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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-21
(54)【発明の名称】睡眠製品
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240814BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20240814BHJP
   A23L 33/175 20160101ALI20240814BHJP
   A61K 36/84 20060101ALI20240814BHJP
   A61K 36/53 20060101ALI20240814BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20240814BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240814BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240814BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240814BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20240814BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240814BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/105
A23L33/175
A61K36/84
A61K36/53
A61K31/198
A61K9/48
A61P25/20
A61P43/00 121
A61K31/4045
A61K47/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024508443
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022030050
(87)【国際公開番号】W WO2023018461
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】17/398,811
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510030892
【氏名又は名称】シャクリー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】ホン ワン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LE02
4B018MD18
4B018MD19
4B018MD61
4B018MD66
4B018ME14
4B018MF01
4C076AA56
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC40
4C076DD46
4C086AA01
4C086BC13
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZC75
4C088AB23
4C088AB38
4C088BA08
4C088MA08
4C088MA37
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA05
4C088ZC75
4C206AA01
4C206GA18
4C206GA22
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA57
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA05
4C206ZC75
(57)【要約】
バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンを含む睡眠サプリメント組成物。特定の実施形態では、組成物はメラトニンも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠サプリメント組成物であって、50mg~275mgのバレリアン抽出物、20mg~140mgのレモンバーム抽出物、および1.0mg~13.0mgのL-テアニンを備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項2】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物であって、さらに、メラトニンを備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項3】
請求項2記載の睡眠サプリメント組成物において、0.5mg~5.5mgのメラトニンを備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項4】
請求項2記載の睡眠サプリメント組成物において、1.0mg~4.0mgのメラトニンを備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項5】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物において、100mg~200mgのバレリアン抽出物を備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項6】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物において、50mg~120mgのレモンバーム抽出物を備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項7】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物において、6.0mg~11.0mgのL-テアニンを備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項8】
