端部(26)との間、および、ガス・インレット(30)とガス・アウトレット(40)との間のリアクション・チャンバ(20)内に配置された基板ホルダ(50)を備える、
または、
リアクション・チャンバ(20)は、第1端部(24)と第2端部(26)との間、および、ガス・インレット(30)とガス・アウトレット(40)との間のリアクション・チャンバ(20)内に配置された基板ホルダ(50)を備え、基板ホルダ(50)は、リアクション・チャンバ(20)内で長手方向中心軸(X)と幅中心軸(Y)との交点に対して対称に配置されている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項6】
請求項5に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)および幅減少エリア(H)において長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
または、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)から幅減少エリア(H)まで長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
または、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)、幅減少エリア(H)および幅一定エリア(F)において長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
または、
基板ホルダ(50)は、幅増加エリア(G)から幅一定エリア(F)を介して幅減少エリア(H)まで長手方向中心軸(X)の方向に延びるように配置されている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項7】
請求項
5に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
基板ホルダ(50)は、長手方向中心軸(X)において第1端部(24)の反対側に有する前端部(54)と、第2端部(26)の反対側に有する後端部(56)と、を備え、基板ホルダ(50)は、長手方向中心軸(X)において前端部(54)と後端部(56)との間のリアクション・チャンバ(20)内に基板ゾーン(Z
2)を規定し、
リアクション・チャンバ(20)は、リアクション・チャンバ(20)の第1端部(24)と基板ホルダ(50)の前端部(54)との間に、長手方向中心軸(X)に延びるサプライ・ゾーン(Z
1)を備え、ガス・インレット(30)は、サプライ・ゾーン(Z
1)に設けられており、
リアクション・チャンバ(20)は、リアクション・チャンバ(20)の第2端部(26)と基板ホルダ(50)の後端部(56)との間に、長手方向中心軸(X)に延びるディスチャージ・ゾーン(Z
3)を備え、ガス・アウトレット(40)は、ディスチャージ・ゾーン(Z
3)に設けられており、
幅増加エリア(G)は、サプライ・ゾーン(Z
1)から基板ゾーン(Z
2)まで長手方向中心軸(X)に延び、幅減少エリア(H)は、ディスチャージ・ゾーン(Z
3)から基板ゾーン(Z
2)まで長手方向中心軸(X)に延びている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項8】
請求項7に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
幅一定エリア(F)は、長手方向中心軸(X)において、基板ゾーン(Z
2)内に設けられている、
または、
幅一定エリア(F)は、長手方向中心軸(X)において、基板ゾーン(Z
2)内に設けられ、基板ゾーン(Z
2)は、長手方向中心軸(X)において、幅一定エリア(F)よりも大きい長さを有している、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項9】
請求項
5に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
幅中心軸(Y)に沿った基板ホルダ(50)と第1または第2側壁(27、28)との間の第1距離(D1)は、長手方向中心軸(X)に沿った基板ホルダ(50)と第1または第2端部(24、26)との間の第2距離(D2)よりも小さい、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項10】
請求項
5に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
基板ホルダ(50)は、1つ以上の円形基板または円形セミコンダクタ・ウェハを支持するように配置されている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項11】
リアクション・チャンバ(20)は、底壁(23)と、上壁(25)と、第1および第2側壁(27、28)と、第1および第2端部(24、26)とを備え、第1および第2側壁(27、28)並びに第1および第2端部(24、26)は、底壁(123)と上壁(25)との間に延びている、請求項1~
4のいずれか1つに記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)であって、
ガス・インレット(30)およびガス・アウトレット(40)が底壁(23)に設けられ、
または、
ガス・インレット(30)が第1端部(24)の近傍で底壁(23)に設けられ、ガス・アウトレット(40)が第2端部(26)の近傍で底壁(23)に設けられ、
または
ガス・インレット(30)が第1端部(24)に設けられ、ガス・アウトレット(40)が第2端部(26)に設けられている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)。
【請求項12】
真空チャンバ(90)と、
真空チャンバ(90)内に配置されたリアクション・チャンバ(20)と、を備え、
リアクション・チャンバ(20)は、
第1端部(24)と、第1端部(24)の反対側の第2端部(26)と、第1端部(24)と第2端部(26)との間を延びる長手方向中心軸(X)とを備え、長手方向中心軸(X)における第1端部(24)と第2端部(26)との間が長さ(L)であり、
第1端部(24)と第2端部(26)との間に延びる第1側壁(27)および第2側壁(28)と、第1および第2側壁(27、28)の間の長手方向中心軸(X)に対して垂直に延びる幅中心軸(Y)とを備え、幅中心軸(Y)における前記第1及び第2側壁(27、28)の間が幅(W)であり、
リアクション・チャンバ(20)にガスを供給するガス・インレット(30)と、
リアクション・チャンバ(20)からガスを排出するガス・アウトレット(40)と、
ガス・インレット(30)およびガス・アウトレット(40)が、長手方向中心軸(X)において幅中心軸(Y)の反対側に間隔を隔てて設けられている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
リアクション・チャンバ(20)の第1および第2側壁(27,28)は、ガス・インレット(30)から幅中心軸(Y)において長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)、および幅中心軸(Y)からガス・アウトレット(40)に向かう方向において長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を規定するように配置され、
リアクション・チャンバ(20)の長さ(L)は、幅中心軸(Y)に沿ったリアクション・チャンバ(20)の幅(W)よりも大きい、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【請求項13】
請求項12に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
リアクタ(10)は、
真空チャンバ(90)の外側からリアクション・チャンバ(20)に延び、真空チャンバ(90)の外側からリアクション・チャンバ(20)にガスを供給するためにガス・インレット(30)に接続される少なくとも1つのガス・インレット・コネクション(110)と、
真空チャンバ(90)の外側からリアクション・チャンバ(20)に延び、リアクション・チャンバ(20)から真空チャンバ(90)の外側にガスを排出するためのガス・アウトレット(40)に接続されている少なくとも1つのガス・アウトレット・コネクション(210)と、を備えている、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【請求項14】
請求項
12に記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
リアクション・チャンバ(20)は、ガス・インレット(30)から幅中心軸(Y)に向かう方向に長手方向中心軸(X)に沿って増加する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)からガス・アウトレット(40)に向かう方向に長手方向中心軸(X)に沿って減少する幅(W)を有し、
リアクション・チャンバ(20)は、幅中心軸(Y)からガス・インレット(30)に向かう方向および幅中心軸(Y)からガス・アウトレット(40)に向かう方向において、長手方向中心軸(X)に沿って一定の幅(W)を有している、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1つに記載のアトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)であって、
請求項
1~4のいずれか1つに記載の
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクション・チャンバ(20)を備える、
アトミック・レイヤー・デポジッション・リアクタ(10)。
【国際調査報告】