請求項2記載の睡眠サプリメント組成物において、1.0mg~4.0mgのメラトニン、100mg~200mgのバレリアン抽出物、50mg~120mgのレモンバーム抽出物、および6.0mg~11.0mgのL-テアニンを備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項9】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物において、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンの合計量が100mg~400mgである、睡眠サプリメント組成物。
【請求項10】
請求項2記載の睡眠サプリメント組成物において、メラトニン、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンが、組成物の唯一の睡眠誘導活性成分である、睡眠サプリメント組成物。
【請求項11】
請求項8記載の睡眠サプリメント組成物において、メラトニン、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンが、組成物の唯一の睡眠誘導活性成分である、睡眠サプリメント組成物。
【請求項12】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物であって、さらに、少なくとも1つの賦形剤を備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項13】
50mg~275mgのバレリアン抽出物、20mg~140mgのレモンバーム抽出物、および1.0mg~13.0mgのL-テアニンを備える投薬単位であって、睡眠を促進するためのソフトジェルカプセルの形態である、投薬単位。
【請求項14】
請求項13記載の投薬単位であって、さらに、メラトニンを備える、投薬単位。
【請求項15】
請求項14記載の投薬単位において、0.5mg~5.5mgのメラトニンを備える、投薬単位。
【請求項16】
請求項14記載の投薬単位において、1.0mg~4.0mgのメラトニン、100mg~200mgのバレリアン抽出物、50mg~120mgのレモンバーム抽出物、および6.0mg~11.0mgのL-テアニンを備える、投薬単位。
【請求項17】
請求項16記載の投薬単位において、メラトニン、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンが、組成物の唯一の睡眠誘導活性成分である、投薬単位。
【請求項18】
請求項14記載の投薬単位において、前記ソフトジェルカプセルは、シェル及び充填組成物を含み、前記シェルは少なくとも1つの植物由来の成分でできており、前記充填組成物は、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、L-テアニン、およびメラトニンを備える、投薬単位。
【請求項19】
請求項18記載の投薬単位において、前記充填組成物は、さらに、中鎖脂肪酸のトリグリセリドを備える、投薬単位。
【請求項20】
睡眠を必要とする個人に睡眠を促進させる方法であって、請求項1記載の睡眠サプリメント組成物を経口投与によって該個人に投与する、方法。
【請求項21】
睡眠を必要とする個人に睡眠を促進させる方法であって、請求項8記載の睡眠サプリメント組成物を経口投与によって該個人に投与する、方法。
【請求項22】
睡眠を必要とする個人に睡眠を促進させる方法であって、請求項13記載の投薬単位を経口投与によって該個人に投与する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
栄養補助食品は、食事を補うことを意図した製品である。栄養補助食品は、ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸、その他の物質を含む、1つ以上の栄養成分を含有することができる。栄養補助食品は、錠剤、カプセル、タブレット、液体として口から摂取することができ、通常、栄養補助食品であることを前面パネルに表示することができる。
【発明の概要】
【0002】
本明細書において開示する一実施形態は、50mg~275mgのバレリアン抽出物、20mg~140mgのレモンバーム抽出物、および1.0mg~13.0mgのL-テアニンを含む睡眠サプリメント組成物である。
【0003】
また、50mg~275mgのバレリアン抽出物、20mg~140mgのレモンバーム抽出物、および1.0mg~13.0mgのL-テアニンを含む投薬(服薬)単位であって、睡眠を促進するためのソフトジェルカプセルの形態である、投薬単位を開示する。
【0004】
さらに、本明細書に記載の睡眠サプリメント組成物または投薬単位を個人に経口投与することによって、それを必要とする個人の睡眠を促進するための方法を開示する。
【0005】
[発明の詳細な説明]
<用語説明>
以下の用語および方法の説明は、本化合物、組成物および方法をより良く説明するため、および本開示の実施において当業者を導くために提供する。また、本開示において使用する用語は、特定の実施形態および実施例を説明する目的のみのものであり、限定することを意図するものではないことを理解すべきである。
本明細書で使用する「投与(Administration)」は、他人による対象への投与または対象による自己投与を含む。
「有効量(effective amount)」は、個人において所望の効果を達成するのに十分な特定の薬剤の量をいう。
【0006】
<組成物>
本明細書で開示するのは、特に、睡眠を誘発および維持し、自然な睡眠を促し、睡眠の質を改善し、入眠に要する時間を短縮し、および/または深く安らかな睡眠を達成するために個人を支援するのに有用な、栄養補助食品の形態の組成物である。組成物は、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンを含む。特定の実施形態において、組成物はまた、メラトニンを含む。特定の実施形態において、メラトニン、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンは、組成物中の唯一の睡眠誘導活性成分である。
【0007】
特定の実施形態において、メラトニンは、少なくとも0.5、1.0、1.5、2.0、2.5または3mgの量で存在し得る。特定の実施形態において、メラトニンは、最大1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0または5.5mgの量で存在し得る。特定の実施形態において、メラトニンは、0.5~5.5mg、より詳細には、1.0~4.0mgの量で存在する。
【0008】
特定の実施形態において、バレリアン抽出物は、少なくとも50、75、100、125、150、175、200または225mgの量で存在し得る。特定の実施形態において、バレリアン抽出物は、75、100、125、150、175、200、225、250または275mgまでの量で存在し得る。特定の実施形態において、バレリアン抽出物は、50~275mg、より詳細には、100~200mgの量で存在する。
【0009】
特定の実施形態において、レモンバーム抽出物は、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90または100mgの量で存在し得る。特定の実施形態において、レモンバーム抽出物は、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130または140mgまでの量で存在し得る。特定の実施形態において、レモンバーム抽出物は、20~140mg、より詳細には、50~120mgの量で存在する。
【0010】
特定の実施形態において、L-テアニンは、少なくとも1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0または8.0mgの量で存在し得る。特定の実施形態において、L-テアニンは、最大4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0、12.0または13.0mgの量で存在し得る。特定の実施形態において、L-テアニンは、1.0~13.0mg、より詳細には、6.0mg~11.0mgである。
【0011】
特定の実施形態において、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンの合計量は、100mg~400mg、より詳細には、150mg~300mgである。
【0012】
特定の実施形態において、バレリアン抽出物は、セイヨウカノコソウ(Valeriana officinalis)の根由来のものである。
【0013】
特定の実施形態において、レモンバーム抽出物は、セイヨウヤマハッカ(Melissa officinalis)の葉由来のものである。
【0014】
組成物は、例えば、栄養補助食品の剤形(錠剤またはカプセルなど)、液体(飲料またはゲルなど)、および消耗品(液体と混合される食品または粉末など)の形態の栄養補助食品を製造するために、薬学的に許容される担体中に配合することができる。
【0015】
組成物は、少なくとも1つの賦形剤を含み得る。特定の実施形態において、賦形剤は、組成物の有効成分の担体として使用される不活性物質である。賦形剤には、非常に強力な活性成分を有する製剤を嵩上げし、便利で正確な投与を可能にし、活性成分を安定化し、送達系を光学的および/または有機的に許容できるようにするために使用される物質が含まれ得る。医薬賦形剤の例としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。
【0016】
非特許文献1(Remington's Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th Edition(1995))には、1つ以上の組成物の医薬的送達に適した組成物および製剤が記載されている。薬学的に許容される賦形剤の使用は、そのように製造された製品が薬学的目的のみに有用であることを意味するものではない。むしろ、その製品が、例えば、被験体による経口摂取に適した医薬または栄養補助食品として、被験体への投与または被験体による摂取に適していることを意味する。
【0017】
一般に、賦形剤の性質は、採用される特定の投与様式に依存する。例えば、非経口製剤は通常、媒体として水、生理的食塩水、平衡塩類溶液、デキストロース水溶液、グリセロールなどの薬学的および生理学的に許容される流体を含む注射液からなる。固形組成物(例えば、粉末、錠剤、またはカプセル剤)の場合、従来の非毒性の固形媒体としては、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムが挙げられる。生物学的に中性の媒体に加えて、投与される組成物は、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートなどの湿潤剤または乳化剤、防腐剤、pH緩衝剤などの非毒性の補助物質を少量含むことができる。
【0018】
開示する組成物は、複数投薬または単回投薬の容器に封入することができる。組成物はまた、例えば、使用のために組み立てることができる構成部分を含むキットで提供され得る。例えば、開示された成分の1つ以上が凍結乾燥形態で提供され得、適切な希釈剤が、使用前の組み合わせのために分離された成分として提供され得る。容器は、経口投与のための錠剤、ゲルカプセル、徐放性カプセルなどを含むが、これらに限定されない、所望の投与様式に適合していることが好ましい。
【0019】
活性成分は、治療対象に対して望ましくない副作用がなく、治療上有用な効果を発揮するのに十分な量で薬学的に許容される担体に含まれる。治療上有効な濃度は、公知のインビトロ(体外)およびインビボ(体内)のモデル系で化合物を試験することにより経験的に決定することができる。いくつかの例において、治療上有効な量の成分は、組成物が投与される少なくとも1つの状態を軽減または改善する量である。一般的には、組成物は単回投与用に処方する。組成物中の活性成分の濃度は、活性成分の吸収、不活性化、および排泄速度、投薬(服薬)スケジュール、および投与される量、ならびに当業者に公知の他の要因に依存する。
【0020】
いくつかの例では、活性成分は少なくとも1つの生理学的に許容される担体および/または賦形剤と配合し、投薬単位形態とする。それらの組成物または製剤中の活性物質の量は、示された範囲の適切な投薬(服薬)量が得られるようなものである。「投薬単位(dosage unit)」という用語は、ヒト被験者および他の哺乳動物に対する単位投薬量として適切な物理的に離散した単位を指し、各単位は、適切な医薬賦形剤と関連して、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性物質を含有する。
【0021】
開示する組成物は、単回投薬として投与し得るか、または時間の間隔で投与する多数のより少ない投薬量に分割し得る。組成物は、単回投薬送達、長期間にわたる連続送達、反復投与プロトコル(例えば、複数日、毎日、毎週、または毎月の反復投与プロトコル)による投与が可能である。
【0022】
懸濁液として経口投与する場合、これらの組成物は、医薬製剤の技術分野において周知の技術に従って調製し、嵩を付与するための微結晶セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、粘度増強剤としてのメチルセルロース、および甘味剤/香料を含有することができる。即時放出錠剤として、これらの組成物は微結晶セルロース、第二リン酸カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよびラクトースおよび/または他の賦形剤、結合剤、拡張剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含むことができる。経口投与が望まれる場合、典型的には、組成物は、胃の酸性環境から保護する組成物で提供する。例えば、組成物は、胃でその完全性を維持し、腸で活性化合物を放出する腸溶性コーティングに配合することができる。組成物はまた、制酸剤または他のそのような成分と組み合わせて配合することもできる。
【0023】
経口組成物は、一般に不活性希釈剤または食用担体を含み、錠剤に圧縮するか、ゼラチンカプセルに封入することができる。経口治療投与の目的のために、活性成分は賦形剤と組み合わされ、錠剤、カプセル剤またはトローチ剤の形態で使用され得る。薬学的に適合性のある結合剤およびアジュバント材料を組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または類似の性質を有する化合物のいずれかを含むことができるが、これらに限定されない:トラガントガム、アカシア、トウモロコシデンプン、ゼラチンなどの結合剤;微結晶セルロース、デンプン、乳糖などの賦形剤;アルギン酸、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤、ただしこれらに限定されない;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ただしこれらに限定されない;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤、ただしこれらに限定されない;スクロース、サッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチル、フルーツフレーバーなどの香味剤。
【0024】
剤形がカプセルの場合、上記のタイプの材料に加えて、脂肪油のような液体担体を含むことができる。さらに、投薬単位形態は、投薬単位の物理的形態を変更する他の様々な材料、例えば、糖および他の腸溶性薬剤のコーティングを含むことができる。
【0025】
経口投与する場合、組成物は経口投与用の剤形で投与することができる。これらの剤形には、錠剤およびカプセル剤の通常の固体単位剤形、および溶液、懸濁液、エリキシル剤のような液体剤形が含まれる。固体剤形を使用する場合、化合物を1日1回または2回のみ投与すればよいように、徐放性タイプであることが好ましい。いくつかの例では、経口剤形を1日に1回、2回、3回、4回、またはそれ以上投与する。
【0026】
粉末、錠剤、錠剤、またはカプセルのような固形組成物の場合、従来の非毒性固形担体としては、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを挙げることができる。生物学的に中性の担体に加えて、投与される医薬組成物は、湿潤剤、乳化剤、防腐剤、pH緩衝剤などのような少量の非毒性の補助物質または賦形剤を任意に含むことができる;例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートなどである。他の非限定的な賦形剤としては、クレモフォーのような非イオン性可溶化剤、またはヒト血清アルブミンのようなタンパク質が挙げられる。
【0027】
特定の実施形態では、充填組成物と、充填物を取り囲むシェルとを含むカプセルを提供する。充填組成物は、本明細書に記載される睡眠組成物のいずれであってもよい。充填組成物はまた、以下により詳細に記載されるように、液体媒体成分を含んでもよい。任意に、シェルの周囲にコーティングを設けてもよい。
【0028】
このカプセルは、充填組成物の劣化を防ぎ、室温で数ヶ月の保存が可能である。カプセルは、個人による自己投与に適合している。カプセルのシェルは、カプセルが摂取された後、消化管内で溶解または崩壊し、それにより、カプセルを摂取する個人の体内に吸収されるように治療組成物を放出する。
【0029】
カプセルのシェルは通常、摂取後に容易に溶解または崩壊する動物由来または植物由来の成分でできている。動物由来成分には、動物の皮膚および/または骨のコラーゲンから製造されるゼラチンが含まれ得る。特定の実施形態では、カプセルはゼラチン製である。ゼラチン様特性を有する全合成高分子化学物質などの他の適切なマトリックス物質を、カプセルの製造に使用してもよい。植物由来成分には、植物性デンプン、セルロース、ヒプロメロース(セルロースから製剤化されたポリマー)またはプルラン(タピオカデンプンから生成された多糖ポリマー)が含まれ得る。いくつかの実施形態において、植物由来成分は、カラギーナン、ジャガイモデンプン、キャッサバデンプン、コーンスターチ、アロールート、またはそれらの組み合わせを含み得る。カプセルシェルの組成、製造および使用は、当該技術分野において周知である。
【0030】
特定の実施形態では、カプセルは、本明細書でも言及されるソフトジェルカプセルである。ソフトジェルカプセルは、液体媒体中に溶解、分散、および/または懸濁された治療成分などの液体ベースの成分を含有するのに特に適している。ソフトジェルカプセルはまた、空気および光からの完全な保護を必要とする物質に対して特に利点を有する。例えば、ソフトジェルカプセルは、かなりの量(例えば、少なくとも90%、少なくとも99%、または最大100%)の紫外線が、ソフトジェルカプセルを透過するのを遮断することができる。
【0031】
ソフトジェルカプセルの利点の一つは、吸収の速度と程度が改善され、特に水溶性薬剤の場合、投薬(服薬)量あたりのばらつきが減少することである。ソフトジェルカプセルのもう一つの利点は、例えば錠剤やハードシェルカプセルよりも実質的に飲み込みやすいことである。さらにもう一つの利点は、錠剤や硬いシェルのカプセルのような代替品に関連する貧弱な味、後味、鋭いエッジ、または他の感覚的な問題がないことである。もう一つの利点は、錠剤や硬いシェルのカプセルと比較して、患者のコンプライアンスが改善されることである。
【0032】
もう一つの利点は、液体剤形に製剤化しなければならない医薬品の経口投与が、容易で便利なことである。さらにもう一つの利点は、固形または粉末の形態と比較して、液体の治療薬の正確な量を制御する能力が向上することである。もう一つの利点は、製剤化後および投与前の投薬量の改ざんおよび/または変更を防げることである。さらにもう一つ利点は、活性治療剤が密封されていることである。
【0033】
もう一つの利点は、錠剤、顆粒剤、粉末剤と比較して、製剤の均質性が向上することである。さらにもう一つの利点は、ソフトジェルカプセル中の治療薬の安定性が向上することである。もう一つの利点は、ハードシェルカプセルと比較して、ソフトジェルカプセルの保存が容易であり、保存可能期間が延長されることである。さらにもう一つの利点は、投与時にソフトジェルカプセルが迅速に崩壊し、治療薬の吸収速度が向上し、それにより、例えば錠剤と比較して治療効果の速度が向上することである。もう一つの利点は、治療薬の血漿変動が実質的に減少することであり、それにより、錠剤やハードシェルカプセルと比較して、投与時の生物学的利用率のレベルが向上する。
【0034】
ソフトジェルカプセルのシェルは、典型的には、動物由来成分および/または植物由来成分と、グリセリンなどの可塑剤および水などの溶媒とを組み合わせたものである。いくつかの実施形態において、セルロース、ヒプロメロース、植物性デンプン、タピオカデンプン、カラギーナン、ジャガイモデンプン、キャッサバデンプン、コーンスターチ、アロールートまたはそれらの組み合わせなどの植物由来成分が、ベジタリアン用ソフトジェルカプセルを製造するためにゼラチンの代わりに使用され得る。重合または活性化架橋に適した、ゼラチンまたはデンプンに類似した特性を有する他の動物由来または植物由来の成分を使用することもできる。ソフトジェルカプセルのシェルは、典型的には、当該技術分野で知られている連続工程で製造し、治療用製剤を充填する。
【0035】
「可塑剤(plasticizer)」という用語は、ゼラチンまたはデンプンに添加してソフトジェルカプセルを形成する物質を指す。可塑剤には、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、他の適切なポリオール、またはそれらの組み合わせが含まれる。可塑剤の量は、所望のレベルの軟らかさ及び柔軟性を有するソフトジェルのシェルになるように調整することができる。いくつかの実施形態は、約30~約50重量%の植物由来成分;少なくとも18重量%、好ましくは約40重量%までの可塑剤;および約20~約50重量%の水を含み得る。これらの配合物をカプセルに成形し、乾燥させると、約40~約75重量%の植物由来成分;約18~約40重量%の可塑剤;および約5~約15重量%の水を含むソフトジェルカプセルが得られる。ソフトジェルカプセルのシェルは、適切な量の植物由来成分、水、可塑剤および任意の成分を適切な容器に入れ、均一な溶液が得られるまで加熱しながらかき混ぜる(agitate)および/または揺れ混ぜる(stir)ことにより調製することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、ソフトジェルのシェルは、層またはコーティングを含む。コーティングは、投与時にカプセルの内容物の制御放出、遅延放出または持続放出を可能にするフィルムコーティングまたは腸溶性コーティングを含み得る。
【0037】
「防腐剤(preservative)」という用語は、細菌、真菌、カビ、その他の微生物の増殖を防ぐために使用される化合物を指す。これらは、個々の抗菌性(細菌の破壊および増殖抑制)、抗真菌性(真菌の破壊および増殖抑制)、抗微生物性、抗マイコプラズマ性、抗ウイルス性および/または抗プリオン性のために使用する。適切な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなど)、デヒドロ酢酸ナトリウム、o-クレゾール、p-クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニルメルカリウム、チメロサール、安息香酸、および1つまたは複数の任意の混合物などの少なくとも1つを挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、非特許文献2(Wallhauser, K., Develop. Biol. Standard. 24,pp. 9~28(Basel, S. Krager,1974))を参照のこと。いくつかの実施形態において、ソフトゼラチンのシェルは、真菌の増殖を防止するための保存剤を含んでもよい。特定の実施形態において、防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、およびイソブチルパラベンなどのパラベン、およびブチルパラベンナトリウムなどのそれらの塩、安息香酸およびその塩、ならびにエステル、ベンジルアルコール、ジアゾフィジニル尿素、イミダゾリジニル尿素、およびDMDMヒダントインなどの尿素誘導体、ソルビン酸およびその塩などを含み得る。様々な実施形態において、防腐剤はなくてもよい。
【0038】
「不透明化剤(opacifier)」という用語は、製剤に添加したときに、その後の系を不透明にする薬剤または薬剤の混合物を指す。代表的な不透明化剤としては、薬学的に許容される金属酸化物、特に二酸化チタンが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ソフトジェルの植物由来成分質量と混合した約0.2重量%~約1.2重量%の不透明化剤を含むことができる。ある実施形態では、不透明化剤はなくてもよい。
【0039】
「香味料(flavorant)」という用語は、所望の味および/または匂いを提供する化合物を指す。香味料は天然化合物でも人工化合物でもよく、油溶性でもよいが、油溶性である必要はない。香味料には、酢酸イソアミル(または他のバナナ香味料)、ベンズアルデヒド(または他のアーモンド香味料)、桂皮アルデヒド(または他のシナモン香味料)、クエン酸またはプロピオン酸エチル(または他のフルーティー香味料)、アントラニル酸メチル(または他のブドウ香味料)、リモネン(または他のオレンジ香味料)、デカジエン酸エチル(または他の洋ナシ香味料)ヘキサン酸アリル(または他のパイナップル香味料)、エチルマルトール(または他の砂糖または綿菓子香味料)、エチルバニリン(または他のバニラ香味料)、サリチル酸メチル(または他のウィンターグリーン香味料)、モノ酢酸グリセリル(E1516食品添加物)、ジ酢酸グリセリル(E1517食品添加物)、およびそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約2重量%の香味料を含むことができる。
「着色料(colorant)」という用語は、色を付与する顔料、染料、色合いなどの組成物または化合物を指すが、これらに限定されない。代表的な着色料としては、カロテノイド(E160、E161、E164)、クロロフィリン(E140、E141)、アントシアニン(E163)、およびベタニン(E162)が挙げられる。アナトー(E160b)、アチョーテの種子から作られる赤橙色色素、カラメル色素(E150a-d)、コチニール昆虫Dactylopius coccus由来の赤色色素であるカルミン(E120)、エルダーベリー果汁(E163)、リコピン(E160d)、パプリカ(E160c)、ウコン(E100)などの着色料も使用することができる。
【0040】
本明細書で使用される「賦形剤(excipient)」という用語には、上記の防腐剤、可塑剤、不透明化剤、着色剤および香味剤、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。賦形剤という用語はまた、溶媒、結合剤、界面活性剤、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ソフトジェルカプセルの製剤に使用できる適切な賦形剤または添加剤は、例えば、非特許文献3(Lachman, et al., "The Theory and Practice of Industrial Pharmacy," 4th Edition (2013))、非特許文献4(Rowe et al., "Handbook of Pharmaceutical Excipients," 8th Edition (2017);)、および非特許文献5(Remington, "The Science and Practice of Pharmacy," 22nd Edition (2015))に記載されている。規制の観点からは、本明細書に記載のソフトジェルカプセルの製剤化に使用されるすべての賦形剤および添加剤は、経口医薬剤形での使用が承認されていることが望ましい。
【0041】
カプセルのソフトジェルのシェルには睡眠組成物を充填する。睡眠組成物は、液体媒体と混合、溶解、分散、懸濁、または乳化させることができる。液体媒体の特性は、親水性であっても親油性であってもよい。特定の実施形態において、液体媒体は、親水性材料と親油性材料の組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、親水性材料、親油性材料、またはそれらの組み合わせを、予備濃縮の形態でソフトジェルのシェル内にカプセル化する。いくつかの実施形態において、予備濃縮は、1つ以上の界面活性剤をさらに含む。特定の実施形態において、液体媒体の成分は、ソフトジェルカプセルの経口投与前、投与中または投与後のいずれかにエマルションの形態で存在する。様々な実施形態において、エマルションは、マイクロエマルション、ナノエマルションおよびそれらの組み合わせを含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、液体媒体は、シリコーン油、植物油、グリセリン、水素化植物油、レシチン、ミツロウ、トコフェロール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 200、300、400または600)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、プロピレングリコール、中鎖脂肪酸のトリグリセリド、オメガ油、大豆油、カノーラ油、ヒマワリ油、マカデミア油、ピーナッツ油、グレープシード油、カボチャ種子油、亜麻仁油、亜麻仁油、オリーブ油、コーン油、サフラワー油、ゴマ油、松核油、共役リノール酸、アーモンド油、ピーチカーネル油、アプリコットカーネル油、クルミ油、菜種油、ラズベリー種子油、ビルベリー種子油、クランベリー種子油、ザクロ種子油およびその他の果実種子油、シーバックソーン油、チア油、シソ油、ジグリセロール(DAG)油、植物由来のオメガ3源、エイコサペンタエン酸(EPA)発酵源、ドコサヘキサエン酸(DHA)発酵源、EPA、DHAおよび他のオメガ3の組み合わせの発酵供給源(魚油、ヒルオイル、ガンマリノレン酸(GLA)またはステアリドン酸(SA)の供給源、分別ココナッツオイル、およびそれらの組み合わせを含む)。DHA、EPAおよびα-リノール酸(ALA)の供給源としては、魚油、酵母その他の微生物または単細胞源、および植物油(主に亜麻仁、大豆、キャノーラ)のうち1つ以上の油を含むことができるが、これらに限定されない。GLAの供給源としては、月見草油、カシス種子油、ボラージ油、エキウム油などがあるが、これらに限定されない。
【0043】
開示された本発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示された実施形態は本発明の好ましい例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして捉えられるべきではないことを認識すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眠サプリメント組成物であって、1.0mg~4.0mgのメラトニン、100mg~200mgのバレリアン抽出物、50mg~120mgのレモンバーム抽出物、および6.0mg~11.0mgのL-テアニンを備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項2】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物において、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物およびL-テアニンの合計量が100mg~400mgである、睡眠サプリメント組成物。
【請求項3】
請求項記載の睡眠サプリメント組成物において、メラトニン、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンが、組成物の唯一の睡眠誘導活性成分である、睡眠サプリメント組成物。
【請求項4】
請求項1記載の睡眠サプリメント組成物であって、さらに少なくとも1つの賦形剤を備える、睡眠サプリメント組成物。
【請求項5】
50mg~275mgのバレリアン抽出物、20mg~140mgのレモンバーム抽出物、および1.0mg~13.0mgのL-テアニンを備える投薬単位であって、睡眠を促進するためのソフトジェルカプセルの形態である、投薬単位。
【請求項6】
請求項記載の投薬単位であって、さらにメラトニンを備える、投薬単位。
【請求項7】
請求項記載の投薬単位において、0.5mg~5.5mgのメラトニンを備える、投薬単位。
【請求項8】
請求項記載の投薬単位において、1.0mg~4.0mgのメラトニン、100mg~200mgのバレリアン抽出物、50mg~120mgのレモンバーム抽出物、および6.0mg~11.0mgのL-テアニンを備える、投薬単位。
【請求項9】
請求項記載の投薬単位において、メラトニン、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、およびL-テアニンが、投薬単位の唯一の睡眠誘導活性成分である、投薬単位。
【請求項10】
請求項記載の投薬単位において、前記ソフトジェルカプセルは、シェルおよび充填組成物を含み、シェルは少なくとも1つの植物由来成分でできており、充填組成物は、バレリアン抽出物、レモンバーム抽出物、L-テアニン、およびメラトニンを備える、投薬単位。
【請求項11】
請求項10記載の投薬単位において、充填組成物がさらに中鎖脂肪酸のトリグリセリドを備える、投薬単位。
【請求項12】
睡眠を必要とする個人に睡眠を促進させることを含む方法であって、請求項1記載の睡眠サプリメント組成物を経口投与によって該個人に投与する方法。
【請求項13】
睡眠を必要とする個人に睡眠を促進することを含む方法であって、請求項記載の投薬単位を経口投与によって、該個人に投与する方法。
【国際調査報告】